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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】赤外線検知装置
(51)【国際特許分類】
   G01V 8/20 20060101AFI20230221BHJP
   G08B 13/183 20060101ALI20230221BHJP
   H01H 35/00 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
G01V8/20 N
G08B13/183
H01H35/00 N
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018135568
(22)【出願日】2018-07-19
(65)【公開番号】P2020012747
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000210403
【氏名又は名称】竹中エンジニアリング株式会社
(72)【発明者】
【氏名】四宮 秀義
【審査官】岡村 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-049206(JP,A)
【文献】米国特許第04186388(US,A)
【文献】特開平09-210851(JP,A)
【文献】実開平05-008695(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00-99/00
G08B 13/00-15/02
H01H 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の投光ユニットを多段に配置した投光器と、複数の受光ユニットを多段に配置した受光器とからなる赤外線検知装置であって、
前記投光器は、1枚の取付板に照準器と複数の前記投光ユニットとを固定し、
前記照準器の光軸と複数の前記投光ユニットの光軸とを全て平行に合わせてあり、
前記照準器の光軸と前記取付板との角度を固定し、複数の前記投光ユニットの光軸と前記取付板との角度を固定し、
前記受光器は、1枚の取付板に照準器と複数の前記受光ユニットとを固定し、
前記照準器の光軸と複数の前記受光ユニットの光軸とを全て平行に合わせてあり、
前記照準器の光軸と前記取付板との角度を固定し、複数の前記受光ユニットの光軸と前記取付板との角度を固定し、
各前記取付板をそれぞれ三脚の可動部に装着し、各前記取付板が前記三脚上で上下左右に可動することを特徴とする赤外線検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投光器と受光器とで構成される赤外線検知装置に関するものであり、特に可搬型の赤外線検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、赤外線検知装置を設置する場合、固定されているポールや建物の外壁に赤外線検知装置を固定し、対象の区域の警戒を行っており、投光器と受光器とを警戒区間を隔てて対向して設置する形態の物があり、警戒区間を通過する人間(侵入者)が、投光器から発せられている赤外線を遮断することを、受光器側で検出して侵入者検知信号を出力している。
【0003】
図5は従来の赤外線検知装置である。従来の赤外線検知装置は、一般に特許文献1に記載されているように、図5(a)の状態で、投光器110と受光器120とをそれぞれポール300に取り付けて対向させ、検知装置が十分な性能を発揮するためには受光レベルが最大になるように、照準器(例えば特許文献2)を用いて複数の投光部111と受光部121を上下左右に動かし、それぞれの光軸を調整し、光軸調整後、投光器110と受光器120はそれぞれカバー200を装着し、図5(b)の状態で運用している。
【0004】
また、図6のように連続の直線を警戒するときは2台の赤外線検知装置を背中合わせで設置することがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-152424号公報
【文献】特開2010-151747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、警戒対象区域は長期に使用される区域だけでなく、イベント会場や自衛隊の移動部隊の野営地などのように一時的に警戒が必要となることがあった。その場合、投光部、受光部の光軸調整が必要なため、使用期間の割には設置時間がかかるという問題があった。また、自衛隊の移動部隊の野営地などでは迅速に設置する必要があり、正確な光軸調整ができず、不安定な警戒状態となる可能性があった。また、警戒レベルを高めるための複数の赤外線検知装置を上下方向に数台並べて設置することも困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の赤外線検知装置は、複数の投光ユニットを多段に配置した投光器と、複数の受光ユニットを多段に配置した受光器とからなり、前記投光器は、1枚の取付板に照準器と複数の前記投光ユニットとを固定し、前記照準器の光軸と前記投光ユニットの光軸とを全て平行に合わせてあり、前記受光器は、1枚の取付板に照準器と複数の前記受光ユニットとを固定し、前記複数の受光ユニットの光軸と前記照準器の光軸とを全て平行に合わせてあり、各前記取付板をそれぞれ三脚に装着し、各前記取付板を前記三脚上で上下左右に可動させて光軸調整を行う。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、赤外線検知装置をポールや壁面に取り付けるのではなく、三脚に取り付けるので可搬性に優れている。また、照準器により取付板の方向を合わせるだけで、取付板についている複数の投光ユニット、または受光ユニットを同時に光軸調整が完了し、容易に設置でき設置時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の赤外線検知装置の第一の実施形態を示した図である。
図2】本発明の赤外線検知装置の第一の実施形態のブロック図である。
図3】本発明の赤外線検知装置の第一の実施形態の取付板部を示した図である。
図4】本発明の赤外線検知装置の第二の実施形態を示した図である。
図5】従来の赤外線検知装置を示した図である。
図6】従来の赤外線検知装置の連続の直線を警戒した状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図2は、本発明の赤外線検知装置の第一の実施形態のブロック図である。
投光器1は投光ユニット11と投光ユニット12を備え、受光器2は受光ユニット21と受光ユニット22を備えている。受光ユニット22に備わっている受光レベル出力部25から受光レベルが受光レベル送信手段23と受光レベル確認手段24へ受光レベルが送られる。受光レベル送信手段23から電波や光線により送信した受光レベル信号は、受光レベル受信手段13を介し、受光レベルが受光レベル確認手段14に送られる。投光器1は受光レベル確認手段14で、受光器は受光レベル確認手段24で、受光レベルを確認することができる。
【0011】
図3は、本発明の赤外線検知装置の第一の実施形態の取付板部を示した図である。
取付板30に照準器40と投光ユニット11と投光ユニット12と受光レベル受信手段13とを固定している。図3では投光ユニット11と投光ユニット12と受光レベル受信手段13の各カバーの透視図としている。
【0012】
赤外線検知装置の製造工程において、照準器40の光軸と投光ユニット11の投光部16の光軸と投光ユニット12の投光部17の光軸と受光レベル受信手段13の光軸とを平行に合わせてある。
【0013】
赤外線検知装置の受光器2の取付板部も、投光器1の取付板部と構造的に同じであり、投光ユニット11が受光ユニット21に、投光ユニット12が受光ユニット22に、受光レベル受信手段13が受光レベル送信手段23に、投光部16が受光部26に、投光部17が受光部27に置き換わっているだけの構造である。
【0014】
投光器1の取付板部と同様に、受光器2の取付板部も、赤外線検知装置の製造工程において、照準器40の光軸と受光ユニット21の受光部26の光軸と受光ユニット22の受光部27の光軸と受光レベル送信手段23の光軸とを平行に合わせてある。
【0015】
図1は本発明の赤外線検知装置の第一の実施形態を示した図である。
赤外線検知装置の投光器1は、三脚50の台座51上にある可動部52に、照準器40と投光ユニット11と投光ユニット12と受光レベル受信手段13とを固定している取付板30を取り付けている。可動部52は上下左右に可動する。また、三脚50の脚部分に穴が開いており、杭で固定ができるようになっている。60は制御ボックスであり、電源部や制御部、受光レベル確認手段14などを収めている。
【0016】
可動部52を動かすことにより取付板30の方向を変更し、照準器40をのぞき、対向している受光器2に対して、投光器1の光軸を合わせていく。受光レベル確認手段で受光レベルを確認し、最大の受光レベルになるように取付板30の方向を調整する。
【0017】
照準器40の光軸と投光ユニット11の投光部16の光軸と投光ユニット12の投光部17の光軸と受光レベル受信手段13の光軸とを平行に合わせてあるため、1回の光軸調整で投光ユニット11の投光部16の光軸と投光ユニット12の投光部17の光軸のすべてが調整完了となる。
【0018】
従来の赤外線検知装置であれば、図3の投光ユニット11内の2個の投光部16と投光ユニット内の2個の投光部17の光軸調整をそれぞれ行わないといけなかったが、本発明では1回の光軸調整で投光ユニット11内の2個の投光部16と投光ユニット12内の2個の投光部17の光軸調整が完了するため、4分の1の作業となる。また、カバーを開けることなく光軸調整ができるため、さらに時間の短縮となる。
【0019】
赤外線検知装置の受光器2も、図3に示した投光器1と構造的に同じであり、投光ユニット11が受光ユニット21に、投光ユニット12が受光ユニット22に、受光レベル受信手段13が受光レベル送信手段23に、投光部16が受光部26に、投光部17が受光部27に、制御ボックス60内が、受光器専用の電源部や制御部、受光レベル確認手段24などに置き換わっているだけの構造である。
【0020】
受光器2も投光器1と同様に、1回の光軸調整で受光ユニット21の2個の受光部26の光軸と受光ユニット22の2個の受光部27の光軸のすべてが調整完了となり、従来の赤外線検知装置の4分の1の作業となる。また、カバーを開けることなく光軸調整ができるため、さらに時間の短縮となる。
【0021】
図4は、本発明の赤外線検知装置の第二の実施形態を示した図である。連続の直線を警戒するときの実施形態である。
三脚50の台座51上にある2個の可動部52の両方に、照準器40と投光ユニット11と投光ユニット12と受光レベル受信手段13とを固定している取付板30を取り付けている。制御ボックス60には、投光器2台分の電源部や制御部、受光レベル確認手段14などを収めている。
【0022】
各取付板30の方向を第一の実施形態と同様に調整することにより、投光ユニット11の投光部16の光軸と投光ユニット12の投光部17の光軸と受光レベル受信手段13の光軸と照準器40の光軸を平行に合わせてあるため、1回の光軸調整で投光ユニット11の投光部16の光軸と投光ユニット12の投光部17の光軸のすべてが調整完了となる。
【0023】
2個の可動部52はそれぞれ独立して可動するため、従来の背中合わせの取り付けとは異なり、各取付板30を独立して方向調整が可能である。
【0024】
取付板30は、警戒区域に応じて、照準器40と投光ユニット11と投光ユニット12と受光レベル受信手段13とを固定している取付板30の代わりに、照準器40と受光ユニット21と受光ユニット22と受光レベル送信手段23とを固定している取付板30に置き換えてもよい。
【0025】
第一の実施形態、第二の実施形態ともに、投光ユニット、受光ユニットをそれぞれ縦に2台並べたが、3台以上並べてもよい。また、受光レベル確認手段は、LED表示や音表示(レベルに応じた音程表示)、アナログメーター表示、デジタル表示などで行い、また、それらを組み合わせてもよい。
【0026】
使用する電源は、電源装置から供給してもよく、バッテリーから供給してもよい。バッテリーを使用する場合は、ソーラーパネルで充電できるようにしてもよい。侵入者検知信号の出力方法は、有線でも無線でもよい。
【0027】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述の実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲は、これに限定するものではなく、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0028】
1 投光器
2 受光器
11 投光ユニット
12 投光ユニット
13 受光レベル受信手段
14 受光レベル確認手段
16 投光部
17 投光部
21 受光ユニット
22 受光ユニット
23 受光レベル送信手段
24 受光レベル確認手段
25 受光レベル出力部
26 受光部
27 受光部
30 取付板
40 照準器
50 三脚
51 台座
52 可動部
60 制御ボックス
110 投光器
111 投光部
120 受光器
121 受光部
200 カバー
300 ポール
図1
図2
図3
図4
図5
図6