(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】キャップシール装置
(51)【国際特許分類】
B65B 53/02 20060101AFI20230221BHJP
B65B 53/00 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
B65B53/02 C
B65B53/00 C
B65B53/02 E
(21)【出願番号】P 2020100470
(22)【出願日】2020-04-24
【審査請求日】2022-07-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520197893
【氏名又は名称】有限会社添田特殊印刷
(72)【発明者】
【氏名】添田 健一
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-213336(JP,A)
【文献】特開2005-170469(JP,A)
【文献】実公昭49-001789(JP,Y1)
【文献】特開2011-084285(JP,A)
【文献】特開平09-058627(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 53/02
B65B 53/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器のキャップ部にキャップシールを装着するものであって、
基台に、昇降機と容器を固定すると共に回動可能な収納部を設け、前記昇降機には固定アームを介して熱風発生器を設け、前記熱風発生器が昇降する
と共に、前記昇降機に支持アームを固定し、前記支持アームの先端部に押え具支持アームを回動可能に設け、前記押え具支持アームの先端部に設けたシール押え具と、固定アームに上昇アームを設け、前記上昇アームの先端部が押え具支持アームの底面部へ配置されることを特徴とするキャップシール装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器のキャップ部に装着するキャップシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料用容器等において、キャップ開封の可否を確認するため、キャップ部に熱収縮性フィルムを用いたキャップシールを取付けている。
従来は、顧客等の要望により供給する飲料物等について、飲料用容器等のキャップ部にキャップシールを取付けているが、その作業は飲料物等のキャップ部にキャップシールを被せた後、キャップシールにドライヤー等で熱風を与え、熱収縮させることでキャップに密着させている。
【0003】
例えば、特許文献1には、飲料入り容器のフランジより下の容器周囲に熱風の反射部材を配置する反射部材配置工程と、反射部材配置工程の後に飲料入り容器のキャップに筒状の熱収縮性フィルムを被せるキャップシール配置工程と、キャップシール配置工程の後に上方からキャップシールに向けて熱風を吹き付ける熱風吹き付け工程とを備え、飲料入り容器のキャップに被せたキャップシールを熱収縮により密着させる技術が開示されている。
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記方法によるとキャップシールの収縮が均一になされず、仕上がり品質に影響が与えることや、熱風吹付時にキャップシールが浮き上がってしまう等の不具合が懸念される。また、大量のキャップシールの取り付けを必要とせず、小規模に行う業態においては、大規模な装置の導入は経済的に非効率である。
【0006】
本発明は、キャップシールを均一に収縮でき、熱風吹付時におけるキャップシールの浮き上がりを防止し、審美性のある仕上がりを得ると同時に、飲料物等の容器の入れ替えと、キャップシールの装着のみで、キャップシールの熱収縮が可能となる、作業効率にも優れたキャップシール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、容器のキャップ部にキャップシールを装着するものであって、基台に、昇降機と容器を固定すると共に回動可能な収納部を設け、昇降機には固定アームを介して熱風発生器を設け、前記熱風発生器が昇降することを特徴とする。回転する容器のキャップ部に被せたキャップシールに、熱風発生器からの熱風を上昇移動しながらキャップシールへ与えることで、熱収縮させてキャップ部に密着させるものである。
【0008】
更に、昇降機に支持アームを固定し、前記支持アームの先端部に押え具支持アームを回動可能に設け、押え具支持アームの先端部に回動可能に設けたシール押え具と、固定アームに上昇アームを設け、前記上昇アームの先端部が押え具支持アームの底面部へ配置されることで、熱風発生器の上昇移動に併せシール押え具も上昇移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本キャップシール装置によれば、例えば、容器の入れ替えと、キャップシールの装着のみで、キャップシールの熱収縮が可能で、収容部の安定した回転と、熱風が均一に当たることでキャップシールを均一に収縮でき、審美性のある仕上がりを得ることが可能となる。
【0010】
シール押え具を設けることで、キャップシールの浮き上がりを防止し、不良品の発生を抑制でき歩留まりを改善することができる。
【0011】
装置構造も簡易的であるため導入コストも抑えられ、操作も容易であることから作業性もよく、少量のキャップシールの取り付けを行う業態には、トータル的なコストメリットが見込め、経済的効果につながる。
【0012】
構造が簡易的であるため、耐久性と保守性を確保することにつながり、製作及び操作に複雑な専門的知識も必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0014】
図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
【0015】
図1は、キャップシール装置1の正面図を示すものである。基台2の天面には、昇降機3を設け、昇降機3に固定アーム7を介して熱風発生器4を設ける。熱風発生器4には、例えば、ドライヤーなどが用いられ、昇降機3により上下に昇降する。基台2の天面であって、昇降機3に対向する位置には、収容部5を設ける。
【0016】
昇降機3の構成は、螺旋状に溝を有する円柱部材に、前記溝に嵌合し円柱部材の回転により移動する可動部を備えたもので、市販品を利用できる。昇降機の駆動には、例えばモータなどが用いられる。収納部5は、容器12として、例えばボトルなどを収納するもので、底面と側面を有し安定して容器を保持できる形状であればよく、容器の形状に合せ適宜変更することも可能である。収納部5は回転可能とし、回転駆動には、例えば、モータなどが用いられる。回転を円滑にするため、収納部5とモータとの連結にベアリングを用いてもよい。
【0017】
基台2の内部には、商用電源が利用できる電源部と、前記電源部に昇降機3及び収納部5を駆動するモータ及び熱風発生器4が接続され、作動用のスイッチを基台2の外側に設ける。回転駆動にはひとつのモータで、昇降機3と収納部5を回転させるようにしてもよい。昇降機3、収納部5、熱風発生器4の配置例は、
図2及び
図3に示す。
【0018】
昇降機3に設けられる熱風発生器4は、初期位置としてキャップシール11の下方部に置き、下から上に向かってキャップシール11に熱風を当て収縮させる。上昇した熱風発生器4は下降させ初期位置へ戻す。下降にはモータを逆回転させることで行い、下降用のスイッチを設けるまたはリミットスイッチ等を用いることも可能である。
【0019】
本装置の動作は、作動用のスイッチを入れることで、熱風発生器4がキャップシール11に熱風を与えながら昇降機3により上降し、収納部5も同時に回転する。この一連の動作によりキャップシール11が均一に熱収縮される。
【0020】
飲料用容器12に配置したキャップシール11と熱風発生器4との距離及び熱風発生器4の上昇速度は、仕上がり具合により適宜調整すればよい。
【0021】
キャップシール11の熱収縮が完了した容器12は取り除き、新たな容器12とキャップシール11を配置し、同様に熱収縮させる作業を繰り返すことで、効率的にキャップシールの取り付けを行うことができる。
【0022】
構造も簡易的であるため導入コストも抑えられ、操作も容易であることから作業工数も削減され、少量のキャップシールの取り付けを行う業態には、トータル的なコストメリットが見込め、経済的効果につながるものとなる。
【0023】
装置構造が簡易的であるため、耐久性と保守性を確保することにつながり、製作及び操作に複雑な専門的知識も必要としないメリットがある。
【実施例2】
【0024】
図4及び
図5に示すように、キャップシール11の天面に、シール押え具6を設けてもよい。キャップシール11の形状等により、熱風発生器4からの熱風を受けた際に、キャップシール11が浮き上がる場合がある。シール押え具6がキャップシール11の天面に位置することで、熱風発生器4からの熱風を受けた際に、キャップシール11の浮き上がりを効果的に抑制するものである。
【0025】
シール押え具6は、押え具支持アーム9の先端部に回動可能に設けられ、押え具支持アーム9は昇降機3に固定される支持アーム10の先端部に回動可能設けられる。前記押え具支持アーム9の回動に替えて、昇降機3に固定される支持アーム10を回動可能に設けてもよい。
【0026】
上昇アーム8は、固定アーム7に設けられ、前記上昇アーム8の先端部を押え具支持アーム9の底面部へ配置することで、熱風発生器4の上昇移動と連動し、押え具支持アーム9を上昇移動させる構造としている。上昇アーム8は、例えば棒状の部材で、固定アーム7と押え具支持アーム9との高低差及び距離を考慮して適宜形状を選択すればよく、棒状部材に限定されるものではない。
【0027】
キャップシール11の浮き上がりは、熱風発生器4から最初に熱風を受けたときに起こり易いことから、キャップシール11の一部が収縮した後は、シール押え具6はキャップ部から移動し離れることが望ましい。更に、シール押え具6の移動は、キャップシール11の天面部へ当てる熱風温度の低下を抑制する効果もある。
【実施例3】
【0028】
本装置は、飲料用容器に限られず、キャップを有する容器であれば、食品及び食品以外でも利用が可能で、キャップを中心軸として回転できる容器形状のものであれは利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明のキャップシール装置は工業生産が可能で、完成したキャップシール装置は、容器のキャップ部にキャップシールを行う業態で利用が可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 キャップシール装置 2 基台 3 昇降機 4 熱風発生器 5 収容部
6 シール押え具 7 固定アーム 8 上昇アーム 9 押え具支持アーム
10 支持アーム 11 キャップシール 12 容器