(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 57/00 20060101AFI20230220BHJP
【FI】
B65B57/00 C
B65B57/00 D
(21)【出願番号】P 2020088931
(22)【出願日】2020-05-21
【審査請求日】2020-05-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000152125
【氏名又は名称】株式会社プレッシオ
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】石黒 琢也
(72)【発明者】
【氏名】染矢 丈
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-070913(JP,A)
【文献】特開2012-256134(JP,A)
【文献】特開2019-131204(JP,A)
【文献】特開2017-167815(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0110129(US,A1)
【文献】特開2011-131899(JP,A)
【文献】特開2009-265719(JP,A)
【文献】特開2015-137111(JP,A)
【文献】特開2014-231367(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配達物を包装フィルムで包装する包装機であって、
2枚組の前記包装フィルムを袋状に溶着するヒータと、
前記包装機の使用状態の情報、動作設定の情報、エラー情報の少なくとも何れかをサーバに送信する通信モジュールと、
を具備し、
前記通信モジュールは、
前記包装機の電源投入後から前記ヒータが前記溶着をすることができる温度に達するまでの時間には、分析に必要な前記包装機の使用状態の情報及び動作設定の情報の少なくとも何れかを前記サーバに送信し、
前記包装機のエラーの発生時には、前記エラー情報とともに前記包装機の使用状態の情報と前記動作設定の情報とを前記サーバに送信する、
包装機。
【請求項2】
前記包装機の使用状態の情報は、前記包装が行われた回数であるパック回数を含む請求項1に記載の包装機。
【請求項3】
前記動作設定の情報は、前記包装機の包装モードが、2枚組の包装フィルムの接着部に隙間ができるように前記2枚組の包装フィルムで前記配達物を包装する第1のモードと前記隙間ができないように前記2枚組の包装フィルムで前記配達物を包装する第2のモードとの何れであるかを示す情報を含む請求項1又は2に記載の包装機。
【請求項4】
前記通信モジュールは、無線通信モジュールである請求項1乃至3の何れか1項に記載の包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
被包装物を包装フィルム等で包装する包装機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
包装機では種々の情報が取得される。これらの情報を包装機の業者等が利用することは有益である。また、包装機ではエラーが発生することもある。エラーの内容によっては業者の対応が必要になることもあり、早めに業者に連絡ができることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態は、前記の事情に鑑みてなされたものであり、取得される種々の情報を容易に利用することができる包装機を提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0006】
本実施形態によれば、取得される種々の情報を容易に利用することができる包装機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る包装機システムの一例の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、包装機の包装機構の一例の構成を示す断面図である。
【
図3】
図3は、包装機の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、包装機の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係る包装機システムの一例の構成を示す図である。包装機システムは、包装機1と、サーバ2とを有している。包装機1と、サーバ2とは互いに通信できるように接続されている。
【0009】
包装機1は、例えば無線通信によってサーバ2と通信できるように構成されている。この場合、包装機1は、
図1に示すように、例えばルータ3、モデム4、ネットワーク5を介してサーバ2と通信する。ルータ3がモデムの機能を備えていれば、モデム4は不要である。また、ルータ3がアクセスポイントの機能を備えていなければ、包装機1とルータ3とは、アクセスポイントを介して通信するように構成されていてもよい。
【0010】
また、包装機1は、有線通信によってサーバ2と通信できるように構成されていてもよい。この場合、ルータは、アクセスポイントの機能を有している必要はない。
【0011】
包装機1は、被包装物を包装フィルム等で包装するように構成されている。被包装物は、例えば新聞と折込広告とを含む配達物である。配達物は、例えば丁合機と挿入機を組み合わせて使用することによって作られる。
【0012】
サーバ2は、例えば包装機1の保守サービスを提供する業者、例えば包装機1の製造業者の所在地に置かれているサーバである。サーバ2は、例えばプロセッサと、ストレージと、操作インタフェースと、表示器とを備えたコンピュータである。包装機1から送られる各種の情報は、サーバ2のストレージに記憶される。保守の担当者は、サーバ2にアクセスしてストレージに記憶されている情報を閲覧することができる。ここで、サーバ2は、クラウドサーバであってもよい。
【0013】
以下、包装機1についてさらに説明する。
図2は、包装機1の包装機構の一例の構成を示す断面図である。
【0014】
図2に示す包装機1は、配達物を包装する。そのため、包装機1は、包装機構10として、第1の包装部100を備える。
図2の包装機構10は、包装部100を備えている。包装機構10は、2つ以上の配達物を包装するように2つ以上の包装部を備えていてもよい。さらに、包装機構10の包装対象である被包装物は、配達物に限定されるものではない。
【0015】
また、
図2に示す包装機構10は、上から投入された配達物を下側面から排出するように構成されている。しかしながら、包装機構10は、このような構造に限定されない。例えば、包装機構10は、一側面から投入された配達物を下側面から排出するように構成されていてもよい。また、例えば包装機構10は、一側面から投入された配達物を他側面から排出するように構成されていてもよい。
【0016】
包装部100は、投入口101と、第1のフィルムローラ102と、第2のフィルムローラ103と、第1の搬送部104と、第2の搬送部106と、第1のセンサ108と、第2のセンサ109と、第1の押し当て機構110と、第1のヒータ112と、第2の押し当て機構113と、第2のヒータ115と、付勢部材116と、排出口117とを有している。
【0017】
投入口101は、包装機構10の上面に空けられた開口である。配達物を包装機構10の内部へ取り込む。第1のフィルムローラ102は、包装材としての第1の包装用フィルムロールR11を装填できるように構成されている。この第1のフィルムローラ102は、第1の包装用フィルムロールR11から第1の包装フィルムシートS11を供給する。同様に、第2のフィルムローラ103は、包装材としての第2の包装用フィルムロールR12を装填できるように構成されている。この第2のフィルムローラ103は、第2の包装用フィルムロールR12から第2の包装フィルムシートS12を供給する。
図2に示すように、第1のフィルムローラ102と第2のフィルムローラ103とは、互いに向かい合うように配置されている。そして、第1のフィルムローラ102と第2のフィルムローラ103とは、対向する第1の包装フィルムシートS11及び第2の包装フィルムシートS12とを含む2枚組のフィルムシートを供給する。投入口101から投入された配達物は、フィルムシートS11及びS12の間に落ちるように構成されている。そして、この配達物は、第1の包装フィルムシートS11及び第2の包装フィルムシートS12の間に挟まれた状態で第1の搬送部104と第2の搬送部106との間に供給される。
【0018】
第1の搬送部104は、第1の搬送ベルト105を有している。同様に、第2の搬送部106は、第2の搬送ベルト107を有している。第1の搬送部104は、第1の搬送ベルト105を動かすことによって第1のフィルムローラ102から第1の包装フィルムシートS11を引き出しつつ、配達物を搬送する。同様に、第2の搬送部106は、第2の搬送ベルト107を動かすことによって第2のフィルムローラ103から第2の包装フィルムシートS12を引き出しつつ、配達物を搬送する。これにより、配達物は、第1の搬送ベルト105と第2の搬送ベルト107とによって下方に押し出されるようにして搬送される。
【0019】
第1のセンサ108は、例えば第1の搬送部104における搬送物の取り込み口に配置されている。第1のセンサ108は、第1の搬送部104及び第2の搬送部106への配達物の投入を検知し、第1の検知信号を出力する。第2のセンサ109は、例えば第1の搬送部104における搬送物の排出口に配置されている。第2のセンサ109は、第1の搬送部104及び第2の搬送部106からの配達物の排出を検知し、第2の検知信号を出力する。ここで、第1のセンサ108及び第2のセンサ109は、第2の搬送部106に配置されていてもよい。また、センサは、第1の搬送部104又は第2の搬送部106に3つ以上配置されていてもよい。
【0020】
第1の押し当て機構110は、第1の押し当て部材111を有している。第1の押し当て部材111は、例えばスポンジ製の板である。第1の押し当て部材111は、第1のヒータ112に対向するようにして配置されている。この第1の押し当て部材111は、第1のヒータ112に向けて移動するように構成されている。第2の押し当て機構113は、第2の押し当て部材114を有している。第2の押し当て部材114は、例えばスポンジ製の板である。第2の押し当て部材114は、第2のヒータ115に対向するようにして配置されている。この第2の押し当て部材114は、第2のヒータ115に向けて移動するように構成されている。
【0021】
第1のヒータ112は、例えば第2のヒータ115よりも高温まで加熱できるヒータである。第1のヒータ112は、第1の包装フィルムシートS11と第2の包装フィルムシートS12の長手方向に対して直交するように形成された1本のヒータである。また、第2のヒータ115は、第1の包装フィルムシートS11と第2の包装フィルムシートS12の長手方向に平行になるように形成された2本のヒータである。
【0022】
付勢部材116は、例えばばねであって、第1の搬送部104に取り付けられていて第1の搬送部104を第2の搬送部106に向かう方向に付勢している。これにより、付勢部材116は、第1の搬送部104を第2の搬送部106へ向けて押し込むことができるように構成されている。
【0023】
排出口117は、包装機構10の下側面に空けられた開口である。排出口117から第1の搬送部104及び第2の搬送部106の下方にかけて傾斜が形成されている。第1の搬送部104及び第2の搬送部106の間から排出された包装物は、傾斜によって案内されて排出口117から排出される。
【0024】
図3は、包装機1の構成を示すブロック図である。包装機1は、
図2で示した包装機構10に加えて、制御回路20と、メモリ30と、操作スイッチ40と、表示器50と、通信モジュール60とを有する。
【0025】
制御回路20は、例えばCPUにより構成される。制御回路20は、メモリ30に記憶されている制御アプリケーションプログラムに従って包装機構10の動作を制御する。制御回路20は、必ずしもCPUとして構成される必要はない。制御回路20は、ASIC等のハードウェアロジック回路として構成されていてもよい。また、制御回路20は、必ずしも単一のCPU等で構成されている必要はなく、複数のCPU等で構成されていてもよい。
【0026】
メモリ30は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを有する。メモリ30は、包装機1の動作の制御に必要な制御アプリケーションを実行するためのプログラムを記憶している。また、メモリ30は、包装機1に関する設定に対応した各種のパラメータを記憶している。メモリ30は、複数の揮発性メモリ及び不揮発性メモリによって構成されていてもよい。
【0027】
操作スイッチ40は、包装機1に設けられる各種のスイッチである。例えば、操作スイッチ40は、包装機1の電源スイッチを含む。また、例えば、操作スイッチ40は、各種のモードスイッチを含む。モードスイッチは、包装機1のモードを特定のモードにするためのスイッチである。包装機1のモードは、例えばシールモードを含む。シールモードは、配達物を密封するかしないかのモードを含む。配達物を密封しないモードでは、配達物が包装される際に、2枚組のフィルムシートの接着部の一部に隙間ができるように2枚組のフィルムシートが接着される。このような配達物を密封しないモードでは、包装物の内部の空気が抜けるために配達物が積み重なってもかさばることが抑制される。また、配達物を密封するモードでは、配達物が包装される際に、2枚組のフィルムシートの接着部の一部に隙間ができないように2枚組のフィルムシートが接着される。このような配達物を密封するモードでは、包装物の内部に雨滴等が侵入することが抑制される。操作スイッチ40は、これらのスイッチ以外のスイッチを含んでもよい。また、包装機1は、操作スイッチ40に加えて、タッチパネル等の操作部材を備えていてもよい。
【0028】
表示器50は、LED及び液晶ディスプレイ等の、包装機1の各種の状態を表示する表示器である。例えば、表示器50は、包装機1の電源がオンであることを示す表示をするための表示器を有する。また、表示器50は、パック回数を表示するためのカウンタを表示するための表示器を有する。パック回数は、包装が行われた累積の回数である。また、表示器50は、包装用フィルムロールがなくなっているときに、包装用フィルムロールがなくなっていることを示す表示をするための表示器を有する。
【0029】
通信モジュール60は、サーバ2との通信のための処理回路を含むモジュールである。通信モジュール60は、例えばサーバ2との無線LAN通信に必要な無線通信モジュールを備えている。
【0030】
以下、包装機1の動作を説明する。
図4は、包装機1の動作を示すフローチャートである。
図4の処理は、制御回路20によって制御される。
【0031】
ステップS1において、制御回路20は、包装機1の電源をオンするか否かを判定する。例えば、電源スイッチがオンされたとき、包装機1の電源をオンすると判定される。ステップS1において、包装機1の電源をオンすると判定されるまで、制御回路20は、処理を待機する。ステップS1において、包装機1の電源をオンすると判定されたとき、処理はステップS2に移行する。
【0032】
ステップS2において、制御回路20は、第1のヒータ112と、第2のヒータ115の予熱を開始する。
【0033】
ステップS3において、制御回路20は、通信モジュール60により、包装機1の情報をサーバ2に送信する。一般的な包装機では、予熱は数分にかけて行われる。予熱の間は、包装機1は包装動作をすることができない。また、予熱の間は、包装機1の電源が確実にオンしている。したがって、予熱の間は、包装機1の情報を送信するのに好適な期間である。ここで、包装機1の情報は、使用状態の情報と、動作設定の情報とを含む。使用状態の情報は、例えばパック回数といった包装機1の状態を示す情報である。動作設定の情報は、ヒータの温度設定、包装動作の処理速度の設定、シールモードの設定といった包装機1の設定を示す情報である。これらのサーバ2に送信される情報は、一例であって適宜に設定されてよい。例えば、制御回路20は、包装機1の情報として、使用状態の情報と、動作設定の情報との何れかだけをサーバ2に送信してもよい。
【0034】
ステップS4において、制御回路20は、予熱が完了したか否かを判定する。例えば、制御回路20は、第1のヒータ112と第2のヒータ115とのそれぞれの温度が包装動作に必要な温度に達しているときに、予熱が完了したと判定する。ステップS4において、予熱が完了したと判定されるまで、制御回路20は、処理を待機する。ステップS4において、予熱が完了したと判定されたときには、処理はステップS5に移行する。
【0035】
ステップS5において、制御回路20は、予熱が完了したことをユーザに報知する。例えば、制御回路20は、表示器50の予熱の完了を報知するためのLEDを点灯させる。
【0036】
ステップS6において、制御回路20は、配達物が投入されたか否かを判定する。この判定は、例えば第1のセンサ108からの検知信号に基づいて行われる。前述したように、投入口101に投入された配達物は、2枚組のフィルムシート(第1の包装フィルムシートS11及び第2の包装フィルムシートS12)の間に挟まれた状態で第1の搬送部104と第2の搬送部106との間に供給される。このとき、第1のセンサ108は、検知信号を制御回路20に送る。この検知信号により、制御回路20は、配達物が投入されたことを認識する。ステップS6において、配達物が投入されたと判定されたときには、処理はステップS7に移行する。ステップS6において、配達物が投入されていないと判定されたときには、処理はステップS10に移行する。
【0037】
ステップS7において、制御回路20は、包装動作を開始させる。以下、包装部100の動作を説明する。
【0038】
制御回路20は、図示しないモータを駆動させることによって第1の押し当て機構110及び第2の押し当て機構113の移動を開始させる。第1の押し当て機構110の移動により、第1の押し当て部材111が第1のヒータ112に向けて移動する。そして、第1の押し当て部材111が第1のヒータ112に接触すると、第1のヒータ112の熱により、第1の押し当て部材111と第1のヒータ112との間に挟み込まれた第1の包装フィルムシートS11と第2の包装フィルムシートS12の互いに平行な2辺(例えば上辺と下辺)がそれぞれ溶着されるとともに、第1の包装フィルムシートS11は第1の包装用フィルムロールR11から切り離され、第2の包装フィルムシートS12は第2の包装用フィルムロールR12からと切り離される。
【0039】
また、第2の押し当て機構113の移動により、第2の押し当て部材114が第2のヒータ115に向けて移動する。そして、第2の押し当て部材114が第2のヒータ115に接触すると、第2のヒータ115の熱により、第2の押し当て部材114と第2のヒータ115との間に挟み込まれた第1の包装フィルムシートS11と第2の包装フィルムシートS12の互いに平行な別の2辺(例えば左辺と右辺)が溶着される。
【0040】
第1の押し当て部材111と第1のヒータ112との接触による溶着と切り離し、及び第2の押し当て部材114と第2のヒータ115との接触による溶着により、配達物が第1の包装フィルムシートS11と第2の包装フィルムシートS12とによって包装された状態の包装物が形成される。
【0041】
第1の押し当て部材111と第1のヒータ112とが接触し、第2の押し当て部材114と第2のヒータ115とが接触すると、制御回路20は、第1の搬送ベルト105及び第2の搬送ベルト107を駆動する。これにより、包装物は排出口117へ向けて排出される。
【0042】
ステップS8において、制御回路20は、包装動作中にエラーが発生したか否かを判定する。エラーは、配達物の詰まり、ヒータの異常等を含む。それぞれのエラーは、予めエラー毎に固有のエラーコードと対応付けられている。なお、エラーの検知方法は、特には限定されない。ステップS8において、エラーが発生していないと判定されたときには、処理はステップS9に移行する。ステップS8において、エラーが発生したと判定されたときには、処理はステップS11に移行する。
【0043】
ステップS9において、制御回路20は、包装物が排出されたか否かを判定する。例えば、この判定は、例えば第2のセンサ109からの検知信号に基づいて行われる。前述したように、包装が正常に行われた場合、第1の搬送ベルト105及び第2の搬送ベルト107が駆動されて包装物は排出口117へ向けて排出される。このとき、第2のセンサ109は、検知信号を制御回路20に送る。この検知信号により、制御回路20は、包装物が排出されたことを認識する。ステップS9において、包装物が排出されていないと判定されたときには、処理はステップS8に戻る。この場合、包装動作は継続される。ステップS9において、包装物が排出されたと判定されたときには、処理はステップS10に移行する。
【0044】
ステップS10において、制御回路20は、包装機1の電源をオフするか否かを判定する。例えば、電源スイッチがオフされたとき、包装機1の電源をオフすると判定される。この他、所定時間、配達物が投入されなかった場合にも電源をオフすると判定される。ステップS10において、包装機1の電源をオフしないと判定されたとき、処理はステップS6に戻る。ステップS10において、包装機1の電源をオフすると判定されたとき、制御回路20は、包装機1の電源をオフにし、
図4の処理を終了させる。
【0045】
ステップS11において、制御回路20は、エラーを報知する。例えば、制御回路20は、表示器50の液晶ディスプレイにエラーに応じたエラーコードを表示させる。
【0046】
ステップS12において、制御回路20は、通信モジュール60により、エラーの情報を、包装機1の情報とともにサーバ2に送信する。その後、制御回路20は、包装機1の電源をオフにし、
図4の処理を終了させる。エラーの情報は、エラーコードを含む。また、包装機1の情報は、ステップS2と同様に、使用状態の情報と、動作設定の情報とを含む。使用状態の情報は、例えばパック回数といった包装機1の状態を示す情報である。動作設定の情報は、ヒータの温度設定、包装動作の処理速度の設定、シールモードの設定といった包装機1の設定を示す情報である。使用状態の情報と動作設定の情報により、エラーコードだけでは分からないエラーの詳細が特定できることがある。したがって、これらの情報をサーバ2に送信することは有益である。ここで、
図4の例では、エラーが発生した場合に電源がオフされる。これに対し、例えば軽度のエラーのときには、電源がオフされなくてもよい。この場合、エラーが解消されたときには、包装動作が再開されてもよい。また、制御回路20は、包装機1の情報として、エラーの情報だけをサーバ2に送信してもよい。
【0047】
以上説明したように本実施形態によれば、包装機1に通信モジュール60が設けられていることにより、包装機1で取得される種々の情報をサーバ2に送信することができる。これにより、例えば包装機1の製造業者は、包装機1で取得される種々の情報を容易に利用できる。例えば、エラーの発生時にエラーの情報が送信されることにより、保守の担当者は、包装機1のユーザからの連絡を受けることなく、包装機1にエラーが発生したことを知ることができる。
【0048】
また、エラーには、種々の要因がある。したがって、エラーコードを見ただけでは、実際にどのような原因でそのエラーが発生しているのかが分からないこともある。このような複雑なエラーは、ユーザからの説明を見ただけでは分からないことも多い。本実施形態では、エラーとともに使用状態の情報と動作設定の情報が送られるので、保守の担当者は、エラーの原因を特定し易い。これにより、保守の担当者は、必要な対策を実際にユーザの場所に行く前に講じることができる。
【0049】
また、本実施形態では、エラーが発生していないときにも、使用状態の情報と動作設定の情報が送られる。これにより、包装機1の使用状態や動作設定等の分析を行うことができる。この分析結果は、次世代の包装機の開発等に利用され得る。また、パック回数等から包装フィルムの消耗を予測して早めの交換対応等も行われ得る。さらに、本実施形態では、エラーが発生していないときの情報の送信は、予熱の途中で行われる。包装機1において予熱は必要であるが、この間、包装動作等を行うことができずに制御回路20は待機をしたままになる。また、予熱の間は包装機1の電源がオンされている可能性が高い。本実施形態では、このような空き時間を利用して情報の送信が行われるので、確実に情報の送信が行われ得る。
【0050】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0051】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0052】
1 包装機、2 サーバ、3 ルータ、4 モデム、5 ネットワーク、10 包装機構、20 制御回路、30 メモリ、40 操作スイッチ、50 表示器、60 通信モジュール、100 包装部、101 投入口、102 第1のフィルムローラ、103 第2のフィルムローラ、104 第1の搬送部、105 第1の搬送ベルト、106 第2の搬送部、107 第2の搬送ベルト、108 第1のセンサ、109 第2のセンサ、110 第1の押し当て機構、111 第1の押し当て部材、112 第1のヒータ、113 第2の押し当て部材、114 第2の押し当て部材、115 第2のヒータ、116 付勢部材、117 排出口。