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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】エラストマー組成物および使用方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 81/00 20060101AFI20230217BHJP
   B29C 64/106 20170101ALI20230217BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20230217BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20230217BHJP
【FI】
C08G81/00
B29C64/106
B33Y70/00
B33Y10/00
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021546792
(86)(22)【出願日】2020-02-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 US2020017455
(87)【国際公開番号】W WO2020167638
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】62/803,664
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399074983
【氏名又は名称】ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カッチコ、シンシア
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ウィルキンソン、ブライアン ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】エプスタイン、エリック エス.
(72)【発明者】
【氏名】ブーバ、マイケル エイ.
【審査官】宮内 弘剛
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0237661(US,A1)
【文献】国際公開第2018/157148(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/085992(WO,A1)
【文献】特開2011-105906(JP,A)
【文献】特開2013-136724(JP,A)
【文献】特表2014-521797(JP,A)
【文献】特開2018-002896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/106
B33Y 70/00
B33Y 10/00
C08G
C08K
C08L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共反応性組成物であって、
(a)10重量%~80重量%の第1のエラストマー系プレポリマーであって、
イソシアネート官能性ポリエーテルプレポリマーを含み
500Da~6,000Daの数平均分子量を有する、第1のエラストマー系プレポリマーと、
(b)10重量%~80重量%の第2のエラストマー系プレポリマーであって、
アミン官能性ポリエーテルプレポリマーを含み、500Da~6,000Daの数平均分子量を有する、第2のエラストマー系プレポリマーと、
(c)5重量%~25重量%の第3のエラストマー系プレポリマーであって、
シラノール官能性ポリジメチルシロキサンプレポリマーを含み
50,000Da~500,000Daの数平均分子量を有する、第3のエラストマー系プレポリマーと、を含み、
前記数平均分子量が、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定され、かつ
重量%が、前記共反応性組成物中の前記第1のエラストマー系プレポリマー、前記第2のエラストマー系プレポリマー、および前記第3のエラストマー系プレポリマーの合計重量に基づく、共反応性組成物。
【請求項2】
前記共反応性組成物が、
80mol%~98mol%の前記第1のエラストマー系プレポリマーおよび前記第2のエラストマー系プレポリマーの組み合わせと、
2mol%~20mol%の前記第3のエラストマー系プレポリマーと、を含み、
モル%が、前記共反応性組成物中の前記第1のエラストマー系プレポリマー、前記第2のエラストマー系プレポリマー、および前記第3のエラストマー系プレポリマーの合計モル数に基づく、請求項1に記載の共反応性組成物。
【請求項3】
前記第3のエラストマー系プレポリマーが、前記第1のエラストマー系プレポリマーおよび/または前記第2のエラストマー系プレポリマーと反応性である、請求項1または2に記載の共反応性組成物。
【請求項4】
前記第3のエラストマー系プレポリマーと、前記第1のエラストマー系プレポリマーおよび/または前記第2のエラストマー系プレポリマーとの間の反応の反応速度が、前記第1のエラストマー系プレポリマーと前記第2のエラストマー系プレポリマーとの間の反応の反応速度より遅い、請求項に記載の共反応性組成物。
【請求項5】
前記第1のエラストマー系プレポリマーおよび/または前記第2のエラストマー系プレポリマーが、式(1a)~(1e)の構造を有する骨格を含み、
-(-O-(-CH(-R)-)-)- (1a)

-(-O-(-CH-CH(-R)-)-)- (1b)

-(-O-CH-CH(-R)-)-(-O-CH-CH-)-(-O-CH-(CH(-R)-) - (1c)

-[-CH(-CH)-O-]x1-CH-CH{-[-O-CH-CH(-CH)]y1-}{-(CH)-[-O-CH-CH(-CH)]z1-}(1d)

-O-((CH-O-)- (1e)
式中、
nが、10~5,000の整数であり、
mが、10~5,000の整数であり、
各Rが、独立して、水素、メチル、およびエチルから選択され、
yが、2~50の整数であり、
x+zの合計が、1~10の整数であり、
x1+y1+z1の合計が、5~100の整数である、請求項1~のいずれか一項に記載の共反応性組成物。
【請求項6】
前記第1のエラストマー系プレポリマーおよび/または前記第2のエラストマー系プレポリマーが、式(9)の構造を有する骨格を含み、
-CH(-CH)-CH-(CH-CH=CH-CH-)n1-CH-CH(-CH)- (9)
n1が、30~220の整数である、請求項1~のいずれか一項に記載の共反応性組成物。
【請求項7】
前記第2のエラストマー系プレポリマーが、式(2)の構造を有する骨格を含み、
N-[-CH(-CH)-O-]x1-CH-CH{-[-O-CH-CH(-CH)]y1-NH}{-(CH)-[-O-CH-CH(-CH)]z1-NH}(2)
x1+y1+z1の合計が、5~100の整数である、請求項1~6のいずれか一項に記載の共反応性組成物。
【請求項8】
前記第3のプレポリマーが、式(10)の構造を有する骨格を含み、
--Si(-CH-O-(-Si(CH-O-)n2-Si(CH
(10)
n2が、1,500~2,500の整数である、請求項1~のいずれか一項に記載の共反応性組成物。
【請求項9】
前記第3のエラストマー系プレポリマーが、100,000Da~400,000Daの数平均分子量を有し、
前記数平均分子量が、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される、請求項1~のいずれか一項に記載の共反応性組成物。
【請求項10】
前記第1のエラストマー系プレポリマーおよび前記第2のエラストマー系プレポリマーの各々が、独立して、1,000Da~3,500Daの数平均分子量を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の共反応性組成物。
【請求項11】
150Da~500Daの分子量を有するモノマーポリアミンおよび/または第2のジアミンをさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の共反応性組成物。
【請求項12】
低密度充填材をさらに含み、前記低密度充填材が、1未満の比重を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の共反応性組成物。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の共反応性組成物から調製される、硬化ポリマー。
【請求項14】
請求項13に記載の硬化ポリマーを含む、物品。
【請求項15】
前記物品が、100%~2,000%の最大引張歪を有し、前記最大引張歪が、ASTM D412.4893に従って決定され、
4Mpa~60Mpaのヤング率を有し、前記ヤング率が、ASTM D412.4893に従って決定され、
Shore 10Aより大きな硬度を有し、前記Shore A硬度が、ASTM D2240に従って決定され、かつ/または
前記最大引張歪が、500mm/分の歪速度で引っ張られる場合、400%~800%である、請求項14に記載の物品。
【請求項16】
物品を製造する方法であって、
(a)請求項1~12のいずれか一項に記載の共反応性組成物を、前記物品の所望な形状に堆積させることと、
(b)前記堆積した共反応性組成物を硬化させて、前記物品を形成することと、を含む、方法。
【請求項17】
堆積させることが、三次元印刷を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ステップ(a)の前に、第1の成分と第2の成分とを組み合わせて、前記共反応性組成物を提供することをさらに含み、
前記第1の成分が、前記第1のエラストマー系プレポリマーを含み、
前記第2の成分が、前記第2のエラストマー系プレポリマーを含み、
前記第1の成分および/または前記第2の成分が、前記第3のエラストマー系プレポリマーを含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
請求項1618のいずれか一項に記載の方法を使用して製造される、物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年2月11日に出願された米国仮出願第62/803,664号(その全体が参照により組み込まれる)に対する米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張する。
【0002】
本開示は、エラストマー組成物、およびエラストマー組成物を使用してエラストマー物品を製造する方法に関する。本組成物は、より低分子量のエラストマー系プレポリマーと、より高分子量のエラストマー系プレポリマーとの組み合わせを含む。本組成物は、高い引張強度および高い引張伸び率を有するエラストマー物品を製造するために使用することができる。
【背景技術】
【0003】
多くのポリマー用途において、材料は、高い引張強度および高い引張伸び率(高い%伸び率)の両方を有することが望ましい。引張強度は、ポリマーに充填材を添加することによって増加させることができる。高い引張強度および高い引張歪の両方を有するエラストマー物品を提供する代替方法が望まれている。
【発明の概要】
【0004】
本発明によれば、共反応性組成物は、(a)第1のエラストマー系プレポリマーと、(b)第2のエラストマー系プレポリマーと、(c)第3のエラストマー系プレポリマーと、を含み、第1のプレポリマーが、第2のエラストマー系プレポリマーと反応性であり、第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの各々が、独立して、1,000Da~20,000Daの数平均分子量を有し、第3のエラストマー系プレポリマーが、50,000Da~500,000Daの数平均分子量を有し、数平均分子量が、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の詳細な説明の目的のために、本発明が、相反することが明示的に指定されている場合を除き、様々な代替的な変形およびステップシーケンスが想定され得ることが理解されるべきである。さらに、任意の操作例以外、または別様に示される場合、例えば、明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量を表すすべての数は、すべての例において用語「約」によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、相反することが示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られる所望の特性に応じて変動し得る近似値である。少なくとも、また、均等諭の適用を特許請求の範囲に限定しようとするものではなく、各数値パラメータは、報告された有意な桁の数を考慮して、かつ通常の四捨五入技法を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。本発明の広い範囲を記載する数値範囲およびパラメータは、近似値であるにもかかわらず、特定の例において記載される数値は、できる限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それらのそれぞれの試験測定値に見られる標準変動から必然的に得られる特定の誤差を本質的に含有する。
【0006】
また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、その中に包含されるすべてのサブ範囲を含むことを意図していることを理解されたい。例えば、「1~10」の範囲は、列挙された最小値1~列挙された最大値10(列挙された値を含む)、すなわち、1に等しいまたは1を超える最小値および10に等しいまたは10未満の最大値を有する、すべてのサブ範囲を含むことが意図される。
【0007】
単数形の使用は、別段の明記がない限り、複数形を含み、複数形は単数形を包含する。加えて、「および/または」がある特定の例で明示的に使用され得るが、別段の明記がない限り、「または」の使用は、「および/または」を意味する。
【0008】
プレポリマーの「骨格」は、反応性官能基間のセグメントを指す。プレポリマー骨格は、典型的には、繰り返しサブユニットを含む。例えば、構造HS-(R-)-SHを有するポリチオールの骨格は、-(R-)-である。
【0009】
「共反応性組成物」は、第1の反応性化合物と、第2の反応性化合物とを含み、第1の反応性化合物が第2の反応性化合物と反応性である、組成物を指す。共反応性組成物は、第1の成分と第2の成分とを組み合わせ、混合することによって調製することができる。第1の成分は、第1の反応性化合物を含むことができ、第2の成分は、第2の反応性化合物を含むことができ、第1の成分および/または第2の成分は、必要に応じて、触媒、硬化促進剤、および/または重合開始剤を含むことができる。第1の成分は、第1の反応性化合物と第2の反応性化合物とを含むことができ、第2の成分は、触媒、硬化促進剤、および/または重合開始剤を含むことができる。
【0010】
「エラストマー」、「エラストマー系」、および同様の用語は、「ゴムのような」特性を有し、概して低いヤング率および高い引張歪を有する材料を指す。例えば、エラストマーは、約4Mpa~約30Mpaのヤング率/引張強度を有し得る。エラストマーは、約100%~約2,000%の引張歪(破断時の伸び率)を有し得る。ヤング率/引張強度および引張歪は、ASTM D412.4893に従って決定することができる。破断時の引張歪は、%伸び率とも称される。エラストマーは、例えば、50kN/m~200kN/mの引裂強度を示し得る。エラストマーの引裂強度は、ASTM D624に従って決定することができる。エラストマーのヤング率は、ASTM D412.4893に従って決定される場合、0.5MPa~6MPaの範囲であり得る。
【0011】
「より低分子量の」プレポリマーは、20,000Daに等しいまたは20,000Da未満、15,000Da未満、10,000Da未満、5,000Da未満、4,000Da未満、または3,500Da未満の数平均分子量を有するプレポリマーを指し、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを使用して決定される。
【0012】
「より高分子量の」プレポリマーは、50,000Daに等しいまたは50,000Daより大きい、100,000Daより大きく、または250,000Daより大きい数平均分子量を有するプレポリマーを指し、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを使用して決定される。
【0013】
「プレポリマー」とは、ホモポリマーおよびコポリマーを指す。チオール官能性プレポリマーについて、数平均分子量「Mn」は、ヨウ素滴定を使用した末端基分析によって決定される。チオール官能性でないプレポリマーについては、数平均分子量は、ポリスチレン標準を使用するゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される。プレポリマーは、硬化剤または架橋剤等の別の化合物と反応して硬化ポリマーを形成することができる反応性基を含む。プレポリマーは、同じであっても異なっていてもよい、互いに結合した複数の繰り返しサブユニットを含む。複数の繰り返しサブユニットは、プレポリマーの骨格を構成する。
【0014】
Shore A硬度は、ASTM D2240に従って、A型デュロメーターを使用して測定される。
【0015】
比重は、ISO787-11に従って決定される。
【0016】
引張強度、引張伸び率、および%伸び率は、ASTM D412.4893に従って測定される。
【0017】
共反応性組成物の粘度は、温度25℃、剪断速度100sec-1で、ギャップ1mmを有するAnton Paar MCR 302レオメーターを使用して測定される。プレポリマーの粘度は、温度約25℃、圧力約760mmHg(101kPa)で測定され、ASTM D-2849§79-90に従って、No.6スピンドルを有するBrookfield CAP 2000粘度計を速度300rpm、温度25℃で使用して決定される。
【0018】
ここで、本発明の特定の化合物、組成物、および方法を参照する。開示される化合物、組成物、および方法は、特許請求の範囲を限定することを意図しない。それとは反対に、特許請求の範囲は、すべての代替物、変形物、および同等物を包含することが意図される。
【0019】
本開示によって提供される共反応性組成物は、(a)第1のエラストマー系プレポリマーと、(b)第2のエラストマー系プレポリマーと、(c)第3のエラストマー系プレポリマーと、を含み、第1のプレポリマーが、第2のエラストマー系プレポリマーと反応性であり、第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの各々が、独立して、1,000Da~20,000Daの数平均分子量を有し、第3のエラストマー系プレポリマーが、50,000Da~500,000Daの数平均分子量を有し、数平均分子量が、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される。
【0020】
少なくとも1つのより高分子量のエラストマー系プレポリマー(すなわち、第3のエラストマー系プレポリマー)を、より低分子量のエラストマー系プレポリマー(すなわち、第1および第2のエラストマー系プレポリマー)を含むエラストマー系組成物に組み込むことで、引張伸び率および硬度を損なうことなく、硬化エラストマーの引張強度を向上させることができる。
【0021】
第1および第2のエラストマー系プレポリマーは、任意の好適なエラストマー系プレポリマー骨格を含み得る。エラストマー骨格を有する好適なプレポリマーの例としては、ポリエーテル、ポリブタジエン、フルオロエラストマー、ペルフルオロエラストマー、エチレン/アクリルコポリマー、エチレンプロピレンジエンターポリマー、ニトリル、ポリチオールアミン、ポリシロキサン、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、イソプレン、ネオプレン、ポリスルフィド、ポリチオエーテル、シリコーン、スチレンブタジエン、および上述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。例えば、第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーは、ポリエーテルプレポリマーを含むことができ、同じまたは異なるポリエーテルプレポリマーであり得る。あるいは第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーは、異なるエラストマー骨格を有するエラストマー系プレポリマーを含むことができる。例えば、第1のエラストマー系プレポリマーは、ポリエーテルプレポリマーを含むことができ、第2のエラストマー系プレポリマーは、ポリブタジエンプレポリマーを含むことができる。
【0022】
好適なエラストマー骨格の例としては、ポリテトラメチレングリコール(PTMEG)、ポリプロピレングリコール、およびポリオキシプロピレングリコールが挙げられる。
【0023】
第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーは、独立して、ポリエーテル骨格を含み得る。ポリエーテル骨格は、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド等の少なくとも1つのアルキレンオキシドを含み得る。好適なポリエーテル骨格の例としては、ポリ(オキシテトラメチレン)、ポリ(オキシテトラエチレン)、ポリ(オキシ-1,2-プロピレン)、およびポリ(オキシ-1,2-ブチレン)、ならびに上述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0024】
第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの各々は、同じポリマー骨格または異なるポリマー骨格を含み得る。例えば、第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの各々は、独立して、ポリエーテル骨格を含むことができ、または例えば、第1のエラストマー系プレポリマーは、ポリエーテル骨格を含むことができ、第2のエラストマー系プレポリマーは、ポリチオエーテル骨格を含むことができ、または例えば、第1のエラストマー系プレポリマーは、ポリエーテル骨格を含むことができ、第2のエラストマー系プレポリマーは、ポリブタジエン骨格を含むことができる。
【0025】
第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの各々は、独立して、例えば、500Da~20,000Da、1,000Da~15,000Da、1,000Da~10,000Da、1,000Da~5,000Da、1,000Da~4,000Da、または1,000Da~3,000Daの数平均分子量を有することができ、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを使用して決定される。第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの各々は、独立して、例えば、500Daより大きく、1,000Daより大きく、2,000Daより大きく、3,000Daより大きく、4,000Daより大きく、6,000Daより大きく、8,000Daより大きく、または10,000Daより大きい数平均分子量を有することができ、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを使用して決定される。第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの各々は、独立して、例えば、20,000Da未満、10,000Da未満、8,000Da未満、6,000Da未満、4,000Da未満、2,000Da未満、または1,000Da未満の数平均分子量を有することができ、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを使用して決定される。
【0026】
第1および第2のエラストマー系プレポリマーは、同じまたは異なるポリマー骨格を有し得る。
【0027】
第1のエラストマー系プレポリマーは、第2のエラストマー系プレポリマーと反応性であり得る。例えば、第1のエラストマー系プレポリマーは、1つまたは1つより多くの第1の官能基、例えば、2つまたは2つより多くの第1の官能基を含むことができ、第2のエラストマー系プレポリマーは、1つまたは1つより多くの第2の官能基、例えば、2つまたは2つより多くの第2の官能基を含むことができ、第1の官能基は、第2の官能基と反応性である。
【0028】
1つの官能基または官能基の組み合わせを選択して、例えば、所望の硬化速度を達成することができる。
【0029】
例えば、第1の官能基は、チオール基を含むことができ、第2の官能基は、チオール基、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基、マイケル受容体基、イソシアネート基、または上述のうちのいずれかの組み合わせを含むことができる。
【0030】
第1の官能基は、例えば、イソシアネートを含むことができ、第2の官能基は、ヒドロキシル基、アミン基、チオール基、または上述のうちのいずれかの組み合わせを含むことができる。
【0031】
第1の官能基は、例えば、エポキシ基を含むことができ、第2の官能基は、エポキシ基を含むことができる。
【0032】
第1の官能基は、例えば、マイケル受容体基を含むことができ、第2の官能基は、マイケル供与体基を含むことができる。
【0033】
第1の官能基は、例えば、カルボン酸基を含むことができ、第2の官能基は、エポキシ基を含むことができる。
【0034】
第1の官能基は、例えば、環状カーボネート基、アセトアセテート基、またはエポキシ基を含むことができ、第2の官能基は、第一級アミン基、または第二級アミン基を含むことができる。
【0035】
第1の官能基は、(メタ)アクリレート基、シアノアクリレート、ビニルエーテル、ビニルピリジン、またはα,β-不飽和カルボニル基等のマイケル受容体基を含むことができ、第2の官能基は、マロネート基、アセチルアセトネート、ニトロアルカン、または他の活性アルケニル基を含むことができる。
【0036】
第1の官能基は、アミンを含むことができ、第2の官能基は、エポキシ基、イソシアネート基、アクリロニトリル、エステルおよび無水物を含むカルボン酸、アルデヒド、またはケトンから選択される含むことができる。
【0037】
好適な共反応性官能基は、例えば、Noomen,Proceedings of the XIIIth International Conference in Organic Coatings Science and Technology,Athens,1987,page 251、およびTillet et al.,Progress in Polymer Science,36(2011),191-217に記載されている。
【0038】
官能基は、例えば、50℃未満、40℃未満、30℃未満、20℃未満、または10℃未満の温度で共反応するように選択することができる。官能基は、例えば、5℃より高い、10℃より高い、20℃より高い、30℃より高い、または40℃より高い温度で共反応するように選択することができる。官能基は、例えば、5℃~50℃、10℃~40℃、15℃~35℃、または20℃~30℃の温度で共反応するように選択することができる。
【0039】
第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの各々は、独立して、例えば、2~6、例えば、2、3、4、5、または6の反応性官能性を含み得る。反応性官能性は、プレポリマーの官能基の数を指す。異なる反応性官能性を有するプレポリマーの組み合わせは、非整数の平均反応性官能性を有し得る。
【0040】
第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの各々は、独立して、単一官能性を有するプレポリマーを含むことができ、または異なる官能性を有するプレポリマーの組み合わせを含むことができる。例えば、第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの各々は、独立して、2.1~5.9、例えば、2.15~4、2.2~3、または2.3~2.6の平均反応性官能性を有し得る。
【0041】
これらの共反応性化学物質のいずれかの硬化速度は、共反応性組成物中に適切な触媒または触媒の組み合わせを含むことによって変更され得る。これらの共反応性化学物質のいずれかの硬化速度は、共反応性組成物の温度を上げるか、または下げることによって変更され得る。例えば、共反応性組成物は、30℃未満の温度で硬化することができるが、共反応性組成物を加熱することで反応速度を加速することができ、増加した印刷速度に適合させる等の特定の状況下で望ましいものになり得る。共反応性成分および/または共反応性組成物の温度を上げることは、共反応性成分の混合および/または共反応性組成物の堆積を促進するために粘度を調整する役割も果たし得る。
【0042】
本開示によって提供される共反応性組成物は、1つまたは1つより多くのイソシアネート基、例えば、2つまたは2つより多くのイソシアネート基を含む第1のエラストマー系プレポリマーを含むことができ、第2のエラストマー系プレポリマーは、1つまたは1つより多くのアミン基、例えば、2つまたは2つより多くのアミン基を含むことができる。例えば、第1のエラストマー系プレポリマーは、ポリイソシアネートエラストマー系プレポリマーを含むことができ、第2のエラストマー系プレポリマーは、ポリアミンエラストマー系プレポリマーを含むことができる。
【0043】
ポリイソシアネートエラストマー系プレポリマーは、任意の好適なイソシアネート官能性のより低分子量のプレポリマーを含み得る。
【0044】
例えば、イソシアネート官能性エラストマー系プレポリマーは、ポリエーテル骨格を含み得る。
【0045】
イソシアネート官能性エラストマー系プレポリマーは、ジイソシアネート等のポリイソシアネートと、ポリエーテルジオール等のポリエーテルポリオールとを反応させることによって合成することができる。
【0046】
好適なポリエーテルジオールの例としては、Terathane(登録商標)ポリエーテルジオール、例えば、Invista Corporationから入手可能なTerathane(登録商標)200およびTerathane(登録商標)650、Polymeg(登録商標)ポリテトラメチレンエーテルグリコール、例えば、Lyondell Chemical Companyから入手可能なPolymeg(登録商標)650、Polymeg(登録商標)1000、およびPolymeg(登録商標)2000、BASFから入手可能なPolyTHF(登録商標)ポリエーテルジオールが挙げられる。
【0047】
ポリアミンエラストマー系プレポリマーは、任意の好適なアミン官能性のより低分子量のエラストマー系プレポリマーを含み得る。
【0048】
例えば、ポリアミンエラストマー系プレポリマーは、ポリオキシアルキレンアミンを含み得る。ポリエーテルアミンは、例えば、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、またはこれらの混合物に由来する骨格に接続した2つまたは2つより多くの第一級アミノ基を含有する。好適なポリエーテルアミンの例としては、アミン官能性ポリテトラメチレングリコール(PTMEG)、アミン官能性ポリプロピレングリコール、アミン官能性ポリオキシプロピレングリコール、例えば、ポリオキシプロピレンジアミン、およびグリセロールトリス(ポリ(プロピレングリコール)が挙げられる。ポリエーテルアミンは、例えば、500Da~7,500Daの数平均分子量を有し得る。好適な市販のポリエーテルアミンの例としては、Huntsmanから入手可能なJeffamine(登録商標)ポリエーテルアミンが挙げられ、Jeffamine(登録商標)D-2000およびJeffamine(登録商標)D4000等のポリエーテルジアミン、ポリエーテルジアミンJeffamine(登録商標)ED-600、ED-900、ED-2003、ならびにJeffamine(登録商標)T-3000およびJeffamine(登録商標)T-5000等のポリエーテルトリアミンが挙げられる。
【0049】
好適なポリエーテルアミンの例としては、Huntsman Corp.製のJeffamine(登録商標)ポリエーテルアミン、およびBASF製のポリエーテルアミンが挙げられる。好適なポリエーテルアミンの例としては、ポリオキシプロピレンジアミンが挙げられる。
【0050】
第1のエラストマー系プレポリマーおよび/または第2のエラストマー系プレポリマーは、独立して、例えば、式(1a)~(1e)の構造を有する少なくとも1つの部分を含むポリエーテルプレポリマー骨格を含むことができ、
-(O-(CH(-R)-)-)- (1a)

-(O-(CH-CH(-R)-)-)- (1b)

-(O-CH-CH(-R)-)-(O-CH-CH-)-(O-CH-(CH(-R)-)- (1c)

-[CH(-CH)-O-]x1-CH-CH{-[O-CH-CH(-CH)-]y1-}{-(CH)-[O-CH-CH(-CH)-]z1-} (1d)

-O-((CH-O-)- (1e)
式中、
nが、10~5,000の整数であることができ、
mが、10~5,000の整数であることができ、
各Rが、独立して、水素、メチル、およびエチルから選択することができ、
yが、2~50の整数であることができ、
x+zの合計が、1~10の整数であることができ、
x1+y1+z1の合計が、5~100の整数であることができる。
【0051】
ポリエーテルプレポリマーは、2または3の官能性を有することができ、または2~3の平均官能性を有することができる。ポリエーテルプレポリマーは、例えば、1,000Da~10,000Daの数平均分子量を有し得る。ポリエーテルプレポリマーは、例えば、20,000Da未満、10,000Da未満、5,000Da未満、または3,500Da未満の数平均分子量を有し得る。ポリエーテルプレポリマーは、例えば、1,000Daより大きい、2,000Daより大きい、4,00Daより大きい、5,000Daより大きい、または10,000Daより大きい数平均分子量を有し得る。
【0052】
ポリエーテルプレポリマーは、式(2)の構造を有することができ、
10-[CH(-CH)-O-]x1-CH-CH{-[O-CH-CH(-CH)-]y1-R10}{-(CH)-[O-CH-CH(-CH)-]z1-R10}(2)
式中、
x1+y1+z1の合計が、5~100の整数であることができ、
10が、アミン基またはイソシアネート基を含み得る。
【0053】
例えば、式(2)のアミン官能性ポリエーテルプレポリマーの場合、各R10は、-NHであり得る。式(2)のイソシアネート官能性ポリエーテルプレポリマーの場合、各R10は、ジイソシアネートに由来し得る。
【0054】
イソシアネート官能性ポリエーテルプレポリマーは、反応剤の反応生成物を含むことができ、反応剤は、ジイソシアネートと、ポリエーテルポリオールプレポリマー等のポリオールプレポリマーとを含む。イソシアネート官能性ポリエーテルプレポリマーは、例えば、ジブチルスズジラウレート等のスズ系触媒の存在下、高温で、ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとを反応させることによって調製することができる。ポリエーテルポリオールに対するポリイソシアネートの量は、所望の数平均分子量、所望のイソシアネート官能性、またはこれらの組み合わせを有するイソシアネート官能性プレポリマーを提供するように選択することができる。
【0055】
例えば、反応剤は、4:1~2:1、3.5:1~2.5:1、または3.25:1~2.75:1のジイソシアネートとポリエーテルポリオールとのモル比を有し得る。
【0056】
例えば、反応剤は、4:1~2:1、3.5:1~2.5:1、または3.25:1~2.75:1のジイソシアネートとポリエーテルポリオールとの当量比を有し得る。
【0057】
ジイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、または芳香族ジイソシアネート等の任意の好適なジイソシアネートを含み得る。例えば、ジイソシアネートは、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂環式ジイソシアネートであり得る。
【0058】
ポリエーテルポリオールプレポリマーは、例えば、ポリエチレングリコールプレポリマー、ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコール、または上述のうちのいずれかの組み合わせを含み得る。ポリエーテルポリオールは、ポリエーテルジオールプレポリマーを含み得る。ポリエーテルジオールプレポリマーは、例えば、1,000Da~5,000Da、例えば、2,000Da~4,000Daの数平均分子量を有し得る。ポリエーテルジオールプレポリマーは、例えば、5,000Da未満または4,000Da未満の数平均分子量を有し得る。
【0059】
ポリエーテルグリコールは、ポリテトラメチレングリコールを含み得る。好適なポリテトラメチレングリコールとしては、Lyondell Chemical Companyから入手可能なPolymeg(登録商標)ポリオールが挙げられる。
【0060】
例えば、ポリエーテルプレポリマーは、式(3)の構造を有する骨格を含むことができ、
-(CH(-CH)-CH-O-)-CH-CH(-CH)- (3)
(式中、nが、2~100の整数であり得る)、式(4)の構造を有する骨格を含むことができ、
-CH(-CH)-CH-(O-CH-CH(-CH)-)-(O-CH-CH-)-(O-CH-CH(-CH)-)- (4)
(式中、yが、2~50の整数であることができ、x+zの合計が、1~10の整数であり得る);式(5)の構造を有する骨格を含むことができ、
-(CH-O-CH-CH-O-(CH- (5)
(式中、各mが、独立して、2~10の整数であることができ、xが、1~10の整数であり得る)、または式(6)の構造を有する骨格を含むことができる。
-[CH(-CH)-O-]x1-CH-CH{-[O-CH-CH(-CH)]y1-}{-(CH)-[O-CH-CH(-CH)-]z1-} (6)
(式中、x1+y1+z1の合計が、5~100の整数であり得る)。
【0061】
第1および/または第2のプレポリマーは、式(3)~(6)の部分の骨格を有するアミン官能性またはイソシアネート官能性プレポリマーであり得る。
【0062】
例えば、イソシアネート官能性ポリエーテルプレポリマーは、式(7)の構造を有することができ、
O=C=N-R-[NH-C(=O)-O-R-O-C(=O)-NH-R-]-N=C=O (7)
式中、
pが、1~10の整数であることができ、
が、イソホロンジイソシアネートのコアであることができ、
が、-[-(CH-O-]-、または式(3)~(6)のいずれか1つの部分であることができ、
nが、15~40の整数である。
【0063】
式(7)のイソシアネート官能性ポリエーテルプレポリマーにおいて、Rは、-[-(CH-O-]-であり得る。
【0064】
式(7)のポリエーテルプレポリマーにおいて、Rは、-[(CH-O-]-であることができ、Rは、式(8)の構造を有し得る。
【化1】
【0065】
式(7)のプレポリマーにおいて、nは、例えば、20~35、または25~30の整数であり得る。
【0066】
イソシアネート官能性プレポリマーは、ジイソシアネートとポリブタジエンプレポリマーの反応生成物を含み得る。ジイソシアネートは、本明細書に開示されるジイソシアネートを含み得る。ポリブタジエンは、ヒドロキシル官能性ポリブタジエンを含み得る。好適なヒドロキシル官能性ポリブタジエンの例としては、Krasol(登録商標)LBH 2000、Krasol(登録商標)LBH 3000、Krasol(登録商標)LBH 5000、およびKrasol(登録商標)LBH 10000が挙げられ、これらはTotalから入手可能である。
【0067】
ポリブタジエンは、式(9)の構造を有する骨格を有することができ、
-CH(-CH)-CH-(CH-CH=CH-CH-)n3-CH-CH(-CH)- (9)
式中、n3が、30~220の整数であり得る。
【0068】
本開示によって提供される組成物は、第3のエラストマー系プレポリマー、または第3のエラストマー系プレポリマーの組み合わせを含み得る。
【0069】
第3のエラストマー系プレポリマーは、任意の好適なエラストマー系プレポリマーを含み得る。エラストマー骨格を有する好適なプレポリマーの例としては、ポリエーテル、ポリブタジエン、フルオロエラストマー、ペルフルオロエラストマー、エチレン/アクリルコポリマー、エチレンプロピレンジエンテルターポリマー、ニトリル、ポリチオールアミン、ポリシロキサン、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、イソプレン、ネオプレン、ポリスルフィド、本明細書に開示されるポリチオエーテルのいずれかを含むポリチオエーテル、シリコーン、スチレンブタジエン、および上述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0070】
第3のエラストマー系プレポリマーは、ポリシロキサン、例えば、ポリメチルヒドロシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリヒドロジエチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、または上述のうちのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0071】
第3のエラストマー系プレポリマーは、第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの各々の数平均分子量よりも大きな数平均分子量を有し得る。例えば、第3のエラストマー系プレポリマーは、第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの各々の数平均分子量よりも少なくとも10倍大きく、少なくとも20倍大きく、少なくとも30倍大きく、少なくとも40倍大きく、または少なくとも50倍大きな数平均分子量を有し得る。
【0072】
第3のエラストマー系プレポリマーは、例えば、50,000Da~500,000Da、75,000Da~400,000Da、または100,000Da~300,000Daの数平均分子量を有することができ、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを使用して決定される。第3のエラストマー系プレポリマーは、例えば、50,000Daより大きい、75,000Daより大きい、100,000Daより大きい、200,000Daより大きい、300,000Daより大きい、または400,000Daより大きい数平均分子量を有することができ、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを使用して決定される。第3のエラストマー系プレポリマーは、例えば、500,000Da未満、400,000Da未満、300,000Da未満、200,000Da未満、または100,000Da未満の数平均分子量を有することができ、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを使用して決定される。
【0073】
第3のエラストマー系プレポリマーは、任意の好適なエラストマー骨格を有し得る。本明細書に記載されるもののいずれかに加えて、第3のエラストマー系プレポリマーは、ポリシロキサン骨格を有し得る。
【0074】
ポリシロキサンプレポリマー等の第3のエラストマー系プレポリマーは、式(10)の構造を有するポリシロキサン骨格を含むことができ、
-Si(-CH-O-(Si(CH-O-)n2-Si(CH-(10)
式中、n2が、例えば、約1,500~約2,500の整数である。
【0075】
第3のエラストマー系プレポリマーは、第1のエラストマー系プレポリマーおよび/または第2のエラストマー系プレポリマーの各々の官能基と反応性であるか、または反応性でない官能基を含み得る。
【0076】
第3のエラストマー系プレポリマーは、第3のエラストマー系プレポリマーと、第1のエラストマー系プレポリマーおよび/または第2のエラストマー系プレポリマーとの反応速度が、第1のエラストマー系プレポリマーおよび/または第2のエラストマー系プレポリマーとの間の反応の反応速度より遅い官能基を有し得る。すなわち、第1および第2のエラストマー系プレポリマーの反応性官能基が結合し、第3のエラストマー系プレポリマーと反応するために利用することができないように、第1のエラストマー系プレポリマーと第2のエラストマー系プレポリマーとの間の反応は、第3のエラストマー系プレポリマーと、第1および第2のエラストマー系プレポリマーとの間の反応より速い速度で進行することができる。第3のエラストマー系プレポリマーは、第1のエラストマー系プレポリマーと第2のエラストマー系プレポリマーとの間の反応の反応生成物と反応することができる。例えば、第3のエラストマー系プレポリマーは、シラノール官能基を含むことができ、第1のエラストマー系プレポリマーは、イソシアネート基を含むことができ、第2のエラストマー系プレポリマーは、アミン基を含むことができる。
【0077】
第3のエラストマー系プレポリマーは、第1および第2のエラストマー系プレポリマーと反応しない場合がある。
【0078】
第3のエラストマー系プレポリマーは、第1および第2のエラストマー系プレポリマーと反応することができる。
【0079】
反応性の第3のエラストマー系プレポリマーは、第1のエラストマー系プレポリマーおよび/または第2のエラストマー系プレポリマーと同じ官能性反応基であることができ、または異なる反応性官能基を有し得る。
【0080】
第3のエラストマー系プレポリマーは、例えば、2~6、例えば、2、3、4、5、または6の反応性官能性を有し得る。例えば、ポリシロキサンプレポリマーは、2の反応性官能性を有し得る。
【0081】
第3のエラストマー系プレポリマーは、単一の反応性官能性を有することができ、または異なる反応性官能性を有するポリシロキサンプレポリマー等のプレポリマーの組み合わせを含み得る。例えば、第3のエラストマー系プレポリマーは、2.1~5.9、例えば、2.15~4、2.2~3、または2.3~2.6の平均反応性官能性を有し得る。
【0082】
エラストマー系プレポリマーは、例えば、-20℃未満、-30℃未満、または-40℃未満のガラス転移温度Tを有することができ、ガラス転移温度Tは、周波数1Hz、振幅20ミクロン、および-80℃から25℃までの温度上昇でTA Instruments Q800装置を使用した動的質量分析(DMA)によって決定され、Tは、tanδ曲線のピークとして特定される。
【0083】
エラストマー系プレポリマーは、25℃で、No.6スピンドルを有するBrookfield CAP 2000粘度計を速度300rpm、温度25℃で使用して測定すると、例えば、20ポアズ~500ポアズ(2Pa-sec~50Pa-sec)、20ポアズ~200ポアズ(2Pa-sec~20Pa-sec)または40ポアズ~120ポアズ(4Pa-sec~12Pa-sec)の範囲内の粘度を示し得る。
【0084】
本開示によって提供される共反応性組成物は、第1の成分と第2の成分を合わせることによって調製することができる。第1の成分は、第1のプレポリマーを含むことができ、第2の成分は、第2のプレポリマーを含むことができ、第1のプレポリマーと第2のプレポリマーは、共反応することができる。第3のプレポリマーは、第1の成分および/または第2の成分に含まれ得る。第1のプレポリマーと第2のプレポリマーが、触媒、硬化促進剤、および/または光開始剤等の重合開始剤の存在下でのみ共反応性である特定の硬化化学の場合、第1の成分は、第1および第2のプレポリマーを両方とも含むことができ、第2の成分は、触媒、硬化促進剤、および/または重合開始剤を含むことができる。第3のエラストマー系プレポリマーは、第1および/または第2の成分に含まれ得る。
【0085】
共反応性組成物は、第1の成分と、第2の成分と、1つまたは1つより多くの追加の成分を合わせることによって調製することができる。そのような場合、第1および/または第2の成分は、第1および/または第2のプレポリマーを含むことができ、追加の成分の1つは、第3のエラストマー系プレポリマーを含むことができる。
【0086】
本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、80mol%~98mol%の第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの組み合わせ、82mol%~96mol%、84mol%~94mol%、86mol%~92mol%、または88mol%~90mol%の第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの組み合わせを含むことができ、モル%が、共反応性組成物中の第1のエラストマー系プレポリマー、第2のエラストマー系プレポリマー、および第3のエラストマー系プレポリマーの合計モル数に基づく。共反応性組成物は、例えば、98mol%未満の第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの組み合わせ、96mol%未満、92mol%未満、88mol%未満、86mol%未満、または82mol%未満の第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの組み合わせを含むことができ、モル%が、共反応性組成物中の第1のエラストマー系プレポリマー、第2のエラストマー系プレポリマー、および第3のエラストマー系プレポリマーの合計モル数に基づく。共反応性組成物は、例えば、80mol%より多い第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの組み合わせ、84mol%より多く、88mol%より多く、92mol%より多く、または96mol%より多い第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの組み合わせを含むことができ、モル%が、共反応性組成物中の第1のエラストマー系プレポリマー、第2のエラストマー系プレポリマー、および第3のエラストマー系プレポリマーの合計モル数に基づく。
【0087】
共反応性組成物は、例えば、2mol%~20mol%の第3のエラストマー系プレポリマー、4mol%~18mol%、6mol%~16mol%、または8mol%~12mol%第3のエラストマー系プレポリマーを含むことができ、モル%が、共反応性組成物中の第1のエラストマー系プレポリマー、第2のエラストマー系プレポリマー、および第3のエラストマー系プレポリマーの合計モル数に基づく。共反応性組成物は、例えば、20mol%未満の第3のエラストマー系プレポリマー、16mol%未満、12mol%未満、8mol%未満、または4mol%未満の第3のエラストマー系プレポリマーを含むことができ、モル%が、共反応性組成物中の第1のエラストマー系プレポリマー、第2のエラストマー系プレポリマー、および第3のエラストマー系プレポリマーの合計モル数に基づく。共反応性組成物は、例えば、2mol%より多い第3のエラストマー系プレポリマー、6mol%より多く、10mol%より多く、または14mol%より多い第3のエラストマー系プレポリマーを含むことができ、モル%が、共反応性組成物中の第1のエラストマー系プレポリマー、第2のエラストマー系プレポリマー、および第3のエラストマー系プレポリマーの合計モル数に基づく。
【0088】
共反応性組成物は、熱硬化組成物であり、硬化すると、熱硬化性物質を形成する。
【0089】
共反応性組成物は、溶媒を実質的に含まない場合がある。例えば、共反応性組成物は、5重量%未満の溶媒、2重量%未満、1重量%未満、または0.1重量%未満の溶媒を含むことができ、重量%が、共反応性組成物の合計重量に基づく。
【0090】
共反応性組成物は、室温で共反応し、硬化する共反応性化合物を含むことができ、室温は、20℃~25℃、20℃~22℃、または約20℃の温度を指す。
【0091】
本開示によって提供される組成物において含むことができ、第1のエラストマー系プレポリマーは、ポリイソシアネートエラストマー系プレポリマーを含むことができ、第2のエラストマー系プレポリマーは、ポリアミンエラストマー系プレポリマーを含むことができ、第3のエラストマー系プレポリマーは、シラノール官能性プレポリマーを含むことができる。
【0092】
本開示によって提供される組成物において、第1のエラストマー系プレポリマーは、ポリエーテルプレポリマーを含むことができ、第2のエラストマー系プレポリマーは、ポリエーテルプレポリマーおよび/またはポリブタジエンプレポリマーを含むことができ、第3のエラストマー系プレポリマーは、ポリシロキサンプレポリマーを含むことができる。
【0093】
本開示によって提供される組成物において、第1のエラストマー系プレポリマーは、アミン官能性ポリエーテルプレポリマーを含むことができ、第2のエラストマー系プレポリマーは、イソシアネート官能性ポリエーテルプレポリマーおよび/またはイソシアネート官能性ポリブタジエンプレポリマーを含むことができ、第3のエラストマー系プレポリマーは、シラノール官能性ポリシロキサンプレポリマーを含むことができる。
【0094】
第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの各々は、独立して、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリブタジエン、ポリカーボネート、およびポリテトラヒドロフランから選択することができ、例えば、1,000Da~20,000Da、例えば、500Da~5,000Da、500Da~4,000Da、500Da~3,500Da、または500Da~3,000Daの数平均分子量を有し得る。第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの各々は、独立して、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリブタジエン、ポリカーボネート、およびポリテトラヒドロフランから選択することができ、例えば、20,000Da未満、10,000Da未満、5,000Da未満、4,000Da未満、3,500Da未満、3,000Da未満、または2,000Da未満の数平均分子量を有し得る。
【0095】
第1、第2および第3のエラストマー系プレポリマーに加えて、本開示によって提供される共反応性組成物は、モノマーまたはモノマーの組み合わせを含み得る。例えば、モノマーは、繰り返し単位を有しない低分子量化合物を指す。
【0096】
モノマーは、繰り返し単位を含まない低分子量化合物を指す。モノマーは、例えば、1,000Da未満、800Da未満、600Da未満、500Da未満、400Da未満、または300Da未満の分子量を有し得る。モノマーは、例えば、100Da~1,000Da、100Da~800Da、100Da~600Da、150Da~550Da、または200Da~500Daの分子量を有し得る。モノマーは、例えば、100Daより大きく、200Daより大きく、300Daより大きく、400Daより大きく、500Daより大きく、600Daより大きく、または800Daより大きい分子量を有し得る。
【0097】
モノマーは、第1のエラストマー系プレポリマーおよび/または第2のエラストマー系プレポリマーと反応性であり得る。モノマーは、第3のエラストマー系プレポリマーと反応性であり得る。
【0098】
モノマーは、第1のエラストマー系プレポリマー、第2のエラストマー系プレポリマー、および/または第3のエラストマー系プレポリマーと同じ反応性官能基を有し得る。
【0099】
モノマーは、例えば、チオール、アルケニル、アルキニル、エポキシ、イソシアネート、ヒドロキシル、アミン、マイケル受容体、マイケル供与体基、シラノール、ポリアルコキシシリル、または他の好適な反応性基等の任意の好適な官能基を含み得る。モノマーの官能基は、特定の共反応性硬化化学に適したものとして選択することができる。
【0100】
モノマーは、ポリチオール、ポリアルケニル、ポリアルキニル、ポリエポキシド、多官能性マイケル受容体、ポリイソシアネート、ポリオール、ポリアミン、ポリシラノール、多官能性ポリアルコキシシリル、または上述のうちのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0101】
モノマーは、例えば、第一級ジアミン、第二級ジアミン、第三級ジアミン等のジアミン、または上述のうちのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0102】
好適な第一級ジアミンの例としては、エチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,3-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、2,5-ジアミノ-2,5-ジメチルヘキサン、2,2,4-および/または2,4,4-トリメチル-1,6-ジアミノ-ヘキサン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,3-および/または1,4-シクロヘキサンジアミン、1-アミノ-3,3,5-トリメチル-5-アミノメチル-シクロヘキサン(イソホロンジアミンまたはIPDA)、2,4-および/または2,6-ヘキサヒドロトルイレンジアミン、2,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’-ジアルキル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、例えば、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、および3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,4-および/または2,6-ジアミノトルエン、3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミン、3,5-ジエチルトルエン-2,6-ジアミン、3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミン、3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミン、2,4’-および/または4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ジプロピレントリアミン、ビスヘキサメチレントリアミン、または上述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0103】
好適な第二級ジアミンの例としては、4,4’-メチレンビス(N-(sec-ブチル)シクロヘキサン-1-アミン)、N-イソプロピル-3-((イソプロピルアミノ)メチル)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン-1-アミンが挙げられ、これには、Huntsman CorporationからJefflink(登録商標)の商標名、Dorf-Ketal Chemicals,LLCからClearlink(登録商標)の商標名、およびCovestro LLCからDesmophen(登録商標)の商標名で入手可能な脂環式第二級ジアミン、または上述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0104】
モノマーは、例えば、芳香族ポリアミン、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、または上述のうちのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0105】
モノマーは、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、または上述のうちのいずれかの組み合わせ等のジイソシアネートを含み得る。
【0106】
好適な脂肪族ジイソシアネートの例としては、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,5-ジイソシアナト-2-メチルペンタン、メチル-2,6-ジイソシアナトヘキサノエート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,2,4-トリメチルヘキサン 1,6-ジイソシアネート、2,4-トリメチルヘキサン 1,6-ジイソシアネート、2,5(6)-ビス(イソシアナトメチル)シクロ[2.2.1]ヘプタン、1,3,3-トリメチル-1-(イソシアナトメチル)-5-イソシアナトシクロヘキサン、1,8-ジイソシアナト-2,4-ジメチルオクタン、オクタヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデンジメチルジイソシアネート、および1,1’-メチレンビス(4-イソシアナトシクロヘキサン)、ならびに4,4-メチレンジクロロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)が挙げられる。好適な芳香族ジイソシアネートの例としては、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート(2,6-TDI)、2,4-トルエンジイソシアネート(2,4-TDI)、2,4-TDIと2,6-TDIとのブレンド、1,5-ジイソシアナトナフタレン、ジフェニルオキシド 4,4’-ジイソシアネート、4,4’-メチレンジフェニルジイソシアネート(4,4-MDI)、2,4’-メチレンジフェニルジイソシアネート(2,4-MDI)、2,2’-ジイソシアナトジフェニルメタン(2,2-MDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、1-[(2,4-ジイソシアナトフェニル)メチル]-3-イソシアナト-2-メチルベンゼン、2,4,6-トリイソプロピル-m-フェニレンジイソシアネート、および上述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0107】
好適な脂環式ジイソシアネートの例としては、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)-2,2-プロパン、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)-1,2-エタン、2-イソシアナトメチル-3-(3-イソシアナトプロピル)-5-イソシアナトメチル-ビシクロ[2.2.1]-ヘプタン、2-イソシアナトメチル-3-(3-イソシアナトプロピル)-6-イソシアナトメチル-ビシクロ[2.2.1]-ヘプタン、2-イソシアナトメチル-2-(3-イソシアナトプロピル)-5-イソシアナトメチル-ビシクロ[2.2.1]-ヘプタン、2-イソシアナトメチル-2-(3-イソシアナトプロピル)-6-イソシアナトメチル-ビシクロ[2.2.1]-ヘプタン、2-イソシアナトメチル-3-(3-イソシアナトプロピル)-6-(2-イソシアナトエチル)-ビシクロ[2.2.1]-ヘプタン、2-イソシアナトメチル-2-(3-イソシアナトプロピル)-5-(2-イソシアナトエチル)-ビシクロ[2.2.1]-ヘプタン、2-イソシアナトメチル-2-(3-イソシアナトプロピル)-6-(2-イソシアナトエチル)-ビシクロ[2.2.1]-ヘプタン、および上述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0108】
好適な芳香族ジイソシアネートの例としては、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、α,α,α’,α’-テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,3-ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエーテル、ビス(イソシアナトエチル)フタレート、および2,5-ジ(イソシアナトメチル)フランが挙げられる。芳香族環に直接結合したイソシアネート基を有する芳香族ジイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、エチルフェニレンジイソシアネート、イソプロピルフェニレンジイソシアネート、ジメチルフェニレンジイソシアネート、ジエチルフェニレンジイソシアネート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、メチルナフタレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ビス(3-メチル-4-イソシアナトフェニル)メタン、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、3,3”-ジメトキシ-ビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ビス(イソシアナトフェニルエーテル)エチレングリコール、ビス(イソシアナトフェニルエーテル)-1,3-プロピレングリコール、ベンゾフェノンジイソシアネート、カルバゾールジイソシアネート、エチルカルバゾールジイソシアネート、ジクロロカルバゾールジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、および2,6-トルエンジイソシアネート、ならびに上述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0109】
アミン官能性共反応性成分は、Dor-Ketal Chemicals,LLCから入手可能なClearlink(登録商標)1000等のモノマー脂肪族第二級アミンも含み得る。
【0110】
例えば、モノマーポリアミンは、式(11)の構造を有することができ、
HN(-R)-R-NH(-R) (11)
式中、
各Rが、独立して、水素およびC1-10アルキルから選択され、
が、C1-20アルカン-ジイルおよびC6-20アルカンシクロアルカン-ジイルから選択される。
【0111】
式(11)のポリアミンにおいて、各Rは、水素であり得る。
【0112】
式(11)のポリアミンにおいて、各Rは、C1-10アルキル、C1-8アルキル、C1-6アルキル、C1-4アルキル、またはC1-2アルキルであり得る。
【0113】
式(11)のポリアミンにおいて、Rは、C1-20アルカン-ジイル、C1-20アルカン-ジイル、C1-16アルカン-ジイル、C1-14アルカン-ジイル、C1-12アルカン-ジイル、またはC1-10アルカン-ジイルであり得る。
【0114】
式(11)のポリアミンにおいて、Rは、C6-20アルカンシクロアルカン-ジイル、C6-16アルカンシクロアルカン-ジイル、C6-14アルカンシクロアルカン-ジイル、C6-12アルカンシクロアルカン-ジイル、またはC6-10アルカンシクロアルカン-ジイルであり得る。
【0115】
式(11)のポリアミンにおいて、Rは、式(12)の構造を有することができ、
【化2】

式中、Rは、C1-10アルカン-ジイル、例えば、C1-8アルカン-ジイル、C1-6アルカン-ジイル、C1-4アルカン-ジイル、またはC1-2アルカン-ジイルである。
【0116】
式(12)の部分において、Rは、メタン-ジイル、エタン-ジイル、またはプロパン-ジイルであり得る。
【0117】
モノマーポリアミンは、4,4’-メチレンビス(N-(sec-ブチル)シクロヘキサン-1-アミン)、N-イソプロピル-3-((イソプロピルアミノ)メチル)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン-1-アミン、およびこれらの組み合わせを含み得る。
【0118】
モノマーアミンは、モノアミン、あるいはジアミン、トリアミン、より高次のポリアミン、および/またはそれらの混合物等のポリアミンであり得る。モノマーアミンはまた、芳香族または脂肪族、例えば脂環式であり得る。好適な脂肪族ポリアミンの例としては、エチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,3-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、2,5-ジアミノ-2,5-ジメチルヘキサン、2,2,4-および/または2,4,4-トリメチル-1,6-ジアミノ-ヘキサン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,3-および/または1,4-シクロヘキサンジアミン、1-アミノ-3,3,5-トリメチル-5-アミノメチル-シクロヘキサン、2,4-および/または2,6-ヘキサヒドロトルエンジアミン、2,4’-および/または4,4’-ジアミノ-ジシクロヘキシルメタン、5-アミノ-1,3,3-トリメチルシクロヘキサンメチルアミン(イソホロンジアミン)、1,3-シクロヘキサンビス(メチルアミン)(1,3 BAC)、および3,3’-ジアルキル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン(例えば、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタンおよび3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン)、2,4-および/または2,6-ジアミノトルエンおよび2,4’-および/または4,4’-ジアミノジフェニルメタン、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0119】
モノマーは、2つまたは2つより多く、例えば、2~6、2~5、または2~4の反応性官能性を有し得る。モノマーは、2、3、4、5、6、または上述のうちのいずれかの組み合わせの反応性官能性を有し得る。モノマーは、例えば、2~6、2~5、2~4、2~3、2.1~2.8、または2.2~2.6の平均反応性官能性を有し得る。
【0120】
本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、2重量%~15重量%のモノマー、4重量%~13重量%、または6重量%~11重量%のモノマーを含むことができ、重量%は、組成物の合計重量に基づく。本開示によって提供される組成物は、例えば、2w%を超えるモノマー、6重量%を超える、10重量%を超える、または14重量%を超えるモノマーを含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、15w%未満のモノマー、11重量%未満、7重量%未満、または14重量%未満のモノマーを含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。
【0121】
共反応性組成物は、1つまたは1つより多くの添加剤を含み得る。好適な添加剤の例としては、触媒、重合開始剤、接着促進剤、界面活性剤、分散剤、反応性希釈剤、可塑剤、充填材、着色剤、光色剤、フォトクロミック剤、レオロジー改質剤、腐食抑制剤、難燃剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤、および上述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0122】
本開示によって提供される組成物は、充填材または充填材の組み合わせを含み得る。
【0123】
本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、1重量%~90重量%の低密度充填材、1重量%~60重量%、1重量%~40重量%、1重量%~20重量%、1重量%~10重量%、または1重量%~5重量%の低密度充填材を含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。
【0124】
本開示によって提供される共反応性組成物は、1重量%より多くの低密度充填材、1重量%より多く、2重量%より多く、3重量%より多く、4重量%より多く、1重量%より多く、または10重量%より多くの低密度充填材を含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。
【0125】
本開示によって提供される共反応性組成物は、1体積%~90体積%の低密度充填材、5体積%~70体積%、10体積%~60体積%、20体積%~50体積%、または30体積%~40体積%の低密度充填材を含むことができ、体積%は、共反応性組成物の合計体積に基づく。
【0126】
共反応性組成物は、1体積%より多い低密度充填材、5体積%より多く、10体積%より多く、20体積%より多く、30体積%より多く、40体積%より多く、50体積%より多く、60体積%より多く、70体積%より多く、または80体積%より多い低密度充填材を含むことができ、体積%は、共反応性組成物の合計体積に基づく。
【0127】
本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、30重量%~60重量%の充填材、35重量%~55重量%、または40重量%~50重量%の充填材を含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、35重量%より多く、40重量%より多く、45重量%より多く、50重量%より多く、または55重量%より多い充填材を含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、60重量%未満、55重量%未満、50重量%未満、または45重量%未満の充填材を含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。
【0128】
充填材は、有機充填材、無機充填材、低密度充填材、または上述のうちのいずれかの組み合わせを含むことができる。
【0129】
機械的に強化し、組成物のレオロジー特性を制御するために、無機充填材を含むことができる。無機充填材を組成物に添加して、所望な物理的特性を付与してもよく、例えば、衝撃強度を増加させ、粘度を制御し、または硬化組成物の電気特性を変更してもよい。
【0130】
好適な無機充填材の例としては、カーボンブラック、炭酸カルシウム、沈殿炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水和アルミナ(水酸化アルミニウム)、タルク、雲母、二酸化チタン、ケイ酸アルミナ、炭酸塩、白亜、シリケート、シリカ、沈殿シリカ、ヒュームドシリカ、疎水性シリカ、親水性シリカ、ガラス、金属酸化物、グラファイト、および上述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0131】
好適な炭酸カルシウム充填材の例としては、Solvay Special Chemicalsから入手可能なSocal(登録商標)31、Socal(登録商標)312、Socal(登録商標)U1S1、Socal(登録商標)UaS2、Socal(登録商標)N2R、Winnofil(登録商標)SPM、およびWinnofil(登録商標)SPT等の製品が挙げられる。炭酸カルシウム充填材は、沈殿炭酸カルシウムの組み合わせを含み得る。
【0132】
無機充填材は、表面処理して疎水性または親水性の表面を提供することができ、これにより無機充填材と共反応性組成物の他の成分との分散および適合性を促進することができる。無機充填材は、例えば、表面改質シリカ等の表面改質粒子を含み得る。シリカ粒子の表面は、例えば、シリカ粒子の表面の疎水性または親水性を調整するように改質することができる。表面改質は、粒子の分散性、粘度、硬化速度、および/または接着性に影響を及ぼし得る。
【0133】
共反応性組成物は、有機充填材または有機充填材の組み合わせを含み得る。
【0134】
有機充填材は、低い比重を有し、溶媒に対して耐性であるように、および/または組成物の密度を低減するように選択することができる。有機充填材は、固体粉末または粒子、中空粉末または粒子、および上述のうちのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0135】
有機充填材は、例えば、1.15未満、1.1未満、1.05未満、1未満、0.95未満、0.9未満、0.8未満、または0.7未満の比重を有し得る。有機充填材は、例えば、0.85~1.15、0.9~1.1の範囲内、0.9~1.05の範囲内、または0.85~1.05の比重を有し得る。比重は、ISO787-11に従って決定することができる。
【0136】
有機充填材は、熱可塑性物質、熱硬化性物質、またはこれらの組み合わせを含み得る。有機充填材として使用することができる好適な熱可塑性物質および熱硬化性物質の例としては、エポキシ、エポキシ-アミド、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリビニリデンクロリド、ポリビニルフルオリド、テトラフルオロエチレン、ポリアミド、ポリイミド、エチレンプロピレン、ペルフルオロハイドロカーボン、フルオロエチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、ポリビニルクロリド、メラミン、ポリエステル、フェノール樹脂、エピクロロヒドリン、フッ化炭化水素、多環状物質、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリスルフィド、ポリウレタン、イソブチレンイソプレン、シリコーン、スチレンブタジエン、液晶ポリマー、および上述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0137】
好適なポリアミド6およびポリアミド12粒子の例は、グレードSP-500、SP-10、TR-1、およびTR-2としてToray Plasticsから入手可能である。好適なポリアミド粉末はまた、Arkema GroupからOrgasol(登録商標)の商標名で、また、Evonik IndustriesからVestosin(登録商標)の商標名で入手可能である。
【0138】
本開示によって提供される共反応性組成物は、微粒子化酸化ポリエチレンホモポリマーを含み得る。有機充填材は、ポリエチレン、例えば、酸化ポリエチレン粉末を含み得る。好適なポリエチレンは、例えば、Honeywell International,Inc.からACumist(登録商標)の商標名で、INEOSからEltrex(登録商標)の商標名で、また、Mitsui Chemicals America,Inc.からMipelon(登録商標)の商標名で入手可能である。体積平均粒径が5.0μm~7.5μmであり、Baker Hughes,Inc.からPetrolite(登録商標)として入手可能なポリエチレンおよびポリプロピレンの粒子状コポリマー、例えば、Petrolite(登録商標)5000 T6も使用されてもよい。
【0139】
有機充填材は、任意の好適な形状を有し得る。例えば、有機充填材は、所望のサイズ範囲を選択するために濾過された粉砕ポリマーの画分を含み得る。有機充填材は、実質的に球状の粒子を含み得る。実質的に球状の粒子は、最小寸法に対する最大寸法の比が2未満である粒子を指すことができる。粒子は、固体であり得るか、または多孔質であり得る。
【0140】
有機充填材は、例えば、1μm~100μm、2μm~40μm、2μm~30μm、4μm~25μm、4μm~20μm、2μm~12μm、または5μm~15μmの範囲内の平均体積粒径を有し得る。有機充填材は、例えば、100μm未満、75μm未満、50μm未満、40μm未満、または20μm未満の平均体積粒径を有し得る。粒径分布は、Fischer Sub-Sieve Sizerを使用して、または光学検査によって決定することができる。
【0141】
有機充填材は、改質された膨脹熱可塑性マイクロカプセル等の低密度を含み得る。好適な改質された膨脹熱可塑性マイクロカプセルは、メラミンまたは尿素/ホルムアルデヒド樹脂の外側コーティングを含み得る。
【0142】
共反応性組成物は、低密度充填材、または低密度充填材(例えば低密度マイクロカプセル)の組み合わせを含み得る。低密度マイクロカプセルは、熱膨張性マイクロカプセルを含み得る。
【0143】
熱膨張性マイクロカプセルは、所定の温度で膨張する揮発性材料を含む中空シェルを指す。熱膨張性熱可塑性マイクロカプセルは、5μm~70μm、場合によっては10μm~24μm、または10μm~17μmの平均初期粒径を有し得る。「平均初期粒径」という用語は、任意の膨張前のマイクロカプセルの平均粒径(粒径分布の数値加重平均)を指す。粒径分布は、Fischer Sub-Sieve Sizerを使用して、または光学検査によって決定することができる。
【0144】
熱膨張性マイクロカプセルの壁を形成するのに好適な材料の例としては、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、スチレン、ポリカーボネート、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、および酢酸ビニルのポリマー、これらのモノマーのコポリマー、ならびにポリマーとコポリマーとの組み合わせが挙げられる。架橋剤は、熱膨張性マイクロカプセルの壁を形成する材料と共に含まれてもよい。
【0145】
好適な熱可塑性マイクロカプセルの例としては、AkzoNobelから入手可能なExpancel(商標)マイクロカプセル、例えば、Expancel(商標)DEミクロスフェアが挙げられる。好適なExpancel(商標)DEミクロスフェアの例としては、Expancel(商標)920 DE 40およびExpancel(商標)920 DE 80が挙げられる。好適な低密度マイクロカプセルは、Kureha Corporationからも入手可能である。
【0146】
低密度マイクロカプセル等の低密度充填材は、0.01~0.09の範囲内、0.04~0.09の範囲内、0.04~0.08の範囲内、0.01~0.07の範囲内、0.02~0.06の範囲内、0.03~0.05の範囲内、0.05~0.09の範囲内、0.06~0.09の範囲内、または0.07~0.09の範囲内の比重によって特徴付けることができ、比重は、ISO787-11に従って決定される。低密度マイクロカプセル等の低密度充填材は、0.1未満、0.09未満、0.08未満、0.07未満、0.06未満、0.05未満、0.04未満、0.03未満、または0.02未満の比重によって特徴付けることができ、比重は、ISO787-11に従って決定される。
【0147】
低密度マイクロカプセル等の低密度充填材は、1μm~100μmの平均粒子直径によって特徴付けることができ、実質的に球状の形状を有し得る。低密度マイクロカプセル等の低密度充填材は、例えば、ISO787-11に従って決定される場合、10μm~100μm、10μm~60μm、10μm~40μm、または10μm~30μmの平均粒子直径によって特徴付けることができる。
【0148】
低密度マイクロカプセル等の低密度充填材は、メラミン樹脂等のアミノプラスト樹脂のコーティングを有する膨脹マイクロカプセルまたはマイクロバルーンを含み得る。アミノプラスト樹脂コーティングされた粒子は、例えば、米国特許第8,993,691号に記載されている。かかるマイクロカプセルは、熱可塑性シェルに囲まれた発泡剤を含むマイクロカプセルを加熱することによって形成することができる。コーティングされていない低密度マイクロカプセルを、尿素/ホルムアルデヒド樹脂等のアミノプラスト樹脂と反応させて、粒子の外側表面に熱硬化性樹脂のコーティングを提供することができる。
【0149】
アミノプラスト樹脂のコーティングにより、アミノプラストコーティングされたマイクロカプセルは、例えば、0.02~0.08、0.02~0.07、0.02~0.06、0.03~0.07、0.03~0.065、0.04~0.065、0.045~0.06、または0.05~0.06の範囲内の比重によって特徴付けることができ、比重は、ISO787-11に従って決定される。
【0150】
共反応性組成物は、例えば、1重量%~90重量%の低密度充填材、1重量%~60重量%、1重量%~40重量%、1重量%~20重量%、1重量%~10重量%、または1重量%~5重量%の低密度充填材を含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。
【0151】
共反応性組成物は、1重量%より多くの低密度充填材、1重量%より多く、2重量%より多く、3重量%より多く、4重量%より多く、1重量%より多く、または10重量%より多くの低密度充填材を含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。
【0152】
共反応性組成物は、1体積%~90体積%の低密度充填材、5体積%~70体積%、10体積%~60体積%、20体積%~50体積%、または30体積%~40体積%の低密度充填材を含むことができ、体積%は、共反応性組成物の合計体積に基づく。
【0153】
共反応性組成物は、0.1体積%より多く、1体積%より多い低密度充填材、5体積%より多く、10体積%より多く、20体積%より多く、30体積%より多く、40体積%より多く、50体積%より多く、60体積%より多く、70体積%より多く、または80体積%より多い低密度充填材を含むことができ、体積%は、共反応性組成物の合計体積に基づく。
【0154】
本開示によって提供される共反応性組成物は、着色剤または着色剤の組み合わせを含み得る。着色剤は、例えば、顔料、染料、ティント、特殊効果着色剤、または感光性化合物を含み得る。
【0155】
好適な着色剤の例としては、顔料、染料、およびティント、例えば、塗料業界で使用されるもの、および/またはDry Color Manufacturers Association(DCMA)に列挙されるもの、ならびに特殊効果組成物が挙げられる。着色剤は、例えば、使用条件下で不溶性であるが湿潤可能である、細かく分割された固体粉末を含んでいてもよい。着色剤は、有機または無機であることができ、凝集または非凝集であり得る。着色剤は、粉砕または単純混合によってコーティングに組み込むことができる。
【0156】
好適な顔料および/または顔料組成物の例としては、カルバゾールジオキサジンクルード顔料、アゾ、モノアゾ、ジアゾ、ベンズイミダゾロン、縮合物、金属錯体、イソインドリノン、イソインドリンおよび多環式フタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、アントラキノン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、ピラントロン、アンタントロン、ジオキサジン、トリアリールカルボニウム、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロールレッド(「DPPBOレッド」)、二酸化チタン、カーボンブラック、カーボンファイバー、グラファイト、他の導電性顔料および/または充填材、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0157】
好適な染料の例としては、溶媒系および/または水系であるもの、例えば、酸染料、アゾイック染料、塩基性染料、直接染料、分散染料、反応性染料、溶媒染料、硫黄染料、媒染染料、例えば、バナジン酸ビスマス、アントラキノン、ペリレン、アルミニウム、キナクリドン、チアゾール、チアジン、アゾ、インジゴイド、ニトロ、ニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、キノリン、スチルベン、およびトリフェニルメタンが挙げられる。
【0158】
好適なティントの例としては、水系または水混和性担体に分散した顔料、例えば、Degussa,Inc.から市販のAqua-Chem(登録商標)896、Eastman Chemical,Inc.のAccurate Dispersions部門から市販のCharisma(登録商標)ColorantsおよびMaxitoner(登録商標)Industrial Colorantsが挙げられる。
【0159】
着色剤は、例えば、ナノ粒子分散体を含む分散体の形態であり得る。
【0160】
着色剤は、例えば、反射率(reflectance)、真珠光沢、金属光沢、リン光、蛍光、フォトクロミズム、感光性、サーモクロミズム、ゴニオクロミズム、および/または色変化等の1つまたは1つより多くの外観効果を生成する特殊効果着色剤を含むことができる。追加の特殊効果組成物は、反射率(reflectivity)、不透明度またはテクスチャ等の他の知覚可能な特性を提供し得る。特殊効果組成物は、コーティングが異なる角度で見られる場合、コーティングの色が変化するように、カラーシフトを生成し得る。追加の色効果組成物としては、透明コーティングされた雲母および/または合成雲母、コーティングされたシリカ、コーティングされたアルミナ、透明液晶顔料、液晶コーティング、ならびに/または任意の組成物を挙げることができ、干渉は、材料内の屈折率の差から生じ、材料の表面と空気との間の屈折率の差によるものではない。
【0161】
着色剤は、感光性化合物および/または1つまたは1つより多くの光源にさらされたときにその色を可逆的に変化させるフォトクロミック化合物を含むことができ、本発明の組成物に使用することができる。フォトクロミックおよび/または活性化された感光性は、特定の波長の放射線にさらされることによって活性化することができる。
【0162】
本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、0.1重量%~1重量%の着色剤、0.15重量%~0.8重量%、0.2重量%~0.6重量%、または0.3重量%~0.5重量%の着色剤を含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、0.1重量%より多く、0.2重量%より多く、0.3重量%より多く、または0.5重量%より多い着色剤を含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、1重量%未満、0.8重量%未満、0.6重量%未満、0.4重量%未満、または0.2重量%未満の着色剤を含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。
【0163】
本開示によって提供される共反応性組成物は、界面活性剤または界面活性剤の組み合わせを含み得る。
【0164】
界面活性剤/分散剤は、例えば、BYKから入手可能なBYK(登録商標)-9077を含み得る。
【0165】
共反応性組成物は、触媒または触媒の組み合わせを含み得る。
【0166】
触媒または触媒の組み合わせは、第1のエラストマー系プレポリマーと第2のエラストマー系プレポリマーとの反応等の共反応性組成物中の共反応剤の反応を触媒するために選択することができる。適切な触媒は、硬化化学に依存する。例えば、チオール-エンまたはチオールエポキシは、アミン触媒を含み得る。
【0167】
共反応性組成物は、例えば、0.1重量%~1重量%、0.2重量%~0.9重量%、0.3重量%~0.7重量%、または0.4重量%~0.6重量%の触媒または触媒の組み合わせを含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。
【0168】
触媒は、潜在性触媒または潜在性触媒の組み合わせを含み得る。潜在性触媒としては、例えば、物理的および/または化学的機構によって放出または活性化されるまでほとんど活性を有しないか、または活性を有しない触媒が挙げられる。潜在性触媒は、構造内に含まれてもよく、または化学的にブロックされてもよい。制御放出触媒は、紫外線、熱、超音波、または水分にさらされると触媒を放出し得る。潜在性触媒は、コア-シェル構造内に隔離することができ、または結晶性もしくは半結晶性のポリマーのマトリックス内に捕捉することができ、触媒は、時間経過と共に、または熱エネルギーもしくは機械エネルギーの適用によるもの等で活性化されると、封入体から拡散することができる。
【0169】
共反応性組成物は、ダークキュア触媒またはダークキュア触媒の組み合わせを含み得る。ダークキュア触媒とは、電磁エネルギーにさらされることなく遊離ラジカルを生成することができる触媒を指す。
【0170】
ダークキュア触媒としては、例えば、金属錯体および有機過酸化物、チアルキルボラン錯体、およびペルオキシド-アミンレドックス開始剤の組み合わせが挙げられる。ダークキュア触媒は、光重合開始剤と併用して、または光重合開始剤とは独立して使用することができる。
【0171】
チオール/チオール硬化化学物質に基づく共反応性組成物は、硬化活性化剤または硬化活性化剤の組み合わせを含み、チオール/チオール重合反応を開始することができる。硬化活性化剤は、例えば、第1および第2のエラストマー系プレポリマーが両方ともチオール官能基を含む共反応性組成物において使用することができる。
【0172】
硬化活性化剤は、末端メルカプタン基を酸化してジスルフィド結合を形成することができる酸化剤を含み得る。好適な酸化剤の例としては、二酸化鉛、二酸化マンガン、二酸化カルシウム、過ホウ酸ナトリウム一水和物、過酸化カルシウム、過酸化亜鉛、および重クロム酸塩が挙げられる。
【0173】
硬化活性化剤は、無機活性化剤、有機活性化剤、またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0174】
好適な無機活性化剤の例としては、金属酸化物が挙げられる。好適な金属酸化物活性化剤としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉛(PbO)、過酸化鉛(PbO)、二酸化マンガン(MnO)、過ホウ酸ナトリウム(NaBO・HO)、過マンガン酸カリウム(KMnO)、過酸化カルシウム(CaCO)、過酸化バリウム(BaO)、クメンヒドロペルオキシド、および上述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。硬化活性化剤は、MnOであり得る。
【0175】
チオール/チオール硬化化学に基づく共反応性組成物は、例えば、1重量%~10重量%の硬化活性化剤または硬化活性化剤の組み合わせを含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。例えば、共反応性組成物は、1重量%~9重量%、2重量%~8重量%、3重量%~7重量%、または4重量%~6重量%の活性化剤または硬化活性化剤の組み合わせを含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。例えば、共反応性組成物は、1重量%より多くの硬化活性化剤または硬化活性化剤の組み合わせ、2重量%より多く、3重量%より多く、4重量%より多く、5重量%より多く、または6重量%より多くの硬化活性化剤または硬化活性化剤の組み合わせを含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。
【0176】
チオール/チオール硬化化学に基づく共反応性組成物は、硬化促進剤または硬化促進剤の組み合わせを含み得る。
【0177】
硬化促進剤は、硫黄供与体として作用し、チオール末端化ポリスルフィドプレポリマーの末端チオール基と反応することができる活性な硫黄断片を生成することができる。
【0178】
好適な硬化促進剤の例としては、チアゾール、チウラム、スルフェンアミド、グアニジン、ジチオカルバメート、キサンテート、チオ尿素、アルデヒドアミン、および上述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0179】
硬化促進剤は、チウラムポリスルフィド、チウラムジスルフィド、またはこれらの組み合わせであり得る。
【0180】
他の好適な硬化促進剤の例としては、ジアルキルジチオリン酸およびジチオホスフェートのトリアジンおよびスルフィドまたは金属塩およびアミン塩、例えば、ジアルキルジチオリン酸のトリアジンおよびスルフィドまたは金属塩およびアミン塩、ならびに上述のうちのいずれかの組み合わせも挙げられる。硫黄を含有しない硬化促進剤の例としては、テトラメチルグアニジン(TMG)、ジ-o-トリルグアニジン(DOTG)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水および塩基が挙げられる。
【0181】
共反応性組成物は、例えば、0.01重量%~2重量%の硬化促進剤または硬化促進剤の組み合わせ、0.05重量%~1.8重量%、0.1重量%~1.6重量%、または0.5重量%~1.5重量%の硬化促進剤または硬化促進剤の組み合わせを含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。共反応性組成物は、例えば、2重量%未満、1.8重量%未満、1.6重量%未満、1.4重量%未満、1.2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.1重量%未満、または0.05重量%未満の硬化促進剤または硬化促進剤の組み合わせを含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。
【0182】
共反応性組成物は、1つまたは1つより多くの重合開始剤、例えば、熱活性化される遊離ラジカル開始剤またはアクチニック放射線によって活性化される遊離ラジカル開始剤を含め、1つまたは1つより多くの遊離ラジカル開始剤を含むことができる。
【0183】
共反応性組成物は、チオール/アルケニル、チオール/アルキニル、およびアルケニル/アルケニル硬化化学に基づくアクチニック放射線によって硬化可能であり得る。可視光または紫外線放射によって硬化可能な共反応性組成物は、光重合開始剤または光重合開始剤の組み合わせを含み得る。
【0184】
共反応性組成物は、光開始剤または光開始剤の組み合わせを含み得る。放射線は、光重合開始剤に照射した時に光重合開始剤から開始種を生成するのに有効なエネルギーを印加することができ、α線、γ線、X線、紫外線(UVA、UVA、およびUVCスペクトルを含む)、可視光、青色光、赤外線、近赤外線、または電子線を広く含む、アクチニック放射線であり得る。例えば、光開始剤は、紫外線光開始剤であり得る。
【0185】
好適な紫外線光開始剤の例としては、α-ヒドロキシケトン、ベンゾフェノン、α,α-ジエトキシアセトフェノン、4,4-ジエチルアミノベンゾフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、4-イソプロピルフェニル 2-ヒドロキシ-2-プロピルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソアミル p-ジメチルアミノベンゾエート、メチル 4-ジメチルアミノベンゾエート、メチル O-ベンゾイルベンゾエート、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビシクロホスフィンオキシド、ベンゾフェノン光開始剤、オキシム光開始剤、ホスフィンオキシド光開始剤、および上述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0186】
共反応性組成物は、0.05重量%~5重量%、0.1重量%~4.0重量%、0.25重量%~3.0重量%、0.5重量%~1.5重量%の光開始剤または光開始剤の組み合わせを含むことができ、重量%は、重合性組成物の合計重量に基づく。
【0187】
共反応性組成物は、熱に活性な遊離ラジカル開始剤を含み得る。熱活性化される遊離ラジカル開始剤は、高温で、例えば、25℃を超える温度で活性化することができる。
【0188】
好適な熱活性化される遊離ラジカル開始剤の例としては、有機ペルオキシ化合物、アゾビス(有機ニトリル)化合物、N-アシルオキシアミン化合物、O-イミノ-イソ尿素化合物、および上述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。熱重合開始剤として使用され得る好適な有機ペルオキシ化合物の例としては、ペルオキシモノカーボネートエステル、例えば、第三級ブチルペルオキシ 2-エチルヘキシルカーボネートおよび第三級ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート;ペルオキシケタール、例えば、1,1-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン;ペルオキシジカーボネートエステル、例えば、ジ(2-エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ(第二級ブチル)ペルオキシジカーボネートおよびジイソプロピルペルオキシジカーボネート;ジアシペルオキシド、例えば、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ラウリルペルオキシド、プロピオニルペルオキシド、アセチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、およびp-クロロベンゾイルペルオキシド;ペルオキシエステル、例えば、tert-ブチルペルオキシピバレート、tert-ブチルペルオキシオクチレート、およびtert-ブチルペルオキシイソブチレート;メチルエチルケトンペルオキシド、アセチルシクロヘキサンスルホニルペルオキシド、ならびに上述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。好適なペルオキシ化合物の他の例としては、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、および/または1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンが挙げられる。熱重合開始剤として使用され得る好適なアゾビス(有機ニトリル)化合物の例としては、アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチル-ブタンニトリル)、および/またはアゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)が挙げられる。熱活性化される遊離ラジカル開始剤は、1-アセトキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンおよび/または1,3-ジシクロヘキシル-O-(N-シクロヘキシリデンアミノ)-イソ尿素を含み得る。
【0189】
本開示によって提供される共反応性組成物は、1つまたは1つより多くの非エラストマー系プレポリマーを含むことができ、エラストマー物品を形成するために使用される硬化共反応性組成物が所望なエラストマー特性を保持していることを条件に任意の好適な量で含まれ得る。
【0190】
例えば、好適な非エラストマー系プレポリマーとしては、ポリチオエーテル、ポリスルフィド、ポリホルマール、ポリイソシアネート、ポリ尿素、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンオキシド、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリカーボネート、スチレンアクリロニトリル、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(p-フェニレンオキシド)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンイミン、ポリフェニルスルホン、アクリロニトリルスチレンアクリレート、ポリエチレン、シンジオタクチックまたはアイソタクチックポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリアミド、エチル-酢酸ビニルホモポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、エチレンのコポリマー、プロピレンのコポリマー、プロピレンのインパクトコポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオキシメチレン、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ブテンのホモポリマーおよびコポリマー、ヘキセンのホモポリマーおよびコポリマー、または上述のうちのいずれかの組み合わせを挙げることができる。
【0191】
非エラストマー系プレポリマーは、エラストマー系プレポリマーのうちの1つまたは1つより多くと反応性であり得るか、または共反応性組成物中のエラストマー系プレポリマーと反応性ではない場合がある。
【0192】
本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、30重量%~70重量%、35重量%~65重量%、40重量%~60重量%、または45重量%~55重量%のエラストマー系プレポリマーを含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。共反応性組成物は、例えば、30重量%より多く、40重量%より多く、または50重量%より多いエラストマー系プレポリマーを含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、40重量%未満、50重量%未満、または60重量%未満のエラストマー系プレポリマーを含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。
【0193】
本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、5重量%~25重量%の第1のエラストマー系プレポリマーと、25重量%~55重量%の第2のエラストマー系プレポリマーとを含むことができ、第2のエラストマー系プレポリマーは、第1のエラストマー系プレポリマーと反応性であり、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。
【0194】
本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、5重量%~25重量%、7重量%~23重量%、9重量%~20重量%、または11重量%~18重量%の第3のプレポリマーまたは第3のプレポリマーの組み合わせを含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。共反応性組成物は、例えば、5重量%より多く、7重量%より多く、9重量%より多く、11重量%より多く、13重量%より多く、15重量%より多く、17重量%より多く、19重量%より多く、または21重量%より多い第3のプレポリマーまたは第3のプレポリマーの組み合わせを含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。共反応性組成物は、例えば、5重量%未満、7重量%未満、9重量%未満、11重量%未満、13重量%未満、15重量%未満、17重量%未満、19重量%未満、または21重量%未満の第3のプレポリマーまたは第3のプレポリマーの組み合わせを含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。
【0195】
本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、1重量%~15重量%、3重量%~12重量%、または5重量%~10重量%のモノマーまたはモノマーの組み合わせを含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。共反応性組成物は、例えば、1重量%より多く、3重量%より多く、5重量%より多く、7重量%より多く、9重量%より多く、11重量%より多く、または13重量%より多いモノマーまたはモノマーの組み合わせを含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、1重量%未満、3重量%未満、5重量%未満、7重量%未満、9重量%未満、11重量%未満、または13重量%未満のモノマーまたはモノマーの組み合わせを含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。
【0196】
本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、10重量%~80重量%の第1のエラストマー系プレポリマーと、10重量%~80重量%の第2のエラストマー系プレポリマーと、5重量%~25重量%の第3のエラストマー系プレポリマーと、を含むことができ、重量%は、共反応性組成物中の第1のエラストマー系プレポリマー、第2のエラストマー系プレポリマー、および第3のエラストマー系プレポリマーの合計重量に基づく。
【0197】
本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、15重量%~75重量%の第1のエラストマー系プレポリマーと、15重量%~75重量%の第2のエラストマー系プレポリマーと、10重量%~20重量%の第3のエラストマー系プレポリマーと、を含むことができ、重量%は、共反応性組成物中の第1のエラストマー系プレポリマー、第2のエラストマー系プレポリマー、および第3のエラストマー系プレポリマーの合計重量に基づく。
【0198】
本開示によって提供される共反応性組成物は、例えば、20重量%~70重量%の第1のエラストマー系プレポリマーと、20重量%~70重量%の第2のエラストマー系プレポリマーと、10重量%~20重量%の第3のエラストマー系プレポリマーと、を含むことができ、重量%は、共反応性組成物中の第1のエラストマー系プレポリマー、第2のエラストマー系プレポリマー、および第3のエラストマー系プレポリマーの合計重量に基づく。
【0199】
共反応性組成物は、例えば、1重量%~30重量%の第3のエラストマー系プレポリマーと、独立して、30重量%~70重量%の第1および第2のエラストマー系プレポリマーの各々と、を含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。共反応性組成物は、例えば、5重量%~25重量%の第3のエラストマー系プレポリマーと、独立して、35重量%~65重量%の第1および第2のエラストマー系プレポリマーの各々と、を含むことができ、重量%は、共反応性組成物の合計重量に基づく。
【0200】
共反応性組成物は、2つの反応性成分を組み合わせ、混合することによって調製することができる。第1の成分は、第1のエラストマー系プレポリマーを含むことができ、第2の成分は、第2のエラストマー系プレポリマーを含むことができる。第1の成分および第2の成分の各々は、独立して、エラストマー系プレポリマーに加えて、他のモノマー、プレポリマー、および/または添加剤を含み得る。例えば、第1の反応性成分は、ポリイソシアネートエラストマー系プレポリマーを含むことができ、ポリイソシアネート成分と呼ぶことができ、第2の反応性成分は、ポリアミンエラストマー系プレポリマーを含むことができ、ポリアミン成分と呼ぶことができる。ポリイソシアネート成分とポリアミン成分とを組み合わせて、ポリ尿素共反応性組成物を形成することができる。第1および/または第2の成分は、第3のエラストマー系プレポリマーを含むことができ、または第3のエラストマー系プレポリマーは、第3の成分に含まれることができ、これを第1および第2の成分と組み合わせて、混合して、共反応性組成物を形成する。
【0201】
ポリアミン成分は、例えば、エラストマー系ポリアミンプレポリマーおよびモノマーポリアミンを含み得る。例えば、ポリアミン成分は、三官能性ポリアミンポリエーテルプレポリマーおよびモノマージアミンを含み得る。例えば、ポリアミン成分は、30重量%~90重量%のエラストマー系ポリアミンプレポリマー、40重量%~80重量%、30重量%~70重量%、または40重量%~60重量%のエラストマー系ポリアミンプレポリマーを含むことができ、重量%は、ポリアミン成分中のポリアミンの合計重量に基づく。例えば、ポリアミン成分は、10重量%~70重量%のモノマーポリアミン、20重量%~60重量%、30重量%~50重量%のモノマーポリアミンを含むことができ、重量%は、ポリアミン成分中のポリアミンの合計重量に基づく。例えば、ポリアミン成分は、30重量%~90重量%のエラストマー系ポリアミンプレポリマーと10重量%~70重量%のモノマーポリアミン、40重量%~80重量%のエラストマー系ポリアミンプレポリマーと10重量%~60重量%のモノマーポリアミン、または50重量%~70重量%のポリアミンプレポリマーと30重量%~50重量%のモノマーポリアミンを含むことができ、重量%は、ポリアミン成分中のポリアミンの合計重量に基づく。ポリアミン成分は、例えば、10重量%より多いエラストマー系ポリアミンプレポリマー、30重量%より多く、50重量%より多く、または70重量%より多いエラストマー系ポリアミンプレポリマーと、70重量%未満のモノマーポリアミン、50重量%未満、または30重量%未満のモノマーポリアミンとを含むことができ、重量%は、ポリアミン成分中のポリアミンの合計重量に基づく。
【0202】
ポリアミン成分は、例えば、15重量%~55重量%のモノマーポリアミン、20重量%~50重量%、25重量%~45重量%、または30重量%~40重量%を含むことができ、重量%は、ポリアミン成分の合計重量に基づく。ポリアミン成分は、例えば、5重量%~35重量%のエラストマー系ポリアミンプレポリマー、10重量%~30重量%、または15重量%~25重量%を含むことができ、重量%は、ポリアミン成分の合計重量に基づく。ポリアミン成分は、例えば、10重量%~80重量%の充填材または充填材の組み合わせ、15重量%~75重量%、20重量%~70重量%、25重量%~65重量%、30重量%~60重量%、35重量%~55重量%、または40重量%~50重量%の充填材または充填材の組み合わせを含むことができ、重量%は、ポリアミン成分の合計重量に基づく。
【0203】
ポリアミン成分は、例えば、触媒および着色剤を含み得る。
【0204】
ポリアミン成分は、例えば、25重量%~45重量%のモノマーポリアミンと、10重量%~30重量%のエラストマー系ポリアミンプレポリマーと、35重量%~55重量%の充填材と、を含むことができ、重量%は、ポリアミン成分の合計重量に基づく。ポリアミン成分は、例えば、25重量%~45重量%のモノマーポリアミンと、10重量%~30重量%のエラストマー系ポリアミンプレポリマーと、35重量%~55重量%の充填材と、を含むことができ、重量%は、ポリアミン成分の合計重量に基づく。
【0205】
イソシアネート成分は、エラストマー系ポリイソシアネートプレポリマーまたはエラストマー系ポリイソシアネートプレポリマーの組み合わせを含み得る。
【0206】
ポリイソシアネート成分は、例えば、80%より多いエラストマー系ポリイソシアネートプレポリマー、85重量%より多く、90重量%より多く、95重量%より多く、または98重量%より多いエラストマー系ポリイソシアネートプレポリマーを含むことができ、重量%は、ポリイソシアネート成分の合計重量に基づく。
【0207】
ポリイソシアネート成分は、例えば、10重量%~80重量%の充填材または充填材の組み合わせ、15重量%~75重量%、20重量%~70重量%、25重量%~65重量%、30重量%~60重量%、35重量%~55重量%、または40重量%~50重量%の充填材または充填材の組み合わせを含むことができ、重量%は、ポリイソシアネート成分の合計重量に基づく。充填材以外に、ポリイソシアネート成分の残量は、エラストマー系ポリイソシアネートプレポリマーであり得る。
【0208】
ポリアミン成分およびポリイソシアネート成分は、アミン当量数およびイソシアネート当量数が20%以内、15%以内、10%以内、または5%以内になるように組み合わせることができる。
【0209】
ポリアミン成分およびポリイソシアネート成分は、ポリアミン成分の粘度およびポリイソシアネート成分の粘度が20%以内、15%以内、10%以内、または5%以内になるように配合することができる。ポリアミン成分の粘度とポリイソシアネート成分の粘度が類似している場合、混合を促進することができる。
【0210】
本開示によって提供される共反応性組成物を使用して、任意の好適な方法を使用してエラストマー物品を製造することができる。例えば、本開示によって提供される共反応性組成物は、圧縮成形、射出成形、噴霧によって、三次元印刷によるもの等の付加製造によって、または上述のうちのいずれかの組み合わせによって製造することができる。
【0211】
自動製造方法を使用して、本開示によって提供される共反応性組成物を堆積させ、エラストマー物品を製造することができる。自動製造方法は、実用的に適用可能な共反応性組成物の範囲を拡張することができる。例えば、共反応性組成物は、堆積の直前に形成することができるため、迅速な硬化化学を使用することができる。共反応性組成物の堆積の実用的な速度は、共反応性組成物の硬化速度に依存し得る。
【0212】
付加製造は、共反応性組成物に適合したロボット製造方法および自動製造方法を広く包含する。付加製造としては、例えば、三次元印刷、熱溶解積層、押出成形、および共押出成形が挙げられる。共反応性付加製造としては、共反応剤を組み合わせ、共反応剤を混合して共反応性組成物を形成し、ノズルを介して基材の上および/または共反応性組成物を含む既に堆積させた層の上に共反応性組成物を押出成形する方法が挙げられる。付加製造は、迅速な硬化化学の使用、製造の柔軟性、およびカスタマイズ性を容易にすることができる。
【0213】
付加製造方法を使用して、共反応性組成物の個々の層を、基材および/または既に堆積させた層に直接適用し、その後、硬化するか、および/または硬化させることができる。
【0214】
本開示によって提供される組成物を使用して、付加製造を使用して物品を製造することができる。
【0215】
付加製造は、例えば、押出成形および三次元印刷を含む、ロボット製造方法および自動製造方法を包含する。
【0216】
付加製造を容易にするために、第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの官能基は、例えば、迅速な硬化速度を提供するために選択することができる。例えば、官能基は、チオール基から選択することができ、第2の官能基は、チオール基、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基、マイケル受容体基、マイケル供与体基、イソシアネート基、アミン基、ヒドロキシル基、シラノール基、ポリアルコキシシリル基、および上述のうちのいずれかの組み合わせであり得る。例えば、本開示によって提供される共反応性組成物は、第1のエラストマー系プレポリマーが反応性アミン基を含み、第2のエラストマー系プレポリマーが反応性イソシアネート基を含むポリ尿素硬化化学を使用することができる。
【0217】
ポリイソシアネートとポリアミンとの反応は、その化学反応の速度のため、ロボット製造方法と共に使用するための魅力的な共反応性硬化化学を表す。迅速な硬化速度によれば、共反応性組成物は、迅速に堆積させることができ、堆積させた層は、堆積後に意図された堆積形状を維持することができ、共反応性組成物の上に重なる層を支持するのに十分な機械的強度を有することができる。
【0218】
迅速な硬化化学は、共反応性組成物が、30分未満、20分未満、10分未満、5分未満、4分未満、3分未満、2分未満、1分未満、45秒未満、30秒未満、15秒未満、または5秒未満のゲルタイムを有する化学を指す。共反応性化合物は、例えば、0.1秒~30分、0.1秒~5分、0.2秒~3分、0.5秒~2分、1秒~1分、または2秒~40秒のゲルタイムを有し得る。ゲルタイムとは、共反応性化合物を混合した後、共反応性組成物がもはや手で撹拌することができなくなるまでの時間を指す。
【0219】
付加製造において、共反応性組成物は、ノズルを介して押出成形され、押出成形物を形成することができる。押出成形物は、非構造化押出成形物または構造化押出成形物であり得る。非構造化押出成形物は、押出成形物の断面寸法全体にわたって実質的に均一な組成を有する押出成形物を指す。構造化押出成形物は、押出成形物の断面寸法の少なくとも一部に不均一な組成を有する。
【0220】
粘度および硬化速度等の押出成形物を形成する共反応性組成物の特性は、押出成形物の堆積後に意図された形状を保持する押出成形物の能力を促進するように選択することができる。
【0221】
共反応性組成物は、例えば、5分未満、4分未満、3分未満、2分未満、1分未満、45秒未満、30秒未満、15秒未満、または5秒未満の迅速なゲルタイムを有し得る。共反応性組成物は、例えば、0.1秒~5分、0.2秒~3分、0.5秒~2分、1秒~1分、または2秒~40秒の迅速なゲルタイムを有し得る。ゲルタイムとは、共反応性成分を混合した後、共反応性組成物がもはや手で撹拌することができなくなるまでの時間を指す。
【0222】
共反応性組成物は、例えば、5分~60分、例えば、10分~40分、または20分~30分の中間的なゲルタイムを有し得る。
【0223】
共反応性組成物は、例えば、60分より長く、2時間より長く、4時間より長く、6時間より長く、または12時間より長い、長いゲルタイムを有し得る。
【0224】
共反応性組成物は、例えば、200cP~50,000,000cP、500cP~30,000,000cP、1,000cP~20,000,000cP、5,000cP~15,000,000cP、5,000cP~10,000,000cP、5,000cP~5,000,000cP、5,000cP~1,000,000cP、5,000cP~100,000cP、5,000cP~50,000cP、5,000cP~20,000cP、6,000cP~15,000cP、7,000cP~13,000cP、または8,000cP~12,000cPの粘度を有し得る。共反応性組成物は、例えば、200cPより大きく、500cPより大きく、1,000cPより大きく、5,000cPより大きく、10,000cPより大きく、50,000cPより大きく、100,000cPより大きく、500,000cPより大きく、1,000,000cPより大きく、5,000,000cPより大きく、または10,000,000cPより大きい粘度を有し得る。共反応性組成物は、例えば、500cP未満、1,000cP未満、5,000cP未満、10,000cP未満、50,000cP未満、100,000cP未満、500,000cP未満、1,000,000cP未満、5,000,000cP未満、または10,000,000cP未満、または50,000,000cP未満の粘度を有し得る。粘度値は、25℃で、ギャップを1mmに設定し、直径25mmの平行プレートスピンドル、振動周波数1Hz、振幅0.3%のAnton Paar MCR 302レオメーターを使用して測定される。
【0225】
共反応性組成物は、例えば、2分未満、4分未満、6分未満、8分未満、10分未満、20分未満、または30分未満のタックフリータイムを有し得る。
【0226】
共反応性組成物は、例えば、2分未満、4分未満、6分未満、8分未満、10分未満、20分未満、または30分未満のShore 10Aの硬度になるまでの時間を有し得る。
【0227】
構造化押出成形物を形成する共反応性組成物の各々は、同一または異なる粘度および/または硬化速度を有し得る。
【0228】
粘度および硬化速度等の構造化押出成形物の外部表面を形成する共反応性組成物の特性は、基材の上および共反応性組成物を含む既に適用された層の上で意図された形状を保持する構造化押出成形物の能力を促進するように選択することができる。例えば、構造化押出成形物の外部層は、内部層の対応する時間よりも短いゲルタイム、タックフリータイム、およびShore 10Aの硬度になるまでの時間を有し得る。
【0229】
共反応性組成物は、ロボット機器を使用して適用され得る。エラストマー組成物を堆積させるためのロボット機器は、1つまたは1つより多くのポンプ、1つまたは1つより多くのミキサー、および1つまたは1つより多くのノズルを含み得る。1つまたは1つより多くの共反応性成分を、1つまたは1つより多くのミキサーに圧送して、共反応性組成物を形成することができ、表面の上および/または隣接する既に堆積させた層の上に向けられた1つまたは1つより多くのダイおよび/または1つまたは1つより多くのノズルを通し、加圧下で強制することができる。
【0230】
ロボット機器は、圧力制御、ミキサー、押出ダイ、共押出ダイ、コーティングアプリケータ、温度制御要素、共反応性組成物に照射するための要素、または上述のうちのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0231】
ロボット機器は、表面に対してノズルを移動させるための装置を含み得る。堆積ノズルは、三次元で移動可能な三軸ガントリーまたはロボットアームに取り付けることができる。装置は、1つまたは1つより多くのプロセッサによって制御され得る。
【0232】
三次元エラストマー物品は、基板の上に含む共反応性組成物を堆積させ、その後に、その下の堆積させた部分もしくは層および/または隣接する既に堆積させた部分もしくは層の上に共反応性組成物の追加の部分もしくは層を堆積させることによって物品の連続した部分もしくは層を形成することによって、製造することができる。共反応性組成物から形成された層は、既に堆積させた層に隣接して、および/または既に堆積させた層の上に連続して堆積させ、印刷物品を構築することができる。
【0233】
共反応性組成物は、少なくとも2つの反応性成分を組み合わせ、混合することによって調製することができ、本明細書に記載されるように、これらは、ポリイソシアネート成分およびポリアミン成分を含み得る。シラノール官能性エラストマー系プレポリマー等の第3のエラストマー系プレポリマーは、ポリイソシアネートおよび/またはポリアミン成分中に含まれることができ、または別個の第3の反応性成分として提供することができ、これを第1および第2の反応性成分と合わせ、混合して、共反応性組成物を形成することができる。反応性成分は、任意の好適な比で組み合わせることができる。例えば、ポリイソシアネート成分およびポリアミン成分は、共反応性組成物を形成するために使用されるこの2つの成分の体積の差が20体積%未満、10体積%未満、または5体積%未満であるように1:1の体積比で混合することができる。均一な混合を促進するために、ポリイソシアネート成分およびポリアミン成分等の反応性成分が同様の粘度を有する、例えば、粘度の差が20%未満、10%未満、または5%未満であることもまた望ましくあり得る。2つの成分の粘度は、例えば、充填材および/またはレオロジー制御剤等の添加剤を使用することによって、および/または成分を加熱することによって調整することができる。共反応性基の(例えば、アミン基に対するイソシアネート基の)当量比も、共反応性組成物の硬化速度および/または硬化共反応性組成物の特性を制御するために選択することができる。
【0234】
共反応性組成物は、任意の方向に堆積させることができる。例えば、ノズルは、下向き、上向き、横向き、またはその間の任意の角度に向けることができる。このようにして、共反応性組成物は、垂直の壁として、またはオーバーハングとして堆積させることができる。共反応性組成物は、垂直の壁、傾斜した壁の下側表面、または水平面の底部に堆積させることができる。迅速な硬化化学を用いた共反応性組成物の使用により、角度の付いた表面を製造することができるように、上に重なる層がその下の層に隣接して堆積する能力を促進することができる。角度の付いた表面は、水平に対して上向きに角度を付けることができ、または水平に対して下向きに角度を付けることができる。
【0235】
2つまたは2つより多くの共反応性組成物は、任意の適切な装置を使用して堆積させることができる。好適な堆積装置の選択は、堆積体積、組成物の粘度、および製造される部品の複雑さを含むいくつかの要因に依存する。2つまたは2つより多くの反応性成分の各々を独立したポンプに導入し、ミキサーに圧送し、2つまたは2つより多くの反応性成分を組み合わせ、混合して、共反応性組成物を形成することができる。ノズルは、ミキサーに連結することができ、混合された共反応性組成物は、ノズルを介し、加圧下で押し出されるか、または押出成形することができる。
【0236】
好適なポンプの例としては、容積移送式ポンプ、シリンジポンプ、ピストンポンプ、およびプログレッシブキャビティポンプが挙げられる。2つまたは2つより多くの反応性成分を運ぶために使用されるポンプは、並列に配置することができ、または直列に配置することができる。好適なポンプは、ノズルオリフィスを介して液体または粘性液体をポンピングできるものであり得る。このプロセスは、押出成形とも呼ばれることがある。反応性成分は、2つまたは2つより多くのポンプを直列に使用してミキサーに導入することができる。
【0237】
共反応性組成物は、材料を、プログレッシブキャビティ二成分系に接続された使い捨てノズルを介して分配することによって堆積させることができ、共反応性成分は、直列で混合される。二成分投薬システムは、例えば、反応性反応剤を使い捨ての静的ミキサーディスペンサまたは動的ミキサーに別個に投与する2つのプログレッシブキャビティポンプを含むことができる。他の好適なポンプとしては、容積移送式ポンプ、シリンジポンプ、ピストンポンプ、およびプログレッシブキャビティポンプが挙げられる。ノズルを介して押出成形すると、共反応性組成物は、押出成形物を形成し、これを表面または既に堆積させた層の上に堆積させ、共反応性組成物の初期層および共反応性組成物の連続層を提供することができる。
【0238】
基部、堆積システム、または基部および堆積システムの両方が移動して、三次元物品を構築してもよい。その動きは、所定の様式で行うことができ、これは任意の好適なCAD/CAM方法と、ロボットおよび/またはコンピュータ化工作機械インターフェース等の装置とを使用して達成されてもよい。
【0239】
押出成形物を連続的に、または断続的に分配して、初期層および連続層を形成してもよい。断続的な堆積のために、投与システムは、リレースイッチとインターフェース接続し、ポンプ、例えば、プログレッシブキャビティポンプをシャットダウンし、共反応性材料の流れを止めてもよい。任意の好適なCAD/CAM方法論によって簡便に制御することができる任意の好適なスイッチ、例えば、電気機械的スイッチを使用することができる。
【0240】
堆積システムは、ライン内の静的および/または動的ミキサー、および別個の加圧ポンピングコンパートメントを含み、少なくとも2つの共反応性成分を保持し、共反応性成分を静的および/または動的ミキサーに供給することができる。アクティブミキサー等のミキサーは、ノズル内に高剪断ブレードを有する可変速度中心インペラを含み得る。出口オリフィス寸法を有する、例えば、0.2mm~50mm、0.5mm~40mm、1mm~30mm、または5mm~20mmの所定範囲のノズルを使用してもよい。ノズルの出口形状は、丸形、球形、楕円形、正方形、長方形、台形、三角形、平面、シート形状、または任意の他の適切な形状であり得る。出口オリフィスの寸法は、堆積プロセス中に動的に変更することができる。
【0241】
例えば、出口オリフィスの寸法が0.6mm~2.5mm、長さが30mm~150mmの所定範囲の静的および/または動的混合ノズルを使用してもよい。例えば、出口オリフィスの直径は、0.2mm~4.0mm、0.4mm~3.0mm、0.6mm~2.5mm、0.8mm~2mm、または1.0mm~1.6mmであり得る。静的ミキサーおよび/または動的は、例えば、10mm~200mm、20mm~175mm、30mm~150mm、または50mm~100mmの長さを有し得る。混合ノズルは、静的および/または動的混合セクションと、静的および/または動的混合セクションに連結された分配セクションとを含み得る。静的および/または動的混合セクションは、共反応性成分を組み合わせ、混合するように構成することができる。分配セクションは、例えば、上のオリフィス直径のいずれかを有する直管であり得る。分配セクションの長さは、物品に堆積される前に、共反応性組成物が反応を開始し、粘度を構築することができる領域を提供するように構成することができる。分配セクションの長さは、例えば、堆積速度、共反応性組成物の反応速度、および所望の粘度に基づいて選択することができる。
【0242】
共反応性組成物は、例えば、0.25秒~5秒、0.3秒~4秒、0.5秒~3秒、または1秒~3秒の静的および/または動的混合ノズル中の滞留時間を有し得る。硬化化学および硬化速度に基づいて、必要に応じて他の滞留時間を使用することができる。
【0243】
一般に、好適な滞留時間は、共反応性組成物のゲルタイムより短い。
【0244】
共反応性組成物は、例えば、0.1mL/分~20,000mL/分、例えば、1mL/分~12,000mL/分、5mL/分~8,000mL/分、または10mL/分~6,000mL/分の体積流量を有し得る。体積流量は、例えば、共反応性組成物の粘度、押出成形の圧力、ノズル直径、および共反応性化合物の反応速度に依存し得る。体積流量は、ASTM D1238に従って測定することができる。
【0245】
共反応性組成物は、例えば、1mm/秒~400mm/秒、例えば、5mm/秒~300mm/秒、10mm/秒~200mm/秒、または15mm/秒~150mm/秒の印刷速度で使用することができる。印刷速度は、例えば、共反応性組成物の粘度、押出成形の圧力、ノズル直径、および共反応性成分の反応速度に依存し得る。印刷速度は、共反応性組成物を押出成形するために使用されるノズルが、共反応性組成物が堆積する表面に対して移動する速度を指す。堆積させた共反応性組成物は、表面および/または既に堆積させた層に適用される場合に、意図された形状を保持することが望ましい。
【0246】
静的および/または動的混合ノズルを加熱または冷却して、例えば、共反応性化合物間の反応速度および/または共反応性組成物の粘度を制御することができる。堆積ノズルのオリフィスは、任意の好適な形状および寸法を有し得る。システムは、複数の堆積ノズルを含み得る。ノズルは、固定されたオリフィス寸法および形状を有することができ、またはノズルオリフィスを制御可能に調整することができる。ミキサーおよび/またはノズルは、共反応性化合物の反応によって生成される発熱を制御するために冷却されてもよい。
【0247】
共反応性組成物の構成要素は、堆積中に動的に調整することができる。構成成分は、異なる共反応性組成物がエラストマー物品の異なる部分に堆積させ、その結果、エラストマー物品の異なる部分が異なる特性を有し得るように、連続的かつ/または断続的に調整することができる。例えば、エラストマー物品のいくつかの部分は、エラストマー物品の他の部分よりも柔軟であり得る。
【0248】
共反応性組成物の構成要素は、(1)2つまたは2つより多くの共反応性成分のうちの1つまたは1つより多くの体積比を調整することによって、(2)追加の共反応性成分を導入することによって、(3)共反応性成分のうちの1つまたは1つより多くを除去することによって、(4)非共反応性成分を導入することによって、(5)非共反応性成分を除去することによって、(6)共反応性成分の組成を変えることによって、(7)非共反応性成分の組成を変えることによって、あるいは上述のうちのいずれかの組み合わせによって変えることができる。
【0249】
非反応性成分とは、共反応性化合物を含まない組成物を指す。例えば、非反応性成分は、充填材、触媒、開始剤、着色剤、腐食抑制剤、接着促進剤、および/または溶媒、可塑剤、または分散剤中に懸濁された他の添加剤または添加剤の組み合わせを含み得る。非反応性成分は、共反応性成分と均一に組み合わされ、混合することができ、または共反応性成分と不均一に均一に組み合わされ、混合することができる。
【0250】
層は、共反応性組成物の表面の少なくとも一部分に適用および/または押出成形することができる。層は、例えば、押出成形物を液体組成物に通過させて、押出成形物の外部表面または外部表面の一部の上に層を提供することによって適用することができる。層は、印刷物品の隣接層間の接着を向上させ、および/または隣接層間の共有結合を促進する材料を含み得る。例えば、薄膜コーティングは、隣接層中の官能基と反応性の基を有する化合物を含み得る。隣接層間の接着または結合を促進する層を有する物品は、三次元印刷された物品の構造的完全性を向上させることができる。
【0251】
本開示によって提供される共反応性三次元印刷方法を使用して、隣接層が高い機械的強度を有するエラストマー物品を製造することができる。共反応性組成物の隣接層は、化学的に結合および/または物理的に結合し、機械的に強力な層間界面を生成することができる。層間界面の強度は、ASTM D7313に従って破壊エネルギーを測定することによって決定することができる。本開示によって提供される方法を使用して製造される耐化学薬品性エラストマー物品は、個々の層の破壊エネルギーと実質的に同一である破壊エネルギーを有し得る。例えば、エラストマー物品の破壊エネルギーと共反応性組成物の個々の硬化層の破壊エネルギーは、例えば、10%未満、5%未満、2%未満、または1%未満であり得る。
【0252】
本開示によって提供される共反応性組成物を使用し、本開示によって提供される方法を使用して製造されるエラストマー物品は、本発明の範囲内に含まれる。
【0253】
共反応性組成物から調製される硬化エラストマーは、例えば、ASTM D412.4893に従って決定される場合、8MPaより大きく、9MPaより大きく、10MPaより大きく、14MPaより大きく、18MPaより大きく、22MPaより大きく、または26MPaより大きい引張強度を有し得る。共反応性組成物から調製される硬化エラストマーは、例えば、ASTM D412.4893に従って決定される場合、9MPa~26MPa、8MPa~24MPa、8MPa~18MPa、または9MPa~14MPaの引張強度を有し得る。
【0254】
共反応性組成物から調製される硬化エラストマーは、例えば、ASTM D412.4893に従って決定される場合、1,000%より大きく、2,000%より大きく、3,000%より大きく、または4,000%より大きい引張歪を有し得る。共反応性組成物から調製される硬化エラストマーは、例えば、ASTM D412.4893に従って決定される場合、1,000%~5,000%、1,000%~4,000%、または2,000%~3,000%の引張歪を有し得る。
【0255】
本開示によって提供される共反応性組成物から調製される硬化エラストマーは、第3のより高分子量のプレポリマーを含まない共反応性組成物から形成される相当するエラストマーの引張強度よりも5%~25%、例えば、10%~20%大きい引張強度を示し得る。
【0256】
本開示によって提供される共反応性組成物から調製される硬化エラストマーは、第3のより高分子量のプレポリマーを含まない共反応性組成物から形成される相当するエラストマーの最大引張歪よりも5%~35%、例えば、10%~25%大きい最大引張歪を示し得る。
【0257】
共反応性組成物から調製される硬化エラストマーは、例えば、Shore 90A未満、Shore 70A未満、Shore 50A未満、Shore 30A未満、またはShore 20A未満の硬度を有することができ、Shore A硬度は、ASTM D2240に従って、A型デュロメーターを使用して決定される。共反応性組成物から調製される硬化エラストマーは、例えば、Shore 10A~Shore 90A、Shore 20A~Shore 80A、またはShore 30A~Shore 70Aの硬度を有することができ、Shore A硬度は、ASTM D2240に従って、A型デュロメーターを使用して決定される。
【0258】
本開示によって提供される共反応性組成物から調製される硬化エラストマーは、例えば、7MPaより大きな引張強度、500%より大きな破断時の伸び率、3MPaより大きなセカント弾性係数、Shore 60A~Shore 80Aの硬度、および1.04未満の比重を示し得る。
【0259】
硬化エラストマー物品は、共反応性組成物の既に堆積させた層に隣接して共反応性組成物の連続層を堆積させることによって製造することができる。共反応性組成物の後続の層が、完全に硬化していない既に堆積させた層に対して堆積する場合、この隣接する層が共反応し、隣接層間で共有結合を形成することができる。層間結合の結果として、硬化エラストマー物品の完全性は、層間結合を用いずに製造された類似の物品よりも大きい。したがって、堆積させた層が共有結合する三次元的に印刷されたエラストマー物品は、本発明の範囲内に含まれる。
【0260】
本開示によって提供される共反応性組成物を使用して、エラストマー物品、または物品のエラストマー部分を製造することができる。例えば、物品全体、または物品の一部分または複数の部分は、本開示によって提供される共反応性組成物を使用して製造することができる。例えば、靴は、本開示によって提供される共反応性組成物を使用して製造されるエラストマー性の靴底を含み得る。エラストマー性の靴底は、三次元印刷を使用して製造することができる。
【0261】
物品は、本開示によって提供される共反応性組成物を使用して製造される物品のエラストマー部分を含むことができ、この物品の他の部分は、非エラストマー性であり、非エラストマー系共反応性組成物を使用して製造することができる。例えば、物品の接合部または耐衝撃性部分等の可撓性部分(例えば、物品の外部表面)は、本開示によって提供される共反応性組成物を使用して製造することができ、物品の他の部分は、剛性であることができ、非エラストマー系共反応性組成物を使用して製造することができる。
【0262】
本開示によって提供される共反応性組成物は、ゴムの置き換えとして使用され得る。
【0263】
エラストマー材料を使用して製造され得るエラストマー物品の例としては、靴、ホイールトレッド、ガスケット、手袋、滑り止めマット、可撓性ヒンジ、および一般にエラストマーが現在既に使用されているほとんどの製品が挙げられる。
【0264】
他の例としては、内装自動車部品および内装航空機部品等の内装車両部品が挙げられる。
【0265】
好適なエラストマー製品としては、高い引張強度、より高い引張伸び率、および高い硬度が望ましく、高い充填材含有量が不適切な製品が挙げられる。
【0266】
本開示によって提供される共反応性組成物を使用して製造することができるエラストマー物品の例としては、シール、シーラント、グロメット、ガスケット、ワッシャー、ブッシング、フランジ、絶縁体、靴底、ブーツ、履き物、ハンドル、バンパー、衝撃吸収材、マット、タイヤ、支持体、自動車部品、車両部品、航空宇宙部品、船舶部品、運動器具、玩具、新規アイテム、およびケーシングが挙げられる。
【0267】
エラストマー部品は、0より大きい、例えば、0.01より大きい、0.1より大きい、1より大きい、10より大きい、または100より大きいアスペクト比(幅に対する高さまたは厚さ)を有する三次元印刷されば部品を含む。三次元印刷されば部品のアスペクト比は、ガスケットの場合のように一定であることができ、または、シムの場合のように、点ごとに変化し得る。部品は、ガスケットの場合のように平坦なものであることができ、またはOリングの場合のように有限の曲率半径を有し得る。部品は、シリンダ内等で一定であり得るか、またはシールキャップの場合等で可変または複雑であり得る曲率半径を有し得る。部品は、中空または固体であることができ、空洞を有することができ、凹状または凸状であり得る。部品は、上の特徴のうちの1つまたは1つより多くを含み得る。
【0268】
共反応性組成物を使用した三次元印刷は、複雑な幾何形状を有し、他のプロセスを使用して形成されたエラストマー物品に少なくとも匹敵する物理的特性を有する、高精度エラストマー物品を製造する能力を促進する。共反応性三次元印刷は、広範囲にわたる反応性材料および硬化化学物質を使用する能力を提供する。反応性モノマーおよびプレポリマーの低粘度は、熱可塑性三次元印刷等の他の三次元印刷方法では得られない、より高い充填材含有量を使用する能力を促進することができる。共反応性組成物を使用したエラストマー物品の三次元印刷は、多種多様な部品を生成するために必要に応じて改変することができる、汎用性のあるプロセッサ制御機器を使用して行うことができる。さらに、共反応性組成物の低温処理および硬化により、低い機械的応力を有するエラストマー物品を提供することができる。
【0269】
本発明の態様
本発明は、以下の態様によってさらに定義される。
【0270】
態様1.共反応性組成物であって、(a)第1のエラストマー系プレポリマーと、(b)第2のエラストマー系プレポリマーと、(c)第3のエラストマー系プレポリマーと、を含み、第1のエラストマー系プレポリマーが、第2のエラストマー系プレポリマーと反応性であり、第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの各々が、独立して、500Da~20,000Daの数平均分子量を有し、第3のエラストマー系プレポリマーが、50,000Da~500,000Daの数平均分子量を有し、数平均分子量が、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される、共反応性組成物。
【0271】
態様2.共反応性組成物が、80mol%~98mol%の第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの組み合わせと、2mol%~20mol%の第3のエラストマー系プレポリマーと、を含み、モル%が、共反応性組成物中の第1のエラストマー系プレポリマー、第2のエラストマー系プレポリマー、および第3のエラストマー系プレポリマーの合計モル数に基づく、態様1に記載の共反応性組成物。
【0272】
態様3.第3のエラストマー系プレポリマーが、第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーと反応性ではない、態様1~2のいずれか1つに記載の共反応性組成物。
【0273】
態様4.第3のエラストマー系プレポリマーが、第1のエラストマー系プレポリマーおよび/または第2のエラストマー系プレポリマーと反応性である、態様1~2のいずれか1つに記載の共反応性組成物。
【0274】
態様5.第3のエラストマー系プレポリマーと、第1のエラストマー系プレポリマーおよび/または第2のエラストマー系プレポリマーとの間の反応の反応速度が、第1のエラストマー系プレポリマーと第2のエラストマー系プレポリマーとの間の反応の反応速度より遅い、態様4に記載の共反応性組成物。
【0275】
態様6.第1のエラストマー系プレポリマーが、ポリイソシアネートエラストマー系プレポリマーを含み、第2のエラストマー系プレポリマーが、ポリアミンエラストマー系プレポリマーを含む、態様1~5のいずれか1つに記載の共反応性組成物。
【0276】
態様7.ポリイソシアネートプレポリマーが、イソシアネート官能性ポリエーテルプレポリマー、イソシアネート官能性ポリブタジエンプレポリマー、またはこれらの組み合わせを含み、ポリアミンプレポリマーが、アミン官能性ポリエーテルプレポリマーを含む、態様6に記載の共反応性組成物。
【0277】
態様8.第1のエラストマー系プレポリマーおよび/または第2のエラストマー系プレポリマーが、式(1a)~(1e)の構造を有する骨格を含み、
-(O-(CH(-R)-)-)- (1a)

-(O-(CH-CH(-R)-)-)- (1b)

-(O-CH-CH(-R)-)-(O-CH-CH-)-(O-CH-(CH(-R)-)- (1c)

-[CH(-CH)-O-]x1-CH-CH{-[O-CH-CH(-CH)-]y1-}{-(CH)-[O-CH-CH(-CH)-]z1-}(1d)

-O-((CH-O-)- (1e)
式中、
nが、10~5,000の整数であり、
mが、10~5,000の整数であり、
各Rが、独立して、水素、メチル、およびエチルから選択され、
yが、2~50の整数であり、
x+zの合計が、1~10の整数であり、
x1+y1+z1の合計が、5~100の整数である、態様1~7のいずれか1つに記載の共反応性組成物。
【0278】
態様9.第2のエラストマー系プレポリマーが、式(9)の構造を有する骨格を含み、
-CH(-CH)-CH-(CH-CH=CH-CH-)n1-CH-CH(-CH)- (9)
n1が、30~220の整数である、態様1~8のいずれか1つに記載の共反応性組成物。
【0279】
態様10.第2のプレポリマーが、式(2)の構造を有する骨格を含み、
N-[CH(-CH)-O-]x1-CH-CH{-[O-CH-CH(-CH)-]y1-NH}{-(CH)-[O-CH-CH(-CH)]z1-NH}(2)
x1+y1+z1の合計が、5~100の整数である、態様1~8のいずれか1つに記載の共反応性組成物。
【0280】
態様11.第3のエラストマー系プレポリマーが、ポリシロキサンプレポリマーを含む、態様1~10のいずれか1つに記載の共反応性組成物。
【0281】
態様12.ポリシロキサンプレポリマーが、シラノール官能性ポリシロキサンプレポリマー、例えば、シラノール官能性ポリジメチルシロキサンプレポリマーを含む、態様8に記載の共反応性組成物。
【0282】
態様13.第3のプレポリマーが、式(10)の構造を有する骨格を含み、
--Si(-CH-O-(Si(CH-O-)n2-Si(CH-(10)
n2が、1,500~2,500の整数である、態様1~11のいずれか1つに記載の共反応性組成物。
【0283】
態様14.共反応性組成物が、10重量%~80重量%の第1のエラストマー系プレポリマーと、10重量%~80重量%重量%の第2のエラストマー系プレポリマーと、5重量%~25重量%の第3のエラストマー系プレポリマーと、を含み、重量%が、共反応性組成物中の第1のエラストマー系プレポリマー、第2のエラストマー系プレポリマー、および第3のエラストマー系プレポリマーの合計重量に基づく、態様1~13のいずれか1つに記載の共反応性組成物。
【0284】
態様15.第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの各々が、独立して、2,000Da~6,000Daの数平均分子量を有し、第3のエラストマー系プレポリマーが、100,000Da~400,000Daの数平均分子量を有し、数平均分子量が、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される、態様1~14のいずれか1つに記載の共反応性組成物。
【0285】
態様16.第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの各々が、独立して、1,000Da~3,500Daの数平均分子量を含む、態様1~15のいずれか1つに記載の共反応性組成物。
【0286】
態様17.150Da~500Daの分子量を有するモノマーポリアミン等のモノマーポリアミンおよび/または第2のジアミンをさらに含む、態様1~16のいずれか1つに記載の共反応性組成物。
【0287】
態様18.低密度充填材等の充填材をさらに含み、低密度充填材が、1未満の比重を含む、態様1~17のいずれ1つに記載の共反応性組成物。
【0288】
態様19.第1のエラストマー系プレポリマーおよび第2のエラストマー系プレポリマーの各々が、独立して、ポリプロピレングリコール、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリエステル、またはポリテトラヒドロフランを含む、態様1~18のいずれか1つに記載の共反応性組成物。
【0289】
態様20.態様1~19のいずれか1つに記載の共反応性組成物から調製される、硬化ポリマー。
【0290】
態様21.態様20に記載の硬化ポリマーを含む、物品。
【0291】
態様22.物品が、100%~2,000%の最大引張歪を有し、最大引張歪が、ASTM D412.4893に従って決定され、4Mpa~60Mpa、例えば4Mpa~30Mpaのヤング率を有し、ヤング率が、ASTM D412.4893に従って決定され、Shore 10Aより大きな硬度を有し、Shore A硬度が、ASTM D2240に従って決定され、かつ/または最大引張歪が、500mm/分の歪速度で引っ張られる場合、400%~800%である、態様21に記載の物品。
【0292】
態様23.物品を製造する方法であって、(a)態様1~19のいずれか1つに記載の共反応性組成物を堆積させること、例えば、物品の所望な形状に堆積させることと、(b)堆積させた共反応性組成物を硬化させ、物品を形成することと、を含む、方法。
【0293】
態様24.堆積させることが、三次元印刷を含む、態様23に記載の方法。
【0294】
態様25.ステップ(a)の前に、第1の成分と第2の成分とを組み合わせて、共反応性組成物を提供することをさらに含み、第1の成分が、第1のエラストマー系プレポリマーを含み、第2の成分が、第2のエラストマー系プレポリマーを含み、第1の成分および/または第2の成分が、第3のエラストマー系プレポリマーを含む、態様23および24のいずれか1つに記載の方法。
【0295】
態様26.態様23~25のいずれか1つに記載の方法を使用して製造される、物品。
【0296】
態様27.エラストマー物品が、100%~2,000%の最大引張歪を有し、最大引張歪が、ASTM D412.4893に従って決定され、4Mpa~60Mpa、例えば4Mpa~30Mpaのヤング率を有し、ヤング率が、ASTM D412.4893に従って決定され、Shore 10Aより大きな硬度を有し、Shore A硬度が、ASTM D2240に従って決定され、かつ/または最大引張歪が、500mm/分の歪速度で引っ張られる場合、400%~800%である、態様26に記載の物品。
【実施例
【0297】
本開示によって提供される実施形態は、三次元印刷を使用するエラストマー物品の製造およびエラストマー物品の特性を記載する以下の実施例を参照することによってさらに例示される。本開示の範囲から逸脱することなく、材料および方法の両方に対する多くの変更が実施され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0298】
実施例1
エラストマー系ポリ尿素
ポリアミン成分とポリイソシアネート成分とを組み合わせることにより、本発明のエラストマー系ポリ尿素を調製した。
【0299】
ポリアミン成分には、アミン官能性ポリエーテルプレポリマーJeffamine(登録商標)T5000と、モノマーポリアミンClearlink(登録商標)1000と、シラノール官能性ポリジメチルシロキサン(シラノール官能性PDMS)とが含まれていた。この実施例において、第3のより高分子量のエラストマー系プレポリマーであるシラノール官能性PDMSが、ポリアミン成分に含まれる。
【0300】
ポリアミン成分の構成要素を、表1に列挙する。
【表1】
【0301】
ポリアミン成分を調製するために、Jeffamine(登録商標)T5000およびClearlink(登録商標)1000を8オンスのlauジャーに秤量した。次いで、シロキサンウレタンジオールおよび青色顔料を添加した。Zirconox(登録商標)粉砕培地(mill media)を添加し、標準的なlau混合手順を使用して、配合物を1時間かけて分散させた。
【0302】
次いで、配合物を125μmフィルタを通して濾過し、Max 300 L DACカップ(FlackTek Inc.)に入れた。Cabosil(登録商標)TS-720をDACカップに秤量し、標準的なSpeedMixer(登録商標)手順を使用して分散させた。次いで、シラノール官能性PDMSを添加し、SpeedMixer(登録商標)を使用して分散させた。
【0303】
ポリイソシアネート成分を調製するために、イソホロンジイソシアネート(Thorsonn Chemicalsから入手可能)およびジブチルスズジラウレートをフラスコに添加し、窒素下、45℃まで加熱した。温度を75℃未満に維持しつつ、Polymeg(登録商標)2000(ポリテトラメチレンエーテルグリコール、LyondellBasellから市販)を滴下して加えた。反応を70℃で1時間進行させた。反応混合物を25℃まで冷却した後、生成物であるイソシアネート官能性ポリエーテルをMax 300L DACカップに秤量し、CAT 133触媒(PPG Industriesから入手可能)を添加し、SpeedMixer(登録商標)を使用して分散させた。
【0304】
ポリアミン成分およびポリイソシアネート成分を、FlackTek SpeedDisc(登録商標)を使用して、DACカップからそれぞれのOptimum(登録商標)カートリッジに移した。ポリアミン成分およびポリイソシアネート成分を、1:1の体積比で合わせ、混合し、ViscoTec 2K押出機を使用して印刷した。
【0305】
実施例2
比較ポリ尿素
ポリアミン成分とポリイソシアネート成分とを組み合わせることにより、エラストマー系ポリ尿素配合物を調製した。ポリアミン成分の構成要素を表2に列挙し、ポリイソシアネート成分は、実施例1で使用したものと同一であった。比較ポリアミン成分には、シラノール官能性PDMSではなく、エテンホモポリマーが含まれていた。
【表2】
【0306】
ポリアミン成分を調製するために、Jeffamine(登録商標)T5000およびClearlink(登録商標)1000を8オンスのlauジャーに秤量した。次いで、シロキサンウレタンジオールおよび青色顔料を添加した。次いで、Zirconox(登録商標)粉砕培地をlauジャーに添加し、標準的なlau混合手順を使用して、混合物を1時間かけて分散させた。
【0307】
次いで、配合物を125μmフィルタを通して濾過し、Max 300 L DACカップ(FlackTek Inc.)に入れた。次いで、Petrolite(登録商標)5000 T6およびCabosil(登録商標)TS-720を添加し、標準的なSpeedMixer(登録商標)手順を使用して分散させた。
【0308】
実施例1に記載したポリアミン成分およびポリイソシアネート成分を、FlackTek SpeedDisc(登録商標)を使用して、DACカップから別個のOptimum(登録商標)カートリッジに移した。ポリアミン成分およびポリイソシアネート成分を、1:1の体積比で合わせ、混合し、ViscoTec 2K押出機を使用して印刷した。
【0309】
実施例3
機械的特性
試験試料を調製するために、ポリアミン成分およびポリイソシアネート成分を独立して、ViscoTec 2K押出機を使用して1:1の体積比でスタティックミキサーに圧送し、共反応性組成物を提供した。試験試料は、共反応性組成物の連続層を堆積させることによって調製され、ASTM D412.4893に従って「ドッグボーン」構造を提供した。
【0310】
実施例1および実施例2の共反応性組成物を使用して、引張試験のための試験試料を調製した。試験試料(D形状)の機械的特性を、ASTM D412.4893に記載されている方法に従って評価した。Rex Gauge Co.から市販されているモデル2000 max-hand durometer type Aテスターを使用して硬度を測定した。試験結果のまとめを表3に提供する。
【表3】
【0311】
表3に提示される結果は、ポリ尿素配合物にPDMSを添加すると、弾性または硬度を低下させることなく、引張強度が向上することを示す。この結果は、エラストマー物品の最大引張歪を、引張強度および硬度を低下させることなく、ポリジメチルシロキサン等の高分子量エラストマー系プレポリマーを組成物に組み込むことによって増加させることができることを示す。このアプローチは、高い充填材含有量を使用して高い引張強度および硬度を有する生成物を提供するという点で比較組成物を上回る向上を示す。
【0312】
硬化ポリ尿素エラストマーの特性がポリジメチルシロキサンの存在に起因するものであり、配合物のわずかな変化に起因するものではないことを確認するために、異なる量のポリジメチルシロキサンを含む硬化ポリ尿素エラストマーの物理的特性を測定した。実施例1の成分配合物を使用して、Jeffamine(登録商標)T5000の量を減らしつつ、ポリアミン成分中のPDMSの量を増やした。この2成分の体積混合比を、ポリイソシアネートとポリアミンの含有量の当量比を保ったまま変化させた。結果を表4に示す。
【表4】
【0313】
実施例4
エラストマーポリ尿素(2)
ポリアミン成分とポリイソシアネート成分とを組み合わせることにより、本発明のエラストマー系ポリ尿素組成物を調製した。
【0314】
ポリアミン成分の構成要素を、表5に列挙する。
【表5】
【0315】
ポリアミン成分を調製するために、Jeffamine(登録商標)T5000、BYK(登録商標)-9077、およびClearlink(登録商標)1000、Bentone(登録商標)34、Finntalc(登録商標)M03C、および橙色顔料を8オンスのlauジャーに秤量した。次いで、Zirconox(登録商標)粉砕培地を添加し、標準的なlau混合手順を使用して、配合物を1時間かけて分散させた。
【0316】
次いで、配合物を125μmフィルタを通して濾過し、Max 300 L DACカップ(FlackTek)に注いだ。Petrolite(登録商標)5000 T6およびCabosil(登録商標)TS-720を配合物に添加し、SpeedMixer(登録商標)を使用して分散させた。次いで、シラノール官能性PDMSを添加し、SpeedMixer(登録商標)を使用して分散させた。
【0317】
ポリイソシアネート成分を調製するために、イソホロンジイソシアネート(IPDI)およびジブチルスズジラウレート(Dabco(登録商標)T-12、ジブチルスズジラウレート、Air Products&Chemicalsから市販)を好適なフラスコに添加し、窒素下、45℃まで加熱した。Krasol(登録商標)LBH-P-3000(直鎖ヒドロキシル官能性ポリブタジエンプレポリマー、Mn=3,200 ヒドロキシル価0.64、Cray Valleyから市販)を、75℃を超えないように何度かにわけて加え、混合物を70℃で1時間保持した。23℃まで冷却した後、混合物をMax 300L DACカップに秤量した。次いで、Cabosil(登録商標)TS-720を添加し、混合物をSpeedMixer(登録商標)を使用して分散させた。
【0318】
ポリアミン成分およびポリイソシアネート成分を、FlackTek SpeedDisc(登録商標)を使用して、DACカップからそれぞれのOptimum(登録商標)カートリッジに移した。成分を1:1の体積比で合わせ、混合し、ViscoTec 2K押出機を用いた23℃での三次元印刷を使用して堆積させた。
【0319】
引張試験用のドッグボーンを実施例3に記載するように印刷し、Instron 5567引張試験機を使用して試験し、エラストマー特性を測定した。特性は、以下のとおりであった。ASTM D945に従って決定された場合、500mm/分の歪速度で引っ張られる場合のヤング率6.2MPaおよび伸び率の最大歪593%。
【0320】
実施例5
製品例
本開示の靴底、ホイールトレッド、滑り止めマット、可撓性ヒンジ、および他のエラストマー物品によって提供される、共反応性組成物および修正三次元印刷法を使用して製造することができるエラストマー物品の例。
【0321】
一例として、本開示によって提供されるエラストマー系共反応性組成物を使用した共反応性三次元印刷を使用して、運動靴の底を製造することができる。
【0322】
本発明の特定の実施形態は、例示の目的で上述されているが、添付の特許請求の範囲に定義される本発明から逸脱することなく、本発明の詳細について多数の変形が行われ得ることは当業者に明らかであろう。
本願の出願当初の特許請求の範囲に係る発明の内容は、以下の通りである。
[1] 共反応性組成物であって、
(a)第1のエラストマー系プレポリマーと、
(b)第2のエラストマー系プレポリマーと、
(c)第3のエラストマー系プレポリマーと、を含み、
前記第1のエラストマー系プレポリマーが、前記第2のエラストマー系プレポリマーと反応性であり、
前記第1のエラストマー系プレポリマーおよび前記第2のエラストマー系プレポリマーの各々が、独立して、500Da~20,000Daの数平均分子量を有し、
前記第3のエラストマー系プレポリマーが、50,000Da~500,000Daの数平均分子量を有し、
前記数平均分子量が、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される、共反応性組成物。
[2] 前記共反応性組成物が、
80mol%~98mol%の前記第1のエラストマー系プレポリマーおよび前記第2のエラストマー系プレポリマーの組み合わせと、
2mol%~20mol%の前記第3のエラストマー系プレポリマーと、を含み、
モル%が、前記共反応性組成物中の前記第1のエラストマー系プレポリマー、前記第2のエラストマー系プレポリマー、および前記第3のエラストマー系プレポリマーの合計モル数に基づく、[1]に記載の共反応性組成物。
[3] 前記第3のエラストマー系プレポリマーが、前記第1のエラストマー系プレポリマーおよび前記第2のエラストマー系プレポリマーと反応性ではない、[1]~[2]のいずれかに記載の共反応性組成物。
[4] 前記第3のエラストマー系プレポリマーが、前記第1のエラストマー系プレポリマーおよび/または前記第2のエラストマー系プレポリマーと反応性である、[1]~[2]のいずれかに記載の共反応性組成物。
[5] 前記第3のエラストマー系プレポリマーと、前記第1のエラストマー系プレポリマーおよび/または前記第2のエラストマー系プレポリマーとの間の反応の反応速度が、前記第1のエラストマー系プレポリマーと前記第2のエラストマー系プレポリマーとの間の反応の反応速度より遅い、[4]に記載の共反応性組成物。
[6] 前記第1のエラストマー系プレポリマーが、ポリイソシアネートエラストマー系プレポリマーを含み、
前記第2のエラストマー系プレポリマーが、ポリアミンエラストマー系プレポリマーを含む、[1]~[5]のいずれかに記載の共反応性組成物。
[7] 前記ポリイソシアネートプレポリマーが、イソシアネート官能性ポリエーテルプレポリマー、イソシアネート官能性ポリブタジエンプレポリマー、またはこれらの組み合わせを含み、
前記ポリアミンプレポリマーが、アミン官能性ポリエーテルプレポリマーを含む、[6]に記載の共反応性組成物。
[8] 前記第1のエラストマー系プレポリマーおよび/または前記第2のエラストマー系プレポリマーが、式(1a)~(1e)の構造を有する骨格を含み、
-(-O-(-CH(-R )-) -)- (1a)

-(-O-(-CH -CH(-R )-) -)- (1b)

-(-O-CH -CH(-R )-) -(-O-CH -CH -) -(-O-CH -(CH(-R )-)- (1c)

-[-CH(-CH )-O-] x1 -CH -CH{-[-O-CH -CH(-CH )] y1 -}{-(CH )-[-O-CH -CH(-CH )] z1 -}(1d)

-O-((CH -O-) - (1e)
式中、
nが、10~5,000の整数であり、
mが、10~5,000の整数であり、
各R が、独立して、水素、メチル、およびエチルから選択され、
yが、2~50の整数であり、
x+zの合計が、1~10の整数であり、
x1+y1+z1の合計が、5~100の整数である、[1]~[7]のいずれかに記載の共反応性組成物。
[9] 前記第2のエラストマー系プレポリマーが、式(9)の構造を有する骨格を含み、
-CH(-CH )-CH -(CH -CH=CH-CH -) n1 -CH -CH(-CH )- (9)
n1が、30~220の整数である、[1]~[8]のいずれかに記載の共反応性組成物。
[10] 前記第2のエラストマー系プレポリマーが、式(2)の構造を有する骨格を含み、
N-[-CH(-CH )-O-] x1 -CH -CH{-[-O-CH -CH(-CH )] y1 -NH }{-(CH )-[-O-CH -CH(-CH )] z1 -NH }(2)
x1+y1+z1の合計が、5~100の整数である、[1]~[8]のいずれかに記載の共反応性組成物。
[11] 前記第3のエラストマー系プレポリマーが、ポリシロキサンプレポリマーを含む、[1]~[10]のいずれかに記載の共反応性組成物。
[12] 前記ポリシロキサンプレポリマーが、シラノール官能性ポリシロキサンプレポリマー、例えば、シラノール官能性ポリジメチルシロキサンプレポリマーを含む、[8]に記載の共反応性組成物。
[13] 前記第3のプレポリマーが、式(10)の構造を有する骨格を含み、
--Si(-CH -O-(-Si(CH -O-) n2 -Si(CH
(10)
n2が、1,500~2,500の整数である、[1]~[11]のいずれかに記載の共反応性組成物。
[14] 前記共反応性組成物が、
10重量%~80重量%の前記第1のエラストマー系プレポリマーと、
10重量%~80重量%の前記第2のエラストマー系プレポリマーと、
5重量%~25重量%の前記第3のエラストマー系プレポリマーと、を含み、
重量%が、前記共反応性組成物中の前記第1のエラストマー系プレポリマー、前記第2のエラストマー系プレポリマー、および前記第3のエラストマー系プレポリマーの合計重量に基づく、[1]~[13]のいずれかに記載の共反応性組成物。
[15] 前記第1のエラストマー系プレポリマーおよび前記第2のエラストマー系プレポリマーの各々が、独立して、2,000Da~6,000Daの数平均分子量を有し、
前記第3のエラストマー系プレポリマーが、100,000Da~400,000Daの数平均分子量を有し、
前記数平均分子量が、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される、[1]~[14]のいずれかに記載の共反応性組成物。
[16] 前記第1のエラストマー系プレポリマーおよび前記第2のエラストマー系プレポリマーの各々が、独立して、1,000Da~3,500Daの数平均分子量を含む、[1]~[15]のいずれかに記載の共反応性組成物。
[17] 150Da~500Daの分子量を有するモノマーポリアミン等のモノマーポリアミンおよび/または第2のジアミンをさらに含む、[1]~[16]のいずれかに記載の共反応性組成物。
[18] 低密度充填材等の充填材をさらに含み、前記低密度充填材が、1未満の比重を含む、[1]~[17]のいずれかに記載の共反応性組成物。
[19] 前記第1のエラストマー系プレポリマーおよび前記第2のエラストマー系プレポリマーの各々が、独立して、ポリプロピレングリコール、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリエステル、またはポリテトラヒドロフランを含む、[1]~[18]のいずれかに記載の共反応性組成物。
[20] [1]~[19]のいずれかに記載の共反応性組成物から調製される、硬化ポリマー。
[21] [20]に記載の硬化ポリマーを含む、物品。
[22] 前記物品が、100%~2,000%の最大引張歪を有し、前記最大引張歪が、ASTM D412.4893に従って決定され、
4Mpa~60Mpa、例えば4Mpa~30Mpaのヤング率を有し、前記ヤング率が、ASTM D412.4893に従って決定され、
Shore 10Aより大きな硬度を有し、Shore A硬度が、前記ASTM D2240に従って決定され、かつ/または
前記最大引張歪が、500mm/分の歪速度で引っ張られる場合、400%~800%である、[21]に記載の物品。
[23] 物品を製造する方法であって、
(a)[1]~[19]のいずれかに記載の共反応性組成物を堆積させること、例えば、前記物品の所望な形状に堆積させることと、
(b)前記堆積させた共反応性組成物を硬化させ、前記物品を形成することと、を含む、方法。
[24] 堆積させることが、三次元印刷を含む、[23]に記載の方法。
[25] ステップ(a)の前に、第1の成分と第2の成分とを組み合わせて、前記共反応性組成物を提供することをさらに含み、
前記第1の成分が、前記第1のエラストマー系プレポリマーを含み、
前記第2の成分が、前記第2のエラストマー系プレポリマーを含み、
前記第1の成分および/または前記第2の成分が、前記第3のエラストマー系プレポリマーを含む、[23]および[24]のいずれかに記載の方法。
[26] [23]~[25]のいずれかに記載の方法を使用して製造される、物品。
[27] 前記エラストマー物品が、100%~2,000%の最大引張歪を有し、前記最大引張歪が、ASTM D412.4893に従って決定され、
4Mpa~60Mpa、例えば4Mpa~30Mpaのヤング率を有し、前記ヤング率が、ASTM D412.4893に従って決定され、
Shore 10Aより大きな硬度を有し、Shore A硬度が、前記ASTM D2240に従って決定され、かつ/または
前記最大引張歪が、500mm/分の歪速度で引っ張られる場合、400%~800%である、[26]に記載の物品。