(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】コミュニティの活性度測定方法、コミュニティの成熟度測定方法及びコミュニティの活性度測定プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0639 20230101AFI20230221BHJP
G06Q 50/00 20120101ALI20230221BHJP
【FI】
G06Q10/0639
G06Q50/00 300
(21)【出願番号】P 2018209564
(22)【出願日】2018-11-07
【審査請求日】2021-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】518102001
【氏名又は名称】株式会社コミチ
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】萬田 大作
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-021696(JP,A)
【文献】特開2013-045369(JP,A)
【文献】特開2005-234689(JP,A)
【文献】特開2010-218254(JP,A)
【文献】特開2005-115471(JP,A)
【文献】特開2013-161329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって実行される、特定の目的や話題について交流するユーザーの集まりをコミュニティとしたときの前記コミュニティの活性度を測定する
情報処理方法であって、
オンライン上で前記ユーザーが交流する場における前記ユーザーの行動に関する情報Aを集めるA工程と、
前記ユーザー、及び/又は、前記コミュニティの主催乃至管理の少なくとも一部を行うホストによりオフライン上で開催される一つ以上の
イベントに対する前記ユーザーの行動に関する情報Bを集めるB工程と、
前記情報Aを用いてオンラインにおける前記ユーザーの活性度A1を求め、前記情報Bを用いてオフラインにおける前記ユーザーの活性度B1を求め、前記活性度A1及び前記活性度B1から、前記コミュニティの活性度C1を求めるC工程と、を有
し、
前記情報Bは、前記イベントの参加状況を含み、
前記C工程では、前記イベントの参加難易度と、前記参加状況とに基づいて、前記ユーザーの活性度B1を求める、
情報処理方法。
【請求項2】
前記情報Aは、下記(a1)~(a6)から選ばれる一つ以上であり、前記情報Bは、下記(b1)~(b3)から選ばれる一つ以上であ
る請求項1に記載の
情報処理方法。
(a1)オンライン上で前記ユーザーが交流する場を構成する複数のウェブページにおいて、どのページにどのくらいの時間滞在していたかに関する滞在状況
(a2)オンライン上で前記ユーザーが交流する場を構成する複数のウェブページにおいて、どのくらいの頻度でどのページにアクセスしたかに関するアクセス状況
(a3)オンライン上で前記ユーザーがどのページから前記ユーザーが交流する場に遷移したかに関する遷移状況
(a4)オンライン上で前記ユーザーが交流する場を構成する複数のウェブページにおいて、どのページからどのページに遷移したかに関するウェブページ内遷移状況
(a5)オンライン上で前記ユーザーが交流する場における前記ユーザー又は前記ホストから提供される記事、コメント、告知、宣伝又はその他情報に対して前記ユーザーが発する評価の内容及び/又は評価の頻度
(a6)オンライン上で前記ユーザーが交流する場における前記ユーザー又は前記ホストから提供される記事、コメント、告知、宣伝又はその他情報に対して前記ユーザーが発するNPS値(ネットプロモータースコア)
(b1)前記イベントに参加した前記ユーザーが評価する前記イベントのNPS値(ネットプロモータースコア)
(b2)前記ユーザーが前記イベントに参加する頻度
(b3)前記イベントが開催される曜日、時間、場所、規模、参加費及び回数から選ばれる条件により前記イベントの参加についての難易度を設定し、前記難易度に対して前記ユーザーが参加した頻度を数値化して求められるイベント参加状況
【請求項3】
前記C工程は、下記(ア)~(キ)を行うことにより前記コミュニティの活性度C1を求め
る請求項2に記載の
情報処理方法。
(ア)前記(a1)~(a6)から選ばれる一つ以上の項目について、それぞれ評価基準を定めた上で各点数を求めて前記ユーザーの各々の活性度A1を求める
(イ)前記(b1)~(b3)から選ばれる一つ以上の項目について、それぞれ評価基準を定めた上で各点数を求めて前記ユーザーの各々の活性度B1を求める
(ウ)前記ユーザーの各々の活性度A1を用いて前記コミュニティ内で平均化して平均活性度A2を求める
(エ)前記ユーザーの各々の活性度B1を用いて前記コミュニティ内で平均化して平均活性度B2を求める
(オ)前記平均活性度A2について規格化を行い、規格化活性度A3を求める
(カ)前記平均活性度B2について規格化を行い、規格化活性度B3を求める
(キ)前記規格化活性度A3と前記規格化活性度B3を足し合わせ、前記コミュニティの活性度C1とする
【請求項4】
前記A工程は、オンライン上での前記ユーザーの行動に関する情報Aを集めるとともに、前記ユーザーのユーザー情報を集め、
前記C工程は、前記情報A及び前記ユーザー情報を用いてオンラインにおける前記ユーザーの活性度A1を求め
る請求項1~3のいずれかに記載の
情報処理方法。
【請求項5】
前記イベント会場内の環境情報Dを前記イベントの開始から終了まで時間ごとに測定する、又は、前記イベント会場内の環境情報Dを前記イベントの開始時と終了時に測定するD工程を更に有し、
前記C工程は、更に前記環境情報Dを用いて前記コミュニティの活性度C1を求め
る請求項1~4のいずれかに記載の
情報処理方法。
【請求項6】
前記D工程は、前記イベント会場内の空調設定を一定にした上で前記環境情報Dを測定す
る請求項5に記載の
情報処理方法。
【請求項7】
前記D工程は、前記イベント会場外の環境情報Eを前記イベントの開始から終了まで時間ごとに測定し、又は、前記イベント会場外の環境情報Eを前記イベントの開始時と終了時に測定し、前記環境情報Eを用いて前記環境情報Dを補正す
る請求項5又は6に記載の
情報処理方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の
情報処理方法によって求められたコミュニティの活性度C1と、前記コミュニティが結成されてからの時間とから、前記コミュニティがどの程度発展しているかの指標となるコミュニティの成熟度を求め
るコミュニティの成熟度測定方法。
【請求項9】
特定の目的や話題について交流するユーザーの集まりをコミュニティとしたときの前記コミュニティの活性度を測定するコミュニティの活性度測定プログラムであって、
少なくとも1つのコンピュータに、請求項1~8のいずれかに記載の情報処理方法の各工程を実行させる、
プログラム。
【請求項10】
情報処理システムであって、請求項1~9のいずれかに記載の情報処理方法の各工程がなされるようにプログラムを実行するように構成される、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コミュニティの活性度測定方法、コミュニティの成熟度測定方法及びコミュニティの活性度測定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人は大小様々な規模のグループ(コミュニティ)を形成し、1つ以上のコミュニティに属しながら生活し、人生を過ごす。コミュニティがどのような状況であるのか、例えば盛り上がっているのかどうかといった観点は、そのコミュニティに対するアプローチを選択する上で非常に重要である。例えば、盛り上がっているコミュニティに対して企業が商品を販売する場合、一度、メンバーの一人に商品が売れたら、その他のメンバーに口コミで広がる可能性がある。また、活発に意見交換されているようなグループからは、商品化のアイディアといった情報が得られやすくなる。
【0003】
そのコミュニティの盛り上がり具合を判断するにあたり、実際に会ってのみ、互いにコミュニケーションを取るようなコミュニティであれば、活発に意見交換されているのか、意見の内容はどうであるか、メンバーの表情はどうか、メンバー達の雰囲気はどうか、会合の頻度はどうか等を観察することで、そのコミュニティがどのような状況であるのかを判断できる。
【0004】
しかし、ITの技術が発達してきたことにより、人は実際に会ってコミュニケーションすることに限られず、オンライン上で情報の閲覧や意見の交換などを行うようになってきた。そのため、コミュニティがどのような状況であるのか、例えば盛り上がっているのかを判断することは、オンラインでの行動やオフラインでの行動を考慮する必要があり、非常に難しい。
【0005】
特許文献1では、イベント会場の来場者が所持する携帯端末を利用してアンケートを実施し、アンケートを通じて来場者同士の交流を促進する交流促進装置が開示されている。
特許文献2では、ウェブサイトから収集した文章に基づいて、商品又は役務の評価に係る数値を集計する評価集計装置が開示されている。
【0006】
しかしながら、このような技術を用いても、コミュニティの盛り上がり具合を判断することは難しい。コミュニティの盛り上がり具合が判然としないと、そのコミュニティに対してどのようにアプローチを行えばよいのか有効な判断がしにくくなる。例えば、そのコミュニティに対してどのようにして商品をプロモートすればよいのか判断しにくくなり、場合によっては、販売員によって意見が分かれてしまう。その他にも、どのようにして情報を提供すればよいのか等の判断材料が不十分となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-182515号公報
【文献】特開2015-36923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、コミュニティの盛り上がり具合を測定することができ、そのコミュニティに対する商品の告知や販売、サービスの告知や提供、イベントの告知や勧誘、その他情報の提供や受け取りをどのような態様で行うかを決めるための判断材料を提供することができるコミュニティの活性度測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、特定の目的や話題について交流するユーザーの集まりをコミュニティとしたときの前記コミュニティの活性度を測定するコミュニティの活性度測定方法であって、オンライン上で前記ユーザーが交流する場における前記ユーザーの行動に関する情報Aを集めるA工程と、前記ユーザー、及び/又は、前記コミュニティの主催乃至管理の少なくとも一部を行うホストによりオフライン上で開催される一つ以上のイベントに対する前記ユーザーの行動に関する情報Bを集めるB工程と、前記情報Aを用いてオンラインにおける前記ユーザーの活性度A1を求め、前記情報Bを用いてオフラインにおける前記ユーザーの活性度B1を求め、前記活性度A1及び前記活性度B1から、前記コミュニティの活性度C1を求めるC工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コミュニティの盛り上がり具合を測定することができ、そのコミュニティに対する商品の告知や販売、イベントの告知や勧誘、その他情報の提供や受け取りをどのような態様で行うかを決めるための判断材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】コミュニティの活性度測定方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図2】コミュニティの活性度測定方法の他の例を説明するためのフローチャートである。
【
図3】イベント会場における環境情報及びその他の情報を収集する一例を説明するため模式図である。
【
図4】イベント会場における環境情報及びその他の情報を収集する他の例を説明するため模式図である。
【
図5】コミュニティの発展段階の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るコミュニティの活性度測定方法、コミュニティの成熟度測定方法及びコミュニティの活性度測定プログラムについて図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0013】
本発明は、特定の目的や話題について交流するユーザーの集まりをコミュニティとしたときの前記コミュニティの活性度を測定するコミュニティの活性度測定方法であって、オンライン上で前記ユーザーが交流する場における前記ユーザーの行動に関する情報Aを集めるA工程と、前記ユーザー、及び/又は、前記コミュニティの主催乃至管理の少なくとも一部を行うホストによりオフライン上で開催される一つ以上のイベントに対する前記ユーザーの行動に関する情報Bを集めるB工程と、前記情報Aを用いてオンラインにおける前記ユーザーの活性度A1を求め、前記情報Bを用いてオフラインにおける前記ユーザーの活性度B1を求め、前記活性度A1及び前記活性度B1から、前記コミュニティの活性度C1を求めるC工程と、を有することを特徴とする。
【0014】
(第1の実施形態)
<フローチャート>
まず、本発明のコミュニティの活性度測定方法の一実施形態について、処理の流れの概要を説明する。
図1にフローチャートの一例を示す。
S101では、オンライン上でのユーザーの行動に関する情報Aを集める(A工程)。
S102では、ユーザー、及び/又は、ユーザーが交流する場を主催乃至管理の少なくとも一部を行うホストによりオフライン上で開催される一つ以上の
イベントに対するユーザーの行動に関する情報Bを集める(B工程)。
なお、S101とS102は、どちらを先に行ってもよい。
S103では、情報Aを解析してオンラインにおけるユーザーの活性度A1を求め、情報Bを解析してオフラインにおけるユーザーの活性度B1を求める。
S104では、ユーザーの活性度A1及びユーザーの活性度B1から、前記コミュニティの活性度C1を求める。
【0015】
図2にフローチャートの他の例を示す。
図2は、
図1のS103が異なっている。
図1では、S101とS102の後に、S103でユーザーの活性度A1及びユーザーの活性度B1を求めているが、これに限られるものではなく、
図2のように、S201で情報Aを集めた後に、S202でユーザーの活性度A1を求めてもよい。また、S203で情報Bを集めた後に、S204でユーザーの活性度B1を求めてもよい。
なお、活性度A1と活性度B1はどちらを先に求めてもよい。
【0016】
<より詳細な説明>
次に、本実施形態のコミュニティの活性度測定方法について、詳細に説明する。
【0017】
本実施形態では、特定の目的や話題について交流するユーザーの集まりをコミュニティと定義する。コミュニティの種類としては、特に制限されるものではない。例えば、食事会、読書会、勉強会、特定の事柄について話し合う会、スポーツを行う集まり、趣味を楽しむ集まり、酒を飲む集まり、会社・大学・学校の同期会・OB会・OG会、主婦の集まり、近所の集まり、ボランティア、オフ会、ファンクラブ、職場や学校のグループ等が挙げられる。
【0018】
目的や話題は、特に制限されるものではない。政治、経済、日常、暮らし、趣味、嗜好、学問、芸術、音楽、スポーツ等、非常に多岐にわたる。目的や話題は、コミュニティのユーザー(参加者、メンバーなどとも称される)それぞれが意識していなくてもよい。また、目的や話題は1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0019】
コミュニティの規模(参加するユーザーの人数)としては、適宜変更される。コミュニティの種類によっても異なるし、時間によっても異なる。コミュニティの結成時には人数が少なく、結成から時間が経つにつれて参加する人数が増えるのはよくあることである。
コミュニティを構成するユーザーの年齢は、特に制限されるものではない。
【0020】
ある人物が、そのコミュニティに属しているか否かを判断する基準としては、特に制限されるものではない。例えば、オンライン上でユーザーが交流する場において何らかの行動を起こしたことがある人物、そのコミュニティのメンバー又はホストが開催するイベントに参加したことがある人物等は、そのコミュニティに属しているということができる。
【0021】
A工程では、情報Aが集められる。
情報Aは、オンライン上でユーザーが交流する場におけるユーザーの行動に関する情報である。
「オンライン上でユーザーが交流する場」としては、コンピュータの技術を用いてオンライン上で記事、コメント、広告などの情報の閲覧ができる場、記事、コメント、広告などの情報を提供することができる場などが挙げられる。例えば、ホームページ、チャットルーム、掲示板、ブログ、SNS(ソーシャルネットワーキングシステム)等が挙げられる。
【0022】
ユーザーが交流する場にアクセスする手段としては、特に制限されるものではなく、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等が挙げられる。
【0023】
情報Aを集める手段としては、適宜変更することができ、特に制限されるものではない。例えば、オンライン上のサーバーに収集用のプログラムを作成してもよいし、GoogleAnalytics等を用いてもよい。
【0024】
情報Aとしては、例えば下記(a1)~(a6)等が挙げられる。
(a1)オンライン上で前記ユーザーが交流する場を構成する複数のウェブページにおいて、どのページにどのくらいの時間滞在していたかに関する滞在状況
(a2)オンライン上で前記ユーザーが交流する場を構成する複数のウェブページにおいて、どのくらいの頻度でどのページにアクセスしたかに関するアクセス状況
(a3)オンライン上で前記ユーザーがどのページから前記ユーザーが交流する場に遷移したかに関する遷移状況
(a4)オンライン上で前記ユーザーが交流する場を構成する複数のウェブページにおいて、どのページからどのページに遷移したかに関するウェブページ内遷移状況
(a5)オンライン上で前記ユーザーが交流する場における前記ユーザー又は前記ホストから提供される記事、コメント、告知、宣伝又はその他情報に対して前記ユーザーが発する評価の内容及び/又は評価の頻度
(a6)オンライン上で前記ユーザーが交流する場における前記ユーザー又は前記ホストから提供される記事、コメント、告知、宣伝又はその他情報に対して前記ユーザーが発するNPS値(ネットプロモータースコア)
【0025】
B工程では、情報Bが集められる。
情報Bは、コミュニティのユーザー、及び/又は、ホストによりオフライン上で開催される一つ以上のイベントに対するユーザーの行動に関する情報である。ホストとは、コミュニティの主催乃至管理の少なくとも一部を行う人物又は集団であり、コーディネーター等とも称される。
【0026】
本実施形態において、イベントとあるのはオフライン上で開催される人の集まりのことをいう。例えば、音楽ライブ、コンサート、演奏会、映画、説明会、セミナー、講習会、スポーツ、運動会、演劇、合唱、談話、芸の披露会、手品、カラオケ大会、将棋大会、囲碁大会、読書会、品評会、商品の説明会、展覧会、展示会、映画の上映会、結婚式、お見合い、葬式、パーティー、食事会、料理教室、入学式、卒業式、入社式、歓送迎会等が挙げられる。中でも音楽ライブに対して本実施形態のコミュニティの活性度測定方法を用いることが好ましく、より精度よく測定することができる。
【0027】
開催されるイベントは、室内に限られず、室外であってもよい。例えば、上記で挙げた例を室外で行うものが挙げられる。
【0028】
イベントが開催される時間、回数等は、特に制限されるものではなく、例えば、年に一回されるものであってもよいし、年に数回開催されるものであってもよい。
【0029】
情報Bを集める手段としては、適宜変更することができ、特に制限されるものではない。例えば、イベント会場に収集用の装置を設けてもよいし、ユーザーが所有する携帯電話やスマートフォン等により収集してもよい。
【0030】
情報Bとしては、例えば下記(b1)~(b3)等が挙げられる。
(b1)前記イベントに参加した前記ユーザーが評価する前記イベントのNPS値(ネットプロモータースコア)
(b2)前記ユーザーが前記イベントに参加する頻度
(b3)前記イベントが開催される曜日、時間、場所、規模、参加費及び回数から選ばれる条件により前記イベントの参加についての難易度を設定し、前記難易度に対して前記ユーザーが参加した頻度を数値化して求められるイベント参加状況
【0031】
C工程は、情報Aを用いてオンラインにおけるユーザーの活性度A1を求め、情報Bを用いてオフラインにおけるユーザーの活性度B1を求め、活性度A1及び活性度B1から、コミュニティの活性度C1を求める工程である。
【0032】
C工程では、例えば下記(ア)~(キ)を行うことによりコミュニティの活性度C1を求める。
(ア)前記(a1)~(a6)から選ばれる一つ以上の項目について、それぞれ評価基準を定めた上で各点数を求めて前記ユーザーの各々の活性度A1を求める
(イ)前記(b1)~(b3)から選ばれる一つ以上の項目について、それぞれ評価基準を定めた上で各点数を求めて前記ユーザーの各々の活性度B1を求める
(ウ)前記ユーザーの各々の活性度A1を用いて前記コミュニティ内で平均化して平均活性度A2を求める
(エ)前記ユーザーの各々の活性度B1を用いて前記コミュニティ内で平均化して平均活性度B2を求める
(オ)前記平均活性度A2について規格化を行い、規格化活性度A3を求める
(カ)前記平均活性度B2について規格化を行い、規格化活性度B3を求める
(キ)前記規格化活性度A3と前記規格化活性度B3を足し合わせ、前記コミュニティの活性度C1とする
【0033】
<具体例1:コミュニティX>
次に、具体例1として、コミュニティXについてコミュニティの活性度を求めた場合の例を示す。なお、以下に示される例は本実施形態における一例であり、これに限られるものではない。
以下の例では、コミュニティXにおけるユーザーを甲、乙、丙とする。
【0034】
(ア)前記(a1)~(a6)から選ばれる一つ以上の項目について、それぞれ評価基準を定めた上で各点数を求めて前記ユーザーの各々の活性度A1を求める
(イ)前記(b1)~(b3)から選ばれる一つ以上の項目について、それぞれ評価基準を定めた上で各点数を求めて前記ユーザーの各々の活性度B1を求める
【0035】
ここでは、評価基準の詳細な例は省略する。評価基準の例は後述する。
【0036】
ユーザー甲・・・活性度A1:15点、活性度B1:25点
ユーザー乙・・・活性度A1:20点、活性度B1:45点
ユーザー丙・・・活性度A1:25点、活性度B1:50点
【0037】
(ウ)前記ユーザーの各々の活性度A1を用いて前記コミュニティ内で平均化して平均活性度A2を求める
(エ)前記ユーザーの各々の活性度B1を用いて前記コミュニティ内で平均化して平均活性度B2を求める
【0038】
コミュニティXの例では以下となる。
平均活性度A2・・・20点(=(15点+20点+25点)/3人)
平均活性度B2・・・40点(=(25点+45点+50点)/3人)
【0039】
(オ)前記平均活性度A2について規格化を行い、規格化活性度A3を求める
(カ)前記平均活性度B2について規格化を行い、規格化活性度B3を求める
【0040】
ここでいう規格化とは、平均活性度A2と平均活性度B2を足し合わせるために、数値を補正することをいう。
【0041】
例えば、活性度A1の最高点を基準とし、活性度B1の最高点が活性度A1と一致するように補正する。この場合の補正の方法としては、例えば、
規格化活性度B3=平均活性度B2×(活性度A1の最高点/活性度B1の最高点)
と表すことができる。
【0042】
このような例の場合、平均活性度A2については、平均活性度A2が規格化活性度A3となる。すなわち、
規格化活性度A3=平均活性度A2×(活性度A1の最高点/活性度A1の最高点)
となる。
【0043】
規格化は、上記に限られるものではなく、活性度B1の最高点を基準とし、活性度A1の数値を補正してもよい。このような例の場合、例えば、
規格化活性度A3=平均活性度A2×(活性度B1の最高点/活性度A1の最高点)
規格化活性度B3=平均活性度B2×(活性度B1の最高点/活性度B1の最高点)
と表すことができる。
【0044】
コミュニティXの例では以下となる。
規格化活性度A3・・・20点(=20点×(100点/100点))
規格化活性度B3・・・20点(=40点×(100点/200点))
【0045】
(キ)前記規格化活性度A3と前記規格化活性度B3を足し合わせ、前記コミュニティの活性度C1とする
【0046】
コミュニティXの例では以下となる。
コミュニティXの活性度C1・・・40点(=20点+20点)
【0047】
このように、本実施形態によれば、コミュニティの活性度を求めることができ、そのコミュニティがどれだけ活性度が高い状況なのか判断することができる。
コミュニティの活性度が高い場合、「コミュニティの活力がある」、「コミュニティが盛り上がっている」などとも表現できる。
一方、コミュニティの活性度が低い場合、「コミュニティに活力がない」、「コミュニティが盛り上がっていない」などとも表現できる。
このため、本実施形態によれば、コミュニティの盛り上がり具合を測定することができる。
【0048】
また、コミュニティの活性度を測定することにより、そのコミュニティに対する商品の告知や販売、サービスの告知や提供、イベントの告知や勧誘、その他情報の提供や受け取りをどのような態様で行うかを決めるための判断材料を提供することができる。
【0049】
例えば、コミュニティの活性度が高い場合には、コミュニティにおいて商品を販売すると購入につながりやすくなると考えられるので、目立つところに、頻度を少なく告知すればよいといった判断につなげることができる。また、一人のユーザーに商品を販売し、高評価を得られれば、口コミでその商品の認知度が広がっていきやすいと考えられるので、そのようなコミュニティに対して積極的に商品の販売活動やサービスの告知などを行っていくと効果的であるといった判断ができる。
一方、コミュニティの活性度が低い場合には、そのコミュニティ内で商品を販売しても口コミで認知度が広がりにくいと考えられるので、各ユーザーに対して積極的にできる限り頻繁に告知を行う必要があるといった判断につなげることができる。
【0050】
その他にも例えば、コミュニティの活性度が高い場合には、コミュニティ内で意見交換が活発に行われている、イベントの参加率が高い等が考えられるため、そのコミュニティから何らかの情報を引き出す場合、よりリアルタイムに近い、鮮度の良い情報を得ることができる。また、一人のユーザーから取得した情報は、そのコミュニティ内のその他のユーザーについてもあてはまる情報である可能性が高く、より有益な情報を得ることができる。そのため、何人のユーザーに対して情報を取得する必要があるか等の判断材料を得ることができる。また、一人のユーザーに対して情報を提供した場合、その他のユーザーにも伝わりやすいと判断できる。
このように、コミュニティの活性度、コミュニティの盛り上がり具合を測定することにより、どのように情報を提供するか受け取るかを決めるための判断材料を得ることができる。
【0051】
また、本実施形態によれば、コミュニティの活性度を測定することができるため、活性度が低いコミュニティに対して何らかの操作(アプローチ)を行ってコミュニティの活性度を上げるといった判断を行うための判断材料を提供することができる。
コミュニティに対する操作としては、状況に応じて適宜変更することが可能であり、制限されるものではない。コミュニティの種類によっても変更できるし、コミュニティの活性度の数値、コミュニティの盛り上がり具合によっても変更できる。
【0052】
例えば、魅力的なコンテンツを作成する、ウェブページの数を増やす、より魅力的なイベントを開催する、より興味を引きつける話題や情報を提供する等が挙げられる。
【0053】
また、コミュニティに対する操作としては、(a1)~(a6)や(b1)~(b3)の各項目の数値を考慮して決めてもよい。例えば、(a1)の滞在状況の数値が低い場合、オンライン上でコミュニティが交流する場におけるコンテンツを更に充実させるといった対応が有効である。
【0054】
本実施形態によれば、単にコミュニティの活性度が高い、低いのみを判断するだけでなく、どの程度高いのか、あるいは低いのか、定量的に判断することが可能になるという優れた効果が得られる。
従来は、ユーザーのコメントやイベントの参加状況などの情報を人間が個別に検討し、コミュニティの盛り上がり具合を推測していたが、本実施形態によれば、上記のように定量的な判断も可能になり、評価者によって判断結果が異なるといった弊害も防止できる。
【0055】
コミュニティの活性度が高いのか、低いのかの判断は、単にコミュニティの活性度の数値のみで判断する必要はない。コミュニティの種類によっても判断基準は異なる。コミュニティの活性度の数値が同じであっても、場合によっては、あるコミュニティは盛り上がっているが、一方のコミュニティは盛り上がっていないと判断され得る。コミュニティの活性度が高いか低いかを判断するのは、コーディネーターであってもよいし、コミュニティ内のメンバーであってもよい。
【0056】
<具体例2:コミュニティY>
本実施形態の測定方法を用いて求められたコミュニティの活性度は、そのコミュニティにおいてのみ考慮してもよいが、コミュニティどうしを比較する場合にも求めたコミュニティの活性度を用いてもよい。
以下、その他のコミュニティの例について、上記のコミュニティXで求めた場合の例と同様にしてコミュニティYの活性度C1を求める場合の例を挙げる。
なお、ここでは便宜上、コミュニティXと同様にユーザーを甲、乙、丙としているが、コミュニティXとYとでユーザーが同じである必要はない。
【0057】
ユーザー甲・・・活性度A1:10点、活性度B1:35点
ユーザー乙・・・活性度A1:15点、活性度B1:55点
ユーザー丙・・・活性度A1:20点、活性度B1:60点
平均活性度A2・・・15点(=(10点+15点+20点)/3人)
平均活性度B2・・・50点(=(35点+55点+60点)/3人)
活性度A1の最高点・・・100点
活性度B1の最高点・・・250点
規格化活性度A3・・・15点(=15点×(100点/100点))
規格化活性度B3・・・20点(=50点×(100点/250点))
コミュニティYの活性度C1・・・35点(=15点+35点)
【0058】
上記の例におけるコミュニティXとコミュニティYを比べると、コミュニティXの方が活性度は高く、コミュニティYの方が活性度は低いといえる。このように、複数のコミュニティについて、活性度、盛り上がり具合が一つの指標で比較できるので、例えばコミュニティに対するアプローチをどのようにするかを判断するための材料を提供することができるといった優れた効果が得られる。
【0059】
なお、コミュニティ間で活性度を比較する場合、評価項目(例えば上記の(a1)~(a6)や(b1)~(b3))をコミュニティ間で一致させておくことが好ましい。これにより、比較した場合の精度が向上する。例えば、上記のコミュニティXについて(a1)~(a4)の評価を行い、上記のコミュニティYについて(a1)~(a3)の評価を行った場合、評価項目を一致させるために、コミュニティXはコミュニティYにあわせて(a1)~(a3)を考慮するようにすればよい。
【0060】
<評価基準について>
上記のコミュニティX、Yにおける例では、(ア)及び(イ)の処理の詳細な例を省略した。ここでは、(ア)及び(イ)の処理の詳細な例を説明する。
【0061】
ユーザーの各々の活性度A1を求める際には、例えば、前記(a1)~(a6)から選ばれる一つ以上の項目(評価項目とも称する)について、それぞれ評価基準を定めた上で各点数を求めて前記ユーザーの各々の活性度A1を求める。ユーザーの活性度A1を求める際には、各評価項目を合計できるように評価基準を定めることが好ましい。例えば、各評価項目における最大値が同じ又は同じ程度になるように評価基準を定める。
【0062】
情報Aに関して、(a1)~(a6)の評価基準の一例を挙げるが、これらに限定されるものではなく、適宜変更することができる。以下に示される評価基準は一例であり、コミュニティの種類、コミュニティの管理や運営等を行うホスト等によっても適宜変更される。
【0063】
(a1)オンライン上でユーザーが交流する場を構成する複数のウェブページにおいて、どのページにどのくらいの時間滞在していたかに関する滞在状況
1日あたり1時間未満:1点
1日あたり1時間~2時間:3点
1日あたり2時間~3時間:5点
1日あたり3時間~4時間:7点
1日あたり4時間以上:10点
【0064】
なお、上記の例では、3点と5点、5点と7点、7点と10点で、値が重複しているが、矛盾しないように適宜変更すればよい。例えば3点の基準を2時間未満とし、5点の基準を2時間以上とすればよい。以下の評価基準の例においても同様である。
【0065】
(a2)オンライン上でユーザーが交流する場を構成する複数のウェブページにおいて、どのくらいの頻度でどのページにアクセスしたかに関するアクセス状況
1週間あたり10回未満:1点
1週間あたり10回~20回:3点
1週間あたり20回~30回:5点
1週間あたり30回~40回:7点
1週間あたり50回以上:10点
【0066】
(a3)オンライン上でユーザーがどのページからユーザーが交流する場に遷移したかに関する遷移状況
グーグルから遷移した:3点
グーグル以外の検索エンジンを有するサイトから遷移した:4点
検索エンジンを有していないサイトにおけるリンクをたどって遷移した:5点
SNSから遷移した:8点
メールマガジンから遷移した:9点
広告をたどって遷移した:10点
【0067】
(a4)オンライン上でユーザーが交流する場を構成する複数のウェブページにおいて、どのページからどのページに遷移したかに関するウェブページ内遷移状況
PページからQページに遷移した:1点
QページからRページに遷移した:3点
RページからSページに遷移した:5点
SページからTページに遷移した:7点
TページからUページに遷移した:10点
なお、上記P~Tページは、オンライン上でユーザーが交流する場を構成するウェブページである。
【0068】
(a5)オンライン上でユーザーが交流する場におけるユーザー又はホストから提供される記事、コメント、告知、宣伝又はその他情報に対してユーザーが発する評価の内容及び/又は評価の頻度
掲載された複数の記事に批判的な評価を頻繁に行った:1点
掲載された複数の記事に批判的な評価を少し行った:2点
掲載された複数の記事に批判的でもなく、好適でもない評価を少し行った:4点
掲載された複数の記事に批判的でもなく、好適でもない評価を頻繁に行った:5点
掲載された複数の記事に好適な評価を少し行った:7点
掲載された複数の記事に好適な評価を頻繁に行った:10点
なお、上記「頻繁に」、「少し」の定義は任意に定める。
【0069】
(a6)オンライン上でユーザーが交流する場におけるユーザー又はホストから提供される記事、コメント、告知、宣伝又はその他情報に対して前記ユーザーが発するNPS値(ネットプロモータースコア)
NPSは、顧客推奨度などとも称される指標であり、「あなたは、この企業(あるいは、この製品、サービス、ブランド)を親しい友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか?1~10点で点数を付けてください。」といった内容で対象者に質問し、点数を取得するものである。NPS値は1~10点で評価されるので、NPS値はそのまま使用してもよい。
【0070】
上記のように評価基準を設定した上で、各評価項目の点数を合計することでユーザーの活性度A1を求めることができる。
【0071】
ユーザーの各々の活性度B1を求める際には、例えば、前記(b1)~(b3)から選ばれる一つ以上の項目(評価項目とも称する)について、それぞれ評価基準を定めた上で各点数を求めて前記ユーザーの各々の活性度B1を求める。ユーザーの活性度A1と同様に、ユーザーの活性度B1を求める際には、各評価項目を合計できるように評価基準を定めることが好ましい。例えば、各評価項目における最大値が同じ又は同じ程度になるように評価基準を定める。
【0072】
情報Bに関して、(b1)~(b3)の評価基準の一例を挙げるが、これらに限定されるものではなく、適宜変更することができる。以下に示される評価基準は一例であり、コミュニティの種類、コミュニティの管理や運営等を行うホスト等によっても適宜変更される。
【0073】
(b1)イベントに参加したユーザーが評価するイベントのNPS値(ネットプロモータースコア)
NPS値は1~10点で評価されるので、NPS値はそのまま使用してもよい。
【0074】
(b2)ユーザーがイベントに参加する頻度
参加率が10%未満:1点
参加率が10%~30%:3点
参加率が30%~50%:5点
参加率が70%~90%:7点
参加率が90%以上:10点
【0075】
(b3)イベントが開催される曜日、時間、場所、規模、参加費及び回数から選ばれる条件によりイベントの参加についての難易度を設定し、難易度に対してユーザーが参加した頻度を数値化して求められるイベント参加状況
曜日、時間、場所、規模、参加費、回数としては、例えば以下のように考慮する。
【0076】
曜日:平日か休日か
時間:午前か、午後か、昼か夕方か夜か、深夜なのか
場所:ユーザーの居住地から近いか遠いか、駅に近いか遠いか、行きやすいか
規模:大きいか小さいか
参加費:高いか安いか
回数:年に何回も開催されているのか、開催される回数が少ないのか
【0077】
このような条件を考慮する理由としては、例えば、そのユーザーにとって参加しにくいイベントに参加した場合、活性度が高いといったことがいえる等の理由からである。例えば、仕事がある日に開催されるイベントに対して休みを取ってまで参加した場合、深夜などの参加しにくい時間に開催されるイベントに参加した場合、ユーザーの居住地から遠い場所で開催されるイベントに参加した場合、参加費が高いイベントに参加した場合、年に開催される回数が少ないイベントに参加した場合などは活性度が高いといえる。
【0078】
曜日、時間、場所、規模、参加費、回数の条件としては、これらのうちから一つ以上を任意に選択すればよい。
【0079】
難易度の設定は、適宜変更することが可能であり、特に制限されるものではない。例えば、平日の午前に駅から離れた場所で開催される参加費の高いイベント(1)を難易度大とすることができる。例えば、休日の午後に駅に近い場所で開催される参加費の安いイベント(2)を難易度小とすることができる。
【0080】
このような場合のイベント参加状況における評価基準の例としては例えば以下のようにすることができる。
難易度小のイベントに年に10回未満参加した:1点
難易度小のイベントに年に10回~20回参加した:3点
難易度大のイベントに年に10回未満参加した:7点
難易度大のイベントに年に10回~20回参加した:8点
難易度小又は大のイベントに年に20回以上参加した:9点
【0081】
なお、難易度を大小に分ける場合に限られるものではなく、例えば、難易度を大中小に分けてもよいし、更に多く分けてもよい。回数はイベントの種類等によっても異なるため、適宜変更すればよい。
【0082】
上記のように、各評価項目において評価基準を定めた上で各点数を求めることにより、活性度A1及び活性度B1を求めることができる。
なお、上記の例では、情報Aとして(a1)~(a6)、情報Bとして(b1)~(b3)を例に挙げているが、これらは本実施形態において好ましい例として用いられるものであり、これらに制限されるものではない。その他にも、当業者が想到し得る項目等を適宜追加してもよい。
【0083】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係るコミュニティの活性度測定方法における他の実施形態について説明する。
上記実施形態と同様の事項については説明を省略する。
【0084】
本実施形態において、A工程は、オンライン上でのユーザーの行動に関する情報Aを集めるとともに、ユーザーのユーザー情報を集める。また、C工程は、情報A及びユーザー情報を用いてオンラインにおけるユーザーの活性度A1を求める。
【0085】
ユーザー情報としては、例えば、性別、年齢、年代、アクセス元の地域、使用言語、アクセスするためのデバイス、訪問状況(ページを訪れるのが新規であるかリピーターであるか)、アクセス権限(ページの閲覧が可能、コメントを投稿可能、記事を掲載可能、画像を掲載可能、管理者権限を有する)等が挙げられる。また、Facebookでは、秘密のファングループといった仕組みがあり、そのファングループに属しているか否かの情報も挙げられる。その他にも、GoogleAnalyticsで計測できる項目などが挙げられる。
【0086】
情報A及びユーザー情報を用いてオンラインにおけるユーザーの活性度A1を求める方法としては、適宜変更することができる。
上記第1の実施形態で示したコミュニティXの例を挙げて一例を説明する。本例では、例えばユーザー情報に応じて、情報Aから求めた活性度A1を補正する。コミュニティXでは、ユーザー甲、乙、丙の活性度A1は、それぞれ15点、20点、25点であった。例えば、男性なら活性度A1に「×1.1」を行い、女性なら活性度A1に「×1.2」を行う。なお、ここで「×」とあるのは乗算を示す。
【0087】
このように性別によって活性度A1の補正具合を異ならせる理由としては、例えば、コミュニティXが男性向けの話題について交流する場であり、女性のユーザーが参加する場合、より熱意を有している等の理由が挙げられる。
上記の例では、ユーザー甲、乙、丙がそれぞれ男性、女性、男性である場合、補正後の活性度A1はそれぞれ、16.5点、24点、27.5点となる。
本実施形態のように、ユーザー情報を用いてユーザーの活性度A1を求めることで、精度を向上させることができる。
【0088】
他にも、例えば20代なら「×1.1」、30代なら「×1.2」、40代なら「×1.3」などのように補正することができる。なお、このような乗算の数値は補正値などとも称する。
他にも、アクセス元の地域や使用言語において、母国以外の地域からのアクセス、母国語以外の言語のページにアクセスする場合は補正値を大きくしてもよい。
また、ページを訪れるのが新規である場合は補正値を大きくしてもよいし、アクセス権限の違いによって補正値を異ならせてもよい。
【0089】
(第3の実施形態)
次に、本発明に係るコミュニティの活性度測定方法における他の実施形態について説明する。
上記実施形態と同様の事項については説明を省略する。
【0090】
本実施形態のコミュニティの活性度測定方法は、イベント会場内の環境情報Dをイベントの開始から終了まで時間ごとに測定する、又は、イベント会場内の環境情報Dをイベントの開始時と終了時に測定するD工程を更に有している。また、本実施形態におけるC工程は環境情報Dを用いてコミュニティの活性度C1を求める。
【0091】
図3に一例を説明するための模式図を示す。
図3は、オフラインで開催されるイベントの一例を模式的に示した図である。
図3には、ユーザー10、センサー12、イベント会場15、入場検知手段20、NPS測定装置22、サーバー30、プログラム32、ネットワーク40が図示されている。
【0092】
センサー12は、イベント会場15内の環境情報Dを測定するものである。
環境情報Dとしては、例えば、温度、湿度、照度、音量、酸素濃度、二酸化炭素濃度、風量、振動等が挙げられる。中でも、温度、湿度のうちの少なくとも一方であることが好ましい。
また、複数の環境情報、例えば温度と湿度を測定できるものであってもよいし、例えば温度を測定するセンサーと湿度を測定するセンサーを別々に設置してもよい。
【0093】
センサー12は、IoT(Internet of Things)機器を用いることが好ましく、本実施形態ではインターネット等のネットワーク40に接続している。センサー12としては、市販品を用いてもよい。
設置される個数は、特に制限されるものではなく、適宜変更することが可能である。複数設置した場合には、それぞれで測定した環境情報Dを用いて平均値を求めてもよい。
【0094】
本実施形態において、C工程は環境情報Dを用いてコミュニティの活性度C1を求める。なお、具体例は後述する。
【0095】
入場検知手段20は、ユーザー10の入場を検知するものである。
入場検知手段20としては、顔認識が可能な装置を用いてもよいし、ユーザー10に固有の識別番号(英数字など)を入力できるような装置を用いてもよい。また、ホストの担当者がイベントの受付でユーザー10を認識し、担当者が入力するような装置であってもよい。このような装置としては、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等が挙げられる。
【0096】
入場検知手段20を用いることにより、どのユーザーがイベントに参加したのかを把握することができる。これにより、上記の情報Bに関して、(b2)ユーザーがイベントに参加する頻度、(b3)イベント参加状況を求めることができる。
【0097】
また、入場検知手段20をイベント運営側が設けるのではなく、例えば、ユーザーが所有する携帯電話やスマートフォン等を用いて、どのユーザーがどのイベントに参加したのかを把握するようにしてもよい。
【0098】
NPS測定装置22は、イベントに参加したユーザー10が評価するイベントのNPS値(ネットプロモータースコア)を取得するための装置である。
NPS値を取得するタイミングとしては、適宜変更することが可能である。例えば、イベント終了後に取得することが好ましく、この他にもイベント開始前やイベント中に取得してもよい。また、時間ごとに取得してもよい。
【0099】
図示される例では、イベント会場15に1つのNPS測定装置22が設置されているが、これに限られるものではなく、適宜変更することが可能である。例えば、NPS測定装置22は複数設置してもよく、ユーザー一人一人に用意してもよい。また、ユーザーが所有する携帯電話やスマートフォン等を用いてNPS値を取得してもよい。この他にも、NPS測定装置22を設けず、イベント終了後、その日のうち又は後日、そのイベントに参加したユーザーがオンラインのサイトでNPS値を入力してもよいし、携帯電話やスマートフォン等のメール機能や電話、インターネットアクセス機能等によりNPS値を入力できるようにしてもよい。
【0100】
このようにすることで、上記の情報Bに関して、(b1)イベントに参加したユーザーが評価するイベントのNPS値を取得することができる。
【0101】
サーバー30は、センサー12、入場検知手段20、NPS測定装置22からの情報を受け取る。サーバー30には、上記実施形態又は本実施形態のコミュニティの活性度測定プログラム(プログラム32)が格納されている。
本実施形態のコミュニティの活性度測定プログラムは、オンライン上でのユーザーの行動に関する情報Aを集めるA処理と、ユーザーやホストによりオフライン上で開催される一つ以上のイベントに対するユーザーの行動に関する情報Bを集めるB処理と、情報Aを解析してオンラインにおけるユーザーの活性度A1を求め、情報Bを解析してオフラインにおけるユーザーの活性度B1を求め、活性度A1及び活性度B1から、コミュニティの活性度C1を求めるC処理と、をコンピュータに実行させる。
【0102】
図3では主にB処理について説明しており、A処理については図示等を省略している。
また、図示を省略しているが、求められたコミュニティの活性度C1等を表示する表示部を用いてもよい。表示部としては、例えばディスプレイ等が挙げられる。求められたコミュニティの活性度C1を別端末に送信するようにしてもよい。
【0103】
ここで、環境情報Dを用いる場合の例を説明する。上記の例のコミュニティXを例に挙げて説明する。コミュニティXにおけるオフラインでのイベント、ここでは演奏バンドによる音楽ライブが開催されたものとする。本例では、
図3に示されるような会場において、センサー12を設置して音楽ライブの前後における温度を測定した。
【0104】
ただし、音楽ライブ中は会場内の空調設定は変更しなかった。また、会場内の酸素濃度が低下しないようにするため、適度に換気を行うようにした。このように、会場内の空調の設定を変更せず、適度に換気を行う状態の場合、会場内の温度がどのように変化するのかを、あらかじめイベントを行わずに測定したところ、約3時間経過しても±1℃以内の変化であった。なお、あらかじめ会場内の温度を測定した時間帯は、音楽ライブが開催される時間と同じ時間帯(午後)とし、あらかじめ会場内の温度を測定した日と、音楽ライブが開催された日の天候は一日中曇りであった。
【0105】
このように、イベントを行わない場合におけるイベント会場内の温度(環境情報D)がどのように変化するのかを、あらかじめイベントを行わない状態で測定しておくことが好ましい。これにより、イベントが行われた場合におけるイベント会場内の環境情報Dの変化について、ユーザー以外の要因を排除することができる。
【0106】
実際に、音楽ライブの前後における会場内の温度を測定したところ、音楽ライブの開始時における会場内の温度は20℃であり、音楽ライブの終了時における会場内の温度が24℃であった。
図3において、センサー12で測定された会場内の温度は、サーバー30に送信され、プログラム32により、コミュニティの活性度C1を求めるために用いられる。
【0107】
ここで示される例では、上記第1の実施形態で示した状態、すなわち、コミュニティXの活性度C1の数値が求められた状態であるものとする。なお、これに限られるものではなく、環境情報Dの測定が終了した後に活性度C1を求めてもよい。
上記第1の実施形態で示した例では、規格化活性度A3は20点、規格化活性度B3は20点、コミュニティXの活性度C1は40点である。
【0108】
音楽ライブの開始前後で20℃から24℃に上昇したが、これは音楽ライブに参加したユーザーが放出する熱により会場内の温度が上昇したと考えられる。
なお、ここで示す音楽ライブの例では、照度は通常の音楽ライブよりも小さくし、使用する電気機器はほとんど使用しなかった。そのため、本例では、会場内で使用する機器が会場内の温度を上昇させる要因にはならないといえる。
【0109】
音楽ライブの開始前後における温度は20℃から24℃に変化しており、4℃上昇した。この情報を用いて、コミュニティXの活性度C1を求める。コミュニティXの活性度C1の求め方は、適宜変更であり、例えば、規格化活性度B3に対して温度上昇を加味して補正を行う。
【0110】
本例ではまず、環境情報Dにおける評価基準を設定する。例えば、以下のように設定する。
会場内の温度が5℃~10℃下降した:×0.8
会場内の温度が1℃~5℃下降した:×0.9
会場内の温度は変化なし:×1.0
会場内の温度が1℃~5℃上昇した:×1.1
会場内の温度が5℃~10℃上昇した:×1.2
なお、「×」とあるのは乗算を示す。また、ここでの例では、±10℃よりも大きい変化は、何らかのエラーがあると考え、評価基準から外している。
【0111】
本例では会場内の温度が4℃上昇しているので、「×1.1」を規格化活性度B3に乗算する。コミュニティXの例では、規格化活性度B3が22点(=20点×1.1)に補正され、コミュニティXの活性度C1は42点(=20点+22点)と求めることができる。
【0112】
なお、上記の例では、規格化活性度B3に対して、環境情報Dを用いて補正を行ったが、これに限られるものではなく、ユーザーの各々の活性度B1や平均活性度B2に対して環境情報Dを用いて補正を行ってもよい。
【0113】
また、環境情報Dにおける評価基準を設定する際には、イベント会場の容積(m3)やイベントに参加しているユーザーの人数などを考慮することが好ましい。例えば、イベント会場内における人口密度が高い場合、会場内が温度上昇しやすくなり、人口密度が低い場合、会場内が温度上昇しにくくなる。
例えば、上記の例を用いると、人口密度が低い場合において、会場内の温度が5℃~10℃上昇した場合、「×1.2」よりも大きな補正値である「×1.4」とすること等が挙げられる。
【0114】
本実施形態において、D工程は、イベント会場内の空調設定を一定にした上で環境情報Dを測定することが好ましい。この場合、エアコンなどの空調による会場内の変化を防止することができるため、イベント参加者の活性度をより精度よく解析することができ、より精度よくコミュニティの活性度C1を求めることができる。
【0115】
また、上記の例では、イベントの開始時と終了時に温度を測定しているが、これに限られるものではなく、イベントの開始から終了まで時間ごとに温度を測定してもよい。
この場合、時間ごとの温度変化を測定することにより、時間ごとの盛り上がり具合を考慮することができ、どのようにイベントを進行していけばよいかを判断するための情報を得ることができる。また、イベント終了後にイベントの内容を検討するための情報を得ることができ、今後のイベント内容を改善しやすくなる。
【0116】
また上記の例では、環境情報Dとして温度を例に挙げたが、上述したように温度以外であってもよい。例えば、湿度の場合、音楽ライブに参加したユーザーの発汗作用が促され、会場内の湿度が上昇したと考えられる。この場合の評価基準の例としては、例えば以下のようにすることができる。
会場内の湿度が5%以下下降した:×0.8
会場内の湿度は変化なし(10%未満の変化):×1.0
会場内の湿度が10~15%上昇した:×1.1
会場内の湿度が15~30%上昇した:×1.2
【0117】
この他にも、酸素濃度や二酸化炭素濃度等についても同様に評価基準を設定し、コミュニティの活性度C1を求める際に用いることができる。
なお、本実施形態を適用できるイベントの種類としては、特に制限されるものではないが、例えば料理教室のように火を扱うイベント等の場合、ユーザー以外の要因が環境情報Dに与える影響を考慮することが好ましい。例えば、上述のように、あらかじめイベントを行わない状態で環境情報Dを測定しておき、ユーザー以外の要因を排除することが好ましい。
また、葬式などのイベントの場合、環境情報Dの測定がコミュニティの活性度C1を求めるために用いることができるのか、一概に判断しにくい場合がある。この場合、評価基準をそのイベントに適合するように調整することが好ましい。また、他のイベントにも共通していえることであるが、同様のイベントを複数回行い、データを取得して傾向をつかんだ上で評価基準を設定することが好ましい。
【0118】
(第4の実施形態)
次に、本発明に係るコミュニティの活性度測定方法における他の実施形態について説明する。
上記実施形態と同様の事項については説明を省略する。本実施形態は、上記第3の実施形態において、イベント会場外についても環境情報を取得する。
【0119】
本実施形態において、D工程は、イベント会場外の環境情報Eをイベントの開始から終了まで時間ごとに測定し、又は、イベント会場外の環境情報Eをイベントの開始時と終了時に測定し、環境情報Eを用いて環境情報Dを補正する。
【0120】
上記第3の実施形態においては、イベント開催中に天候が変化し、イベント会場内の環境情報が天候の影響を受ける場合がある。例えば、イベント開催中に気温が上昇し、イベント会場内の温度が上昇することがある。また、イベント開催中に雨が降ることで、イベント会場内の湿度が上昇することがある。
本実施形態によれば、イベント開催中の天候の変化に影響されず、イベント会場内の環境情報を取得することができ、コミュニティの活性度C1をより精度よく測定することができる。
【0121】
環境情報Eとしては、環境情報Dと同様に、例えば、温度、湿度、照度、音量、酸素濃度、二酸化炭素濃度、風量、振動等が挙げられる。中でも、温度、湿度のうちの少なくとも一方であることが好ましい。
【0122】
本実施形態を説明するための模式図を
図4に示す。
図4は
図3と同様の模式図であるが、イベント会場15の外部にもセンサー12を設けている。
イベント会場15の外部に設けられるセンサーとしては、イベント会場15の内部に設けられるセンサーと同様のものを用いることができる。
設置場所としては、適宜変更することが可能であるが、イベント会場15の内部には日の光が直接入射しないことを考慮し、イベント会場15の外部における日陰に設置することが好ましい。
【0123】
本実施形態において、上記第3の実施形態におけるコミュニティXの例を挙げて説明する。
上記の例では、イベント会場内の温度を測定したところ、イベント開始時は20℃、イベント終了時は24℃であった。イベント会場外のセンサー12で外部の温度を測定したところ、イベント開始時では20℃であったが、イベント終了時は22℃であった。
なお、上記の例では、イベントが開催された日は一日中曇りであったが、本例では、イベント開催中に晴れ間がのぞき、イベント会場の外の気温が上がったものとする。
【0124】
ここで、イベント会場の外の温度変化によって、イベント会場内部の温度がどのように変化するのかをあらかじめ調べておくことが好ましい。センサー12を用いて測定したところ、本例のイベント会場では、外の温度が2℃上昇すると会場内部の温度が1℃上昇した。
【0125】
これを考慮すると、イベント会場内における温度上昇4℃のうち、1℃はイベント会場の外の温度変化によるものであるため、イベント会場内の温度上昇は3℃とすることができる。結局、評価基準と照らし合わせると、上記の例と同様に「×1.1」に該当し、コミュニティXの活性度C1は42点と求めることができる。
なお、温度以外にも、湿度や酸素濃度等においても同様に用いることができる。
【0126】
(第5の実施形態)
次に、本発明に係るコミュニティの活性度測定方法における他の実施形態について説明する。
上記実施形態と同様の事項については説明を省略する。
【0127】
本実施形態では、上記に記載のコミュニティの活性度測定方法によって求められたコミュニティの活性度C1と、コミュニティが結成されてからの時間とから、コミュニティがどの程度発展しているかの指標となるコミュニティの成熟度を求める。
【0128】
本実施形態を説明するための図を
図5に示す。
図5では、縦軸をコミュニティの活性度C1とし、横軸をコミュニティの結成から経過した時間としたときの例である。
図5では、コミュニティの発展段階として、(A)~(E)グループに分けている。
なお、このようなコミュニティの発展段階は、(A)潜在、(B)結託、(C)成熟、(D)維持・向上、(E)変容などとも称される(書籍「コミュニティ・オブ・プラクティス」参照)。
【0129】
図示されているように、コミュニティの結成からの時間経過とともに、コミュニティの活性度C1は変化している。ここで示される例では、始めは緩やかなつながりであったコミュニティが、時間経過とともに活性度が上昇し(A)、ある契機によって急上昇した後(B)、また緩やかに上昇していく(C)。更に上昇した後、同じようなレベルを維持し(D)、緩やかに衰退していく(E)。
【0130】
このように、コミュニティの活性度C1とコミュニティが結成されてからの時間を用いることにより、コミュニティがどの程度発展しているのか、どのような発展段階にあるのかを判断することができる。すなわち、コミュニティの成熟度を求めることができる。
【0131】
コミュニティについて成熟度を求めることにより、そのコミュニティに対してどのようにアプローチすればよいかについて、より精度よく判断することができる。例えば、(A)の段階にあるコミュニティに対しては、ユーザー(コミュニティの構成員)がそのコミュニティを意識するような操作を行うことで、コミュニティの活性度を上昇させることができる。その他にも例えば、(B)の段階にあるコミュニティに対しては、コミュニティにおける知識の共有が役に立つことを示す操作を行う、(C)の段階にあるコミュニティに対しては、コミュニティについての理解を深める操作を行う、(D)の段階にあるコミュニティに対しては、コミュニティの雰囲気と知的焦点を活気に満ちた魅力的なものにする操作を行う、(E)の段階にあるコミュニティに対しては、コミュニティの境界を広げるのか、狭めるのかを決めるような操作を行う等が挙げられる。これらはあくまでも一例であるため、これらに限られるものではない。
【0132】
また、コミュニティの成熟度は、コミュニティにおけるユーザーの関係の深さを表す指標ともいえる。ユーザーの関係の深さとは、そのユーザーがそのコミュニティに対してどのような状態で参加しているかを示す度合いであり、例えば、コミュニティの成熟度がより発展している場合、そのコミュニティのユーザーはそのコミュニティに対して深く関係しているといえる。このような状態をコアグループの状態で関係しているなどとも称することができる。成熟度の違いによって、コアグループよりも緩く関係しているアクティブグループ、更に緩く関係している周辺グループなどとも称される。
【符号の説明】
【0133】
10 ユーザー
12 センサー
15 イベント会場
20 入場検知手段
22 NPS測定装置
30 サーバー
32 プログラム
40 ネットワーク