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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】広角映像提供方法
(51)【国際特許分類】
   G03B 37/00 20210101AFI20230221BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20230221BHJP
   H04N 23/698 20230101ALI20230221BHJP
   H04N 23/45 20230101ALI20230221BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20230221BHJP
【FI】
G03B37/00 A
G03B15/00 W
G03B15/00 H
H04N5/232 380
H04N5/225 800
H04N5/232 290
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021509710
(86)(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 KR2019005074
(87)【国際公開番号】W WO2019209069
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2020-11-20
(31)【優先権主張番号】10-2018-0048326
(32)【優先日】2018-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0048327
(32)【優先日】2018-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0048328
(32)【優先日】2018-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520414767
【氏名又は名称】テンエントゥ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】パク,ソン ヨル
【審査官】小川 亮
(56)【参考文献】
【文献】特許第5843034(JP,B2)
【文献】特表2012-504889(JP,A)
【文献】特開2009-169601(JP,A)
【文献】特開2017-187727(JP,A)
【文献】特開2011-182328(JP,A)
【文献】特開2012-159616(JP,A)
【文献】特開2010-245831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 37/00
G03B 15/00
H04N 5/232
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のカメラモジュール、第2のカメラモジュール、第3のカメラモジュール、第4のカメラモジュール、歪み補正部、位相差補正部、重畳補正部及び色補正部を含む広角映像提供システムにより行われる、広角映像提供方法であって、
前記広角映像提供システムは、
前記第1及び第2のカメラモジュールの各一方の側にそれぞれ結合される第1及び第2のリンク部と、前記第3及び第4のカメラモジュールの各一方の側にそれぞれ結合される第3及び第4のリンク部と、モータによって回転し、各前記第1、第2、第3及び第4のリンク部が結合されて移動する曲線溝を有する円形板と、前記第1及び第2のカメラモジュールにおいて各前記一方の側に対向する各他方の側が互いにヒンジ結合する構造と、前記第3及び第4のカメラモジュールにおいて各前記一方の側に対向する各他方の側が互いにヒンジ結合する構造とを含み、
前記広角映像提供方法は、
前記第1のカメラモジュールが第1の領域を撮影した第1の領域映像を生成し、前記第2のカメラモジュールが第1の領域の右側に隣接する第2の領域を撮影した第2の領域映像を生成し、前記第3のカメラモジュールが前記第1の領域の反対側である第3の領域を撮影した第3の領域映像を生成し、前記第4のカメラモジュールが前記第2の領域の反対側であり、前記第3の領域の右側に隣接する第4の領域を撮影した第4領域映像を生成する撮影ステップであって、
前記第1及び第2のリンク部が,前記円形板の回転により前記曲線溝を移動することにより、前記第1及び第2のカメラモジュールが互いになす角度を調整し、前記第3及び第4のリンク部が、前記円形板の回転により前記曲線溝を移動することにより、前記第3及び第4のカメラモジュールが互いになす角度を調整する、前記撮影ステップと;
歪み補正部が前記第1、第2、第3及び第4の領域映像をそれぞれ歪み補正する歪み補正ステップと;
位相差補正部が前記歪み補正した第1、第2、第3及び第4の領域映像をそれぞれ位相差補正する位相差補正ステップと;
重畳補正部が前記位相差補正した第1、第2、第3及び第4の領域映像を互いに隣接するように重ね合わせて補正する重畳補正ステップと;
色補正部が前記重ね合わせて補正した第1、第2、第3及び第4の領域映像を色補正する色補正ステップと;
を含む広角映像提供方法。
【請求項2】
前記歪み補正ステップでは、前記歪み補正部が前記第1、第2、第3及び第4の領域映像のそれぞれの広角歪みを補正した後、遠近歪みを補正し、
前記位相差補正ステップでは、前記位相差補正部が前記第1、第2、第3及び第4の領域映像の水平基準点を抽出した後、座標回転移動を行い、前記第1、第2、第3及び第4の領域映像の位置を調整し、
前記重畳補正ステップでは、前記重畳補正部が前記第1、第2、第3及び第4の領域映像をそれぞれサイズ調整した後、座標移動して重なり合うように位置調整し、
前記色補正ステップでは、前記色補正部が前記重ね合わせて補正した重畳映像の明るさ及び色収差を調整する請求項に記載の広角映像提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、広角映像提供方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、CCTVカメラは、一般家庭の防犯用として使用するために、またはデパート、銀行、展示場などの場所では、侵入、盗難や火災などを事前に予防し、もし事故が発生しても迅速に対応するために設置される。
【0003】
特に、このようCCTVカメラシステムは、特殊な目的のために特定の場所に設置され、すべての状況を監視するために、遠隔地からの映像をモニタリングするための目的で使用されるものであり、前記CCTVカメラは、可能な広い範囲を監視することができるよう、通常は、建物の壁面上部や天井に設置されて特定の方向に向かってセッティングされているのが一般的である。
【0004】
しかしながら、このようにCCTVなどに使用されるカメラは、一般的に画角が30°~70°であり、撮影範囲が限られているため、死角があり、このような死角を減らすために、魚眼レンズ(fish-eye lens)などの広角レンズ(wide-angle lens)を使用している。
【0005】
しかし、広角レンズ(wide-angle lens)を搭載したカメラは、標準レンズを用いたときに比べて、焦点距離が短く、視野(Field Of View:Fov)が広いという特性があり、取得した映像に放射状の歪み(radial distortion)が発生してオブジェクトの歪み現象が発生する。
【0006】
また、従来技術によるパノラマカメラが撮影した映像は、位置歪みが発生するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述した問題を解決するために案出されたものであり、本発明に係る広角映像提供システムは、死角がなく、広角歪み、遠近歪み、明暗差及び色収差のない広角映像を提供し、且つ、歪み(歪曲)のない広角映像を提供して映像をVR形式で出力することができ、映像を縮小または拡大しても歪みが発生しないようにする。
【0008】
また、本発明に係る広角映像提供システムは、モバイル用カメラ、CCTV用カメラ、Webカメラなどの様々なカメラモジュールを用い、専用プログラムまたは専用モバイルアプリケーションを使用して補正することにより広角映像を提供しようとする。
【0009】
また、本発明に係る広角映像提供システムは、自動車、ドローン、モバイル、カメラ、船舶、ロケット、医療、防衛、家庭、レジャーなどのカメラが使用される産業全般に適用可能な広角映像提供方法及びシステムを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した問題を解決するための本発明の一実施形態に係る広角映像提供方法は、第1のカメラモジュールが第1の領域を撮影した第1の領域映像を生成し、第2のカメラモジュールが第1の領域に隣接する第2の領域を撮影した第2の領域映像を生成する撮影ステップと;歪み補正部が前記第1及び第2の領域映像をそれぞれ歪み補正する歪み補正ステップと;位相差補正部が前記歪み補正した第1及び第2の領域映像をそれぞれ位相差補正する位相差補正ステップと;重畳補正部が前記位相差補正した第1及び第2の領域映像を互いに隣接するように重ね合わせて補正する重畳補正ステップと;色補正部が前記重ね合わせて補正した第1及び第2の領域画像を色補正する色補正ステップと;を含む。
【0011】
本発明の他の一実施形態によれば、前記歪み補正ステップでは、前記歪み補正部が前記第1及び第2の領域映像のそれぞれの広角歪みを補正した後、遠近歪みを補正し、前記位相差補正ステップでは、前記位相差補正部が前記第1及び第2の領域映像の水平基準点を抽出した後、座標回転移動を行い、前記第1及び第2の領域映像の位置を調整し、前記重畳補正ステップでは、前記重畳補正部が前記第1及び第2の領域映像をそれぞれサイズ調整した後、座標移動して重なり合うように位置調整し、前記色補正ステップでは、前記色補正部が前記重ね合わせて補正した重畳映像の明るさ及び色収差を調整することができる。
【0012】
本発明の他の一実施形態によれば、前記撮影ステップでは、前記第1のカメラモジュール及び前記第2のカメラモジュールのそれぞれの撮影面を、互いに110°~135°の角度で配置して前記第1及び第2の領域映像を生成することができる。
【0013】
また、本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供方法は、第1のカメラモジュールが第1の領域を撮影した第1の領域映像を生成し、第2のカメラモジュールが第1の領域の右側に隣接する第2の領域を撮影した第2の領域映像を生成し、第3のカメラモジュールが前記第1の領域の下側に隣接する第3の領域を撮影した第3の領域映像を生成し、第4のカメラモジュールが前記第2の領域の下側及び前記第3の領域の右側に隣接する第4の領域を撮影した第4の領域映像を生成する撮影ステップと;歪み補正部が前記第1、第2、第3及び第4の領域映像をそれぞれ歪み補正する歪み補正ステップと;位相差補正部が前記歪み補正した第1、第2、第3及び第4の領域映像をそれぞれ位相差補正する位相差補正ステップと;重畳補正部が前記位相差補正した第1、第2、第3及び第4の領域映像を互いに隣接するように重ね合わせて補正する重畳補正ステップと;色補正部が前記重ね合わせて補正した第1、第2、第3及び第4の領域映像を色補正する色補正ステップと;を含む。
【0014】
本発明の他の一実施形態によれば、前記歪み補正ステップでは、前記歪み補正部が前記第1、第2、第3及び第4の領域映像のそれぞれの広角歪みを補正した後、遠近歪みを補正し、前記位相差補正ステップでは、前記位相差補正部が前記第1、第2、第3及び第4の領域映像の水平基準点を抽出した後、座標回転移動を行い、前記第1、第2、第3及び第4の領域映像の位置を調整し、前記重畳補正ステップでは、前記重畳補正部が前記第1、第2、第3及び第4の領域映像をそれぞれサイズ調整した後、座標移動して重なり合うように位置調整し、前記色補正ステップでは、前記色補正部が前記重ね合わせて補正した重畳映像の明るさ及び色収差を調整することができる。
【0015】
本発明の他の一実施形態によれば、前記撮影ステップは、前記第1、第2、第3及び第4のカメラモジュールが互いになす角度を調整するステップをさらに含んでいてもよい。
【0016】
また、本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供方法は、第1のカメラモジュールが第1の領域を撮影した第1の領域映像を生成し、第2のカメラモジュールが第1の領域の右側に隣接する第2の領域を撮影した第2の領域映像を生成し、第3のカメラモジュールが前記第1の領域の反対側である第3の領域を撮影した第3の領域映像を生成し、第4のカメラモジュールが前記第2の領域の反対側であり、前記第3の領域の右側に隣接する第4の領域を撮影した第4の領域映像を生成する撮影ステップと;歪み補正部が前記第1、第2、第3及び第4の領域映像をそれぞれ歪み補正する歪み補正ステップと;位相差補正部が前記歪み補正した第1、第2、第3及び第4の領域映像をそれぞれ位相差補正する位相差補正ステップと;重畳補正部が前記位相差補正した第1、第2、第3及び第4の領域映像を互いに隣接するように重ね合わせて補正する重畳補正ステップと;色補正部が前記重ね合わせて補正した第1、第2、第3及び第4の領域映像を色補正する色補正ステップと;を含む。
【0017】
本発明の他の一実施形態によれば、前記歪み補正ステップでは、前記歪み補正部が前記第1、第2、第3及び第4の領域映像のそれぞれの広角歪みを補正した後、遠近歪みを補正し、前記位相差補正ステップでは、前記位相差補正部が前記第1、第2、第3及び第4の領域映像の水平基準点を抽出した後、座標回転移動を行い、前記第1、第2、第3及び第4の領域映像の位置を調整し、前記重畳補正ステップでは、前記重畳補正部が前記第1、第2、第3及び第4の領域映像をそれぞれサイズ調整した後、座標移動して重なり合うように位置調整し、前記色補正ステップでは、前記色補正部が前記重ね合わせて補正した重畳映像の明るさ及び色収差を調整することができる。
【0018】
本発明の他の一実施形態によれば、前記撮影ステップは、前記第1及び第2のカメラモジュールが互いになす角度を調整するステップと;前記第3及び第4のカメラモジュールが互いになす角度を調整するステップと;をさらに含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施形態によれば、死角がなく、広角歪み、遠近歪み、明暗差及び色収差のない広角映像を提供することができる。
【0020】
また、本発明の実施形態によれば、歪みのない広角映像を提供して映像をVR形式で出力することができ、映像を縮小または拡大しても歪みが発生しない。
【0021】
また、本発明の実施形態によれば、モバイル用カメラ、CCTV用カメラ、Webカメラなどの様々なカメラモジュールを用い、専用プログラムまたは専用モバイルアプリケーションを使用して補正することにより広角映像を提供することができる。
【0022】
さらに、本発明の実施形態によれば、自動車、ドローン、モバイル、カメラ、船舶、ロケット、医療、防衛、家庭、レジャーなどのカメラが使用される産業全般に適用することにより、広画角の映像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る広角映像提供システムの構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するためのフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態に係る第1及び第2のカメラの撮影領域を説明するための図である。
図4】本発明の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するための第1及び第2の領域映像の補正過程を説明するための図である。
図5】本発明の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するための第1及び第2の領域映像の補正過程を説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するための第1及び第2の領域映像の補正過程を説明するための図である。
図7】本発明の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するための第1及び第2の領域映像の補正過程を説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するための第1及び第2の領域映像の補正過程を説明するための図である。
図9】本発明の一実施形態に係る第1及び第2のカメラの配置位置を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る第1及び第2のカメラの配置位置を示す図である。
図11】本発明の一実施形態に係る第1及び第2のカメラの配置位置によるカメラの撮影配置角度を示す図である。
図12】本発明の一実施形態に係る第1及び第2のカメラの配置位置によるカメラの撮影配置角度を示す図である。
図13】本発明の一実施形態に係る広角映像提供方法を補正するための補正ブースを示す図である。
図14】本発明の一実施形態に係る広角映像提供方法を補正するための補正ブースを示す図である
図15】本発明の一実施形態に係る広角映像提供方法を補正するための補正ブースを示す図である
図16】本発明の一実施形態に係る広角映像提供システムのカメラモジュールの斜視図である。
図17】本発明の一実施形態に係る広角映像提供システムのカメラモジュールの展開図である。
図18】本発明の一実施形態に係る広角映像提供システムのカメラモジュールの配置及び角度調整方法を説明するための図である。
図19】本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供システムの構成図である。
図20】本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するためのフローチャートである。
図21】本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するための第1、第2、第3及び第4の領域映像の補正過程を説明するための図である。
図22】本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するための第1、第2、第3及び第4の領域映像の補正過程を説明するための図である。
図23】本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するための第1、第2、第3及び第4の領域映像の補正過程を説明するための図である。
図24】本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するための第1、第2、第3及び第4の領域映像の補正過程を説明するための図である。
図25】本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するための第1、第2、第3及び第4の領域映像の補正過程を説明するための図である。
図26】本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供方法を補正するための補正ブースを示す図である。
図27】本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供方法を補正するための補正ブースを示す図である。
図28】本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供方法を補正するための補正ブースを示す図である。
図29】本発明の他の一実施形態に係る第1、第2、第3及び第4のカメラの配置位置による第1、第2、第3及び第4のカメラの撮影配置角度を示す図である。
図30】本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供システムのカメラモジュールの斜視図である。
図31】本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供システムのカメラモジュールの展開図である。
図32】本発明のまた他の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するための第1、第2、第3及び第4の領域映像の補正過程を説明するための図である。
図33】本発明のまた他の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するための第1、第2、第3及び第4の領域映像の補正過程を説明するための図である。
図34】本発明のまた他の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するための第1、第2、第3及び第4の領域映像の補正過程を説明するための図である。
図35】本発明のまた他の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するための第1、第2、第3及び第4の領域映像の補正過程を説明するための図である。
図36】本発明のまた他の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するための第1、第2、第3及び第4の領域映像の補正過程を説明するための図である。
図37】本発明のまた他の一実施形態に係る広角映像提供方法を補正するための補正ブースを示す図である。
図38】本発明のまた他の一実施形態に係る広角映像提供方法を補正するための補正ブースを示す図である。
図39】本発明のまた他の一実施形態に係る広角映像提供方法を補正するための補正ブースを示す図である。
図40】本発明のまた他の一実施形態に係る第1、第2、第3及び第4のカメラの配置位置による第1、第2、第3及び第4のカメラの撮影配置角度を示す図である。
図41】本発明のまた他の一実施形態に係る広角映像提供システムのカメラモジュールの構成図である。
図42】本発明のまた他の一実施形態に係る広角映像提供システムのカメラモジュールの斜視図である。
図43】本発明のまた他の一実施形態に係る広角映像提供システムのカメラモジュールの角度調整方法を説明するための図である。
図44】本発明のまた他の一実施形態に係る広角映像提供システムのカメラモジュールの展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して好ましい本発明の一実施形態について詳細に説明する。但し、実施形態を説明するに当たり、関連する公知の機能又は構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にするおそれがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。また、図面において、各構成要素のサイズは説明のために誇張することがあり、実際に適用されるサイズを意味するものではない。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る広角映像提供システムの構成図である。以下、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る広角映像提供システムの構成について説明する。
【0026】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る広角映像提供システムは、第1のカメラモジュール110、第2のカメラモジュール120、補正処理部130及び映像保存部140を含んで構成されてもよく、また、前記補正処理部130は、歪み補正部131、位相差補正部132、重畳補正部133及び色補正部134を含んで構成されてもよい。
【0027】
第1のカメラモジュール110は、第1の領域を撮影した第1の領域映像を生成し、第2のカメラモジュール120は、前記第1の領域に隣接する第2の領域を撮影した第2の領域映像を生成する。
【0028】
より具体的には、前記第1のカメラモジュール110は、撮影しようとする領域の左側(left)に対応する領域を撮影することによって左側映像である第1の領域映像を生成することができ、前記第2のカメラモジュール120は、撮影しようとする領域の右側(right)に対応する領域を撮影することによって右側映像である第2の領域映像を生成することができる。
【0029】
このとき、前記第1のカメラモジュール110及び前記第2のカメラモジュール120のそれぞれの撮影面は、互いに110°~135°の角度で配置されて、前記第1のカメラモジュール110及び前記第2カメラモジュール120で撮影された映像は、左右180°~200°および上下90°~110°の画角を有する映像であり得る。
【0030】
このように、前記第1及び第2のカメラ110、120で撮影された映像には、広角歪み及び遠近歪みがあり、2台のカメラを用いて撮影した映像を隣接するように重ね合わせる場合には、位相差、重畳領域、明暗差または色収差が発生する。
【0031】
したがって、補正処理部130は、このように映像の歪み、位相差、重畳領域、明暗差または色収差などを補正する。すなわち、前記補正処理部130は、前記第1及び第2のカメラ110、120で撮影された第1及び第2の領域映像をそれぞれ歪み補正及び位相差補正し、前記位相差補正した第1及び第2の領域映像を重畳補正及び色補正する。
【0032】
より具体的には、前記補正処理部130は、歪み補正部131、位相差補正部132、重畳補正部133及び色補正部134を含んで構成されてもよい。
【0033】
前記歪み補正部131は、第1のカメラモジュール110で撮影された第1の領域映像の歪みを補正し、位相差補正部132は、前記歪み補正した第1及び第2の領域映像をそれぞれ位相差補正する。また、重畳補正部133は、前記位相差補正した第1及び第2の領域映像を互いに隣接するように重ね合わせて補正し、前記色補正部134は、前記重ね合わせて補正した重畳映像を色補正することができる。
【0034】
より詳細には、前記歪み補正部131は、前記第1及び第2の領域映像のそれぞれの広角歪みを補正した後、遠近歪みを補正し、前記位相差補正部132は、前記第1及び第2の領域映像の水平基準点を抽出した後、座標回転移動を行い、前記第1及び第2の領域映像の位置を調整し、前記重畳補正部133は、前記第1及び第2の領域映像をそれぞれサイズ調整した後、座標移動して重なり合うように位置調整し、前記色補正部134は、前記重ね合わせて補正した重畳映像の明るさ及び色収差を調整することができる。
【0035】
映像保存部140は、このように補正処理部130によって補正されて合成された映像を保存することができる。
【0036】
したがって、本発明の実施形態によれば、死角がなく、広角歪み、遠近歪み、明暗差及び色収差のない広角映像を提供することができる。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するためのフローチャートであり、図3は、本発明の一実施形態に係る第1及び第2のカメラの撮影領域を説明するための図である。
【0038】
また、図4図8は、本発明の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するための第1及び第2の領域映像の補正過程を説明するための図である。
【0039】
以下、図2図8を参照して、本発明の一実施形態に係る広角映像提供方法について説明する。
【0040】
まず、図2に示すように、左側カメラ(left camera)に対応する第1のカメラモジュールは、第1の領域を撮影した第1の領域映像を生成して抽出し(S210)、右側カメラ(right camera)に対応する第2のカメラモジュールは、第1の領域に隣接する第2の領域を撮影した第2の領域映像を生成して抽出する(S211)。
【0041】
このように抽出された第1及び第2の領域映像には、遠近歪み及び広角歪みが含まれている。したがって、歪み補正部は、歪み定数(Distortion Constant)を参照して、前記第1及び第2の領域映像のそれぞれの広角歪み及び遠近歪みを補正する(S220、S221)。
【0042】
図4は、このように広角歪み及び遠近歪みが補正された第1及び第2の領域映像を示す。
【0043】
その後、前記位相差補正部は、位相差定数(Phase Difference Constant)を参照して、前記広角歪み及び遠近歪みが補正された前記第1及び第2の領域映像の水平基準点を抽出した後、図5に示すように、座標回転移動を行い、前記第1及び第2の領域映像の位置を調整し(S230、S231)、前記座標回転移動及び位置調整された第1及び第2の領域映像をそれぞれ保存する(S235、S236)。
【0044】
その次、重畳補正部は、重畳定数(Overlap Constant)を参照して、前記保存された第1及び第2の領域映像のサイズを調整した後、座標移動して、図6に示すように、重なり合うように位置調整する(S240)。
【0045】
図3を参照すると、位置調整により重なり合う映像は、第1のカメラモジュール110が第1の領域を撮影した第1の領域映像111と、第2のカメラモジュール120が第2の領域を撮影した第2領域映像121とからなり、互いに重畳領域301が発生し、このような重畳領域301は、それぞれ第1のカメラモジュールの補正領域112と第2のカメラモジュールの補正領域122とに区分される。
【0046】
色補正部は、図7に示すように、重ね合わせて補正した重畳映像に対して、色定数(Color Constant)を参照して明るさ及び色収差を調整して、図8に示すように、第1及び第2の領域映像が重なり合って合成された映像を生成して保存し(S250、S255)、このように保存された合成映像を出力することができる(S260)。
【0047】
図9及び図10は、本発明の一実施形態に係る第1及び第2のカメラの配置位置を示す図であり、図11及び図12は、本発明の一実施形態に係る第1及び第2のカメラの配置位置によるカメラの撮影配置角度を示す図である。
【0048】
また、図13図15は、本発明の一実施形態に係る広角映像提供方法を補正するための補正ブースを示す図である。
【0049】
以下、図9図12を参照して、本発明の一実施形態に係る第1及び第2のカメラの配置によるカメラの撮影角度について説明する。
【0050】
図9に示すように、第1及び第2のカメラが地面に垂直な壁などの側面に配置される場合、図11に示すように、第1及び第2のカメラの撮影面は互いに110°~135°の角度で配置され、前記第1及び第2のカメラと壁は27°~35°の角度で配置されて、当該側面(壁)を除くその他の領域の映像を提供することができる。
【0051】
また、図10に示すように、第1及び第2のカメラが天井などの場所のように地面を向くように配置される場合、図12に示すように、第1及び第2のカメラの撮影面は互いに110°~135°の角度で配置され、両側面の全ての面の画像と、前記残りの両側面の一部面の映像とを提供することができる。
【0052】
図13は、本発明の一実施形態に係る広角歪み及び遠近歪みを補正するための補正ブース(Calibration Booth)を示し、図14は、本発明の一実施形態に係る重畳映像を補正するための補正ブース(Calibration Booth)を示す。
【0053】
また、図15は、本発明の一実施形態に係る領域映像の明るさ及び色収差を補正するための補正ブースを示す。
【0054】
したがって、本発明の実施形態によれば、死角がなく、広角歪み、遠近歪み、明暗差及び色収差のない広角映像を提供することができ、歪みのない広角映像を提供して映像をVR形式で出力することができ、映像を縮小または拡大しても歪みが発生しない。
【0055】
さらに、本発明の実施形態によれば、自動車、ドローン、モバイル、カメラ、船舶、ロケット、医療、防衛、家庭、レジャーなどのカメラが使用される産業全般に適用することにより、広画角の映像を提供することができる。
【0056】
図16は、本発明の一実施形態に係る広角映像提供システムのカメラモジュールの斜視図であり、図17は、本発明の一実施形態に係る広角映像提供システムのカメラモジュールの展開図であり、図18は、本発明の一実施形態に係る広角映像提供システムのカメラモジュールの配置及び角度調整方法を説明するための図である。
【0057】
図16及び図17を参照すると、本発明の一実施形態に係る第1のカメラモジュール110は、第1のレンズモジュール111、第1のイメージセンサモジュール112及び第1の構造体113を含んで構成される。
【0058】
第1のイメージセンサモジュール112は、前記第1のレンズモジュール111を介して第1の領域を撮影した第1の領域映像を生成し、第1の構造体113は、前記第1のレンズモジュール111及び前記第1のイメージセンサモジュール112を収納するように構成されてもよい。
【0059】
同様に、第2のカメラモジュール120は、第2のレンズモジュール121、第2のイメージセンサモジュール122及び第2の構造体123を含んで構成され、第2のイメージセンサモジュール122は、前記第2のレンズモジュール121を介して第2の領域を撮影した第2の領域映像を生成し、第2の構造体123は、前記第2のレンズモジュール121及び前記第1のイメージセンサモジュール122を収納するように構成されてもよい。
【0060】
この場合、前記第1及び第2の構造体113、123は、軽量化のためにアルミフレームで構成されてもよい。
【0061】
また、第1及び第2のリンク部115、125は、前記第1及び第2のカメラモジュール110、120の各一方の側にそれぞれ結合され、円形板150は、固定板160に固定されてモータによって回転し、前記円形板150は、各前記第1及び第2のリンク部115、125が結合されて移動する曲線溝151を含むように構成されてもよい。
【0062】
これにより、第1及び第2のカメラモジュール110、120は、各前記一方の側に対向する各他方の側が互いにヒンジ結合する構造を有し、前記第1及び第2のリンク部115、125は、前記円形板150の回転により前記曲線溝151を移動して、前記第1及び第2のカメラモジュール110、120によって形成される角度を調整することができる。
【0063】
このような第1及び第2のカメラモジュール110、120間の角度を調整する際には、モータを制御して円形板150を回転させて、第1及び第2のカメラモジュール110、120間の角度を調整し、ズームイン及びズームアウトにより最適の映像撮影角度を得ることができる。
【0064】
一方、図18を参照すると、第1及び第2のカメラモジュール110、120の画角に応じて前記第1及び第2のカメラモジュール110、120の角度を決定することができる。
【0065】
【数1】
【0066】
(ここで、αは各第1及び第2のカメラモジュールが床面となす角度であり、aは第1及び第2のカメラモジュールの水平画角である。)
【0067】
【数2】
【0068】
(ここで、βは各第1及び第2のカメラモジュールのイメージモジュールの角度であり、bは第1及び第2のカメラモジュールの垂直画角である。)
【0069】
本発明の一実施形態によれば、図16及び図18に示すように、第1及び第2のカメラモジュール110、120の配置の際に、式1を用いて、各第1及び第2のカメラモジュール110、120が床面となす角度を計算することができ、式2を用いて、各第1及び第2のカメラモジュール110、120のイメージモジュール112、122の角度を計算して適用することができる。
【0070】
図19は、本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供システムの構成図である。以下、図19を参照して、本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供システムの構成について説明する。
【0071】
図19に示すように、本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供システムは、第1のカメラモジュール110、第2のカメラモジュール115、第3のカメラモジュール120、第4のカメラモジュール125、補正処理部130及び映像保存部140を含んで構成されてもよく、また、前記補正処理部130は、歪み補正部131、位相差補正部132、重畳補正部133及び色補正部134を含んで構成されてもよい。
【0072】
第1のカメラモジュール110は、第1の領域を撮影した第1の領域映像を生成し、第2のカメラモジュール115は、前記第1の領域の右側に隣接する第2の領域を撮影した第2の領域映像を生成し、第3のカメラモジュール120は、前記第1の領域の下側に隣接する第3の領域を撮影した第3の領域映像を生成し、第4のカメラモジュール125は、前記第2の領域の下側及び前記第3の領域の右側に隣接する第4の領域を撮影した第4の領域映像を生成する。
【0073】
より具体的には、前記第1のカメラモジュール110は、撮影しようとする領域の左上(up left)に対応する領域を撮影して、左上の映像である第1の領域映像を生成することができ、前記第2のカメラモジュール115は、撮影しようとする領域の右上(up right)に対応する領域を撮影して、右上の映像である第2の領域映像を生成することができる。同様に、前記第3のカメラモジュール120は、撮影しようとする領域の左下(down left)に対応する領域を撮影して、左下の映像である第3の領域映像を生成することができ、前記第4のカメラモジュール125は、撮影しようとする領域の右下(down right)に対応する領域を撮影して、右下の映像である第4の領域映像を生成することができる。
【0074】
このように、前記第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール110、115、120、125で撮影された映像には、広角歪み及び遠近歪みがあり、4台のカメラを用いて撮影した映像を隣接するように重ね合わせる場合は、位相差、重畳領域、明暗差または色収差が発生する。
【0075】
したがって、補正処理部130は、このように映像の歪み、位相差、重畳領域、明暗差または色収差などを補正する。すなわち、前記補正処理部130は、前記第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール110、115、120、125で撮影された第1、第2、第3及び第4の領域映像をそれぞれ歪み補正及び位相差補正し、前記位相差補正した第1、第2、第3及び第4の領域映像を重畳補正及び色補正する。
【0076】
より具体的には、前記補正処理部130は、歪み補正部131、位相差補正部132、重畳補正部133及び色補正部134を含んで構成されてもよい。
【0077】
前記歪み補正部131は、第1、第2、第3及び第4の領域映像の歪みを補正し、位相差補正部132は、前記歪み補正した第1、第2、第3及び第4の領域映像をそれぞれ位相差補正する。また、重畳補正部133は、前記位相差補正した第1、第2、第3及び第4の領域映像を互いに隣接するように重ね合わせて補正し、前記色補正部134は、前記重ね合わせて補正した重畳映像を色補正することができる。
【0078】
より詳細には、前記歪み補正部131は、前記第1、第2、第3及び第4の領域映像のそれぞれの広角歪みを補正した後、遠近歪みを補正し、前記位相差補正部132は、前記第1、第2、第3及び第4の領域映像の水平基準点を抽出した後、座標回転移動を行い、前記第1、第2、第3及び第4の領域映像の位置を調整し、前記重畳補正部133は、前記第1、第2、第3及び第4の領域映像をそれぞれサイズ調整した後、座標移動して重なり合うように位置調整し、前記色補正部134は、前記重ね合わせて補正した重畳映像の明るさ及び色収差を調整することができる。
【0079】
映像保存部140は、このように補正処理部130によって補正されて合成された映像を保存することができる。
【0080】
したがって、本発明の実施形態によれば、画角が左右200°及び上下200°で死角がなく、広角歪み、遠近歪み、明暗差及び色収差のない広角映像を提供することができる。
【0081】
図20は、本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するためのフローチャートであり、図21図25は、本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するための第1、第2、第3及び第4の領域映像の補正過程を説明するための図である。
【0082】
以下、図20図25を参照して、本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供方法について説明する。
【0083】
まず、図20に示すように、左上(up left)のカメラに対応する第1のカメラモジュールは、第1の領域を撮影した第1の領域映像を生成して抽出し(S210)、右上(up right)のカメラに対応する第2のカメラモジュールは、第1の領域の右側に隣接する第2の領域を撮影した第2の領域映像を生成して抽出する(S211)。
【0084】
また、左下(down left)のカメラに対応する第3のカメラモジュールは、第3の領域を撮影した第3の領域映像を生成して抽出し(S212)、右下(down right)のカメラに対応する第4のカメラモジュールは、前記第2の領域の下側及び第3領域の右側に隣接する第2の領域を撮影した第2の領域映像を生成して抽出する(S213)。
【0085】
このように抽出された第1、第2、第3及び第4の領域映像には、遠近歪み及び広角歪みが含まれている。したがって、歪み補正部は、歪み定数(Distortion Constant)を参照して、前記第1、第2、第3及び第4の領域映像のそれぞれの広角歪み及び遠近歪みを補正する(S220、S221、S222、S223)。
【0086】
図21は、このように広角歪み及び遠近歪みが補正された第1、第2、第3及び第4の領域映像を示す。
【0087】
その後、前記位相差補正部は、位相差定数(Phase Difference Constant)を参照して、前記広角歪み及び遠近歪みが補正された前記第1、第2、第3及び第4の領域映像の水平基準点を抽出した後、図22に示すように、座標回転移動を行い、前記第1、第2、第3及び第4の領域映像の位置を調整する(S230)。
【0088】
その次、重畳補正部は、重畳定数(Overlap Constant)を参照して、前記保存された第1、第2、第3及び第4の領域映像のサイズを調整した後、座標移動して、図23に示すように、前記第1、第2、第3及び第4の領域映像の間で重なり合うように位置調整する(S240)。
【0089】
色補正部は、図24に示すように、重ね合わせて補正した重畳映像に対して、色定数(Color Constant)を参照して明るさ及び色収差を調整して、図25に示すように、第1、第2、第3及び第4の領域映像が重なり合って合成された映像を生成して保存し(S250、S255)、このように保存された合成映像を出力することができる(S260)。
【0090】
図26図28は、本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供方法を補正するための補正ブースを示す図である。
【0091】
図26は、本発明の他の一実施形態に係る広角歪み及び遠近歪みを補正するための補正ブース(Calibration Booth)を示し、図27は、本発明の他の一実施形態に係る重畳映像を補正するための補正ブース(Calibration Booth)を示す。
【0092】
また、図28は、本発明の他の一実施形態に係る領域映像の明るさ及び色収差を補正するための補正ブースを示す。
【0093】
したがって、本発明の他の実施形態によれば、死角がなく、広角歪み、遠近歪み、明暗差及び色収差のない広角映像を提供することができ、歪みのない広角映像を提供して映像をVR形式で出力することができ、映像を縮小または拡大しても歪みが発生しない。
【0094】
さらに、本発明の他の実施形態によれば、自動車、ドローン、モバイル、カメラ、船舶、ロケット、医療、防衛、家庭、レジャーなどのカメラが使用される産業全般に適用することにより、広画角の映像を提供することができる。
【0095】
図29は、本発明の他の一実施形態に係る第1、第2、第3及び第4のカメラの配置位置による第1、第2、第3及び第4のカメラの撮影配置角度を示す図である。
【0096】
以下、図29を参照して、本発明の他の一実施形態に係る第1、第2、第3及び第4のカメラの配置による第1、第2、第3及び第4のカメラの撮影角度について説明する。
【0097】
本発明の他の一実施形態によれば、図29の(a)に示すように、第1、第2、第3及び第4のカメラは、死角のない、左右200°及び上下200°の広画角を有する正面映像を提供することができる。
【0098】
また、図29の(b)に示すように、第1、第2、第3及び第4のカメラが地面に垂直な壁などの側面に配置される場合、当該側面(壁)を除くその他の領域の映像を撮影して提供することができる。
【0099】
図30は、本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供システムのカメラモジュールの構成図であり、図31は、本発明の他の一実施形態に係る広角映像提供システムのカメラモジュールの斜視図である。
【0100】
図30を参照すると、本発明の他の一実施形態に係る第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール110、115、120、125は、それぞれレンズモジュール111、イメージセンサモジュール112及び構造体113を含んで構成されてもよい。
【0101】
イメージセンサモジュール112は、前記レンズモジュール111を介して当該領域を撮影した領域映像を生成し、構造体113は、前記レンズモジュール111及び前記イメージセンサモジュール112を収納するように構成されてもよい。
【0102】
この場合、前記構造体113は、軽量化のためにアルミフレームで構成されてもよい。
【0103】
【数3】
【0104】
(ここで、αは各第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール間の角度であり、aは第1、第2、第3及び第4のカメラモジュールの水平画角である。)
【0105】
【数4】
【0106】
(ここで、βは各第1、第2、第3及び第4のカメラモジュールのイメージモジュールの角度であり、bは第1、第2、第3及び第4のカメラモジュールの垂直画角である。)
【0107】
本発明の一実施形態によれば、図31に示すように、第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール110、115、120、125の配置のために、式3を用いて、各第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール110、115、120、125間の角度を計算することができ、式4を用いて、各第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール110、115、120、125のイメージモジュール112の角度を計算して配置することができる。
【0108】
以下、図19を参照して、本発明のまた他の一実施形態に係る広角映像提供システムの構成について説明する。
【0109】
図19に示すように、本発明のまた他の一実施形態に係る広角映像提供システムは、第1のカメラモジュール110、第2のカメラモジュール115、第3のカメラモジュール120、第4のカメラモジュール125、補正処理部130及び映像保存部140を含んで構成されてもよく、また、前記補正処理部130は、歪み補正部131、位相差補正部132、重畳補正部133及び色補正部134を含んで構成されてもよい。
【0110】
第1のカメラモジュール110は、第1の領域を撮影した第1の領域映像を生成し、第2のカメラモジュール115は、前記第1の領域に右側に隣接する第2の領域を撮影した第2の領域映像を生成し、第3のカメラモジュール120は、前記第1の領域の反対側である第3の領域を撮影した第3の領域映像を生成し、第4のカメラモジュール125は、前記第2の領域の反対側であり、前記第3の領域の左側に隣接する第4の領域を撮影した第4の領域映像を生成する。
【0111】
より具体的には、前記第1のカメラモジュール110は、正面左側(front left)に対応する領域を撮影して、正面左側の映像である第1の領域映像を生成することができ、前記第2のカメラモジュール115は、正面右側(front up)に対応する領域を撮影して、正面右側の映像である第2の領域映像を生成することができる。同様に、前記第3のカメラモジュール120は、背面左側(back left)に対応する領域を撮影して、背面左側の映像である第3の領域映像を生成することができ、前記第4のカメラモジュール125は、背面右側(back right)に対応する領域を撮影して、背面右側の映像である第4の領域映像を生成することができる。
【0112】
このように、前記第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール110、115、120、125で撮影された映像には、広角歪み及び遠近歪みがあり、4台のカメラを用いて撮影した映像を隣接するように重ね合わせる場合は、位相差、重畳領域、明暗差または色収差が発生する。
【0113】
したがって、補正処理部130は、このように映像の歪み、位相差、重畳領域、明暗差または色収差などを補正する。すなわち、前記補正処理部130は、前記第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール110、115、120、125で撮影された第1、第2、第3及び第4の領域映像をそれぞれ歪み補正及び位相差補正し、前記位相差補正した第1、第2、第3及び第4の領域映像を重畳補正及び色補正する。
【0114】
より具体的には、前記補正処理部130は、歪み補正部131、位相差補正部132、重畳補正部133及び色補正部134を含んで構成されてもよい。
【0115】
前記歪み補正部131は、第1、第2、第3及び第4の領域映像の歪みを補正し、位相差補正部132は、前記歪み補正した第1、第2、第3及び第4の領域映像をそれぞれ位相差補正する。また、重畳補正部133は、前記位相差補正した第1、第2、第3及び第4の領域映像を互いに隣接するように重ね合わせて補正し、前記色補正部134は、前記重ね合わせて補正した重畳映像を色補正することができる。
【0116】
より詳細には、前記歪み補正部131は、前記第1、第2、第3及び第4の領域映像のそれぞれの広角歪みを補正した後、遠近歪みを補正し、前記位相差補正部132は、前記第1、第2、第3及び第4の領域映像の水平基準点を抽出した後、座標回転移動を行い、前記第1、第2、第3及び第4の領域映像の位置を調整し、前記重畳補正部133は、前記第1、第2、第3及び第4の領域映像をそれぞれサイズ調整した後、座標移動して重なり合うように位置調整し、前記色補正部134は、前記重ね合わせて補正した重畳映像の明るさ及び色収差を調整することができる。
【0117】
映像保存部140は、このように補正処理部130によって補正されて合成された映像を保存することができる。
【0118】
したがって、本発明の実施形態によれば、死角がなく、広角歪み、遠近歪み、明暗差及び色収差のない広角映像を提供することができる。
【0119】
図32図36は、本発明のまた他の一実施形態に係る広角映像提供方法を説明するための第1、第2、第3及び第4の領域映像の補正過程を説明するための図である。
【0120】
以下、図20及び図32図36を参照して、本発明のまた他の一実施形態に係る広角映像提供方法について説明する。
【0121】
まず、図20に示すように、正面左側(up left)のカメラに対応する第1のカメラモジュールは、第1の領域を撮影した第1の領域映像を生成して抽出し(S210)、正面右側(up right)のカメラに対応する第2のカメラモジュールは、第1の領域の右側に隣接する第2の領域を撮影した第2の領域映像を生成して抽出する(S211)。
【0122】
また、背面左側(back left)のカメラに対応する第3のカメラモジュールは、第3の領域を撮影した第3の領域映像を生成して抽出し(S212)、背面右側(back right)のカメラに対応する第4のカメラモジュールは、前記第2の領域の下側及び第3領域の右側に隣接する第2の領域を撮影した第2の領域映像を生成して抽出する(S213)。
【0123】
このように抽出された第1、第2、第3及び第4の領域映像には、遠近歪み及び広角歪みが含まれている。したがって、歪み補正部は、歪み定数(Distortion Constant)を参照して、前記第1、第2、第3及び第4の領域映像のそれぞれの広角歪み及び遠近歪みを補正する(S220、S221、S222、S223)。
【0124】
図32は、このように広角歪み及び遠近歪みが補正された第1及び第2の領域映像を示す。
【0125】
その後、前記位相差補正部は、位相差定数(Phase Difference Constant)を参照して、前記広角歪み及び遠近歪みが補正された前記第1、第2、第3及び第4の領域映像の水平基準点を抽出した後、図33に示すように、座標回転移動を行い、前記第1及び第2の領域映像の位置を調整し、同様に、第3及び第4の領域映像の位置をも調整する(S230)。
【0126】
その次、重畳補正部は、重畳定数(Overlap Constant)を参照して、前記保存された第1、第2、第3及び第4の領域映像のサイズを調整した後、座標を移動して、図34に示すように、重なり合うように位置調整する(S240)。
【0127】
色補正部は、図35に示すように、重ね合わせて補正した重畳映像に対して、色定数(Color Constant)を参照して明るさ及び色収差を調整して、図36に示すように、第1、第2、第3及び第4の領域映像が重なり合って合成された映像を生成して保存し(S250、S255)、このように保存された合成映像を出力することができる(S260)。
【0128】
図37図39は、本発明のまた他の一実施形態に係る広角映像提供方法を補正するための補正ブースを示す図である。
【0129】
図37は、本発明の一実施形態に係る広角歪み及び遠近歪みを補正するための補正ブース(Calibration Booth)を示し、図38は、本発明の一実施形態に係る重畳映像を補正するための補正ブース(Calibration Booth)を示す。
【0130】
また、図39は、本発明の一実施形態に係る領域映像の明るさ及び色収差を補正するための補正ブースを示す。
【0131】
したがって、本発明の実施形態によれば、死角がなく、広角歪み、遠近歪み、明暗差及び色収差のない広角映像を提供することができ、歪みのない広角映像を提供して映像をVR形式で出力することができ、映像を縮小または拡大しても歪みが発生しない。
【0132】
さらに、本発明の実施形態によれば、自動車、ドローン、モバイル、カメラ、船舶、ロケット、医療、防衛、家庭、レジャーなどのカメラが使用される産業全般に適用することにより、広画角の映像を提供することができる。
【0133】
図40は、本発明の一実施形態に係る第1、第2、第3及び第4のカメラの配置位置による第1、第2、第3及び第4のカメラの撮影配置角度を示す図である。
【0134】
以下、図40を参照して、本発明の一実施形態に係る第1、第2、第3及び第4のカメラの配置による第1、第2、第3及び第4のカメラの撮影角度について説明する。
【0135】
図40の(a)に示すように、第1、第2、第3及び第4のカメラが床と天井を除く領域において死角のない、左右360°及び上下90°~100°の広画角を有する正面映像を提供することができる。
【0136】
また、図40の(b)に示すように、第1、第2、第3及び第4のカメラが地面に垂直な壁などの側面に配置される場合、床と天井を除くその他の領域映像を撮影して提供することができる。
【0137】
図41は、本発明の一実施形態に係る広角映像提供システムのカメラモジュールの構成図であり、図42は、本発明の一実施形態に係る広角映像提供システムのカメラモジュールの斜視図である。
【0138】
また、図43は、本発明の一実施形態に係る広角映像提供システムのカメラモジュールの角度調整方法を説明するための図であり、図44は、本発明の一実施形態に係る広角映像提供システムのカメラモジュールの展開図である。
【0139】
図41及び図42を参照すると、本発明の一実施形態に係る第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール110、115、120、125は、それぞれのレンズモジュール111、イメージセンサモジュール112及び構造体113を含んで構成されてもよい。
【0140】
イメージセンサモジュール112は、前記レンズモジュール111を介して当該領域を撮影した領域映像を生成し、構造体113は、前記レンズモジュール111及び前記イメージセンサモジュール112を収納するように構成されてもよい。
【0141】
この場合、前記構造体113は、軽量化のためにアルミフレームで構成されてもよく、本発明の一実施形態に係る固定型広角映像提供システムは、第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール110、115、120、125が4面に配置されるように固定されており、360°を撮影する正方形の撮影システムとして構成されてもよい。
【0142】
また、図43及び図44に示すように、第1及び第2のリンク部151、152は、前記第1及び第2のカメラモジュール110、115の各一方の側にそれぞれ結合され、同様に、第3及び第4のリンク部153、154は、前記第3及び第4のカメラモジュール120、125の各一方の側にそれぞれ結合されており、円形板150は、固定板160、161の間に固定されてモータによって回転するように構成されてもよい。
【0143】
また、前記円形板150には、各前記第1、第2、第3及び第4のリンク部151、152が結合されて移動する曲線溝を含むように構成されてもよい。
【0144】
これにより、第1及び第2のカメラモジュール110、115は、各前記一方の側に対向する各他方の側が互いにヒンジ結合する構造を有し、前記第1及び第2のリンク部151、152は、前記円形板150の回転により前記曲線溝を移動し、同様に、第3及び第4のカメラモジュール120、125は、各前記一方の側に対向する各他方の側が互いにヒンジ結合する構造を有し、前記第3及び第4のリンク部153、154は、前記円形板150の回転により前記曲線溝を移動することができる。
【0145】
したがって、本発明の一実施形態によれば、前記円形板150の回転により前記第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール110、115、120、125によって形成される角度を調整することができる。
【0146】
このような第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール110、115、120、125間の角度を調整する際には、モータを制御して前記円形板150を回転させて、第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール110、115、120、125間の角度を調整し、ズームイン及びズームアウトにより最適の映像撮影範囲を得ることができる。
【0147】
一方、本発明によれば、第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール110、115、120、125の画角に応じて前記第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール110、115、120、125の角度を決定することができる。
【0148】
【数5】
【0149】
(ここで、αは各第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール間の角度であり、aは第1、第2、第3及び第4のカメラモジュールの水平画角である。)
【0150】
【数6】
【0151】
(ここで、βは各第1、第2、第3及び第4のカメラモジュールのイメージモジュールの角度であり、bは第1、第2、第3及び第4のカメラモジュールの垂直画角である。)
【0152】
本発明の一実施形態によれば、図43に示すように、第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール110、115、120、125の配置のために式1を用いて、各第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール110、115、120、125間の角度を計算することができ、式2を用いて、各第1、第2、第3及び第4のカメラモジュール110、115、120、125のイメージモジュール112の角度を計算して配置することができる。
【0153】
前述したような本発明の詳細な説明では具体的な実施形態に関して説明した。しかしながら、本発明の範疇を逸脱しない範囲内で様々な変形が可能である。本発明の技術的思想は本発明の前述した実施形態に限定されて定めてならず、特許請求の範囲のみではなく、この特許請求の範囲と均等なものにより定められなければならない。
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