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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】鳥害防止器具
(51)【国際特許分類】
   H02G 7/00 20060101AFI20230220BHJP
   A01M 29/32 20110101ALI20230220BHJP
【FI】
H02G7/00
A01M29/32
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019085119
(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2020182349
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】390009999
【氏名又は名称】日動電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】元家 正信
【審査官】鈴木 圭一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-038488(JP,A)
【文献】登録実用新案第3218772(JP,U)
【文献】特開2011-182704(JP,A)
【文献】特開2014-057394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 7/00-7/22
A01M 29/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電柱(P)間に架設された電線(W)の上側に線条体(L)を離隔した状態で保持するようにした鳥害防止器具であって、
前記鳥害防止器具は、前記電線(W)に取り付けられる複数の支持具と、これら複数の支持具に架け渡される線条体(L)とを備え、
前記各支持具は、前記電線(W)を受け容れ可能な開口部を有する略C形の枠本体(1)と、この枠本体(1)の上壁(2)から上方に起立突出させた線条体係合部(3)と、前記枠本体(1)内に前記電線(W)を挟持固定する電線固定機構(C)とを備え、
前記電線固定機構(C)は、前記枠本体(1)の底壁(5)に螺合した状態で貫通しているねじ体(6)と、このねじ体(6)の先端部に装着され、前記枠本体(1)の内部を昇降移動する押し板(7)とで構成してあり、この押し板(7)の昇降により押し板上面と前記枠本体(1)の上壁内面とで前記電線(W)を挟持することで電線(W)に前記枠本体(1)を固定可能に構成してあり
前記枠本体(1)の底壁(5)の両側部から隣合って位置する枠本体(1)に向かって互いに異なる方向にそれぞれ連結片(18)を連出形成させるとともに、該連結片(18)の連出形成箇所を、前記底壁(5)の一方の側部においては前記枠本体(1)の開口部の入口寄りの位置に、他方の側部においてはその奥寄りの位置に、それぞれ設けてあり、前記各連結片(18)は、隣合う枠本体(1)の内部を昇降する押し板(7)の底面と、枠本体底壁(5)の上面との間に挿入可能に構成してあり、押し板(7)の昇降移動に伴い、前記連結片(18)を押し板(7)の底面と前記枠本体底壁(5)の上面とで挟持する待機状態と、前記連結片(18)を押し板(7)の底面と前記枠本体底壁(5)の上面での挟持から解放する使用状態とに切り替え可能に構成してあることを特徴とする鳥害防止器具。
【請求項2】
前記枠本体(1)の開口部を閉塞可能とする蓋板(4)が該枠本体(1)の上壁(2)の開口端部にその上端部を揺動可能に枢支されており、前記押し板(7)を上昇させた場合に前記蓋板(4)の側端縁部(4b)が嵌合する蓋板挿通溝(14)を押し板(7)に形成したことを特徴とする請求項1に記載した鳥害防止器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線に取り付けることにより、鳥の飛来や営巣を防ぐ鳥防止器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
架空電線に鳥類が飛来すると、電気設備の事故や排泄物による公害の原因となるため、架空電線への鳥類の飛来を防止すべく、従来から、架空電線に各種鳥害防止器具が取り付けられている。
【0003】
このような鳥害防止器具として、従来、電柱間に架設された電線の両端側に取り付けられる一対の固定支持具と、この固定支持具間で電線の上方に離隔した状態で架け渡される線条体と、この線条体及び電線に沿って指定の間隔を空けて取り付けられる一つまたは複数の自由支持具とで構成したものが提案されている(特許文献1)。
【0004】
ところが、前述の鳥害防止器具では、固定支持具と自由支持具とがそれぞれ独立部品として構成されていることから、高所作業になる架空電線への設置作業時に高所作業車のバケットに乗り込んだ作業者が固定支持具と自由支持具とに係合した線条体を引き延ばすようにして自由支持具及び遊端側の固定支持具を電線に固定していかなければならず、作業性に欠けるきらいがあった。
【0005】
そこで、線条体を止め付け保持した複数の支持具を離脱容易な状態に連結させて一組とし、両端に位置する支持具を電線に固定可能にするとともに、各支持具の連結部分に線条体の収容部を形成して、電線に沿って線条体を展開する展開作業を容易に使用とするものも提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第4669277号公報
【文献】特開2017-38488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この特許文献2に開示された、線条体を止め付け保持した複数の支持具を離脱容易な状態に連結させたものでも、高所作業であることを考慮すると支持具同士が軽い力で分離できなければ作業性が悪くなる。このため、各支持具同士はスナップ係合程度の結合力しかなく、運搬時や、高所作業車のバケットに乗り込んで作業する場合に、支持具同士が分離してバラケやすく、作業性に欠けるという問題点は依然解消しきれていなかった。
【0008】
本発明は、このような点に鑑み提案されたもので、運搬時は勿論、高所での作業時にでも取り扱いが容易で、電線への設置作業を簡略化できる鳥害防止器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、電柱(P)間に架設された電線(W)の上側に線条体(L)を離隔した状態で保持するようにした鳥害防止器具であって、
前記鳥害防止器具は、前記電線(W)に取り付けられる複数の支持具と、これら複数の支持具に架け渡される線条体(L)とを備え、
前記各支持具は、前記電線(W)を受け容れ可能な開口部を有する略C形の枠本体(1)と、この枠本体(1)の上壁(2)から上方に起立突出させた線条体係合部(3)と、前記枠本体(1)内に前記電線(W)を挟持固定する電線固定機構(C)とを備え、
前記電線固定機構(C)は、前記枠本体(1)の底壁(5)に螺合した状態で貫通しているねじ体(6)と、このねじ体(6)の先端部に装着され、前記枠本体(1)の内部を昇降移動する押し板(7)とで構成してあり、この押し板(7)の昇降により押し板上面と前記枠本体(1)の上壁内面とで前記電線(W)を挟持することで該電線(W)に前記枠本体(1)を固定可能に構成してあり、
前記枠本体(1)の底壁(5)の両側部から隣合って位置する枠本体(1)に向かって互いに異なる方向にそれぞれ連結片(18)を連出形成させるとともに、該連結片(18)の連出形成箇所を、前記底壁(5)の一方の側部においては前記枠本体(1)の開口部の入口寄りの位置に、他方の側部においてはその奥寄りの位置に、それぞれ設けてあり、前記各連結片(18)は、隣合う枠本体(1)の内部を昇降する押し板(7)の底面と、該枠本体底壁(5)の上面との間に挿入可能に構成してあり、該押し板(7)の昇降移動に伴い、前記連結片(18)を該押し板(7)の底面と前記枠本体底壁(5)の上面とで挟持する待機状態と、前記連結片(18)を該押し板(7)の底面と前記枠本体底壁(5)の上面での挟持から解放する使用状態とに切り替え可能に構成してあることを特徴とする
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載した構成に加えて、前記枠本体(1)の開口部を閉塞可能とする蓋板(4)が該枠本体(1)の上壁(2)の開口端部にその上端部を揺動可能に枢支されており、前記押し板(7)を上昇させた場合に前記蓋板(4)の側端縁部(4b)が嵌合する蓋板挿通溝(14)を該押し板(7)に形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る鳥害防止器具は前記枠本体(1)の底壁(5)の両側部から隣合って位置する枠本体(1)に向かって互いに異なる方向にそれぞれ連結片(18)を連出形成させるとともに、該連結片(18)の連出形成箇所を、前記底壁(5)の一方の側部においては前記枠本体(1)の開口部の入口寄りの位置に、他方の側部においてはその奥寄りの位置に、それぞれ設けてあることから、隣り合う枠本体同士間に連結片を架け渡して、この連結片を枠本体の下壁上面と押し板底面との間に挿入し挟持することで、複数の枠本体を安定した姿勢で一体化することができ、複数の枠本体を一括して電線に係合させることが出来る。そして、枠本体を電線に固定するためにねじ体を上昇させる操作で、連結片を保持している保持力が消滅することで、隣り合う枠本体同士の連結が解除されることから、枠本体の展開が容易となる。これにより、高所作業となる鳥害防止器具の電線へのセットが格段に楽になり、作業効率の向上を期待できる。
【0012】
また、前記枠本体(1)の開口部を閉塞可能とする蓋板(4)が該枠本体(1)の上壁(2)の開口端部にその上端部を揺動可能に枢支するとともに、前記押し板(7)を上昇させた場合に前記蓋板(4)の側端縁部(4b)が嵌合する蓋板挿通溝(14)を該押し板(7)に形成した場合は、押し板(7)の上昇操作に伴い、蓋板挿通溝(14)に蓋板(4)の側端縁部(4b)が嵌り込み、蓋板(4)の開閉揺動が抑制され、枠本体(1)の電線からの離脱が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る鳥害防止器具の使用状態を示す概略図である。
図2】本発明に係る鳥害防止器具を連結した状態での正面図である。
図3】本発明に係る鳥害防止器具における固定支持具又は自由支持具を示す全体斜視図である。
図4】本発明に係る鳥害防止器具の蓋板を跳ね上げた姿勢での固定支持具又は自由支持具を示す全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明に係る鳥害防止器具(B)を電柱(P)間に架設した電線(W)に装着した状態での概略図である。この鳥害防止器具(B)は、電線(W)に取り付け固定される一対の固定支持具(F)(F)とこの固定支持具(F)(F)の間で電線(W)に対して揺動自在に配置される自由支持具(S)とで構成されている。これら固定支持具(F)と自由支持具(S)とは電線(W)の上側に離隔して架け渡されている線条体(L)で接続されている。
【0015】
固定支持具(F)及び自由支持具(S)は同一構造で形成してあり、略Cの枠体からなる枠本体(1)と、この枠本体(1)の上壁(2)から上方に起立突出させた線条体係合部(3)と、枠本体(1)内に電線(W)を挟持固定する電線固定機構(C)及び枠本体(1)の開口部を閉塞可能な蓋板(4)とで構成してある。
【0016】
この電線固定機構(C)は、枠本体(1)の底壁(5)を貫通螺合しているねじ体(6)と、このねじ体(6)の先端部に装着され、枠本体(1)の内部を昇降移動する押し板(7)とで構成してあり、この押し板(7)は枠本体(1)の底壁側に降下している非保持姿勢と、ねじ体()の回転作動に伴って押し板(7)が上昇移動することで枠本体(1)に挿入した電線(W)を枠本体(1)の上壁内面に押し付ける保持姿勢とに切り替え可能になっている。 そして押し板(7)の上昇量を加減して、電線(W)を枠本体(1)の上壁内面に強く当接させないようにすると、枠本体(1)が電線(W)に固定されることがなくなるので揺動可能な自由支持具(S)となる。
【0017】
枠本体(1)の開口部を閉塞可能な蓋板(4)は、枠本体(1)の上壁(2)の開口端部にその上端部が揺動可能に枢支されており、蓋板(4)の蓋板部(4a)の側端縁部(4b)での上部から枠空間の奥部方向に向かって、アーム部(9)が延出してあり、蓋板部(4a)を跳ね上げた際に、アーム部(9)が枠空間部分に位置できるように構成してある。
【0018】
また、枠本体(1)での蓋板枢支部(10)の外周面に蓋板(4)の上端面と接当する係止突部(11)が突設してあり、蓋板(4)の上端面がこの係止突部(11)を乗り越えることで、枠本体(1)の開口部を開放する姿勢に蓋板(4)を維持できるようにしてある。
【0019】
前記したように、押し板(7)は、枠本体(1)の底壁(5)を貫通螺合しているねじ体(6)の上端部分に相対回転自在な状態で組付けられるとともに、枠本体(1)の立上壁(12)の側端縁を抱き込むように形成してあり、ねじ体(6)の回転操作に伴ってねじ体(6)が枠本体(1)の底壁に対して出退作動することで、押し板(7)は回転することなく枠本体(1)内を上下方向に平行移動するようにしてある。また、この押し板(7)の開口側端部に蓋板(4)の側端縁部(4b)が挿通する蓋板挿通溝(14)が形成してある。蓋板(4)の側端縁部(4b)は、押し板(7)が下降側の一定範囲では蓋板(4)の蓋板挿通溝(14)と嵌り合わないように形成してありその状態では蓋板(4)は揺動可能であるが、一定高さよりも高くなると、蓋板挿通溝(14)と蓋板(4)の側端縁部(4b)とは嵌り合い、蓋板(4)の揺動、すなわち蓋板(4)の開閉が抑制されるように構成してある。
【0020】
また、枠本体(1)の底壁(5)から電線(W)の延伸方向に沿って連結片(18)が連出形成してある。この連結片(18)は枠本体(1)の開口端側(前側)と立上壁(12)側(奥側)とでその延出方向を異ならせてある。この連結片(18)を隣り合って配置した枠本体(1)の底壁(5)部分と押し板(7)との間に挿入して、ねじ体(6)を下降側に作動させることで、連結片(18)を押し板(7)の下面と枠本体の底壁(5)の上面との間に挟持させることで隣り合う枠本体(1)同士を連結するようにしてある。
【0021】
線条体(L)は、対候性に優れたテグスで構成してある。この線条体(L)は一定の長さごとにコイル状に巻回接着して保形してある。また、枠本体(1)の上壁(2)から上方に起立突出させた線条体係合部(3)は、それぞれ線条体(L)を通過させる線条体通過部(15)と線条体(L)を係着させる2個所の線条体係着部(16)(17)を有している。なお、このコイル状に保形するための接着は、線条体(L)を展伸させることで、コイルが解ける程度の接着力に設定してある。
【0022】
上述の構成からなる鳥害防止器具(B)は、図2に示すように枠本体(1)の底壁(5)の側面から連出した前後一対の連結片(18)で隣り合って配置された枠本体(1)同士を離脱可能な状態で接続するようにしてある。底壁(5)の一側面から連出されている連結片(18)は、枠本体(1)の底壁上面と押し板(7)の下面との間に挿入するように構成してあり、ねじ体(6)を押し板降下側に作動させることで枠本体(1)の底壁(5)と押し板(7)の下面とで挟持して、複数の枠本体(1)を一体化するようにしてある。そして、一体化した複数の枠本体(1)の上壁(2)から上方に起立突出させた線条体係合部(3)同士間にコイル状に保形形成した線条体(L)を位置させた状態にして施工現場まで搬送される。
【0023】
この鳥害防止器具(B)を電柱(P)間に架設した電線(W)に取り付ける場合、連結片(18)を介して一体に連結された状態で施工現場に搬送されるが、固定支持具(F)となる枠本体(1)も自由支持具(S)となる枠本体(1)も同じ構造であることから、連結片(18)が押し板(7)と枠本体(1)の底壁(5)とで挟持されており、略C形に形成されている枠本体(1)の開口部に配置した蓋板(4)は自由に揺動できることになる。
【0024】
従って、一連の鳥害防止器具(B)の蓋板(4)を開放させた状態で、鳥害防止器具(B)を絶縁ヤットコ等の活線工具を使用して一挙に電線(W)に装着することが出来る。この電線(W)への装着時に電線(W)が枠本体(1)の枠内に侵入する際にアーム部(9)に接触することで、蓋板(4)の枠本体(1)への係合が外れ、蓋板(4)で枠本体(1)の開口部が閉塞される。この状態で端部に位置する枠本体(1)のねじ体(6)を操作して、押し板(7)を上昇させる。すると、押し板(7)に形成した蓋板挿通溝(14)に蓋板(4)の側端縁部が嵌り込み、蓋板(4)の開閉揺動が抑制され、枠本体(1)の電線からの離脱が防止される。
【0025】
そして、この端部に位置する枠本体(1)での押し板(7)の上昇動作で電線(W)を該枠本体(1)の上壁内面と押し板(7)とで挟持することになるから、該枠本体(1)は一定の姿勢に保持できることになるとともに、押し板(7)の上昇作動により、押し板(7)と枠本体(1)の底壁とで挟持されていた連結片(18)での拘束力が解除されることから、その連結片(18)で連結されていた次の枠本体(1)は電線(W)に固定された枠本体(1)から離れて電線に沿って移動できることになる。
【0026】
中間に位置する枠本体(1)は、電線(W)に係合させた後、押し板(7)を軽く作動させて枠本体(1)の上壁内面との間に電線(W)を挟持しない姿勢まで押し上げることで、連結片(18)の固定状態を解除することでその中間に位置する枠本体(1)は電線(W)に沿って可能となるとともに、電線(W)に対して揺動可能に保持されることになる。
【0027】
一連の枠本体(1)を電線(W)に装着して展開させると、すべての枠本体(1)は線状体(L)で連結されていることから、該線条体(L)が電線(W)の上側に張設されることになる。この線条体(L)がピンと張られた位置で他端に位置する枠本体(1)のねじ体(6)を操作して、押し板(7)を上昇させ、押し板(7)と枠本体(1)の天井壁内面とで電線(W)を挟持して、他方の枠本体(1)を所定位置に固定することで、両端の枠本体(1)が固定で中間の枠本体(1)が電線(W)周りに揺動可能な状態に設置されることになる。これにより、線条体(L)に鳥類が止まろうとしても自由支持具(S)となっている中間に位置している枠本体(1)が電線(W)との接触点を支点として揺動することになって、鳥は線条体(L)に止まることができない。
【0028】
このように、本発明に係る鳥害防止器具(B)にあっては、電線に固定するための電線固定機構(C)を利用して、固定支持具(F)と自由支持具(S)とを確りと一体化して搬送時の取り扱いを容易にすることが出来るうえ、固定支持具(F)の電線(W)への固定作業に伴って固定支持具(F)と自由支持具(S)とを分離可能にすることが出来るから、電線(W)への鳥害防止器具(B)の設置作業を容易にすることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明に係る鳥害防止器具は、電柱間距離が比較的短い市街地において電柱間に架設した電線に装着する鳥害防止器具の連結機構として適している。
【符号の説明】
【0030】
P…電柱、W…電線、L…線条体、C…電線固定機構、1…枠本体、2…枠本体の上壁、3…線条体係合部、4…蓋板、5…枠本体の底壁、6…ねじ体、7…押し板、4b…蓋板の側端縁部、14…蓋板挿通溝、18…連結片。
図1
図2
図3
図4