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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-17
(45)【発行日】2023-02-28
(54)【発明の名称】管理システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20230220BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20230220BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230220BHJP
   H02J 9/08 20060101ALI20230220BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20230220BHJP
【FI】
H02J13/00 311U
H02J13/00 301A
H02J7/34 J
H02J7/34 H
H02J7/00 Y
H02J9/08
H02J9/06 120
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022043218
(22)【出願日】2022-03-17
【審査請求日】2022-03-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519100310
【氏名又は名称】APB株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】森田 達也
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-054003(JP,A)
【文献】特開2017-229233(JP,A)
【文献】特開2014-155269(JP,A)
【文献】特開2013-074631(JP,A)
【文献】特開2017-038467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/42-10/48
H02J3/00-7/12
H02J7/34-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を充放電可能な蓄電ユニットと、通信ネットワークを介して、前記蓄電ユニットの状態情報を取得するとともに、前記状態情報から設定した制御情報に基づいて前記蓄電ユニットを制御するサーバと、前記通信ネットワークを介して前記サーバと通信可能な管理用端末と、を備えた管理システムであって、
前記サーバには、前記蓄電ユニットと前記サーバとの間の通信異常発生時に前記蓄電ユニットの制御に用いられる動作プログラムの少なくとも一部を前記状態情報から設定した制御情報とは独立して、前記状態情報の履歴から生成する生成部と、前記動作プログラムの少なくとも一部を前記蓄電ユニットに送信するサーバ側通信部とが備えられ、
前記蓄電ユニットには、前記動作プログラムの少なくとも一部を受信する蓄電側通信部と、前記蓄電ユニットと前記サーバとの間の通信異常が発生しているか否かを判断する判断部と、前記通信異常が発生していると判断された場合、前記通信異常が発生する前に前記蓄電側通信部が受信した前記動作プログラムの少なくとも一部に基づいて前記蓄電ユニットを制御する異常時制御部と、が備えられ、
前記管理用端末は、前記蓄電ユニットの管理者による入力操作に対応する指令を前記サーバに送信し、前記サーバは、受信した前記指令に対応する制御情報を前記蓄電ユニットに送信し、前記蓄電ユニットは、前記通信異常が発生していないと判断された場合、受信した前記指令に対応する制御情報に基づいて前記蓄電ユニットを制御するように構成されていることを特徴とする管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の管理システムにおいて、
前記蓄電ユニットには、蓄電部と、前記蓄電部と電気的に接続されるとともに、直流電力と交流電力との変換が可能な電力変換部と、前記蓄電部及び前記電力変換部の少なくとも一方の状態情報を取得する取得部と、が備えられ、
前記蓄電側通信部は、前記状態情報を前記サーバに送信し、
前記生成部は、前記状態情報に基づいて前記動作プログラムの少なくとも一部を生成することを特徴とする管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の管理システムにおいて、
前記動作プログラムの少なくとも一部は、前記蓄電部の使用時間帯及び前記蓄電部の残容量の少なくとも一方に応じて異なる使用可能電力量が設定されていることを特徴とする管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の管理システムにおいて、
前記サーバ側通信部は、前記動作プログラムの少なくとも一部とともに、前記蓄電部の残容量及び現在時刻の少なくとも一方を前記蓄電ユニットに送信することを特徴とする管理システム。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1つに記載の管理システムにおいて、
前記サーバは、前記蓄電ユニットが電気的に接続された施設に発電機が設置されているか否かの情報を取得可能であり、
前記生成部は、前記発電機が備えられている施設の場合、前記施設の停電時及び前記通信異常発生時において前記発電機が動作を開始するまで前記蓄電部から前記施設に放電するように前記動作プログラムの全部を生成することを特徴とする管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力を充放電可能な蓄電ユニットと、通信ネットワークを介して蓄電ユニットを制御するサーバとを備える管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、通信ネットワークを介してクラウドサーバ等のサーバから住宅、病院、発電所などの施設に設置された蓄電ユニットを制御する管理システムが知られている。例えば、特許文献1に開示されている管理システムは、クラウドサーバが、通信ネットワークを介して取得した状態情報から蓄電ユニットの運転スケジュールを計算し、該計算した運転スケジュールに基づいて蓄電ユニットを制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-229233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の如き管理システムでは、例えば、地震などの災害時に通信障害が発生し、蓄電ユニットとサーバとの間の通信が途絶えてしまうと、蓄電ユニットがサーバから制御情報を受信できず、該蓄電ユニットが動作しなくなるおそれがある。
【0005】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、蓄電ユニットとサーバとの間の通信が途絶えた場合であっても、蓄電ユニットを継続して動作させることが可能な管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、蓄電ユニットとサーバとの間の通信が途絶えた場合に備えて、予め通信異常時用の蓄電ユニットの動作プログラムをサーバで生成し、該動作プログラムをサーバから蓄電ユニットに送信するようにしたことを特徴とする。
【0007】
具体的には、電力を充放電可能な蓄電ユニットと、通信ネットワークを介して、前記蓄電ユニットの状態情報を取得するとともに、前記状態情報から設定した制御情報に基づいて前記蓄電ユニットを制御するサーバと、前記通信ネットワークを介して前記サーバと通信可能な管理用端末と、を備えた管理システムを対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0008】
すなわち、第1の発明では、前記サーバには、前記蓄電ユニットと前記サーバとの間の通信異常発生時に前記蓄電ユニットの制御に用いられる動作プログラムの少なくとも一部を前記状態情報から設定した制御情報とは独立して、前記状態情報の履歴から生成する生成部と、前記動作プログラムの少なくとも一部を前記蓄電ユニットに送信するサーバ側通信部とが備えられ、前記蓄電ユニットには、前記動作プログラムの少なくとも一部を受信する蓄電側通信部と、前記蓄電ユニットと前記サーバとの間の通信異常が発生しているか否かを判断する判断部と、前記通信異常が発生していると判断された場合、前記通信異常が発生する前に前記蓄電側通信部が受信した前記動作プログラムの少なくとも一部に基づいて前記蓄電ユニットを制御する異常時制御部と、が備えられ、前記管理用端末は、前記蓄電ユニットの管理者による入力操作に対応する指令を前記サーバに送信し、前記サーバは、受信した前記指令に対応する制御情報を前記蓄電ユニットに送信し、前記蓄電ユニットは、前記通信異常が発生していないと判断された場合、受信した前記指令に対応する制御情報に基づいて前記蓄電ユニットを制御するように構成されていることを特徴とする。
【0009】
第2の発明では、第1の発明において、前記蓄電ユニットには、蓄電部と、前記蓄電と電気的に接続されるとともに、直流電力と交流電力との変換が可能な電力変換部と、前記蓄電部及び前記電力変換部の少なくとも一方の状態情報を取得する取得部と、が備えられ、前記蓄電側通信部は、前記状態情報を前記サーバに送信し、前記生成部は、前記状態情報に基づいて前記動作プログラムの少なくとも一部を生成することを特徴とする。
【0010】
第3の発明では、第2の発明において、前記動作プログラムの少なくとも一部は、前記蓄電部の使用時間帯及び前記蓄電部の残容量の少なくとも一方に応じて異なる使用可能電力量が設定されていることを特徴とする。
【0011】
第4の発明では、第3の発明において、前記サーバ側通信部は、前記動作プログラムの少なくとも一部とともに、前記蓄電部の残容量及び現在時刻の少なくとも一方を前記蓄電ユニットに送信することを特徴とする。
【0012】
第5の発明では、第2から第4のいずれか1つの発明において、前記サーバは、前記蓄電ユニットが電気的に接続された施設に発電機が設置されているか否かの情報を取得可能であり、前記生成部は、前記発電機が備えられている施設の場合、前記施設の停電時及び前記通信異常発生時において前記発電機が動作を開始するまで前記蓄電部から前記施設に放電するように前記動作プログラムの全部を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明では、災害等により蓄電ユニットとサーバとの間の通信異常が発生した場合、蓄電ユニットがサーバからの制御情報を受信できなくなるが、通信異常時用の動作プログラムを予めサーバから受信しているので、該動作プログラムを用いて蓄電ユニットの動作を継続することができる。
【0014】
第2の発明では、サーバにおいて蓄電ユニットの状態情報に応じて動作プログラムが生成されるようになる。複雑な処理が要求される動作プログラムの生成をサーバに担わせることにより、蓄電ユニットは、蓄電部における電圧等の状態情報の取得やサーバとの通信等の最低限の機能を持つだけでよくなるので、蓄電ユニットの低コスト化が実現できる。
【0015】
第3の発明では、蓄電部の使用時間帯や残容量に応じて異なる使用可能電力量が設定されるようになるので、例えば、蓄電ユニットのユーザーが比較的電気を使用する時間帯において放電使用可能電力量が少ないことに起因してユーザーに不満感を与えてしまうことや、蓄電部の残容量が比較的多い状況において充電使用可能電力量が多いことに起因して蓄電部が過充電状態となってしまうのを防ぐことができる。
【0016】
第4の発明では、動作プログラムとともに、蓄電部の残容量や現在時刻の情報を蓄電ユニットが受信するようになる。このように、動作プログラムを動作させるのに必要な情報をサーバにて事前に作成しておくようになるので、蓄電ユニットが動作プログラムを用いて動作する際、残容量や現在時刻の情報を蓄電ユニットにおいて自ら取得する必要がなくなる。したがって、蓄電ユニットの機能を最小限にできるので、蓄電ユニットの低コスト化が実現できる。
【0017】
第5の発明では、蓄電ユニットが設置されている施設において停電が発生した場合、まず蓄電ユニットから施設に電力が供給され、しかる後、発電機が動作を開始すると、蓄電ユニットに代わり発電機から施設に電力が供給されるようになる。これにより、例えば、常時電力供給が必要な病院等の施設において停電が発生した際、該施設への電力供給を継続して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る管理システムを示す概略図である。
図2】施設のシステム構成を示すブロック図である。
図3】クラウドサーバのシステム構成を示すブロック図である。
図4】管理用端末のシステム構成を示すブロック図である。
図5】管理システムの動作を示すシーケンス図である。
図6】蓄電ユニットの状態情報の履歴に基づく放電使用電力量と使用時間帯との関係を示す図である。
図7】動作プログラムが用いる制御マップを例示する図である。
図8】異常時制御部の動作プログラムに基づく制御処理を示すフローチャートである。
図9】変形例に係る図6相当図である。
図10】変形例に係る図7相当図である。
図11】変形例に係る図7相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る管理システム1を示す。管理システム1は、複数の施設2と、クラウドサーバ(サーバ)3と、管理用端末4と、を備えており、施設2、クラウドサーバ3、及び、管理用端末4は、通信ネットワーク5を介して通信可能に接続されている。なお、該通信ネットワーク5には、例えば、インターネット、Wi-Fi、Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local1 Area Network)等が含まれる。
【0021】
施設2について、図2を用いて説明する。なお、図1では、施設2が3つ示されているが、同様の構成であるため、他の2つの施設2の説明を省略する。
【0022】
施設2は、住宅、病院、発電所等であって、停電時を除き商用電源6から常時電力の供給を受けており、該施設2には、分電盤7、負荷8、発電機9、コントローラ10、及び、蓄電ユニット11が備えられている。
【0023】
分電盤7は、商用電源6、負荷8、発電機9、及び、蓄電ユニット11と電気的に接続されており、商用電源6からの電力を負荷8や蓄電ユニット11に供給する状態、発電機9からの電力を負荷8に供給する状態、及び、蓄電ユニット11からの電力を負荷8に供給する状態、の各状態に切替可能な切替装置を備えている。
【0024】
負荷8は、施設2内に設置される電気機器であり、例えば、冷蔵庫、エアコン、電子レンジ、照明、酸素吸入器等の医療機器である。該負荷8は、分電盤7から供給される電力により動作するようになっている。
【0025】
発電機9は、エンジンにより回転駆動される発電機であり、停電の際、発電した電力を分電盤7に供給するようになっている。
【0026】
コントローラ10は、分電盤7及び発電機9と接続されており、図示しないプロセッサにより、分電盤7の切替制御や発電機9の駆動制御を行うように構成されている。
【0027】
蓄電ユニット11は、蓄電部12、蓄電部センサ13、電力変換部14、電力変換部センサ15、蓄電側通信部16、蓄電記憶部17、及び、蓄電制御部18を備えている。
【0028】
蓄電部12は、電力を充放電可能なリチウムイオン二次電池であり、例えば、複数のバッテリセルが直列接続されたバッテリモジュールを複数備えている。
【0029】
蓄電部センサ13は、蓄電部12の電圧、電流、及び、温度の状態を検出するセンサである。該蓄電部センサ13は、検出した蓄電部12の各状態の情報(状態情報)を蓄電制御部18に送信するように構成されている。
【0030】
電力変換部14は、分電盤7及び蓄電部12と電気的に接続された双方向インバータである。分電盤7からの交流電力を直流電力に変換して蓄電部12に供給するとともに、蓄電部12からの直流電力を交流電力に変換して分電盤7に供給することが可能となっている。
【0031】
電力変換部センサ15は、電力変換部14の電圧、電流、及び、温度の状態を検出するセンサである。該電力変換部センサ15は、検出した各状態の情報(状態情報)を蓄電制御部18に送信するように構成されている。
【0032】
蓄電側通信部16は、通信ネットワーク5を介してクラウドサーバ3と通信可能な通信装置であり、蓄電制御部18とは情報を送受信可能に接続されている。
【0033】
蓄電記憶部17は、メモリー等の記憶装置であり、蓄電制御部18と接続されている。該蓄電記憶部17には、蓄電ユニット11とクラウドサーバ3との間の通信異常が発生した時に蓄電ユニット11の制御に用いられる動作プログラムが記憶されている。
【0034】
蓄電制御部18は、図示しないプロセッサを備えるとともに、蓄電部12、蓄電部センサ13、電力変換部14、電力変換部センサ15、蓄電側通信部16、及び、蓄電記憶部17と接続されている。該蓄電制御部18は、蓄電部センサ13及び電力変換部センサ15において取得した状態情報を、蓄電側通信部16を介してクラウドサーバ3に送信する送信処理、及び、クラウドサーバ3から蓄電側通信部16を介して受信した制御情報に基づいて蓄電部12の充放電動作の停止及び開始や電力変換部14の電力変換動作の停止及び開始等の制御処理を実行可能に構成されている。
【0035】
また、該蓄電制御部18には、判断部19及び異常時制御部20が備えられており、判断部19及び異常時制御部20は、クラウドサーバ3による制御とは独立して動作可能、つまり、クラウドサーバ3から送信される制御情報から独立して動作可能となっている。
【0036】
判断部19は、蓄電ユニット11とクラウドサーバ3との間の通信異常が発生しているか否かを判断するように構成されている。本実施形態では、クラウドサーバ3から送信される制御情報等を蓄電制御部18が受信できない状態が所定時間経過した場合に通信異常が発生したと判断するようになっている。
【0037】
異常時制御部20は、判断部19において蓄電ユニット11とクラウドサーバ3との間の通信異常が発生していると判断されたときに、蓄電記憶部17に記憶されている動作プログラムに基づいて蓄電ユニット11を制御するように構成されている。
【0038】
次に、図3を用いてクラウドサーバ3について説明する。
【0039】
クラウドサーバ3は、施設2に設置された蓄電ユニット11の制御装置としての機能を有するコンピュータであって、サーバ側通信部21と、サーバ制御部22と、サーバ記憶部24とを備えている。
【0040】
サーバ側通信部21は、通信ネットワーク5を介して施設2及び管理用端末4と通信可能な通信装置であり、サーバ制御部22とは情報を送受信可能に接続されている。
【0041】
サーバ制御部22は、図示しないプロセッサ及びリアルタイムクロックを備えており、通信ネットワーク5を介して蓄電制御部18から受信した蓄電部12及び電力変換部14の状態情報に基づいて、蓄電部12の残容量(充電率)算出、健全度(SOH:State of Health)算出、寿命予測、需要予測の処理を行うようになっている。なお、本実施形態では、蓄電部12の残容量は、電流値の積算により算出され、蓄電部12の健全度算出は、蓄電部12の現在の満充電容量と初期の満充電容量とに基づいて算出され、蓄電部12の寿命予測は、蓄電部12の充電サイクル数や高温状態の経過時間等に基づき算出され、蓄電部12の需要予測は、蓄電部12の電力使用状況に基づき算出される。
【0042】
また、サーバ制御部22は、蓄電ユニット11から受信した状態情報、及び、サーバ制御部22において算出或いは予測した情報に基づいて、蓄電ユニット11の蓄電部12の残容量(充電率)制御、電圧制御、温度制御、セルバランス制御、モジュールバランス制御、及び、電力変換部14の制御を行うように構成され、各制御に係る指令を制御情報として通信ネットワーク5を介して蓄電ユニット11に送信するようになっている。なお、本実施形態では、蓄電部12の残容量制御は、蓄電部12の残容量が規定範囲内に収まるように蓄電部12の充放電を制御し、蓄電部12の電圧制御は、蓄電部12の電圧が異常値である場合に蓄電部12の充放電を停止し、蓄電部12の温度制御は、蓄電部12の温度が異常温度である場合に蓄電部12の充放電の停止や図示しないバッテリヒータ等を駆動し、蓄電部12のセルバランス制御は、蓄電部12の各バッテリセルの電圧が不均等である場合にバッテリセル間での充放電の実施や電圧が比較的高いバッテリセルから抵抗回路に放電することにより各セルの電圧を均等にし、蓄電部12のモジュールバランス制御は、蓄電部12の各バッテリモジュールの電圧が不均等である場合にバッテリモジュール間での充放電の実施や電圧が比較的高いバッテリモジュールから抵抗回路に放電することにより各バッテリモジュールの電圧を均等にし、電力変換部14の制御は、電力変換部14の出力を制御するようになっている。
【0043】
さらに、サーバ制御部22は、生成部23を備えている。該生成部23は、蓄電ユニット11から受信した状態情報に基づいて蓄電ユニット11とクラウドサーバ3との間の通信異常発生時に蓄電ユニット11の制御に用いられる動作プログラムを生成し、該生成した動作プログラムを蓄電ユニット11に送信するように構成されている。
【0044】
サーバ記憶部24は、メモリー等の記憶装置であり、サーバ制御部22と接続されている。該サーバ記憶部24には、例えば、蓄電ユニット11の時間帯及び曜日別の充放電情報、蓄電ユニット11から受信した状態情報、サーバ制御部22において算出或いは予測した充電率等の情報、セルバランス制御やモジュールバランス制御等の実施情報、及び、生成部23において作成した動作プログラムが記憶されている。
【0045】
以上のように、クラウドサーバ3に蓄電ユニット11の各制御処理や各演算処理を担わせることで、蓄電ユニット11は蓄電ユニット11の状態を計測(取得)する機能、直流電力と交流電力との電力変換機能、クラウドサーバ3との通信機能、異常状態発生時の緊急停止機能を担うだけでよくなるので、蓄電ユニット11の機能を簡易にでき、該蓄電ユニット11の低コスト化が実現できる。また、クラウドサーバ3に蓄電ユニット11の各制御処理等を担わせることで、蓄電ユニット11のソフトウェアの更新やハードウェアの変更を行うことなく、クラウドサーバ3に随時導入されるAI技術等を用いた最新のソフトウェア等を利用することができる。
【0046】
次に、図4を用いて管理用端末4について説明する。
【0047】
管理用端末4は、蓄電ユニット11の管理者が使用するコンピュータであって、端末側通信部25と、操作入力部26と、表示部27と、端末制御部28と、を備えている。
【0048】
端末側通信部25は、通信ネットワーク5を介してクラウドサーバ3と通信可能な通信装置であり、端末制御部28とは情報を送受信可能に接続されている。
【0049】
操作入力部26は、管理者が入力操作可能な入力装置であって、例えば、キーボードやマウスである。該操作入力部26は、端末制御部28と接続されており、管理者により入力された操作、例えば、蓄電ユニット11の充放電の停止や再開の操作を端末制御部28に送信するようになっている。
【0050】
表示部27は、端末制御部28と接続されたディスプレイ装置であり、蓄電ユニット11の状態情報等を表示可能になっている。
【0051】
端末制御部28は、図示しないプロセッサを備えており、通信ネットワーク5を介してクラウドサーバ3から送信される蓄電ユニット11の状態情報や蓄電ユニット11の制御情報を、端末側通信部25を介して受信するようになっている。そして、該端末制御部28は、受信した各情報が表示部27に表示されるように該表示部27に指令を行うように構成されている。
【0052】
また、端末制御部28は、操作入力部26に入力された操作を受信すると、該入力操作に対応する指令をクラウドサーバ3に送信するようになっている。例えば、蓄電ユニット11の充放電を停止させる操作が操作入力部26に入力された場合、端末制御部28からクラウドサーバ3に蓄電ユニット11の充放電停止が指令される。該指令を受信したクラウドサーバ3は、蓄電ユニット11に充放電を停止させる制御情報を送信するようになるので、管理者は、管理用端末4からクラウドサーバ3を介して蓄電ユニット11を遠隔制御することが可能となっている。
【0053】
次に、図5を用いて管理システム1の動作について説明する。
【0054】
ステップS1では、管理用端末4の端末制御部28は、蓄電ユニット11の管理者が操作入力部26を用いて入力した蓄電ユニット11の設定操作を受信したため、クラウドサーバ3のサーバ制御部22に操作入力された蓄電ユニット11の設定情報を送信する。本実施形態では、蓄電ユニット11の設定情報には、蓄電ユニット11が電気的に接続された施設2に発電機9が設置されているか否かの情報、施設2がどのような種類の施設であるかの情報(例えば、病院)、並びに、蓄電ユニット11の位置、蓄電容量、定格出力、定格出力電圧、定格出力周波数、及び、定格出力可能時間等の情報が含まれている。
【0055】
ステップS2では、蓄電ユニット11の蓄電制御部18は、サーバ制御部22へ接続要求を送信する。
【0056】
ステップS3では、サーバ制御部22は、蓄電制御部18からの接続要求を受信すると、該蓄電制御部18との接続処理を実行する。該サーバ制御部22は、該接続処理が完了、つまり、サーバ制御部22と蓄電制御部18との間の通信回線が開通すると、蓄電ユニット11の開通通知を端末制御部28に送信する。
【0057】
ステップS4では、蓄電制御部18は、蓄電部センサ13及び電力変換部センサ15から蓄電部12及び電力変換部14(蓄電ユニット11)の状態情報を取得する。
【0058】
ステップS5では、蓄電制御部18は、取得した蓄電ユニット11の状態情報をサーバ制御部22に送信する。
【0059】
ステップS6では、サーバ制御部22は、蓄電ユニット11の状態情報を受信すると、該状態情報から該蓄電ユニット11の制御情報を設定し、蓄電制御部18に送信する。
【0060】
ステップS7では、サーバ制御部22は、蓄電ユニット11の状態情報や制御情報を管理用端末4に送信する。該管理用端末4では、端末制御部28が受信した蓄電ユニット11の状態情報や制御情報を表示部27に表示させる。
【0061】
ステップS8では、サーバ制御部22は、受信した蓄電ユニット11の状態情報から蓄電ユニット11の蓄電部12の残容量を算出する。本実施形態では、残容量は、蓄電ユニット11の状態情報における電流値を積算することにより算出する。
【0062】
ステップS9では、サーバ制御部22の生成部23は、動作プログラムを生成する。本実施形態では、動作プログラムには、縦軸に放電使用可能電力量、横軸に蓄電部12の残容量をとる制御マップが含まれており、該制御マップが生成部23により生成されるようになっている。具体的には、該生成部23は、サーバ記憶部24に随時記憶された蓄電ユニット11の状態情報の履歴から図6に一例で示す蓄電ユニット11の使用時間帯毎の放電使用電力量を演算し、該演算した使用時間帯毎の放電使用電力量に基づいて、図7に一例で示す蓄電部12の使用時間帯及び蓄電部12の残容量に応じて異なる放電使用可能電力量が設定された制御マップを生成する。ここで、図7に示す制御マップは、図6に示す、晩(午後5時~午後11時)、昼間(午前10時~午後5時)、朝(午前7時~午前10時)、夜間(午後11時~午前7時)の順に放電使用電力量が多い使用履歴に基づいて設定されている。これにより、蓄電ユニット11のユーザーが比較的電気を使用する使用時間帯において放電使用可能電力量が少ないことに起因してユーザーに不満感を与えてしまうことを防ぐことができる。また、図7で示す例では、蓄電部12の残容量が少ないほど、放電使用可能電力量が少なく設定されることにより、蓄電部12の過放電による該蓄電部12の劣化等を防ぐようになっている。
【0063】
ステップS10では、サーバ制御部22は、ステップS8において算出した蓄電部12の残容量、ステップS9において生成した制御マップを含む動作プログラム、及び、図示しないリアルタイムクロックから取得した現在時刻を蓄電制御部18に送信する。
【0064】
ステップS11では、蓄電制御部18は、サーバ制御部22から動作プログラム等を受信すると、該動作プログラム等を蓄電記憶部17に記憶する。
【0065】
ステップS12では、蓄電制御部18の判断部19は、所定時間経過してもサーバ制御部22からの応答がない、つまり、サーバ制御部22から制御情報等が所定時間経過しても届かないため、蓄電制御部18とサーバ制御部22との間の通信異常が発生したと判断する。
【0066】
ステップS13では、蓄電制御部18の異常時制御部20は、ステップS12において判断部19がサーバ制御部22との通信異常が発生したと判断すると、サーバ制御部22から送信された制御情報に基づく蓄電ユニット11の制御から蓄電記憶部17に記憶された動作プログラムに基づく蓄電ユニット11の制御に切り替える。つまり、サーバ制御部22との通信異常が発生する前に蓄電側通信部16が受信し、蓄電記憶部17に記憶されている蓄電部12の残容量、動作プログラム、及び、現在時刻に基づいて蓄電ユニット11の制御処理を実行する。
【0067】
次に、図8を用いて異常時制御部20が実行する具体的な制御処理について説明する。
【0068】
ステップS21では、異常時制御部20は、蓄電記憶部17に記憶されている動作プログラムを読み出す。なお、次のステップS21~S25の各処理は、読み出した動作プログラムに基づいて実行される。
【0069】
ステップS22では、異常時制御部20は、蓄電記憶部17に記憶されている現在時刻から蓄電ユニット11の使用時間帯を判断する。本実施形態では、朝(午前7時~午前10時)、昼間(午前10時~午後5時)、晩(午後5時~午後11時)、夜間(午後11時~午前7時)の4つの時間帯が予め設定されており、異常時制御部20は、現在時刻がいずれの使用時間帯に含まれるかを判断するようになっている。
【0070】
ステップS23では、異常時制御部20は、図7に示す制御マップにおいて示された使用時間帯毎のラインの中からステップS22において判断した使用時間帯に対応するラインを選択する。例えば、蓄電記憶部17に記憶された現在時刻が午後7時の場合、ステップS22では、使用時間帯が晩(午後5時~午後11時)であると判断され、ステップS23では、図7の制御マップに示された使用時間帯毎のラインから晩(午後5時~午後11時)の時間帯のラインが選択される。
【0071】
ステップS24では、異常時制御部20は、制御マップを用いて、選択された使用時間帯のラインと蓄電記憶部17に記憶されている残容量とに基づき放電使用可能電力量を設定する。例えば、蓄電記憶部17に記憶された蓄電部12の残容量が図7の制御マップに示す残容量Aである場合、ステップS23において選択された晩の時間帯のライン上において横軸の残容量Aに対応する縦軸の放電使用可能電力量Bが設定される。
【0072】
ステップS25では、異常時制御部20は、ステップS24において設定した放電使用可能電力量に基づき蓄電ユニット11を制御する。例えば、蓄電ユニット11の放電電力量がステップS24において設定した放電使用可能電力量B以下となるように蓄電部12及び電力変換部14の電力変換動作が制御される。ステップS25の処理の後はエンドに進み、しかる後、図5のステップS14に進む。
【0073】
ステップS14では、蓄電制御部18は、蓄電部センサ13及び電力変換部センサ15から蓄電ユニット11の状態情報を取得する。
【0074】
ステップS15では、蓄電制御部18は、取得した蓄電ユニット11の状態情報をサーバ制御部22に送信する。
【0075】
ステップS16では、サーバ制御部22は、蓄電ユニット11の状態情報を受信すると、該状態情報から該蓄電ユニット11の制御情報を設定し、蓄電制御部18に送信する。
【0076】
ステップS17では、サーバ制御部22は、蓄電ユニット11の状態情報や制御情報を管理用端末4に送信する。
【0077】
ステップS18では、蓄電制御部18は、サーバ制御部22からの制御情報を受信すると、サーバ制御部22との通信異常が復旧したと判断し、蓄電記憶部17に記憶された動作プログラムに基づく蓄電ユニット11の制御から、サーバ制御部22から送信された制御情報に基づく蓄電ユニット11の制御に切り替える。そして、再度、サーバ制御部22との通信異常が発生するまで、サーバ制御部22から随時送信される制御情報に基づいて蓄電ユニット11の制御を行う。
【0078】
以上より、本実施形態によると、災害等により蓄電ユニット11とクラウドサーバ3との間の通信異常が発生した場合、蓄電ユニット11がクラウドサーバ3からの制御情報を受信できなくなるが、通信異常時用の動作プログラムを予めクラウドサーバ3から受信しているので、該動作プログラムを用いて蓄電ユニット11の動作を継続することができる。
【0079】
また、クラウドサーバ3において蓄電ユニット11の状態情報に応じて動作プログラムが生成されるようになる。複雑な処理が要求される動作プログラムの生成をクラウドサーバ3に担わせることにより、蓄電ユニット11は、蓄電部12における電圧等の状態情報の取得やクラウドサーバ3との通信等の最低限の機能を持つだけでよくなるので、蓄電ユニット11の低コスト化が実現できる。
【0080】
また、蓄電部12の使用時間帯や残容量に応じて異なる使用可能電力量が設定されるようになるので、例えば、蓄電ユニット11のユーザーが比較的電気を使用する時間帯において放電使用可能電力量が低いことに起因してユーザーに不満感を与えてしまうことや、蓄電部12の残容量が比較的多い状況において充電使用可能電力量が高いことに起因して蓄電部12が過充電状態となってしまうのを防ぐことができる。
【0081】
また、動作プログラムとともに、蓄電部12の残容量や現在時刻の情報を蓄電ユニットが受信するようになる。このように、動作プログラムを動作させるのに必要な情報をクラウドサーバ3にて事前に作成しておくようになるので、蓄電ユニット11が動作プログラムを用いて動作する際、残容量や現在時刻の情報を蓄電ユニット11において自ら取得する必要がなくなる。したがって、蓄電ユニット11の機能を最小限にできるので、蓄電ユニット11の低コスト化が実現できる。
【0082】
なお、本実施形態では、図6に示すように、蓄電ユニット11の状態情報の履歴に基づく該蓄電ユニット11の使用時間帯毎の放電使用電力量がサーバ記憶部24に随時記憶されていたが、図9に一例で示す変形例のように、前記状態情報の履歴に基づく蓄電ユニット11の曜日毎の放電使用電力量をサーバ記憶部24に随時記憶するようにしてもよい。この場合、該曜日毎の放電使用電力量に基づいて、図10に一例で示す変形例のように、蓄電部12を使用する曜日及び蓄電部12の残容量に応じて異なる放電使用可能電力量が設定された制御マップが生成される。ここで、図10に示す制御マップでは、図9に示す、日曜日、土曜日、水曜日、金曜日、月曜日、木曜日、火曜日の順に放電使用電力量が多い使用履歴に基づいて設定されているので、蓄電ユニット11のユーザーが比較的電気を使用する曜日において放電使用可能電力量が少ないことに起因してユーザーに不満感を与えてしまうことを防ぐことができる。
【0083】
また、本実施形態では、制御マップは、図7に示すように、蓄電ユニット11の使用時間帯及び蓄電部12の残容量に応じて異なる放電使用可能量が設定されていたが、図11に一例で示す変形例のように、蓄電ユニット11の使用時間帯毎の使用履歴に基づいて蓄電ユニット11の使用時間帯及び蓄電部12の残容量に応じて異なる充電使用可能電力量を設定するようにしてもよい。これにより、例えば、蓄電ユニット11のユーザーが比較的電気を充電する時間帯において充電使用可能電力量が少ないことに起因してユーザーに不満感を与えてしまうことや、蓄電部12の残容量が比較的多い状況において充電使用可能電力量が多いことに起因して蓄電部12が過充電状態となってしまうのを防ぐことができる。さらに、例えば、同一の蓄電部12の残容量において、商用電源6の電力使用料金が比較的高い時間帯(例えば、昼間)では、比較的安い時間帯(例えば、夜間)よりも多くの充電使用可能電力量を設定することで、蓄電ユニット11のユーザー等の電力使用料金負担を軽減することが可能となる。
【0084】
また、本実施形態では、サーバ制御部22は、蓄電ユニット11が電気的に接続された施設2に発電機9が備えられているか否かの設置情報を考慮せずに動作プログラムを設定していたが、該設置情報を考慮して動作プログラムを設定するようにしてもよい。この場合、端末制御部28は、操作入力部26を用いて管理者が入力した発電機9の設置情報を受信して、該受信した発電機9の設置情報をサーバ制御部22に送信することにより、該サーバ制御部22が発電機9の設置情報を取得することができる。そして、サーバ制御部22の生成部23は、発電機9が備えられている施設2の場合、該施設2の停電時において発電機9が動作を開始するまで蓄電部12から施設2に放電するように動作プログラムを生成する。このようにすることで、蓄電ユニット11が設置されている施設2において停電が発生した場合、まず蓄電ユニット11から施設2に電力が供給され、しかる後、発電機9が動作を開始すると、蓄電ユニット11に代わり発電機9から施設2に電力が供給されるようになる。これにより、例えば、常時電力供給が必要な病院等の施設2において停電が発生した際、該施設2への電力供給を継続して行うことができる。
【0085】
また、本実施形態では、サーバ制御部22は、図5のステップS6において蓄電ユニット11の制御情報を蓄電制御部18に送信した後、ステップS7において蓄電ユニット11の状態情報や制御情報を管理用端末4に送信するようにしていたが、ステップS6とステップS7は同時に実行してもよく、或いは、ステップS7の後にステップS6を実行するようにしてもよい。
【0086】
また、本実施形態では、管理システム1を構成する施設2は、図1において3つ示されているが、1つ以上かつ3よりも少ない数、又は、3よりも多い数の施設2により管理システム1を構成するようにしてもよい。
【0087】
また、本発明の実施形態では、サーバとしてクラウドサーバ3の例について説明したが、該クラウドサーバ3の代わりに物理サーバを用いてもよい。
【0088】
また、本実施形態では、管理システム1は、管理用端末4を備える例について説明したが、該管理用端末4を備えなくてもよい。
【0089】
また、本実施形態では、発電機9は、エンジンにより回転駆動される発電機の例について説明したが、風力発電機や太陽光発電モジュール等の発電装置を備えるようにしてもよい。
【0090】
また、本実施形態では、蓄電ユニット11は、蓄電部12及び電力変換部14を備えている例について説明したが、蓄電ユニット11に電力変換部14を備えなくてもよい。この場合、蓄電ユニット11とは別個にパワーコンディショナーを備えるようにしてもよい。
【0091】
また、本実施形態では、蓄電ユニット11は、蓄電記憶部17を備えている例について説明したが、蓄電記憶部17に代えて、或いは、該蓄電記憶部17に加えて、レジスタやキャッシュメモリ等の記憶部を蓄電制御部18に備えるようにしてもよい。なお、蓄電制御部18に記憶部を備える場合、該記憶部にサーバ制御部22から送信される蓄電部12の残容量、制御マップを含む動作プログラム、及び、現在時刻が記憶される。
【0092】
また、本実施形態では、蓄電ユニット11は、蓄電制御部18を備えている例について説明したが、蓄電部12及び電力変換部14それぞれに制御部を備えるようにしてもよい。
【0093】
また、本実施形態では、異常時制御部20は、蓄電記憶部17に記憶された蓄電部12の残容量及び現在時刻を制御処理に用いていたが、異常時制御部20において蓄電部センサ13から取得した蓄電部12の電流値の積算により該蓄電部12の残容量を算出するようにしてもよく、また、蓄電制御部18に備えられたリアルタイムクロックから現在時刻を取得するようにしてもよい。
【0094】
また、本実施形態では、制御マップは、図7に示すように、蓄電部12の使用時間帯及び蓄電部12の残容量の両方に応じて異なる使用可能電力量が設定されていたが、蓄電部12の使用時間帯及び蓄電部12の残容量のいずれか一方に応じて異なる使用可能電力量が設定するようにしてもよい。
【0095】
また、本実施形態では、サーバ制御部22はサーバ側通信部21を用いて、動作プログラムとともに、蓄電部12の残容量及び現在時刻の両方を蓄電ユニット11の蓄電制御部18に送信していたが、動作プログラムとともに、蓄電部12の残容量及び現在時刻のいずれか一方を蓄電ユニット11の蓄電制御部18に送信してもよく、或いは、動作プログラムとは分けて蓄電部12の残容量及び現在時刻の少なくとも一方を蓄電制御部18に送信するようにしてもよい。
【0096】
また、本実施形態では、サーバ制御部22は、制御マップを含む動作プログラムを蓄電制御部18に送信する例について説明したが、蓄電記憶部17に制御マップを除く動作プログラムを記憶しておき、サーバ制御部22は制御マップのみを生成し、蓄電制御部18に送信するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、電力を充放電可能な蓄電ユニットと、通信ネットワークを介して蓄電ユニットを制御するサーバとを備える管理システムに適している。
【符号の説明】
【0098】
1 管理システム
2 施設
3 クラウドサーバ(サーバ)
5 通信ネットワーク
9 発電機
11 蓄電ユニット
12 蓄電部
13 蓄電部センサ(取得部)
14 電力変換部
15 電力変換部センサ(取得部)
16 蓄電側通信部
19 判断部
20 異常時制御部
21 サーバ側通信部
23 生成部
【要約】
【課題】蓄電ユニットとサーバとの間の通信が途絶えた場合であっても、蓄電ユニットを継続して動作させることが可能な管理システムを提供する。
【解決手段】管理システム1は、蓄電ユニット11と、蓄電ユニット11を制御するクラウドサーバ3とを備える。クラウドサーバ3は、通信異常発生時に蓄電ユニット11の制御に用いる動作プログラムを生成する生成部23と、動作プログラムを蓄電ユニット11に送信するサーバ側通信部21とを備える。蓄電ユニット11は、動作プログラムを受信する蓄電側通信部16と、通信異常が発生しているか否かを判断する判断部19と、通信異常発生の判断時に通信異常が発生する前に蓄電側通信部16が受信した動作プログラムに基づいて蓄電ユニット11を制御する異常時制御部20とを備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11