IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オプティムの特許一覧

特許7229626プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法
<>
  • 特許-プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法 図1
  • 特許-プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法 図2
  • 特許-プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法 図3
  • 特許-プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法 図4
  • 特許-プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法 図5
  • 特許-プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法 図6
  • 特許-プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法 図7
  • 特許-プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法 図8
  • 特許-プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法 図9
  • 特許-プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法 図10
  • 特許-プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法 図11
  • 特許-プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20230220BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230220BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06T7/00 300E
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022052897
(22)【出願日】2022-03-29
【審査請求日】2022-03-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【審査官】緑川 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-047606(JP,A)
【文献】特開2020-079994(JP,A)
【文献】特開2022-032411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
ユーザにより、共有スペースの利用が終了したことを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより前記ユーザによる前記共有スペースの利用が終了したことが判定されると、前記共有スペースを撮影した画像データを取得する、取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得した前記画像データと、前記共有スペースに対して予め記憶された基準画像データまたは前記ユーザによる利用前の前記共有スペースを撮影した第2画像データとの乖離度を算定し、当該乖離度に応じて前記共有スペースの後片付けの状態を評価する評価ステップと、
前記評価ステップにおいて評価した前記共有スペースの後片付けの状態を、前記ユーザへ提示する提示ステップと、
を実行させ、
前記提示ステップは、
前記共有スペースを撮影した前記画像データに含まれる1または複数の画像オブジェクトを抽出するステップと、
前記基準画像データまたは前記第2画像データに含まれる1または複数の第2画像オブジェクトを抽出するステップと、
前記1または複数の画像オブジェクトのうち、前記1または複数の第2画像オブジェクトからの相違度が所定値以上の前記画像オブジェクトを、前記共有スペースにおいて後片付けすべき箇所として前記ユーザに対して提示するステップと、を含む、
プログラム。
【請求項2】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
ユーザにより、共有スペースの利用が終了したことを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより前記ユーザによる前記共有スペースの利用が終了したことが判定されると、前記共有スペースを撮影した画像データを取得する、取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得した前記画像データと、前記共有スペースに対して予め記憶された基準画像データまたは前記ユーザによる利用前の前記共有スペースを撮影した第2画像データとの乖離度を算定し、当該乖離度に応じて前記共有スペースの後片付けの状態を評価する評価ステップと、
前記評価ステップにおいて評価した前記共有スペースの後片付けの状態が良いほど、前記ユーザの人事考課が有利なものとなるように前記ユーザのユーザ属性を更新する更新ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項3】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
ユーザにより、共有スペース(移動空間を除く)の利用が終了したことを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより前記ユーザによる前記共有スペースの利用が終了したことが判定されると、前記共有スペースを撮影した画像データを取得する、取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得した前記画像データと、前記共有スペースに対して予め記憶された基準画像データまたは前記ユーザによる利用前の前記共有スペースを撮影した第2画像データとの乖離度を算定し、当該乖離度に応じて前記共有スペースの後片付けの状態を評価する評価ステップと、
前記評価ステップにおいて評価した前記共有スペースの後片付けの状態を、前記ユーザへ提示する提示ステップと、
を実行させ、
前記提示ステップは、前記評価ステップにおいて評価した前記共有スペースの後片付けの状態が不十分である場合に、前記ユーザに対して注意を表す情報を提示するステップである、
プログラム。
【請求項4】
前記判定ステップは、前記ユーザにより設定された前記共有スペースの予約情報に基づき、前記共有スペースの利用が終了したことを判定するステップである、
請求項1から3のいずれか記載のプログラム。
【請求項5】
前記判定ステップは、前記共有スペースにおいて前記ユーザが検出できない場合に、前記共有スペースの利用が終了したことを判定するステップである、
請求項1から3のいずれか記載のプログラム。
【請求項6】
前記判定ステップは、前記ユーザによる前記共有スペースを終了したことを示す指示に基づき、前記共有スペースの利用が終了したことを判定するステップである、
請求項1から3のいずれか記載のプログラム。
【請求項7】
前記提示ステップは、前記評価ステップにおいて評価した前記共有スペースの後片付けの状態が不十分である場合に、前記ユーザに対して注意を表す情報を提示するステップである、
請求項1記載のプログラム。
【請求項8】
前記評価ステップは、前記共有スペースの後片付けの状態を評価値として算定するステップである、
請求項1から7のいずれか記載のプログラム。
【請求項9】
前記評価ステップは、前記共有スペースに対して予め記憶された基準画像データと、前記取得ステップにおいて取得した前記画像データとの乖離度に基づき、前記評価値を算定するステップである、
請求項8記載のプログラム。
【請求項10】
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記ユーザによる利用前の前記共有スペースを撮影した画像データを取得する、第2取得ステップと、
を実行させ、
前記評価ステップは、第2画像データと、前記取得ステップにおいて取得した前記画像データとの乖離度に基づき、前記評価値を算定するステップである、
請求項8記載のプログラム。
【請求項11】
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記評価ステップにおいて評価した前記共有スペースの後片付けの状態が良いほど、前記ユーザの人事考課が有利なものとなるように前記ユーザのユーザ属性を更新する更新ステップと、
を実行させる、
請求項1または3記載のプログラム。
【請求項12】
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置であって、
前記プロセッサに、請求項1から11のいずれか記載のプログラムを実行させる、
情報処理装置。
【請求項13】
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置を含む情報処理システムであって、
前記プロセッサに、請求項1から11のいずれか記載のプログラムを実行させる、
情報処理システム。
【請求項14】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
前記プロセッサが、請求項1から11のいずれか1項に記載のプログラムに係る各ステップ全てを実行する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
会議室等の所定空間において、監視カメラにより、備品等の盗難などを画像解析によりチェックする技術が知られている。
特許文献1には、人の特定場所への立ち入りや、人による物の持ち出し等の監視を行う情報処理装置が開示されている。
特許文献2には、整理整頓度を自動的に判定する情報処理装置が開示されている。
特許文献3には、清掃員の清掃作業にあたって、清掃員に清掃スポットを漏れなく清掃させてそれを管理者が確認することを容易にすることができるプログラムが開示されている。
特許文献4には、ビルの清掃・点検などの作業を担当する作業員が日々行っている作業について、簡単に良好に管理できる作業管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】再表2020/116023
【文献】特開2014-164629号公報
【文献】特開2021-18652号公報
【文献】特開2020-154716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
会議室などの共有スペースは、利用者が、次の利用者のために共有スペースを利用前の状態に戻す必要がある。一方、利用者は利用前の状態に戻すことを失念してしまったり、利用前の状態に十分に戻すことができない場合がある。例えば、複数の利用者が、利用前の状態に戻すことが不十分である場合、利用者が利用前の状態に戻したと考えていても、徐々に利用前の状態から乖離してしまい、最終的に共有スペースの当初状態から大きく乖離した乱雑な状態となってしまう課題がある。
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、共有スペースの利用者に対して、共有スペースの状態を利用前の状態に適切に戻すよう動機づける技術を提供することがである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、ユーザにより、共有スペースの利用が終了したことを判定する判定ステップと、判定ステップによりユーザによる共有スペースの利用が終了したことが判定されると、共有スペースを撮影した画像データを取得する、取得ステップと、取得ステップにおいて取得した画像データに基づき、共有スペースの後片付けの状態を評価する評価ステップと、を実行させるプログラム。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、共有スペースの利用者に対して、共有スペースの状態を利用前の状態に適切に戻すよう動機づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】情報処理システム1の機能構成を示すブロック図である。
図2】サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
図3】ユーザ端末20の機能構成を示すブロック図である。
図4】撮影端末30の機能構成を示すブロック図である。
図5】ユーザテーブル1012のデータ構造を示す図である。
図6】予約テーブル1013のデータ構造を示す図である。
図7】撮影マスタ1014のデータ構造を示す図である。
図8】スペースマスタ1015のデータ構造を示す図である。
図9】予約処理の動作を示すフローチャートである。
図10】評価処理の動作を示すフローチャートである。
図11】評価処理の動作を示す画面例である。
図12】コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0009】
<情報処理システム1の構成>
本開示における情報処理システム1は、共有スペースの後片付け状態の評価サービスを提供する情報処理システムである。
情報処理システム1は、ネットワークNを介して接続された、サーバ10、ユーザ端末20、撮影端末30の情報処理装置を備える。
図1は、情報処理システム1の機能構成を示すブロック図である。
図2は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
図3は、ユーザ端末20の機能構成を示すブロック図である。
図4は、撮影端末30の機能構成を示すブロック図である。
【0010】
各情報処理装置は演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにより構成されている。コンピュータの基本ハードウェア構成および、当該ハードウェア構成により実現されるコンピュータの基本機能構成は後述する。サーバ10、ユーザ端末20、撮影端末30のそれぞれについて、後述するコンピュータの基本ハードウェア構成およびコンピュータの基本機能構成と重複する説明は省略する。
【0011】
<サーバ10の構成>
サーバ10は、共有スペースの後片付け状態を評価する情報処理サービスを提供する情報処理装置である。
サーバ10は、記憶部101、制御部104を備える。
【0012】
<サーバ10の記憶部101の構成>
サーバ10の記憶部101は、アプリケーションプログラム1011、評価モデル1021、ユーザテーブル1012、予約テーブル1013、撮影マスタ1014、スペースマスタ1015を備える。
【0013】
アプリケーションプログラム1011は、サーバ10の制御部104を各機能ユニットとして機能させるためのプログラムである。
アプリケーションプログラム1011は、ウェブブラウザアプリケーションなどのアプリケーションを含む。
【0014】
評価モデル1021は、共有スペースが撮影された基準画像データ、撮影データを入力データとして、共有スペースの後片付けに関する評価値を出力(推論)する推論モデルである。具体的に、評価モデル1021は、撮影データの基準画像データからの乖離度合いを出力する
出力データは、後片付けに関する段階的な評価値でも良いし、後片付けができているかできていなかに関する2値的な判定値を出力するものでも良い。
評価モデル1021は、例えば機械学習、人工知能、深層学習モデルなどの一種である。
評価モデル1021の学習処理は、後述する。評価モデル1021の一例として、深層学習におけるディープニューラルネットワークによる深層学習モデルを説明する。評価モデル1021は、深層学習モデルである必要は必ずしもなく、任意の機械学習、人工知能モデルでも良い。
【0015】
ユーザテーブル1012は、サービスを利用する会員ユーザ(以下、ユーザ)の情報を記憶し管理するテーブルである。ユーザは、サービスの利用登録を行うことで、当該ユーザの情報がユーザテーブル1012の新しいレコードに記憶される。これにより、ユーザは本開示にかかるサービスを利用できるようになる。
ユーザテーブル1012は、ユーザIDを主キーとして、ユーザID、ユーザ名、グループID、属性データのカラムを有するテーブルである。
図5は、ユーザテーブル1012のデータ構造を示す図である。
【0016】
ユーザIDは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を記憶する項目である。ユーザ識別情報は、ユーザごとにユニークな値が設定されている項目である。
ユーザ名は、ユーザの氏名を記憶する項目である。ユーザ名は、氏名ではなく、ニックネームなど任意の文字列を設定しても良い。
グループIDは、グループを識別するためのグループ識別情報を記憶する項目である。グループ識別情報は、グループ情報ごとにユニークな値が設定されている項目である。
属性データは、ユーザのユーザ属性を記憶する項目である。属性データは、ユーザの人事考課に関する情報、ユーザの信用属性を指標化した信用指標などが含まれる。人事考課に関する情報は、ユーザが所属するグループにおける昇進、昇格、賞与などの算定の際の参考情報等として利用される。信用指標は、ユーザが各種サービスを受ける場合に、信用指標に応じた優遇が受けられる。例えば、ユーザは、信用指標に応じて優遇された金利または利用枠にて融資を受けることができる。その他、仮想通貨、ポイントなどが含まれていても良い。
【0017】
予約テーブル1013は、予約に関する情報(予約情報)を記憶し管理するためのテーブルである。
予約テーブル1013は、ユーザID、スペースID、開始日時、終了日時、評価値のカラムを有するテーブルである。
図6は、予約テーブル1013のデータ構造を示す図である。
【0018】
ユーザIDは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を記憶する項目である。
スペースIDは、共有スペースを識別するためのスペース識別情報を記憶する項目である。
開始日時は、スペースIDにより特定される共有スペースの利用開始日時を記憶する項目である。
終了日時は、スペースIDにより特定される共有スペースの利用終了日時を記憶する項目である。
ユーザは、自身のユーザ端末20に記憶されたブラウザアプリケーションを利用し、サーバ10が提供する所定のウェブサーバなどへアクセスすることにより、利用開始日時、利用終了日時を指定して共有スペースを予約することができる。
評価値は、スペースIDにより特定される共有スペースのユーザによる利用後の後片付けの状態の評価値を記憶する項目である。
【0019】
撮影マスタ1014は、撮影に関する情報(撮影情報)を記憶し管理するためのテーブルである。
撮影マスタ1014は、端末ID、スペースID、基準画像データのカラムを有するテーブルである。
図7は、撮影マスタ1014のデータ構造を示す図である。
【0020】
端末IDは、撮影端末を識別するための端末識別情報を記憶する項目である。
スペースIDは、共有スペースを識別するためのスペース識別情報を記憶する項目である。撮影端末30は、スペースIDにより特定される共有スペースに関連づけて記憶される.具体的に、撮影端末30は、スペースIDにより特定される共有スペース内部の状態を撮影可能な位置に撮影端末30のカメラ3061が設置される。
基準画像データは、ユーザによる利用前の共有スペースの状態を撮影した画像データ(基準画像データ)を記憶する項目である。他の場所に配置された画像データファイルに対する参照情報(パス)を記憶するものとしても良い。画像データのフォーマットは、jpeg、png、bmp、tiff、gif、eps、svgなど任意のデータフォーマットで良い。
基準画像データは、管理者などがユーザによる利用前の共有スペースの状態を予め撮影し記憶しておいても良い。基準画像データは、ユーザによる共有スペースの利用前に撮影端末30により撮影された画像データを記憶しても良い。
【0021】
スペースマスタ1015は、共有スペースに関する情報(スペース情報)を記憶し管理するためのテーブルである。本開示における共有スペースとは、会議室、会議スペース、打ち合わせなどの共有スペースの他、キッチンなどの調理スペース、リビング、ベッドルームなどの任意の居住スペースを含んでも良い。また、共有スペースは、手術室、作業室、クリーンルームなどの業務用の共有スペースを含んでも良い。また、本開示における共有スペースは、自動車、鉄道、電車、地下鉄、バス、トラック、飛行機、船舶、ロケットなどの移動空間を含んでも構わない。この場合、共有スペースは、移動空間内の所定の座席などを含んでも良い。
スペースマスタ1015は、スペースIDを主キーとして、スペースID、スペース名のカラムを有するテーブルである。
図8は、スペースマスタ1015のデータ構造を示す図である。
【0022】
スペースIDは、共有スペースを識別するためのスペース識別情報を記憶する項目である。スペース識別情報は、スペース情報ごとにユニークな値が設定されている項目である。
スペース名は、共有スペースの名称を記憶する項目である。スペース名は任意の文字列を設定することができる。
【0023】
<サーバ10の制御部104の構成>
サーバ10の制御部104は、ユーザ登録制御部1041、予約部1042、評価部1043、学習部1051を備える。制御部104は、記憶部101に記憶されたアプリケーションプログラム1011を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0024】
ユーザ登録制御部1041は、本開示に係るサービスの利用を希望するユーザの情報をユーザテーブル1012に記憶する処理を行う。
ユーザテーブル1012に記憶される情報は、ユーザが任意の情報処理端末からサービス提供者が運営するウェブページなどを開き、所定の入力フォームに情報を入力しサーバ10へ送信する。ユーザ登録制御部1041は、受信した情報をユーザテーブル1012の新しいレコードに記憶し、ユーザ登録が完了する。これにより、ユーザテーブル1012に記憶されたユーザはサービスを利用することができるようになる。
ユーザ登録制御部1041によるユーザ情報のユーザテーブル1012への登録に先立ち、サービス提供者は所定の審査を行いユーザによるサービス利用可否を制限しても良い。
ユーザIDは、ユーザを識別できる任意の文字列または数字で良く、ユーザが希望する任意の文字列または数字、もしくはユーザ登録制御部1041が自動的に任意の文字列または数字を設定しても良い。
【0025】
予約部1042は、予約処理を実行する。詳細は後述する。
【0026】
評価部1043は、評価処理を実行する。詳細は後述する。
【0027】
学習部1051は、学習処理を実行する。詳細は後述する。
【0028】
<ユーザ端末20の構成>
ユーザ端末20は、サービスを利用するユーザが操作する情報処理装置である。ユーザ端末20は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末でもよいし、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。また、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
ユーザ端末20は、記憶部201、制御部204、入力装置206、出力装置208を備える。
【0029】
<ユーザ端末20の記憶部201の構成>
ユーザ端末20の記憶部201は、ユーザID2011、アプリケーションプログラム2012を備える。
【0030】
ユーザID2011はユーザのアカウントIDである。ユーザは、ユーザ端末20からユーザID2011を、サーバ10へ送信する。サーバ10は、ユーザID2011に基づきユーザを識別し、本開示にかかるサービスをユーザに対して提供する。なお、ユーザID2011には、ユーザ端末20を利用しているユーザを識別するにあたりサーバ10から一時的に付与されるセッションIDなどの情報を含む。
【0031】
アプリケーションプログラム2012は、記憶部201に予め記憶されていても良いし、通信IFを介してサービス提供者が運営するウェブサーバ等からダウンロードする構成としても良い。
アプリケーションプログラム2012は、ウェブブラウザアプリケーションなどのアプリケーションを含む。
アプリケーションプログラム2012は、ユーザ端末20に記憶されているウェブブラウザアプリケーション上で実行されるJavaScript(登録商標)などのインタープリター型プログラミング言語を含む。
【0032】
<ユーザ端末20の制御部204の構成>
ユーザ端末20の制御部204は、入力制御部2041、出力制御部2042を備える。制御部204は、記憶部201に記憶されたアプリケーションプログラム2012を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0033】
<ユーザ端末20の入力装置206の構成>
ユーザ端末20の入力装置206は、カメラ2061、マイク2062、位置情報センサ2063、モーションセンサ2064、タッチデバイス2065を備える。
【0034】
<ユーザ端末20の出力装置208の構成>
ユーザ端末20の出力装置208は、ディスプレイ2081、スピーカ2082を備える。
【0035】
<撮影端末30の構成>
撮影端末30は、共有スペースの状態を撮影するカメラ3061を制御する情報処理装置である。撮影端末30は、カメラ3061の撮影制御を専ら実行する専用端末でも良い。また、スマートフォン、タブレット等の携帯端末でもよいし、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。また、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
撮影端末30は、記憶部301、制御部304、入力装置306、出力装置308を備える。
【0036】
<撮影端末30の記憶部301の構成>
撮影端末30の記憶部301は、端末ID3011、アプリケーションプログラム3012を備える。
【0037】
端末ID3011は撮影端末30を識別する撮影端末識別情報である。ユーザは、撮影端末30から端末ID3011を、サーバ10へ送信する。サーバ10は、端末ID3011に基づき撮影端末30を識別する。なお、端末ID3011には、撮影端末30を識別するにあたりサーバ10から一時的に付与されるセッションIDなどの情報を含む。
【0038】
アプリケーションプログラム3012は、記憶部301に予め記憶されていても良いし、通信IFを介してサービス提供者が運営するウェブサーバ等からダウンロードする構成としても良い。アプリケーションプログラム3012は、撮影端末30に記憶されているウェブブラウザアプリケーション上で実行されるJavaScript(登録商標)などのインタープリター型プログラミング言語を含む。
【0039】
<撮影端末30の制御部304の構成>
撮影端末30の制御部304は、入力制御部3041、出力制御部3042を備える。制御部304は、記憶部301に記憶されたアプリケーションプログラム3012を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0040】
<撮影端末30の入力装置306の構成>
撮影端末30の入力装置306は、カメラ3061、マイク3062、位置情報センサ3063、モーションセンサ3064、キーボード3065を備える。
【0041】
カメラ3061は、端末ID3011に基づき、撮影マスタ1014を介して関連づけられるスペースIDにより特定される共有スペースの内部を撮影可能なように設置されている。一つの共有スペースに対して複数のカメラが設置されていても構わない。カメラ3061は、撮影端末30ごとに1つずつ設けられていても良いし、1つの撮影端末30に対して複数のカメラ3061が設けられた構成としても構わない。
【0042】
<撮影端末30の出力装置308の構成>
撮影端末30の出力装置308は、ディスプレイ3081、スピーカ3082を備える。
【0043】
<情報処理システム1の動作>
以下、情報処理システム1の各処理について説明する。
図9は、予約処理の動作を示すフローチャートである。
図10は、評価処理の動作を示すフローチャートである。
図11は、評価処理の動作を示す画面例である。
【0044】
<予約処理>
予約処理は、ユーザが共有スペースの利用を事前に予約するための処理である。
【0045】
<予約処理の概要>
予約処理は、ユーザが、サービスへログインし、予約対象の共有スペースを指定し選択を行い、使用期間を指定し、予約を完了させる一連の処理である。なお、本開示において、ユーザは事前に共有スペースを指定し予約する構成としたが、予約処理は必須ではない。後述する評価処理は、予約処理が行われていない共有スペースに対しても適用可能である。
【0046】
<予約処理の詳細>
以下に、予約処理の詳細を説明する。
【0047】
ステップS101において、ユーザは、利用を予定する共有スペースを予約する。
具体的に、ユーザはサーバ10が提供する共有スペース予約サービス(予約サービス)へログインする。具体的に、ユーザはユーザ端末20の入力装置206などを操作することにより、ブラウザアプリケーションなどを実行し、サーバ10が提供する予約サービスを提供するURL(Uniform Resource Locator)を入力することにより、予約サービスのウェブページ(予約ページ)を開く。予約ページには、ユーザID、パスワードなどの入力欄が設けられている。
ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206などを操作することにより、予約ページに設けられたユーザID、パスワードなどの入力欄に自身のユーザID2011、パスワードなどを入力することにより予約サービスへログインする。サーバ10の予約部1042は、受信したユーザID2011に基づき、ユーザが選択可能な共有スペースを特定しユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20のディスプレイ2081は、受信したユーザが選択可能な共有スペースを一覧表示しユーザに対して提示する。
【0048】
ステップS102において、ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206などを操作することにより、一覧表示された共有スペースから1または複数の所定の共有スペースを選択する。
【0049】
ステップS103において、ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206などを操作することにより、ステップS102において選択した共有スペースごとに使用開始日時および使用終了日時を指定し、使用期間(利用時間)を入力する。
【0050】
ステップS104において、ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206などを操作することにより、選択した共有スペースに対応したスペースID、および、選択した共有スペースごとの使用期間をサーバ10へ送信する。サーバ10は、受信したユーザID2011、共有スペースID、使用期間に含まれる開始日時、終了日時を、それぞれ、予約テーブル1013の新たなレコードのユーザID、スペースID、開始日時、終了日時の項目に記憶する。これにより、ユーザによる共有スペースの予約処理が完了する。
<評価処理>
評価処理は、ユーザによる共有スペース利用後の、共有スペースの後片付けの状態を評価する処理である。
【0051】
<評価処理の概要>
評価処理は、ユーザによる共有スペースの利用の終了を判定し、撮影端末から共有スペースを撮影した撮影データを取得し、撮影データに基づき共有スペースの後片付けの状態を評価した評価値を算定し、算定した評価値をユーザに提示し、評価値に基づき共有スペースを利用したユーザのユーザ属性を更新する一連の処理である。
【0052】
<評価処理の詳細>
以下に、評価処理の詳細を説明する。
【0053】
ステップS301において、サーバ10の評価部1043は、ユーザにより、共有スペースの利用が終了したことを判定する判定ステップを実行する。
【0054】
例えば、判定ステップは、ユーザにより設定された共有スペースの予約情報に基づき、共有スペースの利用が終了したことを判定するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の評価部1043は、予約テーブル1013を検索し、終了日時が現在日時を経過したレコードを特定する。特定したレコードにはユーザIDおよびスペースIDが含まれる。このとき、過去に評価処理を行ったレコードを除外して特定しても良い。
このとき、サーバ10の評価部1043は、スペースIDにより特定される共有スペースの利用が終了したと判定し、評価処理を実行する。なお、本開示においては、1のレコードについての評価処理を説明するが、複数のレコードが特定された場合には、それぞれのレコードに対して評価処理を実行すれば良い。
【0055】
また、判定ステップは、共有スペースにおいてユーザが検出できない場合に、共有スペースの利用が終了したことを判定するステップを実行しても良い。
具体的に、サーバ10の評価部1043は、共有スペースを撮影する撮影端末30のカメラ3061の撮影データを定期的に取得する。サーバ10の評価部1043は、当該撮影データにユーザが含まれることが検出されてから、当該撮影データにユーザが含まれることが検出されなくなった場合に、共有スペースの利用が終了したと判定しても良い。この場合、サーバ10の評価部1043は、撮影端末30の端末ID3011に基づき、撮影マスタ1014の端末IDの項目を検索することにより、利用が終了した共有スペースのスペースIDを特定することができる。また、サーバ10の評価部1043は、撮影データに対して顔認識技術などに基づき不図示の顔情報とユーザIDとが関連づけられたデータベースなどを検索することにより、共有スペースの利用者のユーザIDを特定することができる。
【0056】
また、判定ステップは、ユーザによる共有スペースを終了したことを示す指示に基づき、共有スペースの利用が終了したことを判定するステップを実行しても良い。
具体的に、ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206などを操作することにより、ブラウザアプリケーションなどを実行し、サーバ10が提供する、所定の共有スペースの利用終了指示の受付画面などを開く。ユーザは、ユーザ端末20の入力装置206などを操作することにより、利用を終了する共有スペースのスペースIDを入力フォームに入力し、サーバ10へ送信することにより、共有スペースの利用を終了したことをサーバ10へ送信する。
サーバ10の評価部1043は、受信したユーザID2011、スペースIDに基づき、利用したユーザおよび利用を終了した共有スペースを特定することができる。
【0057】
ステップS302において、サーバ10の評価部1043は、判定ステップによりユーザによる共有スペースの利用が終了したことが判定されると、共有スペースを撮影した画像データを取得する、取得ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の評価部1043は、ステップS301において特定したスペースIDに基づき、撮影マスタ1014のスペースIDの項目を検索し、端末ID、基準画像データを取得する。サーバ10の評価部1043は、取得した端末IDに基づき、撮影端末30を特定し、撮影端末30のカメラ3061の撮影データを取得する。
なお、撮影端末30は、撮影端末30のカメラ3061の撮影データを定期的にサーバ10へ送信し、サーバ10の記憶部101は、端末ID3011と関連づけて撮影データを記憶する構成としても良い。この場合も、サーバ10の評価部1043は、取得した端末IDに基づき、サーバ10の記憶部101から撮影端末30のカメラ3061の撮影データを取得する。
【0058】
ステップS303において、サーバ10の評価部1043は、取得ステップにおいて取得した画像データに基づき、共有スペースの後片付けの状態を評価する評価ステップを実行する。例えば、評価ステップは、共有スペースの後片付けの状態を評価値として算定するステップを実行する。評価ステップは、共有スペースに対して予め記憶された基準画像データと、取得ステップにおいて取得した画像データとの乖離度に基づき、評価値を算定するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の評価部1043は、撮影端末30のカメラ3061の撮影データ、基準画像データを入力データとして、評価モデル1021に適用することにより、ユーザによる利用後の共有スペースの片付け状態を示す評価値を出力データとして取得する。
本開示においては、評価モデル1021を用いて評価値を出力する構成としたが、任意の画像処理技術などを用いて評価値を出力値として算定する構成としても構わない。例えば、評価モデル1021は、撮影データと基準画像データとの乖離度に応じて、乖離度が小さいほど有利な評価値を算出し、乖離度が大きいほど不利な評価値を算出する学習モデルであっても良い。乖離度は、撮影データと基準画像データとの類似度として算出する構成としても良い。例えば、撮影データと、基準画像データとの1または複数の特徴点を抽出し、当該1または複数の特徴点の距離の平均、総和などの統計値を類似度としても良い。具体的に、特徴点の距離が小さいほど類似し、特徴点の距離が遠いほど類似しないとしても良い。
【0059】
ステップS303において、ユーザによる利用前の共有スペースを撮影した画像データを第2画像データとして、評価ステップは、第2画像データと、取得ステップにおいて取得した画像データとの乖離度に基づき、評価値を算定するステップを実行しても良い。
具体的に、サーバ10の評価部1043は、ユーザによる利用前の共有スペースを撮影した画像データを記憶しておき、当該画像データを基準画像データとして評価値を算定する構成としても構わない。この場合、本開示にかかるサービスの運営者はあらかじめ撮影端末30のカメラ3061ごとの基準画像データを用意する必要がなく、サービス開始前の事前準備などを省略することができる。
【0060】
ステップS304において、サーバ10の評価部1043は、評価ステップにおいて評価した共有スペースの後片付けの状態を、ユーザへ提示する提示ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の評価部1043は、算定した評価値を、共有スペースを利用したユーザIDにより特定されるユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20のディスプレイ2081は、受信した評価値を表示し、ユーザに対して提示する。
【0061】
ステップS304において、提示ステップは、評価ステップにおいて評価した共有スペースの後片付けの状態が不十分である場合に、ユーザに対して注意を表す情報を提示するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の評価部1043は、評価値が所定値よりも低い場合には、ユーザ端末20へ後片付け状態が不十分であることを通知するためのリクエストを送信する。ユーザ端末20のディスプレイ2081は、ユーザに対して共有スペースの片付けが不十分であることを示す、注意を表す情報を表示し提示する。
これにより、共有スペースの後片付けが不十分である利用者に対して、後片付けが不十分であることを注意することができる。
【0062】
また、サーバ10の評価部1043は、評価値が所定値よりも高い場合には、ユーザ端末20へ感謝や後片付けを褒める内容を通知するためのリクエストを送信する。ユーザ端末20のディスプレイ2081は、ユーザに対して共有スペースの片付けが十分であることを示す、感謝や後片付けを褒める内容を表示し提示する。
これにより、ユーザに対して、継続的に後片付けを行うことを動機付けることができる。
【0063】
ステップS304において、提示ステップは、評価ステップにおいて評価した共有スペースの後片付けの状態に基づき、共有スペースにおいて後片付けすべき箇所をユーザに対して提示するステップを含む。
具体的に、サーバ10の評価部1043は、CNN(Convolutional Neural Network)、R-CNN、Fast R-CNN、Faster R-CNN、YOLO、SSDなどの画像認識に用いるニューラルネットワークを含む学習モデルを用いて、撮影データ中に含まれる椅子、机、ホワイトボードなどの什器を含む画像オブジェクトを抽出する。同様に、サーバ10の評価部1043は、基準画像データ中に含まれる画像オブジェクトを抽出する。
サーバ10の評価部1043は、撮影データ、基準画像データにおいて、認識された画像オブジェクトの位置などの相違度に基づき、撮影データにおいて、相違度が所定値以上の画像オブジェクトをユーザが視覚的に認識できる態様で提示する。
また、基準画像データ中に含まれる画像オブジェクトのうち、撮影データ中に含まれない画像オブジェクトをユーザに対して提示しても良い。例えば、椅子、机、ホワイトボードなどの什器が、基準画像データには含まれているのに、撮影データには含まれていない場合は、什器を戻すことを促す情報をユーザに提示しても良い。
【0064】
図11に、ユーザに対して提示される表示情報の一例を示す。ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示される画面70は、共有スペースの状態を示す撮影データ701、後片付けが不十分な箇所を特定する枠オブジェクト711、712、713を含む。ユーザは、画面70に表示された枠オブジェクト711、712、713により、後片付けが不十分な箇所を把握することができ、改めて後片付けを促したり、今後の後片付けの際の参考にすることができる。
【0065】
ユーザに対する提示は、視覚的なものに限られず音声などの聴覚的な提示であっても構わない。例えば、椅子、机などを所定の位置に戻すよう音声による案内をユーザに対して実行しても良い。また、本開示においては、評価値はユーザ端末20を介してユーザに提示される構成としたが、共有スペースに設置された任意の情報端末、撮影端末30を介してユーザに提示しても構わない。
【0066】
ステップS305において、サーバ10の評価部1043は、評価ステップにおいて評価した共有スペースの後片付けの状態に基づき、ユーザのユーザ属性を更新する更新ステップを実行する。更新ステップは、ユーザの人事考課に関する情報を更新するステップを実行しても良い。
具体的に、サーバ10の評価部1043は、共有スペース利用者のユーザIDに基づき、ユーザテーブル1012のユーザIDの項目を検索し、属性データを含むレコードを特定する。サーバ10の評価部1043は、ステップS304において算定された評価値に応じて、ユーザに対して仮想通貨、ポイントを付与したり、人事考課、信用指標などを変化させる。
【0067】
例えば、評価値が所定値以上である場合には、ユーザに対して仮想通貨、ポイントを付与し、評価値が所定以下である場合には、ユーザの仮想通貨、ポイントを減じても良い。
例えば、評価値が所定値以上である場合には、ユーザに対して有利な人事考課を付与し、評価値が所定以下である場合には、ユーザの人事考課を不利なものとしても良い。
例えば、評価値が所定値以上である場合には、ユーザの信用指標を有利なものに変化させ、評価値が所定以下である場合には、ユーザの信用指標を不利なものに変化させても良い。
【0068】
サーバ10の評価部1043は、変化させたユーザ属性で、ユーザテーブル1012の利用者のユーザIDで特定されるレコードのユーザ属性の項目を更新し上書きする。
【0069】
<学習処理>
評価モデル1021の学習処理を以下に説明する。
【0070】
<評価モデル1021の学習処理>
評価モデル1021の学習処理は、評価モデル1021に含まれるディープニューラルネットワークの学習パラメータを深層学習により学習させる処理である。
【0071】
<評価モデル1021の学習処理の概要>
評価モデル1021の学習処理は、利用前の共有スペースの状態を撮影した第1画像データ、利用後の共有スペースの状態を撮影した第2画像データを入力データ(入力ベクトル)として、利用後の共有スペースの片付け状態を示す評価値を出力データ(教師データ)となるように、評価モデル1021に含まれるディープニューラルネットワークの学習パラメータを深層学習により学習させる処理である。
【0072】
<評価モデル1021の学習処理の詳細>
サーバ10の学習部1051は、不図示のデータベースから、第1画像データ、第2画像データ、評価値が関連づけられたデータセットを取得する。評価値は、評価者により第1画像データおよび第2画像データを対比することにより手作業で付与されたアノテーション情報とする。
サーバ10の学習部1051は、第1画像データ、第2画像データを入力データ(入力ベクトル)として、評価値を出力データ(教師データ)となるよう、学習データを作成する。
サーバ10の学習部1051は、学習データに基づき、評価モデル1021のディープニューラルネットワークを学習させるための訓練データ、テストデータ、検証データなどのデータセットを作成する。
サーバ10の学習部1051は、作成したデータセットに基づき評価モデル1021に含まれるディープニューラルネットワークの学習パラメータを深層学習により学習させる。
【0073】
<コンピュータの基本ハードウェア構成>
図12は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ901、主記憶装置902、補助記憶装置903、通信IF991(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらは通信バス921により相互に電気的に接続される。
【0074】
プロセッサ901とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ901は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0075】
主記憶装置902とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0076】
補助記憶装置903とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0077】
通信IF991とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0078】
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0079】
<コンピュータ90の基本機能構成>
コンピュータ90の基本ハードウェア構成(図12)により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0080】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部または一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0081】
制御部は、プロセッサ901が補助記憶装置903に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0082】
記憶部は、主記憶装置902、補助記憶装置903により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ901は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置902または補助記憶装置903に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0083】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブル、マスタと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、マスタ、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル、マスタ同士の関係を設定し、関連づけることができる。
通常、各テーブル、各マスタにはレコードを一意に特定するための主キーとなるカラムが設定されるが、カラムへの主キーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶された特定のテーブル、マスタにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
【0084】
なお、本開示におけるデータベース、マスタは、情報が構造的に規定された任意のデータ構造体(リスト、辞書、連想配列、オブジェクトなど)を含み得る。データ構造体には、データと、任意のプログラミング言語により記述された関数、クラス、メソッドなどを組み合わせることにより、データ構造体と見なし得るデータも含むものとする。
【0085】
通信部は、通信IF991により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0086】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0087】
(付記1)
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、ユーザにより、共有スペースの利用が終了したことを判定する判定ステップ(S301)と、判定ステップによりユーザによる共有スペースの利用が終了したことが判定されると、共有スペースを撮影した画像データを取得する、取得ステップ(S302)と、取得ステップにおいて取得した画像データに基づき、共有スペースの後片付けの状態を評価する評価ステップ(S303)と、を実行させるプログラム。
これにより、共有スペースの利用者に対して、共有スペースの状態を利用前の状態に適切に戻すよう動機づけることができる。
【0088】
(付記2)
判定ステップ(S301)は、ユーザにより設定された共有スペースの予約情報に基づき、共有スペースの利用が終了したことを判定するステップである、付記1記載のプログラム。
これにより、ユーザによる共有スペースの利用をユーザの予約情報に基づき判定し、共有スペースの後片付けの状態を評価することができる。
【0089】
(付記3)
判定ステップ(S301)は、共有スペースにおいてユーザが検出できない場合に、共有スペースの利用が終了したことを判定するステップである、付記1記載のプログラム。
これにより、ユーザによる共有スペースの利用を自動的に判定し、共有スペースの後片付けの状態を評価することができる。
【0090】
(付記4)
判定ステップ(S301)は、ユーザによる共有スペースを終了したことを示す指示に基づき、共有スペースの利用が終了したことを判定するステップである、付記1記載のプログラム。
これにより、ユーザによる共有スペースの利用を正確に判定し、共有スペースの後片付けの状態を評価することができる。
【0091】
(付記5)
プログラムは、プロセッサに、評価ステップにおいて評価した共有スペースの後片付けの状態を、ユーザへ提示する提示ステップ(S304)と、を実行させる、付記1から4のいずれか記載のプログラム。
これにより、共有スペースの利用者に対して、共有スペースの状態を利用前の状態に適切に戻すよう動機づけることができる。
【0092】
(付記6)
提示ステップ(S304)は、評価ステップにおいて評価した共有スペースの後片付けの状態が不十分である場合に、ユーザに対して注意を表す情報を提示するステップである、付記5記載のプログラム。
これにより、共有スペースの利用者に対して、共有スペースの状態を利用前の状態に適切に戻すよう動機づけることができる。
【0093】
(付記7)
プログラムは、プロセッサに、提示ステップ(S304)は、評価ステップにおいて評価した共有スペースの後片付けの状態に基づき、共有スペースにおいて後片付けすべき箇所をユーザに対して提示するステップを含む、付記5または6記載のプログラム。
これにより、共有スペースの利用者に対して、後片付けすべき箇所を具体的に提示して、共有スペースの状態を利用前の状態に適切に戻すよう動機づけることができる。
【0094】
(付記8)
評価ステップ(S303)は、共有スペースの後片付けの状態を評価値として算定するステップである、付記1から7のいずれか記載のプログラム。
これにより、共有スペースの利用者に対して、共有スペースの状態を利用前の状態に適切に戻すよう動機づけることができる。
【0095】
(付記9)
評価ステップ(S303)は、共有スペースに対して予め記憶された基準画像データと、取得ステップにおいて取得した画像データとの乖離度に基づき、評価値を算定するステップである、付記8記載のプログラム。
これにより、共有スペースの利用者に対して、共有スペースの状態を利用前の状態に適切に戻すよう動機づけることができる。
【0096】
(付記10)
プログラムは、プロセッサに、ユーザによる利用前の共有スペースを撮影した画像データを取得する、第2取得ステップと、を実行させ、評価ステップ(S303)は、第2画像データと、取得ステップにおいて取得した画像データとの乖離度に基づき、評価値を算定するステップである、付記8記載のプログラム。
これにより、共有スペースの利用者に対して、共有スペースの状態を利用前の状態に適切に戻すよう動機づけることができる。
【0097】
(付記11)
プログラムは、プロセッサに、評価ステップにおいて評価した共有スペースの後片付けの状態に基づき、ユーザのユーザ属性を更新する更新ステップ(S305)と、を実行させる、付記1から10のいずれか記載のプログラム。
これにより、共有スペースの利用者に対して、共有スペースの状態を利用前の状態に適切に戻すよう動機づけることができる。
【0098】
(付記12)
プログラムは、プロセッサに、更新ステップ(S305)は、ユーザの人事考課に関する情報を更新するステップである、付記11記載のプログラム。
これにより、共有スペースの利用者に対して、共有スペースの状態を利用前の状態に適切に戻すよう動機づけることができる。
【0099】
(付記13)
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置であって、プロセッサに、付記1から12のいずれか記載のプログラムを実行させる、情報処理装置。
これにより、共有スペースの利用者に対して、共有スペースの状態を利用前の状態に適切に戻すよう動機づけることができる。
【0100】
(付記14)
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置を含む情報処理システムであって、プロセッサに、付記1から12のいずれか記載のプログラムを実行させる、情報処理システム。
これにより、共有スペースの利用者に対して、共有スペースの状態を利用前の状態に適切に戻すよう動機づけることができる。
【0101】
(付記15)
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータにより実行される情報処理方法であって、プロセッサに、付記1から12のいずれか記載のプログラムを実行させる、情報処理方法。
これにより、共有スペースの利用者に対して、共有スペースの状態を利用前の状態に適切に戻すよう動機づけることができる。
【符号の説明】
【0102】
1 情報処理システム、10 サーバ、101 記憶部、104 制御部、106 入力装置、108 出力装置、20 ユーザ端末、201 記憶部、204 制御部、206 入力装置、208 出力装置、30 撮影端末、301 記憶部、304 制御部、306 入力装置、308 出力装置
【要約】
【課題】会議室などの共有スペースは、利用者が、次の利用者のために共有スペースを利用前の状態に戻す必要がある。一方、利用者は利用前の状態に戻すことを失念してしまったり、利用前の状態に十分に戻すことができない場合がある。
【解決手段】ユーザにより、共有スペースの利用が終了したことを判定する判定ステップと、判定ステップによりユーザによる共有スペースの利用が終了したことが判定されると、共有スペースを撮影した画像データを取得する、取得ステップと、取得ステップにおいて取得した画像データに基づき、共有スペースの後片付けの状態を評価する評価ステップと、を実行させるプログラム。
【選択図】 図11
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12