(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】プロトコルパケットの処理
(51)【国際特許分類】
H04L 45/24 20220101AFI20230220BHJP
【FI】
H04L45/24
(21)【出願番号】P 2021532217
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(86)【国際出願番号】 CN2019125962
(87)【国際公開番号】W WO2020125624
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-06-07
(31)【優先権主張番号】201811551764.4
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518056748
【氏名又は名称】新華三技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】NEW H3C TECHNOLOGIES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】繆 ▲シン▼
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-183873(JP,A)
【文献】特表2015-515809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロトコルパケット処理方法であって、
前記プロトコルパケット処理方法は、分散型集約(DR)システム中の第1のメンバーデバイスによって実行され、前記DRシステムは、第2のメンバーデバイスをさらに備え、
前記プロトコルパケット処理方法は、
前記第1のメンバーデバイスが第1のDRインターフェースを介して第1のプロトコルパケット
を受信
した場合、
前記第1のメンバーデバイスが前記第1のDRインターフェースおよび前記第1のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行することと、
前記第1のメンバーデバイスが前記第1のDRインターフェースのインターフェース識別子および前記第1のプロトコルパケットを含む第1のタイプのパケットを前記第2のメンバーデバイスに送信することによって、前記第2のメンバーデバイスが、前記インターフェース識別子に対応する第2のDRインターフェースから前記第1のプロトコルパケットが受信されたことを確定し、前記第2のDRインターフェースおよび前記第1のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行するようにすることと
、
一方、前記第1のメンバーデバイスが非DRインターフェースを介して第2のプロトコルパケットを受信した場合、前記第1のメンバーデバイスが前記非DRインターフェースおよび前記第2のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行し、前記第2のプロトコルパケットのプロトコルタイプを確定することと、
前記プロトコルタイプがテーブルエントリ非関連プロトコルタイプである場合、前記第1のメンバーデバイスが前記第2のプロトコルパケットを前記第2のメンバーデバイスに送信することによって、前記第2のメンバーデバイスが、前記第2のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行するようにすることと、
を含
み、
前記第1のメンバーデバイスが前記第2のプロトコルパケットを前記第2のメンバーデバイスに送信することによって、前記第2のメンバーデバイスが、前記第2のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行するようにすることは、
前記第1のメンバーデバイスが前記非DRインターフェースのインターフェース識別子および前記第2のプロトコルパケットを含む第2のタイプのパケットを第2のメンバーデバイスに送信することによって、前記第2のメンバーデバイスが、前記第1のメンバーデバイスにおける前記非DRインターフェースのインターフェース識別子に対応する非DRインターフェースおよび前記第2のプロトコルパケットに基づいて前記プロトコル処理を実行するようにすることを含む、
ことを特徴するプロトコルパケット処理方法。
【請求項2】
内部制御リンクポートを介して前記第2のメンバーデバイスが送信した第1のスパニングツリープロトコル(STP)プロトコルパケットが受信されると、前記第1のSTPプロトコルパケットに基づいて前記第1のメンバーデバイスのSTPロールを確定することと、
前記STPロールがマスターロールであると確定されると、前記第1のDRインターフェースを介して前記第1のメンバーデバイスのメディアアクセス制御(MAC)アドレスを含む第2のSTPプロトコルパケットを外部デバイスに送信することによって、前記外部デバイスが、前記第2のSTPプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行するようにすることと、をさらに含む
ことを特徴する請求項1に記載のプロトコルパケット処理方法。
【請求項3】
前記内部制御リンクポートを介して前記第2のメンバーデバイスが送信した第1のSTPプロトコルパケットが受信されると、前記第1のSTPプロトコルパケットおよび前記内部制御リンクポートを利用してプロトコル処理を実行することを禁止する
ことを特徴する請求項
2に記載のプロトコルパケット処理方法。
【請求項4】
前記STPロールがバックアップロールであると確定されると、前記第1のDRインターフェースを介して外部デバイスに第2のSTPプロトコルパケットを送信することを禁止する
ことを特徴する請求項
2に記載のプロトコルパケット処理方法。
【請求項5】
前記第1のSTPプロトコルパケットは、前記第2のメンバーデバイスの優先度を含み、
前記第1のSTPプロトコルパケットに基づいて前記第1のメンバーデバイスのSTPロールを確定することは、
前記第1のメンバーデバイスの優先度および前記第2のメンバーデバイスの優先度に基づいて、前記第1のメンバーデバイスのSTPロールを確定することを含む
ことを特徴する請求項
2乃至
4の中のいずれか1項に記載のプロトコルパケット処理方法。
【請求項6】
プロトコルパケット処理装置であって、
前記プロトコルパケット処理装置は、分散型集約(DR)システム中の第1のメンバーデバイスに適用され、前記DRシステムは、第2のメンバーデバイスをさらに備え、
前記プロトコルパケット処理装置は、
第1のDRインターフェースを介して第1のプロトコルパケット
を受信
した場合、前記第1のDRインターフェースおよび前記第1のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行するための処理モジュールと、
前記第1のDRインターフェースのインターフェース識別子および前記第1のプロトコルパケットを含む第1のタイプのパケットを前記第2のメンバーデバイスに送信することによって、前記第2のメンバーデバイスが、前記インターフェース識別子に対応する第2のDRインターフェースから前記第1のプロトコルパケットが受信されたことを確定し、前記第2のDRインターフェースおよび前記第1のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行するようにするための送信モジュールと、を備え
、
前記処理モジュールは、非DRインターフェースを介して第2のプロトコルパケットを受信した場合、前記非DRインターフェースおよび前記第2のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行し、前記第2のプロトコルパケットのプロトコルタイプを確定し、
前記送信モジュールは、前記プロトコルタイプがテーブルエントリ非関連プロトコルタイプである場合、前記非DRインターフェースのインターフェース識別子および前記第2のプロトコルパケットを含む第2のタイプのパケットを前記第2のメンバーデバイスに送信することによって、前記第2のメンバーデバイスが、前記第1のメンバーデバイスにおける前記非DRインターフェースのインターフェース識別子に対応する非DRインターフェースおよび前記第2のプロトコルパケットに基づいて前記プロトコル処理を実行するようにする、
ことを特徴するプロトコルパケット処理装置。
【請求項7】
前記処理モジュールは、さらに、内部制御リンクポートを介して前記第2のメンバーデバイスが送信した第1のスパニングツリープロトコル(STP)プロトコルパケットが受信されると、前記第1のSTPプロトコルパケットに基づいて前記第1のメンバーデバイスのSTPロールを確定し、
前記送信モジュールは、さらに、前記STPロールがマスターロールであると確定されると、前記第1のDRインターフェースを介して前記第1のメンバーデバイスのメディアアクセス制御(MAC)アドレスを含む第2のSTPプロトコルパケットを外部デバイスに送信することによって、前記外部デバイスが、前記第2のSTPプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行するようにする
ことを特徴する請求項
6に記載のプロトコルパケット処理装置。
【請求項8】
前記処理モジュールは、さらに、前記内部制御リンクポートを介して前記第2のメンバーデバイスが送信した第1のSTPプロトコルパケットが受信されると、前記第1のSTPプロトコルパケットおよび前記内部制御リンクポートを利用してプロトコル処理を実行することを禁止する
ことを特徴する請求項
7に記載のプロトコルパケット処理装置。
【請求項9】
前記処理モジュールは、さらに、前記STPロールがバックアップロールであると確定されると、前記第1のDRインターフェースを介して外部デバイスに第2のSTPプロトコルパケットを送信することを禁止する
ことを特徴する請求項
7に記載のプロトコルパケット処理装置。
【請求項10】
前記第1のSTPプロトコルパケットは、前記第2のメンバーデバイスの優先度を含み、
前記処理モジュールは、前記第1のメンバーデバイスの優先度および前記第2のメンバーデバイスの優先度に基づいて、前記第1のメンバーデバイスのSTPロールを確定する
ことを特徴する請求項
7乃至
9の中のいずれか1項に記載のプロトコルパケット処理装置。
【請求項11】
DRシステム中のメンバーデバイスであって、
前記メンバーデバイスは、
プロセッサと、
機械可読記録媒体と、を備え、
前記機械可読記録媒体には、プロトコルパケット処理命令が記録されており、
前記プロトコルパケット処理命令が前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサが、
第1のDRインターフェースを介して第1のプロトコルパケット
を受信
した場合、前記第1のDRインターフェースおよび前記第1のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行することと、
前記第1のDRインターフェースのインターフェース識別子および前記第1のプロトコルパケットを含む第1のタイプのパケットを前記DRシステム中の
他のメンバーデバイスに送信することによって、
他の前記メンバーデバイスが、前記インターフェース識別子に対応する第2のDRインターフェースから前記第1のプロトコルパケットが受信されたことを確定し、前記第2のDRインターフェースおよび前記第1のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行するようにすることと
、
一方、非DRインターフェースを介して第2のプロトコルパケットを受信した場合、前記非DRインターフェースおよび前記第2のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行し、前記第2のプロトコルパケットのプロトコルタイプを確定することと、
前記プロトコルタイプがテーブルエントリ非関連プロトコルタイプである場合、前記非DRインターフェースのインターフェース識別子および前記第2のプロトコルパケットを含む第2のタイプのパケットを他の前記メンバーデバイスに送信することによって、他の前記メンバーデバイスが、前記メンバーデバイスにおける前記非DRインターフェースのインターフェース識別子に対応する非DRインターフェースおよび前記第2のプロトコルパケットに基づいて前記プロトコル処理を実行するようにすることと、
を実行するようにする
ことを特徴するDRシステム中のメンバーデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
分散レジリエントネットワーク相互接続(Distributed Resilient Network Interconnect、DRNI)は、複数のネットワークデバイスを仮想的に1つのネットワークデバイスに集約することができるクロスデバイスリンクアグリゲーション技術であり、当該技術を利用して、クロスデバイスリンクアグリゲーションを実装し、デバイスレベルの冗長保護およびトラフィック負荷分散を提供する。たとえば、ネットワークデバイスAとネットワークデバイスBとを分散型集約(Distributed Relay、DR)システムに集約し、DRシステムは1つのネットワークデバイスとして外部に現われている。このようにして、ネットワークデバイスAとネットワークデバイスBとの間で負荷分散を形成し、トラフィックを共同で転送することができる。さらに、1つのネットワークデバイスに障害が発生された場合、トラフィックをもう1つのネットワークデバイスにすばやく切り替えることができ、サービスの通常の運行が保証され、サービスが中断されることがない。
【0002】
クロスデバイスリンクアグリゲーションを実装するために、ネットワークデバイスAとネットワークデバイスBとの間でデータを互いに同期させる必要がある。たとえば、ネットワークデバイスAは、アドレス解析プロトコル(Address Resolution Protocol、ARP)データをネットワークデバイスBに同期させることができる。従来の方法では、ネットワークデバイスAは、プライベートメッセージを利用してARPデータをネットワークデバイスBに同期させることができる。たとえば、当該プライベートメッセージは、メディアアクセス制御(Media Access Control、MAC)アドレス、インターネットプロトコル(Internet Protocol、IP)アドレス、出力ポートインターフェイス情報などが含むことができる。ネットワークデバイスBは、当該プライベートメッセージを受信した後に、当該プライベートメッセージから、MACアドレス、IPアドレス、出力ポートインターフェイス情報などを解析することができる。
【0003】
しかしながら、ネットワークデバイスAのバージョンをアップグレードしたが、ネットワークデバイスBのバージョンをアップグレードしなかった場合、ネットワークデバイスAのプライベートメッセージのソフトウェアバージョンがネットワークデバイスBのプライベートメッセージのソフトウェアバージョンと一致しない可能性がある。このようになると、ネットワークデバイスAがプライベートメッセージをネットワークデバイスBに送信した後に、ネットワークデバイスBが当該プライベートメッセージからARPデータを解析できず、リンクアグリゲーションに異常をもたらす可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本発明の実施例を適用できる環境の概略図である。
【
図2】本発明の1実施形態に係るプロトコルパケット処理方法のフローチャートである。
【
図3】本発明の1実施形態に係るプロトコルパケット処理装置の構成図である。
【
図4】本発明の1実施形態に係る第1のメンバーデバイスの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明で使用される用語は、発明を限定するのではなく、特定の実施例を説明することのみを目的としている。本発明および特許請求の範囲で使用される「1種」、「前記」、および、「当該」の単数形も、文脈が他の意味を明確に示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連してリストされた1つまたは複数の項目の任意可能な組み合わせまたはすべての可能な組み合わせを含む。
【0006】
本発明では、「第1」、「第2」、「第3」などの用語を使用してさまざまな情報を説明する可能性があるが、これら情報はこれら用語に限定されないことを理解すべきである。これら用語は、同一の種類の情報を互いに区別するためにのみ使用される。たとえば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の情報は、第2の情報とも呼ばれ得、同様に、第2情報は、第1情報とも呼ばれ得る。文脈に応じて、本明細書で使用される「もし」という単語は、「…、場合」、「…、と」、または、「確定されたことに応じて」と解釈されることができる。
【0007】
本発明の実施例は、プロトコルパケット処理方法を提案し、DRシステムに適用される。当該DRシステムは、複数のメンバーデバイス(DRメンバーデバイスとも呼ばれる)を含む。説明の便宜上、DRシステム中のあるメンバーデバイスを第1のメンバーデバイスと呼び、第1のメンバーデバイス以外の他のメンバーデバイスを第2のメンバーデバイス呼ぶことができ、第2のメンバーデバイスの数は、1つまたは複数であり得る。ここで、第1のメンバーデバイスは、DRシステムのマスターメンバーデバイスであり得、第2のメンバーデバイスは、DRシステムのスレーブメンバーデバイスであり得る。または、第1のメンバーデバイスは、DRシステムのスレーブメンバーデバイスであり得、第2のメンバーデバイスは、DRシステムのマスターメンバーデバイスであり得る。
【0008】
第1のメンバーデバイスと第2のメンバーデバイスは、いずれもDRインターフェースを有する。DRインターフェースは、DRシステム中のメンバーデバイスが外部デバイスに接続するための2アグリゲートインターフェースであり、これらDRインターフェースは、同じDRグループに属しており、同一のDRグループ識別子を有する。区別を容易にするために、第1のメンバーデバイスの外部デバイスに接続されたDRインターフェースを第1のDRインターフェースと呼び、第2のメンバーデバイスの外部デバイスに接続されたDRインターフェースを第2のDRインターフェースと呼ぶ。第1のDRインターフェースおよび第2のDRインターフェースは、同じDRグループに属し、第1のDRインターフェースのインターフェース識別子と第2のDRインターフェースのインターフェース識別子は、同一であり、いずれもRグループのグループ識別子である。
【0009】
第1のメンバーデバイスと第2のメンバーデバイスとの間には、2つのリンクが存在し、その中の1つのリンクは、内部制御リンク(Intra-Portal Link、IPL)であり、もう1つのリンクは、キープアライブ(Keepalive)リンクである。IPLは、2アグリゲートリンクであり、DRNIプロトコルパケットなどのプロトコルパケットを伝送するために使用される。Keepaliveリンクは、キープアライブパケットを伝送するために使用される。
【0010】
第1のメンバーデバイスは、第1の内部制御リンクポート(Intra-Portal Port、IPP)を含み、第2のメンバーデバイスは、第2のIPPを含む。第1のIPPは、第1のメンバーデバイスの第2のメンバーデバイスに接続された2アグリゲートインターフェースであり、第2のIPPは、第2のメンバーデバイスの第1のメンバーデバイスに接続された2アグリゲートインターフェースである。第1のメンバーデバイスの第1のIPPと第2のメンバーデバイスの第2のIPPとの間のリンクがIPLである。
【0011】
図1は、本発明の実施例を適用できる環境を概略的に示し、ここで、ネットワークデバイス101とネットワークデバイス102は、イーサネットリンクを介してDRシステムに集約される。DRシステムは、1つのネットワークデバイスとして外部に現われている。ネットワークデバイス101とネットワークデバイス102は、集約された論理リンクを介してネットワークデバイス103に接続される(ネットワークデバイス103はホスト106およびホスト107に接続されることができる)。当然ながら、より多くのネットワークデバイスをDRシステムに集約することができる。上記の環境において、ネットワークデバイス101とネットワークデバイス102は、DRシステムのメンバーデバイスであり、ここで、1つは、マスターメンバーデバイスであり、もう1つは、スレーブメンバーデバイスである。たとえば、ネットワークデバイス101を第1のメンバーデバイスと呼び、ネットワークデバイス102を第2のメンバーデバイスと呼ぶことができる。または、ネットワークデバイス102を第1のメンバーデバイスと呼び、ネットワークデバイス101を第2のメンバーデバイスと呼ぶことができる。
【0012】
ネットワークデバイス101が第1のメンバーデバイスであり、ネットワークデバイス102が第2のメンバーデバイスであると仮定すると、インターフェース1011は、第1のDRインターフェースである、インターフェース1013は、第1のIPPであり、インターフェース1021は、第2のDRインターフェースであり、インターフェース1023は、第2のIPPである。または、ネットワークデバイス102が第1のメンバーデバイスであり、ネットワークデバイス101が第2のメンバーデバイスであると仮定すると、インターフェース1011は、第2のDRインターフェースであり、インターフェース1013は、第2のIPPであり、インターフェース1021は、第1のDRインターフェースであり、インターフェース1023は、第1のIPPである。
【0013】
図1に示すように、ネットワークデバイス101をネットワークデバイス104に接続するためのインターフェース1012を、ネットワークデバイス101の非DRインターフェースと呼ぶ。ここで、非DRインターフェースとは、メンバーデバイスの、DRインターフェースおよびIPP以外の他のインターフェースである。同様に、ネットワークデバイス102をネットワークデバイス105に接続するためのインターフェース1022を、ネットワークデバイス102の非DRインターフェースと呼ぶ。
【0014】
本発明の実施例によると、プロトコルパケット処理方法は、上記の環境に適用することができる。
図2は、当該方法のフローチャートである。当該方法は、DRシステム中の第1のメンバーデバイスによって実行することができる。当該DRシステムは、第2のメンバーデバイスをさらに備える。
図2に示すように、当該方法は、ステップ201~202を含み得る。
【0015】
ステップ201において、第1のDRインターフェースを介して第1のプロトコルパケットが受信されると、第1のDRインターフェースおよび第1のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行することができる。
【0016】
本発明の実施例において、第1のメンバーデバイスが当該プロトコル処理を実行するプロセスは、第1のプロトコルパケットのプロトコルタイプに関連している。具体的に、上記のプロトコルタイプは、テーブルエントリ関連プロトコルタイプと、テーブルエントリ非関連プロトコルタイプと、を含み得る。たとえば、第1のメンバーデバイスは、第1のDRインターフェースを介してテーブルエントリ関連プロトコルタイプのプロトコルパケットが受信されると、当該プロトコルパケットを利用して転送テーブルエントリを作成または更新する必要がある。逆に、第1のメンバーデバイスは、第1のDRインターフェースを介してテーブルエントリ非関連プロトコルタイプのプロトコルパケットが受信されると、当該プロトコルパケットを利用して転送テーブルエントリを作成または更新する必要がない。
【0017】
たとえば、テーブルエントリ関連プロトコルタイプは、汎用仮想ローカルエリアネットワーク登録プロトコル(Generic Virtual Local Area Network Registration Protocol、GVRP)、アドレス解析プロトコル(Address Resolution Protocol、ARP)、メディアアクセス制御(Media Access Control、MAC)などを含み得る。以下の説明では、ARPを例として取り上げる。他のテーブルエントリ関連プロトコルタイプに対する処理方法は、ARPに対する処理方法と同様であり、後で繰り返して説明しない。
【0018】
テーブルエントリ非関連プロトコルタイプは、たとえばスパニングツリープロトコル(Spanning Tree Protocol、STP)を含み得る。以下の説明では、STPを例として取り上げる。他のテーブルエントリ非関連プロトコルタイプに対する処理は、STPに対する処理方法と同様であり、後で繰り返して説明しない。
【0019】
1例において、第1のメンバーデバイスは、第1のDRインターフェースを介してARPプロトコルパケット(たとえばARP要求パケットまたは無料ARPパケットなど)が受信されると、第1のDRインターフェースおよびARPプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行することができる。具体的に、第1のメンバーデバイスは、ARPプロトコルパケットの送信元アドレス(たとえば送信元MACアドレスおよび/または送信元IPアドレス)と第1のDRインターフェースのインターフェース識別子との対応関係を、転送テーブルエントリ(たとえばMACテーブルエントリまたはARPテーブルエントリなど)に記録することができる。表1は、転送テーブルエントリの例であり、ここで、aaaは、第1のDRインターフェースのインターフェース識別子であり、AAAは、ARPプロトコルパケットの送信元アドレスである。当然ながら、表1は、1例にすぎず、実際に適用するときに、転送テーブルエントリは他の内容をさらに備える。
【0020】
【0021】
1例において、第1のメンバーデバイスは、第1のDRインターフェースを介して到STPプロトコルパケット(たとえばブリッジプロトコルデータユニット(Bridge Protocol Data Unit、BPDU)パケットなど)が受信されると、第1のDRインターフェースおよびSTPプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行することができる。具体的に、第1のメンバーデバイスは、STPプロトコルパケットに基づいて第1のDRインターフェースのポートロール(たとえば、第1のDRインターフェースは、ルートポート、指定ポート、または、ブロックポートなどである)を確定することができ、当該確定方法は従来のSTPプロトコル処理フローを参照することができる。第1のDRインターフェースがルートポートまたは指定ポートであると、第1のDRインターフェースを転送状態にすることができる。第1のDRインターフェースがブロックポートであると、第1のDRインターフェースをプロック状態にすることができる。
【0022】
ステップ202において、第1のDRインターフェースのインターフェース識別子および第1のプロトコルパケット(すなわち第1のメンバーデバイスが第1のDRインターフェースを介して受信されたプロトコルパケットである)を含む第1のタイプのパケットを、第2のメンバーデバイスに送信することによって、第2のメンバーデバイスが、当該インターフェース識別子に対応する第2のDRインターフェースから第1のプロトコルパケットが受信されたことを確定し、当該第2のDRインターフェースおよび当該第1のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行するようにする。
【0023】
1例において、第1のタイプのパケットは、パケットヘッダーとパケット本文とを含み得る。当該パケットヘッダーは、第1のDRインターフェースのインターフェース識別子を含み得、当該パケット本文は、第1のプロトコルパケットを含み得る。当該パケットヘッダーは、タイプ-長さ-値(Type-Length-Value、TLV)形式であり得、ここで、タイプフィールドは、当該パケットヘッダーが第1のDRインターフェースのインターフェース識別子を含むことを示す第1の識別子を含み得、長さフィールドは、当該パケットヘッダーの長さ値を含み得、値フィールドは、第1のDRインターフェースのインターフェース識別子を含み得る。当該パケット本文は、TLV形式であってもよく、ここで、タイプフィールドは、当該パケット本文がプロトコルパケット本文を含むことを示す第2の識別子を含み得、長さフィールドは、当該パケット本文の長さ値を含み得、値フィールドは、第1のプロトコルパケットを含み得る。
【0024】
1例において、第1のメンバーデバイスは、IPLを介して第1のタイプのパケットを第2のメンバーデバイスに送信することができる。具体的に、第1のメンバーデバイスと第2のメンバーデバイスとの間で、IPL上に通信チャネル(後でRLINKと略称する)を構築するためにネゴシエートすることができる。第1のメンバーデバイスは、RLINKを介して第1のタイプのパケットを第2のメンバーデバイスに送信することができる。
【0025】
第2のメンバーデバイスは、第1のタイプのパケットが受信された後、第1のタイプのパケットから第1のDRインターフェースのインターフェース識別子および第1のプロトコルパケットを取得することができる。第1のメンバーデバイスの第1のDRインターフェースのインターフェース識別子が第2のメンバーデバイスの第2のDRインターフェースのインターフェース識別子と同一であるため、第2のメンバーデバイスは、取得された第1のDRインターフェースのインターフェース識別子に対応する第2のDRインターフェースを確定することができる。同時に、第2のメンバーデバイスは、第2のDRインターフェースから第1のプロトコルパケットが受信されたことを確定することができる。このようにして、第2のメンバーデバイスは、第2のDRインターフェースおよび第1のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行することができる。
【0026】
本発明の実施例において、第2のメンバーデバイスが当該プロトコル処理を実行するプロセスは、第1のプロトコルパケットのプロトコルタイプに関連している。たとえば、第1のプロトコルパケットがARPプロトコルパケットでありと、第2のメンバーデバイスは、第2のDRインターフェースおよびARPプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行することができる。たとえば、第2のメンバーデバイスは、ARPプロトコルパケットの送信元アドレスと第2のDRインターフェースのインターフェース識別子との対応関係を転送テーブルエントリに記録することができる。
【0027】
また、たとえば、第1のプロトコルパケットがSTPプロトコルパケットであると、第2のメンバーデバイスは、第2のDRインターフェースおよびSTPプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行することができる。たとえば、第2のメンバーデバイスは、STPプロトコルパケットに基づいて第2のDRインターフェースのポートロール(たとえば、第2のDRインターフェースは、ルートポート、指定ポート、または、ブロックポートなどである)を確定することができ、当該確定方法は従来のSTPプロトコル処理フローを参照することができる。
【0028】
従来の方法において、第1のメンバーデバイスは、第1のDRインターフェースおよび第1のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行した後に、プライベートメッセージを利用してプロトコル処理結果を第2のメンバーデバイスに送信する。たとえば、第1のプロトコルパケットがARPプロトコルパケットであると、プロトコル処理結果は、ARPプロトコルパケットの送信元アドレスと第1のDRインターフェースのインターフェース識別子との対応関係である可能性があり、当該プライベートメッセージは、ARPプロトコルパケットの送信元アドレスおよび第1のDRインターフェースのインターフェース識別子を含み得る。また、たとえば、第1のプロトコルパケットがSTPプロトコルパケットであると、プロトコル処理結果は、第1のDRインターフェースが指定ポートであると指示する可能性があり、当該プライベートメッセージは、第1のDRインターフェースが指定ポートであると指示するための情報を含み得る。
【0029】
逆に、本発明の実施例において、第1のメンバーデバイスは、第1のDRインターフェースおよび第1のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行した後に、プライベートメッセージを利用してプロトコル処理結果を第2のメンバーデバイスに送信する代わりに、第1のDRインターフェースのインターフェース識別子および第1のプロトコルパケットを第2のメンバーデバイスに直接送信する。第2のメンバーデバイスは、当該インターフェース識別子に対応する第2のDRインターフェースを確定し、第2のDRインターフェースから第1のプロトコルパケットが受信されたことを確定し、続いて第2のDRインターフェースおよび第1のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行することができる。このようにして、第2のメンバーデバイスと第1のメンバーデバイスのソフトウェアバージョンが一致しないことに関係なく、プロトコルをサポートする第2のメンバーデバイスは、第1のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行することができ、それにより、バージョンアップグレードの信頼できる互換性を達成し、リンクアグリゲーションの異常を回避することができる。
【0030】
上記で、第1のメンバーデバイスが第1のDRインターフェースを介して第1のプロトコルパケットを受信した後の処理フローを詳細に説明した。
【0031】
なお、1例において、第1のメンバーデバイスは、非DRインターフェースを介して第2のプロトコルパケットが受信されると、非DRインターフェースおよび第2のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行し、第2のプロトコルパケットのプロトコルタイプを確定することができる。当該プロトコルタイプがテーブルエントリ非関連プロトコルタイプであると、第1のメンバーデバイスは、第2のプロトコルパケットを第2のメンバーデバイスに送信することによって、第2のメンバーデバイスが、当該第2のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行するようにすることができる。当該プロトコルタイプがテーブルエントリ関連プロトコルタイプであると、第1のメンバーデバイスは、第2のプロトコルパケットを第2のメンバーデバイスに送信しなくてもよい。
【0032】
たとえば、第1のメンバーデバイスは、非DRインターフェースを介して(たとえばインターフェース1012)ARPプロトコルパケットが受信されると、非DRインターフェースおよびARPプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行することができる。具体的に、第1のメンバーデバイスは、ARPプロトコルパケットの送信元アドレスと非DRインターフェースのインターフェース識別子との対応関係を転送テーブルエントリに記録することができる。その後、第1のメンバーデバイスは、ARPプロトコルパケットのプロトコルタイプがテーブルエントリ関連プロトコルタイプであると確定するため、第1のメンバーデバイスは、ARPプロトコルパケットを第2のメンバーデバイスに送信しなくてもよい。
【0033】
また、たとえば、第1のメンバーデバイスは、非DRインターフェースを介してSTPプロトコルパケットが受信されると、非DRインターフェースおよびSTPプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行することができる。具体的に、第1のメンバーデバイスは、STPプロトコルパケットに基づいて非DRインターフェースのポートロール(たとえば、非DRインターフェースは、ルートポート、指定ポート、または、ブロックポートなどである)を確定し、当該確定方法は従来のSTPプロトコル処理フローを参照することができる。その後、第1のメンバーデバイスは、STPプロトコルパケットのプロトコルタイプがテーブルエントリ非関連プロトコルタイプであると確定するため、第1のメンバーデバイスは、STPプロトコルパケット第2のメンバーデバイスに送信することによって、第2のメンバーデバイスが、STPプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行するようにすることができる。
【0034】
1例として、上記の第2のプロトコルパケットのプロトコルタイプがテーブルエントリ非関連プロトコルタイプであると、第1のメンバーデバイスは、RLINKを介して第2のプロトコルパケットを第2のメンバーデバイスに送信することによって、第2のメンバーデバイスが、当該第2のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行するようにすることができる。
【0035】
たとえば、
図1を参照して、ネットワークデバイス101が第1のメンバーデバイスであり、ネットワークデバイス102が第2のメンバーデバイスであると仮定すると、ネットワークデバイス101は、インターフェース1012(すなわち非DRインターフェース)を介してSTPプロトコルパケットが受信されると、RLINKを介してSTPプロトコルパケットをネットワークデバイス102に送信することができる。ネットワークデバイス102は、当該STPプロトコルパケットが受信されると、当該STPプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行することができる。
【0036】
ネットワークデバイス101とネットワークデバイス102とイーサネットリンクを介してDRシステムに集約されるため、DRシステムは、1つのネットワークデバイスとして外部に現われている。したがって、ネットワークデバイス102とネットワークデバイス101とは、1つのネットワークデバイスとして外部に現われることができる、インターフェース1012はまた、ネットワークデバイス102の非DRインターフェースと見なすことができる。ネットワークデバイス102は、RLINKを介してネットワークデバイス101からSTPプロトコルパケットが受信されると、ネットワークデバイス102の非DRインターフェース1012を介してSTPプロトコルパケットが受信されたと見なすことができる。したがって、ネットワークデバイス102は、当該STPプロトコルパケットに基づいてインターフェース1012のポートロール(たとえば、インターフェース1012は、ルートポート、指定ポート、または、ブロックポートなどである)を確定することができ、当該確定方法は従来のSTPプロトコル処理フローを参照することができる。
【0037】
もう1例として、上記の第2のプロトコルパケットのプロトコルタイプがテーブルエントリ非関連プロトコルタイプであると、第1のメンバーデバイスは、RLINKを介して第2のメンバーデバイスに第2のタイプのパケットに送信することができる。当該第2のタイプのパケットは、非DRインターフェースのインターフェース識別子および第2のプロトコルパケットを含むことができることによって、第2のメンバーデバイスが、当該非DRインターフェースのインターフェース識別子に対応する非DRインターフェースおよび当該第2のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行するようにすることができる。
【0038】
具体的に、第2のタイプのパケットは、パケットヘッダーとパケット本文とを含み得る。当該パケットヘッダーは、当該非DRインターフェースのインターフェース識別子を含み得、当該パケット本文は、第2のプロトコルパケットを含み得る。たとえば、当該パケットヘッダーは、TLV形式であり得、ここで、タイプフィールドは、当該パケットヘッダーが非DRインターフェースのインターフェース識別子を含むことを示す第1の識別子を含み得、長さフィールドは、当該パケットヘッダーの長さ値を含み得、値フィールドは、当該非DRインターフェースのインターフェース識別子を含み得る。当該パケット本文も、TLV形式でありえ、ここで、タイプフィールドは、当該パケット本文がプロトコルパケット本文を含むことを示す第2の識別子を含み得、長さフィールドは、当該パケット本文の長さ値を含み得、値フィールドは、第2のプロトコルパケットを含み得る。
【0039】
たとえば、
図1を参照して、ネットワークデバイス101が第1のメンバーデバイスであり、ネットワークデバイス102が第2のメンバーデバイスであると仮定すると、ネットワークデバイス101は、インターフェース1012(すなわち非DRインターフェース)を介してSTPプロトコルパケットが受信されると、インターフェース1012のインターフェース識別子および当該STPプロトコルパケットを含む第2のタイプのパケットを作成し、RLINKを介して当該第2のタイプのパケットをネットワークデバイス102に送信することができる。
【0040】
ネットワークデバイス102は、第2のタイプのパケットが受信されると、当該第2のタイプのパケットからインターフェース1012のインターフェース識別子および当該STPプロトコルパケットを取得し、当該インターフェース識別子に対応する非DRインターフェースおよび当該STPプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行することができる。具体的に、ネットワークデバイス102は、取得されたインターフェース1012のインターフェース識別子に基づいて、インターフェース1012を介してSTPプロトコルパケットが受信されたことを確定することができる。したがって、ネットワークデバイス102は、当該STPプロトコルパケットに基づいてインターフェース1012のポートロール(たとえば、インターフェース1012は、ルートポート、指定ポート、または、ブロックポートなどである)を確定することができ、当該確定方法は従来のSTPプロトコル処理フローを参照することができる。
【0041】
従来の方法において、第1のメンバーデバイスは、非DRインターフェースおよび第2のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行した後に、プライベートメッセージを利用してプロトコル処理結果を第2のメンバーデバイスに送信する。逆に、本発明の実施例において、第1のメンバーデバイス非DRインターフェースおよび第2のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行した後に、第2のプロトコルパケットのプロトコルタイプがテーブルエントリ非関連プロトコルタイプであると、第1のメンバーデバイスは、プライベートメッセージを利用してプロトコル処理結果を第2のメンバーデバイスに送信する代わりに、第2のプロトコルパケットを第2のメンバーデバイスに直接送信し、第2のメンバーデバイスにより当該第2のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行する。このようにして、第2のメンバーデバイスと第1のメンバーデバイスのソフトウェアバージョンが一致しないことに関係なく、プロトコルをサポートする第2のメンバーデバイスは、第2のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行することができ、それにより、バージョンアップグレードの信頼できる互換性を達成し、リンクアグリゲーションの異常を回避することができる。
【0042】
なお、1例において、第1のメンバーデバイスと第2のメンバーデバイスとがリンクを介して集約された後に1つのネットワークデバイスとして外部に現われることができるため、STPプロトコルを実現するために、第1のメンバーデバイスと第2のメンバーデバイスとの中の1つのメンバーデバイスのみによって外部デバイスにSTPプロトコルパケットを送信する必要があり、もう1つのメンバーデバイスは外部デバイスにSTPプロトコルパケットを送信する必要がない。
【0043】
どのメンバーデバイスによって外部デバイスにSTPプロトコルパケットを送信するかを確定するために、第1のメンバーデバイスのSTPロールおよび第2のメンバーデバイスのSTPロールを確定することができる。第1のメンバーデバイスのSTPロールがマスターロールであり、第2のメンバーデバイスのSTPロールがバックアップロールであると確定されると、第1のメンバーデバイスによって外部デバイスにSTPプロトコルパケットを送信すると確定することができる。第2のメンバーデバイスのSTPロールがマスターロールであり、第1のメンバーデバイスのSTPロールがバックアップロールであると確定されると、第2のメンバーデバイスによって外部デバイスにSTPプロトコルパケットを送信すると確定することができる。
【0044】
従来の方法において、ユーザによって第1のメンバーデバイスおよび第2のメンバーデバイスに対してSTPロールを設定する。たとえば、ユーザによって、第1のメンバーデバイスをマスターロールに設定し、第2のメンバーデバイスをバックアップロールに設定する。
【0045】
これとは異なり、本発明の実施例においては、第1のメンバーデバイスと第2のメンバーデバイスは、STPプロトコルパケットを互いに送信することができ、第1のメンバーデバイスは、第2のメンバーデバイスが送信したSTPプロトコルパケットに基づいて第1のメンバーデバイスのSTPロールを確定することができ、第2のメンバーデバイスは、第1のメンバーデバイスが送信したSTPプロトコルパケットに基づいて第2のメンバーデバイスのSTPロールを確定することができる。たとえば、第1のメンバーデバイスは、第1のIPPを介してSTPプロトコルパケット1を第2のメンバーデバイスに送信することができ、第2のメンバーデバイスは、STPプロトコルパケット1に基づいて第2のメンバーデバイスのSTPロールを確定することができる。なお、第2のメンバーデバイスは、第2のIPPを介してSTPプロトコルパケット2を第1のメンバーデバイスに送信することができ、第1のメンバーデバイスは、STPプロトコルパケットに基づいて2第1のメンバーデバイスのSTPロールを確定することができる。
【0046】
第1のメンバーデバイス第1のIPPを介して第2のメンバーデバイスが送信したSTPプロトコルパケット2が受信されると、STPプロトコルパケットに基づいて2第1のメンバーデバイスのSTPロールを確定することができる。第1のメンバーデバイスのSTPロールがマスターロールであると確定されると、第1のメンバーデバイスは、第1のDRインターフェースを介してSTPプロトコルパケット3を外部デバイスに送信することができる。当該STPプロトコルパケット3は、第1のメンバーデバイスのMACアドレス、第1のメンバーデバイスの優先度などを含むことができることによって、外部デバイスSTPが、プロトコルパケットに基づいて3プロトコル処理を実行するようにすることができる。第1のメンバーデバイスのSTPロールがバックアップロールであると確定されると、第1のメンバーデバイスは、第1のDRインターフェースを介して外部デバイスにSTPプロトコルパケットを送信することを禁止することができる。ここで、第1のメンバーデバイスは、第1のIPPを介して第2のメンバーデバイスが送信したSTPプロトコルパケット2を受信した後に、STPプロトコルパケット2および第1のIPPを利用してプロトコル処理を実行することを禁止することができる。すなわち、STPプロトコルパケット2を利用して第1のIPPのポートロール(たとえば、ルートポート、指定ポート、ブロックポートなどである)を確定しない。
【0047】
たとえば、第1のメンバーデバイスが第2のメンバーデバイスから受信したSTPプロトコルパケット2は、第2のメンバーデバイスのMACアドレス、優先度などを含み得る。第1のメンバーデバイスは、STPプロトコルパケット2から第2のメンバーデバイスの優先度を取得し、第1のメンバーデバイスの優先度および第2のメンバーデバイスの優先度に基づいて、第1のメンバーデバイスのSTPロールを確定することができる。たとえば、第1のメンバーデバイスの優先度が第2のメンバーデバイスの優先度よりも高いと、第1のメンバーデバイスは、第1のメンバーデバイスのSTPロールがマスターロールであると確定することができ、第2のメンバーデバイスの優先度が第1のメンバーデバイスの優先度よりも高いと、第1のメンバーデバイスは、第1のメンバーデバイスのSTPロールがバックアップロールであると確定することができる。
【0048】
1例において、第2のメンバーデバイス第2のIPPを介して第1のメンバーデバイスが送信したSTPプロトコルパケット1が受信されると、第2のメンバーデバイスは、STPプロトコルパケット1に基づいて第2のメンバーデバイスのSTPロールを確定することができる。第2のメンバーデバイスのSTPロールがマスターロールであると確定されると、第2のメンバーデバイスは、第2のDRインターフェースを介して外部デバイスにSTPプロトコルパケット4を送信することができる。当該STPプロトコルパケット4は、第2のメンバーデバイスのMACアドレス、第2のメンバーデバイスの優先度などを含むことができることによって、外部デバイスSTPが、プロトコルパケットに基づいて4プロトコル処理を実行するようにすることができる。第2のメンバーデバイスのSTPロールがバックアップロールであると確定されると、第2のメンバーデバイスは、第2のDRインターフェースを介して外部デバイスにSTPプロトコルパケットを送信することを禁止することができる。ここで、第2のメンバーデバイスは、第2のIPPを介して第1のメンバーデバイスが送信したSTPプロトコルパケット1を受信した後に、STPプロトコルパケット1および第2のIPPを利用してプロトコル処理を実行することを禁止することができる。
【0049】
第2のメンバーデバイスが第1のメンバーデバイスから受信したSTPプロトコルパケット1が第1のメンバーデバイスの優先度を含むと、第2のメンバーデバイスは、第1のメンバーデバイスの優先度および第2のメンバーデバイスの優先度に基づいて、第2のメンバーデバイスのSTPロールを確定することができる。たとえば、第1のメンバーデバイスの優先度が第2のメンバーデバイスの優先度よりも高いと、第2のメンバーデバイスは、第2のメンバーデバイスのSTPロールがバックアップロールであると確定することができる。第2のメンバーデバイスの優先度が第1のメンバーデバイスの優先度よりも高いと、第2のメンバーデバイスは、第2のメンバーデバイスのSTPロールがマスターロールであると確定することができる。
【0050】
上記のように、第1のメンバーデバイスのSTPロールがマスターロールであり、第2のメンバーデバイスのSTPロールがバックアップロールであると確定されると、第1のメンバーデバイスは、第1のDRインターフェースを介してSTPプロトコルパケット3を外部デバイスに送信することができ、第2のメンバーデバイスは、第2のDRインターフェースを介して外部デバイスにSTPプロトコルパケットを送信しない。当第1のメンバーデバイスのSTPロールがバックアップロールであり、第2のメンバーデバイスのSTPロールがマスターロールであると確定されると、第2のメンバーデバイスは、第2のDRインターフェースを介して外部デバイスにSTPプロトコルパケット4を送信することができ、第1のメンバーデバイスは、第1のDRインターフェースを介して外部デバイスにSTPプロトコルパケットを送信しない。したがって、外部デバイスは、第1のメンバーデバイスまたは第2のメンバーデバイスが送信したSTPプロトコルパケットを受信することになり、第1のメンバーデバイスが送信したSTPプロトコルパケットおよび第2のメンバーデバイスが送信したSTPプロトコルパケットの両方を受信しないことにより、正確なSTPプロトコル処理を保証する。
【0051】
上記の実施例において、第1のメンバーデバイスは、第1のIPPを介してSTPプロトコルパケット1を第2のメンバーデバイスに定期的に送信することができ、または、第1のメンバーデバイスは、STPプロトコル情報(たとえば第1のメンバーデバイスの優先度、MACアドレスなど)に変化が発生されたときに、第1のIPPを介してSTPプロトコルパケット1を第2のメンバーデバイスに送信することができる。同様に、第2のメンバーデバイスは、第2のIPPを介してSTPプロトコルパケット2を第1のメンバーデバイスに定期的に送信することができ、または、第2のメンバーデバイスは、STPプロトコル情報(たとえば第2のメンバーデバイスの優先度、MACアドレスなど)に変化が発生されたときに、第2のIPPを介してSTPプロトコルパケット2を第1のメンバーデバイスに送信することができる。
【0052】
本発明の実施例は、プロトコルパケット処理装置をさらに提案する。当該装置は、DRシステム中の第1のメンバーデバイスに適用される。前記DRシステムは、第2のメンバーデバイスをさらに備える。
図3は、当該プロトコルパケット処理装置の構成図である。
図3に示すように、当該装置は、処理モジュール31と送信モジュール32とを備え得る。
【0053】
処理モジュール31は、第1のDRインターフェースを介して第1のプロトコルパケットが受信されると、前記第1のDRインターフェースおよび前記第1のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行することができる。送信モジュール32は、前記第1のDRインターフェースのインターフェース識別子および前記第1のプロトコルパケットを含む第1のタイプのパケットを前記第2のメンバーデバイスに送信することによって、前記第2のメンバーデバイスが、前記インターフェース識別子に対応する第2のDRインターフェースから前記第1のプロトコルパケットが受信されたことを確定し、前記第2のDRインターフェースおよび前記第1のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行するようにすることができる。
【0054】
選択的に、前記処理モジュール31は、さらに、非DRインターフェースを介して第2のプロトコルパケットが受信されると、前記非DRインターフェースおよび前記第2のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行し、前記第2のプロトコルパケットのプロトコルタイプを確定することができる。前記プロトコルタイプがテーブルエントリ非関連プロトコルタイプであると、送信モジュール32は、前記第2のプロトコルパケットを前記第2のメンバーデバイスに送信することによって、前記第2のメンバーデバイスが、前記第2のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行するようにすることができる。たとえば、前記送信モジュール32は、前記非DRインターフェースのインターフェース識別子および前記第2のプロトコルパケットを含む第2のタイプのパケットを第2のメンバーデバイスに送信することによって、前記第2のメンバーデバイスが、前記非DRインターフェースのインターフェース識別子に対応する非DRインターフェースおよび前記第2のプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行するようにすることができる。
【0055】
選択的に、前記処理モジュール31は、さらに、内部制御リンクポートを介して前記第2のメンバーデバイスが送信した第1のSTPプロトコルパケットが受信されると、前記第1のSTPプロトコルパケットに基づいて前記第1のメンバーデバイスのSTPロールを確定することができる。前記STPロールがマスターロールであると確定されると、前記送信モジュール32は、前記第1のDRインターフェースを介して前記第1のメンバーデバイスのMACアドレスを含む第2のSTPプロトコルパケットを外部デバイスに送信することによって、前記外部デバイスが、前記第2のSTPプロトコルパケットに基づいてプロトコル処理を実行するようにすることができる。前記STPロールがバックアップロールであると確定されると、送信モジュール32は、前記第1のDRインターフェースを介して外部デバイスに第2のSTPプロトコルパケットを送信することを禁止することができる。
【0056】
選択的に、前記処理モジュール31は、さらに、内部制御リンクポートを介して前記第2のメンバーデバイスが送信した第1のSTPプロトコルパケットを受信した後に、前記第1のSTPプロトコルパケットおよび前記内部制御リンクポートを利用してプロトコル処理を実行することを禁止することができる。
【0057】
選択的に、前記第1のSTPプロトコルパケットが第2のメンバーデバイスの優先度を含むと、処理モジュール31は、前記第1のメンバーデバイスの優先度および前記第2のメンバーデバイスの優先度に基づいて、第1のメンバーデバイスのSTPロールを確定することができる。
【0058】
本発明の実施例に係る第1のメンバーデバイスは、
図4に示すように、機械可読記録媒体およびプロセッサを備え得る。当該機械可読記録媒体には、プロトコルパケット処理命令がきろくされている。当該プロセッサは、当該機械可読記録媒体と通信して、当該機械可読記録媒体に記録されている処理命令を読み取って実行することによって、本発明に記載の例のプロトコルパケット処理方法を実行することができる。
【0059】
当該機械可読記録媒体は、電子、磁気、光学、または他の物理的記録装置であり得、実行可能命令、データなどの情報を含みまたは記録し得る。たとえば、当該機械可読記録媒体は、揮発性メモリ(たとえば、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM))、不揮発性メモリ(たとえば、フラッシュメモリ、ストレージドライブ(たとえばハードディスクドライブ)、ソリッドステートドライブ、光ストレージ(たとえば、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(Compact Disc Read-Only Memory、CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disc、 DVD)など))、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0060】
上記の実施例で説明したシステム、装置、モジュール、またはユニットは、コンピュータチップまたはエンティティによって実装され得るか、または、特定の機能を備えた製品によって実装され得る。典型的な実装デバイスは、電子デバイスであり、当該電子デバイスは、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、メディアプレーヤー、ナビゲーションデバイス、電子メール送受信デバイス、ゲームコンソール、ウェアラブルデバイス、または他の意の組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。
【0061】
説明の便宜上、以上の装置を説明するときに、機能によってさまざまな単位に分割してそれぞれ説明した。当然ながら、本発明を実施するときに、各単位の機能を同じ1つまたは複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアで実施することができる。
【0062】
当業者は、本発明の実施例が、方法、システム、または、コンピュータプログラム製品として提供され得ることを理解すべきである。したがって、本発明は、完全なハードウェア実施例、完全なソフトウェア実施例、または、ソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施例の形態を採用することができる。
【0063】
本発明は、本発明の実施例に係る方法、デバイス(システム)、および、コンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照して説明される。フローチャートおよび/またはブロック図内の各々のフローおよび/またはブロックは、コンピュータプログラム命令によって、実施できることを理解すべきである。これらコンピュータプログラム命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、または他のプログラム可能なデータ処理デバイスのプロセッサに提供することによって、当該プロセッサによって当該コンピュータプログラム命令が実行されて、フローチャート内の1つまたは複数のフローおよび/またはブロック図内の1つのブロックまたは複数のブロック内に指定された機能を実現する装置を生成するようにする。
【0064】
上記の説明は、本発明の実施例にすぎず、本発明を限定するために使用されない。当業者にとって、本発明は、様々な修正と変化を有することができる。本発明の精神および原理の範囲内で行われたいかなる修改、同等の置き換え、改善などは、いずれも本発明の請求項の範囲内に含まれるべきである。
【0065】
本発明は、出願日が2018年12月18日であり、出願番号が201811551764.4であり、発明名称が「プロトコルパケット処理方法、及び装置」である中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容が参照として本願に組み入れられる。