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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】エレベータ、エレベータシステム
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/00 20060101AFI20230221BHJP
【FI】
B66B3/00 G
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021110221
(22)【出願日】2021-07-01
(65)【公開番号】P2023007154
(43)【公開日】2023-01-18
【審査請求日】2021-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】井上 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】谷口 友宏
(72)【発明者】
【氏名】玉置 亜由美
(72)【発明者】
【氏名】端 宏晃
【審査官】吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-123261(JP,A)
【文献】特開2014-172695(JP,A)
【文献】特開2019-099069(JP,A)
【文献】特開2020-052548(JP,A)
【文献】特開2015-152359(JP,A)
【文献】特開2018-147082(JP,A)
【文献】特開2005-200181(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0125248(US,A1)
【文献】特開2005-041324(JP,A)
【文献】特開2013-113824(JP,A)
【文献】国際公開第2020/148881(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-31/02
B61L 25/02-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
行先階に、複数の移動装置からなる移動装置群が存在する移動装置階が含まれているエレベータであって、
前記エレベータのかごが行先階としての前記移動装置階に向けて移動している移動期間において、少なくとも該移動期間または該移動期間の所定期間後に該移動装置階に到着又は待機する、前記移動装置に関する移動装置情報を取得する移動装置情報取得部と、
前記移動装置情報取得部が取得した前記移動装置情報を、少なくとも前記移動期間において前記かご内で表示する表示部と、を含み、
前記表示部は、前記移動装置情報を表示する前記移動装置の到着時の位置情報と、該エレベータの位置情報とを関連付けて表示し、
前記移動装置群が列車であり、前記移動装置が前記列車を構成する車両であり、前記移動装置階が前記列車のプラットホームであり、
前記移動装置情報取得部は、前記エレベータのかごが行先階としての前記プラットホームに向けて移動している移動期間において、少なくとも該移動期間または該移動期間の所定期間後に該プラットホームに到着又は待機する、前記列車を構成する複数の前記車両に関する車両情報を取得する車両情報取得部であり、
前記表示部は、前記車両情報取得部が取得した前記車両情報を、少なくとも前記移動期間において前記かご内で表示し、
前記プラットホームにおいて、前記列車が到着または停止する側のホームが2つあり、
前記表示部は、前記かご内において、2つの前記ホーム側の面にそれぞれ設けられており、当該表示部に近い側の前記ホームに入線する列車の車両の車両情報を表示する、エレベータ。
【請求項2】
前記移動装置情報は、移動装置の混雑情報、移動装置の利用可能な利用者の性別を示す情報、移動装置の指定席を示す情報、移動装置の優先席の位置を示す情報、移動装置の優先席の有無を示す情報、移動装置のトイレの有無に関する情報、および、移動装置の喫煙室の有無に関する情報の少なくともいずれか1つである、請求項1に記載のエレベータ。
【請求項3】
警告音および警告表示の少なくともいずれか1つによる警告通知を行う警告通知部をさらに備え、
前記警告通知部は、
前記エレベータのかごが前記移動装置階に到着する到着時点、または前記到着時点から所定時間前又は所定時間後に、該移動装置階を移動している前記移動装置群があると判断した場合に、前記警告通知を行う、請求項1または2に記載のエレベータ。
【請求項4】
前記表示部は、
行先階として前記移動装置階が登録されていない期間は、前記移動装置情報以外の情報を表示する、請求項1~の何れか1項に記載のエレベータ。
【請求項5】
行先階に、複数の移動装置からなる移動装置群が存在する移動装置階が含まれているエレベータであって、移動装置情報を表示する前記移動装置の到着時の位置情報と、該エレベータの位置情報とを関連付けて表示する表示部を有するエレベータと、
前記移動装置階に到着する前記移動装置に関する移動装置情報を管理する管理サーバと、
前記管理サーバから前記移動装置情報を取得し、取得した移動装置情報を表示する表示部を含む端末装置と、を含み、
前記端末装置は、
前記エレベータのかごが行先階としての前記移動装置階に向けて移動している移動期間において、該かご内で、前記管理サーバから取得した、少なくとも該移動期間または該移動期間の所定期間後に該移動装置階に到着又は待機する、前記移動装置に関する移動装置情報を、前記表示部に表示し、
前記移動装置群が列車であり、前記移動装置が前記列車を構成する車両であり、前記移動装置階が前記列車のプラットホームであり、
前記端末装置は、前記エレベータのかごが行先階としての前記プラットホームに向けて移動している移動期間において、少なくとも該移動期間または該移動期間の所定期間後に該プラットホームに到着又は待機する、前記列車を構成する複数の前記車両に関する車両情報を取得する車両情報取得部を備え、
前記表示部は、前記車両情報取得部が取得した前記車両情報を、少なくとも前記移動期間において前記かご内で表示し、
前記プラットホームにおいて、前記列車が到着または停止する側のホームが2つあり、
前記表示部は、前記かご内において、前記プラットホームの2つの前記ホームのうち前記端末装置が向いた側のホームに入線する列車の車両に関する車両情報を表示する、エレベータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータ、エレベータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、駅舎内のプラットホームとコンコースとの間を昇降するエレベータにおいて、かご内に表示装置を設け、種々の情報を表示することが行われている。例えば特許文献1には、エレベータのかご内に、列車の発車時刻等を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-83711号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、エレベータのかご内に、列車の発車時刻等を表示することで、列車の利用者の利便性は向上する。しかしながら、列車の発車時刻を確認するだけでは、プラットホームで、該列車のどの車両に乗車すればよいのかは分らない。そのため、エレベータ降車後の利用者はプラットホームで滞留する。通常、プラットホームは狭いので、安全を考慮した場合、利用者が滞留しないように、目的とする車両に移動させる必要がある。
【0005】
本発明の一態様は、エレベータ降車後の利用者を迅速に目的とする車両に案内させることができるエレベータを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るエレベータは、行先階に、複数の移動装置からなる移動装置群が存在する移動装置階が含まれているエレベータであって、前記エレベータのかごが行先階としての前記移動装置階に向けて移動している移動期間において、少なくとも該移動期間または該移動期間の所定期間後に該移動装置階に到着又は待機する、前記移動装置に関する移動装置情報を取得する移動装置情報取得部と、前記移動装置情報取得部が取得した前記移動装置情報を、少なくとも前記移動期間において前記かご内で表示する表示部と、を含んでいる。
【0007】
上記構成によれば、利用者は自分が乗っているエレベータのかご内で、該エレベータの行先階である移動装置階に存在する移動装置に関する移動装置情報を確認することができる。
【0008】
本発明の他の態様に係るエレベータは、前記移動装置群が列車であり、前記移動装置が前記列車を構成する車両であり、前記移動装置階が前記列車のプラットホームであり、前記移動装置情報取得部は、前記エレベータのかごが行先階としての前記プラットホームに向けて移動している移動期間において、少なくとも該移動期間または該移動期間の所定期間後に該プラットホームに到着又は待機する、前記列車を構成する複数の前記車両に関する車両情報を取得する車両情報取得部であり、前記表示部は、前記車両情報取得部が取得した前記車両情報を、少なくとも前記移動期間において前記かご内で表示することが好ましい。
【0009】
上記構成によれば、利用者は自分が乗っているエレベータのかご内で、該エレベータの行先階のプラットホームに到着する列車の各車両に関する車両情報を確認することができる。
【0010】
本発明の他の態様に係るエレベータは、前記表示部は、前記移動装置情報を表示する前記移動装置の到着時の位置情報と、該エレベータの位置情報とを関連付けて表示することが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、利用者は自分が乗っているエレベータの位置と、表示部に表示されている移動装置の到着時の位置とを関連付けて確認することができる。
【0012】
本発明の他の態様に係るエレベータは、前記移動装置情報は、移動装置の混雑情報、移動装置の利用可能な利用者の性別を示す情報、移動装置の指定席を示す情報、移動装置の優先席の位置を示す情報、移動装置の優先席の有無を示す情報、移動装置のトイレの有無に関する情報、および、移動装置の喫煙室の有無に関する情報の少なくともいずれか1つであることが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、利用者はエレベータで移動中に、表示部に表示される各種の移動装置情報を確認することで、自分が利用すべき移動装置を決めることができる。
【0014】
本発明の他の態様に係るエレベータは、警告音および警告表示の少なくともいずれか1つによる警告通知を行う警告通知部をさらに備え、前記警告通知部は、前記エレベータのかごが前記移動装置階に到着する到着時点、または前記到着時点から所定時間前又は所定時間後に、該移動装置階を移動している前記移動装置群があると判断した場合に、前記警告通知を行うことが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、利用者は、エレベータのかごに乗っている状態で、移動装置階に到着した時点で移動装置群が移動中または到着直前の状態であることを認識することができる。よって、かごから降りた直後に移動中の列車に注意することが可能となる。ここで、移動装置階を移動する移動装置群として、移動装置階に到着する移動装置群、通過する移動装置群がある。
【0016】
本発明の他の態様に係るエレベータは、前記表示部は、行先階として前記移動装置階が登録されていない期間は、前記移動装置情報以外の情報を表示することが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、表示部は、行先階が移動装置階ではない場合に、移動装置情報以外の情報を表示することができる。
【0018】
本発明の他の態様に係るエレベータは、前記移動装置が、該エレベータとは別の乗換エレベータであり、前記移動装置情報取得部は、前記エレベータのかごが行先階としての前記移動装置階に向けて移動している移動期間において、少なくとも該移動期間または該移動期間の所定期間後に該移動装置階に到着又は待機する、前記乗換エレベータに関する乗換エレベータ情報を取得する乗換エレベータ情報取得部であり、前記表示部は、前記乗換エレベータ情報取得部が取得した前記乗換エレベータ情報を、少なくとも前記移動期間において前記エレベータの前記かご内で表示することが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、利用者は自分が乗っているエレベータのかご内で、エレベータ乗り換え階においてどのエレベータに乗り換えるべきかを確認することができる。
【0020】
本発明の他の態様に係るエレベータシステムは、行先階に、複数の移動装置からなる移動装置群が存在する移動装置階が含まれているエレベータと、前記移動装置階に到着する前記移動装置に関する移動装置情報を管理する管理サーバと、前記管理サーバから前記移動装置情報を取得し、取得した移動装置情報を表示する表示部を含む端末装置と、を含み、前記端末装置は、前記エレベータのかごが行先階としての前記移動装置階に向けて移動している移動期間において、該かご内で、前記管理サーバから取得した、少なくとも該移動期間または該移動期間の所定期間後に該移動装置階に到着又は待機する、前記移動装置に関する移動装置情報を、前記表示部に表示することを特徴としている。
【0021】
上記構成によれば、利用者がエレベータのかご内で、端末装置の表示部を見ることで、エレベータの行先階である移動装置階に存在する移動装置に関する移動装置情報を確認することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様によれば、利用者は自分が乗っているエレベータのかご内で、該エレベータの行先階である移動装置階に存在する移動装置に関する移動装置情報を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態1に係るエレベータの機能ブロック図である。
図2図1に示すエレベータによる車両情報の表示例を示す説明図である。
図3図1に示すエレベータによる車両情報の他の表示例を示す説明図である。
図4図1に示すエレベータによる情報処理の一例を示すフローチャートである。
図5図1に示すエレベータによる情報処理の他の例を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態2に係るエレベータの機能ブロック図である。
図7図6に示すエレベータによる車両情報の表示例を示す説明図である。
図8図6に示すエレベータによる情報処理の一例を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施形態3に係るエレベータシステムの機能ブロック図である。
図10図9に示すエレベータシステムを構成する端末装置における車両情報の表示例を示す説明図である。
図11図9に示すエレベータシステムを構成する端末装置による情報処理の一例を示すフローチャートである。
図12】本発明の実施形態4に係るエレベータの機能ブロック図である。
図13図12に示すエレベータの利用例を示す説明図である。
図14図12に示すエレベータの表示部に表示される情報の一例を示す説明図である。
図15図12に示すエレベータによる情報表示処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。本実施形態および他の実施形態において、移動装置を車両、移動装置群を列車として説明する。
【0025】
(エレベータ)
図1は、本実施形態に係るエレベータ101の機能ブロック図である。エレベータ101は、かごの行先階に、列車(移動装置群)が発着(存在)するプラットホーム(移動装置階)を含み、かご内で列車の車両情報を表示する。具体的には、エレベータ101は、図1に示すように、各部を制御する制御部11、列車の車両情報を管理する管理サーバ201と通信する通信部12、列車の車両情報等の各種情報を表示する表示部13を含む。なお、表示部13は、例えば図2に示すように、エレベータ101のかご10内において、利用者301が視認できる位置に設けられている。
【0026】
制御部11は、通信部12を介して管理サーバ201から車両情報を取得する車両情報取得部(移動装置情報取得部)14と、車両情報取得部14が取得した車両情報等の各種情報を表示部13に表示させる表示制御部15とを含む。
【0027】
車両情報取得部14は、エレベータのかごが行先階としてのプラットホームに向けて移動している移動期間において、少なくとも該移動期間または該移動期間の所定期間後に該プラットホームに到着又は待機する、列車を構成する複数の車両に関する車両情報を取得する。
【0028】
表示制御部15は、車両情報取得部14が取得した車両情報を、少なくともエレベータ101のかご10が行先階としてのプラットホームに向けて移動している移動期間において該エレベータ101のかご10内の表示部13に表示させる。
【0029】
表示制御部15は、表示部13に車両情報を表示させる際に、列車がプラットホームに到着したときの車両の位置情報と、エレベータ101の位置情報とを関連付けて表示させる。以下に、車両情報とエレベータの位置関係を表示する例について説明する。ここでは、車両情報を、車両の混雑情報とした場合の例について説明する。
【0030】
(車両情報の表示例)
図2及び図3は、エレベータ101内のかご10に設けられた表示部13に表示される車両情報の表示例を説明する図である。
【0031】
図2に示すように、エレベータ101のかご10に備えられた表示部13には、かご10が到着するプラットホームにおいて、到着または停止している列車401の各車両41の混雑情報と、該エレベータ101がプラットホームに停止する位置を示す情報とが合わせて表示されている。かご10に乗車している利用者301は、表示部13に表示される情報を見ることによって、自分が乗っているエレベータがどの車両に近い位置に停止するのか、そして、どの車両が混在し、空いているのかを容易に把握することができる。
【0032】
表示部13は、かご10内の所定の位置、例えば利用者301が視認できる位置に設けられるのが好ましいが、利用者301が利用する列車が到着または停止するホーム側の面に設けてもよい。この場合、かご10内の利用者301は、自分が利用しようとする列車の車両情報を直感的に把握することが可能となる。例えば、図3に示すように、かご10の出入口10aがプラットホームPのホームPa,Pbに平行な向きに形成されている場合、表示部13を、かご10の出入口10aに対して直交する両側それぞれの壁に設ける。このように、エレベータ101のかご10の出入口10aの向きに応じて、表示部13を設置すれば、例えばホームPaに列車401が入線する場合、ホームPa側に設けられた表示部13に車両情報を表示するようにすれば、利用者301は、表示部13の情報を確認しつつ、かご10から降車した場合の進むべきホームPaを直感的に知ることができる。これにより、エレベータ101を利用する利用者301の利便性を向上させることができる。
【0033】
(車両情報表示処理)
図4は、エレベータ101における車両情報の表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0034】
まず、制御部11は、行先階ボタンが押下された場合に送信される信号を受信する(ステップS11)。ここで、制御部11は、かご10内に乗車した利用者301によって行先階ボタンが押下されたときの信号を受信し、行先階ボタンが押下された行先階を登録する。
【0035】
次に、制御部11は、登録されている行先階に車両乗場階(プラットホーム)が含まれるか否かを判定する(ステップS12)。ここで、制御部11は、登録されている行先階に、車両乗場階が含まれていないと判定(NO)した場合、処理を終了し、登録されている行先階に車両乗場階が含まれていると判定(YES)した場合、ステップS13に移行して、車両情報を取得する。
【0036】
ステップS13における車両情報の取得は、制御部11内の車両情報取得部14が行う。具体的には、車両情報取得部14は、通信部12を介して管理サーバ201から目的とする車両情報を取得する。車両情報の取得は、図2および図3に示すように、エレベータ101のかご10が行先階としてのプラットホームPに向けて移動している移動期間に行う。車両の情報は、前記移動期間または該移動期間の所定期間後に該プラットホームPに到着又は待機する、列車401を構成する複数の車両41に関する車両情報である。
【0037】
続いて、ステップS13において取得した車両情報を表示する(ステップS14)。ここでは、表示制御部15によって、取得した車両情報をかご10内の表示部13に表示させる。
【0038】
(変形例:移動装置情報以外の情報を表示)
図5は、エレベータ101における車両情報の他の表示処理の流れを示すフローチャートである。図4に示す処理では、登録された行先階に車両乗場階が含まれていなければ、処理を終了していたが、図5に示す処理では、登録された行先階に車両乗場階が含まれていない場合の処理について説明する。
【0039】
すなわち、図5に示すフローチャートは、図4に示すフローチャートの処理の流れと殆ど同じで、ステップS12において登録された行先階に車両乗場階が含まれていないと判定(NO)した場合に、ステップS15に移行して、車両情報以外の情報を表示する。すなわち、表示部13は、行先階として車両乗場階が登録されていない期間は、車両情報以外の情報を表示する。ここでは、表示制御部15によって、取得した車両情報以外の情報をかご10内の表示部13に表示させる。車両情報以外の情報としては、エレベータ101の行先階として設定された各階に関する情報、広告・ニュース・天気予報等の情報等、どのような情報であってもよい。
【0040】
(車両情報について)
かご10の表示部13に表示する車両情報としては、上述した車両の混雑情報以外に、車両の利用可能な利用者の性別を示す情報、車両の指定席を示す情報、車両の優先席の位置を示す情報、車両の優先席の有無を示す情報、車両のトイレの有無に関する情報、車両の喫煙室の有無に関する情報等の列車401の利用者301がどの車両41に乗車すべきかを判断するための情報であればどのような情報であってもよい。
【0041】
このように、列車401を利用する利用者301は、プラットホームPに向うエレベータ101のかご10に乗るだけで、かご10内の表示部13に表示される車両情報を確認すれば、降車後、列車401のどの車両41に乗車すべきかを容易に判断することができる。つまり、エレベータ101のかご10を降車した後の利用者301を迅速に目的とする車両41に案内することができる。これにより、プラットホームPにおけるかご10の出入口10a付近に人が滞留するのを防ぐことができる。
【0042】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0043】
(エレベータ)
図6は、エレベータ102の機能ブロック図である。エレベータ102は、前記実施形態1のエレベータ101と殆ど同じ構成であるが、警告通知部16を新たに設け、制御部11内に警告通知部16を制御する警告通知制御部17を新たに設けた点で異なる。
【0044】
警告通知部16は、警告音および警告表示の少なくともいずれか1つによる警告通知を行う。具体的には、警告通知制御部17によって、エレベータ102のかご10が車両乗場階に到着する到着時点、または前記到着時点から所定時間前又は所定時間後に、該車両乗場階を移動している列車401があると判断した場合に、警告通知部16に警告通知させる。警告表示の具体例としては、表示部13での表示、かごの乗降用ドアの周囲やドア面に設けられた表示部での表示、ドアまたは床面に対するプロジェクション等がある、
(警告通知表示例)
図7は、エレベータ102内のかご10に設けられた表示部13への車両情報の表示と、警告通知を行う例を説明する図である。
【0045】
図7に示すように、エレベータ102のかご10に備えられた表示部13には、かご10が到着するプラットホームに到着または停止している列車401の各車両41の混雑情報と、該エレベータ101がプラットホームPに停止する位置を示す情報とが合わせて表示されている。さらに、警告通知部16によって、かご10のプラットホームPへの到着時点、または到着時点から所定時間前又は所定時間後に、プラットホームPのホームPaを移動している列車401があると判断した場合の警告通知が行われている。この警告通知は、かご10の降車後に、ホームPa側への移動に注意を促すためのものである。
【0046】
表示部13は、前記実施形態1と同様に、かご10の出入口10aの向きに応じて設置されている。従って、ホームPaに列車401が入線する場合、ホームPa側に設けられた表示部13に車両情報が表示され、ホームPbに列車401が入線する場合、ホームPb側に設けられた表示部13に車両情報が表示される。
【0047】
(警告通知処理)
図8は、エレベータ102における車両情報の表示、警告通知の処理の流れを示すフローチャートである。
【0048】
まず、制御部11は、行先階ボタンが押下された場合に送信される信号を受信する(ステップS21)。ここで、制御部11は、かご10内に乗車した利用者301によって行先階ボタンが押下されたときの信号を受信し、行先階ボタンが押下された行先階を登録する。
【0049】
次に、制御部11は、登録されている行先階に車両乗場階(プラットホーム)が含まれるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、制御部11は、登録されている行先階に、車両乗場階が含まれていないと判定(NO)した場合、処理を終了し、登録されている行先階に車両乗場階が含まれていると判定(YES)した場合、ステップS23に移行して、車両情報を取得する。
【0050】
ステップS23における車両情報の取得は、前記実施形態1と同様に、制御部11内の車両情報取得部14が行う。具体的には、車両情報取得部14は、通信部12を介して管理サーバ201から目的とする車両情報を取得する。車両情報の取得は、エレベータ102のかご10が行先階としてのプラットホームPに向けて移動している移動期間に行う。車両の情報は、前記移動期間または該移動期間の所定期間後に該プラットホームPに到着又は待機する、列車401を構成する複数の車両41に関する車両情報である。
【0051】
続いて、制御部11は、警告通知が必要か否かを判断する(ステップS24)。ここでは、制御部11内の警告通知制御部17によって、車両情報取得部14が取得した車両情報から、エレベータ102のかご10がプラットホームPに到着する到着時点、または前記到着時点から所定時間前又は所定時間後に、該プラットホームPを移動している列車401があるか否かを判断する。そして、警告通知制御部17は、エレベータ102のかご10がプラットホームPに到着する到着時点、または前記到着時点から所定時間前又は所定時間後に、該プラットホームPを移動している列車401があると判断すれば、警告通知が必要と判断(YES)し、ステップS25に移行する。一方、警告通知制御部17は、当該列車401がないと判断すれば、警告通知は不要と判断(NO)し、ステップS26に移行する。
【0052】
ステップS25では、車両情報表示と、警告通知を行う。ここでは、図7に示すように、表示制御部15によって車両情報を表示部13に表示させると共に、警告通知制御部17によって警告通知を警告通知部16に行わせる。一方、ステップS26では、車両情報表示のみを行う。表示制御部15によって車両情報を表示部13に表示させる。
【0053】
このように、かご10内で車両情報が表示される以外に、必要に応じてかご10がプラットホームPに到着時点、または到着時点から所定時間前又は所定時間後に、プラットホームPのホームPaを移動している列車401があることを警告するようになっているので、エレベータ101を利用する利用者301に対する利便性の他、安全性も向上させることができる。
【0054】
前記実施形態1,2では、車両情報をかご10内の表示部13に表示する例について説明したが、以下の実施形態3では、利用者301が所持する携帯端末等の端末装置に車両情報を表示する例について説明する。
【0055】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0056】
(エレベータシステム)
図9は、本実施形態に係るエレベータシステム1の機能ブロック図である。エレベータシステム1は、図9に示すように、エレベータ101、管理サーバ201、端末装置501を含んでいる。エレベータ101、管理サーバ201は、前記実施形態1と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0057】
端末装置501は、各部を制御する制御部51、列車の車両情報を管理する管理サーバ201と通信する通信部52、列車の車両情報等の各種情報を表示する表示部53、警告通知を音声または音で行うためのスピーカ56を含む。
【0058】
制御部51は、通信部52を介して管理サーバ201から車両情報を取得する車両情報取得部(移動装置情報取得部)54と、車両情報取得部54が取得した車両情報等の各種情報を表示部53に表示させる表示制御部55と、車両情報取得部54が取得した車両情報に基づき警告通知を音声または音でスピーカ56に行わせる警告通知制御部57と、端末装置501の利用者301がかご10内に乗車していることを示す情報、エレベータ101のかご10が行先階としてのプラットホームPに向けて移動している移動期間であることを示す情報を乗車情報として取得する乗車情報取得部58と、車両情報取得用のアプリケーションを実行するアプリケーション実行部59とを含む。
【0059】
車両情報取得部54は、乗車情報取得部58が取得した乗車情報に基づき、エレベータ101のかご10が行先階としてのプラットホームPに向けて移動している移動期間において、少なくとも該移動期間または該移動期間の所定期間後に該プラットホームPに到着又は待機する、列車401を構成する複数の車両41に関する車両情報を取得する。
【0060】
表示制御部55は、車両情報取得部14が取得した車両情報を、少なくともエレベータ101のかご10が行先階としてのプラットホームPに向けて移動している移動期間において端末装置501の表示部53に表示させる。
【0061】
警告通知制御部57は、エレベータ101のかご10がプラットホームPに到着する到着時点、または前記到着時点から所定時間前又は所定時間後に、該プラットホームPを移動している列車401があると判断した場合に、スピーカ56に音声または音、表示部53等による警告表示によって警告通知させる。
【0062】
乗車情報取得部58は、アプリケーション実行部59による車両情報取得用のアプリケーションの起動時に、端末装置501を所持している利用者301がかご10に乗車していることを示す情報を乗車情報として、また、車両情報取得用のアプリケーションの実行中に、エレベータ101のかご10が行先階としてのプラットホームPに向けて移動している移動期間であることを示す情報を乗車情報として取得する。ここで、利用者301がかご10に乗車していることを示す情報は、例えば、かご10にビーコン用発信源を設け、端末装置501の通信部52によってビーコン用発信源から発信される電磁波を受信したことを示す信号である。また、かご10が行先階としてのプラットホームPに向けて移動している移動期間は、端末装置501の通信部52によってビーコン用発信源から発信される電磁波を受信している期間とする。よって、端末装置501は、ビーコン用発信源から発信される電磁波を受信している間、すなわち、プラットホームPに向けて移動している移動期間、利用者301がかご10に乗車していると認識する。
【0063】
(情報表示例)
図10は、端末装置501の表示部53に表示される情報の一例を示す。表示部53には、図10に示すように、利用者301が実際に乗車しているエレベータ101と、プラットホームPとの位置関係を示すと共に、ホームPa、Pbの何れのホームに列車401が入線するかを示している。そして、表示部53における、入線する列車401を構成する車両41a,41b,41cのそれぞれに対応する表示領域53a,53b,53cには、混雑情報が表示さる。
【0064】
(情報表示処理)
図11は、端末装置501における車両情報の表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0065】
まず、端末装置501は、車両情報取得を行う(ステップS31)。ここでは、エレベータ101のかご10内で利用者301が端末装置501を操作して、車両情報取得用のアプリケーションを実行することで、管理サーバ201から必要な車両情報を取得する。つまり、車両情報取得用のアプリケーションを実行すると、利用者301が所持する端末装置501の車両情報取得部54によって、管理サーバ201から車両情報を取得する。具体的には、車両情報取得部54は、乗車情報取得部58が取得した乗車情報である、利用者301がかご10内に乗車していることを示す情報、エレベータ101のかご10が行先階としてのプラットホームPに向けて移動している移動期間であることを示す情報に基づき、管理サーバ201から車両情報を取得する。このとき取得する車両情報は、エレベータ101のかご10が行先階としてのプラットホームPに向けて移動している移動期間において、少なくとも該移動期間または該移動期間の所定期間後に該プラットホームPに到着又は待機する、列車401を構成する複数の車両41に関する情報である。
【0066】
続いて、制御部51は、警告通知が必要か否かを判断する(ステップS32)。ここでは、制御部51内の警告通知制御部57によって、車両情報取得部54が取得した車両情報から、エレベータ101のかご10がプラットホームPに到着する到着時点、または前記到着時点から所定時間前又は所定時間後に、該プラットホームPを移動している列車401があるか否かを判断する。そして、エレベータ101のかご10がプラットホームPに到着する到着時点、または前記到着時点から所定時間前又は所定時間後に、該プラットホームPを移動している列車401があると判断すれば、警告通知が必要と判断(YES)し、ステップS33に移行する。一方、当該列車401がないと判断すれば、警告通知は不要と判断(NO)し、ステップS34に移行する。
【0067】
ステップS33では、車両情報表示と、警告通知を行う。一方、ステップS34では、車両情報表示のみを行う。このように、利用者301が所持する端末装置501の表示部53には、図10に示す車両情報と、必要に応じて警告通知を示す情報が表示され、さらに、必要に応じてスピーカ56から警告通知の音声、音が発せられる。従って、列車401を利用する利用者301は、プラットホームPに向かうエレベータ101のかご10内に表示部13が無くても、所持している端末装置501に車両情報を表示させ、警告通知を行わせることができる。
【0068】
端末装置501の表示部53に表示される車両情報は、該端末装置501の向きに合わせて変更することができる。例えば、端末装置501がプラットホームPのホームPa側に向けば、ホームPaに入線する列車401の車両41に関する車両情報を表示部53に表示し、端末装置501がプラットホームPのホームPb側に向けば、ホームPbに入線する列車401の車両41に関する車両情報を表示部53に表示する。なお、端末装置501がホームPa、Pbの何れの方向に向いているか否かの判断は、該端末装置501に内蔵された方位センサ等を用いて行う。また、端末装置501の向きがプラットホームPのホームPa、Pbの何れの方向に向いているか判断できない場合には、ホームPa、Pb両方に入線する列車401の車両41の車両情報を表示するようにする。
【0069】
従って、利用者301は、端末装置501に表示されている車両情報を見ながら、端末装置501の表示する向きを変えれば、当該端末装置501の向きに合わせて、車両情報内のプラットホームP,列車401、エレベータ101の向きも変るので、直感的に車両情報を確認できるので、降車後に乗車すべき車両41を容易に見つけることができる。
【0070】
(変形例:端末装置とエレベータとの通信)
本実施形態では、図9に示すように、端末装置501が管理サーバ201と通信を行うことで、車両情報を取得する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、端末装置501がエレベータ101と通信を行うことで、該エレベータ101から列車401の車両情報を取得するようにしてもよい。このように、端末装置501がエレベータ101と通信を行うことで、さらに、端末装置501は、エレベータ101から列車401の車両情報の他に、乗車中のエレベータ101内の情報(かご10内に表示される乗換先のエレベータ情報等)も取得することが可能になる。これにより、利用者301は所持している端末装置501によって列車401の車両情報の確認の他に、乗車中のエレベータ101のかご10内に表示されている情報も確認することができる。
【0071】
〔実施形態4〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。本実施形態において、移動装置を、エレベータとは別の乗換エレベータとして説明する。
【0072】
(エレベータ)
図12は、エレベータ103の機能ブロック図である。エレベータ103は、基本的に前記実施形態1のエレベータ101と同じであるが、取得する移動装置情報が、当該エレベータ103と異なる乗換先のエレベータ(乗換エレベータ)に関する情報である点で異なる。従って、エレベータ103は、例えば図13に示すように、かご10の行先階として、乗換エレベータ群104が待機している乗換階(移動装置階)を含み、かご10内で乗換え先のエレベータ群104に関するエレベータ情報を表示するようになっている。
【0073】
エレベータ103は、図12に示すように、各部を制御する制御部11と、通信部12、表示部13を含む。なお、表示部13は、前記実施形態1と同様に、エレベータ103のかご10内において、利用者301が視認できる位置に設けられている。
【0074】
制御部11は、通信部12を介して管理サーバ201から乗換エレベータに関する情報(乗換エレベータ情報)を取得するエレベータ情報取得部(乗換エレベータ情報取得部)18と、エレベータ情報取得部18が取得したエレベータ情報等の各種情報を表示部13に表示させる表示制御部15とを含む。
【0075】
エレベータ情報取得部18は、エレベータ103のかご10が行先階としての乗換階に向けて移動している移動期間において、少なくとも該移動期間または該移動期間の所定期間後に該乗換階に到着又は待機する、乗換エレベータに関するエレベータ情報を取得する。
【0076】
表示制御部15は、エレベータ情報取得部18が取得したエレベータ情報を、少なくともエレベータ103のかご10が行先階としての乗換階に向けて移動している移動期間において該エレベータ103のかご10内の表示部13に表示させる。
【0077】
表示制御部15は、表示部13にエレベータ情報を表示させる際に、乗換エレベータが乗換階に到着したときの位置情報と、エレベータ103の位置情報とを関連付けて表示させてもよい。
【0078】
(エレベータ情報)
本実施形態では、例えば図13に示すように、エレベータ103に乗車し、乗換階まで移動して、乗換階で乗換え可能なエレベータ群104(ここでは、5機のエレベータ(乗換エレベータ1号機104a,2号機104b,3号機104c,4号機104d,5号機104e))の何れかに乗換えることを想定している。従って、エレベータ情報取得部18が取得するエレベータ情報は、例えば図14に示すように、エレベータ群104を構成する、乗換エレベータ1号機104a,2号機104b,3号機104c,4号機104d,5号機104eに関する情報(現在位置、乗車中人数、降車予定人数、エレベータの移動方向を示す情報(上昇方向・下降方向の何れかを示す情報)、車椅子の有無または台数を示す情報、ベビーカーの有無または台数等を示す情報)であり、これらの情報が表示部13に表示される。なお、図14に示すエレベータ情報において、エレベータの乗車中人数は、現在の位置における乗車人数を示し、降車予定人数は、乗換階である20階で降りることが予想される人数を示している。さらに、図14に示すエレベータ情報では、乗車中のエレベータ104の位置が2号機104bに近いことも示している。
【0079】
(エレベータ情報表示処理)
図15は、エレベータ103におけるエレベータ情報の表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0080】
まず、制御部11は、行先階ボタンが押下された場合に送信される信号を受信する(ステップS41)。ここで、制御部11は、ご10内に乗車した利用者301によって行先階ボタンが押下されたときの信号を受信し、行先階ボタンが押下された行先階を登録する。
【0081】
次に、制御部11は、登録されている行先階に乗換階が含まれるか否かを判定する(ステップS42)。ここで、制御部11は、登録されている行先階に乗換階が含まれてないと判定(NO)した場合、処理を終了し、登録されている行先階に乗換階が含まれていると判定(YES)した場合、ステップS43に移行して、エレベータ情報を取得する。
【0082】
ステップS43におけるエレベータ情報の取得は、制御部11内のエレベータ情報取得部18が行う。具体的には、エレベータ情報取得部18は、通信部12を介して管理サーバ201から乗換階のエレベータ情報を取得する。エレベータ情報の取得は、エレベータ103のかご10が行先階としての乗換階に向けて移動している移動期間に行う。エレベータ情報は、前記移動期間または該移動期間の所定期間後に該乗換階に到着又は待機する、エレベータに関する情報である。
【0083】
続いて、ステップS43において取得したエレベータ情報を表示する(ステップS44)。ここでは、表示制御部15によって、取得したエレベータ情報をかご10内の表示部13に表示させる。表示部13には、例えば図14に示すエレベータ情報が表示される。
【0084】
これにより、利用者301は、乗換階である20階で自分の乗車しているエレベータを降りた後、どのエレベータに乗換えればよいか容易に判断することができ、しかも、乗換え先のエレベータがどの方向にあるのかも容易に判断することができる。例えば、乗換え先のエレベータのうち、2号機、5号機は、上昇中であるため、乗り換えまでに時間を要し、1号機、3号機、4号機は、下降中であるため、何れかのエレベータに乗換えるのが乗り換えまでの時間を短縮できると判断できる。さらに、1号機は、現在22階からの下降中であるため、20階の乗換階まで一番早いエレベータということになり、利用者301はエレベータを降車後、1号機に向かって移動すればよいと判断できる。このように、エレベータ103は、エレベータの乗換えを効率よく行うことができる。
【0085】
なお、前記実施形態1~3の車両情報、前記実施形態4の乗換え先のエレベータ情報は、何れもエレベータのかごに設けられた表示部又は利用者が所持する端末装置に表示させていたが、これに限定されるものではない。例えば、エレベータのかごの壁、床に直接、車両情報、乗換え先のエレベータ情報を投影してもよいし、プロジェクションマッピングによってかごの内壁形状に合わせて車両情報、乗換え先のエレベータ情報を表示してもよい。
【0086】
〔ソフトウェアによる実現例〕
エレベータ(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部11に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0087】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0088】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0089】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0090】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0091】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1 エレベータシステム
10 かご
10a 出入口
11 制御部
12 通信部
13 表示部
14 車両情報取得部(移動装置情報取得部)
15 表示制御部
16 警告通知部
17 警告通知制御部
18 エレベータ情報取得部(移動装置情報取得部)
41 車両(移動装置)
51 制御部
52 通信部
53 表示部
54 車両情報取得部(移動装置情報取得部)
55 表示制御部
56 スピーカ(警告通知部)
57 警告通知制御部
101,102,103 エレベータ
104 エレベータ群
104a,104b,104c,104d,104e 乗換エレベータ
201 管理サーバ
301 利用者
401 列車(移動装置群)
501 端末装置
P プラットホーム(移動装置階)
Pa,Pb ホーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15