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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】振分装置および振分方法
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/342 20060101AFI20230220BHJP
   B07C 5/16 20060101ALI20230220BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20230220BHJP
   B07C 5/04 20060101ALI20230220BHJP
【FI】
B07C5/342
B07C5/16
B65G47/52 101B
B07C5/04
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018193367
(22)【出願日】2018-10-12
(65)【公開番号】P2020059008
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】390029090
【氏名又は名称】靜甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117190
【弁理士】
【氏名又は名称】前野 房枝
(74)【代理人】
【識別番号】100081282
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 俊輔
(74)【代理人】
【識別番号】100085084
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 高英
(72)【発明者】
【氏名】小澤 靖
(72)【発明者】
【氏名】伊賀 久人
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-068954(JP,U)
【文献】特開昭62-031615(JP,A)
【文献】特開昭56-084288(JP,A)
【文献】特開平04-350015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 5/342
B07C 5/16
B65G 47/52
B07C 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
混在して搬入される物品を2種に判別してそれぞれ異なる搬出路へ振り分ける振分装置であって、
振分対象の物品が1列に整列されて搬入される搬入路と、
前記搬入路から搬入される物品を2種に判別する判別手段と、
前記搬入路の延長線上に配置された主搬出路と、この主搬出路の両側方にそれぞれ配置された2本の副搬出路とを有する搬出手段と、
前記搬入路と搬出手段との間に配置され、前記搬入路から搬入された物品を保持して前記搬出手段へ送り出す2本の並行配置された搬送路を有し、前記物品の搬送方向と直交する水平方向に往復移動可能とされており、前記一方の搬送路を前記搬入路および前記搬出手段の主搬出路と連通させて位置させた際、他方の搬送路は前記搬出手段の一方の副搬出路へ前記物品を送り出し可能な位置に配置され、前記の他方の搬送路を前記搬入路および前記搬出手段の主搬出路と連通させて位置させた際、前記一方の搬送路は前記搬出手段の他方の副搬出路へ前記物品を送り出し可能な位置に配置される振分手段と、
前記判別手段の判断の結果に基づき、前記主搬出路及び2本の副搬出路の何れかへ前記振分手段に保持した物品を搬出可能に前記振分手段の往復移動を制御する制御手段と、
を備え、
前記振分手段は、それぞれ所定の間隔を隔てて立設配置された1対の回転軸に無端状の搬送ベルトが巻回されてなるベルトコンベアが並行に3基配置され、前記各ベルトコンベア間がそれぞれ前記搬送路を構成し、中央に配置されたベルトコンベアの搬送ベルトが前記制御手段により走行方向を切り替え駆動されることを特徴とする振分装置。
【請求項2】
前記各ベルトコンベアが、それぞれの間隔を調整自在に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の振分装置。
【請求項3】
振分対象の物品を2種に判別し、
搬入路から搬入される前記物品を2本の並行配置された搬送路のいずれかにおいて保持して搬送するとともに、
前記物品を保持する搬送路を、判別された物品の種に応じて、前記搬送路の下流側に配置される前記搬入路の直線状に配置された主搬出路、並びに、前記一方の搬送路を前記主搬出路に対向させた際に他方の搬送路に臨むようにして前記主搬出路の両側方に配置された2本の副搬出路のうちのいずれかに前記物品を導入可能に位置させる振分方法であって、
巻回された搬送ベルトを対向させて並列させた3基のベルトコンベアにより形成された2本の搬送路の何れかに前記搬入路から搬入された物品を保持可能とし、
前記3基のベルトコンベアのうち中央に配置されたベルトコンベアの走行方向を前記2本の搬送路の別により正逆を切り替えることを特徴とする振分方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混在する物品を2種に判別してそれぞれ異なる搬出路へ振り分ける振分装置および振分方法に係り、特に、振り分け速度を向上させて作業効率を向上することのできる振分装置および振分方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、搬入される物品を所定の基準、例えば、容器に飲料等の液体を充填してなる製品の充填量で良品と不良品を判別して振り分ける振分装置が使用されている。
【0003】
このような従来の振分装置としては、振分装置に搬入される各製品をそれぞれ撮像して画像により識別したり、各製品の重量をそれぞれ計測する等して良品と不良品とを判別し、振分装置の主搬送路上を搬送される各製品の中から不良品であると判別された製品を振分手段により主搬送路の両側方にそれぞれ並行に配置された副搬送路に移載して、良品と不良品の振り分けを行っていた。
【0004】
そして、前述した従来の振分装置においては、主搬送路上を搬送される各製品の中から所定の基準により判別された一部の製品(例えば、不良品)を各副搬送路上に振り分ける際、主搬送路上を幅方向に横断して往復移動する振分け板と、この振分け板の両側方にそれぞれ対向配置されて進退する補助板とで挟持して移載する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第2552778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の振分装置の構成では、主搬送路上の製品をいずれかの副搬送路上へ移載した後、主搬送路上を搬送される次に振り分けられるべき製品に当接して挟持可能な定位置へ振分け板を戻す時間が必要になり、そのため、主搬送路を搬送される各製品間にある程度の間隔を設ける必要があり作業効率を低下させていた。
【0007】
そこで、本発明は、2種類の物品を振り分ける振り分け速度を向上させて作業効率を向上させることのできる振分装置および振分方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するため、本発明の請求項1に係る振分装置の特徴は、混在して搬入される物品を2種に判別してそれぞれ異なる搬出路へ振り分ける振分装置であって、振分対象の物品が1列に整列されて搬入される搬入路と、前記搬入路から搬入される物品を2種に判別する判別手段と、前記搬入路の延長線上に配置された主搬出路と、この主搬出路の両側方にそれぞれ配置された2本の副搬出路とを有する搬出手段と、前記搬入路と搬出手段との間に配置され、前記搬入路から搬入された物品を保持して前記搬出手段へ送り出す2本の並行配置された搬送路を有し、前記物品の搬送方向と直交する水平方向に往復移動可能とされており、前記一方の搬送路を前記搬入路および前記搬出手段の主搬出路と連通させて位置させた際、他方の搬送路は前記搬出手段の一方の副搬出路へ前記物品を送り出し可能な位置に配置され、前記の他方の搬送路を前記搬入路および前記搬出手段の主搬出路と連通させて位置させた際、前記一方の搬送路は前記搬出手段の他方の副搬出路へ前記物品を送り出し可能な位置に配置される振分手段と、前記判別手段の判断の結果に基づき、前記主搬出路及び2本の副搬出路の何れかへ前記振分手段に保持した物品を搬出可能に前記振分手段の往復移動を制御する制御手段と、を備え、前記振分手段は、それぞれ所定の間隔を隔てて立設配置された1対の回転軸に無端状の搬送ベルトが巻回されてなるベルトコンベアが並行に3基配置され、前記各ベルトコンベア間がそれぞれ前記搬送路を構成し、中央に配置されたベルトコンベアの搬送ベルトが前記制御手段により走行方向を切り替え駆動されることを特徴とする。
【0009】
このような構成を採用したことにより、搬入路から振分手段のいずれかの搬送路に物品が搬入され、判別手段の判別に基づき振分手段を水平移動させて搬出手段のいずれかの副搬出路に送り出して振り分けられても、振分手段の他方の搬送路が搬入路および搬出手段の主搬出路と連通する位置に配置されるので、従来の振分装置のように振分手段を物品を保持する位置に戻す必要がなく、搬入路から搬入される次の物品を直ちに受容することができるので、物品の振り分け速度を向上することができ、作業効率を向上させることができる。
【0011】
詳しくは、搬入路より振分手段のいずれかの搬送路に搬入された物品を振分手段を水平移動させていずれかの副搬出路へ送り出したタイミングで中央に配置されたベルトコンベアの搬送ベルトの走行方向を切り替えることにより、振分手段が水平移動したことにより搬入路および搬出手段の主搬送路と連通する位置に配置された他方の搬送路を機能させ、直ちに搬入路から搬入される次の物品を受容して振り分けることができるので、振り分け速度を向上させることができ、作業効率を向上させることができる。
【0012】
また、本発明の請求項2に係る振分装置の特徴は、請求項1に記載の振分装置において、前記各ベルトコンベアが、それぞれの間隔を調整自在に配設されている点にある。
【0013】
このような構成を採用したことにより、様々な大きさの物品を受容して搬送することができるので、様々な物品を振り分けることができる。
【0014】
また、本発明の請求項3に係る振分方法の特徴は、振分対象の物品を2種に判別し、搬入路から搬入される前記物品を2本の並行配置された搬送路のいずれかにおいて保持して搬送するとともに、前記物品を保持する搬送路を、判別された物品の種に応じて、前記搬送路の下流側に配置される前記搬入路の直線状に配置された主搬出路、並びに、前記一方の搬送路を前記主搬出路に対向させた際に他方の搬送路に臨むようにして前記主搬出路の両側方に配置された2本の副搬出路のうちのいずれかに前記物品を導入可能に位置させる振分方法であって、巻回された搬送ベルトを対向させて並列させた3基のベルトコンベアにより形成された2本の搬送路の何れかに前記搬入路から搬入された物品を保持可能とし、前記3基のベルトコンベアのうち中央に配置されたベルトコンベアの走行方向を前記2本の搬送路の別により正逆を切り替えることを特徴とする。
【0015】
このような構成を採用したことにより、判別された物品をいずれかの搬送路に保持させて水平移動し、いずれかの副搬出路に送り出して振り分けられても、他方の搬送路において直ちに次の物品を受容することができるので、物品の振り分け速度を向上することができ、作業効率を向上させることができる。
【0017】
詳しくは、搬入路よりいずれかの搬送路に搬入された物品をいずれかの副搬出路へ送り出したタイミングで中央に配置されたベルトコンベアの走行方向を切り替えることにより、搬入路および主搬出路と連通する位置に配置された他方の搬送路を機能させ、直ちに搬入路から搬入される次の物品を受容して振り分けることができるので、振り分け速度を向上させることができ、作業効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の振分装置および振分方法によれば、物品を3本の搬出路へそれぞれ振り分ける搬送路から物品が送り出されたのち、直ちに次の物品を搬送路に搬入させることができるので、振り分け速度を向上することができ、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態の振分装置の構成を示す概略平面図
図2図1のA-A断面図
図3図1における振分手段を物品の搬送方向の下流側から見た概略正面図
図4】(a)~(d)本実施形態における振分手段による振分方法の説明図
図5】(a)~(d)本実施形態における振分手段による振分方法の説明図
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る振分装置を図面に示す実施形態により説明する。
【0021】
本実施形態の振分装置は、他の装置において製造された製品の良品と不良品との2種に振り分けるために使用される。
【0022】
本実施形態の振分装置1は、図1および図2に示すように、振り分け対象の物品を搬入する搬入路として他の装置(図示せず)において製造された製品を搬入する搬入ベルトコンベア2の端部が接続されており、他の装置において製造された良品と不良品とが混在する製品が1列に整列されて搬入されるようになっている。
【0023】
そして、本実施形態の振分装置1は、前記搬入ベルトコンベア2から搬入される2種の製品をそれぞれ判別する判別手段3と、前記判別手段3により判別された各製品それぞれ振り分ける振分手段5と、前記振分手段5により振り分けられた2種の製品をそれぞれ搬出する搬出手段21とを備えている。
【0024】
前記判別手段3は、本実施形態においては一例として、透明容器内に飲料等の液体が充填されてなる製品の液体の充填量が適量である良品と、液体の充填量に過不足のある不良品とを判別する手段として、搬入される各製品をそれぞれ撮像する撮像手段(図示せず)を備え、この撮像手段により撮像された画像を図示しない処理装置が処理して透明容器内における液体の充填量を識別することにより良品と不良品を判別するようになっている。なお、前記判別手段3は、所定の条件によって振り分けられる2種の製品によって種々変更されるものであり、重量により製品の判別を行う計測装置であったり、寸法により製品を判別する計測装置等でもよい。
【0025】
本実施形態の振分手段5は、図2および図3に示すように、モータ8により回転駆動される回転軸9aと、この回転軸9aと製品の搬送方向に所定の間隔を隔てて立設された回転軸9bとに無端状の搬送ベルト10が巻回されてなる3基のベルトコンベア6a,6b,6cが製品の搬送方向と直交する方向に並行に配置されている。
【0026】
そして、前記各ベルトコンベア6a,6b,6cは、製品の搬送方向に対して左方に配置されたベルトコンベア6aが搬送ベルト10を反時計回りに走行させるように駆動され、製品の搬送方向に対して右方に配置されたベルトコンベア6cが搬送ベルト10を時計回りに走行させるように駆動され、中央に配置されたベルトコンベア6bが走行方向を順次切り替え駆動されるように図示しない制御装置により制御され、前記各ベルトコンベア6a,6b,6c間がそれぞれ搬入された製品を挟持して前記搬出手段21へ搬送する搬送路7a,7bとなっている。
【0027】
また、前記各ベルトコンベア6a,6b,6cは、前記判別手段3による製品の判別に基づき、図示しない制御装置により制御されてそれぞれ製品の搬送方向と直交する方向に往復移動するスライド機構11を備えており、各スライド機構11は、上方に立設されたフレーム12にそれぞれ製品の搬送方向と直交する方向に延在するスライド軸13が配設され、このスライド軸13にモータ14により往復移動自在に移動子15が配設されて構成されており、前記各ベルトコンベア6a,6b,6cは、前記各移動子15からそれぞれ垂下されたアーム16の下端にそれぞれ連結されている。
【0028】
さらに、前記各ベルトコンベア6a,6b,6cは、前記各スライド機構11により中央に配置されたベルトコンベア6bを基準としてそれぞれの間隔が調整され、前記各ベルトコンベア6a,6b,6c間に形成される各搬送路7a,7bの幅が振り分けられる製品の大きさに応じて調整され、かつ、当該間隔を保った状態で水平移動するようになっている。
【0029】
本実施形態の搬出手段21は、前記搬入ベルトコンベア2から搬入された製品を載置して搬送するベルトコンベア22を備えており、このベルトコンベア22は、前記搬入ベルトコンベア2から搬入された製品をその搬送方向の延長線上に配置された前記振分手段5のいずれかの搬送路7(7a,7b)内へ搬送し、前記振分手段5の搬送路7(7a,7b)により送り出された製品を下流側へ搬出するようになっている。
【0030】
また、前記ベルトコンベア22上における前記振分手段5の下流側には、前記判別手段3により判別され前記振分手段5により振り分けられた2種の製品をそれぞれ搬出する3本の搬出路23が製品の搬送方向と直交する方向に並行に配置されて形成されている。
【0031】
前記各搬出路23は、それぞれ搬送方向に沿って製品を支持する1対のガイド板24,24が立設されて形成されており、前記振分手段5を介在して前記搬入ベルトコンベア2と直線上に配置される中央が主搬出路23bとされ、この主搬出路23bと並行に両側方に配置されたそれぞれが副搬出路23a,23cとされている。
【0032】
前記各ガイド板24は、それぞれ製品の搬送方向と直交する幅方向に移動自在とするスライド機構26を備えており、対向する1対のガイド板24,24間を搬送される製品の幅に応じてその間隔が調整可能となっている。
【0033】
また、前記各ガイド板24,24の前記振分手段5と対向する端部にはそれぞれそれぞれ製品の搬出方向に沿って各搬出路23a,23b,23cの中央に向かって傾斜する傾斜部25が形成されており、前記振分手段5のいずれかの搬送路7a,7bから送り出された製品を各搬出路23a,23b,23c内へ案内するようになっている。
【0034】
なお、図1に示すように、前記副搬出路23aは、前記振分手段5の搬送路7bが前記搬入ベルトコンベア2および前記主搬出路23bと連通するように配置された際、前記振分手段5の搬送路7aに対し僅かに外側に配置されているが、前記振分手段5の搬送路7aから製品が送り出されると、前記振分手段5の搬送路7aから製品が送り出される力により内側のガイド板24がその付勢力に抗して押し広げられ、ガイド板24の端部に形成された傾斜部25によって製品が副搬出路23a内に案内され、製品が副搬出路23a内に受容されるようになっている。振り分けられる製品が本実施形態よりも大きい場合、前記副搬出路23aの内側のガイド板24は図に示される位置よりもさらに下方に移動され、前記振分手段5の搬送路7aから送り出される製品の受け入れ口が広くなるように調整される。
【0035】
前記副搬出路23cも同様であり、図示は省略するが、前記振分手段5の搬送路7aが前記搬入ベルトコンベア2および前記主搬出路23bと連通するように配置された際、前記振分手段5の搬送路7bに対し僅かに外側に配置されるが、前記振分手段5の搬送路7bから製品が送り出されると、前記振分手段5の搬送路7bから製品が送り出される力により内側のガイド板24がその付勢力に抗して押し広げられ、ガイド板24の端部に形成された傾斜部25によって製品が副搬出路23c内に案内され、製品が副搬出路23c内に受容されるようになっている。振り分けられる製品が本実施形態よりも大きい場合、前記副搬出路23cの内側のガイド板24は図に示される位置よりもさらに上方に移動され、前記振分手段5の搬送路7bから送り出される製品の受け入れ口が広くなるように調整される。
【0036】
そして、前記振分手段5の中央に配置されたベルトコンベア6bは、前記各ベルトコンベア6b,6c間の搬送路7bを前記搬入ベルトコンベア2および前記搬出手段21の主搬出路23bと連通する基準位置に配置されている場合、搬送ベルト10が反時計回りに走行され、前記搬入ベルトコンベア2から搬送路7bに搬入される製品が前記判別手段3により一方の製品(例えば、良品)であると判別されると、そのまま前記搬出手段21の主搬出路23bへ製品が送り出される。一方、前記搬入ベルトコンベア2から搬送路7bに搬入される製品が前記判別手段3により他方の製品(例えば、不良品)であると判別されると、搬送路7bにおいて各ベルトコンベア6b,6c間に製品が挟持され搬送されている間に前記振分手段5が他方の搬送路7aを前記搬入ベルトコンベア2および前記搬出手段21の主搬出路23bと連通する基準位置に配置させるように水平移動され、移動された搬送路7bから搬出手段21の副搬出路23cへ製品が送り出される。そして、搬送路7bから搬出手段21の副搬出路23cへ製品が送り出されるタイミングでベルトコンベア6bの搬送ベルト10の走行方向が切り替えられ、時計回りに走行される。
【0037】
同様に、前記各ベルトコンベア6a,6b間の搬送路7aを前記搬入ベルトコンベア2および前記搬出手段21の主搬出路23bと連通する基準位置に配置されている場合、前記振分手段5の中央に配置されたベルトコンベア6bは搬送ベルト10が時計回りに走行され、前記搬入ベルトコンベア2から搬送路7aに搬入される製品が前記判別手段3により一方の製品(例えば、良品)であると判別されると、そのまま前記搬出手段21の主搬出路23bへ製品が送り出される。一方、前記搬入ベルトコンベア2から搬送路7aに搬入される製品が前記判別手段3により他方の製品(例えば、不良品)であると判別されると、搬送路7aにおいて各ベルトコンベア6a,6b間に製品が挟持され搬送されている間に前記振分手段5が他方の搬送路7bを前記搬入ベルトコンベア2および前記搬出手段21の主搬出路23bと連通する基準位置に配置させるように水平移動され、移動された搬送路7aから搬出手段21の副搬出路23aへ製品が送り出される。そして、搬送路7aから搬出手段21の副搬出路23aへ製品が送り出されるタイミングでベルトコンベア6bの搬送ベルト10の走行方向が切り替えられ、時計回りに走行される。
【0038】
なお、連続して製品を振り分ける際の次の製品が前記振分手段3のいずれかの搬送路7a,7bに搬入されるタイミングは、先に搬送路7a,7bに搬入された製品が前記搬出手段21のいずれかの搬出路23a,23b,23cへ送り出され、前記ベルトコンベア6bの搬送ベルト10の走行方向が切り替られる程度の間隔をもって搬入されるよう、前記搬入ベルトコンベア2上における各製品の間隔の調整、あるいは前記搬入ベルトコンベア2および前記搬出手段21のベルトコンベア22間における搬送速度の差により各製品間に間隔を設けることにより調整される。
【0039】
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の振分装置1の作用(振分方法の実施形態)について説明する。
【0040】
まず、図4(a)に示すように、振分手段5の基準位置として、いずれか一方の搬送路7(本実施形態では搬送路7b)が搬入ベルトコンベア2および搬出手段21の主搬出路23bと連通する位置に配置される。その際、ベルトコンベア6bの搬送ベルト10は反時計回りに走行される。
【0041】
そして、他の装置において透明容器内に液体が充填された製品が良品P(g)と不良品P(d)が混在した状態で搬入ベルトコンベア2により1列に整列されて搬送されると、判別手段3により製品の良品P(g)と不良品P(d)とが判別される。
【0042】
つぎに、判別手段3により良品P(g)と不良品P(d)とが判別された製品は、図4(b)に示すように、搬入ベルトコンベア2から搬出手段21のベルトコンベア22に移載され振分手段5の搬送路7bに搬入される。
【0043】
そして、振分手段5の搬送路7bに搬入された製品が判別手段3により良品P(g)であると判別された場合、図4(c)に示すように、搬送路7bに搬入された製品はそのまま搬出手段21の主搬出路23bへ送り出され、図4(d)に示すように、主搬出路23bの両ガイド板24,24に支持されて下流側へ搬出される。
【0044】
一方、図5(a)に示すように、振分手段5の搬送路7bに搬入された製品が判別手段3により不良品P(d)であると判別された場合、図5(b)に示すように、搬送路7bにおいて各ベルトコンベア6b,6c間に製品が挟持されて搬送されている間に振分手段5が他方の搬送路7aを搬入ベルトコンベア2および搬出手段21の主搬出路23bと連通する基準位置に配置させるように水平移動され、図5(c)に示すように、移動された搬送路7bから搬出手段21の副搬出路23cへ製品が送り出される。そして、搬送路7bから搬出手段21の副搬出路23cへ製品が送り出されたタイミングでベルトコンベア6bの搬送ベルト10の走行方向が切り替えられ、時計回りに走行される。
【0045】
先に振り分けられた製品が判別手段3により良品P(g)であると判別され、搬送路7bから搬出手段21の主搬出路23bへ製品が送り出された場合、搬送路7bから搬出手段21の主搬出路23bへ製品が送り出され、実際にはベルトコンベア6bの搬送ベルト10の走行方向は切り替えないがベルトコンベア6bの搬送ベルト10の走行方向が切り替えられる程度の間隔をもって、搬入ベルトコンベア2からつぎの製品が振分手段5の搬送路7bに搬入され、上記の工程が繰り返し行われる。
【0046】
一方、先に振り分けられた製品が判別手段3により不良品P(d)であると判別され、振分手段5が水平移動されて搬送路7bから搬出手段21の副搬出路23cへ製品が送り出された場合、搬送路7bから搬出手段21の主搬出路23bへ製品が送り出され、ベルトコンベア6bの搬送ベルト10の走行方向が切り替えられ、この切り替えが完了するタイミングで、図5(d)に示すように、搬入ベルトコンベア2および搬出手段21の主搬出路23bと連通する基準位置に配置された振分手段5の搬送路7aに搬入ベルトコンベア2から次の製品が搬入される。
【0047】
そして、振分手段5の搬送路7aに搬入された次の製品が判別手段3により良品P(g)であると判別された場合、搬送路7aに搬入された製品はそのまま搬出手段21の主搬出路23bへ送り出され、主搬出路23bの両ガイド板24,24に支持されて下流側へ搬出される。
【0048】
一方、振分手段5の搬送路7aに搬入された次の製品が判別手段3により不良品P(d)であると判別された場合、搬送路7aにおいて各ベルトコンベア6a,6b間に製品が挟持されて搬送されている間に振分手段5が他方の搬送路7bを搬入ベルトコンベア2および搬出手段21の主搬出路23bと連通する基準位置に配置させるように水平移動され、移動された搬送路7aから搬出手段21の副搬出路23aへ製品が送り出される。そして、搬送路7aから搬出手段21の副搬出路23aへ製品が送り出されたタイミングでベルトコンベア6bの搬送ベルト10の走行方向が切り替えられ、反時計回りに走行される。
【0049】
このようにして、搬入ベルトコンベア2から順次搬入される各製品を振り分けることにより、良品P(g)が搬出手段21の主搬出路23bへ、不良品P(d)が両副搬出路23a,23cへ振り分けられる。
【0050】
このように、本実施形態の振分装置1によれば、搬入された2種の物品を判別手段3により判別し、振分手段5により一方の物品を中央に配置された主搬出路23bへ、他方の物品を主搬出路23bの両側方に配置された各副搬出路23a,23cのそれぞれへ送り出すことにより振り分けることができる。
【0051】
また、2本の搬送路7a,7bを備えた振分手段5を往復移動させて、一方の物品を搬出手段21の主搬送路23bへ、他方の物品を主搬出路23bの両側方に配置された各副搬出路23a,23cへ送り出す構成としたことにより、いずれかの搬送路7a(7b)に搬入された物品を各副搬出路23a,23cへ振り分けるために振分手段5を水平動させたとしても、他方の搬送路7b(7a)が常に搬入路としての搬入ベルトコンベア2および搬出手段21の主搬出路23bと連通する基準位置に配置されるので、前の物品が振り分けられたのち、振分手段5を従来の振分装置のように物品を保持する位置に戻す必要がないので直ちに次の物品を受容して振り分けを行うことができ、物品の振り分け速度を向上させ、作業効率を向上させることができる。
【0052】
さらに、振分手段5の各搬送路7a,7bが、それぞれ1対のベルトコンベア6a,6b(6b,6c)により物品を挟持して送り出す構成としていることにより、従来の振分装置のように、振り分けられるべき物品が搬送される度に振分手段を移動させて当接および挟持させる必要がないので、振り分け速度を向上させることができるとともに、物品を転倒させることなく確実に振り分けることができる。
【0053】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0054】
例えば、本実施形態においては、振分手段の各ベルトコンベアそれぞれにスライド機構を備え、各ベルトコンベア間の間隔を調整可能とし、あらかじめ設定された間隔を保った状態で各スライド機構により水平移動させる構成としているが、各搬送路における物品の搬送を阻害しない位置で各ベルトコンベアをそれぞれの間隔を調整可能に連結し、1つのスライド機構により一体に水平移動させる構成としてもよい。
【0055】
また、本実施形態においては、本装置に2種の物品を整列させて搬入する搬入路として搬入ベルトコンベア2に接続する構成としているが、本装置に搬入ベルトコンベア2を配設する構成としてもよい。このような構成にすることにより、他の装置との間に搬入手段を設けずに、本装置を直接他の装置に連設することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 振分装置
2 搬入ベルトコンベア
3 判別手段
5 振分手段
6a,6b,6c ベルトコンベア
7a,7b 搬送路
8 モータ
9a,9b 回転軸
10 搬送ベルト
11 スライド機構
12 フレーム
13 スライド軸
14 モータ
15 移動子
16 アーム
21 搬出手段
22 ベルトコンベア
23a,23b,23c 搬出路
24,24 ガイド板
25 傾斜部
26 スライド機構
図1
図2
図3
図4
図5