(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】包装装置
(51)【国際特許分類】
B65B 51/10 20060101AFI20230220BHJP
B65B 51/28 20060101ALI20230220BHJP
B65B 9/087 20120101ALI20230220BHJP
【FI】
B65B51/10 A
B65B51/28
B65B9/087
(21)【出願番号】P 2020072788
(22)【出願日】2020-04-15
【審査請求日】2021-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】508329302
【氏名又は名称】株式会社コマック
(74)【代理人】
【識別番号】100098202
【氏名又は名称】中村 信彦
(72)【発明者】
【氏名】内木 雄也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 義雄
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-133769(JP,U)
【文献】特開昭62-039428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/10
B65B 51/28
B65B 9/087
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートシール可能なフィルムの搬送方向に回転軸線を交叉させるように配される一対のシールロールによって前記フィルムから三方シール包装の包装袋体を連続的に生成する包装装置であって、
前記一対のシールロールはそれぞれ、前記回転軸線を周回するように形成された鍔状隆起部と、前記回転軸線に沿う向きに延びる台状隆起部とを備えており、
前記フィルムを介して突き合わされる前記一対のシールロールの前記鍔状隆起部により前記フィルムに前記搬送方向に沿った第一シール部を施すと共に、前記フィルムを介して突き合わされる前記一対のシールロールの前記台状隆起部により前記フィルムに前記搬送方向に交叉する第二シール部を前記搬送方向において隣り合う前記第二シール部との間に間隔を開けて施すようになっており、
前記一対のシールロールをそれぞれ、前記台状隆起部を備えた副軸部分と、この副軸部分に回転可能に軸支されると共に前記鍔状隆起部を備えた主軸部分とから構成させると共に、
前記一対のシールロールの前記主軸部分が第一サーボモータにより回転駆動され、前記一対のシールロールの前記副軸部分が第二サーボモータにより回転駆動されるようにしてなる、包装装置。
【請求項2】
前記副軸部分
は、前記台状隆起部を備えた太径部と、この太径部との間に周回段差を形成させて前記太径部に続く細径部とを備え、前記台状隆起部の一方端部を前記周回段差の同面上に位置させるように構成すると共に、
前記主軸部分は、一端部に前記鍔状隆起部を備えたスリーブ状をなし、前記鍔状隆起部の側面を前記周回段差に実質的に突き当てる位置まで前記細径部を
前記主軸部分の内部に受け入れて前記副軸部分に軸支されるように構成してなる、請求項1に記載の包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、三方シール包装の包装袋体を連続的に生成する包装装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一対のシールロール100によって、ヒートシール可能なフィルムFから、三方シール包装の包装袋体Pを連続的に生成する包装装置として、
図7に示される構成のものがある。
【0003】
一対のシールロール100は、前記フィルムFの搬送方向xに回転軸線yを交叉させるように配される。
図7中、符号Faで示されるのは前記フィルムの原反ロール、符号101で示されるのは前記原反ロールFaから引き出されて搬送されるフィルムFを内側に通してこれを搬送途中から二つ折りにするガイド手段、符号102で示されるのは被包装物(図示は省略する。)の供給手段を構成するホッパー、符号103で示されるのは被包装物の受け入れ部103aを回転方向に間隔を開けて複数備えた回転テーブル、符号104で示されるのはシューターである。被包装物は、ホッパーの102下方に回転テーブル103の受け入れ部103aが位置されるときに受け入れ部103aに供給される。受け入れ部103aに供給された被包装物は、シューター104の上方に受け入れ部103aが位置されるときにシューター104に供給される。一対のシールロール100はそれぞれ、前記のように二つ折りされて一対のシールロール100間に送り込まれるフィルムFに対し、前記折った側と反対の側に前記フィルムの搬送方向xに沿った第一シール部S1を連続的に施す鍔状隆起部100aと、前記搬送方向xに交叉する第二シール部S2を前記搬送方向xにおいて隣り合う第二シール部S2との間に一定の間隔を開けて間欠的に施す台状隆起部100bとを備えている。第一シール部S1と先順位で施された第二シール部S2と次順位で施された第二シール部S2と前記二つ折りの折り辺Paとにより、一つの包装袋体Pが形成される。被包装物は、次順位の第二シール部S2が施されるまでの間に先順位の第二シール部S2を底として前記シューター104から投入されるようにする。この次順位の第二シール部S2は次に生成される包装袋体Pにおける先順位で施された第二シール部S2となる。
【0004】
かかる
図7に示されるタイプの包装装置は、一対のシールロール100によって二つ折りにしたフィルムFに第一シール部S1と第二シール部S2とを施すようになっていることから、前記シューター104からの投入距離z(
図7参照)を最小化させることができ、粉末状、顆粒状をした被包装物を定量包装する用途に適している。
【0005】
しかるに、
図7に示されるタイプの包装装置では、生成される包装袋体Pにおける第二シール部S2間の距離L、すなわち、前記フィルムFの搬送方向xにおける生成される包装袋体Pの大きさを必要に応じて変えることはできない。第二シール部S2は前記台状隆起部100bによって形成されることから、前記距離Lを変えるためにはシールロール100自体を交換せざるを得なかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種の三方シール包装の包装袋体を連続的に生成する包装装置において、生成される包装袋体における前記第二シール部間の距離を、前記シールロールを交換することなく、必要に応じて容易に可変できるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、包装装置を、ヒートシール可能なフィルムの搬送方向に回転軸線を交叉させるように配される一対のシールロールによって前記フィルムから三方シール包装の包装袋体を連続的に生成する包装装置であって、
前記一対のシールロールはそれぞれ、前記回転軸線を周回するように形成された鍔状隆起部と、前記回転軸線に沿う向きに延びる台状隆起部とを備えており、
前記フィルムを介して突き合わされる前記一対のシールロールの前記鍔状隆起部により前記フィルムに前記搬送方向に沿った第一シール部を施すと共に、前記フィルムを介して突き合わされる前記一対のシールロールの前記台状隆起部により前記フィルムに前記搬送方向に交叉する第二シール部を前記搬送方向において隣り合う前記第二シール部との間に間隔を開けて施すようになっており、
前記一対のシールロールをそれぞれ、前記台状隆起部を備えた副軸部分と、この副軸部分に回転可能に軸支されると共に前記鍔状隆起部を備えた主軸部分とから構成させると共に、
前記一対のシールロールの前記主軸部分が第一サーボモータにより回転駆動され、前記一対のシールロールの前記副軸部分が第二サーボモータにより回転駆動されるようにしてなる、ものとした。
【0008】
生成される包装袋体における第二シール部間の距離、すなわち、前記フィルムの搬送方向における生成される包装袋体の大きさは、第一サーボモータ及び第二サーボモータの双方又はいずれか一方の制御により副軸部分の回転速度を変化又は相対的に変化させることで、容易に変更することができる。
具体的には、副軸部分は、一対のシールロールの一方の台状隆起部と他方の台状隆起部とが突き合わされている間(以下、突合せ状態という。)は、主軸部分の回転速度と同一の回転速度で回転されるように、前記制御を行う。その上で、この発明にかかる包装装置にあっては、前記突合せ状態が生じていない間の副軸部分の回転速度を主軸部分の回転速度と一致させないようにする前記制御を行うことができる。副軸部分の回転速度を大きく(あるいは相対的に大きく)すればするほど生成される包装袋体における第二シール部間の距離は狭まり(一つの包装袋体の大きさは小さくなる。)、副軸部分の回転速度を小さく(あるいは相対的に小さく)すればするほど生成される包装袋体における第二シール部間の距離は広がる(一つの包装袋体の大きさは大きくなる。)。
【0009】
前記副軸部分は、前記台状隆起部を備えた太径部と、この太径部との間に周回段差を形成させて前記太径部に続く細径部とを備え、前記台状隆起部の一方端部を前記周回段差の同面上に位置させるように構成すると共に、
前記主軸部分は、一端部に前記鍔状隆起部を備えたスリーブ状をなし、前記鍔状隆起部の側面を前記周回段差に実質的に突き当てる位置まで前記細径部を前記主軸部分の内部に受け入れて前記副軸部分に軸支されるように構成することが、この発明の態様の一つとされる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、この種の三方シール包装の包装袋体を連続的に生成する包装装置において、生成される包装袋体における前記第二シール部間の距離を、前記第一サーボモータ及び第二サーボモータの双方又はいずれか一方の制御によって、必要に応じて容易に可変することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、この発明の一実施の形態にかかる包装装置の要部斜視構成図である。
【
図2】
図2は、
図1におけるフィルムないし包装袋体を示した斜視構成図である。
【
図3】
図3は、前記包装装置の要部破断平面構成図である。
【
図4】
図4は、前記包装装置を構成するシールロールの側面構成図である。
【
図5】
図5は、前記シールロールを構成する主軸部分及び副軸部分の斜視構成図である。
【
図6】
図6は、前記包装装置を構成するベアリングケースの斜視構成図である。
【
図7】
図7は、従来の包装装置の要部斜視構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、
図1~
図6に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について説明する。この実施の形態にかかる包装装置は、一対のシールロール1によって、ヒートシール可能なフィルムFから、三方シール包装の包装袋体Pを連続的に生成するものである。
【0013】
一対のシールロール1は、前記フィルムFの搬送方向xに回転軸線yを交叉させるように配される。
【0014】
図1中、符号Faで示されるのは前記フィルムFの原反ロール、符号2で示されるのは前記原反ロールFaから引き出されて搬送されるフィルムFを内側に通してこれを搬送途中から二つ折りにするガイド手段、符号3で示されるのは図示しない被包装物の供給手段を構成するホッパー、符号4で示されるのは被包装物の受け入れ部4aを回転方向に間隔を開けて複数備えた回転テーブル4、符号5で示されるのはシューターである。
【0015】
被包装物は、ホッパー3の下方に回転テーブル4の受け入れ部4aが位置されるときに受け入れ部4aに供給される。受け入れ部4aに供給された被包装物は、シューター5上方に受け入れ部4aが位置されるときにシューター5に供給されるようになっている。
【0016】
一対のシールロール1はそれぞれ、前記のように二つ折りされて一対のシールロール1間に送り込まれるフィルムFに対し、前記折った側と反対の側に前記フィルムFの搬送方向xに沿った第一シール部S1を連続的に施す鍔状隆起部1aと、前記搬送方向xに交叉する第二シール部S2を前記搬送方向xにおいて隣り合う第二シール部S2との間に一定の間隔を開けて間欠的に施す台状隆起部1bとを備えている。
【0017】
前記鍔状隆起部1aは、前記回転軸線yを周回するように形成され、前記台状隆起部1bは、前記回転軸線yに沿う向きに延びている。
【0018】
一対のシールロール1は、これらの一方の鍔状隆起部1aとこれらの他方の鍔状隆起部1aとを、前記のように二つ折りにされたフィルムFの沿った側と反対の左右の縁部Fbを介在させた状態で、常時突き合わして回転される。これによって、一対のシールロール1間に送り込まれるフィルムFの折った側と反対の側にフィルムFの搬送方向xに沿った第一シール部S1が連続的に形成される。
【0019】
それと共に、一対のシールロール1は、これらの一方の台状隆起部1bとこれらの他方の台状隆起部1bとを、前記のように二つ折りにされたフィルムFを介在させた状態で、周期的に突き合わす。これによって、一対のシールロール1間に送り込まれるフィルムFの第一シール部S1と前記二つ折りの折り辺Paとの間に亘る第二シール部S2がフィルムFの搬送方向xにおいて隣り合う第二シール部S2との間に所定の間隔分けて間欠的に形成される。
【0020】
第一シール部S1と先順位で施された第二シール部S2と次順位で施された第二シール部S2と前記二つ折りの折り辺Paとにより、一つの包装袋体Pが形成される。被包装物は、次順位の第二シール部S2が施されるまでの間に先順位の第二シール部S2を底として前記シューター5から投入される。この次順位の第二シール部S2は次に生成される包装袋体Pにおける先順位で施された第二シール部S2となる。
【0021】
前記原反ロールFa、ガイド手段2、供給手段、一対のシールロール1は、図示しない基台に支持される。必要に応じて、包装装置には、連続的に生成される包装袋体Pを一袋づつに切り分ける図示しないカッティング手段や、前記第一シール部S1側に開封用のノッチを形成させる図示しないノッチ形成手段などが加えられる。
【0022】
この発明にかかる包装装置にあっては、前記一対のシールロール1はそれぞれ、前記台状隆起部1bを備えた副軸部分1’と、この副軸部分1’に回転可能に軸支されると共に前記鍔状隆起部1aを備えた主軸部分1”とから構成されている。
【0023】
それとと共に、前記一対のシールロール1の前記副軸部分1’が第二サーボモータ6により回転駆動され、前記一対のシールロール1の前記主軸部分1”が第一サーボモータ7により回転駆動されるようになっている。
【0024】
具体的には、前記副軸部分1’は、前記台状隆起部1bを備えた太径部1cと、この太径部1cとの間に周回段差1eを形成させて前記太径部1cに続く細径部1dとを備え、前記台状隆起部1bの一方端部1baを前記周回段差1eの同面上に位置させるように構成されている。
【0025】
図示の例では、副軸部分1’は、金属製であり、前記細径部1dの形成側と反対の側に、前記太径部1cより細径に構成される延長部1fを備えている。すなわち、太径部1cは、細径部1dと延長部1fとの間に位置されている。
【0026】
太径部1cは、図示の例では、前記周回段差1eと反対の側に鍔部1gを有すると共に、この鍔部1gと周回段差1eとの間に亘って、台状隆起部1bを備えた形態となっている。図示の例では、台状隆起部1bは前記回転軸線yを周回する方向において、隣り合う台状隆起部1bとの間に間隔を開けて、四箇所に形成されている。一つのシールロール1の副軸部分1’に形成される台状隆起部1bの形成数は必要に応じて適宜変更される。各台状隆起部1bは前記回転軸線yを中心とした仮想の円(図示は省略する)の円弧上に実質的に位置される押圧面1bbと、両側面1bcとを備えており、この押圧面1bbによって前記第二シール部S2を形成するようになっている。この押圧面1bbには、必要に応じて、碁盤目などが形成される。
【0027】
図中符号8で示されるのは、延長部1fに備え付けられるベベルギアであり、このベベルギア8が第二サーボモータ6の駆動力の伝達経路の端末に配されるベベルギア9にかみ合っている。これにより、第二サーボモータ6の駆動により、一対のシールロール1の一方を構成する副軸部分1’が回転されるようになっている。
【0028】
また、図中符号10で示されるのは、延長部1fに備え付けられる連動用ギアであり、一対のシールロール1の一方の副軸部分1’に備えられる連動用ギア10と他方の副軸部分1’に備えられる連動用ギア10とのかみ合いにより、前記第二サーボモータ6の駆動によって一対のシールロール1の一方の副軸部分1’と他方の副軸部分1’とが両者の間に
図1の上方から受け入れられたフィルムFを
図1の下方に送り出すように回転されるようになっている。
【0029】
また、前記副軸部分1’は前記延長部1fの端末から太径部1c内に至る中空部1gを備えており、この中空部1gを利用して副軸部分1’に図中符号11で示される棒状のヒータが位置づけられている。図中符号11aで示されるにはこのヒータに電力を供給する配線である。このヒータ11により副軸部分1’は前記台状隆起部1bによって前記フィルムFに第二シール部S2を形成する温度に加温されるようになっている。
【0030】
一方、前記主軸部分1”は、金属製であり、一端部に前記鍔状隆起部1aを備えたスリーブ状をなしている。図示の例では、主軸部分1”は、円盤状部1hと、この円盤状部1hに一端を一体に連接させた筒状部1iとを備え、円盤状部1hの中央から筒状部1iの他端に亘る軸穴1jを備えた形態となっている。図示の例では、この円盤状部1hの周面1haと前記軸穴1jの開口側にある円盤状部1hの側面1hbとが接する隅部1hcから円盤状部1hの厚さ方向中程の位置までが前記鍔状隆起部1aとして機能する部分となっている。
【0031】
そして、前記主軸部分1”は、前記鍔状隆起部1aの側面1ab、図示の例では、前記軸穴1jの開口側にある前記円盤状部1hの側面1hbを、前記副軸部分1’の前記周回段差1eに実質的に突き当てる位置まで、前記細径部1dを内部に受け入れて前記副軸部分1’に軸支されるように構成されている。前記鍔状隆起部1aの前記側面1abと前記副軸部分1’の前記周回段差1eとの間には、通常、10μm~50μm程度の隙間が形成される。この隙間により、前記第一シール部S1と前記第二シール部S2との間にも微細な隙間が作られることになるが、この程度の隙間は前記フィルムFの溶融したシーラント層により埋められるので生成される包装袋体Pの密封性に影響しない。
【0032】
図示の例では、主軸部分1”の前記軸穴1jに、前記円盤状部1hの形成側から、前記副軸部分1’の細径部1dが挿通されて、副軸部分1’の細径部1dを軸として副軸部分1’と独立して回転可能な状態で主軸部分1”が副軸部分1’に組み合わされている。図示の例では、主軸部分1”の円盤状部1hの内部と、筒状部1iの他端の内部とがそれぞれ、ベアリング12を介在させて副軸部分1’に組み合わされており、このベアリング12によって主軸部分1”は副軸部分1’と独立して回転されるようになっている(
図3参照)。図中符号17で示されのは、副軸部分1’と主軸部分1”の前記の組み合わせ状態を維持するように副軸部分1’の細径部1dの端末に止め付けられる押さえ部材である。
【0033】
図中符号13で示されるのは、筒状部1iに備え付けられる連動用ギアである。図示の例では、一対のシールロール1の一方の主軸部分1”に備えられた連動用ギア13が第一サーボモータ7の駆動力の伝達経路の端末に配される図示しないギアにかみ合わされている。これにより、図示の例では、一対のシールロール1の一方の主軸部分1”に備えられる連動用ギア13と他方の主軸部分1”に備えられる連動用ギア13とのかみ合いにより、前記第一サーボモータ7の駆動によって一対のシールロール1の一方の主軸部分1”と他方の主軸部分1”とが両者の間に
図1の上方から受け入れられたフィルムFを
図1の下方に送り出すように回転されるようになっている。
【0034】
また、前記主軸部分1”は前記円盤状部1hにおける前記鍔状隆起部1aの形成されていない部分に棒状ヒータ14の挿入穴1kを備えており、この挿入穴1kを利用して主軸部分1”に納められるヒータ14によって前記主軸部分1”は前記鍔状隆起部1aにより前記フィルムFに第一シール部S1を形成する温度に加温されるようになっている。
【0035】
なお、図示の例では、一対のシールロール1はそれぞれ、図中符号15で示され二箇所のベアリングケースを介して、包装装置の図示しない基台に支持されたフレームに回転可能に支持されている。一対のシールロール1の一方に対するベアリングケース15と他方に対するベアリングケース15との間には圧縮コイルバネ16が介在されている。このバネ16の付勢力に抗する向きに一対のシールロール1の一方側を支持するベアリングケース15を押圧することで一対のシールロール1間の距離の調整が可能とされる。
【0036】
生成される包装袋体Pにおける第二シール部S2間の距離、すなわち、前記フィルムFの搬送方向xにおける生成される包装袋体Pの大きさは、第一サーボモータ7及び第二サーボモータ6の双方又はいずれか一方の制御により副軸部分1’の回転速度を変化又は相対的に変化させることで、容易に変更することができる。
具体的には、副軸部分1’は、一対のシールロール1の一方の台状隆起部1bと他方の台状隆起部1bとが突き合わされている間(以下、突合せ状態という。)は、主軸部分1”の回転速度と同一の回転速度で回転されるように、前記制御を行う。その上で、この実施の形態にかかる包装装置にあっては、前記突合せ状態が生じていない間の副軸部分1’の回転速度を主軸部分1”の回転速度と一致させないようにする前記制御を行うことができる。副軸部分1’の回転速度を大きく(あるいは相対的に大きく)すればするほど生成される包装袋体Pにおける第二シール部S2間の距離D(
図2参照)は狭まり(一つの包装袋体Pの大きさは小さくなる。)、副軸部分1’の回転速度を小さく(あるいは相対的に小さく)すればするほど生成される包装袋体Pにおける第二シール部S2間の距離Dは広がる(一つの包装袋体Pの大きさは大きくなる。)。
【0037】
すなわち、この実施の形態にかかる包装装置によれば、生成される包装袋体Pにおける前記第二シール部S2間の距離を、前記シールロール1を交換することなく、必要に応じて容易に可変することができる。
【0038】
また、
図2に示されるように、フィルムFに等間隔でマークなどの図柄Fdが施されている場合、前記台状隆起部1bによって施される隣り合う第二シール部間の例えばちょうど中間にこの図柄Fdが位置された状態で包装袋体Pが生成されるようにする調整(図柄合わせなどと称される。)を、前記第一サーボモータ7及び第二サーボモータ6の双方又はいずれか一方の制御による副軸部分1’の回転速度の変更又は相対的な変更によって容易に行うことができる。
【0039】
なお、当然のことながら、本発明は以上に説明した実施態様に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得るすべての実施態様を含むものである。
【符号の説明】
【0040】
F フィルム
x 搬送方向
S1 第一シール部
S2 第二シール部
1 シールロール
1’ 副軸部分
1” 主軸部分
1a 鍔状隆起部
1b 台状隆起部
6 第二サーボモータ
7 第一サーボモータ