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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】改善されたブロモクリプチン製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/48 20060101AFI20230221BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20230221BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20230221BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20230221BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230221BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20230221BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20230221BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20230221BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230221BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
A61K31/48
A61K9/20
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/26
A61K47/44
A61P3/00
A61P3/10
A61P25/00
A61P43/00 111
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2020522290
(86)(22)【出願日】2018-10-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 US2018056554
(87)【国際公開番号】W WO2019079623
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-10-18
(31)【優先権主張番号】62/573,839
(32)【優先日】2017-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510193991
【氏名又は名称】ヴェロサイエンス,リミテッド・ライアビリティー・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シンコッタ,アンソニー エイチ.
【審査官】新留 素子
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-510003(JP,A)
【文献】特開平02-121919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロモクリプチン及び賦形剤を含む医薬製剤であって、
前記賦形剤が、トリグリセリド、非ラクトース短鎖糖類及びクエン酸を含
前記ブロモクリプチンがブロモクリプチンクエン酸塩である、医薬製剤。
【請求項2】
前記ブロモクリプチンが少なくとも0.1mgの用量を提供する量で存在する、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
少なくとも80%の前記トリグリセリドのアシル基がC6-C14脂肪酸の脂肪酸アシル基である、又は
少なくとも80%の前記トリグリセリドのアシル基がC14-C26脂肪酸の脂肪酸アシル基である、
請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項4】
少なくとも80%の前記トリグリセリドのアシル基がステアロイル又は12-ヒドロキシステアロイル基である、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項5】
少なくとも80%の前記トリグリセリドのアシル基が飽和される、請求項1~の何れか1項に記載の医薬製剤。
【請求項6】
前記賦形剤が水素添加植物油を含む、請求項1~の何れか1項に記載の医薬製剤。
【請求項7】
ブロモクリプチン及び賦形剤を含む医薬製剤であって、
前記賦形剤はトリグリセリドを含み、
前記医薬製剤は、マグネシウム又はラクトースを含まず、
前記ブロモクリプチンがブロモクリプチンクエン酸塩であり、及び
任意に、前記ブロモクリプチンは、少なくとも0.1mgのブロモクリプチンの用量を提供する量で存在する、医薬製剤。
【請求項8】
前記医薬製剤が錠剤又は経口剤形である、請求項に記載の医薬製剤。
【請求項9】
前記賦形剤がクエン酸、マンニトール及び/又は固体ヒマシ油を含む、請求項7又は8に記載の医薬製剤。
【請求項10】
ブロモクリプチン及び賦形剤を含む医薬製剤であって、
前記賦形剤は短鎖糖類及びトリグリセリドを含み、
前記医薬製剤は、マグネシウム又はラクトースを含まず、
前記ブロモクリプチンがブロモクリプチンクエン酸塩であり、及び
任意に、前記ブロモクリプチンは、少なくとも0.1mgのブロモクリプチンの用量を提供する量で存在する、医薬製剤。
【請求項11】
前記短鎖糖類がマンニトールである、請求項10に記載の医薬製剤。
【請求項12】
前記賦形剤がクエン酸及び/又は固体ヒマシ油を含む、請求項10又は11に記載の医薬製剤。
【請求項13】
前記医薬製剤が錠剤又は経口剤形である、請求項1012の何れか1項に記載の医薬製剤。
【請求項14】
ブロモクリプチン及び賦形剤を含む医薬製剤であって、
前記賦形剤はマンニトール及びトリグリセリドを含み
記医薬製剤は、マグネシウム又はラクトースを含ま及び
前記ブロモクリプチンがブロモクリプチンクエン酸塩である、医薬製剤。
【請求項15】
前記医薬製剤が錠剤又は経口剤形である、請求項14に記載の医薬製剤。
【請求項16】
前記賦形剤がクエン酸及び/又は固体ヒマシ油を含む、請求項14又は15に記載の医薬製剤。
【請求項17】
前記ブロモクリプチンが少なくとも0.1mgのブロモクリプチンの用量を提供する量で存在する、請求項1416の何れか1項に記載の医薬製剤。
【請求項18】
薬製剤がマグネシウム及びラクトースを含まないように、医薬製剤を調製することを含む、ブロモクリプチンを含む医薬製剤の分解を減少する方法であって、
前記医薬製剤が、トリグリセリドを含み、
前記ブロモクリプチンがブロモクリプチンクエン酸塩である、方法
【請求項19】
マグネシウム及びラクトースを含まないブロモクリプチンの医薬製剤であって、
前記医薬製剤が、トリグリセリドを含み、
前記ブロモクリプチンがブロモクリプチンクエン酸塩である、医薬製剤
【請求項20】
前記医薬製剤が非ラクトース崩壊剤を含む、請求項19に記載の医薬製剤。
【請求項21】
ブロモクリプチンクエン酸塩、非ラクトース短鎖糖類、トリグリセリド及びクエン酸を含む
ロモクリプチンクエン酸塩、マンニトール、トリグリセリド及びクエン酸を含む;又
ブロモクリプチンクエン酸塩、短鎖糖類、トリグリセリド、遊離脂肪酸及びクエン酸を含み、且つ任意でステアリン酸を含む、
医薬製剤。
【請求項22】
ロモクリプチンクエン酸塩、非ラクトース短鎖糖類、トリグリセリド及びクエン酸;又はブロモクリプチンクエン酸塩、マンニトール、トリグリセリド及びクエン酸を含む医薬製剤であって、前記ブロモクリプチンクエン酸塩が20℃の少なくとも500mg/Lに対して水溶性であり、前記製剤は、37℃で、500mlの0.1Nの塩酸中、50rpmでUSP Apparatus Type2 Paddle Methodにおいて試験を行った場合、溶解特性を提供し、前記ブロモクリプチンクエン酸塩の少なくとも90%が20分で放出され、40℃以下及び75%のRH条件下で6か月後に、8%超のブロモクリプチニンを生成せず、ブロモクリプチンメシル酸塩よりも水性環境に安定である、医薬製剤。
【請求項23】
ロモクリプチンクエン酸塩、マンニトール、トリグリセリド及びクエン酸を含む医薬製剤であって、前記ブロモクリプチンクエン酸塩が20℃の少なくとも500mg/Lに対して水溶性であり、前記製剤は、37℃で、500mlの0.1Nの塩酸中、50rpmでUSP Apparatus Type2 Paddle Methodにおいて試験を行った場合、溶解特性を提供し、前記ブロモクリプチンクエン酸塩の少なくとも90%が20分で放出され、40℃以下及び75%のRH条件下で6週間後に、1%超のブロモクリプチニンを生成せず、ブロモクリプチンメシル酸塩よりも水性環境に安定である、医薬製剤。
【請求項24】
前記短鎖糖類がマンニトールである、請求項21に記載の医薬製剤。
【請求項25】
ブロモクリプチンクエン酸塩及び賦形剤を含む医薬製剤であって、
前記賦形剤はトリグリセリド、短鎖糖類及びクエン酸を含み、前記医薬製剤はマグネシウム又はラクトースを含まず、並びに
任意に、前記ブロモクリプチンクエン酸塩は、少なくとも0.1mgのブロモクリプチンの用量を提供する量で存在する、医薬製剤。
【請求項26】
前記ブロモクリプチンクエン酸塩が少なくとも500mg/Lに対して水溶性であり、前記製剤は、37℃で、500mlの0.1Nの塩酸中、50rpmでUSP Apparatus Type2 Paddle Methodにおいて試験を行った場合、溶解特性を提供し、前記ブロモクリプチンクエン酸塩の少なくとも90%が20分で放出され、40℃以下及び75%のRH条件下で6か月後に、8%超のブロモクリプチニンを生成せず、ブロモクリプチンメシル酸塩よりも水性環境に安定である、請求項25に記載の医薬製剤。
【請求項27】
代謝障害の主要要素を含む代謝障害を治療するための請求項2126の何れか1項に記載の医薬製剤。
【請求項28】
同種及び同性別の健康な個体におけるその自然の24時間周期のピークの1日の時間に、又は覚醒の4時間以内に、中枢神経系のドーパミン活性を増加させるための、請求項27に記載の医薬製剤。
【請求項29】
0.1~10%のブロモクリプチンクエン酸塩、0.1~10%のクエン酸、30~90%の非ラクトース短鎖糖類、及び0.2~10%のトリグリセリドを含有する医薬製剤。
【請求項30】
60~90%の非ラクトース短鎖糖類を含む、請求項29に記載の医薬製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬製剤並びにその製造方法及び使用、並びにより詳細には、2型糖尿病(T2DM)を含む代謝又は生理障害を治療するのに有用なブロモクリプチンの製剤に関し、また、ブロモクリプチンクエン酸塩の合成、並びに先行技術のブロモクリプチン剤形に比べて増加した安定性及び水溶性を提供するブロモクリプチンクエン酸塩を含有する組成物及び剤形に関する。本発明は、また、ブロモクリプチンクエン酸塩の合成、並びに先行技術のブロモクリプチン剤形に比べて増加した耐熱性及び耐湿性及び水溶性及び水安定性を提供するブロモクリプチンクエン酸塩を含有する組成物及び剤形に関する。別の態様において、本発明は、2型糖尿病(T2DM)を含む代謝障害の治療のためのこれらの組成物及び剤形を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロモクリプチン((5’α)-2-ブロモ-12’-ヒドロキシ-2’-(1-メチルエチル)-5’-(2-メチルプロピル)-エルゴタマン-3’,6’,18-トリオン、CAS登録No.25614-03-3)は、強力なドーパミンD2受容体アゴニストである麦角アルカロイドである。化合物は以下の式を有する。
【0003】
【化1】
【0004】
ブロモクリプチンの固体経口剤形は、最大2.5mgのブロモクリプチンを含有する医薬製剤(例えば錠剤)中又は5mgのブロモクリプチンを含有するカプセル中のブロモクリプチンメシル酸塩((5’α)-2-ブロモ-12’-ヒドロキシ-2’-(1-メチルエチル)-5’-(2-メチルプロピル)-エルゴタマン-3’,6’,18-トリオン)モノメタンスルホン酸塩、CAS登録No.22260-51-1)として入手することができる。ブロモクリプチンのこの剤形は、特定の高プロラクチン血症関連機能不全及び先端巨大症の治療、生理的乳汁分泌の予防、並びにパーキンソン病の治療及びパーキンソン病のためのレボドパ療法に対する耐性の予防に有用である。臨床的試行において、副作用として、悪心、頭痛、眩暈、疲労、意識朦朧、吐き気、腹部疝痛、鼻閉、便秘、下痢及び眠気が挙げられる。ブロモクリプチンが適切な体積で前述のように使用される場合、プロラクチンは、24時間、低レベルに減少される。錠剤あたり0.8mg用量のブロモクリプチンを提供するブロモクリプチンメシル酸塩の医薬製剤であるCYCLOSET(登録商標)は、1日1回の投与についてFDAに承認されており、2~6錠剤(1.6~4.8mgの総用量)で、2型糖尿病の成人の血糖コントロールを改善する。米国特許第8,741,918号明細書、第9,41,005号明細書は、2型糖尿病等の代謝関連病態を治療するのに有用なブロモクリプチン等のドーパミンアゴニストを使用した非経口投与のための組成物を開示する。
【0005】
ブロモクリプチン、特にブロモクリプチンメシル酸塩は、酸化及び異性化によって光、熱及び水分解して、ブロモクリプチニン及びその他の副産物を形成し、並びに酸性環境において化学分解しやすい。ブロモクリプチン及びブロモクリプチンメシル酸塩は、特に水促進性分解、特に酸性水促進性分解しやすく、ブロモクリプチンの生物利用性を制限する。
【0006】
米国特許第4,654,345号明細書は、改善された安定性を有する再構成された製剤を提供する点眼製剤のためのブロモクリプチンの凍結乾燥された製剤を記載している。
【0007】
米国特許第5,066,495号明細書は、賦形剤に含むことによって、又は賦形剤の分離された粒状化によって改善された安定性を有するブロモクリプチン製剤を調製し、造粒物を有効成分及び低水分量を有する賦形剤の混合物と混合する工程を記載している。
【0008】
米国特許第5,344,832号明細書、第5,554,623号明細書及び第5,716,957号明細書は、ドーパミンアゴニスト、例えば、ブロモクリプチン及び/又はプロラクチン刺激剤を投与して、脳の神経中心におけるホルモンタイミングをリセットして、インスリン抵抗性、高インスリン血症及び高血糖症を制御することによって、脂質及び糖代謝を修正し、制御する方法を検討している。
【0009】
米国特許第5,468,755号明細書、第5,756,513号明細書、及び第5,866,584号明細書は、ブロモクリプチン等のドーパミンアゴニストを投与して、1日の限定された時間、プロラクチンを阻害して、正常なホルモンタイミングをリセットし、及びインスリン抵抗性、高インスリン血症及び高血糖症を制御することによって、概して、肥満、インスリン抵抗性、高インスリン血症及び高血糖症を減少するために、脂質及び糖代謝を修正及び制御する方法を検討している。
【0010】
米国特許第5,523,082号明細書は、溶液におけるブロモクリプチンの改善された安定性を有する溶液を提供する点眼製剤のためのブロモクリプチンメシル酸塩の凍結乾燥された製剤を記載している。
【0011】
米国特許第5,679,685号明細書は、1日の間の特定の時間、異常なプロラクチンレベルを制御するためのブロモクリプチンメシル酸塩の加速放出を検討している。
【0012】
米国特許第5,814,638号明細書は、改善された安定性を有するシクロデキストリンを含有する凍結乾燥されたブロモクリプチン製剤を検討している。
【0013】
米国特許第9,192,576号明細書、第8,613,947号明細書及び第8,431,155号明細書は、経口使用のための微粒子化したブロモクリプチンメシル酸塩の医薬製剤を記載している。
【発明の概要】
【0014】
ブロモクリプチンメシル酸塩は、高温条件下、光暴露下、又は水性環境下、特に酸性水性環境下では安定ではない。さらに、ブロモクリプチンは、水性環境において非常に難溶性である。この状況は、化合物の貯蔵寿命を限定し、重要なこととして、生命システム(特に血漿及び細胞)が広く水性であるため、化合物の生物利用性も限定する。必要なことは、高度に水溶性(ブロモクリプチンメシル酸塩よりも極端に水溶性)であり、及び同時に水性環境において安定である(水促進性分解に不安定ではない)ブロモクリプチン製剤である。水はブロモクリプチンを破壊するため、より水溶性(すなわち水に近づきやすい)にすることによって、ブロモクリプチンの安定性を高めることが、非常に反直感的であ
る。本発明は、このようなユニークなブロモクリプチン製剤を提供する。
【0015】
様々な投与レジメンで実質的な実験を行った後、メシル酸塩がクエン酸塩を含むその他の塩よりも高い水溶性を提供するという技術分野における一般的な教示とは対照的に、驚くべきこととして、クエン酸塩として製剤されたブロモクリプチン(ブロモクリプチンクエン酸塩と呼ばれる)がブロモクリプチンメシル酸塩に対して、著しく高い水溶性を有することが分かる。さらに、特定の賦形剤の組み合わせにおけるブロモクリプチンメシル酸塩又はブロモクリプチンクエン酸塩は、その伝統的な剤形において、ブロモクリプチンのメシル酸塩に比べて、耐熱性(すなわち、熱分解に対する保護)、水性/水安定性(すなわち、ブロモクリプチンの水性/水分解に対する保護)及びブロモクリプチンの水性/水溶性を著しく改善するユニークな能力を有する(表1を参照されたい)。結果として、その伝統的な剤形において、ブロモクリプチンメシル酸塩に比べて(表1を参照されたい)、特に短鎖糖類、脂肪酸又はトリグリセリド及びクエン酸を含有する賦形剤の本明細書に記載の製剤において、ブロモクリプチンクエン酸塩は、医薬製剤においてより良い貯蔵寿命(貯蔵安定性)を示し、さらに、ブロモクリプチン溶解に関して、薬剤の調製におけるより長期の安定特性(すなわち、適切な薬剤活性のより長い持続)を提供し、薬剤製造と薬剤投与との間のより長い貯蔵期間、及び/又は(湿度又は温度について)より低いストリンジェントな貯蔵条件を可能にする。この特徴は、より柔軟な(及びしたがって、より安価な)製造工程を可能にする。
【0016】
一態様において、本開示は、ブロモクリプチン(例えば、ブロモクリプチンメシル酸塩又は異なるブロモクリプチン塩、例えば、ブロモクリプチンクエン酸塩)及び賦形剤を含む医薬製剤(例えば、錠剤)を提供し、ブロモクリプチンは、医薬製剤につき少なくとも約0.1mgのブロモクリプチンの用量を提供する量で存在し、賦形剤は、トリグリセリドを含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%は、C14-C26脂肪酸の脂肪酸アシル基である。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約90%は、C14-C26脂肪酸の脂肪酸アシル基である。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%は、C16-C20脂肪酸の脂肪酸アシル基である。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約90%は、C16-C20脂肪酸の脂肪酸アシル基である。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%は、C18脂肪酸の脂肪酸アシル基である。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約90%は、C18脂肪酸の脂肪酸アシル基である。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%は、ステアロイル又は12-ヒドロキシステアロイル基である。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約90%は、ステアロイル又は12-ヒドロキシステアロイル基である。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%は、飽和される。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約90%は、飽和される。
【0018】
いくつかの実施形態において、賦形剤は、水素添加植物油を含む。いくつかの実施形態において、賦形剤は、水素添加ヒマシ油、水素添加ココナッツ油、水素添加綿実油、水素添加パーム油、水素添加パーム核油、水素添加大豆油又はその組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、賦形剤は、水素添加ヒマシ油を含む。いくつかの実施形態において、賦形剤は、KOLLIWAX(登録商標)HCOを含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、トリグリセリド賦形剤は、製剤の約0.5%~約20重量%の量で存在する。
【0020】
いくつかの実施形態において、賦形剤は、特定の糖類(例えば、単糖類、又はラクトースを除く二糖類)である。
【0021】
いくつかの実施形態において、賦形剤は、顆粒外(extragranular)である。
【0022】
いくつかの実施形態において、医薬製剤(例えば、錠剤)は、医薬標準のホイルで密封されたプラスチック容器かつ乾燥材が含まれる容器に調製される場合、以下の実施形態において安定である。いくつかの実施形態において、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約18か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質(分解物)を5%以下しか含まないように、医薬製剤(例えば、錠剤)は安定である。いくつかの実施形態において医薬製剤が25±5℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約24か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を5%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。いくつかの実施形態において、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約18か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチニンを5%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。いくつかの実施形態において、医薬製剤が25±5℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約24か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチニンを5%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。いくつかの実施形態において医薬製剤が40±2℃の温度で、約70±5%の相対湿度で、約6週間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を3%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。
【0023】
いくつかの実施形態において、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約18か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質(分解物)を8%以下しか含まないように、医薬製剤(例えば、錠剤)は安定である。
【0024】
いくつかの実施形態において医薬製剤が25±5℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約24か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を8%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。
【0025】
いくつかの実施形態において、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約18か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチンを8%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。
【0026】
いくつかの実施形態において、医薬製剤が25±5℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約24か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチンを8%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。
【0027】
いくつかの実施形態において医薬製剤が40±2℃の温度で、約70±5%の相対湿度で、約6週間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を1%以下しか含まないように、医薬製剤は安定で
ある。
【0028】
いくつかの実施形態において医薬製剤が40±2℃の温度で、約70±5%の相対湿度で、約6か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を8%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。
【0029】
いくつかの態様において、本開示は、医薬製剤あたり少なくとも約0.1mgの用量を提供する量の微粒子化されたブロモクリプチンを含む医薬製剤(例えば、錠剤)を提供し、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約18か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチンを5%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。いくつかの実施形態において、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約18か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を5%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。いくつかの実施形態において、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約24か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチンを5%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。いくつかの実施形態において医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約24か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を5%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。いくつかの実施形態において、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約18か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチンを3%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。いくつかの実施形態において医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約18か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を3%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。いくつかの実施形態において、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約24か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチンを3%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。いくつかの実施形態において医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約24か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を3%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。
【0030】
いくつかの実施形態において、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約18か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチニンを8%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。
【0031】
いくつかの実施形態において医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約18か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を8%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。
【0032】
いくつかの実施形態において、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、少なくとも24か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチンを8%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。
【0033】
いくつかの実施形態において医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約24か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を8%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。
【0034】
いくつかの実施形態において医薬製剤が40±2℃の温度で、約70±5%の相対湿度で、約6週間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を1%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。
【0035】
いくつかの実施形態において医薬製剤が40±2℃の温度で、約70±5%の相対湿度で、約6か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を8%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。
【0036】
前述の医薬製剤のいくつかの実施形態において、ブロモクリプチンは微粒子化される。
【0037】
いくつかの実施形態において、ブロモクリプチンは約20μm以下のDv90を有する。
【0038】
いくつかの実施形態において、ブロモクリプチンは約10μm以下のDv90を有する。
【0039】
いくつかの実施形態において、ブロモクリプチンは約5μm以下のDv90を有する。
【0040】
いくつかの実施形態において、ブロモクリプチンは約20μm以下のDv99を有する。
【0041】
いくつかの実施形態において、ブロモクリプチンは約10μm以下のDv99を有する。
【0042】
いくつかの実施形態において、ブロモクリプチンは、体積に基づいた粒径分布を有し、約20%以下のブロモクリプチンが約1μm未満の粒径を有する。
【0043】
いくつかの実施形態において、医薬製剤は、約37℃で、500mlの0.1Nの塩酸中、50rpmでUSP Apparatus Type2 Paddle Methodにおいて試験を行った場合、溶解特性を提供し、少なくとも約80%のブロモクリプチンは、約30分で放出された。
【0044】
いくつかの実施形態において、医薬製剤は、約37℃で、500mlの0.1Nの塩酸中、50rpmでUSP Apparatus Type2 Paddle Methodにおいて試験を行った場合、溶解特性を提供し、少なくとも約90%のブロモクリプチンは、約30分で放出された。
【0045】
いくつかの実施形態において、医薬製剤は、約37℃で、500mlの0.1Nの塩酸中、50rpmでUSP Apparatus Type2 Paddle Methodにおいて試験を行った場合、溶解特性を提供し、少なくとも約95%のブロモクリプチンは、約30分で放出された。
【0046】
いくつかの実施形態において、医薬製剤は、約37℃で、500mlの0.1Nの塩酸
中、50rpmでUSP Apparatus Type2 Paddle Methodにおいて試験を行った場合、溶解特性を提供し、少なくとも約90%のブロモクリプチンは、約20分で放出された。
【0047】
いくつかの実施形態において、医薬製剤は、約37℃で、500mlの0.1Nの塩酸中、50rpmでUSP Apparatus Type2 Paddle Methodにおいて試験を行った場合、溶解特性を提供し、約50%以下のブロモクリプチンは、約7分で放出された。
【0048】
いくつかの実施形態において、医薬製剤は、約37℃で、500mlの0.1Nの塩酸中、50rpmでUSP Apparatus Type2 Paddle Methodにおいて試験を行った場合、溶解特性を提供し、約75%以下のブロモクリプチンは、約10分で放出された。
【0049】
いくつかの実施形態において、医薬製剤は薬物動態を提供し、医薬製剤(例えば、それぞれ0.8mgのブロモクリプチンの用量を含む6つの医薬製剤)を成人対象に投与した後の最大血漿中濃度までの時間(Tmax)は、医薬製剤が空腹条件下で投与された場合、約30~60分間である。
【0050】
いくつかの実施形態において、医薬製剤は、a)非経口剤形の投与後、約1~約90分で、Tmax、及びb)この剤形が非経口に投与された場合に、Tmax後に約90~約360分の持続時間で、少なくとも50%のCmaxの血漿中薬物濃度を含む薬物動態プロファイルを提供する。
【0051】
いくつかの実施形態において、医薬製剤は、賦形剤としてクエン酸を含む。いくつかの実施形態において、クエン酸は、約1重量%~約7重量%の量で存在する。
【0052】
いくつかの実施形態において、医薬製剤は崩壊剤を含む。いくつかの実施形態において、崩壊剤は約5重量%~約20重量%の量で存在する。
【0053】
いくつかの実施形態において、ブロモクリプチンは、医薬製剤につき約0.8mgの用量を提供する量で存在する。
【0054】
いくつかの実施形態において、医薬製剤は、トリグリセリド又はジグリセリド又はリン脂質を含み、ホスファチジルコリンを含む。
【0055】
いくつかの実施形態において、医薬製剤は、ラクトースを除く短鎖糖類を含む。
【0056】
いくつかの実施形態において、短鎖糖類はマンニトールを含む。
いくつかの実施形態において、医薬製剤は脂肪酸、ステアリン酸を含む。別の態様において、本開示は、ブロモクリプチンを賦形剤と混合して、混合物を形成することを含むブロモクリプチン医薬製剤の製造方法を提供し、ブロモクリプチンは、実質的に混合物に均一に分布され、混合物を圧縮して医薬製剤を形成する。
【0057】
いくつかの実施形態において、方法は、ブロモクリプチンを加工して、ブロモクリプチンの平均粒径を減少して、混合する前に約20μm以下のDv90を有するブロモクリプチンを提供する。
【0058】
いくつかの実施形態において、方法は、ブロモクリプチンが、混合する前に約20μm以下のDv90で、体積に基づいた粒径分布と等価な粒径分布を有することを決定するこ
とを含む。
【0059】
いくつかの実施形態において、ブロモクリプチンは、0.1~100umの直径を有することができる。
【0060】
一態様において、本開示は、このような方法に従って調製される医薬製剤を提供する。
【0061】
いくつかの実施形態において、本開示は、このような治療を必要とする対象のT2DMを含む代謝障害を治療する方法を提供し、この方法は、ブロモクリプチンクエン酸塩、マンニトール及びステアリン酸等の短鎖糖類を含有する錠剤又はカプセル等の固体剤形を対象に投与すること含む。
【0062】
別の態様において、方法は、ブロモクリプチンクエン酸塩、マンニトール及びステアリン酸等の短鎖糖類を含有する固体剤形を対象に経口及び/又は非経口に投与することを含むことができる。製剤は、またクエン酸を含むことができる。
【0063】
前述の方法の何れかは、ブロモクリプチンクエン酸塩の1日あたり約0.05μg~約0.5mg/kgの対象への投与を含むことができる。
【0064】
経口製剤は、概して、30~60重量%の短鎖糖類を含有し、非経口(舌下)製剤は、60~90重量%の短鎖糖類を含有する。
【0065】
前述の方法の何れかは、さらに、1つ以上の追加の治療レジメンで対象を治療することを含むことができる。追加の治療レジメンとして、例えば、1つ以上のドーパミンD1受容体アゴニスト、α-1アドレナリンアンタゴニスト、α-2アドレナリンアンタゴニスト、セロトニン作動性阻害剤、及び/又はセロトニン5HT1bアゴニストを投与することを挙げることができる。あるいは、又はさらに、追加の治療レジメンは、例えば、1つ以上の末梢作用剤を投与することを含むことができる。
【0066】
いくつかの実施形態において、本開示は、微粒子化されたブロモクリプチンクエン酸塩、マンニトール等の短鎖糖類、ステアリン酸又はトリグリセリド等の脂肪酸、及び賦形剤としてクエン酸を含有する製剤を提供する。
【0067】
いくつかの実施形態において、本開示は、0.1~10%のブロモクリプチンクエン酸塩、0.1~10%のクエン酸、30~90%の非ラクトース短鎖糖類、及び0.2~10%の遊離脂肪酸、リン脂質又はトリグリセリドを含有する製剤を提供する。
【0068】
いくつかの実施形態において、本開示は、0.1~10%のブロモクリプチンクエン酸塩、0.1~10%のクエン酸、60~90%の非ラクトース短鎖糖類、及び0.2~10%の遊離脂肪酸、リン脂質又はトリグリセリドを含有する製剤を提供する。
【0069】
別の実施形態において、本開示は、(重量で)0.1~8%のブロモクリプチンクエン酸塩、0.5~8%のクエン酸、65~90%の非ラクトース短鎖糖類、及び0.2~5%の遊離脂肪酸、リン脂質又はトリグリセリドを含有する製剤を提供する。
【0070】
1つの好ましい実施形態において、本開示は、(重量で)0.1~5%のブロモクリプチンクエン酸塩、0.5~5%のクエン酸、70~90%の非ラクトース短鎖糖類、及び0.2~3.0%の遊離脂肪酸、リン脂質又はトリグリセリドを含有する製剤を提供する。
【0071】
いくつかの実施形態において、本開示は、(微粒子化)ブロモクリプチンクエン酸塩、マンニトール等の短鎖糖類、ステアリン酸又はトリグリセリド等の脂肪酸、及びクエン酸を含有する錠剤又はカプセル等の固体剤形を対象に投与することによって、このような治療を必要とする対象のT2DMを含む代謝障害を治療する方法を提供する。
【0072】
別の実施形態において、方法は、ブロモクリプチンクエン酸塩、マンニトール等の短鎖糖類、ステアリン酸又はトリグリセリド等の脂肪酸を含む固体剤形を、対象に経口及び/又は非経口投与することを含むことができる。製剤は、またクエン酸を含むことができる。
【0073】
「非経口投与」という用語は、本明細書において、胃腸管の胃粘膜及び/又は腸粘膜以外を通じて、薬剤の実質的な量を吸収する投与形態又は剤形を意味するように規定される。
【0074】
前述の方法の何れかは、ブロモクリプチンクエン酸塩の1日あたり約0.05μg~約0.5mg/kgの対象への投与を含むことができる。
【0075】
前述の方法の何れかは、さらに、1つ以上の追加の治療レジメンで対象を治療することを含むことができる。あるいは、又はさらに、追加の治療レジメンは、例えば、1つ以上の末梢作用剤を投与することを含むことができる。一態様において、本開示は、2型糖尿病の患者の血糖コントロールを改善する治療方法を提供し、本明細書に記載の1つ以上のブロモクリプチン医薬製剤を患者に投与する、又は患者に提供することを含む。
【0076】
一態様において、本開示は、2型糖尿病の患者の血糖コントロール又は代謝障害の主要要素を改善する治療方法を提供し、本明細書に開示される製造方法に従って1つ以上のブロモクリプチン医薬製剤を製造し、患者に1つ以上の医薬製剤を投与し、又は投与するために患者に1つ以上の医薬製剤を提供することを含む。
【0077】
一態様において、本開示は、本明細書に記載のブロモクリプチン製剤を午前中の覚醒後4時間以内、又は午前中の覚醒後約4時間以内に身体のドーパミンアゴニスト作用の毎日のピークを生み出すように投与することによって、代謝障害を治療する方法又はその主要要素を提供する。
【0078】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の記述に記載される。その他の特徴、目的及び利点は、明細書及び図面、並びに請求項から明白である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図1A】製品の安定性(T=0)を測定するための実験の始めに、40±2℃及び75±5%のRHで1、2又は3か月間、保管した後に、微粒子化ブロモクリプチンメシル酸塩及び様々な潤滑剤を使用して調製されたブロモクリプチンメシル酸塩医薬製剤について測定される合計の関係物質の不純物のプロットを示す。
図1B】製品の安定性(T=0)を測定するための実験の始めに、30±2℃及び65±5%のRHで3か月間、保管した後に、微粒子化ブロモクリプチンメシル酸塩及び様々な潤滑剤を使用して調製されたブロモクリプチンメシル酸塩医薬製剤について測定される合計の関係物質の不純物のプロットを示す。
図1C】製品の安定性(T=0)を測定するための実験の始めに、25±2℃及び60±5%のRHで3か月間、保管した後に、微粒子化ブロモクリプチンメシル酸塩及び様々な潤滑剤を使用して調製されたブロモクリプチンメシル酸塩医薬製剤について測定される合計の関係物質の不純物のプロットを示す。
図2】加熱された水性環境に暴露される時間の関数として、(褐変反応の形成を通して評価される)ブロモクリプチンの分解に対する様々な添加物の効果のプロットを示す。
図3】ブランク溶液、0.112mg/mlのブロモクリプチンメシル酸塩を含有する参照ブロモクリプチンメシル酸塩、及びブロモクリプチンメシル酸塩医薬製剤から調製される試料溶液の典型的なクロマトグラムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0080】
「約」又は「おおよそ」は、本明細書で使用される場合、おおよそ、例えば、支持される値の±約10%を意味する。
【0081】
「粒子」は、本明細書で使用される場合、化合物(例えば、ブロモクリプチンメシル酸塩又は異なるブロモクリプチン塩、例えば、ブロモクリプチンクエン酸塩)の凝集された物理単位、すなわち小片又は粒を指す。
【0082】
「粒径」は、本明細書で使用される場合、化合物の粒子の平均長さ寸法、例えば、化合物の球粒子の直径を指す。
【0083】
「微粒子化」は、本明細書で使用される場合、固体材料の平均粒径を減少して、通常、数μmの粒径の粒子を提供する工程を指す。
【0084】
「微粒子化される」は、本明細書で使用される場合、微粒子化に供された材料を指す。
【0085】
「短鎖糖類」は、本明細書で使用される場合、単糖類又は二糖類(ラクトースを除く)を指し、限定されないが、マンニトール、キシリトール、ブドウ糖、マルトース、ショ糖、ガラクトース、果糖及びソルビトールを含む。
【0086】
「経口剤形」という用語は、腸管の胃粘膜及び/又は腸粘膜を通じて薬剤の実質的な量を吸収する薬剤の形態を指す。
【0087】
「医薬製剤」という用語は、粉末から固体用量にプレスされ又は圧縮される通常、粉末形態の活性物質及び賦形剤の混合物を含む経口剤形を指す。
【0088】
「粒径分布」は、本明細書で使用される場合、所与の粒径を有するブロモクリプチンメシル酸塩又は異なるブロモクリプチン塩、例えば、ブロモクリプチンクエン酸塩等の化合物の粒子の相対分布を指す。球状物体の粒径は、その直径によって明確に定量的に規定することができ、例えば、ブロモクリプチンメシル酸塩等の活性医薬成分を含む粒子は、非球状であり、及び形状が不規則であり得る。レーザー回折法を使用して、このような粒子のサイズを測定する、所与の粒子を粒子のいくつかの特性の1つを有する仮想の球に置き換えることに基づいて、このような粒子のサイズを表す等の当業者が非球状及び不規則な粒子を測定し、表すいくつかの方法がある。このような特性は、例えば、限定されないが、測定される粒子の同体積を有する仮想の球の直径(体積に基づいた粒径)、測定される粒子と同じ重量を有する仮想の球の直径(重量に基づいた粒径)、並びに測定される粒子と同じ表面積を有する仮想の球の直径(面積に基づいた粒径)から選択することができる。当業者は、このような方法に慣れ親しんでおり、このような方法の結果が表され、このような方法は、不要な実験をすることなく、本明細書に開示される実施形態に適用することができる。粒径分布は、例えば、プロットとして、図表で示すことができる。プロットの一般的な種類は、記載の粒径よりも小さい粒子の分率(例えば、数、体積又は質量によって)を示す累積アンダーサイズプロットである。
【0089】
パラメータDv10、Dv50、Dv90及びDv99は、累積体積アンダーサイズ粒
径分布の10%、50%、90%及び99%の点の粒径を示す。したがって、材料について「Dv10」は、粒径を示し、材料の体積の10%がDv10値に等しい又はそれより小さい粒径を有する粒子から成る。材料について「Dv50」は、粒径を示し、材料の体積の50%がDv50値に等しい又はそれより小さい粒径を有する粒子から成る。材料について「Dv90」は、粒径を示し、材料の体積の90%がDv90値に等しい又はそれより小さい粒径を有する粒子から成る。材料について「Dv99」は、粒径を示し、材料の体積の99%がDv99値に等しい又はそれより小さい粒径を有する粒子から成る。
【0090】
「スパン」という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書に開示される一実施形態を含む所与の化合物の所与の粒径の分布の幅の測定値を意味する。特に、所与の実施形態のスパンは、体積に基づいた粒径分布法を使用して、及び以下の式を適用して、所与の化合物の粒径を測定することによって提供することができ、Dv90、Dv10及びDv50は前述の通りである。
【0091】
【数1】
【0092】
「脂肪酸」という用語は、本明細書で使用される場合、約4~約26個の炭素原子を含む長脂肪族鎖(尾)を有するカルボン酸である。「不飽和」脂肪酸は、脂肪酸脂肪族鎖の炭素原子間の少なくとも1つのC=C二重結合を含む脂肪酸である。「飽和」脂肪酸は、脂肪族鎖の炭素原子間の任意のC=C二重結合を欠損している脂肪酸である。
【0093】
「トリグリセリド」は、グリセロール及び3つの脂肪酸、すなわちトリアシルグリセリドに形式的に由来するエステルであり、アシル基は脂肪酸に由来する。
【0094】
「治療すること」又は「治療」という用語は、本明細書で使用される場合、哺乳動物(特にヒト)等の患者の疾患又は医学的病態(2型糖尿病等)を治療すること又は治療を意味し、疾患若しくは医学的病態の軽減、すなわち、患者の疾患若しくは医学的病態を無くし若しくはその退縮を生じ、疾患若しくは医学的病態を抑制し、すなわち、患者の疾患若しくは医学的病態の発症を遅らせ若しくは停止し、又は患者の疾患若しくは医学的病態の症状を緩和することを含む。
【0095】
本開示は、血糖コントロールを改善し、2型糖尿病を治療するための改善されたブロモクリプチン製剤、このような製剤の調製する製造方法、及びこのような製剤を使用する方法を記載する。製剤は、少なくとも約0.1mg、例えば、約0.8mgのブロモクリプチンの用量を提供する量で、ブロモクリプチン(例えば、ブロモクリプチンメシル酸塩又は異なるブロモクリプチン塩、例えば、ブロモクリプチンクエン酸塩)を含み得る。ブロモクリプチンは、単一の薬学的活性成分として存在し得る。ブロモクリプチン製剤は、経口剤形、例えば、医薬製剤(例えば、錠剤)であってもよい。ブロモクリプチンは、医薬製剤に実質的に均一に分布することができる。
【0096】
ブロモクリプチンクエン酸塩は、ブロモクリプチン遊離塩基から直接的に調製することができ、又はブロモクリプチン遊離塩基に脱塩した後に、ブロモクリプチンメシル酸塩から調製することができる。ブロモクリプチンメシル酸塩及び遊離塩基は、いくつかの販売元(例えば、Sigma Aldrich及びEuticals)から市販されている。メシル酸塩とは対照的に、ブロモクリプチンクエン酸塩は、アルキル化剤ではなく、そのため、長期の非経口(例えば、舌下)投与により安全である。ブロモクリプチンメシル酸塩を脱塩して、ブロモクリプチン遊離塩基を生成することは、任意の様々な知られている
脱塩技術によって達成することができる。このような技術は、概して、当該技術分野で知られており、例えば、ゲルろ過(例えば、セファデックス(架橋デキストランゲル)ろ過カラム)、透析、イオン交換カラム精製(電荷カラムに結合することによってメシル酸塩の除去に影響する)、及び/又はダイアフィルトレーション若しくは限外濾過(透過膜を使用して、サイズに基づいて分子を分離する)によって、脱塩することを含む。脱塩工程の溶媒は、例えば、メタノール、エタノール及び/又はクロロホルム等の様々な有機溶媒及び/又は溶媒の組み合わせであり得る。また、脱塩工程は、追加で、水性と有機溶媒相との間の相分離を使用することができ、塩は、水性相分離され、ブロモクリプチンは、有機相に分離される。さらに、ブロモクリプチンの遊離塩基は、メシル酸塩が水性相に移動し、ブロモクリプチンが有機相に居続けるpHの水性溶液を添加すると二層を形成する有機溶媒(水に混和性ではない)に、ブロモクリプチンメシル酸塩を溶解することによって、メシル酸塩をブロモクリプチンから抽出することによって、メシル酸塩から生成することができる。遊離塩基ブロモクリプチンは、実質的に、繰り返し有機/水性分離で洗浄され、純粋になるまで乾燥することができる。
【0097】
クエン酸は、3.13、4.76及び6.40のpKa値を有する三塩基化合物である。このように、本明細書に記載のブロモクリプチンクエン酸塩は、モノ、ジ若しくはトリクエン酸塩形態又はその組み合わせであってもよい。ブロモクリプチン遊離塩基から始まり、クエン酸塩の調製は、以下の一般的方法の何れかによって達成することができる。
【0098】
方法1:クエン酸(約1~3g)を反応容器において、室温で絶対エタノール(すなわち約100%)に溶解し、ブロモクリプチンのエタノール溶液(約2~10g)はその後、クエン酸と等モルの量で加えられる。クエン酸は、また、ブロモクリプチン遊離塩基の過剰に存在することもできる。得られる溶液は、室温で、約数時間、例えば2~24時間攪拌され、その後、真空下で、例えば、ロータリーエバポレータで蒸発される。得られる半固体又は固体産物はその後、例えば、エタノール型混合物、例えば、直鎖エタノール又はアセトン-エタノール混合物(例えば、50:50混合物)に溶解され、続いて真空下で乾燥される。その他の混合物(例えば、その他の有機溶媒系、例えば、メタノール)及び/又はその他の混合比(例えば、5:95、10:90、20:80、25:75、30:70、40:60、60:40、70:30、75:25、80:20、90:10又は95:5の混合物)を使用することができる。得られる沈殿物は、ブロモクリプチンクエン酸塩である。
【0099】
方法2:クエン酸(約1~3g)はメタノールに溶解される。ブロモクリプチン(約2~10g)は、また、メタノールに溶解され、その後、クエン酸塩クエン酸溶液に、クエン酸と等モル量で、直接的に加えられる。クエン酸は、また、ブロモクリプチン遊離塩基の過剰に存在することもできる。2つの溶液は、その後混合されて、その後攪拌され(室温で約2~24時間)、その後、(例えば、ロータリーエバポレータを使用して真空下で)蒸発乾燥される。得られる残渣は、ブロモクリプチンクエン酸塩である。
【0100】
方法3:クエン酸(約1~3g)は、ブタノールに溶解され、及びブタノールに溶解されるブロモクリプチン(約2~10g)は、その後、クエン酸と等モル量で、この溶液に加えられ(クエン酸は、ブロモクリプチン遊離塩の過剰に存在することもできる)、室温で約2~24時間攪拌される。溶媒は、真空下で除去され、得られる沈殿物はブロモクリプチンクエン酸塩である。分離された沈殿物は、ブタノール及び水に再溶解されて、2相の系を作製することができる。相は分離され、有機層は蒸発乾燥されて、精製されたブロモクリプチンクエン酸塩を得る。
【0101】
方法4:クエン酸(約1~3g)は、水/エタノール溶媒に溶解され、ブロモクリプチン(約2~10g)を含有する水/エタノール溶液は、クエン酸と等モル量で、加えられ
る。クエン酸は、また、ブロモクリプチン遊離塩基の過剰に存在することもできる。ブロモクリプチンを含有する様々な有機溶液(複数可)を使用することができる。例えば、ブロモクリプチンは、1つ以上の有機溶媒、例えば、メタノール、プロパノール又はブタノールに溶解することができる。得られる溶液は、室温で約2~24時間攪拌され、溶液は、その後、蒸発乾燥される。乾燥された固体は、メタノールにおいて洗浄することができ、蒸発乾燥によって再沈殿することができる。得られる残渣は、ブロモクリプチンクエン酸塩である。
【0102】
方法5:クエン酸(約1~3g)は、ブロモクリプチンが可溶することができる任意の有機溶媒又は水性/有機溶媒に溶解される。ブロモクリプチン(約2~10g)は、クエン酸として、同有機溶媒又は水性/有機溶媒又はクエン酸を溶媒和するために使用される溶媒と混和性である溶媒に溶解され、その後、クエン酸と等モル量で、クエン酸/有機溶液に加えられ、混合される。クエン酸は、また、ブロモクリプチン遊離塩基の過剰に存在することもできる。得られる溶液は、室温で約2~24時間攪拌される。溶液は蒸発乾燥されて、ブロモクリプチンクエン酸塩を得る。
【0103】
前述の例のそれぞれにおいて、それらの飽和点の近くで、クエン酸及びブロモクリプチン溶液を使用することが好ましい。当該技術分野で概して知られている1つ以上の化学修飾を前述の方法で行って、ブロモクリプチンクエン酸塩の純度及び/又は収率を増加又は最適化することができる。例えば、ブロモクリプチン及びクエン酸溶液のpHを調整して、ブロモクリプチンクエン酸塩の形成を最適化することができる。さらに非限定的な例として、1つ以上の有機溶媒(例えば、メタノール、プロパノール又はブタノール)を使用して、クエン酸、ブロモクリプチン及び/又はブロモクリプチンクエン酸塩を溶解、再懸濁、及び/又は再沈殿することができる。ブロモクリプチン及びクエン酸のpKaは、例えば、クエン酸又はブロモクリプチン溶液を調製するために使用される溶媒を変化することによって、調節することができる。クエン酸の塩基形態もこれらの方法に使用することができるが(例えば、クエン酸ナトリウム)、クエン酸形態が好ましい。前述の方法の何れかの1つ以上のステップは、異なる温度(すなわち、より低い又はより高い温度)又はpHで実施することができ、あるいは又はさらに、温度は1つ以上のステップの間、経時的に変化する可能性がある。最終産物(すなわちブロモクリプチンクエン酸塩)は、再懸濁されて、任意の不純物(例えば、ブロモクリプチン遊離塩基又は会合されていない/結合されていないクエン酸又は水)を除去することができる。それぞれの方法において、産物は、「洗浄され」(例えば、前述の技術の1つ以上、例えば、溶解、再懸濁、及び/又は再沈殿を使用して)、反応しないブロモクリプチン又はクエン酸塩を除去することができる。水は、分留又は当業者に知られているその他の標準脱水技術によって除去することができる。
【0104】
さらに、ブロモクリプチンクエン酸塩は、ブロモクリプチンメシル酸塩に対して、生物細胞膜を通過して、より効率的な吸収を医薬調製物に提供する。さらに、ブロモクリプチンクエン酸塩の(例えば、生理学的環境において)熱及び水に対する予期せぬ改善された分解抵抗、及びブロモクリプチンメシル酸塩に対する同時に増加した水溶性(当該技術分野で予測されていない現象)のために、脊椎動物を治療するためのブロモクリプチンクエン酸塩の最小及び好ましい用量は、等価な治療効果及び治療期間について、ブロモクリプチンメシル酸塩の最小及び好ましい用量より低い。要約すると、ブロモクリプチンクエン酸塩の予測しない利点は、現在市販されているブロモクリプチン医薬調製物(例えば、CYCLOSET(登録商標)又はPARLODEL(登録商標))のブロモクリプチンメシル酸塩の使用を上回る実質的な改善を提供し、より安定的な、より効率的な、より生物適合性の化合物を、より予測可能で再現性のある効果と共に、糖尿病前症、肥満、インスリン抵抗性、高インスリン血症、高血糖症及び2型糖尿病(T2DM)を含む任意の様々な医学的障害を治療するためのブロモクリプチンの医薬調製物に提供する。ブロモクリプ
チンクエン酸塩の医薬調製物の増強された特性が、ブロモクリプチンメシル酸塩の医薬調製物にクエン酸塩を単に加えるだけでは模倣することができない。その水への増加した可溶性のために、ブロモクリプチンクエン酸塩は、ブロモクリプチンメシル酸塩に比べてin vivoにおける増加した吸収を示す。
【0105】
ブロモクリプチンクエン酸塩は、例えば、T2DM、高血圧、高トリグリセリド血症、抗炎症状態、インスリン抵抗性、脂肪肝、NASH、CVD及び/又は肥満を含むMSに関連する代謝障害の1つ以上を治療するために、SKF-38393、SKF-82958又はSKF-82957等のドーパミンD受容体アゴニストのある場合又はない場合に投与することができる。ブロモクリプチンクエン酸塩は、さらに、任意に、α-1アドレナリンアンタゴニスト、α-2アドレナリンアンタゴニスト、若しくはセロトニン作動性阻害剤の1つ以上と合わせて、又はセロトニン5HT1bアゴニストと組み合わせて任意にさらに投与することができる。このような剤の例は、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第5,877,183号明細書に開示される。ブロモクリプチンクエン酸塩は、さらに、様々な末梢作用剤、例えば、HMGCoAレダクターゼ阻害剤、例えば、抗高血圧、例えば、食後インスリン分泌促進物質、又はインスリンそのもの、抗炎症剤及び抗凝固剤を含む抗糖尿病剤と合わせて任意に投与することができる。このような剤の例は、当該技術分野で知られており、例えば、国際特許出願第2009/091576A2号に開示される。
【0106】
ブロモクリプチンクエン酸塩は、例えば、肥満又は高血糖症を変化することが望ましい任意の1つ以上の症状を治療するために、脊椎動物、動物又はヒトに、好ましくは経口又は舌下に、任意に、非経口に投与される。
【0107】
本発明の固体医薬組成物は、限定されないが、T2DM、肥満、糖尿病前症、メタボリックシンドローム、心血管代謝リスク、高血圧、脂質異常症、インスリン抵抗性、高インスリン血症、脂肪肝、腎疾患、循環器疾患、脳血管疾患、及び末梢血管疾患及び切迫した血管疾患のバイオマーカー等の代謝疾患及び障害の治療に効果的な本発明の化合物の量を含むべきである。効果的な用量は、使用される疾患の重症度及び特定の化合物(複数可)の活性に依存し、そのため、当業者において任意の特定の宿主哺乳動物又はその他の宿主生物について決定される。脊椎動物(例えば、ヒト)のブロモクリプチンクエン酸塩の適切な量は、例えば、約0.05μg~約0.5mg/kg BWであってもよく、任意に、0.1μg~約0.3mg/kg BWであってもよく、又は好ましい一実施形態において、1日あたり約2μg~0.1mg/kg BWであってもよい。ブロモクリプチンクエン酸塩を含む適切な医薬剤形は、例えば約2.5mg~約2000mgの(賦形剤を含む)総重量を有することができる。
【0108】
前述の例のそれぞれにおいて、それらの飽和点の近くで、クエン酸及びブロモクリプチン溶液を使用することが好ましい。当該技術分野で概して知られている1つ以上の化学修飾を前述の方法で行って、ブロモクリプチンクエン酸塩の純度及び/又は収率を増加又は最適化することができる。例えば、ブロモクリプチン及びクエン酸溶液のpHは、調節されて、ブロモクリプチンクエン酸塩の形成を最適化することができる。さらに非限定的な例として、1つ以上の有機溶媒(例えば、メタノール、プロパノール又はブタノール)を使用して、クエン酸、ブロモクリプチン及び/又はブロモクリプチンクエン酸塩を溶解、再懸濁、及び/又は再沈殿することができる。ブロモクリプチン及びクエン酸のpKaは、例えば、クエン酸又はブロモクリプチン溶液を調製するために使用される溶媒を変化することによって、調節することができる。クエン酸の塩基形態もこれらの方法に使用することができるが(例えば、クエン酸ナトリウム)、クエン酸形態が好ましい。前述の方法の何れかの1つ以上のステップは、異なる温度(すなわち、より低い又はより高い温度)又はpHで実施することができ、あるいは又はさらに、温度は1つ以上のステップの間、
経時的に変化する可能性がある。最終産物(すなわちブロモクリプチンクエン酸塩)は、再懸濁されて、任意の不純物(例えば、ブロモクリプチン遊離塩基又は会合されていない/結合されていないクエン酸又は水)を除去することができる。それぞれの方法において、産物は、洗浄して(例えば、前述の技術の1つ以上、例えば、溶解、再懸濁、及び/又は再沈殿を使用して)、反応しないブロモクリプチン又はクエン酸塩を除去することができる。水は、分留又は当業者に知られているその他の標準脱水技術によって除去することができる。
【0109】
さらに、ブロモクリプチンクエン酸塩は、対ブロモクリプチンメシル酸塩に予想されるよりも非常に高い水溶性(約7倍超)を有する医薬調製物を提供し、したがって、ブロモクリプチンメシル酸塩に比べて、生物細胞膜を通過するより効率的な吸収を提供する。さらに、ブロモクリプチンクエン酸塩の(例えば、生理学的環境において)水に対する予期せぬ改善された分解抵抗、及びブロモクリプチンメシル酸塩に対する同時に増加した水溶性(当該技術分野で予測されていない現象)のために、脊椎動物を治療するためのブロモクリプチンクエン酸塩の最小及び好ましい用量は、等価な治療効果及び治療期間について、ブロモクリプチンメシル酸塩の最小及び好ましい用量より低い。要約すると、ブロモクリプチンクエン酸塩の予測しない利点は、現在市販されているブロモクリプチン医薬調製物(例えば、CYCLOSET(登録商標)又はPARLODEL(登録商標))のブロモクリプチンメシル酸塩の使用を上回る実質的な改善を提供し、より安定的な、より効率的な、より生物適合性の有用な化合物を、より予測可能で再現性のある効果と共に、糖尿病前症、肥満、インスリン抵抗性、高インスリン血症、高血糖症及び2型糖尿病(T2DM)を含む任意の様々な医学的障害を治療するためのブロモクリプチンの医薬調製物に提供する。その水への増加した可溶性のために、ブロモクリプチンクエン酸塩は、ブロモクリプチンメシル酸塩に比べてin vivoにおける増加した吸収を示す。ブロモクリプチンクエン酸塩の医薬調製物の増強された物理的、生物特性は、ブロモクリプチンメシル酸塩の医薬調製物にクエン酸を単に加えるだけでは模倣することができない。さらに、ブロモクリプチンクエン酸塩をクエン酸と結合される脂肪酸等の酸性化合物を含有する医薬製剤に組み込むことは、ブロモクリプチンの安定性が酸性環境に妨害されるのと同程度に、予期せぬ及び反直感的にブロモクリプチンの安定性を増強する。ステアリン酸マグネシウムをステアリン酸に置き換えることは、驚くべきことに、特に酸、クエン酸の存在下で、ブロモクリプチン分子の安定性を増強する。この安定性は、さらに、ラクトースの除去又は除外及びそれをマンニトールに置き換えることによって増強される。さらに、ブロモクリプチンクエン酸塩の安定性は、さらに、その水溶性の変化がない製剤のトリグリセリドの存在下によって、増強することができる。トリグリセリド等の潤滑剤が、ブロモクリプチンの安定性を増強することが知られている使用を有しておらず、親水性ではなく疎水性であると知られていることは、驚きである。(i)ブロモクリプチンクエン酸塩、(ii)マンニトール等の非ラクトース短鎖糖類、(ii)ステアリン酸又はトリグリセリド、及び(iv)クエン酸の得られる製剤は、非常に水溶性であり、ブロモクリプチン又はブロモクリプチンメシル酸塩に当てはまらない状況でありながら、ブロモクリプチン及びブロモクリプチンメシル酸塩を通常、破壊する環境である水に安定であるユニークな予期せぬブロモクリプチン製剤を産生し、これは、その他の特定の賦形剤及びブロモクリプチンの特定の塩と一緒に、特定の酸性賦形剤を加えることによって、部分的に達成される。
【0110】
ブロモクリプチンクエン酸塩は、SKF-38393、SKF-82958又はSKF-82957等のドーパミンD受容体アゴニストのある場合とない場合に投与されて、例えば、T2DM、高血圧、高トリグリセリド血症、抗炎症状態、インスリン抵抗性、脂肪肝、NASH、CVD及び/又は肥満を含むMSに関連する代謝障害の1つ以上を治療することができる。ブロモクリプチンクエン酸塩は、さらに、任意に、中枢ドーパミン作動性神経活性を増加し、又は中枢ノルアドレナリン作動性神経活性を減少する1つ以上の剤と合わせて投与することができる。このような剤の例は、当該技術分野で知られており
、例えば、米国特許第5,877,183号明細書及び第9,655,865号明細書に開示される。
【0111】
ブロモクリプチンクエン酸塩は、さらに、様々な末梢作用剤、例えば、HMGCoAレダクターゼ阻害剤、例えば、抗高血圧、例えば、食後インスリン分泌促進物質、又はインスリンそのもの、抗炎症剤及び抗凝固剤を含む抗糖尿病剤と合わせて任意に投与することができる。このような剤の例は、当該技術分野で知られており、例えば、国際特許出願第2009/091576A2号に開示される。
【0112】
ブロモクリプチンクエン酸塩は、例えば、肥満又は高血糖症を変化することが望ましい任意の1つ以上の症状を治療するために、脊椎動物、動物又はヒトに、好ましくは経口又は舌下に、任意に、非経口に投与される。
【0113】
本発明の固体医薬組成物は、限定されないが、T2DM、肥満、糖尿病前症、メタボリックシンドローム、心血管代謝リスク、高血圧、脂質異常症、インスリン抵抗性、高インスリン血症、脂肪肝、腎疾患、循環器疾患、脳血管疾患、及び末梢血管疾患及び切迫した血管疾患のバイオマーカー、及び動脈硬化症、冠動脈疾患、末梢血管疾患又は脳血管疾患等のその主要要素、うっ血性心不全、肥満、高血漿ノルエピネフリン、増加した心血管関連の炎症因子、高リポ蛋白血症、粥状動脈硬化、過食症、高血糖症、高脂血症、及び高血圧又は血圧上昇、増加した食後のトリグリセリド若しくは遊離脂肪酸レベル、増加した細胞酸化ストレス若しくはその血漿指標、増加した循環血液凝固亢進状態、腎不全を含む腎疾患等の代謝疾患及び障害の治療に効果的な本発明の化合物(複数可)の量を含むべきである。効果的な用量は、使用される疾患の重症度及び特定の化合物(複数可)の活性に依存し、そのため、当業者において任意の特定の宿主哺乳動物又はその他の宿主生物について決定される。脊椎動物(例えば、ヒト)のブロモクリプチンクエン酸塩の適切な量は、例えば、約0.05μg~約0.5mg/kg BWであってもよく、任意に、0.1μg~約0.3mg/kg BWであってもよく、又は好ましい一実施形態において、1日あたり約2μg~0.2mg/kg BWであってもよい。ブロモクリプチンクエン酸塩を含む適切な医薬剤形は、例えば約2.5mg~約2000mgの(賦形剤を含む)総重量を有することができる。
【0114】
一態様において、本開示は、血糖コントロールを改善し、2型糖尿病を治療するためのブロモクリプチン製剤の調製において、製剤に特定の賦形剤を含むことがブロモクリプチンの安定性を改善することができることを発見した。本開示は、したがって、改善された安定性を有するブロモクリプチン医薬製剤、製剤におけるブロモクリプチンの安定性を改善する賦形剤を含むブロモクリプチン医薬製剤を記載する。
【0115】
ブロモクリプチン医薬製剤は、均一な量を有するように製造され、ブロモクリプチンは、圧縮される成分の混合物に均一に分布されて、医薬製剤を形成し、それぞれの医薬製剤は、実質的に同量のブロモクリプチンを含み、結果として、患者に実質的に同量のブロモクリプチンを提供する。この特性は、ブロモクリプチンが、それぞれの医薬製剤が有効量のブロモクリプチンを提供するが、副作用を導き得るほどの高用量のブロモクリプチンを提供しないことによって、一貫した有効性を提供することが望ましい。
【0116】
血糖コントロールを改善し、2型糖尿病を治療するためにブロモクリプチンの使用に関与する作用様式は、この目的に適した製剤を開発し、製造する挑戦を示す。薬剤(例えば、受容体をブロックし、又は酵素を阻害する)の薬理作用が、治療期間全体において維持される場合、多くの薬剤は最良に働く。理論に縛られないが、臨床前研究の結果は、午前中にブロモクリプチンを適切なタイミングで毎日投与することは、インスリン抵抗性、耐糖能異常状態を誘導し、増強し、維持する異常な視床下部神経伝達物質活性を正常にする
ことを示唆する。
【0117】
そのため、血糖コントロールを改善し、2型糖尿病を治療するために製造されるブロモクリプチンの製剤は、製剤からブロモクリプチンを一貫して、迅速に、実質的に完全に放出して、糖尿病を治療するための最適な薬物動態プロファイルを提供するはずであると考えられる。例えば、理論に縛られないが、血糖コントロールを改善するためのブロモクリプチンは、少なくとも約0.1mgのブロモクリプチンの体積を提供し、約30分以内に少なくとも約80%、又は好ましくは少なくとも約90%のブロモクリプチンを放出する医薬製剤に製剤化されるはずであることが理解される。薬剤の放出は、例えば、U.S.Pharmacopoeia(USP)、General Chapter711、Dissolution、34版、2011に記載される方法及び装置を使用して測定することができる。本開示に記載される医薬製剤からブロモクリプチンの放出を測定する適切な方法は、500mlの0.1Nの塩酸において、50rpmのUSP Apparatus Type2 Paddle Methodを使用することができる。溶解実験は通常、約37℃で実施される。特定量及び放出特性を一貫して提供する本明細書に記載のブロモクリプチンクエン酸塩産物は、製造することができ、得られる産物は、限定されないが、2型糖尿病を含むその主要要素、糖尿病前症(空腹時血中ブドウ糖不良又は耐糖能障害)、メタボリックシンドローム又はその指標(主要要素)(胴囲長の増加、空腹時血糖値の増加、空腹時血漿中トリグリセリドの増加、空腹時高密度リポタンパク質レベルの減少、血圧の上昇)、インスリン抵抗性、高インスリン血症、心血管疾患(又は動脈硬化症、冠動脈疾患、末梢血管疾患又は脳血管疾患等のその主要要素)、うっ血性心不全、肥満、血漿中ノルエピネフリンの増加、心血管に関係する炎症因子の増加、高リポ蛋白血症、粥状動脈硬化、過食症、高血糖症、高脂血症、及び高血圧又は血圧の上昇、食後の血漿中トリグリセリド又は遊離脂肪酸レベルの増加、細胞酸化ストレス又はその血漿指標の増加、循環血液凝固亢進状態の増加、腎不全を含む腎疾患を含むその主要要素を含む代謝障害を改善するためにそれほど効果的でない場合があり得る(その全ては本明細書に開示される製剤で治療することができる)。
【0118】
適切な一貫した放出特性を提供する他に、安全及び効果的なブロモクリプチン製剤を製造する別の重要な態様は、製剤は一貫した治療用量のブロモクリプチンを提供し、並びに治療利益を提供しないブロモクリプチン分解産物の存在から、可能性としての副作用を回避するように、製剤におけるブロモクリプチンは、長期間にわたり安定でなければならない。ブロモクリプチンのブロモクリプチニンへの分解は、褐変反応の同時形成(すなわち、白色の医薬製剤及び/又は粉末賦形剤の分解が関連する褐色)を伴い又は伴わず、、ストレス条件下の増加したレベルで両方とも発生するステアリン酸マグネシウム及びラクトースを有するブロモクリプチン製剤の主要な分解物を示す(すなわち通常のブロモクリプチン貯蔵条件よりも高い熱及び/又は湿度の条件、例えば、25±2℃の温度、及び約60±5%の相対湿度)。
【0119】
理論に縛られことを望まないが、褐変反応の可能性としての促進薬及びブロモクリプチニンの製造は、アルカリ環境(例えば、ステアリン酸アルカリマグネシウム[Mgステアリン酸塩]の存在によって生じる環境又はマグネシウムの存在下で)の存在下で、ブロモクリプチンのラクトースとの相互作用である。このような相互作用は、ラクトースの通常の塩基性触媒に基づく反応を生じる可能性がある。あるいは、又はさらに、Mgステアリン酸塩は、ブロモクリプチンと直接的に相互作用して(ラクトースの存在又は非存在の何れかで)、そのブロモクリプチニンへの異性化を触媒することができる。ブロモクリプチニンそれ自体が、潜在的にラクトースによる褐変反応に関与する可能性もある。驚くべきこととして、ブロモクリプチンの存在下で、Mgのラクトースとの相互作用は、分解褐変反応を促進することを予想することができる(図2を参照されたい)。すなわち、ステアリン酸マグネシウムではないが、マグネシウムは、特にラクトースの存在下で、ブロモク
リプチンに特に損傷を与え得る。前述の分解反応の何れか又は全てが、熱及び/又は湿度の増加、例えば、通常のブロモクリプチン貯蔵条件よりも高い熱及び/又は湿度によって加速し得る。前述の反応の何れか又は全てが、pHの増加、例えば、ブロモクリプチン製剤の1つ以上の不純物の存在によって生じるpHの増加によって加速し得る。このように、医薬製剤においてブロモクリプチンと組み合わせて、一緒に酸性化合物を加えて、ブロモクリプチンの安定性を増強することは反直感的である。さらに、潤滑剤等の化合物を加えて、この機能を有するものとしては通常、許容されていないブロモクリプチンの安定性を増強することは反直感的である。
【0120】
実施例4に示されるように、褐変反応において、Mgステアリン酸塩及び/又はラクトースをブロモクリプチンメシル酸塩の存在から減少又は無くす効果を調査するために、様々なブロモクリプチン製剤が研究された。Mgステアリン酸塩、ラクトース又はMgステアリン酸塩とラクトースの両方をブロモクリプチンメシル酸塩製剤から減少又は取り除くことは、ブロモクリプチンのブロモクリプチニンへの分解率及び褐変反応の形成率を減少したことがわかった。Mgステアリン酸塩及びラクトースの両方を取り除くことは、(Mgステアリン酸塩のみを取り除く、又はラクトースのみを取り除くことに対して)最大の範囲で褐変反応の形成率を減少した。さらに、Mgステアリン酸塩は、1つ以上の酸性化合物、例えば、ステアリン酸、又は1つ以上の非マグネシウム塩滑剤(例えば、固体ヒマシ油)に置き換えて、ブロモクリプチンの分解率及び褐変反応の形成率を減少することができる。前述のブロモクリプチン製剤の変化の代わりに又は他に、ラクトースは、マンニトール及び/又は1つ以上のその他の短鎖糖類に置き換えて、ブロモクリプチンの分解率及び褐変反応の形成率を減少することができる。あるいは、又はさらに、1つ以上の酸性化合物、例えば、クエン酸又はステアリン酸は、マンニトールのブロモクリプチン製剤に加えて、ブロモクリプチンの分解率及び褐変反応の形成率を減少することができる。同様に、ブロモクリプチンのこの特定の分解反応は、通常、ブロモクリプチンを破壊すること知られている相互作用である、製剤に酸を加えることによって反直感的に減少する。
【0121】
ブロモクリプチンメシル酸塩の加速する放出性剤は、米国特許第5,679,685号明細書に記載され、ブロモクリプチンメシル酸塩からの加速される放出が、ブロモクリプチン、抗酸化剤、フィラー、崩壊剤、水除去薬及び潤滑剤を配合することによって達成することができることを検討している。好ましい製剤において、ブロモクリプチン製剤は、クエン酸、コーンスターチ、非ラクトースフィラー、二酸化ケイ素及びステアリン酸マグネシウムと一緒にブロモクリプチンメシル酸塩を含んだ。無水フィラーの使用は、水分量を最小にするために好ましい。クエン酸は抗酸化剤である。コーンスターチは崩壊剤である。コロイド二酸化ケイ素は、水除去薬として作用する。ステアリン酸マグネシウムは、潤滑剤として作用する。
【0122】
‘685特許は、実験室の規模の速放性ブロモクリプチンメシル酸塩の調製について記載しており、最終製剤からブロモクリプチンメシル酸塩の溶解及び放出率における高い変動があり、許容可能な製品の均一性を達成するときに問題が見つかったため、市販使用に適した大規模なこのような製剤の製造時に、困難に遭遇した。さらに、この製剤は、標準的な医薬品条件(25℃及び60%の湿度)の下、貯蔵における乏しい長期安定性を示し、40℃及び75%のRHではより悪い安定性を示し、非常に不充分な水溶性であり、水分解に非常に不安定である。
【0123】
2型糖尿病の患者の血糖コントロールを改善するためのブロモクリプチンメシル酸塩医薬製剤の製造は、医薬製剤を製造するときに使用されるブロモクリプチンメシル酸塩の粒子のサイズを慎重に制御することによって、かなり改善することができることが分かった。粒径を制御することによって、一貫して放出特性を提供する医薬製剤を製造することができ、ブロモクリプチンメシル酸塩の約90%超が約30分、又はさらには20分で放出
され、それによって、血糖コントロールの改善及び2型糖尿病の治療のための一貫して許容可能な能力及び安全特性を有する製品が確実に製造される。これは、例えば、成分が混合された混合物に定着するのを可能にする時間無しに、混合した後に錠剤にするためのブロモクリプチン製剤混合物の直接的な輸送を使用することによって、改善された含量均一性を達成する製造方法が使用される。利点は、規定された薬の含量及び薬剤放出特性を有する製剤を再現性に製造する能力を含んで、食品医薬品局等の薬監督官庁によって義務付けられる品質標準を満たすことを含む。
【0124】
特に、ブロモクリプチンが約20μm以下のDv90を有し、そのため本明細書に記載のブロモクリプチン医薬製剤が特定の粒径分布を有するように、2型糖尿病の患者の血糖コントロールを改善するためのブロモクリプチン医薬製剤に使用されるブロモクリプチンの粒径を制御することが望ましい。いくつかの実施形態において、医薬製剤の製造に使用されるブロモクリプチンは、約20μm以下、約18μm以下、約16μm以下、約15μm以下、約10μm以下、又は約5μm以下のDv90を有し得る。いくつかの実施形態において、医薬製剤の製造に使用されるブロモクリプチンは、約15μm以下、約10μm以下、又は約5μm以下のDv99を有し得る。いくつかの実施形態において、医薬製剤の製造に使用されるブロモクリプチンは、約10μm以下、約8μm以下、約7μm以下、約5μm以下又は約2μm以下のDv50を有し得る。いくつかの実施形態において、医薬製剤の製造に使用されるブロモクリプチンは、約5μm以下、約3μm以下、又は約2μm以下のDv10を有し得る。いくつかの実施形態において、医薬製剤の製造に使用されるブロモクリプチンは、約40%以下、約20%以下、10%以下、又は約5%以下のブロモクリプチンが約1μm未満の粒径を有するように、体積に基づいた粒径分布を有し得る。
【0125】
いくつかの実施形態において、医薬製剤の製造に使用されるブロモクリプチンは、粒径分布が約20μm以下のDv90、約10μm以下のDv50及び約5μm以下のDv10を有するように、粒径を有し得る。いくつかの実施形態において、医薬製剤の製造に使用されるブロモクリプチンは、粒径分布が約15μm以下のDv90、約8μm以下のDv50及び約3μm以下のDv10を有するように、粒径を有し得る。いくつかの実施形態において、医薬製剤の製造に使用されるブロモクリプチンは、粒径分布が約10μm以下のDv90、約5μm以下のDv50及び約3μm以下のDv10を有するように、粒径を有し得る。いくつかの実施形態において、医薬製剤の製造に使用されるブロモクリプチンは、粒径分布が約8μm以下のDv90、約5μm以下のDv50及び約3μm以下のDv10を有するように、粒径を有し得る。いくつかの実施形態において、医薬製剤の製造に使用されるブロモクリプチンは、粒径分布が約5μm以下のDv90、約3μm以下のDv50及び約1μm以下のDv10を有するように、粒径を有し得る。
【0126】
いくつかの実施形態において、医薬製剤の製造に使用されるブロモクリプチンは、粒径スパンが約5以下、約3以下、約2.5以下、又は約2以下、又は約1.5以下であるように、体積に基づいた粒径を有し得る。
【0127】
いくつかの実施形態において、ブロモクリプチンは、0.1~100umの粒径の直径を有する。
【0128】
一実施形態において、ブロモクリプチンは、0.5~3.0umの平均粒径の直径を有する。
【0129】
制御された粒径を有するブロモクリプチンを使用することによって、ブロモクリプチン医薬製剤は、一貫して、血糖コントロールを改善し、2型糖尿病を治療するのに効果的な薬剤放出特性を提供するブロモクリプチン医薬製剤を製造することができる。
【0130】
制御された粒径を有するブロモクリプチンを使用して調製されるブロモクリプチン医薬製剤は、約37℃で、500mlの0.1Nの塩酸中、50rpmでUSP Apparatus Type2 Paddle Methodにおいて試験を行った場合に、医薬製剤が約30分で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約90%のブロモクリプチンを放出するように、溶解特性を提供するように製剤化される。いくつかの実施形態において、ブロモクリプチン医薬製剤は、医薬製剤が約30分で少なくとも約95%のブロモクリプチンを放出するように溶解特性を提供する。いくつかの実施形態において、ブロモクリプチン医薬製剤は、医薬製剤が約20分で少なくとも約80%、又は少なくとも約90%のブロモクリプチンを放出するように溶解特性を提供する。約37℃で、500mlの0.1Nの塩酸中、50rpmでUSP Apparatus Type2 Paddle Methodにおいて試験を行った場合に、医薬製剤が約30分で少なくとも約80%、好ましくは約90%のブロモクリプチンが放出するように溶解特性を提供するように製剤化され、ブロモクリプチンを極端に速く放出する製剤は、結果としてin vivoの薬剤レベルに望ましくないスパイクとなり、2型糖尿病の治療に適切になり得ず、又は副作用を引き起こす場合があるため、製剤からブロモクリプチンを極端に速く放出することは望ましくない場合がある。したがって、いくつかの実施形態において、微粒子化ブロモクリプチンを使用して調製されるブロモクリプチン医薬製剤は、製剤化されて、500mlの0.1Nの塩酸中、50rpmでUSP Apparatus Type2 Paddle Methodにおいて37℃で試験を行った場合に、約75%以下、約60%以下、又は約50%以下のブロモクリプチンが約7分で放出され、及び/又は約90%以下、約85%以下、約80%以下、又は約75%以下のブロモクリプチンが約10分で放出されるように、溶解特性を提供するように製剤化される。特定の粒径分布を有するブロモクリプチンを使用してブロモクリプチン医薬製剤を製造することによって、放出特性を達成することができ、完成した製剤は、2型糖尿病の治療に適切な溶解特性を一貫して提供する。
【0131】
制御された粒径を有するブロモクリプチンを使用して調製されたブロモクリプチン医薬製剤は、製剤化されて、ブロモクリプチン医薬製剤の投与後に(例えば、それぞれが約0.8mgのブロモクリプチンの用量を提供する6つのブロモクリプチン医薬製剤の投与)、医薬製剤が空腹条件下で成人対象に投与される場合では、最大血漿中濃度までの時間(Tmax)が約50分、例えば、約53分等の約30~約60分であり、または医薬製剤が高脂肪供給条件下で成人対象に投与される場合では約90~120分である。
【0132】
ブロモクリプチン医薬製剤は、例えば、医薬製剤あたり少なくとも約0.1mgのブロモクリプチン、又は例えば、医薬製剤あたり約0.8mgの用量を提供するブロモクリプチンクエン酸塩のブロモクリプチンの量を含み得る。ブロモクリプチン医薬製剤は、例えば、約0.8mg、約1.6mg、約2.4mg、約3.2mg、約4.0mg、約4.8mg、約5.6mg、約6.4mg、約7.2mg、約8.0mg、約8.8mg、又は約9.6mgのブロモクリプチンの医薬製剤あたりの用量を提供するブロモクリプチンの量を含み得る。
【0133】
いくつかの実施形態において、粒径は、微粒子化ブロモクリプチンの使用によって制御することができる。血糖コントロールを改善し、2型糖尿病を治療するための優れたブロモクリプチン製剤は、ブロモクリプチン医薬製剤を製造するための微粒子化ブロモクリプチンを使用することによって調製することができることが発見された。微粒子化ブロモクリプチンは、Dv99、Dv90、Dv50、Dv10、前述の値を有する粒径分布のスパン、及びその他の特性を有し得、その任意の実施形態又はその組み合わせを含む。微粒子化ブロモクリプチンを使用して製造された医薬製剤は、血糖コントロールを改善し、2型糖尿病を治療するのに効果的である前述の溶解特性の何れかを有し得、その任意の実施
形態又はその組み合わせを含む。さらに、微粒子化ブロモクリプチンを使用して製造される製剤は、前述の薬物動態特性を提供し得、前述のブロモクリプチンの量を含み得る。
【0134】
微粒子化は、粒径の減少を提供して、体積分布方法等の当業者に知られている方法によって測定される場合、数ミクロンのオーダーの直径である粒子を提供する。本明細書に開示される製剤を得るためにブロモクリプチンを微粒子化する方法は、当業者に知られている方法を含み、限定されないが、粉砕、研磨及び超臨界流体の使用が挙げられる。例えば、微粒子化の1つの方法(「超臨界溶液の急速拡大(rapid expansion of supercritical solutions)」又はRESS方法)では、材料は高温及び高圧下に超臨界流体を溶解し、得られる溶液はノズルを通して拡大されて小粒子を形成する。
【0135】
ジェットミルによる微粒子化は、低いミクロン範囲の粒子を生成するために使用することができ、ブロモクリプチンを微粒子化するのに好ましい方法である。端的には、約1~2mmの最大の大きさを有する原材料は、ガス流を介して粉砕室に導入される。粉砕室の内部では、円形ガス流が互いに又は室の壁に衝突することによって微粒子化される粒子を加速する。粉砕された粒子はガス流によって粉砕室から除去され、より大きい粒子は、遠心力によって内部に留まる。ブロモクリプチンを微粒子化する好ましい工程において、微粒子化は、約0℃の制御された温度で、窒素雰囲気下で、ジェットミルを使用して実施される。しかしながら、前述のようにブロモクリプチン粒径を減少することは、また、ブロモクリプチンの不安定性を非常に著しく増加させる。結果として、ブロモクリプチンを破壊する環境において、非常に水溶性でありながら、微粒子化ブロモクリプチンの安定性を保持することができる新規方法を開発する必要がある。
【0136】
驚くべきこととして、ブロモクリプチン製剤において潤滑剤として伝統的に使用される特定の賦形剤を含むことが、医薬製剤の安定性を改善することができることが分かった。さらに、驚くべきこととして、ブロモクリプチン製剤において滑剤として(例えばステアリン酸マグネシウム)又はフィラー/崩壊剤(例えばラクトース)として使用される特定の賦形剤を除外することが、微粒子化ブロモクリプチンの医薬製剤の安定性を改善することができることが分かった。潤滑剤は、通常、医薬製剤及びカプセル製剤に少量で加えられる剤であって、特定の加工特性を改善する。潤滑剤は、医薬製剤の形成の間、医薬製剤とダイ壁との間のインターフェースにおける摩擦を減少して、例えば、医薬製剤をダイから排出することを補助し、パンチ及びダイ上の摩耗を減少する役割を有する。さらに、潤滑剤は、抗接着剤の役割を有することができ、例えば、医薬製剤がパンチの表面又はカプセル充填装置に粘着するのを防ぐ。潤滑剤は、また、滑剤の役割も有することができ、例えば、粒子間の摩擦を減少することによって、製品流を増加させる。潤滑剤、特に酸性潤滑剤は、通常、ブロモクリプチン等の薬剤の分解反応を減少するために使用されない。
【0137】
本明細書に記載の微粒子化ブロモクリプチン医薬製剤の安定性を改善するのに効果的である賦形剤又は潤滑剤は、トリグリセリド又は遊離脂肪酸を含む。トリグリセリドは、6~14炭素原子(C-C14脂肪酸)、14~26炭素原子(C14-C26脂肪酸)、14~24炭素原子(C14-C24脂肪酸)、14~22炭素原子(C14-C22脂肪酸)、14~20炭素原子(C14-C20脂肪酸)、14~18炭素原子(C14-C18脂肪酸)、16~24炭素原子(C16-C24脂肪酸)、16~22炭素原子(C16-C22脂肪酸)、16~20炭素原子(C16-C20脂肪酸)、16~18炭素原子(C16-C18脂肪酸)、18~24炭素原子(C18-C24脂肪酸)、18~22炭素原子(C18-C22脂肪酸)又は18~20炭素原子(C18-C20脂肪酸)を有する脂肪酸アシル基を有することができる。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%は、C14-C
26脂肪酸の脂肪酸アシル基であり得る。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%は、C-C14脂肪酸の脂肪酸アシル基であり得る。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%は、C14-C24脂肪酸の脂肪酸アシル基であり得る。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%は、C14-C22脂肪酸の脂肪酸アシル基であり得る。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%は、C14-C20脂肪酸の脂肪酸アシル基であり得る。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%は、C14-C18脂肪酸の脂肪酸アシル基であり得る。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%は、C16-C26脂肪酸の脂肪酸アシル基であり得る。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%は、C16-C24脂肪酸の脂肪酸アシル基であり得る。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%は、C16-C22脂肪酸の脂肪酸アシル基であり得る。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%は、C16-C20脂肪酸の脂肪酸アシル基であり得る。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%は、C16-C18脂肪酸の脂肪酸アシル基であり得る。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%は、C18-C26脂肪酸の脂肪酸アシル基であり得る。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%は、C18-C24脂肪酸の脂肪酸アシル基であり得る。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%は、C18-C22脂肪酸の脂肪酸アシル基であり得る。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%は、C18-C20脂肪酸の脂肪酸アシル基であり得る。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%は、C18脂肪酸の脂肪酸アシル基であり得る。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基は、飽和脂肪酸の脂肪酸アシル基であり得る。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%は、飽和脂肪酸の脂肪酸アシル基であり得る。いくつかの実施形態において、トリグリセリドのアシル基の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%は、ステアロイル基又は12-ヒドロキシステアロイル基であり得る。
【0138】
適切な賦形剤又は潤滑剤の例として、限定されないが、ワックス、グリセリド、植物油及び水素添加植物油が挙げられる。植物油の例として、アーモンド油、アプリコット核油、キャノーラ油、ヒマシ油、シナモン油、ココナッツ油、コーン油、綿実油、アマニ油、ヤシ油、ヤシ核油、オリーブ油、ピーナッツ油、ナタネ油、ベニバナ油、大豆油及びヒマワリ油及びその混合物が挙げられる。水素添加植物油の例として、水素添加ヒマシ油(ヒマシワックス)、水素添加ココナッツ油、水素添加綿実油、水素添加パーム油、水素添加パーム核油、水素添加大豆油及びその組み合わせを含む。適切な賦形剤又は潤滑剤として、限定されないが、BBS(部分水素添加植物油);BBS-C(部分水素添加植物油);CASTORWAX(登録商標)(水素添加ヒマシ油)、CASTORWAX(登録商標)MP-70(水素添加ヒマシ油)、CASTORWAX(登録商標)MP-80(水素添加ヒマシ油)、CENWAX(登録商標)G(水素添加ヒマシ油)、CERIT(商標)SH(水素添加ヒマシ油)、CUTINA(登録商標)HR(水素添加ヒマシ種油);HYDRO~KOTE(登録商標)112(水素添加パーム核油);HYDRO~KOTE(登録商標)C(水素添加綿実油);HYDRO~KOTE(登録商標)M(水素添加パーム核油);HYDRO~KOTE(登録商標)S(水素添加大豆油);KOLLIWAX(登録商標)HCO(水素添加ヒマシ油)、LUBRITAB(登録商標)(水素添加綿実油、STEROTEX(登録商標)K(水素添加大豆油及びヒマシワックス)、STEROTEX(登録商標)(水素添加綿実油)、STEROTEX(登録商標)FL(水素添加大豆油)が挙げられる。
【0139】
潤滑剤、製剤又は両方は、実質的にラクトースを含まないことができる。
【0140】
潤滑剤、製剤又は両方は、実質的にマグネシウムを含まないことができる。この文脈における「実質的に含まない」は、マグネシウムイオンが百万分率で存在し得(好ましくは約10ppm未満)、好ましくは、百分率(パーセント)範囲で存在しないこと意味する。
【0141】
医薬製剤に含まれる潤滑剤は、医薬製剤の総重量に比べて、約0.75重量%未満のステアリン酸マグネシウムを含み得る。
【0142】
製剤を安定させるために使用される賦形剤又は潤滑剤は、約0.1重量%~約25重量%の量で使用することができる。いくつかの実施形態において、賦形剤又は潤滑剤は、約0.5~約5重量%の量で使用される。いくつかの実施形態において、賦形剤又は潤滑剤は、約1~約5重量%の量で使用される。いくつかの実施形態において、賦形剤又は潤滑剤は、約1.5~約5重量%の量で使用される。いくつかの実施形態において、賦形剤又は潤滑剤は、約2~約5重量%の量で使用される。いくつかの実施形態において、賦形剤又は潤滑剤は、約0.1~約3重量%の量で使用される。いくつかの実施形態において、賦形剤又は潤滑剤は、約0.5~約3重量%の量で使用される。いくつかの実施形態において、賦形剤又は潤滑剤は、約1.5~約3重量%の量で使用される。いくつかの実施形態において、賦形剤又は潤滑剤は、約2~約3重量%の量で使用される。いくつかの実施形態において、賦形剤又は潤滑剤は、約0.5~約2.5重量%の量で使用される。いくつかの実施形態において、賦形剤又は潤滑剤は、約0.5~約1.5重量%の量で使用される。いくつかの実施形態において、賦形剤又は潤滑剤は、約1.5~約2.5重量%の量で使用される。いくつかの実施形態において、賦形剤又は潤滑剤は、約2重量%の量で使用される。
【0143】
いくつかの実施形態において、賦形剤又は潤滑剤は、顆粒外である。賦形剤又は潤滑剤は、残っている成分を混合した後に、例えば、錠剤にする前に加えることができる。
【0144】
本出願は、また、医薬製剤の特定の賦形剤の量を含む、除外する又は減少する微粒子化ブロモクリプチンを含む医薬製剤を記載し、特定の条件下で一定期間保管される場合、医薬製剤に含まれる関係物質又は不純物の量を減少することができる。一態様において、医薬製剤の総重量において微粒子化ブロモクリプチンを含み、ステアリン酸マグネシウムを含まない医薬製剤が提供される。さらなる態様において、微粒子化ブロモクリプチン及びステアリン酸、脂肪酸及び少なくとも1つのトリグリセリド、又はその組み合わせを含む医薬製剤が提供される。トリグリセリドは、前述の潤滑剤又は賦形剤を含有するトリグリセリドの任意の特性であることができ、又は有することができる。
【0145】
例示的医薬製剤は、様々な潤滑剤(例えば、実施例6を参照されたい)を有する微粒子化ブロモクリプチンメシル酸塩を使用して調製された。製剤は、表8に示される組成物を有した。製剤Aは、潤滑剤としてステアリン酸マグネシウム(0.76重量%)を使用したコントロールであった。製剤Bは、潤滑剤としてステアリン酸(2%)を使用した。製剤Cは、潤滑剤としてフマル酸ステアリルナトリウム(2%)を使用した。製剤Dは、潤滑剤として水素添加ヒマシ油(KOLLIWAX(登録商標)HCO)(2%)を使用した。最後に、製剤Eは、潤滑剤としてステアリン酸マグネシウムを使用した(製剤Aより減少した量、0.44%)。それぞれの医薬製剤は、25±2℃及び60±5%RH、30±2℃及び65±5%RH、又は40±2℃及び75±5%RHで最大3か月保管され、実験の開始時及び1、2、及び/又は3か月に関係の物質の不純物について分析を行った。表9、図1A、1B及び1Cに示される結果は、潤滑剤として水素添加ヒマシ油を使用した製剤は、任意のその他の製剤よりも非常に安定しており、少量の関係物質の不純物を形成した。フマル酸ステアリルナトリウム又は医薬製剤の総重量に対して約0.75重量%未満のステアリン酸マグネシウムを使用した製剤は、また、コントロールの製剤Aよりも安定しており、少量の関係物質の不純物を形成した。さらに、製剤A及びC-Eの溶解について、25±2℃及び60±5%RHで3か月間保管される前と後の両方に試験を行い、結果を表10に示し、前述の潤滑剤は、保管前又は後に、任意の製剤の溶解に大きな効果を有しなかった。
【0146】
前述の製剤を安定させる賦形剤又は潤滑剤を含む製剤は、制御された粒径のブロモクリプチンを使用して調製することができ、Dv99、Dv90、Dv50、Dv10、スパン及びその任意の実施形態又はその組み合わせを含む前述の値を有する粒径分布のその他の特性を有し得る。ブロモクリプチンの粒径は、微粒子化又は前述のその他の方法の何れかによって制御することができる。制御された粒径のブロモクリプチン及び希釈剤を使用して製造された医薬製剤は、その任意の実施形態又はその組み合わせを含む高血糖制御及び2型糖尿病等の代謝障害又は主要要素を改善するのに効果的であるとして、前述の溶解特性の何れかを有し得る。さらに、前述の製剤を安定させる賦形剤又は潤滑剤を使用して製造される製剤は、前述の薬物動態特性を提供し得、前述のブロモクリプチンの量を含み得る。
【0147】
別の態様において、本開示は、増強した安定性を有する微粒子化ブロモクリプチンを含有するブロモクリプチン医薬製剤を提供する。医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約18か月間保管した後に、医薬製剤は合計の関係物質を8%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約24か月間保管した後に、医薬製剤は合計の関係物質を8%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約36か月間保管した後に、医薬製剤は合計の関係物質を8%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約48か月間保管した後に、医薬製剤は合計の関係物質を8%以下しか含まないことができる。医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の
温度、約60±5%の相対湿度で約18か月間保管した後に、医薬製剤はブロモクリプチニンを8%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約24か月間保管した後に、医薬製剤はブロモクリプチニンを8%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約36か月間保管した後に、医薬製剤はブロモクリプチニンを8%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約48か月間保管した後に、医薬製剤はブロモクリプチニンを8%以下しか含まないことができる。医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約18か月間保管した後に、医薬製剤は合計の関係物質を5%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約24か月間保管した後に、医薬製剤は合計の関係物質を5%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約36か月間保管した後に、医薬製剤は合計の関係物質を5%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約48か月間保管した後に、医薬製剤は合計の関係物質を5%以下しか含まないことができる。医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約18か月間保管した後に、医薬製剤はブロモクリプチニンを5%以下しか含まないことができる。医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約18か月間保管した後に、医薬製剤はブロモクリプチニンを3%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約24か月間保管した後に、医薬製剤はブロモクリプチニンを5%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約36か月間保管した後に、医薬製剤はブロモクリプチニンを5%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約48か月間保管した後に、医薬製剤はブロモクリプチニンを5%以下しか含まないことができる。医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約18か月間保管した後に、医薬製剤は合計の関係物質を3%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約24か月間保管した後に、医薬製剤は合計の関係物質を3%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約36か月間保管した後に、医薬製剤は合計の関係物質を3%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約48か月間保管した後に、医薬製剤は合計の関係物質を3%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約18か月間保管した後に、医薬製剤はブロモクリプチニンを3%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約24か月間保管した後に、医薬製剤はブロモクリプチニンを3%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約36か月間保管した後に、医薬製剤はブロモクリプチニンを3%以下しか含まないことができる。いくつかの実施形態において、医薬製剤の安定性は、医薬製剤を25±2℃の温度、約60±5%の相対湿度で約48か月間保管した後に、医薬製剤はブロモクリプチニンを3%以下しか含まないことができる。
【0148】
合計の関係物質の量又はブロモクリプチンの量は、300nmのUV吸収の検出を使用
して、HPLC分析によって決定される。
【0149】
いくつかの実施形態において医薬製剤が40±2℃の温度で、約70±5%の相対湿度で、約6週間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を1%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。
【0150】
いくつかの実施形態において医薬製剤が40±2℃の温度で、約70±5%の相対湿度で、約6か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を8%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。
【0151】
いくつかの実施形態において医薬製剤が40±2℃の温度で、約70±5%の相対湿度で、少なくとも6か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を8%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。
【0152】
いくつかの実施形態において医薬製剤が40±2℃の温度で、約70±5%の相対湿度で、少なくとも12か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を8%以下しか含まないように、医薬製剤は安定である。合計の関係物質の量又はブロモクリプチンの量は、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定される。
【0153】
本明細書に開示される製剤は、また、透過増強剤、生体付着剤、膜形成剤、可塑剤、安定剤、フィラー及び粘膜組織刺激減少剤、バインダー、崩壊剤、重滑剤及びフィラーを含むことができる。
【0154】
生体付着剤は、例えば、接着性錠剤、溶液、コロイド状懸濁液、ゲル、軟膏、パッチ、フィルム、ペースト及びトローチに含まれる。生体付着剤ポリマーの例として、限定されないが、Klucel、Benecel(登録商標)MP814、コリドン、キトサン、セルロース誘導体、Carbopol934P、Carbopol974P、1Voveou AA-1、carbopole樹脂、カルボマー、キサンタンガム、不活性希釈剤及び有効成分と合わせたポリカルボフィル及びポリエチレンオキシド、及びイオン多糖類が挙げられる。異なる分子量及び異なる置換度のいくつかの合成及び半合成生体付着性ポリマーとして、限定されないが、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及びその他が挙げられる。これらの生体付着性製剤の粘膜付着は、生体付着剤の水和親水コロイド鎖及び口腔粘膜の糖タンパク質鎖の相互浸透に基づく。
【0155】
適切な膜形成剤の例として、限定されないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース及びポリメタクリレートが挙げられる。
【0156】
適切な可塑剤の例として、限定されないが、異なる分子量(例えば、200~8000Da)のポリエチレングリコール、植物ガム及びプロピレングリコール及びクエン酸トリエチルが挙げられる。
【0157】
透過増強剤の例として、限定されないが、胆汁酸塩、脂肪酸、脂肪酸誘導体、界面活性剤、ラウリン酸(laureate)、ミリスチン酸及びポリエチレングリコールのステアリン酸モノエステル、エナミン誘導体及びα-ケトアルデヒド等の脂肪酸エステル、コール酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、ラウリル硫
酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDTA)、アプロチニン、アゾン、5-メトキシサリチル酸ナトリウム、1-オレイルアザシクロヘプタン-2-オン及び/又は水性溶媒に高親和性を有するシリカ、例えば、商標Syloid(登録商標)によって良く知られている懸濁されたシリカ、マルトデキストリン、β-シクロデキストリン、界面活性剤、キレート剤、シクロデキストリン、キトサン及び低級アルコールが挙げられる。
【0158】
安定剤の例として、限定されないが、クエン酸、アスコルビン酸、オレイン酸、カプリル酸、カプリン酸、ポリビニルピロリドン、ワックス、ブロックコポリマー、ポロキサマー、ポロキサマー188及び407、ポロキサミン、ポロキサミン908、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ゼラチン、多糖、ヒアルロン酸、キトサン、キトサンの誘導体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の誘導体、ポリカルボフィル、セルロース誘導体、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、糖エステル、サッカロースモノステアラート、個別にクエン酸ナトリウム、脂肪酸、脂肪アルコール、アルコール類、長鎖脂肪酸エステル、長鎖エーテル、脂肪酸の親水性誘導体、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール、炭化水素、疎水性ポリマー、吸湿性ポリマー及びその組み合わせが挙げられる。
【0159】
無水粘膜組織刺激減少剤の例として、限定されないが、オリーブ油、コーン油又は鉱油等の植物油が挙げられる。フィラーの例として、限定されないが、微細セルロース、例えば、ProSolv、Pharmaburst、Cab-o-sil及び糖類類、例えば、マンニトール、ラクトース、キシリトール並びにその混合物が挙げられる。
【0160】
適切なバインダーの例として、限定されないが、個別に又は組み合わせて、ショ糖、ゼラチン、グルコース、スターチ、セルロース材料、ポリエチレングリコール、ポビドン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、アルギン酸及びアルギン酸の塩等の結合剤、カラギナンカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ポリエチレングリコール、グアーガム、多糖酸、ベントナイト、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ヒドロキシメチルポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸(Eudragit等)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(Klucel(商標))、エチルセルロース(Ethocel(商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルファ化デンプン(National(商標)1511及びStarch1500等)、ショ糖、ラクトース、スターチペースト、ポビドンポリエチレングリコール、Pullulan及びコーンシロップ、ワックス並びに天然及び合成ゴム、例えば、アカシア、トラガント、植物ガム、ヒマシ油、微結晶セルロース、デキストリン、液体グルコース、グアーガム、ペクチン、PEG、ポビドン、アルファ化デンプン等が挙げられる。
【0161】
適切な崩壊剤の例として、限定されないが、Klucel、トウモロコシデンプン及び米デンプン等のスターチ、架橋N-ビニル-2-ピロリドン(CLPVP)、アルギン酸及びアルギン酸塩、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びその他のセルロース誘導体、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、スターチ、アルファ化デンプン、Pharmablast(登録商標)カルボキシメチルスターチ(例えば、Primogel(登録商標)及びExplotab(登録商標)(デンプングリコール酸ナトリウム及びデンプングリコール酸ナトリウム))、デンプングリコール酸ナトリウム及びホルムアルデヒドカゼインが挙げられる。発泡性崩壊剤として、限定されないが、例えば、スターチ、炭酸水素カリウム、及びクエン酸又は酒石酸と組み合わせた炭酸水素ナトリウムが挙げられる。崩壊剤は、粒状内崩壊剤又は粒状外崩壊剤として存在する。
【0162】
適切な潤滑剤の例として、限定されないが、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、スターチ、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ステアリン酸カルシウム又はその他のテアリン酸金属塩、タルク、ワックス及びグリセリド、軽油、PEG、ベヘン酸グリセリル、コロイドシリカ、水素添加植物油、コーンスターチ、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコール、アルキル硫酸塩、安息香酸ナトリウム及び酢酸ナトリウムが挙げられる。
【0163】
適切な香味料の例として、限定されないが、メントール、ペパーミント、バニラ、果実フレーバ、及び甘味料、例えば、アスパルテーム又はサッカリンナトリウムが挙げられる。
【0164】
本明細書に開示される製剤として、さらに、賦形剤としてクエン酸を含み得る。賦形剤としてのクエン酸は、水におけるブロモクリプチンクエン酸塩の安定性を改善し(酸性環境において分解されるブロモクリプチンの知られている効果と正反対である)、また、ブロモクリプチン可溶性及び吸収を増加させることができる。抗酸化剤として使用されるその他の剤として、限定されないが、ビタミンA、C、E、β-カロテン、亜鉛、セレン、グルタチオン、コエンザイムQ-10及びエキネシアが挙げることができる。クエン酸又はその他の抗酸化剤は、約0.1重量%~約5重量%の量で使用することができる。いくつかの実施形態において、クエン酸又はその他の抗酸化剤は、約0.5重量%~約5重量%の量で使用することができる。いくつかの実施形態において、クエン酸又はその他の抗酸化剤は、約1重量%~約5重量%の量で使用することができる。いくつかの実施形態において、クエン酸又はその他の抗酸化剤は、約0.5重量%~約3重量%の量で使用することができる。いくつかの実施形態において、クエン酸又はその他の抗酸化剤は、約1重量%~約2重量%の量で使用することができる。いくつかの実施形態において、クエン酸又はその他の抗酸化剤は、約1.5重量%の量で使用することができる。製剤に使用されるクエン酸は、篩にかけられた場合、約3%以下のクエン酸が600μm超であり、篩にかけられた場合約5%超のクエン酸が150μm以下になる粒径になることができる。
【0165】
本明細書に開示される製剤は、また、1つ以上の(非ラクトース)崩壊剤も含むことができる。適切な崩壊剤の例として、限定されないが、コーンスターチ、トウモロコシデンプン、アルファ化デンプン、米デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム等のスターチ、アルギン酸又はアルギン酸ナトリウム等のアルギン酸塩、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、架橋N-ビニル-2-ピロリドン(CLPVP)、カルボキシルメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶セルロース及び低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、ホルムアルデヒドカゼイン及びポラクリリンカリウムが挙げられる。発泡性崩壊剤として、限定されないが、例えば、スターチ、炭酸水素カリウム、及びクエン酸又は酒石酸と組み合わせた炭酸水素ナトリウムが挙げられる。崩壊剤は、約2重量%~約50重量%の量で使用することができる。いくつかの実施形態において、崩壊剤は約5重量%~約20重量%の量で使用される。いくつかの実施形態において、崩壊剤は約5重量%~約15重量%の量で使用される。いくつかの実施形態において、崩壊剤は約10重量%の量で使用される。
【0166】
本明細書に開示される製剤は、また、短鎖糖類(ラクトースを除く単糖類又は二糖類)等の1つ以上の希釈剤を含み得る。このような短鎖糖類の例として、限定されないが、マンニトール、キシリトール、ブドウ糖、マルトース、ショ糖、ガラクトース、果糖及びソルビトールが挙げられる。いくつかの実施形態において、希釈剤は約60重量%~約90重量%の量で使用される。いくつかの実施形態において、希釈剤は約65重量%~約90重量%の量で使用される。いくつかの実施形態において、希釈剤は約70重量%~約90
重量%の量で使用される。いくつかの実施形態において、崩壊剤は約85重量%の量で使用される。好ましい製剤は、製剤からラクトースを除いたものである。
【0167】
いくつかの実施形態において、医薬製剤は、製剤化されて、ブロモクリプチン医薬製剤の投与後に(例えば、それぞれが約0.8mgのブロモクリプチンの用量を提供する6つの医薬製剤の投与)、医薬製剤が空腹条件下で成人対象に投与される場合では、最大血漿中濃度までの時間(Tmax)が約50分、例えば、約53分等の約30~約60分であり、または医薬製剤が高脂肪供給条件下で成人対象に投与される場合では約90~120分である。
【0168】
本明細書に記載のブロモクリプチン医薬製剤(例えば、錠剤)及び本明細書の方法によって調製されるブロモクリプチン医薬製剤は、2型糖尿病の個体の血糖コントロールを改善することによって、2型糖尿病を治療するために使用することができる。医薬製剤は、午前中に覚醒した後、食事と共に約2時間以内に投与することができる。初期用量は、毎日、約0.1mgのブロモクリプチンであってもよく、約1.6~約7.2mgの最大許容1日用量が達成されるまで、毎週、増加してもよい。
【0169】
本発明の特定の特徴は、明白性のために、個別の実施形態の文脈で記載され、1つの実施形態において組み合わせて提供することができる(実施形態は、増加する従属形態に記載されるように組み合わせることが意図される)ことが理解される。逆に、本発明の様々な特徴は、簡潔さのために、1つの実施形態の文脈で記載され、別個に又は任意の適切な副組み合わせで提供することもできる。
【0170】
従って、要約すると、
¶1.本開示は、したがって、ブロモクリプチン(例えば、ブロモクリプチンメシル酸塩又は異なるブロモクリプチン塩、例えば、ブロモクリプチンクエン酸塩)及び賦形剤を含む医薬製剤(例えば、錠剤)を提供し、ブロモクリプチンは、医薬製剤につき少なくとも約0.1mgのブロモクリプチンの用量を提供する量で存在し、賦形剤は、脂肪酸又はトリグリセリドを含む。賦形剤は、マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム及び/又はラクトースを欠くことができる。賦形剤は1つ以上の非ラクトース糖類を含むことができる。さらに、本開示は、熱及び湿度に安定であり、少なくとも500mg/mlの水の水溶性を有し、水性環境において安定することができるブロモクリプチンの医薬製剤を提供する。特に、本開示は、ブロモクリプチンクエン酸塩、ステアリン酸又はトリグリセリド等の遊離脂肪酸、マンニトール等の非ラクトース糖類、及び賦形剤としてクエン酸を含む医薬製剤を提供する。賦形剤は、マグネシウム又はステアリン酸マグネシウムを欠くことができる。より詳細には、本開示は、ブロモクリプチンクエン酸塩、ステアリン酸又はトリグリセリド等の遊離脂肪酸、マンニトール等の非ラクトース糖類、及び賦形剤としてクエン酸の医薬製剤を提供し、ブロモクリプチン製剤は熱及び湿度に安定し、ブロモクリプチン製剤は高い水溶性(例えば、水に少なくとも200mg/L又は500mg/Lの可溶性)を有し、水性環境において安定することができる(25℃で6時間の最小分解)。さらにより詳細には、本開示は、ブロモクリプチンクエン酸塩、ステアリン酸又はトリグリセリド等の遊離脂肪酸、マンニトール等の非ラクトース糖類、及び賦形剤としてクエン酸を含む製剤を提供し、ブロモクリプチン製剤は、メシル酸塩+ラクトースとしてブロモクリプチン、ステアリン酸マグネシウム、及び賦形剤としてクエン酸を含む伝統的な医薬製剤よりも、熱及び湿度により安定し、ブロモクリプチン製剤はより高い水溶性(例えば、水に少なくとも500mg/L又は200mg/Lの可溶性)を有し、水性環境においてより安定することができる。
【0171】
¶2.本開示は、少なくとも約80%のトリグリセリドのアシル基がC-C14脂肪酸の脂肪酸アシル基である、¶1に記載の医薬製剤を提供する。
【0172】
本開示は、少なくとも約80%のトリグリセリドのアシル基がC14-C26脂肪酸の脂肪酸アシル基である、¶1に記載の医薬製剤を提供する。
【0173】
¶3.本開示は、少なくとも約90%のトリグリセリドのアシル基がC14-C26脂肪酸の脂肪酸アシル基である、パラグラフ¶2に記載の医薬製剤を提供する。
【0174】
¶4.本開示は、少なくとも約80%のトリグリセリドのアシル基がC16-C20脂肪酸の脂肪酸アシル基である、パラグラフ¶2に記載の医薬製剤を提供する。
【0175】
¶5.本開示は、少なくとも約90%のトリグリセリドのアシル基がC16-C20脂肪酸の脂肪酸アシル基である、パラグラフ¶3に記載の医薬製剤を提供する。
【0176】
¶6.本開示は、少なくとも約80%のトリグリセリドのアシル基がC18脂肪酸の脂肪酸アシル基である、パラグラフ¶4に記載の医薬製剤を提供する。
【0177】
¶7.本開示は、少なくとも約90%のトリグリセリドのアシル基がC18脂肪酸の脂肪酸アシル基である、パラグラフ¶5に記載の医薬製剤を提供する。
【0178】
¶8.本開示は、少なくとも約80%のトリグリセリドのアシル基がステアロイル又は12-ヒドロキシステアロイル基である、パラグラフ¶6に記載の医薬製剤を提供する。
【0179】
¶9.本開示は、少なくとも約90%のトリグリセリドのアシル基がステアロイル又は12-ヒドロキシステアロイル基である、パラグラフ¶5に記載の医薬製剤を提供する。
【0180】
¶10.本開示は、少なくとも約80%のトリグリセリドのアシル基が飽和される、パラグラフ¶1~9の何れか1つに記載の医薬製剤を提供する。
【0181】
¶11.本開示は、少なくとも約90%のトリグリセリドのアシル基が飽和される、パラグラフ¶10に記載の医薬製剤を提供する。
【0182】
¶12.本開示は、賦形剤が水素添加植物油を含む、パラグラフ¶1~11の何れか1つに記載の医薬製剤を提供する。
【0183】
¶13.本開示は、賦形剤が水素添加ヒマシ油、水素添加ココナッツ油、水素添加綿実油、水素添加パーム油、水素添加パーム核油、水素添加大豆油又はその組み合わせを含む、パラグラフ¶1~12の何れか1つに記載の医薬製剤を提供する。
【0184】
¶14.本開示は、賦形剤が水素添加ヒマシ油を含む、パラグラフ¶1~13の何れか1つに記載の医薬製剤を提供する。
【0185】
¶15.本開示は、賦形剤がKOLLIWAX(登録商標)HCOを含む、パラグラフ¶1~14に記載の医薬製剤を提供する。
【0186】
¶16.本開示は、賦形剤が製剤の約0.5~約3重量%の量で存在する、パラグラフ¶1~15の何れか1つに記載の医薬製剤を提供する。
【0187】
¶17.本開示は、賦形剤が顆粒外である、パラグラフ¶1~16の何れか1つに記載の医薬製剤を提供する。
【0188】
¶18.本開示は、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約18か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を5%以下しか含まないように、医薬製剤が安定である、パラグラフ¶1~17の何れか1つに記載の医薬製剤を提供する。
【0189】
¶19.本開示は、医薬製剤が25±5℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約24か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を5%以下しか含まないように、医薬製剤が安定である、パラグラフ¶18に記載の医薬製剤を提供する。
【0190】
¶20.本開示は、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約18か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチニンを5%以下しか含まないように、医薬製剤が安定である、パラグラフ¶1~17の何れか1つに記載の医薬製剤を提供する。
【0191】
¶21.本開示は、医薬製剤が25±5℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約24か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチンを5%以下しか含まないように、医薬製剤が安定である、パラグラフ¶20に記載の医薬製剤を提供する。
【0192】
¶22.本開示は、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約18か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を3%以下しか含まないように、医薬製剤が安定である、パラグラフ¶1~17の何れか1つに記載の医薬製剤を提供する。
【0193】
¶23.本開示は、医薬製剤が25±5℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約24か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を3%以下しか含まないように、医薬製剤が安定である、パラグラフ¶22に記載の医薬製剤を提供する。
【0194】
¶24.本開示は、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約18か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチニンを3%以下しか含まないように、医薬製剤が安定である、パラグラフ¶1~17の何れか1つに記載の医薬製剤を提供する。
【0195】
¶25.本開示は、医薬製剤が25±5℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約24か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチニンを3%以下しか含まないように、医薬製剤が安定である、パラグラフ¶20に記載の医薬製剤を提供する。
【0196】
¶26.本開示は、微粒子化されたブロモクリプチンが、医薬製剤あたり少なくとも約0.8mgの用量を提供する量で存在し、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約18か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチニンを5%以下しか含まないように、医薬製剤が安定である、微粒子化ブロモクリプチン(例えば、ブロモクリプチンメシル酸塩又は異なるブロモクリプチン塩、例えば、ブロモクリプチンクエン酸塩)を含む医薬製剤を提供する。
【0197】
¶27.本開示は、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約18か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決
定されるように、合計の関係物質を5%以下しか含まないように、医薬製剤が安定である、パラグラフ¶26に記載の医薬製剤を提供する。
【0198】
¶28.本開示は、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約24か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチニンを5%以下しか含まないように、医薬製剤が安定である、パラグラフ¶26に記載の医薬製剤を提供する。
【0199】
¶29.本開示は、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約24か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を5%以下しか含まないように、医薬製剤が安定である、パラグラフ¶26に記載の医薬製剤を提供する。
【0200】
¶30.本開示は、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約18か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチニンを3%以下しか含まないように、医薬製剤が安定である、パラグラフ¶26に記載の医薬製剤を提供する。
【0201】
¶31.本開示は、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約18か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、合計の関係物質を3%以下しか含まないように、医薬製剤が安定である、パラグラフ¶26に記載の医薬製剤を提供する。
【0202】
¶32.本開示は、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約24か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチニンを3%以下しか含まないように、医薬製剤が安定である、パラグラフ¶26に記載の医薬製剤を提供する。
【0203】
¶33.本開示は、医薬製剤が25±2℃の温度で、約60±5%の相対湿度で、約24か月間貯蔵した後に、300nmのUV吸収の検出を使用するHPLC分析によって決定されるように、ブロモクリプチニンを3%以下しか含まないように、医薬製剤が安定である、パラグラフ¶26に記載の医薬製剤を提供する。
【0204】
¶34.本開示は、ブロモクリプチンが微粒子化される、パラグラフ¶1~25の何れか1つに記載の医薬製剤を提供する。
【0205】
¶35.本開示は、ブロモクリプチンが約20μm以下のDv90を有する、パラグラフ¶1~34の何れか1つに記載の医薬製剤を提供する。
【0206】
¶36.本開示は、ブロモクリプチンが約10μm以下のDv90を有する、パラグラフ¶35に記載の医薬製剤を提供する。
【0207】
¶37.本開示は、ブロモクリプチンが約5μm以下のDv90を有する、パラグラフ¶35に記載の医薬製剤を提供する。
【0208】
¶38.本開示は、ブロモクリプチンが約20μm以下のDv99を有する、パラグラフ¶1~37の何れか1つに記載の医薬製剤を提供する。
【0209】
¶39.本開示は、ブロモクリプチンが約10μm以下のDv99を有する、パラグラフ¶38に記載の医薬製剤を提供する。
【0210】
¶40.本開示は、ブロモクリプチンが体積に基づいた粒径分布を有し、約20%以下のブロモクリプチンが約1μm未満の粒径を有する、パラグラフ¶1~39に記載される医薬製剤を提供する。
【0211】
¶41.本開示は、医薬製剤が、約37℃で、500mlの0.1Nの塩酸中、50rpmでUSP Apparatus Type2 Paddle Methodにおいて試験を行った場合、溶解特性を提供し、少なくとも約80%のブロモクリプチンが約30分で放出された、パラグラフ¶1~40の何れか1つに記載される医薬製剤を提供する。
【0212】
¶42.本開示は、医薬製剤が、約37℃で、500mlの0.1Nの塩酸中、50rpmでUSP Apparatus Type2 Paddle Methodにおいて試験を行った場合、溶解特性を提供し、少なくとも約90%のブロモクリプチンが約30分で放出された、パラグラフ¶41に記載される医薬製剤を提供する。
【0213】
¶43.本開示は、医薬製剤が、約37℃で、500mlの0.1Nの塩酸中、50rpmでUSP Apparatus Type2 Paddle Methodにおいて試験を行った場合、溶解特性を提供し、少なくとも約95%のブロモクリプチンが約30分で放出された、パラグラフ¶41に記載される医薬製剤を提供する。
【0214】
¶44.本開示は、医薬製剤が、約37℃で、500mlの0.1Nの塩酸中、50rpmでUSP Apparatus Type2 Paddle Methodにおいて試験を行った場合、溶解特性を提供し、少なくとも約90%のブロモクリプチンが約20分で放出された、パラグラフ¶41に記載される医薬製剤を提供する。
【0215】
本開示は、製剤の溶解(実施例11で試験されるように)が10分以内、5分以内、又は2分以内に90%超である、安定したブロモクリプチン製剤を提供する。
【0216】
¶45.本開示は、医薬製剤が、約37℃で、500mlの0.1Nの塩酸中、50rpmでUSP Apparatus Type2 Paddle Methodにおいて試験を行った場合、溶解特性を提供し、約50%以下のブロモクリプチンが約7分で放出された、パラグラフ¶41~44に記載される医薬製剤を提供する。
【0217】
¶46.本開示は、医薬製剤が、約37℃で、500mlの0.1Nの塩酸中、50rpmでUSP Apparatus Type2 Paddle Methodにおいて試験を行った場合、溶解特性を提供し、約75%以下のブロモクリプチンが約10分で放出された、パラグラフ¶41~45の何れか1つに記載される医薬製剤を提供する。
【0218】
¶47.本開示は、医薬製剤が薬物動態を提供し、6つの製剤が成人対象に投与した後の最大血漿中濃度までの時間(Tmax)が、医薬製剤が空腹条件下で投与された場合、が約30~60分間である、パラグラフ¶1~46の何れか1つに記載される医薬製剤を提供する。
【0219】
¶48.本開示は、医薬製剤が薬物動態を提供し、6つの製剤が成人対象に投与した後の最大血漿中濃度までの時間(Tmax)が、医薬製剤が高脂肪供給条件下で投与された場合、が約90~120分間である、パラグラフ¶1~47の何れか1つに記載される医薬製剤を提供する。
【0220】
別の実施形態において、剤形は、非経口投与に適しており、投与後、約1~約90分で、血漿中Tmaxを有する薬物動態特性、約90~約360分の持続時間、少なくとも5
0%のCmaxの血漿中薬物濃度、及び一時消失速度に近似し得る血漿中レベルの減少を示す。
【0221】
¶49.本開示は、医薬製剤がクエン酸を含む、パラグラフ¶1~48の何れか1つに記載の医薬製剤を提供する。
【0222】
¶50.本開示は、クエン酸が約1~約10重量%の量で存在する、パラグラフ¶49に記載の医薬製剤を提供する。
【0223】
¶51.本開示は、医薬製剤が崩壊剤を含む、パラグラフ¶1~50の何れか1つに記載の医薬製剤を提供する。
【0224】
¶52.本開示は、崩壊剤が約5~約90重量%の量で存在する、¶51に記載の医薬製剤を提供する。
【0225】
¶53.本開示は、ブロモクリプチンが製剤の医薬製剤あたり少なくとも約0.1mgの用量を提供する、パラグラフ¶1~52の何れか1つに記載の医薬製剤を提供する。
【0226】
¶54.本開示は、方法が、ブロモクリプチンを賦形剤と混合して、混合物を形成することを含み、ブロモクリプチンが実質的に混合物に均一に分布され、混合物を圧縮して医薬製剤を形成する、パラグラフ¶1~53の何れか1つに記載の医薬製剤の製造方法を提供する。
【0227】
¶55.本開示は、ブロモクリプチンを加工して、ブロモクリプチンの平均粒径を減少して、混合する前に約20μm以下のDv90を有するブロモクリプチンを提供することを含む、パラグラフ¶54に記載される方法を提供する。
【0228】
¶56.本開示は、ブロモクリプチンが、混合する前に約20μm以下のDv90で、体積に基づいた粒径分布と等価な粒径分布を有することを決定することを含む、パラグラフ¶54又は55に記載される方法を提供する。
【0229】
¶57.本開示は、パラグラフ¶54~56の何れか1つに記載される方法によって調製される医薬製剤を提供する。
【0230】
¶58.本開示は、患者にパラグラフ¶1~53又は57の何れか1つに記載されるブロモクリプチン医薬製剤を患者に投与することを含む、2型糖尿病の患者の血糖コントロールを改善する治療方法を提供する。
【0231】
¶59.本開示は、患者にパラグラフ¶1~53又は57の何れか1つに記載されるブロモクリプチン医薬製剤を患者に投与することを含む、2型糖尿病の患者の血糖コントロールを改善する治療方法を提供する。
【0232】
¶60.本開示は、パラグラフ¶54~56の何れか1つに記載される方法によって少なくとも1つの医薬製剤を調製し、患者に投与するために医薬製剤を提供することを含む、2型糖尿病の患者の血糖コントロールを改善する治療方法を提供する。
【0233】
¶61.本開示は、パラグラフ¶54~56の何れか1つに記載される方法によって少なくとも1つの医薬製剤を調製し、医薬製剤を患者に投与することを含む、2型糖尿病の患者の血糖コントロールを改善する等の代謝障害又はその主要要素を治療する方法を提供する。
【0234】
62.本開示は、ブロモクリプチンクエン酸塩、遊離脂肪酸又はトリグリセリド、マンニトール等の非ラクトース短鎖糖類、及びクエン酸を含む医薬製剤を提供する。
【0235】
63.本開示は、治療を必要とする患者に、ブロモクリプチンクエン酸塩、遊離脂肪酸又はトリグリセリド、マンニトール等の非ラクトース短鎖糖類、及びクエン酸を含む医薬製剤を投与することによって、2型糖尿病等の代謝障害、又は代謝障害の主要要素を治療する方法を提供する。
【0236】
64.本開示は、0.1~10%のブロモクリプチンクエン酸塩、0.1~10%のクエン酸、30~90%の非ラクトース短鎖糖類、及び0.2~10%の遊離脂肪酸、リン脂質又はトリグリセリドを含有する経口医薬製剤を提供する。
【0237】
65.本開示は、0.1~10%のブロモクリプチンクエン酸塩、0.1~10%のクエン酸、60~90%の非ラクトース短鎖糖類、及び0.2~10%の遊離脂肪酸、リン脂質又はトリグリセリドを含有する非経口医薬製剤を提供する。
【実施例
【0238】
発明者の発見は、以下の実施例によって説明され、これは請求項の範囲を限定することを意図しない。本発明のその他の変化例又は実施例は、前述及び以下の実施例から当業者に自明でもある。
【0239】
実施例1.安定した微粒子化ブロモクリプチン製剤の調製
(微粒子化ブロモクリプチンを調製するために)ブロモクリプチンの粉砕は、Fluid Energy Model 00 Jet-O-Mizerジェットミルを使用して達成された。ブロモクリプチン医薬製剤の増強される安定性は、2つの反応性賦形剤、マグネシウム及びラクトースの何れか又は両方を、それぞれ非反応性潤滑剤及び糖類に置き換えることによって得ることができる。したがって、ブロモクリプチン医薬製剤の安定性を増加させるために、これらの反応性賦形剤に対する非反応性代替物が調査された。
【0240】
ステアリン酸又はトリグリセリド(ステアリン酸マグネシウムに代わる可能性のものとして)及びマンニトール(ラクトースに代わる可能性のものとして)が評価された。錠剤製剤は、これらの非反応性代替物を使用して調製され、加速安定性試験が実施された。このプロジェクトにおいて製造され、評価される製剤の組成物は、以下の表1~4に見つけられる。
【0241】
それぞれ350個の錠剤が製造された。錠剤は、乾式造粒法を使用して製剤化され、単段タブレットプレスを使用して圧縮された。錠剤は、6.0mmの直径及び90mg+/-5%の平均重量を有する平坦な円形の錠剤であった。
【0242】
【表1】
【0243】
表1:VS-54F-A(ステアリン酸マグネシウム及びラクトースを有するブロモクリプチン医薬製剤)の製剤ガイド。製剤の硬度は約8~10KPであった。錠剤の外見は白色であった。この製剤の崩壊時間は、約5~8分であった。この造粒混合物の流動特性は、重力送りプレスの使用に適した。
【0244】
【表2】
【0245】
表2:VS-54F-B(ステアリン酸マグネシウムに代わるステアリン酸及びラクトースに代わるマンニトールを有するブロモクリプチン医薬製剤)の製剤ガイド。製剤の硬度は約8~10KPであった。錠剤の外見は白色であった。この製剤の崩壊時間は、約5~8分であった。この造粒混合物の流動特性は、重力送りプレスの使用に適した。
【0246】
【表3】
【0247】
表3:VS-54F-C(ステアリン酸マグネシウムに代わるヒマシ油及びラクトースに代わるマンニトールを有するブロモクリプチン医薬製剤)の製剤ガイド。製剤の硬度は約8~10KPであった。錠剤の外見は白色であった。この製剤の崩壊時間は、約5~8分であった。この造粒混合物の流動特性は、重力送りプレスの使用に適した。
【0248】
【表4】
【0249】
表4:VS-54F-B.1(ステアリン酸マグネシウムに代わるステアリン酸及びラ
クトースに代わるマンニトールを有するブロモクリプチン医薬製剤)の製剤ガイド。製剤の硬度は約8~10KPであった。錠剤の外見は白色であった。この製剤の崩壊時間は、約5~8分であった。この造粒混合物の流動特性は、重力送りプレスの使用に適した。
【0250】
前述の製剤のそれぞれは、分析、含量均一性及び40℃/75%RHの応力に供される前に、開始のブロモクリプチニン(ブロモクリプチンの主要な分解産物;BCI)含量について調製され、試験が行われた。含量均一性については、それぞれの製剤から3つの錠剤に試験が行われた。これらの製剤のそれぞれのロット番号が以下に示される。
VS-54F-A
VS-54F-B
VS-54F-C
VS-54F-B.1(製剤Bの第2調製)
【0251】
実施例2.3つの錠剤ブロモクリプチン製剤の安定性及び溶解試験
HPLCを使用して、検量線を設定して、実施例1に記載される製剤のそれぞれを分析した。分析及び%ブロモクリプチニン(ブロモクリプチンの主要な分解産物;BCI)の決定について、1つの錠剤が、メスフラスコの10mlの0.1%のクエン酸溶液に溶解されて、約0.0945mg/mlの理論濃度を得た。試料の安定性及びTについての我々の必要性に関しての新しい情報に基づいて、我々は、40°C/75%RHで応力を加えられた2つの錠剤によって挟まれた5℃で貯蔵された各製剤の錠剤を分析した。4つの製剤の全ては、分析及び%BCIのために、T=2、4及び6週間で分析された。%BCIは、BCIピークの面積及びBCI及びAPIピークの合計面積に基づいて計算された。
【0252】
【表5】
表5:製剤についてのブロモクリプチン分析。安定性試験の間の全ての製剤の分析。
【0253】
【表6】
表6:製剤におけるブロモクリプチニン。ブロモクリプチンAPIの面積及びBCIピークに基づく各製剤についての%BCI(ブロモクリプチンの分解産物)。
【0254】
予想されるように、試験の間、40/75で応力を与えられた試料の全てにおいて%BCIの僅かな増加があった。製剤C(VS-54F-C)は、最初に最も低い%BCIを有しその%BCIは、試験全体の間低いままであった(すなわち、製剤Cは、%BCIによって証明されるようにブロモクリプチン分解に関して最も良好な安定性を提供した)。製剤Bは、試験の間、次に低い%BCIを有した。分解の最も高い量は、製剤Aに見られた。製剤Aに比べて、製剤B及びCは、それぞれ63%及び88%、使用された試験条件下でブロモクリプチンの分解を著しく減少した。
【0255】
各製剤は、また、バスケット装置、パドル装置、及びフロースルーセル(製剤Cのみ)を使用して分解について試験が行われた。バスケット及びパドル装置について、各製剤からの11個の錠剤は秤量され、1,000mlの0.2%のクエン酸溶液に加えられた。タイムポイントは10、15、20、25、30、45及び60分に取られた。試料は、遠心分離及び得られる母液の注入によって、分析のために調製された。フロースルーセルについては、1つの錠剤が連続的にセルに流れる100mlの溶媒に使用された。試料は、バスケット及びパドル装置と同じように、調製された。錠剤の製剤の全ての分解試験は、1時間で、APIの速く高い放出の回復を示した。全ての場合において、30分後の放出は、>90%の理論であり、多くの場合において、サンプリングの初期に90パーセンタイルに達した。
【0256】
ステアリン酸マグネシウム及びラクトースを欠いている製剤からのブロモクリプチンの分解(例えば、表5及び6を参照されたい、40℃/75%RHで6週間の製剤B及びC)対ステアリン酸マグネシウム及びラクトースを含有する製剤からのブロモクリプチンの分解の試験の比較から、ブロモクリプチンの分解を減少させる影響は、製剤の構成要素として、ステアリン酸マグネシウム及びラクトースの両方が存在しない場合により大きいと理解することができる。
【0257】
実施例3.実施例1及び2に使用される方法
ブロモクリプチンHPLC分析。HPLC設定:Agilent1100;カラム:Waters Symmetry Shield RP18、3.5ミクロン、4.6x150mm;P/N186000180
移動相A:0.1%のTFA水
移動相B:0.1%のTFAアセトニトリル
【0258】
【表7】
【0259】
流動:1ml/分;検出UV:300nm;試料希釈剤:0.1%のクエン酸;カラムのオーブン温度:30℃;注入量:100μl
ジェットミルを使用したブロモクリプチン粒径の減少。賦形剤:ブロモクリプチンメシル酸塩;装置:Malvern Mastersizer粒径分析計(Model MS/S);スケール0.0000の可読性;スパーテル;500mlのテフロン蓋の縁を有するアンバーガラスボトル;流体エネルギーモデル00Jet-O-Mizer、圧縮空気
;TA Instruments示差走査熱量計、TA Instruments熱重量分析計、Olympus顕微鏡。
【0260】
秤量皿において、1.0gのブロモクリプチンは、最近接の0.000gまで秤量された。物質は、その後、振動式送り装置に充填された。試料を充填した後、100psiに設定された圧縮空気ラインは、ミルに接続されて、装置に対するガス入口スイッチがオンの位置に移動された。研削圧力は、40psiに設定され、供給圧力は50psiに設定された。ミルについて圧力が設定された後、フィーダーパワーのノブがゼロの位置に設定され、フィーダーの電流がオンになった。電流がオンになった後、フィーダーの電源ボタンは、ホッパーにおける所望の供給速度が達成されるまで点灯され、1~10のスケールから、約1.5のダイヤルの読み取りに移行した(約0.500gのAPI/分)。この供給圧力における切削は、全ての材料がミルに供給されるまで継続された。全ての材料(最初に1.000gと秤量)が粉砕された場合、ガスは停止された。この実施から粉砕された材料は、回収フィルターから取り除かれ、その後、別の1.000gのブロモクリプチンが秤量され、粉砕は再開した。粉砕が完了した後、全ての粉砕された材料は、蓋の付いた20mlの1つのガラス容器に置かれた。回収された産物の合計量は、1.500g(75%の収率)であった。粉砕された産物は、その後、以下の方法:顕微鏡、HPLC及び粒径分析を使用して特徴化された。
【0261】
顕微鏡:約2~3mgのKPT-350が、ガラススライドに置かれた。カバーガラスを使用して、材料は、慎重に、スライドの表面に均一に拡散された。拡散された材料は、カバーガラスで覆われ、50倍で観察がなされた。偏光でこれらの材料を調査することによって、材料が、本質的に結晶室であることが明らかになった。非晶質領域は観察されなかった。粉砕されていない材料は、約0.5~10μmにわたるサイズの粒子を有した。ジェットミルは、約0.5~3.0μmの平均粒径を有した。
【0262】
HPLC:粉砕されていない、及び粉砕された材料のHPLC分析によって、化学組成に変化がないことが確認された。
【0263】
粉砕されたブロモクリプチンの錠剤化化学物質:粉砕されたブロモクリプチンメシル酸塩(NAT)Lot#:VS-ER-001;無水クエン酸(Fisher)Lot#:100610;スターチ1500(Colorcon)Lot#:IN510883;マンニトール(SPI Pharma)Lot#:06N129;ラクトースLactopress Anhydrous250(DFE Pharma);Aerosil R202(Evonik)Lot#:3150090932;ステアリン酸マグネシウム(Spectrum Chemicals)Lot#:UL0756;ステアリン酸(Spectrum Chemicals)Lot#:TB1349;完全水素添加ヒマシ油酸(ACME Hardesty)Lot#:07-H-29。
【0264】
装置:実験室スケール(0.000の可読性);TDP1.5テーブルトップ錠剤プレス;6mmの凹面円形穴あけ具;6mmの円形ダイ;50mlの蓋つきバイアル可変速度ローラー。
【0265】
製剤VS-54F-Aの混合手順:50mlの蓋つき丸底フラスコに0.331gのブロモクリプチン及び0.473gのクエン酸が充填された。混合物は、数秒間活発に振盪され、その後、混合物が10分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0266】
10分間ローリングを行った後、混合を停止し、3.150gのスターチ1500を混合物に加えた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪し、その後、混合物が10分間(最
高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0267】
10分間ローリングした後、混合を停止し、27.153gの無水ラクトース及び0.158gのヒュームドシリカを混合物に加えた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪し、その後、混合物が10分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0268】
10分間ローリングを行った後、混合を停止し、0.236gのステアリン酸マグネシウムを混合物に加えた。ステアリン酸マグネシウムを加えた後、混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、2分間、最高速度でローリングした。
【0269】
2分間ローリングを行った後、混合物は、錠剤プレスのフィーダーに充填された。混合物は、その後、TDP1.5(約1.5トンの圧力)に耐えることができる最大の圧力で、錠剤に圧縮された。錠剤の形状は、6mmの平坦な円形であり、平均重量は約0.090+/-5%gであった。
【0270】
硬度試験が完了した後、崩壊試験を行い、観察を行った。
【0271】
製剤VS-54F-Bの混合手順:50mlの蓋つき丸底フラスコに0.331gのブロモクリプチン及び0.473gのクエン酸が充填された。混合物は、数秒間活発に振盪され、その後、混合物が10分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0272】
10分間ローリングを行った後、混合を停止し、3.150gのスターチ1500を混合物に加えた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪し、その後、混合物が10分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0273】
10分間ローリングした後、混合を停止し、27.153gの無水マンニトール及び0.158gのヒュームドシリカを混合物に加えた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪し、その後、混合物が10分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0274】
10分間ローリングを行った後、混合を停止し、0.473gのステアリン酸を混合物に加えた。ステアリン酸を加えた後、混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、2分間、最高速度でローリングした。
【0275】
2分間ローリングを行った後、混合物は、錠剤プレスのフィーダーに充填された。混合物は、その後、TDP1.5(約1.5トンの圧力)に耐えることができる最大の圧力で、錠剤に圧縮された。錠剤の形状は、6mmの平坦な円形であり、平均重量は約0.090+/-5%gであった。
【0276】
硬度試験が完了した後、崩壊試験を行い、観察を行った。
【0277】
製剤VS-54F-Cの混合手順:50mlの蓋つき丸底フラスコに0.331gのブロモクリプチン及び0.473gのクエン酸が充填された。混合物は、数秒間活発に振盪され、その後、混合物が10分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0278】
10分間ローリングを行った後、混合を停止し、3.150gのスターチ1500を混合物に加えた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪し、その後、混合物が10分間(最
高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0279】
10分間ローリングした後、混合を停止し、27.153gの無水マンニトール及び0.158gのヒュームドシリカを混合物に加えた。混合物は、数秒間活発に振盪され、その後、混合物が10分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0280】
10分間ローリングを行った後、混合を停止し、0.236gの完全水素添加ヒマシ油を混合物に加えた。ヒマシ油を加えた後、混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、2分間、最高速度でローリングした。
【0281】
2分間ローリングを行った後、混合物は、錠剤プレスのフィーダーに充填された。混合物は、その後、TDP1.5(約1.5トンの圧力)に耐えることができる最大の圧力で、錠剤に圧縮された。錠剤の形状は、6mmの平坦な円形であり、平均重量は約0.090+/-5%gであった。
【0282】
硬度試験が完了した後、崩壊試験を行い、観察を行った。
【0283】
製剤VS-54F-B.1の混合手順:50mlの蓋つき丸底フラスコに0.331gのブロモクリプチン及び0.473gのクエン酸が充填された。混合物は、数秒間活発に振盪され、その後、混合物が10分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0284】
10分間ローリングを行った後、混合を停止し、3.150gのスターチ1500を混合物に加えた。混合物は、数秒間活発に振盪され、その後、混合物が10分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0285】
10分間ローリングした後、混合を停止し、27.153gの無水マンニトール及び0.158gのヒュームドシリカを混合物に加えた。混合物は、数秒間活発に振盪され、その後、混合物が10分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0286】
10分間ローリングを行った後、混合を停止し、0.473gのステアリン酸を混合物に加えた。ステアリン酸を加えた後、混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、2分間、最高速度でローリングした。
【0287】
2分間ローリングを行った後、混合物は、錠剤プレスのフィーダーに充填された。混合物は、その後、TDP1.5(約1.5トンの圧力)に耐えることができる最大の圧力で、錠剤に圧縮された。錠剤の形状は、6mmの平坦な円形であり、平均重量は約0.090+/-5%gであった。
【0288】
硬度試験が完了した後、崩壊試験を行い、観察を行った。
【0289】
実施例4.ラクトースのある場合とない場合のブロモクリプチン+ステアリン酸マグネシウムの褐変(分解)反応の研究
【0290】
クエン酸のある場合とない場合で、様々な組み合わせのブロモクリプチンメシル酸塩、ステアリン酸マグネシウム、及び/又はラクトースを含む一連の反応容器を水性懸濁液に調製し、60℃で55時間反応した。さらに、試料が調製され、ステアリン酸マグネシウムはステアリン酸に置き換えられた。
【0291】
ステアリン酸マグネシウムはSigma(MAGNESIUM STEARATE E
XTRA PURE DAB、PH.E、Sigma Product Number:26454)であり、ステアリン酸は、(STEARIC ACID、REAGENT GRADE、95%、Sigma Product Number:175366)であり;ラクトースは、Sigma(LACTOSE ANHYDROUS、PH EUR、Sigma Product Number:17814)であり、クエン酸はSigma(CITRIC ACID ANHYDROUS、Sigma Product Number:27109)であった。これらの試薬の何れか又は全ては、当該技術分野で知られているその他の源から得ることができる。
【0292】
試薬は、以下の表7に示されるように、秤量された。2mlの蒸留水が試料に加えられ、その後、ボルテックスによって混合され、50℃で、24時間に設定されたサーモスタットを備えた反応チャンバに置かれ、その後(24時間後)60℃に設定された。試料溶液/混合物の色の変化は、溶液の色を標準カラーチャートと比較することによって評価され、試料溶液/混合物の色強度(透明から濃褐色)は、0時間から55時間まで特定されたタイムポイントで、グレード化された(図2を参照されたい)。図2において、数字「0」は、透明な溶液又は白色の溶液を示し、数字「40」は、最も濃い溶液/懸濁液が観察されることを示す。
【0293】
【表8】
【0294】
したがって、以下のことが観察された。
1)ステアリン酸マグネシウムが水性環境においてブロモクリプチンと相互作用することが可能な場合、褐色の産物は、ラクトースの非存在下でも生成された。
2)ブロモクリプチンがステアリン酸マグネシウム及びラクトースの両方に暴露された場合、褐変反応がより激しく生じた。
3)ブロモクリプチンがステアリン酸マグネシウム単独に暴露された場合、及びブロモクリプチンがステアリン酸マグネシウムとラクトースの両方に暴露された場合、クエン酸の添加は、ブロモクリプチンの分解及び褐変反応を減弱した。
4)ブロモクリプチンがラクトースに暴露されなかった場合、及びラクトースに暴露された場合、ステアリン酸マグネシウムをステアリン酸に置き換えることは、ブロモクリプチ
ンの分解及び褐変反応を減弱した。
5)クエン酸の添加及びステアリン酸マグネシウムのステアリン酸への置き換えは、ブロモクリプチンの分解及び褐変反応を最大の強度で減弱した(すなわち、クエン酸単独の添加又はステアリン酸マグネシウムのステアリン酸への置き換え単独よりも大きい)。
6)ステアリン酸マグネシウムを固体ヒマシ油に置き換えることは、ステアリン酸マグネシウムをステアリン酸に置き換えることよりもさらに大きい程度で、ブロモクリプチンの分解を減弱した。
【0295】
要約すると、ステアリン酸マグネシウムをブロモクリプチン製剤から取り除くことは、ラクトースの存在又は非存在に関わらず、褐変反応の産物の形成の点からその安定性を増強する。ステアリン酸マグネシウムの存在下のラクトースは、さらに褐変反応を増強する。重要なこととして、ステアリン酸マグネシウムの2つの成分のうち、褐変反応を促進するのはステアリン酸ではなく、マグネシウム(Mg)であり、ステアリン酸マグネシウムをステアリン酸に置き換えることによって、ブロモクリプチンの安定性を著しく改善する。ステアリン酸マグネシウムをブロモクリプチン製剤から取り除くこと及びそれをステアリン酸又は別の非マグネシウム塩滑剤(例えば、固体ヒマシ油)に置き換えることは、ブロモクリプチン製剤の安定性を高める。ラクトースをブロモクリプチン製剤から取り除き、それをマンニトール又は別の短鎖糖類に置き換えることによって、ブロモクリプチン製剤の安定性が増強される。クエン酸を、マグネシウム及びラクトースを実質的に含まないブロモクリプチン製剤に加えることは、有限次数で、さらにこれらの分解の何れか/全てを減少させる(すなわち、これらの分解の何れか/全てに対して保護する)ことができるが、それ自体は、これらの分解を防ぐのに充分ではない。
【0296】
実施例5.ステアリン酸マグネシウムをステアリン酸又はトリグリセリドに置き換え、ラクトースをマンニトールに置き換えることで製剤化されるブロモクリプチン医薬製剤の安定性の試験
ステアリン酸マグネシウム及びラクトースがある場合、又はない場合で製剤化されるブロモクリプチン医薬製剤の相対的な安定性を試験するために、いくつかの異なるブロモクリプチン製剤(例えば、錠剤)が、当該技術分野で知られている標準的な混合及び錠剤化手順によって製剤化された。
【0297】
製剤A:ステアリン酸マグネシウム及びラクトースを有する錠剤化されたブロモクリプチン製剤。
0.945mgのブロモクリプチンメシル酸塩;9.00mgのコーンスターチ1500;1.350mgの無水クエン酸;77.58mgの無水ラクトース;0.450mgの二酸化ケイ素;0.675mgのステアリン酸マグネシウム。
製剤B:ステアリン酸マグネシウムをステアリン酸に置き換え、ラクトースをマンニトールに置き換えた錠剤化されたブロモクリプチン製剤。
0.945mgのブロモクリプチンメシル酸塩;9.00mgのコーンスターチ1500;1.350mgの無水クエン酸;77.58mgの無水マンニトール;0.450mgの二酸化ケイ素;1.350mgのステアリン酸。
製剤C:ステアリン酸マグネシウムを固体ヒマシ油に置き換え、ラクトースをマンニトールに置き
換えた錠剤化されたブロモクリプチン製剤。
0.945mgのブロモクリプチンメシル酸塩;9.00mgのコーンスターチ1500;1.350mgの無水クエン酸;77.58mgの無水マンニトール;0.450mgの二酸化ケイ素;0.675mgの固体ヒマシ油。
【0298】
製造されたブロモクリプチン製剤は密封された容器に置かれ、次に40℃及び75%の相対湿度に6週間供された。この環境に6週間暴露された後、製剤は、溶解され、HPL
C分析によって、ブロモクリプチニン(ブロモクリプチンの主要な分解物)の含有量について分析された。ブロモクリプチン製剤A(ステアリン酸マグネシウム及びラクトースを含んだ)に対して、ブロモクリプチン製剤B(ステアリン酸マグネシウムについて置き換えられたステアリン酸及びラクトースについて置き換えられたマンニトール)は63%、及びブロモクリプチン製剤C(ステアリン酸マグネシウムについて置き換えられた固体ヒマシ油及びラクトースについて置き換えられたマンニトール)は88%、それぞれブロモクリプチン分解産物(すなわちブロモクリプチニン)の量の減少を示した。
【0299】
実施例6.様々な潤滑剤で調製された微粒子化ブロモクリプチンメシル酸塩医薬製剤の調製、安定性及び溶解
微粒子化ブロモクリプチンメシル酸塩の試験医薬製剤(製剤A~Eとして識別される)は、微粒子化ブロモクリプチンメシル酸塩及び様々な潤滑剤を使用して調製された。各製剤について使用される成分は、以下の表8に挙げられる。
【0300】
【表9】
【0301】
製剤は、その後、25±2℃及び60±5%RH、30±2℃及び65±5%RH又は40±2℃及び75±5%RHで最大3時間保管された。
【0302】
製剤の各バッチにおける合計の関係物質の不純物は、HPLC法を使用して測定され、実験の開始(T=0)時に、1、2、及び/又は3か月に決定された。ブロモクリプチンは、光感応性であるため、全ての溶液の調製について褐色のガラス製品が使用された。関係物質の量を決定するために、少なくとも5つの製剤を秤量して、平均製剤重量を決定した。3.5配合(2.8mgのブロモクリプチン)に等量の粉砕試料のアリコートは正確に秤量され、この試料は定量的に25mlのメスフラスコに移された。水性メタノール(1:1v/v、15ml)が加えられ、溶液は、10分間超音波処置され、その後、25mlの合計量に希釈され、良く混合された。試料溶液は、その後、ろ過され、逆相HPL
Cによって分析され、Waters250x4.6mmのSUNFIRE C18カラム(5μmの粒径)、0.1Mのリン酸カリウムバッファ(pH7.5)/アセトニトリル(1:1v/v)、5℃のオートサンプラーの温度、均一濃度の移動相、100μLの注入量、1.5μL/分の流速、周囲カラム温度及び300nmのUV吸収による検出を使用した。これらの条件下で、ブロモクリプチンは約11~15分で溶出し、不純物のブロモクリプチニンは、約35~45分で溶出する(約2.6の相対保持時間)。関係物質の不純物は、以下の式を使用して計算される:
%個別の関係物質=A/AX100
%合計不純物=Σ%個別の関係物質
ここで:
=試料溶液クロマトグラムにおける個別の関係物質についてのピーク面積
=試料クロマトグラムにおける全てのピークの合計面積であり、希釈剤のクロマトグラムに観察されるボイド妨害及び任意のピークを無視する。
【0303】
安定試験の結果は、表9及び図1A、1B及び1Cに示される。図3は、ブランク溶液、0.112mg/mlのブロモクリプチンメシル酸塩を含有する参照溶液及び試料溶液の典型的なクロマトグラムを示す。
【0304】
【表10】
【0305】
表9にまとめられた結果は、図1A、1B及び1Cにも示される。
【0306】
図1Aは、実験の開始時(T=0)に、40±2℃及び75±5%のRHで1、2又は3か月間、保管した後に、微粒子化ブロモクリプチンメシル酸塩及び様々な潤滑剤を使用して調製されたブロモクリプチンメシル酸塩医薬製剤(製剤A~E)について測定される合計の関係物質の不純物のプロットを示す。
【0307】
図1Bは、実験の開始時(T=0)に、30±2℃及び65±5%のRHで3か月間、保管した後に、微粒子化ブロモクリプチンメシル酸塩及び様々な潤滑剤を使用して調製されたブロモクリプチンメシル酸塩医薬製剤(製剤A及びC~E)について測定される合計の関係物質の不純物のプロットを示す。
【0308】
図1Cは、実験の開始時(T=0)に、25±2℃及び60±5%のRHで3か月間、保管した後に、微粒子化ブロモクリプチンメシル酸塩及び様々な潤滑剤を使用して調製されたブロモクリプチンメシル酸塩医薬製剤(製剤A及びC~E)について測定される合計の関係物質の不純物のプロットを示す。
【0309】
この試験の結果は、ステアリン酸マグネシウムの記載の錠剤化微粒子化ブロモクリプチン製剤(製剤A)において、ステアリン酸(製剤B)、フマル酸ステアリルナトリウム(製剤C)、又はさもなければ同微粒子化ブロモクリプチン製剤(及びラクトース及びクエン酸を含有する全て)の水素添加ヒマシ油(製剤D)の何れかに置き換えることは、それぞれ、使用される試験条件において、試験期間の間、微粒子化ブロモクリプチンの熱及び湿度に対する安定性を著しく増強したことを実証する。
【0310】
不純物の存在について試験を行う他に、製剤A及びC~Eについて、実験の開始時(T=0)、及び25±2℃及び60±5%RHで、3か月間貯蔵した後に溶解試験が実施された。溶解試験の結果は表10に示される。試料は、37±0.5℃の500mlの0.1Nの塩酸において、50RPMのUSP Type2装置を使用して試験が行われ、試料は30分で引き出された。試料のブロモクリプチンメシル酸塩は、前述のようにHPLCによって定量化された。
【0311】
【表11】
【0312】
実施例7.クエン酸は、mlあたり約4mgのメタノール、エタノール、又はブタノールの何れか1つに、室温で、別々の反応容器に溶解された。遊離塩基ブロモクリプチンは、5~30mlあたり約12mgのメタノール、エタノール、又はブタノールの何れかに、別々の反応容器に溶解された。クエン酸及びブロモクリプチンの同様の有機溶液(すなわち、エタノール-エタノール、メタノール-メタノール、ブタノール-ブタノール)は、その後、ブロモクリプチン及びクエン酸塩の等モルで混合された。3つの得られる溶液は、溶媒が蒸発乾燥されるまで、室温で約2~24時間攪拌された。各反応容器の得られる固体産物は、ブロモクリプチンクエン酸塩を含む。
【0313】
実施例8:ブロモクリプチンメシル酸塩に対するブロモクリプチンクエン酸塩の可溶性
等量のブロモクリプチンメシル酸塩及びブロモクリプチンクエン酸塩の固体試料が、様々なpH条件下で、異なる容器の等量の水又は水/有機溶液に加えられ、ブロモクリプチン試料の溶解(水溶性)が経時的に評価された。ブロモクリプチンクエン酸塩は、ブロモクリプチンメシル酸塩に比べて、非常に素早く、(増加したmgのブロモクリプチンがクエン酸塩対メシル酸塩形態の水のmlあたりに溶解される)非常に高い可溶性で、溶解することが分かった。
【0314】
実施例9:別々の反応容器にクエン酸は、エタノールに溶解され、遊離塩基ブロモクリプチンは有機溶媒に溶解された。クエン酸の有機溶液及びブロモクリプチンの有機溶液は、その後、等モル量のブロモクリプチン及びクエン酸塩に混合された。得られる溶液は、低温で約2~24時間攪拌され、溶媒は蒸発乾燥された。得られる固体産物は、ブロモクリプチンメシル酸塩より20℃で7倍超水溶性であるブロモクリプチンクエン酸塩を含んだ。
【0315】
実施例10.ブロモクリプチン製剤の安定性及び可溶性に対する成分の効果
表1に記載されるブロモクリプチンメシル酸塩の伝統的な製剤に対して、ブロモクリプチンの異なる医薬製剤は、本明細書の記載及び表11(以下)の記載の成分の包含/置換を変化させて、製造される。製剤の安定性及び水溶性は、表1に記載されるブロモクリプチンメシル酸塩の伝統的な製剤に対して、評価される。表1に記載されるブロモクリプチンメシル酸塩の伝統的な製剤に比べて、ブロモクリプチンクエン酸塩、脂肪酸又はトリグリセリド、非ラクトース短鎖糖類及びクエン酸の医薬製剤は、ブロモクリプチンメシル酸塩の伝統的な医薬製剤に対して、また、ブロモクリプチンクエン酸塩、脂肪酸又はトリグリセリド、非ラクトース短鎖糖類及びクエン酸の医薬製剤の任意の1、2、又は3つの組み合わせに対して、熱及び湿度(40℃及び75%RHで試験を実施)並びに水溶性(20℃で)に対して改善された安定性を有することが分かる。
【0316】
【表12】
【0317】
実施例11.
製剤VS-55F-A、B、C、Dの混合手順:
【表13】
【0318】
製剤VS-55F-Aの混合手順:
50mlの蓋つき丸底フラスコに0.075gのブロモクリプチン及び0.150gのクエン酸を充填した。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を10分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0319】
10分間のローリングの後、混合を停止し、この混合物に0.250gのKlucel
EF Pharm、0.350gのクロスカルメロース、及び0.050gのヒュームドシリカが加えられた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を10分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0320】
10分間のローリングの後、混合を停止し、この混合物に1.725gのAvicel
PH102及び2.350gのマンニトールが加えられた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を10分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0321】
10分間ローリングを行った後、混合を停止し、0.050gのステアリン酸を混合物に加えた。ステアリン酸を加えた後、混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、5分間、最高速度でローリングした。
【0322】
2分間ローリングを行った後、混合物は、錠剤プレスのフィーダーに充填された。混合物は、その後、TDP1.5(約1.5トンの圧力)に耐えることができる最大の圧力で、錠剤に圧縮された。錠剤の形状は、6mmの凸型円形であり、平均重量は約0.100+/-5%gであった。
【0323】
【表14】
【0324】
製剤VS-55F-Bの混合手順:
50mlの蓋つき丸底フラスコに0.050gのブロモクリプチン及び0.105gのクエン酸を充填した。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を10分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0325】
5分間ローリングした後、混合を停止し、この混合物に、0.175gのKlucel
EF Pharm、0.245gのクロスカルメロース及び0.035gのヒュームドシリカが加えられた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0326】
5分間のローリングの後、混合を停止し、この混合物に1.725gのAvicel PH 102及び1.645gのマンニトールが加えられた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0327】
5分間ローリングを行った後、混合を停止し、0.035gのステアリン酸を混合物に加えた。ステアリン酸を加えた後、混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、5分間、最高速度でローリングした。
【0328】
5分間ローリングを行った後、混合物は、錠剤プレスのフィーダーに充填された。混合物は、その後、TDP1.5(約1.5トンの圧力)に耐えることができる最大の圧力で、錠剤に圧縮された。錠剤の形状は、6mmの凸型円形であり、平均重量は約0.070+/-5%gであった。
【0329】
VS-55F-Bについての結果及び観察
製剤の硬度は約6.0~6.9KPであった。錠剤の外見は白色であった。この製剤の崩壊時間は、約3.17~3.65分であった。この造粒混合物の流動特性は、重力送りプレスの使用に適した。含量均一性は、仕様の範囲にない。
【0330】
【表15】
【0331】
製剤VS-55F-Cの混合手順:
50mlの蓋つき丸底フラスコに0.050gのブロモクリプチン及び0.105gのクエン酸を充填した。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を10分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0332】
5分間ローリングした後、混合を停止し、この混合物に、0.125gのKlucel
EF Pharm、0.295gのクロスカルメロース及び0.035gのヒュームドシリカが加えられた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0333】
5分間のローリングの後、混合を停止し、この混合物に1.210gのAvicel PH 102及び1.645gのマンニトールが加えられた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0334】
5分間ローリングを行った後、混合を停止し、0.035gのステアリン酸を混合物に
加えた。ステアリン酸を加えた後、混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、5分間、最高速度でローリングした。
【0335】
5分間ローリングを行った後、混合物は、錠剤プレスのフィーダーに充填された。混合物は、その後、TDP1.5(約1.5トンの圧力)に耐えることができる最大の圧力で、錠剤に圧縮された。錠剤の形状は、6mmの凸型円形であり、平均重量は約0.070+/-5%gであった。
【0336】
VS-54F-Cについての結果及び観察
製剤の硬度は約7~8KPであった。錠剤の外見は白色であった。この製剤の崩壊時間は、約3.17~3.83分であった。この造粒混合物の流動特性は、重力送りプレスの使用に適した。含量均一性は、仕様の範囲にある。
【0337】
【表16】
【0338】
製剤VS-55F-Dの混合手順:
50mlの蓋つき丸底フラスコに0.075gのブロモクリプチン及び0.150gのクエン酸を充填した。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を10分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0339】
10分間のローリングの後、混合を停止し、この混合物に0.250gのKlucel
EF Pharm、0.350gのクロスカルメロース、及び0.050gのヒュームドシリカが加えられた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を10分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0340】
10分間のローリングの後、混合を停止し、この混合物に1.725gのAvicel
PH102及び2.350gのソルビトールが加えられた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を10分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0341】
10分間ローリングを行った後、混合を停止し、0.050gのステアリン酸を混合物に加えた。ステアリン酸を加えた後、混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、5分間、最高速度でローリングした。
【0342】
2分間ローリングを行った後、混合物は、錠剤プレスのフィーダーに充填された。混合物は、その後、TDP1.5(約1.5トンの圧力)に耐えることができる最大の圧力で、錠剤に圧縮された。錠剤の形状は、6mmの凸型円形であり、平均重量は約0.100
+/-5%gであった。
【0343】
硬度試験が完了した後、崩壊試験を行い、観察を行った。
【0344】
VS-54F-B.1についての結果及び観察
製剤の硬度は約16~16.5KPであった。錠剤の外見は白色であった。この製剤の崩壊時間は、約8.67~9.0分であった。この造粒混合物の流動特性は、重力送りプレスの使用に適した。含量均一性は、仕様の範囲にある。
【0345】
製剤VS-56F-A、B、C、D及びFの混合手順:
【0346】
【表17】
【0347】
製剤VS-56F-Aの混合手順:
50mlの蓋つき丸底フラスコに0.050gのブロモクリプチン、0.105gのクエン酸、0.018gのメントール、及び0.175gのKlucel EF Pharmを充填した。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0348】
5分間のローリングの後、混合を停止し、この混合物に1.193gのAvicel PH 102、0.245gのクロスカルメロース、及び0.035gのヒュームドシリカが加えられた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0349】
5分間ローリングを行った後、混合を停止し、1.645gのマンニトールを混合物に加えた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0350】
5分間ローリングを行った後、混合を停止し、0.035gのステアリン酸を混合物に加えた。ステアリン酸を加えた後、混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、5分間、最高速度でローリングした。
【0351】
5分間ローリングを行った後、混合物は、錠剤プレスのフィーダーに充填された。混合物は、その後、TDP1.5(約0.75トンの圧力)の最大値より低い圧力で、錠剤に圧縮された。錠剤の形状は、6mmの平坦な円形であり、平均重量は約0.070+/-
5%gであった。
【0352】
硬度試験が完了した後、崩壊試験を行い、観察を行った。
VS-56F-Aについての結果及び観察:
製剤の硬度は約2.8KPであった。錠剤の外見は白色であった。この製剤の崩壊時間は、約1.5分であった。この造粒混合物の流動特性は、重力送りプレスの使用に適した。含量均一性は、仕様の範囲にあった。
【0353】
VS-56F-Aについての結論:
製剤は、含量均一性及び崩壊性の仕様を満たす。錠剤製剤のAPIの放出について評価された。
【0354】
【表18】
【0355】
製剤VS-56F-Bの混合手順:
50mlの蓋つき丸底フラスコに0.075gのブロモクリプチン、0.105gのクエン酸、0.018gのメントール、及び0.175gのKlucel EF Pharmを充填した。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0356】
5分間のローリングの後、混合を停止し、この混合物に1.168gのAvicel PH 102、0.245gのクロスカルメロース、及び0.035gのヒュームドシリカが加えられた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0357】
5分間ローリングを行った後、混合を停止し、1.645gのマンニトールを混合物に加えた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0358】
5分間ローリングを行った後、混合を停止し、0.035gのステアリン酸を混合物に加えた。ステアリン酸を加えた後、混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、5分間、最高速度でローリングした。
【0359】
5分間ローリングを行った後、混合物は、錠剤プレスのフィーダーに充填された。混合物は、その後、TDP1.5(約1.5トンの圧力)の最大値より低い圧力で、錠剤に圧縮された。錠剤の形状は、6mmの平坦な円形であり、平均重量は約0.070+/-5
%gであった。
【0360】
硬度試験が完了した後、崩壊試験を行い、観察を行った。
【0361】
VS-56F-Bについての結果及び観察:
製剤の硬度は約3.9KPであった。錠剤の外見は白色であった。この製剤の崩壊時間は、約1.38分であった。この造粒混合物の流動特性は、重力送りプレスの使用に適した。含量均一性は、仕様の範囲にある。
【0362】
VS-56F-Bについての結論:
製剤は、含量均一性及び崩壊仕様を満たす。錠剤製剤のAPIの放出について評価された。
【0363】
【表19】
【0364】
製剤VS-56F-Cの混合手順:
50mlの蓋つき丸底フラスコに0.050gのブロモクリプチン、0.105gのクエン酸、0.018gのメントール、及び0.175gのKlucel EF Pharmを充填した。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0365】
5分間のローリングの後、混合を停止し、この混合物に1.193gのAvicel PH 102、0.245gのクロスカルメロース、及び0.035gのヒュームドシリカが加えられた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0366】
5分間ローリングを行った後、混合を停止し、1.645gのマンニトールを混合物に加えた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0367】
5分間ローリングを行った後、混合を停止し、0.035gのステアリン酸を混合物に加えた。ステアリン酸を加えた後、混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、5分間、最高速度でローリングした。
【0368】
5分間ローリングを行った後、混合物は、錠剤プレスのフィーダーに充填された。混合物は、その後、TDP1.5(約1.5トンの圧力)の最大値より低い圧力で、錠剤に圧
縮された。錠剤の形状は、6mmの平坦な円形であり、平均重量は約0.070+/-5%gであった。
【0369】
硬度試験が完了した後、崩壊試験を行い、観察を行った。
【0370】
VS-56F-Cについての結果及び観察:
製剤の硬度は約3~3.5KPであった。錠剤の外見は白色であった。この製剤の崩壊時間は約1.33分であった。この造粒混合物の流動特性は、重力送りプレスの使用に適した。含量均一性は、仕様の範囲にある。
【0371】
VS-56F-Cについての結論:
製剤は、含量均一性及び崩壊仕様を満たす。錠剤製剤のAPIの放出について評価された。
【0372】
【表20】
【0373】
製剤VS-56F-Dの混合手順:
50mlの蓋つき丸底フラスコに0.050gのブロモクリプチン、0.105gのクエン酸、0.005gのPEG3350、及び0.175gのKlucel EF Pharmを充填した。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0374】
5分間のローリングの後、混合を停止し、この混合物に1.205gのAvicel PH 102、0.245gのクロスカルメロース、及び0.035gのヒュームドシリカが加えられた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0375】
5分間ローリングを行った後、混合を停止し、1.645gのマンニトールを混合物に加えた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0376】
5分間ローリングを行った後、混合を停止し、0.035gのステアリン酸を混合物に加えた。ステアリン酸を加えた後、混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、5分間、最高速度でローリングした。
【0377】
5分間ローリングを行った後、混合物は、錠剤プレスのフィーダーに充填された。混合
物は、その後、TDP1.5(約1.5トンの圧力)の最大値より低い圧力で、錠剤に圧縮された。錠剤の形状は、6mmの平坦な円形であり、平均重量は約0.070+/-5%gであった。
【0378】
硬度試験が完了した後、崩壊試験を行い、観察を行った。
【0379】
VS-56F-Dについての結果及び観察:
製剤の硬度は約3.8KPであった。錠剤の外見は白色であった。この製剤の崩壊時間は約1.08分であった。この造粒混合物の流動特性は、重力送りプレスの使用に適した。含量均一性は、仕様の範囲にある。
【0380】
VS-56F-Dについての結論:
製剤は、含量均一性及び崩壊仕様を満たす。錠剤製剤のAPIの放出について評価された。
【0381】
【表21】
【0382】
製剤VS-56F-Eの混合手順:
50mlの蓋つき丸底フラスコに0.075gのブロモクリプチン、0.105gのクエン酸、0.018gのメントール、及び0.175gのKlucel EF Pharmを充填した。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0383】
5分間のローリングの後、混合を停止し、この混合物に1.168gのAvicel PH 102、0.245gのExplotab、及び0.035gのヒュームドシリカが加えられた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0384】
5分間ローリングを行った後、混合を停止し、1.645gのマンニトールを混合物に加えた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0385】
5分間ローリングを行った後、混合を停止し、0.035gのステアリン酸を混合物に加えた。ステアリン酸を加えた後、混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、5分間、最高速度でローリングした。
【0386】
5分間ローリングを行った後、混合物は、錠剤プレスのフィーダーに充填された。混合物は、その後、TDP1.5(約1.5トンの圧力)の最大値より低い圧力で、錠剤に圧縮された。錠剤の形状は、6mmの平坦な円形であり、平均重量は約0.070+/-5%gであった。
【0387】
硬度試験が完了した後、崩壊試験を行い、観察を行った。
【0388】
VS-56F-Eについての結果及び観察:
製剤の硬度は約4.0KPであった。錠剤の外見は白色であった。この製剤の崩壊時間は、約1.5分であった。この造粒混合物の流動特性は、重力送りプレスの使用に適した。含量均一性は、仕様の範囲にある。
【0389】
VS-56F-Eについての結論:
製剤は、含量均一性及び崩壊仕様を満たす。錠剤製剤のAPIの放出について評価された。
【0390】
【表22】
【0391】
製剤VS-56F-Fの混合手順:
50mlの蓋つき丸底フラスコに0.050gのブロモクリプチン、0.105gのクエン酸、0.018gのメントール、0.005gのPEG3350、及び0.175gのKlucel EF Pharmを充填した。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0392】
5分間のローリングの後、混合を停止し、この混合物に1.188gのAvicel PH 102、0.245gのクロスカルメロース、及び0.035gのヒュームドシリカが加えられた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0393】
5分間ローリングを行った後、混合を停止し、1.645gのマンニトールを混合物に加えた。混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、その後、混合物を5分間(最高速度で)ローリングすることが可能なローラーに置いた。
【0394】
5分間ローリングを行った後、混合を停止し、0.035gのステアリン酸を混合物に加えた。ステアリン酸を加えた後、混合物は、その後、数秒間活発に振盪され、5分間、最高速度でローリングした。
【0395】
5分間ローリングを行った後、混合物は、錠剤プレスのフィーダーに充填された。混合物は、その後、TDP1.5(約1.5トンの圧力)の最大値より低い圧力で、錠剤に圧縮された。錠剤の形状は、6mmの平坦な円形であり、平均重量は約0.070+/-5%gであった。
【0396】
硬度試験が完了した後、崩壊試験を行い、観察を行った。
【0397】
VS-56F-Fについての結果及び観察:
製剤の硬度は約3.8KPであった。錠剤の外見は白色であった。この製剤の崩壊時間は、約1.5分であった。この造粒混合物の流動特性は、重力送りプレスの使用に適した。含量均一性は、仕様の範囲にある。
【0398】
VS-56F-Fについての結論:
製剤は、含量均一性及び崩壊仕様を満たす。錠剤製剤のAPIの放出について評価された。
【0399】
実施例11.
2つの分解試験は、以下に示されるこのプロジェクトにおいて製造される錠剤製剤に実施された(セット1及び2)。
第1セット(4錠剤)
VS-ER-NL-55F-A(1.5%BC)
VS-ER-NL-55F-B(1.43%BC)
VS-ER-NL-55F-C(1.43%BC)
VS-ER-NL-55F-D.1(1.5%BC)
第2セット(6錠剤)
VS-ER-NL-56F-A(1.43%BC)
VS-ER-NL-56F-B(2.14%BC)
VS-ER-NL-56F-C(1.43%BC)
VS-ER-NL-56F-D(1.43%BC)
VS-ER-NL-56F-E(2.14%BC)
VS-ER-NL-56F-F(1.43%BC)
【0400】
HPLC法の記述:
以下は、試料の分析についてHPLC条件(装置、設定等)を記述する。
カラム:Waters Symmetry Shield RP18、3.5ミクロン、4.6x150mmのP/N186000180
移動相A:0.1%のTFA水
移動相B:0.1%のTFAアセトニトリル。
【0401】
【表23】
【0402】
流動:1ml/分 検出UV:300nm 希釈剤:0.5%のクエン酸
カラムのオーブン温度:30℃
注入量:100μl
5℃の試料トレイ。
【0403】
HPLC標準調製
一次ストック溶液は、正確に秤量し、25mlのメスフラスコに30mgのBCを溶解することによって調製された(希釈剤-0.5%のクエン酸)(約1.2mg/ml)。
二次ストック溶液は、1mlの一次ストックを取り、10mlのメスフラスコに希釈することによって調製された(約0.12mg/ml)。
異なる体積の二次ストック溶液を別々の10mlのメスフラスコに取られて、検量線について直接注入された標準を調製した。体積及び大体の濃度は以下に示される;
0.125ml=約0.0015mg/ml、0.250ml=約0.003mg/ml、0.500ml=約0.006mg/ml、1.000ml=約0.012mg/ml、1.500ml=約0.018mg/ml。
面積対標準の濃度をプロットするためにスプレッドシートが開発された。この線方程式の傾き及び切片を使用して、溶解実施における引き出しポイント(pull point)のそれぞれの濃度を計算した。
【0404】
溶解方法
前述のロットのそれぞれから、11個の錠剤が秤量され、37℃で1000mlの0.5%のクエン酸溶液に加えられた。溶解装置は、100RPMでパドルと共に設定された。(装置2)
前述の第1の一連の実験について、試料は、5、10、15、20、30、45及び60分で引き出された。第2の一連の実験についての引き出しポイントは、より頻繁であり、より速い薬剤放出を捕えるために、より速いタイムポイントで行われた。これらのタイムポイントは以下:5、7.5、10、15、30及び60であった。
【0405】
各引き出しポイントについて、約1mlの溶液が収集された。試料は、遠心分離にかけられて、任意の粒子を取り除き、上清が直接注入された。
【0406】
可溶性曲線がスプレッドシートにプロットされた。濃度は、検量線を使用して決定され、放出率は、11個の錠剤の合計重量及びパーセントBCを使用して決定された。
【0407】
55F及び56Fシリーズ55Fシリーズについての溶解試験の結果
シリーズの結果:
第1セット(4錠剤)
VS-ER-NL-55F-A(1.5%BC)
VS-ER-NL-55F-B(1.43%BC)
VS-ER-NL-55F-C(1.43%BC)
VS-ER-NL-55F-D.1(1.5%BC)
【0408】
グラフ1.55Fシリーズの溶解試験についての検量線
【数2】
【0409】
【表24】
【0410】
グラフ2:VS-ER-NL-55F-A(1.5%BC)についての溶解試験の結果のグラフ
【数3】
【0411】
VS-ER-NL-55F-A(1.5%BC)についての結論:
錠剤は、動物試験に使用するために提出される。
【0412】
【表25】
【0413】
グラフ3:VS-ER-NL-55F-B(1.43%BC)についての溶解試験の結果のグラフ
【数4】
【0414】
VS-ER-NL-55F-B(1.43%BC)についての結論:
錠剤は、動物試験に使用するために提出される。
【0415】
【表26】
【0416】
グラフ4:VS-ER-NL-55F-C(1.43%BC)についての溶解試験の結果のグラフ
【数5】
【0417】
【表27】
【0418】
グラフ5:VS-ER-NL-55F-D(1.5% BC)についての溶解試験の結果のグラフ
【数6】
【0419】
VS-ER-NL-55F-D(1.5%BC)についての結論:
以前の実験と同じように錠剤にする。
【0420】
56Fシリーズの結果:
第2セット(6錠剤)
VS-ER-NL-56F-A(1.43%BC)
VS-ER-NL-56F-B(2.14%BC)
VS-ER-NL-56F-C(1.43%BC)
VS-ER-NL-56F-D(1.43%BC)
VS-ER-NL-56F-E(2.14%BC)
VS-ER-NL-56F-F(1.43%BC)
【0421】
グラフ6:56Fシリーズの溶解試験についての検量線
【数7】
【0422】
【表28】
【0423】
図7:VS-ER-NL-56F-A(1.43%BC)についての溶解試験の結果のグラフ
【数8】
【0424】
VS-ER-NL-56F-B(2.14%BC)についての結論:
錠剤は、動物試験のために提出される。
【0425】
【表29】
【0426】
グラフ8:VS-ER-NL-56F-B(2.14%BC)についての溶解試験の結果のグラフ
【数9】
【0427】
VS-ER-NL-56F-B(2.14%BC)についての結論:
錠剤は、動物試験のために提出される。
【0428】
【表30】
【0429】
グラフ9:VS-ER-NL-56F-C(1.43%BC)についての溶解試験の結果のグラフ
【数10】
【0430】
VS-ER-NL-56F-C(1.43%BC)についての結論:
錠剤は、動物試験のために提出される。
【0431】
【表31】
【0432】
グラフ10:VS-ER-NL-56F-D(1.43%BC)についての溶解試験の結果のグラフ
【数11】
【0433】
VS-ER-NL-56F-D(1.43%BC)についての結論:
錠剤は、動物試験のために提出される。
【0434】
【表32】
【0435】
グラフ11:VS-ER-NL-56F-E(2.14%BC)についての溶解試験の結果のグラフ
【数12】
【0436】
VS-ER-NL-56F-F(2.14%BC)についての結論:
錠剤は、動物試験のために提出される。
【0437】
【表33】
【0438】
グラフ12:VS-ER-NL-56F-F(=1.43%BC)についての溶解試験の結果のグラフ
【数13】
【0439】
VS-ER-NL-56F-F(1.43%BC)についての結論:
錠剤は、動物試験のために提出される。
【0440】
本開示のテキストに記載される各参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本発明のいくつかの実施形態が記載されている。しかし、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正がなされ得ることが理解される。したがって、その他の実施形態は、以下の請求項の範囲にある。
図1A
図1B
図1C
図2
図3