(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】産業機器のコントローラ
(51)【国際特許分類】
G05B 19/048 20060101AFI20230221BHJP
B25J 19/06 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
G05B19/048
B25J19/06
(21)【出願番号】P 2019013558
(22)【出願日】2019-01-29
【審査請求日】2021-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】倉谷 健治
(72)【発明者】
【氏名】西野 秀幸
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-122900(JP,A)
【文献】特開2011-69694(JP,A)
【文献】特開2008-298426(JP,A)
【文献】特開2005-157665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/04 -19/05
B25J 19/06
G05B 9/00 - 9/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチと、
前記スイッチを介して電源に接続された外部接続端子と、
前記スイッチをオンパルス信号により駆動する駆動部と、
前記スイッチと前記外部接続端子との間の検出点の電圧を検出する電圧検出部と、
前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧に基づいて、前記スイッチの異常及び前記外部接続端子に接続された外部機器の異常を検知する検知部と、
を備え
、
前記検知部は、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧が、前記外部接続端子に印加される電圧に等しいとみなせることを判定する第1電圧未満である場合に、前記外部機器が短絡していると検知する、産業機器のコントローラ。
【請求項2】
前記検知部は、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧が、前記外部接続端子に印加される電圧よりも高く設定された第3電圧を、前記電圧検出部により検出された前記電圧の立ち上がりと同時に超えた場合に、前記外部接続端子に外部機器が接続されていないと検知する、請求項
1に記載の産業機器のコントローラ。
【請求項3】
スイッチと、
前記スイッチを介して電源に接続された外部接続端子と、
前記スイッチをオンパルス信号により駆動する駆動部と、
前記スイッチと前記外部接続端子との間の検出点の電圧を検出する電圧検出部と、
前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧に基づいて、前記スイッチの異常及び前記外部接続端子に接続された外部機器の異常を検知する検知部と、
を備え、
前記検知部は、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧が、前記外部接続端子に印加される電圧よりも高く設定された第3電圧を、前記電圧検出部により検出された前記電圧の立ち上がりと同時に超えた場合に、前記外部接続端子に外部機器が接続されていないと検知する、産業機器のコントローラ。
【請求項4】
前記検知部は、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧が、前記外部接続端子に印加される電圧よりも高く設定された第2電圧を、前記電圧検出部により検出された前記電圧の立ち上がりよりも遅れて超えた場合に、前記外部機器が断線していると検知する、請求項
1~3のいずれか1項に記載の産業機器のコントローラ。
【請求項5】
スイッチと、
前記スイッチを介して電源に接続された外部接続端子と、
前記スイッチをオンパルス信号により駆動する駆動部と、
前記スイッチと前記外部接続端子との間の検出点の電圧を検出する電圧検出部と、
前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧が、前記外部接続端子に印加される電圧よりも高く設定された第3電圧を、前記電圧検出部により検出された前記電圧の立ち上がりと同時に超えた場合に、前記外部接続端子に外部機器が接続されていないと検知する検知部と、
を備える、産業機器のコントローラ。
【請求項6】
スイッチと、
前記スイッチを介して電源に接続された外部接続端子と、
前記スイッチをオンパルス信号により駆動する駆動部と、
前記スイッチと前記外部接続端子との間の検出点の電圧を検出する電圧検出部と、
前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧に基づいて、前記スイッチの異常及び前記外部接続端子に接続された外部機器の異常を検知する検知部と、
を備え、
前記スイッチと前記検出点との間に可変抵抗が接続されており、
前記検知部は、
前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧が、前記外部接続端子に印加される電圧よりも高く設定された第4電圧を、前記電圧検出部により検出された前記電圧の立ち上がりよりも遅れて超えた場合に、前記可変抵抗の抵抗値を初期値よりも増大させて、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧の最大値を基準値として設定し、
前記基準値の設定後に、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧の最大値が、前記基準値を下回った量が第1所定値よりも大きい場合に、前記外部機器が短絡したと検知する
、産業機器のコントローラ。
【請求項7】
前記検知部は、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧が、前記外部接続端子に印加される電圧よりも高く設定された第4電圧を、前記電圧検出部により検出された前記電圧の立ち上がりよりも遅れて超えた場合に、前記外部接続端子に外部機器が接続されていると検知する、請求項1~5のいずれか1項に記載の産業機器のコントローラ。
【請求項8】
スイッチと、
前記スイッチを介して電源に接続された外部接続端子と、
前記スイッチをオンパルス信号により駆動する駆動部と、
前記スイッチと前記外部接続端子との間の検出点の電圧を検出する電圧検出部と、
前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧に基づいて、前記スイッチの異常及び前記外部接続端子に接続された外部機器の異常を検知する検知部と、
を備え、
前記検知部は、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧が、前記外部接続端子に印加される電圧よりも高く設定された第4電圧を、前記電圧検出部により検出された前記電圧の立ち上がりよりも遅れて超えた場合に、前記外部接続端子に外部機器が接続されていると検知する、産業機器のコントローラ。
【請求項9】
前記検知部は、前記基準値の設定後に、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧の最大値が前記基準値を、前記電圧検出部により検出された前記電圧の立ち上がりよりも遅れて上回った量が第2所定値よりも大きい場合に、前記外部機器が断線したと検知する、請求項6に記載の産業機器のコントローラ。
【請求項10】
前記検知部は、前記基準値の設定後に、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧の最大値が前記基準値を、前記電圧検出部により検出された前記電圧の立ち上がりと同時に上回った量が第3所定値よりも大きい場合に、前記外部接続端子から前記外部機器が外れたと検知する、請求項6又は
9に記載の産業機器のコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業機器をコントロールするコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボット(産業機器)のサーボモータの駆動電流を遮断する電源遮断用リレーの溶着を検知し、溶着検知信号を安全PLC(外部機器)へ出力するコントローラがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のコントローラは、内部のスイッチ(例えば電源遮断用リレー)の異常を検知することができるものの、コントローラに接続された外部機器の異常を検知することができない。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、産業機器のコントローラにおいて、内部のスイッチの異常を検知する回路を利用して、接続された外部機器の異常を検知することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の手段は、産業機器のコントローラであって、
スイッチと、
前記スイッチを介して電源に接続された外部接続端子と、
前記スイッチをオンパルス信号により駆動する駆動部と、
前記スイッチと前記外部接続端子との間の検出点の電圧を検出する電圧検出部と、
前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧に基づいて、前記スイッチの異常及び前記外部接続端子に接続された外部機器の異常を検知する検知部と、
を備える。
【0007】
上記構成によれば、外部接続端子は、スイッチを介して電源に接続されている。このため、駆動部がスイッチをオンパルス信号により駆動すると、外部接続端子には電源からの電圧がパルス状に印加される。そして、電圧検出部により、スイッチと外部接続端子との間の検出点の電圧が検出される。
【0008】
駆動部がオンパルス信号によりスイッチを駆動した際に、スイッチが正常である場合は、電圧検出部により検出される電圧はパルス状となる。一方、スイッチがオン固着(オン状態で固定されて動かない異常発生)している場合は、電圧検出部により検出される電圧は一定の所定電圧(>0)となる。また、スイッチがオフ固着(オフ状態で固定されて動かない異常発生)している場合は、電圧検出部により検出される電圧は0で一定となる。したがって、検知部は、駆動部によりスイッチが駆動された際に電圧検出部により検出された電圧に基づいて、スイッチの異常を検知することができる。
【0009】
さらに、駆動部がオンパルス信号によりスイッチを駆動した際に、外部接続端子に外部機器が接続されている場合は、外部接続端子に印加された電圧が、外部機器の抵抗で反射される。このため、電圧検出部により検出される電圧は、外部接続端子に印加される電圧に、外部機器の抵抗で反射された電圧が重ね合わされた電圧となる。また、外部機器が短絡している場合は、外部接続端子に印加された電圧が反射されない。このため、電圧検出部により検出される電圧は、外部接続端子に印加される電圧となる。したがって、検知部は、内部のスイッチの異常を検知する回路を利用して、駆動部によりスイッチが駆動された際に電圧検出部により検出された電圧に基づいて、外部接続端子に接続された外部機器の異常を検知することができる。しかも、スイッチと外部接続端子との間の検出点の電圧を電圧検出部により検出しているため、1つの検出点の電圧に基づいて、スイッチ及び外部機器の双方の異常を検知することができる。
【0010】
第2の手段では、前記検知部は、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧が、前記外部接続端子に印加される電圧に等しいとみなせることを判定する第1電圧未満である場合に、前記外部機器が短絡していると検知する。
【0011】
駆動部がオンパルス信号によりスイッチを駆動した際に、外部接続端子に接続された外部機器が短絡している場合は、外部接続端子に印加された電圧が反射されない。このため、電圧検出部により検出される電圧は、外部接続端子に印加される電圧に略等しい電圧となる。したがって、検知部は、駆動部によりスイッチが駆動された際に電圧検出部により検出された電圧が、外部接続端子に印加される電圧に等しいとみなせることを判定する第1電圧未満である場合に、外部機器が短絡していると検知することができる。
【0012】
第3の手段では、前記検知部は、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧が、前記外部接続端子に印加される電圧よりも高く設定された第2電圧を、前記電圧検出部により検出された前記電圧の立ち上がりよりも遅れて超えた場合に、前記外部機器が断線していると検知する。
【0013】
駆動部がオンパルス信号によりスイッチを駆動した際に、外部接続端子に外部機器が接続されていない場合は、外部接続端子に印加された電圧が外部接続端子で反射される。このため、電圧検出部により検出される電圧は、外部接続端子に印加される電圧にその立ち上がりと同時に、外部接続端子で反射された電圧が重ね合わされた電圧となる。一方、外部接続端子に接続された外部機器が断線している場合は、外部接続端子に印加された電圧が、外部接続端子よりも離れた外部機器の断線部で反射される。このため、電圧検出部により検出される電圧は、外部接続端子に印加される電圧にその立ち上がりよりも遅れて、外部機器の断線部で反射された電圧が重ね合わされた電圧となる。したがって、検知部は、駆動部によりスイッチが駆動された際に電圧検出部により検出された電圧が、外部接続端子に印加される電圧よりも高く設定された第2電圧を、電圧検出部により検出された電圧の立ち上がりよりも遅れて超えた場合に、外部機器が断線していると検知することができる。
【0014】
第4の手段では、前記検知部は、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧が、前記外部接続端子に印加される電圧よりも高く設定された第3電圧を、前記電圧検出部により検出された前記電圧の立ち上がりと同時に超えた場合に、前記外部接続端子に外部機器が接続されていないと検知する。
【0015】
駆動部がオンパルス信号によりスイッチを駆動した際に、外部接続端子に外部機器が接続されていない場合は、外部接続端子に印加された電圧が外部接続端子で反射される。このため、電圧検出部により検出される電圧は、外部接続端子に印加される電圧にその立ち上がりと同時に、外部接続端子で反射された電圧が重ね合わされた電圧となる。したがって、検知部は、駆動部によりスイッチが駆動された際に圧検出部により検出された電圧が、外部接続端子に印加される電圧よりも高く設定された第3電圧を、電圧検出部により検出された電圧の立ち上がりと同時に超えた場合に、外部接続端子に外部機器が接続されていないと検知することができる。
【0016】
第5の手段は、産業機器のコントローラであって、
スイッチと、
前記スイッチを介して電源に接続された外部接続端子と、
前記スイッチをオンパルス信号により駆動する駆動部と、
前記スイッチと前記外部接続端子との間の検出点の電圧を検出する電圧検出部と、
前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧が、前記外部接続端子に印加される電圧よりも高く設定された第3電圧を、前記電圧検出部により検出された前記電圧の立ち上がりと同時に超えた場合に、前記外部接続端子に外部機器が接続されていないと検知する検知部と、
を備える。
【0017】
上記構成によれば、第4の手段と同様の作用効果を奏することができる。
【0018】
第6の手段では、前記スイッチと前記検出点との間に可変抵抗が接続されており、前記検知部は、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧が、前記外部接続端子に印加される電圧よりも高く設定された第4電圧を、前記電圧検出部により検出された前記電圧の立ち上がりよりも遅れて超えた場合に、前記可変抵抗の抵抗値を初期値よりも増大させて、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧の最大値を基準値として設定し、前記基準値の設定後に、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧の最大値が、前記基準値を下回った量が第1所定値よりも大きい場合に、前記外部機器が短絡したと検知する。
【0019】
駆動部がオンパルス信号によりスイッチを駆動した際に、外部接続端子に外部機器が接続されている場合は、電圧検出部により検出される電圧は、外部接続端子に印加される電圧にその立ち上がりよりも遅れて、外部機器の抵抗で反射された電圧が重ね合わされた電圧となる。外部機器の抵抗で反射される電圧の大きさは、外部機器の抵抗が、スイッチと電圧検出部の検出点との間の抵抗に対して、相対的に小さいほど小さくなり、相対的に大きいほど大きくなる。
【0020】
上記構成によれば、外部接続端子に外部機器が接続されていると推定できる場合に、可変抵抗の抵抗値が初期値よりも増大されて、駆動部によりスイッチが駆動された際に電圧検出部により検出された電圧の最大値が基準値として設定される。その後に外部機器が短絡した場合は、駆動部によりスイッチが駆動された際に電圧検出部により検出される電圧の最大値が基準値よりも小さくなる。したがって、検知部は、基準値の設定後に、駆動部によりスイッチが駆動された際に電圧検出部により検出された電圧の最大値が、基準値を下回った量が第1所定値よりも大きい場合に、外部機器が短絡したと検知することができる。
【0021】
第7の手段では、前記検知部は、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧が、前記外部接続端子に印加される電圧よりも高く設定された第4電圧を、前記電圧検出部により検出された前記電圧の立ち上がりよりも遅れて超えた場合に、前記外部接続端子に外部機器が接続されていると検知する。こうした構成によれば、外部接続端子に外部機器が接続されていることを検出することができる。
【0022】
第8の手段では、前記検知部は、前記基準値の設定後に、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧の最大値が前記基準値を、前記電圧検出部により検出された前記電圧の立ち上がりよりも遅れて上回った量が第2所定値よりも大きい場合に、前記外部機器が断線したと検知する。
【0023】
基準値の設定後に、外部機器が断線した場合は、駆動部によりスイッチが駆動された際に電圧検出部により検出される電圧の最大値が基準値よりも大きくなる。したがって、検知部は、基準値の設定後に、駆動部によりスイッチが駆動された際に電圧検出部により検出された電圧の最大値が基準値を、電圧検出部により検出された電圧の立ち上がりよりも遅れて上回った量が第2所定値よりも大きい場合に、外部機器が断線したと検知することができる。
【0024】
第9の手段では、前記検知部は、前記基準値の設定後に、前記駆動部により前記スイッチが駆動された際に前記電圧検出部により検出された前記電圧の最大値が前記基準値を、前記電圧検出部により検出された前記電圧の立ち上がりと同時に上回った量が第3所定値よりも大きい場合に、前記外部接続端子から前記外部機器が外れたと検知する。
【0025】
基準値の設定後に、外部接続端子から外部機器が外れた場合は、駆動部によりスイッチが駆動された際に電圧検出部により検出される電圧の最大値が基準値よりも大きくなる。さらに、電圧検出部により検出される電圧は、外部接続端子に印加される電圧にその立ち上がりと同時に、外部接続端子で反射された電圧が重ね合わされた電圧となる。したがって、検知部は、基準値の設定後に、駆動部によりスイッチが駆動された際に電圧検出部により検出された電圧の最大値が基準値を、電圧検出部により検出された電圧の立ち上がりと同時に上回った量が第3所定値よりも大きい場合に、外部接続端子から外部機器が外れたと検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】ロボット、コントローラ、及びPLCを示す模式図。
【
図2】外部接続端子の正極端子に印加される電圧を示すタイムチャート。
【
図3】外部接続端子への接続なしの場合の検出電圧を示すタイムチャート。
【
図4】外部接続端子への接続ありの場合の検出電圧を示すタイムチャート。
【
図6】基準値の設定後にPLCが短絡した場合の検出電圧を示すタイムチャート。
【
図7】基準値の設定後に外部接続端子からPLCが外れた場合の検出電圧を示すタイムチャート。
【
図8】基準値の設定後にPLCが断線した場合の検出電圧を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、ロボットのコントローラに具現化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0028】
図1に示すように、コントローラ20はロボット10に接続されている。ロボット10(産業機器)は、例えば多関節型のロボットであり、ワーク等に対して作業を行う。ロボット10の動作は、コントローラ20によりコントロール(制御)される。
【0029】
コントローラ20は、CPU、ROM、RAM、駆動回路、及び検出回路等を備えるコンピュータとして構成されている。コントローラ20は、ロボット10の状態を検出し、検出した状態に基づいてロボット10をコントロールする。コントローラ20により、駆動部21、電圧検出部22、及び検知部23の機能が実現される。
【0030】
コントローラ20は、電源24、スイッチ25、可変抵抗26、外部接続端子27等を備えている。電源24は、商用電源から供給される電圧を変圧する電源回路であってもよいし、電池等であってもよい。電源24は所定電圧(例えば24V)を供給する。スイッチ25は、半導体スイッチング素子であってもよいし、リレー等であってもよい。可変抵抗26(抵抗)は、検知部23の指令により抵抗値の大きさを変更可能である。外部接続端子27は、外部機器を接続可能なコネクタにより構成されている。
【0031】
可変抵抗26は、スイッチ25を介して電源24に接続されている。外部接続端子27の正極端子は、可変抵抗26を介してスイッチ25に接続されている。すなわち、外部接続端子27の正極端子は、スイッチ25を介して電源24に接続されている。外部接続端子27の負極端子は、アースに接続されている。スイッチ25は、電源24と、可変抵抗26及び外部接続端子27の正極端子とを、接続及び遮断する。スイッチ25は、駆動部21により駆動される。
【0032】
駆動部21は、スイッチ25をオンパルス信号により駆動する。これにより、外部接続端子27の正極端子には、
図2に示すように、電源24からの電圧V1がパルス状に印加される。駆動部21は、スイッチ25をオンパルス信号により周期的に、詳しくは一定周期で駆動する。
【0033】
電圧検出部22は、スイッチ25と外部接続端子27の正極端子との間、詳しくは可変抵抗26と外部接続端子27の正極端子との間の検出点Pの電圧を検出する。電圧検出部22は、検出点Pの電圧を逐次検出して、検出電圧を検知部23へ出力する。
【0034】
検知部23は、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧に基づいて、スイッチ25の異常を検知する。
【0035】
駆動部21がオンパルス信号によりスイッチ25を駆動した際に、スイッチ25が正常である場合は、電圧検出部22により検出される電圧はパルス状となる。一方、スイッチ25がオン固着(オン状態で固定されて動かない異常発生)している場合は、電圧検出部22により検出される電圧は上記電圧V1(一定の所定電圧)となる。このため、検知部23は、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧が電圧V1で一定である場合に、スイッチ25がオン固着していると検知する。
【0036】
また、スイッチ25がオフ固着(オフ状態で固定されて動かない異常発生)している場合は、電圧検出部22により検出される電圧は0で一定となる。このため、検知部23は、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧が0で一定である場合に、スイッチ25がオフ固着していると検知する。
【0037】
一般にインピーダンスの異なる境界では、電圧の反射が起きる。このため、外部接続端子27に外部機器が接続されていない場合は、外部接続端子27の正極端子に印加された電圧が外部接続端子27の正極端子で反射される。このとき、電圧検出部22により検出される電圧は、
図3に示すように、外部接続端子27の正極端子に印加される電圧V1に、外部接続端子27の正極端子で反射された電圧V2が重ね合わされた電圧となる。ここで、インピーダンスZ1からインピーダンスZ2に変化する場合に、電圧が反射される際の反射係数Γは以下の式で表される。すなわち、インピーダンスZ2で反射される電圧の大きさは、インピーダンスZ2が、インピーダンスZ1に対して、相対的に小さいほど小さくなり、相対的に大きいほど大きくなる。
【0038】
Γ=(Z2-Z1)/(Z2+Z1)
外部接続端子27に外部機器が接続されていない場合は、外部接続端子27の正極端子においてインピーダンスZ2が無限大(極めて大きな値)となる。インピーダンスZ1は可変抵抗26の抵抗値である。このため、反射係数Γ=1となり、
図3に示すように、外部接続端子27の正極端子に印加される電圧V1に、外部接続端子27の正極端子で反射された電圧V2が重ね合わされた電圧は2V1となる。また、検出点Pと外部接続端子27の正極端子との距離が短い(0とみなせる)ため、外部接続端子27の正極端子に印加される電圧V1にその立ち上がりと同時に、外部接続端子27の正極端子で反射された電圧V2が重ね合わされる。
【0039】
したがって、検知部23は、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧が、外部接続端子27の正極端子に印加される電圧V1よりも高く設定された電圧Vr3(第3電圧)を、電圧検出部22により検出された電圧の立ち上がりと同時に超えた場合に、外部接続端子27の正極端子に外部機器が接続されていないと検知する。電圧Vr3は、可変抵抗26の抵抗値に基づいて設定されており、例えば1.5V1である。
【0040】
PLC(Programmable Logic Controller)30は、ロボット10の動作及び停止をコントローラ20へ指令する。PLC30(外部機器)には、図示しない上位のコントローラ等が接続されている。PLC30は、フォトカプラ31、抵抗32、正極ケーブル33A、負極ケーブル33B、及びコネクタ34等を備えている。
【0041】
フォトカプラ31は、発光ダイオード31aとフォトトランジスタ31bとを備えている。発光ダイオード31aのアノードは、抵抗32を介して正極ケーブル33Aに接続されている。発光ダイオード31aのカソードは、負極ケーブル33Bに接続されている。正極ケーブル33A及び負極ケーブル33Bの先端には、コネクタ34が取り付けられている。
【0042】
コントローラ20の外部接続端子27にコネクタ34が接続されている。これにより、外部接続端子27の正極端子に正極ケーブル33Aが接続され、負極端子に負極ケーブル33Bが接続されている。
【0043】
ここで、正極ケーブル33Aが短絡したり、ケーブル33A,33Bが断線したりするおそれがある。また、見かけ上は外部接続端子27にコネクタ34が接続されていても、正極端子に正極ケーブル33Aが接続されていなかったり、負極端子に負極ケーブル33Bが接続されていなかったりするおそれがある。
【0044】
本実施形態では、検知部23は、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧に基づいて、PLC30の異常を検知する。
【0045】
駆動部21がオンパルス信号によりスイッチ25を駆動した際に、外部接続端子27にPLC30が接続されている場合は、外部接続端子27の正極端子に印加された電圧V1が、PLC30の抵抗32で反射される。このため、電圧検出部22により検出される電圧は、
図4に示すように、外部接続端子27の正極端子に印加される電圧V1に、PLC30の抵抗32で反射された電圧V3が重ね合わされた電圧となる。そして、外部接続端子27の正極端子に印加された電圧は、外部接続端子27よりも離れたPLC30の抵抗32で反射される。このため、電圧検出部22により検出される電圧は、外部接続端子27の正極端子に印加される電圧V1にその立ち上がりよりも遅れて、PLC30の抵抗32で反射された電圧V3が重ね合わされた電圧となる。したがって、検知部23は、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧が、外部接続端子27の正極端子に印加される電圧よりも高く設定された電圧Vr4(第4電圧)を、電圧検出部22により検出された電圧の立ち上がりよりも遅れて超えた場合に、外部接続端子27にPLC30が接続されていると検知する。電圧Vr4は、可変抵抗26及び抵抗32の抵抗値に基づいて設定されており、例えば1.2V1である。
【0046】
駆動部21がオンパルス信号によりスイッチ25を駆動した際に、PLC30の正極ケーブル33Aが短絡している場合は、外部接続端子27の正極端子に印加された電圧V1が反射されない。このため、電圧検出部22により検出される電圧は、外部接続端子27の正極端子に印加される電圧V1となる。したがって、検知部23は、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧が、外部接続端子27の正極端子に印加される電圧V1に等しいとみなせることを判定する電圧Vr1(第1電圧)未満である場合に、PLC30の正極ケーブル33Aが短絡していると検知する。電圧Vr1は、可変抵抗26の抵抗値に基づいて設定されており、例えば1.2V1である。
【0047】
外部接続端子27に接続されたPLC30の正極ケーブル33A及び負極ケーブル33Bの少なくとも一方が断線している場合は、外部接続端子27の正極端子に印加された電圧V1が、外部接続端子27の正極端子よりも離れたPLC30の断線部で反射される。このため、電圧検出部22により検出される電圧は、外部接続端子27の正極端子に印加される電圧にその立ち上がりよりも遅れて、PLC30の断線部で反射された電圧が重ね合わされた電圧となる。したがって、検知部23は、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧が、外部接続端子27の正極端子に印加される電圧V1よりも高く設定された電圧Vr2(第2電圧)を、電圧検出部22により検出された電圧の立ち上がりよりも遅れて超えた場合に、PLC30が断線していると検知することができる。電圧Vr2は、可変抵抗26及び抵抗32の抵抗値に基づいて設定されており、例えば1.5V1である。
【0048】
図5は、異常検知の詳細な手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、駆動部21によるスイッチ25の周期的な駆動に同期して、検知部23によって実行される。
【0049】
まず、駆動部21によりスイッチ25が駆動される(S10)。駆動部21は、スイッチ25をオンパルス信号により一定周期で駆動している。電圧検出部22により検出点Pの電圧を検出させる(S11)。電圧検出部22は、検出電圧を検知部23へ出力する。
【0050】
検出電圧に基づいて、反射電圧が検出電圧の立ち上がりよりも遅れているか否か判定する(S12)。具体的には、
図4に示すように、検出電圧が上記電圧Vr4を、検出電圧の立ち上がりよりも遅れて超えた場合に、反射電圧V3が検出電圧の立ち上がりよりも遅れていると判定する。一方、
図3に示すように、検出電圧が電圧Vr3(>Vr4)を、検出電圧の立ち上がりと同時に超えた場合に、反射電圧V2が検出電圧の立ち上がりよりも遅れていないと判定する。なお、
図2に示すように、検出電圧が電圧Vr4を超えない場合は、PLC30の正極ケーブル33Aが短絡していると検知し、この一連の処理を終了してもよい。
【0051】
S12の判定において、反射電圧が検出電圧の立ち上がりよりも遅れていないと判定した場合(S12:NO)、外部接続端子27に外部機器(PLC30)が接続されていないと検知する(S13)。そして、この一連の処理を終了する(END)。
【0052】
一方、S12の判定において、反射電圧が検出電圧の立ち上がりよりも遅れていると判定した場合(S12:YES)、可変抵抗26の抵抗値を所定抵抗値だけ増大させる(S14)。可変抵抗26の抵抗値の初期値は、可変抵抗26が取り得る抵抗値の最小値に設定されている。上記所定抵抗値は、可変抵抗26の抵抗値の初期値及び抵抗32の抵抗値に基づいて、予め設定されている。駆動部21によりスイッチ25が駆動され(S15)、電圧検出部22により検出点Pの電圧を検出させる(S16)。
【0053】
続いて、検出電圧から算出される反射電圧が、S11の処理で検出された初期反射電圧から半減したか否か判定する(S17)。反射電圧は、検出電圧の最大値から、外部接続端子27の正極端子に印加される電圧V1を引くことにより算出する。この判定において、反射電圧が初期反射電圧から半減していないと判定した場合(S17:NO)、S14の処理から再度実行する。
【0054】
一方、S17の判定において、反射電圧が初期反射電圧から半減したと判定した場合(S17:YES)、その時の検出電圧の最大値を基準値に設定する(S18)。駆動部21によりスイッチ25が駆動され(S19)、電圧検出部22により検出点Pの電圧を検出させる(S20)。
【0055】
続いて、検出電圧の最大値の変化量が所定値を上回るか否か判定する(S21)。具体的には、検出電圧の最大値が基準値を下回った量が第1所定値よりも大きい場合、又は検出電圧の最大値が基準値を上回った量が第2所定値よりも大きい場合に、検出電圧の最大値の変化量が所定値を上回ると判定する。第1所定値,第2所定値は、初期反射電圧に基づいて予め設定されており、例えば初期反射電圧の1/4に設定されている。第1所定値,第2所定値は初期反射電圧の1/4に限らず、また第1所定値と第2所定値とが異なっていてもよい。この判定において、検出電圧の最大値の変化量が所定値を上回らないと判定した場合(S21:NO)、S19の処理から再度実行する。
【0056】
一方、S21の判定において、検出電圧の最大値の変化量が所定値を上回ると判定した場合(S21:YES)、検出電圧の最大値が増加したか否か判定する(S22)。この判定において、検出電圧の最大値が増加していないと判定した場合(S22:NO)、外部機器が短絡したと検知し、その旨を報知する(S23)。すなわち、
図6に示すように、検出電圧の最大値が基準値を下回った量が第1所定値よりも大きい場合、PLC30の正極ケーブル33Aが基準値の設定後に短絡したと検知する。その後、この一連の処理を終了する(END)。
【0057】
また、S22の判定において、検出電圧の最大値が増加したと判定した場合(S22:YES)、検出電圧に基づいて、反射電圧が検出電圧の立ち上がりよりも遅れているか否か判定する(S24)。この判定において、反射電圧が検出電圧の立ち上がりよりも遅れていないと判定した場合(S24:NO)、外部機器が外部接続端子27から外れたと検知し、その旨を報知する(S25)。すなわち、
図7に示すように、検出電圧の最大値が基準値を上回った量が第2所定値よりも大きく、且つ反射電圧が検出電圧の立ち上がりよりも遅れていない場合、PLC30が外部接続端子27から外れたと検知する。換言すれば、基準値の設定後に、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧の最大値が基準値を、電圧検出部22により検出された電圧の立ち上がりと同時に上回った量が第2所定値(=第3所定値)よりも大きい場合に、外部接続端子27からPLC30が外れたと検知する。その後、この一連の処理を終了する(END)。
【0058】
一方、S24の判定において、反射電圧が検出電圧の立ち上がりよりも遅れていると判定した場合(S24:YES)、外部機器が断線したと検知し、その旨を報知する(S26)。すなわち、
図8に示すように、検出電圧の最大値が基準値を上回った量が第2所定値よりも大きく、且つ反射電圧が検出電圧の立ち上がりよりも遅れている場合、PLC30の正極ケーブル33A及び負極ケーブル33Bの少なくとも一方が断線したと検知する。換言すれば、基準値の設定後に、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧の最大値が基準値を、電圧検出部22により検出された電圧の立ち上がりよりも遅れて上回った量が第2所定値よりも大きい場合に、PLC30の正極ケーブル33A及び負極ケーブル33Bの少なくとも一方が断線したと検知する。その後、この一連の処理を終了する(END)。
【0059】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
【0060】
・検知部23は、内部のスイッチ25の異常を検知する回路(電源24、駆動部21、及び電圧検出部22)を利用して、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧に基づいて、スイッチ25の異常を検知することができる。具体的には、検知部23は、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧が電圧V1で一定である場合に、スイッチ25がオン固着していると検知することができる。また、検知部23は、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧が0で一定である場合に、スイッチ25がオフ固着していると検知することができる。
【0061】
・駆動部21がオンパルス信号によりスイッチ25を駆動した際に、外部接続端子27にPLC30が接続されている場合は、外部接続端子27に印加された電圧が、PLC30の抵抗32で反射される。このため、電圧検出部22により検出される電圧は、外部接続端子27に印加される電圧V1に、PLC30の抵抗32で反射された電圧が重ね合わされた電圧となる。また、PLC30が短絡している場合は、外部接続端子27に印加された電圧が反射されない。このため、電圧検出部22により検出される電圧は、外部接続端子27に印加される電圧V1となる。したがって、検知部23は、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧に基づいて、外部接続端子27に接続されたPLC30の異常を検知することができる。しかも、スイッチ25と外部接続端子27との間の検出点Pの電圧を電圧検出部22により検出しているため、1つの検出点Pの電圧に基づいて、スイッチ25及びPLC30の双方の異常を検知することができる。
【0062】
・検知部23は、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧が、外部接続端子27に印加される電圧V1に等しいとみなせることを判定する第1電圧(基準値-第1所定値)未満である場合に、PLC30が短絡していると検知することができる。
【0063】
・検知部23は、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧が、外部接続端子27に印加される電圧V1よりも高く設定された第2電圧(基準値+第2所定値)を、電圧検出部22により検出された電圧の立ち上がりよりも遅れて超えた場合に、PLC30が断線していると検知することができる。
【0064】
・検知部23は、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧が、外部接続端子27に印加される電圧V1よりも高く設定された第3電圧(基準値+第2所定値)を、電圧検出部22により検出された電圧の立ち上がりと同時に超えた場合に、外部接続端子27にPLC30が接続されていない(外部接続端子27からPLC30が外れている)と検知することができる。
【0065】
・外部接続端子27にPLC30が接続されていると推定できる場合に、可変抵抗26の抵抗値が初期値よりも増大されて、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧の最大値が基準値として設定される。その後にPLC30が短絡した場合は、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出される電圧の最大値が基準値よりも小さくなる。したがって、検知部23は、基準値の設定後に、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧の最大値が、基準値を下回った量が第1所定値よりも大きい場合に、PLC30が短絡したと検知することができる。
【0066】
・基準値の設定後に、PLC30が断線した場合は、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出される電圧の最大値が基準値よりも大きくなる。したがって、検知部23は、基準値の設定後に、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧の最大値が基準値を、電圧検出部22により検出された電圧の立ち上がりよりも遅れて上回った量が第2所定値よりも大きい場合に、PLC30が断線したと検知することができる。
【0067】
・基準値の設定後に、外部接続端子27からPLC30が外れた場合は、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出される電圧の最大値が基準値よりも大きくなる。さらに、電圧検出部22により検出される電圧は、外部接続端子27に印加される電圧にその立ち上がりと同時に、外部接続端子27で反射された電圧が重ね合わされた電圧となる。したがって、検知部23は、基準値の設定後に、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧の最大値が基準値を、電圧検出部22により検出された電圧の立ち上がりと同時に上回った量が第3所定値(=第2所定値)よりも大きい場合に、外部接続端子27からPLC30が外れたと検知することができる。
【0068】
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0069】
・検知部23は、PLC30が短絡している(基準値の設定後に短絡した)との検知、及びPLC30が断線している(基準値の設定後に断線した)との検知の少なくとも1つを行うものであってもよい。また、検知部23は、基準値の設定後に、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧の最大値が、基準値を下回った量が第4所定値(<第1所定値)よりも大きい場合に、PLC30が短絡しかけていると検知してもよい。また、検知部23は、基準値の設定後に、駆動部21によりスイッチ25が駆動された際に電圧検出部22により検出された電圧の最大値が基準値を、電圧検出部22により検出された電圧の立ち上がりよりも遅れて上回った量が第5所定値(<第2所定値)よりも大きい場合に、PLC30が断線しかけていると検知してもよい。
【0070】
・可変抵抗26に換えて固定抵抗を用いてもよい。その場合は、
図5のS14~S18の処理を省略して、固定抵抗の抵抗値及び抵抗32の抵抗値に基づいて、基準値を予め設定しておけばよい。また、可変抵抗26を省略することもできる。その場合であっても、検知部23はPLC30が短絡しているとの検知を行うことができる。
【0071】
・外部接続端子27は、正極端子のみを備えていてもよい。そして、正極端子に発光ダイオード31aのアノードか接続され、PLC30において発光ダイオード31aのカソードがアースに接続されていてもよい。外部接続端子27は、外部出力端子に限らず、外部入力端子であってもよい。その場合、検知部23は、外部入力端子から信号が入力されない時期(期間)に、PLC30(外部機器)の異常を検知すればよい。
【0072】
・外部接続端子27に接続される外部機器は、PLC30に限らず、ティーチングペンダント(教示操作器)や、計測器(センサ)等であってもよい。
【0073】
・コントローラ20がコントロールする産業機器は、ロボット10に限らず、工作機械や、種々の製造装置等であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
10…ロボット(産業機器)、20…コントローラ、21…駆動部、22…電圧検出部、23…検知部、24…電源、25…スイッチ、26…可変抵抗、27…外部接続端子、30…PLC(外部機器)、31…フォトカプラ、32…抵抗、33A…正極ケーブル、33B…負極ケーブル、34…コネクタ。