(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】デジタル・ライセンス・プレート・システム
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/50 20060101AFI20230220BHJP
B60Q 1/56 20060101ALI20230220BHJP
B60R 13/10 20060101ALI20230220BHJP
G09F 21/04 20060101ALI20230220BHJP
【FI】
B60Q1/50 Z
B60Q1/56
B60R13/10
G09F21/04 C
(21)【出願番号】P 2019536986
(86)(22)【出願日】2018-01-05
(86)【国際出願番号】 US2018012640
(87)【国際公開番号】W WO2018129358
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2020-12-23
(32)【優先日】2017-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519241082
【氏名又は名称】リバイバーエムエックス,インク.
【氏名又は名称原語表記】REVIVERMX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】バットン,ディーン
(72)【発明者】
【氏名】デュバル,プラシャーント
(72)【発明者】
【氏名】コペルマン,アヴィ
(72)【発明者】
【氏名】ボストン,ネヴィル トルーマン
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-094361(JP,A)
【文献】国際公開第2016/023033(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0291822(US,A1)
【文献】特開2005-165811(JP,A)
【文献】特表2012-507896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/50
B60Q 1/56
B60R 13/10
G09F 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイを有し、かつ複数の電力状態をサポートするデジタル・ライセンス・プレートであって、
前記デジタル・ライセンス・プレートにおけるプロセッサにステータス・データを提供する、温度センサを含む複数のセンサと、
前記複数のセンサのうちの少なくとも1つによって特定されるシステム状態に依存して、電力状態変更を開始し、かつ電力を調整する電力パス制御モジュールと、
前記温度センサに接続され、かつ臨界温度に近づくにつれ熱関連の表示パラメータを変更するように構成される温度制御モジュールと
を備え、
前記デジタル・ライセンス・プレートは、臨界温度に近づくにつれ、法的に要求される情報のみ、又は法的に要求される情報を見ることの妨げにならない情報のみを表示するように動作するディスプレイを有する、デジタル・ライセンス・プレート。
【請求項2】
状態変更は、オフ状態と、スリープ状態と、ウェイク状態と、半ウェイク状態とを含む、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項3】
状態変更は、検出された車両電圧に応答してトリガされる、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項4】
状態変更は、車両の動きに応答してトリガされる、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項5】
状態変更は、無線接続ステータスに応答してトリガされる、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項6】
状態変更は、位置または位置変化に応答してトリガされる、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項7】
前記ディスプレイは、双安定ディスプレイである、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項8】
変更可能な
前記熱関連の表示パラメータは、
前記ディスプレイの反射率
に影響を与える表示パターンを含
み、前記表示パターンは、臨界低温度に近づくにつれ、
前記ディスプレイの反射率を低減させて前記ディスプレイの熱吸収を増加させるように変更され、かつ
、臨界高温度に近づくにつれ、
前記ディスプレイの反射率を増加させて前記ディスプレイの熱吸収を低下させるように変更され
る、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項9】
車両識別番号を含む車両識別情報を受信する、車両システム・モジュールに対するインターフェースと、
車両識別番号およびデジタル・ライセンス・プレート識別子を中央サーバに送信する通信モジュールであって、前記中央サーバは、セキュリティ不適合が生じた場合、前記デジタル・ライセンス・プレートの動作を変更するように動作することができる、通信モジュールと
をさらに備える、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項10】
前記デジタル・ライセンス・プレートに取り付けられた第1のロッキング要素と、
車両に取り付け可能であり、かつ前記第1のロッキング要素と係合可能である第2のロッキング要素と
をさらに備え、
前記第1のロッキング要素および前記第2のロッキング要素の係合解除は、無線窃盗通信信号と内部窃盗ステータス標識のうちの少なくとも1つをトリガする、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項11】
前記デジタル・ライセンス・プレートは、データを送受信するように接続可能であり、前記データは、駐車関連の施設、メータ、および罰金システムのうちの少なくとも1つに送信可能であり、さらに、データは、支払い機関に送信可能である、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項12】
ユーザが、前記デジタル・ライセンス・プレートからのセンサ・データおよびその他のデータの解放を制御するユーザ許可を提供することを可能にするように構成された、前記デジタル・ライセンス・プレートに対する外部ユーザ・インターフェースをさらに備える、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項13】
前記デジタル・ライセンス・プレートは、前記デジタル・ライセンス・プレートから道路使用情報を受信し、かつ前記道路使用情報に基づいて料金を支払うべく支払い機関に無線接続する支払いシステムをサポートし、前記ディスプレイは、現在の支払いステータスを示す、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項14】
前記デジタル・ライセンス・プレートは、上側部分と下側部分とを有し、前記デジタル・ライセンス・プレートに取り付けられたアンテナ・システムの少なくとも1つのアンテナは、前記デジタル・ライセンス・プレートが車両に取り付けられたときの電磁遮蔽を低減するように前記下側部分に位置付けられる、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【請求項15】
前記デジタル・ライセンス・プレートは、電子的に読取り可能な視覚的情報を提示することができるディスプレイを有し、前記電子的に読取り可能な視覚的情報は、サービスの提供を円滑にするように使用可能である、請求項1に記載のデジタル・ライセンス・プレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、以下の米国仮特許出願の利益を主張する。
2017年1月5日に出願した米国仮特許出願第62/442,750号明細書、
2017年1月5日に出願した米国仮特許出願第62/442,755号明細書、
2017年1月5日に出願した米国仮特許出願第62/442,764号明細書、
2017年1月5日に出願した米国仮特許出願第62/442,777号明細書、
2017年1月5日に出願した米国仮特許出願第62/442,727号明細書、
2017年8月18日に出願した米国仮特許出願第62/547,426号明細書、
2017年1月5日に出願した米国仮特許出願第62/442,734号明細書、
2017年1月5日に出願した米国仮特許出願第62/442,757号明細書、
2017年8月18日に出願した米国仮特許出願第62/547,468号明細書、
2017年8月18日に出願した米国仮特許出願第62/547,477号明細書、および
2017年1月6日に出願した米国仮特許出願第62/443,133号明細書。
以上の出願は、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、車両に設置された外部ディスプレイに関し、より詳細には、車両関連の情報のアクセスと解析の両方をサポートするデジタル・ライセンス・プレートに関する。
【背景技術】
【0003】
車両を登録すると、車両の所有者には、通常、車両識別および登録情報を表示するライセンス・プレートが発行される。車両の所有者、法執行機関、または他の任意の適切な関係者は、表示された車両情報を使用して、その車両を識別することが可能である。そのような印刷された、または刻印されたディスプレイは、定期的な更新を通常、要求する。例えば、カリフォルニア州において、車両の登録番号(またはライセンス番号)は、ライセンス・プレートに形成される一方で、登録年月日は、ステッカを使用して表示される。毎年、車両の登録が更新されるとき、新たなステッカが、古いステッカに取って代わるように車両の所有者に郵送され、または提供され、このことは、車両の所有者に不便なことであり得る。さらに、ステッカの置換可能な性質のため、ステッカは、ライセンス・プレートから取外し可能であり、このことは、ステッカが盗まれる、または時期尚早にはがれることを許す可能性があり、このことは、車両に関する比較的重要な情報が失われることにつながる。
【0004】
静的ライセンス・プレートの代わりに、車両識別および登録情報を提示する動的ディスプレイが、車両の外部に配置され得る。例えば、ReviverMXに譲渡された米国特許第9,007,193号明細書が、車両識別および登録情報の更新しやすさを向上させる動的ディスプレイを有するデジタル・ライセンス・プレートについて説明する。説明される一実施形態において、広告メッセージまたは個人向けメッセージを含め、車両識別と関係しないさらなる情報が表示されることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示の限定的でなく、網羅的でもない実施形態が、以下の図を参照して説明され、同様の参照符号は、特に明記しない限り、様々な図のすべてにわたって同様の部分を参照する。
【0006】
【
図1】デジタル・ライセンス・プレート・システムの一実施形態を示す図である。
【
図2】デジタル・ライセンス・プレート・システムの様々なシステムを示す図である。
【
図3】デジタル・ライセンス・プレート・システムの動作を示す図である。
【
図4A】オン・モジュール・バッテリ電源システムの実施形態を示す図である。
【
図4B】オフ・モジュール・バッテリ電源システムの実施形態を示す図である。
【
図6A】双安定ディスプレイに関する電力状態図である。
【
図6B】電力状態がシステム構成要素にどのように影響するかを示す表である。
【
図7】デジタル・ライセンス・プレート動作を示すフローチャートである。
【
図8】デジタル・ライセンス・プレート無線接続を示すフローチャートである。
【
図10】温度管理方法を示すフローチャートである。
【
図13】ディスプレイ・システムにプロビジョニングを行うための、またはディスプレイ・システムを初期設定するための方法を示す図である。
【
図14】プロビジョニングされたプレートと集中サーバとの間の対話を示す図である。
【
図15】ソフトウェア・セキュリティ・フィーチャを示す図である。
【
図17】デジタル・ライセンス・プレート駐車システムを示す図である。
【
図18】カメラ・データのデジタル・ライセンス・プレート・システム使用を示す図である。
【
図19】カメラを装備したデジタル・ライセンス・プレートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、車両識別および登録情報を提示し、かつ車両10の外部に配置され得る動的ディスプレイをサポートするデジタル・ライセンス・プレート・システム11の一実施形態を示す。システム10は、ディスプレイ110と、車両速度センサ120と、車両速度センサ120に結合されたプロセッサ130とを含む車両10の外部で使用するためのディスプレイ・システム100を含む。プロセッサ130は、車両10の速度および状態に基づいてディスプレイ・システム100の3つの動作モード、すなわち、車両10の識別情報および/または車両10の登録情報を含む第1のコンテンツが、第1の電力消費レベルでディスプレイ110上にレンダリングされる第1の動作モード、メッセージ、車両10の識別情報および/または車両10の登録情報を含む第2のコンテンツが、ディスプレイ110上にレンダリングされる第2の動作モード、およびコンテンツが、第1の電力消費レベル未満の第2の電力消費レベルでディスプレイ110上にレンダリングされる第3の動作モードのうちの1つを実施するように構成される。ディスプレイ・システム100は、好ましくは、コンテンツ(例えば、更新された識別情報、登録情報、および/またはメッセージ)がディスプレイ・システム100に転送されること、およびディスプレイ・システム100から転送されることを可能にする通信デバイス140も含む。ディスプレイ・システム100は、位置センサ160、例えば、全地球測位システム(GPS)デバイス、セルラ・タワー位置三角測量デバイス、またはディスプレイ110が配置された車両10の位置を特定する他の任意の適切な位置センサを含んでもよい。位置センサ160は、車両の実質的に大まかな位置をもたらしても、実質的に厳密な位置をもたらしてもよい。さらに、ディスプレイ・システム100は、コンテンツを記憶するように機能するストレージ・デバイス150を含んでよく、プロセッサ130は、ストレージ・デバイス150からコンテンツを取り出し、かつそのコンテンツをディスプレイ110上でレンダリングしてよい。ディスプレイ・システム100は、第2の車両に対する車両10の近接を特定するセンサをさらに備えてよい。
【0008】
デジタル・ライセンス・プレート・システム11は、好ましくは、個人用の自動車、トラック、オートバイ、レンタカー、企業所有の自動車、または他の任意の適切なタイプの車両などの登録された車両のために使用される。ディスプレイ・システム100は、車両管理局(DMV)などの、好ましくは、官公庁によって提供される車両10の識別情報および/または登録情報をレンダリングするように機能する。好ましくは、プロセッサ120は、表示される領域のサイズおよび大きさ、情報のコンテンツ、サイズ、および文字スタイル、ならびにディスプレイ110の視認性および反射率などの州道路交通法が順守されるようにディスプレイ110上に車両10の識別情報および/または登録情報をレンダリングする。好ましくは、プロセッサ120は、車両10が登録される州の州道路交通法が順守されるようにディスプレイ110上にコンテンツをレンダリングし、代替として、位置センサ(GPSデバイスなどの)を組み込む本発明の実施形態などにおいて、プロセッサ120は、車両が位置する州道路交通法が順守されるようにディスプレイ110上にコンテンツをレンダリングしてよい。ディスプレイ・システム100は、好ましくは、車両識別情報および/または車両登録情報に加えて、メッセージを表示するように機能する。メッセージは、好ましくは、広告主によって、例えば、ユーザとは実質的に無関係である広告主によって提供される。広告主によって提供される広告の主題は、車両10の運転者および/または所有者と実質的に無関係であってよく、かつ広告は、車両10と実質的に無関係であってよい。代替として、広告は、車両10の運転者および/または所有者が属するデモグラフィックと関係してよく、または車両10の運転者および/または所有者の他の任意の適切な特徴と関係してよい。また、広告は、例えば、パーソナル・コンピュータ上でインターネットを介して、インターネット対応のモバイル電話上でインターネットを介して、または他の任意の適切な方法を介して、車両10の運転者および/または所有者によって選択可能であってもよい。また、広告は、車両10と実質的に関係してもよく、例えば、ポルシェに設置されたディスプレイ・システムが、ポルシェに対するブランド・アフィニティを有するデモグラフィックに的を絞った広告を表示してよい。広告は、車両10の位置と実質的に関係してよく、例えば、車両10が会場の付近内で移動している場合、その会場に関する広告が示されてよい。代替として、メッセージは、法執行機関によって提供されてよく、例えば、行方不明者に関する緊急ブロードキャスト(例えば、アンバ・アラートまたはエルダ・アラート)が提供されてよい。さらに、車両10が盗まれたと届出がされた場合、メッセージは、車両10が盗まれたことを示してよく、それゆえ、車両の外にいる人々が車両10をそのようなものとして識別することを可能にする。
【0009】
代替として、メッセージは、任意の適切なタイプのメッセージであってよく、かつ任意の適切な人々、例えば、公的機関(例えば、DMV)、車両10の運転者、車両10の所有者、車両10と無関係のサード・パーティ、または他の任意の適切な人々によって制御されてよい。第1の例において、メッセージは、車両10のモデル、車両10の排出ガス検査結果、車両10のメンテナンス問題を含め、車両10と関係するさらなる詳細、または車両10と関係する他の任意の適切なタイプの情報を含んでよい。第2の例において、メッセージは、運転者が支持する、もしくは所属する組織(例えば、ガール・スカウト、サンフランシスコ・ジャイアンツ野球チーム、もしくは政党)、運転者が支持する主義(例えば、動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)もしくはがん啓発)、運転者のデモグラフィックを含め、車両10の運転者と関係する詳細、または運転者と関係する他の任意の適切なタイプの情報を含んでよい。この第2の例において、メッセージは、運転者に関する公的な詳細を含んでもよく、例えば、メッセージは、運転者が医師または法執行官であることを示してよく、運転者のサービスが所望されるとき、車両10の外の人々が運転者に要求を向けることを可能にする。また、公的な詳細は、運転者の運転履歴と関係する詳細を含んでもよく、例えば、運転者が不完全な運転記録を有する場合、その車両の付近における他の人々に警告するためにディスプレイ上に通知がレンダリングされてよい。第3の例において、メッセージは、車両10の付近における運転者のための通知、例
えば、交通情報または気象予報を含んでよい。第4の例において、メッセージは、車両の所有者に関する詳細を含んでよい。このことは、車両10が自動車隊、例えば、レンタカー代理店、引っ越しトラック・レンタル代理店、行政自動車隊、または他の任意の適切なタイプの自動車隊のメンバである場合、特に有用であり得る。第4の例のメッセージは、車両10がいずれの自動車隊に所属するかを示してよく、この情報は、車両を識別するのに、自動車隊に関して広告するのに(例えば、車両10がレンタカー代理店に所属する場合、メッセージは、広告、もしくはその特定のレンタカー代理店のためのメッセージを含んでよい)、または他の任意の適切な目的で使用されてよい。しかし、そのメッセージは、他の任意の適切なタイプのメッセージであってよい。
【0010】
ディスプレイ・システム100は、好ましくは、電源によって電力供給される。電源は、好ましくは、車両10のアクセサリ・バッテリ、車両10のエンジンなどの車両10の電源、または車両10の他の任意の適切な電源である。代替として、ディスプレイ・システム100は、車両10の電源とは実質的に独立である電源を含み、かつそのような電源によって電力供給されてよい。ディスプレイ・システム100の電源は、好ましくは、バッテリであるが、代替として、太陽電池パネル、風力発電機、または他の任意の適切なタイプの電源もしくは電源の組合せであってよい。さらに代替として、ディスプレイ・システム100は、充電可能であり、かつ車両10が動作している間、および/または車両10のイグニッションがオンである間、車両10の電力を蓄える車両10の電源に結合された電源を含んでよい。この変形において、ディスプレイ・システム100の電源は、車両が動作している間に生成された電力が、ディスプレイ・システム100によって後の時点で使用されることを可能にする。しかし、ディスプレイ・システム100は、他の任意の適切な方法および/または構成を使用して電力供給されてよい。
【0011】
ディスプレイ110は、コンテンツを表示するように機能し、コンテンツは、車両10の識別情報、車両10の登録情報、およびメッセージのうちの少なくとも1つを含む。ディスプレイ110は、3つの動作モードのうちの1つでプロセッサ130によって動作させられる。ディスプレイ110は、好ましくは、LEDディスプレイ、LCDディスプレイ、電子インク・ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、干渉変調器ディスプレイ(iMoD)、電気泳動堆積(EPD)を使用するディスプレイ、コレステリック液晶ディスプレイ(ChLCD)などの実質的に低電力のディスプレイ、または他の任意の適切なディスプレイである。ディスプレイ110は、代替として、前述のディスプレイ・タイプの組合せであってよい。ディスプレイ110は、好ましくは、実質的に広い範囲の視野角も有する。また、ディスプレイ110は、好ましくは、実質的に薄くもあり、ディスプレイ110が、車両の後方外部および/または前方外部において既存のライセンス・プレートに取って代わることを可能にする。同様に、ディスプレイ110は、好ましくは、既存のライセンス・プレートと実質的に類似した幅、高さ、および/またはアスペクト比のものである。代替として、ディスプレイ110は、既存のライセンス・プレートとは実質的に異なってよい(例えば、欧州ライセンス・プレートの比較的狭い高さの事例において、ディスプレイ110は、実質的に異なる高さのものであってよい)。しかし、ディスプレイ110は、他の任意の適切な大きさのものであってよい。
【0012】
また、ディスプレイ110は、バックライトを含んでもよい。バックライトは、ディスプレイ110によって表示される情報の光強度を制御するように機能する。バックライトは、好ましくは、複数の度合の光強度を含む。プロセッサ130は、動作のモードに基づいて光強度の度合を選択してよい。また、プロセッサ130は、ディスプレイ110に近接した周囲光レベルに基づいて光強度の度合を選択してもよい。例えば、光強度の度合は、昼間により高くてよく、かつ夜間により低くてよい。この変形において、ディスプレイ・システム100は、周囲光のレベルを検出する光センサも含む。また、ディスプレイ・システム100の光強度の度合は、運転者、法執行官、または他の任意の適切な人々の選
好に基づいて選択されてもよい。しかし、ディスプレイ・システム100の光強度の度合は、他の任意の適切な基準に基づいて選択されてよい。バックライトは、ディスプレイ110の実質的に外周部上に位置付けられ、かつディスプレイ110に向かうように向けられた照明のセットであってよい。代替として、バックライトは、ディスプレイ110の実質的に背後に位置付けられ、かつディスプレイ110の背後から光をもたらしてよい。しかし、バックライトは、他の任意の適切な構成のものであってよい。バックライトは、LEDなどの一連の低電力光源であってよいが、代替として、他の任意のタイプの光源であってよい。代替として、ディスプレイは、反射された光でディスプレイ110を照明するように機能する光反射表面を含んでよい。光反射表面は、鏡、または他の任意の適切なタイプの反射材であってよい。また、光反射表面は、光源の方向に光を反射させる再帰反射材のものであってもよい。また、光反射表面は、ディスプレイ110をより効率的に照明する光源と組み合わされてもよく、例えば、高速道路標識上で使用される半透過性の材料であってもよい。しかし、他の任意の適切な材料または方法が、ディスプレイを照明するのに使用されてよい。
【0013】
車両速度センサ120は、車両10の速度を検出するように機能する。車両速度センサ120は、好ましくは、車両10に結合された加速度計、または車両10のドライブトレインに結合され、かつ、車両10の速度を特定するために或る期間にわたって、ホイールなどのドライブトレイン構成要素の回転数を測定するタコメータなどの、車両10の実際の速度および/または加速度を測定するセンサである。第2の変形において、車両速度センサ120は、車両10の速度計、および/または車両10の搭載されたコンピュータに結合され、この構成において、速度センサ120は、車両速度を直接に測定するのではなく、速度計および/または搭載されたコンピュータによって収集された情報をプロセッサ130に伝送するように機能する。しかし、車両速度センサ120は、車両10の実際の速度および/または加速度を特定する他の任意の適切なタイプのセンサであってよい。代替として、車両速度センサ120は、車両の相対速度および/または加速度を測定するセンサ、例えば、別の物体を基準とした車両の速度を特定する超音波センサまたは赤外線センサであってよい。その別の物体は、道路の静止した部分、または近くの車両であってよい。しかし、車両速度センサ120は、他の任意の適切な方法またはセンサ・タイプを使用して車両10の速度を特定してよい。
【0014】
プロセッサ130は、ディスプレイ・システム100の動作モード、すなわち、車両10の識別情報および/または車両10の登録情報を含む第1のコンテンツが、第1の電力消費レベルでディスプレイ110上にレンダリングされる第1の動作モード、メッセージを含み、かつ、場合により、車両10の識別情報および/または車両10の登録情報を含む第2のコンテンツが、ディスプレイ110上にレンダリングされる第2の動作モード、およびコンテンツが、第1の電力消費レベル未満の第2の電力消費レベルでディスプレイ110上にレンダリングされる第3の動作モードに基づいて、ディスプレイ110上にコンテンツをレンダリングするように機能する。好ましくは、第3の動作モードでレンダリングされるコンテンツは、車両10の識別情報および登録情報を含む。ディスプレイ・システム100の変形において、第3の動作モードでレンダリングされるコンテンツは、車両10の識別情報および/または登録情報に加えて、メッセージを含む。しかし、第3の動作モードでディスプレイ110上にレンダリングされるコンテンツは、他の任意の情報もしくはメッセージ、またはそのような情報もしくはメッセージの組合せを含んでよい。
【0015】
プロセッサ130は、好ましくは、車両速度センサ120に結合される。前述したとおり、車両速度センサ120によって特定される速度は、車両10の実際の速度であってよく、または、代替として、別の物体(例えば、近隣の車両)を基準とした車両10の速度であってよい。プロセッサ130は、好ましくは、車両10の速度および電力状態に基づいてディスプレイ・システム100の動作モードを選択する。しかし、車両10の搭載さ
れたコンピュータ、法執行官、遠隔サーバに接続された第2のプロセッサなどの、プロセッサ以外のデバイス、または他の任意の適切なデバイスもしくは機関が、ディスプレイ・システム100の動作モードを選択してよい。プロセッサ130は、好ましくは、車両10がオンであるとき、第1の動作モードおよび第2の動作モードでディスプレイ110を動作させ、かつプロセッサは、好ましくは、車両10がオフであるとき、第3の動作モードでディスプレイ110を動作させる。車両10は、好ましくは、運転者が車両10のいずれかの部分をオンにしたとき、「オン」と見なされる。多くの自動車において、複数の「オン」状態、例えば、窓を開けることおよび閉めることなどの基本的な機能が許される第1の「オン」状態、換気システムまたはサウンド・システムなどの、より高度な機能および/またはより高電力の機能が許される第2の「オン」状態、ならびに車両が運転され得る(または、言い換えれば、イグニッションがオンである)第3の「オン」状態が存在する。車両10は、それ以外の場合、「オフ」と見なされてよい。「オフ」状態において、車両のいくつかの部分、例えば、セキュリティ・センサ、キー近接センサ(キーレス・エントリなどの)、または他の任意のタイプの実質的に低電力の機能は、依然として「オン」であってよい。代替として、車両10は、車両が運転者に提供し得る他のいずれの機能にもかかわりなく、イグニッションがオンであるとき、「オン」と見なされてよく、イグニッションがオフであるとき、「オフ」と見なされてよい。さらに代替として、車両10は、車両内に人の存在が検出されるとき、「オン」と見なされてよく、車両内に誰もいないとき、「オフ」と見なされてよい。また、車両10は、イグニッションの状態、または車両10内の人の存在にかかわりなく、車両10の緊急ブレーキまたはトランスミッション・パーキング・ブレーキが係合されているとき、「オフ」と見なされてもよい。しかし、車両は、他の任意の適切な基準を使用して「オン」と見なされること、および「オン」と見なされることが可能である。プロセッサ130は、好ましくは、車両10が第1の速度にあるとき、第1の動作モードでディスプレイ110を動作させ、好ましくは、車両10が、第1の速度より低い第2の速度にあるとき、第2の動作モードでディスプレイ110を動作させる。第2の速度は、好ましくは、実質的にゼロ速度である、またはゼロ速度に実質的に近い。このことは、
図1に示されるとおり、車両10が動いている(第1の速度)間、車両10の識別情報および/または登録情報が実質的に視認できることを可能にする。このことは、車両10の外の任意の人々が、静的な(または刻印された)ライセンス・プレート上の情報に視覚的にアクセスするのと類似した様態で、ディスプレイ110上にレンダリングされた情報に視覚的にアクセスすることを可能にする。一変形において、プロセッサ130は、車両10がオンであり、かつ第2の速度にあるとき、第2の動作モードでディスプレイ110を動作させ、かつディスプレイ110上に第2のコンテンツをレンダリングし、第2の速度は、好ましくは、車両が交通渋滞のなかをゆっくりと動いている場合などの、ゼロ速度、または実質的に遅い速度である。第2のモードにおいて示されるメッセージは、ディスプレイの表示領域の一部分を占めるため、やはり示される識別情報および/または登録情報は、第1の動作モードと比べて、第2の動作モードにおいて表示領域のより小さい部分を消費することが可能である。識別情報および登録情報は、メッセージが車両10情報と同時に表示されるとき、ディスプレイ110上でより小さいサイズであるため、識別情報および登録情報の視認性は、第1の動作モードと比べて、第2の動作モードにおいてより低い可能性がある。代替として、第2の動作モードにおいてディスプレイ110上にレンダリングされる識別情報および/または登録情報は、第1のモードの場合と同一のフォーマット、または類似したフォーマット(例えば、サイズおよびレイアウト)であってよいが、メッセージは、識別情報および/または登録情報と重なり合うようにディスプレイ上にレンダリングされ得る。このこともまた、車両10の識別情報および/または登録情報のより低い視認性をもたらし得る。したがって、メッセージは、車両10が相当な速度で移動しているときに識別情報および/または登録情報の低下した視認性が生じないように、車両が停止されているとき、またはほぼ停止されているときなどの条件下においてのみ表示されてよいが、車両が第2の速度にあるときにメッセージを表示するさらなる機能は、依然として残る。さらに、メッセージは、車両10が動
いている間、車両10の外の人々に望ましくない目障りなものとなる可能性があり、このため、車両が停止されている、またはほぼ停止されている間に限ってメッセージを表示することによって、目障りとなる可能性が、実質的に低減され得る。しかし、プロセッサ130は、代替として、他の任意の適切な速度構成において第1の動作モードおよび第2の動作モードでディスプレイ110を動作させてよい。このことの変形において、ディスプレイ・システム100は、ディスプレイ110が車両10の前方外部に設置されているとき、ディスプレイ110上にレンダリングされるコンテンツを水平に鏡映させることによって車両10の外の人々にとっての情報の読みやすさを高めてよく、この変形において、ディスプレイ上にレンダリングされるコンテンツは、車両10の前方に位置する第2の車両のバックミラーまたはサイドミラーにおいてディスプレイ110を見る人々によって正しい向きで読まれることが可能である。しかし、プロセッサは、ディスプレイ110によってもたらされる目障りが低減され、かつ表示されるコンテンツの読みやすさが向上させられるように他の任意の手段または構成によってディスプレイ110上にコンテンツをレンダリングしてよい。
【0016】
前述したとおり、プロセッサ130は、好ましくは、車両10がオフであるとき、第3の動作モードでディスプレイ110を動作させるように機能する。第3の動作モードは、好ましくは、第1の電力消費レベル未満の第2のより低い電力消費レベルで車両10の識別情報および登録情報を表示する。このことの変形において、車両10の識別情報および登録情報に加えて、メッセージがディスプレイ110上にレンダリングされ、ただし、第3の動作モードにあるとき、メッセージ、車両10の識別情報、および車両10の登録情報のうちのいずれか1つ、もしくは組合せ、または他の任意の情報がディスプレイ110上にレンダリングされてよい。車両10がオフであるとき、ディスプレイ・システム100が利用可能な電力は、車両がオンであるときと比べて、より少ない可能性がある。例えば、ディスプレイ・システム100が車両10の電源から電力を獲得する変形において、ディスプレイ・システム100は、車両がオンであった別の期間から蓄積されたエネルギーを利用している可能性がある。このため、電力の限られた供給が存在し、車両がオフである間、第1の動作モードおよび/または第2の動作モードと比べて、より低い電力消費レベルで第3の動作モードにおいてディスプレイ110を動作させることによって、ディスプレイ110上にコンテンツがレンダリングされ得る時間の長さが、ディスプレイ・システム100が利用可能な所与の量のエネルギーに関して増加され得る。
【0017】
第3の動作モードにおけるディスプレイ110の動作は、様々な構成においてデジタル・システム100の電力消費を低減してよい。第1の変形において、ディスプレイ110は、第1の時点でオフにされ、かつ第2の時点でオンにされてよい。ディスプレイ110は、特定の時間間隔で、例えば、5分ごとにオンとオフを繰り返すようにタイミング調整されてよい。運転者、所有者、または他の任意の適切な人々が、それらの間隔を調整してよい。このことは、ディスプレイ110が、或る長さの時間にわたってオフにされ、かつ別の長さの時間にわたってオンにされることを可能にする。ディスプレイ110がオフにされる時間の長さは、好ましくは、ディスプレイ110がオンにされる時間の長さと比べて、実質的により長く、このことが、ディスプレイ110の電力消費を実質的に低減する。さらなる変形において、第3の動作モードにあるとき、コンテンツは、第1の動作モードで動作しているときと比べて、表示するのにより少ない電力を要求する色でディスプレイ110上にレンダリングされてよい。しかし、プロセッサは、第3の動作モードにあるとき、第1の動作モードと比べて、ディスプレイ110の電力消費を低減する他の任意の手段によってディスプレイ110を動作させてよい。さらに、プロセッサ130は、第3の動作モードにあるとき、例えば、クロック速度を低減すること、通信デバイス140にデータを送信すること、および/もしくは通信デバイス140からデータを受信することなどの補助機能をシャットダウンすること、またはプロセッサ130の電力消費を低減する他の任意の方法によって、プロセッサ130の電力消費レベルを低減してよい。プロセ
ッサ130が第3の動作モードでディスプレイを動作させるとき、ディスプレイ110の光強度は、第1の動作モードおよび/または第2の動作モードの光強度と実質的に同一であってよい。代替として、車両10は、オフであるとき、静止していると想定され(この想定の可能な例外は、車両10が牽引されているときである)、かつメッセージ、ならびに/または識別情報および/もしくは登録情報が示されるべき人々は、車両10に実質的に近接しているため、ディスプレイ110の光強度は、第1の動作モードおよび/または第2の動作モードの場合と比べて、第3の動作モードにおいて実質的により低くてよい。しかし、他の任意の適切な光強度が、第3の動作モードにおいて使用されてよい。
【0018】
第2の変形において、ディスプレイは、第3の動作モードで動作しているとき、継続的にオンであってよいが、このことは、第1の動作モードおよび/または第2の動作モードと比べて、実質的により低い光強度においてである。第1の例において、ディスプレイ110のバックライトは、第3の動作モードにおいて最低の光強度であってよい。第2の例において、電子インクであるディスプレイ110の変形において、ディスプレイ110のバックライトは、オフにされてよく、双安定であり、維持するのにさらなる電力を要求することもない電子インクだけが、視認できることを可能にする。第3の動作モードにおいてディスプレイ110の電力消費を低減する方法および構成は、好ましくは、前述の2つの変形のうちの1つであるが、代替として、前述の変形の組合せ、または他の任意の適切な方法もしくは構成の組合せであってよい。
【0019】
プロセッサ130は、代替として、第4の動作モードでディスプレイ110を動作させてよい。第4のモードは、通信デバイス140を介した通信によって決定されてよい。第1の例において、通信デバイス140は、法執行機関と通信してよく、かつ車両10が窃盗にあっていることをプロセッサ130に示してよい。すると、プロセッサ130は、車両10が盗まれた車両であるという通知がディスプレイ110上にレンダリングされる第4の動作モードでディスプレイ110を動作させてよい。しかし、第4のモードは、代替として、他の任意の適切なタイプのものであってよく、かつ他の任意の適切な方法によって作動させられてよい。
【0020】
通信デバイス140は、コンテンツ、情報、および/またはデータがディスプレイ・システム100に転送されること、およびディスプレイ・システム100から転送されることを可能にするように機能する。通信は、公的組織(DMV事務所または法執行機関などの)、コンテンツ・データベース、車両のドライバ、車両の所有者、または他の任意の適切な人々を相手に行われてよい。通信デバイスは、車両識別情報および/または車両登録情報、車両メンテナンス情報、運転者情報、車両位置情報(例えば、GPS位置特定デバイスを含む、もしくはGPS位置特定サービスにアクセスするディスプレイ・システム100の変形において)、更新された広告に関する情報、または他の任意の適切なタイプの情報を送信してよく、かつ/または受信してよい。通信デバイス140は、好ましくは、無線通信タイプ、例えば、セルラ電話タワーと通信するタイプ、Wi-Fi(登録商標)ハブ、または他の任意の適切なタイプの無線通信のものである。しかし、通信デバイス140は、有線通信デバイスであってよい。この変形において、更新された情報は、ディスプレイ・システム100が更新デバイス、例えば、メンテナンス施設における、DMV事務所における、もしくは他の任意の適切なロケーションにおけるコンピュータに、または無線通信能力を有する別の車両および/もしくはディスプレイ・デバイス100に「プラグ接続」されたとき、転送される。また、通信デバイス140は、ディスプレイ・システム100に対する通信および/またはディスプレイ・システム100からの通信を解釈するように機能する通信プロセッサを含んでもよい。通信プロセッサは、好ましくは、プロセッサ130とは別個であるが、代替として、プロセッサ130であってよい。通信プロセッサは、ディスプレイ・システム100に対する通信、および/またはディスプレイ・システム100からの通信を暗号化するように、かつ/または解読するように機能してよい。暗号化/解読は、様々な認証および暗号化スキーマのいずれか1つであってよい。例えば、ディフィ・ヘルマン鍵交換、ワイヤレス・トランスポート・レイヤ・セキュリティ(WTLS)などの暗号プロトコル、または他の任意の適切なタイプのプロトコル。また、通信プロセッサは、データ暗号化標準(DES)、トリプル・データ暗号化標準(3-DES)、またはアドバンスト暗号化標準(AES)などの暗号化標準にデータを暗号化するように機能してもよい。しかし、通信デバイス140は、他の任意の適切なタイプの通信を可能にしてよく、かつ他の任意の適切な構成のものであってよい。
【0021】
通信デバイス140は、コンテンツ・データベースからコンテンツ、情報、および/またはデータを受信してよい。好ましくは、コンテンツ・データベースは、プロセッサ130から実質的に遠隔に構成されてよい。また、コンテンツ・データベースは、好ましくは、機関、例えば、広告主、学校、レコード会社、またはスポーツ・チームもしくはスポーツ会場によって提供されるコンテンツを包含み、機関によって提供されるコンテンツは、好ましくは、広告を含む。代替として、コンテンツ・データベースは、車両10の運転者および/または所有者によって提供されるコンテンツ、例えば、高校を卒業した子供に祝辞を述べる車両10の所有者によって作成されたメッセージを包含してよい。しかし、他の任意の適切な人々が、コンテンツ・データベースにコンテンツを提供してよく、かつコンテンツ・データベースは、1つまたは複数の機関からの広告と1名または複数名の個人からの個人的メッセージの組合せを含んでよい。第1の例において、コンテンツ・データベース上のコンテンツは、通信デバイス140を介してプロセッサ130によってアクセスされ、かつストレージ・デバイス150上に記憶される。好ましくは、ストレージ・デバイス150は、車両10内、またはディスプレイ110を包含する筐体内などの、ディスプレイ110に実質的に近接して構成されるが、ストレージ・デバイス150は、遠隔サーバに接続されたハードドライブ上など、車両10から遠隔に位置付けられてよい。第2の例において、コンテンツ・データベース上のコンテンツは、通信デバイス140を介してリアルタイムでアクセスされ、その後、ディスプレイ110上にレンダリングされ、その結果、ストレージ・デバイス150上にコンテンツを記憶することをとばす。しかし、遠隔メッセージ・データベースからのコンテンツは、他の任意の手段によってアクセスされてから、ディスプレイ110上にレンダリングされてよい。第3の例において、ストレージ・デバイスは、コンテンツ・データベースとしても機能し、前掲されるような少なくとも1つの機関または個人からのコンテンツが、ストレージ・デバイス上に記憶されてよく、かつディスプレイ110上にレンダリングされるように車両10の運転者および/または所有者によって選択されてもよい。この変形において、コンテンツ・データベースとしても機能する、ディスプレイ・システム100のストレージ・デバイス150は、第2の車両上に構成されたディスプレイ・システムなどの、ディスプレイ・システム100とは別個の第2のディスプレイ・システムによってアクセスされてよい。しかし、他の任意の適切な人々が、コンテンツ・データベースからディスプレイ110上にレンダリングされるべきコンテンツを選択してよい。さらに、コンテンツ・データベース上のコンテンツは、インターフェースを介して、車両10の運転者および/もしくは所有者、または他の任意の適切な人々によって選択されること、アクセスされること、および/または変更されることが可能である。好ましくは、そのインターフェースは、インターネット・ベースであり、かつ、例えば、モバイル・スマート・フォン上、またはコンピュータ上のウェブ・ブラウザを介してアクセス可能である。第1の例において、車両10の運転者および/または所有者は、インターネット対応のモバイル電話を用いてインターフェースにアクセスし、その後、コンテンツ・データベースにログインして、運転者および/または所有者がディスプレイ110上にレンダリングされることを所望するコンテンツ(例えば、サンフランシスコ・ジャイアンツ野球バナー)を選択してよい。第2の例において、コンテンツ・データベースは、車両登録情報を記憶し、車両10の登録が更新されると、DMV代表者が、インターフェースを備えたコンピュータを介してコンテンツ・データベースにアクセスし、その後、コンテンツ・データベース上の車両10の登録情報を更新してよく
、通信デバイス140が、次に、コンテンツ・データベースから更新された登録情報を取り出してよく、ディスプレイ110上にその後、レンダリングされる登録情報が、その更新を反映することが可能である。代替として、インターフェースは、ディスプレイ・システム100に直結された、または物理的に「プラグ接続」されたハンドヘルド・デバイスであってよい。この変形において、インターフェースは、ディスプレイ・システム100から取外し可能であっても、そうでなくてもよい。さらに、インターフェースは、通信デバイス140を介してコンテンツ・データベースに結合されなくてよく、代わりに、車両10の運転者および/もしくは所有者、または他の任意の適切な人々が、ディスプレイ110に実質的に近接して構成されたストレージ・デバイス150などの、ディスプレイ・システム100上に既に位置付けられたコンテンツにアクセスすることを可能にするだけでよい。例えば、法執行官が、交通違反に関して車両10の運転者を停車させると、車両10上に構成されたディスプレイ・システム100に、インターフェースを備えたデバイスをつないでよく、インターフェースは、車両10の現在の識別情報および/または登録情報へのアクセスを提供する。しかし、インターフェースは、ディスプレイ・システム110に結合された他の任意のデバイスに包含される任意のコンテンツに、かつ他の任意の手段によってアクセスを許してよい。
【0022】
通信デバイス140は、ディスプレイ110上の特定のコンテンツのレンダリングに関するデータを送信してよい。好ましくは、広告が、ディスプレイ110上にレンダリングされるコンテンツに含められ、かつ通信デバイス140が、ディスプレイ110の広告のレンダリングに関するデータを送信する。このデータは、例えば、広告がどれだけの時間、表示されたか、広告がいつ表示されたか、および広告がどこで表示されたかを含んでよい。代替として、このデータは、プロセッサ130によって収集され、かつ/または記憶されることも可能であり、ただし、このデータは、他の任意のデバイスまたは手段によって収集され、かつ記憶されることも可能である。好ましくは、この情報は、車両10の運転者および/または所有者に授与された報償の大きさまたはタイプを特定するのに使用される。第1の例において、所与のチームが出場する野球の試合のチケットに関する広告が、ディスプレイ110上にレンダリングされる場合、車両10の運転者および/または所有者は、その広告がディスプレイ110上にレンダリングされた時間の長さに見合った金銭的報償を受け取ってよく、代替として、車両10の所有者および/または運転者は、野球の試合の入場者数が比較的低い区域においてその広告を表示することの見返りとして、このチームが出場する野球の試合の1枚または複数枚のチケットを受け取ってよい。しかし、他の任意の方法が、ディスプレイ110上にコンテンツをレンダリングすることの見返りとして車両10の運転者および/または所有者に他の任意のタイプの報償を授与するのに使用されてよい。
【0023】
第2の車両に対する車両10の近接を特定するためのセンサは、ディスプレイ110上にレンダリングされるコンテンツを変更するようプロセッサ120に示すように機能する。プロセッサ120は、好ましくは、第2の車両が車両10に実質的に近接しているときディスプレイ110上に広告などのメッセージをレンダリングし(第2のモードなどで)、プロセッサ120は、好ましくは、センサが、車両10に実質的に近接している第2の車両を検出しないときディスプレイ110上に車両10の識別情報および登録情報をレンダリングする(第1のモードまたは第3のモードなどで)。センサは、RADAR検出器、LIDAR検出器、IR送信機-フォトレジスタ・ペア、カメラ、または第2の車両に対する車両10の近接を検出するように構成された他の任意の適切なデバイスであってよい。カメラであるセンサの実施形態において、カメラは、第2の車両の識別情報(第2の車両のライセンス・プレート番号などの)を検出するように構成されてよく、この情報は、第2の車両の所有者を特定するのに、かつ第2の車両の所有者と関係する情報を獲得するのに使用されてよい。次に、プロセッサ120が、第2の車両の所有者が少なくとも60才であると特定された場合、割引価格の処方薬に関する広告を表示することによって、
第2の車両の所有者が女性であると特定された場合、女性のファッション店に関する広告を表示することによって、または第2の車両が法執行機関によって所有されている、もしくは使用されていると特定された場合、運転者情報を表示することによってなど、第2の車両の所有者のデモグラフィックに基づいてディスプレイ110上にレンダリングされるコンテンツを変更してよい。この例において、第2の車両の識別情報が、車両識別情報のデータベースに送信されてよく、データベースは、年令、エスニシティ、または性別などの、第2の車両10の所有者についての情報を戻し、データベースは、DMVまたは米国自動車協会(AAA)などのエンティティによって維持管理されてよい。代替として、カメラは、第2の車両の運転者のデモグラフィックを(例えば、その運転者を、顔認識ソフトウェアによって特定のエスニシティと照合することによって)、またはディスプレイ120上にレンダリングされるメッセージに対する第2の車両の運転者の応答を直接に特定するように構成されてよい。後者の例において、第2の車両の運転者の応答は、初期の応答が否定的であった場合、より好意的な応答をもたらし得る代替のメッセージを選ぶのに使用されてよく、または最初の応答が肯定的であった場合、類似したメッセージを選択するのに使用されてよい。さらに、センサがカメラである実施形態において、カメラは、コンテンツが適切な光レベルでディスプレイ上にレンダリングされ得るように、車両10に実質的に近接した周囲光のレベルを測定するのに使用されてよく、例えば、ディスプレイの明るさは、カメラが、車両10の近くの高いレベルの太陽光を特定した場合、増加してよい。しかし、センサは、第2の車両と関係のある他の任意の情報を検出し、かつ他の任意の変数に基づいてディスプレイ上でレンダリングされるコンテンツを変更するようにプロセッサ120に示してよい。
【0024】
図2は、デジタル・ライセンス・プレート・システム200に組み込まれ得る様々なシステム、サブシステム、またはモジュールを、車両システム218、車両乗員、またはサード・パーティの人もしくは自動化されたシステム220などの潜在的な相互作用する動作主体とともに示す。この図において、デジタル・ライセンス・プレート202は、車両上に設置され得る。デジタル・ライセンス・プレート内のシステムは、電力システム204と、熱制御システム206と、センサ・システム208とを含み得るが、以上には限定されない。電子セキュリティ・システム210が、データ・ログ記録およびインターフェース・システム212を介してログ記録され、かつ配信されるデータ、または通信システム214を通じて受信される/送信される通信に対する許可のないアクセスを制限する。受信されるデータは、ディスプレイ216によって提示される情報を決定するのに、または更新するのに使用され得る。
【0025】
図3は、デジタル・ライセンス・プレート・システムの一実施形態を動作させるための方法を示す。デジタル・ライセンス・プレートを特定の車両に登録し、かつ結び付ける初期セットアップ302の後、デジタル・ライセンス・プレートは、車両始動時に(または、代替として、車両停止時に)初期設定304の準備ができていることが可能であり、デジタル・ライセンス・プレートに関するコンテキスト、位置、またはディスプレイ・プリセットを識別するのを助けるようにタイマまたはセンサを使用することが可能である。データ・アップロード/ダウンロードが開始されることが可能であり、かつ任意のファームウェア/ソフトウェア更新が完了されることが可能である。通常の動作において、ディスプレイに対する変更306は、感知されたデータ308に応答して、データ・ストレージもしくは解析システム310から、または外部通信およびデータ転送312の結果として行われ得る。同様に、内部トリガまたは外部から受信されたデータに基づいて、感知された、または記憶されたデータが、送信されること、または受信されることが可能であり、かつセンサが活性化されること、不活性化されること、またはセンサ・データが解析されることが可能である。車両が停止したとき、またはタイミング・トリガもしくは他の適切なトリガに応答して、データが、初期設定ステップ304に再び転送される(線314を介して)ことが可能である。
【0026】
図4Aは、選択された構成要素を示すディスプレイ・システム400の一実施形態を示す。外部に取り付け可能なモジュール402内に設置されるのが、処理システム414、メモリ・モジュール416、通信モジュール418、およびディスプレイ410に電力を供給するバッテリ412である。また、電力は、車両電力システム404によって、直接に、またはバッテリ412の充電を介して供給されることも可能である。一部の実施形態において、バッテリ412は、リチウム・ポリマ・バッテリ、ニッケル・カドミウム・バッテリ、鉛酸バッテリ、リチウム・イオン・バッテリ、リチウム空気バッテリ、リチウム鉄酸化物バッテリ、ニッケル金属水素化物バッテリ、高吸収性ガラス・マット(AGM)・バッテリ、または制御弁型鉛酸(VRLA)バッテリであってよい。
図4Bは、
図4Aに示されるものの代替であるディスプレイ・システム401を示す。その実施形態において、バッテリ412は、外部に取り付け可能なモジュール402の外部で、車両内に位置付けられることが可能である。有利なこととして、このことは、従来の充電可能な鉛酸バッテリを含め、より大型のバッテリ、または異なる化学的性質のバッテリの使用を可能にし得る。
【0027】
ディスプレイ・システム400に関連付けられた車両の電源がオンにされたとき、ディスプレイ・システム400には、通常、車両システムから電力が供給される。一部の実施形態において、車両システムによってディスプレイ・システム400に供給される電力は、12Vであってよい。他の実施形態において、他の電圧値が実施されてよい。車両の電源がオフにされるとき、ディスプレイ・システム400は、例えば、車両登録情報を表示すべく、依然として、電源がオンにされている必要があり得る。一部の実施形態において、ディスプレイ・システム400は、実質的に常時、電源がオンにされる必要があり得る。車両電源オフ状態の間、ディスプレイ・システム400は、バッテリ412から電源をとる。
【0028】
図5に関して見られるとおり、ディスプレイ・システム400に関する電力状態チャート500上の位置は、電力の利用可能性および要求に依存し得る。4つの状態が、ディスプレイ・システム100に関連するものとして記述され、それらは、以下を含む。
【0029】
オフ状態:ディスプレイ・システム400が、オフにされ、プロセスがまったく実行されていない。
【0030】
スリープ状態:この状態において、最小限の数のプロセスだけが実行されており、例えば、以下のとおりである。
【0031】
1.リアル・タイム・クロック
【0032】
2.静電容量タッチ監視
【0033】
3.加速度計監視
【0034】
一部の実施形態において、赤外線センサが、ウェイク状態をトリガすべくデジタル・ディスプレイ周辺の動きを検出するのに使用されてよい。他の実施形態において、プロセッサは、プレートが規則的な間隔で起動するようにさせてよい。
【0035】
ウェイク状態:この状態において、プロセッサ、通信モジュール(セルラ通信モジュール、Wi-Fiモジュール、およびBluetooth(登録商標)モジュールを含む)、デジタル・ディスプレイ、加速度計、ジャイロスコープ、および速度センサを含む、ディスプレイ・システム100に関連するすべてのデバイス・プロセスが実行されている。
【0036】
半ウェイク状態:この状態において、スリープ状態に関連するすべてのプロセスが実行されており(前述したとおり)、加えて、画像がディスプレイ110上に表示される。一部の実施形態において、処理システム414およびモデム(図示せず)の電源が投入されていてよく、モデムは、無線インターネット・アクセスを含むが、それには限定されない方法によって遠隔サーバ(図示せず)に対する無線接続(例えば、3Gまたは4Gのセル・サービス)を実施するのに使用される。他のプロセスは、バックライト/フロント・ライト制御、または明/暗検出を含むことが可能である。
【0037】
状態間の遷移は、バッテリ・レベルおよび車両電力レベル、感知される静電容量タッチ、物理的ボタン押下げ、加速度計イベント(動きが感知される)、ケーブル接続解除(車両電力が接続解除される)、着信するSMSメッセージ(モデムを介して受信される)、タイマ信号、または赤外線動き検出に応答して開始され得る。特に、いくつかの遷移トリガが、以下のとおり説明される。
【0038】
車両電力が取り外される
【0039】
12V車両電力がデバイスから取り外され、かつバッテリが十分な充電(>10%)を有するとき、ディスプレイ・システム400は、スリープ状態に入る。この遷移は、60秒内に生じる。バッテリが完全に放電しきっているとき、デバイスは、完全にオフにされる。
【0040】
車両電力が加えられる
【0041】
12V車両電力が加えられたとき、ディスプレイ・システム100は、即時にウェイク状態に入る。
【0042】
静電容量タッチまたはボタン・タッチが記録される
【0043】
タッチが感知されたとき、ディスプレイ・システム100は、スリープ状態から半ウェイク状態に遷移する。
【0044】
加速度計イベントが感知される、すなわち、加速度計が、ディスプレイ・システムが静止した車両から取り外されたことを検出する。
【0045】
一部の実施形態において、ディスプレイ・システム400は、20分ごとにスリープ状態から半ウェイク状態に遷移し、1分間、半ウェイク状態に留まり、その後、スリープ状態に戻る。他の実施形態において、応用例の性質に依存して他のタイミング組合せが実施されてよい。例えば、ディスプレイ・システム400は、60秒ごとにスリープ状態から半ウェイク状態に遷移し、10秒間、半ウェイク状態に留まり、その後、スリープ状態に戻ってよい。
【0046】
図5に戻ると、すべてのシステムの電源が切られているオフ状態502から始めて、車両電力が加えられる、またはバッテリ電力が10%を超えている条件514が生じた場合、システムは、ウェイク状態508に遷移する。ウェイク状態508から、車両電力が取り外される、またはバッテリ電力が0%である条件512が生じた場合、システムは、オフ状態502に遷移する。ウェイク状態508にある間、車両電力が取り外され、かつバッテリ電力が10%を超える条件522が生じた場合、システムは、スリープ状態504に遷移する。逆に、スリープ状態504にある間、電力が加えられる条件516の場合、システムは、ウェイク状態508に遷移する。スリープ状態504にある間、バッテリ電
力が0%である条件510が生じた場合、システムは、オフ状態502に遷移する。スリープ状態504にある間、適格となるイベントが記録された(例えば、前述したとおり、静電容量タッチ検出もしくは赤外線動き検出)、または前回の状態検査以来、20分が経過している条件518の場合、システムは、半ウェイク状態506に遷移する。システムが半ウェイク状態506にあり、かつ1分が経過した条件が生じた、または適格となるイベント(ステップ518において記録された)に関連する機能が満たされたとき520、システムは、スリープ状態に遷移する。システムが半ウェイク状態506にあり、かつバッテリ電力が0%である条件524が生じた場合、システムは、オフ状態502に遷移する。
図5におけるフローチャートは、デジタル・ディスプレイ100に関する基本状態フロー・プロセスを捉える。
【0047】
図6Aは、双安定ディスプレイに関する電力状態
図600である。有利なこととして、双安定ディスプレイは、外部電力が取り外されたとき、そのディスプレイの状態を保持する。
図6Aにおいて、「プレート」という用語は、ディスプレイ・システム100を指すように同義として使用される。車両がオフであり、かつ車両電力がオフである状態604から始めて、車両がオンになるイベント610が生じた場合、システムは、車両がオンであり、かつプレートがオンである状態602に切り換わる。車両がオンであり、かつプレートがオンである状態602において、車両がオフになるイベント622が生じた場合、システムは、車両がオフであり、かつプレートが低電力スリープ・モードに入っている状態608に遷移する。システムが、車両がオフであり、かつプレートが低電力スリープ・モードにある状態608に遷移したとき、デジタル・ディスプレイ110が電気泳動ディスプレイである場合、ディスプレイ上の情報は、静的なままであり、消去されない。システムが、車両がオフであり、かつプレートが低電力スリープ・モードにある状態608にあり、かつ車両がオンになった場合620、システムは、車両がオンであり、かつプレートがオンである状態602に再び遷移する。システムが、車両がオフであり、かつプレートが低電力スリープ・モードにある状態608にあり、かつプレート・バッテリ電力が減少させられるイベント618が生じた場合、システムは、車両がオフであり、かつ車両電力がオフである状態604に遷移する。システムが、車両がオフであり、かつプレートが低電力スリープ・モードにある状態608にあり、かつプレート起動信号が受信されるイベント614が生じた場合、システムは、車両がオフであり、かつプレートが、限られた電力の下で動作する状態606に遷移する。起動信号は、感知される静電容量タッチ、物理的ボタン押下げ、加速度計イベント(動きが感知される)、ケーブル接続解除(車両電力が接続解除される)、着信するSMSメッセージ(モデムを介して受信される)、タイマ信号、または赤外線動き検出の任意の組合せによってトリガされる。システムが、車両がオフであり、かつプレートが、限られた電力の元で動作する状態606にあり、かつ起動タスクが完了されるイベント616が生じた場合、システムは、車両がオフであり、かつプレートが低電力スリープ・モードにある状態608に遷移する。システムが、車両がオフであり、かつプレートが、限られた電力の元で動作する状態606にあり、かつ車両がオンになるイベント612が生じた場合、システムは、車両がオンであり、かつプレートがオンである状態602に遷移する。
【0048】
ディスプレイ・システム100の一部の実施形態は、データ処理動作を実行するように構成されたCPUモジュール、通信プロトコルを実施するように構成されたモデム、デジタル・ディスプレイ110に関連付けられた画面、双安定ディスプレイから成る画面を照明するのに使用されるフロントライト・システム、もしくはLCDディスプレイから成る画面を照明するのに使用されるバックライト・システム、またはこれらの何らかの組合せ、位置特定のためのGPSモジュール、およびオンボード診断、バージョンII(OBD-II)接続などの、モジュール、またはシステム構成要素を含んでよい。これらのモジュールのそれぞれは、電力を消費し、1つの状態から別の状態へのシステム遷移によって影響される。
【0049】
図6Bは、電力状態がシステム構成要素にどのように影響を与えるかを示す表601を提示する。
図6Bに見られるとおり、システムが状態602にあるとき、CPUは、オンであり、モデムは、接続されており、画面上の情報は、変更可能であり、フロント・ライトは、オンであり(画面を照明すべく)、GPSモジュールは、オンであり、かつOBD-II接続は、オンである。システムが状態604にあるとき、CPUは、オフであり、モデムは、オフであり、画面上の情報は、最後の画像に凍結されており(この情報は、ディスプレイが双安定、例えば、電気泳動ディスプレイであるので、持続する)、フロント・ライトは、オフであり、GPSモジュールは、オフであり、かつOBD-II接続は、オフである。システムが状態606にあるとき、CPUは、オンであるが、低電力モードで動作しており、モデムは、接続され、画面上の情報は、変更可能であり、フロント・ライトは、オンであり、GPSモジュールは、オフであり、かつOBD-II接続は、オフである。システムが状態608にあるとき、CPUは、一時停止されたモード、もしくは低電力モードにあり、モデムは、低電力モードにあって、例えば、SMS起動信号がないかリッスンしており、画面上の情報は、最後の画像に凍結されており、フロント・ライトは、オフであり、GPSモジュールは、オフであり、かつOBD-II接続は、オフである。
【0050】
一部の実施形態において、車両ステータス変化が、電圧変化に応答して開始され得る。例えば、デジタル・ライセンス・プレートは、アナログ-デジタル変換器(ADC)、加速度計/ジャイロスコープ、GNSS/GPS受信機、LTE無線機、およびリアルタイム・クロック(RTC)を備えていることが可能である。これらの構成要素は、車両が動作している(稼働している)かどうか、車両が駐車されている(稼働していない)かどうか、および車両が動いているかどうかを判定するのに使用され得る。測定され、かつADCによってデジタル形態に変換された電圧は、デジタル・ライセンス・プレートによって、車両が、公称12.6ボルト状態を有する駐車モードから、公称13.7ボルト状態を有する動作モードに移行したときを判定するように使用され得る。同様に、電圧の低下が、車両が動作モードから駐車モードに移行したときを判定するのに使用され得る。
【0051】
また、車両ステータス変化は、加速度計情報を使用して検出されることも可能である。例えば、加速度計読取り値が、ドアを開くこと、または閉じることからの大きい衝撃の加速度読取り値を、エンジン動作による規則的な周期的加速から区別することが可能である。
【0052】
車両ステータス変化およびデジタル・ライセンス・プレート電力状態変化は、単独での、または電圧/加速度計データもしくは他のセンサ・データと組み合わされた、車両位置状態によってトリガされ得る。位置は、GNSS/GPS位置特定サービスまたはLTE位置特定サービスを使用して判定され得る。例えば、オン・モードに入った後、デジタル・ライセンス・プレートは、プレートの現在位置をローカルの記憶されたデータベースから得ることができる。次に、搭載されたGNSS/GPS位置特定サービスまたは無線接続されたLTE位置特定サービスを使用して、その位置が更新され得る。十分な事前設定された差(通常、数メートルのオーダの)が存在する場合、車両は、動いているものとして示されることが可能であり、デジタル・ライセンス・プレートのモードは、動いているモードに切り換えられる。代替として、位置差が、事前設定された値以下であり、かつその位置が、設定された時間x、変化していない場合、デジタル・ライセンス・プレートは、自動車が駐車されていると判定することができ、デジタル・ライセンス・プレートは、スリープ・モードに切り換えられ得る。
【0053】
図7は、デジタル・ライセンス・プレート動作フローチャート700を示す。デジタル・ライセンス・プレートの開始およびプロセッサ起動の後、プロセッサ(およびデジタル
・ライセンス・プレート)は、外部イベントが生じるまでスリープ・モードに留まる。車両が稼働しているか、駐車されている(稼働していない)か、または動いているかについての判定が行われる。イベントが扱われ、必要な場合、デジタル・ライセンス・プレート電力および通信ステータスの適切な1つまたは複数のモード変更が行われる。一部の実施形態において、このモード変更判定は、個人用スマートフォンなどの外部情報源を利用することが可能である。例えば、デジタル・ライセンス・プレートは、モバイル電話上で実行されているBTLEを使用してクラウド・プラットフォームに接続され得る。スマートフォンを保持している人がデジタル・ライセンス・プレートに接近したとき、そのプレートは、そのプレートが既にペアにされている1つまたは複数のモバイル電話を探すことができる。それらのモバイル電話のうちの1つDLPに接続された場合、デジタル・ライセンス・プレートが、運転モードにある、または間もなく運転モードになるという予測が行われる。この予測に基づいて、いくつかのモード変更が行われることが可能であり、あるいはプレートの機能がイネーブルにされること、またはディセーブルにされることが可能である。
【0054】
図8は、デジタル・ライセンス・プレート長距離無線接続フローチャート800を示す。デジタル・ライセンス・プレート・イベントが生じたとき、車両が稼働しているか、車両が駐車されているか、または車両が動いているかに基づいて、3つの主要な系統のイベントが生じることが可能である。車両が稼働しているとき、プロセッサは、起動されており、LTEは、接続されており、かつセンサは、車両が動いているかどうかを判定するようにポーリングされる。車両が動いている場合、動いている車両に適切なモード変更が開始される。このことは、プロセッサ起動、適切なライセンス・プレート画像表示(またはプレート画像の更新)を確実にする試験、LTE接続、GNSS/GPSイネーブル化、およびデータ受信のための外部サーバ/クラウドに対する接続を含む。ローカル・センサ(すなわち、テレマティクス)データが、LTEを介してサーバ/クラウドにアップロードされることが可能であり、このことは、車両が停止するまで規則的な間隔で繰り返され、デジタル・ライセンス・プレートは、駐車モードに切り換わる。車両が駐車されるとき、プロセッサは、ウェイク状態に最初、維持されることが可能であり、LTEが接続され、かつセンサ・データが収集されることが可能である。車両が、所定の時間にわたって静止したままである場合、プレート画像は、オプションとして、更新されること、または変更されることが可能であり、デジタル・ライセンス・プレートは、スリープ・モードに切り換えられる。そうではない場合、車両は、必要な場合、動いている車両モードに再び切り換えられることが可能である。
【0055】
理解されるとおり、車両状態、ならびに対応するデジタル・ライセンス・プレート電力および通信状態を判定することには、前述した方法の複数の組合せを使用することができる。センサ入力および外部から受信されるデータを組み合わせるため、およびそのような入力およびデータに重み付けするための様々な統計技法、予測技法、機械学習技法、またはその他の技法が、組み合わされて、または単独で、デジタル・ライセンス・プレートによって、センサ入力または外部通信に応答して、必要とされる動作モードを決定すべく使用されることが可能である。
【0056】
図9は、プレート画像更新、登録、更改、ソフトウェア更新、アンバ・アラート、またはモバイル電話を介した通知を含む機能を使用して電力のためのより良い長期サポートを提供することができる向上した電力使用効率を有するデジタル・ライセンス・プレートの動作の方法を示す。一実施形態において、デジタル・ライセンス・プレートは、Bluetooth Low Energy(BTLE)無線パーソナル・エリア・ネットワーク技術を備える。BTLE技術は、2.400~2.4835GHz ISM帯域のスペクトル範囲において動作し、かつ40の2MHzチャネルを有する。チャネル内で、データは、毎秒1メガビットの通常のビット・レートでガウス周波数偏移変調を使用して送信さ
れ、最大送信電力は、10mWである。狭帯域干渉問題は、低減される、様々な周波数ホッピングまたはダイレクト・シーケンス・スペクトラム拡散。さらに、電力プロファイルが、汎用アトリビュート・プロファイル(GATT)を使用してデジタル・ライセンス・プレートおよび様々なデジタル・ライセンス・プレート応用例に関して最適化され得る。GATT動作は、所与のUUIDを有するサービスを見つけること、所与の一次サービスに関する二次サービスを見つけること、所与のサービスに関するすべての特性を発見すること、所与のUUIDと合致する特性を発見すること、および特定の特性に関するすべての記述子を読み取ることを含め、すべての一次サービスに関する識別子(UUID)の発見を含み得る。
【0057】
特性の値を読み取る(サーバからクライアントへのデータ転送)コマンド、および書き込む(クライアントからサーバに)コマンドが、提供されることが可能である。値は、特性のUUIDを指定することによって、またはハンドル値(前述の情報発見コマンドによって戻される)によって読み取られてよい。書込み動作は、ハンドルによって特性を識別することができる。通知および指示。クライアントは、サーバからの特定の特性に関する通知を要求することが可能である。すると、サーバは、クライアントにその値を、その値が利用可能になった場合いつでも、送ることが可能である。例えば、加速度センサ・サーバが、サーバが測定を行うたびにサーバのクライアントに通知してよい。このことは、サーバの無線機回路が常に動作状態にあることを要求する、クライアントがサーバにポーリングすることの必要性を回避する。さらなる詳細が、Bluetooth Core Specification V4.0のVolume 6 Part A(Physical Layer Specification)において与えられる。
【0058】
GATT定義されたプロファイルを適切なアプリケーション・プログラミング・インターフェースと併せて使用することが、従来のBluetoothシステムと比べて、非常に低い電力使用をもたらし得る。
図9に示されるとおり、BTLE対応のデジタル・ライセンス・プレートが、電力消費を大幅に低減し、かつ以下のステップ900を使用してバッテリ寿命を最大化することが可能である。ステップ902において、第1の接続が、BTLEを介して試みられ、かつ行われる。数回の試行の後、接続が行われない場合、代替の(かつより高い電力使用の)無線技術が、ステップ908において試みられる。これらの代替の無線接続は、自宅で、職場で、車両内で、または民間もしくは公共のWiFiシステムを通じてルータまたは無線ホットスポットを経由することが可能である。WiFiが利用可能でない場合、非常に高電力使用のLTE接続が試みられることが可能である。通常、BTLE接続試行が、最も頻繁に行われ、その後にWiFi接続試行が続き、稀にLTE接続試行が行われる。一部の実施形態において、無線接続が指定された時間間隔内に、または選択されたイベント(例えば、車両を使用する)中に行われなかった場合、スマートフォンまたは他のユーザ・インターフェース・デバイスが、トラブルシューティングを可能にするように通知をもたらすように設定され得る。
【0059】
図9に関連して説明される方法を使用する一実施形態において、デジタル・ライセンス・プレートが、モバイル電話上で実行されるBTLEを使用してクラウド・プラットフォームに接続されることが可能である。前述したとおり、ステップ902において、デジタル・ライセンス・プレートが、そのプレートが既にペアにされている1つまたは複数のモバイル電話を探す。それらのモバイル電話のうちの1つがDLPに接続された場合、DLPプレートが運転モードにある、または間もなく運転モードに入るという予測が行われる。この予測に基づいて、プレートのいくらかの機能が、イネーブルにされる、またはディセーブルにされることが可能である。例えば、的を絞ったメッセージが、DLPに送信され、かつDLP上に表示されるようにモバイル電話によって取り出されることが可能である。実際、モバイル電話の利用可能な電力および処理能力は、DLPの搭載されたWiFiシステムまたはLTEシステムによる高い電力使用の代わりに、DLPを制御する低電
力のBTLE接続と併せて使用される。このことは、車両電力システムに接続されていない、または断続的にしか接続されないDLPシステムに関して特に役立つ。
【0060】
DLPに関する電力低減向上に加えて、説明される実施形態は、情報転送および応答性を向上させることができるとともに、GNSS/GPS位置特定または自動車駐車許可などのさらなる情報を提供する。別の例として、アンバ・アラートが発行されたとき、アラートの区域内に住む顧客の位置に基づいて、プレート更新を要求するメッセージが、それらの顧客にモバイル電話を介して送られることが可能である。顧客が自動車内にいる場合、プレートは、BTLE接続を介して更新される。このことは、DLPからのLTE接続を要求することなしに、DLP上にアンバ・アラートを迅速に提示するという利点を有する。
【0061】
駐車することと関係する別の実施形態において、顧客は、駐車告知、駐車支払い、または駐車許可をもたらすべくモバイル電話アプリケーションを使用することができる。すべての支払いおよび処理は、モバイル電話によって扱われることが可能であり、最終的な駐車許可画像(例えば、駐車ステッカ)だけが、BTLEによってDLPに転送され、電力使用の大部分は、モバイル電話上で生じる。顧客およびモバイル電話が車両(および関連するデジタル・ライセンス・プレート)を回収しない状況に関して、駐車許可は、あらかじめ設定されたDLP命令に依存して、DLPによって削除されること(例えば、短期駐車ステッカもしくは個人専用の障害者ステッカ)、または留まるように設定されること(例えば、長期車両駐車ステッカ)が可能である。
【0062】
また、
図2に関連して簡単に説明したような適切な熱制御システムも、或る範囲の条件下で信頼できる動作を確実にするために有用である。
図1に関して前述したとおり、ディスプレイ・システム100は、車両の外部に設置されてよく、かつ或る範囲の温度に晒され得る。さらに、ディスプレイ・システム100は、ディスプレイ110などの関連付けられた構成要素におけるワット損により熱を発生させる。一部の条件において、ディスプレイ・システム100が過熱するのを防止することが重要であり得る。以下に提示されるのは、ディスプレイ・システム100における過熱効果がどのように低減され得るかについての説明である。発生する熱の量を調整する1つの戦略は、ディスプレイ・システム100に関連する検出される温度に応じてディスプレイ110の明るさを低減することである。
【0063】
デバイスの現在の最大許容可能温度は、システム・オン・マイクロプロセッサ(SOM)センサによって読み取られる、定義された温度に設定される。この温度に達しないことを確実にするのに、温度上限は、この温度よりいくらかの量、低い必要がある。
図10が、そのような明るさ制御ロジックを実施する方法800の一実施形態を示すフローチャートを示す。1002において、方法は、定義された時間間隔で(例えば、60秒ごとに)SOM温度およびディスプレイの明るさをサンプリングする。1004において、方法は、温度が70.7℃以上であるかどうかを調べる。温度が70.7℃以上である場合、方法は、方法が、ディスプレイの明るさを15%低減する、1006に進み、その後、方法は、1002に戻る。1004において、温度が70.7℃以上ではない場合、方法は、方法が、温度が67℃以下であるかどうかを調べる1008に進む。温度が67℃以下でない場合、方法は、1002に戻る。1008において、温度が67℃未満である場合、方法は、方法が、定められたポイントに到達しているかどうかを調べる、1010に進み、ここで、「定められたポイント」という用語は、所定の明るさ値を指すように使用される。定められたポイントに到達している場合、方法は、1002に戻り、そうでない場合、方法は、方法が、ディスプレイの明るさを5%、または他の任意の事前設定された値だけ増加させる、1012に進み、再び1002に戻る。
【0064】
実際、そのポイントを下回ると画像の明るさが増加される、下方の温度閾値が設定される。ディスプレイ・システムが安全温度に達すると、明るさは、デバイスが、明るさを増加させることと、減少させることのループにはまり込まないように、定められたポイントにゆっくりと戻るように増加することを始めなければならない。明るさは、15%のインクリメントで下げられるので、明るさは、温度が定められた値を下回ると、5%のインクリメントで増加される。この組み込まれたヒステリシスは、デバイスが明るさを変更することのループにはまり込むことを防止する。一部の実施形態において、より高速なサンプリング・レートが、温度センサにおける雑音のために誤ったアクションが行われる危険を冒しながら、明るさのより細かい調整を可能にしてよい。明るさの定められたポイントは、起動時にデバイスにおける周囲光センサから生成されることが可能であり、かつその後、60秒ごとに再較正されることが可能である。
【0065】
デジタル・ライセンス・プレートのデジタル・ディスプレイの様々な構造的なフィーチャは、加熱すること、および冷却することを助けることが可能である。例えば、
図11は、冷却フィンを例示する、ベゼルの2つの
図1100を示す。
図11の図は、デジタル・ディスプレイ1110を囲むフレームとして機能するベゼル1102を示す。1104は、冷却フィン1106のセットを示す、ベゼル1102の代替の図である。冷却フィン1106は、デジタル・ディスプレイから熱を放射するように機能して、デジタル・ディスプレイに関連する加熱率を低減するのを助ける。
【0066】
いくつかの実施形態において、熱導管がベゼル1102の一部として含められてよく、熱導管は、熱を逃すべく回路基板構成要素と直接に接触し、かつ熱伝導を助ける何らかの種類の熱伝達化合物(場合により、ジェルまたはペーストの形態の)を含んでもよい。他の実施形態は、熱電冷却(例えば、ペルティエ・デバイス)を使用してディスプレイ・システムに能動冷却をもたらしてよい。
【0067】
一部の実施形態において、デジタル・ディスプレイは、双安定ディスプレイであってよい。低い動作温度の下で、双安定ディスプレイは、双安定ディスプレイが正しく遷移するのに外部から加熱される必要があり得る。高い動作温度の下で、双安定ディスプレイが、定義された温度未満に維持されるのでない限り、または少なくとも一時的に冷却されない限り、切り換わることに困難が生じ得る。双安定ディスプレイとLCDの動作温度の違いのため、温度制御は、双安定ディスプレイ対LCDで異なるようにプログラミングされることが可能である。
【0068】
双安定ディスプレイは、白と黒の色素材料を包含し、かつ透明電極およびピクセル電極を使用してアドレス指定する電気泳動ディスプレイにおける有色素の微小球を含み得る。そのような双安定ディスプレイが、E Inkコーポレーションから一般に入手可能である。単一の色素材料および着色された油だけを使用する代替の実施形態も可能である。それらの実施形態において、電気泳動分散は、1つのタイプの荷電着色粒子を対比色の油または油性混合物の中で分散させる。透明電極とピクセル電極の間で電圧差が生じさせられたとき、色素粒子は、色素粒子の極性と反対の極性の電力に泳動する。透明電極において示される色は、溶剤の色または色素粒子の色であり得る。電極極性の逆転は、粒子に、反対のピクセル電極に戻るように泳動させ、その結果、色を逆転させる。
【0069】
そのような双安定ディスプレイのパフォーマンスは、本明細書において説明されるようなデジタル・ライセンス・プレートに関して向上させられ得る。例えば、信頼性を向上させるのに、白の色素粒子が、赤外線を反射する材料から形成されること、またはそのような材料に関連付けられることが可能である。このことは、赤外線感度の高いカメラ・システムを使用して読み取りやすさを向上させる。別の実施形態において、向上した薄明りまたは微光における読み取りやすさのために、白の色素粒子は、蛍光性またはリン光性であ
る材料から形成されること、またはそのような材料に関連付けられることが可能である。さらに他の実施形態において、白の色素粒子は、デジタル・ライセンス・プレートの双安定ディスプレイを動作温度限度内に維持するのを助けるように温度を低減する、または増加させる熱除去材料または熱吸収材料から形成されること、またはそのような材料に関連付けられることが可能である。
【0070】
低い動作温度の下で、双安定ディスプレイは、双安定ディスプレイが正しく遷移するように外部から加熱される必要があり得る。低い温度において、電子インクは、その動作温度範囲の下限がLCDと比べて、より高いので、遷移することができるために、外部熱源を必要とする可能性がある。取り付けられた加熱要素、加熱パイプ、バッテリもしくは車両によって電力供給される加熱要素がすべて、双安定ディスプレイが、切換えが要求されるときに最低限のディスプレイ切換え温度より上に保たれること、またはそのような温度を一時的に超えるようにされることを確実にするのに使用され得る。加熱要素の使用は、例えば、ヒータの活性化が、ディスプレイに最低限のディスプレイ切換え温度を超えさせること、および、その後、ヒータの不活性化、およびその結果としての、最低限のディスプレイ切換え温度を下回る温度低下を可能にする。双安定ディスプレイ以外の、加熱されることが可能な他の構成要素は、任意の関連する回路基板、およびバッテリ・システムを含み得る。
【0071】
関連付けられたヒータを有さない(またはヒータが、冷たい温度を補償するのに十分な熱を発生させないときの)実施形態に関して、双安定ディスプレイの動作は、補償されるように調整され得る。例えば、一実施形態において、温度が、下方の動作温度限度近くに低下するにつれ、デジタル・ライセンス・プレートは、法的に要求される情報だけを表示するように設定され得る。法的に要求される情報の表示の妨げとなり得る広告、または部分的に、もしくは冷たい温度のために完全に切り換わることができない可能性がある動的表示は、許されない。実際、例えば、加熱された車庫に保たれた車両は、デジタル・ライセンス・プレートにおいて可能な完全な範囲の視覚的効果を表示することができる。車両が、0℃を下回る温度を有する環境に入った場合、温度センサが、低温度条件の警報データを提供することが可能であり、デジタル・ライセンス・プレートは、法的に要求される情報、または法的に要求される情報を見ることの妨げとならない情報だけの表示に切り換わる。同様に、能動冷却システムまたは受動冷却システムを有する実施形態が、デジタル・ライセンス・プレートが、温度が最大限の表示切換え温度に達する前に、法的に要求される情報、または法的に要求される情報を見ることの妨げとならない情報だけの表示に切り換わることを確実にする方法をサポートすることができる。
【0072】
臨界温度は、ディスプレイの材料およびタイプにより異なる。例えば、電子インク双安定ディスプレイは、摂氏0度を上回り、摂氏50度を下回る通常の動作温度範囲を有し得る。低温度条件または高温度条件を補償するアクションは、臨界温度に達する前に始まることが可能である。例えば、反射率に影響を与える表示パターンが、感知される温度が摂氏40度を超えると、反射率を増加させるように調整され得る。温度が増加しつづける場合、オプションの冷却要素が活性化されることが可能であり、温度が上昇しつづけた場合、デジタル・ライセンス・プレートが、法的に要求される情報、または法的に要求される情報を見ることの妨げとならない情報だけを表示するように動作して、表示は、切り換わらない状態にロックされることが可能である。同様に、低い温度において、表示パターン(反射率)は、感知される温度が摂氏10度を下回って低下するにつれ、反射率を低減する(すなわち、吸収率を増加させる)ように調整され得る。温度が低下しつづける場合、オプションの加熱要素が活性化されることが可能であり、温度が下降しつづけた場合、デジタル・ライセンス・プレートが、法的に要求される情報、または法的に要求される情報を見ることの妨げとならない情報だけを表示するように動作して、表示は、切り換わらない状態にロックされることが可能である。通常、高い熱条件または低い熱条件を補償する
ように行われるアクションは、臨界温度から摂氏15度、10度、または5度の範囲内で始まり、相当な量の電力を要求する、またはディスプレイ・メッセージングに大きい影響を与えるアクションが実施される前に、電力をほとんど、もしくはまったく要求しない、または低い視覚的影響を有するアクションが実施されるように順序付けられることが可能である。
【0073】
理解されるとおり、ディスプレイの温度は、直接に測定されることも、間接的に測定されることも可能である。温度制御モジュールに関連付けられた電子温度計が、ディスプレイに取り付けること、ディスプレイ近くに、もしくはディスプレイの付近に取り付けられること、または車両上のどこかに取り付けられることが可能である。周囲温度が測定されることが可能であり、かつ見込まれるディスプレイ温度の間接的な判定が行われることが可能である。いくつかの実施形態において、予測される温度が使用され得る。例えば、デジタル・ライセンス・プレートが、予測される、または計算される終夜の温度情報を受け取る場合、車両が昼間の終わり近くに駐車されるとき、保護対策が即時にとられることが可能である。ディスプレイ温度の直接の測定ほど正確ではないが、周囲温度測定または他の間接的な温度測定は、臨界温度に近づくにつれて必要とされるとき、保護対策をとるのに十分に正確であり得る。
【0074】
一実施形態において、変更可能な熱関連の表示パラメータをサポートするディスプレイ・システムが、ディスプレイ・システムの温度を測定すべく位置付けられた温度センサを含む。温度制御モジュールが、温度センサに接続され、かつ臨界温度に近づくにつれ熱関連の表示パラメータを変更するように構成されることが可能である。変更可能な熱関連の表示パラメータは、明るさを含み、明るさは、臨界低温度に近づくにつれて増加され、臨界高温度に近づくにつれて減少させられる。別の実施形態において、変更可能な熱関連の表示パラメータは、反射率を変更させる表示パターンを含み、表示パターンは、臨界低温度に近づくにつれて熱吸収を増加させるように変更され、臨界高温度に近づくにつれて熱吸収を低下させるように変更される。
【0075】
ディスプレイ・システム100の応用例は、車両ライセンス・プレートだけに限定されない。例えば、ディスプレイ110は、複数の同質のタイル、はめ込まれたタイルを有する大型の不均質なディスプレイ(例えば、LEDディスプレイ・セクションを有する電気泳動ディスプレイ)から成ること、または別々の色セクションおよび双安定セクションを有することが可能である。さらに、ディスプレイ・システムは、車両の内部または外部に位置付けられたさらなる複数のディスプレイを制御することができる。例えば、そのようなディスプレイは、タイル型にされ、かつバスの側面上に配置されてよい。ディスプレイをタイル型にすることは、意図される観客にメディアを提示するのに利用可能なオプションの数を増加させ得る。一部の実施形態は、一部分がプレート画像を示すことができる一方で、残りの部分は、静的メッセージングのために使用され得る、大型ディスプレイ(例えば、16インチ×16インチの)を含む。このようにして、メッセージとプレート画像が同時に表示され得る。
【0076】
ディスプレイは、複数のサブ・ディスプレイを含み得る。一部の実施形態において、ディスプレイは、一緒にタイル型にされた類似した種類の、または異なる種類のサブ・ディスプレイから成ってよい。例えば、外枠ディスプレイが、車両ライセンス情報および車両登録情報を表示するように構成されてよい一方で、サブ・ディスプレイが、様々な広告メッセージおよび/またはプロモーション・メッセージを表示してよい。他の実施形態において、外枠ディスプレイとサブ・ディスプレイは、異なるディスプレイ種類(例えば、双安定、OLED、LCD)から成ってよい。
【0077】
ディスプレイ・システム100が、例えば、道路上の破片から損傷を受けるのを防止する対策は、例えば、プレキシガラス(登録商標)またはサファイア結晶で作られた物理的保護カバーを含んでよい。水などの液体に晒されることによる損傷から保護すべく疎水性コーティングが、ディスプレイ・システム100の外面に施されてよい。他の実施形態において、ナノ結晶二酸化チタン・コーティング、プラズマ化学粗化、光触媒クリーニング構造、成形されたポリマ層、または他の適切な疎水性システムもしくは親水性システムを使用するセルフ・クリーニング・ガラスが使用されることが可能である。
【0078】
図12は、デジタル・システム1202に関連する通信スキームを示す図である。一部の実施形態において、ディスプレイ・システム1202は、処理システム1208と、ディスプレイ1210と、メモリ・モジュール1206とを含む。処理システム1208は、例えば、ディスプレイ・システム1202に関連付けられたデータ処理動作を実行するように構成される。メモリ・モジュール1206は、一時的データまたは長期データを記憶するように構成されてよい。ディスプレイ1210は、前段の説明において提示される情報コンテンツを表示するように構成されてよい。また、ディスプレイ・システム1202は、セルラ・モデム1214、および関連するセルラ・アンテナ1224を含んでもよい。セルラ・モデム1214は、セルラ・ネットワーク1226を介してインターネット1220に対して接続を行うように構成される。ディスプレイ・システムは、ソフトウェア・ライブラリ・モジュール1216を含むオペレーティング・システムを含んでよく、ソフトウェア・ライブラリ・モジュール1216は、ディスプレイ・システム1202上で実行されているアプリケーションが、セルラ・ネットワーク1226を介してインターネット1220と通信することを可能にするように構成される。セルラ・ネットワークとの低レベル通信は、セルラ・モデム1214内部のベースバンド・プロセッサ(図示せず)によって扱われる。ベースバンド・プロセッサの上位の層にあるのが、インターネット1220とのデータ接続を管理するインターネット・プロトコルである。これらは、インストールされたオペレーティング・システムの一環として供給されるコード・ライブラリによって管理される。また、このオペレーティング・システムは、アプリケーションがこれらのライブラリと通信することを可能にし、かつそうすることによって、アプリケーションが、ネットワーク上でデータを送受信することができる、インターフェースも提供する。
【0079】
また、ディスプレイ・システム1202は、ディスプレイ・システム1202が、インターネット1220に接続する代替の方法としてWi-Fiルータ1218によって生成されるWi-Fiネットワークを利用することを可能にする、Wi-Fiアンテナ1222に結合されたWi-Fiモジュール1212も有する。セルラ事例の場合と同様に、Wi-Fiモジュール1212と対話し、かつWi-Fiモジュール1212を制御するとともに、アプリケーションが、Wi-Fiネットワークを利用して、インターネット1220とデータをやりとりすることを可能にする、処理システム1208上で実行されるソフトウェア・ライブラリが存在する。インターネット1220に接続されたディスプレイ・システム1202から遠隔である中央サーバ1204が存在し、ディスプレイ・システム1202が、標準のインターネット・プロトコルを介してサーバ1204をアドレス指定し、サーバ1204と通信することを可能にする。
【0080】
ディスプレイ・システム1202は、構成情報を獲得すべく、かつ資産をダウンロードすべく中央サーバ1204と通信する。中央サーバ1204上で実行されるアプリケーションは、「プレート・サービス」と呼ばれ、Representational State Transfer(RESTful)インターフェースを介して対話される。ディスプレイ・システム1202などの任意の数のディスプレイ・システムとプレート・サービスの間のすべてのトラフィックは、業界標準のSSL/TLSプロトコルを使用して暗号化される。さらに、ディスプレイ・システムと中央サーバ1204は、ディスプレイ・システムと中央サーバ1204がそれぞれ、有効なx.509SSL証明書を提示してい
ることを確認することによって互いの身元を検証する。中央サーバ1204の場合、このSSL証明書は、プレートによって認識されるルート証明書に結び付けられた有効なパブリック証明機関(CA)によって署名される。クライアント証明書としても知られるディスプレイ・システム証明書は、ディスプレイ・システムの発行者によって所有される、または管理されるCAによって自己署名され、かつ関係のあるルート証明書は、中央サーバ1204がこれらのクライアント証明書を有効化することができるように、プレート・サービスを実行する中央サーバ1204上にインストールされる。デジタル・ライセンス・プレートは、これらのクライアント証明書を生成すること、および取り消すことを担う別個の公開鍵インフラストラクチャ(PKI)サーバから、プロビジョニング・プロセス中に有効なクライアント証明書を獲得する。このPKIサーバは、プレートが、プレート・ソフトウェアと一緒にインストールされた別個の工場クライアント証明書を最初に提示することを要求する。この工場証明書は、PKIサーバから新たなクライアント証明書を獲得すべくプロビジョニング(デジタル・ディスプレイの初期設定)中に限って使用される。これらのクライアント証明書なしには、デジタル・ライセンス・プレートは、プレート・サービスと通信することができない。
【0081】
図13は、本明細書で「プレート」または「デジタル・ライセンス・プレート」とも呼ばれる、ディスプレイ・システムをプロビジョニングするため、すなわち、初期設定するための方法1300を示す。プロビジョニングされていないデジタル・ライセンス・プレート(プレート)1302はまず、自らをプロビジョニングしようと試みる。
図13を参照すると、プロビジョニング・プロセスは、以下のステップにおいて達せられる。
【0082】
1)プレート1302が、秘密鍵および証明書署名要求(CSR)1306を生成する。プレート1302は、このトランザクションのために秘密鍵1310を生成する。
【0083】
2)プレートが、SSL/TLSを介してPKIサーバ1314に接続する。一部の実施形態において、PKIサーバ1314は、NGINXサーバであってよい。このセキュリティ保護された接続のセットアップ中、プレートは、PKIサーバ1302によって提示される、サーバSSL証明書1318と呼ばれるSSL証明書が有効であることを検証する。PKIサーバ1314は、プレート1302自らのクライアントSSL証明書を提供するようプレート1302に要求する。プレート1302は、工場クライアントSSL証明書1304をPKIサーバ1314に送り、証明書1304は、PKIサーバ1314によって有効であると検証される。PKIサーバ1314とプレート1302がともに、他方のエンティティによって提示される証明書が有効であると納得させられた場合、接続は、確立され、通信が進められることが可能である。PKIサーバ1314は、このトランザクションのためにPKIサーバ1314自らの秘密鍵1316を生成してよい。
【0084】
3)クライアントが、ステップ1において生成されたCSR1306をPKIサーバ1314に送り、かつ新たなクライアントSSL証明書1308を要求する。
【0085】
4)PKIサーバ1314が、CSR1306における情報を検証し、次に、新たなクライアントSSL証明書1308を生成し、サーバ1314の応答において証明書1308をプレート1302に送る。
【0086】
5)プレートが、その新たなクライアントSSL証明書1308を、ステップ1において生成された秘密鍵1310と一緒に記憶する。これらは、すると、プレート・サービス・アプリケーションを実行する中央サーバ1316との、その後のすべての通信において使用される。工場クライアントSSL証明書1304は、さらなる役割をまったく有さない。
【0087】
6)次に、プレート1302が、プレート・サービス・アプリケーションを実行する中央サーバ1316と接続する。一部の実施形態において、中央サーバ1316は、NGINXサーバであってよい。この場合も、SSL/TLS接続がセットアップされ、この場合も、プレート1302が、有効なルート証明書のプレート1302によって記憶されたカタログに照らしてサーバSSL証明書1318を検証し、中央サーバ1316が、プレート1302が有効なクライアントSSL証明書1308を提示していることを、証明書1308を、構成された自己署名されたルート証明書に照らして確認することによって検証する、資格証明の双方向検証が存在する。前の場合と同様に、すべての情報が有効化されるものと想定して、暗号化された接続が確立される。一部の実施形態において、中央サーバ1316は、秘密鍵1320を生成してよい。
【0088】
7)プレート1302が、プレート1302の通し番号を提示し、かつプレートを完全に構成するのに要求されるいくつかの資産をダウンロードすることを求める一連の要求をプレート・サービスに送る。これらは、ナンバ・プレート画像、ナンバ・プレート・オーバーレイ画像、およびランタイム・ソフトウェアを含む。これらがダウンロードされた後、これらは、プレートにインストールされる。これが、プロビジョニング・プロセスを終わらせる。
【0089】
図14は、プロビジョニングされたプレート1402と中央サーバ1410の間の対話1400を示す。一部の実施形態において、中央サーバ1410は、中央サーバ1204と同一であってよい。プロビジョニングされたプレート1402は、構成情報および資産をダウンロードするように、または位置情報、ログ・ファイル、およびその他のデータを更新するように中央1410サーバと定期的に接触する。
図14を参照すると、この対話は、以下のステップから成る。
【0090】
1)プレート1402が、プレート・サービスを実行する中央サーバ1404と接触し、SSL/TLS接続を確立する。この接続確立中、中央サーバとプレートは、クライアントSSL証明書1406およびサーバSSL証明書1408を含むSSL証明書を交換し、かつ各々が、他方の相手の証明書が有効であることを検証する(プロビジョニング・プロセス中に行われたのと同様に)。セキュリティ検査に合格すると、暗号化されたSSL/TLS接続が確立される。プレート1402と中央サーバ1410の間のトランザクションは、クライアント側秘密鍵1404およびサーバ側秘密鍵1412の生成を含んでよい。
【0091】
2)現時点で、暗号化された接続が確立され、かつ中央サーバ1410とプレート1402の両方の身元が検証されて、プレート1402は、情報をダウンロードするように、またはデータをアップロードするように、プレート1402の要求を中央サーバ1410に自由に送ることができ、中央サーバ1410は、適宜、応答する。各要求と一緒に、プレート1402は、中央サーバ1410がプレート1402を識別することが可能であるようにプレート1402の通し番号を送り、各要求が適切に扱われることを確実にする。また、通し番号は、プレート1402が中央サーバ1410に提示するクライアントSSL証明書に存在してもよく、プレート1402の身元を検証するためのさらなる方法を提供する。
【0092】
図15は、ディスプレイ・システム100またはデジタル・ライセンス・プレートの初期設定、またはプロビジョニングおよび現行の使用に関連するソフトウェア・セキュリティ・フィーチャ1500を示す。一部の実施形態は、既存のX.509セキュリティ標準を使用してソフトウェア・セキュリティを実施する。X.509標準は、ITUによって定義され、元は、ANSI X.500標準の一環として指定された。X.509標準の目的は、当事者が、接続を許す前にピアの身元を検証しなければならない、身元保証能力
をディレクトリ・システムに導入することである。
【0093】
X.509標準は、公開鍵証明書のフォーマットを指定する。証明書は、信頼できるCA(証明機関)からの保証の署名のお陰で、身元を公開鍵に結び付けるのに使用される。通常のX.509公開鍵証明書は、以下のタイプの情報から成る。
【0094】
- バージョン
【0095】
- 通し番号
【0096】
- アルゴリズムID
【0097】
- 発行者
【0098】
- 有効期間
【0099】
- 開始
【0100】
- 満了
【0101】
- 対象
【0102】
- 対象の公開鍵情報
【0103】
- 公開鍵アルゴリズム
【0104】
- 対象公開鍵
【0105】
- 発行者一意識別子(オプション)
【0106】
- 対象一意識別子(オプション)
【0107】
- 拡張(オプション)
【0108】
また、X.509は、証明書の意図される用途を示すべく証明書に追加され得る証明書拡張も指定する。例えば、CAが、SSL接続をセキュリティ保護する目的でウェブ・サーバに証明書を発行することが可能である。拡張を追加することによって、CAは、意図される鍵用途についての具体的な手引きを規定し、規定外の前記鍵の使用は、サポートされない、または認定されない。
【0109】
X.509属性証明書(AC):ACは、署名するCAに許可され得る特定のアクション、または特定のセットのアクションを指定するのに使用される。通常、ACは、以下の情報を包含する。
【0110】
- バージョン 証明書のバージョン
【0111】
- 保持者 証明書の保持者
【0112】
- 発行者 証明書の発行者
【0113】
- 署名アルゴリズム 証明書に署名するアルゴリズム
【0114】
- 通し番号 発行者によって与えられる一意発行番号
【0115】
- 有効期間 証明書の有効期間
【0116】
- 属性 証明書保持者に関連する属性
【0117】
- 署名値 前述のデータ全体にわたる発行者の署名
【0118】
図15は、各参加者が異なる特権を有して、異なる参加者がセキュリティ・スキームに受け付けられる構造の実施形態を示す。
【0119】
前述した参加者のそれぞれは、別個の論理的かつ機能的なソフトウェア・モジュールであるものと想定される。良好なセキュリティ・ポリシの一環として、各当事者が、リソースまたはコード・ライブラリの混同なしに別々のサービスとして動作させられなければならない。これらの物事を分離することによって、ディスプレイ・システム100および関連するサービスのプロバイダは、障害およびセキュリティ攻撃に対する復元力を組み込むことが可能である。
【0120】
図15に戻ると、ロック・ダウン能力1532を有して動作するルートCA1534が示される。ルートCA1534は、ディスプレイ・システムのプロバイダによって配布されるすべてのサブ・モジュール、および関連するサービスに関する身元の保証を提供することを担う。ルートCA1534は、通常、「中間」CAと呼ばれる他のCAだけを認定する。ルートCAを隔離することによって、ディスプレイ・システムおよび関連するサービスのプロバイダは、インフラストラクチャの残りの部分の完全性も、動作も危うくすることなしに、危うくなったモジュールが取り消され、かつ退かされ得ることを確実にすることができる。ロック・ダウン能力1532は、緊急時において、必要な場合、すべてのシステムをロック・ダウンし、かつディセーブルにするのに使用され得る。ルートCA1534に関連する秘密鍵が、信頼できるハードウェア・デバイス内に留まること、およびこのデバイスがまったくネットワーク接続を有さないことがきわめて重要である。
【0121】
やはり
図15に示されるのが、完全信頼グループ1518である。完全信頼グループ1518は、中間CA1520(前述した)と、プロビジョニング・エージェント1522と、パートナ・グループ1524と、行政エンティティ・グループ1527とを含む。パートナ・グループ1524は、ディスプレイ・システムおよび関連するサービスのプロバイダとパートナであるエンティティを含んでよい。行政エンティティ・グループ1527は、DMVなどの行政機関を含んでよい。完全信頼1518に含まれるエンティティは、後段で説明されるとおり、それらのエンティティが実行することを許される機能のセットを有する。やはり定義されるのが、限定された信頼グループ1502であり、限定された信頼グループ1502は、製造業者1504と、プラットフォーム1506とを含んでよい。限定された信頼グループ1502に含まれるエンティティは、後段で説明されるとおり、それらのエンティティが、ディスプレイ・システム・エコシステムに関して実行することができる限定された機能を有する。製造業者1504は、ディスプレイ・システム100の1つまたは複数の構成要素を製造することを担い得る一方で、プラットフォーム1506は、ディスプレイ・システム100などのディスプレイ・システム上のプロビジョニング後機能を実施することを担い得る。やはり定義されるのが、非信頼グループ1536である。顧客1538は、非信頼グループ1536に含められ、顧客1538は、後段で説明されるとおり、非常に限定されたセットの動作を実行することに制限される。
【0122】
ロック・ダウン1532は、ルートCA1534を使用して、中間CA1520の有効性を取り消すように機能する。それが行われた後、中間CA1520によって提供された完全信頼グループ1518内の信頼も取り消され、したがって、中間CA1520によって有効化された資格証明を使用するそのドメイン内のエンティティ間の通信は、もはや機能しない。
【0123】
一部の実施形態において、エンティティは、実行される1つまたは複数の機能に関連付けられ得る。
図15に示されるこれらの機能が、以下に説明される。
【0124】
- 機能1 1508、機能1 1508は、プロビジョニング・チケットを発行することに関連することが可能である。これは、プレート・サービスのプロバイダによって署名されるX.509属性証明書(AC)であり、かつベアラがディスプレイ・システム・プロビジョニング・セレモニを開始することを可能にする1回限りの使用チケットの役割をする。このチケットの目的は、有効なディスプレイ・システム・デバイスだけが登録し、かつセキュリティ保護された資格証明を発行されるのを許されることを確実にすることである。
【0125】
- 機能2 1510、機能2 1510は、製造レシートを発行することに関連することが可能である。これは、プレート・サービスのプロバイダによって署名され、かつ「プロビジョニングの準備ができている」状態を表す製造イベントを記憶するX.509属性証明書(AC)である。このACは、製造時点でディスプレイ・システムにインストールされ、製造業者が、プレート・サービスのプロバイダに関連するPKI内で直接に参加する必要がないように、シーケンスであらかじめ生成されてよい。
【0126】
- 機能3 1512、機能3 1512は、プロビジョニング・チケットを検証することに関連することが可能である。これは、プレートがシステムにおけるプロビジョニングに対して準備ができており、かつOKすることを確証すべく、プロビジョニングに先立って1508によって発行されたチケットを検証することである。
【0127】
- 機能4 1514、機能4 1514は、ディスプレイ・システム100などのディスプレイ・システムの発行に関連するレシートをプロビジョニングすることに関連することが可能である。これは、プレート・サービスのプロバイダによって署名され、かつプロビジョニング・セレモニ成功のレシートとしての役割をするACである。このレシートは、後の時点でプロビジョニングの保証を提供するためにディスプレイ・システム上にログ記録され、かつ/または記憶されてよい。このレシートの目的は、争いが生じた場合に否認不可を、またはスプーフィングが疑われるディスプレイ・システム・デバイスと通信するときに認証の証拠を提供するために、適時にイベントを記憶に留めることである。
【0128】
- 機能5 1516、機能5 1516は、ディスプレイ・システム100などのディスプレイ・システムを動作させることに関連することが可能である。これは、
図14に示され、前段で説明される1410プレート・サービスであるとともに、
図13におけるプレート・サービス1316である。
【0129】
- 機能6 1526、機能6 1526は、セキュリティ証明書を含み得る証明書を発行することに関連することが可能である。
【0130】
- 機能7 1528、機能7 1528は、証明書を取り消すことに関連することが可能である。これは、資格証明のセットを取り消し、それゆえ、プレートまたはエンティティをシステムから閉め出す能力である。したがって、例えば、我々は、特定のプレートのクライアント証明書を取り消すことも可能であり、このことは、前段で説明される有効
化ステップが失敗することをもたらし、それゆえ、プレートがプラットフォームと通信するのを防止する。
【0131】
- 機能8 1530、機能8 1530は、システム・セキュリティに関連付けられた証明書およびトークンを発行すること、および検証することに関連することが可能である。これは、基本的に、
図13からのPKIサーバ1314である。PKIサーバ1314は、他のエンティティのための証明書を発行するのにも使用され得る。
【0132】
一部の実施形態において、
図15に示される各エンティティは、前述した機能の特定のサブセットに関連付けられることが可能であり、特定のエンティティと機能の間に関連付けがないことは、場合により、そのエンティティが、その関連付けられていない機能を担うこと、執行すること、または実行することができないことを暗示する。例えば、製造業者1504が、機能1 1508および機能2 1510に関連付けられることが可能である。プラットフォーム1506が、機能5 1516に関連付けられることが可能である。顧客1538が、機能5 1516に関連付けられることが可能である。ルートCA1534が、機能6 1526および機能7 1528に関連付けられることが可能である。中間CA1520が、機能6 1526、機能7 1528、および機能8 1530に関連付けられることが可能である。プロビジョニング・エージェント1522が、機能1 1508、機能2 1510、機能3 1512、機能4 1514、機能5 1516、および機能8 1530に関連付けられることが可能である。各エンティティが実行することを許される機能の別個の分類は、システム・セキュリティを確立すること、および維持することに不可欠である。
【0133】
様々な窃盗防止フィーチャが企図される。一部の実施形態において、窃盗防止フィーチャは、4つの構成要素、通信構成要素、物理構成要素、アラート構成要素、および値構成要素から成る。一部の実施形態において、通信構成要素は、窃盗抑止メッセージとして窃盗チャレンジを通信するように企図されてよい。例えば、デバイス(すなわち、ディスプレイ・システム100)上のセキュリティ・ラベルが、デバイスがGPS追跡デバイスを備えていること、および窃盗が起きた場合に警報が活性化された場合、警察および所有者にメッセージが送られることを示すメッセージングを介して窃盗防止フィーチャを公示してよい。他の実施形態において、物理構成要素は、デバイスを物理的に取り外すプロセスを困難にすべく、例えば、カスタムの窃盗防止ねじ、隠されたボルト頭部、およびこじ開け耐性設計を使用してよい。アラート構成要素は、関連付けられた車両からのデバイスの許可のない接続解除を検出する能力、およびデジタル・ディスプレイ110上の警報メッセージの対応する表示を含んでよい。例示的な警報メッセージは、デバイスが盗まれたことが検出されていること、およびデバイスがGPSによって追跡されていることを潜在的な窃盗犯に伝えることも可能である。値構成要素は、窃盗が起きた場合にデバイスを使用不能にするセキュリティ・フィーチャを実施することを含んでよい。実施され得るセキュリティ・フィーチャは、暗号法によって生成された識別番号、ならびにハードウェア・ロックアウトおよびソフトウェア・ロックアウトを含んでよい。
【0134】
また、デジタル・ライセンス・プレート上の様々な構造的なフィーチャが、有用な窃盗防止保護を提供することも可能である。例えば、
図16に示されるとおり、車両に取り付けられたバックプレート1604上に設置されたデジタル・ライセンス・プレート1602のための窃盗防止システム1600が、デジタル・ライセンス・プレート1602の取外しを示すセンサ・システム1610の備えを含み得る。
図16に示されるとおり、デジタル・ライセンス・プレート1602は、ディスプレイ1606の下の様々な構成要素を示すように部分的に取り外されて図示されるディスプレイ1606を有する。センサ・システム1610は、コントローラ1612に接続され、コントローラ1612は、GNSS/GPSサポートおよびアンテナ1616を有する無線システム1614に接続される
。通常は、車両に設置された電力システム(図示せず)に対する接続によって電力供給されるが、構成要素は、充電可能な二次バッテリまたは取り替え可能な一次バッテリ(バッテリ1604として示される)を用いて或る期間にわたって動作させられ得る。一部の実施形態において、取外しを防止するように設計されたフィーチャを有する単方向の「セキュリティ」ねじまたは他の機械的な取り付け要素もしくはインターロック要素1608が使用され得る。
【0135】
センサ・システム1610の様々な実施形態が企図される。例えば、電気機械的に作動可能なラッチを規定する第1のロッキング要素および第2のロッキング要素が使用され得る。このことは、作動可能なラッチの電子制御および係合/解放を可能にする。そのようなロッキング要素は、通常、ロックされた位置において互いに隣接して位置付けられ、電磁的に制御可能な掛け金、ピン、留め具、またはラッチ・ボルトを含み得る。他の実施形態において、センサ・システムは、係合されたとき、または解放されたとき、あるいはその両方のときに信号をもたらすロッキング要素を含み得る。このことは、例えば、ペアにされ得るRFIDタグおよび読取り装置、ホール効果センサとバックプレート1604の一部分として取り付けられた、もしくは形成された磁気材料、または埋め込まれたセキュリティ要素チップとチップ読取り装置を含み得る。一部の実施形態において、ロック係合/解放の動作は、ユーザによって定義された入力資格証明(例えば、PIN番号もしくはパスワード)、バイオメトリック・プロトコル、またはその他の適切な許可の使用を含み得る。
【0136】
一実施形態の動作において、窃盗防止フィーチャは、ディスプレイ1606によるメッセージングの制御を含み得る。例えば、デジタル・ライセンス・プレートが、車両から事前の許可なしに取り外されたとき、警報メッセージを表示する、または空白表示に設定されるデジタル・ライセンス・プレートの表示1606。このことは、盗まれたプレートが異なる所有者によって異なる車両上で使用され得ないことを確実にし、デジタル・ライセンス・プレートは、車両から外されると、ライセンス番号を表示しないので、盗まれたデジタル・プレートを用いて犯された違法行為が車両所有者を誤って識別することがないことを確実にするのを助ける。他の実施形態において、車両からのデジタル・ライセンス・プレート取外しの通知は、電子メール/テキスト・メッセージを介してプレートの所有者に送られる。通知は、GNSS/GPSを有する無線システム1614によって特定され、かつ送信される位置および車両ステータスを含み得る。さらなる通知および追跡が、所有者のスマートフォンなどのモバイル・デバイス上の適切なソフトウェア・アプリケーションによって、またはクラウド接続されたデスクトップ・ソフトウェアによって提供され得る。
【0137】
車両から外されると、既存の、または新たな所有者により車両上にデジタル・ライセンス・プレートを再び設置することは、ソフトウェア認証を要求する。認証の後に初めて、正しいライセンス番号が、プレート上に再び表示される。
【0138】
別の実施形態において、デジタル・ライセンス・プレート・システムを動作させるための方法は、第1のステップとして、ロッキング要素が解放されているかどうかの判定を有する。ロッキング要素が解放されている場合、ステップにおいて、所有者または適切な機関に、デジタル・ライセンス・プレートの内部バッテリ電力を使用して、デジタル・ライセンス・プレートによって無線で通知が行われ得る。ライセンス番号表示は、ステップにおいてオフにされることが可能であり、ステップにおいて、ディスプレイ上に窃盗または許可のない使用の警報メッセージが代わりに示される。双安定ディスプレイが使用される場合、警報メッセージは、バッテリが取り外された、または消耗された場合でさえ、表示されつづける。表示は、電力が供給される場合、警報メッセージを提供するように設定され得る。デジタル・ライセンス・プレートが元の車両に戻された場合、または所有権の移
転が行われた場合、ステップにおいて、デジタル・ライセンス・プレートの通常の動作は、認証を要求する。
【0139】
説明される一実施形態において、デジタル・ライセンス・プレートは、デジタル・ライセンス・プレートが後に取り付けられる車両上に永久的に、または半永久的に設置される完全に、または部分的に金属のバックプレートを含む。ホール効果センサ、機械的スイッチ、または類似した構成要素が、金属のバックプレートとの接触または密な関連付けからデジタル・ライセンス・プレートが取り外されたことの検出を可能にすべくバックプレートとデジタル・ライセンス・プレートの間に位置付けられる。センサが、ライセンス・プレート取外しを検出した場合、デジタル・ライセンス・プレートは、プレートの無線送信システムを使用して、窃盗通知を即時に送信すること、および利用可能なバッテリ電力が持続する間、位置情報を送信しつづけることができる。
【0140】
デジタル・ライセンス・プレートは、多くの車両関連のアクションに関して有用であり得る。例えば、
図17に見られるとおり、駐車料金または罰金を自動的に支払うためのシステム1700が示される。本明細書において開示されるようなデジタル・ライセンス・プレート1702は、様々な通信プロトコルをサポートすることができる。デジタル・ライセンス・プレートは、スマートフォン、ポータブル・コンピュータ、ラップトップ、一体化された眼鏡投影システム、タブレット、ダッシュボード・ディスプレイ、または他のポータブルの、もしくは車両に設置されたインターフェース・システムとして構成されたユーザ・デバイス1710と有線通信させられる、または無線通信させられることが可能である。図示されるとおり、デジタル・ライセンス・プレートおよび/またはユーザ・デバイス1710は、支払いが支払い機関1720に行われることを確実にすべく駐車施設1704、駐車メータ1706、または駐車罰金システム1708と対話するように動作することが可能である。さらに、駐車関連の情報のステータスが、デジタル・ライセンス・プレートによって提供されるディスプレイ上に提示され得る。さらに他の実施形態において、駐車と関係する情報は、デジタル・ライセンス・プレートによって、直接に、またはユーザ・デバイス1710を介して、ユーザまたは許可されたサード・パーティに電子的に提供されることが可能である。さらに、駐車と関係する情報は、代替として、またはさらに、私有のサーバ、クラウド・ベースのサーバもしくはプラットフォーム、または任意の適切なメッセージング・システムを介して転送されることが可能である。例えば、デジタル・ライセンス・プレート1702とユーザ・デバイス1710が、互いに直接に通信することを要求されるのではなく、代わりに、ともにクラウド・プラットフォームと通信し、クラウド・プラットフォームは、支払い機関1720と通信する。クラウド・プラットフォームは、ユーザに代行して支払いを行う能力を有し、ユーザ・デバイス1710とデジタル・ライセンス・プレート1702は、駐車された車両の位置を確認するように通信すること、およびクラウド・プラットフォームが正しい機関と通信し、かつ正しい支払いを行うことを可能にすることもできる。一部の実施形態において、クラウド・プラットフォームは、適切な駐車通知ステータスを表示するようにデジタル・ライセンス・プレート1702に命令することもする。
【0141】
いくつかの実施形態において、デジタル・ライセンス・プレート1702は、車両が駐車位置に駐車されているかどうかを判定し、その特定の駐車位置における車両の位置を判定し、かつユーザ・デバイス1710、駐車施設1704、駐車メータ1706、駐車罰金システム1708、遠隔サーバもしくはクラウド・プラットフォーム、または支払い機関1720のうちの少なくとも1つに駐車通知を送るべく(そのような通信が、
図17において矢印によって示される)、人間の対話なしに動作することができる。代替として、ユーザが、車両が、支払いを要求する区域に駐車されたことを手動で示すことが可能である(ユーザ・デバイス1710を介して)。さらに他の実施形態において、駐車施設1704または駐車メータ1710が、駐車スポットにおける車両の存在を判定し、かつ支払
い要求または駐車情報をデジタル・ライセンス・プレート1702に直接に、または間接的に送ることができる。
【0142】
ユーザ・デバイス1710は、通常、ソフトウェア・アプリケーションまたはソフトウェア・アプレットとして提供される。ユーザは、手動の支払いまたは自動的支払いを許すことができる。支払い通知および/または支払い検証が、ユーザ・デバイス1710によって受信されること、および送られることが可能であり、または、代替として、レシートが、ログ記録されること、ユーザに電子メールとして、テキスト・メッセージとして、または通知として転送されること、または直接に送られることが可能である。支払いは、前もって許可されること、駐車の時点で許可されること、バイオメトリック認証を使用して許可されることが可能であり、または駐車がある金額を超える見込みである場合、許可が要求されるようにアプリケーション/アプレットが設定されることが可能である。支払いは、クレジット・カード発行者もしくはデビット・カード発行者によって提供されるようなサード・パーティ支援を使用して、支払いトークン、マイクロペイメント、またはプリ・ペイド駐車サービス・マネージャからの引き落としを通じて行われることが可能である。支払いは、選択された通貨で、または支払い機関1720によって許される、もしくは要求される通貨で行われることが可能であり、自動通貨換算(例えば、ビットコインからドルに、または外国通貨から米国ドルに)を含み得る。
【0143】
支払い機関1720は、通常、民間の駐車施設所有者、市、郡、もしくは地元の交通管理機関、または市、郡、もしくは地元の交通管理機関と契約関係を有する民間のエンティティと連携して管理される。支払い機関1720は、ローカルで、または遠隔から接触され得る。例えば、駐車メータ1706が、支払いをログ記録し、かつ支払い情報を遠隔サーバに即時に、または毎日、送るローカルBluetoothビーコンおよびインターフェースを含むことが可能である。別の例として、駐車施設1704が、支払い機関1720の役割をすることが可能なクラウド・ベースの支払いサービスに常に接続されたサーバを含むことが可能である。支払いは、デジタル・ライセンス・プレート1702から直接に、デジタル・ライセンス・プレート1702から支払い関連の情報を受信した後にユーザ・デバイス1710から、クラウド・プラットフォームを介して、または駐車施設1704もしくは駐車メータ1706を介してデジタル・ライセンス・プレート1702から支払い機関1720に対して提供されることが可能である。一部の実施形態(図示せず)において、デジタル・ライセンス・プレート1702は、ユーザ・デバイス1710に支払い関連の情報を提供することができ、ユーザ・デバイス1710は、駐車施設1704または駐車メータ1706と直接に接触して、支払いを支払い機関1720に振り替える。
【0144】
駐車施設1704は、駐車に専用の公共または民間の建造物、駐車車庫を含む建造物、屋外の駐車場、沿道の駐車地帯もしくは駐車区域を含み得るが、以上には限定されない。駐車区域は、永久の駐車地帯であることも、一時的な駐車地帯(例えば、イベント駐車、週末のみ、または平日のみ)であることも可能である。いくつかの実施形態において、アクセスは、ゲート、フェンス、壁、ロープ線、表面マーキングもしくは歩道マーキング、または指定された駐車区域の他の標識によって少なくとも部分的に拒否される。一部の実施形態において、駐車区域には、無線ビーコンまたはインターネットを利用したメッセージによってアクセス可能である規定された地理的場所として仮想で印が付けられることが可能である。
【0145】
通常、駐車施設1704は、ローカルの、遠隔の、またはクラウド・ベースの支払い機関に接続される。支払いは、ゲートを通過したとき、または印が付けられた区域に入ったときに行われることが可能である。代替として、指定された駐車スペース内、または駐車区域内に駐車することが、支払いをトリガするのに使用され得る。一部の実施形態におい
て、駐車スペースまたは駐車区域を離れることが、車両が駐車される時間に結び付けられた支払いスケジュールに基づき得る、支払いをトリガする。
【0146】
駐車施設における位置は、ローカル無線ビーコン、慣性航法システム、LIDARもしくは飛行時間レーザ・システム、カメラもしくはビデオ・システム、加速度計、ライト・レベル、機械的圧力もしくは機械的トリガを含む様々なセンサ・システム、超音波ベースのセンサ、あるいはGPS、GLONASS、Galileo、Beidou、またはその他の地域的システムを含み得るが、以上には限定されない全地球的航法衛星システム(GNSS)を参照して判定され得る。これらの様々なシステムは、デジタル・ライセンス・プレート1702によって全部が、または一部がサポートされることが可能であり、プレート1702は、位置情報を提供すること、もしくは受信すること、車両もしくはその他のソースからの情報を組み合わせること、または位置情報をログ記録することができる。一部の実施形態において、スマートフォンまたは他のユーザ・デバイス1710が、位置精度を向上させるべくデジタル・ライセンス・プレート1702からの位置情報を中継することが可能である。さらに他の実施形態において、駐車スペース番号の手動の入力、または駐車スペースに関連付けられた一意のQRコード(登録商標)のスマートフォンによって支援されたスキャニングが、正確な駐車スペース情報を提供するように使用され得る。例えば、ユーザ・デバイス1710上の電話アプリケーションが、駐車スポット近くに表示されたQRコードをスキャンすることも可能である。この情報が、関係のある駐車機関と接触し、かつ支払いを行うクラウド・プラットフォームに中継される。クラウド・プラットフォームは、オプションとして、適切な駐車ステータスの表示を開始すべく許可およびデータをデジタル・ライセンス・プレート1702に提供することができる。
【0147】
車両が駐車されているかどうかは、前述のセンサの助けを借りてデジタル・ライセンス・プレートによって検出され得る。例えば、車両は、前述した地理的場所または駐車位置センサ/システムが、位置が数分にわたって変化しないままであったことを示す場合、駐車したものと想定され得る。代替として、車両ギア位置(PARK)、エンジン・ステータス、オルタネータ/電気システム・ステータスなどの他の適切なシステムが、車両が駐車していることを判定するのに使用され得る。一部の実施形態において、ユーザは、ユーザ・デバイス1710を使用して、駐車していることを手動で示すことができる。さらに他の実施形態において、デバイス1710は、単独で、またはオプションで接続された駐車検出システムを有する適切なクラウド・プラットフォームまたは遠隔サーバと組合せで、駐車位置を入力するのに、または検証するのに使用され得る。
【0148】
一部の実施形態において、駐車区域は、ジオフェンシング技法を使用して定義されることが可能であり、駐車支払いを要求する区域は、仮想ジオフェンシングによって定義された駐車区域に入るいずれの車両にも知られている(事前ロードされた地図、または駐車機関によるローカル・ブロードキャストを介して)。ジオフェンシングによって定義された区域は、駐車場、駐車車庫、一時的駐車区域、選定された都市ブロック、通り、または通りの特定の沿道を含み得る。定義されたジオフェンス区域内の区域は、確保されたスペース、消火栓近くの区域、建造物の入口および出口、積み降ろし地帯、バス駐車区域およびバス・ピックアップ区域、セキュリティ上の理由もしくは安全上の理由で禁止された区域を含め、それでも、合法的な駐車から除外され得る。ジオフェンス区域は、時間帯、曜日、または車両が定義される区域にそれまでに駐車していた時間数に応じて変化し得る。
【0149】
いくつかの実施形態において、車両位置情報は、ユーザ・デバイス1710、駐車施設サーバ、クラウド・プラットフォーム、あるいは支払い機関に接続され得るデータ取扱いシステムの1つまたは複数に提供される。例えば、ジオフェンシングされた駐車地帯に駐車する車両が、駐車位置を支払い機関1720に提供する(デジタル・ライセンス・プレート1720を介して)ことも可能であり、支払い機関1720は、要求される駐車支払
い額を自動的に引き落とす。他の実施形態において、初期時間の確保された、または最低限の駐車支払いが行われ得る。さらに他の実施形態において、実際の駐車時間に基づく支払いが、車両がオンにされたときに、または駐車スペース、駐車施設、もしくは駐車区域を離れる準備として移動しはじめたときに行われることが可能である。
【0150】
また、システム1700は、駐車罰金または駐車ペナルティの自動的な、または手動で開始される支払いをサポートすることもできる。いくつかの実施形態において、他の交通関連のペナルティの支払いが、サポートされることも可能である。例えば、警察、メータ読取り装置、または他の指定された職員が、ポータブル・デバイスまたはハンドヘルド・デバイス(図示せず)を使用してデジタル・ライセンス・プレートと接触すること、駐車罰金もしくは駐車ペナルティが支払われるべきであるかどうかを判定すること、および駐車チケット、駐車罰金、もしくは支払われるべき駐車ペナルティと関係するデジタル・ライセンス情報を送信することができる。この情報は、無線で、有線入力/出力ポートに対する接続によって、またはデジタル・ライセンス・プレートのディスプレイ上の視覚的提示によって提供されることが可能である。一部の実施形態において、ユーザは、警察、メータ読取り装置、または他の指定された職員が支払い機関1720の役割をして、駐車罰金または駐車ペナルティが自動的に支払われることを可能にすることができる。
【0151】
システム1700の一部の実施形態において、デジタル・ライセンス・プレート1702による支払いは、デジタル・ライセンス・プレート1702から送られる、または中継されるステータス情報に基づくことが可能である。例えば、無制限の駐車許可証の保持者(例えば、警察、緊急隊員、または駐車場管理者もしくは駐車場従業員)が、その情報を駐車施設または駐車メータに自動的に送らせて、支払い要件を解消することが可能である。他の実施形態において、退役軍人ステータス、行政施設もしくは民間施設の従業員、教職員/学生ステータス、または障害者ステータスなどの要因を変更することと関係する情報が、送られることが可能である。さらに、または代替として、駐車許可と関係する情報は、従来の窓ステッカまたはタグの表示の代わりに、またはそれに加えて、視覚的に識別可能な「電子駐車ステッカ」もしくは「電子タグ」としてデジタル・ライセンス・プレート1702上に表示されることが可能である。
【0152】
システム1700の他の実施形態において、デジタル・ライセンス・プレート1702は、許された駐車時間を延長する自動的支払いの継続をサポートすることができる。例えば、ユーザが、駐車メータ1706に関連する駐車スペースにおいて1時間の車両駐車時間の代金を支払ったものと想定されたい。ユーザが駐車された車両に戻るのに遅れる、またはそうすることができない場合、デジタル・ライセンス・プレートが、あらかじめ指定された駐車時間(例えば、15分、30分、または1時間)の代金の再度の支払いを自動的に行うように設定され得る。他の実施形態において、ユーザは、時間の終わりが近づくにつれ、デジタル・ライセンス・プレートと通信することができ、追加の駐車時間の支払いを許可する。一部の実施形態において、ユーザ・デバイス1710は、来るべき駐車料金についてユーザに自動的に警報し、かつ支払いを行う許可をデジタル・ライセンス・プレートに送る許可を要求するアプリケーションまたはアプレットをサポートすることができる。
【0153】
システム1700のサポートされる別の実施形態において、デジタル・ライセンス・プレートは、駐車関連、車両関連、またはユーザ/所有者関連の情報を、ポータブル・デバイスまたはハンドヘルド・デバイス(図示せず)を使用してデジタル・ライセンス・プレートと接触する法執行官、警察、メータ読取り装置、または他の指定された職員に示すことができる。この情報は、無線で、有線入力/出力ポートに対する接続によって、またはデジタル・ライセンス・プレートのディスプレイ上の視覚的提示によって提供されることが可能である。一実施形態において、テキスト情報、カラー・タグ表示もしくは記号タグ
表示、QRコードもしくは他のバー・コードが表示されることが可能である。
【0154】
システム1700の一実施形態において、デジタル・ライセンス・プレートは、ユーザが実際に駐車する前に、または駐車された車両を離れる前に駐車関連の情報をユーザに提示することができるユーザ・デバイスに接続され得る。このユーザ情報は、消火栓の存在、公共交通機関のために確保された駐車、ピックアップ場所、私道、道路脇制限、時間制限、および地帯制限もしくは地理的制限を含むが、以上には限定されない駐車コンプライアンスと関係する情報を含み得る。
【0155】
システム1700の別の実施形態において、デジタル・ライセンス・プレートと直接に、または間接的に通信することができるユーザ・デバイスが、駐車関連の情報を受信することが可能である。この情報は、駐車された車両を移動させるべき通知、レッカー移動通知(例えば、自動車が牽引のために持ち上げられたときの独特の加速度計読取り値によってトリガされる)、または窃盗通知を含み得るが、以上には限定されない。一実施形態において、別の許可されたユーザが車両を持って行くとき、第2のユーザが、デジタル・ライセンス・プレートを介して識別され、かつ一次ユーザに通知が行われる。
【0156】
代替として、支払いのためにデジタル・ライセンス・プレートを利用するための方法は、車両が駐車されているという判定を含み得る。この判定は、加速度計情報、GNSS位置情報もしくはGPS位置情報、または車両ステータス情報(例えば、車両からのPARK通知)のうちの1つまたは複数の情報の組合せに基づくことが可能である。第2のステップにおいて、車両の相対(例えば、ビーコンを基準とした)位置または絶対位置(例えば、GNSS)が特定される。次のステップにおいて、駐車関連の施設、メータ、および罰金システムによって提供される情報の無線探索が行われる。次に、支払いを行う許可が送られる。最終のステップにおいて、デジタル・ライセンス・プレートのディスプレイが、一時的駐車タグ、または許可された駐車の他の視覚的標識を含む、駐車関連の情報をオプションとして表示することが可能である。このことは、テキスト情報、カラー・タグ表示もしくは記号タグ表示、またはQRコードもしくは他のバー・コードの表示を含み得るが、以上には限定されない。一部の実施形態において、デジタル・ライセンス・プレートは、許された駐車時間を延長する自動的増分支払いの継続をサポートすることができる。
【0157】
説明されるデジタル・ライセンス・プレートは、きわめて多種多様なアプリケーションをサポートすることが可能である。
図18に見られるとおり、いくつかの実施形態において、視覚情報転送システム1800が、少なくとも1つの取り付け可能なデジタル・ライセンス・プレート1802と、データ対話を可能にするのに、または簡略化するのに適した様々な視覚的コードを提示することができるオプションのデジタル・ライセンス・プレート・カメラ1812とを有する車両1801を含む。これらの対話は、ユーザもしくは他の個人の情報を提供すること、ユーザからの情報をデジタル・ライセンス・プレートと対話するように提供すること、または車両もしくはデジタル・ライセンス・プレートと関係することが可能な動作するため、トランザクションを円滑にするため、もしくはサービスを可能にするための機構を提供することを含み得るが、以上には限定されない。
【0158】
これらの視覚的コードによって表される情報は、車両によって生成されたデータ1804、車両に関連付けられたデータ1806、サード・パーティ・データ1808、または広告データ1810から導き出され得る。例えば、車両によって生成されたデータは、総走行マイル数情報、またはオイル・レベル、オイル・タイプ、および前回のオイル交換以来の時間と関係するサービス・プロバイダに関する情報を含むことが可能である。車両に関連付けられたデータ1806は、車両識別番号(VIN)または所有者住所を含むことが可能である。サード・パーティ・データ1808は、駐車料金がサード・パーティに支払われたという記号標識を含むことが可能であり、視覚的に検分可能な駐車レシートが、
サード・パーティによってデジタル・ライセンス・プレートに与えられる。他の実施形態において、ユーザまたはサード・パーティが、視覚的コードを介してアクセス可能な広告データ1810を提供することが可能である。
【0159】
これらの視覚的コードは、単独で、または組合せで、テキスト、記号、色、またはバー・コードなどの電子的に読取り可能なコードであり得る。テキストは、電子システムによって容易に認識されるフォント・タイプでレンダリングされることが可能であり、パターンまたは記号は、高コントラストかつ特徴的であることが可能である。色は、低い、または劣悪な光条件(例えば、夜における、ナトリウム灯の下における)において色を間違える危険性を低減すべく、大きい幅で分離された色タイプを有する限られたパレットから選択され得る。バー・コードは、数字のみ(例えば、Interleaved 2 of 5、UPC-A、もしくはUPC-E)、英数字(例えば、Code128、Code39、もしくは米国政府LOGMARSコード)、または2次元(例えば、PDF417、Datamatrix、もしくはQRコード)であることが可能である。
【0160】
図4に関連して前述したとおり、デジタル・ライセンス・プレート1802は、2次元のバー・コードまたはQRコードをレンダリングすることができるので、カメラを有するスマートフォンを備えた車両の外の個人が、そのバー・コードをキャプチャすること、または読み取ることができる。このことは、コンテンツが源としたニュース記事、ソーシャル・ネットワーク、ブログ、その他などのデータに対する簡略化されたアクセスを可能にする。他の応用例は、車両始動、車両停止、車両トランク開放、車両燃料キャップ解除、ドア開放、ドア閉め、車両ボンネット開放、およびトランク開放を含むが、以上には限定されない車両動作または車両サービスと関係するものを含み得る。例えば、車両が、オイル交換または洗浄サービスのために施設に置き残されることが可能である。視覚的コードをスマートフォンでスキャンすることが、車両ボンネットまたは自動車ドアをサービスのために開くのに必要な許可情報を戻す。このことは、制限された地理的区域内で車両を始動し、かつ移動する限られた許可を含むことさえ可能である。サービスが完了すると、ボンネットまたはドアは、ロックされることが可能であり、かつ車両所有者は、車両が回収の準備ができていることを遠隔で通知されることが可能である。
【0161】
デジタル・ライセンス・プレート・カメラ1812を有するデジタル・ライセンス・プレート1802をサポートする視覚的情報転送システム1800のそれらの実施形態において、視覚的情報(視覚的情報転送モジュール1820からの)が、デジタル・ライセンス・プレート1802に転送されることが可能である。例えば、スマートフォンが、カメラを備えたデジタル・ライセンス・プレートを相手に視覚的情報の双方向交換を開始することも可能である。デジタル・ライセンス・プレートは、例えば、カメラによって、提示されるQRコードを読み取り、かつドア開放などの動作を開始することができる。代替として、無線通信が利用可能でない場合、相当な量の電子情報の双方向転送が、それでも、バー・コードまたは他の情報を使用して可能である。
【0162】
図19は、カメラ1912をサポートするデジタル・ライセンス・プレート1902を含むデジタル・ライセンス・プレート・システム1900の一実施形態を示す。
図19に示されるとおり、2次元(QR)バー・コード1922が、標準の1次元バー・コード1924と一緒に表示され、テキスト・ハイパーリンク1926が、スマートフォンなどの電子デバイスによって容易に読み取られるフォントで提示される。ハイパーリンク(1922、1924、1926)、または駐車許可(QRコード1930およびテキスト1932を含む、様々なタイプの情報が提示され得る。この情報は、自動車が駐車されたときに限って、電子要求に応答して、または駐車施設における検出された位置などのいくつかの条件が真であるとき、通常、表示される。
【0163】
いくつかの実施形態において、視覚的情報は、遠隔で更新され得る。他の実施形態において、その情報は、要求に応答して提示され得る。さらに他の実施形態において、カメラを備えたスマートフォンとデジタル・ライセンス・プレートの間の視覚的情報は、対話的であり得る。例えば、スマートフォンが、或る情報を要求するQRコードを視覚的に提示する(カメラを備えたデジタル・ライセンス・プレートに対して)ことが可能である。デジタル・ライセンス・プレートは、その要求を受信し、解釈して、許可される場合、テキストで、またはバー・コードとして適切な応答をレンダリングすることができる。この視覚的要求/提供手続きは、継続され得るので、システムは、無線接続を要求することなしに情報の視覚的転送をサポートすることができる。このことは、例えば、多数のデジタル・ライセンス・プレートが存在する環境、または極端な電磁干渉が存在する場所において有利であり得る。
【0164】
車両レンタルが、デジタル・ライセンス・プレートによって提示される情報によって支援され得る。例えば、レンタル会社担当者からの支援を要求せずに車両を賃借することを所望するユーザが、車両関連の識別情報を表示するデジタル・ライセンス・プレートを有する車両を包含する敷地に入る。ユーザが適切な車両を識別すると、ユーザは、カメラを備えたスマートフォンを使用して情報を読み取ることができる。スマートフォンは、サーバまたはクラウド・ベースのシステムと遠隔で通信して、車両識別、レンタル支払い許可を転送する。それと引き換えに、ユーザは、遠隔システムからスマートフォン許可を受信する。この情報は、車両を操作すべくデジタル・ライセンス・プレートに無線で通信され得る。デジタル・ライセンス・プレートがカメラを備える実施形態において、操作は、視覚的情報によって開始され得る。操作は、例えば、鍵もしくは電子鍵フォブへのアクセスを可能にすべくドアを開くこと、またはスマートフォンを使用して車両始動を可能にする許可を含み得る。車両が戻されたとき、デジタル・ライセンス・プレートは、支払いを確定するために総走行マイル数および燃料データをスマートフォンに転送することができ、ディスプレイは、識別情報、およびレンタルのための利用可能性を示す情報を提示すべく再初期化される。
【0165】
本開示において前述したとおり、デジタル・ライセンス・プレートは、プレートが非運転状況(信号機において静止している、駐車している、その他)にあるとき、カスタム・メッセージ画像を示す能力を有する。一実施形態において、このメッセージング・フィーチャを可能にするのに、デジタル・ライセンス・プレートは、メッセージが表示される必要があるかどうか、外部サーバと定期的に確認をとることができる。1つまたは複数のメッセージがディスプレイ・キューに入っている場合、デジタル・ライセンス・プレートは、サーバから、それらのメッセージを定義する情報のパケット、およびそれらのメッセージが示されるべきスケジュール(時間的にも、地理的にも限定されている可能性がある)を受信することができる。デジタル・ライセンス・プレートは、これらのメッセージをサーバからフェッチし(メッセージが前もって記憶されていない場合)、これらのメッセージをローカル・ストレージに記憶する(通常、暗号化されて)。このことは、メッセージング機能が、プレートがオフラインであるときにも働くことを可能にする。
【0166】
一部の実施形態において、画像は、秘密鍵を使用してサーバまたは類似したデジタル・ライセンス・プレート・サポート・システムによって署名されなければならない。デジタル・ライセンス・プレートは、メッセージが表示されるのをプレートが許す前に、この署名を検証する。「インスタント」メッセージ機能がイネーブルにされる場合、SMSメッセージが、サーバによってデジタル・ライセンス・プレートに送られることが可能であり、このことは、デジタル・ライセンス・プレートに、サーバと即時に確認をとることをさせる。この手続きは、画像またはメッセージが、数分、数時間、または毎日の時間スケールでサーバと確認をとるように普通、設定され得る標準のデジタル・ライセンス・プレート・チェックイン・サイクルと比べて、より迅速にデジタル・ライセンス・プレートにプ
ッシュされることを可能にする。メッセージ自体は、サーバにアップロードされる画像のみであることが可能であり、またはメッセージは、背景画像に加えて、重ね合わされたテキストの組合せであることが可能である。このことは、単一のテンプレート背景がデジタル・ライセンス・プレートにダウンロードされるが、カスタム・テキストを重ね合わせることによって、このことから様々な画像が構成されることを可能にする。
【0167】
開示されるデジタル・ライセンス・プレートは、レンタカー会社および顧客に役立ち得る。例えば、レンタカーに取り付けられたデジタル・ライセンス・プレートが、顧客名、およびレンタル車両を識別するメッセージを表示するように導かれることも可能である。キーレス操作のため、QRコード、様々な2D次元バー・コード、または他の機械解釈可能コードがデジタル・ライセンス・プレートによって提示されることも可能である。このことは、車両を賃借する人が、車両をロック解除することになる機械解釈可能コードを電話アプリケーションでスキャンすることを可能にする。また、QRコード機能が、識別フィーチャとは別個に存在することも可能である。それらの実施形態において、レンタル車両顧客は、近づいて、バー・コード読取り装置または他の適切なスマートフォン・アプリケーションでスキャンして、レンタル車両敷地における任意の車両を賃借するために代金を支払い、解放することを自動的に行うことが可能である。同様に、QRコードまたは他のコードが、家族または友人が家族用車両にアクセスするのを許すのに使用されることが可能であり、使用の通知が、所有者または車両運転者に提供される。そのような通知は、所有者が、車両の使用を許すこと、またはキーレス・エントリおよび使用を拒否するメッセージを送ることを可能にする。いくつかの実施形態において、車両を賃借するユーザと関係する情報は、ユーザによって許される場合に限って利用可能にされ得る。
【0168】
同様に、デジタル・ライセンス・プレートは、車両の識別を簡略化すべくライド・シェア・サービスによって使用されることが可能である。前方デジタル・ライセンス・プレートおよび/または後方デジタル・ライセンス・プレートが、ライド・シェア・サービスの使用を要求する乗客の名前を表示することが可能である。代替として、またはさらに、ライド・シェア・サービスの名前が表示されることが可能である。いくつかの実施形態において、ライド・シェア・サービスは、デジタル・ライセンス・プレートを使用して、サービスを広告し、ライド・シェアの使用を促進することができる。他の実施形態において、ユーザのライド・シェアと関係する情報は、ユーザがその情報を共有することを許可しない限り、削除される。
【0169】
また、デジタル・ライセンス・プレートは、道路使用税または道路使用料金をサポートすることも可能である。燃料消費に対する税金を使用して交通インフラストラクチャを補修する代わりに、車両走行マイル数(VMT)料金が、自動車運転者に、総走行マイル数で測定された自動車運転者の道路使用に基づいて請求される。通常、これらの請求は、1マイル当たりの固定セント数、または移動の時間、道路の混雑レベル、道路のタイプ、車両のタイプおよび重量、車両排気ガス・レベル、および車両所有者による支払い能力などの考慮事項に基づく可変料金であり得る。デジタル・ライセンス・プレートは、総走行マイル数、使用される道路、および移動の時間を追跡することができる。この情報は、利用される特定の道路に依存して、保険料または道路税/使用料金を低減するのに、または増加するのに使用され得る。有利なこととして、州外で動作している車両(GPSを介して判定され得る)は、州または地元の道路使用税の対象とされない。この情報は、ユーザだけによって行政の税務機関に提供され得る。
【0170】
また、位置追跡システムが、トリガされるアラートまたはアクションを用いてジオフェンスを作成するのに使用されることも可能である。ジオフェンスは、通常、指定される場所、区域、線、または境界である。一部の実施形態において、ジオフェンスは、単一の地点の周囲に或る半径を有するように定義され得る。他の実施形態において、ジオフェンス
は、いくつかの地点から作成可能な任意の形状であり得る。例えば、多角形が、ジオフェンスを定義すべく地理的位置の周囲に引かれることが可能である。代替として、線が引かれることが可能であり、または市、郡、州などの既存の行政上の境界が選択されることが可能である。いくつかの実施形態において、位置または地標識が設定されることが可能であり、ジオフェンスが、何らかの恣意的な近い距離でその位置または地標識を囲むように自動的に作成される。ジオフェンスは、例えば、顧客サイト、オフィス・キャンパス、車両所有者の自宅、または他の任意の適切な場所の周囲に設定され得る。別の例として、揮発性の化学物質を搬送する商用車両が、禁止される経路または橋の周囲にジオフェンスを設定させることも可能である。同様に、特大の、車高の高い、または重い荷物を積んだ車両が、狭い道路、低いガード下通路、または重量制限された橋を有する経路および場所の周囲にジオフェンスを設定することも可能である。
【0171】
アクション、トリガ、またはアラートが、車両がジオフェンス境界を越えたときのアクション、車両がジオフェンス区域内にある間のアクション、車両がジオフェンス区域外にある間のアクション、車両が或る時間にわたってジオフェンス区域内またはジオフェンス外にあった場合のアクション、または車両が、定義される期間内に或る回数を超えてジオフェンス境界を越えた場合のアクションを含むが、以上には限定されない様々なジオフェンス対話状態に依存して行われることが可能である。アクションは、車両をディセーブルにすること、視覚的警報および聴覚的警報を開始すること、または監督機関もしくは行政機関にメッセージを送ることを含み得る。
【0172】
本明細書において説明されるようなデジタル・ライセンス・プレートは、必要とされるユーザ・インターフェース、処理、監視、および解析サポートの多くをサポートすることが可能である。例えば、ジオフェンスが、適格となるイベントが生じたときに関する条件、および行われるべきアクションとともに、データベースにおいて車両に関して定義されることが可能である。GPSデータが、デジタル・ライセンス・プレートから流れ込むにつれ、位置データは、車両が、定義されるジオフェンス内にあるか、またはジオフェンス外にあるか、あるいはジオフェンス境界を越えているかを確かめるように絶えず調べられ、アクションがトリガされるべきかどうかの判定が行われる。プレート上でアクションが行われる必要がある事例において、ジオフェンス情報が、デジタル・ライセンス・プレートにダウンロードされ、かついくつかの地理的領域においてだけ特定のメッセージを表示すること(または、場合により、一部の場所においてメッセージをまったく示さないこと)などの、プレート上イベントのために使用されることが可能である。家族または複数車両隊に関して特に有利ないくつかの実施形態において、複数のデジタル・ライセンス・プレートに関するジオフェンスおよび関連するアクションが設定されることが可能である。デジタル・ライセンス・プレートは、ジオフェンスおよびアクション・データを他の指定されるデジタル・ライセンス・プレートに伝送することができ、または、代替として、各デジタル・ライセンス・プレートが、ジオフェンスおよびアクション・データを中央サーバから受信することができる。
【0173】
ジオフェンスに関する他の用途は、以下を含み得るが、以下には限定されない。
【0174】
1)車両が定義された線を越えた(例えば、橋の上に差し掛かった)とき通行料徴収イベントを生成すること。
【0175】
2)車両がどれだけの時間、特定の場所内に留まっているかを追跡し、かつ車両がその区域を離れるときアラートを出すこと。
【0176】
3)特定のアラート・メッセージ(例えば、アンバ・アラート)が示されるべきか否かを判定するように場所をジオフェンシングすること。
【0177】
4)車両が、許可なしにジオフェンス外に移動したときの窃盗防止トリガ。
【0178】
位置特定サービスまたはジオフェンシング・サービスが、デジタル・ライセンス・プレートの他の有用な機能をサポートするのに使用され得る。例えば、デジタル・ライセンス・プレートを含む道路使用システムが、道路使用およびメッセージングと関係のある様々なタイプのデータを作成すること、または受信することが可能である。このデータは、車両走行マイル数データ、車両に関連付けられたデータ、サード・パーティおよび行政データ908、ならびにGNSS/GPSおよびマッピング・データを含むことが可能である。この情報に基づいて、かつ必要な場合、もしくは役立つ場合、メッセージが、環境コンテキストおよび環境条件に依存して、適応的に表示され得る。データは、サーバまたはクラウド・ベースの外部許可および追跡サービスを使用してデジタル・ライセンス・プレートに外部から提供されることが可能である。サービスに対するリンクは、PKIまたは類似した標準を使用してセキュリティ保護され、暗号化されることが可能であり、信頼できるデータまたはその他の情報だけがデジタル・ライセンス・プレートに送信される。さらに、車両走行マイル数データ、GNSS/GPSおよびマッピング・データ、ならびにその他の車両に関連付けられたデータが、長期ストレージのため、および、例えば、道路使用料金、道路使用税、または保険関連の費用を計算するのに使用するためにサービスに送信され得る。
【0179】
一実施形態において、GNSS/GPSおよびマッピング・データは、割当ての対象とされる道路を識別するために使用され得る。道路割当ては、交通量または汚染を減らすように実施されており、通常、ライセンス・プレート番号特徴(例えば、奇数または偶数)、登録日付、または類似したものを、車両が指定された道路上にいることが許される曜日と関連付けることを含む。一実施形態において、デジタル・ライセンス・プレートは、道路上にいる権利を表示するさらなるメッセージングを提示することが可能である。他の実施形態において、イベント条件または緊急事態条件が、道路割当て目的で使用され得る。連邦データベース、州データベース、または地元データベースが、サポートするデータを提供するのに使用されることが可能であり、デジタル・ライセンス・プレートが、規則との要求される適合を追跡し、かつ識別することができる。
【0180】
他の実施形態において、許可された道路使用と関係する特定の情報が表示されることが可能である。例えば、火災道路、送電線アクセス道路、軍事施設内、もしくは空港内、またはそれらの近くの道路が、許可されたユーザおよび車両に限定されることが可能である。デジタル・ライセンス・プレートが、適切な許可を表示することが可能であり、かつバイオメトリック検証を備えた実施形態において、運転者および同乗者に関する許可を確立することが可能である。
【0181】
前述した様々な応用例をサポートするための前述のデジタル・ライセンス・プレートとの通信には、複数アンテナ・システムの使用が有益であり得る。デジタル・ライセンス・プレートのために無線通信を円滑にするアンテナ・システムが、車体上に設置されることが可能である。デジタル・ライセンス・プレートは、上側部分と、下側部分と、側部とを有することが可能であり、かつ、これらは、内部に設置される、表面に取り付けられる、またはデジタル・ライセンス・プレート近くに位置付けられる複数のアンテナを含む。アンテナは、垂直に設置されたアンテナ、底部に設置されたストリップ・アンテナもしくはフレックス・アンテナ、デジタル・ライセンス・プレートの下側部分に水平に設置されたアンテナを含み得る。他のアンテナは、側端に設置された垂直アンテナ、中央に位置付けられた平面アンテナ、およびデジタル・ライセンス・プレートに対して外向きに直角に延びるアンテナを含むことが可能である。
【0182】
有利なこととして、アンテナは、全部が、または一部がデジタル・ライセンス・プレートの下側部分に位置付けられることが可能である。この位置付けは、デジタル・ライセンス・プレートが、車両の通常、くぼんだライセンス・プレート・ホルダに取り付けられたとき、車体の車体部品から張り出すことによって、事実上、電磁遮蔽(信号阻止、信号周波数拡散、または金属の近接によってもたらされる離調を含む)を低減する。有利なこととして、中央に設置されたアンテナは、アンテナ有効性に対する影響が低減された任意の恣意的に選択された回転の向きの位置でデジタル・ライセンス・プレートを設置することを許す。同様に、垂直に延びるアンテナは、デジタル・ライセンス・プレートが逆さに設置されたとき、アンテナ有効性に対する影響を小さくする。デジタル・ライセンス・プレート602に対して直角に延びるアンテナの場合、車体部品から張り出すことによって低減された電磁遮蔽の利益を依然として得ながら、上側部分に設置されることが可能である。
【0183】
使用されるアンテナ・タイプは、アプリケーション、周波数範囲、要求される利得、費用、およびその他のパラメータにより異なり得る。アンテナは、GNSS、GPS、LTE、GSM(登録商標)、WLAN、MAN、CDMA、無線ルータ、モバイル・スマート・フォンもしくはモバイル・ハンドセット、Bluetooth、ならびにその他のプロトコルおよびデバイスをサポートすることが可能である。本開示において前述したとおり、アンテナは、完全なBluetooth送受信能力、代替の近距離通信システムおよびプロトコル、または支払い対話をサポートすることができるより長距離のWi-Fiもしくは他の通信システムをサポートすることが可能である。支払いは、デジタル・ライセンス・プレートによって単独で、または運転者もしくは同乗者のスマートフォン・システム、車両電子システム、またはその他の通信ハードウェアとの組合せで行われ得る。
【0184】
1つだけのアンテナを使用する単入力単出力(SISO)アンテナ・システムを含め、複数のアンテナ・タイプ、サポートされるプロトコル、および動作モードが使用され得る。SISOシステムは、安価である一方で、しばしば、位置に影響されやすく、デジタル・ライセンス・プレートの下側部分に位置付けられることが大きく有益であり得る。より高いパフォーマンスのアンテナ・システムは、アンテナ・ダイバーシティを有するSISOを含み得る。例えば、一構成において、アンテナ・システムは、2つのアンテナを有する。単一のアンテナを有するSISOシステムは、空間内の1つのポイントに関してのみ信号を受信することができる一方で、アンテナ・ダイバーシティ・サポートを有するSISOシステムは、2つ以上のアンテナを有することが可能であり、これらのアンテナのうちのいずれか1つが任意の時点で使用され得る。このことは、1つのアンテナのパフォーマンスが不十分である場合、アンテナ・システムがアンテナを切り換えることを可能にする。いくつかの実施形態において、アンテナ・システムは、アンテナ制御ロジックを使用して、低信号またはマルチパスに関連する問題を克服するのに最良のアンテナに切り換えることができる。通常、アンテナは、少なくとも波長の1/4、互いに離れて位置付けられなければならない。この、波長の1/4の間隔は、広く使用される2.4GHz帯域において約3センチメートルであり、5GHz帯域において1.5センチメートルである。
【0185】
説明されるアンテナ・システムは、複数のアンテナを使用して、無線データを同時に受信すること、および送信することを行う多入力多出力(MIMO)システムをサポートすることも可能である。例えば、2×2のMIMOシステムは、間隔をあけた2つのアンテナを使用する2データ・ストリーム・システムである。MIMOアンテナ・システムは、各アンテナの間に十分な分離を要求し、アンテナを可能な限り互いに離すことが有益である。代替として、またはさらに、アンテナ偏波が調整され得る。例えば、アンテナは、一方が水平偏波に、他方が垂直偏波に、互いに90度の角度で配置されることが可能である。さらに他の実施形態において、八木アンテナまたはホーン・アンテナなどの指向性アンテナ・システムが、アンテナを分離するのに使用され得る。
【0186】
さらに別の実施形態において、マルチ通信アンテナ・システムが使用され得る。マルチ通信アンテナ・システムは、Wi-FiおよびBluetoothなどの異なる2つのプロトコル標準を使用し、かつ、通常、複数のアンテナを要求する。例えば、Wi-FiとBluetoothが同一の周波数で動作し、したがって、アンテナ間の分離および十分な隔離が、Wi-FiとBluetoothが同時に動作することを可能にするのに必要とされる。
【0187】
アンテナは、マイクロストリップ・アンテナおよびプリント・アンテナ、金属プレート・アンテナ、セラミック・チップ・アンテナおよび誘電体共振器アンテナなどの平面アンテナを含み得る。これらのアンテナは、モバイル・システム(900/1800MHz帯域)通信、無線ローカル・エリア・ネットワーク(2.4/5.2/5.8GHz帯域などのWLAN)通信、および超高帯域(3.1~10.6GHz帯域などのUWB)通信において広範な用途を有する。その他のアンテナは、マイクロストリップ・パッチ・アンテナ(MPA)、平面逆Fアンテナ(PIFA)、プリント・アンテナ(例えば、モノポール、メアンダ・ライン・スロット・アンテナ、その他)、フレキシブル・プリント・アンテナ、および三次元プリント・アンテナを含み得る。
【0188】
アンテナは、基板効果または他の接地効果を考慮に入れるように選択され、位置付けられ得る。例えば、モノポール・アンテナは、通常、アンテナの一部と見なされる大きい接地を使用する。逆F(PIFA)アンテナは、接地にそれほど影響されやすくなく、他方、ダイポール・アンテナまたはスリーブ・アンテナは、それらのアンテナ自らの接地基準を確立することができる。また、周囲の材料または構成要素も、特に導電性である場合、アンテナの信頼性およびパフォーマンスに影響を及ぼす可能性がある。いくつかの実施形態において、接地平面または周囲の材料の効果は、1つまたは複数のアンテナをデジタル・ライセンス・プレートから離れるように位置付けることによって低減され得る。複数のアンテナは、車両の周りに分散させられ得る。これらのアンテナは、データの十分な受信および送信を確実にすることができる。
【0189】
アンテナは、取外し可能または取り替え可能であり得る。低パフォーマンスかつ安価なアンテナが、購入後のアドオンとして、より高パフォーマンスのアンテナで置き換えられることが可能である。他の実施形態において、機械的に損傷した、腐食した、またはそれ以外で劣悪なパフォーマンスの、もしくは壊れたアンテナ・システムが取り替えられることが可能である。
【0190】
複数のアンテナの使用は、デジタル・ライセンス・プレート、ローカル・ビーコンもしくはローカル接続(例えば、無線支払いシステムを有する駐車施設などの)、またはクラウド接続されたセルラ3G、4G、もしくは5Gサービスによるアンテナ使用の優先順位付けを可能にする。例えば、車両の上部または側部に設置されたアンテナに、遠隔で提供される受信フィードバック信号強度情報に依存して、信号強度を最大にすべく送信優先権または受信優先権が与えられることが可能である。このことは、最初に提供されている接続の信頼性と最もよく適合するようにアンテナの位置およびタイプに関するデータまたはその他のデータを用いてペアリングを移すことを含み得る。いくつかの実施形態において、ペアリングは、動的であることが可能であり、信号強度更新が、位置付けが最良のアンテナまたはプロトコルの間で切換えを行うのに使用される。
【0191】
他の実施形態において、アンテナ・システムは、アンテナ・フィーダまたは伝送線を使用してRF信号転送をサポートすることが可能である。このことは、デジタル・ライセンス・プレートから遠隔に設置された1つまたは複数のアンテナからのRF信号の同軸有線転送を含み得るが、これには限定されない。他の実施形態において、分離されたアンテナ
が、デジタル・ライセンス・プレートによる受信のためにフォワーダまたは信号中継器の役割をすることができる無線ノードに接続されることが可能である。一部の実施形態において、これらのノードは、無線デジタル信号を転送する前にデータ処理またはデータ整理を提供することも可能である。そのような実施形態は、例えば、車両上の遠隔に配置されたノードからデジタル・ライセンス・プレートへのセンサ・データの無線伝送をサポートする。代替として、またはさらに、1つのデジタル・ライセンス・プレートが、第2のデジタル・ライセンス・プレートからの受信された、または送信された信号を有効に使用することが可能である。このことは、前方デジタル・ライセンス・プレートと後方デジタル・ライセンス・プレートの間、または後方デジタル・ライセンス・プレートとトレーラに設置されたデジタル・ライセンス・プレートの間でデータを転送するのに役立ち得る。
【0192】
一部の実施形態において、アンテナ・システムは、専用RFまたは周囲RFのいずれか/両方からのRFエネルギー・ハーベストに適したアンテナを含むことが可能である。専用RFは、車両車庫内に位置付けられた指向的に放射されるRFエネルギーを含み得る一方で、周囲RFは、環境にブロードキャストされる多種多様な利用可能なRF信号を含み得る。ハーベストされたエネルギーは、直接に使用されることが可能であり(例えば、ディスプレイ提示を切り換えるのに必要とされる回路をサポートするのに)、または将来の使用のためにキャパシタもしくはバッテリ・システムに蓄えられることが可能である。適切なアンテナが、単一の周波数帯域または複数の周波数帯域を使用することが可能であり、RFエネルギー・ハーベストは、単一の源から行われることも、複数の源から同時に行われることも可能である。エネルギー・ハーベスティング・システムは、通常、アンテナからの電力伝達を最大にすべく指定されたRFエネルギー・ハーベスト周波数で動作するインピーダンス整合共振器回路を含む。
【0193】
前段の説明において、説明の一部を形成し、かつ本開示が実施され得る特定の例示的な実施形態が例として示される添付の図面が参照されている。これらの実施形態は、当業者が、本明細書において開示される概念を実施するのに十分な詳細で説明されており、本開示の範囲を逸脱することなく、開示される様々な実施形態に対する変形が行われてよく、かつ他の実施形態が利用されてよいことを理解されたい。したがって、前段の詳細な説明は、限定する意図で解釈されるべきではない。
【0194】
本明細書全体にわたって「一実施形態」、「実施形態」、「一例」、または「例」について述べていることは、その実施形態または例に関連して説明される特定のフィーチャ、構造、または特徴が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それゆえ、本明細書全体にわたる様々な箇所において「一実施形態において」、「実施形態において」、「一例」、または「例」という句の出現は、必ずしも、すべてが同一の実施形態または例を参照しているわけではない。さらに、特定のフィーチャ、構造、データベース、または特徴は、1つまたは複数の実施形態または例において任意の適切な組合せおよび/または部分的組合せにおいて組み合わされてよい。さらに、本明細書で提供される図は、当業者に説明することを目的とすること、および図面は、必ずしも一律の縮尺に従って描かれてはいないことを認識されたい。
【0195】
本開示による実施形態は、装置、方法、またはコンピュータ・プログラム製品として実施されてよい。したがって、本開示は、完全にハードウェアから成る実施形態の形態をとっても、完全にソフトウェアから成る実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロ・コード、その他を含む)をとっても、あるいは、すべて本明細書で「回路」、「モジュール」、または「システム」と一般に呼ばれ得るソフトウェア態様とハードウェア態様を組み合わせる実施形態の形態をとってもよい。さらに、本開示の実施形態は、媒体として実現されたコンピュータ使用可能プログラム・コードを有する表現の任意の有形の媒体として実現されたコンピュータ・プログラム製品の形態をとってよい。
【0196】
1つまたは複数のコンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体の任意の組合せが利用されてよい。例えば、コンピュータ可読記憶媒体は、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)デバイス、読取り専用メモリ(ROM)デバイス、消去可能なプログラマブル読取り専用メモリ(EPROMもしくはフラッシュ・メモリ)デバイス、ポータブル・コンパクト・ディスク読取り専用メモリ(CDROM)、光ストレージ・デバイス、および磁気ストレージ・デバイスのうちの1つまたは複数を含んでよい。本開示の動作を実行するためのコンピュータ・プログラム・コードは、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれてよい。そのようなコードは、ソース・コードから、そのコードが実行されるデバイスまたはコンピュータに適切なコンピュータ可読のアセンブリ言語または機械コードにコンパイルされてよい。
【0197】
また、実施形態は、クラウド・コンピューティング環境において実施されてもよい。本説明および添付の特許請求の範囲において、「クラウド・コンピューティング」は、仮想化を介して迅速にプロビジョニングされ、かつ最小限の管理労力またはサービス・プロバイダ対話でリリースされること、およびその後、適宜、拡大縮小されることが可能である共有されるプールの構成可能なコンピューティング・リソース(例えば、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、およびサービス)にユビキタスで、便利な、オンデマンドのネットワーク・アクセスを可能にするためのモデルとして定義され得る。クラウド・モデルは、様々な特徴(例えば、オンデマンド・セルフサービス、広いネットワーク・アクセス、リソース・プーリング、迅速な順応性、計測されるサービス)、サービス・モデル(例えば、Software as a Service(「SaaS」)、Platform as a Service(「PaaS」)、およびInfrastructure as a Service(「IaaS」))、および展開モデル(例えば、プライベート・クラウド、コミュニティ・クラウド、パブリック・クラウド、およびハイブリッド・クラウド)から成ることが可能である。
【0198】
添付の図面におけるフローチャートおよびブロック図は、本開示の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実施形態のアーキテクチャ、機能、および動作を例示する。これに関して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、指定される論理機能を実施するための1つまたは複数の実行可能な命令を備える、コードのモジュール、セグメント、または部分を表すことが可能である。また、ブロック図および/またはフローチャートの各ブロック、およびブロック図および/またはフローチャートにおけるブロックの組合せは、指定された機能もしくは動作を実行する専用のハードウェア・ベースのシステム、または専用のハードウェアとコンピュータ命令の組合せによって実施され得ることにも留意されたい。これらのコンピュータ・プログラム命令は、特定の様態で機能するようにコンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置を導くことができるコンピュータ可読媒体に記憶されて、そのコンピュータ可読媒体に記憶された命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定される機能/動作を実施する命令手段を含む製品をもたらすようにしてもよい。本発明の多くの変形形態および他の実施形態が、前段の説明、および関連する図面において提示される教示を利用する当業者には想起されよう。したがって、本発明は、開示される特定の実施形態に限定されないこと、ならびに変形形態および実施形態は、添付の特許請求の範囲に含まれるものとされることを理解されたい。また、本発明の他の実施形態が、本明細書において特に開示されない要素/ステップなしに実施されてよいことも理解されたい。