(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】ガラスリボン製造方法
(51)【国際特許分類】
C03B 13/04 20060101AFI20230220BHJP
【FI】
C03B13/04
(21)【出願番号】P 2020543264
(86)(22)【出願日】2018-10-30
(86)【国際出願番号】 US2018058122
(87)【国際公開番号】W WO2019089525
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-11-01
(32)【優先日】2017-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ビッソン,アントワーヌ ガストン デニス
(72)【発明者】
【氏名】ルソー,ダニエル
【審査官】有田 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-235354(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02258664(EP,A1)
【文献】特表2016-522145(JP,A)
【文献】特表2014-520059(JP,A)
【文献】ガラス工学ハンドブック,1999年07月05日,p.354-358
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 13/00-13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスリボン製造方法において、
溶融材料を、第1の対のローラの第1のローラと第2のローラの間に画定された第1の間隙の最小幅部に通して供給する工程であって、第1の溶融材料溜まり部が、前記第1の間隙の前記最小幅部の上流側に形成され、前記第1の溶融材料溜まり部内の前記溶融材料の粘度は、約5ポアズ(0.5Pa・s)から約5,000ポアズ(500Pa・s)であり、溶融材料リボンが該第1の間隙から出る工程と、
前記溶融材料リボンを、第2の対のローラの第1のローラと第2のローラの間に画定された第2の間隙の最小幅部に通して通過させる工程であって、前記第1の間隙の前記最小幅部は、前記第2の間隙の前記最小幅部より広く、第2の溶融材料溜まり部が、該第2の間隙の該最小幅部の上流側に形成され、前記第2の溶融材料溜まり部内の前記溶融材料の粘度は、約10,000ポアズ(1,000Pa・s)から約100,000ポアズ(10,000Pa・s)である工程と
を含
み、
前記溶融材料リボンが前記第1の間隙を通って通過する時に、前記溶融材料リボンの第1の主面と前記第1の対のローラの前記第1のローラとの間に位置する第1の流体緩衝部により前記溶融材料リボンの第1の主面と前記第1のローラは接触しないものであり、
前記第1の流体緩衝部は、さらに前記第1の対のローラの前記第1のローラと、前記第1の溶融材料溜まり部との間に亘って形成されるものである方法。
【請求項2】
前記第2の対のローラは、前記第2の間隙を通って通過する前記溶融材料リボンの主面の少なくとも一方に、0.5マイクロメートルから100マイクロメートルの表面粗さを与えるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の間隙の前記最小幅部は、1mmから5mmである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の間隙の前記最小幅部は、0.5mmから2.5mmである、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記溶融材料リボンは、前記第1の間隙を通って通過する時に、前記第1の対のローラの前記第2のローラに接触しないものである、請求項
1から4に記載の方法。
【請求項6】
第2の流体緩衝部は、前記第1の対のローラの前記第2のローラと、前記第1の間隙を通って通過する前記溶融材料リボンの第2の主面の間に位置するものである、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の間隙の前記最小幅部を、前記溶融材料リボンを該第1の間隙の該最小幅部を通って通過させながら調節する工程を、
更に含む、請求項1から
6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
ガラスリボン製造方法において、
溶融材料を、第1の対のローラの第1のローラと第2のローラの間に画定された第1の間隙の最小幅部に、前記第1の間隙の前記最小幅部を調節しながら通して供給する工程であって、第1の溶融材料溜まり部が、該第1の間隙の該最小幅部の上流側に形成され、溶融材料リボンが該第1の間隙から出る工程と、
前記溶融材料リボンを、第2の対のローラの第1のローラと第2のローラの間に画定された第2の間隙の最小幅部に通して通過させる工程であって、前記第1の間隙の前記最小幅部は、前記第2の間隙の前記最小幅部より広く、第2の溶融材料溜まり部が、該第2の間隙の該最小幅部の上流側に形成されたものである工程と
を含
み、
前記溶融材料リボンが前記第1の間隙を通って通過する時に、前記溶融材料リボンの第1の主面と前記第1の対のローラの前記第1のローラとの間に位置する第1の流体緩衝部により前記溶融材料リボンの第1の主面と前記第1のローラは接触しないものであり、
前記第1の流体緩衝部は、さらに前記第1の対のローラの前記第1のローラと、前記第1の溶融材料溜まり部との間に亘って形成されるものである方法。
【請求項9】
前記第2の対のローラは、前記第2の間隙を通って通過する前記溶融材料リボンの主面の少なくとも一方に、0.5マイクロメートルから100マイクロメートルの表面粗さを与えるものである、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
ガラスリボン製造方法において、
溶融材料を、第1の対のローラの第1のローラと第2のローラの間に画定された第1の間隙の最小幅部に、前記第1の対のローラの少なくとも前記第1のローラには接触せずに通して供給する工程であって、第1の溶融材料溜まり部が、前記第1の間隙の前記最小幅部の上流側に形成され、溶融材料リボンが該第1の間隙から出る工程と、
前記溶融材料リボンを、第2の対のローラの間に画定された第2の間隙の最小幅部に通して通過させる工程であって、前記第1の間隙の前記最小幅部は、前記第2の間隙の前記最小幅部より広く、第2の溶融材料溜まり部が、該第2の間隙の該最小幅部の上流側に形成されるものである工程と
を含
み、
前記溶融材料リボンが前記第1の間隙を通って通過する時に、前記溶融材料リボンの第1の主面と前記第1の対のローラの前記第1のローラとの間に位置する第1の流体緩衝部により前記溶融材料リボンの第1の主面と前記第1のローラは接触しないものであり、
前記第1の流体緩衝部は、さらに前記第1の対のローラの前記第1のローラと、前記第1の溶融材料溜まり部との間に亘って形成されるものである方法。
【請求項11】
前記第2の対のローラは、前記第2の間隙を通って通過する前記溶融材料リボンの主面の少なくとも一方に、0.5マイクロメートルから100マイクロメートルの表面粗さを与えるものである、請求項
10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、米国特許法第119条の下、2017年10月31日出願の米国仮特許出願第62/579,556号の優先権の利益を主張し、その内容は依拠され、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、ガラスリボン製造方法に関し、特に、第1の対のローラおよび第2の対のローラを用いてガラスリボンを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ガラスリボンを、精密ガラスロール形成装置を用いて製造することが知られている。1対の形成ロールをガラス供給部の垂直方向下方に備えて、供給された溶融ガラス流を薄くして形成されたガラスリボンを製造することが知られている。更に、他の1対のサイジングロールを形成ロールの垂直方向下方に配置することも知られている。
【発明の概要】
【0004】
以下、本開示の概要を、詳細な記載で説明するいくつかの実施形態の基本的理解のために簡略に示す。
【0005】
いくつかの実施形態において、ガラスリボン製造方法は、溶融材料を、第1の対のローラの第1のローラと第2のローラの間に画定された第1の間隙の最小幅部を通って供給する工程を含みうる。第1の溶融材料溜まり部は、第1の間隙の最小幅部の上流側に形成されうる。第1の溶融材料溜まり部内の溶融材料の粘度は、約5ポアズ(0.5Pa・s)から約5,000ポアズ(500Pa・s)でありうる。溶融材料リボンは、第1の間隙から出うる。方法は、更に、溶融材料リボンを、第2の対のローラの第1のローラと第2のローラの間に画定された第2の間隙の最小幅部を通って通過させる工程を含みうる。第1の間隙の最小幅部は、第2の間隙の最小幅部より広いものでありうる。第2の溶融材料溜まり部は、第2の間隙の最小幅部の上流側に形成されて、第2の溶融材料溜まり部内の溶融材料の粘度は、約10,000ポアズ(1,000Pa・s)から約100,000ポアズ(10,000Pa・s)でありうる。
【0006】
いくつかの実施形態において、ガラスリボン製造方法は、溶融材料を、第1の対のローラの第1のローラと第2のローラの間に画定された第1の間隙の最小幅部を調節しながら、第1の間隙の最小幅部を通って供給する工程を含みうる。第1の溶融材料溜まり部は、第1の間隙の最小幅部の上流側に形成されうる。溶融材料リボンは、第1の間隙から出うる。方法は、溶融材料リボンを、第2の対のローラの第1のローラと第2のローラの間に画定された第2の間隙の最小幅部を通って通過させる工程を含みうる。第1の間隙の最小幅部は、第2の間隙の最小幅部より広いものでありうる。第2の溶融材料溜まり部は、第2の間隙の最小幅部の上流側に形成されうる。
【0007】
いくつかの実施形態において、ガラスリボン製造方法は、溶融材料を、第1の対のローラの第1のローラと第2のローラの間に画定された第1の間隙の最小幅部を通って、第1の対のローラの少なくとも第1のローラには接触せずに供給する工程を含みうる。第1の溶融材料溜まり部は、第1の間隙の最小幅部の上流側に形成されうる。溶融材料リボンは、第1の間隙から出うる。方法は、更に、溶融材料リボンを、第2の対のローラの間に画定された第2の間隙の最小幅部を通って通過させる工程を含みうる。第1の間隙の最小幅部は、第2の間隙の最小幅部より広いものでありうる。第2の溶融材料溜まり部は、第2の間隙の最小幅部の上流側に形成されうる。
【0008】
いくつかの実施形態において、第2の対のローラは、第2の間隙を通って通過する溶融材料リボンの主面の少なくとも一方に、0.5マイクロメートルから100マイクロメートルの表面粗さを与えうる。
【0009】
いくつかの実施形態において、第1の間隙の最小幅部は、1mmから5mmでありうる。
【0010】
いくつかの実施形態において、第2の間隙の最小幅部は、0.5mmから2.5mmでありうる。
【0011】
いくつかの実施形態において、溶融材料リボンは、第1の間隙を通って通過する時に、第1の対のローラの少なくとも第1のローラには接触しないものでありうる。
【0012】
いくつかの実施形態において、第1の流体緩衝部は、第1の対のローラの第1のローラと、第1の間隙を通って通過する溶融材料リボンの第1の主面の間に位置しうる。
【0013】
いくつかの実施形態において、溶融材料リボンは、第1の間隙を通って通過する時に、第1の対のローラの第2のローラに接触しないものでありうる。
【0014】
いくつかの実施形態において、第2の流体緩衝部は、第1の対のローラの第2のローラと、第1の間隙を通って通過する溶融材料リボンの第2の主面の間に配置されうる。
【0015】
いくつかの実施形態において、方法は、更に、第1の間隙の最小幅部を、溶融材料リボンを第1の間隙の最小幅部を通って通過させながら、調節する工程を含みうる。
【0016】
これらの、および、他の特徴、態様、および、利点は、以下の詳細な記載を添付の図面を参照して読むことで、よく分かるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】ガラスリボンを溶融材料から製造するガラス製造装置の斜視図である。
【
図2】ガラスリボンを溶融材料から製造する他のガラス製造装置の斜視図である。
【
図3】
図1のガラス製造装置の第1の実施形態の
図1の3‐3線に沿った断面図、および、
図2のガラス製造装置の第1の実施形態の
図2の3‐3線に沿った断面図である。
【
図4】
図1のガラス製造装置の第2の実施形態の
図1の3‐3線に沿った断面図、および、
図2のガラス製造装置の第2の実施形態の
図2の3‐3線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで、例示的実施形態を示した添付の図面を参照して、実施形態をより完全に記載する。同じ、または、類似の部分を称するには、可能な限り同じ参照番号を用いている。しかしながら、本開示は、多数の異なる形態で実施しうるものであり、本明細書に示した実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
【0019】
図1および2は、各々、ガラスリボン103を製造する2つのガラス製造装置101、201を示している。ガラス製造装置101、201は、溶融材料105、205を第1の対のローラ107、207に供給する放出口119を含む溶融材料送出路117を含みうる。
図1に示したように、いくつかの実施形態において、放出口119はラッパ状に広がった端部分121を含み、溶融材料流105が細長い溶融材料流として下方に流れるようにしうる。その代わりに、
図2に示したように、放出口119は、円柱状の溶融材料流205を送出しうるが、楕円柱状または他の形状の溶融材料流も提供しうる。
【0020】
別段の記載がない限りは、第1の対のローラ107は、第1の対のローラ207と構造および/または機能的に同一でありうる。したがって、別段の記載がない限りは、対のローラ107、207の一方の対についての特徴および/または機能性の記載は、対のローラ107、207の他方の対に適用されうる。
図1に示したように、第1の対のローラ107は、第1のローラ109aおよび第2のローラ109bを含みうる。いくつかの実施形態において、各ローラ109a、109bは、円筒状のローラを含み、同一の外径を含みうる。更に図示したように、いくつかの実施形態において、各ローラ109a、109bは、互いに同一でありうる。
【0021】
いくつかの実施形態において、1つ以上のモータ(不図示)は、ローラ109a、109bを、対応する回転軸119a、119bを中心に反対の回転方向117a、117bに回転させうる。例えば、
図3に示したように、一実施形態において、第1の対のローラ107の第1のローラ109aは、第1の回転軸119aを中心に時計回り方向117aに回転する後ろ側ローラでありうる。更に
図3に示すように、第1の対のローラ107の第2のローラ109bは、第2の回転軸119bを中心に反時計回り方向117bに回転する前側ローラでありうる。
【0022】
図3に示したように、第1の間隙G1は、第1の対のローラ107の第1のローラ109aと第2のローラ109bの間に画定されうる。第1の間隙「G1」の最小幅部「W1」は、各ローラ109a、109bの互いに最も近接した点の間に画定されうる。
図3に示したように、いくつかの実施形態において、最も近接した点での接平面303a、303bは、互いに平行で、最小幅部「W1」は、1対のローラ109a、109bの全長「L」(
図1を参照)に亘って同じでありうる。そのような実施形態において、結果的に得られる溶融材料リボン301は、結果的に得られるリボン301の幅に亘って略一定の厚さを有しうる。不図示であるが、いくつかの実施形態において、最小幅部は、全長「L」に亘って生じなくてもよい。例えば、最小幅部はローラの外端部分に位置して、結果的に得られる溶融材料リボン301は、比較的厚い中心部分を有し、それは、溶融材料リボン301の幅方向にリボン301の各端縁部へ先細でありうる。
【0023】
更に、接平面303a、303bは、溶融材料リボン301のドロー方向305に延伸し、それは、いくつかの実施形態において、重力方向でありうる。更に、図示したように、ローラの回転方向117a、117bの回転による各ローラ109a、109bの接点の速度は互いに同一で、更に、ドロー方向305(例えば、重力方向)に延伸しうる。
【0024】
いくつかの実施形態において、第1の間隙「G1」の最小幅部「W1」は、約1ミリメートル(mm)から約5mmである。更なる実施形態において、第1の間隙「G1」の最小幅部「W1」は、約2mmから約4mmである。更なる実施形態において、第1の間隙「G1」の最小幅部「W1」は、約2mmから約3mmであるが、更なる実施形態において、他の最小幅部も提供されうる。更に、第1の対のローラ107のローラ109a、109bの一方または両方は調節自在で、最小幅部「W1」を調節しうる。例えば、
図3は、各ローラ109a、109bを、矢印306で示した調節方向に沿って調整しうることを示している。いくつかの実施形態において、調節方向は、最小幅部「W1」の方向、および/または、ドロー方向305に垂直の方向(例えば、重力に垂直)でありうる。いくつかの実施形態において、第1の間隙「G1」を調節することで、1mmから5mm、2mmから4mm、または、2mmから3mmの調節した最小幅部「W1」を提供しうるが、更なる実施形態において、他の調節した最小幅部も提供しうる。
【0025】
図3に示したように、本開示のいずれのローラも、任意の冷却コイル307を含み、対のローラの間隙を通って通過する溶融材料の冷却を調節しうる。したがって、溶融材料の温度を調節して、望ましい属性をガラスリボン103に提供しうる。
【0026】
図1および3に示したように、いくつかの実施形態において、第1の対のローラ107の各ローラ109a、109bは、平滑な外面123を含むか、および/または、流体を通さない外面123を含みうる。代わりの実施形態において、外面は、パターン状、または、他の非平滑面を含みうる。更に、いくつかの実施形態は、流体を透過する外面を提供しうる。例えば、
図4に示したように、各ローラ209a、209bは通過路405を含み、放出流体流407によって示したように、気体(例えば、空気、窒素、不活性気体)などの流体が通過できるようにしうる。図示したように、通過路405は、209a、209bの外壁部409を通り抜ける開口を有しうる。更なる実施形態において、通過路は、(例えば、ローラを製造するための焼結により生じた)多孔性壁部に形成された経路を含みうる。
【0027】
ガラス製造装置は、第2の対のローラ111も含みうる。別段の記載がない限りは、第1の対のローラ107、207は、第2の対のローラ111と構造および/または機能的に同一でありうる。したがって、別段の記載がない限りは、第1の対のローラ107、207および第2の対のローラ111の1つの対についての特徴および/または機能性の記載は、他の対のローラ107、207および第2の対のローラ111に適用されうる。
図1に示したように、第2の対のローラ111は、第1のローラ113aおよび第2のローラ113bを含みうる。いくつかの実施形態において、各ローラ113a、113bは、円筒状のローラを含み、同一の外径を含みうる。更に図示したように、いくつかの実施形態において、各ローラ113a、113bは、互いに同一でありうる。
【0028】
図1に示したように、いくつかの実施形態において、第2の対のローラ111の各ローラ113a、113bは、ざらついた外面124を含みうるが、更なる実施形態において、一方のローラ113a、113bのみに、ざらついた外面124を備えてよい。更に、不図示であるが、外面は、任意で平滑面を含みうる。ざらついた外面124を備えることで、第2の対のローラ111は、第2の間隙「G2」を通って通過する溶融材料リボン301の少なくとも1つの主面403a、403bに、0.5マイクロメートルから100マイクロメートルの表面粗さでインプリントを行いうる。
【0029】
いくつかの実施形態において、
図3に示したように、1つ以上のモータ(不図示)は、ローラ113a、113bを、対応する回転軸120a、120bを中心に反対の回転方向117a、117bに回転させうる。例えば、
図3に示したように、一実施形態において、第2の対のローラ111の第1のローラ113aは、第1の回転軸120aを中心に時計回り方向117aに回転する後ろ側ローラでありうる。更に
図3に示すように、第2の対のローラ111の第2のローラ113bは、第2の回転軸120bを中心に反時計回り方向117bに回転する前側ローラでありうる。
【0030】
図3に示したように、第2の間隙G2は、第2の対のローラ111の第1のローラ113aと第2のローラ113bの間に画定されうる。第2の間隙「G2」の最小幅部「W2」は、各ローラ113a、113bの互いに最も近接した点の間に画定されうる。
図3に示したように、いくつかの実施形態において、最も近接した点での接平面304a、304bは互いに平行で、最小幅部「W2」は、ローラ113a、113bの全長「L」(
図1を参照)に亘って同じでありうる。そのような実施形態において、結果的に得られる溶融材料リボン301は、結果的に得られるリボン103の幅に亘って略一定の厚さを有しうる。不図示であるが、いくつかの実施形態において、最小幅部は、全長「L」に亘って生じなくてもよい。例えば、最小幅部はローラの外端部分に位置して、結果的に得られるガラスリボン103は、比較的厚い中心部分を有し、それは、ガラスリボン103の幅方向にガラスリボン103の各端縁部へ先細でありうる。
【0031】
更に、接平面304a、304bは、溶融材料リボン301のドロー方向305に延伸し、それは、いくつかの実施形態において、重力方向でありうる。更に、図示したように、ローラの回転方向117a、117bの回転による各ローラ113a、113bの接点の速度は互いに同一で、更に、ドロー方向305(例えば、重力方向)に延伸しうる。
【0032】
いくつかの実施形態において、第1の間隙「G1」の最小幅部「W1」は、第2の間隙「G2」の最小幅部「W2」より広いことがありうる。いくつかの実施形態において、第2の間隙「G2」の最小幅部「W2」は、0.5mmから2.5mm、または、0.5mmから2mm、または、0.5mmから1mmでありうるもので、更なる実施形態において、他の最小幅部も提供しうる。更に、第2の対のローラ111のローラ113a、103bの一方または両方は調節自在で、最小幅部「W2」を調節しうる。例えば、
図3は、各ローラ113a、113bを、矢印306で示した調節方向に沿って調整しうることを示している。いくつかの実施形態において、調節方向は、最小幅部「W2」の方向、および/または、ドロー方向305に垂直の方向(例えば、重力に垂直)でありうる。いくつかの実施形態において、第2の間隙「G2」を調節することで、0.5mmから2.5mmの調節した最小幅部「W2」を提供しうる。更なる実施形態において、第2の間隙「G2」を調節して、0.5mmから2mmの調節した最小幅部「W2」を提供しうる。更なる実施形態において、第2の間隙「G2」を調節して、0.5mmから1mmの調節した最小幅部「W2」を提供しうる。
【0033】
ガラスリボン103を製造する例示的方法は、溶融材料105、205を、第1の間隙「G1」の最小幅部「W1」を通って供給しうるもので、最小幅部「W1」は、第1の対のローラ107、207の第1のローラ109a、209aと第2のローラ109b、209bの間に画定される。
図1に示したように、いくつかの実施形態では、溶融材料を、(例えば、ラッパ状に広がった端部分121を用いて)外側に向かってラッパ状に広げて、溶融材料105が、第1の間隙「G1」の長さ方向に細長くなるようにしうる。溶融材料を外側に向かってラッパ状に広げることで、溶融材料が第1の間隙「G1」の最小幅部「W1」に到達する前に、溶融材料を第1の間隙「G1」の上側部分に沿って最初に配置して、次に流すのを容易にしうる。その代わりに、
図2に示したように、いくつかの実施形態は、ラッパ状に広がった流れではない溶融材料205を用いて、溶融材料流を第1の間隙「G1」の上側部分に導入するのを可能にしうる。例えば、溶融材料は、放出口119(例えば、円形の放出口)から単に流れて、第1の間隙「G1」の上側部分に導入されうる。そのような実施形態において、溶融材料205の粘度は比較的低いので、溶融材料は、第1の間隙「G1」の最小幅部「W1」に到達する前に、第1の間隙「G1」の長さに沿ってまだ急速に流れる時期でありうる。
【0034】
いくつかの実施形態において、方法は、溶融材料リボン301を第1の間隙「G1」の最小幅部「W1」を通って通過させながら、第1の間隙「G1」の最小幅「W1」を調節する工程を含みうる。例えば、作動部(不図示)は、第1の対のローラ107の第1のローラ109aと第2のローラ109bの一方または両方を306で図示したような2方向のいずれかに移動させることによって、第1の間隙「G1」の最小幅部「W1」を増加または減少させうる。第1の間隙「G1」の最小幅部「W1」の調節により、第2の対のローラ111の第2の間隙「G2」によって受け付けられることになる材料の第1の間隙「G1」を通る流れを制御しうる。
【0035】
材料105、205の流れは、第1の溶融材料溜まり部115aが第1の間隙「G1」の最小幅部「W1」の上流側に形成されるのに十分な速さで流れる。いくつかの実施形態において、第1の溜まり部115a内の溶融材料の粘度は比較的低いので、第1の溶融材料溜まり部115aは、第1の間隙「G1」の長さに沿って急速に広がりうる。いくつかの実施形態において、第1の溜まり部115a内の溶融材料の粘度は、約5ポアズ(0.5Pa・s)から約5,000ポアズ(500Pa・s)でありうる。他の実施形態において、第1の溜まり部115aは、約500ポアズ(50Pa・s)から約2,000ポアズ(200Pa・s)の粘度を有し、溶融材料が第1の間隙「G1」の長さに沿って急速に広がるのを可能にしうる。
【0036】
この利用例について、「溶融材料溜まり部」は、1対のローラの対応する間隙の最小幅部の上流側に位置する蓄積溶融材料の貯留部で、それは、第1の間隙に入る溶融材料の質量流量が、間隙を出るリボンの溶融材料の質量流量と等しい場合に、安定した状態で存在すると考えられる。間隙に供給されている材料の質量流量に中断または他の変化を生じている間でも、蓄積溶融材料の貯留部は、溶融材料を間隙の最小幅部に一貫して連続的に供給することを可能にする。例えば、溶融材料溜まり部内の蓄積溶融材料を用いて、間隙に供給されている溶融材料の質量流量の短時間の急な減少を相殺するようにしうるので、間隙に供給されている材料の質量流量が一時的に急に低下した時に、溶融材料溜まり部によって補いうる。それにより、間隙を出るリボンの厚さを均一に維持しうる。そのような場合には、溶融材料溜まり部内の溶融材料の質量は減少しうる。それでも、流量が正常に戻ると、溶融材料溜まり部内で枯渇した溶融材料は、すぐに補給され、安定した状態が再び実現されうる。
【0037】
したがって、第1の溶融材料溜まり部115aは、第1の対のローラ107、207の間の第1の間隙「G1」の最小幅部「W1」の上流側に位置する蓄積溶融材料の貯留部を含みうるもので、貯留部は、第1の間隙「G1」に入る溶融材料105、205の質量流量が、第1の間隙「G1」を出る溶融材料リボン301の質量流量と等しい場合に、安定した状態で存在しうる。
【0038】
図4に示したように、いくつかの実施形態において、第1の溶融材料溜まり部115a、および/または、溶融材料リボン301は、第1の間隙「G1」を通って通過する時に、第1の対のローラ207の少なくとも第1のローラ209aと接触しない。例えば、図示したように、第1の流体緩衝部401aを、第1の対のローラ207の第1のローラ209aと、第1の間隙「G1」を通って通過する溶融材料リボン301の第1の主面403aの間に配置しうる。更に図示したように、第1の流体緩衝部401aは、第1の対のローラ207の第1のローラ209aと第1の溶融材料溜まり部115aの間にも配置されうる。
【0039】
更に
図4に示したように、いくつかの実施形態において、第1の溶融材料溜まり部115a、および/または、溶融材料リボン301は、第1の間隙「G1」を通って通過する時に、第1の対のローラ207の第2のローラ209bと接触しない。例えば、図示したように、第2の流体緩衝部401bを、第1の対のローラ207の第2のローラ209bと、第1の間隙「G1」を通って通過する溶融材料リボン301の第2の主面403bに間に配置しうる。更に図示したように、第2の流体緩衝部401bを、第1の対のローラ207の第2のローラ209bと第1の溶融材料溜まり部115aの間にも配置しうる。
【0040】
いくつかの実施形態において、流体緩衝部401a、401bは、空洞内部の加圧流体を、外壁部409を通って放出させ、溶融材料を第1の対のローラ207から離れるように押圧することで、生成されうる。流体緩衝部は、ローラ207と直に接触する場合のような急速な熱伝達を行わないので、溶融材料とローラ207の接触を防ぐことで、溶融材料が第1の間隙「G1」を通って通過する時にローラへの熱損失を削減しうる。流体緩衝部401a、401bに追加で、第1の対のローラ207の第1のローラ209aおよび第2のローラ209bは、回転方向117a、117bに沿って連続して回転して、均一な温度分布、および、第1および第2のローラ209a、209bを望ましい動作温度に維持する能力を提供しうる。
【0041】
次に、溶融材料リボン301は、第1の対のローラ107、207の第1の間隙「G1」の最小幅部「W1」を通って通過し、第1の対のローラ107、207の下方に位置する第2の対のローラ111まで降下する。図示したように、いくつかの実施形態において、第1の間隙「G1」と第2の間隙「G2」を、ドロー方向305(例えば、重力方向)の垂直平面に沿って位置合わせしうる。したがって、図示したように、溶融材料リボン301は、ドロー方向305に第2の対のローラ111の第2の間隙「G2」へ進行しうる。次に、溶融材料リボン301は、第2の対のローラ111の第1のローラ113aと第2のローラ113bの間に画定された第2の間隙「G2」の最小幅部「W2」を通って通過しうる。いくつかの実施形態において、第2の間隙「G2」は、第1の間隙「G1」の最小幅部「W1」(例えば、1mmから5mm)より狭い最小幅部「W2」(例えば、0.5mmから2.5mm)を有する。結果的に、溶融材料リボン301の厚さを、第2の間隙「G2」の最小幅部「W2」に一致しうる厚さ(例えば、0.5mmから2.5mm)を有するガラスリボン103となるまで削減しうる。
【0042】
第2の溶融材料溜まり部115bは、第2の間隙「G2」の最小幅部「W2」の上流側に形成されうる。第2の溶融材料溜まり部115aは、第2の対のローラ111の間の第2の間隙「G2」の最小幅部「W2」の上流側に位置する蓄積溶融材料の貯留部を含みうるもので、貯留部は、第2の間隙「G2」に入る溶融材料リボン301の質量流量が、第2の間隙「G2」を出るガラスリボン103の質量流量と等しい場合に、安定した状態で存在しうる。
【0043】
第2の溶融材料溜まり部115b内の溶融材料の粘度は、約10,000ポアズ(1,000Pa・s)から約100,000ポアズ(10,000Pa・s)でありうる。他の実施形態において、第2の溶融材料溜まり部115b内の溶融材料の粘度は、約10,000ポアズ(1,000Pa・s)から約50,000ポアズ(5,000Pa・s)でありうる。これらの粘性範囲でも、溶融材料溜まり部が、溶融材料を、第2の間隙「G2」の最小幅部「W2」を通って一貫して供給するのを可能にする。
【0044】
上記のように、第1のローラ113a、および/または、第2のローラ113bは、ざらついた外面124を含みうる。そのような実施形態において、第2の対のローラ111は、間隙「G2」を通って通過するガラスリボン103の少なくとも一方、または、両方の主面に、表面粗さを与えうる。更に、第2の溶融材料溜まり部115bを備えることで、溶融材料リボン301の主面に確実に連続してスタンピングを行い、ざらついた外面124に対応する一貫した表面粗さを提供しうる。いくつかの実施形態において、表面粗さは、0.5マイクロメートルから100マイクロメートルでありうる。主面の一方または両方に表面粗さ(例えば、0.5マイクロメートルから100マイクロメートル)を与えることで、そうではなく、積み重ね合わせたガラスシートの平滑面で生じる望ましくない接合を生じることなく、ガラスリボン103から分離されたシートを積み重ねるのを可能にしうる。
【0045】
本開示を通して記載した製造装置101、および、ガラスリボン103の製造方法は、低粘度で送出されうるガラス組成物、および/または、比較的ゆっくりと硬化するガラス組成物から製造される薄いシートのガラスリボン103の製造を可能にしうる。例えば、強化ガラス製作で用いられるいくつかのガラスセラミック前駆体は、比較的低粘度の溶融材料を収容する本発明の装置および方法の恩恵を受ける低液相粘度を示しうる。いくつかの実施形態において、各対のローラ107、111は、上方から降下する溶融材料を捉え、各々、第1および第2の溶融材料溜まり部115a、115bを形成しうる。それにより、ドロー処理を制御して、0.5mmから2.5mm、0.5mmから2mm、または、0.5mmから1mmの厚さの薄いガラスリボンを生成しうるが、更なる実施形態において、他の厚さも提供しうる。いくつかの実施形態において、第1の対のローラ107、207は、溶融材料の流れを予め形成して、更に、平均粘度を変更しうる。
【0046】
更に、いくつかの実施形態において、第1の対のローラ107、207の第1の間隙「G1」の最小幅部「W1」を調節して、第1の間隙「G1」を出る溶融材料リボン103の厚さ、および/または、温度分布を変更しうる。更に、第1の間隙「G1」の最小幅部「W1」の調節を用いて、より長い応答時間を修正に要しうる送出システムについて、流れの温度変化を速く補いうる。更に、第1の間隙「G1」の最小幅部「W1」、および、第1の対のローラ107と第2の対のローラ111の回転速度差を調節することで、リボン301の幅、および、第2の対のローラ111に導入されている溶融材料の平均粘度を調節することが可能でありうる。これらの調節は、増加したフロー密度、送出時に低下した粘度、および、ガラス粘度の上昇が遅い場合などの様々な条件に取り組むのに有用でありうる。
【0047】
様々な実施形態を例示的および具体的な例について詳細に記載したが、本開示は限定されると考えられるべきではなく、以下の請求項の範囲を逸脱することなく、開示した特徴の変更および組合せが可能である。
【0048】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0049】
実施形態1
ガラスリボン製造方法において、
溶融材料を、第1の対のローラの第1のローラと第2のローラの間に画定された第1の間隙の最小幅部に通して供給する工程であって、第1の溶融材料溜まり部が、前記第1の間隙の前記最小幅部の上流側に形成され、前記第1の溶融材料溜まり部内の前記溶融材料の粘度は、約5ポアズ(0.5Pa・s)から約5,000ポアズ(500Pa・s)であり、溶融材料リボンが該第1の間隙から出る工程と、
前記溶融材料リボンを、第2の対のローラの第1のローラと第2のローラの間に画定された第2の間隙の最小幅部に通して通過させる工程であって、前記第1の間隙の前記最小幅部は、前記第2の間隙の前記最小幅部より広く、第2の溶融材料溜まり部が、該第2の間隙の該最小幅部の上流側に形成され、前記第2の溶融材料溜まり部内の前記溶融材料の粘度は、約10,000ポアズ(1,000Pa・s)から約100,000ポアズ(10,000Pa・s)である工程と
を含む方法。
【0050】
実施形態2
前記第2の対のローラは、前記第2の間隙を通って通過する前記溶融材料リボンの主面の少なくとも一方に、0.5マイクロメートルから100マイクロメートルの表面粗さを与えるものである、実施形態1に記載の方法。
【0051】
実施形態3
前記第1の間隙の前記最小幅部は、1mmから5mmである、実施形態1または2に記載の方法。
【0052】
実施形態4
前記第2の間隙の前記最小幅部は、0.5mmから2.5mmである、実施形態1から3のいずれか1つに記載の方法。
【0053】
実施形態5
前記溶融材料リボンは、前記第1の間隙を通って通過する時に、前記第1の対のローラの少なくとも前記第1のローラには接触しないものである、実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法。
【0054】
実施形態6
第1の流体緩衝部は、前記第1の対のローラの前記第1のローラと、前記第1の間隙を通って通過する前記溶融材料リボンの第1の主面の間に位置するものである、実施形態5に記載の方法。
【0055】
実施形態7
前記溶融材料リボンは、前記第1の間隙を通って通過する時に、前記第1の対のローラの前記第2のローラに接触しないものである、実施形態5または6に記載の方法。
【0056】
実施形態8
第2の流体緩衝部は、前記第1の対のローラの前記第2のローラと、前記第1の間隙を通って通過する前記溶融材料リボンの第2の主面の間に位置するものである、実施形態7に記載の方法。
【0057】
実施形態9
前記第1の間隙の前記最小幅部を、前記溶融材料リボンを該第1の間隙の該最小幅部を通って通過させながら調節する工程を、
更に含む、実施形態1から8のいずれか1つに記載の方法。
【0058】
実施形態10
ガラスリボン製造方法において、
溶融材料を、第1の対のローラの第1のローラと第2のローラの間に画定された第1の間隙の最小幅部に、前記第1の間隙の前記最小幅部を調節しながら通して供給する工程であって、第1の溶融材料溜まり部が、該第1の間隙の該最小幅部の上流側に形成され、溶融材料リボンが該第1の間隙から出る工程と、
前記溶融材料リボンを、第2の対のローラの第1のローラと第2のローラの間に画定された第2の間隙の最小幅部に通して通過させる工程であって、前記第1の間隙の前記最小幅部は、前記第2の間隙の前記最小幅部より広く、第2の溶融材料溜まり部が、該第2の間隙の該最小幅部の上流側に形成されたものである工程と
を含む方法。
【0059】
実施形態11
前記第2の対のローラは、前記第2の間隙を通って通過する前記溶融材料リボンの主面の少なくとも一方に、0.5マイクロメートルから100マイクロメートルの表面粗さを与えるものである、実施形態10に記載の方法。
【0060】
実施形態12
前記第1の間隙の前記調節した最小幅部は、1mmから5mmである、実施形態10または11に記載の方法。
【0061】
実施形態13
前記第2の間隙の前記最小幅部は、0.5mmから2.5mmである、実施形態10から12のいずれか1つに記載の方法。
【0062】
実施形態14
前記溶融材料リボンは、前記第1の間隙を通って通過する時に、前記第1の対のローラの少なくとも前記第1のローラには接触しないものである、実施形態10から13のいずれか1つに記載の方法。
【0063】
実施形態15
第1の流体緩衝部は、前記第1の対のローラの前記第1のローラと、前記第1の間隙を通って通過する前記溶融材料リボンの第1の主面の間に位置するものである、実施形態14に記載の方法。
【0064】
実施形態16
前記溶融材料リボンは、前記第1の間隙を通って通過する時に、前記第1の対のローラの前記第2のローラに接触しないものである、実施形態14または15に記載の方法。
【0065】
実施形態17
第2の流体緩衝部は、前記第1の対のローラの前記第2のローラと、前記第1の間隙を通って通過する前記溶融材料リボンの第2の主面の間に位置するものである、実施形態16に記載の方法。
【0066】
実施形態18
ガラスリボン製造方法において、
溶融材料を、第1の対のローラの第1のローラと第2のローラの間に画定された第1の間隙の最小幅部に、前記第1の対のローラの少なくとも前記第1のローラには接触せずに通して供給する工程であって、第1の溶融材料溜まり部が、前記第1の間隙の前記最小幅部の上流側に形成され、溶融材料リボンが該第1の間隙から出る工程と、
前記溶融材料リボンを、第2の対のローラの間に画定された第2の間隙の最小幅部に通して通過させる工程であって、前記第1の間隙の前記最小幅部は、前記第2の間隙の前記最小幅部より広く、第2の溶融材料溜まり部が、該第2の間隙の該最小幅部の上流側に形成されるものである工程と
を含む方法。
【0067】
実施形態19
前記第2の対のローラは、前記第2の間隙を通って通過する前記溶融材料リボンの主面の少なくとも一方に、0.5マイクロメートルから100マイクロメートルの表面粗さを与えるものである、実施形態18に記載の方法。
【0068】
実施形態20
前記第1の間隙の前記最小幅部は、1mmから5mmである、実施形態18または19に記載の方法。
【0069】
実施形態21
前記第2の間隙の前記最小幅部は、0.5mmから2.5mmである、実施形態18から20のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
実施形態22
第1の流体緩衝部は、前記第1の対のローラの前記第1のローラと、前記第1の間隙を通って通過する前記溶融材料リボンの第1の主面の間に位置するものである、実施形態18から21のいずれか1つに記載の方法。
【0071】
実施形態23
前記溶融材料リボンは、前記第1の間隙を通って通過する時に、前記第1の対のローラの前記第2のローラに接触しないものである、実施形態18から22のいずれか1つに記載の方法。
【0072】
実施形態24
第2の流体緩衝部は、前記第1の対のローラの前記第2のローラと、前記第1の間隙を通って通過する前記溶融材料リボンの第2の主面の間に位置するものである、実施形態23に記載の方法。
【符号の説明】
【0073】
101、201 ガラス製造装置
107、207 第1の対のローラ
109a、109b、113a、113b、209a、209b ローラ
111 第2の対のローラ
115a 第1の溶融材料溜まり部
115b 第2の溶融材料溜まり部