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特許7229360OLEDアレイ基板、表示パネル及び表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】OLEDアレイ基板、表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   H10K 59/35 20230101AFI20230217BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230217BHJP
   G09F 9/302 20060101ALI20230217BHJP
   G09F 9/40 20060101ALI20230217BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20230217BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20230217BHJP
   H10K 59/82 20230101ALI20230217BHJP
   H10K 50/88 20230101ALI20230217BHJP
【FI】
H10K59/35
G09F9/30 365
G09F9/302 C
G09F9/40 301
G09F9/30 338
G09F9/30 309
H10K59/10
H10K59/131
H10K59/82
H10K50/88
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021534966
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2019114846
(87)【国際公開番号】W WO2020199575
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】201910272786.5
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516189213
【氏名又は名称】クンシャン ゴー-ビシオノクス オプト-エレクトロニクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Kunshan Go-Visionox Opto-Electronics Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone, Kunshan, Jiangsu 215300, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン ミャオ
(72)【発明者】
【氏名】ツァン ルー
(72)【発明者】
【氏名】フー シミン
(72)【発明者】
【氏名】ハン ツェンツェン
【審査官】小川 亮
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108830234(CN,A)
【文献】特開2006-079947(JP,A)
【文献】特開2005-134421(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02387021(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 59/35
G09F 9/30
G09F 9/302
G09F 9/40
H10K 59/10
H10K 59/131
H10K 59/82
H10K 50/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
OLEDアレイ基板であって、
第1の表示領域と第2の表示領域とを含み、
前記第1の表示領域は、前記第2の表示領域に隣接し、
前記第1の表示領域は、アレイ状に配列された第1のOLED画素を含み、
前記第2の表示領域は、アレイ状に配列された第2のOLED画素を含み、
前記第2のOLED画素の画素密度は、前記第1のOLED画素の画素密度よりも小さく、
同一行に位置される第2のOLED画素の第2の画素駆動ユニットと、第1のOLED画素の第1の画素駆動ユニットとが、同一の第一の走査線に接続され、隣接する2つの前記第一の走査線の間に少なくとも1つの第二の走査線が存在し、そのうち、1つの前記第二の走査線が同一行の第1のOLED画素の第1の画素駆動ユニットのみに接続され、
および/または、
同一列に位置される第2のOLED画素の第2の画素駆動ユニットと、第1のOLED画素の第1の画素駆動ユニットとが、同一組の第一類データ線に接続され、隣接する2組の前記第一類データ線の間に少なくとも1組の第二データ線が存在し、1組に属される前記第二データ線が同一列の第1のOLED画素の第1の画素駆動ユニットのみに接続されることを特徴とするOLEDアレイ基板。
【請求項2】
隣接する2つの第一の走査線の間には、第二の走査線が1本のみ存在し、及び/又は、隣接する2組の前記第一データ線の間には、1組に属される第二データ線のみ存在し、
前記第1の表示領域の第n行の第1の画素駆動ユニットと、前記第2の表示領域の第1の行の第2の画素駆動ユニットとは、第1の行の第一の走査線に接続され、
前記第1の表示領域の第n+1行の第1の画素駆動ユニットは、1列の第二の走査線に接続され、
前記第1の表示領域の第n+2行の第1の画素駆動ユニットと、前記第2の表示領域の第2の行の第2の画素駆動ユニットとは、第2の行の第一の走査線に接続され、
nは1以上で整数であることを特徴とする請求項1に記載のOLEDアレイ基板。
【請求項3】
前記第1の表示領域の第m列の第1の画素駆動ユニットと、前記第2の表示領域の第一列の第2の画素駆動ユニットとは、第一列の第一類データ線に接続され、
前記第1の表示領域の第m+1列の第1の画素駆動ユニットは、1列の第二データ線に接続され、
前記第1の表示領域の第m+2列の第1の画素駆動ユニットと、前記第2の表示領域の第二列の第2の画素駆動ユニットとは、第二列の第一類データ線に接続され、
mは1以上で整数であることを特徴とする請求項2に記載のOLEDアレイ基板。
【請求項4】
前記第1のOLED画素は、三角形に配列された第1の赤色サブ画素、第1の緑色サブ画素及び第1の青色サブ画素を含み、
前記第1の表示領域において奇数行の第1のOLED画素のサブ画素が第1順番で配列され、前記第1の表示領域において偶数行の第1のOLED画素のサブ画素が第2順番で配列され、前記第1順番は、第1の赤色サブ画素、第1の緑色サブ画素、および第1の青色サブ画素の順であり、前記第2順番は、第1の青色サブ画素、第1の緑色サブ画素、および第1の赤色サブ画素の順であり、
前記第1の画素駆動ユニットは、並列配列された第1の画素回路と、第2の画素回路と、第3の画素回路とを備え、前記第1の画素回路は、前記第1の赤色サブ画素に接続され、前記第2の画素回路は、前記第1の緑色サブ画素に接続され、前記第3の画素回路は、前記第1の青色サブ画素に接続され、
奇数行の前記第1の画素駆動ユニットの画素回路を第3順番で配置し、偶数行の前記第1の画素駆動ユニットの画素回路を第4順番で配置し、前記第3順番は、第1の画素回路、第2の画素回路、第3の画素回路の順であり、第4順番は、第3の画素回路、第2の画素回路、第1の画素回路の順であり、
前記第2のOLED画素が、三角形に配列された第2の赤色サブ画素、第2の緑色サブ画素及び第2の青色サブ画素を含み、
前記第2の表示領域で奇数行の第2のOLED画素のサブ画素は、第5順番で配列され、前記第2の表示領域で偶数行の第2のOLED画素のサブ画素は第6順番で配列され、または、前記第2の表示領域で奇数行の前記第2のOLED画素の前記サブ画素が前記第6順番で配列され、前記第2の表示領域で偶数行の前記第2のOLED画素の前記サブ画素が前記第5順番で配列され、前記第5順番は第2の青色サブ画素、第2の緑色サブ画素、第2の赤色サブ画素の順であり、第6順番は第2の赤色サブ画素、第2の緑色サブ画素、第2の青色サブ画素の順であり、
前記第2の画素駆動ユニットは、並列配列された第4の画素回路、第5の画素回路、及び第6の画素回路を含み、前記第4の画素回路は前記第2の赤色サブ画素に接続され、前記第5の画素回路は前記第2の緑色サブ画素に接続され、前記第6の画素回路は前記第2の青色サブ画素に接続され、
奇数行の前記第2の画素駆動ユニットの画素回路は第7順番で配列され、偶数行の前記第2の画素駆動ユニットの画素回路は第8順番で配列され、前記第7順番は第6の画素回路、第5の画素回路、第4の画素回路の順であり、第8順番は第4の画素回路、第5の画素回路、第6の画素回路の順であり、
一組の前記第一類データ線は、第1のデータ線、第2のデータ線、及び第3のデータ線を含み、前記第1のデータ線は赤色データ信号を伝送するように構成され、前記第2のデータ線は緑色データ信号を伝送するように構成され、前記第3のデータ線は青色データ信号を伝送するように構成され、
前記第4の画素回路は前記第1のデータ線に接続され、前記第5の画素回路は前記第2のデータ線に接続され、前記第6の画素回路は前記第3のデータ線に接続されることを特徴とする請求項2に記載のOLEDアレイ基板。
【請求項5】
第3の表示領域をさらに含み、前記第3の表示領域は、前記第2の表示領域に隣接し、前記第3の表示領域は、前記第2の表示領域に前記第1の表示領域から離れた側に位置し、前記第3の表示領域の透光率は、前記第1の表示領域の透光率よりも大きく、前記第3の表示領域の透光率は、前記第2の表示領域の透光率よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のOLEDアレイ基板。
【請求項6】
前記第3の表示領域は、アレイ状に配列された第3のOLED画素を含み、前記第3のOLED画素の画素密度は、前記第1の表示領域の前記第1のOLED画素の前記画素密度よりも低く、前記第3のOLED画素の画素密度は、前記第2の表示領域の前記第2のOLED画素の前記画素密度よりも低く、
前記第2の表示領域において前記第3の表示領域側に隣接する第2のOLED画素のサイズは、前記第2の表示領域において第1の表示領域側に隣接する第2のOLED画素のサイズよりも大きく、
前記第2の表示領域において前記第3の表示領域側に隣接して2つで隣接する前記第2のOLED画素の間の距離は、前記第2の表示領域において第1の表示領域側に隣接して2つで隣接する前記第2のOLED画素の間の距離よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載のOLEDアレイ基板。
【請求項7】
前記第3のOLED画素は、三角形に配置された第3の赤色サブ画素、第3の緑色サブ画素、および第3の青色サブ画素を含み、
前記第3の表示領域で前記第2の表示領域に隣接する境界領域は、前記第3のOLED画素の第3の画素駆動ユニットを有し、前記第3の画素駆動ユニットは、第7の画素回路、第8の画素回路及び第9の画素回路を有し、同一行の全ての前記第3の赤色サブ画素がいずれも前記第7の画素回路に接続され、同一行の全ての前記第3の緑色サブ画素がいずれも前記第8の画素回路に接続され、同一行の全ての前記第3の青色サブ画素がいずれも前記第9の画素回路に接続され、
一組の前記第一類データ線は、第1のデータ線、第2のデータ線、及び第3のデータ線を含み、前記第1のデータ線は赤色データ信号を伝送するように構成され、前記第2のデータ線は緑色データ信号を伝送するように構成され、前記第3のデータ線は青色データ信号を伝送するように構成され、
1行の第一の走査線が境界領域まで延びて前記第3の画素駆動ユニットに接続され、1組の第一類データ線が前記境界領域まで延びて前記第3の画素駆動ユニットに接続され、前記第7の画素回路が前記第1のデータ線に接続され、前記第8の画素回路が前記第2のデータ線に接続され、前記第9の画素回路が前記第3のデータ線に接続されることを特徴とする請求項6に記載のOLEDアレイ基板。
【請求項8】
前記OLEDアレイ基板は、底板と、前記底板上に位置される第1の電極層と、前記第1の電極層上に位置される発光構造層と、前記発光構造層上に位置される第2の電極層と、を備え、
前記第3の表示領域に位置される第1の電極層は、第1の方向に沿って配列された複数の第1の電極群を含み、各前記第1の電極群は、複数の第1の電極を含み、前記第1の電極群の第1の電極は第2の方向に沿って配列され、前記第2の方向は前記第1の方向と交差し、各前記第1の電極は、1つ以上の第1の電極ブロックを含み、前記第1の電極が複数の第1の電極ブロックを含む場合に、隣接する2つの第1の電極ブロックは電気的に接続され、前記第3の表示領域は、複数のサブ表示領域を含み、各前記サブ表示領域の少なくとも1つの縁部は、前記第2の表示領域に隣接し、各前記第1の電極は、1つのサブ表示領域だけに配置され、異なる第1の電極は、異なる画素により駆動され、
前記第1の電極群の前記複数の第1の電極において、隣接する2つの前記第1の電極の間にギャップがあり、隣接する2つの前記第1の電極は絶縁されており、複数の前記第1の電極群の間の前記ギャップは、前記第1の方向にずれて配列され、
各前記第1の電極群は2つの第1の電極を有し、前記第3の表示領域は2つのサブ表示領域を有し、前記第1の電極群の前記2つの第1の電極はそれぞれに前記2つのサブ表示領域に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のOLEDアレイ基板。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のOLEDアレイ基板と、
前記OLEDアレイ基板上に前記OLEDアレイ基板から離れた底板側に封止される封止層と、を含み、
前記OLEDアレイ基板はさらに第3の表示領域を含む場合、前記第3の表示領域の後面に感光素子が設けられることを特徴とする表示パネル。
【請求項10】
前記第3の表示領域の少なくとも一部は、前記第2の表示領域に囲まれ、
前記封止層は、偏光子を含み、前記偏光子は、前記第1の表示領域及び前記第2の表示領域を覆い、前記第3の表示領域を覆わないことを特徴とする請求項9に記載の表示パネル。
【請求項11】
素子領域を有する装置本体と、
請求項9に記載の表示パネルと、を含み、
前記表示パネルは、前記装置本体を覆い、
そのうち、前記OLEDアレイ基板は第3の表示領域をさらに含む場合、前記素子領域が前記第3の表示領域の後方に位置され、前記素子領域に、前記第3の表示領域を通過して発光または集光する感光素子が含まれることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示技術の分野、特にOLEDアレイ基板、表示パネル及び表示装置に関する。
【0002】
この出願は、2019年04月04日に中国特許庁に出願された第201910272786.5号という出願番号である「OLEDアレイ基板、表示パネル及び表示装置」の中国特許出願に基づいて優先権を主張し、その内容はすべて参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
表示装置の急速な発展に伴い、ユーザによる表示スクリーン占有率に対する要求がますます高くなっている。携帯端末の表示スクリーンの上部に、通常カメラ、センサ、イヤーピースなどの部品が設置される必要があるから、従来技術では、異形スクリーン(ノッチ)という設計案を採用して、上記部品を設置するように表示スクリーンの上部の一部の領域が予め確保されるが、これでスクリーンの全体的な一致性に影響が与えられる。よって、全面スクリーンが産業界からますます注目を浴びている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、従来技術の課題を解決するために、OLEDアレイ基板、表示パネル及び表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願開示の1つの態様では、OLEDアレイ基板を提供し、第1の表示領域と第2の表示領域とを含み、前記第1の表示領域は、前記第2の表示領域に隣接し、前記第1の表示領域は、アレイ状に配列された第1のOLED画素を含み、前記第2の表示領域は、アレイ状に配列された第2のOLED画素を含み、前記第2のOLED画素の画素密度は、前記第1のOLED画素の画素密度よりも小さく、同一行に位置される第2のOLED画素の第2の画素駆動ユニットと、第1のOLED画素の第1の画素駆動ユニットとが、同一の第一の走査線に接続され、隣接する2つの前記第一の走査線の間に少なくとも1つの第二の走査線が存在し、そのうち、1つの前記第二の走査線が同一行の第1のOLED画素の第1の画素駆動ユニットのみに接続され、および/または、同一列に位置される第2のOLED画素の第2の画素駆動ユニットと、第1のOLED画素の第1の画素駆動ユニットとが、同一組の第一類データ線に接続され、隣接する2組の前記第一類データ線の間に少なくとも1組の第二のデータ線が存在し、1組に属される前記第二のデータ線が同一列の第1のOLED画素の第1の画素駆動ユニットのみに接続される。
【0006】
本願実施例の第2方面では、表示パネルを提供し、上記OLEDアレイ基板と、前記OLEDアレイ基板上に前記OLEDアレイ基板から離れた底板側に封止される封止層と、を含み、前記OLEDアレイ基板はさらに第3の表示領域を含む場合、前記第3の表示領域の後面に感光素子が設けられる。
【0007】
本願実施例の第3方面では、表示装置を提供し、素子領域を有する装置本体と、上記表示パネルと、を含み、前記表示パネルは、前記装置本体を覆い、そのうち、前記素子領域が前記第3の表示領域の後方に位置され、前記素子領域に、前記第3の表示領域を通過して発光または集光する感光素子が含まれる。
【0008】
上記各実施例によれば、第2の表示領域において同一行の第2のOLED画素の第2の画素駆動ユニットと、第1の表示領域の第1のOLED画素の第1の画素駆動ユニットとが同一の第一の走査線に接続され、隣接する2つの第一の走査線の間に少なくとも1つの第二の走査線が存在する場合、第2の表示領域のインターレース表示を実現できる。同一列の第2のOLED画素の第2の画素駆動ユニットと第1のOLED画素の第1の画素駆動ユニットとが同一組の第一類データ線に接続され、隣接する2組の前記第一類データ線の間に少なくとも1組の第二のデータ線が存在する場合、第2の表示領域のインターレース表示を実現できる。このように、サブ画素レンダリング法(SPR)で同一フレームのオリジナルの画像データを処理して第2の表示領域に表示される同一フレームの画像データを得る際に、第2の表示領域で隣接する第2のOLED画素の画像データ間のクロストークを弱めることができ、画像処理の難しさを低減することができる。
【0009】
上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、本願を限定するものではなく、単なる例示的かつ説明的なものであることに留意する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本願の図面は明細書に組み込まれ、明細書の一部が構成されるものであり、本願に適合する実施例を示し、明細書とともに本願の原理を説明するために利用される。
【0011】
図1】従来技術による全面スクリーンの概略構造図である。
図2】本願の実施例によるOLEDアレイ基板の概略構造図である。
図3】本願の他の実施例によるOLEDアレイ基板の概略構造図である。
図4】本願の実施例によるサブ画素レンダリング操作後の1つのフレームの画像データの概略図である。
図5】本願の他の実施例によるOLEDアレイ基板の概略構造図である。
図6】本願の他の実施例によるOLEDアレイ基板における第一類データ線の概略構造図である。
図7】本願の他の実施例によるOLEDアレイ基板において画素と画素回路との接続構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここでは、図面に示される例示的な実施例について詳細に説明する。次の説明が添付図面に言及している場合は、別の説明がない限り、他の添付図面中の同じ数字が同一の又は類似の要素を示している。以下の例示的な実施例に記載された実施態様は、本願の開示と一致する全ての実施例を表すものではない。むしろ、それらは、請求項に記載された本願開示に対していくつかの点で一致する装置の例に過ぎない。
【0013】
図1に示すように、第1の表示領域11と第3の表示領域12とを含む全面スクリーン1が存在する。第3の表示領域12は、透光機能と表示機能と共に実現することが可能である。第3の表示領域12の後面には、カメラや距離センサ等の感光素子が設けられている。第3の表示領域12の画素と第1の表示領域11の画素とは、材質や構造が異なるので、第3の表示領域12の表示輝度が第1の表示領域11の表示輝度と異なり、第3の表示領域12と第1の表示領域11との間に明確な境界線が存在し、ユーザの感覚に影響を与える。
【0014】
第1の表示領域11の駆動モードはアクティブ駆動であり、第3の表示領域12の駆動モードはパッシブ駆動である。このように、スクリーンの表示領域には2つの駆動モードが必要となり、全面スクリーン駆動の複雑度は大幅に高まる。
【0015】
上記技術課題に対し、本願の実施例は、表示輝度を第1の表示領域から第3の表示領域に亘ることができるOLEDアレイ基板、表示パネル及び表示装置を提供し、当該技術課題を解決できる。これにより、第1の表示領域と第3の表示領域との間の明確な境界線の存在が回避され、全面スクリーン駆動の複雑度を低減することができ、配線スペースを節約することができる。
【0016】
図2を参照し、本願の実施例は、OLEDアレイ基板を提供する。OLEDアレイ基板2は、第1の表示領域11と第2の表示領域13とを含む。前記第1の表示領域11は、前記第2の表示領域13に隣接している。前記第1の表示領域11は、アレイ状に配列された第1のOLED画素111を含み、第1の表示領域11に配置されたOLED画素を第1のOLED画素111とする。前記第2の表示領域13は、アレイ状に配列された第2のOLED画素131を含み、第2の表示領域13に配置されたOLED画素を第2のOLED画素131とする。前記第2のOLED画素131の画素密度(即ち、表示領域の単位面積当たりの画素数)は、前記第1のOLED画素111の画素密度よりも小さい。ほとんどの実施例では、画素の間のギャップが非常に小さく、表示領域の面積は、そのうちの全ての画素により埋めされるので、画素密度が減少しても隣接する画素間のギャップは変化せず、表示領域内の各画素の面積を増加させることができる。第2の表示領域13の画素密度は、第1の表示領域11の画素密度よりも小さくてもよく、第2の表示領域13の第2のOLED画素131の各々の面積は、第1の表示領域11の第1のOLED画素111の各々の面積よりも大きくてもよい。各表示領域の画素がアレイ状に配列されているので、同一行の第2のOLED画素131は、複数の行の第1のOLED画素111に対応し、又は、ある行の第1のOLED画素111がその他各行の第2のOLED画素131に対応しないことがある。同様に、同一列の第2のOLED画素131は、第1のOLED画素111の複数の列に対応し、又は、ある第1のOLED画素111の列がその他各行の第2のOLED画素131に対応しないことがある。
【0017】
一実施例では、各OLED画素は、対応する画素駆動ユニットによって駆動され、画素駆動ユニットも対応するようにアレイ状に配列される。
【0018】
図3を参照し、第1のOLED画素111の第1の画素駆動ユニット112と第2のOLED画素131の第2の画素駆動ユニット132との両者に接続された走査線を第一の走査線15とする。第2のOLED画素131の第2の画素駆動ユニット132のいずれにも接続されていない走査線を第二の走査線14とする。第1のOLED画素111の第1の画素駆動ユニット112および第2のOLED画素131の第2の画素駆動ユニット132の両方に接続されたデータ線を第一類データ線17とする。第2のOLED画素131の第2の画素駆動ユニット132のいずれにも接続されていないデータ線を第二のデータ線16とする。
【0019】
第2のOLED画素131と第1のOLED画素111とは同一行に配置されてもよく、それらの画素駆動ユニット132、112は同一の第一の走査線に接続されている。つまり、同一行に位置される第2のOLED画素131の第2の画素駆動ユニット132と、第1のOLED画素111の第1の画素駆動ユニット112とは、同一の第一の走査線15に接続されている。隣接する2つの第一の走査線15の間に少なくとも1つの第二の走査線14がある。1本の前記第二の走査線14は同一行の第1のOLED画素111の第1の画素駆動ユニット112にのみに接続される。即ち、同一の前記第二の走査線14は同一行の第1のOLED画素111だけを走査する。および/または、第2のOLED画素131と第1のOLED画素111とを同一列に配置し、その画素駆動ユニット132、112は、同一組の第一類データ線17に接続されている。つまり、同一列に位置される第2のOLED画素131の第2の画素駆動ユニット132と、第1のOLED画素111の第1の画素駆動ユニット112とは、同一組の第一類データ線17に接続されている。隣接する2組の前記第一類データ線17の間に少なくとも1組の第二のデータ線16がある。1組の前記第二のデータ線16は、同一列の第1のOLED画素111の第1の画素駆動ユニット112のみに接続され、すなわち、同一列の第1のOLED画素111だけを駆動する。同じ組のデータ線は、同じ列の各画素において異なるサブ画素を駆動するように構成された複数のデータ線である。
【0020】
一実施例では、隣接する2つの第一の走査線15の間に1つの第二の走査線14があり、第2のOLED画素131の走査線方向の長さは、第1のOLED画素111の走査線方向の長さの少なくとも2倍であってもよい。一実施例では、隣接する2組の第一類データ線17の間に1組の第二のデータ線16があり、第2のOLED画素131のデータ線方向の長さは、第1のOLED画素111のデータ線方向の長さより少なくとも2倍であってもよい。
【0021】
隣接する2つの第一の走査線の間に少なくとも1つの第二の走査線があり、この第二の走査線は、第2の表示領域においてインターレース行の画素の表示を実現することができる。隣接する2組の前記第一類データ線の間に少なくとも1組の第二のデータ線があり、第2の表示領域においてインターレース列の画素の表示を実現することができる。このように、サブ画素レンダリング法(SPR)を用いて同一フレームのオリジナルの画像データを処理して第2の表示領域に表示された同一フレームの画像データを得る時に、第2の表示領域において隣接する第2のOLED画素の画像データ間のクロストークを弱めることができ、画像処理の難しさを低減することができる。
【0022】
また、本実施例では、第2の表示領域の画素は、第1の表示領域の画素のデータ線及び走査線を共有することができるので、配線スペースを節約することができ、製造工程を簡略化することができる。
【0023】
理解しやすいように、サブ画素レンダリング(SPR)について簡単に説明する。1つのフレームの画像データが1920行、720列の画素のサブ画像データを含む場合、1920*1080の表示解像度が必要であれば、演算により(1080-720)列の画素のサブ画像データを求める。例えば、1列の1920行の画素のサブ画像データの算出方法は、隣接するT行及び隣接するT列の画素のサブ画像データに基づいて、1列1920行の画素のサブ画像データを算出し、該1列1920行の画素のサブ画像データを前記隣接するT行及び隣接するT列の画素のサブ画像データに挿入して表示パネルを駆動して表示することにより、表示解像度を向上させる。Tは1より大きい自然数である。
【0024】
第2の表示領域において1行の第2のOLED画素の第2の画素駆動ユニットと、同一行に位置される第1の表示領域において第1のOLED画素の第1の画素駆動ユニットとが同一の第一の走査線に接続されている場合、隣接する2つの第一の走査線の間に少なくとも1つの第二類走査線が存在するとともに、同一列の第2のOLED画素の第2の画素駆動ユニットと、第1のOLED画素の第1の画素駆動ユニットとが同一組の第一類データ線の組に接続されており、隣接する2組の前記第一類データ線の間に少なくとも1組の第二のデータ線が存在する場合、隣接する2行の第2のOLED画素に表示される2行の画像データの間に少なくとも1行の非表示の画像データがあり、隣接する2列の第2のOLED画素に表示される2列の画像データの間に少なくとも1列の非表示の画像データがある。第2の表示領域において隣接する2行の第2のOLED画素は、2行の画像データを表示するように構成されているので、該2行の画像データのうち少なくとも1行の画像データは表示されないと同時に、隣接する2列の第2のOLED画素は2列の画像データを表示するように構成され、該2列の画像データのうち少なくとも1列の画像データは表示されない。このように、オリジナルの画像データに対してサブ画素レンダリングを行って上記表示画像データを得る時に、オリジナルの画像データの1画素の画像データが表示画像データ中の1画素の画像データだけに影響を与え、表示される画像データ中の隣接の画素の画像データがクロストークの影響を受けないようにすることができるので、画像処理の難しさを低減することができる。
【0025】
例えば、図4を参照し、サブ画素レンダリング後の1つのフレームの画像データ4は、第1のレンダリング画像データ41と第2のレンダリング画像データ42とを含む。画像データ4は、表示された画像データである。第1のレンダリング画像データ41は、第1の表示領域11に表示される画像データであり、第2のレンダリング画像データ42は、第2の表示領域13に表示される画像データである。第1のレンダリング画像データ41の量は、第1のOLED画素111の数に適合させることができ、第2のレンダリング画像データ42の量は、第2のOLED画素131の数よりも多くすることができる。第1のレンダリング画像データ41は、アレイに対応する第1のOLED画素111に割り当てることができ、第2のレンダリング画像データ42も、アレイに割り当てることができるが、部分的に第2のOLED画素131に割り当てることができる。第1の表示領域11及び第2の表示領域13の画素と1つのフレームの画像データ4との関係は、次のとおりである。
【0026】
第1の表示領域11に対しては、隣接する2行の第1のOLED画素111が、隣接する2行の第1のレンダリング画像データ41を表示するように構成され、隣接する2列の第1のOLED画素111が、隣接する2列の第1のレンダリング画像データ41を表示するように構成されている。例えば、第1のOLED画素111の第七行は、第1のレンダリング画像データ41の第七行を表示するように構成され、第1のOLED画素111の第八行は、第1のレンダリング画像データ41の第八行を表示するように構成され、第1のOLED画素111の第一列は、第1のレンダリング画像データ41の第一列を表示するように構成され、第1のOLED画素111の第二列は、第1のレンダリング画像データ41の第二列を表示するように構成される。
【0027】
第2の表示領域13に対しては、隣接する2行の第2のOLED画素131が、2行の第2のレンダリング画像データ42を表示するように構成され、2行の第2のレンダリング画像データ42の間に少なくとも1行の非表示の第2のレンダリング画像データ42がある。すなわち、隣接する2行の第2のOLED画素131は、隣接しない2行の第2のレンダリング画像データ42を表示するように構成され、該隣接しない2行の第2のレンダリング画像データ42の間に少なくとも1行の非表示の第2のレンダリング画像データ42がある。隣接する2列の第2のOLED画素131は、2列の第2のレンダリング画像データ42を表示するように構成され、2列の第2のレンダリング画像データ42の間に少なくとも1列の非表示の第3のレンダリング画像データ42がある。すなわち、隣接する2列の第2のOLED画素131は、非隣接の2列の第2のレンダリング画像データ42を表示するように構成され、該非隣接の2列の第2のレンダリング画像データ42の間に少なくとも1列の非表示の第2のレンダリング画像データ42がある。また、ある第2のレンダリング画像データ42が位置する行または列は非表示の行または非表示の列である限り、表示されない。例えば、第二行の第2のOLED画素131は、第三行の第2のレンダリング画像データ42における第一列、第三列、第五列、第七列、第九列、第十一列の第2のレンダリング画像データ42を順次表示するように構成されている。第三行の第2のOLED画素131は、第五行の第3のレンダリング画像データ42における第一列、第三列、第五列、第七列、第九列、第十一列の第3のレンダリング画像データ42を順次表示するように構成されている。すなわち、第2の表示領域13の第2のOLED画素131は、第2のレンダリング画像データ42をインターレース行及びインターレース列で表示するように構成されている。
【0028】
図3に示すように、1つの実施例では、隣接する2つの第一の走査線15の間に1つの第二の走査線14だけがあり、第2の表示領域をインターレース行で表示することができる。これにより、画像処理の難しさを低減することができ、第2の表示領域の解像度が大きく低下することを防止することができる。
【0029】
他の実施例では、隣接する2組の前記第一類データ線17の間に1組の第二のデータ線16だけが存在し、第2の表示領域をインターレース列で表示することができる。これにより、画像処理の難しさを低減することができ、第2の表示領域の解像度が大きく低下することを防止することができる。
【0030】
他の実施例では、隣接する2つの第一の走査線15の間には第二の走査線14が1本のみ存在し、隣接する2つの前記第一類データ線17の間には第二のデータ線16が1本のみ存在し、第2の表示領域をインターレースの行と列で表示させることができる。これにより、画像処理の難しさを低減することができ、第2の表示領域の解像度が大きく低下することを防止することができる。
【0031】
図3に示すように、一実施例において、前記第1の表示領域11のn行目の第1の画素駆動ユニット112と、前記第2の表示領域13の1行目の第2の画素駆動ユニット132とは、1行目の第一の走査線15に接続されている。前記第1の表示領域11のn+1行目の第1の画素駆動ユニット112は、1行の第二の走査線14に接続されている。前記第1の表示領域11のn+2行目の第1の画素駆動ユニット112と、第2の表示領域13の2行目の第2の画素駆動ユニット132とは、2行目の第一の走査線15に接続されている。たとえば、nは1以上で整数である。
【0032】
図3に示すように、一実施例において、前記第1の表示領域11のm列目の第1の画素駆動ユニット112と、前記第2の表示領域13の1列目の第2の画素駆動ユニット132とは、1列目の第一類データ線17に接続されている。第1の表示領域11におけるm+1列目の第1の画素駆動ユニット112は、1列の第二のデータ線16に接続されている。前記第1の表示領域11のm+2列目の第1の画素駆動ユニット112と、前記第2の表示領域13の2列目の第2の画素駆動ユニット132とは、2列目の第一類データ線17に接続されている。mは1以上で整数である。たとえば、図3において、mは6であってもよいが、実際の必要性に応じて決定することができる。
【0033】
各OLED画素は、前記第1のOLED画素111及び第2のOLED画素131のように、異なる色の複数のサブ画素を含む。図5を参照し、一実施例において、前記第1のOLED画素111は、三角形状に配置された第1の赤色サブ画素R1、第1の緑色サブ画素G1及び第1の青色サブ画素B1を含む。前記第2のOLED画素131は、三角形状に配置された第2の赤色サブ画素R2と、第2の緑色サブ画素G2と、第2の青色サブ画素B2とを含む。第1の表示領域11において奇数行の第1のOLED画素111で三角形状に配置された3つのサブ画素と、偶数行の第1のOLED画素111で三角形状に配置された3つのサブ画素とが噛み合って配置されている。同様に、前記第2の表示領域13において奇数行の第2のOLED画素131で三角形状に配置された3つのサブ画素と、偶数行の第2のOLED画素131で三角形状に配置された3つのサブ画素とが噛み合わせて配置される。
【0034】
本実施例では、前記第1の表示領域11において奇数行の第1のOLED画素111のサブ画素を第1順番で配置する。例えば、当該第1順番は、第1の赤色サブ画素R1、第1の緑色サブ画素G1及び第1の青色サブ画素B1の順である。前記第1の表示領域11において偶数行の第1のOLED画素111のサブ画素は、第2順番で配置されている。例えば、当該第2順番は、第1の青色サブ画素B1、第1の緑色サブ画素G1、第1の赤色サブ画素R1の順である。
【0035】
前記第1の画素駆動ユニット112は、並列配列された第1の画素回路(図示せず)、第2の画素回路(図示せず)及び第3の画素回路(図示せず)を含む。第1の画素回路は第1の赤色サブ画素R1に接続され、第2の画素回路は第1の緑色サブ画素G1に接続され、第3の画素回路は第1の青色サブ画素B1に接続される。
【0036】
本実施例では、奇数行の前記第1の画素駆動ユニット112における画素回路を第3順番で配列し、偶数行の前記第1の画素駆動ユニット112における画素回路を第4順番で配列することができる。当該第3順番は、第1の画素回路、第2の画素回路、および第3の画素回路の順であり、当該第4順番は、第3の画素回路、第2の画素回路、および第1の画素回路の順である。
【0037】
図5に示すように、一実施例において、前記第2の表示領域13において奇数行の第2のOLED画素P1のサブ画素(P1が指す三角形に対応する3つのサブ画素)が第5順番で配列され、前記第2の表示領域において偶数行の第2のOLED画素P2のサブ画素(P2が指す三角形に対応する3つのサブ画素)が第6順番で配列されている。第2のOLED画素P1が位置する行は奇数行であり、第2のOLED画素P2が位置する行は偶数行である。当該第5順番は、第2の青色サブ画素B2、第2の緑色サブ画素G2、第2の赤色サブ画素R2で示され、当該第6順番は、第2の赤色サブ画素R2、第2の緑色サブ画素G2、第2の青色サブ画素B2で示される。
【0038】
もちろん、前記第2の表示領域において奇数行の第2のOLED画素のサブ画素を前記第6順番で配置し、前記第2の表示領域において偶数行の第2のOLED画素のサブ画素を前記第5順番で配置することもできる。
【0039】
実施例では、前記第2の画素駆動ユニット132は、並列配置された第4の画素回路(図示せず)、第5の画素回路(図示せず)及び第6の画素回路(図示せず)を含む。第4の画素回路は第2の赤色サブ画素R2に接続され、第5の画素回路は第2の緑色サブ画素G2に接続され、第6の画素回路は第2の青色サブ画素B2に接続される。
【0040】
奇数行の前記第2の画素駆動ユニット132の画素回路は第7順番で配置され、偶数行の前記第2の画素駆動ユニット132の画素回路は第8順番で配置される。当該第7順番は、第6の画素回路、第5の画素回路及び第4の画素回路の順であり、当該第8順番は、第4の画素回路、第5の画素回路及び第6の画素回路の順である。
【0041】
図6を参照し、同一組の前記第一類データ線17は、第1のデータ線LR、第2のデータ線LG及び第3のデータ線LBを含む。第1のデータ線LRは赤色のデータ信号を伝送するように構成され、第2のデータ線LGは緑色のデータ信号を伝送するように構成され、第3のデータ線LBは青色のデータ信号を伝送するように構成される。前記第4の画素回路は第1のデータ線LRに接続され、前記第5の画素回路は第2のデータ線LGに接続され、前記第6の画素回路は第3のデータ線LBに接続される。
【0042】
図7を参照し、一実施例において、前記第2の表示領域13において奇数行の第2のOLED画素P1のサブ画素を前記第6順番(R2、G2、B2)で配置し、奇数行の前記第2の画素駆動ユニット132の画素回路を前記第7順番(Bp、Gp、Rp)で配置する場合、第2の赤色サブ画素R2のアノードR21と第4の画素回路Rpとの間に接続される配線L2を非直線形状とし、第2の緑色サブ画素G2のアノードG21と第5の画素回路Gpとの間に接続される配線L3を直線形状とし、第2の青色サブ画素B2のアノードB21と第6の画素回路Bpとの間に接続される配線L1を非直線形状とすることができる。
【0043】
第1の表示領域において奇数行の第1のOLED画素のサブ画素を第1順番で配置し、偶数行の第1のOLED画素のサブ画素を第2順番で配置することを例として説明した。実用上、第1の表示領域において奇数行の第1のOLED画素のサブ画素を第2順番で配置し、偶数行の第1のOLED画素のサブ画素を第1順番で配置してもよいことが分かる。
【0044】
同様に、実用上、奇数行の前記第1の画素駆動ユニットの画素回路を第4順番で配置し、偶数行の第1の画素駆動ユニットの画素回路を第3順番で配置することができる。奇数行の前記第2の画素駆動ユニットの画素回路は第8順番で配置することができ、偶数行の前記第2の画素駆動ユニットの画素回路は第7順番で配置することができる。
【0045】
なお、第1のOLED画素に含まれる第1の赤色サブ画素、第1の緑色サブ画素、及び第1の青色サブ画素は、単に3つの異なるサブ画素を表すように例示され、第1の赤色サブ画素、第1の緑色サブ画素、及び第1の青色サブ画素(赤色、緑色、及び青色サブ画素)だけを含むものに限定されない。第1のOLED画素は、他の数で他の色のサブ画素を含む画素構造を有してもよい。第1のOLED画素のサブ画素は三角形の配列に限定されず、他の配列を用いることもできる。同様に、第2のOLED画素及び第3のOLED画素も第1のOLED画素の上記の状況に適用可能である。
【0046】
図2に示すように、一実施例において、前記OLEDアレイ基板2は、第3の表示領域12をさらに含む。前記第3の表示領域12は、前記第2の表示領域13に隣接し、前記第1の表示領域11から離れた前記第2の表示領域13の一側に位置される。
【0047】
前記第3の表示領域12の透光率が前記第1の表示領域11の透光率よりも大きく、前記第3の表示領域12の透光率が前記第2の表示領域13の透光率よりも大きい。これにより、第3の表示領域の後方に光センサ素子を配置することができ、表示スクリーンの比を向上させるのに有利である。
【0048】
本実施例では、前記第3の表示領域12は矩形であってもよい。もちろん、第3の表示領域12は、水滴形状、円、楕円、ダイヤモンド、半円、半楕円のいずれの形状であってもよい。
【0049】
図2に示すように、一実施例において、前記第3の表示領域12は、アレイ状に配列された第3のOLED画素121を含む。前記第3のOLED画素121の画素密度は、前記第1のOLED画素111の画素密度よりも小さく、前記第3のOLED画素121の画素密度は、前記第2の表示領域13の前記第2のOLED画素131の画素密度よりも小さい。このような構成は、第3の表示領域の透光率を高め、回折問題を改善するのにメリットがある。
【0050】
図2に示すように、一実施例において、第3の表示領域12の前記第3のOLED画素121は、2列で複数の行のアレイ状に配列される可能である。
【0051】
他の実施例では、図5に示すように、前記第3のOLED画素121は、三角形状に配置された第3の赤色サブ画素R3、第3の緑色サブ画素G3及び第3の青色サブ画素B3を含む。前記第3の表示領域12で前記第2の表示領域13に隣接する境界領域は、前記第3のOLED画素121の第3の画素駆動ユニット(図示せず)を含む。第3の画素駆動ユニットは、第7の画素回路(図示せず)と、第8の画素回路(図示せず)と、第9の画素回路(図示せず)とを含む。同一行の全ての第3の赤色サブ画素R3はいずれも第7の画素回路に接続可能であり、同一行の全ての第3の緑色サブ画素G3はいずれも第8の画素回路に接続可能であり、同一行の全ての第3の青色サブ画素B3はいずれも第9の画素回路に接続可能である。
【0052】
1行の前記第一の走査線15が前記境界領域まで延びて前記第3の画素駆動ユニットに接続され、1組の前記第一類データ線17が境界領域まで延びて前記第3の画素駆動ユニットに接続され、前記第7の画素回路が前記第1のデータ線に接続され、前記第8の画素回路が前記第2のデータ線に接続され、前記第9の画素回路が前記第3のデータ線に接続される。
【0053】
第3のOLED画素の第3の画素駆動ユニットが第3の表示領域で第2の表示領域に隣接する境界領域に配置されているので、第3の表示領域で第3のOLED画素が位置する位置の透光率に第3の画素駆動ユニットが影響を与えることを防止できる。
【0054】
同一行の第3の赤色サブ画素は全て第7の画素回路に接続され、同一行の第3の緑色サブ画素は全て第8の画素回路に接続され、同一行の第3の青色サブ画素は全て第9の画素回路に接続される。このように、1つの第3の画素駆動ユニットを利用して、第3の表示領域の第3のOLED画素を駆動することができ、画素回路の占有面積を低減することができる。
【0055】
図5に示すように、一実施例において、前記第2の表示領域13において前記第3の表示領域側に隣接する前記第2のOLED画素131のサイズは、前記第2の表示領域13で第1の表示領域側に隣接する前記第2のOLED画素131のサイズよりも大きい。前記第2の表示領域13において前記第3の表示領域側に隣接して2つで隣接する前記第2のOLED画素131間の距離は、前記第2の表示領域13において第1の表示領域側に隣接して2つ隣接する前記第2のOLED画素131の間の距離よりも小さい。これにより、第1の表示領域側から第3の表示領域側に亘って第2の表示領域13における表示輝度を遷移させることができる。
【0056】
実施例において、前記OLEDアレイ基板は、基板と、基板上に位置される第1の電極層と、前記第1の電極層上に位置される発光構造層と、前記発光構造層上に位置される第2の電極層とをさらに含む。
【0057】
前記第3の表示領域における第1の電極層は、第1の方向に沿って配列された複数の第1の電極群を含む。各前記第1の電極群は、複数の第1の電極を含む。前記第1の電極群の第1の電極は第2の方向に延び、前記第2の方向は前記第1の方向と交差する。各前記第1の電極は、1以上の第1の電極ブロックを含む。前記第1の電極が複数の第1の電極ブロックを含む場合に、隣接する2つの第1の電極ブロックが電気的に接続される。前記第3の表示領域は、複数のサブ表示領域を含む。各前記サブ表示領域の少なくとも1つの縁部は、前記第2の表示領域に隣接し、各前記第1の電極は、1つのサブ表示領域内のみ配置され、異なる第1の電極は、異なる画素回路によって駆動される。
【0058】
OLEDアレイ基板で第1の表示領域に位置される第1の電極層は、複数の第1の電極を含み、各第1の電極は、1つのサブ表示領域のみ配置され、異なる第1の電極は、異なる画素回路により駆動される。したがって、各サブ表示領域における第1の電極に対応するサブ画素を個別に制御することができ、サブ表示領域に隣接する第2の表示領域の輝度に応じて、該サブ表示領域における第1の電極に対応する画素回路のデータ線の入力電圧を制御することができる。これにより、各サブ表示領域の表示輝度を個別に調整し、各サブ表示領域の表示輝度を、その隣接の第2の表示領域の表示輝度に近づけるようにすることができるので、第3の表示領域と第2の表示領域との表示輝度差が大きくなることを回避でき、ユーザ体験を向上させることができる。
【0059】
幾つかの実施例では、前記第1の電極群の複数の第1の電極のうち、隣接する2つの第1の電極の間にギャップがあり、隣接する2つの第1の電極が互いに絶縁されている。複数の前記第1の電極群のギャップは、第1の方向にずれて配置されている。
【0060】
複数の前記第1の電極群の間の前記ギャップは第1の方向にずれて配置され、隣接する2つのサブ表示領域の境界線が不規則な段差となる。異なるサブ表示領域の表示輝度が異なる場合に、上記の配置により隣接するサブ表示領域の表示輝度の違いに対する人間の目の知覚を弱めることができ、ユーザの感覚を向上させることができる。また、複数の前記第1の電極群の前記間隔が前記第1の方向にずれているので、外光が第1の表示領域に入射する際に生じる回折波紋に対する人間の目の知覚も弱めることができ、ユーザの感覚を向上させる。
【0061】
幾つかの実施例では、各前記第1の電極群は、2つの第1の電極を含み、前記第3の表示領域は、2つのサブ表示領域を含み、前記第1の電極群の2つの前記第1の電極は、2つの前記サブ表示領域にそれぞれ配置される。
【0062】
このように、各サブ表示領域内の第1の電極に対応する画素回路を、過渡表示領域で該サブ表示領域に隣接する位置に設け、過渡表示領域が第2の表示領域内に配置されることで、第3の表示領域内の配線を削減することができる。
【0063】
幾つかの実施例において、前記第1の電極に対応する画素回路は、1T画素回路(1つの3極トランジスタからなる画素回路)、2T1C画素回路(2つの3極トランジスタと1つの容量からなる画素回路)、または3T1C画素回路、3T2C画素回路、7T1C画素回路、7T2C画素回路である。
【0064】
幾つかの実施例では、前記第1の電極ブロックの前記基板への投影は、1つの第1のパターンユニットまたは複数で接続される第1のパターンユニットからなる。第1のパターンユニットは、円、楕円、ダンベル、ひょうたん形又は長方形を含む。円、楕円、ダンベル、ひょうたん形状などの上記パターンは、回折の発生の周期構造を変化させる。即ち、回折場の分布を変化させることができるので、回折現象を低減することができ、第3の表示領域の後面に設けられたカメラで撮影された画像をより高解析度にすることができる。
【0065】
幾つかの実施例では、発光構造層は、各第1の電極ブロック上に対応して設けられた発光構造ブロックを含む。発光構造体ブロックの基板上への投影は、1つの第2のパターンユニットまたは接続された複数の第2のパターンユニットからなり、第2のパターンユニットは、第1のパターンユニットと同一または異なる。第2のパターンユニットは、円、楕円、ダンベル、ひょうたん形または長方形を含む。上記のような円、楕円、ダンベル、ひょうたん形状などのパターンは、回折の発生の周期構造を変化させる、すなわち回折場の分布を変化させることができるので、回折現象を低減することができ、第3の表示領域の背後に設けられたカメラで撮像される画像をより高精細にすることができる。
【0066】
本願の実施例は、さらに、上記いずれかの実施例に記載のOLEDアレイ基板と、封止層とを含む表示パネルを提供する。前記封止層は、前記OLEDアレイ基板で前記基板から離れた側に封止されている。
【0067】
一実施例では、前記OLEDアレイ基板が上記第3の表示領域をさらに備える場合、前記第3の表示領域の後面に感光素子を設けることができる。
【0068】
一実施例では、前記OLEDアレイ基板上の第3の表示領域の少なくとも一部は、第2の表示領域に囲まれている。
【0069】
一実施例では、封止層は偏光子を含む。前記偏光子は、前記第1の表示領域及び前記第2の表示領域を覆い、前記第3の表示領域を覆わない。偏光子は、表示パネルに入射した周囲光が再び表示パネルの外に反射することを解消することができるので、周囲光で表示パネルの通常の表示と干渉することを解消することができる。
【0070】
本願の実施例は、さらに、装置本体と、上記いずれかの実施例に記載の表示パネルとを備える表示装置を提供する。
【0071】
装置本体は、素子領域を有する。前記表示パネルは、前記装置本体を覆う。前記素子領域は、前記第3の表示領域の後方に位置し、前記素子領域には、前記第3の表示領域を介して光線を放出または集光する感光素子が設けられている。
【0072】
感光素子は、カメラ、光センサ、及び光送信器の少なくとも1つを含む。
【0073】
なお、本実施例の表示装置は、電子紙、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲータ等の表示機能を有する製品又は部品であってもよい。
【0074】
なお、図面においては、レイヤー及び領域のサイズを拡大して図示することができる。ある要素または層が他の要素または層の上にあると示した場合、それは他の要素または中間層の上に直接に存在することができる。さらに、ある要素または層が他の要素または層の下と示した場合には、他の要素または層の下にあるか、または一つ以上の中間層または要素が存在していてもよい。また、層または要素が二つの層または二つの要素の間と示した場合、それは二つの層または二つの要素の間の唯一の層であってもよく、あるいは一つ以上の中間層または要素が存在していてもよい。同一の参照番号は同一の要素を示す。
【0075】
本願において、「第1の」及び「第2の」という用語は、説明を目的とするだけで使用され、相対的な重要性を示すもの又は暗示するものとして理解することはできない。「複数」とは、特に別の定義がない限り、二つ以上を指す。
【0076】
当業者は、明細書を検討し、ここに開示された技術案を実施した後、本願の他の実施例を容易に考えることができる。本願は、本願の変更、目的又は適応的変更を対象とする。これらの変化、目的又は適応的変化は、本願の一般原則に従っており、本願によって開示されない技術分野における共通の知識又は従来の技術手段を含む。明細書及び実施例は、単に例示的であり、本願の範囲は、請求項により請求される。
図1
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図5
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図7