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特許7230349設計データ分析のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】設計データ分析のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20230221BHJP
【FI】
G05B23/02 Z
【請求項の数】 21
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018118688
(22)【出願日】2018-06-22
(65)【公開番号】P2019075080
(43)【公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-04-23
(31)【優先権主張番号】15/783,179
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(72)【発明者】
【氏名】森 健
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-137704(JP,A)
【文献】特開2013-15908(JP,A)
【文献】特開2014-142860(JP,A)
【文献】特開平11-231927(JP,A)
【文献】特開2014-119909(JP,A)
【文献】特開2011-59999(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0099183(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00 -23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)プラントの設計データを記憶する設計データストレージであって、設計データの各セットは、それぞれのバージョンおよびそれぞれのステータスを有し、各バージョンは、それぞれの時点に関連付けられ、各ステータスは、設計データが前記プラントに適用されているマスタステータス、および設計データが前記プラントに適用されておらず、前記プラントに適用されることになるワークステータスのいずれかである、設計データストレージと、
2)前記設計データストレージにアクセス可能な設計データバージョン管理部であって、前記設計データストレージから設計データの複数のセットを取得するとともに、設計データの複数の異なるバージョンを保持するように構成された設計データバージョン管理部と、
3)前記設計データバージョン管理部にアクセス可能な構成アイテム管理部であって、
3-1)前記設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、前記設計データバージョン管理部から、1つまたは複数のバージョンを有するとともに前記マスタステータスを有する設計データの1つまたは複数のセットを取得するように構成された設計データ取得部(DDA)
を含む構成アイテム管理部と
を含むシステム。
【請求項2】
前記設計データ取得部(DDA)は、前記設計データバージョン管理部から前記設計データを自動的に取得するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
4)前記設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、前記設計データ取得部(DDA)によって取得された、前記1つまたは複数のバージョンの、前記マスタステータスを有する前記設計データに含まれるプラント構成情報を分析して、プラントシステムを構成する構成アイテムのリストを作成するように構成されたマスタ設計データ分析部
をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記マスタ設計データ分析部は、前記設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、前記設計データ取得部(DDA)によって取得されたマスタステータス最新バージョンの前記マスタステータスを有する設計データのプラント構成情報を分析するように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記マスタ設計データ分析部は、前記設計データストレージ内の前記設計データから独立した、前記マスタステータス最新バージョンの前記マスタステータスを有する前記設計データのプラント構成情報を分析するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記マスタ設計データ分析部は、構成アイテムの複数のセットの情報を有し、各構成アイテムの情報は、
a)構成アイテムカテゴリと、
b)前記構成アイテムカテゴリに属する構成アイテムタイプと、
c)構成アイテム名と、
d)構成アイテムフルパスと
を含み、
前記マスタ設計データ分析部は、
e)各構成アイテムに関連するデバイス特性と、
f)前記デバイス特性に関連するデバイス注釈と
をさらに有する、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記構成アイテム管理部は、
3-2)前記プラントの制御を行うフィールド制御システムの実装に関するより詳細な情報を求める1つまたは複数のクエリを前記フィールド制御システムに送信し、前記フィールド制御システムから前記より詳細な情報を取得するように構成された実装データ取得部(IDA)
をさらに含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記構成アイテム管理部は、
3-3)前記フィールド制御システムに接続された複数のネットワークデバイスにアクセス可能であるように構成されたネットワークデバイス検出部(NDD)であって、構成アイテムに関して、前記複数のネットワークデバイスの構成ステータスを取得するように構成されたネットワークデバイス検出部(NDD)
をさらに含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記マスタ設計データ分析部は、プラントに導入されたデバイスを制御するためのコントローラのエンジニアリングデータのデータベースを、プラントシステムを構成するプラント構成アイテムのリストに変換するために使用される変換ルールの統合セットまたは統合テーブルを有する、請求項3に記載のシステム。
【請求項10】
7)前記マスタ設計データ分析部にアクセス可能な構成アイテムエディタ部であって、プラントに導入されたデバイスを制御するためのコントローラのエンジニアリングデータのデータベースを、プラントシステムを構成するプラント構成アイテムの前記リストに変換するために使用される変換ルールの前記統合セットまたは前記統合テーブルを、前記マスタ設計データ分析部から取得するように構成された構成アイテムエディタ部
をさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
7)前記マスタ設計データ分析部にアクセス可能な構成アイテムエディタ部であって、構成アイテムの複数のセット、各構成アイテムに関連するデバイス特性、および前記デバイス特性に関連するデバイス注釈の情報を、前記マスタ設計データ分析部から取得するように構成された構成アイテムエディタ部
をさらに含み、各構成アイテムの情報は、
a)構成アイテムカテゴリと、
b)前記構成アイテムカテゴリに属する構成アイテムタイプと、
c)構成アイテム名と、
d)構成アイテムフルパスと
を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
前記構成アイテムエディタ部は、フィールド制御局、プラントネットワークのノード、I/O、入出力モジュール、前記フィールド制御局以外の局、および各フィールド制御局と入出力モジュールとの間の接続を含む分析の結果を表すように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
プラントの設計データを分析する方法であって、前記方法は、設計データストレージと、設計データバージョン管理部と、構成アイテム管理部と、マスタ設計データ分析部と、を含むシステムによって実施され、前記構成アイテム管理部は、設計データ取得部(DDA)を含み、前記方法は、
前記設計データストレージから前記設計データバージョン管理部へ、プラントの設計データの複数のセットをアップロードするステップであって、設計データの各セットは、それぞれのバージョンおよびそれぞれのステータスを有し、各バージョンは、それぞれの時点に関連付けられ、各ステータスは、設計データが前記プラントに適用されているマスタステータス、および設計データが前記プラントに適用されておらず、前記プラントに適用されることになるワークステータスのいずれかである、ステップと、
前記設計データバージョン管理部により、前記設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、設計データの複数の異なるバージョンを保持するステップと、
前記構成アイテム管理部により、前記設計データバージョン管理部から前記マスタ設計データ分析部へ、前記設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、前記設計データバージョン管理部からの、1つまたは複数のバージョンを有するとともに前記マスタステータスを有する設計データの1つまたは複数のセットをダウンロードするステップと、
前記マスタ設計データ分析部により、前記設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、前記設計データストレージ内の前記設計データから独立した、前記設計データ取得部(DDA)によって取得された、前記1つまたは複数のバージョンの、前記マスタステータスを有する前記設計データに含まれるプラント構成情報を分析して、プラントシステムを構成する構成アイテムのリストを作成するステップと
を含む方法。
【請求項14】
設計データの1つまたは複数のセットをダウンロードする前記ステップは、
前記構成アイテム管理部により、設計データの前記1つまたは複数のセットを自動的にダウンロードするステップ
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記マスタ設計データ分析部により、プラント構成情報を分析する前記ステップは、
前記設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、前記設計データ取得部(DDA)によって取得されたマスタステータス最新バージョンの前記マスタステータスを有する設計データのプラント構成情報を分析するステップ
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記マスタ設計データ分析部により、プラント構成情報を分析する前記ステップは、
前記設計データストレージ内の前記設計データから独立した、前記マスタステータス最新バージョンの前記マスタステータスを有する前記設計データのプラント構成情報を分析するステップ
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
設計データストレージから設計データの複数のセットを取得するとともに、設計データの複数の異なるバージョンを保持するように構成された設計データバージョン管理部であって、設計データの各セットは、それぞれのバージョンおよびそれぞれのステータスを有し、各バージョンは、それぞれの時点に関連付けられ、各ステータスは、設計データがプラントに適用されているマスタステータス、および設計データが前記プラントに適用されておらず、前記プラントに適用されることになるワークステータスのいずれかである、設計データバージョン管理部と、
前記設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、前記設計データストレージ内の前記設計データから独立した、設計データ取得部(DDA)によって取得された、1つまたは複数のバージョンの、前記マスタステータスを有する設計データに含まれるプラント構成情報を分析して、プラントシステムを構成する構成アイテムのリストを作成するように構成されたマスタ設計データ分析部と
を含むシステム。
【請求項18】
前記マスタ設計データ分析部は、構成アイテムの複数のセットの情報を有し、各構成アイテムの情報は、
a)構成アイテムカテゴリと、
b)前記構成アイテムカテゴリに属する少なくとも1つの構成アイテムタイプと、
c)前記少なくとも1つの構成アイテムタイプの各々に属する複数の構成アイテム特性と、
d)各構成アイテム特性に関連するデバイス特性と、
e)前記デバイス特性に関連するデバイス注釈と
を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
7)前記マスタ設計データ分析部にアクセス可能な構成アイテムエディタ部であって、マスタステータス最新バージョンの前記マスタステータスを有する少なくとも前記設計データの、前記マスタ設計データ分析部によって行われた分析の結果を、前記マスタ設計データ分析部から取得するように構成され、分析の前記結果は、前記プラントの現在の構成を含む情報を表す、構成アイテムエディタ部
をさらに含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
構成アイテム管理部と、
マスタ設計データ分析部と
を含み、
前記構成アイテム管理部は、
設計データストレージに記憶された設計データの複数の異なるバージョンを保持するように構成された設計データバージョン管理部にアクセス可能な設計データ取得部(DDA)であって、前記設計データは、設計データがプラントに適用されているマスタステータスを有するマスタ設計データ、および設計データが前記プラントに適用されておらず、前記プラントに適用されることになるワークステータスを有するワーク設計データを含み、マスタステータス最新バージョンの前記マスタステータスを有するマスタ設計データを、前記設計データバージョン管理部から自動的に取得するように構成された設計データ取得部(DDA)
を含み、
前記マスタ設計データ分析部は、前記設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、前記設計データ取得部(DDA)によって取得されたマスタステータス最新バージョンの前記マスタステータスを有する設計データのプラント構成情報を分析して、プラントシステムを構成する構成アイテムのリストを作成するように構成される、システム。
【請求項21】
構成アイテム管理部と、マスタ設計データ分析部とを含むシステムによって実施される方法であって、前記構成アイテム管理部は、設計データ取得部(DDA)を含み、前記方法は、
前記設計データ取得部(DDA)により、エンジニアリングツールを介して変更可能である設計データを記憶する設計データストレージから設計データを取得するように構成された設計データバージョン管理システムから、マスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データを取得するステップであって、前記設計データバージョン管理システムは、設計データの複数の異なるバージョンを保持するように構成され、前記設計データは、設計データがプラントに適用されているマスタステータスを有するマスタ設計データ、および設計データが前記プラントに適用されておらず、前記プラントに適用されることになるワークステータスを有するワーク設計データを含む、ステップと、
前記マスタ設計データ分析部により、前記設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、前記設計データ取得部(DDA)によって取得されたマスタステータス最新バージョンの前記マスタステータスを有する設計データのプラント構成情報を分析して、プラントシステムを構成する構成アイテムのリストを作成するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施態様は、一般に、産業プラントの設計データを分析するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
産業プラントは、コントローラ、セーフティコントローラ、I/OモジュールおよびI/Oなどの様々なプラントデバイス、ならびにプロセッサモジュールおよび電源ユニットなどの様々なプラントハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントを有する。プラントデバイスおよびソフトウェアコンポーネントは、永続的に使用されるものではなく、そのため時々変更される。プラントマネージャは、現在のプラントデバイスおよび現在のプラントコンポーネントを知っているべきである。プラントデバイスおよびプラントコンポーネントを変更する場合、プラントエンジニアは、エンジニアリングツールによって設計データを変更し、実際のプラントデバイスおよびプラントコンポーネントを変更し、さらにコントローラおよびセーフティコントローラに設計データを適用する。コントローラおよびセーフティコントローラは、設計データに基づいてプラントを制御するように構成される。したがって、プラントエンジニアは、コントローラおよびセーフティコントローラが設計データに基づいてプラントを制御できるようにするために、コントローラおよびセーフティコントローラに設計データを適用しなければならない。設計データがコントローラおよびセーフティコントローラと同期している限り、設計データを分析することによってコントローラおよびセーフティコントローラを知ることが可能である。本明細書中で使用する「同期した(synchronized)」という用語は、設計データがコントローラおよびセーフティコントローラに適用されていて、設計データが適用された後も設計データが変更されていないステータスを指す。言い換えれば、「デバイスと同期した設計データ(design data synchronized with a device)」という句は、コントローラまたはセーフティコントローラなどのデバイスに適用されているが、プラントエンジニアによってまだ変更されていない設計データを指す。
【0003】
図1は、関連技術におけるプラントの設計データを管理および分析するためのシステム10000を示すブロック図である。設計データは、プラント15000におけるコントローラ、セーフティコントローラ、I/Oモジュール、またはI/Oのいずれかに適用される。設計データ分析部12000は、設計データを分析するように構成される。エンジニアがエンジニアリングツール13000によってプラントダウンロード設計データストレージ14000内の設計データを変更するとき、エンジニアは2つの技術的問題に直面する。エンジニアは、データの衝突およびデータの一貫性の問題のために、設計データ分析部による設計データの分析中に設計データを変更しないことがある。第二に、エンジニアリングデータとも称される設計データのどの部分が、変更されているが、まだプラントと同期しておらず、かつ/またはプラントにダウンロードされていないかを、プラントの現在の構成情報を取得するために設計データのこの部分を分析することができないので、知っている必要がある。しかしながら、従来の手法では、設計データのどの部分が、変更および/または編集されているが、まだプラントの実際のデバイスと同期しておらず、かつ/または当該デバイスにダウンロードされていないかを知るのが困難であった。エンジニアが設計データ分析部による設計データの分析中に設計データを変更する場合、コントローラまたはセーフティコントローラに実際に適用される変更済み設計データではない以前の設計データを設計データ分析部が分析しても、コントローラまたはセーフティコントローラには変更済み設計データが適用される。すなわち、設計データ分析部は、コントローラまたはセーフティコントローラと同期していない設計データを分析する。本明細書中で使用する「デバイスまたはプラントと同期した設計データ(design data synchronized with device or plant)」という用語は、デバイスまたはプラントに現在適用されている設計データを指す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの態様では、プラント設計データを管理および分析するためのシステムおよび方法は、実際のプラントと同期している設計データを自動的に取得する一方で、変更されているが、まだプラントに適用されておらず、実際のプラントと同期していないワークステータスを有する設計データを設計データ分析部が分析することを防ぐことによって、手動構成管理の代わりに、自動構成アイテム管理を可能にする構成アイテムマネージャを含む。
【0005】
マスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データが、エンジニアリングツールを介して変更可能である設計データを記憶する設計データストレージから設計データを取得するように構成された設計データバージョン管理システムから取得される。設計データバージョン管理システムは、設計データの複数の異なるバージョンを管理するように構成され、設計データは、設計データがプラントに適用されているマスタステータスを有するマスタ設計データ、および設計データがプラントに適用されておらず、プラントに適用されることになるワークステータスを有するワーク設計データを含む。設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、設計データ取得部によって取得されたマスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データの分析済みプラント構成がある。
【0006】
プラント設計データを管理および分析するためのシステムおよび方法を実現するために、システムは、これらに限定はしないが、プラントダウンロード設計データ、設計データバージョン管理コンピュータデバイス、分析設計データ、マスタ設計データ分析部、およびエンジニアリングツールを含み得る。プラントダウンロード設計データは、プラントにダウンロードされることになり、プラントに適用されることになる設計データである。設計データバージョン管理コンピュータデバイスは、プラントダウンロード設計データから設計データを取得するように構成される。分析設計データは、プラントダウンロード設計データとは別個のものである。分析設計データは、設計データバージョン管理部からダウンロードされるマスタステータスを有する設計データであり、マスタステータスを有する設計データは、プラントダウンロード設計データからプラントにダウンロードされており、プラントに適用されている。マスタ設計データ分析部は、分析設計データからマスタステータスを有する設計データを取得するように構成され、マスタステータスを有する設計データを分析するように構成され、マスタ設計データ分析部は、プラントダウンロード設計データにアクセスすることが禁止されるように構成される。エンジニアリングツールは、プラントダウンロード設計データにアクセスするように構成され、プラントダウンロード設計データ内の設計データを変更するように構成される。設計データ取得部(DDA)以外のエンジニアリングツールは、分析設計データにアクセスすること、および分析設計データ内の設計データを変更することが禁止されるように構成される。エンジニアリングツールは、オートメーション設計オーガナイザを含む。オートメーション設計オーガナイザは、構成アイテム管理部を含む。構成アイテム管理部は、設計データ取得部(DDA)を含む。設計データ取得部(DDA)は、これに限定はしないが、マスタ設計データ分析部を含み得る。マスタ設計データ分析部は、分析設計データにアクセスし、分析設計データを分析するように構成される。
【0007】
上述のシステムおよび方法は、設計データ分析部による設計データの分析中にエンジニアが設計データを変更することを可能にする一方で、変更されているが、まだプラントに適用されていないワークステータスを有する設計データ、言い換えれば、実際のプラントと同期していないワークステータスを有する設計データを設計データ分析部が分析することを防ぐ。
【0008】
上述のシステムおよび方法は、マスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データを、設計データバージョン管理部から、設計データがプラントにダウンロードされプラントに適用されるプラントダウンロード設計データとは別個の分析設計データにダウンロードすることを可能にするという点で、技術的改善をもたらし、エンジニアリングツールは、プラントダウンロード設計データにアクセスすること、およびプラントダウンロード設計データ内の設計データを変更することが許され、設計データ取得部(DDA)以外のエンジニアリングツールは、分析設計データにアクセスすることが禁止され、分析設計データ内の設計データを変更することが禁止される。設計データ取得部(DDA)は、分析設計データにアクセスし、分析設計データを分析するように構成されるマスタ設計データ分析部を含む。設計データ取得部(DDA)は、マスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データをダウンロードし、マスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有するダウンロードされた設計データをマスタ設計データ分析部が分析できるようにするために、設計データバージョンマネージャからアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を呼び出す。
【0009】
さらに、設計データ分析部による設計データの分析中にエンジニアが設計データを変更した場合、上述のシステムおよび方法は、プラントに変更済み設計データを適用するために、エンジニアが設計データを変更し、ワークステータスを有する変更済み設計データを生成するときに、プラントに適用されているマスタステータスを有する設計データを設計データ分析部が分析することを可能し、それにより、設計データ分析部は、変更済み設計データが適用された実際のプラントと同期しているマスタステータスを有する設計データに基づく分析結果を提供する一方で、変更されているが、まだプラントに適用されていないワークステータスを有する設計データ、言い換えれば、実際のプラントと同期していないワークステータスを有する設計データを設計データ分析部が分析することを防ぐ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】従来技術におけるプラントの設計データを管理および分析するためのシステムを示すブロック図である。
図2】本発明のいくつかの実施形態におけるプラントの設計データを管理および分析するためのシステムを示すブロック図である。
図3】本発明のいくつかの実施形態におけるプラントと同期したマスタステータスを有する設計データを分析する方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
いくつかの態様では、プラント設計データを管理および分析するためのシステムおよび方法は、実際のプラントと同期している設計データを自動的に取得する一方で、変更されているが、まだプラントに適用されておらず、実際のプラントと同期していないワークステータスを有する設計データを設計データ分析部が分析することを防ぐことによって、手動構成管理の代わりに、自動構成アイテム管理を可能にする構成アイテムマネージャを含む。
【0012】
プラント設計データを管理および分析するためのシステムおよび方法を実現するために、いくつかの態様では、システムは、これらに限定はしないが、設計データストレージ、設計データバージョン管理部、および構成アイテム管理部を含み得る。設計データストレージは、プラントの設計データを記憶し、設計データの各セットは、それぞれのバージョンおよびそれぞれのステータスを有し、各バージョンは、それぞれの時点に関連付けられ、各ステータスは、設計データがプラントに適用されているマスタステータス、および設計データがプラントに適用されておらず、プラントに適用されることになるワークステータスのいずれかである。設計データバージョン管理部は、設計データストレージにアクセス可能である。設計データバージョン管理部は、設計データストレージから設計データの複数のセットを取得し、設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、設計データの複数の異なるバージョンを管理するように構成される。構成アイテム管理部は、設計データバージョン管理部にアクセス可能である。構成アイテム管理部は、これに限定はしないが、設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、1つまたは複数のバージョンを有するとともにマスタステータスを有する設計データの1つまたは複数のセットを、設計データバージョン管理部から取得するように構成された設計データ取得部(DDA)を含み得る。
【0013】
本明細書中で使用する「ワークステータス(work status)」という用語は、エンジニアリングツールなどの任意のツールによって変更されているが、フィールドコントローラまたはセーフティコントローラなどのプラントにまだ適用されていない設計データのステータスを指す。本明細書中で使用する「マスタステータス(master status)」という用語は、エンジニアリングツールによって変更されており、次いでフィールドコントローラまたはセーフティコントローラに適用されている設計データのステータスを指す。エンジニアがフィールドコントローラまたはセーフティコントローラに変更済み設計データを適用するとき、フィールドコントローラまたはセーフティコントローラに適用された変更済み設計データが、マスタステータスとともにバージョン管理サーバにアップロードされる。
【0014】
システムは、変更されているが、まだプラントに適用されていないワークステータスを有する設計データ、言い換えれば、実際のプラントと同期していないワークステータスを有する設計データを設計データ分析部が分析することを防ぐことができる。
【0015】
場合によっては、設計データ取得部は、設計データバージョン管理部から設計データを自動的に取得するように構成される。
【0016】
場合によっては、構成アイテム管理部の設計データ取得部(DDA)は、これに限定はしないが、設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、設計データ取得部によって取得された、1つまたは複数のバージョンの、マスタステータスを有する設計データに含まれるプラント構成情報を分析するように構成されたマスタ設計データ分析部をさらに含み得る。
【0017】
場合によっては、プラント構成情報を分析するように構成されたマスタ設計データ分析部は、設計データ取得部(DDA)とは別個のものであるが、構成アイテム管理部内に位置し得る。
【0018】
場合によっては、マスタ設計データ分析部は、設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、設計データ取得部によって取得されたマスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データのプラント構成を分析するように構成される。
【0019】
場合によっては、設計データ分析部は、設計データストレージ内の設計データとは独立した、マスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データのプラント構成を分析するように構成される。
【0020】
システムは、変更されているが、まだプラントに適用されていないワークステータスを有する設計データ、言い換えれば、実際のプラントと同期していないワークステータスを有する設計データを設計データ分析部が分析することを防ぐ。
【0021】
場合によっては、マスタ設計データ分析部は、構成アイテムの複数のセットの情報を有し、各構成アイテムの情報は、構成アイテムカテゴリ、構成アイテムカテゴリに属する構成アイテムタイプ、構成アイテム名、および構成アイテムフルパスを含み、マスタ設計データ分析部は、各構成アイテムに関連するデバイス特性、およびデバイス特性に関連するデバイス注釈をさらに有する。
【0022】
場合によっては、構成アイテム管理部は、これに限定はしないが、フィールド制御システムの実装に関するより詳細な情報を求める1つまたは複数のクエリをフィールド制御システムに送信し、フィールド制御システムから実装に関するより詳細な情報を取得するように構成された実装データ取得部(IDA)をさらに含み得る。
【0023】
場合によっては、構成アイテム管理部は、これに限定はしないが、フィールド制御システムに接続された複数のネットワークデバイスにアクセス可能であるように構成されたネットワークデバイス検出部(NDD)をさらに含み得る。ネットワークデバイス検出部(NDD)は、PCまたはネットワークデバイスを走査および登録し、構成アイテムに関して、複数のネットワークデバイスの構成ステータスの情報を取得するように構成される。
【0024】
場合によっては、システムは、これに限定はしないが、設計データストレージに記憶された設計データを編集または変更するように構成された設計データエディタデバイスをさらに含むことができ、設計データストレージに記憶されており、設計データエディタデバイスによって一度編集または変更されている設計データは、フィールド制御システムによって設計データが取得されるまでワークステータスを有する。
【0025】
場合によっては、システムは、これに限定はしないが、マスタ設計データ分析部にアクセス可能な構成アイテムエディタ部をさらに含むことができ、構成アイテムエディタ部は、マスタ設計データ分析部から構成アイテムの複数のセットの情報を取得するように構成され、構成アイテムエディタ部は、テーブルの形式で構成アイテムの複数のセットの情報を表すように構成される。
【0026】
場合によっては、システムは、これに限定はしないが、分析の結果を表すように構成される構成アイテムエディタ部をさらに含み得、この分析の結果は、これらに限定はしないが、フィールド制御局、プラントネットワークのノード、I/O、入出力モジュール、フィールド制御局以外の局、および各フィールド制御局と入出力モジュールとの間の接続を少なくとも含む。
【0027】
他の態様では、システムは、これに限定はしないが、プラントの設計データを分析する方法であって、これらに限定はしないが、設計データストレージから設計データバージョン管理部へ、プラントの設計データの複数のセットをアップロードするステップであって、設計データの各セットは、それぞれのバージョンおよびそれぞれのステータスを有し、各バージョンは、それぞれの時点に関連付けられ、各ステータスは、設計データがプラントに適用されているマスタステータス、および設計データがプラントに適用されておらず、プラントに適用されることになるワークステータスのいずれかである、ステップと、設計データバージョン管理部により、設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、設計データの複数の異なるバージョンを管理するステップと、構成アイテム管理部により、設計データバージョン管理部からマスタ設計データ分析部へ、設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、設計データバージョン管理部からの、1つまたは複数のバージョンを有するとともにマスタステータスを有する設計データの1つまたは複数のセットをダウンロードするステップと、マスタ設計データ分析部により、設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、設計データストレージ内の設計データから独立した、設計データ取得部によって取得された、1つまたは複数のバージョンの、マスタステータスを有する設計データに含まれるプラント構成情報を分析するステップとを含み得る方法をさらに含み得る。
【0028】
上述のシステムは、設計データ分析部による設計データの分析中にエンジニアが設計データを変更することを可能にする一方で、変更されているが、まだプラントに適用されていないワークステータスを有する設計データ、言い換えれば、実際のプラントと同期していないワークステータスを有する設計データを設計データ分析部が分析することを防ぐ。
【0029】
場合によっては、システムは、これに限定はしないが、設計データの1つまたは複数のセットをダウンロードするステップであって、これに限定はしないが、構成アイテム管理部により、設計データの1つまたは複数のセットを自動的にダウンロードするステップを含み得る、ステップをさらに含み得る。
【0030】
場合によっては、システムは、これに限定はしないが、マスタ設計データ分析部により、プラント構成情報を分析するステップであって、これに限定はしないが、設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、設計データ取得部によって取得されたマスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データのプラント構成を分析するステップを含み得る、ステップをさらに含み得る。
【0031】
場合によっては、システムは、これに限定はしないが、マスタ設計データ分析部により、プラント構成情報を分析するステップであって、これに限定はしないが、設計データストレージ内の設計データから独立した、マスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データのプラント構成を分析するステップを含み得る、ステップをさらに含み得る。
【0032】
他の態様では、システムは、これらに限定はしないが、設計データバージョン管理部およびマスタ設計データ分析部を含み得る。設計データバージョン管理部は、設計データストレージから設計データの複数のセットを取得し、設計データの複数の異なるバージョンを管理するように構成され、設計データの各セットは、それぞれのバージョンおよびそれぞれのステータスを有し、各バージョンは、それぞれの時点に関連付けられ、各ステータスは、設計データがプラントに適用されているマスタステータス、および設計データがプラントに適用されておらず、プラントに適用されることになるワークステータスのいずれかである。マスタ設計データ分析部は、設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、設計データストレージ内の設計データから独立した、設計データ取得部によって取得された、1つまたは複数のバージョンの、マスタステータスを有する設計データに含まれるプラント構成情報を分析するように構成される。
【0033】
場合によっては、システムは、これに限定はしないが、構成アイテムの複数のセットの情報を有するマスタ設計データ分析部をさらに含むことができ、各構成アイテムの情報は、これらに限定はしないが、構成アイテムカテゴリ、構成アイテムカテゴリに属する少なくとも1つの構成アイテムタイプ、少なくとも1つの構成アイテムタイプの各々に属する複数の構成アイテム特性、各構成アイテム特性に関連するデバイス特性、およびデバイス特性に関連するデバイス注釈を含み得る。
【0034】
他の態様では、システムは、これに限定はしないが、マスタ設計データ分析部にアクセス可能な構成アイテムエディタ部をさらに含み得る。構成アイテムエディタ部は、マスタ設計データ分析部から、マスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する少なくとも設計データの、マスタ設計データ分析部によって行われた分析の結果を取得するように構成される。分析の結果は、プラントの現在の構成を含む情報を表す。
【0035】
さらに他の態様では、システムは、これらに限定はしないが、構成アイテム管理部およびマスタ設計データ分析部を含み得る。構成アイテム管理部は、これに限定はしないが、設計データストレージに記憶された設計データの複数の異なるバージョンを管理するように構成された設計データバージョン管理部にアクセス可能な設計データ取得部(DDA)を含むことができ、設計データは、設計データがプラントに適用されているマスタステータスを有するマスタ設計データ、および設計データがプラントに適用されておらず、プラントに適用されることになるワークステータスを有するワーク設計データを含み、設計データ取得部(DDA)は、設計データバージョン管理部からマスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有するマスタ設計データを自動的に取得するように構成される。マスタ設計データ分析部は、設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、設計データ取得部によって取得されたマスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データのプラント構成を分析するように構成される。
【0036】
マスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データは、エンジニアリングツールを介して変更可能である設計データを記憶する設計データストレージから設計データを取得するように構成された設計データバージョン管理システムから取得される。設計データバージョン管理システムは、設計データの複数の異なるバージョンを管理するように構成され、設計データは、設計データがプラントに適用されているマスタステータスを有するマスタ設計データ、および設計データがプラントに適用されておらず、プラントに適用されることになるワークステータスを有するワーク設計データを含む。設計データストレージ内の設計データを変更することとは独立して、設計データ取得部によって取得されたマスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データの分析済みプラント構成がある。
【0037】
上述のシステムおよび方法は、マスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データを設計データバージョン管理部から、設計データがプラントにダウンロードされプラントに適用されるプラントダウンロード設計データとは別個の分析設計データにダウンロードすることを可能にするという点で、技術的改善をもたらし、エンジニアリングツールは、プラントダウンロード設計データにアクセスすること、およびプラントダウンロード設計データ内の設計データを変更することが許容され、設計データ取得部(DDA)以外のエンジニアリングツールは、分析設計データにアクセスすることが禁止され、分析設計データ内の設計データを変更することが禁止される。設計データ取得部(DDA)は、分析設計データにアクセスし、分析設計データを分析するように構成されるマスタ設計データ分析部を含む。設計データ取得部(DDA)は、マスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データをダウンロードし、マスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有するダウンロードされた設計データをマスタ設計データ分析部が分析できるようにするために、設計データバージョンマネージャからアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を呼び出す。上述のシステムおよび方法は、設計データ分析部による設計データの分析中にエンジニアが設計データを変更することを可能にする。
【0038】
さらに、設計データ分析部による設計データの分析中にエンジニアが設計データを変更した場合、上述のシステムおよび方法は、変更済み設計データが適用された実際のプラントと同期していないマスタステータスを有する設計データに基づく分析結果を設計データ分析部が提供する場合でも、プラントに変更済み設計データを適用するために、エンジニアが設計データを変更し、ワークステータスを有する変更済み設計データを生成するときに、プラントに適用されているマスタステータスを有する設計データを設計データ分析部が分析することを可能にする。
【0039】
上述の構成アイテムマネージャは、技術的問題を解決することができる。上述の構成アイテムマネージャは、エンジニアがプラントのステータスを知ることを可能にするように設計される。本明細書中で使用する「構成アイテム(configuration item)」という用語は、構成階層の任意のレベルにおける固有のハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントの構成のための要素を指し、固有のハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントは、他とは別個のものであるか、または固有に構成可能である。「構成アイテム」の典型的な例としては、これらに限定はしないが、フィールド制御システム/局(FCS)またはセーフティ制御システム/局(SCS)、FCSまたはSCSに含まれる各プロセッサ、電源ユニット、およびフィールド制御システム(FCS)またはセーフティ制御システム(SCS)などの各システムに割り振られたソフトウェアライセンスがあり得る。言い換えれば、構成階層の任意のレベルにおける任意のハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントが、構成アイテムとして定義され得る。構成アイテムマネージャは、これらに限定はしないが、設計データ取得部(DDA)、実装データ取得部(IDA)、およびネットワークデバイス検出部(NDD)を含み得る。実装データ取得部(IDA)は、フィールド制御システムの実装に関するより詳細な情報を求める1つまたは複数のクエリをフィールド制御システムに送信し、フィールド制御システムから実装に関するより詳細な情報を取得するように構成される。ユーザは、構成アイテム(CI)エディタ部を介して、実装データ取得部(IDA)のフィールドコントローラなどのターゲットデバイスを選択する。通常、構成アイテムは設計データ取得部(DDA)によって登録される。ユーザは、実装データ取得部(IDA)を実行し、実装データ取得部(IDA)は、フィールドコントローラなどのターゲットデバイスにクエリを送信する。
【0040】
設計データ取得部(DDA)は、設計データバージョン管理部からマスタ設計データを取得するように設計され、設計データバージョン管理部は、マスタ設計データとワーク設計データの両方を管理する。設計データ取得部(DDA)は、マスタ設計データ分析部がマスタ設計データにおけるプラント構成データを分析することを可能にする目的で、マスタ設計データを取得し、現在のプラント構成を取得するように設計される。いくつかの例では、現在のプラント構成は、これらに限定はしないが、フィールドコントローラ(FCS)の数、各フィールドコントローラにどのI/Oモジュールが属するか、およびフィールドコントローラ(FCS)と各I/Oモジュールの間の接続ステータスを含み得る。構成アイテムエディタ部はディスプレイを有する。構成アイテムエディタ部は、マスタ設計データにおけるプラント構成データを分析したマスタ設計データ分析部によって与えられた分析済みプラント構成を取得し、そのディスプレイスクリーン上に表示するように構成される。すなわち、ユーザは、構成アイテム(CI)エディタ部を介して、実装データ取得部(IDA)のフィールドコントローラなどのターゲットデバイスを選択する。通常、構成アイテムは設計データ取得部(DDA)によって登録される。ユーザは、実装データ取得部(IDA)を実行し、実装データ取得部(IDA)は、フィールドコントローラ(FCS)およびI/Oモジュールに1つまたは複数のクエリを送信する。実装データ取得部(IDA)は、一般的プロトコルを使用することによって様々なソフトウェア製品のバージョンの形成ならびにフィールドコントローラ(FCS)およびI/Oモジュールについての実装に関する詳細な情報を取得する。
【0041】
ネットワークデバイス検出部(NDD)は、フィールド制御システムに接続された複数のネットワークデバイスにアクセス可能であるように構成され、ネットワークデバイス検出部(NDD)は、構成アイテムに関して、複数のネットワークデバイスの構成ステータスを取得するように構成される。
【0042】
上述の構成アイテムマネージャは、フィールドデバイスなどのプラントに導入されたデバイスを制御するためのコントローラのエンジニアリングデータのデータベースを、プラントシステムを構成するプラント構成アイテムのリストに変換するために使用される変換ルールの統合セットまたは統合テーブルを有し得る。変換ルールの統合セットまたは統合構成アイテムテーブルは、単一のロケーションにおいて必要なエンジニアリングデータのすべてまたは大部分を統合する。「構成アイテム」の概念を使用することなく、エンジニアリングデータは、異なるロケーションにおいて空間的に分散される。
【0043】
また、上述の構成アイテムマネージャは、フィールドデバイスなどのプラントに導入されたデバイスを制御するためのコントローラのエンジニアリングデータのデータベースを、プラントシステムを構成するプラント構成アイテムのリストに変換するために使用される変換ルールの統合セットまたは統合テーブルを提示または出力するように構成された構成アイテムエディタ部を有し得る。場合によっては、構成アイテムエディタ部は、フィールドデバイスなどのプラントに導入されたデバイスを制御するためのコントローラのエンジニアリングデータのデータベースを、プラントシステムを構成するプラント構成アイテムのリストに変換するために使用されるテーブルをそのディスプレイスクリーン上に表示するように構成される。
【0044】
システムは、データの衝突およびデータの一貫性欠如の可能性を生じさせないように構成されるので、上述の構成アイテムマネージャは、設計データ分析部による設計データの分析中にエンジニアが設計データを変更することを可能にする。さらに、上述の構成アイテムマネージャは、エンジニアリングデータとも称される設計データのどの部分が、変更されているが、まだプラントと同期しておらず、かつ/またはプラントにダウンロードされていないかを、プラントの現在の構成情報を取得するために設計データのこの部分を分析することができるので、エンジニアが知ることができるようにする。上述の構成アイテムマネージャは、設計データのどの部分が、変更および/または編集されているが、まだプラントの実際のデバイスと同期しておらず、かつ/または当該デバイスにダウンロードされていないかを、エンジニアが知ることを可能にする。
【0045】
上述の構成アイテムマネージャは、手動構成管理の代わりに、上述の自動構成アイテム管理を可能にする。手動構成管理システムによれば、エンジニアは設計データを更新することができず、設計データを誤って更新し、データの衝突およびデータの一貫性欠如が生じる。上述の構成アイテムマネージャは、実際のプラントと同期している設計データを自動的に取得する一方で、変更されているが、まだプラントに適用されていないワークステータスを有する設計データ、言い換えれば、実際のプラントと同期していないワークステータスを有する設計データを設計データ分析部が分析することを防ぐ、上述の自動構成アイテム管理を可能にする。エンジニアは、エンジニアリングデータとも称される設計データのどの部分が、変更されているが、まだプラントと同期しておらず、かつ/またはプラントにダウンロードされていないかを、プラントの現在の構成情報を取得するために設計データのこの部分を分析することができないので、知っている必要がある。しかし、上述の構成アイテムマネージャは、設計データのどの部分が、変更および/または編集されているが、まだプラントの実際のデバイスと同期しておらず、かつ/または当該デバイスにダウンロードされていないかを、エンジニアが知ることを可能にする。
【0046】
場合によっては、取引先企業のエンジニアは、エンジニアリングツールを使用し、エンジニアリングツール以外のシステムの構成要素を管理する管理会社の管理エンジニアの許可なしに設計データを変更し得る。この場合、手動構成アイテム管理の代わりに上述の自動構成アイテム管理を可能にするように構成された上述の構成アイテムマネージャは、実際のプラントと同期している設計データを自動的に取得する一方で、変更されているが、まだプラントに適用されていないワークステータスを有する設計データ、言い換えれば、実際のプラントと同期していないワークステータスを有する設計データを設計データ分析部が分析することを防ぐのに有用である。
【0047】
説明のための例
上述の実施形態は説明のすべてであるが、上述の実施形態をさらに理解しやすくするために、図面を参照しながらいくつかの説明のための例を与える。図2は、本発明のいくつかの実施形態におけるプラントの設計データを管理および分析する方法を示すブロック図である。図3は、本発明のいくつかの実施形態におけるプラントと同期したマスタステータスを有する設計データを分析する方法を示すブロック図である。
【0048】
設計データを取得および分析するためのシステム20000は、これらに限定はしないが、エンジニアリングツール21000、オートメーション設計システム22000、プラントダウンロード設計データ23000、マスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する分析設計データ24000、およびプラント25000を含み得る。
【0049】
プラントダウンロード設計データ23000は、ダウンロードされ、プラントデバイスに適用されることになる設計データを指す。
【0050】
オートメーション設計システム22000は、これに限定はしないが、設計データバージョン管理部22100を含み得る。設計データバージョン管理部22100は、プラントダウンロード設計データ23000にアクセス可能である。設計データバージョン管理部22100は、プラントダウンロード設計データ23000からマスタステータスを有する設計データとワークステータスを有する設計データの両方の設計データの複数のセットを取得するように構成される。設計データバージョン管理部22100は、マスタステータスを有する設計データとワークステータスを有する設計データの両方の設計データの複数の異なるバージョンを管理するように構成される。
【0051】
エンジニアリングツール21000は、これらに限定はしないが、オートメーション設計オーガナイザ21100、システムビュー21200、およびワークベンチ21300を含み得る。オートメーション設計オーガナイザ21100は、これに限定はしないが、構成アイテム管理部21110を含み得る。構成アイテム管理部21110は、これらに限定はしないが、設計データ取得部(DDA)21112、実装データ取得部(IDA)21116、およびネットワークデバイス検出部(NDD)21118を含み得る。設計データ取得部(DDA)21112は、これに限定はしないが、マスタ設計データ分析部21114をさらに含み得る。
【0052】
マスタ設計データ分析部21114は、エンジニアリングツール21000を介してプラントダウンロード設計データ23000内の設計データを変更することとは独立して、設計データ取得部によって取得されたマスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データ24000に含まれるプラント構成情報を分析するように構成される。
【0053】
エンジニアリングツール21000は、プラントダウンロード設計データ23000にアクセスするように構成され、プラントダウンロード設計データ23000内の設計データを変更するように構成される。設計データ取得部(DDA)21112以外のエンジニアリングツール21000は、分析設計データ24000にアクセスすること、および分析設計データ24000内の設計データを変更することが禁止されるように構成される。オートメーション設計オーガナイザ21100の構成アイテム管理部21110のマスタ設計データ分析部21114は、分析設計データ24000にアクセスし、分析設計データ24000を分析するように構成される。
【0054】
プラントダウンロード設計データ23000は、プラントの設計データであり、設計データの各セットは、それぞれのバージョンおよびそれぞれのステータスを有し、各バージョンは、それぞれの時点に関連付けられ、各ステータスは、設計データがプラントに適用されているマスタステータス、および設計データがプラントに適用されておらず、プラントに適用されることになるワークステータスのいずれかである。
【0055】
プラント25000は、これらに限定はしないが、フィールドコントローラ(FCS)またはセーフティコントローラ(SCS)、ノードデバイス、I/Oモジュール(IOM)、およびワークステータスを有する設計データが新たに適用されるI/O(IO)を含み得る。
【0056】
分析設計データ24000は、プラントダウンロード設計データ23000とは別個のものである。分析設計データ24000は、設計データバージョン管理部22100からダウンロードされるマスタステータスを有する設計データであり、ワークステータスを有する設計データは、プラントダウンロード設計データ23000からプラント25000にダウンロードされており、プラント25000に適用されている。
【0057】
構成アイテム管理部21110は、設計データバージョン管理部22100にアクセス可能である。構成アイテム管理部21110は、これらに限定はしないが、設計データ取得部(DDA)21112、実装データ取得部(IDA)21116、およびネットワークデバイス検出部(NDD)21118を含み得る。設計データ取得部(DDA)21112は、エンジニアリングツールを介してプラントダウンロード設計データ23000を変更することとは独立して、設計データバージョン管理部22100からマスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データを取得するように構成される。実装データ取得部(IDA)21116は、フィールド制御システムの実装に関するより詳細な情報を求める1つまたは複数のクエリをフィールド制御システムに送信し、フィールド制御システムから実装に関するより詳細な情報を取得するように構成される。ネットワークデバイス検出部(NDD)21118は、フィールド制御システムに接続された複数のネットワークデバイスにアクセス可能であるように構成される。ネットワークデバイス検出部(NDD)21118は、構成アイテムに関して、複数のネットワークデバイスの構成ステータスを取得するように構成される。
【0058】
ユーザは、エンジニアリング/設計データを取得および分析することによって、プラント25000の現在の構成情報を調査しようとする。マスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データが、設計データバージョン管理部22100から分析設計データストレージ26000にダウンロードされる。マスタ設計データ分析部21114は、設計データバージョン管理部22100からダウンロードされているマスタステータスを有するマスタ設計データを分析し、マスタステータスを有するマスタ設計データは、プラント25000のデバイスの現在適用されているかまたは実装されている構成を示す。ユーザは、プラント25000のデバイスの現在適用されているかまたは実装されている構成を知ることができる。この特徴は、設計データ分析部22000がマスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データを取得および分析できるようにするために、マスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データを設計データバージョン管理部22100から、分析設計データストレージ26000が位置する分析のための分析ロケーションにダウンロードする。分析設計データストレージ26000のロケーションは、エンジニアリングツール21000のオートメーション設計オーガナイザ21100における設計データ取得部(DDA)21112のロケーションと同じであるか、または当該ロケーションとは異なる可能性がある。
【0059】
図3は、エンジニアが以下を行った例を示す。
- 設計データを変更し(この時点では、改訂は100である)、
- プラントに設計データを適用し(この時点では、改訂は101である)、
- 再び設計データを変更する(この時点では、改訂は102である)。
【0060】
したがって、設計データ内容は改訂102であるが、実際のプラント内容は改訂101である。この場合、設計データは実際のプラントと同期していないので、エンジニアは設計データを直接分析することができない。エンジニアは改訂101を分析すべきである。したがって、この機能は、以下のステップでそれを取得する。
【0061】
第1の動作は、マスタステータス最新バージョンのマスタステータスを有する設計データについてバージョン管理サーバに問い合わせることである。
【0062】
問い合わせに応答して、設計データバージョン管理部22100は、マスタステータス中に改訂101がアップロードされたので改訂101を返す。
【0063】
第2の動作は、設計データバージョン管理部22100から分析設計データストレージ26000へ、改訂101の設計データをダウンロードすることである。
【0064】
設計データバージョン管理部22100は、分析設計データストレージ26000に改訂101の設計データを送信する。
【0065】
マスタ設計データ分析部21114は、分析設計データストレージ26000から改訂101の設計データを取得し、改訂101の設計データを分析し、改訂101の設計データは、プラントダウンロード設計データ23000における元の設計データではなく、分析設計データストレージ26000におけるダウンロードされたマスタステータス設計データである。
【0066】
図3は、設計データが実際のプラントと同期していないので、設計データ分析部が設計データを直接分析することができないことを示す。設計データ分析部22000は、設計データバージョン管理部22100からダウンロードされたマスタステータスを有するダウンロード済み設計データを分析する。設計データ分析部22000は、設計データから「構成アイテム」を作成するように設計され得る。構成アイテムは、「カテゴリ」、「タイプ」、および「特性」を有する。分散型制御システム/局(DCS)のエンジニアリングデータのデータベースを、プラントシステムを構成するプラント構成アイテムのリストに変換するために、変換ルールの統合セットまたは統合テーブルが使用される。セーフティ制御システム/局(SCS)のエンジニアリングデータのデータベースを、プラントシステムを構成するプラント構成アイテムのリストに変換するために、変換ルールの統合セットまたは統合テーブルが使用される。
【0067】
「構成アイテムカテゴリ」列、「構成アイテムタイプ」列、および「構成アイテム特性」列は、「構成アイテム」の「カテゴリ」、「タイプ」および「特性」を有する。「VP特性」列および「RS特性」は、設計データのデータを有する。場合によっては、設計データは、構成アイテムを作成するための十分な情報を有しない。この場合、設計データ分析部が構成アイテムを作成する。たとえば、設計データは、「コントローラ」情報の「プロセッサモジュール」を有しない。設計データ分析部は、設計データから「コントローラタイプ」を取得することができ、「コントローラタイプ」から「プロセッサモジュール」の「構成アイテム」を作成する。
【0068】
マスタ設計データ分析部21114は、システムによって提供されるオブジェクトのリンクと埋込み(object linking and embedding,OLE)インターフェースなどの任意の利用可能なインターフェース、およびシステムによって提供される実行ファイル「exe」を使用して、マスタ設計データを読み取り、設計データを含む設計データファイルを直接分析する。
【0069】
構成アイテム管理部21110は、構成アイテムエディタ部と、分散型制御システム(DCS)またはセーフティ制御システム(SCS)のエンジニアリングデータのデータベースを、プラントシステムを構成するプラント構成アイテムのリストに変換するために使用される変換ルールまたはテーブルとを有する。分散型制御システム(DCS)のエンジニアリングデータのデータベースから変換されたプラントシステムを構成するプラント構成アイテムのテーブル形式のリストが使用され得る。セーフティ制御システム(DCS)のエンジニアリングデータのデータベースから変換されたプラントシステムを構成するプラント構成アイテムのリストが使用され得る。リストは、構成アイテム管理部21110に含まれる構成アイテムエディタ部上に表示される。構成アイテムは、構成アイテムカテゴリの階層の形式で定義され得る。「構成アイテムカテゴリ」は、階層に従って定義され得、上から下に、局/PC、局に属する局構成要素、局構成要素に属するフィールドネットワークデバイスを示す。上から下への順序は随意である。構成アイテム特性は、階層の形式による構成アイテムの表現を可能にするために、構成アイテムを一様に識別する構成アイテム(CI)フルパス、たとえば、[システムプロジェクト名]\[局名]\[トレーン名]\[ノード名]\[ユニット名]を有する。構成アイテムは、階層の異なるレベルの各々に関して定義され得る。たとえば、構成アイテム管理部21110が認識できる上位レベルにおける構成アイテムとして、フィールド制御局「局」が定義され得る。構成アイテム管理部21110が認識できる下位レベルにおける別の構成アイテムとして、フィールド制御局「局」に属するプロセッサモジュール「プロセッサモジュール」が定義され得る。構成アイテム管理部21110が認識できる別の下位レベルにおけるさらに別の構成アイテムとして、フィールド制御局「局」に属する電源ユニット「電源」が定義され得る。構成アイテムは、分散型制御システム(DCS)の「VPプロジェクト」およびセーフティ制御システム(SCS)の「SCSプロジェクト」など、構成アイテム管理部21110があらゆるレベルでプラントを管理することを可能にする。
【0070】
上記のシステムは、上述の2つの技術的問題を解決することができる。エンジニアは、設計データ分析部による設計データの分析中に設計データを変更し得る。設計データ分析部による設計データの分析中にエンジニアが設計データを変更する場合、コントローラまたはセーフティコントローラに実際に適用される変更済み設計データではない以前の設計データを設計データ分析部が分析しても、コントローラまたはセーフティコントローラに変更済み設計データが適用される。すなわち、設計データ分析部は、コントローラまたはセーフティコントローラと同期していない設計データを分析する。本明細書中で使用する「デバイスまたはプラントと同期した設計データ」という用語は、デバイスまたはプラントに現在適用されている設計データを指す。
【0071】
上記で説明したシステムまたは装置の各要素またはデバイスは、ソフトウェア有りまたは無しでハードウェアによって実現され得る。場合によっては、システムまたは装置は、1つまたは複数のハードウェアプロセッサおよび1つまたは複数のソフトウェアコンポーネントによって実現され得、システムまたは装置の各要素またはデバイスを実現するために、1つまたは複数のハードウェアプロセッサによって1つまたは複数のソフトウェアコンポーネントが実行されることになる。いくつかの他の場合には、システムまたは装置は、システムまたは装置の各要素またはデバイスの各動作を実施するように構成された回路または回路構成のシステムによって実現され得る。
【0072】
上述の実施形態におけるシステムおよび方法は、1つまたは複数のプロセッサ上でコンピュータソフトウェア、ソフトウェアコンポーネント、プログラムコード、および/または命令を実行する機械または回路構成を通じて、部分的または全体的に配置され得る。1つまたは複数のプロセッサは、汎用コンピュータ、サーバ、クラウドサーバ、クライアント、ネットワークインフラストラクチャ、モバイルコンピューティングプラットフォーム、固定コンピューティングプラットフォーム、または他のコンピューティングプラットフォームの一部であり得る。1つまたは複数のプロセッサは、プログラム命令、コード、バイナリ命令などを実行することが可能である任意の種類の1つまたは複数の計算または処理デバイスであり得る。1つまたは複数のプロセッサは、記憶されたプログラムコードもしくはプログラム命令の実行を直接もしくは間接的に容易にし得る、信号プロセッサ、デジタルプロセッサ、組込みプロセッサ、マイクロプロセッサ、もしくはコプロセッサ、たとえば、数値演算コプロセッサ、グラフィックコプロセッサ、通信コプロセッサなどのような任意の変形形態であるか、またはそれらを含むことがある。さらに、1つまたは複数のプロセッサは、複数のプログラム、スレッド、およびコードの実行を可能にし得る。スレッドは、1つまたは複数のプロセッサのパフォーマンスを向上させるために、またアプリケーションの同時動作を容易にするために、同時に実行され得る。本明細書中で説明するプログラムコード、プログラム命令などは、1つまたは複数のスレッドにおいて実現され得る。1つまたは複数のプロセッサは、本明細書中で説明するコード、命令およびプログラムを記憶するメモリを含み得る。プロセッサは、本明細書中および他の場所で説明されるコード、命令およびプログラムを記憶し得る非一時的プロセッサ可読記憶媒体にインターフェースを通じてアクセスし得る。コンピューティングまたは処理デバイスによって実行可能なプログラム、コード、プログラム命令または他のタイプの命令を記憶するためのプロセッサに関連する非一時的プロセッサ可読記憶媒体は、これらに限定はしないが、メモリ、ハードディスク、フラッシュドライブ、RAM、ROM、CD-ROM、DVD、キャッシュなどのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0073】
プロセッサは、マルチプロセッサの速度およびパフォーマンスを向上させ得る1つまたは複数のコアを含み得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、2つ以上の独立したコアを結び付けるデュアルコアプロセッサ、クアッドコアプロセッサ、他のチップレベルマルチプロセッサなどであり得る。
【0074】
本明細書中で説明する方法およびシステムは、サーバ、クライアント、ファイアウォール、ゲートウェイ、ハブ、ルータ、または他のそのようなコンピュータおよび/もしくはネットワーキングハードウェア上でコンピュータソフトウェアを実行する機械を通じて部分的または全体的に配置され得る。
【0075】
ソフトウェアプログラムは、ファイルクライアント、プリントクライアント、ドメインクライアント、インターネットクライアント、イントラネットクライアントおよび2次クライアント、ホストクライアント、分散型クライアントなどのような他の変形形態を含み得る1つまたは複数のクライアントに関連付けられ得る。クライアントは、メモリ、プロセッサ、コンピュータ可読媒体、記憶媒体、物理的ポートおよび仮想ポート、通信デバイス、ならびに有線媒体またはワイヤレス媒体を通じて他のクライアント、サーバ、機械、およびデバイスにアクセスすることが可能なインターフェースなどのうちの1つまたは複数を含み得る。本明細書中で説明するプログラムまたはコードは、クライアントによって実行され得る。さらに、本出願で説明する方法の実行に必要な他のデバイスが、クライアントに関連するインフラストラクチャの一部として考えられ得る。クライアントは、サーバ、他のクライアント、プリンタ、データベースサーバ、プリントサーバ、ファイルサーバ、通信サーバ、分散型サーバなどを含む他のデバイスへのインターフェースを提供し得る。この結合および/または接続は、ネットワークにわたるプログラムの遠隔実行を容易にし得る。これらのデバイスの一部または全部のネットワーキングは、1つまたは複数のロケーションにおけるプログラムまたは方法の並行処理を容易にし得る。さらに、インターフェースを通じてクライアントに接続されたデバイスのいずれも、方法、プログラム、アプリケーション、コードおよび/または命令を記憶することが可能な少なくとも1つの記憶媒体を含み得る。中央リポジトリが、異なるデバイス上で実行されることになるプログラム命令を提供し得る。この実装形態では、遠隔リポジトリは、プログラムコード、命令、およびプログラムのための記憶媒体としての働きをし得る。
【0076】
ソフトウェアプログラムは、ファイルサーバ、プリントサーバ、ドメインサーバ、インターネットサーバ、イントラネットサーバおよび2次サーバ、ホストサーバ、分散型サーバなどのような他の変形形態を含み得る1つまたは複数のサーバに関連付けられ得る。サーバは、メモリ、プロセッサ、コンピュータ可読媒体、記憶媒体、物理的ポートおよび仮想ポート、通信デバイス、ならびに有線媒体またはワイヤレス媒体を通じて他のサーバ、クライアント、機械、およびデバイスにアクセスすることが可能なインターフェースなどのうちの1つまたは複数を含み得る。本明細書中で説明する方法、プログラムまたはコードは、サーバによって実行され得る。さらに、本出願で説明する方法の実行に必要な他のデバイスが、サーバに関連するインフラストラクチャの一部として考えられ得る。サーバは、クライアント、他のサーバ、プリンタ、データベースサーバ、プリントサーバ、ファイルサーバ、通信サーバ、分散型サーバ、ソーシャルネットワークなどを含む他のデバイスへのインターフェースを提供し得る。この結合および/または接続は、ネットワークにわたるプログラムの遠隔実行を容易にし得る。これらのデバイスの一部または全部のネットワーキングは、1つまたは複数のロケーションにおけるプログラムまたは方法の並行処理を容易にし得る。インターフェースを通じてサーバに接続されたデバイスのいずれも、プログラム、コードおよび/または命令を記憶することが可能な少なくとも1つの記憶媒体を含み得る。中央リポジトリが、異なるデバイス上で実行されることになるプログラム命令を提供し得る。この実装形態では、遠隔リポジトリは、プログラムコード、命令、およびプログラムのための記憶媒体としての働きをし得る。
【0077】
本明細書中で説明する方法およびシステムは、ネットワークインフラストラクチャを通じて部分的または全体的に配置され得る。ネットワークインフラストラクチャは、コンピューティングデバイス、サーバ、ルータ、ハブ、ファイアウォール、クライアント、パーソナルコンピュータ、通信デバイス、ルーティングデバイス、ならびに当技術分野で知られている他の能動的および受動的デバイス、モジュールおよび/またはコンポーネントなどの要素を含み得る。ネットワークインフラストラクチャに関連するコンピューティングおよび/または非コンピューティングデバイスは、他の構成要素以外に、フラッシュメモリ、バッファ、スタック、RAM、ROMなどのような記憶媒体を含み得る。本明細書中および他の場所で説明されるプロセス、方法、プログラムコード、命令は、ネットワークインフラストラクチャ要素のうちの1つまたは複数によって実行され得る。
【0078】
本明細書中で説明する方法、プログラムコード、および命令は、複数のセルを有するセルラーネットワーク上で実現され得る。セルラーネットワークは、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワークまたは符号分割多元接続(CDMA)ネットワークのいずれかであり得る。セルラーネットワークは、モバイルデバイス、セルサイト、基地局、リピータ、アンテナ、タワーなどを含み得る。セルネットワークは、GSM(登録商標)、GPRS、3G、EVDO、メッシュ、または他のネットワークタイプであり得る。
【0079】
本明細書中および他の場所で説明される方法、プログラムコード、および命令は、モバイルデバイス上で、またはモバイルデバイスを通じて実現され得る。モバイルデバイスは、ナビゲーションデバイス、セルフォン、モバイルフォン、モバイル携帯情報端末、ラップトップ、パームトップ、ネットブック、ページャ、電子ブックリーダ、音楽プレーヤなどを含み得る。これらのデバイスは、他の構成要素以外に、フラッシュメモリ、バッファ、RAM、ROMなどの記憶媒体および1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含み得る。モバイルバイスに関連するコンピューティングデバイスは、記憶されたプログラムコード、方法、および命令を実行するように有効化され得る。代替的に、モバイルデバイスは、他のデバイスと共同して命令を実行するように構成され得る。モバイルデバイスは、サーバとインターフェースが取れておりプログラムコードを実行するように構成された基地局と通信し得る。モバイルデバイスは、ピアツーピアネットワーク、メッシュネットワーク、または他の通信ネットワーク上で通信し得る。プログラムコードは、サーバに関連する記憶媒体上に記憶され、サーバ内に組み込まれたコンピューティングデバイスによって実行され得る。基地局は、コンピューティングデバイスおよび記憶媒体を含み得る。記憶デバイスは、基地局に関連するコンピューティングデバイスによって実行されるプログラムコードおよび命令を記憶し得る。
【0080】
コンピュータソフトウェア、プログラムコード、および/または命令は、ある時間間隔で計算に使用されるデジタルデータを保持するコンピュータコンポーネント、デバイス、および記録媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)として知られる半導体ストレージ、光ディスク、ハードディスク、テープ、ドラム、カードおよび他のタイプのような磁気ストレージの形態など、より永続的記憶に典型的なマスストレージ、プロセッサレジスタ、キャッシュメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、CD、DVDなどの光ストレージ、フラッシュメモリ、たとえば、USBスティックまたはキー、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、紙テープ、パンチカード、独立型RAMディスク、ジップドライブ、取外し可能マスストレージ、オフラインなどのような取外し可能媒体、ダイナミックメモリ、スタティックメモリ、読取り/書込みストレージ、可変ストレージ(mutable storage)、読取り専用、ランダムアクセス、逐次アクセス、ロケーションアドレス指定可能、ファイルアドレス指定可能、コンテンツアドレス指定可能、ネットワーク接続ストレージ、ストレージエリアネットワーク、バーコード、磁気インクなどのような他のコンピュータメモリを含み得る機械可読媒体上で記憶および/またはアクセスされ得る。
【0081】
本明細書中で説明する方法、デバイス、装置、およびシステムは、物理的アイテムおよび/または無形アイテムをある状態から別の状態に変換し得る。また、本明細書中で説明する方法およびシステムは、物理的アイテムおよび/または無形アイテムを表すデータをある状態から別の状態に変換し得る。
【0082】
図全体のフローチャートおよびブロック図中を含む本明細書中で説明するモジュール、エンジン、コンポーネント、および要素は、モジュール、エンジン、コンポーネント、および要素の間の論理的境界を暗示している。しかしながら、ソフトウェアまたはハードウェアエンジニアリング手法によれば、モジュール、エンジン、コンポーネント、および要素、ならびにそれらの機能は、モノリシックソフトウェア構造として、独立型ソフトウェアモジュールとして、または外部のルーチン、コード、サービスもしくはこれらの組合せを用いるモジュールとして、記憶されたプログラム命令を実行することが可能である、コンピュータ実行可能媒体を通じて1つまたは複数のプロセッサ、コンピュータ、機械上に実装され得、そのような実装のすべてが本開示の範囲内にあり得る。そのような機械の例としては、これらに限定はしないが、携帯情報端末、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、モバイルフォン、他のハンドヘルドコンピューティングデバイス、医療機器、有線またはワイヤレス通信デバイス、トランスデューサ、チップ、計算機、衛星、タブレットPC、電子ブック、ガジェット、電子デバイス、人工知能を有するデバイス、コンピューティングデバイス、ネットワーキング機器、サーバ、ルータ、プロセッサ組込みアイウェアなどがあり得る。さらに、フローチャートおよびブロック図中のモジュール、エンジン、コンポーネントおよび要素または任意の他の論理構成要素が、プログラム命令を実行することが可能な1つまたは複数の機械、コンピュータまたはプロセッサ上に実現され得る。上記の説明および説明が参照している図面は、開示されるシステムのいくつかの機能的態様を記述しているが、明示されている場合あるいは文脈から明らかである場合を除いて、これらの説明から、これらの機能的態様を実現するためのソフトウェアの特定の構成が推測されるべきではない。上記で識別および説明された様々なステップが変わり得ること、ならびに本明細書中で開示される技法の特定の適用例にステップの順序が適合され得ることも理解されよう。すべてのそのような変形形態および修正形態が、本開示の範囲内に入ることが意図されている。様々なステップの順序の説明は、特定の適用例によって必要とされている場合または明示されている場合あるいは文脈から明らかである場合を除いて、それらのステップの特定の実行順序を必要とすると理解されるべきではない。
【0083】
上記で説明した方法および/またはプロセス、ならびにそれらのステップは、特定の適用例に適したハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの任意の組合せにおいて実現され得る。ハードウェアは、汎用コンピュータおよび/または専用コンピューティングデバイスまたは特殊コンピューティングデバイスまたは特殊コンピューティングデバイスの特定の態様もしくは構成要素を含み得る。プロセスは、内部および/または外部メモリとともに、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、組込みマイクロコントローラ、プログラマブルデジタル信号プロセッサまたは他のプログラマブルデバイスにおいて実現され得る。プロセスは、追加または代替として、特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイ論理、または電子信号を処理するように構成され得る任意の他のデバイスもしくはデバイスの組合せにおいて具現化され得る。機械可読媒体上で実行可能なコンピュータ実行可能コードとして、プロセスのうちの1つまたは複数が実現され得ることが、さらに理解されよう。
【0084】
コンピュータ実行可能コードは、上記のデバイス、ならびにプロセッサの異種の組合せ、プロセッサアーキテクチャ、もしくは異なるハードウェアおよびソフトウェアの組合せ、またはプログラム命令を実行することが可能な任意の他の機械のうちの1つで実行されるように記憶、コンパイルまたは解釈され得る、Cなどの構造化プログラミング言語、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、または任意の他の高水準もしくは低水準プログラミング言語(アセンブリ言語、ハードウェア記述言語、およびデータベースプログラミング言語および技術を含む)を使用して作成され得る。
【0085】
したがって、一態様では、上記で説明した各方法およびそれらの組合せは、1つまたは複数のコンピューティングデバイス上で実行されると、そのステップを実施するコンピュータ実行可能コードにおいて具現化され得る。別の態様では、方法は、そのステップを実施するシステムにおいて具現化され得、いくつかの方法でデバイスにわたって分散され得、または機能のすべてが専用の独立型デバイスもしくは他のハードウェアに組み込まれ得る。別の態様では、上記で説明したプロセスに関連するステップを実施するための手段は、上記で説明したハードウェアおよび/またはソフトウェアのいずれかを含み得る。すべてのそのような順列および組合せが、本開示の範囲内に入ることが意図されている。
【0086】
上述のスナップショット検索システムまたは上記で説明した装置は、部分的または全体的に人工知能によって実現され得る。人工知能スナップショット検索システムは、ユーザがプラントにおける複数のフィールドデバイスにわたってスナップショット検索を自動的に実行できるようにするスナップショット検索技術、あいまい論理およびニューラルネットワークを含むことができる。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態が説明されたが、これらの実施形態は、例として提示されたに過ぎず、本発明の範囲を限定することは意図されていない。実際には、本明細書中で説明した新規の実施形態は、様々な他の形式で具現化されてよく、さらに、本発明の趣旨から逸脱することなく、本明細書中で説明した実施形態の形式での様々な省略、置換および変更が行われてよい。添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物は、本発明の範囲および趣旨の中に入るような形式または修正を包含することが意図されている。
【符号の説明】
【0088】
10000 システム
12000 設計データ分析部
13000 エンジニアリングツール
14000 プラントダウンロード設計データストレージ
15000 プラント
20000 システム
21000 エンジニアリングツール
21100 オートメーション設計オーガナイザ
21110 構成アイテム管理部
21112 設計データ取得部(DDA)
21114 マスタ設計データ分析部
21116 実装データ取得部(IDA)
21118 ネットワークデバイス検出部(NDD)
21200 システムビュー
21300 ワークベンチ
22000 オートメーション設計システム、設計データ分析部
22100 設計データバージョン管理部
23000 プラントダウンロード設計データ
24000 分析設計データ
25000 プラント
26000 分析設計データストレージ
図1
図2
図3