(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】直動駆動装置の監視装置および直動駆動装置の監視方法
(51)【国際特許分類】
G01M 99/00 20110101AFI20230221BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
(21)【出願番号】P 2019118311
(22)【出願日】2019-06-26
【審査請求日】2022-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【氏名又は名称】永岡 重幸
(72)【発明者】
【氏名】山田 雄基
【審査官】松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-144292(JP,A)
【文献】特開平03-174911(JP,A)
【文献】特開2018-085058(JP,A)
【文献】特開2016-111897(JP,A)
【文献】国際公開第2008/053772(WO,A1)
【文献】米国特許第05902656(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01H1/00-17/00
G01M13/00-13/045、99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直動駆動装置における周波数応答のデータを入手するデータ入手部と、
前記データ入手部で入手されたデータに基づいて、周波数応答に含まれる剛体モードを算出する剛体モード算出部と、
前記剛体モード算出部で算出された剛体モードを所定の判定基準に適用することで、前記直動駆動装置における潤滑特性を判定する判定部と、
を備えたことを特徴とする直動駆動装置の監視装置。
【請求項2】
前記判定部が、直動駆動装置における正常時の剛体モードの状態を記憶し、前記剛体モード算出部によって算出された剛体モードの状態と正常時の剛体モードの状態との比較結果に基づいて潤滑特性を判定することを特徴とする請求項1記載の直動駆動装置の監視装置。
【請求項3】
前記剛体モード算出部が、剛体モードの減衰係数を算出するものであり、
前記判定部が、前記剛体モード算出部によって算出された減衰係数と正常時の減衰係数との比が基準範囲を外れた場合に、潤滑特性が変化したと判定することを特徴とする請求項2記載の直動駆動装置の監視装置。
【請求項4】
監視装置内で実行される監視方法であって、
直動駆動装置における周波数応答のデータを入手するデータ入手過程と、
前記データ入手過程で入手されたデータに基づいて、周波数応答に含まれる剛体モードを算出する剛体モード算出過程と、
前記剛体モード算出過程で算出された剛体モードを所定の判定基準に適用することで、前記直動駆動装置における潤滑特性を判定する判定過程と、
を経ることを特徴とする直動駆動装置の監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直動駆動装置の監視装置および直動駆動装置の監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械等の機械設備には、ボールねじやリニアガイド等の直動駆動装置が装備されている。また、直動駆動装置では、摺動部における摩耗や損傷を抑制して長時間の使用を可能とするために、グリースや潤滑油などによって摺動部の潤滑性が保たれていることが一般的である。
【0003】
このような直動駆動装置で、潤滑特性に異常が生じたり摩耗や損傷が発生したりした場合には摺動が阻害される。このような摺動の阻害は、異常音を発生するだけでなく、直動駆動装置における寿命の低下を招く可能性がある。このため、従来、直動駆動装置を監視する装置や方法が提案されている。
【0004】
例えば特許文献1には、機械の潤滑状態の把握とそれを用いた保全を目的として、基準モード減衰比及びそれに対応する共振周波数での実測モード減衰比に基づいて潤滑特性を算出する技術が記載されている。
【0005】
また、例えば特許文献2には、送り軸の周波数特性におけるゲインが最大となる周波数とシャフトの損傷周波数とが一致する送り速度で送り軸を動作させ、軸動作中のサーボモータの制御に関するサーボ情報の周波数解析を行い、周波数解析結果から損傷周波数にピークがあれば送り軸に異常があると判断する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6208699号公報
【文献】国際公開第2018/025634号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
直動駆動装置では、摺動による潤滑特性の変化を監視して、摩耗や損傷が生じる前にメンテナンスなどを行うことが望ましい。
【0008】
しかし、特許文献2の技術では、検出時点における異常の有無を検出できるにとどまり、損傷が生じる前に潤滑特性の変化を検出することができない。
また、特許文献1の技術では、共振周波数の近傍における減衰比を求めるために高周波数域での加振試験が必要となるが、高周波数域での加振試験は直動駆動装置や周辺設備にかかる負荷が大きく、騒音も生じるため、穏やかな加振試験で潤滑特性の変化が検出できる技術が求められる。
そこで、本発明は、穏やかな加振試験で潤滑特性の変化を監視することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する直動駆動装置の監視装置の一態様は、直動駆動装置における周波数応答のデータを入手するデータ入手部と、上記データ入手部で入手されたデータに基づいて、周波数応答に含まれる剛体モードを算出する剛体モード算出部と、上記剛体モード算出部で算出された剛体モードを所定の判定基準に適用することで、上記直動駆動装置における潤滑特性を判定する判定部と、を備える。
【0010】
このような直動駆動装置の監視装置によれば、共振周波数よりも低い、直流から低周波数域までの減衰特性を代表する剛体モードに基づいて潤滑特性が判定されるので、穏やかな加振試験で潤滑特性の変化を監視することができる。
剛体モードは、言い換えるならば、複数の部材が組み合わさった構成物が、一体の剛体のように振る舞うモードのことである。これに対して振動モードは、複数の部材が共振周波数近傍で相互に振動するモードのことである。剛体モードは、直流(即ち0Hz振動)から始まり、振動モードへと移行する前の低周波数域で生じるので、加振試験としては低周波数域における穏やかな加振試験が用いられることになる。
また、上記直動駆動装置の監視装置によれば、剛体モードに基づいて潤滑特性が判定されるため、潤滑特性が著しく変化する前に給脂などのメンテナンスを行うことができる。この結果として、リニアガイドやボールねじなどといった直動装置の交換寿命を延ばすことができ、さらに、機械の減衰能の維持につながるため、びびり振動に対する安定性が向上する。
【0011】
上記直動駆動装置の監視装置において、上記判定部が、直動駆動装置における正常時の剛体モードの状態を記憶し、上記剛体モード算出部によって算出された剛体モードの状態と正常時の剛体モードの状態との比較結果に基づいて潤滑特性を判定することが好適である。剛体モードの状態の比較によって潤滑特性の変化が正確に確認される。
【0012】
また、剛体モードの状態が比較される監視装置においては、上記剛体モード算出部が、剛体モードの減衰係数を算出するものであり、上記判定部が、上記剛体モード算出部によって算出された減衰係数と正常時の剛体モードを表した減衰係数との比が基準範囲を外れた場合に、潤滑特性が変化したと判定することが更に好ましい。減衰係数の比によって潤滑特性の変化が、より明瞭に抽出され、監視精度もより向上する。
【0013】
上記課題を解決する直動駆動装置の監視方法の一態様は、監視装置内で実行される監視方法であって、直動駆動装置における周波数応答のデータを入手するデータ入手過程と、上記データ入手過程で入手されたデータに基づいて、周波数応答に含まれる剛体モードを算出する剛体モード算出過程と、上記剛体モード算出過程で算出された剛体モードを所定の判定基準に適用することで、上記直動駆動装置における潤滑特性を判定する判定過程と、を経る。
【0014】
このような直動駆動装置の監視方法によれば、剛体モードに基づいて潤滑特性が判定されるので、穏やかな加振試験で潤滑特性の変化を監視することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、共振周波数に依存せずに潤滑特性の変化を監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の監視装置の一実施形態を含んだ監視システムの一例を示す図である。
【
図2】監視システムにおける監視手順を表すフローチャートである。
【
図3】周波数応答のデータ例を模式的に示すグラフである。
【
図4】剛体モードと振動モードのモデルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の監視装置の一実施形態を含んだ監視システムの一例を示す図である。
【0018】
監視システム1は、直動駆動装置が組み込まれた機械設備5と、機械設備5の動作を制御する数値制御装置3と、機械設備5内の直動駆動装置における潤滑特性を監視する監視装置10とを備える。この監視装置10が、本発明の直動駆動装置の監視装置の一実施形態に相当する。
【0019】
図1に示す機械設備5には、直動駆動装置の一例として、ボールねじ7と、一対のリニアガイド8、9と、ステージ6が組み込まれている。また、機械設備5には、図示を省略した電動モータが組み込まれているとともに、電動モータの回転位置を検出するロータリエンコーダも組み込まれている。
機械設備5では、電動モータによってボールねじ7が回転駆動され、ボールねじ7によってステージ6がリニアガイド8、9に沿って直線駆動される。
【0020】
ロータリエンコーダによる計測値は数値制御装置3に送信される。また、電動モータに対して供給される電流値も電流センサによって検出されて数値制御装置3に送信される。そして、数値制御装置3は、この計測値に基づいて電動モータを制御することにより機械設備5の数値制御を行う。また、ここに示す例では、数値制御装置3がいわゆるオートチューニング機能を有しており、数値制御装置3は、機械設備5について、ロータリエンコーダおよび電流センサによる計測値を用いて周波数応答を計測することができる。即ち、電流センサの計測値によって機械設備5における駆動力であるモータ推力が得られ、ロータリエンコーダの計測値は機械設備5における変位であるステージの変位とみなすことができるので、数値制御装置3は、モータ推力に対する変位の比を周波数毎に計測することで周波数応答を得る。オートチューニング機能によって周波数応答を計測することは、いわば加振試験の実行に相当する。
なお、機械設備5は、ステージ6の位置を直接計測するリニアエンコーダが組み込まれたものであってもよく、リニアエンコーダが組み込まれている場合には、リニアエンコーダの計測値がロータリエンコーダの計測値に替えて数値制御装置3に取り込まれる。
【0021】
監視装置10は、数値制御装置3から周波数応答のデータを入手して、機械設備5における潤滑特性の変化を監視する。ここで、機械設備5における潤滑特性とは、一例として、ステージ6の移動の円滑さを表した総合的な潤滑特性を意味する。この潤滑特性は、ボールねじ7およびリニアガイド8、9に塗布されたグリースや潤滑油などによって保たれている。
監視装置10は、データ取得部101と、モードパラメータ算出部102と、潤滑特性解析部103と、解析結果表示部104とを備えている。
データ取得部101は、本発明にいうデータ入手部の一例に相当する。モードパラメータ算出部102は、本発明にいう剛体モード算出部の一例としての機能を含んでいる。潤滑特性解析部103、本発明にいう判定部の一例としての機能を含んでいる。
以下の説明に当たり、
図1に示す要素については特に図番を断らずに符号を用いて参照する場合がある。
図2は、監視システム1における監視手順を表すフローチャートである。
【0022】
図2に示す監視手順は、機械設備5の稼働中に、例えば自動的に繰り返し実行され、あるいは例えば機械設備5の使用者の指示を受けるたびに実行される。この監視手順が、本発明の直動駆動装置の監視方法の一実施形態に相当する。
図2の監視手順が開始されると、ステップS101で、数値制御装置3によって加振試験が行われ、機械設備5について周波数応答が計測される。そして、ステップS102では、監視装置10のデータ取得部101が数値制御装置3から周波数応答のデータを取得し、監視装置10内の、図示が省略された記憶部に周波数応答のデータが記憶される。
図3は、周波数応答のデータ例を模式的に示すグラフである。
グラフの横軸は周波数を示し、グラフの縦軸はモータ推力と変位の比であるコンプライアンスを示す。
【0023】
図3のグラフには、加振試験によって得られた周波数応答の実測値を表したラインL1が太い点線で示され、実測値と比較される周波数応答の基準値を表したラインL2が太い実線で示されている。周波数応答を表したラインL1、L2には、一般的に複数のピークが生じ、
図3に示されたラインL1、L2では一例として3つのピークP1、P2、P3が生じている。
【0024】
太い実線のラインL2が表した周波数応答の基準値は、機械設備5のボールねじ7およびリニアガイド8、9における潤滑特性が正常である場合の周波数応答に相当する。潤滑特性が正常時から変化する(一般的には劣化する)と、太い実線のラインL2から太い点線のラインL1へと周波数応答が変化する。周波数応答の実測値が周波数応答の基準値と比較されることにより潤滑特性の変化が確認される。
【0025】
周波数応答の基準値は、例えば機械設備5の設置時に数値制御装置3の加振試験によって得られて数値制御装置3内あるいは監視装置10内に記憶されたものでもよく、あるいは、工場出荷時に加振試験によって得られたものでもよく、あるいは、別体の加振機が用いられて得られたものであってもよい。また、周波数応答の基準値は、周波数応答の実測値そのものに対応したものでもよく、あるいは、周波数応答がモデル化された複数のモードの一部であってもよく、あるいは、そのようなモードを表したパラメータであってもよい。基準値としてパラメータが記憶される場合には、例えばラインL2のデータを基準値として記憶する場合に較べて記憶容量が少なくて済む。また、基準値としてパラメータが用いられると、実測値との比較が容易である。
【0026】
本実施形態では、監視装置10内に、以下説明する剛体モードのパラメータが基準値として記憶されているものとし、
図3に示す基準値のラインL2は、潤滑特性が正常である基準状態を理念的に表しているものとする。
【0027】
図2のステップS102で周波数応答のデータが取得されると、ステップS103でモードパラメータ算出部102により、周波数応答から剛体モードと振動モードのパラメータが算出される。
図4は、剛体モードと振動モードのモデルを示す図である。
【0028】
周波数応答のモデル200は、1つの剛体モード210と、複数の振動モード220との組み合わせで構成される。各振動モード220は固有の共振周波数を有している。また、剛体モード210および振動モード220については、質量M0、M1、……、Mnや、ばね定数K1、K2、……、Knだけで無く、減衰係数C0、C1、……、Cnもパラメータとして考慮される。
【0029】
図2のステップS103でモードパラメータ算出部102により実行されるパラメータ算出は、例えばカーブフィッティングによって実行される。即ち、
図4に示すモデルから、各モードにおける周波数応答の理論カーブが算出され、それらの理論カーブの重ね合わせが
図3に示す実測値のラインL1に近づくように各パラメータが調整される。このとき、各モードにおける理論カーブは、他のモードに拠らず各々独立して算出される。そして、理論カーブの重ね合わせと実測値のラインL1とが十分に近づいた場合のパラメータが、実測値の周波数応答に含まれている各モード成分を表したパラメータとなる。なお、カーブフィッティングによるパラメータ算出は、自由度が一見高いように見えるが、モード相互の可換性が低いため、カーブフィッティングの初期値などが変えられて何度もパラメータ値が算出された場合であっても、各パラメータ値は所定の誤差範囲内に十分に納まることが理論的かつ経験的に知られている。従って、カーブフィッティングによって算出されたパラメータ値は十分に実際の動きを示していると考えてよい。
なお、モードパラメータ算出部102によるパラメータ算出は、基準値のラインL2が得られた際にも実行され、得られたパラメータの値(即ち質量や減衰係数)が基準値として記憶される。
【0030】
図2のステップS103で各モードのパラメータが算出されると、ステップS104では、潤滑特性解析部103によって、パラメータのうち剛体モードの減衰係数C
0が用いられ、監視装置10内に記憶されている基準値と、実測値からカーブフィッティングで得られた値との比が算出される。更にステップS105で潤滑特性解析部103は、その算出された比が所定の閾値範囲外であるか判定する。ステップS105における判定で、減衰係数C
0の基準値と実測値との比が閾値範囲外であると判定された場合には、機械設備5内の直動装置(例えばボールねじ7あるいはリニアガイド8、9)における潤滑特性が変化したと考えられる。
【0031】
図3には、周波数応答の実測値に含まれる剛体モードが細い点線のラインL3で示されていると共に、剛体モードの基準値が細い実線のラインL4で示されている。剛体モードは、振動モードよりも低い周波数範囲に亘るモードであり、潤滑特性変化が共振周波数近傍に現れない場合であっても潤滑特性変化は剛体モードから確認できる。また、基準値と実測値との比較により、正確な潤滑特性変化の確認を実施できる。また、本実施形態では、剛体モードそのものによる基準値と実測値との比較ではなく、剛体モードにおける減衰係数による基準値と実測値との比較が行われるので、潤滑特性の変化がより明瞭に抽出され、監視精度もより向上する。
【0032】
図2のステップS105で、基準値と実測値との比が閾値範囲外であると判定された場合(即ちステップS105;Yes)には、ステップS106で解析結果表示部104により、潤滑特性の変化を警告するメッセージや潤滑状態の確認を促すメッセージが例えば液晶画面などの表示器に表示される。機械設備5の使用者などは、このようなメッセージを見て給脂などのメンテナンスを行い、この結果、機械設備5の直動装置の交換寿命が延びる。さらに、このようなメンテナンスによって直動装置における減衰能が維持されるため、びびり振動に対する安定性が向上する。ステップS106における表示の後、
図2に示す監視手順は終了する。
【0033】
一方、ステップS105における判定で、減衰係数C
0の基準値と実測値との比が閾値範囲内であると判定された場合(即ちステップS105;No)には、潤滑特性は基準状態から変化していないものとして監視手順がそのまま終了する。
図5は、監視システムの変形例を示す図である。
図5に示す変形例では、監視システム1の監視対象である機械設備5のボールねじ7およびリニアガイド8、9のそれぞれにセンサ20が取り付けられている。これらのセンサ20としては、例えば振動加速度センサが用いられる。
図5に示す変形例では、これらのセンサ20によって得られた振動測定値が有線あるいは無線で数値制御装置3に送信され、その振動測定値に基づいて数値制御装置3で周波数応答が計測される。
図5に示す監視システムは、機械設備5に対するセンサ20の組み込みが必要であり、
図1に示す監視システムよりも部品点数が増えてコスト増となるが、センサ20によって機械設備5の内部構成を区別した測定値の取得が可能となる。このため
図5に示す監視システムでは、例えば、ボールねじ7における潤滑特性と、リニアガイド8、9における潤滑特性とを区別して監視することも可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、上記説明では、数値制御装置3によって加振試験が行われて周波数応答が計測され、本発明にいうデータ入手部の一例に相当するデータ取得部101は数値制御装置3から周波数応答のデータを取得する例が示されている。これに対して本発明にいうデータ入手部は、加振試験の機能を有して自ら周波数応答を計測するものであってもよい。
また、例えば上記説明では、数値制御装置3とは別の監視装置10によってモードパラメータの算出や警告表示が行われる例が示されているが、本発明の監視装置は、数値制御装置3に備わっているメモリ機能や演算処理機能が用いられて数値制御装置3内で実現されてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1…監視システム、3…数値制御装置、5…機械設備、10…監視装置、101…データ取得部、102…モードパラメータ算出部、103…潤滑特性解析部、104…析結果表示部