(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】遮音壁構造
(51)【国際特許分類】
E04B 1/82 20060101AFI20230220BHJP
E04B 2/56 20060101ALI20230220BHJP
E04B 2/74 20060101ALI20230220BHJP
【FI】
E04B1/82 F
E04B1/82 W
E04B2/56 643F
E04B2/56 643G
E04B2/74 551G
E04B2/74 551Z
(21)【出願番号】P 2018221134
(22)【出願日】2018-11-27
【審査請求日】2021-06-30
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000010065
【氏名又は名称】フクビ化学工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100133916
【氏名又は名称】佐藤 興
(72)【発明者】
【氏名】川又 周太
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊也
(72)【発明者】
【氏名】山内 崇
【審査官】沖原 有里奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-092329(JP,A)
【文献】特開昭51-121924(JP,A)
【文献】特開2012-144962(JP,A)
【文献】特開平01-165850(JP,A)
【文献】特開平11-133977(JP,A)
【文献】特開平06-308968(JP,A)
【文献】特開2007-102113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/62-1/99
E04B 2/56
E04B 2/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の部屋同士の間を仕切る壁に適用される遮音壁構造であって、
石膏ボードからなり、水平面に対して交差する方向に立設された第1壁と、
石膏ボードからなり、前記第1壁に対して、間に隙間を空けた状態で対向配置された第2壁と、
前記隙間に収容された制振体と、
を備え、
前記制振体は、縁部が閉じられた袋と、当該袋の内方に
40体積%~80体積%の充填率で充填された複数の制振用粒状体と、を有し、
前記複数の制振用粒状体のそれぞれは、合成樹脂および合成ゴムの中から選択される少なくとも1種からなる主材料を組成中に含み、粒径が0.5mm~6.0mm、比重が0.9~2.5であり、
前記制振体は、前記第1壁と前記第2壁との対向方向において、前記第1壁および前記第2壁から押圧力を受けて、前記袋が当該袋の厚み方向に圧縮された状態となっている、
遮音壁構造。
【請求項2】
請求項1に記載の遮音壁構造において、
前記隙間には、前記第1壁および前記第2壁の前記立設方向に向けて延び、互いに間隔を空けて配された第1柱および第2柱が収容されており、
前記隙間の厚み寸法は、前記第1柱および前記第2柱の厚みと等しく設定されており、
前記制振体は、前記第1壁と前記第2壁との間で挟まれ、前記第1壁および前記第2壁との各当接領域から前記押圧力を受けた状態となっている、
遮音壁構造。
【請求項3】
請求項2に記載の遮音壁構造において、
前記隙間には、前記第1柱に接して前記立設方向に延びる第1セパレータと、前記第2柱に接して前記立設方向に延びる第2セパレータと、が収容されており、
前記第1セパレータと前記第2セパレータとは、その間に前記袋の幅と同等の間隔が空けられた状態で配設されている、
遮音壁構造。
【請求項4】
請求項2に記載の遮音壁構造において、
前記隙間には、前記第1柱および前記第2柱の双方に対して間隔を空け、前記立設方向に延びるセパレータが収容されており、
前記制振体は、それぞれが前記袋と前記複数の制振用粒状体との組み合わせを以って構成された第1制振体および第2制振体を含み、
前記第1制振体は、前記第1柱と前記セパレータとの間で挟まれ、
前記第2制振体は、前記第2柱と前記セパレータとの間で挟まれ、
前記第1制振体における前記袋の幅は、前記第1柱と前記セパレータとの間の間隔と同等であり、
前記第2制振体における前記袋の幅は、前記第2柱と前記セパレータとの間の間隔と同等である、
遮音壁構造。
【請求項5】
請求項1に記載の遮音壁構造において、
前記隙間には、前記第1壁および前記第2壁の前記立設方向に向けて延び、互いに間隔を空けて配された第1柱および第2柱が収容されており、
前記隙間には、前記第1壁および前記第2壁の双方に沿うとともに、前記第1柱と前記第2柱との間を繋ぐように設けられた板状のセパレータが収容されており、
前記制振体は、それぞれが前記袋と前記複数の制振用粒状体との組み合わせを以って構成された第1制振体および第2制振体を含み、
前記第1制振体は、前記第1壁と前記セパレータとの間で挟まれ、前記第1壁および前記セパレータとの各当接領域から前記押圧力を受けた状態となっており、
前記第2制振体は、前記第2壁と前記セパレータとの間で挟まれ、前記第2壁および前
記セパレータとの各当接領域から前記押圧力を受けた状態となっている、
遮音壁構造。
【請求項6】
請求項5に記載の遮音壁構造において、
前記制振体は、それぞれが前記袋と前記複数の制振用粒状体との組み合わせを以って構成された第3制振体および第4制振体をさらに含み、
前記第3制振体は、前記第1壁と前記セパレータとの間で挟まれ、前記第1壁および前記セパレータとの各当接領域から前記押圧力を受けた状態となっており、且つ、水平方向に前記第1制振体に対して間隔を空けた状態で配設され、
前記第4制振体は、前記第2壁と前記セパレータとの間で挟まれ、当前記第2壁および前記セパレータとの各当接領域から前記押圧力を受けた状態となっており、且つ、水平方向に前記第2制振体に対して間隔を空けた状態で配設されている、
遮音壁構造。
【請求項7】
請求項1から請求項6の何れかに記載の遮音壁構造において、
前記制振用粒状体は、前記主材料に加え、可塑剤、充填剤、および繊維材料の内から選択される少なくとも1種の副材料を組成中に含む、
遮音壁構造。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れかに記載の遮音壁構造において、
前記袋には、前記制振用粒状体の粒径よりも小径の通気孔が設けられている、
遮音壁構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮音壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅やオフィスなどの建物においては、部屋同士の間での遮音、および建物外と部屋との間での遮音が求められる。このため、建物においては、部屋同士を仕切る壁や、建物外と部屋との間の壁に遮音構造が採用される。
【0003】
特許文献1には、エマルジョン状態の液体を袋に収納し、当該袋を壁に接着剤で固定した構成が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、発泡ガラスを袋に収納し、当該袋を壁に接着剤などで固定した構成が開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、砂を袋に収納し、当該袋を壁に接着剤で固定した構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実開昭57-80511号公報
【文献】特開2002-121712号公報
【文献】特開平05-33404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1~3に開示の構成では、施工時における作業性が低く、施工コストの上昇を招くこととなる。即ち、上記特許文献1~3に開示の構成では、液体や粒状体が収容された袋を予め壁の内側面に接着等で固定しておく必要があり、当該壁を施工するには重量等の観点から作業性が悪い。
【0008】
また、発泡ガラスや砂などが袋内に収容された上記特許文献2,3に開示の構成では、施工後において袋内の収容物(発泡ガラス、砂)が重力により下方へと偏り、高い遮音性を維持することが困難である。
【0009】
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、施工時における高い作業性を確保することができるとともに、経時的に高い遮音性を維持することができる遮音壁構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る遮音壁構造は、建物の部屋同士の間を仕切る壁に適用される遮音壁構造であって、石膏ボードからなり、水平面に対して交差する方向に立設された第1壁と、石膏ボードからなり、前記第1壁に対して、間に隙間を空けた状態で対向配置された第2壁と、前記隙間に収容された制振体と、を備え、前記制振体は、縁部が閉じられた袋と、当該袋の内方に40体積%~80体積%の充填率で充填された複数の制振用粒状体と、を有し、前記複数の制振用粒状体のそれぞれは、合成樹脂および合成ゴムの中から選択される少なくとも1種からなる主材料を組成中に含み、粒径が0.5mm~6.0mm、比重が0.9~2.5であり、前記制振体は、前記第1壁と前記第2壁との対向方向において、前記第1壁および前記第2壁から押圧力を受けて、前記袋が当該袋の厚み方向に圧縮された状態となっている。
【0011】
上記遮音壁構造では、袋内に複数の制振用粒状体が充填されてなる制振体を第1壁と第2壁との間の隙間に収容しているので、遮音壁構造を隔てた空間の一方で発生した音を、制振体の制振用粒状体同士が衝突・摩擦し合うことによりエネルギを吸収し、他方の空間への音の放射を抑制することができる。
【0012】
また、上記遮音壁構造では、制振体が第1壁および第2壁から押圧力を受けており、逆に第1壁および第2壁は制振体から反力を受けている。このため、上記遮音壁構造では、第1壁および第2壁のそれぞれに張力がかかった状態となっており、第1壁および第2壁の振動(各壁の厚み方向の振幅を伴った振動)が抑制され、遮音壁構造を挟んだ両側の空間における音の伝搬を抑制することができる。
【0013】
また、上記遮音壁構造では、制振体が第1壁および第2壁から押圧力を受け、袋が厚み方向に圧縮された状態となっているので、第1壁および第2壁に対する制振体の相対位置や、制振体における袋内での制振用粒状体の偏りなどが生じるのを抑制することができる。
【0014】
また、上記遮音壁構造では、第1壁および第2壁からの押圧力で制振体の位置を固定しているので、壁に対して接着剤などを用いて袋を固定する上記特許文献1~3に開示の技術に対して、施工時における高い作業性を確保することができる。
また、上記遮音壁構造では、制振体における袋内への制振用粒状体の充填率を上記のように40体積%~80体積%の範囲としているので、袋内において制振用粒状体がより動き易い状態を実現でき、互いが衝突・摩擦することでのエネルギ吸収効率を高めることができる。よって、上記構成を採用する遮音壁構造では、遮音壁構造を隔てた空間同士の間での音の放射を更に高効率に抑制することができる。
また、上記遮音壁楮では、複数の制振用粒状体のそれぞれが合成樹脂および合成ゴムの中から選択される少なくとも1種からなる主材料を組成中に含むこととしているので、第1壁または第2壁の外方から伝達されてきた音が、制振用粒状体同士の衝突・摩擦により効果的にエネルギ吸収が図られ、高い遮音性能を確保することができる。
【0015】
従って、上記遮音壁構造では、施工時における高い作業性を確保することができるとともに、経時的に高い遮音性を維持することができる。
【0016】
上記遮音壁構造において、前記隙間には、前記第1壁および前記第2壁の前記立設方向に向けて延び、互いに間隔を空けて配された第1柱および第2柱が収容されており、前記隙間の厚み寸法は、前記第1柱および前記第2柱の厚みと等しく設定されており、前記制振体は、前記第1壁と前記第2壁との間で挟まれ、前記第1壁および前記第2壁との各当接領域から前記押圧力を受けた状態となっている、とすることもできる。
【0017】
上記構成を採用する場合には、第1壁と第2壁との隙間の厚み寸法が、第1柱および第2柱の厚みと等しく設定されているので、制振体に対する押圧力が持続的に作用し、経年的にも第1壁および第2壁に対する制振体の位置ズレを生じ難い。
【0018】
上記遮音壁構造において、前記隙間には、前記第1柱に接して前記立設方向に延びる第1セパレータと、前記第2柱に接して前記立設方向に延びる第2セパレータと、が収容されており、前記第1セパレータと前記第2セパレータとは、その間に前記袋の幅と同等の間隔が空けられた状態で配設されている、とすることもできる。
【0019】
上記構成を採用する場合には、上記隙間に第1セパレータおよび第2セパレータを配設しているので、その分だけ制振体の容積を小さくすることができ(小さなサイズの制振体を採用することができ)、遮音性を確保しながら、施工コストの低減を図ることが可能となる。
【0020】
上記遮音壁構造において、前記隙間には、前記第1柱および前記第2柱の双方に対して間隔を空け、前記立設方向に延びるセパレータが収容されており、前記制振体は、それぞれが前記袋と前記複数の制振用粒状体との組み合わせを以って構成された第1制振体および第2制振体を含み、前記第1制振体は、前記第1柱と前記セパレータとの間で挟まれ、前記第2制振体は、前記第2柱と前記セパレータとの間で挟まれ、前記第1制振体における前記袋の幅は、前記第1柱と前記セパレータとの間の間隔と同等であり、前記第2制振体における前記袋の幅は、前記第2柱と前記セパレータとの間の間隔と同等である、とすることもできる。
【0021】
上記構成を採用する場合には、上記隙間における第1柱と第2柱との間の部分にセパレータを配設しているので、その分だけ制振体の容積(第1制振体および第2制振体の合計容積)を小さくすることができ(小さなサイズの制振体を採用することができ)、遮音性を確保しながら、施工コストの低減を図ることが可能となる。
【0022】
上記遮音壁構造において、前記隙間には、前記第1壁および前記第2壁の前記立設方向に向けて延び、互いに間隔を空けて配された第1柱および第2柱が収容されており、前記隙間には、前記第1壁および前記第2壁の双方に沿うとともに、前記第1柱と前記第2柱との間を繋ぐように設けられた板状のセパレータが収容されており、前記制振体は、それぞれが前記袋と前記複数の制振用粒状体との組み合わせを以って構成された第1制振体および第2制振体を含み、前記第1制振体は、前記第1壁と前記セパレータとの間で挟まれ、前記第1壁および前記セパレータとの各当接領域から前記押圧力を受けた状態となっており、前記第2制振体は、前記第2壁と前記セパレータとの間で挟まれ、前記第2壁および前記セパレータとの各当接領域から前記押圧力を受けた状態となっている、とすることもできる。
【0023】
上記構成を採用する場合には、上記隙間に、第1壁および第2壁の双方に沿うとともに、第1壁および第2壁に対して間隔を空けた状態でセパレータが配設されているので、その分だけ制振体の容積(第1制振体および第2制振体の合計容積)を小さくすることができ(小さなサイズの制振体を採用することができ)、遮音性を確保しながら、施工コストの低減を図ることが可能となる。
【0024】
なお、上記における「セパレータ」は、吸音性および断熱性を有する材料からなるものが望ましく、また、第1制振体および第2制振体に対して押圧力を付与できる材料からなるものが望ましい。例えば、発泡材料やグラスウールなどを用いることができる。
【0025】
上記遮音壁構造において、前記制振体は、それぞれが前記袋と前記複数の制振用粒状体との組み合わせを以って構成された第3制振体および第4制振体をさらに含み、前記第3制振体は、前記第1壁と前記セパレータとの間で挟まれ、前記第1壁および前記セパレータとの各当接領域から前記押圧力を受けた状態となっており、且つ、水平方向に前記第1制振体に対して間隔を空けた状態で配設され、前記第4制振体は、前記第2壁と前記セパレータとの間で挟まれ、当前記第2壁および前記セパレータとの各当接領域から前記押圧力を受けた状態となっており、且つ、水平方向に前記第2制振体に対して間隔を空けた状態で配設されている、とすることもできる。
【0026】
上記構成を採用する場合には、第1制振体と第3制振体とが水平方向に間隔を空けた状態で配され、第2制振体と第4制振体とが水平方向に間隔を空けて配されているので、第1壁と第2壁との間の隙間が制振体で満たされている場合に比べて、施工コストの低減を図ることが可能である。
【0029】
上記遮音壁構造において、前記制振用粒状体は、前記主材料に加え、可塑剤、充填剤、および繊維材料の内から選択される少なくとも1種の副材料を組成中に含む、とすることもできる。
【0030】
上記構成を採用する場合には、制振用粒状体の塑性において、主材料の他に、可塑剤および炭酸カルシウムおよびセルロースの内から選択される少なくとも1種の副材料を含ませるようにしているので、比重の調整がより簡易に実施することができる。よって、上記態様では、該遮音壁構造を隔てた空間同士の間での音の放射を抑制するのに更に効果的である。
【0031】
なお、上記における「充填剤」としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、酸化アルミニウム、カオリン、ケイ酸カルシウムなどの無機系充填剤を採用することができる。また、「繊維材料」としては、セルロース繊維、紙・パルプなどの有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機物繊維などを採用することができる。
【0032】
上記遮音壁構造において、前記袋には、前記制振用粒状体の粒径よりも小径の通気孔が設けられている、とすることもできる。
【0033】
上記構成を採用する場合には、制振体における袋に通気孔を設けているので、袋内外で空気の出入がなされ、施工時における優れた作業性と、施工後における優れた遮音性と、を両立することができる。即ち、上記制振体では、施工時においては袋内に過多の空気が充填されるようなことが抑制されるので、優れた作業性を確保することができる。一方、施工後においては、袋外から袋内に空気が侵入できるので、袋内における制振用粒状体の動きが阻害され難く、優れた遮音性も確保することができる。
【0034】
また、上記構成を採用する場合には、袋に設ける通気孔の径を制振用粒状体の粒径よりも小径としているので、袋から制振用粒状体がこぼれ出るのを防ぐことができる。よって、第1壁と第2壁との間の隙間に対する制振体の収容作業を行っても、制振体の制振機能の低下を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0037】
上記の各遮音壁構造では、施工時における高い作業性を確保することができるとともに、経時的に高い遮音性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】実施形態1に係る建物の一部構成を示す模式図である。
【
図2】実施形態1に係る遮音壁の構成を示す模式展開斜視図である。
【
図3】実施形態1に係る遮音壁の構成を示す模式断面図である。
【
図4】実施形態1に係る遮音壁が備える制振体の構成を示す模式断面図である。
【
図5】実施形態2に係る遮音壁の構成を示す模式断面図である。
【
図6】実施形態3に係る遮音壁の構成を示す模式断面図である。
【
図7】実施形態4に係る遮音壁の構成を示す模式断面図である。
【
図8】実施形態5に係る遮音壁の構成を示す模式断面図である。
【
図9】実施形態6に係る遮音壁の構成を示す模式断面図である。
【
図10】実施例21,22および比較例21の各壁における、中心周波数250Hzの音圧レベルの低減量を示すグラフである。
【
図11】実施例21,22および比較例21の各壁における、中心周波数が50Hz~5000Hzの範囲での音圧レベルの低減量(室間音圧レベル差)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一例であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
【0040】
[実施形態1]
1.建物1の構成
先ず、本実施形態に係る建物1の構成について、
図1を用いて説明する。
【0041】
図1に示すように、建物1では、床2と天井3と壁4~7を有する。なお、
図1では、壁4に対向し、図の手前側に設けられた壁を省略している。
【0042】
建物1においては、床2と天井3と壁4~6で部屋8が仕切られ、床2と天井3と壁4,6,7で部屋9が仕切られている。
【0043】
本実施形態に係る建物1では、壁4~7の内の壁6が遮音壁により構成されている。即ち、建物1では、部屋同士の間を仕切る壁6が遮音壁で構成されており、部屋同士での音の伝搬が抑制されるようになっている。
【0044】
2.遮音壁10の構成
壁6を構成する遮音壁10の構成について、
図2および
図3を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る遮音壁10の構成を示す模式展開斜視図であり、
図3は、遮音壁10の構成を示す模式断面図である。なお、
図2および
図3では、図示を省略しているが、遮音壁10の鉛直上方部分には天井3が接合され、鉛直下方部分には床2が接合される。
【0045】
なお、以下の説明で用いる図において、「X方向」は水平方向であって、遮音壁10に沿う方向であり、「Y方向」は、水平方向であって、遮音壁10の厚み方向であり、「Z方向」は、鉛直方向である。
【0046】
図2に示すように、遮音壁10は、2枚の石膏ボード11,12と、スタッド13~15と、制振体16~19と、を備えている。2枚の石膏ボード11,12は、互いの間に隙間を空けた状態で対向配置され(矢印A3)、当該間にスタッド13~15が介挿されている。
【0047】
ここで、本実施形態において、石膏ボード11は「第1壁」の一例であり、石膏ボード12は「第2壁」の一例である。また、スタッド13は「第1柱」の一例であり、スタッド14は「第2柱」の一例である。
【0048】
図3に示すように、石膏ボード11の内側面11aと石膏ボード12の内側面12aとの間隔は、スタッド13~15の厚みと略等しい間隔L3となっている。また、X方向におけるスタッド13とスタッド14との間の間隔は間隔L1になっており、スタッド14とスタッド15との間の間隔は間隔L2になっている。なお、本実施形態に係る遮音壁10では、間隔L1と間隔L2とは略同等である。
【0049】
図2に戻って、制振体16~19は、外観形状が袋状体をしている。制振体16,18は、石膏ボード11と石膏ボード12との間の隙間であって、スタッド13とスタッド14との間の空間領域10aに収容されている(矢印A1)。同様に、制振体17,19は、石膏ボード11と石膏ボード12との間の隙間であって、スタッド14とスタッド15との間の空間領域10bに収容されている(矢印A2)。
【0050】
図3に示すように、制振体18のX方向幅は、スタッド13とスタッド14との間の間隔L1と略同等であり、制振体19のX方向幅は、スタッド14とスタッド15との間の間隔L2と略同等である。
【0051】
また、制振体18は、石膏ボード11および石膏ボード12からY方向内向きの押圧力F1,F2を受け、制振体19も、石膏ボード11および石膏ボード12からY方向内向きの押圧力F3,F4を受けている。制振体18,19は、上記押圧力F1~F4を受けることにより、Y方向(厚み方向)に圧縮された状態になっている。
【0052】
また、石膏ボード11および石膏ボード12は、制振体18からY方向外向きの押圧力F5,F6を受けるとともに、制振体19から同じくY方向外向きの押圧力F7,F8を受けた状態となっている。このように、本実施形態に係る遮音壁10では、石膏ボード11および石膏ボード12が、制振体18および制振体19からY方向外向きの押圧力F5~F8を受けることにより、テンションが掛けられた状態で維持される。
【0053】
3.制振体20の構成
遮音壁10が備える制振体16~19を纏めて「制振体20」とし、
図4を用いてその構成を説明する。
図4は、制振体20の構成を示す模式断面図である。
【0054】
図4に示すように、制振体20は、袋21と、当該袋21の内方に充填された複数の制振用粒状体22と、を有している。袋21は、樹脂製の筒の両端開口部が熱溶着により閉じられたものである。袋21の構成材料は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートのフィルムである。その中でも、柔軟性のあるポリエチレンが好適である。更に、袋21は不織布製であってもよい。
【0055】
図4の拡大部分に示すように、袋21には、中に充填されている制振用粒状体22の粒径よりも小径の通気孔21aが設けられている。通気孔21aは複数設けられており、当該通気孔21aを介して袋21の内外で空気が流通可能となっている。
【0056】
なお、通気孔21aの径は、制振用粒状体22の粒径より小さくすればよいが、通常、0.5~2.0mm程度がよい。
【0057】
次に、袋21の中に充填された制振用粒状体22は、その組成中に、合成樹脂および合成ゴムの内から選択される少なくとも1種からなる主材料を含む。制振用粒状体22の比重は、例えば、0.9~2.5(より望ましくは、1.2~2.2)に調整され、粒径は、例えば、0.5mm~6.0mm(より望ましくは、1.0mm~5.0mm)となっている。
【0058】
ここで、合成樹脂としては、PVC(ポリ塩化ビニル)、PP(ポリプロピレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)、軟質PVC、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなどを採用することが可能である。
【0059】
また、合成ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)などを採用することができる。
【0060】
また、制振用粒状体22は、上記のような主材料の他に、可塑剤、充填剤(比重調整用の充填剤)、繊維材料などを副材料として含ませることもできる。
【0061】
ここで、本実施形態で用いる充填剤は、比重調整用の充填剤であって、例えば、炭酸カルシウム、タルク、酸化アルミニウム、カオリン、ケイ酸カルシウムなどの無機系充填剤を採用することができる。
【0062】
また、繊維材料としては、セルロース繊維、紙・パルプなどの有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機物繊維などを採用することができる。
【0063】
なお、本実施形態では、「主材料」が必ずしも配合割合を基準とするものでなくてもよい。即ち、合成樹脂および合成ゴムの内から選択される少なくとも1種からなる材料を、「主材料」としている。
【0064】
次に、本実施形態では、袋21の中への制振用粒状体22の充填率について、例えば、30体積%~90体積%(より望ましくは、40体積%~80体積%)に調整している。なお、上記充填率は、袋21の最大容積に対する複数の制振用粒状体22が占める容積割合である。
【0065】
上記のような充填率を以って袋21内に制振用粒状体22を充填することにより、
図4の拡大部分に示すように、制振用粒状体22同士の間に空隙AGが空いた状態となっている。
【0066】
ここで、制振体20の厚み、即ち、袋21の厚みは、
図3に示す押圧力F1~F4を受けていない状態では、石膏ボード11と石膏ボード12との間の間隔L3よりも厚い厚みL4となっている。即ち、制振体20を石膏ボード11と石膏ボード12との間の隙間に収容するに際して、制振体20を厚み方向に挟み込み、これによって押圧力F1~F4を生じさせることで、制振体20の厚みを圧縮する。
【0067】
4.効果
本実施形態に係る遮音壁10(壁6)では、袋21内に複数の制振用粒状体22が充填されてなる制振体20(制振体16~19)を石膏ボード11と石膏ボード12との間の隙間(空間領域10a,10b)に収容しているので、遮音壁10を隔てた空間(部屋8,9および建物1の外方空間)の一方で発生した音が、制振体20の制振用粒状体22同士が衝突・摩擦し合うことによりエネルギを吸収し、他方の空間への音の放射を抑制することができる。
【0068】
また、本実施形態に係る遮音壁10では、制振体16~19から石膏ボード11および石膏ボード12が制振体16~19から反力である押圧力F5~F8を受けているので、石膏ボード11および石膏ボード12のそれぞれにテンション(張力)がかかった状態となっており、石膏ボード11および石膏ボード12の振動(各壁11,12の厚み方向(Y方向)の振幅を伴った振動)が抑制され、遮音壁10(壁6)を挟んだ両側の空間における音の伝搬を抑制することができる。
【0069】
また、本実施形態に係る遮音壁10では、制振体20が石膏ボード11および石膏ボード12から押圧力F1~F4を受け、袋21が厚み方向に圧縮された状態となっているので、石膏ボード11および石膏ボード12に対する制振体20の相対位置や、制振体20における袋21内での制振用粒状体22の偏りなどが生じるのを抑制することができる。
【0070】
また、本実施形態に係る遮音壁10では、石膏ボード11および石膏ボード12からの押圧力F1~F4で制振体20の位置を固定しているので、壁に対して接着剤などを用いて袋を固定する上記特許文献1~3に開示の技術に対して、施工時における高い作業性を確保することができる。
【0071】
従って、本実施形態に係る遮音壁10では、施工時における高い作業性を確保することができるとともに、経時的に安定して高い遮音性を維持することができる。
【0072】
[実施形態2]
実施形態2に係る遮音壁30の構成について、
図5を用いて説明する。
図5は、本実施形態に係る遮音壁30の構成を示す模式断面図である。なお、本実施形態では、上記実施形態1を説明するために用いた
図4に相当する模式断面図だけを用いて遮音壁30の構成について説明するが、以下の説明で省略する構成については、上記実施形態1の遮音壁10と同様の構成を採用することができる。
【0073】
図5に示すように、遮音壁30は、2枚の石膏ボード31,32と、スタッド33~35と、セパレータ36,37と、制振体38~41と、を備えている。2枚の石膏ボード31,32は、上記実施形態1に係る遮音壁10と同様に、互いの間に隙間を空けた状態で対向配置され、当該間にスタッド33~35が介挿されている。
【0074】
ここで、本実施形態において、石膏ボード31は「第1壁」の一例であり、石膏ボード32は「第2壁」の一例である。また、スタッド33は「第1柱」の一例であり、スタッド34は「第2柱」の一例である。さらに、制振体38は「第1制振体」の一例であり、制振体39は「第2制振体」の一例である。
【0075】
セパレータ36,37は、石膏ボード31と石膏ボード32に対して間隔L7,L8を空けた状態で配設されている。セパレータ36は、X方向においてスタッド33とスタッド34との間に設けられ、セパレータ37は、同じくX方向においてスタッド34とスタッド35との間に設けられている。
【0076】
本実施形態において、セパレータ36,37は、吸音・断熱性を有する材料、例えば、発泡体やグラスウールなどを用いて形成されている。
【0077】
図5に示すように、X方向におけるスタッド33とスタッド34との間の間隔は間隔L5になっており、スタッド34とスタッド35との間の間隔は間隔L6になっている。なお、本実施形態に係る遮音壁30においても、間隔L5と間隔L6とは略同等である。
【0078】
ここで、本実施形態に係る遮音壁30においても、間隔L7および間隔L8は、押圧力を受けていない状態での制振体38~41の各厚み(
図4の厚みL4)よりも狭くなっており、制振体38~41がY方向に押圧力を受けて挟まれた状態となっている。このため、制振体38は石膏ボード31とセパレータ36との間で圧縮され、制振体39は石膏ボード32とセパレータ36との間で圧縮され、制振体40は石膏ボード31とセパレータ37との間で圧縮され、制振体41は石膏ボード32とセパレータ37との間で圧縮されている。
【0079】
また、遮音壁30においても、石膏ボード31および石膏ボード32は、制振体38~41からのY方向外向きの押圧力(反力)を受け、テンション(張力)がかかった状態となっている。
【0080】
また、遮音壁30においても、上記実施形態1に係る遮音壁10と同様に、制振体38,39の幅は間隔L5と略同等であり、制振体40,41の幅は間隔L6と略同等である。
【0081】
本実施形態に係る遮音壁30は、上記実施形態1に係る遮音壁10と同じ効果を奏することができるのに加えて、施工コストの低減を図ることもできる。即ち、石膏ボード31と石膏ボード32との間にセパレータ36,37を介挿させているので、その分だけ制振体38~41のサイズを厚み方向に薄肉化することができ、施工コストの低減を図ることが可能となる。
【0082】
[実施形態3]
実施形態3に係る遮音壁50の構成について、
図6を用いて説明する。
図6は、本実施形態に係る遮音壁50の構成を示す模式断面図である。なお、本実施形態でも、上記実施形態1を説明するために用いた
図4に相当する模式断面図だけを用いて遮音壁50の構成について説明するが、以下の説明で省略する構成については、上記実施形態1の遮音壁10と同様の構成を採用することができる。
【0083】
図6に示すように、遮音壁50は、2枚の石膏ボード51,52と、スタッド53~55と、取付具56~59と、制振体60~63と、を備えている。2枚の石膏ボード51,52は、上記実施形態1に係る遮音壁10と同様に、互いの間に隙間を空けた状態で対向配置され、当該間にスタッド53~55が介挿されている。
【0084】
ここで、本実施形態において、石膏ボード51は「第1壁」の一例であり、石膏ボード52は「第2壁」の一例である。また、スタッド53は「第1柱」の一例であり、スタッド54は「第2柱」の一例である。さらに、制振体60は「第1制振体」の一例であり、制振体61は「第2制振体」の一例である。
【0085】
取付具56~59は、枠状の金具であって、石膏ボード51と石膏ボード52に対して間隔L11,L12を空けた状態で配設されている。取付具56と取付具57とは、その間に隙間G1を空けた状態で配され、取付具58と取付具59とは、その間に隙間G2を空けた状態で配される。なお、本実施形態に係る遮音壁50では、取付具56と取付具57との組み合わせで「セパレータ」を構成し、取付具58と取付具59との組み合わせで同じく「セパレータ」を構成している。
【0086】
図6に示すように、X方向におけるスタッド53とスタッド54との間の間隔は間隔L9になっており、スタッド54とスタッド55との間の間隔は間隔L10になっている。なお、本実施形態に係る遮音壁50においても、間隔L9と間隔L10とは略同等である。
【0087】
また、本実施形態に係る遮音壁50においても、間隔L11および間隔L12は、押圧力を受けていない状態での制振体60~63の各厚み(
図4の厚みL4)よりも狭くなっており、制振体60~63がY方向に押圧力を受けて挟まれた状態となっている。このため、制振体60は石膏ボード51と取付具56との間で圧縮され、制振体61は石膏ボード52と取付具57との間で圧縮され、制振体62は石膏ボード51と取付具58との間で圧縮され、制振体63は石膏ボード52と取付具59との間で圧縮されている。
【0088】
また、遮音壁50においても、石膏ボード51および石膏ボード52は、制振体60~63からのY方向外向きの押圧力(反力)を受け、テンション(張力)がかかった状態となっている。
【0089】
また、遮音壁50においても、上記実施形態1に係る遮音壁10と同様に、制振体60,61の幅は間隔L9と略同等であり、制振体62,63の幅は間隔L10と略同等である。
【0090】
本実施形態に係る遮音壁50でも、上記実施形態1に係る遮音壁10と同じ効果を奏することができるのに加えて、上記実施形態2に係る遮音壁30と同様に、施工コストの低減を図ることもできる。
【0091】
[実施形態4]
実施形態4に係る遮音壁70の構成について、
図7を用いて説明する。
図7は、本実施形態に係る遮音壁70の構成を示す模式断面図である。なお、本実施形態でも、上記実施形態1を説明するために用いた
図4に相当する模式断面図だけを用いて遮音壁70の構成について説明するが、以下の説明で省略する構成については、上記実施形態1の遮音壁10と同様の構成を採用することができる。
【0092】
図7に示すように、遮音壁70は、2枚の石膏ボード71,72と、スタッド73~75と、セパレータ76,77と、制振体78~89と、を備えている。2枚の石膏ボード71,72は、上記実施形態1に係る遮音壁10と同様に、互いの間に隙間を空けた状態で対向配置され、当該間にスタッド73~75が介挿されている。
【0093】
ここで、本実施形態において、石膏ボード71は「第1壁」の一例であり、石膏ボード72は「第2壁」の一例である。また、スタッド73は「第1柱」の一例であり、スタッド74は「第2柱」の一例である。さらに、制振体78は「第1制振体」の一例であり、制振体81は「第2制振体」の一例であり、制振体79は「第3制振体」の一例であり、制振体82は「第4制振体」の一例である。
【0094】
セパレータ76,77は、石膏ボード71と石膏ボード72に対して間隔L13,L14を空けた状態で配設されている。セパレータ76は、X方向においてスタッド73とスタッド74との間に設けられ、セパレータ77は、同じくX方向においてスタッド74とスタッド75との間に設けられている。
【0095】
本実施形態において、セパレータ76,77も、上記実施形態2に係る遮音壁30のセパレータ36,37と同様に、吸音・断熱性を有する材料、例えば、発泡体やグラスウールなどを用いて形成されている。
【0096】
なお、本実施形態に係る遮音壁70においても、間隔L13および間隔L14は、押圧力を受けていない状態での制振体78~89の各厚み(
図4の厚みL4)よりも狭くなっており、制振体78~89がY方向に押圧力を受けて挟まれた状態となっている。このため、制振体78~80は石膏ボード71とセパレータ76との間で圧縮され、制振体81~83は石膏ボード72とセパレータ76との間で圧縮され、制振体84~86は石膏ボード71とセパレータ77との間で圧縮され、制振体87~89は石膏ボード72とセパレータ77との間で圧縮されている。
【0097】
制振体78~80は、石膏ボード71とセパレータ76との間において、互いにX方向に隙間G3,G4を空けて配されている。制振体81~83も、石膏ボード72とセパレータ76との間において、互いにX方向に隙間G5,G6を空けて配されている。
【0098】
制振体84~86は、石膏ボード71とセパレータ77との間において、互いにX方向に隙間G7,G8を空けて配されている。制振体87~89も、石膏ボード72とセパレータ77との間において、互いにX方向に隙間G9,G10を空けて配されている。
【0099】
また、遮音壁70においても、石膏ボード71および石膏ボード72は、制振体78~89からのY方向外向きの押圧力(反力)を受け、テンション(張力)がかかった状態となっている。
【0100】
本実施形態に係る遮音壁70は、上記実施形態1に係る遮音壁10と同じ効果を奏することができるのに加えて、隙間G3~G10を空けて制振体78~89を配置することとしているので、施工コストの更なる低減を図ることができる。
【0101】
[実施形態5]
実施形態5に係る遮音壁90の構成について、
図8を用いて説明する。
図8は、本実施形態に係る遮音壁90の構成を示す模式断面図である。なお、本実施形態でも、上記実施形態1を説明するために用いた
図4に相当する模式断面図だけを用いて遮音壁90の構成について説明するが、以下の説明で省略する構成については、上記実施形態1の遮音壁10と同様の構成を採用することができる。
【0102】
図8に示すように、遮音壁90は、2枚の石膏ボード91,92と、スタッド93~95と、セパレータ96~100と、制振体98,101と、を備えている。2枚の石膏ボード91,92は、上記実施形態1に係る遮音壁10と同様に、互いの間に隙間を空けた状態で対向配置され、当該間にスタッド93~95が介挿されている。
【0103】
ここで、本実施形態において、石膏ボード91は「第1壁」の一例であり、石膏ボード92は「第2壁」の一例である。また、スタッド93は「第1柱」の一例であり、スタッド94は「第2柱」の一例である。
【0104】
セパレータ96は、石膏ボード91と石膏ボード92との間の隙間において、スタッド93に対してX方向左側に配設されている。セパレータ96は、スタッド93に当接または近接した状態で、
図8の紙面に垂直な方向に延びている。セパレータ97は、石膏ボード91と石膏ボード92との間の隙間において、スタッド94に対してX方向右側に配設されている。セパレータ97は、スタッド94に当接または近接した状態で、
図8の紙面に垂直な方向に延び、X方向においてセパレータ96と間隔L15を空けた状態で配設されている。
【0105】
ここで、セパレータ96は「第1セパレータ」の一例であり、セパレータ97は「第2セパレータ」の一例である。
【0106】
セパレータ99は、石膏ボード91と石膏ボード92との間の隙間において、スタッド94に対してX方向左側に配設されている。セパレータ99は、スタッド94に当接または近接した状態で、
図8の紙面に垂直な方向に延びている。セパレータ100は、石膏ボード91と石膏ボード92との間の隙間において、スタッド95に対してX方向右側に配設されている。セパレータ100は、スタッド93に当接または近接した状態で、
図8の紙面に垂直な方向に延び、X方向においてセパレータ99と間隔L16を空けた状態で配設されている。本実施形態においても、間隔L15と間隔L16とは略同等である。
【0107】
本実施形態において、セパレータ96,97,99,100も、上記実施形態2~4と同様に、吸音・断熱性を有する材料、例えば、発泡体やグラスウールなどを用いて形成されている。
【0108】
制振体98は、石膏ボード91,92とセパレータ96,97とで囲まれた隙間領域に収容されており、制振体101は、石膏ボード91,92とセパレータ99,100とで囲まれた隙間領域に収容されている。
【0109】
本実施形態に係る遮音壁90においても、石膏ボード91と石膏ボード92とは間隔L17を空けた状態で対向配置されており、当該間隔L17は、上記実施形態1と同様に、押圧力を受けていない状態での制振体91,101の各厚み(
図4の厚みL4)よりも狭くなっている。これにより、制振体98,101は、石膏ボード91と石膏ボード92とによりY方向に押圧力を受けて挟まれた状態となっている。
【0110】
また、遮音壁90においても、石膏ボード91および石膏ボード92は、制振体96,97,99,100からのY方向外向きの押圧力(反力)を受け、テンション(張力)がかかった状態となっている。
【0111】
また、遮音壁90では、制振体98の幅(X方向の幅)は間隔L15と略同等であり、制振体101の幅は間隔L16と略同等である。これにより、制振体98,101が石膏ボード91,92間の隙間で回転したり、あるいは袋21内の制振用粒状体22が鉛直下方に偏ったりすることが抑制される。
【0112】
本実施形態に係る遮音壁90でも、上記実施形態1に係る遮音壁10と同じ効果を奏することができるのに加えて、上記実施形態2に係る遮音壁30などと同様に、施工コストの低減を図ることもできる。
【0113】
[実施形態6]
実施形態6に係る遮音壁110の構成について、
図9を用いて説明する。
図9は、本実施形態に係る遮音壁110の構成を示す模式断面図である。なお、本実施形態でも、上記実施形態1を説明するために用いた
図4に相当する模式断面図だけを用いて遮音壁110の構成について説明するが、以下の説明で省略する構成については、上記実施形態1の遮音壁10と同様の構成を採用することができる。
【0114】
図9に示すように、遮音壁110は、2枚の石膏ボード111,112と、スタッド113~115と、セパレータ116,119と、制振体117,118,120,121と、を備えている。2枚の石膏ボード111,112は、上記実施形態1に係る遮音壁10と同様に、互いの間に隙間を空けた状態で対向配置され、当該間にスタッド113~115が介挿されている。
【0115】
ここで、本実施形態において、石膏ボード111は「第1壁」の一例であり、石膏ボード112は「第2壁」の一例である。また、スタッド113は「第1柱」の一例であり、スタッド114は「第2柱」の一例である。
【0116】
本実施形態に係る遮音壁110においても、石膏ボード111と石膏ボード112とは間隔L22を空けた状態で対向配置されている。この間隔L22は、スタッド113~115のY方向寸法により規定される間隔である。
【0117】
セパレータ116は、石膏ボード111と石膏ボード112との間の隙間において、スタッド113に対して間隔L18を空け、スタッド114に対して間隔L19を空けた状態で配置されている。本実施形態では、間隔L18と間隔L19とは略同等である。
【0118】
セパレータ119も、石膏ボード111と石膏ボード112との間の隙間において、スタッド114に対して間隔L20を空け、スタッド115に対して間隔L21を空けた状態で配置されている。間隔L20と間隔L21も略同等である。
【0119】
制振体117は、石膏ボード111,112とスタッド113とセパレータ116とで囲まれた隙間領域に収容されており、制振体118は、石膏ボード111,112とスタッド114とセパレータ116とで囲まれた隙間領域に収容されている。
【0120】
ここで、本実施形態において、制振体117は「第1制振体」の一例であり、制振体118は「第2制振体」の一例である。
【0121】
制振体120は、石膏ボード111,112とスタッド114とセパレータ119とで囲まれた隙間領域に収容されており、制振体121は、石膏ボード111,112とスタッド115とセパレータ119とで囲まれた隙間領域に収容されている。
【0122】
本実施形態に係る遮音壁110においても、石膏ボード111と石膏ボード112との間隔L22は、上記実施形態1と同様に、押圧力を受けていない状態での制振体117,118,120,121の各厚み(
図4の厚みL4)よりも狭くなっている。これにより、制振体117,118,120,121は、石膏ボード111と石膏ボード112とによりY方向に押圧力を受けて挟まれた状態となっている。
【0123】
また、遮音壁110においても、石膏ボード111および石膏ボード112は、制振体117,118,120,121からのY方向外向きの押圧力(反力)を受け、テンション(張力)がかかった状態となっている。
【0124】
また、遮音壁110では、制振体117の幅(X方向の幅)は間隔L18と略同等であり、制振体118の幅は間隔L19と略同等であり、制振体120の幅は間隔L20と略同等であり、制振体121の幅は間隔L21と略同等である。これにより、制振体117,118,120,121が石膏ボード111,112間の隙間で回転したり、あるいは袋21内の制振用粒状体22が鉛直下方に偏ったりすることが抑制される。
【0125】
本実施形態に係る遮音壁110でも、上記実施形態1に係る遮音壁10と同じ効果を奏することができるのに加えて、上記実施形態2に係る遮音壁30などと同様に、施工コストの低減を図ることもできる。
【0126】
[制振体による遮音効果]
上記実施形態1~6に係る遮音壁10,30,50,70,90,110で用いた制振体16~20,38~41,60~63,78~89,98,101,117,118,120,121が奏する遮音効果についての確認結果を
図10および
図11を用いて説明する。
【0127】
(1)確認に用いたサンプル
(a)制振用粒状体
確認には、次の表1に示す各構成を有する実施例1および比較例1に係る制振用粒状体を用いた。
【0128】
【0129】
なお、表1の「目開き(mm)(粒径)」の欄において、「2.0」は、1.93mm~2.07mmの範囲であることを示している。これについては、本明細書で同じである。
【0130】
(b)制振体
そして、実施例1および比較例1に係る制振用粒状体を、平面視で30cm×60cmであって体積が約12000cm3のポリエチレン製の袋に充填した。このときの制振体をそれぞれ実施例11および比較例11とし、体積および充填率を表2に示す。
【0131】
【0132】
(c)壁
実施例11に係る制振体を、
図2および
図3に示す構成の壁の空間領域10a内に全面充填した。この遮音壁を実施例21とする。なお、実施例21に係る壁では、石膏ボードとして、厚さ12.5mmのプラスターボードを採用し、スタッドとしてブレース材(C-65×30×7×1.0)を採用した。
【0133】
また、実施例11に係る制振体を、
図5に示す構成の壁とセパレータとの間に充填した。この遮音壁を実施例22とする。
【0134】
なお、実施例22に係る遮音壁では、グラスウール製のセパレータを用いるとともに、制振体の厚み等については適宜調整を行った。また、石膏ボードやスタッドの使用材料や寸法等は、上記実施例21と同様である。
【0135】
さらに、
図2および
図3に示す構成の壁の空間領域10a内に制振材を充填せず、空間のままとした壁を、比較例21とした。なお、石膏ボードやスタッドの使用材料や寸法等は、上記実施例21と同様である。
(2)確認1
表2に示すように、体積が約12000cm
3の袋に各制振用粒状体を充填した場合の充填率は、実施例11が73体積%である。これより、実施例11では、袋内に空気の出入りが可能な隙間を確保することができ、石膏ボード同士の間で挟持して袋を圧縮することができるので、位置ズレの抑制という観点から優れる。
【0136】
一方、比較例11の制振体では、充填率が100体積%であるため、袋内に隙間を確保することができず、石膏ボード同士の間で挟持して袋を圧縮することが困難である。このため、施工性という観点から課題があることが分かる。
【0137】
(3)確認2
表1に示すように、実施例1の制振用粒状体では、真比重(真密度)が1.76であり、0.9~2.5の範囲内、より具体的には、0.9~2.1の範囲内となった。
【0138】
一方、比較例1の制振用粒状体では、真比重(真密度)が0.73であり、0.9~2.5の範囲外となっている。
【0139】
(4)確認3
次に、実施例21,22および比較例21の各壁について、音測定を実施し、その低減量についての結果を
図10に示す。なお、実施した音測定は、遮音壁を挟んで設けられた部屋の一方で周波数250Hzの音を発生させ、他方の部屋において受音し、受音した音の音圧レベルを測定したものである。
【0140】
ここで、
図10では、周波数250Hzの音圧レベルの低減量(dB)を示しており、数値が大きいほど衝撃音の放射が抑制されていることを示している。なお、周波数250Hzを基準周波数〈決定周波数〉としたのは、壁を挟んだ室間で伝播される音の周波数帯の内、125Hz~2kHzの範囲の周波数の音の低減が重要になるとの見識によるものである。
【0141】
図10に示すように、石膏ボード間の空間領域内にセパレータと制振材とを充填した実施例22は、石膏ボード間の空間領域に制振材などを充填しなかった比較例21の壁に対して、約6~7ポイント優れていることが分かる。
【0142】
また、石膏ボード間の空間領域に制振材を全面充填した実施例21も、比較例21の壁に対して、約3~4ポイント優れていることが分かる。
【0143】
以上の結果より、石膏ボード間の空間領域に制振材を充填してなる実施例21,22では、遮音壁を隔てた空間の一方で発生した音を、制振体の制振用粒状体同士が衝突・摩擦し合うことによりエネルギを吸収し、他方の空間への音の放射を抑制することができ、比較例21よりも高い遮音性を実現できる。
【0144】
また、実施例21,22では、石膏ボードが制振体から反力を受けた状態となっているため、各石膏ボードに張力がかかった状態となっており、石膏ボードの振動(各壁の厚み方向の振幅を伴った振動)が抑制され、遮音壁を挟んだ両側の空間における音の伝搬を比較例21よりも抑制することができる。
【0145】
(5)確認4
次に、実施例21,22および変形例21の各壁について、周波数を63Hz~4kHzまで変化させて、上記確認3と同様に、音圧レベルの低減量(室間音圧レベル差)を測定し、その結果を
図11に示す。
【0146】
図11に示すように、中心周波数が50~63Hzの範囲では、実施例21,22と比較例21との間での空間音圧レベル差に大きな差異は見られない。
【0147】
一方、中心周波数が63Hzよりも高い範囲では、石膏ボード間の空間領域に制振材が充填されている実施例21,22が、制振材が充填されていない比較例21に対して、優れた空間音圧レベル差を示している。
【0148】
ここで、
図11に示すように、中心周波数が200Hz~1000Hzの範囲では、石膏ボード間の空間領域にセパレータと制振材とが充填されてなる実施例22の方が、制振材を全面充填した実施例21よりも優れた空間音圧レベル差を示している。
【0149】
以上の結果より、中心周波数が63Hzよりも高い範囲では、石膏ボード間の空間領域の制振材を充填した実施例21,22が、制振材を充填しなかった比較例21に比べて、高い遮音性を実現することができる。
【0150】
また、中心周波数が200Hz~1000Hzの範囲では、石膏ボード間の空間領域にセパレータと制振材とを充填した実施例22が、制振材だけを全面充填した実施例21よりも高い遮音性を実現することができる。
【0151】
[変形例]
上記実施形態1~6では、部屋と部屋との間を仕切る壁6に対して、遮音壁10,30,50,70,90,110を採用することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。部屋と建物の外方との間を仕切る外壁に対して適用することもできる。
【0152】
上記実施形態1~6では、遮音壁10,30,50,70,90,110の構成要素として、石膏ボード11,12,31,32,51,52,71,72,91,92,111,112を壁の一例として採用することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、外壁に遮音壁を採用する場合等には、外側の壁にサイディングボード(窯業系、金属系、木質系、樹脂系)を採用することなども可能である。
【0153】
また、上記実施形態1~6では、遮音壁10,30,50,70,90,110の構成要素として、金属枠体のスタッド13~15,33~35,53~55,73~75,93~95,113~115を柱の一例として採用することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、木質系の柱や間柱を2枚の壁の間に収容することとしてもよい。
【0154】
また、上記実施形態1~6では、制振体16~20,38~41,60~63,78~89,98,101,117,118,120,121において、袋21内に空隙AGを有した状態で複数の制振用粒状体22を充填することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、袋内に空隙が残らない状態で制振用粒状体を充填することもできる。この場合においても、制振用粒状体として弾力性を有するものを採用すれば、壁同士の間で圧縮されることができ、位置ズレの抑制が可能となる。
【0155】
上記確認結果における実施例1の制振用粒状体では、主材料の一例としてPVC(ポリ塩化ビニル)を採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、PP(ポリプロピレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)、ABS樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなどを採用することもできる。
【0156】
また、主材料として、軟質PVC、ポリエチレン、AS(アクリロノトリルスチレン)、アクリル、PVA(ポリビニルアルコール)、ポリ塩化ボニリデン、ポリフッ化ボニリデン、ナイロン6(ポリアミド)、ナイロン66(ポリアミド)、ナイロン12(ポリアミド)、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリテトラフルオレエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリアミドイミド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ジアリルフタレート、シリコーン、エポキシ樹脂、フラン-ホルムアルデヒド樹脂、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポロピオン酸セルロース、エチルセルロースなどの合成樹脂を採用することもできる。
【0157】
また、主材料として、複数種の合成樹脂をブレンドしたものを採用することや、合成樹脂と合成ゴムをブレンドしたものを採用することもできる。
【0158】
ここで、主材料としての合成樹脂や合成ゴムについては、再生材料を用いることも可能である。再生材料を用いる場合には、環境性能に優れるとともに、施工コストにも優れる。
【0159】
また、本発明では、制振用粒状体の主材料として、合成ゴムを採用することもできる。採用することができる合成ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ノトリルゴム、およびエチレンプロピレンゴムなどや、それ以外にも、多硫化系エラストマー、シリコーン系エラストマー、フッ素系エラストマー、エーテル系エラストマーなど種々の材料を採用することができる。詳細な確認結果については記載を省略しているが、主材料として合成ゴムを採用する場合にあっても、合成樹脂を採用する場合と同様に、下階への重量床衝撃音の放射を抑制できることを確認している。
【0160】
また、上記実施例11および比較例11では、30cm×60cmであって体積が約12000cm3のポリエチレン製の袋に制振用粒状体を充填することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、ポリエチレン製袋以外に、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの袋を用いることもできる。なお、柔軟性のあるポリエチレン製の袋が好適である。更に、袋には不織布製の袋を用いることも可能である。この場合、不織布として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート製を使用することができ、中でも、柔軟性のあるポリエチレンが好適である。また、袋の大きさについては、施工時の作業性を考慮しながら適宜選択することが可能である。
【符号の説明】
【0161】
1 建物
4~7 壁
10,30,50,70,90,110 遮音壁
11,31,51,71,91,111 石膏ボード(第1壁)
12,32,52,72,92,112 石膏ボード(第2壁)
13,33,53,73,93,113 スタッド(第1柱)
14,34,54,74,94,114 スタッド(第2柱)
16~20,40,41,62,63,80,83~89,98,101,120,121 制振体
38,60,78,117 制振体(第1制振体)
39,61,81,118 制振体(第2制振体)
79 制振体(第3制振体)
82 制振体(第4制振体)
21 袋
21a 通気孔
22 制振用粒状体
36,37,76,77,99,100,116,119 セパレータ
96 セパレータ(第1セパレータ)
97 セパレータ(第2セパレータ)
56~59 取付具