(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】有機発光表示装置
(51)【国際特許分類】
H10K 50/824 20230101AFI20230220BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20230220BHJP
H10K 50/15 20230101ALI20230220BHJP
H10K 50/17 20230101ALI20230220BHJP
H10K 50/822 20230101ALI20230220BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20230220BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20230220BHJP
H10K 102/20 20230101ALN20230220BHJP
【FI】
H10K50/824
G09F9/30 348A
G09F9/30 365
H10K50/15
H10K50/17
H10K50/822
H10K50/844
H10K59/122
H10K102:20
(21)【出願番号】P 2018235690
(22)【出願日】2018-12-17
【審査請求日】2021-11-01
(31)【優先権主張番号】10-2018-0010846
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】ドゥジョン リー
(72)【発明者】
【氏名】ヘジン ゴォー
(72)【発明者】
【氏名】アーロン キム
(72)【発明者】
【氏名】ジョンウン パク
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンソン バン
【審査官】辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-039029(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0125506(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102655219(CN,A)
【文献】特開2011-065837(JP,A)
【文献】特開2009-032673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/824
G09F 9/30
H10K 50/15
H10K 50/17
H10K 50/822
H10K 50/844
H10K 59/122
H10K 102/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域
の内部に、複数の画素領域及び非画素領域を具備した基板と、
前記複数の画素領域それぞれに対応する複数の画素電極と、
前記複数の画素電極のエッジを覆うカバー部、及び前記複数の画素電極の中央部を露出さ せる開口を含む画素定義膜と、
前記カバー部上面の少なくとも一部に対応するように配置された補助電極と、
前記開口内に配置された中間層及び相対電極と、を含み、
前記補助電極は、前記相対電極と連結され、
前記カバー部上面の少なくとも一部は、前記補助電極に対して入り込んでいるアンダーカット構造を具備
し、
前記中間層は、前記画素電極と前記相対電極との間に配置され、
前記中間層は、発光層、前記発光層の下部に配置された下部機能層、及び前記発光層の上部に配置された上部機能層を含み、
前記上部機能層の少なくとも一部は、前記補助電極の上部に配置され、
前記補助電極の上部に配置された上部機能層の少なくとも一部と前記発光層の上部に配置された上部機能層とは連続し、
前記相対電極の端部は、前記補助電極に向けて延長され、前記補助電極の上部で前記補助電極と接触する有機発光表示装置。
【請求項2】
前記
下部機能層の少なくとも一部は、前記補助電極の上部に配置され、
前記補助電極
の上部に配置された下部機能層の少なくとも一部は、前記開口内に配置された下部機能層と離隔されたことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記下部機能層は、ホール注入層及びホール輸送層のうち少なくとも1層を含むことを特 徴とする請求項2に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記補助電極の厚みは、前記下部機能層の厚みより厚いことを特徴とする請求項1に記載 の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記補助電極は、前記画素定義膜の開口に対応する貫通ホールを具備するメッシュ構造に 具備されることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記相対電極の幅は、前記中間層の幅より広いことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記補助電極は、Mo、Tiのうち少なくとも一つを含み、 前記相対電極は、Yb/Ag:Mg/ITOで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記基板上には、前記複数の画素電極と電気的に連結された複数の薄膜トランジスタが具備されたことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記表示領域に配置され、少なくとも1層の無機膜と、少なくとも1層の有機膜とを含む 薄膜封止層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自発光型表示装置である有機発光表示装置は、別途の光源が不要であるので、低電圧で駆動が可能であり、軽量薄型に構成することができ、広視野角、高コントラスト(contrast)、及び迅速な応答速度のような高品位特性により、次世代表示装置として注目されている。
【0003】
該有機発光表示装置は、ディスプレイ領域に有機発光素子を具備するディスプレイ装置であり、該有機発光素子は、相互対向された画素電極及び対向電極と、画素電極と対向電極との間に介在され、発光層を含む中間層と、を具備する。
【0004】
そのような有機発光ディスプレイ装置を製造するとき、各画素領域ごとに互いに異なる色の光が放出され、各画素の発光層、及び複数の画素において、一体に形成される相対電極は、蒸着マスクを利用しても形成される。該有機発光表示装置がだんだんと高解像度化されるにつれ、蒸着工程時に使用されるマスクのオープンスリット(open slit)の幅がだんだんと細くなり、その散布も、だんだんとさらに低減されることが要求されている。また、高解像度有機発光表示装置を製作するためには、シャドー現象(shadow effect)を減らしたりなくしたりすることが必要である。それにより、犠牲層をパターニングし、マスクとして使用する蒸着工程に係わる研究が進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、有機発光素子の不良発生率を低下させることができる有機発光表示装置及びその製造方法を提供することである。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されるものではなく、言及されていない他の課題は、本発明の記載から、当該分野で当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、表示領域内部に、複数の画素領域及び非画素領域を具備した基板と、前記複数の画素領域それぞれに対応する複数の画素電極と、前記複数の画素電極のエッジを覆うカバー部、及び前記複数の画素電極の中央部を露出させる開口を含む画素定義膜と、前記カバー部上面の少なくとも一部に対応するように配置された補助電極と、前記開口内に配置された中間層及び相対電極と、を含み、前記補助電極は、前記相対電極と連結され、前記カバー部上面の少なくとも一部は、前記補助電極に対して入り込んでいるアンダーカット(under-cut)構造を具備する有機発光表示装置を開示する。
【0008】
一実施形態において、前記中間層は、発光層、前記発光層下部に配置された下部機能層、及び前記発光層上部に配置された上部機能層を含み、前記中間層の少なくとも一部は、前記補助電極の上部に配置され、前記補助電極上部に配置された下部機能層は、前記開口内に配置された下部機能層と離隔されてもよい。
【0009】
一実施形態において、前記下部機能層は、ホール注入層及びホール輸送層のうち少なくとも1層を含んでもよい。
【0010】
一実施形態において、前記中間層は、有機発光層、前記有機発光層下部に配置された下部機能層、及び前記有機発光層上部に配置された上部機能層を含み、前記補助電極の厚みは、前記下部機能層の厚みより厚くてもよい。
【0011】
一実施形態において、前記補助電極は、前記画素定義膜の開口に対応する貫通ホールを具備するメッシュ構造にも具備されてもよい。
【0012】
一実施形態において、前記相対電極の幅は、前記中間層の幅より広くてもよい。
【0013】
一実施形態において、前記相対電極の端部は、前記補助電極に向けて延長され、前記補助電極と接触してもよい。
【0014】
一実施形態において、前記補助電極は、Mo、Tiのうち少なくとも一つを含み、前記相対電極は、Yb/Ag:Mg/ITOによっても構成されてもよい。
【0015】
一実施形態において、前記基板上には、前記複数の画素電極と電気的に連結された複数の薄膜トランジスタが具備されてもよい。
【0016】
一実施形態において、前記表示領域に配置され、少なくとも1層の無機膜と、少なくとも1層の有機膜とを含む薄膜封止層をさらに含んでもよい。
【0017】
本発明の他の実施形態は、複数の画素電極が形成された基板を準備する段階と、前記複数の画素電極のうち隣接した画素電極のエッジを覆うカバー部、及び前記複数の画素電極の中央部を露出させる開口が定義された画素定義膜を形成する段階と、前記カバー部の上面の少なくとも一部に対応するように補助電極を形成する段階と、前記カバー部の側面をエッチングし、前記カバー部上面の少なくとも一部が、前記補助電極に対して入り込んでいるアンダーカット(under-cut)構造を形成する段階と、前記複数の画素電極のうち第1画素電極を露出させるように第1マスキング層を形成した後、前記第1画素電極上に、第1中間層及び第1相対電極を形成する段階と、を含む有機発光表示装置の製造方法を開示する。
【0018】
一実施形態において、前記補助電極を形成する段階、及び前記アンダーカット構造を形成する段階は、同一フォトレジストパターンを利用しても遂行されてもよい。
【0019】
一実施形態において、前記画素定義膜は、有機物質を含み、前記カバー部の側面をエッチングする段階は、酸素プラズマを利用した乾式エッチングによっても遂行されてもよい。
【0020】
一実施形態において、前記画素定義膜は、無機物質を含み、前記カバー部の側面をエッチングする段階は、SF6ガスを利用した乾式エッチングによっても遂行されてもよい。
【0021】
一実施形態において、第1中間層は、発光層、前記発光層下部に配置された下部機能層、及び前記発光層上部に配置された上部機能層を含み、前記補助電極の厚みは、前記下部機能層の厚みより厚くてもよい。
【0022】
一実施形態において、前記第1中間層は、発光層、前記発光層下部に配置された下部機能層、及び前記発光層上部に配置された上部機能層を含み、前記第1中間層の少なくとも一部は、前記補助電極の上部に配置され、前記補助電極上部に配置された下部機能層は、前記開口内に配置された下部機能層と離隔されもする。
一実施形態において、前記下部機能層は、ホール注入層及びホール輸送層のうち少なくとも1層を含んでもよい。
【0023】
一実施形態において、前記第1相対電極の端部は、前記補助電極に向けて延長され、前記補助電極と接触してもよい。
【0024】
一実施形態において、前記第1マスキング層をリフトオフ工程を介して除去し、前記複数の画素電極のうち第2画素電極を露出させるように、第2マスキング層を形成した後、前記第2画素電極上に、第2中間層及び第2相対電極を形成する段階と、前記第2マスキング層をリフトオフ工程を介して除去し、前記複数の画素電極のうち第3画素電極を露出させるように、第3マスキング層を形成した後、前記第3画素電極上に、第3中間層及び第3相対電極を形成する段階と、をさらに含んでもよい。
【0025】
一実施形態において、前記基板上には、前記複数の画素電極と電気的に連結された複数の薄膜トランジスタが形成されてもよい。
【0026】
前述のところ以外の他の側面、特徴、利点は、以下の図面、特許請求の範囲、及び発明の詳細な説明から明確になるであろう。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、当該有機発光表示装置は、画素定義膜の上部が補助電極に対してアンダーカット構造を具備しており、相対電極と画素電極との間に、リーク電流形成を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施形態による有機発光表示装置を概略的に示した平面図である。
【
図2A】本発明の実施形態による画素の等価回路図である。
【
図2B】本発明の実施形態による画素の等価回路図である。
【
図3】本発明の一実施形態による有機発光表示装置の一例を概略的に図示した断面図である。
【
図5】
図3のディスプレイ装置を上方向から見た平面図である。
【
図7A】本発明の実施形態によるディスプレイ装置の回路素子層の断面図である。
【
図7B】本発明の実施形態によるディスプレイ装置の回路素子層の断面図である。
【
図8】
図3の有機発光表示装置の製造方法の一例を概略的に図示した断面図である。
【
図9】
図3の有機発光表示装置の製造方法の一例を概略的に図示した断面図である。
【
図10】
図3の有機発光表示装置の製造方法の一例を概略的に図示した断面図である。
【
図11】
図3の有機発光表示装置の製造方法の一例を概略的に図示した断面図である。
【
図12】
図3の有機発光表示装置の製造方法の一例を概略的に図示した断面図である。
【
図13】
図3の有機発光表示装置の製造方法の一例を概略的に図示した断面図である。
【
図14】
図3の有機発光表示装置の製造方法の一例を概略的に図示した断面図である。
【
図15】
図3の有機発光表示装置の製造方法の一例を概略的に図示した断面図である。
【
図16】
図3の有機発光表示装置の製造方法の一例を概略的に図示した断面図である。
【
図17】
図3の有機発光表示装置の製造方法の一例を概略的に図示した断面図である。
【
図18】本発明の他の実施形態による有機発光表示装置の一例を概略的に図示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、多様な変換を加えることができ、さまざまな実施形態を有することができるが、特定実施形態を図面に例示し、詳細な説明によって詳細に説明する。本発明の効果、特徴、及びそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に説明する実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、多様な形態にも具現されるのである。
【0030】
以下の実施形態において、第1、第2のような用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的に使用された。
【0031】
以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0032】
以下の実施形態において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在するということを意味するものであり、1以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性をあらかじめ排除するものではない。
【0033】
以下の実施形態において、膜、領域、構成要素などの部分が、他の部分の上または上部にあるとするとき、他の部分の真上にある場合だけではなく、その中間に、他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。
【0034】
図面においては、説明の便宜のために、構成要素がその大きさが誇張されていたり縮小されていたりする。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚みは、説明の便宜のために任意に示されており、本発明は、必ずしも図示されたところに限定されるものではない。
【0035】
ある実施形態が異なって具現可能な場合、特定の工程順序は、説明される順序と異なるように遂行されもする。例えば、連続して説明される2つの工程が実質的に同時に遂行されもするし、説明される順序と反対の順序にも進められる。
【0036】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明するが、図面を参照して説明するとき、同一であるか、あるいは対応する構成要素は、同一図面符号を付す。
【0037】
図1は、本発明の一実施形態による有機発光表示装置を概略的に示した平面図である。
【0038】
図1を参照すれば、有機発光表示装置1は、表示領域DA、及び非表示領域である周辺領域PAを含む。表示領域DAには、有機発光素子(OLED:organic light-emitting device)を具備した画素Pが配置され、所定のイメージを提供する。周辺領域PAは、イメージを提供しない領域であり、表示領域DAの画素Pに印加する電気的信号を提供するスキャンドライバ及びデータドライバ、並びに駆動電圧及び共通電圧のような電源を提供する電源線を含む。
【0039】
図2A及び
図2Bは、本発明の実施形態による画素の等価回路図である。
【0040】
図2Aを参照すれば、各画素Pは、スキャン線SL及びデータ線DLに連結された画素回路PC、並びに画素回路PCに連結された有機発光素子OLEDを含む。
【0041】
画素回路PCは、駆動薄膜トランジスタT1、スイッチング薄膜トランジスタT2及びストレージキャパシタCstを含む。スイッチング薄膜トランジスタT2は、スキャン線SL及びデータ線DLに連結され、スキャン線SLを介して入力されるスキャン信号Snにより、データ線DLを介して入力されたデータ信号Dmを駆動薄膜トランジスタT1に伝達する。
【0042】
ストレージキャパシタCstは、スイッチング薄膜トランジスタT2及び駆動電圧線PLに連結され、スイッチング薄膜トランジスタT2から伝達された電圧と、駆動電圧線PLに供給される駆動電圧ELVDDとの差に該当する電圧を保存する。
【0043】
駆動薄膜トランジスタT1は、駆動電圧線PLとストレージキャパシタCstとに連結され、ストレージキャパシタCstに保存された電圧値に対応し、駆動電圧線PLから有機発光素子OLEDを流れる駆動電流を制御することができる。有機発光素子OLEDは、駆動電流により、所定の輝度を有する光を放出することができる。
【0044】
図2Aでは、画素Pが2個の薄膜トランジスタ、及び1個のストレージ薄膜トランジスタを含む場合について説明したが、本発明は、それに限定されるものではない。
【0045】
図2Bを参照すれば、画素回路PCは、駆動数膜トランジスタT1及びスイッチング薄膜トランジスタT2、補償薄膜トランジスタT3、第1初期化薄膜トランジスタT4、第1発光制御薄膜トランジスタT5、第2発光制御薄膜トランジスタT6、並びに第2初期化薄膜トランジスタT7を含んでもよい。
【0046】
駆動薄膜トランジスタT1のドレイン電極は、第2発光制御薄膜トランジスタT6を経由して有機発光素子OLEDと電気的に連結される。駆動薄膜トランジスタT1は、スイッチング薄膜トランジスタT2のスイッチング動作により、データ信号Dmを伝達され、有機発光素子OLEDに駆動電流を供給する。
【0047】
スイッチング薄膜トランジスタT2のゲート電極は、第1スキャン線SLと連結され、ソース電極は、データ線DLと連結される。スイッチング薄膜トランジスタT2のドレイン電極は、駆動薄膜トランジスタT1のソース電極と連結されており、第1発光制御薄膜トランジスタT5を経由して駆動電圧線PLとも連結される。
【0048】
スイッチング薄膜トランジスタT2は、第1スキャン線SLnを介して伝達された第1スキャン信号Snによってターンオンされ、データ線DLから伝達されたデータ信号Dmを、駆動薄膜トランジスタT1のソース電極に伝達するスイッチング動作を遂行する。
【0049】
補償薄膜トランジスタT3のゲート電極は、第1スキャン線SLnにも連結される。補償薄膜トランジスタT3のソース電極は、駆動薄膜トランジスタT1のドレイン電極と連結されており、第2発光制御薄膜トランジスタT6を経由し、有機発光素子OLEDの画素電極とも連結される。補償薄膜トランジスタT3のドレイン電極は、ストレージキャパシタCstのいずれか1つの電極、第1初期化薄膜トランジスタT4のソース電極、及び駆動薄膜トランジスタT1のゲート電極と共にも連結される。補償薄膜トランジスタT3は、第1スキャン線SLnを介して伝達された第1スキャン信号Snによってターンオンされ、駆動薄膜トランジスタT1のゲート電極とドレイン電極とを互いに連結し、駆動薄膜トランジスタT1をダイオード連結(diode-connection)させる。
【0050】
第1初期化薄膜トランジスタT4のゲート電極は、第2スキャン線SLn-1とも連結される。第1初期化薄膜トランジスタT4のドレイン電極は、初期化電圧線VLとも連結される。第1初期化薄膜トランジスタT4のソース電極は、ストレージキャパシタCstのいずれか1つの電極、補償薄膜トランジスタT3のドレイン電極、及び駆動薄膜トランジスタT1のゲート電極と共にも連結される。第1初期化薄膜トランジスタT4は、第2スキャン線SLn-1を介して伝達された第2スキャン信号Sn-1によってターンオンされ、初期化電圧VINTを駆動薄膜トランジスタT1のゲート電極に伝達し、駆動薄膜トランジスタT1のゲート電極の電圧を初期化させる初期化動作を遂行することができる。
【0051】
第1発光制御薄膜トランジスタT5のゲート電極は、発光制御線ELとも連結される。第1発光制御薄膜トランジスタT5のソース電極は、駆動電圧線PLとも連結される。第1発光制御薄膜トランジスタT5のドレイン電極は、駆動薄膜トランジスタT1のソース電極、及びスイッチング薄膜トランジスタT2のドレイン電極と連結されている。
【0052】
第2発光制御薄膜トランジスタT6のゲート電極は、発光制御線ELとも連結される。第2発光制御薄膜トランジスタT6のソース電極は、駆動薄膜トランジスタT1のドレイン電極、及び補償薄膜トランジスタT3のソース電極とも連結される。第2発光制御薄膜トランジスタT6のドレイン電極は、有機発光素子OLEDの画素電極と電気的に連結される。第1発光制御薄膜トランジスタT5及び第2発光制御薄膜トランジスタT6は、発光制御線ELを介して伝達された発光制御信号Enによって同時にターンオンされ、駆動電圧ELVDDが有機発光素子OLEDに伝達され、有機発光素子OLEDに駆動電流が流れる。
【0053】
第2初期化薄膜トランジスタT7のゲート電極は、第3スキャン線SLn+1にも連結される。第2初期化薄膜トランジスタT7のソース電極は、有機発光素子OLEDの画素電極とも連結される。第2初期化薄膜トランジスタT7のドレイン電極は、初期化電圧線VLとも連結される。第2初期化薄膜トランジスタT7は、第3スキャン線SLn+1を介して伝達された第3スキャン信号Sn+1によってターンオンされ、有機発光素子OLEDの画素電極を初期化させることができる。
【0054】
ストレージキャパシタCstの他の1つの電極は、駆動電圧線PLとも連結される。ストレージキャパシタCstのいずれか1つの電極は、駆動薄膜トランジスタT1のゲート電極、補償薄膜トランジスタT3のドレイン電極、及び第1初期化薄膜トランジスタT4のソース電極に共にも連結される。
【0055】
有機発光素子OLEDの相対電極は、共通電源電圧ELVSSを提供される。有機発光素子OLEDは、駆動薄膜トランジスタT1から駆動電流を伝達されて発光する。
【0056】
画素回路PCは、
図2A及び
図2Bを参照して説明した薄膜トランジスタ及びストレージキャパシタの個数、並びに回路デザインに限定されるものではなく、その個数及び回路デザインは、多様に変更可能である。
【0057】
図3は、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の断面図であり、
図4は、
図3のI部分の拡大断面図である。
【0058】
図3を参照すれば、表示領域DAは、画素、例えば、第1画素P1、第2画素P2及び第3画素P3が配置される第1画素領域PA1、第2画素領域PA2及び第3画素領域PA3を含み、隣接する画素領域間の非画素領域NPAを含む。本明細書において、画素領域というのは、実際光が放出される領域、すなわち、発光領域に対応する。
【0059】
第1画素P1、第2画素P2及び第3画素P3は、互いに異なる色相を具現することができる。例えば、第1画素P1は、赤色を具現し、第2画素P2は、緑色を具現し、第3画素P3は、青色を具現することができる。他の実施形態において、表示領域DAは、白色を具現する第4画素(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0060】
基板100は、ガラス材、またはポリエチレンテレフタレート(PET)・ポリエチレンナフタレート(PEN)・ポリイミドのようなプラスチック材のような多様な材料を含んでもよい。基板100がプラスチック材によって形成された場合には、ガラス材によって形成された場合より、可撓性を向上させることができる。
【0061】
基板100上には、画素回路PCを含む回路素子層110が具備される。画素回路PCは、先に、
図2A及び
図2Bを参照して説明したような薄膜トランジスタ及びストレージキャパシタを含む。薄膜トランジスタ及びストレージキャパシタをなす層、例えば、半導体層及び電極層は、絶縁層を挟んでも配置される。画素回路PCは、第1画素P1、第2画素P2及び第3画素P3ごとに配置される。
【0062】
第1画素P1、第2画素P2及び第3画素P3のそれぞれは、画素回路PCに電気的に連結された第1有機発光素子OLED1、第2有機発光素子OLED2及び第3有機発光素子OLED3を含む。第1有機発光素子OLED1、第2有機発光素子OLED2及び第3有機発光素子OLED3は、それぞれ、画素電極、発光層を含む中間層、及び相対電極を含む。
【0063】
第1有機発光素子OLED1は、第1画素電極211、第1中間層221及び第1相対電極231を含む。第2有機発光素子OLED2は、第2画素電極212、第2中間層222及び第2相対電極232を含む。第3有機発光素子OLED3は、第3画素電極213、第3中間層223及び第3相対電極233を含む。
【0064】
第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の端部は、それぞれ画素定義膜120で覆われており、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の中央部は、画素定義膜120の開口OP1を介して露出され、開口OP1を介して、第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223と接触する。
【0065】
すなわち、画素定義膜120は、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の端部を覆うカバー部120c、並びに第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の中央部を露出させる開口OP1を含む。
【0066】
画素定義膜120により、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213が露出された領域には、それぞれ発光層を含む第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223が配置され、前記第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223の上部には、それぞれ第1相対電極231、第2相対電極232及び第3相対電極233が配置され、該画素電極と該相対電極との間の中間層で光が発生するが、前記画素定義膜120によって画素領域が定義されると言える。
【0067】
画素定義膜120は、有機物または無機物によって具備されてもよい。画素定義膜120が有機物によって具備される場合、画素定義膜120は、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂層、ベンゾシクロブテン及びフェノール樹脂層からなる群のうちから選択される1以上の有機絶縁物質によって具備されてもよい。画素定義膜120が無機物によって具備される場合、画素定義膜120は、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)及び/または酸窒化ケイ素(SiON)を含んだ単一層または多層によっても形成される。
【0068】
画素定義膜120のカバー部120c上には、補助電極130が配置される。言い換えれば、補助電極130は、複数の画素領域PA1,PA2,PA3間の非画素領域NPAに対応して配置される。補助電極130は、共通電源線と連結され、共通電圧ELVSSを各画素P1,P2,P3に伝達する役割を行うことができる。
【0069】
補助電極130は、導電性物質、例えば、金属または透明導電性酸化物(TCO:transparent conductive oxide)などを含み、単一層または多層でもある。一部実施形態において、補助電極130は、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)のような金属を含んでもよい。
【0070】
本実施形態において、補助電極130が配置された画素定義膜120の上部は、補助電極130に対して入り込んでいるアンダーカット(under-cut)構造を具備する。すなわち、画素定義膜120のカバー部120c上面の少なくとも一部は、補助電極130に対してアンダーカット構造を具備する。そのような構造は、有機発光素子OLED1、有機発光素子OLED2、および有機発光素子OLED3の不良を最小化させるためのものであり、それについては、後述する。
【0071】
第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、第1画素領域PA1、第2画素領域PA2及び第3画素領域PA3にそれぞれ対応するように配置されたアイランド型であり、回路素子層110上に相互離隔されるように配置される。
【0072】
第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、反射電極あるいは透光性電極でもある。
【0073】
反射電極である場合、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、またはそれらの化合物などによって形成された反射漠を含んでもよい。または、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、前述の反射漠、及び前述の反射漠の上または/及び下の透明導電性酸化物(TCO)膜を含んでもよい。一実施形態において、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、ITO/Ag/ITOの3層でもある。
【0074】
透光性電極である場合、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、透明導電性酸化物(TCO)層でもある。または、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、銀(Ag)、または銀(Ag)合金を含む金属薄膜であるか、あるいは前述の金属薄膜上に形成された透明導電性酸化物層の多層でもある。
【0075】
第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223は、第1画素領域PA1、第2画素領域PA2及び第3画素領域PA3にそれぞれ対応するように配置されたアイランド型であり、相互離隔されるように配置される。第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223は、画素定義膜120の開口OP1を介して、それぞれ第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の上に配置される。一方、第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223の少なくとも一部は、画素定義膜120の開口OP1の側面に沿って延長され、補助電極130の上部にも配置される。
【0076】
図3及び
図4を参照すれば、第1中間層221は、発光層221bを含む。発光層221bは、例えば、赤色光を放出する有機発光層でもある。第1中間層221は、発光層221bの下部に配置された下部機能層221a、及び/または発光層221bの上部に配置された上部機能層221cをさらに含んでもよい。下部機能層221aは、ホール注入層(HIL:hole injection layer)及び/またはホール輸送層(HTL:hole transport layer)を含んでもよい。上部機能層221cは、電子輸送層(ETL:electron transport layer)及び/または電子注入層(EIL:electron injection layer)を含んでもよい。そのような下部機能層221a及び/または上部機能層221cは、発光層のエネルギー準位を画素電極または相対電極に合わせ、発光層で効率的な発光が発生するように一助となる役割を行うことができる。
【0077】
該発光層は、公知された多様な発光物質を利用して形成することができるが、公知のホスト及びドーパントを利用して形成することができる。前記ドーパントの場合、公知の蛍光ドーパント、及び公知のリン光ドーパントをいずれも使用することができる。
【0078】
例えば、該ホストとしては、Alq3C CBP(4,4’-N,N’-ジカルバゾール-ビフェニル)、9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)アントラセン(ADN)またはジスチリルアリーレン(DSA)などを使用することができるが、それらに限定されるものではない。
【0079】
該ホール注入層物質としては、公知のホール注入材料を使用することができるが、例えば、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、m-MTDATA[4,4’,4”-tris(3-methylphenylphenylamino)triphenylamine]、NPB(N,N'-di(1-naphthyl)-N,N'-diphenylbenzidine))、TDATA、2-TNATA、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)またはポリアニリン/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PANI/PSS)などを使用することができるが、それらに限定されるものではない。
【0080】
該ホール輸送層物質は、公知のホール輸送層物質を利用することができるが、例えば、N-フェニルカルバゾール・ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体;NPB、N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(TPD)、N,N’-ジ(ナフタレン-1-イル)-N,N’-ジフェニルベンジジン(α-NPD)などの芳香族縮合環を有するアミン誘導体、4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)などを使用することができる。そのうち、例えば、TCTAの場合、ホール輸送の役割以外にも、発光層から励起子が拡散することを防止する役割も遂行することができる。
【0081】
該電子輸送層物質は、公知の電子輸送層形成材料のうちから任意に選択される。例えば、その例としては、キノリン誘導体、特に、トリス(8-キノリノレート)アルミニウム(Alq3、TAZ、Balqのような公知の材料を使用することもできるが、それらに限定されるものではない。
【0082】
該電子注入層物質としては、LiF、NaClC CsF、Li2O、BaOのような電子注入層形成材料であり、公知の任意の物質を利用することができる。
下部機能層221a及び上部機能層221cは、それぞれ単層構造または多層構造に形成され、下部機能層221a及び/または上部機能層221cは、省略されもする。
【0083】
一方、
図4においては、補助電極130上部に配置された下部機能層221a、発光層221b及び上部機能層221cの側面が、一定角度を有して順テーパ形状に配置されるように図示されているが、本発明は、それに限定されるものではない。例えば、上部機能層221cは、発光層221bの側面、または下部機能層221aの側面に沿って下降するように蒸着されもする。または、発光層221bは、下部機能層221aの側面に沿って下降するようにも蒸着されるというように、多様な変形が可能である。
【0084】
前述のように、補助電極130が配置された画素定義膜120の上部は、補助電極130に対して入り込んでいるアンダーカット構造を具備する。そのような構造により、発光層221b下部に配置された下部機能層221a及び発光層221bの一部は、補助電極130上部に配置される領域と、開口OP1内部に配置される領域とが分離されて形成されてもよい。
【0085】
もし補助電極130と画素定義膜120とがアンダーカット構造を具備しないのであれば、下部機能層221aは、開口OP1内部において、補助電極130上部まで連結されて具備される。その場合、相対電極231が下部機能層221aと連結され、相対電極を介して注入された電子が下部機能層221aに沿って画素電極211に流れ、lateral leakageを誘発してしまう。
【0086】
しかし、本実施形態としては、補助電極130に対して画素定義膜120がアンダーカット構造を具備しており、補助電極130上部に配置された下部機能層221aと、開口OP1内部に配置された下部機能層221aとが分離、離隔して配置されており、lateral leakageが生じない。
【0087】
本実施形態において、補助電極130の厚みt1は、下部機能層221aの厚みt2に比べ、厚く形成されてもよい(t1>t2)。補助電極130の厚みt1が下部機能層221aの厚みt2に比べて厚く形成されることにより、補助電極130上部に配置された下部機能層221aと、開口OP1内部に配置された下部機能層221aとが蒸着によって連結されない条件を確保することができる。本実施形態において、画素定義膜120のカバー部120cが補助電極130の端部に入り込んでいる距離dは、下部機能層221aの厚みt2に比べて厚く具備されてもよい。それにより、補助電極130上部に配置された下部機能層221aと、開口OP1内部に配置された下部機能層221aとが蒸着によって連結されない条件を確保することができる。
【0088】
一方、本実施形態において、発光層221b及び/または上部機能層221cの少なくとも一部も、補助電極130上部に配置された領域と、開口OP1内に配置された領域とが互いに分離されるように形成されてもよい。それは、補助電極130の厚み、及びカバー部120cが補助電極130端部から入り込んでいる程度により、多様に変形されもする。
【0089】
再び
図3を参照すれば、第2中間層222は、緑色光を放出する有機発光層である発光層を含むことができ、第3中間層223は、青色光を放出する有機発光層である発光層を含んでもよい。第2中間層222及び第3中間層223は、発光層の下部に配置された下部機能層、及び/または発光層の上部に配置された上部機能層をさらに含んでもよい。該下部機能層は、ホール注入層及び/またはホール輸送層でもあり、該上部機能層は、電子輸送層及び/または電子注入層でもある。第2中間層222及び第3中間層223の場合にも、補助電極130上部に配置された下部機能層と、開口OP1内部に配置された下部機能層は、互いに分離されるようにも配置され、補助電極130の厚みは、下部機能層の厚みより厚く形成されてもよい。
【0090】
第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223の厚みは、互いに異なってもよい。第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223は、後述する工程を介して、互いに独立的に/個別的にパターニングされるので、第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223の機能層の物質、厚みなどは互いに異なってもよい。
【0091】
第1相対電極231、第2相対電極232及び第3相対電極233は、第1画素領域PA1、第2画素領域PA2及び第3画素領域PA3にそれぞれ対応するように配置されたアイランド型であり、相互離隔されるように配置される。第1相対電極231、第2相対電極232及び第3相対電極233は、それぞれ第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223の上に配置される。
【0092】
第1相対電極231、第2相対電極232及び第3相対電極233それぞれの幅w21,w22,w23は、第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223それぞれの幅w11,w12,w13より広くなってもよい。第1相対電極231、第2相対電極232及び第3相対電極233それぞれの端部は、第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223それぞれより、補助電極130に向けてさらに延長され、配線層130と接触する。
【0093】
第1相対電極231、第2相対電極232及び第3相対電極233は、透光性電極または反射電極でもある。第1相対電極231、第2相対電極232及び第3相対電極233は、Ag、Mg、Al、Yb、Ca、Li及びAuのうち少なくともいずれか1以上の物質を含んでもよい。例えば、第1相対電極231、第2相対電極232及び第3相対電極233は、Ag、Mg、Al、Yb、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Auのうち少なくともいずれか一つを含む単層または多層でもある。一部実施形態において、第1相対電極231、第2相対電極232及び第3相対電極233は、透明導電性酸化物(TCO)膜を含んでもよい。一実施形態において、第1相対電極231、第2相対電極232及び第3相対電極233は、Ag及びMgを含む金属薄膜を含み、AgがMgよりさらに多く含有されもする。他の実施形態において、第1相対電極231、第2相対電極232及び第3相対電極233は、Yb/Ag:Mg/ITOの多層構造によっても具備される。
【0094】
本発明の非制限的な実施形態において、前述の物質を含む第1相対電極231、第2相対電極232及び第3相対電極233は、厚みを薄くし、光透過性電極として形成するか、あるいは厚みを厚くし、反射電極としても形成することができる。例えば、Ag及びMgを含む金属を、約1nmないし1.5nmの厚みに形成し、光透過性を有する電極として使用するか、あるいは厚みを約50nm以上の厚みに形成し、反射電極として使用することができる。
【0095】
第1相対電極231、第2相対電極232及び第3相対電極233は、それぞれ製造工程において、第1相対電極231、第2相対電極232及び第3相対電極233、並びにその下の層が損傷されることを防止するパッシベーション層(図示せず)で覆われもする。該パッシベーション層は、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)及び/または酸窒化ケイ素(SiON)のような無機絶縁物を含み、単一層または多層によっても形成される。
【0096】
相互離隔されたアイランド型の第1相対電極231、第2相対電極232及び第3相対電極233は、補助電極130を介して互いに電気的に連結され、共通電源線と連結され、共通電圧ELVSSを提供されもする。
【0097】
図5は、
図3の有機発光表示装置を上方向から見た平面図であり、
図6は、
図5の変形例である。
図5及び
図6は、説明の便宜のために、
図3の有機発光表示装置のうち、画素定義膜、補助電極、並びに第1相対電極、第2相対電極及び第3相対電極のみを抜粋して図示する。
【0098】
図5を参照すれば、一部実施形態において、補助電極130は、画素定義膜120の開口OP1に対応する貫通ホールh1を具備し、画素定義膜120のカバー部120cを覆うようにも配置される。すなわち、補助電極130は、複数の貫通ホールh1を有するメッシュ状にも配置される。
【0099】
補助電極130は、非画素領域NPAの画素定義膜120上に配置されるが、第1画素領域PA1、第2画素領域PA2及び第3画素領域PA3それぞれに配置された第1相対電極231、第2相対電極232及び第3相対電極233と一部重畳しながら直接接触することができる。
【0100】
図6を参照すれば、他の実施形態において、補助電極130は、非画素領域NPA上において、ストライプ形態を有するようにも配置される。ストライプ状の補助電極130は、非画素領域NPAの画素定義膜120上にも配置される。各補助電極130は、第1画素領域PA1、第2画素領域PA2及び第3画素領域PA3それぞれに配置された第1相対電極231、第2相対電極232及び第3相対電極233と一部重畳しながら直接接触することができる。
【0101】
補助電極130は、非画素領域NPAにおいて、画素定義膜120上に配置され、第1相対電極231、第2相対電極232及び第3相対電極233と一部重畳しながら直接接触すればよく、補助電極130のパターンは、
図5及び
図6に図示されているように、メッシュ状またはストライプ状以外に、多様な形態にもパターニングされる。
【0102】
図7A及び
図7Bは、本発明の実施形態による有機発光表示装置の回路素子層の断面図である。
【0103】
図7Aを参照すれば、駆動薄膜トランジスタT1は、駆動半導体層A1、駆動ゲート電極G1、駆動ソース電極S1及び駆動ドレイン電極D1)を含み、スイッチング薄膜トランジスタT2は、スイッチング半導体層A2、スイッチングゲート電極G2、スイッチングソース電極S2及びスイッチングドレイン電極D2を含み、ストレージキャパシタCstは、第1ストレージ蓄電板CE1及び第2ストレージ蓄電板CE2を含んでもよい。
【0104】
駆動半導体層A1及びスイッチング半導体層A2と駆動ゲート電極G1及びスイッチングゲート電極G2との間には、ゲート絶縁層103が介在され、第1ストレージ蓄電板CE1及び第2ストレージ蓄電板CE2の間には、誘電体層105が介在され、駆動ゲート電極G1及びスイッチングゲート電極G2と駆動ソース/ドレイン電極S1,D1及びスイッチングソース/ドレイン電極S2,D2との間には、層間絶縁層107が介在され、駆動ソース/ドレイン電極S1,D1及びスイッチングソース/ドレイン電極S2,D2の上には、平坦化絶縁層109が配置される。
【0105】
ゲート絶縁層103は、窒化ケイ素(SiNx)及び/または酸化ケイ素(SiOx)のような無機物を含む単層または多層でもある。誘電体層105及び層間絶縁層107は、前述の酸化ケイ素、窒化ケイ素及び/または酸化アルミニウム(Al2O3)のような無機物を含む多層または多層でもある。平坦化絶縁層109は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリスチレン(PS)のような一般汎用高分子、フェノール系基を有する高分子誘導体、アクリル系高分子、イミド系高分子、アリールエーテル系高分子、アミド系高分子、フッ素系高分子、p-キシレン系高分子、ビニルアルコール系高分子、及びそれらのブレンドなどを含む有機物を含んでもよいが、本発明は、それらに限定されるものではない。
図7Aには、ストレージキャパシタCstが、駆動数膜トランジスタT1及びスイッチング薄膜トランジスタT2と重畳するように配置され、駆動ゲート電極G1が第1ストレージ蓄電板CE1である場合を図示しているが、本発明は、それに限定されるものではない。
【0106】
図7Bを参照すれば、ストレージキャパシタCstは、駆動薄膜トランジスタT1と重畳されないようにも配置される。例えば、第1ストレージ蓄電板CE1と駆動ゲート電極G1とが同一物質を含み、第2ストレージ蓄電板CE2は、駆動ソース電極S1及び駆動ドレイン電極D1と同一物質を含み、第1ストレージ蓄電板CE1及び第2ストレージ蓄電板CE2の間には、層間絶縁層107が介在される。
【0107】
図7A及び
図7Bを参照して説明した実施形態によれば、駆動数膜トランジスタT1及びスイッチング薄膜トランジスタT2の駆動ゲート電極G1及びスイッチングゲート電極G2が、駆動半導体層A1及びスイッチング半導体層A2の上に配置される場合について説明したが、本発明は、それに限定されるものではない。他の実施形態として、駆動ゲート電極G1及びスイッチングゲート電極G2は、それぞれ駆動半導体層A1及びスイッチング半導体層A2の下にも配置される。駆動ゲート電極G1及びスイッチングゲート電極G2の位置により、一部実施形態においては、駆動半導体層A1及びスイッチング半導体層A2が無機バッファ層101の真上にも配置され、他の実施形態においては、駆動ゲート電極G1及びスイッチングゲート電極G2が無機バッファ層101の真上にも配置される。
【0108】
図8ないし
図17は、本発明の一実施形態による有機発光表示装置の製造工程による断面図である。
【0109】
図8を参照すれば、基板100上に、画素回路PCを含む回路素子層110を形成し、回路素子層110上に、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213を形成する。第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、第1画素領域PA1、第2画素領域PA2及び第3画素領域PA3にそれぞれ対応するように形成される。例えば、回路素子層110上に、予備画素電極層(図示せず)を形成した後、それをパターニングし、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213を形成することができる。基板100の物質、並びに第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の物質は、先に
図3を参照して説明したので、重複説明は、省略する。
【0110】
その後、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の上に絶縁物質層(図示せず)を形成した後、それをパターニングし、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213それぞれを露出させる開口OP1を有する画素定義膜120を形成する。
【0111】
画素定義膜120は、有機物または無機物によって具備されてもよい。画素定義膜120が有機物によって具備される場合、画素定義膜120は、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂層、ベンゾシクロブテン及びフェノール樹脂層からなる群のうちから選択される1以上の有機絶縁物質によって具備されてもよい。画素定義膜120が無機物によって具備される場合、画素定義膜120は、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)及び/または酸窒化ケイ素(SiON)を含んだ単一層または多層によっても形成される。
【0112】
図9を参照すれば、非画素領域NPAまたは画素定義膜120のカバー部120c上部に、補助電極130を形成する。補助電極130は、導電性物質、例えば、金属または透明導電性酸化物(TCO)などを含み、単一層または多層でもある。一部実施形態において、補助電極130は、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)のような金属を含んでもよい。
【0113】
補助電極130は、導電物質層(図示せず)を基板100全面に形成した後、その上部にフォトレジストパターン(PR)を形成した後、エッチング工程を遂行することによっても形成される。エッチング工程は、湿式エッチング、乾式エッチング、またはそれらの組み合わせによっても形成される。一部実施形態において、補助電極130は、精密なパターニングのために、乾式エッチング工程によっても形成される。その場合、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213が損傷されることを防止するように、補助電極130をなす導電性物質は、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の物質とエッチング選択比が異なる物質を含むことが望ましい。
【0114】
図10を参照すれば、補助電極130に対応する画素定義膜120の上部が、補助電極130に対してアンダーカット構造を有するように、開口OP1の側面をエッチングする。
【0115】
前記アンダーカット構造のためのエッチングは、乾式エッチングによっても遂行される。その場合、補助電極130を形成するためのフォトレジストパターンPRを除去しないことにより、補助電極130の形状を維持させ、画素定義膜120の開口OP1の側面が補助電極130端の内側までエッチングされる。前記乾式エッチングのためのガスは、酸素プラズマ、SF6、CHFx、Cl系ガスを利用することができる。例えば、画素定義膜120が有機物質である場合、乾式エッチングは、酸素プラズマを利用しても行われる。画素定義膜130が無機物質である場合、乾式エッチングは、SF6を利用しても行われる。
【0116】
補助電極130の形成、及び画素定義膜120のアンダーカット構造の形成は、同一フォトレジストパターンを利用し、同一チャンバ内部でエッチング条件のみを変更し、順次に行われる。
【0117】
次に、
図11を参照すれば、画素定義膜120のアンダーカット構造を形成した後、フォトレジストパターンPRを除去する。
【0118】
図12を参照すれば、第1画素領域PA1に対応する部分が開放された第1マスキング層1010を形成する。第1マスキング層1010は、第1感光パターン層1210及び第1感光パターン層1210と、画素定義膜120との間の第1補助層1110を含んでもよい。
【0119】
一部実施形態において、第1マスキング層1010は、下記の工程によっても形成される。
【0120】
補助電極130が形成された基板100上に、非感光性有機物層(図示せず)を形成し、その上に、フォトレジスト層(図示せず)を形成する。該非感光性有機物層は、一例として、フッ素系物質を含んでもよいが、本発明は、それに制限されるものではない。該フォトレジスト層は、ポジティブ感光物質を含んでもよい。
【0121】
その後、フォトレジスト層のうち、第1画素領域PA1と対応する一部領域を露光して現像し、第1開口領域OR1を有する第1感光パターン層1210を形成する。次に、第1開口領域OR1を介して露出された非感光性有機物層をエッチングし、第1補助開口領域AOR1を形成する。エッチングを介して、第1補助層1110の第1補助開口領域AOR1は、第1開口領域OR1より大きく形成される。
【0122】
第1補助層1110は、補助電極130上に配置されるが、補助電極130の端部(例えば、第1画素電極211と隣接した端部)が露出されるように、補助電極130の端部を覆わない。
【0123】
図13を参照すれば、第1マスキング層1010が形成された基板100上に、順次に、第1中間層221、第1相対電極231を形成する。第1相対電極231上には、パッシベーション層(図示せず)がさらに形成されてもよい。第1中間層221及び第1相対電極231の物質は、先に
図3を参照して説明したので、重複説明は、省略し、以下では、工程を中心に説明する。
【0124】
第1中間層221と第1相対電極231は、熱蒸着(thermal evaporation)法によっても形成される。第1中間層221と第1相対電極231とを形成するための蒸着物質は、基板100に垂直である方向、及び斜め方向に沿って、基板100に向けて移動することができる。従って、第1中間層221の端部、及び第1相対電極231の端部は、第1補助層1110と接触せずに、第1感光パターン層1210下の空間に延長されもする。蒸着物質が斜め方向に蒸着されながら、第1中間層221及び第1相対電極231の端部は、順方向テーパ形状(forward taper shape)を有することができ、第1中間層221の幅よりさらに広幅を有するように、第1相対電極231の端部は、第1中間層221の端部よりさらに延長され、配線層130と接触する。第1相対電極231は、配線層130の上面と直接接触し、電気的に直接連結されもする。
【0125】
図13の拡大図を参照すれば、第1中間層221は、下部機能層221a、発光層221b及び上部機能層221cを含み、下部機能層221a、発光層221b及び上部機能層221cは、順次蒸着されもする。画素定義膜120の上部は、補助電極130に対してアンダーカット構造を具備しており、補助電極130上部に蒸着される下部機能層221aと、開口OP1に蒸着される下部機能層221aは、互いに分離、離隔されても形成される。
【0126】
画素定義膜120の上部がアンダーカットされた大きさ、及び補助電極130の厚みなどにより、発光層221b及び/または上部機能層221cの一部も、分離形成される。
【0127】
図14を参照すれば、その後、リフトオフ工程を介して、第1マスキング層1010を除去する。一実施形態において、第1補助層1110がフッ素系物質である場合、フッ素系溶媒を利用し、第1補助層1110を除去することができる。第1補助層1110が除去されながら、第1補助層1110上の第1感光パターン層1210、第1感光パターン層1210上に積層された物質層が共に除去される。そして、第1画素領域PA1には、アイランド型の第1中間層221及び第1相対電極231が残る。
【0128】
図15を参照すれば、第2画素領域PA2に対応する部分が開放された第2マスキング層1020を形成する。第2マスキング層1020は、第2感光パターン層1220及び第2感光パターン層1220と、画素定義膜120との間の第2補助層1120を含んでもよい。第2補助層1120及び第2感光パターン層1220は、それぞれすでに説明した第1補助層1110及び第1感光パターン層1210と同一物質を含み、同一工程によっても形成される。
【0129】
次に、第2マスキング層1020が形成された基板100上に、順次に、第2中間層222及び第2相対電極232を形成する。第2相対電極232上部には、パッシベーション層がさらに形成されてもよい。第2中間層222及び第2相対電極232の物質は、先に
図3を参照して説明したので、重複説明は、省略する。第2中間層222と第2相対電極232は、熱蒸着法によっても形成され、該パッシベーション層は、化学気相蒸着法によっても形成される。
【0130】
第2中間層222、第2相対電極232、パッシベーション層をなす蒸着物質は、基板100に垂直である方向、及び斜め方向に沿って、基板100に向けて移動することができる。従って、第2中間層222、第2相対電極232、該パッシベーション層それぞれの端部は、第2補助層1120と接触せずに、順方向テーパ形状を有することができる。
【0131】
第2相対電極232は、第2中間層222の幅よりさらに広幅を有するように、端部が第2中間層222の端部より延長され、配線層130と接触する。第2相対電極232は、配線層130の上面と直接接触し、電気的に直接連結されもする。
【0132】
その後、リフトオフ工程を介して、第2マスキング層1020を除去する。例えば、フッ素系溶媒を利用し、第2補助層1120を除去することにより、第2補助層1120上の第2感光パターン層1220、第2中間層222、第2相対電極232及び第2パッシベーション層242が共に除去されもする。そして、第2画素領域PA2には、アイランド型の第2中間層222、第2相対電極232及び第2パッシベーション層242が残る。
【0133】
図16を参照すれば、第3画素領域PA3に対応する部分が開放された第3マスキング層1030を形成する。第3マスキング層1030は、第3感光パターン層1230、及び第3感光パターン層1230と画素定義膜120と間の第3補助層1130を含んでもよい。第3補助層1130及び第3感光パターン層1230は、それぞれ前述の第1補助層1110及び第1感光パターン層1210と同一物質を含み、同一工程によっても形成される。
【0134】
次に、第3マスキング層1030が形成された基板100上に、順次に、第3中間層223及び第3相対電極233を形成する。第3相対電極233上部には、パッシベーション層が追加して形成されてもよい。第3中間層223、第3相対電極233及び該パッシベーション層の物質は、先に
図3を参照して説明したので、重複説明は、省略する。
【0135】
第3中間層223と第3相対電極233は、熱蒸着法によっても形成され、該パッシベーション層は、化学気相蒸着法によっても形成される。
【0136】
第3中間層223、第3相対電極233、該パッシベーション層をなす蒸着物質は、基板100に垂直である方向、及び斜め方向に沿って、基板100に向けて移動することができる。従って、第3中間層223、第3相対電極233、パッシベーション層それぞれの端部は、第3補助層1130と接触せずに、順方向テーパ形状を有することができる。
【0137】
第3相対電極233は、第3中間層223の幅よりさらに広幅を有するように、端部が第3中間層223の端部より延長され、配線層130と接触する。第3相対電極233は、配線層130の上面と直接接触し、電気的に直接連結されもする。
【0138】
図17を参照すれば、リフトオフ工程を介して、第3マスキング層1030を除去する。例えば、フッ素系溶媒を利用し、第3補助層1130を除去することにより、第3補助層1130上の第3感光パターン層1230及び物質層が共に除去される。そして、第3画素領域PA3には、アイランド型の第3中間層223及び第3相対電極233が残る。
【0139】
図18は、本発明の他の実施形態による有機発光表示装置の断面図を示す。
図18において、
図3と同一参照符号は、同一部材を示すが、それらの重複説明は、省略する。
【0140】
本実施形態において、該有機発光表示装置は、表示領域DAを密封し、外部の酸素及び水分などが表示領域DAに浸透することを防止することができる薄膜封止層300が形成されてもよい。
【0141】
薄膜封止層300は、少なくとも1層の無機膜(第1無機膜310または第2無機膜330)と、少なくとも1層の有機膜320を含んでもよい。一例として、薄膜封止層300は、
図18に図示されているように、順次に積層された第1無機膜310、有機膜320、及び第2無機膜330を含んでもよいが、それらに限られるものではなく、多様な構成を有することができる。
【0142】
第1無機膜310と第2無機膜330は、シリコン窒化物、アルミニウム窒化物、ジルコニウム窒化物、チタン窒化物、ハフニウム窒化物、タンタル窒化物、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、スズ酸化物、セリウム酸化物及びシリコン酸窒化物(SiON)からなる群から選択された1以上の物質を含んで形成されてもよい。
【0143】
有機膜320は、アクリル系樹脂層、メタクリル系樹脂層、ポリイソプレン、ビニル系樹脂層、エポキシ系樹脂層、ウレタン系樹脂層、セルロース系樹脂層及びペリレン系樹脂層からなる群から選択された1以上の物質を含んで形成されてもよい。
【0144】
一方、
図18においては、複数の有機発光素子OLED1、有機発光素子OLED2、および有機発光素子OLED3の上に、薄膜封止層300が形成された例を図示しているが、本発明は、それに限られるものではない。すなわち、有機発光表示装置は、薄膜封止層300の代わりに、密封基板(図示せず)を具備することができる。密封基板(図示せず)は、シーリングガラスフリット(sealing glass frit)のような密封部材によって基板100と合着され、外部の水分、空気などを遮断することができる。
【0145】
本実施形態において、薄膜封止層300または密封基板の上部には、偏光層、カラーフィルタ層、タッチスクリーン層など多様な機能層がさらに配置されもする。
【0146】
以上においては、図面に図示された実施形態を参照して説明されたが、それらは、例示的なものに過ぎず、当該技術分野で当業者であるならば、それらから多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決められるのである。
【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明の、有機発光表示装置及びその製造方法は、例えば、ディスプレイ関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0148】
100:基板
110:回路素子層
120:画素定義膜
130:補助電極
211,212,213:画素電極
221,222,223:中間層
231,232,233:相対電極