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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】天井下地パネルフレームの配設構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/06 20060101AFI20230220BHJP
   E04B 9/22 20060101ALI20230220BHJP
   E04B 9/26 20060101ALI20230220BHJP
   E04B 9/30 20060101ALI20230220BHJP
   E04B 9/00 20060101ALI20230220BHJP
【FI】
E04B9/06 B
E04B9/22 E
E04B9/26 A
E04B9/30 B
E04B9/00 R
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019062626
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020159160
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】浅野 翔平
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-256539(JP,A)
【文献】特開平6-346546(JP,A)
【文献】実開平3-62906(JP,U)
【文献】特開昭52-73516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 9/00 - 9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼製プレートにて形成された平面視十字状の柱頭部が鉄骨柱の上に設けられ、平面視において、該柱頭部の隙間に井桁状の天井下地パネルフレームの隅角部が位置決めされていることを特徴とする、天井下地パネルフレームの配設構造。
【請求項2】
前記柱頭部は前記鋼製プレートの上に梁固定プレートを有し、該梁固定プレートに梁が固定されており、
前記梁から吊り治具を介して前記天井下地パネルフレームが垂下されていることを特徴とする、請求項1に記載の天井下地パネルフレームの配設構造。
【請求項3】
前記天井下地パネルフレームが鋼製であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の天井下地パネルフレームの配設構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井下地枠の配設構造に関する。
【背景技術】
【0002】
天井下地のうち、予め工場にて製作されている井桁状のフレームは、天井下地パネルフレーム(もしくは天井パネルフレーム)と称することができる。天井下地パネルフレームには、木製のパネルフレームと鋼製(軽鉄製)のパネルフレームがある。
【0003】
従来の、柱に対する木製パネルフレームの接続方法は、例えば角形鋼管により形成される柱の柱頭部に対して、その四方から木製パネルフレームの端部を配設して柱の柱頭部に接続するに当たり、現場において、木製パネルフレームの端部を切断加工し、切断部に柱頭部を嵌まり込ませるようにしている。そして、木製パネルフレームにこのような切断部を設けることから、相互に直交する木製パネルフレームに対して補強材を架け渡す措置を講じることにより、木製パネルフレームの切断部を補強材により補強しながら、柱の柱頭部の周囲を複数の補強材にて包囲した状態で、柱の柱頭部と複数の木製パネルフレームが接続される。この接続構造の形成に際しては、現場における木製パネルフレームの切断加工に手間と時間を要することと、切断部における補強材の取付けを要するといった課題がある。
【0004】
また、木製パネルフレームは比較的重量が重く、木製パネルフレームの寸法が、建物のモジュール寸法(例えば、1モジュール幅が910mmや1000mm等であって、1モジュール幅を1Pで表す)の半幅である0.5Pのグリッド間隔を有して木製桟木が格子状に組まれている形態では、外寸が、幅1Pで長さが2P乃至4P程度の大型のものが適用されることが多い。このように大型の木製パネルフレームはその重量が施工性に与える影響が大きく、施工そのものが困難になることに加えて、上記する現場加工を要することから施工手間が顕著になる。
【0005】
一方、従来の、柱に対する鋼製パネルフレームの接続方法と、この接続方法により形成されるパネル化金属天井構造が特許文献1に提案されている。この天井構造は、一対の平行な主枠材の間につなぎ材を接合した軽鉄製の天井パネルフレームを複数用いて、これら複数の天井パネルフレームが、互いの隣接部を天井吊り金物により梁等の建物躯体に吊られることにより形成される。
【0006】
そして、特許文献1の図11及び図12に示すように、独立柱の両側に天井が広がる箇所の納まりに関しては、天井パネルフレームは、主枠材で隣り合わせたパネル列を二列設け、これらのパネル列間に独立柱とスペーサとを介在させている。スペーサは、天井パネルフレームの端部のつなぎ材と同様に上向きのリップ溝形の軽鉄製とし、スペーサの両側のつなぎ材上に跨がって載せられるブリッジ金物を有する。ブリッジ金物は、下向きの溝形のものであり、その両フランジには、両つなぎ材及びスペーサの両側のリップに各々係合する係止片が下向に突設されており、各係止片は、側面形状が下向きの台形状とされ、基端の両側部にリップが係合する係止切欠を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平9-111948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載のパネル化金属天井構造によれば、木製パネルフレームに比べて軽量であることから施工性が向上し、さらには、柱との接続箇所においては現場にてフレームの一部を切断加工する必要がない。しかしながら、柱と鋼製パネルフレームとの接続に際して、パネル列間にスペーサを介在させ、スペーサの両側のつなぎ材上に跨がるようにしてブリッジ金物を取り付ける必要があることから、部品点数が増加する。
【0009】
また、特許文献1に記載のパネル化金属天井構造を含め、従来の天井下地パネルフレームと柱との接続構造においては、天井下地パネルフレームと柱が干渉しないようにして柱の周囲に複数の天井下地パネルフレームを配設し、上記するように、補強材や、スペーサ及びブリッジ金物等により補強する構造形式が適用されていることから、柱の上端のスペースを有効に活用しようとする技術思想は存在していない。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、施工性に優れ、柱の上端のスペースを有効に活用することのできる、天井下地パネルフレームの配設構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成すべく、本発明による天井下地パネルフレームの配設構造の一態様は、
鋼製プレートにて形成された平面視十字状の柱頭部が鉄骨柱の上に設けられ、平面視において、該柱頭部の隙間に井桁状の天井下地パネルフレームの隅角部が位置決めされていることを特徴とする。
【0012】
本態様によれば、鋼製プレートにて形成された平面視十字状の柱頭部が鉄骨柱の上に設けられている形態において、天井下地パネルフレームの隅角部が柱頭部の隙間に位置決めされていることにより、平面視における柱の上端のスペースを有効に活用することができる。ここで、井桁状の天井下地パネルフレームは、一対の主材と、対向する主材同士を接続する複数の繋ぎ材と、繋ぎ材同士を接続する繋ぎ補助材等を有している。既述するように、天井下地パネルフレームは、工場において予め枠状に組み付けられるものであり、現場搬送されて天井下地としてそのまま施工される部材である。
【0013】
柱頭部は、平面視十字状に組み付けられた鋼製プレートが、角形鋼管柱等の柱の柱頭に取り付けられることにより形成される。例えば一枚の鋼製プレートの中央位置の左右に、この鋼製プレートに直交する二枚の鋼製プレートが溶接接合されることにより、鋼製プレートが平面視十字状に形成される。例えば平面視正方形の角形鋼管柱の柱頭においては、平面視十字状の鋼製プレートにより、柱頭の面積が四つの正方形領域に分離される。この四つの正方形領域のそれぞれに、柱の四方に配設される四つの天井下地パネルフレームの有する隅角部が位置決めされることにより、平面視において、柱頭部には、四つの天井下地パネルフレームの隅角部が重なるようにして配設され、柱の上端のスペースが活用されることになる。
【0014】
また、本発明による天井下地パネルフレームの配設構造の他の態様において、前記柱頭部は前記鋼製プレートの上に梁固定プレートを有し、該梁固定プレートに梁が固定されており、
前記梁から吊り治具を介して前記天井下地パネルフレームが垂下されていることを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、柱頭部の有する梁固定プレートに固定されている梁から、吊り治具を介して天井下地パネルフレームが垂下されていることにより、平面視における柱の上端のスペースを有効に活用しながら、梁に対して天井下地パネルフレームを効率的でかつ安定的に固定することができる。ここで、梁は、柱とともに建物躯体を形成する上階の床梁であり、H形鋼等の形鋼材により形成される。吊り治具は、梁を形成するH形鋼の下方フランジ等に対してボルト接合される吊りボルトと、吊りボルトに接合されるとともに天井下地パネルフレームの例えば主材が係合される係合片等を有する。
【0016】
また、本発明による天井下地パネルフレームの配設構造の他の態様において、前記天井下地パネルフレームが鋼製であることを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、天井下地パネルフレームを形成する主材と、繋ぎ材と、繋ぎ補助材等がいずれも軽鉄等の鋼製の部材であることにより、木製部材に比べて軽量であって施工性に優れ、品質に優れたパネルフレームとなる。
【発明の効果】
【0018】
以上の説明から理解できるように、本発明の天井下地パネルフレームの配設構造によれば、施工性に優れ、柱の上端のスペースを有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】天井下地パネルフレームの一例の平面図である。
図2図1のII-II矢視図である。
図3図1のIII-III矢視図である。
図4】鉄骨柱の柱頭部を形成する鋼製プレートを示す斜視図である。
図5】鉄骨柱の柱頭部の上に梁が固定されている状態を示す斜視図である。
図6】吊り治具の一例を示す斜視図である。
図7】鉄骨柱の柱頭部において、梁の下方フランジに吊り治具が固定されている状態を示す斜視図である。
図8】実施形態に係る天井下地パネルフレームの配設構造の一例の斜視図である。
図9】吊り治具に天井下地パネルフレームが係合されている状態を示す斜視図である。
図10】実施形態に係る天井下地パネルフレームの配設構造の一例の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施形態に係る天井下地パネルフレームの配設構造について、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
【0021】
[実施形態に係る天井下地パネルフレームの配設構造]
<天井下地パネルフレーム>
はじめに、図1乃至図3を参照して、実施形態に係る天井下地パネルフレームの配設構造を形成する、天井下地パネルフレームの一例について説明する。ここで、図1は、天井下地パネルフレームの一例の平面図であり、図2及び図3はそれぞれ、図1のII-II矢視図及びIII-III矢視図である。
【0022】
天井下地パネルフレーム10は、一対の主材11と、主材11同士を繋ぐ複数の繋ぎ材12と、一対の主材11の中間位置において、繋ぎ材12同士を繋ぐ繋ぎ補助材13とを有する井桁状の天井下地である。図1に一例として示すように、天井下地パネルフレーム10はこれらの部材により井桁状に組み付けられており、全体の寸法は1P(1モジュール幅を910mmとする)×2Pであり、各格子は0.5P×0.5Pの寸法を有する。天井下地パネルフレーム10は、工場にて図1に示す態様に組み付けられ、現場搬送されてそのまま施工される天井下地である。尚、長手方向の長さは、3P,4P等に設定されてもよい。
【0023】
主材11、繋ぎ材12、及び繋ぎ補助材13はいずれも軽鉄等の鋼材を曲げ加工することにより形成されている。図3に示すように、主材11は、リップ11cを備える断面形状が略溝形の本体片11aを有し、本体片11aのウエブには、外側にZ状に突設した係合片11bが設けられている。
【0024】
図2に示すように、繋ぎ材12は、リップ12aを備える断面形状が略溝形を呈している。また、図3に示すように、繋ぎ補助材13も同様に、リップ13aを備える断面形状が略溝形を呈している。主材11、繋ぎ材12、及び繋ぎ補助材13は、相互に釘やビス、溶接、かしめ等により組み付けられている。
【0025】
天井下地パネルフレーム10の下面には、一層もしくは二層の石膏ボード等からなる天井面材(図示せず)がドリル付きタッピングねじ等により張り付けられて、天井パネルが形成される。この天井面材の取り付けは、以下で詳説するように、床梁に対して吊り金具を介して天井下地パネルフレーム10を垂下させた後に行われる。石膏ボードの下面には、さらにクロスが貼り付けられることにより、天井パネルの施工が完了する。また、天井下地パネルフレーム10の上方には、現場においてグラスウール等の断熱材が載置される。
【0026】
<鉄骨柱の柱頭部>
次に、図4及び図5を参照して、実施形態に係る天井下地パネルフレームの配設構造を形成する、鉄骨柱の柱頭部の一例について説明する。ここで、図4は、鉄骨柱の柱頭部を形成する鋼製プレートを示す斜視図であり、図5は、鉄骨柱の柱頭部の上に梁が固定されている状態を示す斜視図である。
【0027】
図4に示すように、X方向から見た平面視正方形の角形鋼管柱20(鉄骨柱の一例)の柱頭には、鋼製の柱頭プレート21が溶接により接合されている。そして、柱頭プレート21の上面には、一枚の鋼製プレート22と、鋼製プレート22の中央位置において鋼製プレート22と直交する態様で配設される二枚の鋼製プレート23が相互に溶接接合され、これらが柱頭プレート21の上面に対して溶接接合されている。図2に示すように、X方向から見た平面視において、一枚の鋼製プレート22と二枚の鋼製プレート23は十字状を呈しており、各プレートにより平面視で四つの正方形の隙間24を有している。
【0028】
図5に示すように、平面視十字状に組み付けられた鋼製プレート22,23の上端には、梁固定プレート25が溶接接合される。そして、梁固定プレート25には、H形鋼により形成される床梁30の下方フランジ31が載置され、双方の有するボルト孔(ともに図示せず)にボルトが挿通され、ナット締めすることにより、ボルトナット26にて床梁30が梁固定プレート25に固定される。尚、床梁30の下方フランジ31には、以下で詳説する吊り金具が固定されるボルト孔32が開設されている。
【0029】
図5に示すように、柱頭プレート21、平面視十字状に組み付けられた鋼製プレート22,23、及び梁固定プレート25により、角形鋼管柱20の柱頭部28が形成される。この柱頭部28を形成するブロック体は、工場にて予め製作され、さらに、工場において角形鋼管柱20の柱頭に柱頭プレート21が溶接され、角形鋼管柱20と一体とされて現場搬送される。
【0030】
図5に示すように、角形鋼管柱20の柱頭で、かつ床梁30の下方においては、平面視で四つの正方形の隙間24が存在している。
【0031】
<吊り治具>
次に、図6及び図7を参照して、実施形態に係る天井下地パネルフレームの配設構造を形成する、吊り治具の一例について説明する。ここで、図6は、吊り治具の一例を示す斜視図であり、図7は、鉄骨柱の柱頭部において、梁の下方フランジに吊り治具が固定されている状態を示す斜視図である。
【0032】
図6に示すように、吊り治具40は、平面視矩形の水平片41と、水平片41の左右端に係止される二つの被係合片43と、水平片41の下面の中央位置において水平片41に固定されるコの字片42と、水平片41の上面にボルト固定される吊りボルト44とを有する。
【0033】
水平片41の左右端にはそれぞれ、折り曲げ片41aが曲げ加工により設けられている。一方、被係合片43は、斜め鉛直方向に延設する立ち上がり部43aと、立ち上がり部43aの上端において曲げ加工により形成される係止端43bと、立ち上がり部43aの下端において曲げ加工により7字状に形成される被係合部43cとを有する。折り曲げ片41aに対して係止端43bが上方から係止され、双方がかしめ等されることにより、水平片41に対して被係合片43が固定される。図示するように、左右の被係合片43の有する被係合部43cは、吊り治具40の内側(コの字片42側)に突出している。
【0034】
また、コの字片42は下方に開口した姿勢で水平片41の下面に当接され、双方がかしめられることにより、水平片41に対してコの字片42が固定される。尚、図6には、複数のかしめ部41bが図示されている。
【0035】
吊りボルト44は、軸状の金属棒材がその途中位置で曲げ加工され、金属棒材の一端はプレス加工にて扁平とされた扁平部44aを有し、金属棒材の他端には螺子溝44bが形成されている。扁平部44aにはボルト孔(図示せず)が開設されており、ボルト孔にボルトが挿通され、ナット締めされることにより、ボルトナット46にて水平片41の上面に吊りボルト44が接続される。尚、螺子溝44bには、座金47,48と蝶ナット45が螺合している。
【0036】
床梁30の下方フランジ31に開設されているボルト孔32(図5参照)に対して、座金48と蝶ナット45が取り外された状態の吊りボルト44が挿通された後、吊りボルト44に座金48を落とし込み、蝶ナット45にて締め付けることにより、図7に示すように、床梁30の下方フランジ31に対して吊り治具40が固定される。
【0037】
図7に示すように、床梁30に吊り治具40が固定された状態において、コの字片42は床梁30のウエブ33の直下に位置しており、コの字片42の中空に鋼製プレート23が遊嵌されている。図7からも明らかなように、床梁30の下方フランジ31に吊り治具40を固定するに当たり、吊りボルト44の一端を下方フランジ31のボルト孔32に挿通させる関係上、吊りボルト44はその途中位置で曲げ加工されている。
【0038】
図7に示すように、角形鋼管柱20の柱頭においては、床梁30に対して、柱頭部28の両端に二つの吊り治具40が固定される。
【0039】
<天井下地パネルフレームの配設構造>
次に、図8乃至図10を参照して、実施形態に係る天井下地パネルフレームの配設構造の一例について説明する。ここで、図8は、実施形態に係る天井下地パネルフレームの配設構造の一例の斜視図である。また、図9は、吊り治具に天井下地パネルフレームが係合されている状態を示す斜視図である。さらに、図10は、実施形態に係る天井下地パネルフレームの配設構造の一例の平面図である。
【0040】
図8に示すように、二つの吊り治具40には、それぞれ二つの天井下地パネルフレーム10の隅角部が係合される。より具体的には、図9に示すように、天井下地パネルフレーム10の有する主材11を、コの字片42と被係合片43の間の隙間に下方からY1方向に差し込むことにより、係合片11bにて押し広げられた被係合片43が外側にY2方向に変位する。そして、係合片11bの上端が水平片41の下面に当接した際に、被係合部43cと係合片11bが係合することにより、吊り治具40に対して主材11が係合され、天井下地パネルフレーム10が固定される。
【0041】
吊り治具40の有する二組のコの字片42及び被係合片43の間の隙間に対して、それぞれ二つの天井下地パネルフレーム10の主材11が係合されることから、図8及び図10に示すように、柱頭部28において、四つの天井下地パネルフレーム10の隅角部が床梁30に対して固定される。
【0042】
図8及び図10に示すように、平面視において、角形鋼管柱20の上方にて十字状を呈している鋼製プレート22,23により形成される四つの正方形の隙間24には、それぞれ四つの天井下地パネルフレーム10の隅角部が配設され、この状態で吊り金具40を介して各天井下地パネルフレーム10が床梁30に固定されることにより、天井下地パネルフレームの配設構造100が形成される。
【0043】
天井下地パネルフレームの配設構造100によれば、角形鋼管柱20の上端のスペースに複数の天井下地パネルフレーム10の隅角部が配設されることにより、角形鋼管柱20の上端のスペースを有効に活用しながら、床梁30に対して天井下地パネルフレーム10を効率的でかつ安定的に固定することができる。
【0044】
図示を省略するが、建物の壁と天井下地パネルフレーム10の端辺との接続は、建物の壁面に溝形のランナーを固定しておき、このランナーに天井下地パネルフレーム10の端辺を嵌め込むことにより、建物の壁と天井下地パネルフレーム10の端辺とを係合させることができる。
【0045】
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0046】
10:天井下地パネルフレーム、11:主材、11a:本体片、11b:係合片、1c:リップ、12:繋ぎ材、12a:リップ、13:繋ぎ補助材、13a:リップ、20:柱(角形鋼管柱、鉄骨柱)、21:柱頭プレート、22,23:鋼製プレート、24:隙間、25:梁固定プレート、26:ボルトナット、28:柱頭部、30:梁、31:下方フランジ、32:ボルト孔、33:ウエブ、40:吊り金具、41:水平片、41a:折り曲げ片、41b:かしめ部、42:コの字片、43:被係合片、43a:立ち上がり部、43b:係止端、43c:被係合部、44:吊りボルト、44a:扁平部、44b:螺子溝、45:蝶ナット、46:ボルトナット、47,48:座金、100:天井下地パネルフレームの配設構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10