IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧 ▶ 三菱電機照明株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-制御端末機 図1
  • 特許-制御端末機 図2
  • 特許-制御端末機 図3
  • 特許-制御端末機 図4
  • 特許-制御端末機 図5
  • 特許-制御端末機 図6
  • 特許-制御端末機 図7
  • 特許-制御端末機 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】制御端末機
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20230221BHJP
   H05B 47/10 20200101ALI20230221BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20230221BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230221BHJP
【FI】
F21V23/00 140
H05B47/10
F21V23/00 170
F21V23/04 100
F21Y115:10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019097662
(22)【出願日】2019-05-24
(65)【公開番号】P2020194621
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】大森 章裕
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-010899(JP,A)
【文献】特開2016-024869(JP,A)
【文献】特開2017-162778(JP,A)
【文献】特開2018-057086(JP,A)
【文献】特開2001-102183(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00
H05B 47/00
F21V 23/04
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具が接続され、外部機器から受信した信号を前記照明器具に送信する制御端末器であって、
前記制御端末器は、
電源線が挿し込まれ外部から電力が入力される電源端子台と、
前記電力により駆動し、前記信号を前記照明器具に送信できるように制御する制御ユニットと、
前記電源端子台と前記制御ユニットと電気的に接続し、前記制御ユニットへの前記電力の供給状態を制御するスイッチ部と、
前記電源端子台、前記制御ユニットと前記スイッチ部とを収容し、被取付部に固定されるケースと、を備え、
前記ケースは、被取付部に固定される為の固定穴を有し、
前記スイッチ部は、前記供給状態を操作する操作部を有し、
前記操作部は、前記固定穴と隣接するとともに、前記固定穴から離れるように可動した状態で前記制御ユニットへ前記電力を供給する制御端末器。
【請求項2】
前記ケースは、前記制御ユニットと前記スイッチ部が取り付けられる板状のフレーム取付部を有し、
前記スイッチ部は、前記操作部が前記フレーム取付部と平行な方向に可動する請求項1に記載の制御端末器。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれか一項に記載された制御端末器と、
前記制御端末器に信号を送付するコントローラと、
前記制御端末器に接続された照明器具と、
を備えた照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明制御システムに用いられる制御端末器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、天井に設置された照明器具の点灯状態を遠隔から制御する照明システムがある。
【0003】
例えば、複数の照明器具が接続された制御端末機と、複数の制御端末器が接続される制御部とを備え、制御部から送付される信号に従って照明器具の点灯状態を制御するものがある。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-201087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数の照明器具と制御端末器は信号線で接続され、複数の制御端末機と制御部も信号線で接続されており、照明器具が設置された天井の裏側には信号線が複数設置されている。また、天井の裏側には、制御端末器や照明器具などに外部商用電源から電力供給を受ける為の電源線なども配置されており、天井の裏側を確認しても制御端末機がどの信号線によりどの照明器具と接続しているのか判別するのが難しかった。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような課題を解決する為になされたもので、接続された照明器具を容易に特定できる端末機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の制御端末機は、照明器具が接続され、外部機器から受信した信号を前記照明器具に送信する制御端末器であって、前記制御端末器は、電源線が挿し込まれ外部から電力が入力される電力入力部と、前記電力により駆動し、前記信号を前記照明器具に送信できるように制御する制御ユニットと、前記電力入力部と前記制御ユニットと電気的に接続し、前記制御ユニットへの前記電力の供給状態を制御するスイッチ部と、前記電力入力部、前記制御ユニットと前記スイッチ部とを収容し、被取付部に固定されるケースと、を備え、前記ケースは、被取付部に固定される為の固定穴を有し、前記スイッチ部は、前記供給状態を操作する操作部を有し、前記操作部は、前記固定穴と隣接するとともに、前記固定穴から離れるように可動した状態で前記制御ユニットへ前記電力を供給するものを備えているものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の制御端末器は、接続された照明器具を容易に特定できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1における照明制御システムの構成図である。
図2】実施の形態1における制御端末器の斜視図である。
図3】実施の形態1における制御端末器の斜視図である。
図4】実施の形態1における制御端末器の斜視図である。
図5】実施の形態1における端子台ユニットの分解斜視図である。
図6】実施の形態1における制御端末器の正面図である。
図7】実施の形態1における制御端末器のB部拡大図である。
図8】実施の形態1における照明制御システムの変形例を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
本発明は、照明制御システムにおいて、接続された照明器具を容易に特定できる制御端末器に関するものである。
以下、本発明に係る実施の形態として、制御端末器および照明制御システムについて説明する。
【0011】
図1は本実施の形態における照明制御システム1の構成図である。
照明制御システム1は、例えば、オフィスビルや各種施設などの各フロアや各エリアなどの照明エリア毎に設置される照明器具を遠隔制御するものである。
照明制御システム1は、コントローラ100と、コントローラに接続する制御端末器200と、制御端末器200に接続する複数の照明器具300とを備えている。コントローラ100、制御端末器200と照明器具300は信号線10で接続されている。
照明制御システム1は、コントローラ100から送付される信号が制御端末器200を介して複数の照明器具300に送付され、照明器具300が受信した信号により点灯状態を制御されるものである。
なお、照明器具300としては、天井に取り付けられるものであり、例えば、ランプやLEDを光源として用いたものである。また、複数の照明器具300はそれぞれ異なる仕様のものであっても良い。
【0012】
コントローラ100は、図示しない壁スイッチや無線リモコンなどの操作機器と有線もしくは無線接続しており、接続する操作機器から送付される操作信号に基づき、複数の照明器具300を制御するための制御信号を制御端末器200に送付する。
【0013】
制御端末器200は、外部電源20から電力供給を受けて駆動し、コントローラ100から送付される制御信号を受信した、受信した制御信号を振幅させ接続された複数の照明器具300に発信する。制御端末器200は、受信した制御信号を振幅させることで増幅することができ、接続される照明器具300の数を増やすことができる。
【0014】
次に、図2から図7を用いて、制御端末器200の構成を説明する。図2は制御端末器200の斜視図である。図3図2に示す制御端末器200の分解斜視図である。図4図3に示すA方向からみた制御端末器200の分解斜視図である。図5図3に示す端子台ユニット230の分解斜視図である。図6図2に示す制御用端末器200の正面図である。図7図6に示す制御端末器200のB部の拡大図であり、スイッチ部234の動作を示すものである。
なお以下の説明では、図2に示す矢印のように、制御端末器の幅方向をX方向、高さ方向をY方向、X方向XおよびY方向Yに直交する奥行き方向をZ方向とする。X方向、Y方向とZ方向はそれぞれが互いに直行する方向である。
制御端末器200は、フレーム210と、制御ユニット220と、端子台ユニット230と、カバー240とを備えている。
【0015】
フレーム210は、制御ユニット220と端子台ユニット230を保持し、壁や吊ボルトなどの被取付部に固定するものである。フレーム210は、板状の金属で形成されている。
フレーム210は、制御ユニット220と端子台ユニット230が取り付けられるフレーム取付部211と、フレーム取付部211のY方向における両側に設けられたフレーム脚部212とを備えている。
フレーム脚部212は、制御端末器200を被取付部に固定するための固定穴2121が設けられている。
フレーム取付部211とフレーム脚部212は、X方向とY方向からなる平面と平行に設けられている。
【0016】
制御ユニット220は、コントローラ100から送付される制御信号を受信し、受信した制御信号を変換して接続された複数の照明器具300の送信するものである。
制御ユニット220は、内部に入力された制御信号を変換させる図示しない制御回路が配設されており、制御回路を駆動させるための電力が入力される電力入力部221と、制御回路にコントローラ100から送付される制御信号が入力される信号入力部222と、制御回路により変換された変換信号を出力する信号出力部223とを有している。
制御ユニット220は、例えば、制御回路が制御信号を振幅させるよう変換するものである。制御ユニット220は、制御回路が制御信号を振幅させることで、制御信号が増幅し、複数の照明器具300を制御することができる。
【0017】
端子台ユニット230は、制御ユニット220に接続し、制御ユニット220への電力供給および信号の入出力をするものである。
端子台ユニット230は、電源端子台231と、信号入力端子台232と、信号出力端子台233と、スイッチ部234と、取付台235を備えている。
【0018】
電源端子台231は、外部電源から電力供給を受けるための電源線が接続されるものである。電源端子台231は、制御端末器200に外部電源からの電力が入力される電力入力部である。
電源端子台231は、一面に電源線が挿し込まれる電源線挿し込み穴2311が設けられている。また、電源端子台231は、図示しない電線で制御ユニット220の電力入力部221と接続し、制御回路に外部電源からの電力を供給する。
【0019】
信号入力端子台232は、コントローラ100から制御信号を受信するために伝送線が接続されるものである。
信号入力端子台232は、一面に伝送線が挿し込まれる信号入力用穴2321が設けられている。また、信号入力端子台232は、図示しない信号線で制御ユニット220の信号入力部222と接続し、制御回路に制御信号を伝送している。
【0020】
信号出力端子台233は、制御回路から変換信号を照明器具300に発信するために伝送線が接続されるものである。
信号出力端子台233は、一面に伝送線が挿し込まれる信号出力用穴2331が設けられている。また、信号出力端子台233は、図示しない信号線で制御ユニット220の信号出力部223と接続し、制御回路から変更信号を伝送している。
【0021】
スイッチ部234は、電源端子台231から制御ユニット220への電力供給を制御するものであり、電力の供給と停止を切り替えするものである。スイッチ部234は、電源端子台231および制御ユニット220と電気的に接続し、電源端子台231と制御ユニット220を接続する図示しない電線の間に設けられている。
スイッチ部234は、電力の供給と停止を切り替えする操作部2341を備えており、操作部2341はX方向において揺動するように可動する。スイッチ部234は図7において、操作部2341の先端である操作先端部23411が中心線CL側にあるときに電力を停止し、操作部2341の先端23411が中心線CLから遠い側にあるときに電力を供給する。つまり、スイッチ部234は、操作部2341が固定穴2121から離れるように可動することで、電力を供給する。
なお、操作部2341の揺動は、フレーム取付部211に対して平行な方向に可動する。
【0022】
取付台235は、電源端子台231と、信号入力用端子台232と、信号出力用端子台233と、スイッチ部234を保持し、フレーム210のフレーム取付部211に固定する。
取付台235は、電源端子台231、信号入力用端子台232と信号出力用端子台233が取り付けられる端子台取付部2351と、スイッチ部234を固定するスイッチ固定部2352と、フレーム取付部211に固定される取付台脚部2353とを備えている。
端子台取付部2351は、電源端子台電源端子台231、信号入力用端子台232と信号出力用端子台233は、電源挿し込み穴2331、信号入力用穴2321、信号出力用穴2331それぞれがフレーム取付部211に対して反対側を向くように設けられている。
スイッチ固定部2352は、端子台取付部2351とフレーム取付部211の間にスイッチ部234が配設されるように設けられている。また、スイッチ固定部2352は、操作部2341がカバー240より突設するようにスイッチ部234を保持している。
なお、端子台ユニット230と制御ユニット220を接続する図示しない電線および信号線は、端子台取付部2351とフレーム取付部211との間に収容されている。
【0023】
カバー240は、制御ユニット220および端子台ユニット230を覆うようにフレーム210に取り付けられるものである。カバー240は、板状の金属で形成されている。
カバー240は、端子台ユニット230の電源挿し込み穴2331、信号入力用穴2321、信号出力用穴2331が露出するように端子台用開口241と、スイッチ部234の操作部2341と干渉しないようスイッチ用切り欠き部242が設けられている。
【0024】
フレーム220とカバー240は、制御ユニット220と端子台ユニット230を囲むケースである。制御ユニット220と端子台ユニット230は、金属で形成されたフレーム220とカバー240とで囲まれることで、火災や衝撃からの影響が抑制される。
【0025】
制御端末器200は、制御ユニット220への電力供給を制御するスイッチ部234を、スイッチ部234の操作部2341が固定穴2121から離れた状態で制御ユニット220への電力を供給するように設けている。よって、制御端末器220を被取付部に固定するときに、操作部2341が固定の為のネジやナット、取付金具と干渉することを抑制することができ、ネジやナット、取付金具と操作部2341が干渉して意図せずに可動することを抑制することができる。つまり、意図せずに制御ユニット220への電力供給が停止になるのを抑制することができる。
【0026】
以上が制御端末器200の構成である。次に、制御端末器200に接続された照明器具300の特定方法に関して説明をおこなう。
図8は、照明制御システム1の構成図の変形例である。照明制御システム1は、複数の制御端末器200A、200B、200Cが並列に接続されており、複数の制御端末器200A、200B、200Cには、それぞれ複数の照明器具300AA、300AB、300AC、・・・300CCが接続されている。
作業者は、制御端末器200のスイッチ部234の操作部2341を操作することで、制御ユニット220への電力供給が停止され、制御回路も停止される。よって、制御端末器300に接続続されている照明器具300への信号送付も停止され、接続されている数の照明器具300は消灯する。
このとき、接続されている照明器具300に不具合が起こり消灯していると、スイッチ部234を操作しても、接続されている数の照明器具300よりも少ない数の照明器具300しか消灯させることができない。よって、不具合が起こっている照明器具300と接続している制御端末器200を特定することができる。
例えば、制御端末器200Bに接続する照明器具300BBが不具合で消灯していると、制御端末器200Bのスイッチ部234を操作しても2つの照明器具300BA、300BCしか消灯されず、制御端末器200Bが不具合の起こった照明器具300BBと接続していることが特定できる。
このように複数の照明器具300AA、300AB、300AC、・・・300CCのうちいずれかの照明器具300に不点灯などの不具合が起きた場合に、制御端末器200がスイッチ部234を有していることで、不具合が起きた照明器具300と接続する制御端末器200を容易に特定することができる。
【0027】
本実施の形態の制御システムは、制御端末器200が制御ユニット220の制御回路の駆動を停止させるスイッチ部234を有していることで、制御端末器200に接続されている照明器具300に不具合が起こったときに、制御端末器200と照明器具300を接続する信号線を辿ったり、制御端末器200に接続された電力供給の為の電源線を外したりしなくて良く、照明器具300が接続された制御端末器200を容易に特定することができる。
【0028】
本実施の形態のスイッチ部234は、X方向に沿って可動する構成を説明したが、Z方向に可動するように配置してもよい。Z方向に可動するように配置して場合は、操作部234の操作先端部2341がフレーム脚部212から離れるように可動したときに電力を供給することで、操作部を固定穴側に設けた方がネジやナット、取付金具と干渉するのを抑制することができる。
【0029】
本実施の形態のスイッチ部234は、トグルスイッチの形状をした構成を説明したが、シーソ式スイッチの形状でもよい。シーソ式スイッチは、操作部の先端がフレーム210に入り込むように操作されたときに電力を供給するものであり、操作部を固定穴側に設けた方がネジやナット、取付金具と干渉するのを抑制することができる。
【0030】
本実施の形態の照明制御システムは、複数の制御端末器200A、200B、200Cがコントローラ100に対して並列に接続する形態を説明したが、複数の制御端末器200A、200B、200Cがコントローラ100に対して直列に接続するようなものでも良い。
【符号の説明】
【0031】
1 照明制御システム、10 信号線、20 外部電源、100 コントローラ、200 制御端末器、210 フレーム、211 フレーム取付部、212 フレーム脚部、2121 固定穴、220 制御ユニット、221 電力入力部、222 信号入力部、223 信号出力部、230 端子台ユニット、231 電源端子台、2311 電源線挿し込み穴、232 信号入力端子台、2321 信号入力用穴、233 信号出力端子台、2331 信号出力用穴、234 スイッチ部、2341 操作部、23411 操作先端部、235 取付台、2351 端子台取付部、2352 スイッチ取付部、2353 取付台脚部、240 カバー、241 端子台用開口、242 スイッチ用開口、300 照明器具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8