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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】カテーテルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20230220BHJP
   A61M 25/14 20060101ALI20230220BHJP
【FI】
A61M25/00 600
A61M25/14 514
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021136915
(22)【出願日】2021-08-25
(62)【分割の表示】P 2019187759の分割
【原出願日】2016-06-03
(65)【公開番号】P2021180995
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2021-08-25
(31)【優先権主張番号】62/171,392
(32)【優先日】2015-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100191444
【弁理士】
【氏名又は名称】明石 尚久
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム エス.コニア
(72)【発明者】
【氏名】エドワード エイチ.カリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー ビー.ダンカン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ エル.ゴーフリッチ
(72)【発明者】
【氏名】ウッドロー ダブリュ.ワトソン
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/140093(WO,A1)
【文献】特開平6-339529(JP,A)
【文献】特開2009-232882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
A61M 25/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さを有するカテーテルアセンブリであって、前記カテーテルアセンブリは:
第一の流路を有する細長部材と;
前記細長部材に沿った、拡張可能かつ選択的に前記細長部材に取り付けられた第一のシースであって、前記第一のシースは、第一の弛緩形態、及び第一の加圧形態を有し、前記第一の加圧形態において、前記細長部材と協働して第二の流路を形成している、第一のシースと;
前記第一のシースを同軸状に取り囲む第二のシースであって、前記第二のシースは、拡張可能で、かつ第二の弛緩形態、及び第二の加圧形態を有し、前記第二の加圧形態において、前記第一のシースと協働して第三の流路を形成している、第二のシースと;
前記細長部材の長さに沿って、流体を前記第一の流路を通して第一の場所に供給するよう適合された前記第一の流路と連通した、第一の送達ポートと;
前記細長部材の長さに沿って、流体を前記第二の流路を通して第二の場所に供給するよう適合された前記第二の流路と連通した、第二の送達ポートと;
前記細長部材の長さに沿って、流体を前記第三の流路を通して第三の場所に供給するよう適合された前記第三の流路と連通した、第三の送達ポートと
を含む、カテーテルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移植可能な医療装置を有するカテーテルに関し、特に、流体を複数の場所に供給することができる複数のチャネルを有する薄型カテーテルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野において、疾患のある脈管構造及び他の身体導管の治療のおける移植可能な医療装置の使用が一般的になった。そのような装置は、処理部位へと外科的に移植し、又は管腔内的に供給することができる。後者の場合、脈管構造及び装置の視覚化が難しいことがある。典型的に、介護者及び/又は操作員は、処理の間の視覚化を補助する対照物を注入するため、カテーテルを使用する。さらに、そのような装置の送達に関連する脈管の湿潤又は組織への薬剤の送達が望ましいことがある。カテーテルは、どのようなサイズのイントロデューサを通してカテーテルを挿入することができるかを示す輪郭(profile)を有する。カテーテルにマルチルーメン機能を与えることは、カテーテル全体の輪郭を増大させる傾向がある。いくつかの既知のカテーテルにおいて、更なるルーメンは、複数の固定されたルーメン直径を有し(すなわち、ルーメン直径は通常の作業手順の下で著しく変化せず)、単一ルーメンカテーテルと比較して、これによって増大した輪郭を有することを意味する。いくつかの他の既知のカテーテルにおいて、第二のルーメンとして拡張可能なシースを使用し、拡張可能なシースを拡張及び収縮可能にすることによって、増大した輪郭を少なくとも部分的に解決する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特に困難な処理において、これら既知のカテーテルは未だに限界を有し、改善の余地が残っている。したがって、移植可能な装置及び管内用具の正確で効果的な腔内展開を促進する、マルチチャネルカテーテルを提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示に従うカテーテルアセンブリ、並びに関連するシステム及び方法の様々な例は、組織の一つ又は複数の所望の場所へと一又は複数種の流体を送達するために使用可能な複数のルーメンを有する医療装置に関する。いくつかの例において、本開示に従うカテーテルアセンブリを使用して、流体(例えば、対照液又は流体)を、体管腔の一つ又は複数の所望の場所、例えば患者の脈管構造(例えば、門脈体循環シャント、大動脈、又は静脈若しくは動脈のいずれかの他の脈管構造の領域)に供給することができる。
【0005】
いくつかの例において、本開示に従うカテーテルアセンブリは、医療装置の細長部材(例えば、カテーテルアセンブリの軸及び/又はハブ)に、一つ又は複数の接続箇所で取り付けられ、流体送達のための一つ又は複数のルーメンを形成するシースを含む。いくつかの例は、外表面、第一の末端及び第二の末端、第一の末端と第二の末端との間に延在する長さ、並びに細長部材に沿って延在するルーメンを有する細長管状部材(例えば、カテーテル軸、バルーンカテーテル等)を有する、カテーテルアセンブリに関する。シースは、細長部材の長さの少なくとも一部を取り囲み、シースは、壁厚、外表面積、第一の弛緩形態、及び第二の加圧形態を含む。いくつかの例において、シースは、シースの反対側にある円周状末端で細長部材に取り付けられ、シースが第二の加圧形態にあるとき、細長部材と協働して、細長部材の長さの少なくとも一部に沿って一つ又は複数のチャネルを形成する。いくつかの例において、シースは、壁厚を通った少なくとも一つのマクロスコピック開口を含む。いくつかの例において、一つ又は複数のマクロスコピック開口の少なくとも一つは、マクロスコピック開口領域を有し、一つ又は複数のマクロスコピック開口のマクロスコピック開口領域は、シースの表面積の20%以下を占める。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付の図面は、本開示の更なる理解を提供するものとして含まれ、本明細書中に取り入れられて一部を構成し、本開示の実施形態を例示し、その記載と共に本開示の原則を説明するのに役立つ。
【0007】
図1図1は、本開示による弛緩した外側シースを有するカテーテルの等角図を示す。
【0008】
図2A図2A~2Dは、本開示によるカテーテルアセンブリのいくつかの実施形態の、長さに沿ったある場所でとった横方向の断面を示す。
図2B図2A~2Dは、本開示によるカテーテルアセンブリのいくつかの実施形態の、長さに沿ったある場所でとった横方向の断面を示す。
図2C図2A~2Dは、本開示によるカテーテルアセンブリのいくつかの実施形態の、長さに沿ったある場所でとった横方向の断面を示す。
図2D図2A~2Dは、本開示によるカテーテルアセンブリのいくつかの実施形態の、長さに沿ったある場所でとった横方向の断面を示す。
【0009】
図3図3は、本開示による拡張した外側シースを有するカテーテルの等角図を示す。
【0010】
図4A図4A~4Cは、本開示によるカテーテルアセンブリのいくつかの実施形態の、長さに沿ったある場所でとった横方向の断面を示す。
図4B図4A~4Cは、本開示によるカテーテルアセンブリのいくつかの実施形態の、長さに沿ったある場所でとった横方向の断面を示す。
図4C図4A~4Cは、本開示によるカテーテルアセンブリのいくつかの実施形態の、長さに沿ったある場所でとった横方向の断面を示す。
【0011】
図5A図5A~5Dは、本開示によるカテーテル、ハブ、及びシースの長手方向の断面を示す。
図5B図5A~5Dは、本開示によるカテーテル、ハブ、及びシースの長手方向の断面を示す。
図5C図5A~5Dは、本開示によるカテーテル、ハブ、及びシースの長手方向の断面を示す。
図5D図5A~5Dは、本開示によるカテーテル、ハブ、及びシースの長手方向の断面を示す。
【0012】
図6図6は、本開示によるカテーテルアセンブリの使用に適用できる組織の模式図を示す。
図7図7は、本開示によるカテーテルアセンブリの使用に適用できる組織の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
いくつかの例において、本開示によるカテーテルアセンブリを使用して、体の脈管構造又は他の場所に流体を供給することができる。例えば、カテーテルアセンブリは、所望のように、対照流体、又は生理食塩水、薬剤(医薬品若しくは他の治療剤)、血液、血清、若しくは他の流体を含むあらゆる様々な流体を、体内に輸送してもよい。
【0014】
様々な例において、本明細書に記載のカテーテルアセンブリは、カテーテルに沿って加えられた更なる部品又は層を有し、体内への流体の供給を補助する。この更なる層は、カテーテルの外表面の少なくとも一部を囲んでもよい。例えば、図1に示すように、カテーテルアセンブリ100は、細長部材102(例えば、カテーテル、ガイドワイヤ、管等)と、ハブ近位側送達ポート110、ハブ遠位側送達ポート112、ハブ近位末端流体送達ポート114、及びポートを有するハブ遠位端124を有するハブ108と、カテーテル外表面103に沿った更なる層(例えば、シース104)とを有する。カテーテルは、典型的に外径及び内径を有し、それによって、カテーテルに少なくとも部分的に沿ってルーメンを有する。
【0015】
図1に示すように、カテーテルアセンブリ100は、カテーテルアセンブリ長107を画定する。また、示すように、シース104は、第一のシース長130(例えば、近位末端と遠位末端との間のシース104の全長に対応する)、及び第二のシース長120(例えば、ハブの遠位端からシース104の遠位端までのシース104の長さに対応する)を画定する。示すように、カテーテルアセンブリ長107は、ハブ近位末端ポート114とカテーテルアセンブリ遠位端116の間に延在しており、細長部材102(カテーテルを示すが、前述したように他の細長部材も考えられる)の長手方向に沿って、ハブ近位末端ポート114とカテーテルアセンブリ遠位末端116の間を測定する。また、示すように、第一のシース長130は、カテーテル102の長手方向に沿って、シース近位端132とシース遠位端118との間に延在する。シース104の近位末端132は、所望のように、ハブ長126に沿って任意の場所まで延在してもよい。示すように、第二のシース長120は、ハブ遠位端124とシース遠位端118との間で画定される。シース104は、所望のように、カテーテル102の長さ部分に沿って(例えば、カテーテル外表面103に沿って)延在してもよく、所望のように、ハブ108の少なくとも一部に沿って(例えば、ハブ外表面109に沿って)延在してもよい。
【0016】
細長部材102とシース104との間の所望の一つ又は複数の接続箇所、カテーテルアセンブリ長107、カテーテル有効長106、第一のシース長130、及び第二のシース長120は用途ごとに変化することがあり、したがって、シースオフセット長121を変化させてもよい。例えば、カテーテルアセンブリ長107は、40cm(他の場合には、カテーテルアセンブリ長は50cm以上、60cm以上、又は70cm以上)であってもよい。例えば、シースオフセット長121は、10cmでもよい。他の場合には、シースオフセット長121は、8cm以下、6cm以下、又は4cm以下でもよい。TIPS(経頸静脈肝内門脈体循環シャント)用途において、10cmのシースオフセット長121は、典型的な組織にとって有用であることがある。ハブ長126は、ハブ近位末端ポート114とハブ遠位端124との間に延在する。
【0017】
シース104及びシース開口122は関連した表面積を有する。シース開口122は、様々な面積を包含し、したがって、シース104の合計表面積との様々な比率を包含することができる。例えば、シース開口122の表面積は、シース104の合計表面積の約20%を占める。他の場合には、シース開口は、18%、16%、14%、12%、10%、5%、1%、又は1%未満さえ占めてもよい。面積の算出は、図1に示すように、カテーテルアセンブリが非加圧状態にあるときに行う。シース開口面積及びシース面積は、標準的な公知の面積算出技術を使用して測定することができる。通常の臨床操作圧力の下で流体がシリンジによって開口を通過することができる場合、シース開口はマクロスコピックであるとみなす。
【0018】
いくつかの例(例えば、図1、3、5A、5B、及び5Cに示す)において、シース104は、マクロスコピックなシース開口122の少なくとも一つに対して遠位の場所で、カテーテル102に円周方向に取り付けられる。示すように、シース104は、カテーテルアセンブリ100の他の部分(例えば、カテーテル102の途中、カテーテル102の遠位端、又はカテーテル102に沿った所望の他の場所)にも、シース104の反対側の末端で円周方向に取り付けられる。
【0019】
シースは、様々な態様でカテーテルを取り囲むことができる。例えば、図2Aのカテーテルアセンブリ100の横方向の断面128に示すように、シース104は、カテーテル102をよりきつく取り囲んでもよい。シース内面200は、カテーテル外表面103と全体的に接触し、それによって、著しいボイド又はシースポケット204を有しなくてもよい(例えば、図2Bのカテーテルアセンブリ100の横方向の断面128)。代替として、図2Bに示すように、シース104は、カテーテル102に沿ってより緩く適合していてもよい。シース内面200は、カテーテル外表面103に部分的に接触し、それによって、カテーテル外表面103に沿っmてシースポケット204を形成してもよい。シースポケット204はより局所化し、シース開口122とハブ遠位流体送達ポート112との間に連続的チャネルを形成しない傾向がある。これらの例の各々において、シース104は弛緩形態にある(すなわち、外部的に供給される力、例えばシリンジによって加圧されていない)。図2C及び2D(また、図4Cを参照)のカテーテルアセンブリ100の横方向の断面300に示すように、外圧装置(例えば、シリンジ)によって供給される外部的供給力によって(例えば、チャネルの内部流体圧を生じ)、シース104をその後拡張して、一つ又は複数の流路400及び401を形成してもよい。
【0020】
いくつかの例において、シース104は、内圧によって膨張し、内圧の除去に応じて弾性的に回復するよう構成される。更に又は代替的に、内部加圧に応じてシース104の緩い部分が加圧形態へと拡張することができ、そして、内部加圧の除去に応じてシース104の緩い部分が弛緩形態へと戻るように、シース104は、カテーテル102周りに緩く適合することができる。シース104は、フルオロポリマー材料、例えば延伸PTFE(「ePTFE」)、又は他の材料、例えばシリコーン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート等で任意に成形されている。いくつかの例において、シース104は、一つ又は複数の弾性層又は部品、例えば別々のエラストマー層(例えば、シリコーン層、又はポリウレタン層)、又は層内のエラストマー成分(例えば、ePTFE層上へ被覆された、又はその中に吸収されたシリコーン)を含む。
【0021】
いくつかの例において、カテーテルアセンブリ100、特にシース104は、第一の弛緩形態外周と、第一の弛緩形態外周より大きい第二の加圧形態外周とを有する。例えば、図2C図2D、及び図4Cに示すように、加圧形態のシース外表面105に沿った長さ(例えば、外周)は、非加圧形態のシース外表面105に沿った長さ(例えば、外周)より大きい。いくつかの例において、シース104は、内部流体圧の適用に応じて加圧形態へと移行する。圧力(例えば、内部流体圧)を解放したあと、シースはその元の非加圧形態へと戻る。すでに言及したように、対照液、生理食塩水、薬剤、血液、血清、又は他の流体を含むあらゆる様々な流体を加圧のために用いてもよい。
【0022】
様々な実施形態において、シースを(例えば、内部流体圧で)加圧すると、シースは静止形態から加圧形態へと移行してもよい。(図2A、2B、及び図4A、4Bに示すように)カテーテルアセンブリ100の横方向の断面128は、カテーテル102に対して弛緩した静止状態のシース104を示す。シースが、2つのサイドハブポート(例えば、図5Aで示す112)の少なくとも一つを通して加圧されると、図2C、2D、及び図3に示すような様々な加圧ステージで示すように、シース104は、カテーテル102から離れて、より加圧された非弛緩形態へと動く。例えば、図2Cのカテーテルアセンブリ100の横方向の断面300で示すように、カテーテル102からシース104を離して一つ又は複数の部分的流路401を形成してもよく、このとき、ハブポート(例えば、ハブ遠位流体送達ポート112)からシース開口122まで連続的空間が形成する。カテーテルアセンブリが加圧形態にあるとき、図2Dのカテーテルアセンブリ100の横方向の断面300に示すように、一つ又は複数の部分的流路401は、シース全体の流路400へと移行してもよい。
シース全体の流路400は、流体がシース内面200の全体を接触表面(例えば、カテーテル外表面103又はハブ外表面109)から完全に離して圧迫し、ハブポート(例えば、ハブ遠位流体送達ポート112)及びシース開口122から連続的な空間を形成するときに形成する。代替として、一つ又は複数の部分的流路401が形成して(図2C)、(図2Dに示すような)シース全体の流路400に移行しなくてもよい。例えば、カテーテル外表面103に対してシース104の部分を選択的に保持することによる(例えば、図2Cに示すように、所望の一つ又は複数の接続箇所402で、カテーテル102に対してシース104の複数の部分を仮止め(tacking down)又は接着することによる)。一つ又は複数の接続箇所402は、カテーテル外表面103に対してシース104の部分を取り付け、圧縮し、又は保持する(または、いくつかの他の様式)。
【0023】
カテーテルアセンブリは、複数の流路を有してもよい。図2Dの例で示すように、カテーテルアセンブリ100は、(図1に示すように)流体送達ポート110に関連する第一の流路(例えば、カテーテルルーメン119)、並びに(図1に示すように)流体送達ポート112に関連する第二の流路を有してもよい(例えば、400及び401)。流路の一方又は両方は、例えば、加圧流体を受容し及び運搬するよう構成される。
【0024】
様々な方法でシースをカテーテルに取り付けてもよい。例えば、シース104は、一つ又は複数の接続箇所402で取り付けられていてもよい。いくつかの例において、シース104は、図1及び図3に示すようにシース遠位端118で、接続箇所402Dで取り付けられるが、しかしながら、更に又は代替として、中間又は近位の場所が考えられる。図1及び図3に示すように、カテーテル有効長106に沿ったある場所において、一つ又は複数の接続箇所402は、カテーテル102の外周の周り全体にあってもよい。代替として、一つ又は複数の接続箇所402は、カテーテル102に対して完全に封止されていなくてもよい(例えば、シース遠位端118において、カテーテル102に対して封止されていなくてもよい。)接続箇所402Dがカテーテルに対して完全には封止されないいくつかの例において、シース104は、いくらかの流体がシース104に沿って進み、シース遠位端118を通過して出ることを可能にし、場合によっては、シース開口122を通って出て、かつシース遠位端118を通過することを可能にする。一つ又は複数の接続箇所402は、シース104の中に圧力を構築するのを助け、流体が注入されたときシースが拡張することを可能にしてもよい。一つ又は複数の接続箇所402もまた、シース104をカテーテル102に沿った固定位置に保持することを助けてもよい。
【0025】
シース104は、カテーテル102に結合して(取り囲んで)もよいが、しかしながら、図4A及び図4Bに示すように、所定の横方向断面128についてカテーテル外表面103の周りの一部のみでもよい。これは、カテーテル102を完全に取り囲むシースよりも薄型の輪郭を保つことを助けつつ、カテーテル102及びシース104に沿った流路、並びにカテーテル102に沿った固定位置に出口シース開口122を形成することを更に可能にしてもよい。図4Cは、カテーテル102を部分的に取り囲み、(例えば、外部圧力源によって加圧された後に)シース全体の流路400を有するシース104を示す。
【0026】
図5A及び5Bは、本明細書による、ハブ108、カテーテル102、及びシース104の、長手方向拡大断面図を示す(図5Bは、図5Aの拡大された一部を記載している)。ハブ108は、ハブ遠位送達ポート112及びハブ近位送達ポート110を含む、複数の流体送達ポート(図1、5A及び5Bに示す、第一及び第二のサイドポート)を有し、それぞれ、一つ又は複数の場所に流体を(例えば、カテーテル102の長さに沿った2つの別々の第一及び第二の場所に、対照液又は他の流体を)供給するよう用いることができる。流体は、ハブ遠位流体送達ポート112を通してハブ流体空間500内へと注入してもよい。一つの例では、図5A及び図5Bに示すように、ハブ流体空間500は、(例えば、ハブ流体空間長127に対して直角にとった横方向断面において)トロイダル形状である。図5Aに示すように、ハブ流体空間500は、ハブ流体空間長127に沿って変化してもよい(又は代替的に、ハブ流体空間長127に沿って一定の寸法を有していてもよい)。トロイダル形状は、流体がシース内面200をより容易に満たすことを可能にすることによって、流体がシース104を環状の態様でより容易に拡張させることを可能にしてもよい。流体空間500は、他の構成、例えばハブ流体空間長127に沿って、並びにシース104及びカテーテル102に沿って流体を旋条に回転させる(rifle)又はスピンさせる(spin)突出を有してもよい。他の例において、ハブ流体空間500は、環状でないチャネル又はルーメンでもよい。
【0027】
シース104は、様々な方法でハブ108に取り付けてもよい。一つの例では、図5Aに示すように、シース104はハブ外表面109を取り囲む。シース104は一つ又は複数の接続箇所402、例えば近位接続箇所402Pにおいて、ハブ外表面109及びシース内面200に沿って取り付けられ、したがって、流体はシース104とハブ外表面109との間から漏れないであろう。
【0028】
他の例において、シース104はハブ流体空間500に沿って封止される。図5Cに示すように、シース外表面105は、ハブ流体空間内面502に沿って封止される。
【0029】
更に他の例において、複数のシース(例えば、複数の同軸のシース)がハブ108に取り付けられ、複数の流体空間を形成する。例えば、図5Dは、カテーテル102を取り囲むシース104と、シース104及びカテーテル102を同軸状に取り囲んで複数のシース流路を形成しているシース104Dとを示す。ハブ108は、二つ以上の流体空間、例えば流体空間500及び流体空間500Dを画定する。流体空間500及び500Dのそれぞれは、ハブ108の流体口(図示せず)と連通している。示すように、シース外表面105は、ハブ流体空間内面502に沿って封止され、そして、シース外表面105Dは、ハブ流体空間内面502Dに沿って封止されている。様々な例において、シース104及び104Dは、シース内面200とカテーテル外表面103との間、及びシース内面200Dとシース外表面105との間に画定される流路を通して流体を供給するよう構成されている。シース104及び104Dの長さは異なってもよく、所望のように異なる遠位開口部及び/又はマクロスコピック開口を有してもよい。さらに、シース104Dは、所望の一つ又は複数の接続箇所でシース104に任意に固定される。
【0030】
図6は、肝臓の近くの静脈組織の一般化された模式図である。図6は、門脈602と肝静脈604との間の肝臓605の柔路(parenchymal tract)600を一般に示す。説明の簡略化のため、全ての解剖学的構成は、一定の比率であるわけではなく、又は表されているわけではない(例えば大静脈)が、しかしながら、そのような解剖学的構成は、(例えば、経頸静脈肝内門脈体循環シャント(TIPS)処置に関連する)柔路を形成する方法であるとしてよく理解されている。いくつかの医療処置、例えば、経頸静脈肝内門脈体循環シャント(TIPS)処置において、肝臓柔路600(図6)を形成した後、カテーテルアセンブリ100を、脈管構造及び管600内に挿入して、管600及び管の長さを視覚化し、管600を支持するのにどれほどの長さの体内プロテーゼを必要とするかを決定するために利用してもよい。カテーテルアセンブリ100は、門脈602と肝静脈604との間の肝臓605の管600内に置かれる。シース開口122は肝静脈604内に位置することができ、そして、カテーテルアセンブリ遠位端116は門脈602に位置することができ、図1に示すように、流体がポート(図1に示す112及び110)を通して注入され、カテーテルルーメン119(流路として使われることがある)を介して、シース開口122及びカテーテルアセンブリ遠位端116を出ることを可能にすることができる。矢印606によって示すように、流体は血流に続くことができる。流体は、カテーテルアセンブリ100の長さに沿って2つの異なる場所で同時に注入され、肝静脈604及び門脈602を同時に視覚化することができる。代替として、流体は、異なる時間で注入することができる。
【0031】
様々な例において、カテーテルアセンブリ100は、他の部品を取り入れてもよい。例えば、カテーテルアセンブリ100は、体内プロテーゼを取り入れてもよい。体内プロテーゼは、シース遠位端118と細長管状部材遠位端(例えば、カテーテルアセンブリ遠位端116)との間の、細長管状部材(例えば、カテーテル軸102、又はおそらくバルーンカテーテル軸)に沿って位置してもよい。これは、様々な点で有利であることがある。例えば、ユーザは、医療処置の間、体内プロテーゼを移植する前に、カテーテルアセンブリ100を交換する必要がないことを可能にしてもよい。
【0032】
他の医療処置、例えば、カテーテルが管に付着することができる程度に十分な時間、カテーテルが脈管構造(動脈又は静脈)の中に残る処置においても、本開示に記載されているカテーテルアセンブリは有用であろうことが分かった。例えば、TAMBE(胸腹部モジュール式分岐体内プロテーゼ)処置において、(図7に示すような)カテーテルアセンブリ100は、処置の間、接着性の管700(例えば、腸骨動脈)、又は接続箇所702に、望ましくなく付着する可能性がある。
【0033】
本明細書によるカテーテルアセンブリ100は、医師又はユーザが、シース104に流体を注入し、シース開口122及びカテーテルアセンブリ遠位端116から出し、(例えば、一つ若しくは複数の潜在的な付着箇所を予防的に湿潤させることによって、又は潜在的な付着箇所の上流の一つ若しくは複数の場所を予防的に湿潤させることによって)脈管壁への付着を防止することを助けることを可能にする。湿潤は、管組織を湿潤させてもよく、及び/又は(例えば、カテーテルアセンブリの一つ又は複数の部品が、親水性被覆を含む所、例えば親水性カテーテル軸で)カテーテルアセンブリを湿潤させてもよい。
【0034】
更に又は代替的に、カテーテルアセンブリ100を用いて、シース104及び/又はカテーテル102が付着する付着箇所702において、管(例えば、腸骨動脈)からカテーテルアセンブリ100を解放することを補助してもよい。再湿潤は、管組織を湿潤させてもよく、及び/又は(例えば、カテーテルアセンブリの一つ又は複数の部品が親水性被覆を含む所、例えば親水性カテーテル軸で)カテーテルアセンブリを再湿潤してもよい。注入された流体は、再湿潤のために付着箇所のすぐ近くに分配されてもよく、又は矢印606によって示されるように血流に続くことができる。
【0035】
処置において、第二のカテーテルアセンブリ101は、図7に示すように接続箇所702で取り付けられていてもよい。注入された流体は、一つ又は複数の付着箇所702からカテーテルアセンブリ101を解放することを補助してもよい。また、図7に示すように、カテーテルアセンブリ100は、イメージングの目的のために、同じTAMBE処置で使用することができる。シース104のシース開口122は、移植末端(例えば、体内プロテーゼ末端708)の片側付近に位置してもよく、カテーテルアセンブリ遠位端116は、移植末端の反対側(例えば、体内プロテーゼ末端710)の付近に位置してもよい。すでに言及したように、カテーテルアセンブリ100を用いた送達のため、対照液、生理食塩水、薬剤、血液、血清、又は他の流体を含むあらゆる様々な流体が考えられる。
【0036】
様々な例において、シース104を利用して、シース内面200とカテーテル外表面103との間に流体を供給することができる。一つの例では、流体送達ポート(112及び110)の一つを経てシースに対照液を注入することができるが、しかしながら、生理食塩水、薬剤、血液、血清、又は他の流体を含むあらゆる様々な流体もまた考えられる。ポート(112及び110)の一つを通して流体が押され、ハブ流体空間長127に沿って、並びにシース流路400及び401(例えば、部分的流路、又は完全流路)を形成しているシース104に沿って、内部流体圧を生じ、シース104が弛緩又は静止状態(例えば、直径)と完全又は加圧状態(例えば、直径)との間で(例えば、図2C、2D、4Cに示すように直径において)拡大する。流体は、流体送達ポート(112及び110)の一つとシース開口122との間で、カテーテルアセンブリ100に沿って流れてもよく、流体がシース遠位端118の近くのシース開口122を出ることができるまで、カテーテル外表面103とシース内面200との間にシース流路400及び401を形成する。流体は、更に又は代替的に、カテーテルアセンブリ100に沿って流れ、カテーテルルーメン119を介してカテーテルアセンブリ遠位端116を出てもよい。いくつかの例において、シースは、内部流体圧の適用に応じて加圧形態に移行し、内部流体圧が解放されたとき、弛緩形態へと戻り、加圧形態から離れる。流体圧が解放されると、(例えば、流体がシース開口122を出ると)、シース104はより弛緩した状態へと収縮することができる。シース開口122は、シース外表面105とシース内面200との間、したがって、シース壁の中にあってもよい。代替として、図2Cで示す部分的流路401と同様に、シース104は、シース遠位端118に形成された開口部を有してもよい。
【0037】
本開示によるカテーテルアセンブリは、様々な方法で製造することができる。一つの方法は、以下のとおりである。外径4.25mmのステンレス鋼マンドレルを得て、膨張性ePTFEフィルム(例えば、コバック等の米国特許出願番号第2013/0184807号明細書に教示されているエラストマーを有するePTFEフィルム)を得た。外部ソースによって加圧されたときに流体空間が形成することを可能にするために、ePTFEフィルムは、長手方向、すなわちマンドレルの長さに沿った強度を有すべきであり、そして、マンドレルに対して円周方向に膨張性であるべきである。約4枚のePTFEフィルムの層を、マンドレルの長軸と平行に配向したフィルムの重複端を有する煙草包みの態様で、マンドレルの外周の周りに巻回した。
【0038】
ePTFEフィルムをマンドレル上へ巻回した後、自由端を局所的熱源(ウェラーはんだ付け機(Weller Soldering machine)、アペックスツールグループ(Apex Tool Group)、アペックス、NC 27539、米国)で仮止めした。ePTFEフィルムを、300℃で10分間、熱源(例えば、対流式オーブン、グリーヴスモデルNT-1000、グリーヴ社、レウンドレイク、イリノイ60073-2898、米国)でマンドレル上に熱処理した。ePTFEフィルムを有するマンドレルを、熱源から除去し、空冷させた。マンドレルからePTFE管状シースをスライドさせることによって、ePTFEフィルム(ここではePTFE管状シース)をマンドレルから除去した。250℃で約1分間加熱された縫い針を用いて、加熱された縫い針でePTFEシースを突き通すことによって、シース開口を形成した(開口を形成する他の方法又は道具を用いてもよい)。
【0039】
カテーテルとして使用される、3.33mm(すなわち、10フレンチ)の内部ルーメン、及び(図5Aに示すような)二つのポートハブを有する、外径4mmのポリマー管を得た。UV硬化接着剤で、ハブをポリマー管に接着した(ハブをカテーテルに接着する他の公知の方法を用いてもよい)。ハブをポリマー管上へオーバーモールドした後、ポリマー管は318mmの有効長を有した。ePTFEシース(シース)をカテーテル(すなわち、ポリマー管)に沿って引き、接着剤(例えば、シアノアクリレート)でハブに取り付けた。ePTFEシースが、シースの末端からハブの遠位端まで測定される所望の長さ(293mm)を有するように、シースの開口の約5mm遠位でシースをトリミングした。シースを、トリミングした場所で、接着剤(例えば、シアノアクリレート)でカテーテルに取り付けた。このようにして、シースに沿って(例えば、直径に沿って)拡大して、流体空間を形成することができる薄型固定長シースと;注入ポートを有するカテーテルであって、注入ポートの少なくとも一つがシースと協働する、カテーテルと、を有する、カテーテルアセンブリを作製した。
【0040】
上記に記載の及び以下の請求項に記載の教示に加えて、上記に記載の及び以下の請求項に記載の構成の異なる組合せを有する装置及び/又は方法が考えられる。このように、記載は、以下に請求される従属的な特徴の任意の他の可能な組み合わせを有する他の装置及び/又は方法もまた対象とする。
【0041】
以上の記載において、装置及び/又は方法の構造及び機能の詳細と共に様々な代替を含む、多くの特徴及び利点を説明した。本開示は説明のみを意図し、したがって網羅的であることを意図しない。特に、添付の特許請求の範囲が表される用語の幅広く一般的な意味によって示される最大限度において本発明の原理の範囲内の組合せを含む、構造、材料、部材、部品、形状、径、及び部品の配置の事項に様々な変形をしてもよいことは当業者にとって明らかである。これらの様々な変形は、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲から逸脱しない程度において含まれることを意図する。以下、本発明の実施形態の例を列記する。
[1]
長さを有するカテーテルアセンブリであって、前記カテーテルアセンブリは:
第一の流路を有する細長部材と;
前記細長部材に沿った、選択的に前記細長部材に取り付けられたシースであって、前記シースは、第一の弛緩形態、及び第二の加圧形態を有し、前記細長部材と協働して第二の流路を形成している、シースと;
前記細長部材の長さに沿って、流体を前記第一の流路を通して第一の場所に供給するよう適合された前記第一の流路と連通した、第一の送達ポートと;
前記細長部材の長さに沿って、流体を前記第二の流路を通して第二の場所に供給するよう適合された前記第二の流路と連通した、第二の送達ポートと
を含む、カテーテルアセンブリ。
[2]
前記シースは、前記第一の送達ポート及び前記第二の送達ポートを含むハブに取り付けられている、項目1に記載のカテーテルアセンブリ。
[3]
前記細長部材はハブに取り付けられている、項目1又は2に記載のカテーテルアセンブリ。
[4]
前記シースは遠位端を更に含み、前記シースは、前記シースの前記遠位端の近くで前記細長部材に取り付けられている、項目1~3のいずれか一項に記載のカテーテルアセンブリ。
[5]
前記シースは、前記細長部材の長さに沿った部分の周り全体に取り付けられている、項目1~4のいずれか一項に記載のカテーテルアセンブリ。
[6]
前記第一の弛緩形態は、前記シースの周りの外周を有し、前記第二の加圧形態は、前記シースの周りの外周を有し、前記シースの周りの前記第二の加圧形態の外周は、前記シースの周りの前記第一の弛緩形態の外周より大きい、項目1~5のいずれか一項に記載のカテーテルアセンブリ。
[7]
前記シースは、内部流体圧の適用に応じて前記加圧形態へと移行し、前記内部流体圧が解放されたとき、前記弛緩形態へと戻り前記加圧形態から離れる、項目1~6のいずれか一項に記載のカテーテルアセンブリ。
[8]
体内プロテーゼを更に含む、項目1~7のいずれか一項に記載のカテーテルアセンブリ。
[9]
前記細長部材は前記カテーテルの軸である、項目1~8のいずれか一項に記載のカテーテルアセンブリ。
[10]
前記カテーテルアセンブリは、身体導管の生物学的組織を湿潤させるよう構成されている、項目1~9のいずれか一項に記載のカテーテルアセンブリ。
[11]
外表面、第一の末端及び第二の末端、前記第一の末端と前記第二の末端との間に延在する長さ、並びに前記細長部材に沿って延在するルーメンを有する、細長部材と;
前記細長部材の少なくとも一部の長さを取り囲む、シースと;
を含む、カテーテルアセンブリであって、
前記シースは、壁厚、外表面積、第一の弛緩形態、及び前記シース内への内部流体圧の適用に応じた第二の加圧形態を含み;
前記シースは、少なくとも一つのマクロスコピックなシース開口に対して遠位の場所で、前記細長部材に円周方向に取り付けられており、前記シースは、前記シースの反対側の末端において、カテーテルアセンブリの他の部分に円周方向に取り付けられており、前記シースが前記第二の加圧形態にあるとき、前記シースは前記細長部材と協働してチャネルを形成し;
前記少なくとも一つのマクロスコピック開口は、前記シースの表面積の20%以下を占めるマクロスコピック開口領域を有する、
カテーテルアセンブリ。
[12]
前記内部流体圧が解放されたとき、前記シースは前記弛緩形態へと戻り前記加圧形態から離れる、項目11に記載のカテーテルアセンブリ。
[13]
複数の前記マクロスコピック開口が、前記シースの遠位端付近の場所に沿って集まっている、項目11又は12に記載のカテーテルアセンブリ。
[14]
医療処置であって:
体の脈管構造にカテーテルアセンブリの細長部材を供給することであって、前記細長部材は、外表面、第一の末端及び第二の末端、前記第一の末端と前記第二の末端の間に延在する長さ、並びに前記細長部材に沿って延在するルーメンを有し、前記カテーテルアセンブリは、前記細長部材の少なくとも一部の長さを取り囲むシースを含み、前記シースは、壁厚、外表面積、第一の弛緩形態、及び前記シース内への内部流体圧の適用に応じた第二の加圧形態を含み、前記シースは、少なくとも一つのマクロスコピックなシース開口に対して遠位の場所で前記細長部材に円周方向に取り付けられており、かつ、前記シースの反対側の末端でカテーテルアセンブリの他の部分に取り付けられており、前記シースが前記第二の加圧形態にあるとき、前記シースは前記細長部材と協働してチャネルを形成する、ことと;
少なくとも一つの前記シース開口から前記脈管構造内へと前記流体が供給されるように、流体によって前記チャネルを加圧して、前記シースを前記第一の弛緩形態から前記第二の加圧形態へと変化させることと、
を含む、医療処置。
[15]
前記流体が対照物である、項目14に記載の医療処置。
[16]
前記流体は、生理食塩水、血液、血清、及び薬剤の一つ又は複数を含む、項目14に記載の医療処置。
[17]
少なくとも一つの前記シース開口から前記脈管構造へと供給される前記流体を用いて、前記脈管構造又は前記カテーテルアセンブリを湿潤させ、前記脈管構造から前記カテーテルアセンブリを除去することを促進する、項目14に記載の医療処置。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7