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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】熱架橋性接着性組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 75/06 20060101AFI20230220BHJP
   C09J 175/06 20060101ALI20230220BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20230220BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20230220BHJP
   C09J 7/30 20180101ALI20230220BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20230220BHJP
【FI】
C08L75/06
C09J175/06
C09J11/08
C09J11/06
C09J7/30
C08L101/00
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020503042
(86)(22)【出願日】2018-07-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-24
(86)【国際出願番号】 FR2018051911
(87)【国際公開番号】W WO2019020943
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-07-19
(31)【優先権主張番号】1757229
(32)【優先日】2017-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】501305888
【氏名又は名称】ボスティク エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】グバール, ダヴィド
【審査官】本多 仁
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0118489(US,A1)
【文献】国際公開第2008/102576(WO,A1)
【文献】米国特許第04408021(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱架橋性接着性組成物が、
- 20重量%~84重量%の組成物(A)であって:
● 加水分解性であるアルコキシシラン型の2つの末端基を含み、以下の式(I):
[上式中、
- Rは、芳香族又は脂肪族及び直鎖、分岐又は環状であり得る、5~15個の炭素原子を含む二価炭化水素ラジカルを表し;
- Ralは、2つのヒドロキシル基のそれぞれを遊離原子価で置換することにより飽和ジオールから生じる二価炭化水素ラジカルを表し、前記ジオールは220mg KOH/gより大きいヒドロキシル価IOHを有し;
- Racは、2つのカルボキシル-COOH基のそれぞれを遊離原子価で置換することにより飽和ジカルボン酸から生じる二価炭化水素ラジカルを表し、前記酸は200mg KOH/gより大きい酸価Iを有し;
- nは、式(III):
のポリエステルジオールが4~24mg KOH/gの間のヒドロキシル価IOHを有するような数であり;
- Rは、1~3個の炭素原子を含む直鎖状二価アルキレンラジカルを表し;
- R及びRは、同一か又は異なっており、それぞれ1~4個の炭素原子から成る直鎖又は分岐状アルキルラジカルを表し、複数のR(又はR)ラジカルが存在する場合、これらは同一か又は異なっており;
- mは、式(I)のポリマーの数平均モル質量が400g/mol~50000g/molの間であるような整数であり;
- Pは、0、1又は2に等しい整数である]
を有する、少なくとも1種のポリウレタン75重量%~100重量%;
● 加水分解性であるアルコキシシラン型の1つの末端基を含み、以下の式(II):
[上式中、
- n及びmはそれぞれ、式(II)のポリウレタンの数平均モル質量が400g/mol~50000g/molの間であるような整数であり;
- Rac及びRalは、上で定義した通りであり;且つ、
- Rは、遊離原子価によるヒドロキシル基の置換によるモノオールから生じる一価炭化水素ラジカルを表す]
を有する少なくとも一種のポリウレタン0重量%~25重量%
を含み、
組成物(A-1-1)の少なくとも1種の飽和ジカルボン酸又は組成物(A-1-2)の少なくとも1種の飽和ジオールが分岐していることを条件として、
- (i) 少なくとも1種の飽和ジカルボン酸を含む組成物(A-1-1)であって、200mg KOH/gより大きい酸価Iを有する組成物(A-1-1)

- (ii) 少なくとも1種の飽和ジオールを含む組成物(A-1-2)であって、220mg KOH/gより大きいヒドロキシル価IOHを有する組成物(A-1-2);

- (iii) 任意選択的に、少なくとも1種のモノオールを含む組成物(A-1-3)
を重縮合反応で反応させることによる、上記式(III)のアモルファスポリエステルジオール又は上記式(III)のアモルファスポリエステルジオールの混合物を含む組成物(A-1)であって、
4~24mg KOH/gの間のヒドロキシル価IOHを有する組成物(A-1)の調製段階を含む方法によって得られる組成物(A)と;
- 15重量%~79重量%の相溶性粘着付与樹脂(B)と
- 0.01重量%~5重量%の架橋触媒(C)と
を含む、熱架橋性接着性組成物。
【請求項2】
組成物(A-1-1)の飽和ジカルボン酸が、300mg KOH/g以上の酸価Iを有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
組成物(A-1-2)の飽和ジオールが、500mg KOH/g以上のヒドロキシル価IOHを有することを特徴とする、請求項1及び2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
アルコキシシラン型の2つの加水分解性末端基を含む式(I)のポリウレタンの数平均モル質量が、500g/mol~50000g/molの間であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
アルコキシシラン型の2つの加水分解性末端基を含む式(I)のポリウレタンが、100℃で測定して、10000Pa.s未満の粘度を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
式(III)のアモルファスポリエステルジオールが、7~24mg KOH/gの間のヒドロキシル価IOHを有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
式(III)のアモルファスポリエステルジオールが、23℃で測定して、10000Pa.s未満の粘度を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
式(III)のアモルファスポリエステルジオールが、0℃未満のガラス転移温度Tを有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
式(III)のアモルファスポリエステルジオールが、5500g/mol以上の数平均モル質量を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
組成物(A-1-2)の少なくとも1種の飽和ジオールが、分岐状であことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
ラジカルが、以下の二価ラジカル:
- a) イソホロンジイソシアネート(IPDI)に由来する二価ラジカル:
- b)
- c) 2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)に由来するラジカル:
- d) 4,4’-及び2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)に由来するラジカル:
- e) m-キシリレンジイソシアネート(m-XDI)に由来するラジカル:
- f) ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)に由来するラジカル:
-(CH
であって、それらの式が2つの遊離原子価を示す二価ラジカルのうちの1つから選択され
ことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
- Rが二価のメチレン又はn-プロピレンラジカルであり;
- R及びRがそれぞれ、メチル又はエチルラジカルを表し;且つ/又は
- pが0又は1に等しい
ことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
粘着付与樹脂(B)が10~300mg KOH/gの範囲のヒドロキシル価IOHを有することを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
組成物(A-1)が以下の式 (IV):
の少なくとも1種のアモルファスポリエステルモノオールをさらに含むことを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
- (a) 20重量%~75重量%の組成物(A)であって、
● 75重量%~100重量%の、アルコキシシラン型の2つの加水分解性末端基を含む式(I)のポリウレタン;及び
● 0重量%~25重量%の、アルコキシシラン型の1つの加水分解性末端基を含む式(II)の少なくとも1種のポリウレタン
を含む組成物(A)と、
- (b) 15重量%~79重量%の粘着付与樹脂(B)、
- (c) 0.01重量%~5重量%の架橋触媒(C)、
- (d) 0重量%~20重量%の、溶剤、顔料、染料、接着促進剤、可塑剤、UV安定剤、酸化防止剤、グリッター、蛍光物質、レオロジー添加剤、脱水防止剤、無機又は有機フィラー及びこれらの混合物から成る群より選択される少なくとも1種の添加剤
を含むことを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
100℃で測定して、1000Pa.s以下の粘度を有することを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
己接着性物品の製造における、請求項1から16のいずれか一項に記載の接着性組成物の使用。
【請求項18】
自己接着層でコーティングされた支持層を含む自己接着性物品であって、前記自己接着層が架橋状態の、請求項1から16のいずれか一項に記載の接着性組成物から成る自己接着性物品。
【請求項19】
以下の段階:
(a)着性組成物の、20℃~130℃の範囲の温度でのコンディショニング;その後
(b) 段階(a)で得られた接着性組成物での、担持表面のコーティング;その後
(c)分子が気体1m当たり10~200mgの間で存在する気体環境において20℃~200℃の範囲の温度に加熱することによる、コーティングされた接着性組成物の架橋;
(d) 支持層又は非粘着性保護フィルムを担持表面の裏側にすることができる支持層又は非粘着性フィルムへの、架橋接着層の積層又は転写
を含む方法によって得ることができる、請求項18に記載の自己接着性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、熱架橋性接着性組成物、及び前記架橋性接着性組成物から成る自己接着層でコーティングされた支持層を含む自己接着性物品である。
【背景技術】
【0002】
感圧接着剤(PSA)は、それがコーティングされている支持体に、周囲温度で瞬間粘着性を付与する物質であり、穏やかで短時間の圧力の影響下での基材への支持体の瞬間接着を可能にする。PSAは、最終的であれ一時的であれ接着結合作業の際に、情報(バーコード、名称、価格等)の表示の目的及び/又は装飾目的のために物品に取り付けられる自己接着ラベルの製造において広く使用されている。PSAは、さまざまな用途の自己接着テープの製造においても使用されている。日常生活で広く使われている透明な接着テープの他にも、例えば、段ボール梱包材の形成と組み立て;建設業における塗装作業のための表面の保護;ビルや建物の建設におけるパネル、レンガ、突起物等のさまざまな要素の固定とメンテナンス;特に輸送業界における、例えば電気ケーブル、プラスチックフィルム、窓ガラス、金属板、銘刻、ロゴ、シート、ダッシュボード、プラスチック又は織物の壁、流体の循環のための導管又はパイプの部品等、平ら若しくは特定の外形を有する金属、プラスチック又はガラスの部品の固定とメンテナンス;両面接着テープによる敷き詰めカーペットの接着結合が挙げられる。
【0003】
自己接着ラベル及び/又はテープの製造のために、PSAは多くの場合、大型の支持層(必要に応じ印刷可能なもの)の表面全体にわたる連続的なコーティングプロセス,によって、以下では「単位面積当たりの重量」という用語で示されている一定の割合(通常はg/mで表す)で塗布される。支持層は、1つ以上の層を有するポリマー材料の紙又はフィルムから成る。支持層を覆う接着層自体が、例えばシリコーンフィルムから成る非粘着性保護層(通常、剥離ライナーと称される)で覆われていてもよい。得られた多層系は通常、最大2mの幅と1mの直径を有する大きなリールの形に巻かれることによってパッケージ化され、保管及び輸送が可能になる。
【0004】
このような多層系は、次に、支持層の印刷可能な表面上への所望の情報及び/又は装飾要素を印刷、続いて所望の形状及びサイズへの切断を含む変換プロセスによってエンドユーザーが貼り付け可能な自己接着ラベルに変換され得る。非粘着性保護層は、支持層に付着したままである接着層を改質することなく、容易に除去され得る。非粘着性保護層から分離した後、ラベルは、手動で、又は自動包装ラインのラベリングマシンを活用して、コーティングする物品に貼り付けられる。
【0005】
このような多層系は、所定の幅と長さのロールとして切断及び包装することにより、自己接着テープに変換することもできる。
【0006】
PSAは、その高室温粘着により、コーティング対象の基材(又は物品)への(例えばラベルについてはビンへの、或いはテープについて形成する梱包材への)自己接着ラベル及び/又はテープの、高い工業生産率の達成に適した迅速な保持又は接着を可能にする。
【0007】
付着を提供する接着結合部が広範囲に変化可能な温度に曝された(結果として該ラベル及び/又はテープでコーティングされる物品も同様)場合、基材上のラベル及び/又はテープの接着性も維持されることが望ましいPSAの応用分野が存在する。例として、エンジンの近くに配置された自動車(又はその他の乗り物)の特定のコンポーネントの上、又は梱包中に熱い液体を受けるように設計された梱包材の上、又は製造ラインを離れた高温時にラベルが付けられる物品(タイヤなど)の上のラベルの位置決めが挙げられる。また、例えば飛行機や他の乗り物の内装の場合のように、良好な熱抵抗が必要な部品の組み立てのための自己接着テープの使用が挙げられる。
【0008】
この応用分野で通常使用されるPSAは、非常に高いモル質量のアクリレートタイプのポリマー(又はコポリマー)を含む。これは、水性エマルジョン又は有機溶液の形態で提供される。しかしながら、産業レベルでは、有機溶剤の蒸発に関連する労働安全衛生問題を考慮して、エマルジョンを乾燥させる追加の段階又は特殊なプラントのいずれかを提供する必要があるという事実により、支持層上のそのようなPSAのコーティングは困難である。いずれの場合も、アクリルモノマー又はポリマーの不快な臭いに関連する欠点も考慮に入れなければならない。
【0009】
溶剤も水も含まないPSAが知られている。したがって、ホットメルト感圧接着剤(HMPSA)は、さまざまな基材上で、周囲温度で固体の物質であり、溶融状態で支持体上に堆積(又はコーティング)され、冷却後に支持体に高い粘着性と高い接着性を提供する。しかし、相当する組成物は一般に熱可塑性ポリマーを含むため、支持体の基材への付着を提供する接着結合部は、上記の標的分野に必要なすべての凝集力を示すわけではない。
【0010】
したがって、支持体上へのコーティングとそれに続く架橋の後、必要とされる凝集力を広い温度範囲、特に高温で保持する(したがって得られた自己接着性物品の基材への付着を提供する)接着接合部をもたらす新規の熱架橋性接着性組成物に対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、熱架橋性接着性組成物に関し、該組成物は、
- 20重量%~84重量%の組成物(A)であって、
● 加水分解性であるアルコキシシラン型の2つの末端基を含み、以下の式(I):
[上式中、
- Rは、芳香族又は脂肪族及び直鎖、分岐又は環状であり得る、5~15個の炭素原子を含む二価炭化水素ラジカルを表し;
- Ralは、2つのヒドロキシル基のそれぞれを遊離原子価で置換することにより飽和ジオールから生じる二価炭化水素ラジカルを表し、前記ジオールは220mg KOH/gより大きいヒドロキシル価IOHを有し;
- Racは、2つのカルボキシル-COOH基のそれぞれを遊離原子価で置換することにより飽和ジカルボン酸から生じる二価炭化水素ラジカルを表し、前記酸は200mg KOH/gより大きい酸価Iを有し;
- nは、式(III):
のポリエステルジオールが4~24mg KOH/gの間、好ましくは9~24mg KOH/gの間のヒドロキシル価IOHを有するような数であり;
- Rは、1~3個の炭素原子を含む直鎖状二価アルキレンラジカルを表し;
- R及びRは、同一か又は異なっており、それぞれ1~4個の炭素原子から成る直鎖又は分岐状アルキルラジカルを表し、複数のR(又はR)ラジカルが存在する場合、これらは同一か又は異なっており;
- mは、式(I)のポリマーの数平均モル質量が400g/mol~50000g/molの間であるような整数であり;
- pは、0、1又は2に等しい整数である]
を有する少なくとも1種のポリウレタン75重量%~100重量%;
● 加水分解性であるアルコキシシラン型の1つの末端基を含み、以下の式(II):
[上式中、
- n及びmはそれぞれ、式(II)のポリウレタンの数平均モル質量が400g/mol~50000g/molの間であるような整数であり;
- Rac及びRalは、上で定義した通りであり;且つ、
- Rは、遊離原子価によるヒドロキシル基の置換によるモノオールから生じる一価炭化水素ラジカルを表す]
を有する少なくとも1種のポリウレタン0重量%~25重量%
を含み、
- (i) 少なくとも1種の飽和ジカルボン酸を含む組成物(A-1-1)であって、200mg KOH/gより大きい酸価Iを有する組成物(A-1-1);及び
- (ii) 少なくとも1種の飽和ジオールを含む組成物(A-1-2)であって、220mgKOH/gより大きいヒドロキシル価IOHを有する組成物(A-1-2);
[但し、組成物(A-1-1)の少なくとも1種の飽和ジカルボン酸又は組成物(A-1-2)の少なくとも1種の飽和ジオールが分岐していることを条件とする];及び
- (iii) 任意選択的に、少なくとも1種のモノオールを含む組成物(A-1-3)
を重縮合反応で反応させることによる、上記式(III)のアモルファスポリエステルジオール又は上記式(III)のアモルファスポリエステルジオールの混合物を含む(組成物A-1)であって、
4~24mg KOH/gの間、好ましくは9~24mg KOH/gの間のヒドロキシル価IOHを有する組成物(A-1)の調製段階を含む方法により得られる組成物(A)と;
- 15重量%~79重量%の相溶性粘着付与樹脂(B)であって、好ましくは200g/mol~50000g/molの間の数平均モル質量を有し、優先的には以下の樹脂:
- (i) フリーデル‐クラフツ触媒(複数可)の存在下で、テルペン系炭化水素とフェノールの重合によって得られるもの;
- (ii) α-メチルスチレンの重合により、及び任意選択的にフェノールとの反応により得られるもの;
- (iii) モノアルコール類又はポリオール類(例えばグリセロール又はペンタエリスリトールなど)によって水素化、二量体化、重合又はエステル化されている、天然由来のロジン又は変性ロジン(例えば、松の樹液から抽出されたロジン、木の根から抽出されたウッドロジンなど)及びそれらの誘導体;
- (iv) 特に100℃で100Pa.s未満の粘度を有するアクリル樹脂;並びに
- (v) これらの混合物
から選択される相溶性粘着付与樹脂(B)と、
- 0.01重量%~5重量%、好ましくは0.01重量%~3重量%の架橋触媒(C)と
を含む。
【0012】
本発明の文脈において、パーセントの形で表される量は、重量/重量パーセントに相当する。例えば、本発明の接着性組成物は、戦記接着性組成物の総重量に対して20重量%~84重量%の組成物(A)を含む。
【0013】
本発明の分脈において、
- ポリマーについて示される数平均モル質量は、認定された外部分子量標準ポリスチレンに対するキャリブレーションを用いる、THFでのゲル浸透クロマトグラフィー(すなわちGPC、別名サイズ排除クロマトグラフィー(SEC))により決定される。
- ジカルボン酸の酸価Iは、酸1グラム当たりのカルボキシル官能基の数であり、前記数は、滴定法で決定された1gの酸の酸性度を中和するのに必要なKOHのミリグラム当量の形で表され、前記数は、以下の関係:
=(56.1x2x1000)/M
により、前記酸の数平均モル質量Mに関連付けられる。
- ジオールのヒドロキシル価IOHは、ジオール1グラム当たりのヒドロキシル官能基の数であり、前記数は、ISO規格14900:2001に従って滴定法で決定された、ヒドロキシル官能基のアッセイで使用されるKOHのミリグラム当量の形で表され、前記数は、以下の関係:
OH=(56.1x2x1000)/M’
により、前記ジオールの数平均モル質量Mに関連付けられる。
- 示されている粘度は、(測定温度に応じて)任意でThermoselシステムを装備したBrookfield製RTV粘度計を使用し、DIN ISO規格2555に従って測定される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.組成物(A)
組成物(A)の調製方法
本発明による組成物(A)は、複数の逐次段階での方法により調製することができる:
【0015】
第1の段階:4~24mg KOH/gの間のヒドロキシル価IOHを有する組成物(A-1)の調製
組成物(A-1)は、
- 200mg KOH/gより大きい酸価Iを有する組成物(A-1-1)中の、飽和ジカルボン酸又は飽和ジカルボン酸の混合物;及び
- 220mg KOH/gより大きいヒドロキシル価IOHを有する組成物(A-1-2)中の、飽和ジオール又は飽和ジオールの混合物;及び
- 任意選択的に、組成物(A-1-3)中のモノオール又はモノオールの混合物
の間の重縮合反応により得られるが、但し、組成物(A-1-1)の少なくとも1種の飽和ジカルボン酸又は組成物(A-1-2)の少なくとも1種の飽和ジオールが分岐していることを条件とする。
【0016】
組成物(A-1)のヒドロキシル価IOHは、組成物(A-1)1グラム当たりのヒドロキシル官能基の数を表し、前記数は、ISO規格14900:2001に従って滴定法で実験によって決定された、ヒドロキシル官能基のアッセイで使用されるKOHのミリグラム当量の形で表される。組成物(A-1)がポリオール類の混合物である場合、IOHは、各ポリオールの既知のIOH値から、及び前記混合物中のそれぞれの重量含有量から計算することもできる。
【0017】
ジカルボン酸
本発明によれば、組成物(A-1-1)の飽和ジカルボン酸は、200mg KOH/gより大きい酸価Iを有する。
【0018】
好ましくは、組成物(A-1-1)の飽和ジカルボン酸は、300mg KOH/g以上、好ましくは400mg KOH/g以上、優先的には500mg KOH/g以上、特に700mg KOH/g以上、有利には800mg KOH/g以上の酸価Iを有する。
【0019】
好ましくは、組成物(A-1-1)の飽和ジカルボン酸は、555mg KOH/gに等しい、又は768mg KOH/gに等しい酸価Iを有する。
【0020】
組成物(A-1-1)がジカルボン酸の混合物を含む場合、混合物の各ジカルボン酸は上で定義した酸価Iを有することが理解される。
【0021】
ジカルボン酸は、直鎖又は分岐状であり、好ましくは直鎖状である。
ジカルボン酸は、脂肪族又は脂環式であってもよい。
好ましくは、ジカルボン酸は、二量体化脂肪酸ではない。
【0022】
本発明によるジカルボン酸は、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、1,3-又は1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、3-メチル-1,5-ペンタンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸、メチルテトラヒドロフタル酸ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、及びこれらの混合物から成る群から選択することができる。
【0023】
好ましくは、ジカルボン酸は、アジピン酸である。
好ましくは、ジカルボン酸は、セバシン酸である。
【0024】
上記の組成物(A-1-1)は、300mg KOH/g以上、好ましくは400mg KOH/g以上、優先的には500mg KOH/g以上、特に700mg KOH/g以上、有利には800mg KOH/g以上の酸価Iを有し得る。
【0025】
組成物(A-1-1)の酸価Iは、組成物(A-1-1)1グラム当たりのカルボキシル官能基の数であり、前記数は、特に組成物(A-1-1)の親水性/親油性バランスの関数として、EN規格1241:1998(通常は短鎖酸)又はEN ISO規格660:2009(通常は長鎖酸)に従って滴定法で決定された1gの酸を中和するのに必要なKOHのミリグラム当量の形で表される。組成物(A-1-1)が二酸類の混合物である場合、Iは、各二酸の既知のI値から、及び前記混合物中のそれぞれの重量含有量から計算することもできる。
【0026】
ジオール
本発明によれば、組成物(A-1-2)の飽和ジオールは、220mg KOH/gより大きいヒドロキシル価IOHを有する。
好ましくは、組成物(A-1-2)の飽和ジオールは、500mg KOH/g以上、好ましくは700mg KOH/g以上、より優先的には900mg KOH/g以上のヒドロキシル価IOHを有する。
好ましくは、組成物(A-1-2)の飽和ジオールは、950mg KOH/gに等しい、又は1078mg KOH/gに等しい、又は1808mg KOH/gに等しい酸価IOHを有する。
組成物(A-1-2)が飽和ジオールの混合物を含む場合、混合物の各ジオールは上で定義したヒドロキシル価IOHを有することが理解される。
【0027】
使用されるジオールは、芳香族又は脂肪族(好ましくは脂肪族)であり、直鎖又は分岐状、好ましくは分岐状である。
一実施態様によれば、組成物(A-1-2)の少なくとも1種の飽和ジオールは、分岐状であり、好ましくは、組成物(A-1-2)中の混合物であるすべての飽和ジオールは分岐している。
【0028】
好ましくは、ジオールは、二量体化脂肪族ジオールではない。
【0029】
本発明によるジオールは、エチレングリコール(CAS:107-21-1)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、3-エチル-2-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-3-プロピル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジメチル-3-エチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-4-メチル-3-プロピル-1,5-ペンタンジオール、2,3-ジエチル-4-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-エチル-2,2,4-トリメチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-4-エチル-3-プロピル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジメチル-3-エチル-2-プロピル-1,5-ペンタンジオール、2,3-ジプロピル-4-エチル-2-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2,3-ジエチル-4-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2,4-ジエチル-3-プロピル-1,5-ペンタンジオール、3-ブチル-2-プロピル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,5-ペンタンジオール(CAS:42856-62-2),3-メチル-1,5-ペンタンジオール(MPD,CAS:4457-71-0)、2,2-ジメチル-1,3-ペンタンジオール(CAS:2157-31-5)、2,2-ジメチル-1,5-ペンタンジオール(CAS:3121-82-2)、3,3-ジメチル-1,5-ペンタンジオール(CAS:53120-74-4)、2,3-ジメチル-1,5-ペンタンジオール(CAS:81554-20-3)、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール-NPG,CAS:126-30-7)、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール(CAS:115-76-4)、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール(CAS:78-26-2)、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール(CAS:115-84-4)、2-メチル-1,3-プロパンジオール(CAS:2163-42-0)、2-ベンジルオキシ-1,3-プロパンジオール(CAS:14690-00-7)、2,2-ジベンジル-1,3-プロパンジオール(CAS:31952-16-6)、2,2-ジブチル-1,3-プロパンジオール(CAS:24765-57-9)、2,2-ジイソブチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール(CAS:15208-19-2)、2,5-ジメチル-1,6-ヘキサンジオール(CAS:49623-11-2)、5-メチル-2-(1-メチルエチル)-1,3-ヘキサンジオール(CAS:80220-07-1)、1,4-ジメチル-1,4-ブタンジオール、1,5-ヘキサンジオール(CAS:928-40-5)、3-メチル-1,6-ヘキサンジオール(CAS:4089-71-8)、3-(tert-ブチル)-1,6-ヘキサンジオール(CAS:82111-97-5)、1,3-ヘプタンジオール(CAS:23433-04-7)、1,2-オクタンジオール(CAS:1117-86-8)、1,3-オクタンジオール(CAS:23433-05-8)、2,2,7,7-テトラメチル-1,8-オクタンジオール(CAS:27143-31-3)、2-メチル-1,8-オクタンジオール(CAS:109359-36-6)、2,6-ジメチル-1,8-オクタンジオール(CAS:75656-41-6)、1,7-オクタンジオール(CAS:3207-95-2)、4,4,5,5-テトラメチル-3,6-ジオキサ-1,8-オクタンジオール(CAS:76779-60-7)、2,2,8,8-テトラメチル-1,9-ノナンジオール(CAS:85018-58-2)、1,2-ノナンジオール(CAS:42789-13-9)、2,8-ジメチル-1,9-ノナンジオール(CAS:40326-00-9)、1,5-ノナンジオール(CAS:13686-96-9)、2,9-ジメチル-2,9-ジプロピル-1,10-デカンジオール(CAS:85018-64-0)、2,9-ジブチル-2,9-ジメチル-1,10-デカンジオール(CAS:85018-65-1)、2,9-ジメチル-2,9-ジプロピル-1,10-デカンジオール(CAS:85018-64-0)、2,9-ジエチル-2,9-ジメチル-1,10-デカンジオール(CAS:85018-63-9)、2,2,9,9-テトラメチル-1,10-デカンジオール(CAS:35449-36-6)、2-ノニル-1,10-デカンジオール(CAS:48074-20-0)、1,9-デカンジオール(CAS:128705-94-2)、2,2,6,6,10,10-ヘキサメチル-4,8-ジオキサ-1,11-ウンデカンジオール(CAS:112548-49-9)、1-フェニル-1,11-ウンデカンジオール(CAS:109217-58-5)、2-オクチル-1,11-ウンデカンジオール(CAS:48074-21-1)、2,10-ジエチル-2,10-ジメチル-1,11-ウンデカンジオール(CAS:85018-66-2)、2,2,10,10-テトラメチル-1,11-ウンデカンジオール(CAS:35449-37-7)、1-フェニル-1,11-ウンデカンジオール(CAS:109217-58-5)、1,2-ウンデカンジオール(CAS:13006-29-6)、1,2-ドデカンジオール(CAS:1119-87-5)、2,11-ドデカンジオール(CAS:33666-71-6)、2,11-ジエチル-2,11-ジメチル-1,12-ドデカンジオール(CAS:85018-68-4)、2,11-ジメチル-2,11-ジプロピル-1,12-ドデカンジオール(CAS:85018-69-5)、2,11-ジブチル-2,11-ジメチル-1,12-ドデカンジオール(CAS:85018-70-8)、2,2,11,11-テトラメチル-1,12-ドデカンジオール(CAS:5658-47-9)、1,11-ドデカンジオール(CAS:80158-99-2)、11-メチル-1,7-ドデカンジオール(CAS:62870-49-9)、1,4-ドデカンジオール(CAS:38146-95-1)、1,3-ドデカンジオール(CAS:39516-24-0)、1,10-ドデカンジオール(CAS:39516-27-3)、2,11-ジメチル-2,11-ドデカンジオール(CAS:22092-59-7)、1,5-ドデカンジオール(CAS:20999-41-1)、6,7-ドデカンジオール(CAS:91635-53-9)、及びこれらの混合物から成る群より選択することができる。
【0030】
好ましくは、ジオールは、エチレングリコール(CAS:107-21-1)、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール(MPD,CAS:4457-71-0)、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール-NPG,CAS:126-30-7)、及びこれらの混合物から成る群より選択される。
【0031】
好ましくは、組成物(A-1-2)は、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、及び1,6-ヘキサンジオールを含む(好ましくはそれらから成る)。
【0032】
好ましくは、組成物(A-1-2)は、3-メチル-1,5-ペンタンジオールを含む(好ましくはそれから成る)。
【0033】
上記の組成物(A-1-2)は、500mg KOH/g以上、好ましくは700mg KOH/g以上、より優先的には900mg KOH/g以上のヒドロキシル価IOHを有し得る。
【0034】
組成物(A-1-2)のヒドロキシル価IOHは、組成物(A-1-2)1グラム当たりのヒドロキシル官能基の数であり、前記数は、ISO規格14900:2001に従って滴定法で決定された、ヒドロキシル官能基のアッセイで使用される生成物1ミリグラム当たりのKOHのミリグラム当量の形で表される。組成物(A-1-2)がジオールの混合物である場合、IOHは、各ジオールの既知のIOH値から、及び前記混合物中のそれぞれの重量含有量から計算することもできる。
【0035】
モノオール
本発明によれば、組成物(A-1-3)のモノオールは、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐状芳香族、脂肪族又は脂環式であり、且つ、1~22個の炭素原子、好ましくは8~18個の炭素原子を含む単一のヒドロキシル基を含む任意のアルコールであり得る。
【0036】
好ましくは、モノオールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ベンジルアルコール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、ノナン-1-オール、デカン-1-オール、ウンデカノール、ウンデセノール、ドデカン-1-オール、イソトリデカノール、飽和又は不飽和C10~C22脂肪アルコール類、C~C13オキソアルコール類、及びこれらの混合物から成る群より選択される飽和脂肪族モノオールである。
【0037】
当業者には通常、4~24mg KOH/gの間のIOHを有する組成物(A-1)を得るために使用される様々な化合物(ジオール、酸、及び任意選択的にモノオール)の量が分かる。
【0038】
例えば、ジカルボン酸を化学量論的に過剰のジオールと反応させることが可能である。
【0039】
典型的には、使用されるジオール/モノオールモル比は、組成物(A)が最大25重量%の式(II)のポリマーを含むように選択され得る。
【0040】
好ましくは、ジオール/モノオールモル比は、80/20~100/0の間、好ましくは90/10~100/0の間である。
【0041】
組成物(A-1)
好ましくは、組成物(A-1)は、
- 200mg KOH/gより大きい酸価Iを有する組成物(A-1-1)中の、飽和ジカルボン酸又は飽和ジカルボン酸の混合物;と
- 220mg KOH/gより大きいヒドロキシル価IOHを有する組成物(A-1-2)中の、飽和ジオール又は飽和ジオールの混合物
との間の重縮合反応により得られるが、但し、組成物(A-1-1)の少なくとも1種の飽和ジカルボン酸又は組成物(A-1-2)の少なくとも1種の飽和ジオールが分岐していることを条件とする。
【0042】
好ましくは、上記の組成物(A-1)は、
- アジピン酸;と
- ネオペンチルグリコール、エチレングリコール及び1,6-ヘキサンジオールの混合物
との間、又は
- アジピン酸;と
- 3-メチル-1,5-ペンタンジオール
との間の重縮合反応により得られる。
【0043】
上記の組成物(A-1)は、上記の式(III)のアモルファスポリエステルジオール又は上記の式(III)のアモルファスポリエステルジオールの混合物を含む。
【0044】
特に、組成物(A-1-1)がジカルボン酸の混合物を含む場合及び/又は組成物(A-1-2)がジオールの混合物を含む場合、形成される組成物(A-1)は、上記の式(III)のアモルファスポリエステルジオールの混合物を含む。
【0045】
本発明によれば、式(III)のアモルファスポリエステルジオールは、4~24mg KOH/gの間、優先的には7~24mg KOH/gの間、好ましくは7~20mg KOH/gの間、特に9~19mg KOH/gの間のヒドロキシル価IOHを有する。好ましくは、ヒドロキシル価IOHは、9~24mg KOH/gの間である。
【0046】
組成物(A-1)の式(III)のアモルファスポリエステルジオールは、23℃で測定して、10000Pa.s未満、好ましくは1000Pa.s未満、優先的には700Pa.s以下、より優先的には690Pa.s以下、より優先的には500Pa.s以下、特に250Pa.s以下、例えば190Pa.s以下、特に100Pa.s以下の粘度を有し得る。
【0047】
式(III)のアモルファスポリエステルジオールは、0℃未満、好ましくは-20℃以下、好ましくは-40℃以下、優先的には-50℃以下、特に-60℃以下、例えば-64℃以下のガラス転移温度Tを有し得る。
【0048】
ガラス転移温度(Tg)は、例えばASTM規格E1356-08に従って、よく知られている方法で測定することができる。
【0049】
式(III)のアモルファスポリエステルジオールは、5500g/mol以上、好ましくは6000g/mol以上、特に厳密には6000g/molより大きい、優先的には8000g/mol以上、特に9000g/mol以上、例えば10000g/mol以上、有利には12000g/mol以上、特に18000g/mol以上の数平均モル質量を有し得る。
【0050】
式(III)のアモルファスポリエステルジオールの数平均モル質量は、そのIOHから、及びその官能基から決定することができる。
【0051】
式(III)のアモルファスポリエステルジオールの中で、例えばエボニックにより販売されているDynacoll(登録商標)7250(23℃で180Pa.sの粘度、5500g/molに等しい数平均モル質量M、及び-50℃に等しいTを有するポリエステルポリオール)、クラレにより販売されているクラレ(登録商標)P-6010(23℃で68Pa.sの粘度、6000g/molに等しい数平均モル質量、及び-64℃に等しいTを有するポリエステルポリオール)、又はクラレにより販売されているクラレ(登録商標)P-10010(23℃で687Pa.sの粘度及び10000g/molに等しい数平均モル質量を有するポリエステルポリオール)が挙げられる。
【0052】
組成物(A-1)は、上で定義した通り、以下の式(IV):
の、少なくとも1種のアモルファスポリエステルモノオール(monol)をさらに含み得る。
【0053】
上の式(IV)において、Rは、1~22個の炭素原子を含む一価炭化水素ラジカルを表すことができ、好ましくは、Rはメチルラジカルを表す。
式(IV)のアモルファスポリエステルモノオールは、2~12mg KOH/gの間、好ましくは4.5~12mg KOH/gの間のヒドロキシル価IOHを有し得る。
式(IV)のアモルファスポリエステルモノオールは、23℃で、1000Pa.s未満、好ましくは700Pa.s未満、より好ましくは500Pa.s未満の粘度を有し得る。
式(IV)のアモルファスポリエステルモノオールは、0℃未満、好ましくは-20℃以下、好ましくは-40℃以下、優先的には-50℃以下、特に-60℃以下のガラス転移温度Tを有し得る。
【0054】
好ましくは、組成物(A-1)が上記の式(IV)の少なくとも1種のアモルファスポリエステルモノオールを含む場合、前記組成物(A-1)は、
- 200mg KOH/gより大きい酸価Iを有する組成物(A-1-1)中の、飽和ジカルボン酸又は飽和ジカルボン酸の混合物;と
- 220mg KOH/gより大きいヒドロキシル価IOHを有する組成物(A-1-2)中の、飽和ジオール又は飽和ジオールの混合物;と
- 組成物(A-1-3)中のモノオール又はモノオールの混合物
との間の重縮合反応により得られる。
【0055】
組成物(A-1)は、
- 75重量%~100重量%、特に95重量%~100重量%の、上で定義した式(III)の少なくとも1種のポリエステルジオール;と
- 0重量%~25重量%、特に0重量%~5重量%の、上記の式(IV)の少なくとも1種のポリエステルモノオールと
を含み得る。
【0056】
一実施態様によれば、組成物(A-1)は、7~24mg KOH/gの間、好ましくは7~20mg KOH/gの間、特に9~19mg KOH/gの間のヒドロキシル価IOHを有する。
【0057】
第2の段階:アルコキシシラン末端基を有する式(I)のポリウレタンを少なくとも75重量%含む組成物(A)の調製:
【0058】
代替形態(i):この第1の代替形態によれば、上記の組成物(A-1)を式(VII):
NCO-R-Si(R(OR3-p (VII)
のイソシアナトシランと、0.90~1.05の間、好ましくは約1に等しいNCO官能基数/OH官能基数のモル当量比に相当する量の割合で反応させることができる。
【0059】
上記の式(VII)のイソシアナトシラン類は、広く市販されている。特に挙げられるのは、Silquest(登録商標)A-Link 35、すなわちMomentiveから入手可能な(3-イソシアナトプロピル)トリメトキシシラン、Silquest(登録商標)A-Link 25、すなわちMomentiveから入手可能な(3-イソシアナトプロピル)トリエトキシシラン、Gelestから入手可能な(3-イソシアナトプロピル)メチルジメトキシシラン、Geniosil(登録商標) XL 42、すなわちWackerから入手可能な(3-イソシアナトメチル)メチルジメトキシシラン、及びGeniosil(登録商標)XL 43、すなわちWackerから入手可能な(3-イソシアナトメチル)トリメトキシシランである。
【0060】
組成物(A)中に少なくとも75重量%の割合、組成物(A)中に、好ましくは少なくとも90重量%の割合、優先的には少なくとも95重量%の割合で含まれる、アルコキシシラン末端基を有する式(I)のポリウレタンは、このようにして得られる。
【0061】
これらの好ましい形態は、典型的には、適切な式(VII)を有するイソシアナトシランを使用することにより得られる。
【0062】
この段階は、アルコキシシラン基の加水分解を防ぐために、特に無水条件下で実行される。この反応段階を実施するための典型的な温度範囲は、30℃~120℃、より具体的には60℃~105℃である。
【0063】
代替形態(ii):
この第2の代替形態によれば、組成物(A)は、組成物(A-1)から2段階で得ることができる。
【0064】
段階(ii-A):ヒドロキシル末端基を有する少なくとも85重量%の少なくとも1種のポリウレタンを含む組成物(A-2)の調製
特に、上で得られた組成物(A-1)を、以下の式(V):
NCO-R-NCO (V)
と、0.3~0.7の間、好ましくは約0.5等しいNCO官能基数/OH官能基数のモル当量比に相当する量で反応させて;
以下の式(VI):
[上式中、好ましくは、mは10以下である]
の、ヒドロキシル末端基を有するポリウレタンを得る。
【0065】
しかしながら、この第3の段階の結果として、初期組成物(A-1)のうちの式(III)の未反応ポリエステルジオールが残っている可能性もあり、そのため組成物(A-2)も前記ポリエステルジオールの残留量を含む可能性がある。
【0066】
ヒドロキシル末端基を有する式(VI)のポリウレタンは、組成物(A-2)の総重量に対して少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%の割合で、前記組成物(A-2)に好ましくは含まれる。
【0067】
一実施態様によれば、Rラジカルは、以下の二価ラジカル:
- a) イソホロンジイソシアネート(IPDI)に由来する二価ラジカル:
- b)
- c) 2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)に由来するラジカル:
- d) 4,4’-及び2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)に由来するラジカル:
- e) m-キシリレンジイソシアネート(m-XDI)に由来するラジカル:
- f) ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)に由来するラジカル:
-(CH-;
であって、それらの式が2つの遊離原子を示す二価ラジカルのうちの1つから選択される。
【0068】
好ましくは、Rラジカルは、イソホロンジイソシアネート又はキシリレンジイソシアネートに由来する二価ラジカルである。
【0069】
ヒドロキシル末端基を有する上記の式(VI)のポリウレタンは、25℃で測定して、20000Pa.s未満、優先的には1600Pa.s未満、好ましくは1000Pa.s以下の粘度を有し得る。
【0070】
段階(ii-B):アルコキシシラン末端基を有する式(I)のポリウレタンを少なくとも75重量%含む組成物(A)の獲得:
第2の段階で得られた、ヒドロキシル末端基を有するポリウレタンの組成物(A-2)を、式(VII):
NCO-R-Si(R(OR3-p (VII)
のイソシアナトシランと、0.90~1.05の間、好ましくは約1に等しいNCO官能基数/OH官能基数のモル当量比に相当する量の割合で反応させることができる。
【0071】
上記の式(VII)のイソシアナトシラン類は、広く市販されている。特に挙げられるのは、Silquest(登録商標)A-Link 35、すなわちMomentiveから入手可能な(3-イソシアナトプロピル)トリメトキシシラン、Silquest(登録商標)A-Link 25、すなわちMomentiveから入手可能な(3-イソシアナトプロピル)トリエトキシシラン、Gelestから入手可能な(3-イソシアナトプロピル)メチルジメトキシシラン、Geniosil(登録商標) XL 42、すなわちWackerから入手可能な(3-イソシアナトメチル)メチルジメトキシシラン、及びGeniosil(登録商標) XL 43、すなわちWackerから入手可能な(3-イソシアナトメチル)トリメトキシシランである。
【0072】
組成物(A)中に少なくとも75重量%の割合、組成物(A)中に、好ましくは少なくとも90重量%の割合、優先的には少なくとも95重量%の割合で含まれる、アルコキシシラン末端基を有する式(I)のポリウレタンは、このようにして得られる。
【0073】
これらの好ましい形態は、典型的には、適切な式(VII)を有するイソシアナトシランを使用することにより得られる。
【0074】
上記の段階(ii-A)と(ii-B)は、アルコキシシラン基の加水分解を防ぐために、特に無水条件下で実行される。これらの反応段階を実施するための典型的な温度範囲は、30℃~120℃、より具体的には60℃~105℃である。
【0075】
本方法の段階(ii-A)は、有利には、有機金属触媒の存在下で実施される。
【0076】
組成物(A)
上記の組成物(A)は、
● 75重量%~100重量%、好ましくは85重量%~100重量%、優先的には90重量%~100重量%、有利には95重量%~100重量%の、アルコキシシラン型の2つの加水分解性末端基を含む上記の式(I)のポリウレタン;及び
● 0重量%~25重量%、好ましくは0重量%~15重量%、優先的には0重量%~10重量%、有利には0重量%~5重量%の、アルコキシシラン型の1つの加水分解性末端基を含む上記の式(II)の少なくとも1種のポリウレタン
を含み得る。
【0077】
好ましくは、組成物(A)は、式(II)のポリウレタンを含まない。
【0078】
上記の組成物(A)は、100℃で測定して、10000Pa.s未満、優先的には1000Pa.s以下、好ましくは300Pa.s以下、より優先的には200Pa.s以下の粘度を有し得る。
【0079】
本発明によれば、アルコキシシラン型の2つの加水分解性末端基を含む式(I)のポリウレタンの数平均モル質量は、500g/mol~50000g/molの間、好ましくは600g/mol~30000g/molの間、優先的には4000g/mol~25000g/molの間、例えば8000g/mol~25000g/molの間であり得る。
【0080】
アルコキシシラン型の2つの加水分解性末端基を含む上記の式(I)のポリウレタンは、25℃で測定して、1000Pa.s以下、好ましくは300Pa.s以下、優先的には200Pa.s以下の粘度を有し得る。
【0081】
アルコキシシラン型の2つの加水分解性末端基を含む上記の式(I)のポリウレタンは、100℃で測定して、10000Pa.s未満、優先的には1000Pa.s以下、好ましくは300Pa.s以下、より優先的には200Pa.s以下の粘度を有し得る。
【0082】
一実施態様によれば、上記の式(I)において、mは0以下である。
別の実施態様によれば、上記の式(I)において、mは10以下である。
好ましい実施態様によれば、上記の式(I)において、
- Rは二価のメチレン又はn-プロピレンラジカルであり;
- R及びRはそれぞれ、メチル又はエチルラジカルを表し;且つ/又は
- pは0又は1に等しい。
好ましい実施態様によれば、上記の式(I)において、
- Rはn-プロピレンラジカルであり;且つ
- -Si(R(OR3-p基はトリメトキシシリルラジカルである。
【0083】
上記の式(I)において、複数のRalラジカルがある場合、それらは同じであっても異なっていてもよい。典型的には、組成物(A-1-2)がジオールの混合物を含む場合、Ralの性質は上記の式(I)のポリウレタンによって異なる。
【0084】
上記の式(I)において、複数のRacラジカルがある場合、それらは同じであっても異なっていてもよい。典型的には、組成物(A-1-1)がジカルボン酸の混合物を含む場合、Racの性質は上記の式(I)のポリウレタンによって異なる。
【0085】
al及びRacは、特に、重縮合反応で使用される上記のジオール及びジカルボン酸に従って定義される。
【0086】
好ましくは、Racは、200mg KOH/gより大きい、好ましくは300mg KOH/g以上、好ましくは400mg KOH/g以上、優先的には500mg KOH/g以上、特に700mg KOH/g以上、有利には800mg KOH/g以上の酸価Iを有するジカルボン酸から生じる。
【0087】
好ましくは、Ralは、220mg KOH/gより大きい、特に500mg KOH/g以上、好ましくは700mg KOH/g以上、より優先的には900mg KOH/g以上のヒドロキシル価IOHを有するジオールから生じる。
【0088】
2.相溶性粘着付与樹脂(B)
本発明の組成物に含まれる粘着付与樹脂(B)に関して、「相溶性粘着付与樹脂」という用語は、50%/50%の重量割合で組成物(A)と混合される場合に実質的に均一な混合物を生じる粘着付与樹脂を意味するものである。
【0089】
本発明の組成物は、好ましくは200g/mol~50000g/molの間の数平均モル質量を有する相溶性粘着付与樹脂(B)を15重量%~70重量%含み得る。
【0090】
樹脂(B)は、有利には、
- (i) フリーデル‐クラフツ触媒の存在下でのテルペン系炭化水素とフェノールとの重合によって得られる樹脂;
- (ii) α-メチルスチレンの重合によって、且つ、任意選択的にフェノールとの反応によって得ることができる樹脂;
- (iii) モノアルコール類又はポリオール類(例えばグリセロール又はペンタエリスリトールなど)によって水素化、二量体化、重合又はエステル化されている、天然由来のロジン又は変性ロジン(例えば、松の樹液から抽出されたロジン、木の根から抽出されたウッドロジンなど)及びそれらの誘導体;
- (iv) 特に100℃で100Pa.s未満の粘度を有するアクリル樹脂;並びに
- (v) これらの混合物
から選択される。
【0091】
好ましい実施態様によれば、粘着付与樹脂(B)は、タイプ(i)の樹脂から選択される。
【0092】
このような樹脂は市販されており、タイプ(i)、(ii)、(iii)又は(iv)の樹脂の中で、例えば以下の製品を挙げることができる:
- タイプ(i)の樹脂:約870Daの数平均モル質量Mを有する、DRTから入手可能なDertophene(登録商標)1510;約630Daの数平均モル質量Mを有する、DRTから入手可能なDertophene(登録商標)H150;約1200Daの数平均モル質量を有する、Arizona Chemicalから入手可能なSylvarez(登録商標)TP 95;
- タイプ(ii)の樹脂:フェノールの作用なしでα-メチルスチレンの重合から得られ、約900Daの数平均モル質量を有する、Cray Valleyから入手可能なNorsolene(登録商標)W100;製造方法にフェノールの添加を含み、約1740Daの数平均モル質量を有する、Arizona Chemicalから入手可能なSylvarez(登録商標)510;
- タイプ(iii)の樹脂:ロジンとペンタエリスリトールのエステルであり、数平均モル質量が約1700Daである、Arizona Chemicalから入手可能なSylvalite(登録商標)RE 100。
【0093】
樹脂の数平均モル質量は、当業者に周知の方法に従って、例えばポリスチレンタイプの標準物質を使用するサイズ排除クロマトグラフィーにより測定することができる。
【0094】
粘着付与樹脂(B)は、10~300mg KOH/gの範囲、好ましくは100~200mg KOH/gの範囲、優先的には140~160mg KOH/gの範囲のヒドロキシル価IOHを有し得る。特に、粘着付与樹脂(B)は、145mg KOH/gの値のヒドロキシル価を有する。
【0095】
粘着付与樹脂のヒドロキシル価は、粘着付与樹脂1グラム当たりのヒドロキシル官能基の数を表し、本特許出願では、ヒドロキシル官能基のアッセイ用の粘着付与樹脂1グラム当たりの水酸化カリウム(mg KOH/g)のミリグラム当量数で表される。
【0096】
粘着付与樹脂(B)の含有量は、本発明の接着性組成物の総重量の少なくとも25%、前記接着性組成物の総重量の、好ましくは25~79%、優先的には30~70%、有利には35~60%、より優先的には40~55%である。
【0097】
3.架橋触媒(C)
本発明の組成物に使用できる架橋触媒(C)は、シラノールの縮合用に当業者に知られている任意の触媒であり得る。そのような触媒の例として、チタンアセチルアセトネート(デュポンからTyzor(登録商標)AA75の名称で市販されている)などの有機チタン誘導体、アルミニウムキレート(King IndustriesからK-KAT(登録商標)5218の名称で市販されている)などの有機アルミニウム誘導体、又は1,8-ジアゾビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)などのアミンが挙げられる。
【0098】
本発明の接着性組成物は、前記接着性組成物の総重量に対して0.01~5%、好ましくは0.01~3%、優先的には0.1~3%、例えば1~3%の架橋触媒(C)を含む。
【0099】
本発明の熱架橋性接着性組成物は、好ましくは、
- (a) 20重量%~75重量%、好ましくは30重量%~64重量%、優先的には45重量%~55重量%の、
● 75重量%~100重量%、好ましくは85重量%~100重量%、優先的には90重量%~100重量%の、アルコキシシラン型の2つの加水分解性末端基を含む式(I)のポリウレタン;及び
● 0重量%~25重量%、好ましくは0重量%~15重量%の、アルコキシシラン型の1つの加水分解性末端基を含む式(II)の少なくとも1種のポリウレタン
を含む、上で定義した組成物(A)と、
- (b) 15重量%~79重量%、好ましくは35重量%~69重量%、優先的には40重量%~60重量%の、上で定義した粘着付与樹脂(B)と、
- (c) 0.01重量%~5重量%、好ましくは0.1重量%~3重量%、優先的には1重量%~3重量%の、上で定義した架橋触媒(C)と、
- (d) 0重量%~20重量%、好ましくは0重量%~15重量%、優先的には0重量%~10重量%の、溶剤、顔料、染料、接着促進剤、可塑剤、UV安定剤、酸化防止剤、グリッター、蛍光物質、レオロジー添加剤、脱水防止剤、無機又は有機フィラー及びこれらの混合物から成る群より選択される少なくとも1種の添加剤と
を含む。
【0100】
4.本発明による組成物の他の成分
本発明の組成物は、任意選択的に、エチレン酢酸ビニル(EVA)又はスチレンブロックコポリマーなどのHMPSAの調製でしばしば使用される熱可塑性ポリマーも含むことができる。
【0101】
本発明による熱架橋性接着性組成物は、乾燥剤として加水分解性アルコキシシラン誘導体、好ましくはトリメトキシシラン誘導体を3重量%までさらに含むことができる。そのような薬剤は、本発明の組成物の使用前の貯蔵及び輸送中の貯蔵寿命を有利に延長する。例えば、Momentive Performance MaterialsからSilquest(登録商標)A-174の商品名で入手可能なγ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
【0102】
本発明による組成物は、例えばフタレート若しくはベンゾエート、パラフィン油若しくはナフテン油(EssoのPrimol(登録商標)352など)、又はポリエチレンホモポリマーのワックス(HoneywellのA-C(登録商標)617)、又はポリエチレンと酢酸ビニルとのコポリマー、又は顔料、染料若しくはフィラーなどの可塑剤も含むことができる。
【0103】
最後に、0.1~2%の量の1種以上の安定剤又は酸化防止剤が、本発明による組成物に含まれることが好ましい。これらの化合物は、熱又は光の作用により形成されやすい、酸素との反応から生じる劣化から組成物を保護するために導入される。これらの化合物には、例えばIrganox(登録商標)245及びIrganox(登録商標)1010、又はIrgafos(登録商標)168等の、フリーラジカルをトラップする酸化防止剤が含まれ得る。これらの酸化防止剤は、単独で使用することも、他の酸化防止剤又はUV安定剤と組み合わせて使用することもできる。
【0104】
本発明による組成物は、少なくとも1種のフィラー、典型的には有機及び/又は無機フィラーを、好ましくは組成物全体の重量の1~20%の間の含有量で含有することができる。
【0105】
有機フィラーとして、任意の有機フィラー、特に接着性組成物の分野で一般に使用されるポリマーフィラーを使用してもよい。
例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオレフィン、ゴムエチレン酢酸ビニル(EVA)、又はKevlar(登録商標)などのアラミド繊維が使用され得る。
また、発泡性又は非発泡性熱可塑性ポリマーで作られた中空微小球も使用され得る。特に、塩化ビニリデン/アクリロニトリルで作られた中空微小球が挙げられる。
【0106】
使用可能なフィラーの平均粒径は、本発明の組成物の貯蔵中にフィラーが組成物に沈殿するのを防ぐために、好ましくは10ミクロン以下、より優先的には3ミクロン以下である。
【0107】
平均粒径は、分析する粒子のサンプルの体積の50%に相当する体積粒径分布に対して測定される。粒子が球状である場合、平均粒径は中位径(D50又はDv50)に相当し、これは、粒子の50体積%が前記中位径より小さいサイズであることと一致する。本特許出願では、この値はマイクロメートルで表され、マルバーンタイプの機器でのレーザー回折によりNF ISO規格13320-1(1999)に従って決定される。
【0108】
好ましくは、フィラーは無機フィラーである。
【0109】
無機フィラーは、多様な形状の粒子形態で提供することができる。無機フィラーは、例えば球状若しくは繊維状であるか、又は不規則な形状を示すことがある。
【0110】
一実施態様によれば、フィラーは、砂、ガラスビーズ、ガラス、石英、重晶石、アルミナ、雲母、タルク、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩、及びこれらの混合物から選択される。
【0111】
好ましくは、フィラーは、砂及びガラスビーズ、並びに炭酸カルシウムから選択される。
【0112】
本発明で使用できる砂は、好ましくは0.1~400μm、優先的には1~400μm、より好ましくは10~350μm、より好ましくは50~300μmの範囲の粒径を有する。
【0113】
本発明で使用できるガラスビーズは、好ましくは0.1~400μm、優先的には1~400μm、より好ましくは10~350μm、より好ましくは50~300μmの範囲の粒径を有する。
【0114】
炭酸カルシウムは、例えばステアリン酸カルシウム又はアナログを使用して疎水性にすることができ、炭酸カルシウム粒子に部分的な又は完全な疎水性を付与することが可能になる。炭酸カルシウムの多少の疎水特性は、組成物のレオロジーに影響を与え得る。さらに、疎水性コーティングにより、炭酸カルシウムが組成物の成分を吸収してそれを無効にすることを防ぐことができる。炭酸カルシウムの疎水性コーティングは、炭酸カルシウムの総重量に対して0.1~3.5重量%とすることができる。
【0115】
本発明で使用できる炭酸カルシウムは、好ましくは0.1~400μm、より好ましくは1~400μm、優先的には10~350μm、より好ましくは50~300μmの範囲の粒径を有する。
【0116】
炭酸カルシウムの例として、Mikhart(登録商標)1T(La Provencaleから入手可能)を挙げることができる。
【0117】
顔料が組成物中に存在する場合、その含有量は、組成物の総重量に対して、好ましくは20%以下、より好ましくはl15%以下である。顔料は、存在する場合、組成物の総重量に対して、例えば0.1~20%、好ましくは0.5から10%であり得る。
【0118】
顔料は、有機又は無機顔料であり得る。
【0119】
顔料は、例えばTiO、特にKronosにより販売されているKronos(登録商標)2160であるか、又は顔料はカーボンブラック、特にEvonikにより販売されているPrintex(登録商標)25であってもよい。
【0120】
5.本発明の組成物の調製
本発明の熱架橋性接着性組成物は、
- 空気を排除して、好ましくは不活性雰囲気下で、50℃~170℃の間、好ましくは100℃~170℃の間の温度で上記の組成物(A)を粘着付与樹脂(B)と混合する段階、その後
- 50℃~90℃の範囲、有利には約70℃の温度に前記混合物を冷却する段階、その後
- 前記混合物中に、触媒(C)及び(適切な場合には)他の任意の成分を組み込む段階
を含む方法により調製することができる。
【0121】
したがって、有利には、100℃で測定されるBrookfield粘度が1000Pa.s以下、好ましくは500Pa.s未満、優先的には100Pa.s以下、より優先的には50Pa.s以下、例えば20Pa.s以下である組成物が得られ、支持層上へのそのコーティングが可能になる。前記粘度は、DIN ISO規格2555に従って、センサーの感度に適した速度で回転するA27スピンドル(平均10回転/分)を装備し、高温粘度測定用のThermoselシステムを備えたBrookfield RTV粘度計によって測定される。
【0122】
本発明による接着性組成物は、前記接着性組成物の応用分野内で有利に安定であり、有利には、特に高温で前記組成物のより良好な耐久性を可能にする。
【0123】
本発明による接着性組成物は、有利には、支持体上へのコーティングとそれに続く架橋の後、必要とされる凝集力を広い温度範囲、特に-60℃~200℃を超える範囲内で保持する(したがって得られた自己接着性物品の基材への付着を提供する)接着接合部をもたらす。この凝集力の維持によって、得られた自己接着性物品は、この広い温度範囲にわたって、特に高温、例えば140℃以上、実際には160℃以上、有利には180℃以上の温度でその接着性を維持することが有利に可能になる。
【0124】
本発明による接着性組成物は、有利には、広い温度範囲にわたって、特に高温、例えば140℃以上、実際には160℃以上の温度で、良好な接着性、良好な瞬間粘着性、せん断作用に対する良好な抵抗力及び/又は良好な凝集力の間で良好なバランスを示す自己接着性物品をもたらす。
【0125】
本発明による接着性組成物は、広い温度範囲にわたって、特に高温、例えば140℃以上、実際には160℃以上、又は有利には180℃以上の温度で、例えば3kg超、好ましくは5kg超、実際には6kg超の応力下のせん断作用に対する高い抵抗力を有利に示す自己接着性物品をもたらす。
【0126】
接着性組成物は、粘着付与樹脂との良好な相溶性を有利に示し、支持体に塗布するのが有利に容易である。本発明による接着性組成物は、有利には良好なぬれを可能にし、したがって基材へのより良好な接着性を可能にする。
【0127】
6.自己接着性物品
本発明の別の主題は、自己接着層でコーティングされた支持層を含む自己接着性物品であり、前記自己接着層は、架橋状態の本発明の接着性組成物から成る。
【0128】
本発明の意味の範囲内で、「自己接着性物品」という用語は、追加のグルー又は接着剤を使用することなく、手又は機器のアイテムによる圧力の作用のみによって表面に接着結合できる任意の物品を含む。「自己接着性物品」という表現はまた、「感圧接着性物品」又は「PSA物品」という表現も含む。これらの物品は、特に、フォーム、ロゴ、画像又は情報を集め、維持し、固定し、又は単に固定化若しくは露出するために、接着結合される表面に塗布されることを目的としている。これらの物品は、医療分野、衣料品、包装、自動車(例えば、ロゴの取り付け、レタリング、内部防音、内部取り付け、車室内の接着接合)又は建設(例えば、音響及び熱絶縁、窓の組み立てのため)等の多くの分野で使用できる。これらの物品は、最終用途に応じて、例えばテープ(工業用テープ、DIY用若しくは作業現場での固定用テープ、又は片面若しくは両面テープ等)の形態で、或いはラベル、バンデージ、手当用品、パッチ又はグラフィックフィルムの形態で形作ることができる。
【0129】
一実施態様によれば、自己接着性物品は、自己接着性多層系であり、特に自己接着性ラベル又はテープ’(片面でも両面でもよい)である。
【0130】
支持層に使用できる材料は、例えば任意のタイプの剛性又は可撓性の支持体であり得る。例えば、発泡体、フェルト、不織布支持体、プラスチック、膜、紙、又は1つ以上の層を有するポリマー材料のフィルムの支持体を挙げることができる。
【0131】
支持層は、例えば以下から選択される材料:
- 例えばポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン及び直鎖超低密度ポリエチレン等)、ポリプロピレン及びポリブチレンなどのポリオレフィン、
- ポリスチレン、
- 天然又は合成ゴム、
- 可塑化又は非可塑化ポリ塩化ビニルなどのビニルコポリマー、及びポリ酢酸ビニル、
- 例えばエチレン/メタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマー及びエチレン/プロピレンコポリマー等のオレフィン系コポリマー、
- アクリルポリマー及びコポリマー、
- ポリウレタン、
- ポリエーテル、
- ポリエステル、並びに
- これらの混合物
でできている。
【0132】
好ましくは、支持層は、アクリルポリマー、ポリエチレン(PE)、配向、非配向若しくは二次軸配向のポリプロピレン(PP)、ポリイミド、ポリウレタン、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、又は紙をベースとしている。
【0133】
一実施態様によれば、本発明の接着性組成物から得られる自己接着性物品は、接着層でコーティングされた永久支持層を含む。好ましくは、該接着層は、好ましくはシリコーン処理された、非粘着性の保護プラスチック又は紙フィルムでさらにコーティングされている。
【0134】
非粘着性保護フィルムの代替として、接着層でコーティングされていない永久支持層の背面は、例えばシリコーン処理された保護層などの非粘着性表面を有し得る。
【0135】
一実施態様によれば、永久支持層は、その両面が、接着性組成物(同一又は異なっていてもよい)でコーティングされ、2種の接着性組成物のうちの少なくとも1種は本発明によるものである。
【0136】
好ましくは、支持層は、10ミクロン~50mmの範囲、より好ましくは10ミクロン~20mmの範囲、好ましくは20ミクロン~10mmの範囲、より好ましくは20ミクロン~mmの範囲の厚さを示す。
【0137】
特定の場合、支持層に表面処理を施して、その上にコーティングする段階中に接着層の付着を増加させる必要がある。
【0138】
したがって、本発明による自己接着性物品は、2つの基材を接着結合することができる。自己接着性物品が塗布されることが意図される基材i(「接着結合される基材」という)は、可撓性又は剛性であり得る。該基材は、巻き取られて、例えば上記のようなリールの形態に包装されるように、上記の支持層と同じ可撓性特性を示し得る。
【0139】
或いは、接着結合される基材は剛性であり得る。この場合、基材を巻き取って、例えば上記のようなリールの形態に包装することはできない。
【0140】
接着結合される基材は、例えばコンクリート、紙、ポリオレフィンタイプの基材な等から選択することができる。
【0141】
一実施態様によれば、自己接着性物品は、非粘着性保護層(剥離ライナー)をさらに含む。
【0142】
一実施態様によれば、前記非粘着層は、接着性組成物の架橋後に接着層に塗布される。
【0143】
支持層は、その2つの面の一方、すなわち接着層でコーティングされていない背面を、非粘着性保護層で、例えばシリコーン処理フィルムで覆われ得る。このようにして、接着層がシリコーン処理面に接着しないため、自己接着性物品はそれ自体に巻き付き、その後問題なくほどけ得る。
【0144】
本発明による自己接着性物品は、以下の段階:
(a) 上記本発明による接着性組成物の、20℃~130℃の範囲の温度でのコンディショニング;その後;
(b) 段階(a)で得られた接着性組成物での、担持表面のコーティング;その後
(c) 特に水分子が気体1m当たり10~200mgの間で存在する気体環境において20℃~200℃の範囲の温度に加熱することによる、コーティングされた接着性組成物の架橋;
(d) 支持層又は非粘着性保護フィルムを担持表面の裏側にすることができる、前記支持層又は非粘着性フィルムへの架橋接着層の積層又は転写
を含む方法によって得ることができる。
【0145】
本発明の意味の範囲内で、用語「担持表面」は、非粘着性層若しくは非粘着性保護フィルム(剥離ライナー)でコーティングされたベルトコンベヤ又は支持層のいずれかを意味するものとする。したがって、担持表面は、非粘着性保護フィルムとして、又は,支持層として、自己接着性物品の一部となっている。
【0146】
担持表面が支持層ではない場合、本発明による自己接着性物品を得るための方法は、架橋接着層を支持層上に転写する段階(d)を含む。
【0147】
担持表面が支持層である場合、本発明による自己接着性物品を得るための方法は、接着層を非粘着性保護フィルム上に積層する段階(d)を含んでもよい。
【0148】
本発明の好ましい代替形態によれば、上記方法の段階(d)は、支持層を構成する材料の劣化温度又は軟化点以下の温度に架橋接着層を冷却した後、架橋接着層を可撓性支持層(プラスチックフィルムであり得る)に転写することから成る(consistis in)。
【0149】
一実施態様によれば、本発明による自己接着性物品は、支持層の表面の前処理の段階を含まない、上述の方法によって得ることができる。これらの前処理は、前記表面の表面エネルギー及び/又は粗さを増大させ、したがって前記表面への接着層の接着性を改善するために、前記表面を化学的及び/又は物理的に改質することを目的とする。既知の表面処理の例として、プラズマ又はコロナ処理、アブレーション、又は前記表面への化学結合剤(プライマーともいう)の塗布(前記剤でコーティングされた基材に高い表面エネルギーを付与できる)が挙げられる。
【0150】
一実施態様によれば、本発明による自己接着性物品の製造方法は、本発明による接着性組成物第2の層を支持層上にコーティングする段階(e)、続いて20℃~200℃の範囲の温度に加熱することによって、段階(e)でコーティングされた接着性組成物を架橋する段階(f)をさらに含む。本実施態様によれば、両面自己接着性物品が得られる。
【0151】
コーティング段階(b)は、リップノズル若しくはカーテンタイプのノズルなどの既知のコーティング装置によって、又はローラーを用いて実施することができる。それは、好ましくは5~1000g/m2、より好ましくは10~500g/m2、又はより優先的には12~250g/m2の範囲の、接着性組成物の単位面積当たりの重量を用いる。
【0152】
自己接着ラベルの製造に必要な接着性組成物の単位面積当たりの重量は、10~100g/m、好ましくは20~50g/mの範囲であり得る。自己接着テープの製造に必要なそれは、面当たり3~500g/m、好ましくは15~250g/mに及ぶはるかに広い範囲内で変動し得る。
【0153】
一実施態様によれば、コーティングされた接着性組成物は、段階(c)中に、その湿度レベルによって特徴付けられる湿潤雰囲気での処理にさらに供される。好ましくは、湿潤雰囲気は、分子の2%~100%が水分子であり、好ましくは分子の4%~50%、より好ましくは5%~10%が水分子である雰囲気である。
【0154】
湿度レベルは単位体積当たりの水の割合として表され、これは、水分子の数を単位体積中の分子の総数で割ったものに相当する。この尺度の線形性(linear nature)により、湿度レベルは、例えばP.I.D(比例-積分-微分)タイプのモニターを使用して、容易に測定及びモニターされる。重量パーセントは、分子の総数に対する水分子の数のパーセンテージに係数0.622を掛けることにより計算できる。さまざまな環境における湿度レベルに関する一般情報は、W.Wagnerらによる「International Steam Tables - Properties of Water and Steam based on the Industrial Formulation IAPWS-IF97」に記載されている。
【0155】
段階(c)の架橋に必要な時間は、担持表面に堆積した接着性組成物の単位面積当たりの重量、加熱温度及び湿度に応じて、例えば1秒~30分の間などの広い範囲内で変えることができる。
【0156】
この熱架橋段階は、加水分解性アルコキシシラン末端基を有するポリマー鎖間で、及び大気中の水分の作用下で、三次元ポリマーネットワークの形成をもたらすシロキサンタイプの結合を作り出す効果を有する。特に、このように架橋された接着性組成物は感圧接着剤であり、それは、それでコーティングされた支持層上に望ましい接着性と粘着性を付与する。
【0157】
好ましくは、コーティングは、支持層上又は非粘着性保護層上に均一に実施されるが、コーティングは、最終的な自己接着性物品の所望の形状に適合させることもできる。
【0158】
一実施態様によれば、接着性組成物iを用いるコーティングは、支持層の2つの面の少なくとも一部にわたって実施される。支持層の2つの面がコーティングされる場合、接着性組成物は、これら2つの面上で同一でも又は異なっていてもよく、単位面積当たりの重量は、これら2つの面上で同一でも又は異なっていてもよい。
【0159】
本発明の一実施態様によれば、自己接着性物品は、支持層の1つの面の少なくとも一部、又は支持層の2つの面の少なくとも一部の上に接着層を含み、前記接着層は、非粘着性保護層で任意選択的にコーティングされる。一実施態様によれば、自己接着性物品は、2つの接着層のそれぞれの上に2つの非粘着性保護層を含む。この場合、2つの保護層は、同一又は異なる材料で作られ、且つ/又は同一又は異なる厚さを有し得る。
【0160】
本発明による自己接着性物品は、以下の段階:
a) 非粘着性保護層(存在する場合)を除去する段階;
b) 製品の表面に自己接着性物品を塗布する段階;及び
c) 前記物品に圧力をかける段階
を含む接着結合方法において使用することができる。
【0161】
段階b)において、自己接着性物品は、該物品の自己接着部分(自己接着層によって形成される)が製品の表面に面するように塗布される。
【0162】
自己接着性物品が両面物品である実施態様によれば、接着結合方法は、製品の第1の表面に接着結合された物品に製品の第2の表面が塗布されるか、又は製品の第1の表面に接着結合された物品が製品の第2の表面に塗布される段階をさらに含む。
【0163】
上記のすべての実施態様は、互いに組み合わせることができる。特に、接着性組成物のさまざまな上記の成分、及び特に該組成物の好ましい実施態様は、互いに組み合わせることができる。
【0164】
本発明の文脈において、「x~yの間」、「x~yの範囲」又は「x~yに及ぶ」という用語は、境界x及びyを含む区間を意味する。例えば「0%~25%の間」の範囲には、特に値0%と25%が含まれる。
【0165】
以下の実施例は、単に本発明の例示として与えられ、その範囲を限定するために解釈されるものではない。
【実施例
【0166】
以下の成分が実施例で使用された。
クラレ P6010:クラレにより販売され、約19mg KOH/gのIOHを有する式(III)のポリエステルジオールに相当(アジピン酸及び3-メチル-1,5-ペンタンジオールから得られる);
クラレ P10010:クラレにより販売され、約11mg KOH/gのIOHを有する式(III)のポリエステルジオールに相当(アジピン酸及び3-メチル-1,5-ペンタンジオールから得られる);
Dynacoll(登録商標)7250:エボニックにより販売され、18から24mg KOH/gの間のIOHを有する式(III)のポリエステルジオールに相当(アジピン酸及び1,6-1,5-ペンタンジオールから得られる);
Silquest(登録商標)A-Link 35:Momentiveにより販売され、上記の式(VII)[式中、pは0に等しく、Rはメチルであり、Rはプロピレンである]のイソシアネートシランに相当;
Borchi Kat(登録商標)VP 0244:Borchersから市販されている、ビスマス/ネオデカン酸亜鉛系の触媒,;
Dertophene(登録商標)H150:DRTより入手可能であり、テルペンフェノール系の粘着付与樹脂に相当;
Irganox(登録商標)1010:BASFより入手可能であり、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤に相当;
Irgafos(登録商標)168:BASFより入手可能であり、ホスファイト系の酸化防止剤に相当;
Irganox(登録商標)245:BASFより入手可能であり、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート]系のヒンダードフェノール酸化防止剤である;
K-Kat(登録商標)5218:King Industriesより入手可能であり、アルミニウムキレート系の触媒に相当;
Reagem 5110:DRTより入手可能であり、65mg KOH/gのヒドロキシル価を有するポリエステルポリオール系の粘着付与樹脂である。
【0167】
実施例A、B及びCは、Rがプロピレンラジカルであり、Rがメチルラジカルである式(I)の少なくとも1種のポリウレタンを含む組成物(A)の調製を説明する。
【0168】
実施例A:組成物(A)の調製
以下をガラス製反応器に導入する。
- 747.8g(0.1259mol)のポリエステルポリオール クラレ P6010(ポリ[(3-メチル-1,5-ペンタンジオール)-ali-(アジピン酸)])
- 1に等しいNCO/OH(官能基)比に相当する、52g(0.253mol)のSilquest(登録商標)A-Link 35((γ-イソシアナト-n-プロピル)トリメトキシシラン);及び
- 250ppmのビスマス/ネオデカン酸亜鉛系の触媒(Borchi Kat VP 0244)。
【0169】
イソシアナトシランSilquest(登録商標)A-Link 35のNCO官能基が完全に反応するまで、窒素下、85℃の温度で該混合物を連続的に攪拌した。NCO官能基の消失は、フーリエ変換赤外法を使用して観察され、すべてが反応したときには、NCO官能基(2260~2270cm-1の間)に相当するピークは最早赤外スペクトルに存在しない。
【0170】
23℃で142Pa.sの粘度(20回転/分の速度で回転するスピンドルを備えたBrookfield粘度計で測定)を有する組成物が約800グラム得られる。
【0171】
実施例B:組成物(A)の調製
以下をガラス製反応器に導入する。
- 777.08g(0.1412mol)のポリエステルポリオール Dynacoll 7250;
- 1に等しいNCO/OH(官能基)比に相当する、62.66g(0.305mol)のSilquest(登録商標)A-Link 35((γ-イソシアナト-n-プロピル)トリメトキシシラン);及び
- 250ppmのビスマス/ネオデカン酸亜鉛系の触媒(Borchi Kat VP 0244)。
【0172】
イソシアナトシランSilquest(登録商標)A-Link 35のNCO官能基が完全に反応するまで、窒素下、85℃の温度で該混合物を連続的に攪拌した。NCO官能基(2260~2270cm-1の間)の消失は、フーリエ変換赤外法を使用して観察され、すべてが反応したときには、NCO官能基に相当するピークは最早赤外スペクトルに存在しない。
【0173】
23℃で101Pa.sの粘度(20回転/分の速度で回転するスピンドルを備えたBrookfield粘度計で測定)を有する組成物が約840グラム得られる。
【0174】
実施例C:組成物(A)の調製
以下をガラス製反応器に導入する。
- 750g(0.0749mol)のポリエステルポリオール クラレ P10010(ポリ[(3-メチル-1,5-ペンタンジオール)-ali-(アジピン酸)])
- 1に等しいNCO/OH(官能基)比に相当する、32.63g(0.159mol)のSilquest(登録商標)A-Link 35((γ-イソシアナト-n-プロピル)トリメトキシシラン);及び
- 250ppmのビスマス/ネオデカン酸亜鉛系の触媒(Borchi Kat VP 0244)。
【0175】
イソシアナトシランSilquest(登録商標)A-Link 35のNCO官能基が完全に反応するまで、窒素下、85℃の温度で該混合物を連続的に攪拌した。NCO官能基の消失は、フーリエ変換赤外法を使用して観察され、すべてが反応したときには、NCO官能基(2260~2270cm-1の間)に相当するピークは最早赤外スペクトルに存在しない。
【0176】
実施例1~3は、組成物(A)、(A)及び(A)からの熱架橋性接着性組成物の調製を説明する。
【0177】
実施例1:
1A:組成物(A)をベースとする熱架橋性接着性組成物C1の調製
次の表1にある組成物C1は、まず、減圧下で粘着付与樹脂を酸化防止剤と共にガラス製反応器に導入し、約160℃に加熱することにより調製される。その後、樹脂が溶融したら、組成物(A)を段階的に添加し、各添加後に、実質的に均一な混合物を得る。組成物(A)の添加が終了したら、混合物を減圧下で15分間攪拌し、その後80℃に冷却する。その後、触媒を導入する。混合物をさらに10分間攪拌しながら、減圧下で維持する。
【0178】
1B:50g/mの単位面積当たりの重量の割合で、架橋組成物を用いてコーティングされたPET支持層の調製
厚さ50μmと20cm x 40cmの大きさを有するポリエチレンテレフタレート(PET)の長方形シートを支持層として使用する。
1Aで得られた組成物を約100℃の温度に予熱し、カートリッジに導入し、そこからストランドを押し出し、シートの幅に平行なシートの端近くに堆積させる。
その後、このストランドに含まれる組成物をシートの表面全体に分配し、実質的に一定の厚さの均一な層を得る。このために、シートの端から反対側の端に移動するフィルム引出具(フィルムアプリケーターともいう)を利用する。したがって、単位面積当たりの重量が50g/mに相当する組成物の層(厚さおよそ50μm)を堆積させる。
その後、このようにコーティングされたPETシートを、組成物の架橋のために、制御され湿度の120℃のオーブンに8~10分間入れ、次いで、長方形で同じ寸法の、シリコーン処理されたフィルムシートから成る非粘着性保護層上に積層する。
このようにして得られたPET支持層は、後述の実施例5に記載されている試験に供される。
【0179】
実施例2:
2A:組成物(A)をベースとする熱架橋性接着性組成物C2の調製
次の表2にある組成物C2は、まず、減圧下で粘着付与樹脂を酸化防止剤と共にガラス製反応器に導入し、約150℃に加熱することにより調製される。その後、樹脂が溶融したら、組成物(A)を段階的に添加し、各添加後に、実質的に均一な混合物を得る。組成物(A)の添加が終了したら、混合物を減圧下で15分間攪拌し、その後80℃.に冷却する。混合物をさらに10分間攪拌しながら、減圧下で維持する。
【0180】
2B:50g/mの単位面積当たりの重量の割合で、架橋組成物を用いてコーティングされたPET支持層の調製
厚さ50μmと20cm x 40cmの大きさを有するポリエチレンテレフタレート(PET)の長方形シートを支持層として使用する。
2Aで得られた組成物を約100℃の温度に予熱し、カートリッジに導入し、そこからストランドを押し出し、シートの幅に平行なシートの端近くに堆積させる。
その後、このストランドに含まれる組成物をシートの表面全体に分配し、実質的に一定の厚さの均一な層を得る。このために、シートの端から反対側の端に移動するフィルム引出具(フィルムアプリケーターともいう)を利用する。したがって、単位面積当たりの重量が50g/mに相当する組成物の層(厚さおよそ50μm)を堆積させる。
その後、このようにコーティングされたPETシートを、組成物の架橋のために、制御され湿度の120℃のオーブンに8~10分間入れ、次いで、長方形で同じ寸法の、シリコーン処理されたフィルムシートから成る非粘着性保護層上に積層する。
このようにして得られたPET支持層は、後述の実施例5に記載されている試験に供される。
【0181】
実施例3:
3A:組成物(A)をベースとする熱架橋性接着性組成物C3の調製
次の表3にある組成物C3は、まず、減圧下で粘着付与樹脂を酸化防止剤と共にガラス製反応器に導入し、約150℃に加熱することにより調製される。その後、樹脂が溶融したら、組成物(A)を段階的に添加し、各添加後に、実質的に均一な混合物を得る。組成物(A)の添加が終了したら、混合物を減圧下で15分間攪拌し、その後80℃に冷却する。混合物をさらに10分間攪拌しながら、減圧下で維持する。
【0182】
3B:50g/mの単位面積当たりの重量の割合で、架橋組成物を用いてコーティングされたPET支持層の調製
厚さ50μmと20cm x 40cmの大きさを有するポリエチレンテレフタレート(PET)の長方形シートを支持層として使用する。
3Aで得られた組成物を約100℃の温度に予熱し、カートリッジに導入し、そこからストランドを押し出し、シートの幅に平行なシートの端近くに堆積させる。
その後、このストランドに含まれる組成物をシートの表面全体に分配し、実質的に一定の厚さの均一な層を得る。このために、シートの端から反対側の端に移動するフィルム引出具(フィルムアプリケーターともいう)を利用する。したがって、単位面積当たりの重量が50g/mに相当する組成物の層(厚さおよそ50μm)を堆積させる。
その後、このようにコーティングされたPETシートを、組成物の架橋のために、制御され湿度の120℃のオーブンに8~10分間入れ、次いで、長方形で同じ寸法の、シリコーン処理されたフィルムシートから成る非粘着性保護層上に積層する。
このようにして得られたPET支持層は、後述の実施例5に記載されている試験に供される。
【0183】
実施例4:
4A:組成物(A)をベースとする熱架橋性接着性組成物C4の調製
次の表4にある組成物C4は、まず、減圧下で粘着付与樹脂を酸化防止剤と共にガラス製反応器に導入し、約160℃に加熱することにより調製される。その後、樹脂が溶融したら、組成物(A)を段階的に添加し、各添加後に、実質的に均一な混合物を得る。組成物(A)の添加が終了したら、混合物を減圧下で15分間攪拌し、その後80℃に冷却する。混合物をさらに10分間攪拌しながら、減圧下で維持する。
【0184】
4B:50g/mの単位面積当たりの重量の割合で、架橋組成物を用いてコーティングされたPET支持層の調製
厚さ50μmと20cm x 40cmの大きさを有するポリエチレンテレフタレート(PET)の長方形シートを支持層として使用する。
4Aで得られた組成物を約100℃の温度に予熱し、カートリッジに導入し、そこからストランドを押し出し、シートの幅に平行なシートの端近くに堆積させる。
その後、このストランドに含まれる組成物をシートの表面全体に分配し、実質的に一定の厚さの均一な層を得る。このために、シートの端から反対側の端に移動するフィルム引出具(フィルムアプリケーターともいう)を利用する。したがって、単位面積当たりの重量が50g/mに相当する組成物の層(厚さおよそ50μm)を堆積させる。
その後、このようにコーティングされたPETシートを、組成物の架橋のために、制御され湿度の120℃のオーブンに8~10分間入れ、次いで、長方形で同じ寸法の、シリコーン処理されたフィルムシートから成る非粘着性保護層上に積層する。
このようにして得られたPET支持層は、後述の実施例5に記載されている試験に供される。
【0185】
実施例5:試験
ステンレス鋼のシートの180°剥離試験:
接着性は、FINAT Technical Handbook、第6版、2001で公開されたFINAT試験方法No.1に記載の通り、ステンレス鋼のシートの180°剥離試験によって評価される。FINATは、自己接着性ラベルメーカー及びコンバータのための国際連盟である。本試験の原理は以下の通りである。
実施例1(又は2、3若しくは4)で得られた架橋組成物でコーティングされたPET支持層から、長方形ストリップ(25mm x 175mm)の形態の試験片を切り取る。この試験片を、その長さの2/3にわたって(非粘着性保護層の対応する部分を除去した後)、ステンレス鋼のシートから成る基材に取り付ける。得られた集合体は、所望の温度で24時間熟成させる。剥離は、23℃、相対湿度50%で1時間冷却した後に行う。このためにその後、集合体を、長方形のストリップの自由な方の端部から、180°の角度及び毎分300mmの分離速度でストリップを剥離又は引き離すことができる引張試験装置に置く。該装置は、これらの条件下でストリップを引き離すのに必要な力を測定する。
【0186】
結果はN/cmで表し、異なる熟成温度について、以下の表に示す。
【0187】
この表から、本発明による組成物C1、C2、C3及びC4は、広い温度範囲にわたって、特に120℃以上、実際には140℃以上の温度に対して(ストリップを引き離すための)高い剥離強度を有利に提供することが明らかになる。これらの結果は、接着結合部が高温まで有利に抵抗することを示す。160℃と180℃の非常に高い温度で熟成させた後、PET支持体の破損が観察され、接着フィルムの凝集力と接着性が50μmPET支持体の凝集力より大きいことを示している。この観察は、本発明の熱架橋性自己接着性組成物の非常に高い温度に対する優れた耐性を実証している。
【0188】
4時間「重量せん断(heavy weight shear)」試験
接着剤の内部凝集力は、周囲温度で一定の応力下で4時間のせん断試験によって評価される。試験板の調製については、感圧テープ協議会(Pressure Sensitive Tape Council)のPSTC技術便覧(Technical Manual)(第15版)で公開されているPSTC107の方法に記載されている。
【0189】
本試験の原理は以下の通りである。
上で得られた自己接着性物品を構成する架橋接着性組成物でコーティングされたPET支持層から、長方形ストリップ(25mm x 125mm)の形態の試験片を切り取る。その後、この試験片を23℃、相対湿度50%で24時間保管し、PSTC 107の方法に記載されている通り、事前に調製したステンレス鋼板に(非粘着性保護層の対応する部分を除去した後)取り付ける。接着結合表面は、25 x 25mm、すなわち625mm2である。続いて、プレートから突き出ている試験片の自由な部分に重りを取り付けるためのシステムを取り付けることができるように、非粘着性層の残りの部分を除去する。重りを取り付けるための該システムは、試験片/ステンレス鋼の接着結合表面から5cmの位置にある、試験片を接着することによりそれ自体を保持し、最大8kg又は80Nの重量に耐えられるように補強されたフックから成り、これは、試験中に破損することはない。
得られた集合体を周囲温度(23℃)で最低60分間放置した後、静的せん断試験台に置き、PSTC 107の方法(手順A)に記載されている通りに、ステンレス鋼板を2°の角度で垂直に取り付け、且つ、単一で一定の重りを試験片のフックに取り付け、4時間の試験を開始する。この4時間が経過した時点で、試験片が2mm以上移動(クリープ)していない場合、同じ方法で調製した新しい試験片に対して重りを1kg増量させる。試験片が4時間後に2mm以上移動した場合、記録する値は、試験片が移動しなかった、少ない方の重りの値である。
【0190】
結果はkgで表し、異なる熟成温度について、以下の表に示す。
【0191】
この表から、本発明による組成物C1、C2及びC3は、広い温度範囲にわたって、特に120℃以上、実際には140℃.以上又は160℃の温度に対して、せん断作用に対する高い耐性を有利に提供することが明らかになる。これらの結果は、接着接合部が高温まで、及び180℃で6kg以上の応力下で有利に抵抗することを示している。