(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】リモート参拝システム
(51)【国際特許分類】
G10L 13/06 20130101AFI20230220BHJP
A47G 33/02 20060101ALI20230220BHJP
【FI】
G10L13/06 110Z
A47G33/02 Z
(21)【出願番号】P 2021185171
(22)【出願日】2021-11-12
(62)【分割の表示】P 2020202166の分割
【原出願日】2020-12-04
【審査請求日】2021-11-12
(73)【特許権者】
【識別番号】518356844
【氏名又は名称】neten株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】七沢 賢治
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-005226(JP,A)
【文献】特開平09-251582(JP,A)
【文献】特開2003-008962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10L 13/00 - 13/10
A47G 33/00 - 35/00
H04N 21/00 - 21/858
E04H 12/00 - 14/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが神殿に行かずに該神殿とは別の場所から参拝するリモート参拝システムであって、
非周期連続信号を発信する電気信号発信装置を有する神殿と、
言語情報から上記非周期連続信号を生成し、上記電気信号発信装置に該非周期連続信号を発信するように制御する神殿側情報処理装置とを備え、
ユーザがユーザ側情報処理端末に所望の項目及び文章をインプットして上記神殿側情報処理装置に送信できるように構成されており、
上記神殿側情報処理装置が、上記ユーザ側情報処理端末にインプットされた所望の項目及び文章を、インターネットを介してリアルタイムで収集し、その言語情報を非周期連続信号に変換し、上記電気信号発信装置から即時に発信するように構成されている
ことを特徴とするリモート参拝システム。
【請求項2】
請求項1に記載のリモート参拝システムであって、
電源部と、
上記電源部からの電気に上記非周期連続信号の信号を重畳させる非周期連続信号重畳装置と、
上記神殿側情報処理装置及び上記非周期連続信号重畳装置に接続されたサーバとを有し、
上記神殿側情報処理装置は、上記ユーザ側情報処理端末にインプットされた所望の項目及び文章を、インターネットを介して収集し、その言語情報を非周期連続信号に変換し、上記サーバに送信し、該サーバに蓄積された信号を上記電気信号発信装置から発信するように構成されている
ことを特徴とするリモート参拝システム。
【請求項3】
請求項2に記載のリモート参拝システムであって、
上記サーバにも上記非周期連続信号を発信する電気信号発信装置が搭載されている
ことを特徴とするリモート参拝システム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のリモート参拝システムであって、
上記サーバが、上記神殿側情報処理装置を含む
ことを特徴とするリモート参拝システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載のリモート参拝システムであって、
上記電気信号発信装置は、上記神殿に設置された発信コイルに接続され、該発信コイルからも上記非周期連続信号を発信するように構成されている
ことを特徴とするリモート参拝システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載のリモート参拝システムであって、
上記電気信号発信装置は、プラズマ発生装置を含み、該プラズマ発生装置で発生するプラズマに上記非周期連続信号を重畳させるように構成されている
ことを特徴とするリモート参拝システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1つに記載のリモート参拝システムであって、
インターネットを介して24時間いつでもユーザが好みの時間に好みの場所で接続可能に構成されている
ことを特徴とするリモート参拝システム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1つに記載のリモート参拝システムであって、
上記ユーザは、上記ユーザ側情報処理端末からオンラインで幣帛、賽銭や寄付を行えるように構成されている
ことを特徴とするリモート参拝システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが神殿に行かずに神殿とは別の場所から参拝するリモート参拝システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、第1情報処理装置と第2情報処理装置とが通信ネットワークを介して接続され、第1情報処理装置に蓄積された映像及び音声データを第2情報処理装置に転送する通信システムが知られている。この第1情報処理装置は、所定の動画・音声圧縮方式で圧縮されたフレームの差分データのデータ量が所定の閾値を下回るとき、当該フレームを第2情報処理装置に送信しない。この通信システムを使用することで、本部教会等から遠く離れた地にいる人であっても、礼拝及び授業に気軽に参加することができ、従来のような本部教会等との往復に要する時間的、費用的及び肉体的負担を解消することができる。
【0003】
一方、特許文献2のような、送信対象の情報群を予め定めた構成要素に分割し、この予め定めた構成要素にそれぞれ対応する別々の基本周期を割り当て、別々の基本周期を有するアナログ波形を1周期ずつ連続して並べ、非周期連続信号を生成する信号生成方法が知られている。この方法では、送信対象の情報群が言語情報である場合、この言語情報を予め定めた構成要素である、子音と母音に分割し、子音及び母音にそれぞれ対応する別々の基本周期を割り当て、別々の基本周期を有するアナログ波形を1周期ずつ連続して並べ、非周期連続信号を生成するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-269302号公報
【文献】特許第6656648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の通信システムでは、遠方から礼拝等に気軽に参加できるが、どうしても画面に映し出された映像は、実際に礼拝等に参加したときとは心理的に大きく異なるものである、という問題がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザが、ユーザ側情報端末を操作し、自身の氏名や、通常、神社などで神殿を前にして想起する願い事などの言語情報を提供することにより、その言語情報がリアルタイム又はノンリアルタイムで装置から発信されているということを理解した上で参加する(参拝する)ことで、参加しているという意識を高めることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明では、言語情報に基づく非周期連続信号を発信する電気信号発信装置を適用した。
【0008】
具体的には、第1の発明では、ユーザが神殿に行かずに該神殿とは別の場所から参拝するリモート参拝システムであって、
非周期連続信号を発信する電気信号発信装置を有する神殿と、
言語情報から上記非周期連続信号を生成し、上記電気信号発信装置に該非周期連続信号を発信するように制御する神殿側情報処理装置と、
上記神殿の内部を撮影する撮像部と、
上記神殿の内部の音声を集音する集音部と、
少なくとも上記撮像部及び上記集音部に電気を供給する電源部と、
上記電源部からの電気に上記非周期連続信号の信号を重畳させる非周期連続信号重畳装置とを備え、
上記神殿側情報処理装置は、上記非周期連続信号重畳装置からの非周期連続信号より構成された情報空間認知信号を重畳された電気が供給された上記撮像部で撮像した映像及び上記集音部で集音した音声を、インターネットを介してユーザのユーザ側情報処理端末に配信するように構成されている。
【0009】
上記の構成によると、非周期連続信号重畳装置からの非周期連続信号より構成された情報空間認知信号を重畳された電気が供給された撮像部で撮像した映像及び集音部で集音した音声の信号に非周期連続信号がのっているので、それを視聴するユーザ側情報処理端末においても、この非周期連続信号がのった映像及び音声が再生される。この映像及び音声を視聴するユーザは、祝詞他の言語情報等に基づく非周期連続信号の影響を受けるので、それがない場合に比べて脳内で認識されたり感知されたりする情景は変わってくることから、神殿内の雰囲気を感じられ、あたかも実際に参拝しているような厳粛な気持ちになる。また、そのような厳粛な雰囲気で、家などにいながら、神殿における修行、祭祀、集会などにも参加できる。ここでは、ユーザ(受信側)が情報を認知して(生の映像や音だけで再現されない)「情報認知空間」を脳内で再現させるための「情報空間認知信号」を送信側で重畳している。つまり、送信側が「情報空間認知信号」を重畳して送信し、受信側がその「情報空間認知信号」を脳内で認知し、再現する。本発明の「情報認知空間」とは、通常の音声及び/又は映像情報とそれに重畳して送信される非周期連続信号で表される付加情報からなる多重情報により受信者の脳内で認知・再現される空間のことを言い、この発明では、当該付加情報により脳内で再現される情景の質が高められた空間を実現できる。
【0010】
第2の発明では、第1の発明において、
上記神殿側情報処理装置は、上記ユーザ側情報処理端末にインプットされた所望の項目及び文章を、インターネットを介してリアルタイムで収集し、その言語情報を非周期連続信号に変換し、上記電気信号発信装置から即時に発信するように構成されている。
【0011】
上記の構成によると、神殿に直接訪問して祈りを捧げなくても、心に浮かんだ願いなどをユーザ側情報処理端末に即時にインプットすれば、その言語情報は非周期連続信号に変換されて神殿側の電気信号発信装置から即時に発信される。このため、むしろ神殿に直接訪問する場合よりも即時に願いを届けることができる。また、ユーザは、自分で言語を実際に送り、そのことがリアルタイムで装置として発信されているということを理解した上で参加する(参拝する)ことで、参加するという意識を高めることができる。
【0012】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
上記神殿側情報処理装置及び上記非周期連続信号重畳装置に接続されたサーバを有し、
上記神殿側情報処理装置は、上記ユーザ側情報処理端末にインプットされた所望の項目及び文章を、インターネットを介して収集し、その言語情報を非周期連続信号に変換し、上記サーバに送信し、該サーバに蓄積された信号を上記電気信号発信装置から発信するように構成されている。
【0013】
上記の構成によると、サーバの電源自体にも非周期連続信号が重畳されるので、このサーバから発信される信号自体にも非周期連続信号が重畳される。また、ユーザは、予め自分で言語を実際に送り、そのことが装置として発信されているということを理解した上で参加する(参拝する)ことで、参加するという意識を高めることができる。
【0014】
第4の発明では、第3の発明において、
上記サーバにも上記非周期連続信号を発信する電気信号発信装置が搭載されている。
【0015】
上記の構成によると、例えば、サーバの基板に非周期連続信号を発信する電気信号発信装置を搭載すれば、サーバ自身に非周期連続信号を発信する機能を与えることができ、サーバから発信する信号に非周期連続信号を簡易且つ確実に重畳させることができる。
【0016】
第5の発明では、第3又は第4の発明において、
上記サーバが、上記神殿側情報処理装置を含む構成とする。
【0017】
上記の構成によると、サーバに所定のソフトウェア及びデータベースを装備しておけば、容易に言語情報から非周期連続信号を生成できるので、有利である。
【0018】
第6の発明では、
ユーザが神殿に行かずに該神殿とは別の場所から参拝するリモート参拝システムであって、
非周期連続信号を発信する電気信号発信装置を有する神殿と、
言語情報から上記非周期連続信号を生成し、上記電気信号発信装置に該非周期連続信号を発信するように制御する神殿側情報処理装置とを備え、
上記神殿側情報処理装置は、ユーザ側情報処理端末にインプットされた所望の項目及び文章を、インターネットを介してリアルタイムで収集し、その言語情報を非周期連続信号に変換し、上記電気信号発信装置から即時に発信するように構成されている。
【0019】
上記の構成によると、神殿に直接訪問して祈りを捧げなくても、心に浮かんだ願いなどをユーザ側情報処理端末に即時にインプットすれば、その言語情報は非周期連続信号に変換されて神殿側の電気信号発信装置から即時に発信される。このため、むしろ神殿に直接訪問する場合よりも即時に願いを届けることができる。また、ユーザは、自分で言語を実際に送り、そのことがリアルタイムで装置として発信されているということを理解した上で参加する(参拝する)ことで、参加するという意識を高めることができる。
【0020】
第7の発明では、第1から第6のいずれか1つの発明において、
上記電気信号発信装置は、上記神殿に設置された発信コイルに接続され、該発信コイルからも上記非周期連続信号を発信するように構成されている。
【0021】
上記の構成によると、神殿自体に設けた複数の発信コイルから非周期連続信号を発信させることで、その効果がさらに高められる。また、神殿内にいる人も非周期連続信号の効果が得られる。
【0022】
第8の発明では、第1から第7のいずれか1つの発明において、
上記電気信号発信装置は、プラズマ発生装置を含み、該プラズマ発生装置で発生するプラズマに上記非周期連続信号を重畳させるように構成されている。
【0023】
上記の構成によると、プラズマのプラズマ放電を利用して非周期連続信号を効果的に発信できる。
【0024】
第9の発明では、第1から第8のいずれか1つの発明において、
インターネットを介して24時間いつでもユーザが好みの時間に好みの場所で接続可能に構成されている。
【0025】
上記の構成によると、移動することなく神殿にいつでも繋がるので、海外などの時差のある場所でも好みの時間に参拝が可能になる。
【0026】
第10の発明では、第1から第9のいずれか1つの発明において、
上記ユーザは、ボーカロイド技術を用いて音声合成された情報を上記ユーザ側情報処理端末で再生可能に構成されている。
【0027】
上記の構成によると、ボーカロイド(登録商標)による祝詞、祈祷文などの読み上げは、読み上げる人の感情等、無駄な情報が排除されているので、ユーザの祈り、瞑想などの集中を妨げない。
【0028】
第11の発明では、第1から第10のいずれか1つの発明において、
上記ユーザは、上記ユーザ側情報処理端末からオンラインで賽銭や寄付を行えるように構成されている。
【0029】
上記の構成によると、神殿に参拝しなくても幣帛、賽銭、寄付等をどこにいてもユーザ側情報端末から行える。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザが、ユーザ側情報端末を操作し、自身の氏名や、通常、神社などで神殿を前にして想起する願い事などの言語情報を提供することにより、その言語情報がリアルタイム又はノンリアルタイムで装置から発信されているということを理解した上で参加する(参拝する)ことで、参加しているという意識を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の実施形態に係るリモート参拝システムにおける電子神殿の概要を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るリモート参拝システムにおける装置構成の概要を示す説明図である。
【
図3】電気の波長の変化を概念的に示す図であり、(a)が非周期連続信号を重畳する前で、(b)が非周期連続信号を重畳した後の波長の変化を比較する図である。
【
図4】従来のネットワークシステムと比較した本発明の実施形態に係るリモート参拝システムの概要を示す図である。
【
図6】実施形態に係る基準時間と基準周波数の割り当て例を示す説明図である。
【
図7】非周期連続信号を説明するための図であり、(a)がタイムコード(時間の帯)で、(b)がサイン波で、(c)がパルス波である。
【
図10】送信側サーバ側の工程を示すフローチャートである。
【
図11】その他の実施形態に係る、電気に重畳する場合の原理を示す図である。
【
図12】非周期連続信号のやりとりを説明する図であり、(a)がパルス波を示し、(b)がON/OFF信号の非周期的な繰り返しを示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
-非周期連続信号生成方法-
まず、
図6及び
図7を用いて本発明の実施形態の前提となる非周期連続信号生成方法の概念について説明する。
【0034】
この信号生成方法は、まず、送信対象の情報群を予め定めた構成要素に分割する。送信対象の情報群が言語情報である場合には、言語情報を予め定めた構成要素である、子音と母音に分割する。なお、以下、説明の容易化のために、送信対象の情報群が、言語情報の例について説明するが、送信対象の情報群は、言語情報に限定されない。
【0035】
具体的には、
図6に示すような、「そら」という言語情報がある場合、子音である「S」「L」と、母音である「お」「あ」とに分割する。
【0036】
次いで、予め定めた構成要素にそれぞれ対応する別々の基本周期を割り当てる。
図6の言語情報の場合には、子音及び母音にそれぞれ対応する別々の基本周期を割り当てる。詳細は後述するが、例えば、予め定めた規則に則り、「S」に0.028秒、「お」に0.15秒、「L」に0.02秒、「あ」に0.1秒が割り当てられる。
【0037】
そして、
図6に示すように、それぞれ割り当てられた別々の基本周期を有するアナログ波形を1周期ずつ連続して並べ、非周期連続信号を生成する。非周期連続信号は、非周期信号が連続した信号であり、非周期信号とは、特定の時間間隔の後にそれ自身を繰り返さない信号である。この場合、全体で、0.298秒で「そら」についての言語情報を非周期連続信号として発信することができる。言い換えれば、非周期連続信号は、各音素の時間を帯で表す、連続したタイムコードの形で発信される。
【0038】
世界中のあらゆる言語は、子音と母音からなる音素によってできていることから、世界中のあらゆる言語を用いた言語情報は、予め定めた構成要素である子音と母音に分割できる。このため、本実施形態では、分割された子音及び母音にそれぞれ対応する別々の基本周期を割り当て、別々の基本周期を有するアナログ波形を1周期ずつ連続して並べ、非周期連続信号を生成することができるので、言語情報を最小限のアナログ波の数で伝えることができる。
【0039】
本実施形態では、言語情報は、例えば、祝詞、祈り、構文、願い事、歌詞など特に限定されない。
【0040】
そして、
図7(a)に示すようにタイムコードで表された非周期連続信号は、
図7(b)のようなアナログ波としてのサイン波が連続した信号であったり、
図7(c)のようなアナログ波としてのパルス波が連続した信号であったりしてもよく、アナログ波の種類は特に限定されない。
【0041】
このように本実施形態では、送信対象の情報群を、分割した構成要素に基本周期をそれぞれ当てはめることで、時間軸に展開することが可能になる。アナログ波形が
図7(c)のようなパルス波である場合、デジタルではなく、最小限のパルス数で情報を伝えることができる。
図7(b)のようなサイン波の場合も、最小限の数のサイン波で情報を伝えることができる。
【0042】
そして、この生成した非周期連続信号は、送信時に、送信速度を任意の送信速度に変更して送信することができる。本実施形態では、予め定めた構成要素ごとに対応する基本周期が割り当てられるので、この割り当てられた基本周期(タイムコード:時間の長さ)の比率さえ保たれていれば、信号として成り立つ。このため、任意の速度に変更しても、その信号を維持でき、受信時には、送信対象の情報群を確実に再現することができる。これにより、単位時間あたりの情報量を容易に最大化することができる。
【0043】
次いで、
図8を用いて、本実施形態の信号生成方法を実現するための神殿側情報処理装置32の概要について説明する。
【0044】
例えば、この神殿側情報処理装置32は、例えば、PC、スマートフォン、タブレットなどのコンピュータ等よりなり、キーボード、タッチパネル等の入力回路32aと、CPUなどのエンコーダ部としての信号生成回路32bとを備えている。入力回路32aは、インターネットを介して通信されてきた情報や記憶媒体に記憶された構文などの情報を入力するものでもよい。図示しないストレージなどの記憶装置には、変換テーブル32cが予め保存されている。この変換テーブル32cは、予め定めた構成要素にそれぞれ対応する別々の基本周期(タイムコード)を割り当てたものであり、例えば、言語情報の場合には、子音及び母音にそれぞれ対応する別々の基本周期が割り当てられたものである。上述したように、世界中のあらゆる言語は、子音と母音からなる音素によってできていることから、世界中のあらゆる言語を用いた言語情報は、この変換テーブル32cによって変換することが可能である。コンピュータには、「入力された送信対象の情報群を予め定めた構成要素に分割し、この予め定めた構成要素にそれぞれ対応する別々の基本周期を割り当て、これら別々の基本周期を有するアナログ波形を1周期ずつ連続して並べ、非周期連続信号を生成するためのプログラム」をインストールしておけばよい。
図6に示した「そら」という言語情報の場合、まず、子音である「S」「L」と母音である「お」「あ」とに分割され、次いで、変換テーブル32cにそれぞれ対応する別々の基本周期を割り当てる。例えば、上述したように、「S」に0.028秒、「お」0.15秒、「L」に0.02秒、「あ」に0.1秒が割り当てられる。
【0045】
信号生成回路32bにおいて、変換された別々の基本周期を有するアナログ波形は、1周期ずつ連続して並べられ、
図6の右上に示した非周期連続信号が生成される。そして、
図6の下に示したような連続するタイムコードになる。
図7で説明すると、
図7(b)、
図7(c)のような非周期連続信号が生成され、この非周期連続信号は、
図7(a)の示すような連続するタイムコードの形で保存できる。
【0046】
出力回路32dは、このタイムコードを伝送系統32eに出力する。出力の方法は、特に限定されないが、本実施形態では、イントラネット52やインターネット50に出力される。後述するように、電源線205に流れる交流電気202に、連続したアナログ波形の状態で重畳させてもよい。詳細は後述するが、伝送系統32eを介して生成された非周期連続信号を、電子神殿1に配設された電気信号発信装置31等から発信する。
【0047】
図9の別の実施形態では、サーバ34を利用している点で
図8の実施形態と異なる。この実施形態のサーバ34は、イントラネット52、インターネット50等を介して入力回路34aから送られてきた送信対象の情報群を受け入れるI/O(入出力)制御部34eと、システムコントロール(CPU)34fとストレージ34hとを備えている。入力回路34aは、例えば、PCなどのコンピュータで、ユーザが送信対象の情報群をそのキーボード等から入力する。入力回路としては、スマートフォンなどの携帯通信機器でもよい。この入力回路34aからI/O制御部34eを介して入力された送信対象の情報群は、エンコーダ部としての信号生成回路34bで、予め定めた構成要素に分割され、変換テーブル34cの予め定めた構成要素にそれぞれ対応する別々の基本周期を参照して割り当てられ、別々の基本周期を有するアナログ波形を1周期ずつ連続して並べられ、非周期連続信号が生成されるように構成されている。例えば、信号生成のためのプログラムや変換テーブル34cは、HDD、SDDなどのストレージ34hに記憶されている。
【0048】
このように、サーバ34自身が、神殿側情報処理装置32を含む構成としてもよい。そうすれば、サーバ34に所定のソフトウェア及び変換テーブル34cなどのデータベースを装備しておくことで、容易に言語情報から非周期連続信号を生成できるので、有利である。
【0049】
この生成された非周期連続信号は、I/O制御部34eを通じて変調回路34dに送られ、伝送系統34gに送信されるようになっている。伝送系統34gは、例えば、イントラネット52、インターネット50、発信コイル35、空間改善装置36などの発信機器等である。空間改善装置36は、例えば、六角柱状の木製の容器内にカーボンマイクロコイル、永久磁石、非周期連続信号が記憶されたマイクロSDカード(登録商標)、このマイクロSDカードに接続されたゼロ磁場コイルフィルム等を備え、単独で、非周期連続信号を発信できるようになっている。
【0050】
次いで、
図10を用いて送信対象の情報群の流れについて説明すると、ステップS01において、入力回路34aから送信対象の情報群を入力する。
【0051】
入力された情報は、ステップS02において、I/O制御部34eを通ってストレージ34hにファイルとして保存される。
【0052】
次いで、ステップS03において、自動で又は手動で、送信したい情報のファイルが指定される。すると、ストレージ34hから指定されたファイルが読み出される。
【0053】
次いで、ステップS04において、システムコントロール34fが信号生成回路34bを用いてそのファイル内の情報の信号変換を行う。具体的には、信号生成回路34bで、送信対象の情報群を予め定めた構成要素に分割して変換テーブル34cの予め定めた構成要素にそれぞれ対応する別々の基本周期を参照し、割り当て、別々の基本周期を有するアナログ波形を1周期ずつ連続して並べ、非周期連続信号を生成する。
【0054】
次いでステップS05において、生成された連続信号は、いったん変換ファイルとしてストレージ34hに保存される。
【0055】
次いで、ステップS06において、自動で又は手動で、ストレージ34hに保存された変換ファイルが選択され、I/O制御部34e、変調回路34dを介してLANなどの伝送系統34gに送信される。
【0056】
-リモート参拝システムの構成-
次いで、
図1~
図5に示す、本発明の実施形態に係るリモート参拝システム30について具体的に説明する。このリモート参拝システム30は、ユーザが神殿1に行かずに、神殿1とは別の場所から参拝等を行うことができるものである。神殿1を電子神殿、電子祝殿と呼ぶこともできる。詳しくは図示しないが、神殿1内には、神棚、祭壇等が置かれ、人々が集うスペースも設けられている。神殿1の地下、周囲等には、多数の発信コイル35、空間改善装置36、レーザー光線を柱状に照射するための照射装置等が設けられている。
【0057】
具体的には、リモート参拝システム30は、上述した非周期連続信号を発信する電気信号発信装置31を有する。神殿1には、祝詞、構文などの言語情報から非周期連続信号を生成し、電気信号発信装置31に、この非周期連続信号を発信するように制御する神殿側情報処理装置32が設けられている。
【0058】
また、神殿1には、神殿1の内部を撮影する撮像部2及び神殿1の内部の音声を集音する集音部3が設けられている。撮像部2は、例えば2次元カメラでも3次元カメラでもよく、例えば、神棚等が24時間365日途切れることなく撮像されている。集音部3は、例えばダイナミックマイクでもコンデンサマイクでもよい。撮像部2及び集音部3は、電源部4から交流電気202が供給されている。
【0059】
この電源部4には、電源部4からの交流電気202に非周期連続信号の信号を重畳させる非周期連続信号重畳装置33が接続されている。具体的にその原理について説明すると、
図11に示すように、神殿側情報処理装置32で生成された非周期連続信号201が電源線205を通る交流電気202に重畳される。
図3(a)に非周期連続信号を重畳する前の交流電気202の波長を示し、
図3(b)に非周期連続信号を重畳した後の交流電気202の波長を概念的に示す。
図3(b)では、実際には、多少ギザギザが現れる程度の波形となるが、わかりやすくするためにギザギザ部分を強調して描いている。そして、非周期連続信号201が重畳された交流電気202が通る電源線205に接続された撮像部2、集音部3、サーバ34等に電気が供給される。
【0060】
具体的には、非周期連続信号201は、例えば、家庭用電気(例えば50Hz、100V)の交流電気202のサイン波上にパソコン、マイコン等で制御される非周期連続信号重畳装置33を用いて重畳される。交流電気202と非周期連続信号201が重畳された波204は、100Vの交流電気として電源線205内を進む。そして、コンセント206にプラグ207を差し込んだ撮像部2、集音部3、サーバ34、PCなどの受信装置に受信される。このように、非周期連続信号201は、電波、電気、音や振動、などあらゆる「波」に重畳させることが可能となる。
【0061】
そして、
図2及び
図5に示すように、神殿側情報処理装置32は、非周期連続信号重畳装置33からの非周期連続信号の信号を重畳された交流電気202が供給された撮像部2で撮像した映像及び集音部3で集音した音声を、インターネット50を介してユーザのユーザ側情報処理端末51に配信するように構成されている。
【0062】
一方、神殿1内又は神殿1から離れた位置にサーバ34を設け、神殿側情報処理装置32及び非周期連続信号重畳装置33を接続してもよい。接続方法は、イントラネット52を介してもよいし、インターネット50を介してもよい。また、サーバ34自体が、神殿側情報処理装置32を含む構成としてもよい。
【0063】
また、サーバ34にも非周期連続信号を発信する電気信号発信装置31が搭載されていてもよい。この場合、例えば、電気信号発信装置31の機能を有するボードを実装すればよい。
【0064】
電気信号発信装置31は、神殿1に設置された発信コイル35に接続され、発信コイル35からも非周期連続信号を発信するように構成されている。
【0065】
神殿側情報処理装置32は、ユーザ側情報処理端末51にインプットされた所望の項目及び文章、例えば、ユーザの祖先の名前などの諸情報、現代において必要な祝詞、その日の祭祀に合わせた祝詞、願い事、構文等を、インターネット50を介して収集し、その言語情報を非周期連続信号に変換し、サーバ34に送信して蓄積しておき、このサーバ34に蓄積された信号を電気信号発信装置31から随時発信するように構成されている。
【0066】
また、神殿側情報処理装置32は、ユーザ側情報処理端末51にインプットされた所望の項目及び文章を、インターネット50を介してリアルタイムで収集し、その言語情報を非周期連続信号に変換し、電気信号発信装置31から即時に発信するように構成されている。
【0067】
詳しくは図示しないが、電気信号発信装置31として、プラズマ発生装置を含んだものを設けてもよい。このプラズマ発生装置で発生するプラズマに非周期連続信号が重畳されるようになっている。
【0068】
また、ユーザが神殿1の映像を見ているときに、ボーカロイド(登録商標)技術を用いて音声合成された情報をユーザ側情報処理端末51で再生できるように構成されていてもよい。音声には、柏手、楽器、鈴等の音が含まれていてもよい。
【0069】
また、ユーザが、ユーザ側情報処理端末51から、特定のアイコンを選択し、オンラインで幣帛、賽銭や寄付を行えるように構成されていてもよい。入金は、公知のインターネット50上の入金システムを利用すればよい。
【0070】
-リモート参拝システムの作用-
図4に示すように従来のネットワーク社会では、誹謗中傷、罵詈雑言、愚痴、悪口、フェイクニュースなどのネガティブな情報やエネルギーにあふれ、情報認知空間に偏りが生じていると想定できる。
【0071】
図5に示すように、神殿側情報処理装置32で生成された非周期連続信号が非周期連続信号重畳装置33によって、交流電気202に重畳され、神殿1内に平和安寧の祈りの言語で構成された情報認知空間が提供される。そして、神殿1では、24時間365日にわたり、撮像部2によって神棚及びその周辺の映像が送信され、集音部3からも音声が送られる。
【0072】
ローカル・セキュア・ネットワーク(イントラネット52)は、ルータ、スイッチ、ファイアーウォール等を含み、内部の通信の他、インターネット50との接続を行う。
【0073】
本実施形態では、非周期連続信号重畳装置33からの非周期連続信号の信号を重畳された交流電気202が供給された撮像部2で撮像した映像及び集音部3で集音した音声の信号に非周期連続信号がのっているので、それを視聴するユーザ側情報処理端末51においても、この非周期連続信号がのった映像及び音声が再生される。
【0074】
この映像及び音声を視聴するユーザ(閲覧者)は、自分で言語を実際に送り、そのことがリアルタイムで装置として発信されているということを理解した上で参加する(参拝する)ことで、参加するという意識を高めることができる。
【0075】
非周期連続信号が受信者側の脳内で認知される仕組みについて、例えば
図12に示すような非周期連続信号の脳内での再現を恒常化させるやり方が考えられる。
図12(a)に示すパルスの場合、
図12(b)に示すように、ON/OFF信号の非周期的な繰り返しがあることから、脳内で○が来たタイミングで信号ON、×が来たタイミングで信号OFFを繰り返すことで、元の非周期連続信号を復元するという説明が可能である。例えば、言語習得の方法と同じく、日頃から何度もリピートして非周期連続信号を聴いたり見たりすることで、脳内で非周期連続信号を理解できるようになると思われる。このようなことから、ユーザは、祝詞他の言語情報等に基づく非周期連続信号の影響を受けるので、それがない場合に比べて脳内で認識されたり感知されたりする情景は変わってくることから、神殿内の雰囲気を感じられ、あたかも実際に参拝しているような厳粛な気持ちになる。また、そのような厳粛な雰囲気で、家などにいながら、神殿1における修行、祭祀、集会などにも参加できる。
【0076】
本実施形態では、ユーザは、神殿1に直接訪問して祈りを捧げなくても、心に浮かんだ願いなどをユーザ側情報処理端末51に即時にインプットすれば、その言語情報は非周期連続信号に変換されて神殿1側の電気信号発信装置31から即時に発信される。このため、むしろ神殿1に直接訪問する場合よりも即時に願い等を届けることができる。
【0077】
本実施形態では、サーバ34に送られてくる交流電気202にも非周期連続信号が重畳されるので、このサーバ34から発信される信号自体にも非周期連続信号が重畳される。このサーバ34から発信される信号は、インターネット50を介して情報認知空間に提供され、それにより、情報認知空間の滞った、活発でない状態を取り去る(吹き送る)ことができる。
【0078】
本実施形態では、例えば、サーバ34の基板に非周期連続信号を発信する電気信号発信装置31を搭載すれば、サーバ34自身に非周期連続信号を発信する機能を与えることができ、サーバ34から発信する信号に非周期連続信号を簡易且つ確実に重畳させることができる。
【0079】
本実施形態では、神殿1自体に設けた複数の発信コイル35や空間改善装置36から非周期連続信号を発信させることで、その効果がさらに高められる。また、神殿1内にいる人も非周期連続信号の効果が得られる。
【0080】
電気信号発信装置31がプラズマ発生装置を含んでいる場合、プラズマのプラズマ放電を利用して非周期連続信号を効果的に発信できる。
【0081】
本実施形態では、インターネット50を介して24時間365日いつでもユーザが好みの時間に好みの場所で接続できる。
【0082】
本実施形態では、移動することなく神殿1にいつでも繋がるので、海外などの時差のある場所でも好みの時間に参拝が可能になる。
【0083】
本実施形態に係るボーカロイドによる祝詞、祈祷文などの読み上げは、読み上げる人の感情等、無駄な情報が排除されているので、ユーザの祈り、瞑想などの集中を妨げない。
【0084】
本実施形態では、神殿1に参拝しなくても幣帛、賽銭、寄付等をどこにいてもユーザ側情報端末から行えるので便利である。
【0085】
以上説明したように、本発明によれば、神殿1とは別の場所からでも気軽に且つ簡単に神殿1に参拝できる。
【0086】
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0087】
上記実施形態では、撮像部2及び集音部3で撮影及び集音された映像及び音声をユーザ側情報処理端末51で見ながらリモート参拝するようにしているが、このような映像及び音声なしで、願い事などをユーザ側情報処理端末51としてのスマートフォンやパソコンで送信したり、スマートフォンやパソコンから幣帛、賽銭、寄付等をしたりしてもよい。
【0088】
上記各実施形態では、アナログ波形は、
図7(a)や
図7(b)に示すようなサイン波やパルス波としたが、三角波や鋸歯状波でもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 神殿
2 撮像部
3 集音部
4 電源部
30 リモート参拝システム
31 電気信号発信装置
32 神殿側情報処理装置
32a 入力回路
32b 信号生成回路
32c 変換テーブル
32d 出力回路
32e 伝送系統
33 非周期連続信号重畳装置
34 サーバ
34a 入力回路
34b 信号生成回路
34c 変換テーブル
34d 変調回路
34e 制御部
34f システムコントロール
34g 伝送系統
34h ストレージ
35 発信コイル
36 空間改善装置
50 インターネット
51 ユーザ側情報処理端末
52 イントラネット
201 連続信号
202 交流電気
205 電源線
204 波
206 コンセント
207 プラグ