(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20230220BHJP
G06Q 10/0635 20230101ALI20230220BHJP
【FI】
G16H50/30
G06Q10/06 326
(21)【出願番号】P 2022060790
(22)【出願日】2022-03-31
【審査請求日】2022-06-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514048730
【氏名又は名称】株式会社リーディングマーク
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】飯田 悠司
(72)【発明者】
【氏名】山田 桐汰
(72)【発明者】
【氏名】後藤 慶士
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 映
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-053677(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
性格検査に対する従業員の検査結果を取得し、
職場に関するサーベイに対する前記従業員の回答を取得し、
前記性格検査の検査結果及び前記サーベイに対する回答に対応付けてアドバイスが第1記憶部に記憶してあり、
前記第1記憶部に記憶してあるアドバイスの中から、取得した前記従業員の性格検査の検査結果及びサーベイの回答に
対応するアドバイスを、前記従業員に対するアドバイス
に選択する
処理であって、
前記サーベイは、複数のカテゴリのそれぞれに関する複数の共通質問と、前記共通質問に対する回答に応じて問われる複数の深堀質問とを含み、
前記共通質問に対する回答に基づいて、前記複数のカテゴリのそれぞれに対するスコアを算出し、
各カテゴリに対するスコアに対応付けて深堀質問が第2記憶部に記憶してあり、
前記第2記憶部に記憶してある深堀質問の中から、算出した各カテゴリに対するスコアに対応する深堀質問を、出題する深堀質問に選択する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記第2記憶部は、各カテゴリに対するスコア及び前記性格検査の検査結果に対応付けて深堀質問を記憶しており、
前記第2記憶部に記憶してある深堀質問の中から、各カテゴリに対するスコアと前記性格検査の検査結果とに
対応する深堀質問を、出題する深堀質問
に選択する
処理を前記コンピュータが実行する請求項
1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記第1記憶部は、前記性格検査の検査結果及び前記サーベイに対する回答に対応付けて上司に対するアドバイスを記憶しており、
前記第1記憶部に記憶してある上司に対するアドバイスの中から、前記従業員の性格検査の検査結果及びサーベイの回答に
対応する上司に対するアドバイスを、前記従業員の上司に対するアドバイス
に選択する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1
又は2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記サーベイに対する前記従業員の回答を定期的に取得し、
前記第1記憶部は、前記サーベイに対する回答の時間的変化に対応付けてアドバイスを記憶しており、
前記第1記憶部に記憶してあるアドバイスの中から、前記従業員のサーベイの回答の時間的変化に
対応するアドバイスを、前記従業員に対するアドバイス
に選択する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1から
3までのいずれかひとつに記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記サーベイに対する前記従業員の回答を定期的に取得し、
取得した前記従業員のサーベイの回答に基づいて、前記従業員のスコアを定期的に算出し、
算出した前記スコアを時系列で示すグラフを生成し、
生成したグラフと、前記従業員に対するアドバイスとを出力する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1から
4までのいずれかひとつに記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記職場に所属する各従業員のサーベイの回答に基づいて、各従業員のスコアを算出し、
算出したスコアが低い従業員を抽出し、
抽出した従業員の情報を出力する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1から
5までのいずれかひとつに記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記職場に所属する各従業員のサーベイの回答に基づいて、各従業員のスコアを算出し、
算出した各従業員のスコアに基づいて、前記職場におけるスコアを算出し、
算出した前記職場のスコアを出力する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1から
6までのいずれかひとつに記載の情報処理方法。
【請求項8】
性格検査に対する従業員の検査結果を取得し、
職場に関するサーベイに対する前記従業員の回答を取得し、
前記性格検査の検査結果及び前記サーベイに対する回答に対応付けてアドバイスが記憶してある第1記憶部から、取得した前記従業員の性格検査の検査結果及びサーベイの回答に
対応するアドバイスを、前記従業員に対するアドバイス
に選択する
処理であって、
前記サーベイは、複数のカテゴリのそれぞれに関する複数の共通質問と、前記共通質問に対する回答に応じて問われる複数の深堀質問とを含み、
前記共通質問に対する回答に基づいて、前記複数のカテゴリのそれぞれに対するスコアを算出し、
各カテゴリに対するスコアに対応付けて深堀質問が記憶してある第2記憶部から、算出した各カテゴリに対するスコアに対応する深堀質問を、出題する深堀質問に選択する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項9】
性格検査に対する従業員の検査結果を取得する検査結果取得部と、
職場に関するサーベイに対する前記従業員の回答を取得する回答取得部と、
前記性格検査の検査結果及び前記サーベイに対する回答に対応付けてアドバイスを記憶する第1記憶部と、
前記第1記憶部に記憶してあるアドバイスの中から、取得した前記従業員の性格検査の検査結果及びサーベイの回答に
対応するアドバイスを、前記従業員に対するアドバイス
に選択する
選択部と
を備え
、
前記サーベイは、複数のカテゴリのそれぞれに関する複数の共通質問と、前記共通質問に対する回答に応じて問われる複数の深堀質問とを含み、
前記共通質問に対する回答に基づいて、前記複数のカテゴリのそれぞれに対するスコアを算出する算出部と、
各カテゴリに対するスコアに対応付けて深堀質問を記憶する第2記憶部と、
前記第2記憶部に記憶してある深堀質問の中から、算出した各カテゴリに対するスコアに対応する深堀質問を、出題する深堀質問に選択する深堀質問選択部と
を更に備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
職場等において従業員のストレス状態を把握することにより、うつ病等の精神疾患の発症を未然に防止するストレスチェック又はエンゲージメントサーベイ等が行われている。ストレスチェック等は、複数の質問に対する従業員の回答内容に基づいてストレス状態が判定される検査である。特許文献1では、ストレスチェック等で利用されるサーベイを効率よく実施することにより、サーベイの受診者の負担を軽減するシステムが開示されている。具体的には、特許文献1に開示されたシステムでは、受診者が、サーベイリストに表示されたサーベイ一覧から、実行すべきサーベイを選択する構成において、未受診のサーベイ又は受診中のサーベイがある場合には、サーベイリストを表示することなく、未受診のサーベイ又は受診中のサーベイの実施が開始される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ストレスチェック等は、従業員のストレス状態を従業員自身又は同僚等が把握するために行われるものであるので、サーベイによる判定結果を従業員自身又は同僚等にフィードバックすることが重要である。しかし、特許文献1に開示されたシステムでは、サーベイの受診者の負担を軽減することにより、サーベイの実施率を向上させることはできるが、サーベイによる判定結果を従業員自身又は同僚等にフィードバックする構成については言及されていない。
【0005】
一つの側面では、サーベイに対する回答に応じて適切なアドバイスを提示することが可能な情報処理方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの側面に係る情報処理方法は、性格検査に対する従業員の検査結果を取得し、職場に関するサーベイに対する前記従業員の回答を取得し、前記性格検査の検査結果及び前記サーベイに対する回答に対応付けてアドバイスが第1記憶部に記憶してあり、前記第1記憶部に記憶してあるアドバイスの中から、取得した前記従業員の性格検査の検査結果及びサーベイの回答に対応するアドバイスを、前記従業員に対するアドバイスに選択する処理であって、前記サーベイは、複数のカテゴリのそれぞれに関する複数の共通質問と、前記共通質問に対する回答に応じて問われる複数の深堀質問とを含み、前記共通質問に対する回答に基づいて、前記複数のカテゴリのそれぞれに対するスコアを算出し、各カテゴリに対するスコアに対応付けて深堀質問が第2記憶部に記憶してあり、前記第2記憶部に記憶してある深堀質問の中から、算出した各カテゴリに対するスコアに対応する深堀質問を、出題する深堀質問に選択する処理をコンピュータが実行する。
【発明の効果】
【0007】
一つの側面では、サーベイに対する回答に応じて適切なアドバイスを提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理システムの構成例を示す説明図である。
【
図3】従業員端末の構成例を示すブロック図である。
【
図4】サーベイDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図5】分析コメントDB及びアドバイスDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図6】従業員DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図7】サーベイの実行処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】サーベイの実行処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】サーベイの実行中の画面例を示す説明図である。
【
図10】サーベイの実行中の画面例を示す説明図である。
【
図11】サーベイの実行中の画面例を示す説明図である。
【
図12】サーベイの実行中の画面例を示す説明図である。
【
図13】上司用フィードバックページの生成処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図14】上司用フィードバックページの生成処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図15】上司へのフィードバック画面例を示す説明図である。
【
図16】上司へのフィードバック画面例を示す説明図である。
【
図17】上司へのフィードバック画面例を示す説明図である。
【
図18】経営者へのフィードバックページの生成処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図19】経営者へのフィードバック画面例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の情報処理方法、プログラム及び情報処理装置について、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0010】
(実施形態1)
図1は、情報処理システムの構成例を示す説明図である。本実施形態では、企業等に属する従業員の性格検査の検査結果と、職場に関するサーベイ(アンケート)の回答結果とに基づいて、従業員の状態を判定してアドバイスを提示する情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システムは、情報処理装置1及び複数の端末2,2…を含む。各装置1,2はインターネット等のネットワークNを介して通信接続されている。
【0011】
情報処理装置1は、種々の情報処理、情報の送受信が可能な情報処理装置であり、例えばサーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である。本実施形態では情報処理装置1がサーバコンピュータであるものとし、以下では簡潔のためサーバ1と読み替える。サーバ1は、従業員毎に、性格検査の検査結果と職場に関するサーベイの回答結果とに基づいて状態を判定し、判定結果に応じたアドバイスを提示する処理を行う。なお、性格検査は、性格分析のための複数の質問(検査項目)に対して従業員が回答するものであり、性格検査の検査結果は、従業員の回答内容に基づいて、性格特性を表す複数項目のいずれか又は複数が特定されたものである。性格特性を表す項目は、例えば問題解決志向が高い又は低い、感情配慮志向が高い又は低い、楽観性が高い又は低い、社交欲求が高い又は低い、競争心が高い又は低い等を含む。サーベイは、職場及び仕事に関する複数質問に対して従業員が回答するものであり、サーベイの回答結果は、従業員の回答内容に基づいて特定された、従業員の精神的な健康状態(ウェルビーイングスコア、エンゲージメント、ストレス状態、メンタルヘルス)を示す。精神的な健康状態は、例えば人間関係に関するストレス状態、仕事内容に関するストレス状態、業務負担に関するストレス状態、仕事への活力に関するストレス状態、会社への愛着に関するストレス状態等を含む。
【0012】
端末2は、本システムのユーザである従業員が使用する端末装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等である。以下では従業員端末2と読み替える。従業員端末2は、サーバ1と通信を行い、サーベイの画面をサーバ1から受信して表示し、サーベイの画面を介して入力された回答情報をサーバ1へ送信する。また、従業員端末2は、サーベイの回答内容に基づいて判定された従業員の状態に対するアドバイスをサーバ1から受信して表示する。なお、本実施形態において、端末2は、従業員端末2のほかに、企業の経営者等が使用する端末装置を含んでもよい。また、本実施形態における従業員は、各従業員の上司も含む。
【0013】
図2は、サーバ1の構成例を示すブロック図である。サーバ1は、制御部11、主記憶部12、通信部13、及び補助記憶部14を備える。制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサを有し、補助記憶部14に記憶されたプログラムP1を読み出して実行することにより、種々の情報処理、制御処理等を行う。主記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の一時記憶領域であり、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。通信部13は、通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、ネットワークNを介して他の装置との間で情報の送受信を行う。
【0014】
補助記憶部14は、大容量メモリ、ハードディスク等の不揮発性記憶領域であり、制御部11が処理を実行するために必要なプログラムP1(プログラム製品)、その他のデータを記憶している。また、サーバ1はウェブサーバの機能を有しており、補助記憶部14は、サーベイを実施し、サーベイ結果を従業員等にフィードバックするためのサーベイサイトSを記憶している。また補助記憶部14は、サーベイDB141、分析コメントDB142、アドバイスDB143、従業員DB144を記憶している。サーベイDB141は、本システムにおけるサーベイで使用される質問(アンケート)の情報を格納するデータベースである。分析コメントDB142は、サーベイの回答内容から分析された回答者の状態等に関するコメントを格納するデータベースである。アドバイスDB143は、本システムにおいて従業員等に提示するアドバイスの情報を格納するデータベースである。従業員DB144は、本システムを利用する企業等に所属している従業員の情報を格納するデータベースである。なお、補助記憶部14はサーバ1に接続された外部記憶装置であってもよく、DB141~144のいずれか又は全部が他のサーバに記憶されていてもよい。
【0015】
本実施形態において、サーバ1は複数のコンピュータからなるマルチコンピュータであってもよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよく、クラウドサーバであってもよい。また、サーバ1は上記の構成に限られず、例えば操作入力を受け付ける入力部、画像を表示する表示部等を含んでもよい。また、サーバ1は、非一時的なコンピュータ読取可能な記録媒体1aを読み取る読取部を備え、記録媒体1aからプログラムP1等を読み込んでもよい。また、プログラムP1は単一のコンピュータ上で実行されてもよく、ネットワークNを介して相互接続された複数のコンピュータ上で実行されてもよい。
【0016】
図3は、従業員端末2の構成例を示すブロック図である。従業員端末2は、制御部21、主記憶部22、通信部23、表示部24、入力部25、及び補助記憶部26を備える。制御部21は、一又は複数のCPU等のプロセッサを有し、補助記憶部26に記憶されたプログラムP2を読み出して実行することにより、種々の情報処理を行う。主記憶部22は、RAM等の一時記憶領域であり、制御部21が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。通信部23は、通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、ネットワークNを介して他の装置との間で情報の送受信を行う。
【0017】
表示部24は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部21からの指示に従って各種の情報を表示する。入力部25は、キーボード、マウス等の操作インターフェイスであり、従業員による操作入力を受け付け、操作内容に応じた制御信号を制御部21へ送出する。表示部24及び入力部25は一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
【0018】
補助記憶部26は、ハードディスク、大容量メモリ等の不揮発性記憶領域であり、制御部21が処理を実行するために必要なプログラムP2、その他のデータを記憶している。また補助記憶部26は、ウェブサーバにアクセスするためのウェブブラウザAP(以下ではブラウザAPという)を記憶している。
【0019】
従業員端末2は、非一時的なコンピュータ読取可能な記録媒体2aを読み取る読取部を備え、記録媒体2aからプログラムP2等を読み込んでもよい。また、プログラムP2は単一のコンピュータ上で実行されてもよく、ネットワークNを介して相互接続された複数のコンピュータ上で実行されてもよい。
【0020】
図4は、サーベイDB141のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。サーベイDB141は、質問ID列、種別列、カテゴリ列、性格項目列、質問内容列を含む。質問ID列は、サーベイに用いられる各質問を識別するための識別情報(質問ID)を記憶する。種別列は、各質問が共通質問であるか深堀質問であるかを示す情報(共通/深堀)を記憶する。本実施形態におけるサーベイは、全ての従業員に対して出題される共通質問と、共通質問に対する回答内容に応じて出題される深堀質問とを含む。深堀質問は、回答者の性格に関する特徴的な項目について深堀できるような質問であり、例えば後述するように共通質問の回答内容に基づいて算出される人間関係のカテゴリのスコアが低く(又は前回から低下し)、問題解決志向が高い回答者に対して、「仲間や上司をサポートしたいのにうまくできていない」のように、問題解決志向に関して特徴的な性格が分かる原因を探れるような質問を用意してある。カテゴリ列は、各質問の内容を分類したカテゴリを記憶する。本実施形態におけるサーベイでは、人間関係、仕事内容、業務負担、仕事への活力、及び会社への愛着の5つのカテゴリに関する質問が出題されるので、カテゴリ列にはこれらのいずれかが記憶される。なお、深堀質問のカテゴリ列には、各カテゴリに加えて、各カテゴリのスコアが低い又は前回よりも低下したこと、あるいは、各カテゴリのスコアが高い又は前回よりも上昇したことを示す情報(低/高)が記憶される。性格項目列は、各深堀質問の内容によって問われる性格特性に関する項目を記憶する。本実施形態におけるサーベイでは、問題解決志向、感情配慮志向、楽観性、社交欲求、競争心等を含む性格特性に関する項目についての深堀質問が出題されるので、性格項目列にはこれらのいずれかが記憶される。なお、性格特性に関する項目は、性格検査によって特定される項目を用いることができる。質問内容列は従業員に出題する質問の内容を記憶する。本実施形態におけるサーベイでは、共通問題として、各カテゴリについて所定数の質問が用意されており、深堀質問として、各カテゴリに対応する性格項目について所定数の質問が用意されている。従って、サーベイDB141では、共通質問については、質問IDに対応付けてカテゴリ及び質問内容が登録され、深堀質問については、質問IDに対応付けてカテゴリ、性格項目及び質問内容が登録される。以下では、共通質問として5つのカテゴリのそれぞれに4つの質問が用意され、深堀質問として24個の性格項目のそれぞれに1つの質問が用意されているものとする。なお、カテゴリ及び性格項目の数、並びに、共通質問及び深堀質問の数はこれらに限定されない。サーベイDB141は、
図4に示す構成に限定されず、例えば共通質問と深堀質問とが別々のDBに記憶される構成でもよい。
【0021】
図5は、分析コメントDB142及びアドバイスDB143のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。分析コメントDB142は、コメントID列、提供条件列、分析コメント列を含み、コメントIDに対応付けて、サーベイ結果に関する分析コメントの提供条件及びコメント内容を記憶する。コメントID列は、本システムで提示される各分析結果を識別するための識別情報(コメントID)を記憶する。提供条件列は、分析結果の各コメントを提供する際の提供条件を記憶し、本実施形態ではサーベイの回答内容に基づいて算出される各カテゴリのスコアに基づく条件を記憶する。例えば提供条件列には、各カテゴリのスコアが、過去のサーベイ結果と比較して所定値以上上昇した場合、又は所定値以上低下した場合等の条件が記憶される。分析コメント列は、サーベイの回答内容に基づいて判定される回答者の状態に関するコメントを記憶する。分析コメントは、過去のサーベイ結果と比較した今回の状態に関するコメントを含む。分析コメントDB142は、
図5に示す構成に限定されない。
【0022】
アドバイスDB143は、アドバイスID列、提供条件列、本人用アドバイス列、上司用アドバイス列を含み、アドバイスIDに対応付けてアドバイスの提供条件及びアドバイス内容を記憶する。アドバイスID列は、本システムで提示される各アドバイスを識別するための識別情報(アドバイスID)を記憶する。提供条件列は、各アドバイスを提供する際の提供条件を記憶し、本実施形態では深堀質問の回答内容及び性格検査結果に基づく条件を記憶する。従って、提供条件列は深堀質問列及び性格検査結果列を有する。深堀質問列は質問ID列及び回答列を有し、深堀質問の質問IDと、当該深堀質問に対する回答内容とを対応付けて記憶する。本実施形態におけるサーベイでは、深堀質問については質問内容に対して「1:全くそう思わない」、「2:あまりそう思わない」、「3:ややそう思う」、「4:そう思う」の4つの選択肢から回答するように構成されているので、回答列には1~4のいずれか又は複数が記憶される。本人用アドバイス列は、従業員本人に提供するアドバイスを記憶する。本人用アドバイスは、サーベイ結果及び性格検査結果から導出されたアドバイスであり、サーベイ結果と性格検査結果が示す性格特性とに応じて従業員が行うべき対応に関するアドバイスを含む。なお、アドバイスは、過去のサーベイ結果と比較した結果に応じた内容であってもよい。上司用アドバイス列は、従業員の上司に提供するアドバイスを記憶する。上司用アドバイスは、従業員のサーベイ結果と性格検査結果が示す性格特性とに応じて上司が行うべき対応に関するアドバイスを含む。アドバイスDB143は、
図5に示す構成に限定されない。例えば本人用アドバイスと上司用アドバイスとが別々のDBに記憶される構成でもよい。
【0023】
本実施形態では、分析コメントDB142を参照することにより、サーベイ結果(各カテゴリのスコア)に応じた分析コメントを特定することができる。また、アドバイスDB143を参照することにより、従業員の深堀質問の回答内容及び性格検査結果に応じて、従業員本人に提供する本人用アドバイスと、従業員の上司に提供する上司用アドバイスとを特定することができる。
【0024】
図6は、従業員DB144のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。従業員DB144は、従業員ID列、氏名列、部署列、性格検査結果列、サーベイ結果列を含む。従業員ID列は、各従業員を識別するための識別情報(従業員ID)を記憶する。氏名列、部署列、及び性格検査結果列は、従業員IDに対応付けて、従業員の氏名、所属部署、及び性格検査の検査結果を記憶する。なお、性格検査の検査結果として、性格特性を表す複数項目のいずれか又は複数について高い傾向にある又は低い傾向にあることを示す情報が記憶される。例えば「問題解決志向が高い」又は「問題解決志向が低い」等が性格検査の検査結果として記憶される。性格検査は、例えば従業員が入社した後に実施され、判定された検査結果が従業員DB144に記憶される。また性格検査は、数ヶ月~数年に1回、部署異動のタイミング等の適宜タイミングで実施され、従業員DB144に記憶される検査結果が更新されてもよい。サーベイ結果列は、従業員IDに対応付けて、従業員が実施したサーベイの結果に関する情報を記憶する。具体的には、サーベイ結果列は、日時列、共通質問列、深堀質問列、コメントID列、アドバイスID列を有し、サーベイの実施日時、サーベイで出題された共通質問に対する回答結果、サーベイで出題された深堀質問の質問ID及びその回答内容、従業員及び上司に提供された分析コメントのコメントID及びアドバイスのアドバイスIDを対応付けて記憶する。なお、共有質問に対する回答結果としては、各カテゴリについて共通質問に対する回答内容から算出されたスコア及びウェルビーイングスコアが記憶される。ウェルビーイングスコアは、各カテゴリのスコアから総合的に判断された従業員に対するスコアである。従業員DB144は、
図6に示す構成に限定されず、複数のDBに分割して各情報が登録されていてもよく、一部の情報が他のサーバのDBに登録されていてもよい。例えば、従業員の性格検査結果又はサーベイ結果が、従業員ID等に対応付けて、従業員の情報を管理する他のサーバに記憶されてもよい。
【0025】
以下に、本実施形態の情報処理システムにおいて各装置が行う処理についてフローチャート及び画面例を用いて説明する。
図7及び
図8は、サーベイの実行処理手順の一例を示すフローチャート、
図9~
図12はサーベイの実行中の画面例を示す説明図である。
図7及び
図8では左側に従業員端末2が行う処理を、右側にサーバ1が行う処理をそれぞれ示す。以下の処理において、例えば人事部の担当者が、サーベイを実施すべきタイミングで、サーベイサイトSにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を記載した電子メールを各従業員に対して送信する。サーベイは、例えば1~2週間に1回、又は1カ月に1回程度実施される。なお、サーバ1に電子メールの送信タイミング及び送信内容を登録しておくことにより、送信タイミングが到来した場合にサーバ1が自動で電子メールを送信するように構成されていてもよい。従業員は、受信した電子メールに記載してあるURLに基づいてサーバ1(サーベイサイトS)にアクセスし、サーベイを実施する。なお、従業員がサーバ1にアクセスする際に、予め登録してある自身のID及びパスワードを用いてログイン処理を行い、ログインできた場合に、サーベイの実施が可能となるように構成されていてもよい。サーバ1は、従業員端末2からアクセスされた場合に、以下の処理を実行する。
【0026】
本実施形態の情報処理システムにおいて、サーバ1の制御部11は、従業員端末2からサーベイサイトSに対してアクセスされた場合、サーベイを実施するためのサーベイページを従業員端末2へ送信する(S11)。従業員端末2の制御部21は、サーバ1からサーベイページを受信した場合、受信したサーベイページに基づいて、
図9に示すようなサーベイ画面を表示部24に表示する(S12)。
【0027】
図9はサーベイ画面例を示しており、
図9に示す画面は、サーベイにおける共通質問に対する回答を受け付けるための共通質問画面である。共通質問画面は、共通質問として用意された複数の質問(本実施形態では20個の質問)を表示し、それぞれの質問に対応付けて、「1:全く当てはまらない」、「2:当てはまらない」、「3:やや当てはまらない」、「4:少し当てはまる」、「5:当てはまる」、「6:とても当てはまる」の6つの選択肢のいずれかを選択するためのラジオボタンが設けられている。共通質問画面を表示するためのサーベイページが予めサーベイサイトSに用意されている場合、サーバ1の制御部11は、当該サーベイページを従業員端末2へ送信すればよい。また、制御部11は、サーベイDB141に記憶してある20個の共通質問を読み出し、各共通質問を表示すると共に、各共通質問に対応付けてラジオボタンを設けることにより、共通質問画面を表示するためのサーベイページを生成して従業員端末2へ送信してもよい。この場合、質問の内容が更新された場合であっても、サーベイDB141の記憶内容から最新のサーベイページを生成できるので最新の質問内容でのサーベイの実施が可能となる。共通質問画面の右端にはスクロールバーが設けられている。従業員端末2の入力部25を介してスクロールバーが操作された場合、表示内容が上下にスクロールされて表示される。共通質問画面の最下段には、共通質問画面を介して入力された共通質問に対する回答をサーバ1に送信するための「回答送信する」ボタンが設けられている。
【0028】
従業員端末2の制御部21は、共通質問画面において、各質問に対応するラジオボタンに対する操作を受け付けることにより、各質問に対する回答を受け付ける(S13)。なお、制御部21は、質問に対する回答を受け付けた場合、受け付けた回答(いずれかの選択肢)に対応するラジオボタンを、選択された状態に表示する。
図9に示す例では、1問目及び2問目の質問に対して「とても当てはまる」の回答を受け付けたことが示されている。従業員は、従業員端末2の入力部25を介してスクロールバーを操作して表示内容をスクロールさせつつ各質問に対して回答を行う。従業員は、全ての質問に対する回答を行った後、「回答送信する」ボタンを操作し、各質問に対する回答内容をサーバ1に送信する指示を行う。
【0029】
従業員端末2の制御部21は、「回答送信する」ボタン(送信ボタン)が操作されたか否かを判断し(S14)、操作されていないと判断した場合(S14:NO)、ステップS13の処理に戻り、各質問に対する回答の受付を繰り返す。「回答送信する」ボタンが操作されたと判断した場合(S14:YES)、制御部21は、受け付けた各質問に対する回答をサーバ1へ送信する(S15)。例えば制御部21は、各質問の質問IDと、各質問の回答に対応する回答番号とを対応付けてサーバ1へ送信する。回答番号は、例えば「全く当てはまらない」の回答に対して1が、「当てはまらない」の回答に対して2が、「やや当てはまらない」の回答に対して3が、「少し当てはまる」の回答に対して4が、「当てはまる」の回答に対して5が、「とても当てはまる」の回答に対して6がそれぞれ対応付けられている。
【0030】
サーバ1の制御部11(回答取得部)は、従業員端末2を介して入力されたサーベイの共通質問に対する回答を取得し、取得した回答内容に基づいて、各カテゴリのスコアを10点満点で算出する(S16)。本実施形態のサーベイは、5つのカテゴリのそれぞれについて4つの共通質問を出題し、各質問に対して6つの選択肢のいずれかの回答を受け付ける。よって、制御部11は、各カテゴリについて、各質問に対する回答に割り当てられているスコアの合計を算出する。例えば「全く当てはまらない」、「当てはまらない」、「やや当てはまらない」、「少し当てはまる」、「当てはまる」、「とても当てはまる」の順に各回答に対して1~6のスコアが割り当てられている。なお、質問によっては、「とても当てはまる」、「当てはまる」、「少し当てはまる」、「やや当てはまらない」、「当てはまらない」、「全く当てはまらない」の順に各回答に1~6のスコアが割り当てられていてもよい。1つのカテゴリについて4つの共通質問が出題され、各回答には1~6のスコアが割り当てられているので、制御部11は、各カテゴリについて、4~24のいずれかの数値となる合計スコアを算出する。そして制御部11は、各カテゴリについて、算出した合計スコアを10点満点に換算する。例えば制御部11は、以下の式を用いて10点満点のスコアに換算する。各カテゴリのスコアは、各カテゴリについて従業員の状態が良好であるほど高いスコアとなる。
【0031】
(合計スコア-最低合計スコア)/(最高合計スコア-最低合計スコア)×10
…(式)
本実施形態では、最低合計スコアは4であり、最高合計スコアは24である。
【0032】
なお、各質問の回答に対して割り当てられるスコアは1~6に限定されず、各カテゴリの合計スコアを算出する際に、各質問に対するスコアに重み付けを行ってもよい。また、各カテゴリの合計スコアを10点満点に換算する式は上記の式に限定されない。
【0033】
制御部11は、各カテゴリについて10点満点のスコアを算出した後、各カテゴリのスコアに基づいてウェルビーイングスコアを10点満点で算出する(S17)。例えば制御部11は、5つのカテゴリのスコアの平均値をウェルビーイングスコアとして算出してもよく、各カテゴリに重み付けを行い、重み付け平均値をウェルビーイングスコアとして算出してもよい。例えば、仕事への活力又は会社への愛着に対して、他のカテゴリよりも大きい重み付けを行ってもよい。制御部11は、算出した各カテゴリのスコア(10点満点)と、ウェルビーイングスコア(10点満点)とを共通質問結果として従業員DB144に記憶する(S18)。具体的には、制御部11は、ここでの従業員の従業員IDに対応付けて、現在日時、共通質問の各カテゴリのスコア及びウェルビーイングスコアを従業員DB144に記憶する。
【0034】
次に、制御部11は、共通質問の回答内容から算出した各カテゴリのスコアに基づいて、深堀質問を選択するための優先カテゴリを特定する(S19)。例えば制御部11は、各カテゴリについて、前回のサーベイでのスコアと、今回のスコアとを比較し、前回のスコアからの低下量が所定値よりも大きいカテゴリを優先カテゴリに特定する。前回のサーベイでの各カテゴリのスコアは従業員DB144に記憶してある。また制御部11は、各カテゴリについて、前回からの低下量に重み付けを行い、重み付け後の低下量が大きいカテゴリを優先カテゴリに特定してもよい。このように前回(過去)のサーベイ結果から悪化した(スコアが低下した)カテゴリを優先カテゴリに選択することにより、従業員の状態に適した深堀質問の選択が可能となる。各カテゴリについて算出した低下量が同じ数値の場合、又は、前回のサーベイ結果がない場合は、例えば、「人間関係」、「仕事内容」、「業務負担」、「仕事への活力」、「会社への愛着」の順に優先カテゴリに特定してもよい。制御部11は例えば3つのカテゴリを優先カテゴリに特定する。なお、制御部11は、前回のスコアからの上昇量が所定値よりも大きいカテゴリを優先カテゴリに特定してもよい。また制御部11は、前回のスコアとの比較は行わずに、今回のスコアが所定値(例えば3点)未満のカテゴリ、又は、所定値(例えば7点)以上のカテゴリを優先カテゴリに特定してもよい。
【0035】
そして、制御部11は、特定した優先カテゴリに基づいて、当該従業員に出題すべき深堀質問を選択する(S20)。例えば制御部11は、優先カテゴリと、ここでの従業員の性格検査結果とに基づいて、当該従業員に出題すべき深堀質問を選択する。深堀質問は、カテゴリと、各カテゴリに関連する性格項目(性格特性)とに対応付けてサーベイDB141に記憶されている。よって、制御部11は、優先カテゴリに関連する性格項目の中から、当該従業員の性格検査結果に対応する性格項目を特定し、特定した性格項目に対応する質問を、当該従業員に出題すべき深堀質問に選択する。性格検査結果は従業員DB144に記憶してある。例えば、性格検査結果が「問題解決志向が高い」である場合、「問題解決志向」の性格項目に対応する質問を深堀質問に選択する。また性格検査結果として、各性格項目についてのスコアが従業員DB144に記憶されている場合、スコアが高い順に性格項目に対応する質問を深堀質問に選択してもよい。制御部11は例えば3つの優先カテゴリのそれぞれについて3つの深堀質問を選択し、合計9つの深堀質問を選択する。制御部11は、各優先カテゴリに関連する性格項目の中から、当該従業員の性格検査結果に対応する性格項目を所定数(例えば3つ)より多い数特定した場合、特定した性格項目の中からランダムに所定数を選択してもよく、また、過去に出題していない深堀質問の性格項目を選択してもよい。過去に出題していない深堀質問を選択する場合、過去の出題内容と同じ質問が出題されることを抑制できる。深堀質問の数はこれに限定されない。なお、制御部11は、従業員の性格検査結果を考慮せずに、優先カテゴリに基づいて深堀質問を選択してもよい。例えば各カテゴリの深堀質問に対して優先順位又は出題順位を割り当てておき、制御部11は、優先順位又は出題順位に従って所定数の深堀質問を選択してもよい。
【0036】
制御部11は、選択した深堀質問をサーベイDB141から読み出し、読み出した深堀質問に対する回答を受け付けるためのサーベイページ(深堀質問ページ)を生成して従業員端末2へ送信する(S21)。従業員端末2の制御部21は、サーバ1から深堀質問ページを受信した場合、受信した深堀質問ページに基づいて、
図10に示すような深堀質問画面を表示部24に表示する(S22)。深堀質問画面は、深堀質問として、ステップS20で選択された複数の質問(本実施形態では9個の質問)を表示し、それぞれの質問に対応付けて、「1:全くそう思わない」、「2:そう思わない」、「3:ややそう思う」、「4:そう思う」の4つの選択肢のいずれかを選択するためのラジオボタンが設けられている。深堀質問画面の右端にはスクロールバーが設けられており、最下段には深堀質問画面を介して入力された深堀質問に対する回答をサーバ1に送信するための「回答送信する」ボタンが設けられている。サーバ1の制御部11は、サーベイDB141から読み出した深堀質問を表示すると共に、各深堀質問に対応付けて、選択肢が4つのラジオボタンを設けることにより、深堀質問画面を表示するための深堀質問ページを生成し、従業員端末2へ送信する。
【0037】
従業員端末2の制御部21は、深堀質問画面において、各質問に対応するラジオボタンに対する操作を受け付けることにより、各深堀質問に対する回答を受け付ける(S23)。制御部21は、深堀質問に対する回答を受け付けた場合、受け付けた回答(いずれかの選択肢)に対応するラジオボタンを、選択された状態に表示する。従業員は、従業員端末2の入力部25を介してスクロールバーを操作して表示内容をスクロールさせつつ各質問に対して回答を行う。従業員は、全ての深堀質問に対する回答を行った後、「回答送信する」ボタンを操作し、各深堀質問に対する回答をサーバ1に送信する指示を行う。
【0038】
従業員端末2の制御部21は、深堀質問画面における「回答送信する」ボタン(送信ボタン)が操作されたか否かを判断し(S24)、操作されていないと判断した場合(S24:NO)、ステップS23の処理に戻り、各深堀質問に対する回答の受付を繰り返す。「回答送信する」ボタンが操作されたと判断した場合(S24:YES)、制御部21は、受け付けた各深堀質問に対する回答をサーバ1へ送信する(S25)。ここでも制御部21は、各深堀質問の質問IDと、各深堀質問の回答に対応する回答番号とを対応付けてサーバ1へ送信する。深堀質問の回答番号は、例えば「全くそう思わない」の回答に対して1が、「そう思わない」の回答に対して2が、「ややそう思う」の回答に対して3が、「そう思う」の回答に対して4がそれぞれ対応付けられている。
【0039】
サーバ1の制御部11(回答取得部)は、従業員端末2を介して入力されたサーベイの深堀質問に対する回答を取得し、取得した回答を深堀質問結果として従業員DB144に記憶する(S26)。具体的には、制御部11は、ここでの従業員の従業員IDと、ここでのサーベイの実施日時とに対応付けて、深堀質問の質問ID及び回答番号を従業員DB144に記憶する。
【0040】
次に制御部11は、ステップS16で算出した各カテゴリのスコアに基づいて、従業員本人及び上司に提供すべき分析コメントのコメントIDを特定し、深堀質問の回答内容と性格検査結果とに基づいて、従業員本人及び上司に提供すべきアドバイスのアドバイスIDを特定する(S27)。制御部11は、ステップS16で算出した各カテゴリのスコアと、過去のサーベイにおける各カテゴリのスコアとを比較し、比較結果に合致する提供条件を、分析コメントDB142に登録されている提供条件の中から特定する。提供条件は、例えば人間関係のカテゴリのスコアが所定値以上低下した場合(スコアの低下量が所定値よりも大きい場合)等である。制御部11は、特定した提供条件に対応する分析コメントのコメントIDを分析コメントDB142から読み出す。アドバイスDB143には、アドバイスIDに対応付けて本人用アドバイス及び上司用アドバイスが記憶されており、本人用アドバイス及び上司用アドバイスは、深堀質問の質問ID及び回答と、性格検査結果とに対応付けて記憶されている。よって、制御部11は、当該従業員による深堀質問の回答内容及び性格検査結果に合致する提供条件を、アドバイスDB143に登録されている提供条件の中から特定し、特定した提供条件に対応するアドバイスのアドバイスIDをアドバイスDB143から読み出す。なお、制御部11(検査結果取得部)は、従業員の性格検査結果を従業員DB144から取得する。制御部11は、特定したコメントID及びアドバイスIDを、サーベイ結果の情報として従業員DB144に記憶する(S28)。以上の処理により、サーベイが実施され、サーベイの結果が従業員DB144に記憶される。
【0041】
次に、制御部11は、従業員DB144に記憶したサーベイ結果に基づいて、従業員本人にサーベイ結果をフィードバックするためのフィードバックページを生成し(S29)、生成したフィードバックページを従業員端末2へ送信する(S30)。なお、サーバ1は、従業員がサーベイを実施した直後にフィードバックページを生成してサーベイ結果を従業員にフィードバックする構成に限定されない。例えば、従業員がサーベイを実施した後の任意のタイミングで従業員端末2を用いてフィードバックページにアクセスした場合に、サーバ1がフィードバックページを生成してサーベイ結果を従業員にフィードバックする構成でもよい。
【0042】
従業員端末2の制御部21は、サーバ1からフィードバックページを受信した場合、受信したフィードバックページに基づいて、
図11に示すようなフィードバック画面を表示部24に表示する(S31)。
図11はフィードバック画面例を示しており、
図11に示す画面は、従業員がサーベイを実施した日時、サーベイの結果、サーベイ結果から生成された分析コメント及びアドバイス等を表示する。サーベイの結果は、ウェルビーイングスコアと、人間関係、仕事内容、業務負担、仕事への活力及び会社への愛着の5つのカテゴリの各スコアとを、各スコアの数値と、各数値に対応付けられたマークとで表示している。各スコアは10点満点で表されており、各スコアのマークは、例えば0以上5未満のスコアに対して雨のマークが、5以上7未満のスコアに対して曇りのマークが、7以上8未満のスコアに対して曇りのち晴れのマークが、8以上のスコアに対して晴れのマークがそれぞれ対応付けられている。このようなマークで各カテゴリのスコアを表示することにより、スコアの良し悪しが一目で把握できる。分析コメントは、
図11中にアドバイザーコメントとして表示され、アドバイスは、
図11中におすすめのアクションとして表示される。また、
図11に示す画面は、ウェルビーイングスコアの時系列変化を示すグラフであるヘルスラインを表示している。ヘルスラインは、横軸がサーベイの実施日を示し、縦軸がスコアを示すグラフで表されている。ヘルスラインは、過去4回分の時系列変化、過去8回分の時系列変化、過去12回分の時系列変化のいずれかを選択できるように構成されており、選択された回数分のウェルビーイングスコアの時系列変化を示すグラフがフィードバック画面に表示される。なお、フィードバック画面に、ヘルスライン(ウェルビーイングスコア)と共に、各カテゴリのスコアの時系列変化を示すグラフが表示される構成でもよい。
【0043】
サーバ1の制御部11は、従業員DB144から読み出したサーベイ結果に基づいて、ウェルビーイングスコア及び各カテゴリのスコアに対して数値に対応するマークを割り当てる。また制御部11は、読み出したコメントIDに対応する分析コメント(アドバイザーコメント)を分析コメントDB142から読み出し、読み出したアドバイスIDに対応する本人用アドバイスをアドバイスDB143から読み出す。また制御部11は、ウェルビーイングスコアについては、例えば過去8回分のウェルビーイングスコアを従業員DB144から読み出し、時系列にプロットしたグラフ(ヘルスライン)を生成する。そして、制御部11(生成部)は、サーベイの実施日時、ウェルビーイングスコア及び各カテゴリのスコアの数字及びマーク、分析コメント(アドバイザーコメント)及び本人用アドバイス(おすすめのアクション)、ヘルスラインを所定位置に配置することにより、
図11に示す構成のフィードバックページを生成する。なお、
図11に示す画面は、「最新」タブ、「振り返り」タブ、「性格分析」タブ、「アンケート一覧」タブを有しており、タブの選択が切り替えられることにより、選択されたタブに応じた画面が表示される。ステップS30で従業員端末2へ送信されるフィードバックページは、
図11に示すように「最新」タブが選択された状態の画面を表示するためのページである。
【0044】
図11に示す画面において「振り返り」タブが選択された場合、
図12に示す履歴画面を表示するためのフィードバックページがサーバ1から従業員端末2へ送信される。具体的には、サーバ1の制御部11は、「振り返り」タブが選択されたことを示す情報を従業員端末2から受信した場合、当該従業員の過去のサーベイの実施日、ウェルビーイングスコア及び各カテゴリのスコアを従業員DB144から読み出す。そして制御部11は、各スコアに対応するマークを割り当て、実施日と、各実施日のウェルビーイングスコア及び各カテゴリのスコアに割り当てたマークとを一覧表示することにより、
図12に示す履歴画面を表示するためのフィードバックページを生成して従業員端末2へ送信する。これにより、従業員端末2は、受信したフィードバックページに基づいて、
図12に示すような履歴画面を表示し、過去のサーベイ結果のスコアを一覧で表示することができる。なお、従業員DB144が、サーベイ結果に対応付けて例えば従業員が入力したコメントを記憶する構成の場合、制御部11は、サーベイ結果に対応するコメントを従業員DB144から読み出し、
図12に示すようにコメントも表示される履歴画面を表示するためのフィードバックページを生成してもよい。
【0045】
図示は省略するが、
図11に示す画面において「性格分析」タブが選択された場合、当該従業員の性格検査結果画面を表示するためのフィードバックページがサーバ1から従業員端末2へ送信される。ここでは、サーバ1の制御部11は、当該従業員の性格検査結果を従業員DB144から読み出し、読み出した性格検査結果を表示するためのフィードバックページを生成して従業員端末2へ送信する。なお、性格検査結果画面は、性格検査に対する回答に基づいて判定された従業員の性格特性(例えば問題解決志向が高い又は低い等)を表示する。これにより、従業員端末2は、従業員の性格検査結果を表示することができ、従業員は、自身の性格検査結果を確認することができる。なお、性格検査結果画面は、性格検査結果をダウンロードするためのURLが表示される構成でもよい。
【0046】
また図示は省略するが、
図11に示す画面において「アンケート一覧」タブが選択された場合、サーベイ(アンケート)の実施履歴画面を表示するためのフィードバックページがサーバ1から従業員端末2へ送信される。ここでは、サーバ1の制御部11は、当該従業員の実施済みのサーベイ及び未実施のサーベイに関する情報を表示するためのフィードバックページを生成して従業員端末2へ送信する。なお、サーベイの実施履歴画面は、各サーベイについて実施案内が従業員に通知された日付、サーベイの実施の有無、実施済みの場合は実施日を一覧表示する。これにより、従業員端末2は、従業員によるサーベイの実施状況を表示することができ、従業員は、各サーベイが実施済みであるか未実施であるかを把握できる。また、サーベイの実施履歴画面は、未実施のサーベイについて実施開始を指示できるように構成されており、実施し忘れているサーベイがある場合に任意のタイミングでの実施が可能となる。
【0047】
上述した処理により、従業員は、定期的にサーベイを実施することによってサーベイ結果に応じたアドバイスを受けることができる。サーバ1は、共通質問に対する回答内容に基づいて算出した各カテゴリのスコアの時間的変化(上昇又は低下)に応じて深堀質問を選択し、深堀質問の回答及び性格検査結果に応じたアドバイスを提供する。従って、従業員のサーベイ結果の時間的変化に応じたアドバイスを提供することができると共に、従業員の性格特性を考慮したアドバイスの提供が可能となる。よって、従業員は、サーベイによる分析結果(
図11中のアドバイザーコメント)に基づいて自身のストレス状態、メンタルヘルス状態及びその変化を定期的に把握することができる。また従業員は、提示されたアドバイス(
図11中のおすすめのアクション)を参考に仕事のやり方、職場での行動、同僚との関係等を改善することにより、仕事及び職場から受けるストレスの軽減、働きやすい環境作り等が可能となり、うつ病等の精神疾患の発症を抑制できると共に、離職率を抑制することが期待される。このように従業員は、サーベイ結果及びアドバイスから自身の行動等を改善することにより、自身の状態をセルフマネジメントすることが可能となる。本実施形態の情報処理システムでは、このような従業員のセルフマネジメントをサポートすることにより、従業員の目標を従業員自身で達成できる自律自走人材の育成を支援することが可能となる。
【0048】
サーバ1は、上述したように各従業員が実施したサーベイの結果を従業員DB144に蓄積する。またサーバ1は、各従業員の上司に対して、各従業員(部下)のサーベイ結果をフィードバックする処理を行う。具体的には、サーバ1は、例えば部署毎に各従業員のサーベイ結果を集計し、各部署の上司に、各部署の従業員(メンバ)のサーベイ結果をフィードバックする。
図13及び
図14は、上司用フィードバックページの生成処理手順の一例を示すフローチャート、
図15~
図17は上司へのフィードバック画面例を示す説明図である。
図13では左側に上司が使用する従業員端末2が行う処理を、右側にサーバ1が行う処理をそれぞれ示す。
図14に示す部署一覧ページ生成処理は、
図13中のステップS42の処理である。
【0049】
以下の処理において、部下がいる従業員(上司)は、部下の状態を把握したいタイミングで、所定のURLに基づいてサーバ1(サーベイサイトS)にアクセスし、上司用ページを要求する。サーバ1は、従業員端末2からアクセスされた場合に、以下の処理を実行する。本実施形態の情報処理システムにおいて、サーバ1の制御部11は、従業員端末2から上司用ページを要求されたか否かを判断しており(S41)、要求されていないと判断した場合(S41:NO)、要求されるまで待機する。制御部11は、上司用ページを要求されたと判断した場合、部署一覧ページを生成する(S42)。
【0050】
図14に示す部署一覧ページ生成処理において、制御部11は、1つの部署について、当該部署に所属する従業員(メンバ)のサーベイ結果を従業員DB144から読み出す(S61)。具体的には制御部11は、各メンバについて、最新日時のサーベイ結果から各カテゴリのスコア及びウェルビーイングスコアを読み出す。なお、最新日時のサーベイを実施していないメンバについてはスコアの読み出しを行わない。制御部11は、読み出した各カテゴリのスコア及びウェルビーイングスコアの平均値(平均スコア)をそれぞれ算出し(S62)、例えば主記憶部12に部署名に対応付けて記憶する。なお、サーバ1が、各サーベイについて、各部署に対応して算出した平均スコアを蓄積するDBを有する場合、このDBに、算出した各カテゴリ及びウェルビーイングスコアの平均スコアを記憶してもよい。
【0051】
制御部11は、平均スコアの算出処理を実行していない部署(未処理の部署)があるか否かを判断し(S63)、未処理の部署があると判断した場合(S63:YES)、ステップS61の処理に戻り、未処理の1つの部署について、ステップS61~S62の処理を実行する。具体的には、制御部11は、当該部署に所属するメンバのサーベイ結果を従業員DB144から読み出し(S61)、読み出した各カテゴリのスコア及びウェルビーイングスコアの平均値を算出する(S62)。制御部11は、未処理の部署がないと判断するまでステップS61~S62の処理を繰り返し、全ての部署について、各部署のメンバのサーベイ結果に基づいて、各カテゴリ及びウェルビーイングスコアの平均スコアを算出して記憶する。
【0052】
未処理の部署がないと判断した場合(S63:NO)、制御部11は、記憶した各部署におけるウェルビーイングスコアの平均スコアを読み出す(S64)。そして制御部11は、各部署のウェルビーイングスコアの平均スコアに対して、数値に対応するマークを割り当てる(S65)。ここでは制御部11は、5点未満のスコアに対して雨のマークを、5点以上7点未満のスコアに対して曇りのマークを、7点以上8点未満のスコアに晴れのち曇りのマークを、8点以上のスコアに対して晴れのマークをそれぞれ割り当てる。そして、制御部11は、各部署に対してウェルビーイングスコアの平均スコアを示す数字及びマークを所定位置に配置することにより、
図15に示すような部署一覧ページを生成する(S66)。
【0053】
図13に示す処理に戻り、制御部11は、生成した部署一覧ページを従業員端末2へ送信する(S43)。従業員端末2の制御部21は、サーバ1から部署一覧ページを受信した場合、受信した部署一覧ページに基づいて、
図15に示すような部署一覧画面を表示部24に表示する(S44)。部署一覧画面は、各部署のウェルビーイングスコアの平均スコアを表示しており、各部署の表示欄は選択可能に構成されている。上司は、サーベイ結果を閲覧したい部署の表示欄を入力部25を介して選択する。なお、各上司は、自身の部下、又は、自身が所属している部署のメンバのサーベイ結果に対して閲覧権を有しており、部署一覧画面は、当該上司が閲覧可能な部署のみを選択できるように構成されている。
【0054】
従業員端末2の制御部21は、部署一覧画面において、いずれかの部署に対する選択を受け付けたか否かを判断しており(S45)、選択を受け付けていないと判断した場合(S45:NO)、選択を受け付けるまで部署一覧画面の表示を継続する。いずれかの部署に対する選択を受け付けたと判断した場合(S45:YES)、制御部21は、選択された部署の情報(例えば部署名、部署ID)をサーバ1へ送信する(S46)。
【0055】
サーバ1の制御部11は、いずれかの部署の情報を受信した場合、受信した部署について、所属しているメンバの情報を表示する部署ページを生成し(S47)、生成した部署ページを従業員端末2へ送信する(S48)。従業員端末2の制御部21は、サーバ1から部署ページを受信した場合、受信した部署ページに基づいて、
図16に示すような部署画面を表示部24に表示する(S49)。部署画面は、部署一覧画面を介して選択された部署の平均スコアを表示する部署領域R1と、当該部署のメンバの情報を表示するメンバ領域R2とを有する。部署領域R1には、当該部署のメンバのウェルビーイングスコア及び各カテゴリのスコアの平均スコアが数値及びマークで表示される。メンバ領域R2は、「最優先対応メンバ」タブ、「優先対応メンバ」タブ、「全メンバ」タブを有しており、タブの選択が切り替えられることにより、選択されたタブに応じて、最優先対応メンバに選択されたメンバ、優先対応メンバに選択されたメンバ、又は全メンバの情報が表示されるように構成されている。メンバ領域R2には、選択されたタブに応じたメンバの氏名及びウェルビーイングスコアが一覧で表示される。なお、最優先対応メンバは、当該部署のメンバのうちでウェルビーイングスコアが低い所定人数(
図16では10人)のメンバであり、優先対応メンバは、最優先対応メンバの次にウェルビーイングスコアが低い所定人数(
図16では10人)のメンバである。最優先対応メンバは例えばウェルビーイングスコアが第1閾値(例えば3点)未満のメンバであってもよく、優先対応メンバは例えばウェルビーイングスコアが第1閾値以上第2閾値(例えば5点)未満のメンバであってもよい。更に、
図16に示す画面は、当該部署におけるウェルビーイングスコアの平均スコアの時系列変化を示すグラフ(ヘルスライン)を表示している。
【0056】
図16に示す構成の部署ページを生成する場合、サーバ1の制御部11は、ステップS62で算出した当該部署における各カテゴリのスコア及びウェルビーイングスコアの平均スコアを読み出し、各平均スコアに対応するマークを割り当てる。また制御部11は、当該部署に所属するメンバのサーベイ結果を従業員DB144から読み出し、ウェルビーイングスコアが低いメンバを所定人数(例えば10人)最優先対応メンバに選択し、選択した最優先対応メンバの氏名及びウェルビーイングスコアを抽出する。また制御部11は、例えば過去8回分の当該部署におけるウェルビーイングスコアの平均スコアを読み出し、時系列にプロットしたグラフ(ヘルスライン)を生成する。そして、制御部11は、当該部署におけるウェルビーイングスコア及び各カテゴリのスコアの平均スコアの数字及びマークを部署領域R1に配置し、最優先対応メンバの氏名及びウェルビーイングスコアをメンバ領域R2に配置し、ヘルスラインを所定位置に配置することにより、
図16に示す構成の部署ページを生成する。
【0057】
図16に示す画面において「優先対応メンバ」タブが選択された場合、サーバ1の制御部11は、「優先対応メンバ」タブが選択されたことを示す情報を従業員端末2から受信する。この場合、制御部11は、当該部署に所属するメンバから、最優先対応メンバの次にウェルビーイングスコアが低いメンバを所定人数(例えば10人)優先対応メンバに選択し、選択したメンバの氏名及びウェルビーイングスコアを抽出する。制御部11は、選択した優先対応メンバの氏名及びウェルビーイングスコアを表示するための表示情報を従業員端末2へ送信する。従業員端末2は、サーバ1から受信した表示情報に基づいて、優先対応メンバの情報をメンバ領域R2に表示することにより、優先対応メンバの情報を一覧表示する。
図16に示す画面において「全メンバ」タブが選択された場合、サーバ1の制御部11は、「全メンバ」タブが選択されたことを示す情報を従業員端末2から受信する。この場合、制御部11は、当該部署に所属する全てのメンバの氏名及びウェルビーイングスコアを抽出し、全てのメンバの氏名及びウェルビーイングスコアを表示するための表示情報を従業員端末2へ送信する。従業員端末2は、サーバ1から受信した表示情報に基づいて、全てのメンバの情報をメンバ領域R2に表示することにより、全メンバの情報を一覧表示する。
【0058】
図16に示す画面のメンバ領域R2において、各メンバの表示欄は選択可能に構成されており、上司は、サーベイ結果の詳細を閲覧したいメンバの表示欄を入力部25を介して選択する。従業員端末2の制御部21は、部署画面のメンバ領域R2において、いずれかのメンバに対する選択を受け付けたか否かを判断しており(S50)、選択を受け付けていないと判断した場合(S50:NO)、選択を受け付けるまで部署画面の表示を継続する。いずれかのメンバに対する選択を受け付けたと判断した場合(S50:YES)、制御部21は、選択されたメンバの情報(例えば従業員ID、氏名)をサーバ1へ送信する(S51)。
【0059】
サーバ1の制御部11は、いずれかのメンバの情報を受信した場合、受信したメンバの情報を表示するためのメンバページを生成し(S52)、生成したメンバページを従業員端末2へ送信する(S53)。従業員端末2の制御部21は、サーバ1からメンバページを受信した場合、受信したメンバページに基づいて、
図17に示すようなメンバ画面を表示部24に表示する(S54)。
図17はメンバ画面例を示しており、
図17に示す画面は、
図11に示すフィードバック画面と同様の構成を有する。メンバ画面は、表示されるメンバの状態を上司にフィードバックするための画面であるので、
図11のフィードバック画面におけるアドバイザーコメント及びおすすめのアクションの代わりに、上司に提示する当該メンバの分析結果と、上司が行うべき対応内容(何の打ち手をするべきか)とを表示する。なお、メンバ画面に表示される分析結果は、
図11のフィードバック画面に表示されるアドバイザーコメント(分析コメント)と同じ内容であってもよく、上司用に変更された内容であってもよい。
【0060】
制御部11は、従業員端末2からメンバの情報を受信した場合、当該メンバのサーベイ結果を従業員DB144から読み出し、読み出したサーベイ結果に基づいて、ウェルビーイングスコア及び各カテゴリのスコアに対応するマークを割り当てる。また制御部11は、読み出したコメントIDに対応する分析コメントを分析コメントDB142から読み出し、読み出したアドバイスIDに対応する上司用アドバイスをアドバイスDB143から読み出す。また制御部11は、当該メンバのウェルビーイングスコアについては、例えば過去8回分のウェルビーイングスコアを従業員DB144から読み出し、時系列にプロットしたヘルスラインを生成する。そして、制御部11は、サーベイの実施日時、ウェルビーイングスコア及び各カテゴリのスコアの数字及びマーク、上司用アドバイス(何の打ち手をするべきか)、分析コメント(当該メンバの分析結果)、ヘルスラインを所定位置に配置することにより、
図17に示す構成のメンバページを生成する。
図17に示すメンバ画面においても、「最新」タブ、「振り返り」タブ、「性格分析」タブが設けられており、タブの選択が切り替えられることにより、選択されたタブに応じた画面が表示される。
【0061】
上述した処理により、上司は、定期的に従業員が実施するサーベイの結果に応じて従業員の状態を把握することができ、サーベイ結果に応じたアドバイスを受けることができる。よって、上司は、部下のストレス状態、メンタルヘルス状態及びその変化を定期的に把握することができる。また上司は、提示されたアドバイスを参考にして対応することにより、部下が自身で行うセルフマネジメントを支援することができる。よって、部下が仕事及び職場から受けるストレスの軽減、働きやすい環境作り等が可能となり、うつ病等の精神疾患の発症を抑制できると共に、離職率を抑制することが期待される。
【0062】
本実施形態では、上司は、
図16に示すような部署画面によって、自身の部署のメンバの平均スコアを把握できると共に、ウェルビーイングスコアが低い最優先対応メンバ及び優先対応メンバを把握できる。よって、上司は、ウェルビーイングスコアが低いメンバを容易に把握できるので、支援が必要である可能性が高いメンバに対する対応を優先的に行うことが可能となる。よって、従業員自身が上司に支援を求めることが難しい場合であっても、適切な支援を受けることが可能となる。
【0063】
本実施形態の情報処理システムでは、従業員が定期的に実施するサーベイの結果に基づいて、まず従業員自身が自身の状態を把握すると共に、自身の状態を改善するような行動を行うことによって、自分自身で不調を克服するセルフマネジメントを実現することが可能となる。また、各従業員の上司にも部下の状態がフィードバックされると共に、上司が取るべき対応、部下のマネジメント方法に関するアドバイスが提供される。よって、上司は、アドバイスに従って行動することにより、部下が自身で実現しようとしているセルフマネジメントをサポートすることが可能となり、部下のセルフマネジメントの実現可能性が高くなる。
【0064】
本実施形態の情報処理システムにおいて、サーバ1は、従業員DB144に蓄積した各従業員のサーベイ結果に基づいて、会社全体としてのサーベイ結果を、会社の経営者に対してフィードバックする処理を行う。具体的には、サーバ1は、全ての従業員のサーベイ結果を集計し、会社全体としてのサーベイ結果(平均スコア)を表示するフィードバックページ(会社全体ページ)を生成して経営者等に提供する。
図18は、経営者へのフィードバックページの生成処理手順の一例を示すフローチャート、
図19は経営者へのフィードバック画面例を示す説明図である。
図18に示す処理は、
図14に示す処理において、ステップS64の代わりにステップS71~S72を追加し、ステップS66の代わりにステップS73を追加したものである。
図14と同じステップについては説明を省略する。
【0065】
サーバ1の制御部11は、例えばサーベイの実施予定期間が終了し、各従業員がサーベイを実施した後の適宜タイミングで以下の処理を行う。具体的には、制御部11は、
図14中のステップS61~S63と同様の処理を実行する。これにより、サーバ1は、全ての部署について、各部署のメンバのサーベイ結果に基づいて、各カテゴリ及びウェルビーイングスコアの平均スコアを算出して記憶する。制御部11は、未処理の部署がないと判断した場合(S63:NO)、全社員のサーベイ結果に基づいて、全社員の各カテゴリ及びウェルビーイングスコアの平均スコア(平均値)を算出する(S71)。そして、制御部11は、全社員の各カテゴリ及びウェルビーイングスコアの平均スコアに対して、数値に対応するマークを割り当てる(S72)。同様に制御部11は、ステップS62で算出した各部署におけるウェルビーイングスコアの平均スコアに対して、数値に対応するマークを割り当てる(S65)。
【0066】
そして、制御部11は、全社員の平均スコアを表示する会社全体ページを生成する(S73)。
図19は会社全体ページに基づいて表示される会社全体画面の例を示しており、
図19に示す画面は、
図16に示す部署画面と、
図15に示す部署一覧画面と同等の構成を有する。具体的には、会社全体画面は、全社員の平均スコアを表示する全社員領域R3と、会社全体における最優先対応メンバ又は優先対応メンバ等の情報を表示するメンバ領域R4とを有する。全社員領域R3には、全社員の各カテゴリ及びウェルビーイングスコアの平均スコアが数字及びマークで表示される。メンバ領域R4は、「最優先対応メンバ」タブ、「優先対応メンバ」タブ、「全メンバ」タブを有しており、
図19は、どのタブも選択されていないことにより、メンバの情報が表示されていない状態を示している。また
図19に示す画面は、例えば過去8回分の全社員におけるウェルビーイングスコアの平均スコアを時系列にプロットしたグラフ(ヘルスライン)を表示している。更に
図19に示す画面は、
図15に示す部署一覧画面と同様に、各部署におけるウェルビーイングスコアの平均スコアを数字及びマークで表示している。
【0067】
図19に示す構成の会社全体ページを生成する場合、制御部11は、全社員における各カテゴリ及びウェルビーイングスコアの平均スコアを全社員領域R3に配置し、メンバ領域R4、ヘルスライン、及び各部署のウェルビーイングスコアの平均スコアを所定位置に配置することにより、
図19に示す構成の会社全体ページを生成する。制御部11は、生成した会社全体ページを経営者の端末(例えば経営者が使用する従業員端末2)へ送信し、経営者の端末は、サーバ1から受信した会社全体ページに基づいて、
図19に示すような会社全体画面を表示する。これにより、サーバ1は、会社の経営者に対して、会社全体として全社員の平均スコアと、各部署のメンバの平均スコアとを表示したフィードバック画面を提供することができる。
【0068】
図19に示す画面において、メンバ領域R4の「最優先対応メンバ」タブが選択された場合、サーバ1は、全社員の中からウェルビーイングスコアが低い所定人数のメンバを最優先対応メンバに選択し、選択した最優先対応メンバの情報を経営者の端末へ送信する。これにより、
図16に示す画面と同様に、経営者の端末に表示中の会社全体画面のメンバ領域R4に、最優先対応メンバの情報が表示される。また、メンバ領域R4の「優先対応メンバ」タブが選択された場合、サーバ1は、全社員の中から、最優先対応メンバの次にウェルビーイングスコアが低い所定人数のメンバを優先対応メンバに選択し、選択した優先対応メンバの情報を経営者の端末へ送信する。これにより、経営者の端末に表示中の会社全体画面のメンバ領域R4に、優先対応メンバの情報が表示される。
【0069】
また、
図19に示す画面に表示された部署一覧において、各部署の表示欄は選択可能に構成されている。経営者は、サーベイ結果を閲覧したい部署の表示欄を選択する。
図19に示す画面中の部署一覧において、いずれかの部署の表示欄が選択された場合、サーバ1は、選択された部署に所属しているメンバの情報を表示する部署ページを生成して経営者の端末へ送信する。これにより、経営者の端末に、
図16に示すような部署画面が表示され、経営者は、各部署のメンバの状況を把握できる。
【0070】
上述した処理により、サーバ1は、経営者に対して、全社員の平均スコアをフィードバックすることができ、経営者からの指示に応じて各部署の平均スコア及び各従業員のスコアをフィードバックすることができる。これにより、経営者は、会社全体としてのウェルビーイングスコア(全社員の平均スコア)を把握できると共に、ウェルビーイングスコアが低い部署を容易に把握できる。また、
図19に示す画面において、最優先対応メンバ及び優先対応メンバの表示が可能であるので、経営者は、支援が必要である可能性が高いメンバを容易に把握でき、優先的に対応することが可能となる。
【0071】
本実施形態において、サーベイDB141、分析コメントDB142、アドバイスDB143は、部署毎、役職毎、勤続年数毎に設けられていてもよい。この場合、部署、役職、勤続年数に応じた分析及びアドバイスの提供を行うことが可能となる。
【0072】
(実施形態2)
実施形態1の情報処理システムでは、サーベイの回答内容及び性格検査結果に応じたアドバイス(本人用アドバイス及び上司用アドバイス)をアドバイスDB143の記憶内容に基づいて生成していた。本実施形態では、サーベイの回答内容及び性格検査結果に応じたアドバイスを、機械学習によって学習させた学習モデルを用いて生成する情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システムは、実施形態1の情報処理システムと同様の装置によって実現可能であるので、各装置の構成についての説明は省略する。また、本実施形態の情報処理システムにおいて、各装置が行う処理は、従業員によるサーベイの回答内容及び性格検査結果からアドバイスを生成する際に学習モデルを用いる構成のほかは、実施形態1と同様であるので説明を省略する。
【0073】
本実施形態のサーバ1は、
図2に示す実施形態1の構成に加えて、補助記憶部14に、サーベイの回答内容及び性格検査結果に基づいて、従業員又はその上司に提供すべきアドバイスに関する情報を出力する学習モデルを記憶している。学習モデルは、人工知能ソフトウェアの一部として機能するプログラムモジュールとしての利用が想定される。なお、本実施形態のアドバイスDB143では、アドバイスIDに本人用アドバイス及び上司用アドバイスが対応付けて記憶されている。
【0074】
図20は、学習モデルの構成例を示す説明図である。本実施形態の学習モデルは、例えば、CNN(Convolution Neural Network)、RNN(Recurrent Neural Network)、LSTM(Long Short-Term Memory)等のアルゴリズムを用いて、サーベイの回答内容及び性格検査結果が入力された場合に、入力されたデータに応じたアドバイスを示す情報を出力するように学習した学習モデルである。なお、学習モデルは、複数のアルゴリズムを組み合わせて構成されていてもよい。
図20に示す学習モデルは、サーベイの回答内容及び性格検査結果を入力とし、入力されたデータに基づいて、予め用意されたアドバイスのうちで、従業員及び上司に提供すべきアドバイスを判別する演算を行い、演算した結果を出力するように学習した学習済みモデルである。学習モデルに入力されるサーベイの回答内容は、深堀質問に対する回答内容だけでもよく、深堀質問及び共通質問に対する回答内容であってもよい。共通質問に対する回答内容は、例えば回答内容から算出された各カテゴリのスコアであってもよく、深堀質問の回答内容は、例えば深堀質問の質問ID及びその回答内容(回答番号)であってもよい。
図20に示す学習モデルは、複数の出力ノードを有しており、それぞれの出力ノードは、予めアドバイスDB143に登録してある各アドバイス(本人用アドバイス及び上司用アドバイス)のアドバイスIDに対する判別確率を出力する。例えば出力ノード0は、アドバイスIDがA001のアドバイスに対する判別確率を出力し、出力ノード1は、アドバイスIDがA002のアドバイスに対する判別確率を出力する。それぞれの出力ノードが出力する判別確率は、それぞれの出力ノードに対応付けられたアドバイスが、入力ノードから入力されたサーベイの回答内容及び性格検査結果の従業員に提供すべきアドバイスである可能性(確率)を示す。それぞれの出力ノードが出力する判別確率(出力値)は、例えば0~1の値であり、全ての出力ノードから出力される判別確率の合計が1.0となる。
【0075】
このような学習モデルを用いることにより、サーバ1の制御部11は、従業員が実施したサーベイの回答内容及び性格検査結果に基づいて、当該従業員及びその上司に提供すべきアドバイス(アドバイスID)を特定することができる。具体的には、制御部11は、
図8中のステップS27において、ステップS26で従業員端末2から取得して従業員DB144に記憶した深堀質問結果(深堀質問に対する回答)をサーベイの回答内容として学習モデルに入力すると共に、従業員DB144から読み出した性格検査結果を学習モデルに入力し、学習モデルからの出力情報に基づいて、当該従業員及び上司に提案すべきアドバイスを特定できる。例えば制御部11は、学習モデルの各出力ノードからの出力値のうちで、最大の出力値(判別確率)を出力した出力ノードを特定し、特定した出力ノードに対応付けられているアドバイスIDを、当該従業員及びその上司に提供すべきアドバイス(アドバイスID)に特定する。
【0076】
なお、学習モデルに入力されるサーベイの回答内容は、深堀質問に対する回答内容に加えて、共通質問に対する回答内容を含んでもよい。この場合、制御部11は、ステップS26で従業員DB144に記憶した深堀質問結果と、ステップS16で算出した各カテゴリのスコアとをサーベイの回答内容として学習モデルに入力すると共に、性格検査結果を学習モデルに入力し、学習モデルからの出力情報に基づいて、当該従業員及び上司に提案すべきアドバイスを特定する。また、学習モデルは、1回のサーベイの回答内容が入力される構成に限定されず、例えば前回のサーベイの回答内容と今回のサーベイの回答内容とが入力される構成とすることもでき、3回以上のサーベイの回答内容が入力される構成とすることもできる。
【0077】
図20に示す学習モデルは、訓練用のサーベイの回答内容及び性格検査結果と、このサーベイの回答内容及び性格検査結果の従業員及びその上司に提供して効果が得られたアドバイスを示す情報(正解ラベル)とを含む訓練データを用いて、未学習の学習モデルを機械学習させることにより生成される。学習モデルは、訓練用のサーベイの回答内容及び性格検査結果が入力された場合に、正解ラベルが示すアドバイスに対応する出力ノードからの出力値が1.0に近づき、他の出力ノードからの出力値が0.0に近づくように学習する。学習処理において学習モデルは、入力されたサーベイの回答内容及び性格検査結果に基づく演算を行い、各出力ノードからの出力値を算出する。そして学習モデルは、算出した各出力ノードの出力値と正解ラベルに応じた値(0又は1)とを比較し、各出力値がそれぞれの正解ラベルに応じた値に近似するように、演算処理に用いるパラメータを最適化する。当該パラメータは、学習モデルにおけるニューロン間の重み等である。パラメータの最適化の方法は特に限定されないが、誤差逆伝播法、最急降下法等を用いることができる。これにより、従業員が実施したサーベイの回答内容及び性格検査結果が入力された場合に、当該従業員及びその上司に提供すべきアドバイス(アドバイスID)を判別するように学習された学習モデルが得られる。
【0078】
学習モデルの学習は他の学習装置で行われる。他の学習装置で学習が行われて生成された学習済みの学習モデルは、例えばネットワークN経由又は記録媒体1a経由で学習装置からサーバ1にダウンロードされて補助記憶部14に記憶される。
【0079】
本実施形態では、1人の従業員のサーベイの回答内容及び性格検査結果から導出される本人用アドバイスと上司用アドバイスとは関連があるため、アドバイスDB143においてアドバイスIDに対応付けて本人用アドバイス及び上司用アドバイスがセットで登録されている。従って、
図20に示す学習モデルを用いてアドバイスIDを特定することにより、当該従業員及びその上司に提供すべき本人用アドバイス及び上司用アドバイスを特定することができる。しかし、学習モデルは
図20の構成に限定されない。例えば、本人用アドバイスと上司用アドバイスとが別々のDBに登録されていてもよく、この場合、本人用アドバイスを特定するための第1学習モデルと、上司用アドバイスを特定するための第2学習モデルとが設けられてもよい。第1学習モデルは例えば、サーベイの回答内容及び性格検査結果を入力とし、入力されたデータに基づいて、予め用意された本人用アドバイスのうちで、従業員自身に提供すべきアドバイスを判別する演算を行い、演算した結果を出力するように学習した学習済みモデルとすることができる。また、第2学習モデルは例えば、サーベイの回答内容及び性格検査結果を入力とし、入力されたデータに基づいて、予め用意された上司用アドバイスのうちで、従業員の上司に提供すべきアドバイスを判別する演算を行い、演算した結果を出力するように学習した学習済みモデルとすることができる。このように別々の学習モデルを用いて本人用アドバイス及び上司用アドバイスを特定する構成とした場合であっても、従業員及びその上司に適切なアドバイスの提供が可能となる。
【0080】
また、学習モデルは、例えばTransformer、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)、GPT(Generative Pre-Training)等のアルゴリズムを用いて構成されてもよく、これらを含む複数のアルゴリズムを組み合わせて構成されてもよい。この場合、サーベイの回答内容及び性格検査結果が入力された場合に、従業員又はその上司に提供すべきアドバイスの文章を出力する学習モデルを生成することができる。このような学習モデルを用いる場合、サーバ1の制御部11は、
図8中のステップS27において、ステップS26で従業員端末2から取得した深堀質問結果(深堀質問に対する回答)をサーベイの回答内容として学習モデルに入力すると共に、従業員DB144から読み出した性格検査結果を学習モデルに入力し、学習モデルから、当該従業員又はその上司に提供すべきアドバイスを取得することができる。この場合、制御部11は、ステップS28において、学習モデルを用いて生成されたアドバイスをサーベイ結果の情報として従業員DB144に記憶しておく。
【0081】
このようにアドバイスの文章を出力する学習モデルは、例えば汎用的な自然言語処理を実行するためのパラメータとして事前学習された学習モデルに対して、訓練用の入力データ(サーベイの回答内容及び性格検査結果)と、従業員又は上司に提供すべきアドバイスに用いるべき単語又は文章(正解ラベル)とを含む訓練データを用いてファインチューニング(転移学習)することにより生成される。ファインチューニングにおいて学習モデルは、訓練用の入力データが入力された場合、入力データに基づく演算を行い、各単語又は各文章に対して0~1の出力値を算出する。そして学習モデルは、算出した各単語又は各文章に対する出力値と、正解ラベルに応じた値(正解の場合は1、正解でない場合は0)とを比較し、両者が近似するように、演算処理に用いるパラメータを最適化する。これにより、従業員によるサーベイの回答内容及び性格検査結果が入力された場合に、当該従業員又は上司に提供すべきアドバイスの文章を出力する学習モデルが得られる。アドバイスの文章を生成する学習モデルは、本人用アドバイスを生成するための学習モデルと、上司用アドバイスを生成するための学習モデルとが設けられる。このような学習モデルを用いる場合、従業員によるサーベイの回答内容及び性格検査結果から、従業員自身に提供すべきアドバイスと、従業員の上司に提供すべきアドバイスとを適切に生成することができる。なお、アドバイスの文章を生成する学習モデルにおいても、1回のサーベイの回答内容が入力される構成に限定されず、複数回のサーベイの回答内容が入力される構成とすることができる。
【0082】
本実施形態では、上述した実施形態1と同様の効果が得られる。また本実施形態では、従業員が実施したサーベイの回答内容及び性格検査結果に対応して従業員及びその上司に提供すべきアドバイスを、学習モデルを用いて特定することができる。よって、学習モデルを適切に学習させることによって、従業員及びその上司に提供すべき適切なアドバイスの特定が可能となり、従業員による適切なセルフマネジメント、及び、上司による適切なサポートが可能となる。本実施形態においても、上述した実施形態1で適宜説明した変形例の適用が可能である。
【0083】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0084】
1 サーバ(情報処理装置)
11 制御部
12 主記憶部
13 通信部
14 補助記憶部
2 従業員端末
21 制御部
22 主記憶部
23 通信部
24 表示部
25 入力部
26 補助記憶部
【要約】
【課題】サーベイに対する回答に応じて適切なアドバイスを提示することが可能な情報処理方法等を提供する。
【解決手段】コンピュータは、性格検査に対する従業員の検査結果を取得する。また、コンピュータは、職場に関するサーベイに対する前記従業員の回答を取得する。そして、コンピュータは、取得した性格検査の検査結果及びサーベイに対する回答に基づいて、前記従業員に対するアドバイスを生成する。
【選択図】
図2