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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20230221BHJP
   C02F 1/00 20230101ALI20230221BHJP
   G16Y 10/60 20200101ALI20230221BHJP
   G16Y 40/35 20200101ALI20230221BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
C02F1/00 D
C02F1/00 L
C02F1/00 V
G16Y10/60
G16Y40/35
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020115044
(22)【出願日】2020-07-02
(62)【分割の表示】P 2019543710の分割
【原出願日】2018-09-20
(65)【公開番号】P2020170544
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】P 2017180581
(32)【優先日】2017-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017180582
(32)【優先日】2017-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】517039483
【氏名又は名称】WOTA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】北川 力
(72)【発明者】
【氏名】奥寺 昇平
(72)【発明者】
【氏名】西尾 学
(72)【発明者】
【氏名】山田 諒
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0226627(US,A1)
【文献】特開2004-192130(JP,A)
【文献】特開2004-038823(JP,A)
【文献】特開2006-236145(JP,A)
【文献】特開2009-090896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/00-1/78
G06Q10/00-10/10
G16Y10/00-40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水の使用手段を利用するユーザを支援する情報処理装置において、
前記水の使用手段に入出力される水のセンシングデータに基づいて、前記ユーザによる前記水の使用手段の利用状況を示す第1情報と、前記ユーザが前記水の使用手段を利用できるようになるまでの時間を示す第2情報とを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記第1情報と前記第2情報とを前記ユーザに報知する制御を実行する報知制御手段と、
を備え
前記生成手段は、
前記ユーザが前記水の使用手段を利用する際に使用する洗剤の撮像画像のデータの画像解析及び文章処理の結果に基づいて、前記洗剤の成分、水質への影響、及び前記水の使用手段への影響に関する第3情報をさらに生成し、
前記報知制御手段は、
前記生成手段により生成された前記第3情報を前記ユーザにさらに報知する制御を実行する、
報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、循環ポンプの作動時に温水水路内が負圧となってもフィルタハウジングの変形が抑制される、カートリッジフィルタ式浴槽用温水循環浄化装置は提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-313822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の技術を含め従来技術では、カートリッジフィルタの使い捨てが前提となっていたため、水処理システムに使用したフィルタを回収し分析することで、水処理システムに関するアルゴリズムの生成又は更新するという発想はなかった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、水処理システムに関するアルゴリズムの生成又は更新を適切に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
水の使用手段を利用するユーザを支援する情報処理装置において、
前記水の使用手段に入出力される水のセンシングデータに基づいて、前記ユーザによる前記水の使用手段の利用状況を示す第1情報と、前記ユーザが前記水の使用手段を利用できるようになるまでの時間を示す第2情報とを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記第1情報と前記第2情報とを前記ユーザに報知する制御を実行する報知制御手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、水処理システムに関するアルゴリズムの生成又は更新を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態であるフィルタ管理サーバを含む、情報処理システムの構成を示す図である。
図2】水循環管理システムの構成を示すイメージ図である。
図3図1の情報処理システムのうち、フィルタ管理サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図3のフィルタ管理サーバの機能的構成のうち、アルゴリズム更新処理と、インセンティブ提供処理とを実現させる機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5】フィルタ管理サービスの内容を示すイメージ図である。
図6図5のステップSS6における、フィルタ管理サーバによるフィードバックのイメージ図である。
図7】フィルタ交換推進サービスの内容を示すイメージ図である。
図8】ユーザが、ユーザ端末のカメラ機能を用いて、自身がシャワーブースで使用しているシャンプーを撮像する様子を示している。
図9】フィルタ管理サーバによる解析の結果を示す図である
図10】ユーザ端末に表示される、サービス提供者からのアドバイスの具体例を示す図である。
図11】解析用データに基づいて生成された、フィルタの交換のタイミングと、フィルタが発揮する能力との関係を示すグラフである。
図12図11で示されたフィルタの能力を正規化して、5種類のフィルタの能力を100点満点で評価して可視化したものである。
図13】ユーザに対し、サービス提供者からインセンティブが提供されるまでの流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
[システム構成]
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態であるフィルタ管理サーバ1を含む、情報処理システムの構成を示す図である。
【0011】
図1に示す情報処理システムは、フィルタ管理サーバ1と、水循環管理システムWに含まれる、水管理サーバ10と、ユーザ端末2-1乃至2-n(nは1以上の任意の整数値)とが、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されることで構成される。
【0012】
フィルタ管理サーバ1は、サービス提供者Mにより管理されるサーバであり、ユーザ端末2-1乃至2-nの各動作を管理する。フィルタ管理サーバ1は、水循環管理システムWの水処理装置3に使用されるフィルタ31の交換等の管理を行う。
水管理サーバ10は、水循環管理システムWを管理するサーバである。
ユーザ端末2-1乃至2-nの夫々は、水循環管理システムWを利用するユーザU1乃至Unが操作する情報処理装置である。ユーザ端末2-1乃至2-nは、スマートフォン、タブレット端末等で構成される。なお、以下、ユーザ端末2-1乃至2-n、ユーザU1乃至Unの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「ユーザ端末2」、「ユーザU」の夫々と呼ぶ。
【0013】
次に、本発明の情報処理装置の一実施形態であるフィルタ管理サーバ1により管理されるフィルタ31を、排水の浄化する浄化手段として採用する水循環管理システムWの構成について説明する。
図2は、水循環管理システムWの構成を示すイメージ図である。
【0014】
図2に示す水循環管理システムWは、水管理サーバ10と、ユーザ端末2-1乃至2nと、水処理装置3と、処理済水センサ4C-1乃至4C-4と、排水センサ4D-1乃至4D-4と、シャワーブース5-1乃至5-4とを含むように構成されている。なお、ネットワークNには、水循環管理システムWの外部サーバとして、フィルタ管理サーバ1が接続されている。
水管理サーバ10と、ユーザ端末2-1乃至2nと、水処理装置3と、処理済水センサ4C-1乃至4C-4と、排水センサ4D-1乃至4D-4と、シャワーブース5-1乃至5-4とは、インターネット(Internet)等のネットワークNを介して相互に接続されている。
【0015】
水循環管理システムWは、水処理装置3に複数のシャワーブース5-1乃至5-4を直列、並列又は直列及び並列の組合せにより水路WLで配管し接続する構成となっている。なお、水路WLのうち、実線は処理済水が流れる水路を示し、破線は排水が流れる水路を示している。水管理サーバ10は、水路WL、又は後述するバルブ52に取り付けられた処理済水センサ4C-1乃至4C-4、及び排水センサ4D-1乃至4D-4の夫々のセンシングにより得られたセンシングデータに基づいて、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々の利用状況を検知する。
【0016】
なお、処理済水センサ4C-1乃至4C-4の夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「処理済水センサ4C」の夫々と呼ぶ。また、排水センサ4D-1乃至4D-4の夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「排水センサ4D」の夫々と呼ぶ。また、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「シャワーブース5」の夫々と呼ぶ。
以下、水循環管理システムWを構成する各要素について説明する。
【0017】
(水管理サーバ)
水管理サーバ10は、水循環管理システムWを管理するサーバであり、センシング手段のセンシングにより得られたセンシングデータに基づいて、1以上の使用手段の夫々に対する処理済水の入力を制御する。
具体的には、水管理サーバ10は、処理済水センサ4C-1乃至4C-4、及び排水センサ4D-1乃至4D-4のセンシングにより得られたセンシングデータに基づいて、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々に対する処理済水の入力を制御する。
【0018】
また、水管理サーバ10は、センシングデータに基づいて、1以上の使用手段における、処理済水の使用開始、使用停止、使用量、及び使用時間等、処理済水に関する各種情報と、排水の排水開始、排水停止、排水量、水質汚染度等、排水に関する各種情報とのうち少なくとも1つを含む情報(以下、「水使用情報」と呼ぶ)を生成する。
具体的には、水管理サーバ10は、センシングデータに基づいて、シャワーブース5-1乃至5-4における水使用情報を生成する。
【0019】
また、水管理サーバ10は、センシングデータに基づいて、1以上の使用手段の夫々を利用するユーザUの利用状況と、1以上の使用手段の夫々を利用しようとするユーザUが使用手段を利用できるようになるまでの時間とのうち少なくとも一方を含む情報(以下、「ユーザ利用情報」と呼ぶ)を生成する。具体的には、水管理サーバ10は、センシングデータに基づいて、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々を利用するユーザUの利用状況と、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々を利用しようとするユーザUがシャワーブース5を利用できるようになるまでの時間とのうち少なくとも一方を含むユーザ利用情報を生成する。ここで、ユーザUの利用状況には、ユーザUに関する情報として、ユーザUの性別、年齢、体重、身長、ユーザUが使用する洗剤(ボディーソープ、シャンプー等)に関する情報、洗剤を使用するタイミング、洗剤を使用する際の趣向(シャンプーを2回使用する等)といった情報が含まれる。
【0020】
(水処理装置)
水処理装置3は、フィルタ31と、排水処理タンク32と、貯水タンク33とを含むように構成されている。水処理装置3は、フィルタ31を用いて、シャワーブース5から出力された排水の処理を行い、シャワーブース5で再利用可能な処理済水を生成する。
【0021】
フィルタ31は、図示はしないが、1以上のフィルタ31-1乃至フィルタ31-m(mは1以上の任意の整数値)で構成されている。即ち、フィルタ31は、ストレーナー、糸巻きタイプのフィルタ、セディメントフィルタ、限外濾過(Ultra Filtration Membrane)タイプのフィルタ(以下、「UFフィルタ」と呼ぶ)、精密濾過フィルタ、逆浸透(Reverse Osmosis Membrane)タイプのフィルタ(以下、「ROフィルタ」と呼ぶ)、正浸透フィルタ、イオン交換フィルタ、生物処理、活性炭フィルタ、ナノフィルタ(NF)、砂ろ過、セラミックフィルタ、遠心分離フィルタなどのうち少なくとも1つ以上で構成される。
【0022】
排水処理タンク32は、中間タンクと濃縮タンクとを含むように構成されている。中間タンクは、一部のフィルタ31を通過した水を一時的に貯めて浄化を行う。浄化により生じた濃縮水は、濃縮タンクに一時的に貯められて、メンテナンスが実施された際に廃棄される。このように、中間タンクを設けて、水の浄化を行うことにより、フィルタ31の消耗が減るため、フィルタ31の寿命を引き延ばすことができる。また、中間タンクに水を一時的に貯めておくことにより、水の全有機炭素(TOC)と全窒素(TN)とを推定することもできる。これにより、水の分析にかけるコストを削減することができる。
貯水タンク33は、生成された処理済水を貯めておくためのタンクである。貯水タンク33に貯められた処理済水は、シャワーブース5に出力される。
【0023】
(処理済水センサ)
処理済水センサ4Cは、1以上の使用手段の夫々に入力される処理済水のセンシングを行う。
具体的には、処理済水センサ4Cは、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々に入力される処理済水のセンシングを行う。
【0024】
(排水センサ)
排水センサ4Dは、1以上の使用手段の夫々から出力された排水のセンシングを行う。
具体的には、排水センサ4Dは、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々から出力された排水のセンシングを行う。
【0025】
処理済水センサ4C及び排水センサ4Dは、水圧、流量、pH、粘度、濁度、色度、臭気、全有機炭素、全無機炭素、全炭素、硝酸態窒素、亜硝酸体窒素、アンモニア態窒素、全窒素、残留塩素、全リン、電気伝導度、及び温度の検知を可能とする少なくとも1つ以上のセンサで構成されている。
【0026】
(シャワーブース)
シャワーブース5は、ユーザUが利用するシャワーを備えるブースであり、ポンプ51と、バルブ52と、シャワーヘッド53と、タッチパネル54と、排水パン(図示せず)とを備える。シャワーブース5は、使用するユーザUの種別に応じて、男性用、女性用、子供用、ペット用等に利用条件を設定することができる。
【0027】
ポンプ51は、生成された処理済水の少なくとも一部を、バルブ52を介してシャワーヘッド53に入力する。また、ポンプ51は、生成された処理済水の少なくとも一部を、他のシャワーブース5が備えるポンプ51に送り出す。
具体的には例えば、図1に示すように、ポンプ51-1は、水処理装置3により生成された処理済水の少なくとも一部を、バルブ52-1を介してシャワーヘッド53-1に入力する。また、ポンプ51-1は、水処理装置3により生成された処理済水の少なくとも一部を、シャワーブース5-2が備えるポンプ51-2に送り出す。
ポンプ51-1乃至51-4は、容積式ポンプ、非容積式ポンプ、水槌ポンプ、気泡ポンプ、噴射ポンプ、水中ポンプ等のポンプで構成されている。
【0028】
バルブ52は、シャワーブース5を利用するユーザUが、シャワーヘッド53から散水される処理済水の圧力を調節する操作をおこなうためのバルブである。
シャワーヘッド53は、ポンプ51により入力された処理済水を散水するためのシャワーヘッドである。
タッチパネル54は、シャワーブース5の外壁に取り付けられているタッチパネルであり、水使用情報、及びユーザ利用情報を表示する。また、タッチパネル54は、シャワーブース5を利用しようとするユーザUの入力操作を受け付ける。
【0029】
[ハードウェア構成]
図3は、図1の情報処理システムのうち、フィルタ管理サーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0030】
フィルタ管理サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memoy)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0031】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0032】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0033】
出力部16は、液晶等のディスプレイにより構成され、各種画像を表示する。
入力部17は、各種ハードウェア釦等で構成され、操作者の指示操作に応じて各種情報を入力する。
【0034】
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えばユーザ端末2、水管理サーバ10)との間で行う通信を制御する。
【0035】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0036】
このような図3のフィルタ管理サーバ1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、後述する各種処理の実行が可能になる。
なお、図示はしないが、図1の情報処理システムのうち、ユーザ端末2、水管理サーバ10も、図3に示すハードウェア構成を有している。ただし、ユーザ端末2は、出力部16及び入力部17として、タッチパネルを有している。
【0037】
[機能的構成]
図4は、図3のフィルタ管理サーバ1の機能的構成のうち、アルゴリズム更新処理と、インセンティブ提供処理とを実現させる機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0038】
「アルゴリズム更新処理」とは、データ解析の結果に基づいて、水処理装置3を動作させるアルゴリズムを更新する処理をいう。
「インセンティブ提供処理」とは、フィルタ31の交換を行ったユーザUや、各種情報を提供したユーザUに対し、インセンティブを提供する処理をいう。
【0039】
図4に示すように、フィルタ管理サーバ1のCPU11においては、アルゴリズム更新処理が実行される場合には、取得部101と、分析部102と、画像等解析部103と、分析結果解析部104と、更新部105とが機能する。また、インセンティブ提供処理が実行される場合には、取得部101と、分析部102と、画像等解析部103と、分析結果解析部104と、提供部106とが機能する。
なお、記憶部18の一領域には、解析DB401が設けられている。
【0040】
取得部101は、排水を通過させることで浄化させるフィルタ31の性能の解析に必要となる情報を含む各種情報を取得する。
分析部102は、取得部101により取得された情報に基づいて、フィルタ31の分析を行う。分析部102による分析の結果は、画像等解析部による解析の対象になる解析用データとして、解析DB401に記憶されて管理される。
画像等解析部103は、取得部101により取得された情報に基づいて、画像及び文章の解析を行う。
分析結果解析部104は、分析部102による分析の結果の解析を行う。また、分析結果解析部104は、画像等解析部103による解析の結果の解析を行う。分析結果解析部104による解析の結果は、解析DB401に記憶されて管理される。
更新部105は、分析結果解析部104による解析の結果に基づいて、水処理装置3を動作させるアルゴリズムの更新を行う。
提供部106は、分析結果解析部104による解析の結果に基づいて、ユーザUに対しインセンティブを提供する。
【0041】
解析DB401には、分析結果解析部104による解析の結果が記憶されて管理されている。
【0042】
[サービス内容]
(フィルタ管理サービス)
次に、図5を参照するとともに、水循環管理システムWを示す図2を適宜参照して、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るフィルタ管理サーバ1が実行する処理により提供可能なフィルタ管理サービスについて説明する。
図5は、フィルタ管理サービスの内容を示すイメージ図である。
【0043】
図5に示すように、ステップSS1において、ユーザUは、水処理装置3(図2)から使用済フィルタ31aを取り外すとともに、水を使用する場所、水を排出する場所、又は水処理装置3の内部等に存在する水を採取する。具体的には例えば、シャワーブース5(図2)に処理済水が入力されるタイミング、処理済水がシャワーヘッド53から散水されたタイミング、排水がシャワーブース5から出力されたタイミング等、あらゆるタイミングの水を採取する。以下、採取された水のことを「サンプル水」DWと呼ぶ。サンプル水DWの採取を行うことにより、サンプル水DWを分析することにより得られるデータと、別途水循環管理システムWから出力される各種データとの比較が可能になる。また、使用済フィルタ31aに、採取されたサンプル水DWとは異なる水を通過させることで、通過させる水の違いが水処理に与える影響を比較することができる。
【0044】
ステップSS2において、ユーザU(図1)は、サービス提供者M(図1)に対し、水循環管理システムWから出力された、使用済フィルタ31aの解析を含む水処理装置3の利用状況の解析に必要となるデータ(以下、「解析用データ」と呼ぶ)を送信する。具体的には、ユーザUは、ユーザ端末2を操作することにより、解析用データをフィルタ管理サーバ1に送信する。
フィルタ管理サーバ1に送信される解析用データには、以下の3種類のデータが含まれる。即ち、水質に関するデータ(以下、「水質データ」と呼ぶ)、水処理装置3の稼働状態を示すデータ(以下、「稼働データ」と呼ぶ)、及びフィルタ31に関するデータ(以下、「フィルタデータ」と呼ぶ)、が含まれる。
水質データには、水処理装置3の排水処理の結果として生成された処理済水の水質を示すデータ、貯水タンク33内の処理済水の水質を示すデータ、及びシャワーブース5から出力された排水の水質を示すデータ等が含まれる。
稼働データには、ポンプ51-1乃至51-4(図2)の稼働状態を示すデータ、適切なメンテナンスが実施されているかどうかを示すデータ、排水処理タンク32(図2)及び貯水タンク33(図2)の水量を示すデータ、水処理装置3がおかれている環境を示すデータ等が含まれる。
フィルタデータには、フィルタ31の種類を示すデータ、フィルタ31(図2)の消耗度を示すデータ等が含まれる。フィルタデータは、フィルタ31に付されたQRコード(登録商標)等の識別子やICタグ等を用いてフィルタ31毎に管理される。
【0045】
ステップSS3において、ユーザUは、使用済フィルタ31aと、採取されたサンプル水DWとを輸送パックBにパッキングし、これをサービス提供者Mに送付する。具体的には、使用済フィルタ31aは、交換時の状態を保持したまま、サービス提供者Mに送付される。
【0046】
ステップSS4において、サービス提供者Mは、ユーザUから送付されてきた使用済フィルタ31aの分析、採取された排水の水質の分析、及び使用済フィルタ31aの消耗原因の分析を行う。なお、これらの分析は、サービス提供者Mが自ら行う場合もあるし、サービス提供者Mから依頼された検査分析機関が行う場合もある。分析により得られた使用済フィルタ31aに関する詳細データは、解析用データとして、後述するステップSS5における解析に用いられる。
【0047】
ステップSS5において、サービス提供者Mは、解析用データの解析を行う。具体的には、水質データの解析、稼働データの解析、及びフィルタデータの解析が含まれる。
【0048】
ステップSS6において、サービス提供者Mは、解析の結果に基づいて、水処理装置3に装着すべきフィルタ31として好適なものを選択し、選択されたフィルタ31をユーザUに送付する。また、サービス提供者Mは、解析の結果を水処理装置3にフィードバックする。具体的には、サービス提供者Mは、解析の結果を水管理サーバ10(図1)に入力することにより、水処理装置3を動作させるアルゴリズムを更新する。これにより、効率的な排水処理を実現することができる。なお、フィルタ管理サーバ1によるフィードバックのイメージについては、図6を参照して後述する。
【0049】
ステップSS7において、サービス提供者Mは、ステップSS4における分析の結果と、ステップSS5における解析の結果に基づいて、使用済フィルタ31aを、水処理装置3に装着可能なフィルタ31として再生させる。具体的には、使用済フィルタ31aのうち、再生処理が必要なレベルの消耗が認められると判定された使用済フィルタ31aに対しては、薬品による再生処理、又は物理的な手法による再生処理が施される。
【0050】
ユーザUは、サービス提供者Mに対し、使用済フィルタ31aの保管を依頼することができる。ユーザUからの保管依頼を受けたサービス提供者Mは、保管の対象となっている使用済フィルタ31aを保管ケースCに収納して保管する。具体的には、サービス提供者Mは、ステップSS4における分析の結果と、ステップSS5における解析の結果に基づいて、保管の対象となっている使用済フィルタ31aの保管に適した環境に保管する。なお、使用済フィルタ31aの保管に適した環境としては、例えば薬品を用いた保管、特殊環境の下での保管等が挙げられる。
【0051】
図6は、図5のステップSS6における、フィルタ管理サーバ1によるフィードバックのイメージ図である。
【0052】
図6に示すように、水処理装置3のフィルタ31は、フィルタ交換の前後で、構成に変化が生じている。即ち、フィルタ交換前のフィルタ31は、フィルタA、フィルタB、及びフィルタCからなる構成となっていたが、フィルタ交換後のフィルタ31は、フィルタA´、フィルタB´、及びフィルタCからなる構成に変わっている。これは、フィルタ交換時の分析により得られた結果のフィードバックが行われ、より好適なフィルタの構成に変更されたためである。これにより、効率的な排水処理を実現することができる。
【0053】
(フィルタ交換推進サービス)
次に、図7を参照するとともに、水循環管理システムWを示す図2を適宜参照して、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るフィルタ管理サーバ1が実行する各種処理により実現可能な、フィルタ交換推進サービスについて説明する。
図7は、フィルタ交換推進サービスの内容を示すイメージ図である。
【0054】
「フィルタ交換推進サービス」とは、図2に示す水循環管理システムWのユーザUに対し、水循環管理システムWで排水の浄化に使用されるフィルタ31の交換、及び各種情報の提供を推進するためのサービスである。
水循環管理システムWの排水処理機能は、フィルタ31の浄化機能に依存するところが大きい。このため、水循環管理システムWにより処理された水をユーザUが快適に使用し続けるためには、フィルタ31の浄化機能が十分に発揮されている状態を維持する必要がある。そのためには、フィルタ31の定期的な交換が必須となる。
ここで、フィルタ31を定期的に交換するためには、ユーザUがフィルタ31を定期的に交換しようとする積極的な意思が必要となる。しかしながら、ユーザUの中には、フィルタ31を交換する重要性の認識が不足していたり、交換を面倒に感じたり、交換を忘れてしまったりする者が多い。
そこで、サービス提供者Mは、そのようなユーザUを含む全てのユーザUに対し、フィルタ交換推進サービスを提供する。これにより、ユーザUは、交換時期が到来したフィルタ31を交換する手続きを行うだけで、後述する各種のインセンティブを受けることができる。その結果、ユーザUは水循環管理システムWの機能を維持することができ、サービス提供者Mは使用済フィルタの回収を推進させるというメリットを夫々享受することができる。
【0055】
フィルタ交換推進サービスの具体的な流れは、図7に示すように、ステップSS21において、ユーザUは、ユーザ端末2を操作することにより、水循環管理システムWで管理されているユーザ利用情報をユーザ端末2に入力する。ユーザ利用情報をユーザ端末2に入力する具体的手法は特に限定されない。例えば、水管理サーバ10からユーザ端末2に送信されてきたユーザ利用情報を受信してもよいし、ユーザ端末2に表示されたアンケート入力画面(図示せず)に入力がなされてもよい。また、ユーザ端末2のカメラ機能を用いて撮像された撮像画像が入力されてもよい。なお、ユーザ端末2のカメラ機能を用いて撮像された撮像画像を入力する具体例については、図8を参照して後述する。
【0056】
ステップSS22において、ユーザU(図1)は、サービス提供者M(図1)に対し、解析用データを送信する。具体的には、ユーザUは、ユーザ端末2を操作することにより、解析用データをフィルタ管理サーバ1に送信する。
フィルタ管理サーバ1に送信される解析用データには、センシングデータ、水使用情報、稼働データ、フィルタデータ、及びユーザ利用情報が含まれる。
【0057】
ステップSS23において、ユーザUは、ユーザ利用情報を少なくとも含む情報をサービス提供者Mに送付する。具体的には、ユーザUは、ユーザ端末2を操作することにより、ユーザ利用情報を少なくとも含む情報をフィルタ管理サーバ1に送信に送付する。
【0058】
ステップSS24において、サービス提供者Mは、ユーザUから送信されてきたユーザ利用情報を少なくとも含む情報を取得し記憶するとともに解析を行う。具体的には、サービス提供者Mにより管理されるフィルタ管理サーバ1は、ユーザ端末2から送信されてきたユーザ利用情報を少なくとも含む情報を取得し記憶するとともに解析を行う。ユーザ利用情報を少なくとも含む情報の解析は、画像解析や文章処理によって行われる。ユーザ利用情報を少なくとも含む情報の解析により得られたこと分析により得られた使用済フィルタ31aに関する詳細データは、解析用データとして、後述するステップSS25における解析に用いられる。
【0059】
ステップSS25において、サービス提供者Mは、解析用データの解析を行う。具体的には、フィルタ管理サーバ1は、センシングデータの解析、水使用情報の解析、稼働データの解析、フィルタデータの解析、ユーザ利用情報の解析を行う。
【0060】
ステップSS26において、サービス提供者Mは、ユーザUに対してインセンティブの提供を行う。ユーザUに提供されるインセンティブには、ポイント、クーポン、フィルタ31のスペア、贈答品といった「物」によるインセンティブの提供と、ユーザUの健康状態に関する情報の通知サービス、水処理装置3の利用方法として推奨できるものに関する情報の提供といった「サービス」によるインセンティブの提供とが含まれる。
【0061】
図8乃至図10は、ユーザ端末2のカメラ機能を用いて撮像された撮像画像の具体例を示す図である。
【0062】
図8は、ユーザUが、ユーザ端末2のカメラ機能を用いて、自身がシャワーブース5で使用しているシャンプーIを撮像する様子を示している。
撮像されたシャンプーIの撮像画像は、ユーザ端末2からフィルタ管理サーバ1に送信される。
フィルタ管理サーバ1は、ユーザ端末2から送信されてきたシャンプーIの撮像画像をユーザ利用情報として取得し、解析を行う。
【0063】
図9は、フィルタ管理サーバ1による解析の結果を示している。フィルタ管理サーバ1による解析の結果は、ユーザ端末2に表示される。具体的には、フィルタ管理サーバ1による画像解析と文章処理の結果として、シャンプーIの撮像画像とともに、シャンプーIの成分、水質への影響、水処理装置3への影響が表示されている。これにより、ユーザUは、自身がシャワーブース5で使用するシャンプーIがどのような影響を与えているのかを容易に認識することができるので、洗髪に使用するシャンプーを購入する際の参考情報とすることができる。
【0064】
図10は、ユーザ端末2に表示される、サービス提供者Mからのアドバイスの具体例を示している。
具体的には、上述した図6で示したシャンプーIに関するサービス提供者Mからのアドバイスとして、ユーザ端末2に、「You can get an advice.Please provide a data?」と表示される。即ち、ユーザUに対し、使用中のシャンプーIについてサービス提供者M側からアドバイスがあることと、参考となるデータを提供するか否かについての選択が求められている。ここで、ユーザUが、データの提供を受ける旨を示す操作を行うと、サービス提供者M側からシャンプーIのアドバイスに関するデータが表示される。具体的には、ユーザ端末2に、「Now 50mL → Recommend 15mL」と表示される。即ち、サービス提供者M側からのアドバイスとして、現在、1回の洗髪にシャンプーIを50mL使用しているが、これを15mLに減らすことが薦められている。このように、サービス提供者M側から具体的なアドバイスが提示されるので、ユーザUは、アドバイスに従って行動することにより、水質への影響や、健康への影響を抑えることができるので、フィルタ31の交換寿命を引き延ばすことができる。
【0065】
以上のように、サービス提供者Mは、水管理サーバ10に入力させたアルゴリズムにより、水処理装置3を動作させるとともに、解析用データとして取得した各種データの解析結果に基づいて、アルゴリズムを更新する。
また、サービス提供者Mは、情報を提供したユーザUや、フィルタ31の交換を行ったユーザUに対し、インセンティブの提供を行う。
これにより、アルゴリズムの精度を向上させることができる。
【0066】
次に、図11及び図12を参照して、水処理装置3を動作させるアルゴリズムの具体例について説明する。
図11は、解析用データに基づいて生成された、フィルタ31の交換のタイミングと、フィルタ31が発揮する能力との関係を示すグラフである。
【0067】
横軸は時間を示しており、縦軸はフィルタ31の能力を示している。「★交換」と表示されたタイミングでフィルタ交換が行われている。
図11に示すように、フィルタ31の能力は、フィルタ交換に即して改善している。
【0068】
図12は、上述の図11で示されたフィルタ31の能力を正規化して、5種類のフィルタ31の能力を100点満点で評価して可視化したものである。
【0069】
図12に示すように、フィルタ31の能力を個別に点数化することにより、フィルタ31の現状を可視化できるので、ユーザUは一見してフィルタ31の交換寿命を把握することができる。
具体的には、図12に示す例では、フィルタ31のうち、フィルタナンバーを[A]とするフィルタ31の能力は60ポイント、フィルタナンバーを[A]とするフィルタ31の能力は60ポイント、フィルタナンバーを[B]とするフィルタ31の能力は80ポイント、フィルタナンバーを[C]とするフィルタ31の能力は60ポイント、フィルタナンバーを[D]とするフィルタ31の能力は80ポイント、フィルタナンバーを[E]とするフィルタ31の能力は100ポイントとなっている。
このように、図11のグラフから、フィルタ31の消耗度を推定し検知するアルゴリズムを導き出し、図12に示すように可視化することができる。
【0070】
図11のグラフから導き出されたアルゴリズムは、フィルタ31の状態を測定し、またフィルタ31の消耗原因を特定することで、より精緻なものに更新することができる。
具体的には、フィルタ交換のために回収されたフィルタ31について、以下のような手法を用いた分析を行う。即ち、回収されたフィルタ31は、顕微鏡、共焦点顕微鏡、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡、プローブ顕微鏡等によって表面の性状が観察される。そして、フィルタ31の表面に付着した物質が採集され、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、エネルギー分散型X線分析等の分析装置にかけられることでフィルタ31の目詰まりの原因や物質が特定される。また、フィルタ31の基本的な性能を評価するために、圧力、流量を変化させて、フィルタ31の消耗度の正確な値を算出するとともに、基本除去性能および溶出物を分析する。これにより、フィルタ31の状態が正確に測定される。
【0071】
フィルタ31の状態が判別された後は、消耗原因に則した再生方法又は保管方法が選択される。再生方法については、例えばフィルタ31にカルシウム系が沈着していることが主要因の場合には、塩酸などの酸性液体による洗浄が行われることでフィルタ31の状態を改善させることができる。また、フィルタ31にタンパク質が沈着していることが主要因の場合には、水酸化ナトリウムを代表とするアルカリ性の液体による溶解が行われることでフィルタ31の状態を改善させることができる。フィルタ31の種類や状態によっては、水中保管が適当であると判断された場合には、純水、アクリル酸、重亜硫酸ナトリウム水溶液等の中で保管することが好ましい。
【0072】
このように、フィルタ31の目詰まりの原因や状態を詳細に分析するとともに、分析結果とユーザ利用情報とを組み合わせることで、処理済水の利用時間を長持ちさせたり、フィルタ31の構成として推奨する構成を提案したりすることができる。これにより、ユーザUが負担するランニングコストを低減させることができる。
【0073】
次に、図13を参照して、解析用データを提供したユーザUや、フィルタ31の交換を実施したユーザUに対し、サービス提供者Mからインセンティブが提供されるまでの流れについて説明する。
【0074】
図13は、ユーザUに対し、サービス提供者Mからインセンティブが提供されるまでの流れを示す図である。
図13の左上に示すように、水処理を行う水処理装置3から出力されたデータのうち、センシングデータ及び稼働データは、そのまま解析用データとして用いられる。
【0075】
また、図13の左上及び右上に示すように、水処理を行う水処理装置3から交換のために回収されたフィルタ31及び採取されたサンプル水DWは、輸送パックにパッキングされて、サービス提供者Mに送付されて分析される。フィルタ31の分析(実フィルタ分析)では、フィルタの表面の分析(フィルタ表面分析)と、フィルタの能力の分析(フィルタ能力分析)とが行われる。このうち、フィルタの表面の分析(フィルタ表面分析)では、フィルタ31に付着した物の分析(付着物分析)と、フィルタ31の性状の分析(表面性状分析)とが行われる。また、フィルタの能力の分析(フィルタ能力分析)では、フィルタ31の基礎性能の分析(基礎性能分析)と、フィルタ31の除去能力の分析(除去能力分析)とが行わる。これらの分析の結果得られた情報は、データ解析用情報としてデータ解析に用いられる。
【0076】
また、図13の左上及び右上に示すように、水処理を行う水処理装置3から得られるユーザ利用情報は、画像データ及び文書データとして、夫々画像解析及び文章処理の対象になる。このうち文章処理された文章データは、ユーザ利用情報として解析用データに包含される。また、画像解析では、フィルタ31を撮像した撮像画像の分析(フィルタ画像分析)と、ユーザUがシャワーブース5で使用する洗剤の解析(洗剤解析)とが行われる。フィルタ31を撮像した撮像画像の分析(フィルタ画像分析)では、フィルタ31の消耗原因を推定するための分析と、未使用のフィルタ31との比較による分析(未使用品差分分析)と、フィルタ31に付着した物の付着原因を推定する分析(付着物推定分析)とが行われる。また、ユーザUがシャワーブース5で使用する洗剤の解析(洗剤解析)では、水質への影響と、フィルタ31への影響とが解析される。
【0077】
フィルタ管理サーバ1によるデータの解析が行われると、解析の結果に基づいて、水処理装置3を動作させるアルゴリズムが更新されて、水処理装置3にフィードバックされる。
また、フィルタ管理サーバ1による解析の結果に基づいて、ユーザUに対し、例えば以下のような情報がインセンティブとして提供される。即ち、洗剤を用いてユーザUの身体(頭髪等)を洗浄する際の推奨利用方法を提供するサービス、ユーザUの健康状態を示す情報を提供するサービス、フィルタ31の消耗度を低減化させるための推奨利用方法を提供するサービス等がインセンティブとして提供される。
【0078】
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0079】
例えば、上述の実施形態において、フィルタ31の個数は3個又は5個の構成となっているが、これは例示に過ぎず、3個又は5個以外で構成させることもできる。
【0080】
また例えば、上述の実施形態では、ユーザUに対し提供されるインセンティブとして、ユーザUが使用しているシャンプーIの使用量についてのアドバイスが例示されているが、これに限定されない。ユーザUは、例えば身体の洗浄方法について推奨できる方法をアドバイスしてもらえることもできる。
【0081】
また例えば、上述の実施形態では、画像解析対象としてシャンプーIが例示されているが、これに限定されない。フィルタ31の撮像画像を解析することで、消耗度を判定することもできる。
【0082】
また例えば、上述の実施形態において、ユーザUによる操作は、ユーザ端末2に対するものとなっているが、これに限定されない。シャワーブース5が備えるタッチパネル54に対する操作であってもよい。即ち、ユーザUは、ユーザ端末2にインストールされたアプリケーションプログラムを起動させて操作することもできるし、シャワーブース5が備えるタッチパネル54に表示されたGUI(グラフィカルユーザインタフェース)を操作することもできる。
【0083】
また例えば、上述の実施形態において、分析結果解析部104は、主としてフィルタの性能の解析を行うこととして説明をおこなっているが、これに限定されない。
即ち、分析結果解析部104は、フィルタの性能だけでなく、例えば、サンプル水の解析も可能である。これにより、サンプル水の解析の結果を踏まえて、アルゴリズムが更新されるため、より効率的な排水処理が可能となる。なお、この場合、当然ながら、取得部101は、フィルタの性能の解析に必要となる情報に加えて、サンプル水の解析に必要となる情報を取得する。
【0084】
また例えば、上述の実施形態(主として図11及び図12)において、水処理装置3を動作させるアルゴリズムの具体例について説明した。
しかしながら、水処理装置3は、単一のアルゴリズムによって動作される必要はなく、複数のアルゴリズムを駆使して、水処理装置3を動作させることも可能である。
例えば、サーバ1は、GPS等を利用して位置情報を取得して、その情報を考慮して、採用するフィルタの量を増減させる等のアルゴリズムを採用することができる。
【0085】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図4の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図4に特に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0086】
また例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであっても良い。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0087】
また例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0088】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0089】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば図1のフィルタ管理サーバ1)は、
1以上のフィルタ(例えば図2のフィルタ31)を用いて排水の処理を行う水処理システムを管理する情報処理装置おいて、
前記1以上のフィルタの性能又は採取された水(例えばサンプル水DW)の解析に必要となる情報を取得する取得手段(例えば図4の取得部101)と、
前記取得手段により取得された前記情報に基づいて、前記1以上のフィルタの分析を行う分析手段(例えば図4の分析部102)と、
前記分析手段の分析の結果に基づいて、前記1以上のフィルタ又は採取された水の解析を行う第1解析手段(例えば図4の分析結果解析部104)と、
前記第1解析手段の解析の結果に基づいて、前記水処理に関するアルゴリズムの更新を行う更新手段(例えば図4の更新部105)と、
を備える。
これにより、水処理浄化システムに関するアルゴリズムの生成又は更新を適切に行うことができる。
【0090】
また、前記取得手段により取得された前記情報に基づいて、画像及び文章の解析を行う第2解析手段(例えば図4の画像等解析部103)をさらに備え、
前記第1解析手段は、さらに、前記第2解析手段による解析の結果の解析を行うことができる。
これにより、ユーザからの使用済フィルタの回収、及び各種情報の提供をさらに推進させる技術を提供することができる。
【0091】
また、前記第1解析手段の解析の結果に基づいて、前記水処理システムのユーザ(例えば図1のユーザU)に対して、前記1以上のフィルタの性能の解析に必要となる前記情報の開示又は当該情報の生成に必要な使用済みのフィルタの回収に協力してもらうためのインセンティブを提供する提供手段(例えば図4の提供部106)をさらに備えることができる。
これにより、水浄化システムの使用者にインセンティブを提供することで、使用済フィルタの回収、及び各種情報の提供についてのユーザからの協力を推進させる技術を提供することができる。
【0092】
また、本発明が適用される回収分析方法は、
水浄化システムに使用したフィルタを回収し分析する方法であり、前記フィルタは水浄化システムより消耗判定を受け、前記使用したフィルタを輸送パックに入れ、前記輸送パックを輸送し、フィルタを分析することができる。
【0093】
また、本発明が適用される方法は、
水浄化システムに使用したフィルタを回収し分析しフィードバックする方法であり、前記フィルタは水浄化システムより消耗判定を受け、前記使用したフィルタを輸送パックに入れ、前記輸送パックを輸送し、フィルタを分析し、分析結果から使用環境または使用状況に即したフィルタを提供することができる。
【0094】
また、本発明が適用される方法は、
水浄化システムに使用したフィルタを回収し分析し再生する方法であり、前記フィルタは水浄化システムより消耗判定を受け、前記使用したフィルタを輸送パックに入れ、前記輸送パックを輸送し、フィルタを分析し、前記分析の結果から再生方法を決定し、前記再生方法を利用して前記使用したフィルタを再生することができる。
【0095】
また、本発明が適用される方法は、
水浄化システムに使用したフィルタを回収し保管する方法であり、前記フィルタは前記水浄化システムより取り外され、前記使用したフィルタを輸送パックに入れて輸送し、前記フィルタを分析し保管方法を決定し、使用したフィルタを保管することができる。
【0096】
また、本発明が適用される方法は、
水浄化システム使用者へのインセンティブを提供する方法であり、
使用者が使用している洗剤および環境のデータを、メディアを通してメディア集積地に提供することで、
前記データに対して、インセンティブを提供することができる。
【0097】
また、本発明が適用される方法は、
水浄化システム使用者へ推奨使用方法を通知する方法であり、
使用者が使用している洗剤および環境のデータを、メディアを通してメディア集積地に提供することで、
使用者に推奨の使用法を通知することができる。
【0098】
また、本発明が適用されるシャワーアプリケーションは、
水浄化システムを利用したシャワーアプリケーションであり、使用者が予め登録しておいた使用環境を呼び出すことができる。
【符号の説明】
【0099】
1:サーバ、2,2-1乃至2-n:ユーザ端末、3,3-1乃至3-4:水処理装置、4C,4C-1乃至4C-4:処理済水センサ、4D,4D-1乃至4D-4:排水センサ、5,5-1乃至5-4:シャワーブース、11:CPU、12:ROM、13:RAM、14:バス、15:入出力インターフェース、16:出力部、17:入力部、18:記憶部、19:通信部、20:ドライブ、30:リムーバブルメディア、31:フィルタ、32:排水処理タンク、33:貯水タンク、51,51-1乃至51-4:ポンプ、52,52-1乃至52-4:バルブ、53,53-1乃至53-4:シャワーヘッド、54,54-1乃至54-4:タッチパネル、101:取得部、102:分析部、103:分析結果解析部、104:画像等解析部、105:更新部、106:提供部、401:解析DB、W:水循環管理システム、U,U1乃至Un:ユーザ、WL:水路、N:ネットワーク、DW:サンプル水
図1
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