(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230220BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 334
(21)【出願番号】P 2020059420
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2021-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】弁理士法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野原 修平
(72)【発明者】
【氏名】井上 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 浩司
(72)【発明者】
【氏名】平口 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】湯川 強
(72)【発明者】
【氏名】山本 健弘
(72)【発明者】
【氏名】加藤 哲平
(72)【発明者】
【氏名】森 大城
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼▲崎▼ 潤也
【審査官】中村 祐一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-179107(JP,A)
【文献】特開2019-093213(JP,A)
【文献】特開2016-059566(JP,A)
【文献】特開2020-006200(JP,A)
【文献】特開2019-129964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当否抽選に用いる情報であって、対応する当否抽選結果の報知が未だ完了していない当否抽選情報を複数記憶することが可能な記憶手段と、
電源OFFから電源ONとなったときに、復旧完了条件が成立するまで前記表示手段に復旧画面が表示される復旧状態とし、当該復旧完了条件が成立した後は通常状態とする状態制御手段と、
前記表示手段に表示される当否抽選結果を示す図柄であって、当否抽選結果の報知の完了時に当該当否抽選結果に応じた態様で変動が停止する識別図柄を制御する図柄制御手段と、
を備え、
前記当否抽選情報は第一当否抽選情報と第二当否抽選情報に区分けされ、
前記記憶手段に前記第一当否抽選情報および前記第二当否抽選情報の両方が記憶されているときには、前記第一当否抽選情報を用いた当否抽選結果の報知演出と前記第二当否抽選情報を用いた当否抽選結果の報知演出が同時進行するように設定され、
電源がONとされた後、最初に前記第一当否抽選情報および前記第二当否抽選情報の一方を用いた当否抽選結果の報知が完了したことが前記復旧完了条件として設定されており、
前記復旧状態であっても、前記当否抽選情報として前記第一当否抽選情報および前記第二当否抽選情報の他方である特定当否抽選情報が前記記憶手段に記憶されているときには、当該特定当否抽選情報を用いた当否抽選結果に対応する前記識別図柄が前記復旧画面とともに表示されることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
電源復旧時(電源OFF状態からON状態となったとき)に、復旧画面が表示される復旧状態となる遊技機が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当否抽選結果が報知されている段階で停電等の異常が発生し、当該異常が解消されて復旧状態となった場合、異常発生前の当否抽選結果がどのようになったのか分かりにくい。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、復旧状態にて当否抽選結果に関する遊技者の誤解が生じるのを抑制することが可能な遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、当否抽選に用いる情報であって、対応する当否抽選結果の報知が未だ完了していない当否抽選情報を複数記憶することが可能な記憶手段と、電源OFFから電源ONとなったときに、復旧完了条件が成立するまで前記表示手段に復旧画面が表示される復旧状態とし、当該復旧完了条件が成立した後は通常状態とする状態制御手段と、前記表示手段に表示される当否抽選結果を示す図柄であって、当否抽選結果の報知の完了時に当該当否抽選結果に応じた態様で変動が停止する識別図柄を制御する図柄制御手段と、を備え、前記復旧状態であっても、前記当否抽選情報として特定当否抽選情報が前記記憶手段に記憶されているときには、当該特定当否抽選情報を用いた当否抽選結果に対応する前記識別図柄が前記復旧画面とともに表示されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明にかかる遊技機によれば、復旧状態にて当否抽選結果に関する遊技者の誤解が生じるのを抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】遊技機の全体(正面)を模式的に示した図である。
【
図2】遊技盤と表示装置のユニットの正面図(遊技領域を説明するための図)である。
【
図3】表示領域に表示される識別図柄、保留図柄を示した図である。
【
図4】遊技領域右側の各領域の位置関係を模式的に示した図である(遊技釘の図示を省略している)。
【
図6】低確率状態での遊技中(第一当否抽選情報と第二当否抽選情報の両方が記憶された状態)にて異常発生→異常解消となった場合の復帰完了条件成立のタイミング等を説明するための図(タイムチャート)である。
【
図7】低確率状態での遊技中(第一当否抽選情報と第二当否抽選情報の両方が記憶された状態)にて異常発生→異常解消となった場合の識別図柄の表示態様を説明するための例である。
【
図9】参考例(本願発明の実施形態には含まれない例)を説明するための図である。
【
図10】復旧状態において、逆抽選に対応する補助図柄が表示され、主抽選に対応する補助図柄が表示されないようにした例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1)遊技機の基本構成
以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1を参照して遊技機1の基本構成について簡単に説明する。なお、以下の説明において画像というときは、動画および静止画の両方を含むものとする。
【0010】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0011】
発射された遊技球が到達する遊技領域902は、透明板906を通じて視認される。遊技領域902には、表示装置91、始動領域(第一始動領域11および第二始動領域12)、大入賞領域21、アウト口907などが設けられている。かかる表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、表示領域911の形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
【0012】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0013】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、大入賞領域21等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0014】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否抽選(当否判定)手段が始動領域への遊技球の進入に基づき実行する。具体的には、始動領域への遊技球の進入を契機として乱数源から数値(当否抽選情報)が取得され、当該数値に基づき抽選結果が導出される。本実施形態では、抽選結果の態様として、大当たり、小当たり、はずれが設定されている。大当たりおよび小当たりのいずれにも当選しなかった場合にはずれとなる。
【0015】
遊技機の筐体には遊技球を貯留する上皿909aや下皿909bが設けられている。その他、本発明に関係のない遊技機1の構成要素については説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0016】
2)同時変動
本実施形態では、始動領域として、第一始動領域11(いわゆる特
図1の始動領域)および第二始動領域12(いわゆる特
図2の始動領域)が設けられている(
図2、
図4参照)。第一始動領域11に遊技球が進入することを契機として第一当否抽選情報が、第二始動領域12に遊技球が進入することを契機として第二当否抽選情報が取得される。
【0017】
新たに第一当否抽選情報が取得されたとき、それよりも前に取得された第一当否抽選情報に基づく当否抽選(第一当否抽選)の結果を報知する報知演出(第二報知演出)(「報知演出」とは後述する識別図柄が変動を開始してから当否抽選結果を示す態様で変動が停止するまでの演出のことをいう。報知演出の終了時点が当否抽選結果の「報知」の完了(終了)時点である)が実行されているときには、新たに取得された第一当否抽選情報は記憶手段(図示せず)に記憶される。未だ当否抽選結果の報知が完了していない第一当否抽選情報(第一保留情報)は、報知演出が実行されているもの(識別図柄が変動中であるもの)に対応する第一変動中情報と、報知演出が実行されていないもの(識別図柄が変動前であるもの)に対応する第一変動前情報に区分けされる。本実施形態では、一つの第一変動中情報と、最大四つの第一変動前情報が記憶手段に記憶される。
【0018】
新たに第二当否抽選情報が取得されたとき、それよりも前に取得された第二当否抽選情報に基づく当否抽選(第二当否抽選)の結果を報知する報知演出(第二報知演出)が実行されているときには、新たに取得された第二当否抽選情報は記憶手段に記憶される。未だ当否抽選結果の報知が完了していない第二当否抽選情報(第二保留情報)は、報知演出が実行されているもの(識別図柄が変動中であるもの)に対応する第二変動中情報と、報知演出が実行されていないもの(識別図柄が変動前であるもの)に対応する第二変動前情報に区分けされる。本実施形態では、一つの第二変動中情報と、最大四つの第二変動前情報が記憶手段に記憶される。
【0019】
記憶手段に第一当否抽選情報および第二当否抽選情報の両方が記憶されている場合、すなわち、少なくとも第一変動中情報と第二変動中情報の両方が記憶されている場合には、第一当否抽選情報に基づく第一当否抽選結果についての第一報知演出と、第二当否抽選情報に基づく第二当否抽選結果についての第二報知演出とが同時進行する(いわゆる「特
図1・特
図2同時変動」タイプである)。つまり、第一報知演出と第二報知演出の一方が全て終了するまで、他方の報知演出(識別図柄の変動)が開始されないというものではない。
【0020】
本実施形態では、第一始動領域11として開放第一始動領域111、開閉第一始動領域112の二つが設けられている(
図2、
図4参照)。開放第一始動領域111は、常時開放された領域であって、遊技領域902の左側(表示領域911の左側)を遊技球が流下するように遊技球を発射(左打ち)することで狙う領域である。遊技領域902の右側(表示領域911の右側)を遊技球が流下するように遊技球を発射(右打ち)した場合には、開放第一始動領域111に遊技球が進入することはない。
【0021】
開閉第一始動領域112は、始動開閉部材112aにより入口が開閉される領域である。始動開閉部材112aは、閉位置と開位置との間を往復動差可能な部材であって、常態において閉位置に位置する(閉位置が原位置である)。つまり、開閉第一始動領域112は、常態において閉鎖された状態にある。始動開閉部材112aは、いわゆる電チュー(電動チューリップ)に相当するものである。普通抽選領域19に遊技球が進入することを契機とした普通抽選(始動領域に遊技球が進入することを契機とした抽選とは別の抽選である。以下単に当否抽選というときは、始動領域に遊技球が進入することを契機とした抽選を指すものとする)に当選することで始動開閉部材112aが閉位置から開位置に変位する。開閉第一始動領域112は遊技領域902の右側に設けられており、右打ちすることで狙う領域である。左打ちした場合には、開閉第一始動領域112に遊技球が進入することはない。
【0022】
第二始動領域12(
図2、
図4参照)は、常態において開放された領域であって、遊技領域902の右側に設けられており、右打ちすることで狙う領域である。左打ちした場合には、開閉第一始動領域112に遊技球が進入することはない。本実施形態における第二始動領域12は、進入した遊技球がそのまま遊技領域902を流下する構造(「ゲート」構造)を有する。開放第一始動領域111や開閉第一始動領域112と同じように、進入した遊技球が内部に取り込まれる構造としてもよい。
【0023】
3)大当たり・小当たり
大当たりに当選した場合、大当たり遊技が実行される。大当たり遊技それ自体は周知であるから詳細な説明を省略する。本実施形態では、所定条件成立まで大入賞領域21(
図2、
図4参照)が開放されるラウンド遊技が所定回数(当該回数がいわゆる「ラウンド数」である)繰り返される。
【0024】
小当たりに当選した場合、小当たり遊技が実行される。なお、本実施形態では、第一当否抽選結果として小当たりに当選することはない。つまり、第一当否抽選結果は、大当たりおよびはずれの一方である。第二当否抽選結果は、大当たり、小当たり、およびはずれのいずれかである。小当たり遊技は、所定条件成立まで小入賞領域22(
図2、
図4参照)が開放されるものである。大当たりよりも、獲得できる遊技球(トータルの賞球数)の期待値は低い。
【0025】
遊技領域902の右側には、上流側から下流側にかけて、大入賞領域21、開閉第一始動領域112(始動開閉部材112a)、小入賞領域22、第二始動領域12の順に並ぶように各領域が配置されている。各領域は、一条の通路に沿って配置されている(
図4参照)から、ある領域に遊技球が進入した場合、当該遊技球はそれよりも下流側に設けられた領域に進入することはない。例えば、開閉第一始動領域112に進入した遊技球は、小入賞領域22や第二始動領域12に進入することはない。
【0026】
4)遊技状態および主抽選
本実施形態では、大当たり当選を目指して遊技する遊技状態として、低確率状態、第一確変状態、第二確変状態(第一確変状態および第二確変状態をまとめて確変状態と称することもある)の三つが設定されている(
図5参照)。なお、当該「遊技状態」は、後述する通常状態・復旧状態とは異なる概念である。また、遊技状態の移行条件はどのようなものであってもよいから説明を省略する。基本的には、大当たり遊技終了後に、当該大当たりの種類に応じた遊技状態に移行する。
【0027】
これらの遊技状態は、大当たりに当選する確率(大当たり確率)の高低および普通抽選に当選する確率(普通抽選確率)の高低により区分けされる。本実施形態では、大当たり確率の低確率は約1/220であり、高確率は約1/100である(第一当否抽選および第二当否抽選のいずれでも当該確率である)。普通抽選確率の低確率は約1/500であり、高確率は約1/1.1である。普通抽選確率が高確率にある場合には、頻繁に開閉第一始動領域112が開放され、比較的容易に第一当否抽選情報が取得される。つまり、普通抽選確率が高確率である状態は、いわゆる「電サポ(電チューサポート)有」の状態である。逆に、普通抽選確率が低確率である状態は、いわゆる「電サポ無」の状態である。また、第二当否抽選での小当たり確率は約1/15である(遊技状態は問わない)。
【0028】
低確率状態は、大当たり確率が低く、普通抽選確率も低い状態である。「大当たり確率の高低/電サポの有無」で表すとすれば、「低確率/電サポ無」の状態である。低確率状態では、左打ちを行い、開放第一始動領域111に遊技球が進入すること(第一当否抽選情報の取得)を契機とした第一当否抽選により大当たり当選を目指す。低確率状態において右打ちした場合、開閉第一始動領域112にはほとんど遊技球は進入しない。一方、第二始動領域12には容易に遊技球が進入する。つまり、第二当否抽選情報は容易に取得され、それに基づく第二当否抽選が実行される。しかし、低確率状態では、一つの第二当否抽選結果を報知する第二報知演出に要する時間(変動時間)の平均は、数十分以上とされる(なお、一つの第一当否抽選結果を報知する第一報知演出に要する時間(変動時間)の平均は、数秒~数十秒程度である)。つまり、一つの第二当否抽選結果が報知されるまでの時間が極めて長いから、低確率状態にて右打ちしてもまともな遊技は望めない(大当たり当選までに要する平均時間が長すぎる)。なお、本実施形態では、低確率状態にて右打ち遊技がなされていることが検出された場合(右打ち遊技がなされてはじめて成立しうる条件が成立した場合)、左打ちに戻すよう遊技者に促す警告音が出力される。
【0029】
第一確変状態は、大当たり確率が高く、普通抽選確率も高い状態である。つまり、「高確率/電サポ有」の状態である。第一確変状態では、右打ちを行い、開閉第一始動領域112に遊技球が進入すること(第一当否抽選情報の取得)を契機とした第一当否抽選により大当たり当選を目指す。具体的には、普通抽選領域19に遊技球が進入することを契機とした普通抽選に当選することを契機として頻繁に開閉第一始動領域112が開放されるから、比較的容易に第一当否抽選情報が取得される。また、開閉第一始動領域112に進入しなかった遊技球が第二始動領域12に進入して第二当否抽選情報が取得される可能性はあるが、第二確変状態では、低確率状態と同様、一つの第二当否抽選結果を報知する第二報知演出に要する時間(変動時間)の平均は極めて長い。そのため、第二当否抽選結果をほとんど遊技者は享受することができず、第一当否抽選にて大当たり当選を目指すことになる。なお、第二当否抽選にて小当たりに当選し、小入賞領域22が開放されたとしても、頻繁に開閉第一始動領域112が開放して多くの遊技球が開閉第一始動領域112に進入するから、それよりも下流側に位置する小入賞領域22に遊技球が入賞することはほとんどない(小当たり当選の利益を享受することがほとんどない)。
【0030】
第二確変状態は、大当たり確率が高く、普通抽選確率が低い状態である。つまり、「高確率/電サポ無」の状態である。第二確変状態では、右打ちを行い、第二始動領域12に遊技球が進入すること(第二当否抽選情報の取得)を契機とした第二当否抽選により大当たり当選を目指す。第二当否抽選が実行されるため、比較的容易に小当たりに当選し、小入賞領域22が開放される。「電サポ無」の状態であるため、開閉第一始動領域112が開放されることはほとんどなく、開閉第一始動領域112よりも下流側に位置する小入賞領域22に多くの遊技球が到達する。つまり、小入賞領域22が開放されたときには、当該小入賞領域22に遊技球が進入することによる賞球が得られる。本実施形態では、継続的に右打ち遊技を行っていれば、一回の小当たりにつき平均2個の遊技球が小入賞領域22に入賞するように設定されている。また、開閉第一始動領域112が開放されることはほとんどないのであるから、第一当否抽選が実行されることもほとんどない。第一当否抽選が実行されるとしても、その第一当否抽選結果を報知する第一報知演出に要する時間(変動時間)の平均は極めて長い(数十分以上である)。なお、一つの第二当否抽選結果を報知する第二報知演出に要する時間(変動時間)の平均は、数秒~数十秒程度である。
【0031】
上記各遊技状態に応じた遊技態様で遊技した場合に主として取得される当否抽選情報に対応した当否抽選(当否抽選情報)を「主抽選」(主当否抽選情報)とし、主抽選ではない抽選を「逆抽選」(逆当否抽選情報)すると、低確率状態および第一確変状態では第一当否抽選(第一当否抽選情報)が主抽選(主当否抽選情報)であり、第二当否抽選(第二当否抽選情報)が逆抽選(逆当否抽選情報)であるということになる。一方、第二確変状態では第二当否抽選(第二当否抽選情報)が主抽選(主当否抽選情報)であり、第一当否抽選(第一当否抽選情報)が逆抽選(逆当否抽選情報)であるということになる(
図5参照)。
【0032】
変動時間という観点からみれば、主抽選に対応する変動時間の平均に比して、逆抽選に対応する変動時間の平均は極めて長くなるように設定されている。すなわち、低確率状態や第一確変状態では、主抽選である第一当否抽選に対応する変動時間が短く、逆抽選である第二当否抽選に対応する変動時間が長い。第二確変状態では、主抽選である第二当否抽選に対応する変動時間が短く、逆抽選である第一当否抽選に対応する変動時間が長い。
【0033】
記憶手段に記憶されている当否抽選情報は、保留図柄80として表示領域911に表示される。本実施形態では、主当否抽選情報が保留図柄80として表示され、逆当否抽選情報は保留図柄80として表示されない。つまり、低確率状態および第一確変状態では第一当否抽選情報の存在が保留図柄80として表示される。第二確変状態では第二当否抽選情報の存在が保留図柄80として表示される。なお、変動中情報に対応する変動中保留図柄81(いわゆる「当該変動保留」)および変動前情報に対応する変動前保留図柄82の両方が表示される構成(
図3参照)としてもよいし、変動中保留図柄81は表示されず、変動前保留図柄82が表示されるようにしてもよい(「当該変動保留」の表示の有無は問わない)。また、逆当否抽選情報の存在(数)は、逆保留画像89として表示領域911の隅に目立たないように示される構成としてもよい(当該逆当否抽選情報の存在(数)を示す表示は保留図柄80に相当しないものとする。したがって、逆当否抽選の結果を示唆する演出として、いわゆる保留変化演出は発生しない)。
【0034】
5)識別図柄
表示装置91の表示領域911には、当否抽選結果を示す識別図柄が表示される。識別図柄は、報知演出の開始とともに変動を開始し、報知演出の終了とともに当否抽選結果に応じた態様(当否態様)で変動を停止させるものである。なお、「変動」(状態)とは、経時的に図柄の態様(形態や位置等)が変化する状態をいい、当否態様は当該変化が停止した(終了した)状態をいうものとする。
【0035】
識別図柄は、主図柄31および補助図柄32に区分けされる(
図3参照)。通常状態(後述する復旧状態ではない状態のことをいう)において、主図柄31および補助図柄32は次のように表示されるものである。主図柄31は、主抽選の結果に対応して表示される図柄である。逆抽選の結果を報知するために主図柄31は表示されない。遊技者は、報知演出が実行されている際、当該主図柄31の帰趨に注目することになる。本実施形態における各種主図柄31は「数字」を含むものである。当該数字が同じであるものが同じ種類の主図柄31である。本実施形態では、複数種の主図柄31を含む主図柄群31g(左主図柄群31gL、中主図柄群31gC、右主図柄群31gR)が変動を開始し、最終的に各主図柄群31gから一の主図柄31が選択されて停止し、当否組み合わせ(当否態様)が構築される。主抽選の結果が大当たりである場合には当否組み合わせは同じ主図柄31の三つ揃いとなる。主抽選の結果が小当たりである場合には当否組み合わせは所定の法則を満たす組み合わせ(例えば、「3」と「7」の主図柄31から構成される組み合わせ)となる。主抽選の結果がはずれである場合にはそれ以外の組み合わせとなる。
【0036】
これに対し補助図柄32は、主図柄31よりも小さく(主図柄31よりも目立たないように)表示領域911に表示される図柄である(
図3参照)。表示領域911の外縁近傍に表示されるようにするとよい。補助図柄32は、少なくとも逆抽選の結果に対応するものが表示される。主抽選の結果に対応する補助図柄32が表示されてもよい。本実施形態では、第一当否抽選の結果に対応する第一補助図柄321と、第二当否抽選の結果に対応する第二補助図柄322が表示される。つまり、第一当否抽選および第二当否抽選のいずれが主抽選であっても(いずれが逆抽選であっても)、主抽選の結果に対応する補助図柄32(第一補助図柄321および第二補助図柄322の一方)と、逆抽選の結果に対応する補助図柄32(第一補助図柄321および第二補助図柄322の他方)が表示されることになる。
【0037】
補助図柄32の具体的態様(当否抽選結果の示し方)はどのようなものであってもよい。一例としては、主図柄31のように、当否に応じた複数種の補助図柄32の組み合わせが設定されたものとすることが考えられる。これとは異なり、一の補助図柄32のみによって当否が示される構成とすること、すなわち、一の補助図柄32の態様として、大当たりとなる図柄態様、小当たりとなる図柄態様、はずれとなる図柄態様が設定された構成とすることも考えられる。本実施形態では、一の第一補助図柄321(外観が「三角」である)および一の第二補助図柄322(外観が「四角」である)が表示される構成とされており、大当たりとなる場合には「赤」の図柄(マーク)が、小当たりとなる場合には「緑」の図柄(マーク)が、はずれとなる場合には「青」の図柄(マーク)が表示される構成とされている(
図3参照)。変動中は、経時的に図柄態様(色)が変化する。なお、図面においては当該図柄の色を「文字」で示し、変動中に関しては「~」で示す。
【0038】
6)復旧状態および当該状態での識別図柄の表示
電源OFFの状態から電源ONの状態となったときには、表示領域911に復旧画面50が表示される(
図7(b)等参照)。当該復旧画面50が表示されている状態を復旧状態とする。復旧状態は、復旧完了条件が成立するまで継続し、復旧完了条件が成立した後は通常状態となる。つまり、電源ONとされてから、復旧完了条件が成立するまで、復旧画面50が表示され続ける。復旧画面50の具体的態様はどのようなものであってもよい。遊技者、遊技店員等が、復旧中であることを把握できるような態様を含むものであればよい。
【0039】
復旧状態には、遊技店員が自らの意に沿って電源をOFF/ONしたことに伴って生じるケース(以下、このようなケースを「通常復旧」と称することもある)と、停電等により電力供給が遮断される等の異常が発生し、それが解消された結果生じるケース(以下、このようなケースを「異常復旧」と称することもある)がある。通常復旧のケースは、遊技店の閉店/開店等に伴って行われることであるから、遊技中に復旧状態となる生じることは考えにくい。異常復旧のケースは、その原因となる異常は遊技者が遊技中に生じうることであるから、遊技中に復旧状態となるケースが考えられる。
【0040】
復旧状態(復旧画面50の表示)は、復旧完了条件が成立するまで継続する。復旧完了条件が成立することを契機として、通常状態に戻る(
図6等参照)。復旧完了条件は、復旧状態となった時点(電源ONとされた時点)で、記憶手段に当否抽選情報が全く記憶されていない場合(通常復旧および異常復旧のいずれのケースにおいても生じうる)と、記憶手段に当否抽選情報が記憶されている場合(異常復旧のケースで生じうる)とで異なる。
【0041】
復旧状態となった時点(電源ONとされた時点)で記憶手段に当否抽選情報が全く記憶されていない場合の復旧完了条件はどのようなものであってもよい。例えば、復旧状態となった時点(電源ONとされた時点)から所定時間経過した時点を復旧完了条件の成立として設定してもよい。これとは異なり、可動役物等の初期動作が完了したことを復旧完了条件として設定してもよい。
【0042】
復旧状態となった時点(電源ONとされた時点)で記憶手段に当否抽選情報が記憶されている場合には、復旧状態となった後、「最初に主抽選の当否抽選結果の報知が完了したこと」を復旧完了条件の成立としている(
図6等参照)。異常が発生したとき(復旧したとき)の遊技状態が低確率状態や第一確変状態であれば「最初に第一当否抽選結果の報知が完了したこと」が復旧完了条件の成立となるし、第二確変状態であれば「最初に第二当否抽選結果の報知が完了したこと」が復旧完了条件の成立となる。
【0043】
一例を挙げて説明する。低確率状態にて遊技している際(
図7(a)参照)に異常(停電)が発生したものとする。異常が発生した時点で、主当否抽選情報である第一当否抽選情報が二つ(第一変動中情報が一つと、第一変動前情報が一つ)記憶されていたとする。異常が発生した時点で報知されていた第一報知演出の変動時間は20秒であることが決定されており、当該第一報知演出の開始から5秒経過した時点で異常が発生して電源がOFFとなったものとする(
図6参照)。つまり、現在報知されている主抽選の報知演出に要する残り時間が15秒であったとする。
【0044】
また、低確率状態ではあるが、異常が発生した時点で、逆当否抽選情報(当該逆当否抽選情報が、本発明における特定当否抽選情報に相当する)である第二当否抽選情報が二つ(第二変動中情報が一つと、第二変動前情報が一つ)記憶された状態にあったとする。なお、逆保留画像89は、第二変動前情報の数(一つ)を示すものとする(
図7(a)参照)。第二変動中情報に対応する第二報知演出の変動時間は15分であることが決定されており、当該報知演出の開始から3分30秒経過した時点で異常が発生して電源がOFFとなったものとする。つまり、現在報知されている逆抽選の報知演出に要する残り時間が11分30秒であったとする(
図6参照)。
【0045】
この場合、復旧状態に移行してから(電源ONとなってから)(
図6、
図7(b)参照)、15秒経過した時点で、主抽選(第一当否抽選)の結果の報知(ほとんどは「はずれ」である)が完了する(
図6、
図7(c)参照)。これが復旧状態となった後「最初に主抽選の当否抽選結果の報知が完了したこと」したこと、すなわち復旧完了条件の成立に相当する。当該条件の成立を契機として通常状態に移行する。逆抽選を基準としてみれば、逆抽選の報知演出に要する残り時間が11分15秒となった時点で復旧完了条件が成立し、通常状態に移行することになる。なお、極めて稀ではあるが、主抽選の結果が大当たりである場合には、通常状態の移行とともに大当たり遊技が開始される。このように、主抽選に対応する変動時間は、逆抽選に対応する変動時間に比してかなり短いのであるから、第一当否抽選情報および第二当否抽選情報の両方(主当否抽選情報および逆当否抽選情報の両方)が記憶された状態にて異常が発生し、当該異常が解消された後の「最初の当否抽選結果の報知」は主抽選の結果であることが通常となる。
【0046】
本実施形態では、復旧状態では、第一補助図柄321と第二補助図柄322が表示される(
図7(b)参照)。つまり、復旧画面50とともに(復旧画面50に重ねられて)、第一補助図柄321と第二補助図柄322が表示される。第一当否抽選および第二当否抽選のいずれが主抽選であっても(いずれが逆抽選であっても)補助図柄32が表示されることになる。上記の例でいえば、復旧完了条件が成立するまでの15秒間、第一補助図柄321および第二補助図柄322が変動状態にある。
【0047】
一方、復旧状態にて主図柄31は表示されない(
図7(b)参照)。通常状態に移行した後は、主抽選である第一当否抽選の結果を示すための主図柄31が表示され、かつ、第一補助図柄321および第二補助図柄322が表示された状態となる。つまり、復旧状態から通常状態に移行することを契機に、主抽選の結果を示す主図柄31が表示された状態となる。
【0048】
ここで、参考として、復旧状態にて補助図柄32が表示されない例を想定する。つまり、復旧状態では、主図柄31および補助図柄32(識別図柄)のいずれも表示されないという構成である。この場合、上記の例でいえば、復旧完了条件が成立するまでの15秒間は、復旧画面50が表示されるだけで、補助図柄32は表示されないことになる(
図9(a)参照)。そして、復旧完了条件が成立後、補助図柄32が表示された状態(併せて主図柄31が表示された状態)(
図9(b)参照)に変化することになる。この際、逆抽選に対応する第二補助図柄322は、変動時間の途中で急に表れることになる。つまり、変動時間の残りが11分30秒である時点から11分15秒である時点(通常状態に移行する時点)までの間(
図9(a)に示す状態にある間)は逆抽選に対応する補助図柄32(識別図柄)が表示されていないにも関わらず、変動時間の残りが11分15秒となった時点で急に表示されることになる。これを見た遊技者は、通常状態に移行すると同時に、逆抽選に対応する第二補助図柄322の変動が開始された(第二報知演出が開始された)と勘違いしてしまう(逆抽選に関する誤解が生じる)おそれがある。
【0049】
本実施形態では、復旧状態においても逆抽選に対応する第二補助図柄322が表示されている。つまり、復旧状態から通常状態にかけて継続的に逆抽選に対応する補助図柄が表示され続けている(
図7(b)→
図8(a)→
図8(b))から、通常状態に移行することを契機として逆抽選に対応する補助図柄32が変動を開始したと遊技者が勘違いしてしまうおそれは低い。
【0050】
本実施形態では、復旧状態において、第一補助図柄321および第二補助図柄322の両方が表示される(
図7(b)参照)。つまり、逆抽選に対応する補助図柄32だけでなく、主抽選に対応する補助図柄32も表示される。逆抽選に関する誤解が生じるおそれを低減するためであれば、逆抽選に対応する補助図柄32が表示されればよく、主抽選に対応する補助図柄32が表示されなくてもよい。つまり、低確率状態や第一確変状態では第二補助図柄322が表示されるものの第一補助図柄321が表示されない設定(
図10(a)参照)とし、第二確変状態では第一補助図柄321が表示されるものの第二補助図柄322が表示されない設定(
図10(b)参照)としてもよい。
【0051】
ただし、本実施形態のように、復旧状態において、第一補助図柄321および第二補助図柄322の両方が表示される構成とする(逆抽選に対応する補助図柄32だけでなく、主抽選に対応する補助図柄32も表示される構成とする)ことは、次のような利点がある。主抽選に対応する補助図柄32は、復旧状態の終了とともに変動を停止し、通常状態の移行とともに変動を開始することになるため、主抽選に対応する当否抽選結果の報知に合わせて復旧状態が終了していることが把握される。つまり、逆抽選だけでなく、主抽選に関して遊技者が誤解してしまうことが抑制される。また、第一補助図柄321および第二補助図柄322の両方が表示されれば、遊技状態(低確率状態および第一確変状態/第二確変状態)によらず逆抽選に対応する補助図柄32が必ず表示されるということになるから、制御が容易である(遊技状態に応じて表示する方の補助図柄32を決めるという制御が不要になる)という利点がある。
【0052】
また、本実施形態では、復旧状態では主図柄31は表示されない。主図柄31が表示されてしまうと通常状態との見た目の差が小さくなり、復旧状態であることが分かりにくい。つまり、復旧状態であることを分かりやすく示しつつ、当否抽選結果に関する誤解が生じないようにするのであれば、主図柄31は表示されず、補助図柄32が表示されるようにするとよい。
【0053】
これに対し、復旧状態においても主図柄31(主抽選に対応する識別図柄)が表示されるようにしてもよい。補助図柄32は主図柄31よりも小さく表示される図柄であって目立たない図柄であるから、復旧状態にて主図柄31が表示されるようにすることで、復旧状態であっても当否抽選結果(主抽選の結果)についての報知演出が進行していることが分かりやすいという利点がある。
【0054】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0055】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0056】
・手段1
当否抽選に用いる情報であって、対応する当否抽選結果の報知が未だ完了していない当否抽選情報を複数記憶することが可能な記憶手段と、電源OFFから電源ONとなったときに、復旧完了条件が成立するまで前記表示手段に復旧画面が表示される復旧状態とし、当該復旧完了条件が成立した後は通常状態とする状態制御手段と、前記表示手段に表示される当否抽選結果を示す図柄であって、当否抽選結果の報知の完了時に当該当否抽選結果に応じた態様で変動が停止する識別図柄を制御する図柄制御手段と、を備え、前記復旧状態であっても、前記当否抽選情報として特定当否抽選情報が前記記憶手段に記憶されているときには、当該特定当否抽選情報を用いた当否抽選結果に対応する前記識別図柄が前記復旧画面とともに表示されることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、復旧状態であっても、特定当否抽選情報に対応する当否抽選結果に対応する識別図柄が表示されるから、当否抽選結果に関する誤解が生じにくい。
【0057】
・手段2
前記通常状態では、前記識別図柄として主図柄および当該主図柄よりも小さい補助図柄が表示され、前記復旧状態では、前記主図柄が表示されず、前記補助図柄が表示されることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
主図柄が表示されないようにすれば、復旧状態であることが分かりやすい。
【0058】
・手段3
前記当否抽選情報は第一当否抽選情報と第二当否抽選情報に区分けされ、前記記憶手段に前記第一当否抽選情報および前記第二当否抽選情報の両方が記憶されているときには、前記第一当否抽選情報を用いた当否抽選結果の報知演出と前記第二当否抽選情報を用いた当否抽選結果の報知演出が同時進行するように設定され、電源がONとされた後、最初に前記第一当否抽選情報および前記第二当否抽選情報の一方を用いた当否抽選結果の報知が完了したことが前記復旧完了条件として設定されており、 前記特定当否抽選情報は、前記第一当否抽選情報および前記第二当否抽選情報の他方であることを特徴とする手段1または手段2に記載の遊技機。
このようにすることで、特定当否抽選情報に対応する当否抽選結果の報知が、復旧状態中は実行されておらず、復旧完了とともに開始されると遊技者が勘違いしてしまうおそれを低減することが可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 遊技機
11 第一始動領域(111 開放第一始動領域 112 開閉第一始動領域)
12 第二始動領域
31 主図柄
32 補助図柄(321 第一補助図柄 322 第二補助図柄)
50 復旧画面
91 表示装置
911 表示領域