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特許7229389ハイブリッド光源システム及び投影表示デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】ハイブリッド光源システム及び投影表示デバイス
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230217BHJP
   F21V 7/28 20180101ALI20230217BHJP
   F21V 9/20 20180101ALI20230217BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20230217BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20230217BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230217BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20230217BHJP
   F21Y 113/10 20160101ALN20230217BHJP
【FI】
F21S2/00 311
F21V7/28 240
F21V9/20
F21V5/04
G03B21/14 A
F21Y115:10
F21Y115:30
F21Y113:10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021558014
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-28
(86)【国際出願番号】 CN2020136291
(87)【国際公開番号】W WO2021258673
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2021-09-29
(31)【優先権主張番号】202010589311.1
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521406639
【氏名又は名称】チョントゥー ジミー テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU XGIMI TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Building 4, Zone A, Tianfu Software Park, No. 1129 Century City Road, High-tech Zone, Chengdu, Sichuan, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン,イーシュエ
(72)【発明者】
【氏名】イン,レイ
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106054538(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 7/28
F21V 9/20
F21V 5/04
G03B 21/14
F21Y 115/10
F21Y 115/30
F21Y 113/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド光源システムであって、第1の光源群、第2の光源群、及びバンドパスフィルタを含み、
前記第1の光源群のビーム及び前記第2の光源群のビームは、色が同じであるが、帯域の範囲が異なり、前記第1の光源群及び前記第2の光源群から発光するビームの方向が互いに垂直であり、
前記バンドパスフィルタは、前記第1の光源群と第2の光源群の出射光路に設けられ、前記第1の光源群及び前記第2の光源群のビーム出射方向と45度の角をなし、前記第1の光源群のビームを反射し、前記第2の光源群のビームを透過させ、
前記第1の光源群及び前記第2の光源群は、異なるタイプの光源群であり、前記第1の光源群は、レーザ光源群であり、前記第2の光源群は、LED光源群であり、
前記レーザ光源群が出力する帯域範囲は、前記LED光源群が出力する帯域範囲内にあり、前記バンドパスフィルタは、前記レーザ光源群が出力する帯域範囲のビームを反射し、残りの帯域範囲のビームを透過させる、ことを特徴とするハイブリッド光源システム。
【請求項2】
前記第1の光源群には、異なる色のビームを少なくとも発光する第1のサブ光源及び第2のサブ光源が含まれており、
前記第2の光源群には、前記第1のサブ光源のビームの色と同じサブ光源が含まれており、前記第1のサブ光源から発光するビームの帯域範囲は前記サブ光源から発光するビームの帯域範囲内にあり、前記第1のサブ光源から発光するビームの帯域範囲は前記第2の光源群における前記サブ光源の帯域範囲よりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド光源システム。
【請求項3】
光結合素子をさらに含み、
前記バンドパスフィルタは前記第1のサブ光源及び前記第2の光源群の出射光路に設けられ、前記光結合素子は前記バンドパスフィルタ及び前記第2のサブ光源の出射光路に設けられ、
前記バンドパスフィルタは、前記第1のサブ光源のビームを反射し、前記第2の光源群のサブ光源のビームを透過させ、
前記光結合素子は、前記第1のサブ光源のビーム及び記第2の光源群のビームを透過させ、前記第2のサブ光源のビームを反射する、ことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド光源システム。
【請求項4】
前記光結合素子はダイクロイックミラー、光結合板又はバンドパスフィルタのうちのいずれか1つの光学素子である、ことを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド光源システム。
【請求項5】
前記第1の光源群は第3のサブ光源をさらに含み、前記第1のサブ光源、前記第2のサブ光源及び前記第3のサブ光源のビームの色がそれぞれ異なり、前記第1のサブ光源、前記第2のサブ光源及び前記第3のサブ光源は赤色光源、緑色光源、青色光源のうちのいずれか1種の色の光源である、ことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド光源システム。
【請求項6】
前記第2の光源群には、2種以上の色の複数のサブ光源が含まれている、ことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド光源システム。
【請求項7】
前記バンドパスフィルタは、グレーティングバンドパスフィルタ又はコーティングバンドパスフィルタである、ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のハイブリッド光源システム。
【請求項8】
前記バンドパスフィルタの出射光路に設けられたカップリングレンズ群と、前記カップリングレンズ群の出射光路に設けられた整形素子とをさらに含む、ことを特徴とする請求項に記載のハイブリッド光源システム。
【請求項9】
請求項1~のいずれか1項に記載のハイブリッド光源システムを含む、ことを特徴とする投影表示デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド光源の技術分野に関し、特にハイブリッド光源システム及び投影表示デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
投影表示製品では、投影表示光源は非常に重要な部材であり、主に、色、角度分布、輝度や形状の異なる光線を混合して平行に出力し、表示チップの有効領域に照射される混合色の均一なスポットを形成するためのものである。
【0003】
現在、ハイブリッド光源の光路構造において、主としてダイクロイックミラー、光結合素子などを利用して、ある帯域範囲内の光線を透過させ、他の帯域の光線を反射することにより、異なる色の光線の光結合を可能とし、最終的に所望の混合色のビームを得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ハイブリッド光源システム及び投影表示デバイスを提供することで、同色の2本のビームが結合されにくいという問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の技術的課題を解決するために、本発明は、第1の光源群、第2の光源群、及びバンドパスフィルタを含み、
前記第1の光源群のビーム及び前記第2の光源群のビームは、色が同じであるが、帯域の範囲が異なり、前記第1の光源群及び前記第2の光源群から発光するビームの方向が互いに垂直であり、
前記バンドパスフィルタは、前記第1の光源群と第2の光源群の出射光路に設けられ、前記第1の光源群及び前記第2の光源群のビーム出射方向と45度の角をなし、前記第1の光源群のビームを反射し、前記第2の光源群のビームを透過させるハイブリッド光源システムを提供する。
【0006】
本出願の好ましい実施例では、前記第1の光源群には、異なる色のビームを少なくとも発光する第1のサブ光源及び第2のサブ光源が含まれており、
前記第2の光源群には、前記第2のサブ光源のビームの色と同じサブ光源が含まれており、前記第1のサブ光源から発光するビームの帯域範囲は前記サブ光源から発光するビームの帯域範囲内にある。
【0007】
本出願の好ましい実施例では、光結合素子をさらに含み、前記バンドパスフィルタは前記第1のサブ光源及び前記第2の光源群の出射光路に設けられ、前記光結合素子は前記バンドパスフィルタ及び前記第2のサブ光源の出射光路に設けられ、
前記バンドパスフィルタは、前記第1のサブ光源のビームを反射し、前記第2の光源群のサブ光源のビームを透過させ、
前記光結合素子は、前記第1のサブ光源のビーム及び記第2の光源群のビームを透過させ、前記第2のサブ光源のビームを反射する。
【0008】
本出願の好ましい実施例では、前記光結合素子はダイクロイックミラー、光結合板又はバンドパスフィルタのうちのいずれか1つの光学素子である。
【0009】
本出願の好ましい実施例では、前記第1の光源群は第3のサブ光源をさらに含み、前記第1のサブ光源、前記第2のサブ光源及び前記第3のサブ光源のビームの色がそれぞれ異なり、前記第1のサブ光源、前記第2のサブ光源及び前記第3のサブ光源は赤色光源、緑色光源、青色光源のうちのいずれか1種の色の光源である。
【0010】
本出願の好ましい実施例では、前記第2の光源群には、2種以上の色の複数のサブ光源が含まれている。
【0011】
本出願の好ましい実施例では、前記第1の光源群及び前記第2の光源群は、異なるタイプの光源群であり、前記第1の光源群及び前記第2の光源群は、レーザ光源群又はLED光源群のうちのいずれか1種である。
【0012】
本出願の好ましい実施例では、前記バンドパスフィルタはグレーティングバンドパスフィルタ又はコーティングバンドパスフィルタである。
【0013】
本出願の好ましい実施例では、前記バンドパスフィルタの出射光路に設けられたカップリングレンズ群と、前記カップリングレンズ群の出射光路に設けられた整形素子とをさらに含む。
【0014】
本出願は、上記のいずれか1項に記載のハイブリッド光源システムを含む投影表示デバイスをさらに提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によるハイブリッド光源システムは、第1の光源群、第2の光源群、及びバンドパスフィルタを含み、第1の光源群及び第2の光源群は、色が同じであるが、帯域範囲が異なるビームを発光する光源を含み、第1の光源群及び第2の光源群から発光するビームの方向が互いに垂直であり、バンドパスフィルタは第1の光源群と第2の光源群の出射光路に設けられ、第1の光源群及び第2の光源群の出射ビームの方向と45度の角をなし、第1の光源群のビームを反射し、第2の光源群のビームを透過させる。
【0016】
本出願では、2組の異なる光源群におけるビームを光結合するときに、遷移帯域の帯域幅がより狭いバンドパスフィルタが使用されることにより、帯域範囲が非常に近い2本のビームの結合も可能になり、同色のビームに対する光補償のニーズが満たされ、照明に必要な様々なハイブリッド光源を投影表示デバイスに提供し、投影表示デバイスの表示効果を高める。
【0017】
本出願は、上述の有益な効果を有する投影表示デバイスをさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施例又は従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明するが、明らかなように、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な努力を必要とせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
図1】本出願の実施例によるハイブリッド光源システムの構造模式図である。
図2】本出願の実施例による各帯域のビームに対するバンドパスフィルタの透過率の模式図である。
図3】本出願の実施例による別のハイブリッド光源の光路構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本出願の旨は、帯域範囲が近いビームの結合を可能とするハイブリッド光源システムを提供する。
【0020】
当業者が本発明の解決手段をよりよく理解できるように、以下、図面及び具体的な実施形態を参照して本発明をさらに詳細に説明する。明らかなように、説明する実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。当業者が本発明の実施例に基づいて創造的な努力を必要とせずに得る他の実施例は全て本発明の特許範囲に属する。
【0021】
現在、一般的な光結合方式は、2つの異なる発光光源が互いに垂直となるようにダイクロイックミラー、光結合板などの光学素子の2つの異なる面に入射され、そのうちの一方の光源のビームを透過させ、他方の光源のビームを反射し、2本の光線の光路を重ね合わせることにより、2本のビームの光結合を実現するものであるが、このような光結合方式は、異なる色の2種のビームだけに適用でき、ダイクロイックミラーなどの光源素子は、同色のビームに対する透過と反射の両方を同時に実現できない。
【0022】
このため、本出願は、同色のビームの光結合を可能とする技術案を提供する。
【0023】
図1及び図2に示すように、図1は、本出願の実施例によるハイブリッド光源システムの構造模式図であり、図2は、本出願の実施例による各帯域のビームに対するバンドパスフィルタの透過率の模式図であり、該ハイブリッド光源システムは、第1の光源群1、第2の光源群2、及びバンドパスフィルタ3を含み、
第1の光源群1及び第2の光源群2は、色が同じであるが、帯域範囲が異なるビームを発光する光源を含み、例えば、第1の光源群1及び第2の光源群2はともに緑色ビームを発光できるが、第1の光源群1及び第2の光源群2から発光する緑色ビームの帯域が異なる。
【0024】
さらに、第1の光源群1及び第2の光源群2から発光するビームの方向が互いに垂直であり、
バンドパスフィルタ3は、第1の光源群1及び第2の光源群2の出射光路に設けられ、第1の光源群1及び第2の光源群2の出射ビームの方向と45度の角をなし、第1の光源群1のビームを反射し、第2の光源群2のビームを透過させる。
【0025】
現在、ビームを発生させ得る様々な光源の中では、光源の種類が多く、例えば、レーザ光源、LED光源などがある。しかし、様々な光源にはそれぞれ長所と短所がある。例えば、レーザ光源は、高輝度の特徴を有するものの、照明光源として使用される場合、スペックルが生じやすいという問題を抱えており、一方、LED光源は、輝度が不十分であるという問題を抱えている。
【0026】
したがって、実際に使用される際には、様々な光源の欠点を補うために、実際に使用される際には複数の光源を組み合わせて使用する必要があり、例えば、レーザ光源から発光するビームとLED光源から発光するビームとを混合することで、出力されるビームはスペックルを解消するとともに、輝度を確保し、勿論、2つのLED光源のビームを混合することで輝度を向上させたり、他の種類の光源を組み合わせて使用したりする場合も可能である。
【0027】
本実施例によるハイブリッド光源システムは、2つの光源が出力するビームの結合を可能とするものである。上述の説明から明らかなように、第1の光源群1及び第2の光源群2は、同じタイプの光源群であってもよく、例えば第1の光源群1及び第2の光源群2は全てレーザ光源群又はLED光源群であり、第1の光源群1及び第2の光源群2はそれぞれ、異なるタイプの光源群であってもよく、第1の光源群1及び第2の光源群2はそれぞれ、レーザ光源群又はLED光源群であり、本出願ではこれについて特に制限がない。
【0028】
さらに、前記のとおり、2つの光源群のビームを結合するのは、一般には、単一の光源から発光するビームの欠点、例えば、輝度が不十分である欠陥、スペックルの欠陥を補うためであり、このような場合、2つの光源群から発光するビームは同色のビームでなければならない。
【0029】
従来技術では、2本のビームを光結合する際には、ダイクロイックミラー、フィルタ、光結合板などの光学素子で、2本のビームが互いに垂直になり、それぞれ45度の入射角でダイクロイックミラーなどの光学素子の2つの異なる面に入射され、ダイクロイックミラーでそのうちの一方のビームの帯域範囲内の光波を透過させ、他方のビームに対応する帯域範囲の光波を反射し、最終的に2本のビームを結合して出射するのが一般的な手段である。しかし、このようなビーム結合方式は一般的に異なる色のビームの結合に用いられ、同色のビームに対しては、ダイクロイックミラーなどの光学素子は同一帯域範囲内のビームの透過と反射の両方を同時に実現できない。
【0030】
図2に示すように、バンドパスフィルタ3は、異なる帯域に対する透過と非透過の間の遷移帯域幅が非常に狭く、帯域範囲が近い2つの異なる帯域の光線をそれぞれ透過、反射することができ、そして、バンドパスフィルタ3で透過させ得る帯域範囲が非常に狭くてもよく、これにより、同色の帯域範囲内で、2つの異なる帯域に対応する光線をそれぞれ反射、透過することが可能になる。
【0031】
一般的なダイクロイックミラー及びそれと類似する光学素子は、透過及び反射可能な帯域範囲の帯域幅がバンドパスフィルタ3よりも大きく、しかも、反射と透過の間の遷移帯域の帯域幅も大きく、このことから、本出願におけるバンドパスフィルタ3により達成させ得る機能を実現できないことが明らかである。
【0032】
さらに、同色のビームは、その帯域に一定の帯域幅を有し、例えば、緑色光波長が492nm~577nmであり、このため、波長492nm~530nmの光線と波長540nm~577nmの光線が全て緑色ビームである。
【0033】
よって、本出願では、2種の同色のビームを実現するために、2つの異なる光源群によって異なる方向から帯域の異なる同色のビームを発光し、バンドパスフィルタ3でそのうちの一部の帯域のビームを透過させ、残りの帯域を反射し、それにより、ビームを結合する。
【0034】
例えば、第1の光源群1から出射されるビームの帯域は492nm~530nmであり、第2の光源群3から出射されるビームの帯域は540nm~577nmである。
【0035】
勿論、2つの光源群から発光するビームが同色のビームであるので、2つの光源群から出射されるビームの帯域に重なりが存在していても、本出願の技術解決手段の実現に影響を及ぼさない。
【0036】
例えば、レーザ光源群のビームの帯域幅は一般には非常に狭くすることができ、一方、LED光源群のビームの帯域幅は広い。このため、レーザ光源は、帯域範囲が525nm~530nmのビームを出力し、LED光源群は、帯域範囲492nm~577nmのビームを出力することができ、バンドパスフィルタ3により反射され得る帯域範囲は525nm~530nmであり、残りの帯域範囲のビームは全て透過させる。LED光源群において一部の帯域のビームがフィルタリングされるが、本出願の同色のビームの結合に影響を及ぼさない。
【0037】
勿論、実際に使用される際には、ハイブリッド光源システムのビームの色の種類が単一ではない。このため、本実施例の第1の光源群1及び第2の光源群2には、いずれも2種類以上の色の光源が存在してもよい。
【0038】
例えば、第1の光源群1には、第1のサブ光源11及び第2のサブ光源12が設けられてもよく、第1のサブ光源11及び第2のサブ光源12から発光するビームの色が異なる。一方、第2の光源群2は、第1のサブ光源11とはビームの色が同じであるが、帯域範囲が異なる光源だけを含んでもよく、第1のサブ光源11とはビームの色と同じであるが、帯域範囲が異なる光源、及び、第2のサブ光源12とはビームの色と同じであるが、帯域範囲が異なる光源という2つの光源を含んでもよく、さらに、第2の光源群2は、第1のサブ光源11及び第2のサブ光源12とはビームの色が同じであるが、帯域範囲が異なる2種類の光源を含むことに加えて、第1のサブ光源以11及び第2のサブ光源12のビームの色と異なる光源をさらに含んでもよい。ハイブリッド光源システムを実際に使用する場合のニーズを満足できればよい。
【0039】
なお、第1の光源群1及び第2の光源群2は、いずれも、一種の色の光源を含んでもよく、複数種類の色の光源を含んでもよく、また、第1の光源群1及び第2の光源群2において、各色の光源の数は1つであってもよく、複数であってもよく、本出願では、これについて特に制限しない。
【0040】
以上のように、本出願では、バンドパスフィルタの透過と反射可能な帯域の帯域幅を狭くすることができ、且つ透過と反射の遷移帯域の帯域幅も比較的狭いという特徴を利用して、色が同じであるが、入射方向が異なる2本の光線の結合を可能とし、ハイブリッド光源システムの有効な適用を広げるのに寄与し、さらに、該ハイブリッド光源を投影表示デバイスに用いると、投影表示デバイスの表示効果向上に寄与する。
【0041】
上述実施例に基づいて、本出願の好ましい実施例では、図3を参照すると、図3は本出願の実施例による別のハイブリッド光源の光路構造模式図であり、該ハイブリッド光源システムは、第1の光源群1と、第2の光源群12とを含んでもよく、
第1の光源群1は、異なる色のビームを発光する第1のサブ光源11及び第2のサブ光源12を含んでもよく、
第2の光源群12は、異なる色のビームを発光する第3のサブ光源21及び第4のサブ光源22を含み、且つ、第1のサブ光源11及び第2のサブ光源12のビームは、色が同じであるが、帯域範囲が異なり、第1のサブ光源11、第2のサブ光源12、第4のサブ光源22から発光するビームの色は全て異なる。
【0042】
バンドパスフィルタ3と光結合素子4をさらに含み、バンドパスフィルタ3は、第1のサブ光源11のビームに対応する帯域範囲の光線を反射し、残りの帯域のビームを透過させ、光結合素子4は、第2のサブ光源12のビームに対応する帯域範囲内の光線を反射し、残りの帯域のビームを透過させる。
【0043】
図3に示すように、第1のサブ光源11のビームと第3のサブ光源21及び第4のサブ光源22のビームが、互いに垂直になってバンドパスフィルタ3に入射され、該バンドパスフィルタ3は、第1のサブ光源11のビームを反射し、第3のサブ光源21、第4のサブ光源23のビームを透過させ、それにより、第1のサブ光源11のビームの方向が、90度偏向して第3のサブ光源21及び第4のサブ光源22のビームの方向と同じになり、さらに、第1のサブ光源11と第3のサブ光源21の同色のビームが結合され、第1のサブ光源11、第3のサブ光源21、第4のサブ光源22のビームは、バンドパスフィルタ3で結合された後、第2のサブ光源12のビームの方向と互いに垂直になり、全て光結合素子4に入射され、光結合素子4で結合、出力される。
【0044】
第1のサブ光源11及び第2のサブ光源12から発光する異なる帯域の同色のビームについては、バンドパスフィルタ3で光結合を行い、同一の同色の光線を合成した後、異なる色ビームに対して、一般的な光結合素子4で光結合すればよく、例えば、ダイクロイックミラー、光結合板、フィルタなどの光学素子が利用可能である。勿論、本実施例では、該光結合素子1とともにバンドパスフィルタが使用される場合も排除されない。
【0045】
また、第1の光源群1及び第2の光源群2に含まれる光源の数は必ずしも同じであるわけではない。例えば、本実施例では、第4のサブ光源22は第1の光源群1に設けられてもよく、このような場合、光結合素子4は第4のサブ光源22のビームを反射するようになる。
【0046】
同様に、実際に使用される際には、第2のサブ光源12、第3のサブ光源21及び第4のサブ光源22は全て第2の光源群2に設けられてもよく、この場合、第1のサブ光源11のビームを反射し、残りの帯域のビームを透過させるバンドパスフィルタ3を1つだけ設ければよい。
【0047】
本実施例では、ハイブリッド光源システムを実際に使用する際には、ビーム色の多様化のニーズに応えて、複数種類の色のビームを結合して出力するように設計する。以下、具体的な色の光源をもって本実施例を例示的に説明する。
【0048】
本実施例では、第1の光源群1は、第1の赤色光源、緑色光源を含み、第2の光源群2は、第2の赤色光源と青色光源を含み、該第1の赤色光源の帯域と第2の赤色光源の帯域は異なる。
【0049】
バンドパスフィルタ3は、第1の赤色光源のビームを反射し、第2の赤色光源を透過させ、ハイブリッド光源システムに光結合素子が設けられる場合、該光結合素子は緑色光源のビームを反射し、第1の赤色光源、第2の赤色光源及び青色光源を全て透過させ、このように、赤色、青色及び緑色の3種類の色のビームが結合される。
【0050】
勿論、ハイブリッド光源システムに光結合素子4が設けられず、バンドパスフィルタ3が第1の赤色光源のビームと緑色光源のビームを反射し、第2の赤色光源のビーム及び青色光源のビームを透過させる場合にも、3種類の色のビームが結合され得る。
【0051】
第1の光源群1は第1の赤色光源だけを含み、第2の光源群2は第2の赤色光源、緑色光源及び青色光源を含む場合、第1の光源群1は第1の赤色光源、緑色光源及び青色光源を含み、第2の光源群2は第2の赤色光源を含む場合のいずれにおいても、本出願の技術案を達成できることが明らかであり、これについては、本出願では特に制限しない。
【0052】
上述実施例のいずれか1つのハイブリッド光源システムにおいて、使用されるバンドパスフィルタ3は、具体的には、コーティングバンドパスフィルタ又はグレーティングバンドパスフィルタであり、本出願では、これについては特に制限しない。
【0053】
選択的に、前記のように、第1の光源群1及び第2の光源群2のいずれも、複数種類の異なる色の光源を含んでもよく、これらは、それぞれ、複数種類の異なる色のビームを発光し、ビームの発散性を低減させるために、バンドパスフィルタ3の出射光路にカップリングレンズ群4が設けられ、カップリングレンズ群4の出射光路に整形素子5が設けられて、出射された光線に対して均一化及び整形を行うようにしてもよい。
【0054】
選択的に、該カップリングレンズ群4は、それぞれ、バンドパスフィルタ3と第1の光源群1との間、及びバンドパスフィルタ3と第2の光源群2との間に設けられてもよく、本出願では、これについて特に制限しない。
【0055】
上述実施例によるハイブリッド光源システムは、様々な場面に適用できる。投影表示デバイスを例にして、該ハイブリッド光源システムは投影表示デバイスに配置されて、投影画像を含むチップと組み合わせて使用され、該ハイブリッド光源システムから出力されるビームがチップの表面に入射され導波素子に反射され、導波素子を介して人の眼に入射され、それにより、投影表示デバイスが人の眼へ投影画像情報を含む投影ビームを投射する際に、人の眼に入射される表示画面の効果が確保される。
【0056】
勿論、本出願におけるハイブリッド光源システムは、投影表示デバイス用に制限されず、自動車の照明車灯などにも適用でき、本実施例のハイブリッド光源システムは、赤色、青色及び緑色の3種類の原色のビームを結合して白色ビームとし、自動車を照明する。該ハイブリッド光源システムは他の用途もあるが、本出願では網羅的に挙げられない。
【0057】
なお、本明細書では、第1や第2のような関係用語は、1つのエンティティ又は操作を別のエンティティ又は操作と区別するために過ぎず、必ずしもこれらのエンティティ又は操作の間にこのような実際の関係又は順番が存在することを要求又は示唆するわけではない。そして、用語「含む」、「包含」又は他の任意の変形は非排他的な包含をカバーすることを意図しており、それにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又はデバイスに固有の要素を含む。さらなる制限がない場合、句「1つ……を含む」により限定される要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品又はデバイスに別の同じ要素が存在することを排除しない。また、本出願の実施例による上述技術案では、説明の簡潔さから、従来技術における対応する技術案の実現原理と一致する部分について詳しく説明していない。
【0058】
本明細書における各実施例は漸進的に説明されており、それぞれの実施例は、他の実施例との相違点を重点として説明しており、各実施例の間の同じ又は類似した部分は互いに参照すればよい。本明細書において、具体例にて本発明の原理及び実施形態を述べており、以上の実施例の説明は、本発明の方法及びその主旨を理解することを助けるために過ぎない。なお、当業者であれば、本発明の原理を逸脱することなく、本発明に対していくつかの改良や修飾を行うことができ、これらの改良や修飾も本発明の特許請求の範囲の特許範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3