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  • 特許-画像表示装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20230220BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20230220BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20230220BHJP
【FI】
G09G5/00 X
B60K35/00 Z
G09G5/00 550A
G09G3/20 612U
G09G3/20 670G
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019173753
(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公開番号】P2021051175
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(72)【発明者】
【氏名】秡川 祐樹
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-252307(JP,A)
【文献】特開2007-22360(JP,A)
【文献】特開2016-516212(JP,A)
【文献】国際公開第2018/03669(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/097855(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102015012889(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 5/42
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面の部分的な第1の領域に特定画像が合成された表示画像を表示する画像表示装置であって、
前記第1の領域に対応する前記表示画像としての第1の部分画像と、前記特定画像が含まれない第2の領域に対応する前記表示画像としての第2の部分画像とを抽出する部分画像抽出手段と、
前記第1および第2の部分画像のそれぞれに対して所定の演算を行う部分画像演算手段と、
前記部分画像演算手段による前記第1の部分画像に対応する演算結果に基づいて、前記第1の領域の表示内容の妥当性を検証する妥当性検証手段と、
前記部分画像演算手段によって得られる前記第1および第2の部分画像のそれぞれに対応する演算結果を比較することにより、前記部分画像抽出手段および前記部分画像演算手段の少なくとも一方の動作停止の有無を判定する動作停止判定手段と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記妥当性検証手段は、前記演算結果と、前記第1の領域に前記特定画像が正しく合成されたときの前記第1の部分画像について前記部分画像演算手段によって得られる演算結果としての期待値とを比較することにより妥当性検証を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記動作停止判定手段は、前記第1および第2の部分画像のそれぞれに対応する演算結果が同じときに、動作が停止した旨の判定を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記妥当性検証手段は、前記部分画像演算手段による前記第2の部分画像に対応する演算結果に基づいて、前記第2の領域の表示内容の妥当性検証を行っており、
前記第2の領域に対応する妥当性検証の結果に基づいて、前記妥当性検証手段による演算内容の正誤判定を行う演算正誤判定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記第1の領域と前記第2の領域は、前記表示画面内の異なる位置に設定されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記第1の領域と前記第2の領域は、前記表示画面内の共通領域が用いられており、
前記特定画像が表示状態のときに前記共通領域が前記第1の領域として設定され、
前記特定画像が非表示状態のときに前記共通領域が前記第2の領域として設定されることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画像上に特定の画像を重ねて表示を行う画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両のスピードメータ等をクラスタディスプレイを用いて表示するとともに、この表示画面の一部を利用して警告灯のアイコンを表示する機能としてオンスクリーンディスプレイOSD(On Screen Display)が知られている。このようにして表示される警告灯は、車両の走行にとって重要であり、その妥当性(アイコンの表示内容が正しいか否か)を確認する必要がある。従来から、画像情報が変化しないフリーズが発生したことを検出する画像表示システム(例えば、特許文献1参照)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-252307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1に開示された画像表示システムでは、撮像画像内に特定領域を設定し、この特定領域内に検出用画像を合成することにより、撮像画像のフリーズの有無を検出しており、OSD機能によって画面の一部に表示されたアイコンの妥当性確認に適用することはできない。そこで、表示画像上に特定画像(アイコン等)を合成して表示を行う場合に、この特定画像の妥当性を確実に検証することができる手法が望まれている。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、表示画像上に重ねて表示される特定画像の妥当性を確実に検証することができる画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の画像表示装置は、表示画面の部分的な第1の領域に特定画像が合成された表示画像を表示する画像表示装置であって、第1の領域に対応する表示画像としての第1の部分画像と、特定画像が含まれない第2の領域に対応する表示画像としての第2の部分画像とを抽出する部分画像抽出手段と、第1および第2の部分画像のそれぞれに対して所定の演算を行う部分画像演算手段と、部分画像演算手段による第1の部分画像に対応する演算結果に基づいて、第1の領域の表示内容の妥当性を検証する妥当性検証手段と、部分画像演算手段によって得られる第1および第2の部分画像のそれぞれに対応する演算結果を比較することにより、部分画像抽出手段および部分画像演算手段の少なくとも一方の動作停止の有無を判定する動作停止判定手段とを備えている。
【0007】
特に、上述した妥当性検証手段は、演算結果と、第1の領域に特定画像が正しく合成されたときの第1の部分画像について部分画像演算手段によって得られる演算結果としての期待値とを比較することにより妥当性検証を行うことが望ましい。また、上述した動作停止判定手段は、第1および第2の部分画像のそれぞれに対応する演算結果が同じときに、動作が停止した旨の判定を行うことが望ましい。
【0008】
特定画像が合成された第1の領域に対応する合成後の部分画像を用いて所定の演算を行っており、特定画像を合成する動作の異常の有無に応じて異なる演算結果が得られるため、この演算結果に基づいて第1の領域に含まれる特定画像の妥当性を確実に検証することが可能となる。また、異なる演算結果が得られるであろう第1の領域と第2の領域について同じ演算を行い、その結果を比較することにより、演算動作の停止の有無を判定することができ、特定画像の妥当性検証が有効に機能していないことを確認することが可能となる。
【0009】
また、上述した妥当性検証手段は、部分画像演算手段による第2の部分画像に対応する演算結果に基づいて、第2の領域の表示内容の妥当性検証を行っており、第2の領域に対応する妥当性検証の結果に基づいて、妥当性検証手段による演算内容の正誤判定を行う演算正誤判定手段をさらに備えることが望ましい。これにより、合成対象となる特定画像の内容に異常があって正しい検証結果が得られないのか、部分画像に対する演算内容に異常があって正しい検証結果が得られないのかを区別することができ、より正確な検証結果を得ることが可能となる。
【0010】
また、上述した第1の領域と第2の領域は、表示画面内の異なる位置に設定されていることが望ましい。これにより、容易かつ確実に特定画像の妥当性検証を行うことができる。
【0011】
また、上述した第1の領域と第2の領域は、表示画面内の共通領域が用いられており、特定画像が表示状態のときに共通領域が第1の領域として設定され、特定画像が非表示状態のときに共通領域が第2の領域として設定されることが望ましい。これにより、表示画面が狭く、画像合成の対象となっていない領域が確保しにくい場合であっても、確実に特定画像の妥当性検証を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態の画像表示装置の構成を示す図である。
図2】LCDの表示画面とアイコン領域との関係を示す図である。
図3】警告灯アイコンの妥当性検証とこの検証機能の有効性確認を行う動作手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した一実施形態の画像表示装置について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の画像表示装置の構成を示す図である。図1に示す画像表示装置100は、画像合成部110、表示画像格納部112、LCD(液晶表示装置)114、アイコン領域抽出部120、アイコン領域演算部122、アイコン検証部124、処理停止判定部126、演算正誤判定部128を備えている。
【0015】
この画像表示装置100は、車両に搭載され、速度計やエンジン回転数計などを表示するクラスタディスプレイの一部の領域に、OSD機能による画像合成によって警告灯アイコンを重ねて表示し、同時に、この表示された警告灯アイコンの妥当性を検証するとともに、この検証機能が有効に動作しているか否かを判定する。
【0016】
画像合成部110は、クラスタディスプレイとなるLCD114の表示画面に対応する表示画像のデータ(表示画像データ)と、表示画面の一部であるアイコン領域に表示する警告灯アイコンに対応するアイコン画像のデータ(アイコン画像データ)とが入力されており、これら表示画像とアイコン画像を合成して出力する。
【0017】
図2は、LCD114の表示画面とアイコン領域との関係を示す図である。図2に示すように、LCD114の表示画面Dのほぼ中央下部にアイコン領域Aが設定されている。また、このアイコン領域Aの右側には、アイコン領域Aと同程度の大きさを有する故障判定領域Bが設定されている。故障判定領域Bについては後述する。
【0018】
表示画像格納部112は、LCD114の表示画面に対応するフレームバッファ(ビデオRAM)であって、アイコン画像データが合成された例えばRGB形式の表示画像データを、表示画面を構成する表示画素毎に格納する。この表示画像データが所定のフレームレートで読み出されてLCD114に入力され、LCD114の表示画面上に速度計やエンジン回転数計などとともに警告灯アイコンが表示される。
【0019】
アイコン領域抽出部120は、表示画像格納部112に格納された表示画像データの中から、アイコン領域Aに対応する部分画像データを抽出する。この部分画像データには、元のアイコンデータとともに、背景となる表示画像データの一部が含まれる。
【0020】
アイコン領域演算部122は、アイコン領域抽出部120によって抽出された部分画像データが入力されており、画像合成部110に入力された元のアイコン画像データと比較する所定の演算(比較演算)を行い、演算結果Aを内部レジスタに保持することによって出力する。この比較演算は、アイコン領域Aに想定している警告灯アイコンが正しく表示されたときに所定の演算結果(期待値)が得られるように処理内容が設定されている。例えば、部分画像データと元のアイコン画像データとの相関をとる場合などが考えられる。なお、この比較演算では、必ずしも元のアイコンデータを用いる必要はなく、部分画像データに対して所定の演算を行うことにより、警告灯アイコンに対応する特異な値が得られればよい。
【0021】
アイコン検証部124は、アイコン領域演算部122による比較演算によって得られた値(演算結果A)が、表示対象の警告灯アイコンに対応する期待値と一致(値が完全に一致する場合だけでなく、差が一定の範囲内にある場合を含めるようにしてもよい)したか否かを判定することにより、アイコン領域Aに表示された警告灯アイコンの妥当性(想定している警告灯アイコンが正しく表示されたか否か)を検証する。一致している場合には、アイコン領域Aに表示された警告灯アイコンが妥当性ありと判定され、不一致の場合には妥当性なしと判定される。
【0022】
上述したアイコン領域抽出部120、アイコン領域演算部122、アイコン検証部124の説明では、アイコン領域Aについて各種の処理を行う場合について説明したが、故障判定領域Bについても同様の処理が行われる。この故障判定領域Bは、アイコン領域Aと同じ大きさを有するが、アイコン領域Aとは異なって警告灯アイコン等の特定のアイコンの画像は含まれず、背景としての表示画像データの一部が含まれている。アイコン領域演算部122は、故障判定領域Bに含まれる表示画像データを用いて、アイコン領域Aについて行った演算と同じ演算式を用いた演算を行い、演算結果Bを内部レジスタに保持することにより出力する。アイコン検証部124は、この演算結果Bが、故障判定領域Bに対応して得られるであろう期待値(予め算出された固定値)と一致したか否かを判定する。
【0023】
処理停止判定部126は、アイコン領域Aと故障判定領域Bのそれぞれに対応してアイコン領域演算部122によって得られた演算結果A、Bが同じである場合(アイコン領域演算部122の内部レジスタの更新が止まっていることを示している)に、アイコン領域演算部122やアイコン領域抽出部120による各処理が停止している旨の故障判定を行う。
【0024】
演算正誤判定部128は、故障判定領域Bに対応してアイコン検証部124によって得られた検証結果が妥当性なしの場合に、アイコン領域演算部122による演算処理に何らかの異常が発生している旨の故障判定を行う。
【0025】
上述したアイコン領域抽出部120が部分画像抽出手段に、アイコン領域演算部122が部分画像演算手段に、アイコン検証部124が妥当性検証手段に、処理停止判定部126が動作停止判定手段に、演算正誤判定部128が演算正誤判定手段にそれぞれ対応する。
【0026】
本実施形態の画像表示装置100はこのような構成を有しており、次にその動作を説明する。
【0027】
図3は、警告灯アイコンの妥当性検証とこの検証機能の有効性確認を行う動作手順を示す流れ図である。
【0028】
まず、アイコン領域抽出部120は、表示画像格納部112に格納された表示画像データの中からアイコン領域Aに対応する部分画像データを抽出する(ステップ100)。次に、アイコン領域演算部122は、この抽出された部分画像データを用いてアイコン領域Aに対応する所定の演算を行って演算結果Aを得る(ステップ102)。
【0029】
同様にして、アイコン領域抽出部120は、表示画像格納部112に格納された表示画像データの中から故障判定領域Bに対応する部分画像データを抽出する(ステップ104)。次に、アイコン領域演算部122は、この抽出された部分画像データを用いて故障判定領域Bに対応する所定の演算を行って演算結果Bを得る(ステップ106)。
【0030】
次に、処理停止判定部126は、演算結果Aと演算結果Bが一致しているか否かを判定する(ステップ108)。アイコン領域抽出部120やアイコン領域演算部122の処理が停止している場合にはステップ104、106の動作が実施されず、アイコン領域演算部122の内部レジスタに保持された演算結果Aが更新されることはない。したがって、結果的に演算結果Aの値と演算結果Bの値が同じになってステップ108の判定において肯定判断が行われる。この場合には、処理停止判定部126は、処理停止故障通知を行う(ステップ110)。例えば、LCD114の一部領域を用いてこの通知を示す所定の表示を行う場合、LCD114の消灯を行う場合、ブザー等を用いて所定の通知音を出力する場合などが考えられる。なお、処理停止は、ステップ102とステップ104の間に発生する場合に限定されず、ステップ100よりも前に発生していてもよい。このような場合であっても、アイコン領域演算部122による演算結果は更新されずに同じ値を維持するため、ステップ108の判定では肯定判断が行われることになる。
【0031】
一方、演算結果Aと演算結果Bとが一致しない場合にはステップ108の判定において否定判断が行われる。次に、アイコン検証部124は、演算結果Bが故障判定領域Bに対応して得られるであろう期待値と一致したか否かを判定する(ステップ112)。故障判定領域Bにはアイコンが含まれていないため、アイコン領域演算部122によって行われる演算処理に異常がなければ、演算結果Bは必ず期待値と一致するはずである。換言すれば、一致しない場合とはアイコン領域演算部122によって行われる演算処理に何らかの異常が生じた場合である。この場合にはステップ112の判定において否定判断が行われ、演算正誤判定部128は、演算異常通知を行う(ステップ114)。例えば、上述した処理停止故障通知と同様に、LCD114の一部領域を用いてこの通知を示す所定の表示を行う場合、LCD114の消灯を行う場合、ブザー等を用いて所定の通知音を出力する場合などが考えられる。
【0032】
また、演算結果Bが期待値と一致した場合にはステップ112の判定において肯定判断が行われる。次に、アイコン検証部124は、演算結果Aがアイコン領域Aに対応して得られるであろう期待値と一致したか否かを判定する(ステップ116)。アイコン領域Aに表示されている警告灯アイコンの表示が正しく行われている場合にはこれらが一致するため、肯定判断が行われる。この場合には、ステップ100に戻って最初から処理が繰り返される。
【0033】
また、アイコン領域Aに表示されている警告灯アイコンの表示が正しく行われていない場合にはこれらが一致しないため、ステップ116の判定において否定判断が行われる。次に、アイコン検証部124は、アイコン領域Aに表示されている警告灯アイコンに妥当性がない旨(正しく表示されていない旨)のアイコン異常通知を行う(ステップ118)。例えば、上述した処理停止故障通知や演算異常通知と同様に、LCD114の一部領域を用いてこの通知を示す所定の表示を行う場合、LCD114の消灯を行う場合、ブザー等を用いて所定の通知音を出力する場合などが考えられる。このようにして処理停止故障通知(ステップ110)、演算異常通知(ステップ114)、アイコン異常通知(ステップ118)が行われた場合には、図3に示した一連動作が終了する。
【0034】
このように、本実施形態の画像表示装置100では、警告灯アイコンの画像が合成されるアイコン領域に対応する合成後の部分画像を用いて所定の演算を行っており、警告灯アイコンの画像を合成する動作の異常の有無に応じて異なる演算結果が得られるため、この演算結果に基づいてアイコン領域に含まれる警告灯アイコンの妥当性を確実に検証することが可能となる。また、異なる演算結果が得られるであろうアイコン領域と故障判定領域について同じ演算を行うことにより、演算動作の停止の有無を判定することができ、表示された警告灯アイコンの妥当性検証が有効に機能していないことを確認することが可能となる。
【0035】
また、警告灯アイコン等の合成対象となる部分画像が含まれない故障判定領域について同様の妥当性検証を行うことにより、警告灯アイコン等の内容に関係なく、検証動作における演算内容の正誤判定を行っている。これにより、合成対象となる警告灯アイコン等の内容に異常があって正しい検証結果が得られないのか、警告灯アイコン等に対する演算内容自体に異常があって正しい検証結果が得られないのかを区別することができ、より正確な妥当性検証結果を得ることが可能となる。
【0036】
また、図2に示すように、アイコン領域Aと故障判定領域Bを、表示画面D内の異なる位置に設定することによりにより、別々の領域A、Bから部分画像を抽出する処理を単純化することができるため、容易かつ確実にアイコン画像の妥当性検証を行うことができる。
【0037】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、図2に示したようにアイコン領域Aと故障判定領域Bの位置が隣接する場合について説明したが、これらの位置が離れていてもよい。
【0038】
また、アイコン領域Aと故障判定領域Bとして、表示画面D内の共通領域を用い、アイコン画像が表示状態のときにこの共通領域をアイコン領域Aとして設定し、アイコン画像が非表示のときにこの共通領域を故障判定領域Bとして設定するようにしてもよい。これにより、表示画面が狭く、画像合成の対象となっていない故障判定領域が確保しにくい場合であっても、確実にアイコン画像の妥当性検証を行うことができる。なお、ウインカーの矢印画像のように点滅するようなアイコン画像の場合には表示状態と非表示状態が存在するため、アイコン領域と故障判定領域の設定が容易となる。また、アイコン画像の表示状態が継続する場合や非表示状態が継続する場合には、強制的に非表示状態や表示状態を割り込ませる場合(例えば、1秒間に30フレームの画面表示が行われる場合に、30フレーム内の1フレームについて表示状態/非表示状態を切り替える)が考えられる。
【0039】
また、上述した実施形態では、1つの警告灯アイコンを表示する場合について説明したが、2つ以上のアイコン画像を表示させる場合にも本発明を適用することができる。この場合には、これら2つ以上のアイコン画像を表示する2つ以上のアイコン領域とは別に故障判定領域を設定すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
上述したように、本発明によれば、特定画像が合成された第1の領域に対応する合成後の部分画像を用いて所定の演算を行っており、特定画像を合成する動作の異常の有無に応じて異なる演算結果が得られるため、この演算結果に基づいて第1の領域に含まれる特定画像の妥当性を確実に検証することが可能となる。また、異なる演算結果が得られるであろう第1の領域と第2の領域について同じ演算を行うことにより、演算動作の停止の有無を判定することができ、特定画像の妥当性検証が有効に機能していないことを確認することが可能となる。
【符号の説明】
【0041】
100 画像表示装置
110 画像合成部
112 表示画像格納部
114 LCD
120 アイコン領域抽出部
122 アイコン領域演算部
124 アイコン検証部
126 処理停止判定部
128 演算正誤判定部
図1
図2
図3