(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】熱交換器及び熱交換器の製造方法
(51)【国際特許分類】
F28F 3/08 20060101AFI20230220BHJP
F28F 3/04 20060101ALI20230220BHJP
【FI】
F28F3/08 311
F28F3/04 B
(21)【出願番号】P 2020523551
(86)(22)【出願日】2019-04-12
(86)【国際出願番号】 JP2019016053
(87)【国際公開番号】W WO2019235069
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】P 2018109732
(32)【優先日】2018-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390039929
【氏名又は名称】三桜工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 学
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-114174(JP,A)
【文献】特開2016-207897(JP,A)
【文献】特開2006-313054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 3/08
F28F 3/04
H01L 23/473
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に熱媒体を供給するための供給口と、内部の前記熱媒体を外部に排出するための排出口と、を備えたケースと、
前記ケース内に配置されており、前記熱媒体の流れ方向に
三角波状に延び、波の振幅方向に間隔をあけて設けられる複数の線状部と、前記線状部の延在方向に間隔をあけて設けられ、前記振幅方向に隣接する前記線状部同士を前記線状部の振幅の頂部よりも前記流れ方向の下流側で連結する連結部と、を有する複数の板材を各々の前記線状部同士を重ねて形成されており、互いに重ねられた前記板材の前記連結部同士が前記延在方向に間隔をあけて配置されている積層コアと、
を有
し、
三角波状の前記線状部は、前記振幅方向に対して斜めに延びる複数の直線部を有しており、
一方の前記線状部の振幅の頂部よりも前記流れ方向の下流側の直線部と、前記一方の線状部に対して前記振幅方向に隣接する他方の前記線状部の直線部とが前記連結部によって連結されている、熱交換器。
【請求項2】
前記流れ方向で前記線状部の前記頂部から前記連結部までの距離は、前記線状部の幅の半分以上である、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記連結部の幅は、前記線状部の幅以上である、請求項1又は請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記延在方向に隣接する前記連結部の間には、前記線状部の前記頂部が2つ以上配置されている、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項5】
複数の前記板材は、同形状であり、互いに表裏逆向きに重ねられて前記積層コアを形成している、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法であって、
板材に打ち抜き成形によって、第1方向に
三角波状に延び、波の振幅方向に間隔をあけて設けられる複数の線状部と、前記線状部の延在方向に間隔をあけて設けられ、前記振幅方向に隣接する前記線状部同士を前記線状部の振幅の頂部よりも前記第1方向の下流側で連結する連結部と、を形成する第1工程と、
複数の前記板材を、各々の前記線状部同士を重ねつつ、互いに重ねられた前記板材の前記連結部同士が前記延在方向に間隔をあけて配置されるように積層して積層コアを形成する、第2工程と、
を有する熱交換器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱交換器及び熱交換器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許第6026808号公報には、冷媒が流れるケース内に積層コアを配置したヒートシンクが開示されている。この積層コアは、第1方向に沿って直線状に延び、第1方向と直交する方向に間隔をあけて設けられる複数の直線部と、第1方向に間隔をあけて設けられ、上記直交する方向に隣接する直線部同士を連結する連結部と、を有する複数の打ち抜き板を、互いの直線部同士を重ねつつ、互いの連結部同士が第1方向に間隔をあけて配置されるように積層して形成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許第6026808号公報では、重ねられた打ち抜き板の第1方向と直交する方向に隣接する直線部間に形成される直線状の流路を冷却水が流れる。この流路には、打ち抜き板に形成された連結部が打ち抜き板の1層おきに積層方向で同じ位置に配置されると共に、打ち抜き板の隣接する層では第1方向に間隔をあけて配置されている。このため、冷却水の流れが打ち抜き板の積層方向で乱されて、流路内における冷却水の打ち抜き板の積層方向(ケース上下方向)の温度分布が均一に近づく。しかし、市場では、更なる冷却性能の向上が望まれている。
【0004】
本開示は、上記事実を考慮して、ケース内に複数の板材を重ねて形成された積層コアを配置する構成において、ケース内を流れる熱媒体と熱交換対象との間の熱交換性能を向上させた熱交換器及び熱交換器の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様の熱交換器は、内部に熱媒体を供給するための供給口と、内部の前記熱媒体を外部に排出するための排出口と、を備えたケースと、前記ケース内に配置されており、前記熱媒体の流れ方向に波状に延び、波の振幅方向に間隔をあけて設けられる複数の線状部と、前記線状部の延在方向に間隔をあけて設けられ、前記振幅方向に隣接する前記線状部同士を前記線状部の振幅の頂部よりも前記流れ方向の下流側で連結する連結部と、を有する複数の板材を各々の前記線状部同士を重ねて形成されており、互いに重ねられた前記板材の前記連結部同士が前記延在方向に間隔をあけて配置されている積層コアと、を有している。
【0006】
本開示の他の態様の熱交換器の製造方法は、本開示の一態様の熱交換器の製造方法であって、板材に打ち抜き成形によって、第1方向に波状に延び、波の振幅方向に間隔をあけて設けられる複数の線状部と、前記線状部の延在方向に間隔をあけて設けられ、前記振幅方向に隣接する前記線状部同士を前記線状部の振幅の頂部よりも前記第1方向の下流側で連結する連結部と、を形成する第1工程と、複数の前記板材を、各々の前記線状部同士を重ねつつ、互いに重ねられた前記板材の前記連結部同士が前記延在方向に間隔をあけて配置されるように積層して積層コアを形成する、第2工程と、を有している。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように、本開示によれば、ケース内に複数の板材を重ねて形成された積層コアを配置する構成において、ケース内を流れる熱媒体と熱交換対象との間の熱交換性能を向上させた熱交換器及び熱交換器の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態に係る熱交換器の平面図である。
【
図4】
図2の積層コアを形成する打ち抜き板の表面を示す平面図である。
【
図5】
図4の打ち抜き板の裏面を示す平面図である。
【
図6】
図2の積層コアの一部を拡大した拡大平面図である。
【
図9】その他の実施形態に係る熱交換器に用いられる積層コアを形成する打ち抜き板の表面を示す平面図である。
【
図10】
図9の打ち抜き板を積層した積層コアの一部を拡大した拡大平面図である。
【
図12】その他の実施形態に係る熱交換器に用いられる積層コアを形成する打ち抜き板の表面を示す平面図である。
【
図13】
図12の打ち抜き板を積層した積層コアの一部を拡大した拡大平面図である。
【
図15】その他の実施形態に係る熱交換器に用いられる積層コアを形成する打ち抜き板の表面を示す平面図である。
【
図16】
図15の打ち抜き板を積層した積層コアの一部を拡大した拡大平面図である。
【
図18】実施例1~3と従来例の圧力損失と熱伝達係数を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本開示に係る一実施形態の熱交換器及び熱交換器の製造方法について説明する。なお、各図において適宜図示される矢印X、矢印Y、矢印Zは、熱交換器の装置幅方向、装置奥行き方向、装置厚さ方向をそれぞれ示している。また、本実施形態では、矢印Z方向を装置上下方向として説明する。
【0010】
図1には、本実施形態の熱交換器20が示されている。この熱交換器20は、例えば、CPUや電力用半導体素子などの発熱体Hを冷却するために用いられる。具体的には、熱交換器20に発熱体Hを接触させて、この発熱体Hの熱を熱交換器20の内部を流れる冷媒Lに伝達することにより、発熱体Hを冷却するものである。なお、本実施形態の発熱体Hは、本開示における熱交換対象の一例である。また、本実施形態の冷媒Lは、本開示における熱媒体の一例である。
【0011】
図1及び
図2に示されるように、本実施形態の熱交換器20は、ケース22と、ケース22内に設置される積層コア30と、を有している。
【0012】
(ケース22)
図2に示されるように、ケース22は、ケース本体24と、このケース本体24の装置厚さ方向の開口24Aを閉じる蓋体26と、を有している。
【0013】
ケース本体24は、板状の底部24Bと、底部24Bの外周縁部に立設された側壁部24Cとで構成されている。このケース本体24は、金属材料(例えば、アルミニウム、銅)を用いて形成されている。
【0014】
図1及び
図2に示されるように、蓋体26は、板状とされ、ケース本体24の側壁部24Cの底部24B側と反対側の端面に接合されている。なお、本実施形態では、蓋体26は、ケース本体24の端面にろう付けによって接合されている。また、蓋体26は、金属材料(例えば、アルミニウム、銅)を用いて形成されている。
【0015】
また、ケース本体24の側壁部24Cには、ケース22の内部に冷媒(例えば、冷却水、オイル)Lを供給するための供給口27Aが、装置幅方向の一端側に形成されている。この供給口27Aには、冷媒供給源に連結された供給パイプ28(
図1参照)が接続されている。
【0016】
また、ケース本体24の側壁部24Cには、ケース22の内部の冷媒Lを外部に排出するための排出口27Bが装置幅方向の他端側に形成されている。この排出口27Bには、排出パイプ29(
図1参照)が接続されている。
【0017】
図2及び
図3に示されるように、供給パイプ28を通して供給口27Aからケース22の内部に供給された冷媒Lは、積層コア30に形成される後述する流路38を流れ、排出口27Bから排出パイプ29を通して外部に排出される。ここで、冷媒Lは、ケース22内において、供給口27Aから排出口27Bへ向けて装置幅方向に流れる。
【0018】
(積層コア30)
図3~
図8に示されるように、積層コア30は、同形状の複数の打ち抜き板32を表裏逆向きに重ねて形成されている。具体的には、積層コア30は、一枚目の打ち抜き板32の裏面32B(
図5で示される面)に二枚目の打ち抜き板32の裏面32Bを重ね、二枚目の打ち抜き板32の表面32A(
図4で示される面)に三枚目の打ち抜き板32の表面32Aを重ね、三枚目の打ち抜き板32の裏面32Bに四枚目の打ち抜き板32の裏面32Bを重ねて、積層コア30が形成されている。なお、本実施形態の積層コア30は、打ち抜き板32を板厚方向に4枚重ねて形成されている。すなわち、積層コア30には、打ち抜き板32の層が4層形成されている。
なお、本実施形態の打ち抜き板32は、本開示における板材の一例である。
【0019】
打ち抜き板32は、金属製の素材板に打ち抜き成形によって複数の貫通孔44を形成し、複数の線状部34と複数の連結部36とを形成したものである。打ち抜き板32となる板材の材質としては、例えば、アルミニウム、銅を用いることが好ましい。なお、本実施形態では、ろう付けの観点から、両面がろう材層とされたクラッド鋼板(アルミニウム製)を用いている。
【0020】
線状部34は、冷媒Lの流れ方向(本実施形態では、装置幅方向に沿った方向)に波状に延びる帯状部分であり、延在方向の両端間で幅が一定とされている。なお、ここでいう線状部34の延在方向とは、線状部34の幅中心を通る中心線CL1に沿った方向である。また、線状部34の幅とは、線状部34の一辺に対して直交する方向に沿って計測した線状部34の両辺間の長さである。
【0021】
また、線状部34は、波の振幅方向(本実施形態では、装置奥行き方向に沿った方向)に間隔をあけて複数設けられている。なお、本実施形態の線状部34は、冷媒Lの流れ方向に三角波状(換言すると、ジグザグ状)に延びている。また、振幅方向に隣接する線状部34は、互いに平行に配置されている。
【0022】
連結部36は、線状部34の延在方向に間隔をあけて設けられており、振幅方向に隣接する線状部34同士を連結している。この連結部36は、一方の線状部34から振幅方向に隣接する他方の線状部34へ直線状に延びる帯状部分であり、延在方向の両端間で幅が一定とされている。なお、ここでいう連結部36の延在方向とは、連結部36の幅中心を通る中心線CL2に沿った方向である。また、連結部36の幅とは、連結部36の一辺に対して直交する方向に沿って計測した連結部36の両辺間の長さである。
【0023】
図6に示されるように、一の連結部36は、振幅方向に隣接する線状部34同士において、一方の線状部34の頂部34Aよりも冷媒Lの流れ方向の下流側、すなわち、一般部34Bと他方の線状部34の一般部34Bとを連結している。また、一の連結部36よりも冷媒Lの流れ方向下流側の他の連結部36は、一方の線状部34の一般部34Bと他方の線状部34の頂部34Aよりも冷媒Lの流れ方向の下流側、すなわち、一般部34Bとを連結している。なお、ここでいう一般部34Bとは、線状部34の頂部34Aと底部34Cとの間の部分を指す。また、本実施形態では、線状部34を三角波状としているため、頂部34Aが三角波の角部であり、底部34Cが三角波の隅部であり、一般部34Bが三角波の角部と隅部をつなぐ直線部である。さらに、
図6に示されるように、連結部36は、振幅方向に隣接する線状部34同士において、一方の線状部34の一般部34Bと他方の線状部34の一般部34Bとを連結している。
【0024】
本実施形態では、複数の打ち抜き板32を積層した場合に、各々の連結部36同士が重ならない範囲で、かつ、波の頂点間(山から谷まで)を1ユニットとした場合の装置幅方向(言い換えると、冷媒Lの流れ方向)に沿った長さXLに基づいて、線状部34の幅、連結部36までの距離、連結部36の幅等の各種寸法が決定されている。
具体的には、
図6に示されるように、冷媒Lの流れ方向で線状部34の頂部34Aから連結部36までの距離Mは、線状部34の幅W1の半分以上で且つ幅W1の2倍以下の範囲内に設定されることが好ましい。なお、本実施形態では、距離Mが幅W1と同じ値とされている。
【0025】
また、連結部36の幅W2は、幅W1以上で且つ幅W1の2倍以下の範囲内に設定されることが好ましい。なお、本実施形態では、幅W1が幅W2と同じ値とされている。
【0026】
また、流路38内を流れる冷媒Lの圧力損失及び熱交換率(熱伝達率)の観点から、連結部36の延在方向(中心線CL2)と線状部34の延在方向(中心線CL1)とでなす鈍角側の角度θは、90度以上で且つ150度以下の範囲内に設定されることが好ましい。なお、本実施形態では、角度θが130度とされている。
【0027】
前述の積層コア30は、複数(本実施形態では4枚)の打ち抜き板32を表裏逆向きに互いの線状部34同士を重ねつつ、互いに重ねられた打ち抜き板32の連結部36同士が線状部34の延在方向に間隔をあけて配置(言い換えると、連結部36同士が互いに重なり合わないように配置)されるように積層して形成されている。ここで、打ち抜き板32の波の振幅方向に隣接する線状部34間には複数の貫通孔44が形成されおり、上記のように互いに重ねられた打ち抜き板32同士ではそれぞれの貫通孔44の一部分同士が打ち抜き板32の板厚方向(積層方向)に重なり合っている。これらの貫通孔44によって冷媒Lの流路38が形成されている。この流路38は、互いに重ねられた打ち抜き板32における上記振幅方向に隣接する線状部34間に複数の貫通孔44によって形成されているため、打ち抜き板32の板厚方向(積層方向)から見て線状部34と同様に三角波状に形成されている。これにより、流路38には頂部34Aと底部34Cとの間に曲がり部が形成され、その曲がり部の頂点を避けた位置に連結部36が設けられている。また、本実施形態では、冷媒Lの流れ方向と打ち抜き板32の積層方向が直交している。
また、重ねられた打ち抜き板32は、ろう付けによって互いに接合されている。
【0028】
積層コア30の上面(装置上側に位置する打ち抜き板32の面)は、蓋体26の下面にろう付けされている。一方、積層コア30の下面(装置下側に位置する打ち抜き板32の面)は、ケース本体24の底面にろう付けされている。
【0029】
次に、本実施形態の熱交換器20の製造方法について説明する。
(第1工程)
まず、打ち抜き板32となる素材板(両面がろう材層とされたクラッド鋼板)に打ち抜き成形によって複数の貫通孔44を形成して、第1方向に波状に延び、波の振幅方向に間隔をあけて設けられる複数の線状部34と、線状部34の延在方向に間隔をあけて設けられ、上記振幅方向に隣接する線状部34同士を線状部34の振幅の頂部34Aよりも第1方向の下流側で連結する連結部36と、を形成する。
【0030】
(第2工程)
次に、同形状の複数(本実施形態では4枚)の打ち抜き板32を表裏逆向きに互いの線状部34同士を重ねつつ、互いに重ねられた打ち抜き板32の連結部36同士が第1方向に間隔をあけて配置されるように積層して積層コア30を形成する。その後、積層コア30を加熱して、重ねられた打ち抜き板32同士をろう付けにより接合する。
【0031】
(第3工程)
次に、積層コア30を、ケース本体24の底部24B上に設置する(
図2図示状態)。その後、ケース本体24の開口24Aを蓋体26で閉じる。このとき、積層コア30の下面がケース22の底面に接触し、積層コア30の上面が蓋体26の下面に接触している。
【0032】
そして、ケース22を加熱して、ケース22と積層コア30をろう付けによって接合する。このようにして熱交換器20の製造が完了する。
【0033】
次に、本実施形態の熱交換器20の作用効果について説明する。
熱交換器20では、
図1及び
図2に示されるように、ケース22に接するように発熱体Hを配置することで、ケース22を介してケース22内を流れる冷媒Lと発熱体Hとの間で熱交換が行われる。具体的には、発熱体Hからの熱がケース22と、このケース22を介して積層コア30に伝達される。ケース22と積層コア30は、ケース22内に供給される冷媒Lとの熱交換によって冷却される。これにより、発熱体Hの熱が冷媒Lに奪われ(伝熱され)、発熱体Hが冷却される。
【0034】
ここで、上記熱交換器20では、互いに重ねられた打ち抜き板32における波の振幅方向に隣接する線状部34間に流路38が形成されている。この流路38は、線状部34と同様に波状に形成されているため、例えば、一直線状に形成されている構成と比べて、ケース22内を流れる冷媒Lの流れを波の振幅方向(装置奥行き方向)に乱すことができる(
図6参照)。すなわち、上記流路38を流れる冷媒Lを波の振幅方向に撹拌することができる。
【0035】
また、互いに重ねられた打ち抜き板32の連結部36同士が線状部34の延在方向に間隔をあけて配置されている。具体的には、連結部36は、打ち抜き板32の1層おきに積層方向で同じ位置に配置されると共に、打ち抜き板32の隣接する層では線状部34の延在方向に間隔をあけて配置されている。このため、上記連結部36によって、流路38を流れる冷媒Lの流れを打ち抜き板32の積層方向(重ね方向)に乱すことができる(
図7及び
図8参照)。すなわち、流路38を流れる冷媒Lを打ち抜き板32の積層方向に撹拌することができる。
以上のように、熱交換器20によれば、流路38を流れる冷媒Lの撹拌性能を向上させることができる。その結果、流路38の温度分布を装置上下方向及び装置奥行き方向で均一に近づけることができ、熱交換器20の熱交換性能が向上する。
【0036】
さらに、熱交換器20では、流路38が波状に形成されていることから、冷媒Lが流路38の屈曲部で流路構成壁40(複数の線状部34を重ねて形成される流路構成壁)に衝突しながら流れる。冷媒Lと積層コア30との熱交換は、冷媒Lと流路構成壁40の衝突部分(
図6の符号41で示す部分)で促進される。ここで、熱交換器20では、連結部36が打ち抜き板32において波の振幅方向に隣接する線状部34同士を線状部34の振幅の頂部34Aよりも冷媒Lの流れ方向の下流側で連結している。このため、熱交換器20では、例えば、連結部36が打ち抜き板32において波の振幅方向に隣接する線状部34同士を線状部34の振幅の頂部34Aで連結するものと比べて、冷媒Lが流路構成壁40に広い範囲で衝突した後で、連結部36によって打ち抜き板32の積層方向に攪拌される。このように流路構成壁40に対する冷媒Lの衝突面積が増加することで、冷媒Lと積層コア30との熱交換が促進されて、ケース22内を流れる冷媒Lと発熱体Hとの間の熱交換が促進される。これにより、上記熱交換器20では、ケース22内を流れる冷媒Lと発熱体Hとの間の熱交換性能がさらに向上する。
【0037】
また、熱交換器20では、距離Mを幅W1の半分以上で且つ幅W1の2倍以下の範囲内に設定していることから、流路構成壁40に対する冷媒Lの衝突面積を増加させつつ、冷媒Lの打ち抜き板32の積層方向における攪拌性能を確保することができる。なお、距離Mが幅W1の半分未満の場合、流路構成壁40に対する冷媒Lの衝突面積を十分に確保できない。一方、距離Mが幅W1の2倍を超える場合、冷媒Lが流路構成壁40に衝突した後、連結部36で攪拌されるまでに時間を要するため、冷媒Lの打ち抜き板32の積層方向における攪拌性能を確保しにくい。したがって、距離Mは、幅W1の半分以上で且つ幅W1の2倍以下の範囲内に設定することが好ましい。しかしながら、距離Mを幅W1の半分以上で且つ幅W1の5倍以下の範囲内に設定してもよい。
【0038】
さらに、熱交換器20では、幅W2を幅W1以上で且つ幅W1の2倍以下の範囲内に設定していることから、打ち抜き成形後の打ち抜き板32に反りが発生するのを抑制することができる。なお、幅W2が幅W1未満の場合、打ち抜き成形後の打ち抜き板32に反りが発生しやすくなる。一方、幅W2が幅W1の2倍を超える場合、打ち抜き成形後の打ち抜き板32の反りを抑えられるが、打ち抜き板32を積層方向で見て、線状部34の延在方向に沿って隣接する連結部36間の間隔が狭くなる。すなわち、流路38の一部において、断面積が過大に狭くなり、冷媒Lの圧力損失が増加する。したがって、幅W2は、幅W1以上で且つ幅W1の2倍以下の範囲内に設定することが好ましい。しかしながら、距離Mを幅W1の半分以上で且つ幅W1の5倍以下の範囲内に設定してもよい。
【0039】
またさらに、熱交換器20では、角度θを90度以上で且つ150度以下の範囲内に設定していることから、流路38内を流れる冷媒Lの圧力損失を抑えつつ、熱交換率(熱伝達率)を向上させることができる。なお、角度θが90度未満の場合、冷媒Lの連結部36に対する衝突角度が厳しく、圧力損失が過大となる。一方、角度θが150度を超える場合、冷媒Lの連結部36に対する衝突角度が緩く、熱交換率(熱伝達率)が低下する。必要な熱交換率を確保しようとすると装置が大きくなる。したがって、角度θは、90度以上で且つ150度以下の範囲内に設定することが好ましい。
【0040】
そして、熱交換器20では、打ち抜き板32において、線状部34の延在方向に隣接する連結部36間に線状部34の頂部34Aを2つ以上配置していることから、例えば、線状部34の延在方向に隣接する連結部36間に線状部34の頂部34Aが1つ配置される構成と比べて、冷媒Lと流路構成壁40との間の熱交換を促進することができる。これにより、熱交換器20では、ケース22内を流れる冷媒Lと発熱体Hとの間の熱交換性能がさらに向上する。
【0041】
そして、熱交換器20では、同形状の複数の打ち抜き板32が互いに表裏逆向きに重ねられて積層コア30が形成されるため、例えば、異なる形状の複数の打ち抜き板が重ねられて積層コア30が形成さられる構成と比べて、部品点数を低減できる。また、同形状の複数の打ち抜き板32で積層コア30を形成するため、製造工程において、部品の管理コスト及び金型コストを削減できる。
【0042】
前述の実施形態の熱交換器20では、同形状の6枚の打ち抜き板32を積層して積層コア30を形成しているが、本開示はこの構成に限定されない。その他の実施形態の熱交換器では、少なくとも同形状の2枚の打ち抜き板32を積層して積層コアを形成してもよい。この構成においても、前述の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0043】
また、前述の実施形態の熱交換器20では、線状部34を三角波状に形成しているが、本開示はこの構成に限定されない。その他の実施形態の熱交換器では、例えば、線状部34を正弦波状、台形波状に形成してもよい。
【0044】
さらに、前述の実施形態の熱交換器20では、同形状の打ち抜き板32を積層して積層コア30を形成しているが、本開示はこの構成に限定されない。その他の実施形態の熱交換器では、異なる形状の打ち抜き板を交互に積層して積層コアを形成してもよい。
【0045】
また、前述の実施形態の熱交換器20では、冷媒Lと発熱体Hとの熱交換によって発熱体Hを冷却する構成としているが、本開示はこの構成に限定されない。その他の実施形態の熱交換器では、例えば、熱媒(本開示における熱媒体の一例)と加熱対象(熱交換対象)との熱交換によって加熱対象を加熱する構成としてもよい。
【0046】
前述の実施形態の熱交換器20では、打ち抜き板32の連結部36の幅W2を線状部34の幅W1と同じ値に設定しているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、
図9~
図11に示されるその他の実施形態の熱交換器50のように、積層コア51を構成する打ち抜き板52の連結部54の幅W2を線状部56の幅W1の2倍に設定し、さらに線状部56の一般部56Bに対して線状部56の延在方向で一つ置きに連結部54を配置する構成としてもよい。この構成とした場合、例えば、線状部毎に連結部を配置する構成と比べて、流路58を流れる冷媒Lの圧力損失を抑制することができる。また、幅W2を幅W1の2倍に設定しているため、打ち抜き成形後の打ち抜き板52に反りが発生するのを抑制することができる。なお、
図9~
図11における符号52Aは、打ち抜き板52の表面を示し、符号53は、貫通孔を示し、符号56A、56B、56Cは、それぞれ線状部56の頂部、一般部、底部を示している。
【0047】
前述の実施形態の熱交換器20では、線状部34の頂部34Aから連結部36までの距離Mを線状部34の幅W1と同じ値に設定しているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、
図12~
図14に示されるその他の実施形態の熱交換器60のように、積層コア61を構成する打ち抜き板62の線状部64の頂部64Aから連結部66までの距離Mを線状部34の幅W1の半分の値に設定してもよい。この構成とした場合、例えば、距離Mを幅W1の半分以下、あるいは、幅W1の2倍以上としたものと比べて、流路構成壁40に対する冷媒Lの衝突面積の増加と、冷媒Lの積層方向の攪拌性能の向上を両立することができる。なお、
図12~
図14における符号62Aは、打ち抜き板62の表面を示し、符号63は、貫通孔を示し、符号64A、64B、64Cは、それぞれ線状部64の頂部、一般部、底部を示している。
【0048】
前述の実施形態の熱交換器20では、打ち抜き板32において線状部34の延在方向に隣接する連結部36の間に頂部34Aが1つ配置されているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、
図15~
図17に示されるその他の実施形態の熱交換器70のように、積層コア71を構成する打ち抜き板72において線状部74の延在方向に隣接する連結部76の間に頂部74Aが2つ以上配置されていてもよい。この構成とした場合、例えば、隣接する連結部36の間に頂部34Aが1つ配置される熱交換器20と比べて、冷媒Lと流路構成壁78とが衝突する衝突部を複数形成することができるため、冷媒Lと発熱体Hとの間の熱交換を促進することができる。なお、
図15~
図17における符号72Aは、打ち抜き板72の表面を示し、符号73は、貫通孔を示し、符号74A、74B、74Cは、それぞれ線状部74の頂部、一般部、底部を示している。また、積層コア71における1ユニットは、波の山(頂部74A)、谷(底部74C)、山(頂部74A)、谷(底部74C)までである。
【0049】
(試験例)
次に、本開示の効果を検証するために、本開示を適用した実施例の熱交換器を3種、従来例の熱交換器を1種用意して熱伝達係数と圧力損失を測定した。測定したデータから
図18に示されるグラフが得られた。
【0050】
(供試熱交換器)
実施例1・・
図9~
図11に示される熱交換器50と同じ構造の熱交換器。
実施例2・・
図12~
図14に示される熱交換器60と同じ構造の熱交換器。
実施例3・・
図15~
図17に示される熱交換器70と同じ構造の熱交換器。
従来例・・・波状に加工したフィンを間隔をあけて配置した従来構造の熱交換器。
【0051】
図18に示されるように、本開示を適用した実施例1~3の熱交換器は、いずれも従来例の熱交換器よりも圧力損失が少なく、また熱伝達係数が良好な結果であることが分かる。
【0052】
以上、実施形態を挙げて本開示の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本開示の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0053】
なお、本開示の前述の各実施形態は以下の開示としても把握できる。
連結部にて分断された状態で所定方向に延びる貫通孔が形成された複数の板材が、前記貫通孔が互いに重なり合うように板厚方向に積層されることによって、重なり合った前記貫通孔にて流路が形成された積層コアと、
前記積層コアを収容し、前記積層コアに熱媒体を供給するための供給口と前記積層コアを流れた前記熱媒体を排出する排出口とが形成されたケースと、
を備えた熱交換器であって、
前記複数の板材は、前記連結部が互いに重なり合わないように、前記所定方向に関して間隔を空けて積層されており、
前記流路は曲がり部を有するようにして前記所定方向に延びており、前記連結部は前記曲がり部の頂点を避けた位置に設けられている熱交換器。
【0054】
前述の各実施形態と上記開示との対応関係は以下の通りである。
前述の実施形態の熱交換器20、50、60、又は70が上記熱交換器の一例に、前述の実施形態のケース22が上記ケースの一例に、積層コア30、51、61、又は71が上記積層コアの一例に、前述の実施形態の供給口27Aが上記供給口の一例に、前述の実施形態の排出口27Bが上記排出口の一例に、前述の実施形態の連結部36、54、66、又は76が上記連結部の一例に、前述の実施形態の貫通孔44、53、63、又は73が上記貫通孔の一例に、前述の実施形態の打ち抜き板32、52、62、又は72が上記複数の板材に、前述の実施形態の流路38、又は58が上記流路の一例に、前述の実施形態の冷媒Lが上記熱媒体の一例に、それぞれ相当する。また、前述の実施形態の頂部34Aと底部34Cとの間に形成された流路38の一部が上記曲がり部の一例に相当し、前述の実施形態の底部34Cにて規定された箇所が上記頂点の一例に相当する。
【0055】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0056】
(付記1)
内部に熱媒体を供給するための供給口と、内部の前記熱媒体を外部に排出するための排出口と、を備えたケースと、
前記ケース内に配置されており、前記熱媒体の流れ方向に波状に延び、波の振幅方向に間隔をあけて設けられる複数の線状部と、前記線状部の延在方向に間隔をあけて設けられ、前記振幅方向に隣接する前記線状部同士を前記線状部の振幅の頂部よりも前記流れ方向の下流側で連結する連結部と、を有する複数の板材を各々の前記線状部同士を重ねて形成されており、互いに重ねられた前記板材の前記連結部同士が前記延在方向に間隔をあけて配置されている積層コアと、
を有する熱交換器。
【0057】
付記1の熱交換器では、ケースに接するように熱交換対象を配置することで、ケースを介してケース内を流れる熱媒体と熱交換対象との間で熱交換が行われる。
【0058】
また、上記熱交換器では、互いに重ねられた板材の波の振幅方向に隣接する線状部間に流路が形成される。この流路は、線状部と同様に波状に形成されるため、例えば、一直線状に形成される構成と比べて、内部を流れる熱媒体の流れを波の振幅方向に乱すことができる。すなわち、上記流路を流れる熱媒体を波の振幅方向に撹拌することができる。また、互いに重ねられた板材の連結部同士が線状部の延在方向に間隔をあけて配置されている。このため、上記連結部によって、流路を流れる熱媒体の流れを板材の積層方向(重ね方向)に乱すことができる。すなわち、流路を流れる熱媒体を板材の積層方向に撹拌することができる。
【0059】
さらに、上記熱交換器では、流路が波状に形成されていることから、熱媒体が流路の屈曲部で流路構成壁(複数の線状部を重ねて形成される流路構成壁)に衝突しながら流れる。熱媒体と積層コアとの熱交換は、熱媒体と流路構成壁の衝突部分で促進される。ここで、上記熱交換器では、連結部が板材において波の振幅方向に隣接する線状部同士を線状部の振幅の頂部よりも熱媒体の流れ方向の下流側で連結している。このため、上記熱交換器では、例えば、連結部が板材において波の振幅方向に隣接する線状部同士を線状部の振幅の頂部で連結するものと比べて、熱媒体が流路構成壁に広い範囲で衝突した後で、連結部によって板材の積層方向に攪拌される。このように流路構成壁に対する熱媒体の衝突面積が増加することで、熱媒体と積層コアとの熱交換が促進されて、ケース内を流れる熱媒体と熱交換対象との間の熱交換が促進される。これにより、上記熱交換器では、ケース内を流れる熱媒体と熱交換対象との間の熱交換性能が向上する。
【0060】
(付記2)
前記流れ方向で前記線状部の前記頂部から前記連結部までの距離は、前記線状部の幅の半分以上である、付記1に記載の熱交換器。
【0061】
付記2の熱交換器では、熱媒体の流れ方向で線状部の頂部から連結部までの距離を線状部の幅の半分以上に設定していることから、流路構成壁に対する熱媒体の衝突面積を増加させつつ、熱媒体の板材の積層方向における攪拌性能を確保することができる。
【0062】
(付記3)
前記連結部の幅は、前記線状部の幅以上である、付記1又は付記2に記載の熱交換器。
【0063】
付記3の熱交換器では、連結部の幅を板材の線状部の幅以上に設定していることから、打ち抜き成形後の板材に反りが発生するのを抑制することができる。
【0064】
(付記4)
前記延在方向に隣接する前記連結部の間には、前記線状部の前記頂部が2つ以上配置されている、付記1~付記3のいずれか1項に記載の熱交換器。
【0065】
付記4の熱交換器では、板材において、線状部の延在方向に隣接する連結部間に線状部の頂部を2つ以上配置していることから、例えば、線状部の延在方向に隣接する連結部間に線状部の頂部が1つ配置される構成と比べて、熱媒体と流路構成壁との間の熱交換を促進することができる。これにより、上記熱交換器では、ケース内を流れる熱媒体と熱交換対象との間の熱交換性能がさらに向上する。
【0066】
(付記5)
複数の前記板材は、同形状であり、互いに表裏逆向きに重ねられて前記積層コアを形成している、付記1~付記4のいずれか1項に記載の熱交換器。
【0067】
付記5の熱交換器では、同形状の複数の板材が互いに表裏逆向きに重ねられて積層コアが形成されるため、例えば、異なる形状の複数の板材が重ねられて積層コアが形成さられる構成と比べて、部品点数を低減できる。これにより、製造工程コストの上昇を抑制できる。
【0068】
(付記6)
付記1~付記5のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法であって、
板材に打ち抜き成形によって、第1方向に波状に延び、波の振幅方向に間隔をあけて設けられる複数の線状部と、前記線状部の延在方向に間隔をあけて設けられ、前記振幅方向に隣接する前記線状部同士を前記線状部の振幅の頂部よりも前記第1方向の下流側で連結する連結部と、を形成する第1工程と、
複数の前記板材を、各々の前記線状部同士を重ねつつ、互いに重ねられた前記板材の前記連結部同士が前記延在方向に間隔をあけて配置されるように積層して積層コアを形成する、第2工程と、
を有する熱交換器の製造方法。
【0069】
付記6の熱交換器の製造方法では、第1工程と第2工程を経て、付記1~付記5のいずれか1項の熱交換器で用いられる積層コアが製造される。
【0070】
なお、2018年6月7日に出願された日本国特許出願2018-109732号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。