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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】ハンドスピナー
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/00 20060101AFI20230217BHJP
   A63H 1/00 20190101ALI20230217BHJP
【FI】
A63H33/00 303E
A63H1/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022158520
(22)【出願日】2022-09-30
【審査請求日】2022-10-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521496397
【氏名又は名称】平岡 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】平岡 晴彦
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206955608(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0083892(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0352829(US,A1)
【文献】登録実用新案第3212430(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0344003(US,A1)
【文献】米国特許第5591062(US,A)
【文献】特開2021-108855(JP,A)
【文献】特開2003-320174(JP,A)
【文献】[小学3年生・4年生の夏休み自由研究・工作]色々なハンドスピナーを作って比べてみよう!,tue-noie [online],2020年06月26日,<URL:https://www.tue.tokyo/entry/3nen-summer-assignment_>,[2023年1月4日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート部を回転させて遊ぶハンドスピナーであって、
前記プレート部の内周に設けられ、前記プレート部を回転自在に支持する支持部と、
前記支持部の軸方向の両端部に設けられて前記支持部を指で挟んで持つことを可能とする一対のホールド部と、
を備え、
一対の前記ホールド部の少なくとも一方には、飲料用ボトルのキャップの上から被せて取り付けることが可能な取付部を設けたことを特徴とする、ハンドスピナー。
【請求項2】
前記取付部は、円板状の円板部を備えており、前記円板部は前記飲料用ボトルのキャップの上面に当接する突出部を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のハンドスピナー。
【請求項3】
前記取付部は、前記飲料用ボトルのキャップの側面に係止する係止部を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のハンドスピナー。
【請求項4】
一対の前記ホールド部は、一方には前記取付部を設け、他方には他のハンドスピナーの前記取付部を取り付けることが可能な被取付部を設けたことを特徴とする、請求項1に記載のハンドスピナー。
【請求項5】
前記取付部及び、一対の前記ホールド部に設けられ他のハンドスピナーの前記取付部を取り付けることが可能な被取付部の少なくともいずれかの表面には装飾が施されていることを特徴とする、請求項4に記載のハンドスピナー。
【請求項6】
前記取付部は、透明素材で構成されることを特徴とする、請求項5に記載のハンドスピナー。
【請求項7】
一対の前記ホールド部の両方に前記取付部をそれぞれ設けたことを特徴とする、請求項1に記載のハンドスピナー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドスピナーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のハンドスピナーとして、実用新案登録第3212430号公報(特許公報1)に開示されるものが知られている。同文献に開示されるハンドスピナーは、ボールベアリング部の外輪から放射状に延びるプラスチックや金属等でできたプレート部分と、内輪を軸方向から挟むホールド用のホールド部分とでできている。手や指でプレート部分を回転させることで一定時間プレート部分が回り続け、基本的には指の間や机の上で回転するスピナーを眺めたり、指に乗せてジャイロ効果を感じたりして遊ぶことができる玩具である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3212430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来のハンドスピナーは、机の上で回転する様子を眺めたり、指に乗せてジャイロ効果を感じたりというように遊び方が少ない。そのため、すぐに飽きてしまうという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、従来の遊び方とは異なる、飽きずに長時間遊ぶことができるハンドスピナーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明によれば、プレート部を回転させて遊ぶハンドスピナーであって、前記プレート部の内周に設けられ、前記プレート部を回転自在に支持する支持部と、前記支持部の軸方向の両端部に設けられて前記支持部を指で挟んで持つことを可能とする一対のホールド部と、を備え、一対の前記ホールド部の少なくとも一方には、飲料用ボトルのキャップの上から被せて取り付けることが可能な取付部を設けたことを特徴とする、ハンドスピナーが提供される。
【0007】
かかる構成によれば、ユーザが飽きずに長時間遊ぶことができるハンドスピナーを提供することができる。ホールド部に設けられた取付部を飲料用ボトルのキャップに取り付けることで、ハンドスピナーをキャップから脱落しないように回転させて遊ぶことができる。よって、ハンドスピナーの回転遊びとペットボトル飲料の飲用の癒しを同時に楽しめ長時間飽きさせないことができる。また、ハンドスピナーの取付け対象を飲料用ボトルにすることで、取付け対象の購入費用を安く抑え、身近に入手することができる。このようにして、飲料用ボトル飲料の飲用と回転玩具遊びの両方を楽しむことができるハンドスピナーとすることが可能である。なお、本発明は取付部を有するために一般的なハンドスピナーとは異なるが、あえてハンドスピナーと呼ぶこととする。
【0008】
また、一般的なハンドスピナーのホールド部分のみの容易な改良とすることができるため、ハンドスピナーの製造のために特別な設備を必要としない。よって、設備投資のコストを抑える効果がある。
【0009】
本発明は様々な応用が可能である。以下の応用例は、適宜組み合わせて実施できる。例えば、前記取付部は、円板状の円板部を備えており、前記円板部は前記飲料用ボトルのキャップの上面に当接する突出部を備えていてもよい。かかる構成によれば、取付部の内部の円板部に突出部を設けることにより湾曲した飲料用ボトルのキャップの上面との固定を安定させ、ハンドスピナーを直接手で持たなくても遊ぶことができる回転玩具とすることができる。また、突出部の形状は、趣旨を損なわなければ、段差状、突起状、板状等自由にしてよい。
【0010】
また、前記取付部は、前記飲料用ボトルのキャップの側面に係止する係止部を備えていてもよい。かかる構成によれば、取付部の内部の側面に設けた係止部を飲料用ペットボトルのキャップと係止させることにより、ハンドスピナーがキャップから抜けにくくなるため、傾けたまま遊べる回転玩具とすることができる。また、係止部の形状は、趣旨を損なわなければ突起状、板状等自由にしてよい。
【0011】
また、一対の前記ホールド部は、一方には前記取付部を設け、他方には他のハンドスピナーの前記取付部を取り付けることが可能な被取付部を設けていてもよい。かかる構成によれば、別途に取付部と被取付部を設けた複数のスピナーを用意して、それぞれの被取付部に取付部を取り付けることによって、複数のハンドスピナーをペットボトルキャップに載せて積み重ねてそれぞれを回転させることができる。よって、1つのハンドスピナーの回転では味わえない壮観な複数のハンドスピナーの回転を眺めて楽しむことができるという効果を奏する。
【0012】
また、前記取付部及び、一対の前記ホールド部に設けられ他のハンドスピナーの前記取付部を取り付けることが可能な被取付部の少なくともいずれかの表面には装飾が施されていてもよい。かかる構成によれば、表面に人気キャラクターや観光記念となる装飾部を平面的なプリントや立体的な形状に設けることによって、今までどこにもない新しいお土産商品として土産店や、キャラクター商品としておもちゃ売り場にも需要が見込まれる。さらに、装飾部に飲料メーカーのロゴや社名をプリントして広告媒体としての景品用にも需要が見込まれる。よって、産業や経済の発展にも寄与する効果がある。
【0013】
また、前記取付部は、透明素材で構成されていてもよい。かかる構成によれば、スピナー同士を積み重ねて遊ぶ際は、例えば、キャラクター等の装飾がプリントされた被取付部に別途取付部が重なって載るために、被取付部が取付部で隠れるところであるが、取付部を透明素材とすることによって被取付部の装飾が透けて見えることとなる。このように、被取付部の装飾が視認しやすくなり、装飾は被取付部のみで足ることとなる。よって、取付部の装飾の費用を抑えることができるという効果を奏する。
【0014】
また、一対の前記ホールド部の両方に前記取付部をそれぞれ設けてもよい。かかる構成によれば、例えば、それぞれの取付部の高さをキャップの高さの半分以下とすることによって、別途用意したキャップに別々のハンドスピナーの取付部をそれぞれ取り付けると、キャップをジョイント部材として利用して複数のハンドスピナーを積み重ねて遊ぶことができる。また、キャップを有効利用することが出来て資源の有効活用に貢献できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来の遊び方と異なる、飽きずに長時間遊ぶことができるハンドスピナーが提供される。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施形態のハンドスピナー100を説明するための図であり、(a)はハンドスピナー100の正面図であり、(b)はハンドスピナー100をペットボトルPBに取り付けた状態を示す正面図である。
図2】第2の実施形態のハンドスピナー200をペットボトルPBに取り付けた状態を示す正面図である。
図3】第2の実施形態のハンドスピナー200の変形例であり、(a)は取付部240の円板部240aに板状突出部260を設けた変形例1を示す正面図であり、(b)は取付部240の円板部240aの縁部に段差状突出部270を設けた変形例2を示す正面図である。
図4】第3の実施形態のハンドスピナー300をペットボトルPBに取り付けた状態を示す正面図である。
図5】第3の実施形態のハンドスピナー300の変形例であり、(a)は取付部340の円筒部340bに切込み360を入れた変形例3を示す正面図であり、(b)は取付部340の円筒部340bに係止突起370を設けた変形例4を示す正面図である。
図6】第4の実施形態のハンドスピナー400の正面図である。
図7】第5の実施形態のハンドスピナー500の正面図である。
図8】第6の実施形態のハンドスピナー600の正面図である。
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。なお、図の単線の部分においては、それぞれが所定の厚みを有することは言うまでもない。
【0018】
(第1の実施形態)
第1の実施形態のハンドスピナー100について、図1を参照しながら説明する。図1は、第1の実施形態のハンドスピナー100を説明するための図であり、(a)はハンドスピナー100の正面図であり、(b)はハンドスピナー100をペットボトルPBに取り付けた状態を示す正面図である。
【0019】
本実施形態のハンドスピナー100は、図1に示したように、プレート部110を回転させて遊ぶものであって、プレート部110の内周に設けられ、プレート部110を回転自在に支持する支持部120と、支持部120の軸方向の両端部に設けられて支持部120を指で挟んで持つことを可能とする一対のホールド部130を備え、一対のホールド部130の少なくとも一方には、ペットボトルPB(飲料用ボトル)のキャップCPの上から被せて取り付けることが可能な取付部140を設けて構成される。ペットボトルPBは、一般的なものが用いられる。
【0020】
まず、ハンドスピナー100が取り付けられるペットボトルPBのキャップCPについて説明する。ペットボトルPBのキャップCPは、メーカーによって複数の種類があるが、共通規格で規定して製造されている。日本では、有底部の直径28mm前後、開口部の外径31ミリ前後、内径が28ミリ前後のものが互換性があり一般的である。しかし、開口部の外径33ミリ前後、内径が30ミリ前後のキャップも流通している。本実施形態では、ペットボトルPBのキャップCPのサイズについて詳細に説明しないが、趣旨を損なわなければ、ある特定のサイズにのみ利用可能であってもよく、複数種類のサイズに利用可能であってもよい。以下の各実施形態においても同様である。
【0021】
(プレート部110)
プレート部110は、回転させて遊ぶものである。プレート部110は、図1(a)に示したように、支持部120の外周から放射状に延びる形状をしており、一般的に羽状に延びた形状や、直方体状のもの、球状のものなどがあり、プラスチック製、金属製など任意の素材で構成される。
【0022】
(支持部120)
支持部120は、プレート部110を回転自在に支持するものである。支持部120は、図1(a)に示したように、プレート部110の内周に設けられており、一般的なボールベアリングが用いられる。支持部120は、ステンレス鋼製、クロム鋼製、セラミックス製など任意の素材で構成される。
【0023】
(ホールド部130)
ホールド部130は、従来のハンドスピナーと同様に、回転させて遊ぶ際に指で挟んで固定するものである。ホールド部130は、支持部120の内周を軸方向から挟む被回転部分で、プラスチック製、金属製など任意の素材で構成される。
【0024】
以上、プレート部110、支持部120及びホールド部130は、一般的なハンドスピナーと同様の構成であるため、これ以上の説明を省略する。
【0025】
(取付部140)
取付部140は、ペットボトルPBのキャップCPの上から被せて取り付けることが可能なものである。取付部140は、図1に示したように、キャップCPの外形状に沿った形状であり、円板状の円板部140aと、円板部140aの縁部から直交する方向に延びる円筒状の円筒部140b(側部)を備えたキャップの形状をしている。取付部140は、円板部140aが一対のホールド部130の一方に連結されて取り付けられている。なお、取付部140は、本実施形態のようにホールド部130と別体に構成してもよいし、一体に構成してもよい。
【0026】
取付部140の内径はキャップCPの外径よりも若干大きく構成されている。よって、取付部140は、図1(b)に示したように、キャップCPの上から被せて内部にキャップCPを収容するように着脱することができる。なお、取付部140の高さは趣旨を損なわなければ任意に設計することができる。
【0027】
取付部140の素材は、ホールド部130と同じ素材が好ましいが、ポリエチレンの他、ポリプロピレン、スチロール、ナイロン、ABS等の合成樹脂製や、金属製、紙製等、利用可能であればどのような素材としてもよい。また、取付部140は、射出成形で作られる他、プレス加工等、可能であればどのような方法で形成してもよい。
【0028】
以上、ハンドスピナー100の構成について説明した。以下、図1を参照しながら、ハンドスピナー100の使用方法について説明する。
【0029】
ハンドスピナー100は、図1(b)に示したように、取付部140をペットボトルPBのキャップCPの上から被せて内部にキャップCPを収容することによって、ペットボトルPBに取り付けられる。よって、取付部140は、円板部140aがキャップCPの上面に当接し、円筒部140bがキャップCPの周面によって径方向の移動が規制される。ハンドスピナー100は、このように取り付けられることによって、プレート部110を回転させてもペットボトルPBから外れることがない。
【0030】
ペットボトルPBの飲用をしないときはキャップCPを締めてそのキャップCPにハンドスピナー100を被せて回して遊ぶことができる、飲用時はキャップCPを外して飲み、これを繰り返すことによって癒しの飲用とハンドスピナー100の遊びを同時に長時間楽しむことができる。
【0031】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザが飽きずに長時間遊ぶことができるハンドスピナー100を提供することができる。
【0032】
また、ホールド部130に設けられた取付部140をペットボトルPBのキャップCPに取り付けることで、ハンドスピナー100をキャップCPから脱落しないように回転させて遊ぶことができる。よって、ハンドスピナー100の回転遊びとペットボトル飲料の飲用の癒しを同時に楽しめ、手で持つ必要がないために長時間飽きさせないことができる。
【0033】
また、ハンドスピナー100の取付け対象をペットボトルPBにすることで、取付け対象の購入費用を安く抑え、身近に入手することができる。
【0034】
また、ペットボトルPBのキャップCPを取付部140に収容し取り付けることにより、飲料用ボトル飲料の飲用と回転玩具遊びの両方を楽しむことが可能である。
【0035】
また、一般的なハンドスピナーのホールド部分のみの容易な改良とすることができるため、ハンドスピナー100の製造のために特別な設備を必要としない。よって、設備投資のコストを抑える効果がある。
【0036】
さらに、ホールド部130は、一般のハンドスピナーと同様の構成であるため、取付部140をホールド部130から脱着可能な構成とすると、形状の違う取付部と交換して楽しむ事も出来る。さらに、ホールド部130と取付部140とを一体に構成し、取付部140ごとホールド部130を支持部120に脱着することにより、ホールド部と一体となった形状の違う取付部と交換して楽しむことができる。
【0037】
また、キャップCPに取付部140を被せることによって、取付部140が飲み口と接触することがないために、衛生的にペットボトルPB内の飲料の飲用とスピナー遊びとができるとともに、簡単に被せて簡単に外すことができてすぐに遊びやすいという効果がある。
【0038】
(第2の実施形態)
第2の実施形態のハンドスピナー200について、図2を参照しながら説明する。図2は、第2の実施形態のハンドスピナー200をペットボトルPBに取り付けた状態を示す正面図である。本実施形態は、主にハンドスピナー200の取付部240の構成が上記第1の実施形態とは異なるものであり、その他の構成は第1の実施形態と同様である。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0039】
本実施形態のハンドスピナー200は、図2に示したように、取付部240の円板部240aにペットボトルPBのキャップCPの上面に当接する突出部250を備えている。突出部250は、突出長さが約2mmであり、取付部240の内部に突出している。また、突出部250は、複数設けられており、円板部240aに対して任意に配置することができる。例えば、突出部250は、円板部240aの縁周にのみ配置してもよく、円板部240a全面に配置してもよい。また、突出部250の配置の間隔も任意に設計することができ、粗く配置したり密集させたりしてもよい。また、突出部250の突出長さも任意に設計することができ、例えば、中心部を短くし、縁周に向かうに従って長くなるようにしてもよく、また、逆でもよい。
【0040】
ペットボトルPBのキャップCPは、メーカーによっては、上面が1ミリ前後程に膨れた曲面を形成しているものがある。このため、このタイプのキャップCPに取付部240を被せると、円板部240aの表面が平らでの場合、キャップCPの頂点のみの1点支持となってしまうために被せた際にぐらつき、多少の安定さを欠くことになる。よって、円板部240aの中心部に対して、突出部250を設けたことによって、膨れのあるキャップCPの上面の頂点に接触することがなくなり、キャップCPの上面の縁周の近傍に接点が増えて支持部分が多くなる。よって、上面が多少膨れたキャップCPに被せてもハンドスピナー100を安定させることができる。
【0041】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果に加えて、ハンドスピナー200の取付部240の円板部240aに突出部250を設けることによって、上面が膨れた曲面を形成している種類のキャップCPの上面の縁周の近傍に接点が増え、ハンドスピナー200を安定させて載せることができるという効果がある。
【0042】
(変形例1、2)
第2の実施形態の変形例1、2を、図3を参照しながら説明する。図3は、第2の実施形態のハンドスピナー200の変形例であり、(a)は取付部240の円板部240aの中央部に板状突出部260を設けた変形例1を示す正面図であり、(b)は取付部240の円板部240aの縁部に段差状突出部270を設けた変形例2を示す正面図である。
【0043】
変形例1は、図2(a)に示したように、取付部240の円板部240aに円板部240aよりも小径の板状の板状突出部260を同心に設けたものである。よって、円板部240aは、縁部以外の部分が突出した構成となる。
【0044】
また、変形例2は、図2(b)に示したように、取付部240の円板部240aの縁部に沿ってドーナツ状に構成された段差状突出部270を設けたものである。よって、円板部240aは、段差を形成して円板部240aの縁部が中央部よりも突出した構成となる。
【0045】
(第3の実施形態)
第3の実施形態のハンドスピナー300について、図4を参照しながら説明する。図4は、第3の実施形態のハンドスピナー300の正面図である。本実施形態は、主に取付部340の構成が上記第1の実施形態とは異なるものであり、その他の構成は第1の実施形態と同様である。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0046】
本実施形態のハンドスピナー300は、図4に示したように、取付部340が、ペットボトルPBのキャップCPの側面に係止する係止部350を備えている構成である。取付部340は、円筒部340bの内側の全面にわたって弾性機能を有した板状の係止部350を設けた構成である。係止部350は、円筒部340bと同様の樹脂素材で構成されている。係止部350は、円筒部240bの円板部340a側端部と取付部340の開口側端部が円筒部340bの全周にわたって連結されており、他の部分は中心方向に突出するように中空に形成されている。係止部350は、径が最も小さい部分が、キャップCPの径よりも若干小さくなるように構成されている。係止部350は、取付部340と一体に形成してもよく、別体でもよい。また、係止部350の材質も趣旨を損なわなければ任意に設計することができる。
【0047】
ハンドスピナー300は、取付部340をペットボトルPBのキャップCPの上から被せて内部にキャップCPを収容することによって、ペットボトルPBに取り付けられる。取付部340をキャップCPに被せる際に、係止部350は、キャップCPの側面と接触して弾性変形し、キャップCPの側面を挟み込んで固着する。よって、取付部340は、キャップCPの径方向の移動が規制されるとともに、上方へも移動しにくくなる。
【0048】
(第3の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、取付部340の円筒部340bに設けた係止部350をペットボトルPBのキャップCPと係止させることによって、ペットボトルが多少傾いた状況においても、ハンドスピナーはキャップCPから抜けにくくなるため、傾けたまま遊べる回転玩具とすることができる。
【0049】
(変形例3、4)
第3の実施形態の変形例3、4を、図5を参照しながら説明する。図5は、第3の実施形態のハンドスピナー300の変形例であり、(a)は取付部340の円筒部340bに切込み360を入れた変形例3を示す正面図であり、(b)は取付部340の円筒部340bに係止突起370を設けた変形例4を示す正面図である。
【0050】
変形例3は、図5(a)に示したように、取付部340の円筒部340bが、開口側端部から円板部340a側の端部にかけて切り込み360が形成されて、複数に分割されるように構成されている。円筒部340bの長さ方向中央の径がキャップCPの径よりやや小さくなり、円筒部340bの端部の径がキャップCPの側面の径よりやや大きくなるように係止可能な板状に構成されている。円筒部340bは弾性機能を有している。よって、円筒部340bをキャップCPに差し込めば、円筒部340bが拡径してキャップCPの側面が挟み込まれて、取付部340がキャップCPに固着する。円筒部340bは、少なくとも3分割されていればよい。
【0051】
また、変形例4は、図5(b)に示したように、取付部340の円筒部340bの内周の面に中心方向に向かって突出する断面略三角形状の係止突起370を設けたものである。係止突起370は、円筒部340bの全面に設けてもよいし、一部に設けてもよい。よって、取付部340をキャップCPに被せると、係止突起370がキャップCPの側面に当接して係止されることとなり、取付部340がキャップCPに固着する。
【0052】
(第4の実施形態)
第4の実施形態のハンドスピナー400について、図6を参照しながら説明する。図6は、第4の実施形態のハンドスピナー400の正面図である。本実施形態は、ハンドスピナー400の一対のホールド部430の一方に取付部440を、他方に被取付部480を設けた構成が、上記第1の実施形態とは異なるものであり、その他の構成は第1の実施形態と同様である。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0053】
本実施形態のハンドスピナー400は、図6に示したように、一対のホールド部430の一方にペットボトルPBのキャップCPに被せられる取付部440が設けられ、他方に他のハンドスピナー100の取付部140を取り付けることが可能な被取付部480が設けられている。被取付部480は、取付部440と同様に円板部480aと円筒部480bで構成されたキャップの形状をしている。被取付部480は、円筒部480bの開口が上を向くように円板部480aがホールド部430に連結されている。取付部440の円筒部440bの内周の径は被取付部480の円筒部480bの外周の径の径より若干大きなサイズである。被取付部480の高さは取付部440と同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0054】
本実施形態の取付部440を、第1の実施形態のハンドスピナー100の取付部140と同じ大きさとすると、図6の矢印aに示したように、ハンドスピナー100の取付部140を被取付部480に被せて、ハンドスピナー100をハンドスピナー400に取り付けることができる。取付部140は、被取付部480の円筒部480bにより径方向の移動が規制されるため、ハンドスピナー100のプレート部110を安定して回転させることができる。
【0055】
なお、本実施形態では、取付部440の円筒部440bの内周の径が被取付部480の円筒部480bの外周の径の径より若干大きなサイズにしたが、被取付部480の円筒部480bの内周の径を、他のハンドスピナー100の取付部140の外周の径より若干大きなサイズにしてもよい。この場合、被取付部480の内部に他のハンドスピナー100の取付部140が収容されることになる。
【0056】
また、被取付部480は、変形例3の取付部340のように切り込みが形成された構成としてもよい。切り込みの数や間隔は、被取付部480に被せられる取付部140が離脱しなければ、任意に設計することができる。また、被取付部480は、円板状の上面を有してもよい。被取付部480は、ホールド部430と一体に構成しても、別体に構成してもよい。
【0057】
(第4の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果に加えて、ハンドスピナー400の一対のホールド部430の一方の面に取付部440、他方の面に、取付部140を取り付けることが可能な被取付部480を設けることによって、ハンドスピナー100を重ねて使用することが可能になる効果がある。
【0058】
(第5の実施形態)
第5の実施形態のハンドスピナー500について、図7を参照しながら説明する。図7は、第5の実施形態のハンドスピナー500の正面図である。本実施形態は、取付部540と被取付部580の円筒部540b、580bに平面的なプリントや立体的な形状の装飾部544、584を設けた構成が、上記第4の実施形態の取付部440と被取付部480とは異なるものであり、その他の構成は第4の実施形態と同様である。本実施形態では、上記第4の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0059】
本実施形態のハンドスピナー500は、図7に示したように、取付部540と被取付部580の円筒部540b、580bの表面に平面的なプリントや立体的な形状の装飾を設けた構成である。なお、本実施形態では、ハンドスピナー500の取付部540と被取付部580の両方に装飾を設けたが、取付部540と被取付部580の少なくともいずれか一方に装飾を設けるようにしてもよい。また、ホールド部530の下方のみに取付部540を設けた場合は、ホールド部530の上方に立体的な装飾を設けてもよい。さらに、ハンドスピナー500のプレート部などの他の部分にも装飾部を設けてもよい。
【0060】
(第5の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、上記第4の実施形態の効果に加えて、取付部540と被取付部580の円筒部540b、580bの表面に、例えば、ご当地の観光記念となる装飾を設けることによって、お土産商品として土産店や、人気キャラクターをプリントしたキャラクター商品としておもちゃ売り場にも需要が見込まれる。さらに、装飾部に飲料メーカーのロゴや社名をプリントして広告媒体としての景品用にも需要が見込まれる。よって、産業や経済の発展にも寄与する効果がある。
【0061】
また、かさばらずに軽くて珍しい新しいお土産商品として提供できる品ぞろえを増やすことに貢献でき、陳列スペースの一部を確保できる地位を占める可能性がある。
【0062】
また、ペットボトルPBのキャップCPは海外でも同様な規格サイズであることが多いために、日本の記念となる装飾を設けることによって、外国人観光客のお土産品にも好ましい。
【0063】
また、装飾部を設ける側面部は高さを高めにして設けることによって、装飾面積が多く確保できて装飾部分が見やすくアピールされて好ましい。
【0064】
(変形例5)
第5の実施形態の変形例5は、ハンドスピナー500の取付部540を透明素材で構成するものである。ハンドスピナー500同士を積み重ねて遊ぶ際は、キャラクター等の装飾部がプリントされた被取付部580に取付部540を被せる。このために、被取付部580の装飾部584に取付部540が重なるが、取付部140は透明素材であるため、被取付部580の装飾部584が透けて見える。よって、装飾部584が視認しやすくなり、装飾部584は被取付部580のみのプリント表示で足りることとなり、取付部440の表示部分のプリントの経費を抑えることができるという効果を奏する。
【0065】
透明な素材には、ポリエチレン・テレフタレート(PET)の他、シリコン、アクリル、FRP、ポリウレタン、ポリカーボネート等があるが、利用可能であればどのような素材としてもよく、特に限定するものではない。
【0066】
(第6の実施形態)
第6の実施形態のハンドスピナー600について、図8を参照しながら説明する。図8は、第6の実施形態のハンドスピナー600の正面図である。本実施形態は、ハンドスピナー600の一対のホールド部630の両方の面に取付部640を設けた構成が、上記第1の実施形態とは異なるものであり、その他の構成は第1の実施形態と同様である。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0067】
本実施形態のハンドスピナー600は、図8に示したように、一対のホールド部630の両方の面に取付部640をそれぞれ設けて構成される。取付部640は、円筒部640bがペットボトルPBのキャップCPの略半分以下の高さに構成されている。
【0068】
本実施形態のハンドスピナー600は、複数のハンドスピナー600を別途用意したキャップをジョイント部材として利用して積み重ねて遊ぶことができる。以下、その使用例を説明する。なお、以下の説明において、複数のハンドスピナーを区別して説明するときには、ハンドスピナー600-1、600-2とする。
【0069】
ペットボトルPBに取り付けられるハンドスピナー600-1は、図8に示したように、一方の取付部640-1がペットボトルPBのキャップCPに被せられ、他方の取付部640-2には、図8の矢印bに示したように、別途用意されたキャップCPが挿入される。取付部640はキャップCPの高さの略半分以下であるため、キャップCPの上部略半分は取付部640-2から上方に突出する。
【0070】
キャップCPの上部略半分には、図8の矢印cに示したように、別のハンドスピナー600-2の一方の取付部640-3が被せられて取り付けられる。そして、図示はしていないが、さらに別途用意したキャップCPを他方の取付部640-4に挿入し、別のハンドスピナーの取付部を被せることにより、複数のハンドスピナー600を順次積み重ねていくことができる。
【0071】
(第6の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果に加えて、別途用意したキャップCPに別々のハンドスピナー600の取付部640をそれぞれ取り付けると、キャップCPをジョイント部材として利用して複数のハンドスピナー600を積み重ねて遊ぶことができる。また、キャップCPを有効利用することが出来て資源の有効活用に貢献できる。
【0072】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0073】
また、上記第1実施形態では、ペットボトルPBとしたが、本発明はこの例に限定されない。飲料用ボトルであればよい。例えば、アルミ缶などでもよい。他の実施形態も同様である。
【0074】
以上説明した実施形態、応用例、変形例等は、任意に組み合わせて実施できる。
【符号の説明】
【0075】
100、200、300、400、500、600、600-1、600-2 ハンドスピナー
110 プレート部
120 支持部
130、430、530、630 ホールド部
140、240、340、440、540、640、640-1~4 取付部
140a、240a、340a、480a 円板部
140b、340b、440b、480b、540b、580b、640b 円筒部(側部)
250 突出部
260 板状突出部
270 段差状突出部
350 係止部
360 切り込み
370 係止突起
480、580 被取付部
544、584 装飾部
PB ペットボトル(飲料用ボトル)
CP キャップ部
【要約】
【課題】従来の遊び方とは異なる、飽きずに長時間遊ぶことができるハンドスピナーを提供する。
【解決手段】ハンドスピナー100は、プレート部110を回転させて遊ぶハンドスピナーであって、プレート部110の内周に設けられ、プレート部110を回転自在に支持する支持部120と、支持部120の軸方向の両端部に設けられて支持部120を指で挟んで持つことを可能とする一対のホールド部130を備え、一対のホールド部130の少なくとも一方には、飲料用ボトルのキャップの上から被せて取り付けることが可能な取付部140を設けたことを特徴とする。かかる構成によれば、従来の遊び方とは異なる、飽きずに長時間遊ぶことができるハンドスピナーを提供することができる。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8