(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】対向するトランスデューサを使用するカテーテルプローブのナビゲーション方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A61B 8/12 20060101AFI20230220BHJP
【FI】
A61B8/12
(21)【出願番号】P 2020509011
(86)(22)【出願日】2018-08-15
(86)【国際出願番号】 IB2018056118
(87)【国際公開番号】W WO2019035000
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-07-01
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アルトマン・アンドレス・クラウディオ
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-537890(JP,A)
【文献】特表2015-533576(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0092977(US,A1)
【文献】特表2006-517117(JP,A)
【文献】国際公開第2015/148470(WO,A1)
【文献】特開2016-093483(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0106435(US,A1)
【文献】特表2017-514553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に用いられるプローブナビゲーションシステムであって、
前記被検体内の壁付領域に、またその内部で
、プローブの遠位端を制御可能に挿入して動かすように操作されるよう構成された制御システム及び関連プローブを備え、
前記プローブの前記遠位端は、それに取り付けられた対向する第1及び第2トランスデューサを
有するバルーンを含み、
前記第1トランスデューサは、前記壁付領域内の第1壁を感知するように前記
バルーン上に
配置され、対向する前記第2トランスデューサは、前記壁付領域内の対向壁を感知するように前記
バルーン上に
配置され、
前記バルーンは、前記プローブの前記遠位端に対して拡張された時に、前記第1及び第2トランスデューサを所定の距離だけ離間するように構成され、
前記制御システムは、前記第1トランスデューサを使用して前記第1壁に向かう前記プローブの前記遠位端の動きを追跡し、前記第2トランスデューサを使用して前記対向壁に対する前記遠位端の動きを追跡するように構成され、
前記第1トランスデューサ
が、前記第1壁を適切に感知できない
前記第1壁からブランキング距離の内側である、ブランキング領域に入っている状態で、前記制御システムは、
前記第1トランスデューサにより生成された情報を無視し、前記第2トランスデューサにより生成された前記対向壁に対する前記プローブの動きに関する情報
と前記第1及び第2トランスデューサ間の前記所定の距離を用いて、前記第1壁に向かう前記プローブの前記遠位端の追跡を提供し、それによって前記第1トランスデューサが前記第1壁を適切に感知できないこととは関係なく前記第1壁との接触を判定できるようにするように構成されている、プローブナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記制御システムが、前記
第1及び第2トランスデューサと結合され、トランスデューサ信号に基づいて前記プローブの動き
の追跡情報を計算するように構成されたプロセッサと、前記プロセッサと結合され、1つ以上のモードで前記追跡情報を表示するように構成されたディスプレイと、表示された前記追跡情報に基づいて前記プローブの前記遠位端
の位置付けを選択的に制御するように操作されるように構成された操作可能なプローブ制御装置と、を含む、請求項1に記載のプローブナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記プローブはシースを含むカテーテルであり、前記シースを通してツールが配備され、前
記シースの遠位端は、前記バルーンを含む、請求項2に記載のプローブナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記制御システムは、前記プローブが前記第1壁に向かって動くとき、前記第2トランスデューサを使用して、前記対向壁から離れていく前記プローブの前記遠位端の動きを追跡するように構成されている、請求項2に記載のプローブナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記バルーンが、
それぞれ複数のトランスデューサ素子を含むトランスデューサ支持部材のアレイと、
トランスデューサ素子の同様に動作する組であって、ある組の各トランスデューサが異なる壁部を感知するように構成されるように画定された、トランスデューサ素子の同様に動作する組と、を含み、
1組のトランスデューサ素子は、
少なくとも前記第1及び第2トランスデューサを含み、前記制御システムにより操作可能に構成され、
前記バルーンは、前記プローブの前記遠位端に対して拡張された時に、前記1組のトランスデューサ素子をそれぞれ前記所定の距離だけ離間するように構成され、
前記第1トランスデューサが
、前記第1トランスデューサにより前記壁部を適切に感知できない
前記壁部から前記ブランキング距離の内側である領域に入っている状態で、
前記制御システムは、前記第1トランスデューサにより生成された情報を無視し、前記1組のトランスデューサ素子のそれぞれの間の前記所定の距離と前記1組
のトランスデューサ素子の他のトランスデューサにより感知された前記壁部に対する前記プローブの動きに関する追跡情報
を用いて、前記壁部に対する前記プローブの前記遠位端の追跡を提供し、それによって前記第1トランスデューサが前記壁部を適切に感知できないこととは関係なく前記第1トランスデューサ
と前記壁部との接触を判定できるように
構成されている、請求項2に記載のプローブナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記1組
のトランスデューサ素子は、前記バルーンにおいて互いに180度で配置された2つのトランスデューサにより画定される、請求項
5に記載のプローブナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記1組
のトランスデューサ素子は、前記バルーンにおいて、互いに対して等辺形の頂点として配置された3つのトランスデューサにより画定される、請求項
5に記載のプローブナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記1組
のトランスデューサ素子は、前記バルーンにおいて、互いに対して正四面体の頂点として配置された4つのトランスデューサにより画定される、請求項
5に記載のプローブナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記プローブはシースを含むカテーテルであり、前記シースを通してツールが配備され、前記ツールの遠位端部が、それに取り付けられた前記第1及び第2トランスデューサを含む、請求項2に記載のプローブナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記第1及び第2トランスデューサが、前記プローブの軸に対して互いに180度の角度をなして前記プローブの前記遠位端に取り付けられている、請求項2に記載のプローブナビゲーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
医療診断、並びに被検体の壁付空洞及び通路における他の処置で用いるためのプローブのナビゲーション方法及び装置が提供される。対向するトランスデューサは、カテーテルなどのプローブが位置付けられる壁に対してセンサの極近くから生じる信号ブランキング領域を補償するために用いられる。
【0002】
一実施形態では、対向する第1及び第2トランスデューサが取り付けられた遠位端を有するプローブが、被検体内の壁付領域に挿入される。トランスデューサは、壁付領域の壁に対するプローブ端部の動きを追跡する。プローブの遠位端は壁に接近して、ある領域に入ることがあり、そのため、第1トランスデューサが壁を適切に感知できない。このような領域は、通常、ブランキング領域と呼ばれる。次いで、第2トランスデューサにより生成された、対向壁から離れていくプローブの動きに関する追跡情報を用いて、第1トランスデューサが感知できなくなった壁に対するプローブの遠位端の追跡を提供する。したがって、第1トランスデューサが壁を適切に感知できないこととは関係なく、壁との接触を判定することができる。
【0003】
本方法は、プローブがカテーテルであり、カテーテルの遠位端が生体の心腔内に位置付けられるように、実施されてもよい。カテーテルはシースを含み得、そのシースを通してツールが配備され、カテーテルのシースの遠位端は、第1及び第2トランスデューサが取り付けられたバルーンを含む。代替的実施形態は、シース及び/又はバルーンを通して配備されたツールに直接取り付けられた対向するトランスデューサを有してもよい。前述の各実施例では、対向するトランスデューサが、例えばプローブの軸に対して互いに180度の角度をなしてプローブの遠位端に取り付けられてもよい。但し、他の角度配向が用いられてもよい。
【0004】
プローブの遠位端は、トランスデューサ支持部材のアレイを有するバルーンなど、3つ以上のトランスデューサを含むように構成することができ、各支持部材は複数のトランスデューサ素子を含む。このようなプローブの遠位端が特定のトランスデューサに対してブランキング領域に入る場合、他の複数のトランスデューサから生成された追跡情報を用いて、特定のトランスデューサのブランキング領域に入った後、壁に向かうプローブの動きを追跡することができる。
【0005】
上記の方法によるカテーテルなどの遠位端の位置付け及び/又は追跡情報は、ディスプレイに図形で、又は他の形態で表示することができる。次いで、医師又は他のプローブオペレータは、表示された情報に基づいてプローブの遠位端を位置付けることができる。
【0006】
被検体内において上記の方法を利用するプローブナビゲーション装置の例示は、制御システムと、被検体の壁付領域内に制御可能に挿入されてその壁付領域内で動くように構成された、前述の変形例のいずれかから構成される遠位端を有する関連付けられたプローブとを含み得る。例示の制御システムは、第1トランスデューサを使用して第1壁に向かうプローブの遠位端の動きを追跡し、1つ以上の他のトランスデューサを使用して、他の壁部に対する、例えば対向壁から離れていく遠位端の動きを追跡するように構成される。プローブの遠位端が第1壁に接近しているが第1トランスデューサにより第1壁を適切に感知できない状態で、制御システムは、1つ以上の他のトランスデューサにより生成された、壁付領域の壁に対する、例えば対向壁から離れていく、プローブの動きに関する情報を用いて、第1壁に向かうプローブの遠位端の追跡を提供するように構成される。これにより、第1トランスデューサが第1壁を適切に感知できないこととは関係なく第1壁との接触を判定することができる。
【0007】
このような制御システムは、トランスデューサと結合され、かつトランスデューサ信号に基づいてプローブの動きの追跡情報を計算するように構成されたプロセッサと、プロセッサと結合され、1つ以上のモードで追跡情報を表示するように構成されたディスプレイと、表示された追跡情報に基づいてプローブの遠位端の位置付けを選択的に制御するように動作されるように構成された操作可能なプローブ制御装置と、を含むことができる。
【0008】
本発明の他の目的及び利点は、当業者には図面及び以下の詳細な説明から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の実施形態は、添付図面の図において、制限としてではなく、例として示される。
【
図1】本発明の教示に従ってマッピング、診断、及びその他の処置を実施するための医療用システムの例示的な概略絵画図である。
【
図2】
図1の例示的な医療用システムと共に用いられるカテーテルの遠位端に対する、対向するトランスデューサを有する例示的なバルーン構成である。
【
図3A】
図2の例示的なバルーン構成利用する方法を示す一連の図である。
【
図3B】
図2の例示的なバルーン構成利用する方法を示す一連の図である。
【
図3C】
図2の例示的なバルーン構成利用する方法を示す一連の図である。
【
図4】
図1の例示的な医療用システムと共に用いられるカテーテルの遠位端に対する代替の例示的なバルーン構成である。
【
図5A】
図1に示された医療用システと共に用いられるカテーテルの遠位端に対する例示的なプローブツール構成を示す図である。
【
図5B】
図1に示された医療用システと共に用いられるカテーテルの遠位端に対する例示的なプローブツール構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本特許出願において参照により組み込まれる文書には、本明細書において明示的又は暗示的になされる定義と矛盾して定義される用語が含まれる場合がある。何らかの矛盾が生じる場合、本明細書における定義が適用されるとみなされるべきである。
【0011】
図1は、マッピング、診断、又はその他の医療処置中に情報52を生成して表示し、かつ被検体内の様々なプローブの配置を制御するために用いられる例示的な医療用システム20の図である。例示的なシステムは、心臓カテーテルなどのプローブ22、コンソール24、及び付随するプローブ制御ユニット25を含む。本明細書に記載されるとおり、プローブ22は、例えば、患者28の心臓26内の電位をマッピングする、又はアブレーション処置を実施するなどの診断又は治療的処置に用いられることを理解されたい。あるいは、プローブ22は、心臓、肺、又は他の生体器官におけるその他の治療及び/又は診断目的、並びに耳鼻咽喉(ENT)処置のために、必要な変更を加えて使用してもよい。
【0012】
オペレータ30は、例えば、プローブ制御ユニットを用いて、プローブ22の遠位端32が患者の心臓26の心腔に入るように、プローブ22を患者28の脈管系に挿入することができる。コンソール24は、磁気位置検知を使用して、心臓26内部の遠位端32の位置座標を決定することができる。位置座標を決定するために、コンソール24内の駆動回路34が磁場発生器36を駆動して、患者28の身体内で磁場を生成し得る。磁場発生器36は、患者28外の既知の位置で患者28の胴体下方に配置され得るコイルを含んでもよい。これらのコイルは、心臓26を含む所定の可動範囲内に磁場を生成し得る。
【0013】
プローブ22の遠位端32内の位置センサ38が、これらの磁場に応答して電気信号を生成し得る。信号プロセッサ40は、位置座標及び配向座標の双方を含む遠位端32の位置座標を決定するために、これらの信号を処理することができる。上記で説明された位置検知の既知の方法は、Biosense Webster Inc.(Diamond Bar,Calif.)のCARTO(商標)マッピングシステムにより実現されており、本明細書で引用される特許及び特許出願で詳細に説明されている。
【0014】
位置センサ38は、遠位端32の位置座標を示す信号をコンソール24に送信するように構成される。位置センサ38は、1つ以上の小型コイルを備えてもよく、通常は、異なる軸に沿った向きに配置される複数のコイルを備えてもよい。あるいは、位置センサ38は、別の種類の磁気センサ、又はインピーダンス式若しくは超音波式の位置センサなど、他の種類の位置トランスデューサのいずれかを備えてもよい。下記により詳しく説明するが、位置センサ38は、1組以上の対向するトランスデューサを含むことができる。
【0015】
プローブ22はまた、遠位端32内に収容された力センサ54を含むことができる。力センサ54は、遠位端32によって心臓26の心内膜組織に加えられる力を測定し、コンソール24に送信される信号を生成することができる。力センサ54は、遠位端32のバネによって接続された磁界送信機及び受信機を含むことができ、バネのたわみの測定値に基づいて力の指示を生成することができる。この種類のプローブ及び力センサの更なる詳細は、参照によって本明細書に援用される米国特許出願公開第2009/0093806号及び同第2009/0138007号で説明されている。あるいは、遠位端32は、例えば、光ファイバ又はインピーダンス測定を用いることのできる別の種類の力センサを含んでもよい。
【0016】
プローブ22は、遠位端32に連結され、かつインピーダンス式位置トランスデューサとして機能するように構成された電極48を含んでもよい。更に又はあるいは、電極48は、特定の生理学的性質、例えば、複数の位置のうちの1つ以上における心組織の局所表面電位を測定するように構成されてもよい。電極48は、心臓26の心内膜組織をアブレーションするために高周波(RF)エネルギーを印加するように構成されてもよい。
【0017】
例示的な医療用システム20は、磁気式センサを用いて遠位端32の位置を測定するように構成され得るが、その他の位置追跡技術(例えば、インピーダンス式センサ)を用いてもよい。磁気位置追跡技術は、例えば、米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第6,788,967号、同第6,690,963号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、及び同第6,177,792号に記載されており、これらは参照によってこれらがあたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。インピーダンス式位置追跡技術は、例えば、米国特許第5,983,126号、及び同第5,944,022号に記載されており、これらは参照によってこれらがあたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0018】
信号プロセッサ40は、プローブ22からの信号を受信してコンソール24の他の構成要素を制御するのに適したフロントエンド回路及びインターフェース回路を有する汎用コンピュータ内に含まれ得る。信号プロセッサ40は、本明細書に記載される機能を実行するように、ソフトウェアを使用してプログラムされてもよい。このソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子形態でコンソール24にダウンロードするか、又は光学式、磁気式、若しくは電子式記憶媒体などの非一過性の有形媒体上で提供することができる。あるいは、信号プロセッサ40の機能の一部又は全てが、専用の又はプログラム可能なデジタルハードウェア構成要素によって実行されてもよい。
【0019】
図1の例では、コンソール24はまた、ケーブル44によって外部センサ46に接続することができる。外部センサ46は、例えば接着剤パッチを使用して患者の皮膚に取り付けることができる体表面電極及び/又は位置センサを含み得る。体表面電極は、心組織の分極及び脱分極によって生成される電気インパルスを検出することができる。位置センサは、高度なカテーテルロケーション及び/又は磁気式位置センサを使用して、使用中にプローブ22の位置を特定することができる。
図1に示されてはいないが、外部センサ46は、患者28が着用するように構成されたベストに埋め込まれていてもよい。外部センサ46は、患者28の呼吸周期の識別及び追跡を補助することができる。外部センサ46は、ケーブル44を介してコンソール24に情報を送信することができる。
【0020】
更に又はあるいは、プローブ22及び外部センサ46は、無線インターフェースを介してコンソール24と相互に通信することができる。例えば、開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,266,551号は、とりわけ、信号処理装置及び/又は計算装置に物理的に接続されていない無線カテーテルについて記載している。より正確に言えば、送受信器はカテーテルの近位端に取り付けられている。送受信機は、赤外線(infrared、IR)送信、無線周波数(RF)送信、無線送信、Bluetooth(登録商標)送信、音響送信、又はその他の送信などの無線通信方法を使用して、信号処理装置及び/又はコンピュータ装置と通信する。
【0021】
プローブ22は、コンソール24内の対応する入力/出力(I/O)インターフェース42と通信可能な無線デジタルインターフェースを備えることができる。無線デジタルインターフェース及びI/Oインターフェース42は、当該技術分野で既知である任意の好適な無線通信規格、例えば、IR、RF、Bluetooth、規格のIEEE 802.11ファミリーのうちの1つ、又はHiperLAN規格に従って動作し得る。外部センサ46は、可撓性基板上に一体化した1つ以上の無線センサノードを含むことができる。1つ以上の無線センサノードは、ローカルデジタル信号処理を可能にする無線送受信ユニット(WTRU)と、無線リンクと、小型の再充電式電池などの電源とを含み得る。
【0022】
I/Oインターフェース42により、コンソール24は、プローブ22及び外部センサ46と相互作用できるようになり得る。信号プロセッサ40は、外部センサ46から受信した電気インパルス、並びに医療用システム20のI/Oインターフェース42及び他の構成要素を介してプローブ22から受信した信号に基づいて、情報52を生成することができ、当該情報52はディスプレイ50に示され得る。情報52は、例えば、チャート、写真、動画、又は他の種類のグラフィックディスプレイなど、データ又はグラフィック要素の形で表現することができる。
【0023】
診断処置中、信号プロセッサ40は、情報52を提示することができ、及び/又は、情報52を表すデータをメモリ58に格納することができる。メモリ58としては、ランダムアクセスメモリ又はハードディスクドライブなど、任意の好適な揮発性及び/又は不揮発性メモリが挙げられ得る。
【0024】
プローブ制御ユニット25は、1つ以上の入力装置59を使用して選択可能な情報52に基づいて、プローブを操作するためにオペレータ30によって操作されるように構成することができる。あるいは、医療用システム20は、表示された情報52に基づいてプローブ22を操作するためにオペレータ30がプローブ制御ユニット25を操作している間にコンソール24を操作する第2オペレータを含むことができる。
【0025】
心不整脈を治療するための1つの選択肢は、介入カテーテルに基づく処置であり得る。介入カテーテルに基づく処置は、心臓アブレーションと呼ばれる技術を含み得る。このような処置では、カテーテルは通常、患者の鼠径部領域から心臓内に前進される。一旦所定の位置に置かれると、適切な心臓の状態を回復させることを目的として、カテーテルを介して高周波(RF)エネルギーを被検体の心腔内の特定の位置に送達することができる。
【0026】
上述の医療処置中、診断によって決定されたように、無線周波数(RF)エネルギーの正確な印加が指定された位置又は一連の位置に送達されるように、カテーテルの遠位端の適切な位置付けが非常に重要である。プローブの正確な位置付けはまた、処置を必要とする心臓の特定領域を決定するために、このような医療処置に先立って実施される診断及びマッピング処置でも重要である。
【0027】
プローブの遠位端を動かして位置付けするためのプローブ制御装置25の構造及び使用の技法は、上記で引用したCARTO(商標)マッピングシステムで採用されるものなど、最新技術の範囲内である。例えば、参照によってあたかも本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる米国特許第6,690,963号を更に参照されたい。しかしながら、プローブの遠位端の動きを制御するためのプローブ制御装置25の動作は、その動き及び位置の正確かつ正確(accurate and precise)なデータを得ることに依存する。
【0028】
超音波トランスデューサなどのOn-プローブセンサは、器官、血管、及び他の組織の壁の相対位置を非常に正確に感知して、非常に正確なプローブの位置付けデータを提供することができる。位置データを判定するために超音波トランスデューサを使用するとき、通常、センサが適切に動作できないトランスデューサの真向いに、小さな「デッドゾーン」が生成される。
【0029】
例えば、超音波トランスデューサは、音のパルスを送信し、次いで戻り音、すなわちエコーを聴くことができる。センサは、エコーを検知し、エコーを標的の表面と関連付ける。最初のパルスと戻りエコーとの間の時間の量は、トランスデューサと標的表面との間の距離を計算するために用いられる。動いている間にパルスを繰り返すことにより、戻りエコーから計算された判定距離を用いて、トランスデューサと、トランスデューサの前にある物体、例えば器官又は血管の壁などに対して追跡データを生成することができる。当該技術分野において周知であるように、速度もまた、既知の周波数の規則的な時間間隔でパルスを送信するときにエコーを返すことから容易に計算される。次いで、速度及び距離データから導出された計算値を使用して、トランスデューサ、したがって、それが取り付けられる遠位プローブ端の相対的な動きを追跡する。
【0030】
トランスデューサはパルスの送信及び受信の両方を行うため、反射物体がトランスデューサに接近しすぎると、自らのパルス(つまり、自らのパルスからの振動)を戻り信号と混同する場合がある。解決策として、トランスデューサ上のセンサを、振動の停止が必要である限り、全てのパルスからの振動を無視し、送信されたパルスを直接感知しないように構成することができる。結果として、トランスデューサも、近くの物体からのエコー信号を無視することになる。例えば、カテーテルのトランスデューサが壁から跳ね返る信号を無視し始めるので、トランスデューサは、トランスデューサに対する心腔の壁に接近しすぎて、それを適切に感知できなくなることがある。
【0031】
トランスデューサがパルスを送信する期間中にパルスが移動し、そのエコーを確実に感知することができる距離を、ブランキング距離又はデッドゾーンと呼ぶことがある。ブランキング距離は、トランスデューサが、医療用プローブと共に使用される種類のトランスデューサに対し、非常に近い距離内、例えば、0.5ミリメートル未満の物体を測定するために使用されるときに問題となる。
【0032】
図2は、いずれかのブランキング領域を補償することができる1組の対向するトランスデューサの使用例を提供する。
図2は、
図1のプローブ22の遠位端部200の例示的な構成を示す。本実施例では、バルーン220は、所定の位置でプローブシース210に取り付けられている。シース210は、近位端の開口部からバルーン220を貫通して横切り、本実施例では、遠位端の開口部218からバルーン220を出る。シース210は、ツール240又は他の装置がそこから延在することができる端部230で終端する。
【0033】
本実施例では、バルーン220は、バルーン220の一方の側に取り付けられた第1トランスデューサ250と、対向側に取り付けられた第2トランスデューサ260とを含む。各トランスデューサから送信された信号(すなわち、パルス)を区別するために、第1トランスデューサ250は、信号を第1周波数で送信することができ、第2トランスデューサ260は、異なる第2周波数で信号を送信することができる。当該技術分野において周知の他の微分技法は、単独で、又は周波数微分と組み合わせて使用することができる。
【0034】
図3A~Cを参照すると、例示的なプローブ端部200は、第1壁310及び対向壁320を有する被検体の壁付領域300に位置付けられていることを示す。
図3Aでは、バルーン220は、第1トランスデューサが第1壁310を感知することができ、対向するトランスデューサ260が対向壁320を感知することができるように、壁310、320の両方から十分に離れた位置に位置付けられる。両方のトランスデューサからの信号は、信号プロセッサ40(
図1)に情報を提供するために用いられる。信号プロセッサ40は次に、プローブオペレータ30に対してディスプレイ50に位置データ52を所望のフォーマットで提供し、所望のフォーマットにはグラフィック及びトランスデューサ信号から生成された距離/追跡データの分割画面が含まれてもよい。
【0035】
オペレータがプローブ制御装置25を用いてプローブ22の遠位端部200を
図3Aの矢印により示された方向に、第1壁310に向かって動かすと、プロセッサは、両方のトランスデューサ250、260から追加信号と、速度及び動きベクトルを含むことができる追跡データとを用いて、ディスプレイ50に表示されるプローブ位置を変更し、プローブ位置の変化を反映することができる。
【0036】
位置表示及び追跡データにおける変化は、両方のトランスデューサを使用して生成され、バルーンが第1トランスデューサ250に対するブランキング領域330に入るまで、バルーン220、したがって、プローブ22の遠位端の動きに関する非常に正確な情報を提供することができる。ブランキング領域は、第1トランスデューサがその真向いにある壁310の距離を適切に感知できない、第1トランスデューサ250の前方の距離により画定される。その時点で、対向するトランスデューサは、未だ、対向壁320に対する位置及び追跡データを提供することができ、その情報は、バルーンがブランキング領域を通して短距離を移動する際に、バルーンの動きを正確に表示し続けるために使用することができ、それにより、オペレータは
図3Cに示される壁310と接触する正確な位置にバルーンを制御することが可能となる。
【0037】
バルーン220などのバルーンを用いるとき、通常、プローブは、まず収縮配向で被検体に挿入される。プローブの遠位端が所望の壁付空洞内に位置付けられると、次いでバルーンが拡張される。バルーンが正確に拡張されない場合、第1トランスデューサ250と第2トランスデューサ260との間の予想距離にズレが存在する可能性がある。当該距離は、バルーンの動きに関する正確な位置及び移動追跡情報を生成する際に用いることができる追加要素である。
【0038】
第1トランスデューサ250は、第2トランスデューサ260からの信号、及び/又は標的表面から反射されるエコー信号を受信することができるが、第2トランスデューサ260からパルスとして発信されるエコー信号は受信しない。更に、第2トランスデューサ260は、第1トランスデューサ250からの信号、及び/又は標的表面から反射される信号を受信することができるが、第1トランスデューサ250からパルスとして発信される信号は受信しない。システムは、受信信号及び/又はエコーを用いて、第1トランスデューサ250と第2トランスデューサ260との間の正確な距離を相互に関連付けることができる。
【0039】
図4は、対向するトランスデューサを採用するプローブ22の遠位端部400の更なる実施例を示す図である。本実施例では、バルーン420は、所定の位置でプローブシース410に取り付けられている。シース410は、バルーン420の近位端の開口部からバルーン420を貫通して横切り、バルーン420の対向側において、遠位端の開口部418にて終端する。シース410は開口部430を含み、開口部430から、ツール又は他の装置(図示せず)が延在することができる。
【0040】
本実施例では、バルーン420は、それぞれが複数のトランスデューサ素子460を含むトランスデューサ支持部材450のアレイを含む。各支持部材450は第2支持部材と関連付けられ、支持部材450の補完的な対470(好ましくは180度反対であるが、必ずしもそうである必要はない)を画定する。トランスデューサ460は、プローブの遠位端が位置する壁付空洞の壁の異なる部分を感知するように構成されている。
【0041】
各支持部材450上の各トランスデューサ素子460は、支持部材の対470の補完的支持部材450上のトランスデューサと対になり、バルーン420の表面上で互いに対向するトランスデューサ素子460の組を画定することができる。トランスデューサ素子の組はそれぞれ、バルーンの軸に対して180度の角度で2つの素子460から構成されてもよく、そのため、バルーンが球状に膨張したときにバルーンの直径に等しい距離だけ離間される。他のトランスデューサ組は、正三角形の頂点を画定する3つのトランスデューサの組、又は正四面体の頂点を画定する4つのトランスデューサの組などとして定義されてもよい。必要に応じて、全てのトランスデューサ460は、単一の組を画定してもよい。
【0042】
2つのトランスデューサ素子460の組は、
図2、
図3A~Cにおけるトランスデューサ250及び260に関して上述したように、壁付領域の対向壁を感知するように動作し得る。3つ以上のトランスデューサの組は、そのような組の1つのトランスデューサが、感知される壁部に近いブランキング領域に入るとき、組における他のトランスデューサからの追跡データを用いて、その壁に向かうプローブのナビゲーションを制御するように定義されてもよい。必要に応じて、複数組のトランスデューサ素子からのデータをプロセッサ40(
図1)により用いて、オペレータ60に対して表示される正確な位置及び追跡情報52を生成することができる。
【0043】
本明細書で使用するとき、用語「対向」とは、180度反対に限定されることを意図するものではないことが理解されよう。「対向」するトランスデューサは、組における1つのトランスデューサが、そのトランスデューサにより感知された壁部に近いブランキング領域に入るとき、組における他のトランスデューサからの追跡データは、その壁部に向かうプローブのナビゲーションを制御するのに十分である。組における2つのトランスデューサの両方により、同じ壁の異なる部分を感知できることを、当業者であれば理解するはずである。したがって、本明細書で使用するとき、用語「対向壁」とは、同じ壁の異なる部分を含む。
【0044】
図5A及び5Bは、いずれかのトランスデューサのブランキング領域を補償することができる1組の対向するトランスデューサの更なる実施例を示す。
図5A及び5Bに示すように、遠位端部500の構成の更なる例示的な構成がプローブ22に対して提供される。本実施例では、ツール520はプローブシース510の遠位端から延在可能である。本実施例では、ツール520は、一方の側に取り付けられた第1トランスデューサ530と、対向側に取り付けられた第2トランスデューサ540とを含む。対向するトランスデューサ素子530、540は、
図2、
図3A~Cにおけるトランスデューサ250及び260に関して上述したように、壁付領域の対向壁を感知するように動作し得る。
【0045】
特定の実施形態として、180度対向する1組以上の対向するトランスデューサを採用する実施形態が好ましいこともあるが、本発明の範囲内で、変形の採用が可能である。幾何学的な、速度及びベクトル計算は、互いに180度で配置された3つ以上のトランスデューサからのトランスデューサデータを考慮するとより複雑となるが、トランスデューサの組は、互いに異なる既知の角度配向をなすトランスデューサ、及び、
図4について上述したように、3つ以上のトランスデューサを含むトランスデューサ組を含むことができる。各トランスデューサの相対的な角度配向を念頭に置いて、組におけるトランスデューサのいずれか1つが適切に動作できないブランキング領域に入るとき、その補償に用いられ得る位置付け及び追跡データを計算してもよい。
【0046】
他の変形例及び代替例が当業者には明白であり、それらも前述の開示の範囲内である。
【0047】
〔実施の態様〕
(1) 被検体内のプローブナビゲーションの方法であって、
前記被検体内の壁付領域にプローブの遠位端を位置付けることであって、前記遠位端が、それに取り付けられた対向する第1及び第2トランスデューサを含む、ことと、
前記壁付領域内の第1壁を前記第1トランスデューサにより感知し、前記壁付領域内の対向壁を対向する前記第2トランスデューサにより感知することと、
前記第1トランスデューサを使用して前記第1壁に向かう前記プローブの前記遠位端の動きを追跡し、前記第2トランスデューサを使用して前記対向壁に対する前記遠位端の動きを追跡することと、
前記プローブの前記遠位端が前記第1壁に接近しているが前記第1トランスデューサにより前記第1壁を適切に感知できない状態で、前記第2トランスデューサにより生成された前記対向壁に対する前記プローブの動きに関する追跡情報を用いて、前記第1壁に対する前記プローブの前記遠位端の追跡を提供し、それによって前記第1トランスデューサが前記第1壁を適切に感知できないこととは関係なく前記第1壁との接触を判定できるようにすることと、を含む、方法。
(2) 前記プローブがカテーテルであり、前記カテーテルの前記遠位端が生体の心腔内に位置付けられる、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記カテーテルの前記遠位端の位置付け及び/又は追跡情報がディスプレイに図形で、又は他の形式で表示され、操作者はその表示情報に基づいて前記プローブの前記遠位端を動かす、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記プローブはシースを含むカテーテルであり、前記シースを通してツールが配備され、前記カテーテルのシースの遠位端は、前記第1及び第2トランスデューサが取り付けられたバルーンを含み、前記第2トランスデューサは、前記カテーテルの前記遠位端が前記第1壁に向かって動くとき、前記対向壁から離れていく前記カテーテルの前記遠位端の動きを追跡する、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記バルーンは、
それぞれ複数のトランスデューサ素子を含むトランスデューサ支持部材のアレイと、
トランスデューサ素子の同様に動作する組であって、ある組の各トランスデューサが異なる壁部を感知するように構成されるように画定された、トランスデューサ素子の同様に動作する組と、を含み、
1組のトランスデューサ素子は、前記方法の実施において、第1及び第2トランスデューサを有するものとして選択され、これにより、
前記第1トランスデューサが感知するように構成された前記壁部に前記プローブの前記遠位端が接近しているが前記第1トランスデューサにより前記壁部を適切に感知できない状態で、前記1組の他のトランスデューサにより感知された前記壁部に対する前記プローブの動きに関する追跡情報は、前記第1トランスデューサが感知するように構成された前記壁部に対する前記プローブの前記遠位端の追跡を提供し、それによって前記第1トランスデューサが前記壁部を適切に感知できないこととは関係なく前記第1トランスデューサが感知するように構成された前記壁部との接触を判定できるようにする、実施態様4に記載の方法。
【0048】
(6) 前記カテーテルの前記遠位端が生体の心腔内に位置付けられる、実施態様4に記載の方法。
(7) 前記カテーテルの前記遠位端の位置付け及び/又は追跡情報がディスプレイに表示され、操作者はその表示情報に基づいて前記プローブの前記遠位端を動かす、実施態様6に記載の方法。
(8) 前記プローブはシースを含むカテーテルであり、前記シースを通してツールが配備され、前記ツールの遠位端部が、それに取り付けられた前記第1及び第2トランスデューサを含む、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記第1及び第2トランスデューサが、前記プローブの軸に対して互いに180度の角度をなして前記プローブの前記遠位端に取り付けられる、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記プローブの前記遠位端が第3トランスデューサを含み、
前記壁付領域内の壁を前記第3トランスデューサによって感知することと、
前記第3トランスデューサを使用して、前記第3トランスデューサによって感知された前記壁に対する前記プローブの前記遠位端の動きを追跡することと、
前記プローブの前記遠位端が前記第1壁に接近しているが前記第1トランスデューサにより前記第1壁を適切に感知できない状態で、前記第2及び第3トランスデューサにより生成された、前記第2及び第3トランスデューサにそれぞれ感知された前記壁に対する前記プローブの動きに関する追跡情報を用いて、前記第1壁に対する前記プローブの前記遠位端の追跡を提供し、それによって前記第1トランスデューサが前記第1壁を適切に感知できないこととは関係なく前記第1壁との接触を判定できるようにすることと、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
【0049】
(11) 被検体に用いられるプローブナビゲーションシステムであって、
前記被検体内の壁付領域に、またその内部で、前記プローブの遠位端を制御可能に挿入して動かすように操作されるよう構成された制御システム及び関連プローブを備え、
前記プローブの前記遠位端は、それに取り付けられた対向する第1及び第2トランスデューサを含み、
前記第1トランスデューサは、前記壁付領域内の第1壁を感知するように前記プローブ上に構成され、対向する前記第2トランスデューサは、前記壁付領域内の対向壁を感知するように前記プローブ上に構成され、
前記制御システムは、前記第1トランスデューサを使用して前記第1壁に向かう前記プローブの前記遠位端の動きを追跡し、前記第2トランスデューサを使用して前記対向壁に対する前記遠位端の動きを追跡するように構成され、
前記プローブの前記遠位端が前記第1壁に接近しているが前記第1トランスデューサにより前記第1壁を適切に感知できない状態で、前記制御システムは、前記第2トランスデューサにより生成された前記対向壁に対する前記プローブの動きに関する情報を用いて、前記第1壁に向かう前記プローブの前記遠位端の追跡を提供し、それによって前記第1トランスデューサが前記第1壁を適切に感知できないこととは関係なく前記第1壁との接触を判定できるようにするように構成されている、プローブナビゲーションシステム。
(12) 前記制御システムが、前記トランスデューサと結合され、トランスデューサ信号に基づいて前記プローブの動きの前記追跡情報を計算するように構成されたプロセッサと、前記プロセッサと結合され、1つ以上のモードで前記追跡情報を表示するように構成されたディスプレイと、表示された前記追跡情報に基づいて前記プローブの前記遠位端の前記位置付けを選択的に制御するように操作されるように構成された操作可能なプローブ制御装置と、を含む、実施態様11に記載のプローブナビゲーションシステム。
(13) 前記プローブはシースを含むカテーテルであり、前記シースを通してツールが配備され、前記カテーテルのシースの遠位端は、前記第1及び第2トランスデューサが取り付けられたバルーンを含む、実施態様12に記載のプローブナビゲーションシステム。
(14) 前記制御システムは、前記プローブが前記第1壁に向かって動くとき、前記第2トランスデューサを使用して、前記対向壁から離れていく前記プローブの前記遠位端の動きを追跡するように構成されている、実施態様12に記載のプローブナビゲーションシステム。
(15) 前記バルーンが、
それぞれ複数のトランスデューサ素子を含むトランスデューサ支持部材のアレイと、
トランスデューサ素子の同様に動作する組であって、ある組の各トランスデューサが異なる壁部を感知するように構成されるように画定された、トランスデューサ素子の同様に動作する組と、を含み、
1組のトランスデューサ素子は、前記第1及び第2トランスデューサを含み、前記制御システムにより操作可能に構成され、
前記第1トランスデューサが感知するように構成された前記壁部に前記プローブの前記遠位端が接近しているが前記第1トランスデューサにより前記壁部を適切に感知できない状態で、前記1組の他のトランスデューサにより感知された前記壁部に対する前記プローブの動きに関する追跡情報は、前記第1トランスデューサが感知するように構成された前記壁部に対する前記プローブの前記遠位端の追跡を提供し、それによって前記第1トランスデューサが前記壁部を適切に感知できないこととは関係なく前記第1トランスデューサが感知するように構成された前記壁部との接触を判定できるようにする、実施態様12に記載のプローブナビゲーションシステム。
【0050】
(16) 前記1組は、前記バルーンにおいて互いに180度で配置された2つのトランスデューサにより画定される、実施態様12に記載のプローブナビゲーションシステム。
(17) 前記1組は、前記バルーンにおいて、互いに対して等辺形の頂点として配置された3つのトランスデューサにより画定される、実施態様12に記載のプローブナビゲーションシステム。
(18) 前記1組は、前記バルーンにおいて、互いに対して正四面体の頂点として配置された4つのトランスデューサにより画定される、実施態様12に記載のプローブナビゲーションシステム。
(19) 前記プローブはシースを含むカテーテルであり、前記シースを通してツールが配備され、前記ツールの遠位端部が、それに取り付けられた前記第1及び第2トランスデューサを含む、実施態様12に記載のプローブナビゲーションシステム。
(20) 前記第1及び第2トランスデューサが、前記プローブの軸に対して互いに180度の角度をなして前記プローブの前記遠位端に取り付けられている、実施態様12に記載のプローブナビゲーションシステム。