IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オムロンヘルスケア株式会社の特許一覧

特許7230625生体情報測定装置、端末、及び生体情報測定システム
<>
  • 特許-生体情報測定装置、端末、及び生体情報測定システム 図1
  • 特許-生体情報測定装置、端末、及び生体情報測定システム 図2
  • 特許-生体情報測定装置、端末、及び生体情報測定システム 図3
  • 特許-生体情報測定装置、端末、及び生体情報測定システム 図4
  • 特許-生体情報測定装置、端末、及び生体情報測定システム 図5
  • 特許-生体情報測定装置、端末、及び生体情報測定システム 図6
  • 特許-生体情報測定装置、端末、及び生体情報測定システム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】生体情報測定装置、端末、及び生体情報測定システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20230221BHJP
   A61B 5/022 20060101ALI20230221BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20230221BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
A61B5/00 Z
A61B5/022 Z
G08C15/00 E
G08C17/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019056855
(22)【出願日】2019-03-25
(65)【公開番号】P2020156600
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 英宇
(72)【発明者】
【氏名】北村 隆
(72)【発明者】
【氏名】出野 徹
(72)【発明者】
【氏名】古田 みずき
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-511136(JP,A)
【文献】特表2008-532587(JP,A)
【文献】特開2018-075127(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0144573(US,A1)
【文献】米国特許第08460197(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/03
G08C 15/00-15/12
G08C 17/00-17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波により外部の端末と通信する生体情報測定装置であって、
測定情報を含む情報を外部の端末と通信する通信手段と、
光を照射することにより、前記外部の端末の配置すべき場所に関する情報を可視化する投光手段と、を備える、
生体情報測定装置。
【請求項2】
前記投光手段により光が照射される場所は、自装置が設置される設置面上を含む、
請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項3】
前記投光手段により光が照射される期間は、前記通信手段により前記外部の端末との通信を実行する通信実行前の所定期間、又は前記通信実行される期間の少なくとも一部を、少なくとも含む、
請求項1又は2に記載の生体情報測定装置。
【請求項4】
前記投光手段は、前記設置面上に光を照射することにより測定に関する情報を可視化する、
請求項に記載の生体情報測定装置。
【請求項5】
超音波により生体情報測定装置から測定情報を受信する受信手段と、
前記生体情報測定装置により配置すべき場所に関する情報が可視化される場合、前記配置すべき場所に配置を案内する情報と、前記配置すべき場所に配置を案内する情報に従って配置される場合に前記受信手段により受信する前記測定情報と、を表示する表示手段と、を備える、
端末。
【請求項6】
請求項1から4のうちの何れか一項に記載の生体情報測定装置と、
前記生体情報測定装置から前記情報を受信する受信手段と、前記受信した情報を表示する表示手段と、を有する端末と、を備え、
前記端末の前記表示手段は、前記受信手段により前記情報を受信する前に、前記生体情報測定装置により配置すべき場所に関する情報が可視化される場合、前記配置すべき場所
に配置を案内する情報を表示し、
前記配置すべき場所に配置を案内する情報には、前記端末が前記投光手段により可視化される前記場所に配置される場合に、前記端末が前記場所に配置される向きを指定する情報が含まれる、
生体情報測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報測定装置、端末、及び生体情報測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
血圧などの生体情報を測定する生体情報測定装置が開発され、普及している。また、生体情報測定装置によって測定された生体情報を近距離無線通信技術により外部の装置へ送信する技術が開示されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6460568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生体情報測定装置と外部端末(例えばスマートフォン等の端末)との無線通信の媒体として、超音波等の指向性の高い手段を採用した場合、通信を確立するためには、通信を行う場合に生体情報測定装置と外部端末とが所定の位置関係になっていることが望ましいと考えられる。
【0005】
そこで、所定の関係に関する情報をユーザに知らせる必要がある。ユーザに知らせる方法として、例えば取扱説明書等に外部端末の配置方法を記載することが考えられる。しかしながら、このような方法の場合、ユーザにとって直感的な理解が難しく、ユーザにとってわかりづらいものである。また、生体情報測定装置に外部端末を配置するための台座を設ける方法も考えられる。しかしながら、このような方法の場合、生体情報測定装置が大型化し、特に可搬型の装置にとって好ましくない。すなわち、本発明者は、従来の方法では、ユーザが外部端末を生体情報測定装置に対して適切な位置に配置せず、生体情報測定装置と外部端末との通信が確立できない虞があることを見出した。
【0006】
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、生体情報測定装置と外部端末との間の適切な位置関係を分かり易く表示する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0008】
すなわち本発明の一側面に係る生体情報測定装置は、超音波により外部の端末と通信する生体情報測定装置であって、測定情報を含む情報を外部の端末と通信する通信手段と、光を照射することにより、前記外部の端末の配置すべき場所に関する情報を可視化する投光手段と、を備える、生体情報測定装置である。
【0009】
ここで、外部の端末の配置すべき場所に関する情報は、生体情報測定装置と超音波を介して好適に通信することのできる場所を含む。当該構成によれば、外部の端末の配置すべき場所に関する情報が可視化されるため、ユーザは外部の端末の推奨される配置場所を容易に理解することができる。よって、ユーザは、外部端末を生体情報測定装置に対して適切な相対関係の位置に容易に置くことができる。よって、指向性が高く、到達距離の短い超音波によって生体情報測定装置と外部の端末とが通信する場合であっても、通信の確立は簡易に行われる。
【0010】
上記一側面に係る生体情報測定装置において、前記投光手段により光が照射される場所は、自装置が設置される設置面上を含んでもよい。
【0011】
当該構成によれば、ユーザは、外部端末を生体情報測定装置に対して適切な相対関係の位置に容易に置くことができる。
【0012】
上記一側面に係る生体情報測定装置において、前記投光手段により光が照射される期間は、前記通信手段により前記外部の端末との通信を実行する通信実行前の所定期間、又は前記通信実行される期間の少なくとも一部を、少なくとも含んでもよい。
【0013】
当該構成によれば、生体情報測定装置による通信が開始される場合に、外部の端末を光があてられる場所に置くことをユーザに促すことができる。よって、生体情報測定装置が、外部の端末との通信を待機する時間は節減され、待機のために消費される電力は節減される。また、ユーザは、生体情報測定装置において通信実行される期間を容易に把握できる。よって、ユーザは、外部の端末を配置するタイミングを容易に認識することができる。
【0014】
上記一側面に係る生体情報測定装置において、前記投光手段は、前記設置面上に光を照射することにより測定に関する情報を可視化してもよい。
【0015】
ここで、測定に関する情報は、測定情報及び測定のガイダンス情報を含む。当該構成によれば、測定に関する情報を表示する表示手段を設けない構成が可能となる。よって、生体情報測定装置の構成を簡易なものとすることができる。よって、生体情報測定装置の製造コストの削減が可能となる。
【0016】
また、本発明の一側面に係る端末は、超音波により生体情報測定装置から測定情報を受信する受信手段と、前記生体情報測定装置により配置すべき場所に関する情報が可視化される場合、前記配置すべき場所に配置を案内する情報と、前記配置すべき場所に配置を案内する情報に従って配置される場合に前記受信手段により受信する前記測定情報と、を表示する表示手段と、を備える。
【0017】
当該構成によれば、ユーザは、端末を生体情報測定装置に対して適切な相対関係の位置に容易に置くことができる。よって、指向性が高く、到達距離の短い超音波によって生体情報測定装置と端末とが通信する場合であっても、通信の確立は簡易に行われる。
【0018】
上記一側面に係る生体情報測定装置と、前記生体情報測定装置から前記情報を受信する受信手段と、前記受信した情報を表示する表示手段と、を有する端末と、を備え、前記端末の前記表示手段は、前記受信手段により前記情報を受信する前に、前記生体情報測定装置により配置すべき場所に関する情報が可視化される場合、前記配置すべき場所に配置を案内する情報を表示し、前記配置すべき場所に配置を案内する情報には、前記端末が前記投光手段により可視化される前記場所に配置される場合に、前記端末が前記場所に配置される向きを指定する情報が含まれる、生体情報測定システムであってもよい。
【0019】
当該構成によれば、端末が情報を受信する前に、ユーザは、端末を投光手段により可視化される場所に配置することに加え、超音波が届き易い向きに端末を容易に配置することができる。よって、生体情報測定装置において超音波の出力のために消費される電力は節減される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、生体情報測定装置と外部端末との間の適切な位置関係を分かり易く表示する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本実施形態に係る生体情報測定システムの概要の一例を模式的に例示する。
図2図2は、血圧計の機能構成の概要の一例を模式的に例示する。
図3図3は、スマートフォンの機能構成の概要の一例を模式的に例示する。
図4図4は、血圧計が実行する処理のフローチャートの一例を模式的に例示する。
図5図5は、スマートフォンが実行する処理のフローチャートの一例を模式的に例示する。
図6図6は、生体情報測定システムが実行する処理のフローチャートの一例を示している。
図7図7は、血圧計の概要の一例を模式的に例示する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0023】
§1 適用例
図1は、本実施形態に係る生体情報測定システム1の概要の一例を模式的に例示する。図1に示されるように、生体情報測定システム1は、生体情報の一例である血圧を測定する血圧計10と、スマートフォン20と、から形成される。
【0024】
血圧計10は、例えば机上面に向かって光を照射するLED11を本体の側面に備える。また、血圧計10は、超音波を発する超音波モジュール12を備える。そして、LED11によって照射される範囲16は、血圧計10と超音波を介して通信する場合の、推奨されるスマートフォン20の配置位置である。ここで、血圧計10からの超音波による通信の場合、Bluetooth(登録商標)等の双方向通信と異なり、通信が可能な状況であることを事前に知ることができないため、血圧計10とスマートフォン20の配置関係を適切にしておくことが通信の確立のために望ましい。
【0025】
上記のような生体情報測定システム1によれば、LED11の照射により、推奨されるスマートフォン20の配置位置が可視化される。よって、ユーザは、スマートフォン20を配置する場所を容易に理解することができる。よって、ユーザは、スマートフォン20を血圧計10に対してLED11によって照射される範囲の中に容易に置くことができる。よって、上記のような生体情報測定システム1のように、指向性が高く、到達距離の短い超音波によって血圧計10とスマートフォン20とが通信する場合であっても、通信の確立は容易に実現されうる。
【0026】
§2 構成例
[システム構成]
図1に示されるように、生体情報測定システム1は、生体情報の一例である血圧を測定する血圧計10と、スマートフォン20と、から形成される。ここで、血圧計10は、本発明の「生体情報測定装置」の一例である。また、スマートフォン20は、本発明の「端末」の一例である。血圧計10と、スマートフォン20とは、例えば机上面などの同一平
面上に置かれる。
【0027】
血圧計10は、例えば机上面に向かって光を照射するLED11を本体の側面に備える。また、血圧計10は、超音波を発する超音波モジュール12を備える。また、血圧計10は、正面に血圧の測定を開始させる測定ボタン13と、測定した血圧情報を外部の装置へ通信することを開始させる通信ボタン14と、を備える。LED11によって照射される範囲16は、血圧計10と超音波を介して通信する場合の、推奨されるスマートフォン20の配置位置である。ここで、LED11は、本発明の「投光手段」の一例である。また、超音波モジュール12は、本発明の「通信手段」の一例である。また、LED11によって照射される範囲16は、本発明の「外部の端末の配置すべき場所に関する情報」の一例である。また、血圧計10は、図示しないが測定時に腕に巻かれるカフを備える。
【0028】
一方、スマートフォン20は、情報の表示や入力が行われるタッチパネルディスプレイ21と、超音波を検出するマイクロフォン22と、を備える。
【0029】
本実施形態に係る生体情報測定システム1では、血圧計10と、スマートフォン20とが、超音波によって通信される。
【0030】
[機能構成]
図2は、血圧計10の機能構成の概要の一例を模式的に例示する。血圧計10は、通信部101を備える。通信部101は、超音波モジュール12を含んで形成される。通信部101は、超音波を介して外部の装置へ情報を送信する。また、通信部101は、超音波モジュール12を外部の装置と通信可能な状態にし、当該通信可能状態において所定時間経過したか否かを判定する。
【0031】
また、血圧計10は、投光部102を備える。投光部102は、LED11を含んで形成される。投光部102は、血圧計10と超音波を介して通信する場合に、推奨される配置場所に光を照射する。投光部102は、LED11へ流入する電流を制御することにより、LED11の点灯、及び消灯を調整する。
【0032】
また、血圧計10は、入力判定部103を備える。入力判定部103は、測定ボタン13及び通信ボタン14の押下の判定を行う。
【0033】
また、血圧計10は、測定部104を備える。測定部104は、既知の測定手段によって血圧を測定する。
【0034】
図3は、スマートフォン20の機能構成の概要の一例を模式的に例示する。スマートフォン20は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の主記憶装置、ハードディスクドライブ、リムーバブルメディア等の補助記憶装置、入力機能及び表示機能を有するタッチパネルディスプレイ21、超音波を検出するマイクロフォン22を備える携帯型の端末である。ここで、スマートフォン20は、可聴音を検出するマイクロフォンを備え、当該マイクロフォンが超音波を検出することを兼ねてもよい。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを主記憶装置の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等が制御されることによって、後述するような、所定の目的に合致した各機能を実現することができる。
【0035】
スマートフォン20は、通信部201を備える。通信部201は、マイクロフォン22を含んで形成される。通信部201は、マイクロフォン22を介して外部の装置から情報の受信の判定、及び当該情報の受信処理を行う。また、通信部201は、マイクロフォン
22を外部の装置との通信を待機する状態にし、当該待機状態において所定時間経過したか否かを判定する。
【0036】
また、スマートフォン20は、表示部202を備える。表示部202は、タッチパネルディスプレイ21を含んで形成される。表示部202は、情報をタッチパネルディスプレイ21へ表示する。
【0037】
また、スマートフォン20は、入力判定部203を備える。入力判定部203は、タッチパネルディスプレイ21を介して情報が入力されたか否かを判定する。
【0038】
§3 動作例
(血圧計10の処理フロー)
次に血圧計10が実行する処理の概要を説明する。図4は、血圧計10が実行する処理のフローチャートの一例を模式的に例示する。
【0039】
(S101)
ステップS101では、入力判定部103が、ユーザからのボタン操作を判定する。
【0040】
(S102)
ステップS102では、ボタン操作有りと判定された場合、入力判定部103が測定ボタン13あるいは通信ボタン14のいずれのボタンが押されたか否かを判定する。そして、入力判定部103が、測定ボタン13が押されたと判定した場合、ステップS103へ進む。一方、入力判定部103が、通信ボタン14が押されたと判定した場合、ステップS104へ進む。
【0041】
(S103)
ステップS103では、測定ボタン13が押されたと判定された場合、測定部104が血圧の測定を行う。
【0042】
(S104)
ステップS104では、測定部104による血圧の測定が終了した場合、あるいは入力判定部103により通信ボタン14が押されたと判定された場合、投光部102が、LED11を点灯させる。
【0043】
(S105)
ステップS105では、通信部101が、超音波モジュール12を送信可能な状態とする。そして、通信部101が、測定データをスマートフォン20へ向けて送信する。ここで、通信部101が送信する測定データは、ステップS103において測定されたデータであるが、当該測定データは、測定部104によって測定され、血圧計10内に蓄積されて保存されている過去の測定履歴に関する情報を含んでもよい。
【0044】
(S106)
ステップS106では、通信部101が、超音波モジュール12を送信可能な状態としてから所定時間経過したか否かを判定する。そして、所定時間経過したと判定された場合、ステップS107へ進む。一方、所定時間経過していないと判定された場合、ステップS105に戻って測定データの送信の処理を再び実行する。
【0045】
(S107)
ステップS107では、投光部102がLED11を消灯する。
【0046】
(スマートフォン20の処理フロー)
次にスマートフォン20が実行する処理の概要を説明する。図5は、スマートフォン20が実行する処理のフローチャートの一例を模式的に例示する。
【0047】
(S201)
ステップS201では、入力判定部203が、タッチパネルディスプレイ21を介したユーザからの入力操作を判定する。そして、入力操作があったと判定された場合、ステップS202へ進む。また、この場合に、表示部202は、血圧計10が有するカフを巻き、測定ボタン13を押す旨の測定ガイダンスをタッチパネルディスプレイ21に表示してもよい。
【0048】
(S202)
ステップS202では、通信部201が、マイクロフォン22を起動し、血圧計10からの通信を待機する状態にする。
【0049】
(S203)
ステップS203では、表示部202が、タッチパネルディスプレイ21へ血圧計10と通信するための配置のガイダンス情報を表示する。ここで、配置のガイダンス情報は、血圧計10のLED11により照射される範囲内にスマートフォン20を置くことを案内する情報を含む。また、配置のガイダンス情報は、マイクロフォン22の位置を指示する矢印(例えば通話用のマイクロフォンと兼用の場合は、スマートフォン20の下部を指示する矢印)を表示し、血圧計10が矢印の方向に来るような向きにスマートフォン20を置くことを案内する情報を含む。
【0050】
(S204)
ステップS204では、通信部201が、血圧計10から測定データを受信できたか否かを判定する。そして、測定データが受信できたと判定された場合、ステップS205へ進む。一方、測定データが受信できなかったと判定された場合、ステップS206へ進む。
【0051】
(S205)
ステップS205では、測定データが受信できたと判定された場合、表示部202が、受信データをタッチパネルディスプレイ21へ表示する。
【0052】
(S206)
ステップS206では、ステップS204において測定データが受信できなかったと判定された場合、通信部201が、マイクロフォン22を受信可能状態にしてから所定時間経過したか否かの判定を行う。そして、所定時間が経過したと判定された場合、ステップS207へ進む。一方、所定時間が経過していないと判定された場合、ステップS204へ戻り、通信部201が測定データの受信の判定を再度行う。
【0053】
(S207)
ステップS207では、表示部202が、血圧計10から測定データを受信することを失敗した受信失敗の情報をタッチパネルディスプレイ21へ表示する。
【0054】
(生体情報測定システム1の処理フロー)
次に生体情報測定システム1が実行する処理フローを説明する。図6は、生体情報測定システム1が実行する処理のフローチャートの一例を示している。
【0055】
(S1001)
ステップS1001では、血圧計10の入力判定部103が、ユーザによってボタン操作されたと判定する。
【0056】
(S1002)
ステップS1002では、入力判定部103が、測定ボタン13が押されたと判定する。
【0057】
(S1003)
ステップS1003では、測定部104が血圧の測定を行う。
【0058】
(S1004)
ステップS1004では、測定部104による血圧の測定が終了した場合、投光部102が、LED11を点灯させる。ここで、投光部102は、LED11へ流入する電流を制御することにより、図1に示されるように血圧計10が置かれる部分から右側の範囲16の机上部分が照らされるようにする。ここで、血圧計10から、LED11によって照らされる範囲16は、血圧計10と超音波を介して通信する場合の、推奨されるスマートフォン20の配置位置である。そして、その広さは、例えば血圧計10から当該範囲の右端までの距離が、例えば30cm程度であってもよい。また、血圧計10のLED11が設けられる場所によっては、LED11によって照らされる範囲16は、血圧計10を含んだ範囲であってもよい。
【0059】
(S1005)
ステップS1005では、通信部101が、測定データをスマートフォン20へ向けて送信する。
【0060】
(S1006)
一方で、スマートフォン20においては、ステップS1001からステップS1005の処理とは独立して、ステップS1006において、入力判定部203が、タッチパネルディスプレイ21を介し、ユーザからの入力操作を受け付ける。入力操作は、測定データを血圧計10から受信することに関する操作である。
【0061】
(S1007)
ステップS1007では、通信部201が、マイクロフォン22を起動し、血圧計10からの通信を待機する状態にする。
【0062】
(S1008)
ステップS1008では、表示部202が、タッチパネルディスプレイ21へ血圧計10と通信するための配置のガイダンス情報を表示する。ガイダンス情報には、例えばスマートフォン20を血圧計10と同一机上面の、光によって照射される所定の範囲16に置くように指示する内容が含まれる。また、ガイダンス情報には、マイクロフォン22の位置を指示する矢印(例えば通話用のマイクロフォンと兼用の場合は、スマートフォン20の下部を指示する矢印)を表示し、血圧計10が矢印の方向に来るような向きにスマートフォン20を置くことを案内する情報が含まれる。そして、ユーザは、血圧計10のLED11によって照射される机上の所定の範囲16に、ガイダンス表示に従ってスマートフォン20を置く。
【0063】
(S1009)
ステップS1009では、通信部201が、血圧計10から測定データを受信する。
【0064】
(S1010)
ステップS1010では、表示部202が、受信データをタッチパネルディスプレイ21へ表示する。
【0065】
(S1011)
一方、血圧計10では、ステップS1011において、通信部101が、超音波モジュール12を送信可能な状態としてから所定時間経過したか否かを判定する。そして、所定時間経過したと判定された場合、ステップS1012へ進む。
【0066】
(S1012)
ステップS1012では、投光部102がLED11を消灯する。
【0067】
[作用・効果]
上記のような生体情報測定システム1によれば、LED11の照射により、血圧計10が設置される机上において、スマートフォン20の推奨される配置位置が可視化される。よって、ユーザは、スマートフォン20を配置する場所を容易に理解することができる。よって、ユーザは、スマートフォン20を血圧計10に対してLED11によって照射される範囲16の中に容易に置くことができる。よって、上記のような生体情報測定システム1によれば、指向性が高く、到達距離の短い超音波によって血圧計10とスマートフォン20とが通信する場合であっても、通信の確立を容易にすることができる。
【0068】
また、上記のような生体情報測定システム1によれば、ステップS103において血圧測定が終了した場合、あるいはステップS102において通信ボタン14が押下されたと判定された場合といったように、血圧計10がスマートフォン20へ測定データの送信を開始する場合に、ステップS104においてLED11が点灯される。よって、血圧計10による通信が開始される場合に、スマートフォン20をLED11によって照射される範囲16の中へ置くことをユーザに促すことができる。よって、上記のような生体情報測定システム1によれば、血圧計10の通信部101が、スマートフォン20との通信を待機する時間は節減され、待機のために消費される電力は節減される。また、上記のような生体情報測定システム1によれば、ユーザは、血圧計10の通信部101が、いつ通信を行なっているかを容易に把握することができる。よって、ユーザは、スマートフォン20を配置するタイミングを容易に認識することができる。
【0069】
また、上記のような生体情報測定システム1によれば、ユーザは、スマートフォン20を推奨される場所に配置することに加え、スマートフォン20のタッチパネルディスプレイ21に表示されるスマートフォン20の配置の向きに関するガイダンス情報を見て、スマートフォン20の推奨される配置向きを容易に理解することができる。また、ユーザは、血圧計10とスマートフォン20との通信の確立がさらに容易となるように、当該ガイダンス情報に従い、スマートフォン20のマイクロフォン22を血圧計10の超音波モジュール12へ向けるようにスマートフォン20を机上に置くことができる。
【0070】
§4 変形例
<4.1>
図7は、変形例に係る血圧計10Aの概要の一例を模式的に例示する。図7に示されるように、血圧計10Aは、LED11の代わりにプロジェクタ15を備える。そして、投光部102Aは、プロジェクタ15を含んで形成される。そして、投光部102Aは、プロジェクタ15を介して超音波で通信する場合の推奨されるスマートフォン20の配置範囲の図形16Aを机上に投影する。また、投光部102Aは、測定部104によって測定された測定結果17に関する情報も机上に投影する。また、投光部102Aは、測定のガイダンス情報も机上に投影してもよい。ここで、測定結果17及び測定のガイダンス情報は、本発明の「測定に関する情報」の一例である。
【0071】
[作用・効果]
上記のような血圧計10Aによれば、血圧計10Aに、測定結果17を表示する表示手段を設けない構成が可能となる。よって、血圧計10Aの構成を簡易なものとすることができる。よって、血圧計10Aの製造コストの削減が可能となる。
【0072】
<その他変形例>
上記のような生体情報測定システムでは、ステップS103において血圧測定が終了した場合、あるいはステップS102において通信ボタン14が押下されたと判定された場合といったように、血圧計10がスマートフォン20へ測定データの送信を開始する場合に、ステップS104においてLED11が点灯されている。しかし、LED11が点灯されるタイミングは、上記の生体情報測定システム1で例示した例に限定されない。例えば、血圧計10がスマートフォン20へ測定データの送信を開始する前からLED11が点灯されていてもよい。また、血圧計10がスマートフォン20へ測定データを送信している間にLED11が消灯してもよい。
【0073】
また、上記の生体情報測定システムでは、血圧計10とスマートフォン20とが同一の机上面に置かれている例が例示されているが、血圧計10とスマートフォン20とが同一の机上面に置かれていなくともよい。そして、血圧計10のLED11によって照射される範囲16は、血圧計10が設けられる面に形成されていなくともよい。
【0074】
また、投光手段はLED11に限られず、血圧計10にレーザー照射モジュール等が設けられ、レーザー照射モジュール等によってスマートフォン20の推奨される配置場所が可視化されてもよい。
【0075】
以上で開示した実施形態はそれぞれ組み合わせる事ができる。
【0076】
なお、以下には本発明の構成要件と実施例の構成とを対比可能とするために、本発明の構成要件を図面の符号付きで記載しておく。
<付記1>
超音波により外部の端末と通信する生体情報測定装置(10、10A)であって、
測定情報を含む情報を外部の端末と通信する通信手段(12)と、
光を照射することにより、前記外部の端末の配置すべき場所に関する情報(16)を可視化する投光手段(11)と、を備える、
生体情報測定装置(10、10A)。
<付記2>
前記投光手段(11)により光が照射される場所は、自装置が設置される設置面上を含む、
付記1に記載の生体情報測定装置(10、10A)。
<付記3>
前記投光手段(11)により光が照射される期間は、前記通信手段(12)により前記外部の端末との通信を実行する通信実行前の所定期間、又は前記通信実行される期間の少なくとも一部を、少なくとも含む、
付記1又は2に記載の生体情報測定装置(10、10A)。
<付記4>
前記投光手段(11)は、前記設置面上に光を照射することにより測定に関する情報を可視化する、
付記1から3のうちの何れか一項に記載の生体情報測定装置(10、10A)。
<付記5>
超音波により生体情報測定装置(10、10A)から測定情報を受信する受信手段(22)と、
前記生体情報測定装置(10、10A)により配置すべき場所に関する情報が可視化される場合、前記配置すべき場所に配置を案内する情報と、前記配置すべき場所に配置を案内する情報に従って配置される場合に前記受信手段(22)により受信する前記測定情報と、を表示する表示手段(21)と、を備える、
端末(20)。
<付記6>
付記1から4のうちの何れか一項に記載の生体情報測定装置(10、10A)と、
前記生体情報測定装置(10、10A)から前記情報を受信する受信手段(22)と、前記受信した情報を表示する表示手段(21)と、を有する端末(20)と、を備え、
前記端末(20)の前記表示手段(21)は、前記受信手段(22)により前記情報を受信する前に、前記生体情報測定装置(10、10A)により配置すべき場所に関する情報が可視化される場合、前記配置すべき場所に配置を案内する情報を表示し、
前記配置すべき場所に配置を案内する情報には、前記端末(20)が前記投光手段(11)により可視化される前記場所に配置される場合に、前記端末(20)が前記場所に配置される向きを指定する情報が含まれる、
生体情報測定システム(1、1A)。
【符号の説明】
【0077】
1、1A:生体情報測定システム
10、10A:血圧計
11:LED
12:超音波モジュール
13:測定ボタン
14:通信ボタン
15:プロジェクタ
16: LED11によって照射される範囲
16A:プロジェクタ15によって照射される図形
17:測定結果
20:スマートフォン
21:タッチパネルディスプレイ
22:マイクロフォン
101:通信部
102、102A:投光部
103: 入力判定部
104: 測定部
201: 通信部
202: 表示部
203: 入力判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7