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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20230221BHJP
【FI】
H02M3/155 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021550749
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2019038502
(87)【国際公開番号】W WO2021064789
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000106276
【氏名又は名称】サンケン電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高田 潤一
(72)【発明者】
【氏名】中野 利浩
【審査官】佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-13130(JP,A)
【文献】特開2005-166110(JP,A)
【文献】特開2007-213923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00-7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電力を所定の出力電力に変換して出力する電力変換動作を実行する出力回路と、前記出力回路の内部電源から電源を供給され、前記出力回路による前記電力変換動作を制御するマイクロコンピュータと、を備えた電力変換装置であって、
前記マイクロコンピュータは、
電源を停止できる電源停止可能期間であるか電源を停止できない電源停止不可期間あるかを通知する状態信号を前記出力回路に出力し、
前記出力回路は、
前記電力変換動作の停止を指示する動作停止信号が入力されると、前記状態信号によって前記マイクロコンピュータが前記電源停止可能期間であることが確認できた場合に、前記内部電源から前記マイクロコンピュータへの電源の供給を停止させる電源停止回路を具備することを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記出力回路は、
前記動作停止信号が入力されると、予め設定された待機期間をカウントするタイマ回路を具備し、
前記タイマ回路は、前記待機期間が経過すると、前記状態信号が前記電源停止不可期間を通知する状態であっても、前記内部電源から前記マイクロコンピュータへの電源の供給を停止させることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記出力回路は、
スイッチング動作によって前記電力変換動作を実行するスイッチング素子の接合温度を検知し、検知した前記接合温度が予め設定された第1閾温度を超えると、前記動作停止信号を前記電源停止回路に出力する過熱検知回路を具備し、
前記過熱検知回路は、前記接合温度が前記第1閾温度よりも高い温度に予め設定された第2閾温度を超えると、前記状態信号が前記電源停止不可期間を通知する状態であっても、前記内部電源から前記マイクロコンピュータへの電源の供給を停止させることを特徴とする請求項1又は2記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力回路と、出力回路を制御するマイクロコンピュータとを備えた電力変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
出力回路として機能する電源チップと、出力回路を制御するマイクロコンピュータとして機能するマイコンチップとを同一フレーム上に搭載してパッケージ化した電力変換装置が用いられている。このような電力変換装置では、出力回路の内部電源がマイクロコンピュータに供給され、入力電源の低下や異常等の際は、出力回路がマイクロコンピュータへの電源供給を停止している。
【0003】
マイクロコンピュータへの電源供給を停止するに際し、マイクロコンピュータが書き込み中の場合、データが破損する恐れがある。そこで、本出願人は、出力回路からマイクロコンピュータに停止信号を出力し、マイクロコンピュータが停止できる状態になると内部電源を停止する技術を提案している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-13130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、出力回路からマイクロコンピュータに停止信号を出力すると共に、停止信号が入力されたマイクロコンピュータが停止処理に入り、マイクロコンピュータから出力回路に停止を許可する停止許可信号を出力している。従って、出力回路とマイクロコンピュータとの間に2本の電源停止用制御ラインが必要となってしまうと共に、マイクロコンピュータが停止できる状態でも、出力回路が即座に電源供給を停止することができないという問題点があった。
【0006】
本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、出力回路とマイクロコンピュータとの間の電源停止用制御ラインを簡略化でき、マイクロコンピュータが停止できる状態では、出力回路が即座に電源供給を停止することができる電力変換装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電力変換装置は、上記の目的を達成するため、次のように構成される。
本発明の電力変換装置は、入力電力を所定の出力電力に変換して出力する電力変換動作を実行する出力回路と、前記出力回路の内部電源から電源を供給され、前記出力回路による前記電力変換動作を制御するマイクロコンピュータと、を備えた電力変換装置であって、前記マイクロコンピュータは、電源を停止できる電源停止可能期間であるか電源を停止できない電源停止不可期間あるかを通知する状態信号を前記出力回路に出力し、前記出力回路は、前記電力変換動作の停止を指示する動作停止信号が入力されると、前記状態信号によって前記マイクロコンピュータが前記電源停止可能期間であることが確認できた場合に、前記内部電源から前記マイクロコンピュータへの電源の供給を停止させる電源停止回路を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電源停止用制御ラインをマイクロコンピュータから出力回路に状態信号を通知する1本に簡略化でき、状態信号によって電源停止可能期間が通知されているため、マイクロコンピュータが停止可能な状態では、出力回路が即座に電源供給を停止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る電力変換装置の第1の実施の形態を示す回路構成図である。
図2図1に示す電力変換装置の各部の動作を示すタイミングチャートである。
図3図1に示す電力変換装置の各部の動作を示すタイミングチャートである。
図4図1に示す電力変換装置の各部の動作を示すタイミングチャートである。
図5】本発明に係る電力変換装置の第2の実施の形態を示す回路構成図である。
図6図5に示す電力変換装置の各部の動作を示すタイミングチャートである。
図7図5に示す電力変換装置の各部の動作を示すタイミングチャートである。
図8図5に示す電力変換装置の各部の動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
第1実施の形態の電力変換装置1は、図1を参照すると、入力電圧Vinを出力電圧Voutに変換して出力するDC/DCコンバータである。電力変換装置1は、チップ化された出力回路10と、チップ化されたマイクロコンピュータ20とが同一フレーム上に搭載されてパッケージ化されている。
【0012】
出力回路10は、出力部11として機能するスイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2と、内部電源12と、ドライブ回路13と、電源停止回路14と、タイマ回路15とを備えている。なお、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2は、出力回路10から独立したチップ等で構成し、出力回路10の外部に接続するようにしても良い。
【0013】
入力電圧Vinの両端には、入力コンデンサC1が接続され、入力電圧Vinのプラス側はスイッチング素子Q1のドレインに接続され、入力電圧Vinのマイナス側は接地される。スイッチング素子Q1のソースは、スイッチング素子Q2のドレインとトランスT1の1次側巻線の一端に接続される。トランスT1の1次側巻線の他端は、出力コンデンサC3の一端に接続され、出力コンデンサC3の他端は接地される。出力コンデンサC 3の両端には負荷2が接続される。
【0014】
トランスT1の2次側巻線の一端はダイオードD1のアノードに接続され、トランスT1の2次側巻線の他端は接地される。ダイオードD1のカソードは、内部電源12の入力とコンデンサC2の一端に接続され、コンデンサC2の他端は接地される。これにより、内部電源12には、トランスT1で降圧されたスイッチング出力がダイオードD1で整流つれ、コンデンサC2で平滑された直流電圧が入力される。
【0015】
内部電源12の出力は、図1に太字点線で示すように、出力回路10内のドライブ回路13、電源停止回路14及びタイマ回路15と、マイクロコンピュータ20に接続され、電源を供給する。
【0016】
ドライブ回路13は、スイッチング素子Q1のゲートにQ1ドライブ信号を出力し、Q1ドライブ信号により、スイッチング素子Q1を駆動する。そして、ドライブ回路13は、スイッチング素子Q2のゲートにQ1ドライブ信号と逆相のQ2ドライブ信号を出力し、スイッチング素子Q2を駆動する。
【0017】
マイクロコンピュータ20は、出力コンデンサC3の両端電圧を出力電圧Voutとして検出し、出力電圧Voutが一定になるように、Q1ドライブ信号及びQ2ドライブ信号のデューティ比を制御する制御信号をドライブ回路13に出力する。
【0018】
出力回路10には、上位システム等の外部から電力変換装置1の動作停止を指示する動作停止信号の入力を受け付ける外部入力端子30が設けられている。動作停止信号は、外部入力端子30を経由して電源停止回路14及びタイマ回路15に入力される。動作停止信号は、例えば、通常はHiレベルで、Lowレベルへの遷移によって電力変換装置1の動作停止を指示する。
【0019】
マイクロコンピュータ20は、自身の状態を通知する状態信号を出力回路10に出力する。状態信号は、電源を停止可能な電源停止可能期間であるか、メモリへの書き込み中等の電源を停止できない電源停止不可期間であるかを通知するための信号である。状態信号は、例えば、電源停止可能期間はLowレベルで、Hiレベルへの遷移によって電源停止不可期間を通知する。
【0020】
マイクロコンピュータ20からの状態信号は、電源停止回路14に入力される。電源停止回路14は、動作停止信号によって電力変換装置1の動作停止を指示されると、マイクロコンピュータ20が電源停止可能期間であることを条件に、内部電源12に電源供給の停止を指示する電源停止信号を出力する。すなわち、電源停止回路14は、Lowレベルの動作停止信号が入力され、且つLowレベルの状態信号が入力されると、内部電源12に電源供給の停止を指示する電源停止信号を出力する。電源停止信号は、例えば、通常はHiレベルで、Lowレベルへの遷移によって内部電源12に電源供給の停止を指示する。
【0021】
タイマ回路15は、動作停止信号によって電力変換装置1の動作停止を指示され、予め設定された待機期間Tのカウントを開始し、待機期間Tが経過すると、内部電源12に電源供給の停止を指示する電源停止信号を出力する。なお、本実施の形態では、電源停止回路14から出力される電源停止信号と、タイマ回路15から出力される電源停止信号とが共通化されており、電源停止回路14とタイマ回路15とのいずれかがHiレベルの電源停止信号をLowレベルに遷移させることで、内部電源12に電源供給の停止を指示する。
【0022】
次に、電源停止動作について図2乃至図4を参照して詳細に説明する。
図2を参照すると、時刻t11で外部入力端子30に入力される動作停止信号がHiレベルからLowレベルに遷移する。すると、電源停止回路14は、動作停止信号によって電力変換装置1の動作停止を指示されると、マイクロコンピュータ20からの状態信号を確認し、状態信号が電源停止可能期間であること示すLowレベルであるため、電源停止信号がHiレベルからLowレベルに遷移させて、内部電源12に電源供給の停止を指示する。これにより、内部電源12は、ほぼリアルタイムで電源の出力を停止させることができる。
【0023】
図3を参照すると、時刻t21で外部入力端子30に入力される動作停止信号がHiレベルからLowレベルに遷移する。すると、電源停止回路14は、動作停止信号によって電力変換装置1の動作停止を指示されると、マイクロコンピュータ20からの状態信号を確認し、状態信号が電源停止不可期間であること示すhiレベルであるため、待機する。
【0024】
また、タイマ回路15は、動作停止信号によって電力変換装置1の動作停止を指示されると、待機期間Tのカウントを開始する。そして、待機期間Tが経過する時刻t23よりも前の時刻t22で、状態信号が電源停止可能期間であること示すLowレベルに遷移すると、電源停止回路14は、電源停止信号がHiレベルからLowレベルに遷移させて、内部電源12に電源供給の停止を指示する。これにより、内部電源12は、マイクロコンピュータ20が電源を停止しても良い状態になった時点でほぼリアルタイムで電源の出力を停止させることができる。
【0025】
図4を参照すると、時刻t31で外部入力端子30に入力される動作停止信号がHiレベルからLowレベルに遷移する。すると、電源停止回路14は、動作停止信号によって電力変換装置1の動作停止を指示されると、マイクロコンピュータ20からの状態信号を確認し、状態信号が電源停止不可期間であること示すhiレベルであるため、待機する。
【0026】
また、タイマ回路15は、動作停止信号によって電力変換装置1の動作停止を指示されると、待機期間Tのカウントを開始する。そして、時刻t32で待機期間Tが経過すると、タイマ回路15は、電源停止信号がHiレベルからLowレベルに遷移させて、内部電源12に電源供給の停止を指示する。これにより、状態信号が何らかの原因で電源停止不可期間を示す状態(Hiレベル)に貼り付いてしまった場合でも、動作停止信号に基づいて内部電源12からの電源供給を停止させることができる。
【0027】
(第2の実施の形態)
第2実施の形態の電力変換装置1aは、図5を参照すると、タイマ回路15の替わりに過熱検知回路16が設けられた出力回路10aを備えている。内部電源12の出力は、図5に太字点線で示すように、過熱検知回路16にも接続され、電源を供給する。
【0028】
過熱検知回路16は、スイッチング素子Q1の近傍にレイアウトされ、スイッチング素子Q1の接合温度を検知する。そして、過熱検知回路16は、検知した接合温度が予め設定された第1閾温度を超えると、電力変換装置1の動作停止を指示する動作停止信号を電源停止回路14に出力する。すなわち、第2実施の形態では、電力変換装置1a内で動作停止要因を検出して動作停止信号を生成している。
【0029】
また、過熱検知回路16は、検知した接合温度が第1閾温度よりも高い温度に予め設定された第2閾温度を超えると、内部電源12に電源供給の停止を指示する電源停止信号を出力する。電源停止回路14から出力される電源停止信号と、過熱検知回路16から出力される電源停止信号とが共通化されており、電源停止回路14と過熱検知回路16とのいずれかがHiレベルの電源停止信号をLowレベルに遷移させることで、内部電源12に電源供給の停止を指示する。
【0030】
次に、電源停止動作について図6乃至図8を参照して詳細に説明する。
図6を参照すると、負荷2の異常等で負荷電流が増加し、時刻t41でスイッチング素子Q1の接合温度が上昇して第1閾温度を超えると、過熱検知回路16は、動作停止信号がHiレベルからLowレベルに遷移させる。電源停止回路14は、動作停止信号によって電力変換装置1の動作停止を指示されると、マイクロコンピュータ20からの状態信号を確認し、状態信号が電源停止可能期間であること示すLowレベルであるため、電源停止信号がHiレベルからLowレベルに遷移させて、内部電源12に電源供給の停止を指示する。これにより、内部電源12は、ほぼリアルタイムで電源の出力を停止させることができる。
【0031】
図7を参照すると、負荷2の異常等で負荷電流が増加し、時刻t51でスイッチング素子Q1の接合温度が上昇して第1閾温度を超えると、過熱検知回路16は、動作停止信号がHiレベルからLowレベルに遷移させる。電源停止回路14は、動作停止信号によって電力変換装置1の動作停止を指示されると、マイクロコンピュータ20からの状態信号を確認し、状態信号が電源停止不可期間であること示すhiレベルであるため、待機する。
【0032】
これにより、スイッチング素子Q1の動作が継続され、スイッチング素子Q1の接合温度がさらに上昇するが、接合温度が第2閾温度を超える前の時刻t52で、状態信号が電源停止可能期間であること示すLowレベルに遷移すると、電源停止回路14は、電源停止信号がHiレベルからLowレベルに遷移させて、内部電源12に電源供給の停止を指示する。これにより、内部電源12は、マイクロコンピュータ20が電源を停止しても良い状態になった時点でほぼリアルタイムで電源の出力を停止させることができる。
【0033】
図8を参照すると、負荷2の異常等で負荷電流が増加し、時刻t61でスイッチング素子Q1の接合温度が上昇して第1閾温度を超えると、過熱検知回路16は、動作停止信号がHiレベルからLowレベルに遷移させる。電源停止回路14は、動作停止信号によって電力変換装置1の動作停止を指示されると、マイクロコンピュータ20からの状態信号を確認し、状態信号が電源停止不可期間であること示すhiレベルであるため、待機する。
【0034】
これにより、スイッチング素子Q1の動作が継続され、スイッチング素子Q1の接合温度がさらに上昇し、するが、時刻t62で接合温度が第2閾温度を超えると、過熱検知回路16は、電源停止信号がHiレベルからLowレベルに遷移させて、内部電源12に電源供給の停止を指示する。これにより、接合温度が危険な温度になった場合、マイクロコンピュータ20の状態に拘わらず、電源停止不可期間であっても内部電源12からの電源供給を停止させることができる。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態によれば、入力電力を所定の出力電力に変換して出力する電力変換動作を実行する出力回路10と、出力回路10の内部電源12から電源を供給され、出力回路10による電力変換動作を制御するマイクロコンピュータ20と、を備えた電力変換装置1であって、マイクロコンピュータ20は、電源を停止できる電源停止可能期間であるか電源を停止できない電源停止不可期間あるかを通知する状態信号を出力回路10に出力し、出力回路10は、電力変換動作の停止を指示する動作停止信号が入力されると、状態信号によってマイクロコンピュータ20が電源停止可能期間であることが確認できた場合に、内部電源12からマイクロコンピュータ20への電源の供給を停止させる電源停止回路14を備える。
この構成により、電源停止用制御ラインをマイクロコンピュータ20から出力回路10に状態信号を通知する1本に簡略化でき、状態信号によって電源停止可能期間が通知されているため、マイクロコンピュータ20が停止可能な状態では、出力回路10が即座に電源供給を停止することができる。
【0036】
さらに、本実施の形態において、出力回路10は、動作停止信号が入力されると、予め設定された待機期間Tをカウントするタイマ回路15を具備し、タイマ回路15は、待機期間Tが経過すると、状態信号が電源停止不可期間を通知する状態であっても、内部電源12からマイクロコンピュータ20への電源の供給を停止させる。
この構成により、これにより、状態信号が何らかの原因で電源停止不可期間を示す状態(Hiレベル)に貼り付いてしまった場合でも、動作停止信号に基づいて内部電源12からの電源供給を停止させることができる。
【0037】
さらに、本実施の形態において、出力回路10aは、スイッチング動作によって電力変換動作を実行するスイッチング素子Q1の接合温度を検知し、検知した接合温度が予め設定された第1閾温度を超えると、動作停止信号を電源停止回路14に出力する過熱検知回路16を備え、過熱検知回路16は、接合温度が第1閾温度よりも高い温度に予め設定された第2閾温度を超えると、状態信号が電源停止不可期間を通知する状態であっても、内部電源12からマイクロコンピュータ20への電源の供給を停止させる。
この構成により、これにより、接合温度が危険な温度になった場合、マイクロコンピュータ20の状態に拘わらず、電源停止不可期間であっても内部電源12からの電源供給を停止させることができる。
【0038】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。例えば、本発明における電力変換装置1、1aは、DC/DCコンバータに限定されず、AC電圧を出力するDC/ACコンバータ又はAC/ACコンバータでも良く、入力電力を所定の出力電力に変換する電力変換装置であれば良い。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【符号の説明】
【0039】
1、1a 電力変換装置
2 負荷
10、10a 出力回路
11 出力部
12 内部電源
13 ドライブ回路
14 電源停止回路
15 タイマ回路
16 過熱検知回路
20 マイクロコンピュータ
30 外部入力端子
Q1、Q2 スイッチング素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8