(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】いびき防止枕
(51)【国際特許分類】
A47G 9/10 20060101AFI20230220BHJP
【FI】
A47G9/10 V
(21)【出願番号】P 2022513250
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(86)【国際出願番号】 KR2020012878
(87)【国際公開番号】W WO2021101057
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】10-2019-0149352
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522073685
【氏名又は名称】ペク、ヨン ジン
【氏名又は名称原語表記】BAEK,Youngjin
【住所又は居所原語表記】101-1904,360,Banyawol-ro Dong-gu Daegu 41084,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ペク、ヨン ジン
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3191987(JP,U)
【文献】登録実用新案第3218424(JP,U)
【文献】特開2003-102608(JP,A)
【文献】実開昭52-140906(JP,U)
【文献】実開昭52-124811(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 9/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枕胴体(10)の上下面の中央から
縦方向の略全長にわたって上方及び下方に最も厚くなるように突出形成されて睡眠者の頭と首が左右のいずれか一方向に側回転するようにする中央突出部(101);
前記枕胴体(10)の上下面
の首側の辺部近傍において、前記中央突出部の左右両側に上方及び下方に突出形成されて首の伸展がなされるようにする首支え部(102);
前記中央突出部(101)の両側に形成されるものの、枕胴体(10)の厚さより薄い溝の形態からなる頭支え部(103);を含み、
前記中央突出部(101)の両側の第1傾斜部(101a)は溝の形態からなる頭支え部(103)の内面と繋がるように形成され、
前記首支え部(102)の上部には第2傾斜部(102b)が形成されて溝の形態からなる頭支え部(103)の内面と繋がるように形成されるものの、
前記中央突出部(101)と首支え部(102)は互いに連結されるように形成されて頭支え部(103)で頭が安置されるように誘導し、
前記頭支え部(103)の中央は内向きに傾斜勾配となるように形成されるものの、上下方向に貫通する中空部(103a)がさらに備えられて頭支え部(103)で安置されるように誘導される頭と首の側回転と伸展が同時になされるようにし、
前記枕胴体(10)の内部は緩衝力を有するクッション材で形成されるものの、
クッション材の中心部にはクッション材より硬い素材からなる芯材(104)が形成され、
前記芯材(104)は、
丸棒の形態で中央突出部101の内部
で上下面の間の略中央位置に縦方向に形成されて、中央突出部(101)の過度な陥没を抑制し構造的な強度を維持して睡眠者の頭と首が左右のいずれか一方向に円滑に回転されるようにする第1芯材(104a);
前記第1芯材(104a)の両側で
上下面の間の略中央位置に均一な所定厚さの板状で頭支え部(103)の内部に形成されて、頭支え部(103)の過度な陥没を抑制し構造的な強度を維持して睡眠者の頭が安定的に支持されるようにしながら、頭の荷重が頭支え部(103)内で均一に分散されるようにする第2芯材(104b);を含むことを特徴とする、いびき防止枕。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はいびき防止枕に関し、さらに詳細には睡眠者が睡眠のために枕をして横になる時、睡眠者の頭と首が左右のいずれか一方向に回転するとともに、頭と首が側上方に反り返られるようにすることによって、頚椎および環椎後頭関節の湾曲姿勢の誘導および支持を通じて睡眠中に呼吸の循環が円満に維持されるようにして、睡眠者のいびきと無呼吸および睡眠中に口が開けられることを防止できるようにしたいびき防止枕に関する。
【背景技術】
【0002】
いびきは、睡眠中に呼吸の気流が多様な原因で狭くなった気道を通りながら、弛緩した軟口蓋(口蓋で比較的軟らかい後方の部分)と口蓋垂(喉彦、口腔軟口蓋の中央の下に垂れた形であって懸壅垂ともいう)等の周囲構造物に振動を起こして発生する呼吸雑音のことである。
【0003】
すなわち、いびきは私たちが息をする間空気が気道に入る前に通過することになる咽喉部が狭くなって、空気が容易に出入りできない時に発生するものであり、私たちが息をする時は空気が口、喉彦、扁桃、舌などのように柔軟な構造物を通ることになるが、睡眠中には周囲の筋肉が弛緩して垂れるため部分的に咽喉部が狭くなり、そのように狭くなった咽喉部を空気が通過する時に周辺の軟らかい部分の隙間を振動させていびきをかく音がするのである。
【0004】
一方、非常に激しい形態のいびき患者の中には、睡眠中筋肉の弛緩が激しいかあるいは深刻な肥満症または他の原因によって呼吸のための空気の通路である咽喉部が一時的に完全に詰まり得、この時、空気が肺に供給できなくなるが、これを「睡眠無呼吸症」という。
【0005】
一方、いびき音は物理学的に500Hz程度の周波数特性がある雑音であり、たびたびその強度が80~90dBに達したりもするが、これは韓国産業安全保健基準による一般会社員の作業現場騒音露出水準である40~60dBを超過するものであり、騒音の露出が80dB以上持続する作業場では防音保護具を必須的に着用するように規定しているという点で、激しいいびき音が如何に大きいかを推察できる。
【0006】
したがって、激しいいびき騒音に持続的に露出される場合には聴覚障害(騒音性難聴)が誘発され得、毎日睡眠中にいびきと無呼吸症が繰り返されると低酸素症が誘発されて心臓と血管系統に悪影響を及ぼすため、高血圧、動脈硬化、不整脈、心臓麻痺などを招くだけでなく、熟眠を邪魔して昼間にも眠気と疲れを感じるため頭痛が生じたり、それによって業務能力が低下し、昼間嗜眠刺激過敏性、不安感、憂鬱反応などを誘発するものと知られている。
【0007】
いびきの治療方法は大きく手術的治療方法と非手術的治療方法がある。
【0008】
手術的治療方法はいびきの原因部位により変わるが、鼻腔手術(鼻中隔湾曲および下鼻甲介肥厚に対する矯正術)、咽頭部手術(扁桃および口咽頭膜の粘膜を切除する口蓋咽頭形成術、高周波温熱口蓋術)、舌部縮小手術、頭頸部骨格手術(オトガイ舌筋前方牽引術と舌骨根切開術、両側上顎前方牽引術)等の外科的手術法がある。
【0009】
しかし、このような外科的手術法は手術の種類によって全身麻酔および手術後一定時間の入院が必要であり、何週かは咽頭部に痛みがあるため軟らかい食べ物を食べなければならないなど、多くの不便が伴われる短所がある。
【0010】
そして、最近ではレーザーを利用して喉彦全体と口蓋の一部を除去する手術も開発されたが、レーザー手術は局所麻酔だけでも手術が可能な長所があるものの、何週かの間隔をおいて複数回繰り返し手術をしなければならない短所があるだけでなく、それによる経済的負担が加重される短所がある。
【0011】
併せて、手術的治療法は手術に成功しても再発の恐れがあり、痛み、出血、感染、嚥下困難などのような手術後合併症を誘発する可能性があるだけでなく、手術後には食事の際に食べ物が鼻に逆流したり、音声の変化が生じるなどの問題が誘発され得る短所もある。
【0012】
いびきに対する非手術的治療方法としては、睡眠時、酸素供給装置を着用して気道に強制的に空気を押込む方法があるが、効果面で最も優れていると報告されたことがあるものの、高価な装備を用意しなければなら~、睡眠中にマスクを鼻に当てていなければならないため不快感を招くだけでなく、携帯と取り扱いが不便な短所もある。
【0013】
併せて、最近では睡眠者が枕をして寝る時、睡眠者の後ろ首部分を支えて、頭が後ろに反り返られながら咽喉部が狭くなることを抑制することによっていびきが防止されるようにする、いびき防止用枕が開発されたことがある。
【0014】
しかし、従来のいびき防止用枕は、睡眠者の後ろ首を支持するため頭が後ろに反り返られることにより頭が安定的に支持されず、長時間睡眠時に後ろ首部分に多くの荷重負担が加えられて睡眠後にも後ろ首が気だるく、すっきりしない短所がある。
【0015】
また、頭が後ろに反り返られながら睡眠中に口が開けられる現象が発生することになるが、睡眠中に口が開けられると口の中の細菌の繁殖を予防する唾が乾いて細菌の繁殖が活発になり、それによって口臭および歯周炎の発生を誘発する短所もある。
【0016】
また、睡眠中に口が開けられると鼻で呼吸する鼻腔呼吸の代わりに口で呼吸する口腔呼吸がなされることになるが、一般的に口腔呼吸は鼻腔呼吸に比べて酸素飽和度が落ちるため、免疫力の低下を誘発して各種細菌やウイルスによる病気発生の危険が増加する短所もある。
【0017】
また、睡眠中にぐちが開けられた状態が長時間持続すると、睡眠中に顎関節および周辺筋肉の緊張度が増加して顎関節障害およびそれによる顔面非対称を誘発する短所もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
前述したような従来の短所を解決するために、本発明は睡眠者が睡眠のために枕をして横になる時、睡眠者の頭と首が左右のいずれか一方向に回転する(lateral rotation)とともに、頭と首が側上方(superior lateral)に反り返られるようにして(extenstion)頚椎および環椎後頭関節の湾曲姿勢の誘導および支持を通じて睡眠中に呼吸の循環が円満に維持されるようにしたいびき防止枕を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記目的を達成するために、本発明のいびき防止枕は、
【0020】
枕胴体10の上下面の中央で睡眠者の頭と首を左右のいずれか一方向に側回転するようにする中央突出部101;
【0021】
前記枕胴体10の上下面の下部で横方向に形成されて首の伸展がなされるようにする首支え部102;
【0022】
前記中央突出部101の両側に形成されるものの、枕胴体10の厚さより薄い溝の形態からなる頭支え部103;を含み、
【0023】
前記頭支え部103は、下部から上部に行くほど側上方に溝が深くなることによって睡眠者の頭と首が側上方に反り返られるようにすることを特徴とする。
【0024】
前記中央突出部101は突出形成されるものの、中央突出部101の両側に形成される第1傾斜部101aは溝の形態からなる前記頭支え部103の内面と繋がるようにすることを特徴とする。
【0025】
前記首支え部102は横方向に形成されるものの、上部には第2傾斜部102bが形成されて溝の形態からなる前記頭支え部103の内面と繋がるようにすることを特徴とする。
【0026】
前記中央突出部101と首支え部102は、互いに連結されるように形成されて頭支え部103で頭が安置されるように誘導しながら頭と首の側回転と伸展が同時になされるようにすることを特徴とする。
【0027】
前記頭支え部103の中央には内向に傾斜勾配となるように掘られたことを特徴とする。
【0028】
前記頭支え部103の中央には上下方向に貫通する中空部103aがさらに備えられることを特徴とする。
【0029】
前記枕胴体10の内部は緩衝力を有するクッション材で形成されるものの、クッション材の中心部にはクッション材より硬い素材からなる芯材104が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によると、睡眠者が睡眠のために枕をして横になる時、睡眠者の頭と首が左右のいずれか一方向に回転するとともに、側上方に形成された安置溝によって頭と首が自然に伸展されて、仰臥位(supine)の姿勢で頭を横に回した姿勢および頸部の伸展と側回転姿勢を誘導して睡眠中に気道の維持が改善されるとともに、頚椎および環椎後頭関節の湾曲姿勢の誘導および支持を通じて睡眠中に呼吸の循環が円満に維持されていびきおよび無呼吸を防止する効果がある。
【0031】
また、頭の後側部が安定的に支持されることにより、後ろ首に加えられる荷重負担が減って安らかな睡眠姿勢を維持することができるようになることによって、安らかで安楽な睡眠を誘導する効果がある。
【0032】
また、睡眠者の頭と首が左右のいずれか一方向に回転すると同時に顎の閉じが誘導されて口開き現象が抑制されることによって、睡眠中に口が開けられることに伴われる各種病気の発生を予防できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明のいびき防止枕の一実施例に係る斜視図である。
【
図2】本発明のいびき防止枕の一実施例に係る断面図である。
【
図3】本発明のいびき防止枕の一実施例に係る使用状態図である。
【
図4】本発明のいびき防止枕の第2実施例に係る斜視図である。
【
図5】本発明のいびき防止枕の第3実施例に係る斜視図である。
【
図6】本発明のいびき防止枕の第3実施例に係る断面図である。
【
図7】本発明のいびき防止枕の第4実施例に係る断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明に関する説明は構造的または機能的説明のための実施例に過ぎないため、本発明の権利範囲は本文に説明された実施例によって制限されるものと解釈されてはならない。すなわち、実施例は多様な変更が可能であり、多様な形態を有することができるため、本発明の権利範囲は技術的思想を実現できる均等物を含むものと理解されるべきである。また、本発明で提示された目的または効果は、特定の実施例がこれをすべて含まなければならないとかそのような効果のみを含まなければならないという意味ではないので、本発明の権利範囲はこれによって制限されるものと理解されてはならない。
【0035】
本発明で叙述される用語の意味は次のように理解されるべきである。
【0036】
「第1」、「第2」等の用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別するためのものであり、これらの用語によって権利範囲が限定されてはならない。例えば、第1構成要素は第2構成要素と命名され得、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名され得る。ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいと理解されるべきである。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないものと理解されるべきである。一方、構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち「~間に」と「すぐ~間に」または「~に隣り合う」と「~に直接隣り合う」等も同様に解釈されるべきである。
【0037】
単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含むものと理解されるべきであり、「含む」または「有する」等の用語は説示された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0038】
ここで使われるすべての用語は異なって定義されない限り、本発明が属する分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味がある。一般的に使われる辞書に定義された用語は関連技術の文脈上有する意味と一致するものと解釈されるべきであり、本発明で明白に定義しない限り理想的または過度に形式的な意味を有するものと解釈されてはならない。
【0039】
図1は本発明のいびき防止枕の一実施例に係る斜視図であり、
図2は本発明のいびき防止枕の一実施例に係る断面図であり、
図3は本発明のいびき防止枕の一実施例に係る使用状態図である。
【0040】
【0041】
本発明のいびき防止枕は、枕胴体10に中央突出部101、首支え部102、頭支え部103が備えられる。
【0042】
前記枕胴体10は外皮と外皮内部に充填されるクッション材で形成されるか、全体がクッション素材で形成され得る。
【0043】
枕胴体10を外皮とクッション材で構成する場合に、外皮の一側にはクッション材を外皮内部に充填または収納するためのジッパーファスナーを具備することが好ましい。
【0044】
また、外皮の素材は通気性が優秀な天然繊維を使うことが好ましいであろうが、これに限定するものではないことを予め明らかにする。
【0045】
前記中央突出部101は枕胴体10の上下面の中央で睡眠者の頭と首が左右のいずれか一方向に回転するように突出形成されるものの、平面上楕円形に突出形成されることが好ましいであろうが、これに限定するものではないことを予め明らかにする。
【0046】
この時、中央突出部101の両側に形成される第1傾斜部101aは溝の形態からなる頭支え部103の内面と繋がるように形成されたので、睡眠者が枕胴体10を当てて横になった時、中央突出部101によって睡眠者の頭が自然に横に側回転(lateral roatation)しながら頭支え部103の内部に安置される。
【0047】
前記首支え部102は枕胴体10の上下面の下部で横方向に長く形成されるものの、首の伸展(extension position)がなされるように首支え部102の厚さは枕胴体10の平面と底面間の厚さより厚く突出形成されることが好ましい。
【0048】
また、首支え部102の上部には第2傾斜部102bが形成されるものの、第2傾斜部102bは溝の形態からなる頭支え部103の内面と繋がるように形成される。
【0049】
したがって、中央突出部101と首支え部102が会う部分に首が位置すると首の側回転と首の伸展が共に起き、頭は自然に頭支え部103に位置して安らかに横になっていることができるようになる。
【0050】
併せて、首支え部102により首が支持されながら、睡眠者の頭が頭支え部103の凹んだ溝の内部に自然に安置されて頚椎および環椎後頭関節の湾曲姿勢が誘導されるため、気道が広くなって呼吸を円滑にする。
【0051】
また、首支え部102の下部には内向きに凹んだ凹入溝がさらに備えられ得る。
【0052】
前記頭支え部103は中央突出部101の両側に形成されるものの、枕胴体10の厚さより薄い溝の形態で形成される。
【0053】
特に、頭支え部103は下部から上部に行くほど側上方、すなわち枕胴体10の角方向に溝が深くなるように形成されるため、睡眠者の頭が頭支え部103の内部に安置されると頭支え部103の形状に沿って睡眠者の頭と首が自然に側上方に反り返えられることになる。
【0054】
したがって、頭支え部103に安置される睡眠者の頭の後側方が頭支え部103の内面によって包み込まれるように安置されることにより、顎関節が頭支え部103の内面に密着しながら下顎骨を前方に押して顎が閉じられることになるため、睡眠中に睡眠者の口が開けられることが防止されるとともに、睡眠者の咽頭を広げて呼吸を改善する。
【0055】
また、睡眠者の頭の後側方が頭支え部103の内部で安定的に支持されることによって頭の荷重が頭支え部103内で等しく分散されて頚椎に加えられる荷重負担を減らすため、長時間の睡眠による首や肩こりなどを防止できるようになる。
【0056】
一方、頭支え部103の角度は平面視、中央突出部101の中心線を基準として10~60°で形成されることが好ましい。
【0057】
頭支え部103の角度が10°より小さいと、顎関節が頭支え部103の内面に密着しなくなるため睡眠中に睡眠者の口が開けられることが発生し、
【0058】
頭支え部103の角度が60°より大きいと、首の筋肉や肩の筋肉の緊張を誘発することになる。
【0059】
図4は、本発明のいびき防止枕の第2実施例に係る斜視図である。
【0060】
図4を参照して説明するものの、前述した実施例と重複する構成および同一符号を有する構成に対する詳細な説明は省略する。
【0061】
前記頭支え部103の中央には上下方向に貫通する中空部103aがさらに備えられ得る。
【0062】
したがって、頭支え部103の内部に睡眠者の頭が安置されながら頭支え部103の内面に睡眠者の頭の後側方が包み込まれることになる時、円滑な通気性を確保して汗ばむことを防止することによって快適な状態で熟眠を取ることができるようになる。
【0063】
また、頭支え部103の内部に安置された睡眠者の耳部分が頭支え部103の内面と密着しながら押さえられることを防止して、睡眠者の耳に加えられる圧力を最小化することによってより安らかな睡眠姿勢を提供できることになる。
【0064】
図5は、本発明のいびき防止枕の第3実施例に係る斜視図である。
【0065】
図5を参照して説明するものの、前述した実施例と重複する構成および同一符号を有する構成に対する詳細な説明は省略する。
【0066】
前記頭支え部103の一側には頭支え部103の内部に安置された睡眠者の顎関節を加圧する加圧突部103bがさらに備えられ得る。
【0067】
したがって、頭支え部103の内部に睡眠者の頭が安置されながら頭支え部103の内面に睡眠者の頭の後側方が包み込まれることになる時、加圧突部103bが顎関節とさらに緊密に加圧されながら顎関節を押して顎が閉じられるようにすることによって、睡眠中に睡眠者の口が開けられることがさらに効果的に防止される。
【0068】
図6は本発明のいびき防止枕の第4実施例に係る断面図であり、
図7は本発明のいびき防止枕の第5実施例に係る断面図である。
【0069】
図6~
図7を参照して説明するものの、前述した実施例と重複する構成および同一符号を有する構成に対する詳細な説明は省略する。
【0070】
前記枕胴体10の内部は緩衝力を有するクッション材で形成されるものの、クッション材の中心部にはクッション材より硬い素材からなる芯材104が形成され得る。
【0071】
前記芯材104は第1芯材104a、第2芯材104bを含む。
【0072】
前記第1芯材104aは丸棒の形態で中央突出部101の内部で縦方向に形成されることにより、睡眠者が枕本体を当てて横になった時に中央突出部101の過度な陥没を抑制し構造的強度を維持して、睡眠者の頭と首が左右のいずれか一方向に円滑に回転するようにする。
【0073】
前記第2芯材104bは第1芯材104aの両側で所定厚さの板状で頭支え部103の内部に形成されることにより、睡眠者が枕本体を当てて横になった時に頭支え部103の過度な陥没を抑制し構造的強度を維持して睡眠者の頭が安定的に支持されるようにすることによって頭の荷重が頭支え部103内で等しく分散されながら頚椎に加えられる荷重負担を減らすため、環椎後頭関節の湾曲姿勢が一定に維持されて長時間の睡眠による首や肩こりなどを防止できるようになる。
【0074】
前記芯材104の素材は、スポンジ、メモリーフォーム、ラテックスなどと外部の物理的刺激がない時は一定の形状を維持しつつ、クッション感と弾性力が優秀であるため外部の物理的刺激を吸収緩和し、物理的刺激が解消されると再び本来の形状に復元する素材を使うことが好ましい。
【0075】
また、前記第1芯材104aと第2芯材104bは一体に形成されるか、分離形成され得、分離形成される場合に互いに異なる素材および強度で形成できることを予め明らかにするところである。
【0076】
以上、本発明の実施例は前述した装置および/または運用方法を通じてのみ具現されるものではなく、本発明の実施例の構成に対応する機能を実現するためのプログラム、そのプログラムが記録された記録媒体等を通じて具現されてもよく、このような具現は前述した実施例の記載から本発明が属する技術分野の専門家であれば容易に具現できるものである。
【0077】
また、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、下記の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0078】
10 枕胴体
101 中央突出部
101a 第1傾斜部
102 首支え部
102b 第2傾斜部
103 頭支え部
103a 中空部
103b 加圧突部
104 芯材
104a 第1芯材
104b 第2芯材