IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 平岡 晴彦の特許一覧

<>
  • 特許-まな板 図1
  • 特許-まな板 図2
  • 特許-まな板 図3
  • 特許-まな板 図4
  • 特許-まな板 図5
  • 特許-まな板 図6
  • 特許-まな板 図7
  • 特許-まな板 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】まな板
(51)【国際特許分類】
   A47J 47/00 20060101AFI20230217BHJP
【FI】
A47J47/00 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022087251
(22)【出願日】2022-05-27
【審査請求日】2022-10-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521496397
【氏名又は名称】平岡 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】平岡 晴彦
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0187721(US,A1)
【文献】特開2016-159392(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2022-0040649(KR,A)
【文献】特開2007-50172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 42/00-44/02
47/00-47/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を載置する食材載置部の表面に刃物から指の損傷を防止するための指保護部を設けたまな板であって、
前記指保護部は、
前記指保護部の奥側に食材を位置決めし前記指保護部の手前側に親指を置いたときに振り下ろされた刃物から親指を保護するため、前記食材載置部の表面から所定の突出高さを有する第1突出部と、
左右方向のいずれか一方への親指の指先の移動を規制することで親指の指先を刃物から保護するため、前記食材載置部の表面から所定の突出高さを有する第2突出部と、
を備えたことを特徴とする、まな板。
【請求項2】
前記第1、第2突出部は、板状材で一体構成されており、平面視略L字状であることを特徴とする、請求項1に記載のまな板。
【請求項3】
前記指保護部は、前記第1突出部を挟んで前記第2突出部と対向する位置に、親指の指先を刃物から保護するため、左右方向のいずれか他方への親指の移動を規制する第3突出部を更に備えたことを特徴とする、請求項1に記載のまな板。
【請求項4】
前記第1~第3突出部は、板状材で一体構成されており、平面視略コ字状であることを特徴とする、請求項3に記載のまな板。
【請求項5】
前記指保護部が左右方向に2以上併設されていることを特徴とする、請求項1又は3に記載のまな板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指保護部を設けたまな板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のまな板として、実用新案登録第3148646号公報(特許文献1)に示されるものがある。同文献には、L形形状の豆腐用のまな板1を滑りにくく持ちやすいようにした豆腐用まな板であって、豆腐用まな板1の底面裏側に、一本の指を通すことができる環状部2を備えた指掛け3を設けたことが開示されている。これにより、環状部2及び指掛け3の働きで豆腐用まな板1を保持する手の平及び指先が滑りにくくなり、持ちやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3148646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されるような従来のまな板では、まな板の持ちやすさに着目しており、指の安全性については考慮されていない。指の安全性を高めることのできるまな板が希求されていた。
【0005】
そこで本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、指の安全性を高めることが可能な、新規かつ改良されたまな板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明によれば、食材を載置する食材載置部の表面(載置面)に刃物から指の損傷を防止するための指保護部を設けたまな板であって、前記指保護部は、前記指保護部の奥側に食材を位置決めし前記指保護部の手前側に親指を置いたときに振り下ろされた刃物から親指を保護するため、前記食材載置部の表面から所定の突出高さを有する第1突出部と、左右方向のいずれか一方への親指の指先の移動を規制することで親指の指先を刃物から保護するため、前記食材載置部の表面から所定の突出高さを有する第2突出部と、を備えたことを特徴とする、まな板(指保護部付まな板)が提供される。
【0007】
かかる構成によれば、振り下ろされた刃物が親指に接触する前に第1突出部に当接することで、第1突出部は振り下ろされた刃物が親指に接触することを防止し、親指の指先と刃物の間に第2突出部が配置されることで、第2突出部は親指の指先に刃物が接触することを防止することができる。このようにして、指の安全性を高めることが可能である。
【0008】
本発明は様々な応用が可能である。以下の応用例は適宜組み合わせることができる。
【0009】
例えば、前記第1、第2突出部は、板状材で一体構成されており、平面視略L字状であってもよい。かかる構成によれば、製造が簡単になり製造コストの削減になる。なお、第1、第2突出部の突出高さは同一でもよい。さらに製造が簡単になる。
【0010】
また、前記指保護部は、前記第1突出部を挟んで前記第2突出部と対向する位置に、親指の指先を刃物から保護するため、左右方向のいずれか他方への親指の移動を規制する第3突出部を更に備えるようにしてもよい。かかる構成によれば、両利きに対応できる。同じまな板を利き腕の異なる複数人で利用することができる。
【0011】
また、前記第1~第3突出部は、板状材で一体構成されており、平面視略コ字状(又は平面視略U字)であってもよい。かかる構成によれば、製造が簡単になり製造コストの削減になる。なお、第1~第3突出部の突出高さは同一でもよい。さらに製造が簡単になる。
【0012】
また、前記指保護部が左右方向に2以上併設されているようにしてもよい。かかる構成によれば、使用者の使いやすさや食材の形状に対応した位置の指保護部を用いることができるため、使い勝手が向上する。さらに、指保護部の間に食材を置くと、食材を複数点で支えることになって、食材が安定して滑りにくくなる。このようにして、さらに指の安全性を高めることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、指の安全性を高めることが可能なまな板を提供することができる。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態のまな板100を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
図2】指保護部120近傍の部分の拡大図である。
図3】まな板100の使用方法を示す図であり、(a)は食材を切り落とす場合を示し、(b)は第1突出部に刃物が振り下ろされた場合を示す。
図4】まな板100を左利き用にした場合を示す。
図5】第2の実施形態のまな板200を示す図であり、(a)斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
図6】指保護部220の部分の拡大図である。
図7】まな板200の使用方法を示す図であり、(a)は右利きの場合を示し、(b)は左利きの場合を示し、(c)は押し切る場合を示す。
図8】第3の実施形態のまな板300を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
(第1の実施形態)
第1の実施形態のまな板100について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本実施形態のまな板100を示す図である。図2は、指保護部120近傍の部分の拡大図である。本実施形態では、主に右利きの用のまな板100を例にとって説明する。
【0017】
本実施形態のまな板100は、図1に示したように、包丁やナイフなどの刃物からの指の損傷を防止するための指保護部120を設けたものであって、指保護部120は、まな板100の食材を載置する食材載置部110から高さ方向に突出して構成されており、指保護部120の奥側に食材を位置決めし、指保護部120の手前側、すなわち使用者の体と指保護部120との間に親指を置いたときに、振り下ろされた刃物から親指を保護するための所定の突出高さを有する第1突出部122と、親指の指先を刃物から保護するため、左右方向のいずれか一方への親指の指先の移動を規制する第2突出部124と、を備えて構成される。以下、本実施形態の各構成について詳細に説明する。
【0018】
(食材載置部110)
食材載置部110は、食材を載置するためのものである。食材載置部110は、図1に示したように、一般的なまな板と同様に直方体状をしており、木製、樹脂製など任意の素材で構成される。食材載置部110の表面(載置面)には、指保護部120が設けられている。食材載置部110の裏面には、滑り防止や高さ調整、防音などのためにゴムなどの脚部を設けてもよい。
【0019】
(指保護部120)
指保護部120は、刃物からの指の損傷を防止するためのものである。指保護部120は、図1に示したように、食材載置部110の左角部近傍に設けられ、食材載置部110から高さ方向に突出して構成されている。かかる構成によれば、食材を載置する部分を広く取ることができるため、使い勝手がよい。
【0020】
指保護部120は、図2に示したように、指保護部120の手前側に親指を置いたときに、振り下ろされた刃物が親指に接触する前に当接することにより振り下ろされた刃物から親指を保護するため所定の突出高さを有し、親指の奥方向の移動を規制する第1突出部122と、親指の指先と刃物の間に配置され、親指の指先と刃物との接触を規制する第2突出部124と、を備える。指保護部120は、木製や樹脂製などの食材載置部110と同様の素材で構成してもよく、金属などの異なる素材で構成してもよい。
【0021】
指保護部120は、図1(b)に示したように、第1突出部122と第2突出部124が約90度の角度をなすように配置されており、平面視において略L字状に構成される。第1突出部122と第2突出部124は、それぞれ薄い板状であるため、略L字状の壁が食材載置部110から高さ方向に突出している構成となる。第1突出部122と第2突出部124とにより構成される略L字状の角部は円弧状に構成されているため、指先を沿わせることができる。指保護部120は、振り下ろされた刃物から親指を保護するとともに、あまり高すぎても使いにくいため、2~3cm程度の高さに構成されている。また、第1突出部122と第2突出部124は、振り下ろした刃物により破損することが無い程度の強度に構成されており、これらを構成する素材の強度によって任意の厚みに設計される。本実施形態では、第1突出部122と第2突出部124は同じ高さであるが、異なる高さに構成してもよい。
【0022】
本明細書において、指保護部120において、使用時に親指が置かれる側の面を内側面122aといい、内側面の反対側の面を外側面122bという。また、食材載置部110においては、指保護部120の内側面122aと使用者の体との間を手前側といい、指保護部120を挟んで使用者の体と反対側を奥側という。さらに、使用者が食材載置部110に向かって右側を右といい、左側を左という。指保護部120の第1突出部122の指が置かれる内側面122aの反対側の面である外側面122bは、食材を当接させて移動を規制することができる。第1突出部122の外側面122bには、食材の滑り止めを防止するための滑り止め加工を施してもよい。
【0023】
指保護部120は、図1に示したように、食材載置部110の角部近傍において、略L字状に配置され、第1突出部122が食材載置部110の長手方向に、第2突出部124が食材載置部110の短手方向にそれぞれ延びるように配置される。指保護部120がこのように配置されることによって、図1(b)に示したように、内側面122aが食材載置部110の縁部側を向き、外側面122bが食材載置部110の広い面の側を向く。このため、親指が食材載置部110の長手方向の縁部近傍に配置され、食材を食材載置部110の広い面に載置することができる。
【0024】
以上、まな板100の構成について説明した。以下、図3を参照しながらまな板100の使用方法について説明する。図3は、まな板100の使用方法を示す図である。
【0025】
まず、食材を切り落とす場合について説明する。図3(a)に示したように、例えばジャガイモなどの食材を外側面122bに当接させて食材載置部110に載置する。よって、食材が位置決めされて安定する。親指の腹を第1突出部122の内側面122aに、指先を第2突出部124の内側面124aに当接させて食材を握る。この状態で、刃物を指保護部120の第2突出部124の外側面124bと対向させて配置し、食材を切る。
【0026】
このように、指保護部120を挟んで指の反対側において食材を切るため、指に刃物が接触することが防止され、指の損傷を防ぐことができる。また、食材を指保護部120に当接させて食材載置部110の食材載置部110に載置するため、食材が動くことを規制することができる。よって、食材がしっかり固定されるので切りやすくなる。
【0027】
食材を切り落とすときに、図3(b)に示したように、誤って第1突出部122側に刃物を振り下ろしてしまった場合、振り下ろされた刃物は親指に接触する前に第1突出部122に当接する。第1突出部122は、親指よりも突出高さが高いため、親指に接触しない。よって、親指を傷から保護することができる。
【0028】
また、第1突出部122の位置で、食材を切ると、食材を切り落とすことなく食材を押し切り切込みを入れることができる。このように、第1突出部122を用いて食材に切込みを入れることもできる。このように、指保護部120上に刃物を載せて食材を切ると、食材載置部110と刃物との間に隙間が形成される。このため、指に刃物が接触することを防止することができるため、指の損傷を防止することができる。
【0029】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、指保護部120により、刃物を振り下ろしたときや左右方向に移動しながら使用しているときに、親指に接触しないため、指の安全性を高めることが可能である
【0030】
また、指保護部120は、食材載置部110の角部近傍に配置されるため、食材を載置する部分を広く取ることができるので、使い勝手がよい。
【0031】
(第1の実施形態の変形例)
まな板100を左利き用にした場合を、図4を参照しながら説明する。図4は、まな板100を左利き用にした場合を示す。左利きの方のためには、図4に示したように、指保護部120は食材載置部110の右角部近傍に設けられる。指保護部120の構成、使用方法などは、前述の右利き用と同様にすることができる。
【0032】
(第2の実施形態)
第2の実施形態のまな板200について、図5及び図6を参照しながら説明する。図5は、本実施形態のまな板200を示す図である。図6は、指保護部220の部分の拡大図である。本実施形態は、主に指保護部220の形状が上記第1の実施形態のまな板100とは異なるものであり、その他の構成は第1の実施形態と同様である。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0033】
本実施形態のまな板200は、左利きでも右利きでも使用できることを想定したものである。まな板200は、図5に示したように、指保護部220が第1の実施形態の第1突出部122と同様の第1突出部222と、第1の実施形態の第2突出部124と同様の第2突出部224と第3突出部226と、を備えた略コ字状の突部である。第2突出部224は、図5(b)に示したように、平面視において第1突出部222の右端に配置されており、第3突出部226は、平面視において第1突出部222の左端に配置されている。以下、指保護部220において、使用時に親指が置かれる側の面を内側面といい、反対側の面を外側面という。
【0034】
指保護部220は、図5に示したように、食材載置部110の縁部近傍の長手方向中央において、略コ字状に配置され、第1突出部222が食材載置部110の長手方向に、第2突出部224と第3突出部226が食材載置部110の短手方向にそれぞれ延びるように配置される。指保護部220がこのように配置されることによって、図5(b)に示したように、内側面222aが食材載置部110の縁部側を向き、外側面222bが食材載置部110の広い面の側を向く。このため、第1の実施形態と同様に、図6に示したように、親指が食材載置部110の長手方向の縁部近傍に配置され、食材を食材載置部110の広い面に載置することができる。第1~第3突出部222、224、226は、板状材で一体構成されており、突出高さが同一である。
【0035】
以上、まな板200の構成について説明した。以下、図7を参照しながら、まな板200の使用方法について説明する。図7は、まな板200の使用方法を示す図である。まな板200では、第1の実施形態と同様に、例えばジャガイモなどの食材は、図7に示したように、外側面222bに当接させて食材載置部110に載置される。食材はこのように載置されることによって、移動が規制されて位置決めされるため安定する。
【0036】
まず、食材を切り落とす場合について説明する。右利きの場合、左手で食材を持つため、図7(a)に示したように、左手の親指の腹を第1突出部222の内側面222aに、指先を第2突出部224の内側面224aに当接させて食材を握る。この状態で、刃物を指保護部220の第2突出部224の外側面224bと対向させて配置し、食材を切る。
【0037】
一方、左利きの場合、右手で食材を持つため、図7(b)に示したように、右手の親指の腹を第1突出部222の内側面222aに、指先を第3突出部226の内側面226aに当接させて食材を握る。この状態で、刃物を指保護部220の第3突出部226の外側面226bと対向させて配置し、食材を切る。
【0038】
食材を切り落とすときに、図7(c)に示したように、誤って第1突出部222側に刃物を振り下ろしてしまった場合、振り下ろされた刃物は第1突出部222に当接する。第1突出部222は、親指よりも突出高さが高いため、親指に接触しない。よって、親指を傷から保護することができる。
【0039】
また、第1突出部222の位置で食材を切ると、食材を切り落とすことなく食材を押し切り切込みを入れることができる。このように、第1突出部222を用いて食材に切込みを入れることもできる。また、指保護部220上に刃物を載せて食材を切ると、食材載置部110と刃物との間に隙間が形成される。このため、指に刃物が接触することを防止することができるため、指の損傷を防止することができる。
【0040】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果に加えて、両利きに対応できるため、同じまな板を利き腕の異なる複数人で利用することができる。
【0041】
また、第1~第3突出部222、224、226は、板状材で一体構成されているため、製造が簡単になり製造コストの削減になる。さらに、第1~第3突出部222、224、226の突出高さが同一であるため、製造が簡単になる。
【0042】
(第3の実施形態)
第3の実施形態のまな板300について、図8を参照しながら説明する。図8は、本実施形態のまな板300を示す図である。上記第1の実施形態では、指保護部120を1つ設けた例について説明した。本実施形態のまな板300では、指保護部120と同様の構成のものを2つ併設した。
【0043】
まな板300は、図8に示したように、第1の実施形態の指保護部120と同様の第1指保護部320-1、第2指保護部320-2が、食材載置部110の一方の側縁近傍において、側縁に沿って間隔を空けて2つ設けられている。使用者は、食材の大きさや形状、また、使いやすさに応じてどちらの指保護部320-1、320-2でも用いることができる。また、第1指保護部320-1と第2指保護部320-2の間隔は任意に設計することができる。
【0044】
まな板300に食材を載置する際には、ニンジンやダイコン等のような長めの食材の場合は、第1指保護部320-1、第2指保護部320-2のいずれかに食材を当接させて安定させて固定する。このように、長めの食材は安定させて固定しやすいため、切りやすい。
【0045】
しかし、例えば、ジャガイモのような丸みのある食材を中央で2つに切りたい場合は、指保護部が1つの場合は、端に丸みのあるジャガイモ等を半分飛び出して置くこととなる。このように、ジャガイモは、丸いために指保護部に食材の半分を当てても固定が不安定となり、指保護部に指を添えて食材を押さえようとしても丸みがあるために押さえづらく、丸みのある食材は中央で切りづらい。
【0046】
よって、図8に示したように、第1指保護部320-1と第2指保護部320-2の間の部分に丸みのある食材の中央部分が来るように食材を置き、当接させて固定すれば、丸みのある食材も、中央の切断部分にとって両側の2点支持となる。よって、第1指保護部320-1と第2指保護部320-2の間隔部分を利用して、食材を安定させて安全に2つに切ることができる。このように、まな板300は、食材をその形状、大きさに応じて、第1指保護部320-1と第2指保護部320-2の両方に当接させて配置することができる。
【0047】
なお、本実施形態では指保護部を2つ併設したが、3つ以上併設してもよい。
【0048】
(第3の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果に加えて、2つの指保護部320-1、320-2を併設したため、食材の大きさや形状、また、使いやすさに応じてどちらの指保護部320-1、320-2でも用いることができる。
【0049】
また、例えば丸みのあるジャガイモなどのように、安定しづらい食材を第1指保護部320-1と第2指保護部320-2の両方に当接させて配置することにより、食材を複数点で支えることになって、食材が安定して滑りにくくなり、食材を固定しやすくなる。このようにして、さらに指の安全性を高めることができる。
【0050】
また、第1指保護部320-1と第2指保護部320-2の両方に当接させて配置した食材を第1指保護部320-1と第2指保護部320-2の間隔部分を利用して切断することができるため、食材を安定させて安全に切断することができる。
【0051】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0052】
例えば、上記第1の実施形態では、第1突出部122と第2突出部124が平面視L字状に一体形成されている例について説明したが、本発明はこれに限定されない。第1突出部122と第2突出部124は別体でもよく、離間していてもよい。第1突出部122と第2突出部124は高さが異なっていてもよい。上記第2実施形態では、指保護部が略コ字状に一体形成されている例について説明したが、同様である。
【0053】
また、上記第1の実施形態では、食材載置部110を直方体状とし、食材載置部110の長手方向を左右方向、短手方向を手前奥方向として説明したが、本発明はこれに限定されない。指保護部を設けることができれば任意に設計することができる。例えば、指保護部を短手方向に設けてもよい。この場合、使用時においては、食材載置部の短手方向が左右方向となり、長手方向が手前奥方向となる。また、食材載置部の形状自体も円形、楕円形、動物の形状などとすることができる。他の実施形態も同様である。
【0054】
また、上記第1の実施形態では、指保護部120を直方体状の食材載置部110の角部に設けたが、本発明はこの例に限定されない。指の保護ができれば、任意に設計することができる。例えば、指保護部は食材載置部の角部でなく中央でもよい。また、食材載置部が円形や楕円形などの場合には、縁部に設けたりすることができる。他の実施形態も同様である。
【符号の説明】
【0055】
100、200、300 まな板
110 食材載置部
120、220 指保護部
122、222 第1突出部
122a、222a 内側面
122b、222b 外側面
124、224 第2突出部
124a、224a 内側面
124b、224b 外側面
226 第3突出部
226a 内側面
226b 外側面
320-1 第1指保護部
320-2 第2指保護部
【要約】
【課題】指の安全性を高めることができるまな板を提供する。
【解決手段】まな板100は、食材を載置する食材載置部110の表面に刃物から指の損傷を防止するための指保護部120を設けたものであって、指保護部120は、指保護部120の奥側に食材を位置決めし指保護部120の手前側に親指を置いたときに振り下ろされた刃物から親指を保護するため、食材載置部110の表面から所定の突出高さを有する第1突出部122と、左右方向のいずれか一方への親指の指先の移動を規制することで親指の指先を刃物から保護するため、食材載置部110の表面から所定の突出高さを有する第2突出部124と、を備えたことを特徴とする。かかる構成によれば、指の安全性を高めることができるまな板が提供される。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8