(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】複数のケイ素化合物の選択的なモニタリング
(51)【国際特許分類】
G01N 27/416 20060101AFI20230217BHJP
G01N 27/26 20060101ALI20230217BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20230217BHJP
【FI】
G01N27/416 341G
G01N27/26 361E
H01L21/306 E
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021167038
(22)【出願日】2021-10-11
(62)【分割の表示】P 2019183366の分割
【原出願日】2019-10-04
【審査請求日】2021-12-08
(32)【優先日】2018-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519271126
【氏名又は名称】イーシーアイ テクノロジー、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユージーン シャーリット
(72)【発明者】
【氏名】グアン リャン
【審査官】倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-203252(JP,A)
【文献】特開2015-195306(JP,A)
【文献】特開2013-041923(JP,A)
【文献】特開平07-086260(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0018358(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/26,27/333,27/403,27/416
G01N 30/02,30/86,
H01L 21/306
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定する方法であって:
第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物を含む所定の容積のエッチング溶液を含む試験溶液を提供すること;
フッ化物ベースの化合物を含む試薬を
前記試験溶液に
第1の条件で添加して、
前記第1のケイ素化合物に対しケイ素:フッ素
について第1の比率で反応させ、
前記第2のケイ素化合物に対しケイ素:フッ素について第2の比率で反応させ、前記第1の比率及び前記第2の比率に基づいて決定されるケイ素:フッ素について第1の結合比を有する
第1の測定対象溶液を与え、前記第1の測定対象溶液に対し第1の測定を実施すること;
前記試薬を
前記試験溶液に
第2の条件で添加して、
前記第1のケイ素化合物に対しケイ素:フッ素について第3の比率で反応させ、
前記第2のケイ素化合物に対しケイ素:フッ素について第4の比率で反応させ、前記第3の比率及び前記第4の比率に基づいて決定されるケイ素:フッ素について第2の結合比を有する
第2の測定対象溶液を与え、前記第2の測定対象溶液に対し第2の測定を実施すること;及び
前記第1の測定及び
前記第2の測定に基づいて
前記試験溶液中の前記第1のケイ素化合物及び
前記第2のケイ素化合物の濃度を決定すること、
を含み、
前記第1の測定及び
前記第2の測定を実施することが、
前記第1の
測定対象溶液及び
前記第2の
測定対象溶液中のフッ化物イオンの測定濃度を測定することを含み、
前記第1のケイ素化合物が、
前記第2のケイ素化合物とは異なり、
前記第1の比率と前記第3の比率が異なるか、または前記第2の比率と前記第4の比率が異なり、
前記第1の結合比と
前記第2の結合比とは異なる、前記の方法。
【請求項2】
前記試薬が、所定の濃度のフッ化物イオンを含み、そして、
前記第1の測定及び
前記第2の測定を実施することが、
前記第1の条件で前記試薬が添加された試験溶液及び
前記第2の条件で前記試薬が添加された前記試験溶液中のフッ化物イオンの測定濃度と、
前記試験溶液に添加されたフッ化物イオンの所定の濃度との相違からケイ素濃度を決定することを更に含む、請求項1の方法。
【請求項3】
フッ化物イオンの測定濃度を測定することが、イオンクロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、又は電気化学法を使用することを含む、請求項1の方法。
【請求項4】
フッ化物イオンの測定濃度を測定することが、フッ化物イオン選択電極を使用することを含む、請求項3の方法。
【請求項5】
第2の条件が、所定の容積の共溶媒を当
該試験溶液に添加することを含む、請求項1の方法。
【請求項6】
共溶媒が、
前記試薬とプレブレンドされる、請求項5の方法。
【請求項7】
共溶媒が水性である、請求項5の方法。
【請求項8】
共溶媒が脱イオン水を含む、請求項5の方法。
【請求項9】
共溶媒が非水性である、請求項5の方法。
【請求項10】
共溶媒が、カルボン酸、スルホン酸、又はそれらの組合せを含む、請求項9の方法。
【請求項11】
共溶媒が、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、それらの置換誘導体、又はそれらの組合せを含む、請求項10の方法。
【請求項12】
当該試験溶液が、当該試験溶液の総重量に基づいて約10重量%~約100重量%の量で存在するリン酸を含む、請求項1の方法。
【請求項13】
窒化ケイ素を
前記試験溶液で選択的にエッチングすることを更に含む、請求項12の方法。
【請求項14】
材料を当該試験溶液で選択的にエッチングして、マイクロ電子デバイスを製造することを更に含む、請求項12の方法。
【請求項15】
当該試験溶液を提供することが、再循環ループから当該試験溶液をサンプリングすることを含む、請求項1の方法。
【請求項16】
エッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定する方法であって:
第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物を含む所定の容積のエッチング溶液を含む試験溶液を提供すること;
フッ化物ベースの化合物を含む試薬を当該試験溶液に添加することによって、
前記第1のケイ素化合物についてケイ素:
フッ素を第1の比率で反応させ、前記第2のケイ素化合物についてケイ素:フッ素を第2の比率で反応させること及び第1の測定を実施すること;
所定の容積の共溶媒を
前記試験溶液に添加する
とともに、前記試薬を添加することによって、
前記第1のケイ素化合物についてケイ素:
フッ素を第3の比率で反応させ、前記第2のケイ素化合物についてケイ素:フッ素を第
4の比率で反応させること及び第2の測定を実施すること;及び
前記第1の測定及び
前記第2の測定に基づいて
前記第1のケイ素化合物及び
前記第2のケイ素化合物の濃度を決定すること、
を含み、
前記第1の測定
を実施することが前記試薬を添加した前記試験溶液について、前記第2の測定を実施することが
前記共溶媒と前記試薬を添加した前記試験溶液についてフッ化物イオンの測定濃度を測定することを含み、
前記第1のケイ素化合物が、
前記第2のケイ素化合物とは異なり、
前記第1の比率が、
前記第2の比率とは異な
り、
前記第1の比率と前記第3の比率が異なるか、または前記第2の比率と前記第4の比率が異なる、前記の方法。
【請求項17】
前記試薬が、所定の濃度のフッ化物イオンを含み、そして、第1の測定及び第2の測定を実施することが、フッ化物イオンの測定濃度と、
前記試験溶液に添加されたフッ化物イオンの所定の濃度との相違からケイ素濃度を決定することを更に含む、請求項16の方法。
【請求項18】
フッ化物イオンの測定濃度を測定することが、イオンクロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、又は電気化学法を使用することを含む、請求項16の方法。
【請求項19】
エッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定する方法であって:
第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物を含む所定の容積のエッチング溶液を含む試験溶液を提供すること;
当該試験溶液の第1部分を提供すること;
前記第1部分について、前記第1のケイ素化合物と前記第2のケイ素化合物におけるケイ素の形態に対する同等の敏感さを有する、第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物の合計濃度の測定を含む、第1の測定を実施すること;
当該試験溶液の第2部分を提供すること
;
フッ化物ベースの化合物を含む試薬を前記試験溶液の第2部分に添加して、前記
第1のケイ素化合物と前記第2のケイ素化合物のケイ素に対する異なる敏感さでケイ素と前記試薬を反応させて所定のケイ素:フッ素の結合比を
有する測定対象溶液を与え、
前記測定対象溶液中のフッ化物イオンの測定濃度を測定することを含む第2の測定を実施することであって、ここで、当該第2の測定は、各ケイ素の形態に対する等しくない敏感さを適用して、
敏感さに応じて重みづけされたケイ素化合物の合計濃度を測定することによって、実施されること;及び
前記第1の測定及び前記第2の測定に
てそれぞれ測定されるケイ素化合物の合計濃度が異なることと、前記第2の測定における前記敏感さの相違に基づいて第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物の濃度を決定すること、
を含む前記の方法。
【請求項20】
前記試薬が、所定の濃度のフッ化物イオンを含み、そして、
第1の測定と前記第2の測定がフッ化物イオンの測定濃度
を含み、そのフッ化物イオンの濃度測定が、溶媒有りで又は無しで
行われる、請求項19の方法。
【請求項21】
フッ化物イオンの測定濃度を測定することが、イオンクロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、又は電気化学法を使用することから成る群から選択される、請求項19の方法。
【請求項22】
第1の測定が、AAS(AES)、ICP-OES(AES)、ICP-MS、MP-OES(AES)、またはそれらの組合せを使用して実施される、請求項19の方法。
【請求項23】
第1の測定を実施することよりも前に、当該試験溶液の第1部分を希釈することを更に含む、請求項19の方法。
【請求項24】
リン酸、ケイ素化合物、及び水を含むエッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定するための装置であって:
所定の容積のエッチング溶液及び所定の容積の共溶媒を含む第1の
測定対象溶液を含有するように適合されていて、共溶媒が所定の濃度のフッ化物ベースの試薬を含む、第1の分析セル;
所定の容積のエッチング溶液を含む第2の
測定対象溶液を含有するように適合されている、第2の分析セル;
所定の容積のエッチング溶液を受けるように適合されている、第1の分析セル及び第2の分析セルに流体的に結合しているリザーバ;
所定の容積の共溶媒を受けるように適合され第1の分析セ
ルに流体的に結合している
容器;
第1の
測定対象溶液中のフッ化物イオンの濃度を測定するために第1の分析セルに動作するように結合している参照電極及びフッ化物イオン特異電極;
第2の
測定対象溶液の合計のケイ素濃度を測定するために第2の分析セルに動作するように結合している元素分析装置;及び
命令が格納された記憶素子を有するプロセッサーを含み、
当該命令は、実行された時に、当該装置に、下記を引き起こすように構成されている:
所定の容積のエッチング溶液を、
前記リザーバから第1の分析セル及び第2の分析セルに提供し、
所定の容積の共溶媒を、容器から第1の分析セルに提供し、共溶媒は、所定の濃度のフッ化物ベースの試薬を含み、ここで、当該所定の濃度のフッ化物ベースの試薬は、第1の
測定対象溶液中の実質的に全てのケイ素イオンと反応するように要求されるものの所定の結合比でかつ化学量論的に過剰で、添加され、その結果、フッ化物イオン特異電極及び参照電極が第1の
測定対象溶液と接触し、
フッ化物イオン特異電極の電位を測定し、
第1の
測定対象溶液に添加された所定の濃度のフッ化物イオンの予測電位と、当該フッ化物電極の測定電位との相違に基づいて、第1の
測定対象溶液中の
、ケイ素化合物とフッ化物イオンの反応の比率に応じて重みづけされたケイ素イオンの濃度を決定し、
及び
所定の容積の第2の
測定対象溶液を、第2の分析セルから、元素分析用の元素分析装置に提供し、そして、第2の
測定対象溶液の合計のケイ素濃度を決定する、
前記の装置であって、しかも、
第1の
測定対象溶液中のケイ素イオンの濃度及び第2の
測定対象溶液中の合計のケイ素濃度に基づいて、
前記エッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定する、前記の装置。
【請求項25】
エッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定する方法であって:
第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物を含む所定の容積のエッチング溶液を含む試験溶液を提供すること;
当該試験溶液の第1部分を提供すること;
第1の測定が、第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物の
ケイ素の合計濃度の測定を含む、当該試験溶液の第1部分の第1の測定を実施すること;
当該試験溶液の第2部分を提供すること;
第2の測定を実施することであって、第2の測定は、フッ化物ベースの化合物を含む試薬を
前記試験溶液の第2の部分に添加した後、
前記第2の部分のフッ化物イオンの測定濃度又は
第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物ついて、フッ化物との反応比に応じて重みづけされた合計ケイ素濃度の測定を含むこと;及び
前記第1の測定及び
前記第2の測定に基づいて
前記第1のケイ素化合物及び
前記第2のケイ素化合物の濃度を決定すること、
を含む前記の方法。
【請求項26】
第1の測定が、紫外・可視-近赤外/赤外分光法(UV-Vis-NIR-IR)、ラマン分光法、電位差測定法、ボルタンメトリー、表面張力、クロマトグラフィー、又は、それらの組合せによって実施される、請求項
25の方法。
【請求項27】
合計ケイ素濃度が、AAS(AES)、ICP-OES(AES)、ICP-MS、MP-OES(AES)、またはそれらの組合せを介して測定される、請求項
25の方法。
【請求項28】
フッ化物ベースの化合物を含む試薬が、所定の濃度のフッ化物イオンを含み、そして、フッ化物イオンの測定濃度が、溶媒有りで又は無しで測定される、請求項
25の方法。
【請求項29】
フッ化物イオンの測定濃度を測定することが、イオンクロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、又は電気化学法を使用することから成る群から選択される、請求項
25の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、October 8, 2018に提出された米国仮出願第62/742,561及びJune 4, 2019に提出された米国仮出願第62/856,852に対する優先権の利益を主張する。それらの全体の内容は、参照としてここに組み込む。
【0002】
分野
本開示は、半導体処理液の分析に関するものであり、より詳しくは、シリコン(ケイ素)ウエハーエッチング溶液中の複数のケイ素化合物の選択的なモニタリングの技術に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
電着プロセスは、金属を堆積したり所望の特性を持つ製品を製造するために、金属仕上、半導体、プリント配線板、及びソーラー産業を含むいくつかの産業で、使用される。例えば、エッチングプロセスは、ケイ素集積回路(IC)チップ上の回路構成及び半導体デバイスの両方の製造用に、使用できる。半導体産業は、そのようなプロセスにおいて窒化ケイ素(Si3N4)材料を広く使用する。特定のプロセスは、下にあるケイ素/二酸化ケイ素層を露出するためにパターン化できてエッチングされることができる二酸化ケイ素(SiO2)の層の上に配置される窒化ケイ素(Si3N4)マスクを提供する。
【0004】
露出されたケイ素層は、その後に形成される金属酸化物半導体(MOS)トランジスタを電気的に絶縁するために、例えば高温(例えば、約800℃~約1200℃)で局所的に酸化されて、マスクされない領域に、より厚い絶縁二酸化ケイ素(SiO2)を製造することができる。窒化ケイ素マスクは、高温に耐えることができるが、高温(例えば、>約150℃)でも作動できる比較的強いエッチング液をも要求し得る。窒化ケイ素エッチングプロセスは、下にある二酸化ケイ素層の過剰なエッチングなしで、窒化ケイ素マスク材料の実質的に完全な除去を提供するように、きっちりと制御されるべきである。こうして、そのようなプロセスにおいて、二酸化ケイ素(SiO2)のエッチング速度に関連して窒化ケイ素(Si3N4)のエッチング速度を制御することが重要である。他の例では、垂直NAND(V-NAND)記憶装置の製造は、例えば、米国特許第8,940,182(to Hong, et al.)に記載されているように、二酸化ケイ素(SiO2)及び窒化ケイ素(Si3N4)の交互層の堆積と、その後の窒化ケイ素(Si3N4)層のエッチングを含むことができる。窒化ケイ素(Si3N4)は、半導体製造におけるいくつかの他の用途において、エッチング液としても使用できる。
【0005】
窒化ケイ素材料は、高温リン酸(H3PO4)溶液を使用して効果的にエッチングされることができる。窒化ケイ素エッチング液は、リン酸の濃縮溶液(例えば、約85重量%)であることができて、そして、約150℃よりも高い温度で(典型的に、例えば、約165℃で)作動することができる。そのようなエッチング溶液における窒化ケイ素(Si3N4)のエッチング速度と、二酸化ケイ素(SiO2)に関するその選択性は、使用中にエッチング溶液中に蓄積することができてそしてエッチングプロセスから導かれるケイ素イオンの濃度に、依存し得る。ケイ素イオンは、リン酸エッチング液中で窒化ケイ素(Si3N4)及び二酸化ケイ素(SiO2)の両方のエッチング速度を低減でき、そして、それらの選択性を改善することもできる。しかし、電解液は、窒化ケイ素(Si3N4)に対する十分な選択性を必ずしも持つとは限らない。
【0006】
しかし、溶液中のシリカの存在は、より多い量の二酸化ケイ素(SiO2)では、二酸化ケイ素(SiO2)及び窒化ケイ素(Si3N4)のエッチング速度を低減し得るのであり、こうして、二酸化ケイ素(SiO2)の存在下に窒化ケイ素(Si3N4)の選択的なエッチングを可能にする。より高い濃度の二酸化ケイ素(SiO2)は、選択性を改善し得るが、表面上に二酸化ケイ素(SiO2)(窒化ケイ素エッチングの生成物)を再堆積するための潜在的な粒子欠陥を増加させることもできる。それ故に、窒化ケイ素エッチングプロセスを最適化するために、及び、効果的なプロセス制御を提供するために、ケイ素イオンの蓄積から生じる選択性及びエッチング速度の変化、及び、シリカ含有量のモニタリングが考慮されるべきであることが、重要である。
【0007】
半導体産業は、例えば、特定の変性されたケイ素化合物を使用することによって、二酸化ケイ素の溶解性の問題に、取り組んできた。そのようなケイ素化合物は、有機シリケートを含むことができる。米国特許出願公開第2016/0018358(to Shalyt, et al.)は、プロセス溶液中の有機シリケートをモニタリングする方法を記載する。米国特許第8,821,752(to Cho, et al.)に記載されるように、そのようなエッチング溶液は、リン酸シリル化合物を含むことができる。例えば、エッチング組成物は、リン酸シリル化合物、リン酸、及び脱イオン水を含むことができる。米国特許第8,940,182(to Hong, et al.)に記載されるように、そのようなエッチング溶液は、ケイ素原子、ケイ素原子と結合したアミノ基を有する原子団、及び、ケイ素原子と結合した少なくとも2つの酸素原子、を含むケイ素化合物を含むことができる。例えば、エッチング溶液は、そのようなケイ素化合物、リン酸、及びアンモニウムイオンを含むことができる。
【0008】
水溶液中のケイ素濃度を測定する特定の方法は、溶液中の合計のケイ素の測定を可能にした。米国特許第8,008,087(to Shalyt, et al.)は、リン酸エッチング溶液中のケイ素濃度の分析で使用される測定学を提供し、そして、濃縮リン酸を含む窒化ケイ素エッチング溶液中の低濃度のケイ素イオンを測定する実際の方法を記載する。この方法では、試験溶液中に存在する全てのケイ素イオンと反応することが要求される過剰の所定の濃度のフッ化物イオンが、添加されることができ、そして、「遊離した」フッ化物イオン(すなわち、ケイ素イオンと反応しないもの)の濃度が、好ましくはフッ化物イオン特異電極(FISE)を使用して、測定できる。ケイ素イオンの濃度は、試験溶液で測定された「遊離した」フッ化物イオンの濃度と、試験溶液に添加されたフッ化物イオンの所定の濃度との間の相違から、計算できる。添加剤なしの特定の濃縮リン酸エッチング液では、Shalyt, et al.の方法は、「ブリードアンドフィード」(“bleed and feed”)アプローチを介してエッチング溶液中のケイ素イオンの濃度の制御を可能にするために安価な装置を使用して短時間枠の範囲内で十分に正確な結果を提供でき、そして、自動化及びオンラインプロセス制御に対して更に従順であることができる。
【0009】
リン酸溶液中の二酸化ケイ素(SiO2)の溶解性に取り組むために特定の変性されたケイ素化合物が産業で使用されてきて、そして、従来の方法が溶液中の合計のケイ素を測定してきたが、効果的なプロセス制御を提供するために、複数のケイ素化合物を含む溶液中の異なるケイ素化合物の濃度を決定する方法の必要性が存在する。現代の半導体構造、例えば垂直NAND(V-NAND)メモリ、の製造は、多量の硝酸ケイ素の除去を要求し得るのであり、そして、エッチング生成物及び二酸化ケイ素(SiO2)と組合せた変性されたケイ素化合物の使用を含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特定の方法は、溶液中のケイ素の合計の量の測定を提供する。しかし、異なるケイ素の形態は、異なるやり方で、エッチング速度、エッチング選択性、及び粒子再堆積速度に影響し得る。それ故に、プロセス溶液中の複数の形態のケイ素を別々に測定する効果的な方法の必要性が存在する。こうして、複数のケイ素化合物を含む溶液中の異なるケイ素化合物の濃度の選択的な測定を提供するために、そのようなプロセスにおける使用に適したプロセス及び装置が望ましい。本開示の主題は、これらの及び他の必要性に取り組む。
【課題を解決するための手段】
【0011】
概要
本開示に従う例示の方法及び装置は、シリコンウエハーエッチング溶液などのエッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度の選択的な決定を提供する。特に、特定の形態では、本開示は、例えば変性されたケイ素化合物などの特定のケイ素の形態のケイ素:試薬結合比を選択的に変化させる条件を提供する。特定の形態では、本開示は、例えば溶液のケイ素元素分析などの溶液の測定方法、及び、特定のケイ素化合物のケイ素:試薬結合比の測定を、更に提供する。特定の形態では、測定方法は、溶液中のケイ素化合物の特定の官能基の測定を含む。こうして、そのような方法では、同じプロセス溶液中の複数のケイ素化合物が、有利に選択的に測定されて監視されることができる。
【0012】
エッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定する方法が提供される。当該方法は、所定の容積のエッチング溶液を含む試験溶液を提供することを含む。エッチング溶液は、第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物を含む。フッ化物ベースの化合物を試験溶液に第1の条件で添加して、ケイ素:試薬の第1の結合比を与える。第1の測定を実施する。フッ化物ベースの化合物を試験溶液に第2の条件で添加して、ケイ素:試薬の第2の結合比を与える。第2の測定を実施する。第1の測定及び第2の測定に基づいて第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物の濃度を決定する。第1のケイ素化合物が、第2のケイ素化合物とは異なる。第1の結合比が、第2の結合比とは異なる。
【0013】
特定の形態では、フッ化物ベースの化合物が、所定の濃度のフッ化物イオンを含むことができ、そして、第1の測定及び第2の測定を実施することが、試験溶液中のフッ化物イオンの測定濃度を測定すること;及び試験溶液中のフッ化物イオンの所定の濃度と測定濃度との相違からケイ素濃度を決定することを含むことができる。
【0014】
特定の形態では、フッ化物イオンの測定濃度を測定することが、イオンクロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、又は電気化学法を使用することを含むことができる。
【0015】
特定の形態では、フッ化物イオンの測定フッ化物濃度を測定することが、フッ化物イオン選択電極を使用することを含むことができる。
【0016】
特定の形態では、第2の条件が、所定の容積の共溶媒を試験溶液に添加することを含むことができる。
【0017】
特定の形態では、共溶媒が、試薬とプレブレンドされることができる。
【0018】
特定の形態では、共溶媒が水性であることができる。
【0019】
特定の形態では、共溶媒が脱イオン水を含むことができる。
【0020】
特定の形態では、共溶媒が非水性であることができる。
【0021】
特定の形態では、共溶媒が、カルボン酸、スルホン酸、又はそれらの組合せを含むことができる。
【0022】
特定の形態では、共溶媒が、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、それらの置換誘導体、又はそれらの組合せを含むことができる。
【0023】
特定の形態では、試験溶液が、試験溶液の総重量に基づいて約10重量%~約100重量%の量で存在するリン酸を含むことができる。
【0024】
特定の形態では、当該方法は、窒化ケイ素を試験溶液で選択的にエッチングすることを更に含むことができる。
【0025】
特定の形態では、当該方法は、材料を試験溶液で選択的にエッチングして、マイクロ電子デバイスを製造することを更に含むことができる。
【0026】
特定の形態では、試験溶液を提供することが、再循環ループから試験溶液をサンプリングすることを含むことができる。
【0027】
エッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定する方法が提供される。当該方法は、所定の容積のエッチング溶液を含む試験溶液を提供することを含む。エッチング溶液は、第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物を含む。フッ化物ベースの化合物を試験溶液に添加して、ケイ素:試薬の第1の結合比を与える。第1の測定を実施する。所定の容積の共溶媒を試験溶液に添加して、ケイ素:試薬の第2の結合比を与える。第2の測定を実施する。第1の測定及び第2の測定に基づいて第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物の濃度を決定する。第1のケイ素化合物が、第2のケイ素化合物とは異なる。第1の結合比が、第2の結合比とは異なる。
【0028】
特定の形態では、フッ化物ベースの化合物が、所定の濃度のフッ化物イオンを含むことができ、そして、第1の測定及び第2の測定を実施することが、試験溶液中のフッ化物イオンの測定濃度を測定すること;及び試験溶液中のフッ化物イオンの所定の濃度と測定濃度との相違からケイ素濃度を決定することを含むことができる。
【0029】
特定の形態では、フッ化物イオンの測定濃度を測定することが、イオンクロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、又は電気化学法を使用することを含むことができる。
【0030】
エッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定する方法が提供される。当該方法は、所定の容積のエッチング溶液を含み、そして、第1部分及び第2部分を有する、試験溶液を提供することを含む。エッチング溶液が、第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物を含む。試験溶液の第1部分の第1の測定を実施する。第1の測定が、第1のケイ素化合物又は第2のケイ素化合物のケイ素の形態の1つ以上の官能基の合計濃度又は合計のケイ素濃度を含む。フッ化物ベースの化合物を試験溶液の第2部分に添加して、ケイ素:試薬の結合比を与え、第2の測定を実施する。第1の測定及び第2の測定に基づいて第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物の濃度を決定する。
【0031】
特定の形態では、フッ化物ベースの化合物が、所定の濃度のフッ化物イオンを含むことができ、そして、第2の測定を実施することが、試験溶液中のフッ化物イオンの測定濃度を測定すること;及び試験溶液中のフッ化物イオンの所定の濃度と測定濃度との相違からケイ素濃度を決定することを含むことができる。
【0032】
特定の形態では、フッ化物イオンの測定濃度を測定することが、イオンクロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、又は電気化学法を使用することから成る群から選択される。
【0033】
特定の形態では、第1の測定を実施することが、全てのケイ素の形態に対する同等の敏感さを有することを含むことができ、そして、第2の測定を実施することが、全てのケイ素の形態に対する等しくない敏感さを有することを含むことができる。
【0034】
特定の形態では、当該方法は、第1の測定を実施することよりも前に、試験溶液の第1部分を希釈することを更に含むことができる。
【0035】
リン酸、ケイ素化合物、及び水を含むエッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定するための装置。当該装置は、所定の容積のエッチング溶液、所定の濃度のフッ化物ベースの試薬、及び、場合により所定の容積の共溶媒を含む試験溶液を含有するように適合されている分析セルを含む。当該装置は、所定の容積のエッチング溶液、所定の濃度のフッ化物ベースの試薬、及び所定の容積の共溶媒を受けるように適合されている、分析セルに流体的に結合しているリザーバを更に含む。当該装置は、試験溶液中のフッ化物イオンの濃度を測定するために分析セルに動作するように結合している参照電極及びフッ化物イオン特異電極を更に含む。当該装置は、原因に動作する格納指示を持つ記憶素子を有するプロセッサーを更に含み、実行された時に、
所定の容積のエッチング溶液を、リザーバから分析セルに提供し、
もしあれば所定の容積の共溶媒を、リザーバから分析セルに提供し、
所定の濃度のフッ化物ベースの試薬を、試験溶液中の実質的に全てのケイ素イオンと反応するように要求されるものの所定の結合比で化学量論的に過剰で、リザーバから分析セルに提供し、その結果、フッ化物イオン特異電極及び参照電極が試験溶液と接触し、
フッ化物イオン特異電極の電位を測定し、及び
試験溶液中の所定の濃度のフッ化物イオンの予測電位と測定電位との相違に基づいて、エッチング溶液中のケイ素イオンの濃度を決定する。
【0036】
特定の形態では、フッ化物イオン特異電極及び参照電極が、複合電極を含むことができる。
【0037】
特定の形態では、フッ化物イオンが、フッ化物化合物の一部として、試験溶液に添加されることができる。
【0038】
特定の形態では、当該装置は、試験溶液の温度を測定するための温度センサーを更に含むことができる。特定の形態では、プロセッサーが、温度センサーから温度データを取得するように更に動作することができる。
【0039】
リン酸、ケイ素化合物、及び水を含むエッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定するための装置。当該装置は、所定の容積のエッチング溶液及び所定の容積の共溶媒を含む試験溶液を含有するように適合されている分析セルを含む。共溶媒が所定の濃度のフッ化物ベースの試薬を含む。当該装置は、所定の容積の共溶媒及び所定の容積のエッチング溶液を受けるように適合されている、分析セルに流体的に結合しているリザーバを更に含む。当該装置は、試験溶液中のフッ化物イオンの濃度を測定するために分析セルに動作するように結合している参照電極及びフッ化物イオン特異電極を更に含む。当該装置は、原因に動作する格納指示を持つ記憶素子を有するプロセッサーを更に含み、実行された時に、
所定の容積のエッチング溶液を、リザーバから分析セルに提供し、
所定の容積の共溶媒を、リザーバから分析セルに提供し、共溶媒は、試験溶液中の実質的に全てのケイ素イオンと反応するように要求されるものの所定の結合比で化学量論的に過剰で、所定の濃度のフッ化物ベースの試薬を含み、その結果、フッ化物イオン特異電極及び参照電極が試験溶液と接触し、
フッ化物イオン特異電極の電位を測定し、及び
試験溶液中の所定の濃度のフッ化物イオンの予測電位と測定電位との相違に基づいて、エッチング溶液中のケイ素イオンの濃度を決定する。
【0040】
リン酸、ケイ素化合物、及び水を含むエッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定するための装置。当該装置は、
所定の容積のエッチング溶液及び所定の容積の共溶媒を含む第1の試験溶液を含有するように適合されていて、共溶媒が所定の濃度のフッ化物ベースの試薬を含む、第1の分析セル;
所定の容積のエッチング溶液を含む第2の試験溶液を含有するように適合されている、第2の分析セル;
第1の試験溶液及び第2の試験溶液へ所定の容積のエッチング溶液を受けるように適合されている、第1の分析セル及び第2の分析セルに流体的に結合しているリザーバ;
第1の試験溶液中のフッ化物イオンの濃度を測定するために第1の分析セルに動作するように結合している参照電極及びフッ化物イオン特異電極;
第2の試験溶液の合計のケイ素濃度を測定するために第2の分析セルに動作するように結合している元素分析装置;及び
原因に動作する格納指示を持つ記憶素子を有するプロセッサー、
を含み、
実行された時に、
所定の容積のエッチング溶液を、リザーバから第1の分析セル及び第2の分析セルに提供し、
所定の容積の共溶媒を、リザーバから第1の分析セルに提供し、共溶媒は、試験溶液中の実質的に全てのケイ素イオンと反応するように要求されるものの所定の結合比で化学量論的に過剰で、所定の濃度のフッ化物ベースの試薬を含み、その結果、フッ化物イオン特異電極及び参照電極が第1の試験溶液と接触し、
フッ化物イオン特異電極の電位を測定し、
第1の試験溶液中の所定の濃度のフッ化物イオンの予測電位と測定電位に基づいて、第1のエッチング溶液中のケイ素イオンの濃度を決定し、及び
所定の容積の第2の試験溶液を、第2の分析セルから、元素分析用の元素分析装置に提供し、そして、第2の試験溶液の合計のケイ素濃度を決定する。
【0041】
前述は、次に続く詳細な記述が一層理解され得るように、本出願の特徴及び技術的利益の概要を広く説明した。本出願の追加の特徴及び利益は、下記に記載され、本出願の特許請求の範囲の主題を形成する。開示される概念及び特定の形態は、本出願の同じ目的を実施するための他の構造を修正又は設計する基礎として容易に利用できることは、当業者によって理解されるべきである。そのような同等の構造は、添付の特許請求の範囲で述べるように本出願の本質及び範囲からはずれないことも、当業者によって明確に理解されるべきである。更なる目的及び利益と一緒に、その編成及び作動方法の両方に関して、本出願の特徴と思われる新規の特徴は、下記の記述から一層理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図面の簡単な記述
【
図1】
図1は、本開示の方法を概略的に例証する流れ図である;
【0043】
【
図2】
図2は、本開示の方法を概略的に例証する流れ図である;
【0044】
【
図3】
図3は、本開示の方法を概略的に例証する流れ図である;
【0045】
【
図4】
図4は、本開示の方法を概略的に例証する流れ図である;
【0046】
【
図5】
図5は、リン酸エッチング溶液における複数のケイ素化合物の濃度を決定するための本開示の装置を概略的に例証する;
【0047】
【
図6A】
図6Aは、溶液の元素分析を含むリン酸エッチング溶液における複数のケイ素化合物の濃度を決定するための本開示の装置を概略的に例証する;
【0048】
【
図6B】
図6Bは、溶液の元素分析を含むリン酸エッチング溶液における複数のケイ素化合物の濃度を決定するための本開示の装置を概略的に例証する;
【0049】
【
図6C】
図6Cは、溶液の元素分析を含むリン酸エッチング溶液における複数のケイ素化合物の濃度を決定するための本開示の装置を概略的に例証する。
【発明を実施するための形態】
【0050】
詳細な記述
本開示は、シリコンウエハーエッチング溶液などのエッチング溶液中の複数のケイ素化合物の選択的なモニタリング用技術を提供する。特定の形態では、本開示は、特定のケイ素の形態のケイ素:試薬結合比を選択的に変化させる条件を提供する。本開示は、測定方法、例えば、溶液の元素分析及び特定のケイ素の形態のケイ素:試薬結合比の測定を、更に提供する。更に、本開示は、溶液中のケイ素化合物の特定の官能基の測定及び特定のケイ素の形態のケイ素:試薬結合比の測定を含む測定方法を提供する。その結果、同じプロセス溶液中の複数のケイ素化合物は、有利に選択的に測定できて、監視できる。
【0051】
本開示で使用される技術用語は、当業者に一般に公知である。用語「標準の添加」とは、所定の量の種類を所定の容積の溶液(例えば、試験溶液)に添加することを、一般に意味する。所定の量は、当該種類の所定の重量又は当該種類を含有する所定の容積の標準の溶液であることができる。「標準の溶液」は、化学分析用に使用される試薬の公知濃度を含む溶液である。記号“M”は、モル濃度を意味する。キャリブレーションデータは、キャリブレーションカーブ又はプロットとして、典型的に取り扱われる。しかし、そのようなデータは、特にコンピューターによって、表にできて、直接使用できる。用語「カーブ」又は「プロット」は、表にされたデータを含む。溶液調製又は希釈用に使用される水は、例えば、実質的な純水、脱イオン水又は蒸留水を含むことができる。
【0052】
語句「所定の濃度」とは、溶液中の成分の公知のターゲット又は最適濃度のことを言う。
【0053】
ここで使用される時、用語「約」又は「おおよそ」とは、当業者によって決定されるような特定の値の許容し得る誤差の幅の範囲内を意味し、値がどのようにして測定されるか又は決定されるかに、すなわち、測定システムの限界に、一部分依存するであろう。例えば、「約」は、所定の値の20%まで、10%まで、5%まで、及び/又は1%までの範囲を意味することができる。
【0054】
本開示は、例えばエッチング溶液などの溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を選択的に決定する方法及び装置を提供する。本開示は、高濃度のリン酸を含む窒化ケイ素エッチング溶液の分析を含むがそれに限定されない様々なエッチング溶液に適用できる。窒化ケイ素エッチング溶液は、約85%のリン酸(H3PO4)を含むことができ、約165℃の温度で作動できる。エッチング溶液の作動温度は、溶液中に存在するリン酸(H3PO4)のパーセンテージに、一部分、依存し得る。例えば、溶液中のリン酸(H3PO4)のパーセンテージが減少すると、例えば沸騰を避けるために、より低い作動温度を使用できる。特定の形態では、エッチング溶液は、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%の量で、リン酸(H3PO4)を含むことができる。特定の形態では、エッチング溶液は、約80%~約95%、約80%~約90%、約80%~約85%、約80%、約85%、約90%、又は約95%の量で、リン酸(H3PO4)を含むことができる。特定の形態では、エッチング溶液は、少なくとも約150℃、少なくとも約155℃、又は少なくとも約160℃の温度で、作動することができる。特定の形態では、エッチング溶液は、約150℃~約200℃、約160℃~約175℃、約150℃~約170℃、又は約150℃、約155℃、約160℃、又は約165℃の温度で、作動することができる。例えば様々な濃度の成分及び様々な作動温度の各種のケイ素エッチング溶液が、本開示の使用に適していることを、当業者は理解するであろう。
【0055】
本開示の例示の方法は、フッ化物分析を実施することを含むことができる。フッ化物分析は、エッチング溶液中の実質的に全てのケイ素イオンを、化学量論的に過剰で添加されるフッ化物イオンと反応させることを含むことができる。当該方法は、例えば、フッ化物イオン特異電極(ISE)を介して、未反応フッ化物イオンの濃度を測定することを更に含むことができる。当該方法は、いくつかの異なる条件でフッ化物分析を繰り返すことを更に含むことができ、各々、異なる所定の結合比のケイ素:試薬を与える。各々の条件では、溶液中の合計のケイ素の濃度を測定できる。条件の1つは、共溶媒をプロセス溶液に添加することを含むことができる。ケイ素:試薬の異なる結合比から、及び、そのような条件下で得られる測定から、複数のケイ素化合物の濃度を独立して決定できる。こうして、複数のケイ素化合物は、同じプロセス溶液中で有利に選択的に測定でき監視できる。本開示の方法は、例えば二酸化ケイ素などの窒化ケイ素以外の材料をエッチングするために使用されるエッチング溶液中の異なるケイ素の形態を分析するために、適用できる。
【0056】
本開示は、様々なケイ素の形態のケイ素:試薬結合比を変化させる特定の条件を、更に提供する。異なる所定の結合比を有する各々の条件下でのケイ素濃度の測定は、溶液中の異なるケイ素の形態の濃度を測定するために使用できる。こうして、溶液中の各々のケイ素の形態の選択的な測定は、ケイ素:試薬結合比を提供する分析条件下での測定及び修正されたケイ素:試薬結合比を提供する修正分析条件下での測定を含む単一のマルチパートプロセス又はデュアルプロセスを通して、決定できる。デュアルプロセスでは、ケイ素:試薬結合比は、予め決定でき、そして、エッチング溶液は、共溶媒なしでケイ素濃度の測定をすることができる。第2のケイ素濃度測定は、例えば、修正されたケイ素:試薬結合比を提供する共溶媒の存在で、エッチング溶液中に異なるケイ素:試薬結合比を有する条件で、実施できる。あるいは、単一のマルチパートプロセスを実施でき、そこでは、共溶媒なしでエッチング溶液の所定のケイ素:試薬結合比でケイ素濃度を測定でき、共溶媒は、エッチング溶液に添加でき、そして、修正されたケイ素:試薬結合比下でのケイ素濃度の追加の測定を決定できる。その結果、2つの異なる形態のケイ素化合物の選択的な測定を、同じプロセス溶液中で測定できる。特定の形態では、ケイ素:試薬結合比は、下記で更に詳細に議論するように、フッ化物分析を通して決定できる。特定の形態では、各々の条件下でのケイ素:試薬結合比は、予め決定できる。
【0057】
特定の形態では、本開示の例示の方法は、例えば元素分析方法などの1つ以上の測定方法を実施すること、及び、様々なケイ素の形態のケイ素:試薬結合比を提供するために溶液を試薬と反応させること、を提供する。特定の形態では、溶液中の1つ以上のケイ素化合物は、固定されたケイ素:試薬結合比を有することができる。特定の形態では、溶液中の全てのケイ素化合物は、固定されたケイ素:試薬結合比を有することができる。例えば、特定の形態では、1つ以上のケイ素化合物は、実験条件によっては不変のケイ素:試薬結合比を有することができる。特定の形態では、溶液は、異なるケイ素:試薬結合比を有する1つ以上のケイ素化合物を含むことができ、そこでは、各々のケイ素:試薬結合比は、実験条件によっては不変であることができる。例えば、制限する目的ではなく、溶液は、第1のケイ素:試薬結合比を有する第1のケイ素化合物と、第1のケイ素:試薬結合比とは異なる第2のケイ素:試薬結合比を有する第2のケイ素化合物とを、含むことができる。そのような形態では、第1の及び第2のケイ素:試薬結合比の各々は、実験条件によっては不変であることができ、それ故に「固定されて」いることができる。例えば元素分析方法などの1つ以上の測定方法は、個別の原子には化学的な溶液を消化することができ、そして、全てのケイ素の形態に対する同等の敏感さを持つケイ素などの元素の合計濃度を提供する。そのような方法では、異なるケイ素の形態に対する等しくない敏感さを有するケイ素:試薬結合比測定分析が、溶液中の個別の形態のケイ素化合物を決定するために、使用できる。その結果、2つの異なる形態のケイ素化合物の選択的な測定が、同じプロセス溶液中で測定できる。特定の形態では、1つ以上の測定方法は、ケイ素化合物の特定の官能基を測定する方法を含むことができる。
【0058】
図1は、本開示による方法300を概略的に例証する流れ図である。本開示は、溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を選択的に決定する方法を提供する。例示の形態では、所定の容積のエッチング溶液を含む試験溶液を提供できる。エッチング溶液は、例えば、第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物310の複数のケイ素化合物を含むことができる。フッ化物ベースの化合物は、第1の条件で試験溶液に添加できて、ケイ素:試薬の第1の結合比320を提供する。試験溶液の第1の測定を実施できる。フッ化物ベースの化合物は、第2の条件で試験溶液に添加できて、ケイ素:試薬の第2の結合比330を与える。試験溶液の第2の測定を実施できる。第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物の濃度は、第1の及び第2の結合比340の条件下で実施される第1の測定及び第2の測定に基づいて、決定できる。第1のケイ素化合物は、第2のケイ素化合物とは異なることができる。第1の結合比は、第2の結合比とは異なることができる。
【0059】
図2は、本開示による方法400を概略的に例証する流れ図である。本開示は、溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を選択的に決定する方法を提供する。例示の形態では、所定の容積のエッチング溶液を含む試験溶液を、提供できる。エッチング溶液は、例えば第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物410の複数のケイ素化合物を含むことができる。フッ化物ベースの化合物は、試験溶液に添加できて、ケイ素:試薬の第1の結合比420を提供する。試験溶液の第1の測定を実施できる。所定の容積の共溶媒は、試験溶液に添加できて、ケイ素:試薬の第2の結合比430を与える。試験溶液の第2の測定を実施できる。第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物の濃度は、第1の及び第2の結合比440の条件下で実施される第1の測定及び第2の測定に基づいて、決定できる。第1のケイ素化合物は、第2のケイ素化合物とは異なることができる。第1の結合比は、第2の結合比とは異なることができる。
図3は、本開示による例示の方法500を概略的に例証する流れ図である。本開示は、溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を選択的に決定する方法を提供する。例示の形態では、所定の容積のエッチング溶液を含む試験溶液を提供できる。エッチング溶液は、例えば第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物510の複数のケイ素化合物を含むことができる。特定の形態では、第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物は、異なる化合物であることができる。特定の形態では、試験溶液は、第1部分及び第2部分を有することができる。測定方法は、例えば、合計のケイ素濃度を測定して第1の測定520を提供するために、試験溶液の第1部分で実施できる。特定の形態では、測定方法は、第1部分の前処理後に、試験溶液の第1部分で実施できる。前処理は、例えば試験溶液の希釈を含むことができる。特定の形態では、試験溶液の第1部分の前処理は、水での前希釈を含むことができる。特定の形態では、試験溶液の第1部分は、約1/2~約1/1000又は約1/10に、前希釈できる。別の形態では、試験溶液は、前処理なしの測定方法で提供できる。1つ以上のフッ化物ベースの化合物を、試験溶液の第2部分に添加できて、ケイ素:試薬の結合比530を与え、試験溶液の第2の測定を実施できる。特定の形態では、試験溶液の第1部分の測定方法と、試験溶液の第2部分を1つ以上のフッ化物ベースの化合物と反応させることとが、同じ分析セル中であることができる。別の形態では、試験溶液の第1部分の測定方法と、試験溶液の第2部分を1つ以上のフッ化物ベースの化合物と反応させることとが、異なる分析セル中であることができる。第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物の濃度は、第1の測定及び第2の測定540に基づいて決定できる。
【0060】
図4は、本開示による例示の方法600を概略的に例証する流れ図である。本開示は、溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を選択的に決定する方法を提供する。例示の形態では、所定の容積のエッチング溶液を含む試験溶液を提供できる。エッチング溶液は、例えば第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物610の複数のケイ素化合物を含むことができる。特定の形態では、第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物は、異なる化合物であることができる。特定の形態では、試験溶液は、第1部分及び第2部分を有することができる。例えば、合計のケイ素濃度を測定して第1の測定620を提供するために、試験溶液の第1部分の元素分析を実施できる。特定の形態では、第1部分の前処理後に、試験溶液の第1部分の元素分析を実施できる。前処理は、例えば試験溶液の希釈を含むことができる。特定の形態では、試験溶液の第1部分の前処理は、水での前希釈を含むことができる。特定の形態では、試験溶液の第1部分は、約1/2~約1/1000又は約1/10に、前希釈できる。別の形態では、試験溶液は、前処理なしで元素分析用に提供できる。1つ以上のフッ化物ベースの化合物は、試験溶液の第2部分に添加できて、ケイ素:試薬の結合比630を与え、試験溶液の第2の測定を実施できる。特定の形態では、試験溶液の第1部分の元素分析と、試験溶液の第2部分を1つ以上のフッ化物ベースの化合物と反応させることとが、同じ分析セル中であることができる。別の形態では、試験溶液の第1部分の元素分析と、試験溶液の第2部分を1つ以上のフッ化物ベースの化合物と反応させることとが、異なる分析セル中であることができる。第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物の濃度は、第1の測定及び第2の測定640に基づいて測定できる。
【0061】
特定の形態では、測定方法は、例えば、合計のケイ素濃度の元素分析、合計の炭素濃度及びそれらの誘導体(例えば、合計の有機炭素、合計の無機炭素、及び合計のパージできない無機炭素)の元素分析、合計の窒素濃度及びそれらの誘導体(例えば、アンモニア、有機窒素、及び還元窒素)の元素分析、又は合計の硫黄濃度及びそれらの誘導体の元素分析などの元素分析を、含むことができる。特定の形態では、測定方法は、ケイ素化合物の特定の官能基を測定する方法を含むことができる。例えば、限定する目的ではなく、測定方法は、紫外・可視-近赤外/赤外分光法(UV-Vis-NIR-IR)、ラマン分光法、電位差測定法、ボルタンメトリー、表面張力、又は、クロマトグラフィーを含むことができる。当業者は、各種の測定方法が本開示の使用に適していることを、理解するであろう。
【0062】
特定の形態では、元素分析は、例えばAAS/AES原子吸光及び原子発光分析、質量分析検出器を備えたICP-OES/ICP-AES誘導結合プラズマ、又は、MP-マイクロ波プラズマによって、実施できる。当業者は、各種の元素分析方法が本開示の使用に適していることを、理解するであろう。
【0063】
特定の形態では、本開示の方法に加えて、1つ以上の更なる方法を、エッチング溶液に実施できる。例えば、限定する目的ではなく、そのような方法は、例えば、(例えば、カウント、サイズ、又は化学組成物による)粒子特徴付けによって、又は、(例えば、汚染物質の濃度又は汚染物質の同定による)溶存汚染物質特徴付けによって、エッチング溶液を更に特徴付けることができる。エッチング溶液への各種の更なる方法が本開示と組合せて使用できることを、当業者は理解するであろう。
【0064】
所定の容積のエッチング溶液は、シリンジ、メスフラスコ、又はメスシリンダーを使用して手動で、又は、例えば自動シリンジ又は定量ポンプを介して自動的に、提供できる。エッチング溶液は、1つ以上のケイ素化合物を含むことができる。例えば、エッチング溶液は、有機シリケート、無機シリケート、又は二酸化ケイ素の1つ以上を含むことができる。特定の形態では、エッチング溶液は、異なるケイ素化合物を含む。例えば、特定の形態では、エッチング溶液は、二酸化ケイ素及び有機シリケートを含むことができる。
【0065】
特定の形態では、エッチング溶液は、リン酸を含むことができる。特定の形態では、1つ以上のケイ素化合物は、リン酸(例えば、10-100重量%リン酸)中に存在することができる。特定の形態では、1つ以上のケイ素化合物を含むリン酸は、硝酸ケイ素の選択的なエッチング用に使用できる。特定の形態では、1つ以上のケイ素化合物を含むリン酸は、マイクロ電子デバイスの製造及び選択的なエッチング用に使用できる。
【0066】
1つ以上のフッ化物ベースの化合物は、公知の重量の固体の化合物を含むことができ、そして、所定の濃度のフッ化物イオンを含むことができる。あるいは、所定の濃度のフッ化物イオンは、例えば、所定の容積の標準のフッ化物溶液として、試験溶液に添加されることができる。フッ化物イオンは、例えば、HF、LiF、NaF、KF、NH4HF2、NH4F、TMAF、TEAF、及びそれらの混合物などの、水溶液中で解離する傾向があるいかなるフッ化物化合物の一部として、添加されることができる。試験溶液にフッ化物ベースの化合物を添加する上で、試験溶液中のフッ化物イオンの濃度は、いかなる適したメカニズムによって、測定することができる。特定の形態では、フッ化物イオンの濃度は、フッ化物イオン特異電極(ISE)を使用して、測定することができる。例えば、フッ化物イオンは、イオンクロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、又は電気化学法によって、測定することができる。フッ化物イオンは、例えば、フッ化物イオン特異電極(ISE)及び参照電極を、試験溶液と接触して置くことによって、及び、参照電極に関連してフッ化物ISEの電位を測定することによって、試験溶液中で測定することができる。特定の形態では、フッ化物ISE及び参照電極は、分離電極であることができる。別の形態では、フッ化物ISE及び参照電極は、複合電極中で組合わせることができる。
【0067】
特定の形態では、試験溶液は、所定の容積の共溶媒を更に含むことができる。所定の容積の共溶媒は、例えば、シリンジ、メスフラスコ、又はメスシリンダーを使用して手動で、又は、例えば、自動シリンジ又は定量ポンプを介して自動的に、提供されることができる。共溶媒の存在により、フッ素化のための条件の競争を引き起こすことができ、そして、ケイ素:試薬結合比を修正することができる(例えば、1:2から1:1)。こうして、共溶媒の存在により、修正されたケイ素:試薬結合比を提供することができる。特定の形態では、共溶媒は、水性であることができる。別の形態では、共溶媒は、非水性であることができる。共溶媒は、個別の化学薬品であることができるか、又は、試薬とプレブレンドされることができる。特定の形態では、共溶媒は、例えば脱イオン水などの水を含むことができる。特定の形態では、共溶媒は、カルボン酸、スルホン酸、又はそれらの組合せを含むことができる。例えば、試験溶液は、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、それらの置換誘導体、及びそれらの組合せから成る群から選択される共溶媒を更に含むことができる。
【0068】
特定の形態では、試験溶液のケイ素:試薬結合比は、共溶媒の存在下の試験溶液のケイ素:試薬結合比とは異なることができる。特定の形態では、ケイ素:試薬結合比は、約1:2又は約1:1であることができる。特定の形態では、ケイ素:試薬結合比は、約1:6、約1:5、約1:4、又は約1:3であることができる。
【0069】
試験溶液中の複数のケイ素化合物の濃度は、共溶媒の存在下で及び不存在下で試験溶液を提供することによって得ることができる異なるケイ素:試薬結合比条件で測定されるケイ素濃度から、決定することができる。ここで使用される分析方法は、一部、米国特許第8,008,087(to Shalyt, et al.)の開示に基づく。本開示の分析方法は、ケイ素化合物とフッ化物ベースの試薬との反応に基づくことができる。
【0070】
Si-R1(R2,R3,R4) + x RF → SiFxRy
【0071】
SiO2/Si(OH)4では、全ての4つのSi-OH化学結合は、フッ化物によって置換されることができる。
【0072】
Si(OH)4 + 4RF → SiF4 + 4R-OH
【0073】
有機シリケートなどの、二酸化ケイ素以外のケイ素化合物は、より強い分子結合を典型的に有することができ、そして、四重フッ素化を妨げることができる。
【0074】
例えば、Si-R1(R2,R3,R4) + 2 RF → SiF2-R1,R2 + R-R3 + R-R4では、2つの結合のみが、フッ素化される。上記で提示されるように、試験溶液中の共溶媒の添加は、フッ素化のための条件の競争を提供することができて、そして、溶液中のケイ素:試薬結合比を変化させる(例えば、約1:2から約1:1)。
【0075】
Si-R1(R2,R3,R4) + RF →SiF-R1,R2,R3 + R-R4
【0076】
試験溶液中の各々のケイ素の形態の選択的な測定は、式1~式4に提示されるように決定できる。
【0077】
T1 = Sia + g1 * Sib (1)
【0078】
T2 = Sia + g2 * Sib (2)
【0079】
Sib = (T1 - T2) / (g1 - g2) (3)
【0080】
Sia = T1 - g1 * Sib (4)
ここで、T1は、標準の条件下での(すなわち、第1の条件下での)合計のケイ素(Si)濃度であり、T2は、修正された条件下での(例えば、第2の条件として共溶媒の存在下での)合計のケイ素(Si)濃度であり、Siaは、二酸化ケイ素(SiO2)からのケイ素(Si)のケイ素(Si)濃度であり、Sibは、別のケイ素化合物からのケイ素(Si)のケイ素(Si)濃度であり、g1は、別のケイ素化合物のフッ化物(F)結合比/標準の条件下での(すなわち、第1の条件下での)二酸化ケイ素(SiO2)のフッ化物(F)結合比であり、そして、g2は、別のケイ素(Si)化合物のフッ化物(F)結合比/修正された条件下での(例えば、第2の条件として共溶媒の存在下での)二酸化ケイ素(SiO2)のフッ化物(F)結合比である。
【0081】
特定の形態では、試験溶液は、所定の容積の水を更に含むことができる。水は、例えば、試験溶液中のエッチング液を希釈するために、添加されることができる。窒化ケイ素をエッチングするために使用されるリン酸エッチング液の希釈は、フッ化物ISE応答の再現性及び直線性を改善することができる。特定の形態では、フッ化物ベースの化合物は、添加水中で溶解できて、標準のフッ化物イオン溶液を提供し、その結果、所定の濃度のフッ化物イオンが、所定の容積の添加水の一部として試験溶液に添加されることができる。あるいは、試験溶液中のリン酸を希釈するために添加される所定の容積の水の少なくとも一部が、実質的な純水として、添加されることができる。
【0082】
図5は、エッチング溶液111の中の複数のケイ素化合物の濃度を決定するための本開示の例示の装置10を、概略的に例証する。装置10は、試験溶液102を含有する分析セル101を含むことができる。試験溶液102は、所定の容積のエッチング溶液111及び所定の濃度のフッ化物ベースの試薬131を含むことができる。試験溶液102は、所定の容積の共溶媒171を(単独で又はフッ化物ベースの試薬とプレブレンドされて)更に含むことができる。装置10は、エッチング液容器112中に含有する所定の容積のエッチング溶液111を試験溶液102に提供するためのメカニズム110を含むこともできて;所定の濃度のフッ化物ベースの試薬(例えば、標準のフッ化物溶液)131を試験溶液102に添加するためのメカニズム130を含むこともできて;そして、所定の濃度の共溶媒171を(単独で又はフッ化物ベースの試薬とプレブレンドされて)試験溶液102に添加するためのメカニズム170を含むこともできる。特定の形態では、エッチング液容器112は、分析セル101に流体的に結合していて所定の容積のエッチング溶液を試験溶液に受けるように適合されているリザーバを、含むことができる。更なるメカニズム140が、試験溶液102の中のフッ化物イオンの濃度を測定するために、提供されることができる。記憶素子152を有する演算素子(コンピューティングデバイス)151には、適切な機械的及び電気的インターフェースを介して、試験溶液102の上述の提供:試験溶液102へのフッ化物ベースの試薬131の添加、試験溶液102の中のフッ化物イオンの測定、及び、試験溶液102の中のフッ化物イオンの所定の濃度と測定濃度との相違からエッチング溶液111の中のケイ素濃度の決定、に影響するように動作する格納指示が、提供されることができる。分析セル101は、例えば、(
図5に示すように)電極用のフィードスルーを備えたクローズドセル又はオープンビーカーを含むいかなる適した形状であることができて、そして、例えば、ガラス又はポリオレフィンプラスチックなどのいかなる適した材料を含むことができる。
【0083】
特定の形態では、試験溶液の一部は、供給装置を介して元素分析用に提供されることができる。試験溶液の一部は、元素分析よりも前に、前処理なしで提供されることができるか、又は、その代わりに分析セル中で前処理されることができる。前処理は、例えば、試験溶液の一部の希釈を含むことができる。特定の形態では、希釈剤は、水を含むことができる。特定の形態では、試験溶液の一部は、約1/2~約1/1000又は約1/10の前希釈比に、希釈されることができる。特定の形態では、試験溶液の一部は、分析セル101の中で前処理されることができる。別の形態では、試験溶液の一部は、分析セル101とは異なる分析セルの中で前処理されることができる。そのような装置の限定されない形態が、
図6A~
図6Cに提供され、下記で更に詳細に議論される。
【0084】
図6Aは、エッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定するための本開示の例示の装置20を、概略的に例証する。装置20は、試験溶液102を含有する分析セル101を含むことができる。試験溶液102は、所定の容積のエッチング溶液を含むことができる。特定の形態では、試験溶液102は、第1部分及び第2部分を含むことができる。エッチング溶液の第1部分及び第2部分は、同じ分析セル101の中に提供されることができる。装置20は、分析セル101に結合しているデバイス190を更に含むことができる。デバイス190は、試験溶液102の第1部分を元素分析装置200に供給するように構成されることができる。元素分析装置200は、デバイス190に結合していることができる。元素分析装置200は、例えば、合計のケイ素の濃度のために、試験溶液102の第1部分の元素分析を実施するように構成されることができる。特定の形態では、試験溶液102の第1部分は、元素分析装置200の中での元素分析よりも前に、前処理されることができる。別の形態では、元素分析は、試験溶液102の第1部分について、それらの前処理なしで実施できる。1つ以上のフッ化物ベースの化合物が、試験溶液102の第2部分に添加されることができて、そして、ケイ素:試薬の結合比を測定することができる。別の形態では、元素分析装置200は、試験溶液の第1部分の測定方法を実施するように構成されることができる。特定の形態では、当該測定方法は、ケイ素化合物の特定の官能基を測定する方法を含むことができる。
【0085】
図6Bは、エッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定するための本開示の例示の装置30を、概略的に例証する。装置30は、少なくとも1つの分析セルを含むことができる。特定の形態では、装置30は、第1の分析セル101及び第2の分析セル101aを含むことができる。第1の分析セル101は、第1の試験溶液102を含むことができる。第2の分析セル101aは、第2の試験溶液102aを含むことができる。特定の形態では、第1の試験溶液102及び第2の試験溶液102aは、同じ溶液であることができる。特定の形態では、第1の分析セル101及び第2の分析セル101aの各々は、エッチング液容器112の中に含有する所定の容積のエッチング溶液111を含むことができる。装置30は、所定の量のエッチング溶液111を第1の分析セル101及び第2の分析セル101aに提供するための、第1のデバイス110及び第2のデバイス110aを、更に含むことができる。特定の形態では、エッチング溶液111は、第1のリザーバ132及び第2のリザーバ132aから提供されることができ、それらの各々は、エッチング液容器112に結合していて、そして、エッチング溶液111を受けて貯蔵するように構成されることができる。第1のリザーバ132は、第1の分析セル101に結合していることができる第1のデバイス110に、結合していることができる。第2のリザーバ132aは、第2の分析セル101aに結合していることができる第2のデバイス110aに、結合していることができる。
【0086】
特定の形態では、装置30は、第2の試験溶液102aを含む第2の分析セル101aに結合しているデバイス190を、更に含むことができる。デバイス190は、第2の試験溶液102aを元素分析装置200に供給するように構成されることができる。元素分析装置200は、デバイス190に結合していることができる。元素分析装置200は、例えば、合計のケイ素の濃度のために、第2の試験溶液102aの元素分析を実施するように構成されることができる。特定の形態では、第2の試験溶液102aは、元素分析装置200の中での元素分析よりも前に、前処理されることができる。別の形態では、元素分析は、第2の試験溶液102aについて、それらの前処理なしで実施できる。1つ以上のフッ化物ベースの化合物が、第1の分析セル101の中の第1の試験溶液102に添加されることができて、そして、ケイ素:試薬の結合比を測定することができる。こうして、特定の形態では、装置30は、1つ以上の分析セルを提供することができ、そこでは、溶液が、異なる分析セル中に提供される。別の形態では、元素分析装置200は、試験溶液の第1部分の測定方法を実施するように構成されることができる。特定の形態では、当該測定方法は、ケイ素化合物の特定の官能基を測定する方法を含むことができる.
【0087】
特定の形態では、装置30は、純水の添加のための1つ以上の希釈装置を更に含むことができる。1つ以上の希釈装置は、メータドフローの水121を、水リザーバ122から分析セル101、101aに提供して、所定の体積分率の水121を試験溶液102、102aに提供するために、動作されることができる。水121の自動供給では、1つ以上の希釈装置は、例えば、水リザーバ122と第1の分析セル101及び第2の分析セル101aとの間を走る1つ以上の配管123に接続されることができる。特定の形態では、装置30は、第1の希釈装置120及び第2の希釈装置120aを含むことができる。第1の希釈装置120は、第1の分析セル101に結合していることができる。第2の希釈装置120aは、第2の分析セル101aに結合していることができる。特定の形態では、装置30は、第1の配管123及び第2の配管123aを含むことができる。第1の配管123及び第2の配管123aは、水リザーバ122に結合していることができる。第1の配管123は、第1の分析セル101に結合している第1の希釈装置120に結合していることができる。第2の配管123aは、第2の分析セル101aに結合している第2の希釈装置120aに結合していることができる。
【0088】
図6Cは、エッチング溶液中の複数のケイ素イオンの濃度を決定するための本開示の例示の装置40を概略的に例証する。装置40は、試験溶液102を含有する分析セル101を含むことができる。試験溶液102は、エッチング液容器112中に含有する所定の容積のエッチング溶液111を含むことができる。装置40は、所定の量のエッチング溶液111を第1の分析セル101に提供するための第1のデバイス110を更に含むことができる。特定の形態では、エッチング溶液111は、エッチング液容器112に結合していてそしてエッチング溶液111を受けて貯蔵するように構成されるリザーバ132から、提供されることができる。第1のリザーバ132は、分析セル101に結合していることができるデバイス110に、結合していることができる。特定の形態では、分析セルには、エッチング溶液111の第1部分が提供されることができる。装置40は、エッチング液容器112に結合しているデバイス190を、更に含むことができる。デバイス190は、エッチング溶液111の第2部分を元素分析装置200に供給するように構成されることができる。元素分析装置200は、デバイス190に結合していることができる。元素分析装置200は、例えば、合計のケイ素の濃度のために、エッチング溶液111の第2部分の元素分析を実施するように構成されることができる。こうして、特定の形態では、試験溶液102は、元素分析よりも前には、前処理されない。一部は、フッ化物分析セル101に向かう。1つ以上のフッ化物ベースの化合物は、第1の分析セル101の中に含有する試験溶液102に、添加されることができ、そして、ケイ素:試薬の結合比を測定することができる。別の形態では、元素分析装置200は、試験溶液の第1部分の測定方法を実施するように構成されることができる。特定の形態では、当該測定方法は、ケイ素化合物の特定の官能基を測定する方法を含むことができる。
【0089】
エッチング液容器112の中に含有する所定の容積のエッチング溶液111を、分析セル101の中の試験溶液102に提供するのに適したメカニズム110は、例えば、手動の供給用では、シリンジ、メスフラスコ、又はメスシリンダーを含むことができ、又は、例えば、自動供給用では、(例えば、
図5に示されるように)関連の配管および配線を持つ自動シリンジ又は定量ポンプを含むことができる。所定の容積のエッチング溶液111の供給は、自動レベルセンサーによって検出されるプリセットレベルまで実施することもできる。エッチング液容器112は、製造エッチング液タンク又はエッチング液リザーバであることができる。エッチング溶液111の自動供給では、メカニズム110は、例えば、エッチング液容器112と分析セル101との間に走る配管113に、接続されることができる。
【0090】
フッ化物ベースの試薬は、例えば、HF、LiF、NaF、NH
4HF
2、NH
4F、TMAF、TEAFなど、及び、それらの混合物など、水溶液中で解離する傾向があるいかなる適したフッ化物化合物の一部として、試験溶液102に添加されることができる。所定の濃度のフッ化物ベースの試薬は、公知重量の固体の化合物の一部として、又は、(例えば、
図5に示されるように)試薬リザーバ132の中に含有する所定の容積の標準のフッ化物溶液131として、試験溶液102aに添加されることができる。標準のフッ化物ベースの試薬溶液を介しての所定の濃度のフッ化物イオンの添加が好ましい。なぜなら、試薬は、液体として一般にはより容易に取り扱われるからであり、そして、エッチング溶液の希釈は、いかなる場合でも、より再現可能なフッ化物ISE測定を提供する傾向があるからである。
【0091】
容器172の中に含有する(単独で又はフッ化物ベースの試薬とプレブレンドされる)所定の容積の共溶媒171を、分析セル101の中の試験溶液102に提供するのに適したメカニズム170は、例えば、手動の供給用では、シリンジ、メスフラスコ、又はメスシリンダーを含むことができ、又は、例えば、自動供給用では、(
図5に示されるように)関連の配管および配線を持つ自動シリンジ又は定量ポンプを含むことができる。所定の容積の共溶媒171の供給は、自動レベルセンサーによって検出されるプリセットレベルまで実施することもできる。容器172は、リザーバであることができる。共溶媒171の自動供給では、メカニズム170は、例えば、容器172と分析セル101との間に走る配管173に、接続されることができる。
【0092】
所定の容積の標準のフッ化物溶液131を、試薬リザーバ132から、分析セル101の中の試験溶液102に提供するのに適したメカニズム130は、例えば、手動の供給用では、シリンジ、メスフラスコ、又はメスシリンダーを含むことができ、又は、例えば、自動供給用では、(例えば、
図5に示されるように)関連の配管および配線を持つ自動シリンジ又は定量ポンプを含むことができる。所定の容積の標準のフッ化物溶液131の供給は、自動レベルセンサーによって検出されるプリセットレベルまで実施することもできる。標準のフッ化物溶液131の自動供給では、メカニズム130は、例えば、試薬リザーバ132と分析セル101との間に走る配管133に、接続されることができる。
【0093】
試験溶液102の中の所定の希釈比のエッチング溶液111及び所定の濃度の添加フッ化物イオンは、固体のフッ化物化合物、標準のフッ化物含有試薬溶液、及び、例えば水などの溶媒の、いかなる適した組合せの添加によって、提供されることができる。例えば、輸送費及び取扱費を最小限にするために濃縮物として試薬溶液が提供できるように、純水が添加されることができる。純水の添加では、所定の体積分率の水121を試験溶液102に提供するために、メータドフローの水121を水リザーバ122から分析セル101に提供するように動作する希釈装置120を、装置が更に含むことができる。希釈装置120は、例えば、手動の供給用では、シリンジ、メスフラスコ、又はメスシリンダーを含むことができ、又は、例えば、自動供給用では、(
図5に示されるように)関連の配管および配線を持つ自動シリンジ又は定量ポンプを含むことができる。水121の自動供給では、希釈装置120は、例えば、水リザーバ121と分析セル101との間に走る配管123に、接続されることができる。演算素子151は、希釈装置120を制御するように動作することができる。
【0094】
試験溶液102の中のフッ化物イオンの濃度を測定するのに適したメカニズム140は、好ましくは、試験溶液102と接触している参照電極142及びフッ化物イオン特異電極141と、2つの電極間の電位を測定するための電圧計143とを、含む。適した参照電極及びフッ化物イオン特異電極は、業界で周知であり、市販されている。典型的な参照電極は、例えば、銀-塩化銀電極(SSCE)、飽和カロメル電極(SCE)、水銀-硫酸水銀電極を含む。(電極電位にドリフトを引き起こし得る)エッチング溶液種による電極溶液の汚染を最小限にするために、1つ以上の電極では、二重接合を使用することができる。フッ化物イオン特異電極141及び参照電極142は、分離電極であることができるか、又は、複合電極中で組合わせることができる。
【0095】
フッ化物ISE測定が完了した後、試験溶液102は、好ましくは、排水管163を介して、廃棄物容器162の中に流れる。ケイ素の決定の間に、分析セル101は、好ましくは、例えば水ですすがれる。分析セル101は、別個のすすぎシステムによって又は希釈装置120によって提供される水を使用して、すすがれることができる。廃棄物160は、処分されることができる。
【0096】
フッ化物ISEキャリブレーション及び測定は、一定の温度で、好ましくは、室温で又は室温の近くで、実施すべきであり、及び/又は、フッ化物ISE電位は、試験溶液102の温度の顕著な変動のために補正されるべきである。特定の形態では、本開示の装置10、20、30及び40は、試験溶液102の温度を測定するための温度センサー180を更に含む。温度センサー180は、例えば、温度計、(
図5に示されるような)熱電対、サーミスタ、又はNIRスペクトロメータを含む、いかなる適したタイプであることができる。演算素子151は、温度センサー180から温度データを取得するように動作することができ、そして、試験溶液102の中のフッ化物濃度のより正確な測定を提供するために、温度の影響のためにフッ化物イオン特異電極141で測定される電位を補正するように動作することができる。
【0097】
窒化ケイ素エッチング溶液が高温(>150℃)で作動する時、所定の容積のエッチング溶液111を急速に冷却するためのメカニズムは、分析時間を著しく短縮することができる。いかなる適した冷却メカニズムを使用することができる。例えば、
図5に示されるように、エッチング液タンク112から分析セル101に流れるエッチング溶液111は、冷却デバイス183を通過することができ、それは、例えば、熱放射器デバイス又は配管113のジャケット付き部分を含むことができる。
【0098】
本開示の装置10、20、30及び40は、好ましくは、試験溶液中のフッ化物イオンの測定濃度の誤差を最小限にするために、試験溶液102の温度を制御するメカニズムを、含むことができる。液体の温度を制御するのに適したメカニズムは、業界で周知であって、ホットプレートを含むことができるか、又は、分析セル中の液体の温度を制御するために、温度センサーからのフィードバックを持つ浸漬ヒーターが使用されることができる。試験溶液102の温度を制御する1つのメカニズムは、分析セル101の上の冷却ジャケットを通して、循環器/制御器(又は他の一定の温度源)から水又は他の熱交換液体を通過させることである。
【0099】
演算素子151は、集積部品を具備するコンピューターを含むことができるか、又は、例えば、別個の部品、マイクロプロセッサー、及び、記憶素子152を含む記憶装置を含むことができる。記憶素子152は、例えば、コンピューターハードディスクドライブ、マイクロプロセッサーチップ、読み取り専用メモリ(ROM)チップ、プログラム可能な読み取り専用メモリ(PROM)チップ、磁気記憶装置、コンピューターディスク(CD)及びデジタルビデオディスク(DVD)を含む、入手可能な記憶素子の組合せのいかなる1つであることができる。記憶素子152は、演算素子151の集積部品であることができるか、又は、別個の装置であることができる。
【0100】
特定の形態では、複数のケイ素の形態を測定してモニタリングするために、本開示の方法及び装置及び分析器と共に、様々なプロセスツールが、使用されることができる。例えば、限定する目的ではなく、1つ以上のプロセスツールが、所定の容積のエッチング溶液を分析器に供給することができる。特定の形態では、1つ以上のプロセスツールは、再循環ループから所定の容積のエッチング溶液を抽出することができる。再循環ループから抽出されたエッチング溶液は、1つ以上のプロセスツールによって、試験のための分析器に提供されることができる。様々なプロセスツールが分析器と共に使用できること、及び、そのような装置が多数のプロセスシステムに構成できること、を当業者は理解するであろう。
【0101】
本開示の主題は、下記の例を参照することによって、一層理解されるであろう。下記の例は、本開示の主題の単なる例証であって、主題の範囲を限定するとは決して考慮されるべきではない。
【0102】
例
下記の例は、本開示の主題の単なる例証であって、それらは、主題の範囲を限定するとは決して考慮されるべきではない。
【0103】
例1:ケイ素化合物の選択的な測定(フッ化物試験)
【0104】
この例は、2つのフッ化物試験方法を使用して、エッチング溶液中の2つの異なるケイ素化合物(化合物A及び化合物B)の選択的な測定を評価した。2つのフッ化物試験方法は、同じ化学薬品で異なる結合比を与えた。それ故に、溶液中の特定のケイ素化合物の選択的な計算を提供した。
【0105】
溶液1~溶液7が調製され、各々は、表1に提示されるように化合物A及び化合物Bのブレンドを含み、2つの異なる実験試験条件(条件1及び条件2)下で、試験された。化合物Bは、ケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)から得られるケイ素を含んだ。化合物Aは、化合物Bの中に含まれるケイ素化合物とは異なるケイ素化合物を含んだ。化合物Aは、式Si(OH)4の中に少なくとも1つの置換された(-OH)基を有するケイ素化合物を含んだ(すなわち、式Si-R1,R2,R3,R4において、少なくともの1つのR1,R2,R3,R4は、-OH基ではない)。溶液1~溶液7が調製され、表1に提示されるように化合物A及び化合物Bの変化する濃度を含んだ。表1は、Siを単位にして、化合物A及び化合物Bの濃度を提供する。例えば、Siは、原子量28を有し、Si(OH)4は、式量96を有する。その結果、96ppmのSi(OH)4化合物⇔28ppmのSi。溶液1は、対照溶液であった。溶液2は、化合物B(Na2SiO3)からの約50ppmのSiを含んだ。溶液3は、化合物B(Na2SiO3)からの約100ppmのSiを含んだ。溶液4は、化合物Aからの約150ppmのSiを含んだ。溶液5は、化合物Aからの約150ppmのSi及び化合物B(Na2SiO3)からの約20ppmのSiを含んだ。溶液6は、化合物Aからの約75ppmのSiを含んだ。溶液7は、化合物Aからの約75ppmのSi及び化合物B(Na2SiO3)からの約20ppmのSiを含んだ。各々の溶液は、溶液の総重量に基づいて、約85重量%リン酸(H3PO4)を含んだ。各々の溶液は、下記で提供されるように、2つの異なる実験試験条件下で、条件1及び条件2の下で、試験された。各々の条件後、溶液中の合計のケイ素濃度が、分析器を介して、測定された。分析器は、Si元素のppmでの濃度を測定した。各々のケイ素化合物(化合物A及び化合物B)の濃度が、ここに提供される式1~式4に基づいて、選択的に測定された。表1におけるように、表2は、化合物A及び化合物Bの濃度を、Siを単位にして、提供する。
【0106】
条件1は、米国特許第8,008,087(to Shalyt, et al.)で提供されるような、ここに記載の方法を含んだ。条件2は、各々のサンプル25mL当り10.4mLの量で脱イオン(DI)水が添加される修正試験条件を含んだ。
【0107】
化合物Bのフッ化物結合比は、4.5で既定された(すなわち、Si * 4.5F)。条件1における化合物Aのフッ化物結合比は、2で既定された(すなわち、Si * 2F)。条件2における化合物Aのフッ化物結合比は、1.25で既定された(すなわち、Si * 1.25F)。これは、g
1=2/4.5=0.444;g
2=1.25/4.5=0.277を与えた。
【表1】
【0108】
【0109】
例2:ケイ素化合物の選択的な測定(元素分析及びフッ化物試験)
【0110】
この例は、元素分析法及びフッ化物試験方法を使用して、エッチング溶液中の2つの異なるケイ素化合物(化合物A及び化合物B)の選択的な測定を評価した。溶液の元素分析は、全ての形態に対して同等の敏感さを持つSiなどの化学薬品の合計濃度を提供した。溶液中の化学薬品の個別の形態を計算するために、異なる形態のSiに対する異なる敏感さを持つフッ化物試験が、使用された。
【0111】
例1で提供されるような変化する濃度の化合物A及び化合物Bを含む溶液1~溶液7が調製された。各々の溶液は、2つの異なる実験試験条件下で、試験された:誘導結合プラズマ原子発光分析(ICP-OES)(Avio 200, Perkin Elmer, Waltham, MA)による元素分析法及び例1で提供されるような条件2。ICP-OES分析用のサンプルは、測定よりも前に、脱イオン水で1/10に前希釈された。ICP-OES測定は、251.6nm波長でラジアルモードで実施された。
【0112】
条件2の後、溶液中の合計のケイ素濃度が、分析器を介して、測定された。分析器は、Si元素のppmでの濃度を測定した。各々のケイ素化合物(化合物A及び化合物B)の濃度が、ここに提供される式1~式4に基づいて、選択的に決定された。式1~式4において、g1=1である。なぜなら、使用されたICP-OES元素分析は、全てのケイ素化合物に対して同等の敏感さを有したからである。表3は、化合物A及び化合物Bの濃度を、Siを単位にして、提供する。
【0113】
【0114】
例3:ケイ素化合物の選択的な測定(測定方法及びフッ化物試験)
【0115】
この例は、測定方法及びフッ化物試験方法を使用して、エッチング溶液中の2つの異なるケイ素化合物(化合物A及び化合物B)の選択的な測定を評価した。測定方法は、ケイ素化合物の特定の官能基を測定する方法を、含む。例えば、当該測定方法は、紫外・可視-近赤外/赤外分光法(UV-Vis-NIR-IR)、ラマン分光法、電位差測定法、ボルタンメトリー、表面張力、又はクロマトグラフィーを、含む。溶液中の化学薬品の個別の形態を計算するために、異なる形態のSiに対する異なる敏感さを持つフッ化物試験が、使用された。
【0116】
例1で提供されるような変化する濃度の化合物A及び化合物Bを含む溶液1~溶液7が調製された。各々の溶液は、2つの異なる実験試験条件下で、試験された:ケイ素化合物の特定の官能基を測定するための測定方法及び例1で提供されるような条件2。
【0117】
条件2の後、溶液中の合計のケイ素濃度が、分析器を介して、測定された。分析器は、Si元素のppmでの濃度を測定する。各々のケイ素化合物(化合物A及び化合物B)の濃度が、ここに提供される式1~式4に基づいて、選択的に決定される。特に、各々のケイ素化合物(化合物A及び化合物B)の濃度が、方法I又は方法IIのいずれかに従って、選択的に決定される。
【0118】
方法I:元素分析(例えば、誘導結合プラズマ原子発光分析(ICP-OES))は、合計のケイ素(Si)濃度を測定する。フッ化物試験は、「効果的な合計のSi2」ケイ素濃度(すなわち、合計測定ケイ素)を、測定する。式1~式4は、Si-X(例えば、化合物A)及びSi-Y(例えば、化合物B)を測定するために、解かれる。
【0119】
方法II:測定方法(例えば、紫外・可視-近赤外/赤外分光法(UV-Vis-NIR-IR)、ラマン分光法、電位差測定法、ボルタンメトリー、表面張力、又はクロマトグラフィー)は、“X”を測定して、溶液中のSi-Xの量を提供する。フッ化物試験は、「効果的な合計のSi2」ケイ素濃度(すなわち、合計測定ケイ素)を、測定する。式1~式4は、Si-X(例えば、化合物A)及びSi-Y(例えば、化合物B)を測定するために、解かれる。
【0120】
溶液1~溶液7の中の各々のケイ素化合物(化合物A及び化合物B)の測定/計算濃度の試験結果は、例えば、フッ化物試験及び元素分析による例2(表3)及びフッ化物試験による例1(表2)において計算/測定されるように、表1、例1に述べる濃度と同様であることが、予測される。
【0121】
ここの記述は、開示された主題の原理を単に例証するにすぎない。ここの教示を考慮すると、記載された形態の様々な修正及び変更が、当業者には明白であろう。その結果、ここの開示は、開示された主題の範囲の例証であってそれを限定するものではないことが、意図される。更に、開示された主題の原理は、様々な構成で実施することができて、そして、ここに示される特定の形態に限定される意図は決してない。
【0122】
表現されて主張されている様々な形態に加えて、開示された主題は、ここで開示されて主張されている特徴の他の組合せを有する他の形態にも関する。その結果、ここに開示された特徴のいかなる適した組合せを、開示された主題が含むように、ここで示される特定の特徴は、開示された主題の範囲内の他のやり方でお互いに、組合せることができる。開示された主題の特定の形態の前述の記述は、例証及び記述の目的で、提供された。開示された主題を開示されたそれらの形態に限定する意図はないし、網羅的である意図もない。
【0123】
開示された主題の範囲又は本質から逸脱することなしに、開示された主題のシステム及び方法において、様々な修正及び変更をすることができることが、当業者には明白であろう。こうして、開示された主題は、添付の特許請求の範囲の範囲内及びそれらの同等の範囲内にある修正及び変更を含むことが、意図される。
【0124】
様々な特許及び特許出願がここに引用されており、それらの内容の全体が、参照によって、ここに組み込まれている。
本発明に関連して、以下の内容を更に開示する。
[1]
エッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定する方法であって:
第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物を含む所定の容積のエッチング溶液を含む試験溶液を提供すること;
フッ化物ベースの化合物を試験溶液に第1の条件で添加して、ケイ素:試薬の第1の結合比を与えること及び第1の測定を実施すること;
フッ化物ベースの化合物を試験溶液に第2の条件で添加して、ケイ素:試薬の第2の結合比を与えること及び第2の測定を実施すること;及び
第1の測定及び第2の測定に基づいて第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物の濃度を決定すること、
を含み、
しかも、第1のケイ素化合物が、第2のケイ素化合物とは異なり、
しかも、第1の結合比が、第2の結合比とは異なる、前記の方法。
[2]
フッ化物ベースの化合物が、所定の濃度のフッ化物イオンを含み、そして、第1の測定及び第2の測定を実施することが、試験溶液中のフッ化物イオンの測定濃度を測定すること;及び試験溶液中のフッ化物イオンの所定の濃度と測定濃度との相違からケイ素濃度を決定することを含む、[1]の方法。
[3]
フッ化物イオンの測定濃度を測定することが、イオンクロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、又は電気化学法を使用することを含む、[2]の方法。
[4]
フッ化物イオンの測定フッ化物濃度を測定することが、フッ化物イオン選択電極を使用することを含む、[3]の方法。
[5]
第2の条件が、所定の容積の共溶媒を試験溶液に添加することを含む、[1]の方法。
[6]
共溶媒が、試薬とプレブレンドされる、[5]の方法。
[7]
共溶媒が水性である、[5]の方法。
[8]
共溶媒が脱イオン水を含む、[5]の方法。
[9]
共溶媒が非水性である、[5]の方法。
[10]
共溶媒が、カルボン酸、スルホン酸、又はそれらの組合せを含む、[9]の方法。
[11]
共溶媒が、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、それらの置換誘導体、又はそれらの組合せを含む、[10]の方法。
[12]
試験溶液が、試験溶液の総重量に基づいて約10重量%~約100重量%の量で存在するリン酸を含む、[1]の方法。
[13]
窒化ケイ素を試験溶液で選択的にエッチングすることを更に含む、[12]の方法。
[14]
材料を試験溶液で選択的にエッチングして、マイクロ電子デバイスを製造することを更に含む、[12]の方法。
[15]
試験溶液を提供することが、再循環ループから試験溶液をサンプリングすることを含む、[1]の方法。
[16]
エッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定する方法であって:
第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物を含む所定の容積のエッチング溶液を含む試験溶液を提供すること;
フッ化物ベースの化合物を試験溶液に添加して、ケイ素:試薬の第1の結合比を与えること及び第1の測定を実施すること;
所定の容積の共溶媒を試験溶液に添加して、ケイ素:試薬の第2の結合比を与えること及び第2の測定を実施すること;及び
第1の測定及び第2の測定に基づいて第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物の濃度を決定すること、
を含み、
しかも、第1のケイ素化合物が、第2のケイ素化合物とは異なり、
しかも、第1の結合比が、第2の結合比とは異なる、前記の方法。
[17]
フッ化物ベースの化合物が、所定の濃度のフッ化物イオンを含み、そして、第1の測定及び第2の測定を実施することが、試験溶液中のフッ化物イオンの測定濃度を測定すること;及び試験溶液中のフッ化物イオンの所定の濃度と測定濃度との相違からケイ素濃度を決定することを含む、[16]の方法。
[18]
フッ化物イオンの測定濃度を測定することが、イオンクロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、又は電気化学法を使用することを含む、[17]の方法。
[19]
エッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定する方法であって:
第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物を含む所定の容積のエッチング溶液を含み、そして、第1部分及び第2部分を有する、試験溶液を提供すること;
第1の測定が、第1のケイ素化合物又は第2のケイ素化合物のケイ素の形態の1つ以上の官能基の合計濃度又は合計のケイ素濃度を含む、試験溶液の第1部分の第1の測定を実施すること;
フッ化物ベースの化合物を試験溶液の第2部分に添加して、ケイ素:試薬の結合比を与えること;
第2の測定を実施すること;及び
第1の測定及び第2の測定に基づいて第1のケイ素化合物及び第2のケイ素化合物の濃度を決定すること、
を含む前記の方法。
[20]
フッ化物ベースの化合物が、所定の濃度のフッ化物イオンを含み、そして、第2の測定を実施することが、試験溶液中のフッ化物イオンの測定濃度を測定すること;及び試験溶液中のフッ化物イオンの所定の濃度と測定濃度との相違からケイ素濃度を決定することを含む、[19]の方法。
[21]
フッ化物イオンの測定濃度を測定することが、イオンクロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、又は電気化学法を使用することから成る群から選択される、[20]の方法。
[22]
第1の測定を実施することが、全てのケイ素の形態に対する同等の敏感さを有することを含み、そして、第2の測定を実施することが、全てのケイ素の形態に対する等しくない敏感さを有することを含む、[19]の方法。
[23]
第1の測定を実施することよりも前に、試験溶液の第1部分を希釈することを更に含む、[19]の方法。
[24]
リン酸、ケイ素化合物、及び水を含むエッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定するための装置であって:
所定の容積のエッチング溶液、所定の濃度のフッ化物ベースの試薬、及び、場合により所定の容積の共溶媒を含む試験溶液を含有するように適合されている分析セル;
所定の容積のエッチング溶液、所定の濃度のフッ化物ベースの試薬、及び所定の容積の共溶媒を受けるように適合されている、分析セルに流体的に結合しているリザーバ;
試験溶液中のフッ化物イオンの濃度を測定するために分析セルに動作するように結合している参照電極及びフッ化物イオン特異電極;及び
原因に動作する格納指示を持つ記憶素子を有するプロセッサー、
を含み、
実行された時に、
所定の容積のエッチング溶液を、リザーバから分析セルに提供し、
もしあれば所定の容積の共溶媒を、リザーバから分析セルに提供し、
所定の濃度のフッ化物ベースの試薬を、試験溶液中の実質的に全てのケイ素イオンと反応するように要求されるものの所定の結合比で化学量論的に過剰で、リザーバから分析セルに提供し、その結果、フッ化物イオン特異電極及び参照電極が試験溶液と接触し、
フッ化物イオン特異電極の電位を測定し、及び
試験溶液中の所定の濃度のフッ化物イオンの予測電位と測定電位との相違に基づいて、エッチング溶液中のケイ素イオンの濃度を決定する、
前記の装置。
[25]
フッ化物イオン特異電極及び参照電極が、複合電極を含み、そして、フッ化物イオンが、フッ化物化合物の一部として、試験溶液に添加される、[24]の装置。
[26]
試験溶液の温度を測定するための温度センサーを更に含み、しかも、プロセッサーが、温度センサーから温度データを取得するように更に動作する、[24]の装置。
[27]
リン酸、ケイ素化合物、及び水を含むエッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定するための装置であって:
所定の容積のエッチング溶液及び所定の容積の共溶媒を含む試験溶液を含有するように適合されていて、共溶媒が所定の濃度のフッ化物ベースの試薬を含む、分析セル;
所定の容積の共溶媒及び試験溶液へ所定の容積のエッチング溶液を受けるように適合されている、分析セルに流体的に結合しているリザーバ;
試験溶液中のフッ化物イオンの濃度を測定するために分析セルに動作するように結合している参照電極及びフッ化物イオン特異電極;及び
原因に動作する格納指示を持つ記憶素子を有するプロセッサー、
を含み、
実行された時に、
所定の容積のエッチング溶液を、リザーバから分析セルに提供し、
所定の容積の共溶媒を、リザーバから分析セルに提供し、共溶媒は、試験溶液中の実質的に全てのケイ素イオンと反応するように要求されるものの所定の結合比で化学量論的に過剰で、所定の濃度のフッ化物ベースの試薬を含み、その結果、フッ化物イオン特異電極及び参照電極が試験溶液と接触し、
フッ化物イオン特異電極の電位を測定し、及び
試験溶液中の所定の濃度のフッ化物イオンの予測電位と測定電位との相違に基づいて、エッチング溶液中のケイ素イオンの濃度を決定する、
前記の装置。
[28]
リン酸、ケイ素化合物、及び水を含むエッチング溶液中の複数のケイ素化合物の濃度を決定するための装置であって:
所定の容積のエッチング溶液及び所定の容積の共溶媒を含む第1の試験溶液を含有するように適合されていて、共溶媒が所定の濃度のフッ化物ベースの試薬を含む、第1の分析セル;
所定の容積のエッチング溶液を含む第2の試験溶液を含有するように適合されている、第2の分析セル;
第1の試験溶液及び第2の試験溶液へ所定の容積のエッチング溶液を受けるように適合されている、第1の分析セル及び第2の分析セルに流体的に結合しているリザーバ;
第1の試験溶液中のフッ化物イオンの濃度を測定するために第1の分析セルに動作するように結合している参照電極及びフッ化物イオン特異電極;
第2の試験溶液の合計のケイ素濃度を測定するために第2の分析セルに動作するように結合している元素分析装置;及び
原因に動作する格納指示を持つ記憶素子を有するプロセッサー、
を含み、
実行された時に、
所定の容積のエッチング溶液を、リザーバから第1の分析セル及び第2の分析セルに提供し、
所定の容積の共溶媒を、リザーバから第1の分析セルに提供し、共溶媒は、試験溶液中の実質的に全てのケイ素イオンと反応するように要求されるものの所定の結合比で化学量論的に過剰で、所定の濃度のフッ化物ベースの試薬を含み、その結果、フッ化物イオン特異電極及び参照電極が第1の試験溶液と接触し、
フッ化物イオン特異電極の電位を測定し、
第1の試験溶液中の所定の濃度のフッ化物イオンの予測電位と測定電位に基づいて、第1のエッチング溶液中のケイ素イオンの濃度を決定し、及び
所定の容積の第2の試験溶液を、第2の分析セルから、元素分析用の元素分析装置に提供し、そして、第2の試験溶液の合計のケイ素濃度を決定する、
前記の装置。