(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】車両及びその温度制御装置
(51)【国際特許分類】
B60L 58/27 20190101AFI20230221BHJP
B60H 1/22 20060101ALI20230221BHJP
B60L 53/24 20190101ALI20230221BHJP
B60L 58/26 20190101ALI20230221BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230221BHJP
H02J 7/04 20060101ALI20230221BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20230221BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20230221BHJP
H02P 27/06 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
B60L58/27
B60H1/22 651C
B60L53/24
B60L58/26
H02J7/00 P
H02J7/04 L
H02J7/10 L
H02M7/48 E
H02P27/06
(21)【出願番号】P 2021536219
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(86)【国際出願番号】 CN2019126361
(87)【国際公開番号】W WO2020125684
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】201811574135.3
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100131406
【氏名又は名称】福山 正寿
(72)【発明者】
【氏名】黄▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】熊永
(72)【発明者】
【氏名】宋淦
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼▲貽▼利
(72)【発明者】
【氏名】宋▲鵬▼▲輝▼
【審査官】岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-034220(JP,A)
【文献】再公表特許第2012/014392(JP,A1)
【文献】特開2013-119259(JP,A)
【文献】特開2011-073536(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1953317(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 58/27
B60H 1/22
B60L 53/24
B60L 58/26
H02J 7/00
H02J 7/04
H02J 7/10
H02M 7/48
H02P 27/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ制御回路及び熱交換媒体循環回路を含み、
前記モータ制御回路は、スイッチモジュール、三相インバータ、三相交流モータ、制御モジュール及びエネルギー貯蔵モジュールを含み、前記モータ制御回路の前記スイッチモジュールが給電モジュールに接続され、前記三相交流モータの3相のコイルが前記三相インバータの3相のアームに接続され、前記三相交流モータの3相のコイルの共通接続点が前記スイッチモジュールに接続され、前記制御モジュールが前記給電モジュール、前記スイッチモジュール、前記三相インバータ及び前記三相交流モータに接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールが前記三相交流モータの3相のコイルの接続点に接続されると共にスイッチモジュールに接続され、
前記熱交換媒体循環回路は、電気駆動システム冷却回路及び冷却回路を含み、前記制御モジュールが前記熱交換媒体循環回路中の第1の弁に電気的に接続され、前記三相インバータ及び前記三相交流モータのうちの少なくとも1つと前記第1の弁が熱交換媒体配管により電気駆動システム冷却回路を構成し、前記第1の弁と加熱対象部品
としての動力電池が熱交換媒体配管により冷却回路を構成し、
前記三相インバータは、A相アーム、B相アーム及びC相アームを含み、第1組の2相のアームがA相アーム及びB相アームを含み、第2組の2相のアームがA相アーム及びC相アームを含み、第3組の2相のアームがB相アーム及びC相アームを含み、各相アームが2つの直列接続されたパワースイッチユニットを含み、前記三相交流モータの3相のコイルが各相アームの2つのパワースイッチユニットの接続点にそれぞれ接続され、
前記制御モジュールは、前記動力電池の加熱対象パワーに基づいて前記三相インバータのアームのオン数を取得し、前記動力電池の加熱対象パワーが第1の所定のパワーよりも小さいことを取得すると、前記三相インバータのアームのオン数が1であると判定し、前記3相のアームのいずれか1相のアームが動作するか又は前記3相のアームが順番に切り替えて動作するように制御し、前記動力電池の加熱対象パワーが第1の所定のパワー以上、第2の所定のパワーよりも小さいことを取得すると、前記三相インバータのアームのオン数が2であると判定し、3相のアームのうちのいずれか2相のアームが動作するか又は3相のアームのうちの3組の2相のアームが順に動作するように制御し、前記
動力電池を加熱する必要があることを取得すると、前記スイッチモジュールをオンにするように制御し、前記第1の弁を制御して前記電気駆動システム冷却回路と前記冷却回路を連通し、前記給電モジュールによる前記エネルギー貯蔵モジュール及び前記3相のコイルへの充電プロセスと前記エネルギー貯蔵モジュール及び前記3相のコイルの放電プロセスとを交互に行うように前記三相インバータを制御することにより、前記エネルギー貯蔵モジュール、前記三相インバータ及び前記三相交流モータが前記電気駆動システム冷却回路を通じて前記エネルギー貯蔵モジュール、前記三相インバータ及び前記三相交流モータのうちの少なくとも1つを流れる熱交換媒体を加熱することを特徴とする、車両の温度制御装置。
【請求項2】
前記第1の弁と前記動力電池は熱交換媒体配管により電池冷却回路を構成し、前記制御モジュールは、前記動力電池の温度が第1の所定の温度よりも低いか又は弁オン指令を受信したことを取得すると、前記第1の弁を制御して前記電気駆動システム冷却回路と前記電池冷却回路を連通することを特徴とする、請求項1に記載の温度制御装置。
【請求項3】
前記制御モジュールは、前記第1の弁を制御して前記電気駆動システム冷却回路と前記電池冷却回路を連通した後、前記動力電池の温度が第2の所定の温度に達することを取得すると、前記三相インバータ及び前記三相交流モータの加熱を停止するように制御し、前記第2の所定の温度が前記第1の所定の温度よりも大きいことを特徴とする、請求項2に記載の温度制御装置。
【請求項4】
前記制御モジュールは、前記動力電池の温度が第3の所定の温度に達することを取得すると、前記第1の弁を制御して前記電気駆動システム冷却回路と前記電池冷却回路との間の通路を遮断し、前記第3の所定の温度が前記第2の所定の温度よりも大きい、ことを特徴とする請求項3に記載の温度制御装置。
【請求項5】
前記熱交換媒体循環回路は、さらに第2の弁、第3の弁及び第1の放熱器を含み、前記第2の弁と前記第3の弁がいずれも前記制御モジュールに電気的に接続され、前記第2の弁と前記第3の弁が前記電気駆動システム冷却回路に位置し、前記第2の弁、前記第3の弁及び前記第1の放熱器が冷却放熱回路を構成し、
前記制御モジュールは、前記動力電池の温度が第4の所定の温度より高いことを取得すると、前記第1の弁、前記第2の弁及び前記第3の弁を制御して前記電気駆動システム冷却回路、前記電池冷却回路及び前記冷却放熱回路を連通することにより、前記第1の放熱器が前記冷却放熱回路を流れる熱交換媒体を冷却し、さらに該冷却された熱交換媒体が再び前記動力電池を流れる時、前記動力電池の温度を下げ、前記第4の所定の温度が前記第1の所定の温度よりも大きいことを特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載の温度制御装置。
【請求項6】
前記熱交換媒体循環回路は、さらに第4の弁及びエンジンを含み、前記第4の弁が前記制御モジュールに電気的に接続され、前記第4の弁が前記電池冷却回路に位置し、前記第4の弁と前記エンジンが熱交換媒体配管によりエンジン冷却回路を構成し、
前記制御モジュールは、前記エンジンの温度が第5の所定の温度よりも低いことを取得すると、前記第4の弁を制御して前記電池冷却回路と前記エンジン冷却回路を連通することにより、前記エンジンと前記動力電池が前記電池冷却回路と前記エンジン冷却回路を流れる熱交換媒体により熱交換を行うことを特徴とする、請求項2~5のいずれか一項に記載の温度制御装置。
【請求項7】
前記熱交換媒体循環回路は、さらに第5の弁及びヒートポンプエアコン機器部品を含み、前記第5の弁が前記制御モジュールに電気的に接続され、前記第5の弁が前記電池冷却回路に位置し、前記第5の弁と前記ヒートポンプエアコン機器部品が熱交換媒体配管によりエアコン加熱回路を構成し、
前記制御モジュールは、エアコン加熱指令を受信すると、前記第5の弁を制御して前記エアコン加熱回路と前記電池冷却回路を相互に連通することにより、前記ヒートポンプエアコン機器部品と前記動力電池が前記エアコン加熱回路と前記電池冷却回路を流れる熱交換媒体により熱交換を行い、
或いは、前記熱交換媒体循環回路は、さらに熱交換器及びエアコン機器部品を含み、前記熱交換器が前記電池冷却回路に位置し、前記熱交換器と前記エアコン機器部品が熱交換媒体配管によりエアコン冷却回路を構成し、
前記電池冷却回路における熱交換媒体と前記エアコン冷却回路における熱交換媒体は、前記熱交換器により熱交換を行い、さらに前記エアコン機器部品と前記動力電池が前記熱交換器により熱交換を行うことを特徴とする、請求項2~6のいずれか一項に記載の温度制御装置。
【請求項8】
前記スイッチモジュール、前記エネルギー貯蔵モジュール、前記三相交流モータ及び前記三相インバータは第1の充電回路を形成し、前記三相交流モータ、前記三相インバータ及び前記エネルギー貯蔵モジュールは第1の放電回路を形成し、
前記制御モジュールは、前記動力電池による前記エネルギー貯蔵モジュール及び前記3相のコイルへの充電プロセスと前記エネルギー貯蔵モジュール及び前記3相のコイルの放電プロセスとを交互に行うように、前記三相インバータを制御して前記第1の充電回路と前記第1の放電回路を交互にオンにすることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の温度制御装置。
【請求項9】
前記給電モジュールは動力電池であり、記スイッチモジュールは第1のスイッチモジュールであり、或いは、前記給電モジュールは外部電源モジュールであり、前記スイッチモジュールは第2のスイッチモジュールであることを特徴とする、請求項8に記載の温度制御装置。
【請求項10】
前記エネルギー貯蔵モジュールは、直列接続されたエネルギー貯蔵デバイス及び第1のスイッチデバイスを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールの第1の端が前記三相インバータの第1の端に接続され、或いは、前記エネルギー貯蔵モジュールの第1の端が前記三相インバータの第2の端に接続され、前記制御モジュールは前記第1のスイッチデバイスをオンにするように制御して前記エネルギー貯蔵モジュールが動作状態にあるように制御し、
或いは、前記エネルギー貯蔵モジュールは、エネルギー貯蔵デバイス、第1のスイッチデバイス及び第6のスイッチデバイスを含み、前記第6のスイッチデバイスの接続端が前記エネルギー貯蔵デバイスと前記第1のスイッチデバイスに直列接続され、前記第6のスイッチデバイスの第1のゲーティング端が前記三相インバータの第1の端に接続され、前記第6のスイッチデバイスの第2のゲーティング端が前記三相インバータの第2の端に接続され、前記制御モジュールは、前記第6のスイッチデバイスの接続端を前記第1のゲーティング端又は前記第2のゲーティング端に接続するように制御し、さらに前記第1のスイッチデバイスをオンにするように制御して前記エネルギー貯蔵モジュールが動作状態にあるように制御することを特徴とする、請求項9に記載の温度制御装置。
【請求項11】
前記制御モジュールからそれぞれ2相のアームに送信されたPWM制御信号の位相は180度異なることを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の温度制御装置。
【請求項12】
前記制御モジュールは、前記動力電池の加熱対象パワーが第2の所定のパワー以上であることを取得すると、前記三相インバータのアームのオン数が3であると判定し、前記3相のアームが同時に動作するように制御することを特徴とする、請求項
1に記載の温度制御装置。
【請求項13】
前記制御モジュールは、前記3相のアームに位相が同じであるPWM制御信号を送信し、
或いは、前記制御モジュールは、前記3相のアームに位相が異なるPWM制御信号を送信し、1相のアームのPWM制御信号の位相と他の2相のアームのPWM制御信号の位相がそれぞれ60度と-60度異なることを特徴とする、請求項12に記載の温度制御装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の温度制御装置をさらに含むことを特徴とする、車両。
【請求項15】
前記三相交流モータは、モータ軸、ステータアッセンブリ及びモータケースを含み、前記モータ軸に前記ステータアッセンブリが接続され、前記ステータアッセンブリが前記モータケース内に設置され、前記モータケースに熱交換媒体入口及び熱交換媒体出口が設置され、前記モータケースと前記ステータアッセンブリとの間に熱交換媒体通路が設置され、前記熱交換媒体通路が前記熱交換媒体入口と前記熱交換媒体出口を接続することを特徴とする、請求項14に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2018年12月21日に提出された中国特許出願第201811574135.3号に基づくものであり、かつその優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、車両の技術分野に関し、特に車両及びその温度制御装置に関する。
【背景技術】
【0003】
近年の新エネルギー自動車が急速に発展し、リチウムイオンに基づく動力電池が広く使用されるが、電池の固有特性により、動力電池の充放電能力が低温で大幅に低下するため、寒冷地での車両の使用に影響を与える。
【0004】
この問題を解決するために、従来技術における技術手段は、電池管理システムにより動力電池ユニットの温度を取得して送信し、該温度が所定の温度閾値よりも低い場合、車両コントローラがCAN通信によりエンジンコントローラがエンジンをある回転数で等速回転させるように制御することを指示し、エンジンが発電機を回転させるように駆動し、発電機により動力電池ユニットに急速充電及び放電を行い、電池パックを予熱するという目的を達成することであり、該技術手段においてエネルギー伝達経路に1つのエンジンが追加され、かつエンジンの熱効率が低いため、電池全体の加熱効率が低下する。
【0005】
従来技術における別の技術手段は、環境温度が低く、加熱対象部品を加熱する必要がある場合、PTCヒータを使用することであるため、コストを増加させ、かつPTCヒータが破損した後、二次コストを増加させる。
【0006】
以上より、従来技術には、低温状態で加熱対象部品を加熱する時にエンジンを用いて加熱すると、電池の加熱効率を低下させ、PTCヒータを用いて加熱すると、コストを増加させるという問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来技術における、低温状態で加熱対象部品を加熱する時にエンジンを用いて加熱すると、加熱対象部品の加熱効率を低下させ、PTCヒータを用いて加熱すると、コストを増加させるという問題を解決するために、車両及びその温度制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、以下のようにして実現される。本開示の第1の態様に係る温度制御装置は、
モータ制御回路及び熱交換媒体循環回路を含み、
前記モータ制御回路は、スイッチモジュール、三相インバータ、三相交流モータ、制御モジュール及びエネルギー貯蔵モジュールを含み、前記スイッチモジュールにより給電モジュールに接続され、前記三相交流モータの3相のコイルが前記三相インバータの3相のアームに接続され、前記三相交流モータの3相のコイルの共通接続点が前記スイッチモジュールに接続され、前記制御モジュールが前記給電モジュール、前記スイッチモジュール、前記三相インバータ及び前記三相交流モータに接続され、前記エネルギー貯蔵モジュールが前記三相交流モータの3相のコイルの接続点に接続されると共にスイッチモジュールに接続され、
前記熱交換媒体循環回路は、前記制御モジュールに電気的に接続された第1の弁を含み、前記三相インバータ及び前記三相交流モータのうちの少なくとも1つと前記第1の弁が熱交換媒体配管により電気駆動システム冷却回路を構成し、前記第1の弁と加熱対象部品としての動力電池が熱交換媒体配管により冷却回路を構成し、
前記三相インバータは、A相アーム、B相アーム及びC相アームを含み、第1組の2相のアームがA相アーム及びB相アームを含み、第2組の2相のアームがA相アーム及びC相アームを含み、第3組の2相のアームがB相アーム及びC相アームを含み、各相アームが2つの直列接続されたパワースイッチユニットを含み、前記三相交流モータの3相のコイルが各相アームの2つのパワースイッチユニットの接続点にそれぞれ接続され、
前記制御モジュールは、前記動力電池の加熱対象パワーに基づいて前記三相インバータのアームのオン数を取得し、前記動力電池の加熱対象パワーが第1の所定のパワーよりも小さいことを取得すると、前記三相インバータのアームのオン数が1であると判定し、前記3相のアームのいずれか1相のアームが動作するか又は前記3相のアームが順番に切り替えて動作するように制御し、前記動力電池の加熱対象パワーが第1の所定のパワー以上、第2の所定のパワーよりも小さいことを取得すると、前記三相インバータのアームのオン数が2であると判定し、3相のアームのうちのいずれか2相のアームが動作するか又は3相のアームのうちの3組の2相のアームが順に動作するように制御し、前記動力電池を加熱する必要があることを取得すると、前記スイッチモジュールをオンにするように制御し、前記第1の弁を制御して前記電気駆動システム冷却回路と前記冷却回路を連通し、前記給電モジュールによる前記エネルギー貯蔵モジュール及び前記3相のコイルへの充電プロセスと前記エネルギー貯蔵モジュール及び前記3相のコイルの放電プロセスとを交互に行うように前記三相インバータを制御することにより、前記エネルギー貯蔵モジュール、前記三相インバータ及び前記三相交流モータが前記電気駆動システム冷却回路を通じて前記エネルギー貯蔵モジュール、前記三相インバータ及び前記三相交流モータのうちの少なくとも1つを流れる熱交換媒体を加熱する。
【0009】
本開示の第2の態様に係る車両は、第1の態様に記載の温度制御装置をさらに含む。
【0010】
本開示に係る車両及びその温度制御装置では、温度制御装置は、スイッチモジュール、
三相インバータ、三相交流モータ、制御モジュール及びエネルギー貯蔵モジュールを含むモータ制御回路と、制御モジュールに電気的に接続された第1の弁を含む熱交換媒体循環回路とを含み、三相インバータ、三相交流モータ及びエネルギー貯蔵モジュールのうちの少なくとも1つと第1の弁が熱交換媒体配管により電気駆動システム冷却回路を構成し、第1の弁と加熱対象部品としての動力電池が熱交換媒体配管により冷却回路を構成する。本開示の技術手段は、車両管理システムへの変更が小さく、第1の弁を追加するだけで電気駆動システム冷却回路と冷却回路の直列接続を実現し、ヒータの代わりにモータからの熱を利用し、動力電池の加熱方式のコストを効果的に低減し、部品の利用効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0012】
【
図1】本開示の実施例1に係る車両の温度制御装置の構造概略図である。
【
図2】本開示の実施例1に係る車両の温度制御装置の別の構造概略図である。
【
図3】本開示の実施例1に係る車両の温度制御装置の別の構造概略図である。
【
図4】本開示の実施例1に係る車両の温度制御装置の構造図である。
【
図5】本開示の実施例2に係る車両の温度制御装置の構造概略図である。
【
図6】本開示の実施例2に係る車両の温度制御装置の構造図である。
【
図7】本開示の実施例3に係る車両の温度制御装置の構造概略図である。
【
図8】本開示の実施例3に係る車両の温度制御装置の構造図である。
【
図9】本開示の実施例4に係る車両の温度制御装置の構造概略図である。
【
図10】本開示の実施例4に係る車両の温度制御装置の構造図である。
【
図11】本開示の実施例5に係る車両の温度制御装置の構造概略図である。
【
図12】本開示の実施例5に係る車両の温度制御装置の別の構造概略図である。
【
図13】本開示の実施例5に係る車両の温度制御装置の別の構造概略図である。
【
図14】本開示の実施例5に係る車両の温度制御装置の別の構造概略図である。
【
図15】本開示の実施例5に係る車両の温度制御装置の別の構造概略図である。
【
図16】本開示の実施例5に係る車両の温度制御装置の別の構造概略図である。
【
図17】本開示の実施例5に係る車両の温度制御装置の回路図である。
【
図18】本開示の実施例5に係る車両の温度制御装置の電流経路図である。
【
図19】本開示の実施例5に係る車両の温度制御装置の別の電流経路図である。
【
図20】本開示の実施例5に係る車両の温度制御装置の別の電流経路図である。
【
図21】本開示の実施例5に係る車両の温度制御装置の別の回路図である。
【
図22】本開示の実施例5に係る車両の温度制御装置の別の回路図である。
【
図23】本開示の実施例6に係る車両の構造概略図である。
【
図24】本開示の実施例6に係る車両における三相交流モータの内部構造概略図である。
【
図25】本発明の実施例に係る車両の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の目的、技術手段及び利点をより明確にするために、以下、図面及び実施例を参照して、本開示をさらに詳細に説明する。なお、ここに記載する具体的な実施例は、本開示を解釈するものに過ぎず、本開示を限定するものではない。
【0014】
本開示の技術手段を説明するために、以下、具体的な実施例により説明する。
【0015】
本開示の実施例1は、車両200の温度制御装置100を提供し、
図1に示すように、温度制御装置100は、モータ制御回路及び熱交換媒体循環回路を含み、モータ制御回路は、三相インバータ102、三相交流モータ101、スイッチモジュール130及び制御モジュール106を含み、かつスイッチモジュール130により給電モジュール104に接続され、三相交流モータ101の3相のコイルが三相インバータ102の3相のアームに接続され、三相交流モータ101の3相のコイルの共通接続点がスイッチモジュール130に接続され、制御モジュール106がスイッチモジュール130、三相インバータ102、三相交流モータ101及び給電モジュール104に接続される。
【0016】
熱交換媒体循環回路は、電気駆動システム冷却回路、冷却回路、及び制御モジュール106に電気的に接続された第1の弁121を含み、三相インバータ102及び三相交流モータ101のうちの少なくとも1つと第1の弁121が熱交換媒体配管により電気駆動システム冷却回路を構成し、第1の弁121と加熱対象部品が熱交換媒体配管により冷却回路を構成する。
【0017】
制御モジュールは、加熱対象部品を加熱する必要があることを取得すると、スイッチモジュール130をオンにするように制御し、第1の弁121を制御して電気駆動システム冷却回路と冷却回路を連通し、給電モジュール104による3相のコイルへの充電プロセスと3相のコイルの放電プロセスとを交互に行うように三相インバータ102を制御することにより、三相インバータ102及び三相交流モータ101が電気駆動システム冷却回路を通じて三相インバータ102及び三相交流モータのうちの少なくとも1つを流れる熱交換媒体を加熱し、さらに該加熱された熱交換媒体が再び冷却回路を通じて加熱対象部材を流れる時、加熱対象部品の温度を上昇させる。
【0018】
図1において、太い実線は、熱交換媒体配管を示し、細実線は、制御信号線又は電力線を示し、電気駆動システム冷却回路及び冷却回路における熱交換媒体は、駆動モジュールの駆動で回路内に循環することができ、例えば、水ポンプを制御することにより冷却液を吐出し、電気駆動システム冷却回路及び冷却回路における冷却液を循環するように駆動し、第1の弁は、複数の通路を有する弁であり、例えば、制御信号に基づいて電気駆動システム冷却回路と冷却回路とを連通できる電動四方弁であり、給電モジュールは、充電スタンドなどの充電設備のような外部給電モジュールであってもよく、車載給電モジュールであってもよく、例えば、エンジン発電によるもの又は動力電池などであってもよく、三相インバータ102は、6つのパワースイッチユニットを含み、パワースイッチユニットは、トランジスタ、IGBT、MOSトランジスタなどのデバイスタイプであってよく、2つのパワースイッチユニット
毎に、1相のアームを構成し、合計3相のアームを形成し、各相アームの2つのパワースイッチユニットの接続点が三相交流モータ101の1相のコイルに接続される。
【0019】
図2に示すように、加熱対象部品は、動力電池104であってよく、第1の弁121と動力電池104は、熱交換媒体配管により電池冷却回路を構成し、制御モジュールにより取得された、加熱対象部品を加熱する必要がある場合とは、動力電池の温度が低いか又はコントローラにより車両200の起動前に動力電池を早期暖機することを指す。電気自動車が低温充電状態にある場合、制御モジュール106は、動力電池104の温度が低く、加熱する必要があることを判断すると、すなわち、動力電池104の温度が第1の所定の温度よりも低いことを取得すると、電気駆動システム冷却回路における冷却液の温度が動力電池104の温度よりも大きいか否かを判断し、冷却液の温度が動力電池104の温度よりも大きければ、冷却液を用いて動力電池104の温度を上昇させることができ、すなわち、三相交流モータ101の廃熱を用いた冷却液により動力電池104を加熱することができ、この時に第1の弁121をオンにするように制御し、電気駆動システム冷却回路と電池冷却回路を直列接続し、電気駆動システム冷却回路内で熱を受けて昇温した冷却液は第1の弁121を通じて電池冷却回路に入り、熱量を動力電池104に伝達して動力電池104を加熱するという目的を達成し、冷却液の温度が動力電池104の温度以下であれば、この時、三相インバータ102及び三相交流モータ101を制御して電池冷却回路における冷却液を加熱し、冷却液の温度を上昇させかつ電気駆動システム冷却回路と電池冷却回路を直列接続し、電気駆動システム冷却回路内で熱を受けて昇温した冷却液は第1の弁121を通じて電池冷却回路に入り、熱量を動力電池104に伝達して動力電池104を加熱するという目的を達成する。
【0020】
本開示の実施例は、車両の元の熱管理方式への変更が小さく、第1の弁121を追加するだけで電気駆動システム冷却回路と電池冷却回路の直列接続を実現し、電池ヒータの代わりにモータからの熱を利用し、該技術手段は、加熱対象部品の加熱方式のコストを効果的に低減し、部品の利用効率を向上させることができる。
【0021】
本開示のいくつかの実施例によれば、制御モジュール106は、第1の弁121をオンにするように制御して電気駆動システム冷却回路における冷却液を電池冷却回路に流入させた後、動力電池104の温度が第2の所定の温度に達することを取得すると、三相インバータ102及び三相交流モータ101の加熱を停止するように制御し、制御モジュール106は、第1の弁121を制御して電気駆動システム冷却回路と電池冷却回路を継続的に連通する。第2の所定の温度は、第1の所定の温度よりも大きい。
【0022】
制御モジュール106は、動力電池104の温度が一定の温度まで上昇することを判断すると、加熱を停止する命令を三相インバータ102に送信し、この時にモータの加熱が終了し、モータの加熱が終了した場合、第1の弁121の状態を維持したまま、電気駆動システム冷却回路における冷却液を電池冷却回路に導入し続け、動力電池を加熱し続ける。
【0023】
本開示のいくつかの実施例によれば、制御モジュール106は、動力電池104の温度が第3の所定の温度に達することを取得すると、第1の弁121をオフにするように制御する。第3の所定の温度は、第2の所定の温度よりも大きい。
【0024】
冷却液により動力電池104を加熱する過程において、制御モジュール106は、動力電池104の温度が冷却液の温度と一致することを判断すると、第1の弁121を元の状態に切り替えるように制御し、動力電池104への加熱を完了する。
【0025】
別の実施形態において、
図3に示すように、熱交換媒体循環回路は、さらに第2の弁122、第3の弁123及び第1の放熱器124をそれぞれ含み、第2の弁122及び第3の弁123がいずれも制御モジュール106に電気的に接続され、第2の弁122及び第3の弁123が電気駆動システム冷却回路に位置し、第2の弁122、第3の弁123及び第1の放熱器124が冷却放熱回路を構成し、制御モジュール106は、動力電池104の温度が第4の所定の温度より高いことを取得すると、第1の弁121、第2の弁122及び第3の弁123を制御して電気駆動システム冷却回路、電池冷却回路及び冷却放熱回路を連通することにより、第1の放熱器124が冷却放熱回路を流れる熱交換媒体を冷却し、さらに該冷却された熱交換媒体が再び動力電池を流れる時、動力電池の温度を下げる。第4の所定の温度は、第1の所定の温度よりも大きい。
【0026】
第2の弁122及び第3の弁123は三方弁であってよく、第1の放熱器は電動ファンであってよく、動力電池104の温度が高すぎる場合、第1の弁121をオンにするように制御して電池冷却回路における冷却液を電気駆動システム冷却回路に流入させ、第2の弁122及び第3の弁123がオンにする時、電池冷却回路にける熱交換媒体は電気駆動システム冷却回路を通じて冷却放熱回路に流入し、冷却放熱回路に設置された電動ファンにより熱交換媒体を放熱し、さらに電動ファンの放熱作用により動力電池104への放熱を実現する。
【0027】
本開示の実施例において、制御モジュールは、動力電池の温度が低いことを取得すると、動力電池の加熱需要に応じて異なる状態の三相電流を生成するように三相インバータを制御し、三相交流モータの発熱パワーを制御して動力電池の加熱速度を制御するという目的を達成する。三相交流モータは充電、駐車などの動作状況でモータ巻線発熱のモードで動作することができ、三相交流モータの発熱に必要なエネルギーは動力電池パック又は外部電源モジュール由来であってよく、該技術手段は、エネルギー源及び加熱パワーを柔軟に調整して、動力電池の異なる加熱効果を実現することができる。同時に、該技術手段は、三相インバータ、三相交流モータ、動力電池及び熱交換媒体の温度をリアルタイムに監視し、部品温度又は熱交換媒体の温度に基づいて加熱パワーをリアルタイムに調整し、三相交流モータの加熱機能の安全、高効率及び信頼性を保証することができる。
【0028】
以下、具体的な構造により本開示の実施例1を具体的に説明し、
図4は本開示の実施例1に係る温度制御装置100のシステム構成図であり、第1の弁121が電動四方弁4であり、三相インバータ102がモータコントローラ11であり、第3の弁123が電動三方弁2であり、第2の弁122が三方管3であり、第1の放熱器124が放熱器13であり、三相交流モータ101がモータ1であるため、電動四方弁4の第4のポート、水ポンプ10、モータコントローラ11、DC-DC及びOBC12、三相交流モータ101、電動三方弁2、三方管3及び電動四方弁4の第3のポートは順に接続されて電気駆動システム冷却回路を構成し、三方管3、モータ放熱器13及び電動三方弁2は冷却放熱回路を構成し、高圧システム冷却液ポット7は管路を通じてモータ放熱器13に連通し、電動四方弁4の第1のポート、電池熱管理水ポンプ9、動力電池104、三方管6、プレート式熱交換器5及び電動四方弁4の第2のポートは電池冷却回路を構成し、三方管6はさらに電池冷却液ポット24に接続される。プレート式熱交換器5、三方管21、電動圧縮機15、エアコン凝縮器16、三方管17、電磁弁18、熱力膨張弁19、エアコン蒸発器20、換気暖房モジュール23及び三方管21は乗員室エアコン回路を形成し、換気暖房モジュール23は送風機及びヒータを含み、三方管21、電動圧縮機15、エアコン凝縮器16、三方管17、電子膨張弁22、プレート式熱交換器5及び三方管21は、エアコン熱交換回路を形成する。本構造は、モータが能動的に発熱するように制御する電池加熱モード、モータ廃熱利用モード、低温での電池放熱モード及び乗員室の暖房モードを実現することができ、以下、上記いくつかのモードを具体的に説明する。
【0029】
モータが能動的に発熱するように制御する電池加熱モードについて、車両200が低温充電状態にある場合、制御モジュール106は電池の温度が低く、加熱する必要があることを判断すると、マネージャーは加熱要求及び命令を発し、モータは加熱を開始する。制御モジュール106は電池の温度、電気制御システムの水温、モータ各部品等の温度を電動四方弁4の動作条件として判断し、動力電池104に対する加熱条件を満たす場合、電動四方弁4は制御モジュール106から発された制御信号を受信して動作し、電動三方弁2は動作して電気駆動システム放熱器を短絡させ、モータにより生成された熱の散逸を回避する。同時に電動四方弁4の動作により電気駆動システム冷却回路と電池冷却回路を直列接続し、電気駆動システム冷却回路内で熱を受けて昇温した冷却液は弁本体を通じて電池冷却回路に入り、熱を電池に伝達して電池を加熱するという目的を達成する。制御モジュール106は、動力電池104の温度が一定の温度まで上昇することを判断すると、加熱を停止する命令をモータコントローラに送信し、この時にモータの加熱が終了する。モータの加熱が終了した場合、電動四方弁4の状態が変化せず、電気駆動システム冷却回路における冷却液を電池冷却回路に導入し続ける。制御モジュール106は、動力電池の最高温度が電気制御システムの水温と一致することを判断すると、電動四方弁4の動作命令を送信して、電動四方弁4を元の状態に切り替える。モータ加熱モードに入ると、加熱システム回路は、冷却液が動力電池104、電池熱管理水ポンプ9、電動四方弁4(第1のポート及び第4のポート)、水ポンプ10、モータコントローラ11、DC-DC及びOBC12、モータ1、電動三方弁2、三方管3、電動四方弁4(第3のポート及び第2のポート)、プレート式熱交換器5、三方管6を順次通過し、動力電池104に戻り、同時に電池冷却液ポット24から冷却液を注入して循環に参加することである。
【0030】
モータ廃熱利用モードについて、車両200が低温走行状態又は静止状態にある場合、制御モジュール106は、動力電池104の温度が低く、加熱する必要があることを判断すると、加熱要求及び命令を発し、電池の温度、電気制御システムの水温、モータ各部品等の温度を電動四方弁4の動作条件として判断し、電池に対する加熱条件を満たす場合、電動四方弁4はコントローラ信号を受信して動作し、電動四方弁4の動作により電気駆動システム冷却回路と電池冷却回路を直列接続し、モータ冷却流路内で熱を受けて昇温した冷却液は電動四方弁4を通じて電池冷却回路に入り、熱を電池に伝達して電池を加熱するという目的を達成する。モータ廃熱利用モードに入ると、加熱システム回路は、冷却液が動力電池104、電池熱管理水ポンプ9、電動四方弁4(第1のポート及び第4のポート)、水ポンプ10、モータコントローラ11、DC-DC及びOBC12、モータ1、電動三方弁2、三方管3、電動四方弁4(第3のポート及び第2のポート)、プレート式熱交換器5、三方管6を順次通過し、動力電池104に戻ることである。
【0031】
低温での電池放熱モードについて、車両200が低温環境で走行するか又は充電する場合、制御モジュール106は、電池の温度が高すぎて冷却要求が存在することを判断すると、命令を発し、エアコンコントローラは四方弁が動作するように制御し、放熱器が正常にオンにされ、電池冷却回路と電気駆動システム冷却回路を直列接続し、低温でモータの温度が低く、電池パック内の熱い冷却液を電気駆動システム冷却回路に導入し、冷却ファンの放熱作用を利用して電池パックへの放熱を実現する。低温での電池放熱モードに入ると、放熱回路は、冷却液が動力電池104、電池熱管理水ポンプ9、電動四方弁4(第1のポート及び第4のポート)、水ポンプ10、モータコントローラ11、DC-DC及びOBC12、モータ1、電動三方弁2、放熱器13、三方管3、電動四方弁4(第3のポート及び第2のポート)、プレート式熱交換器5、三方管6を順次通過し、動力電池104に戻り、同時に電池冷却液ポット24から冷却液を注入して循環に参加することである。
【0032】
乗員室の暖房モードについて、乗員室に暖房要求がある場合、換気暖房モジュール23により該モジュールを通過する空気を加熱して、暖房の目的を達成することができ、駆動及び充電の動作状態に適用する。
【0033】
本開示の実施例2は、車両200の温度制御装置100を提供し、
図5に示すように、その電気駆動システム冷却回路を構成する構造は実施例1と同じであり、熱交換媒体循環回路はさらに、それぞれ制御モジュール106に接続された第4の弁125とエンジン27を含み、第4の弁125が電池冷却回路に位置し、第4の弁125とエンジン27がエンジン27冷却回路を構成し、制御モジュール106は、エンジン27の温度が第5の所定の温度よりも低いことを取得すると、第4の弁125を制御して電池冷却回路とエンジン冷却回路を連通することにより、エンジン27と動力電池104が電池冷却回路とエンジン冷却回路を流れる熱交換媒体により熱交換を行う。
【0034】
低温条件下で、エンジンを起動する必要がある場合、電池冷却回路における冷却液でエンジンを予熱し、エンジンを再起動することができ、さらに充電状態で電池を加熱すると同時にエンジンを暖機することを実現することができる。
【0035】
以下、具体的な構造により本開示の実施例2を具体的に説明し、
図6は、
図5に係る温度制御装置100の具体的な構造図であり、第1の弁121が電動四方弁4であり、三相インバータ102がモータコントローラ11であり、第3の弁123が電動三方弁2であり、第2の弁122が四方管3であり、第1の放熱器124が放熱器13であり、第4の弁125が電動四方弁66であり、三相交流モータ101がモータ1であるため、電動四方弁4の第4のポート、水ポンプ10、モータコントローラ11、DC-DC及びOBC12、モータ1、電動三方弁2、四方管3及び電動四方弁4の第3のポートは順に接続されて電気駆動システム冷却回路を構成する。四方管3、放熱器13及び電動三方弁2は、冷却放熱回路を構成する。電動四方弁4の第1のポートと、電池熱管理水ポンプ9と、動力電池104と、電動四方弁66の第1のポート及び第2のポートと、プレート式熱交換器5と、電動四方弁4の第2のポートとは、電池冷却回路を構成する。電動四方弁66の第4のポートと、冷却液水ポンプ24と、エンジン放熱器25と、サーモスタット26と、エンジン27と、電動四方弁66の第3のポートとは、エンジン冷却回路を構成する。プレート式熱交換器5、三方管21、電動圧縮機15、エアコン凝縮器16、三方管17、電磁弁18、熱力膨張弁19、エアコン蒸発器20及び三方管21は、乗員室エアコン回路を形成し、三方管21、電動圧縮機15、エアコン凝縮器16、三方管17、電子膨張弁22、プレート式熱交換器5及び三方管21は、エアコン冷却回路を構成し、本構造は、モータが能動的に発熱するように制御する電池加熱モード、モータ廃熱利用モード、低温での電池放熱モード、乗員室の暖房モード及びエンジン予熱モードを実現することができる。
【0036】
モータが能動的に発熱するように制御する電池加熱モード、モータ廃熱利用モード、低温での電池放熱モード、乗員室の暖房モードは実施例1と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0037】
エンジン予熱モードについて、駆動過程において電気自動車がEVモードからHEVモードに切り替える前に、モータの電気制御システムの冷却液によりエンジンを加熱することができ、エンジンに暖機要求がある場合、電動四方弁66により電池パック回路の冷却液をエンジン回路に導入し、三方弁2によりモータ放熱器の短絡を実現し、モータ及び電気制御システムの熱損失を最大限に低減する。暖機回路は、モータ1→電動三方弁2→四方管3→電動四方弁4(第3のポート及び第2のポート)→プレート式熱交換器5→電動四方弁66(第1のポート及び第4のポート)→エンジン冷却液水ポンプ24→エンジン放熱器25→サーモスタット26→エンジン27→電動四方弁66(第3のポート及び第2のポート)→動力電池104→電池熱管理水ポンプ9→電動四方弁4(第1のポート及び第4のポート)→水ポンプ10→モータコントローラ11→DC-DC→OBC12→モータ1であり、エンジンの暖機要求が満たされる場合、電動四方弁は元の状態に切り替える。
【0038】
本開示の実施例3は、車両200の温度制御装置100を提供し、
図7に示すように、その電気駆動システム冷却回路を構成する構造は実施例1と同じであり、ここで説明を省略し、相違点は以下のとおりである。熱交換媒体循環回路は、さらに第5の弁127及びヒートポンプエアコン機器部品126を含み、第5の弁127及びヒートポンプエアコン機器部品126がいずれも制御モジュール106に接続され、第5の弁127が熱交換媒体配管により第1の弁121に接続され、第5の弁127とヒートポンプエアコン機器部品が熱交換媒体配管によりエアコン加熱回路を構成し、第5の弁127、動力電池104及び第1の弁121は電池冷却回路を構成する。
【0039】
制御モジュール106は、エアコン加熱指令を受信すると、第5の弁127を制御してエアコン加熱回路と電池冷却回路を相互に連通することにより、ヒートポンプエアコン機器部品126と動力電池104がエアコン加熱回路と電池冷却回路を流れる熱交換媒体により熱交換を行う。
【0040】
制御モジュール106は、エアコン加熱指令を受信すると、ヒートポンプエアコン機器部品126が動作するように制御してエアコン加熱回路により乗員室を加熱し、エアコン加熱指令における温度が所定の値よりも低い場合、第5の弁127を制御してエアコン加熱回路と電池冷却回路を連通することにより、ヒートポンプエアコン機器部品126と動力電池104がエアコン加熱回路と電池冷却回路を流れる熱交換媒体により熱交換を行う。
【0041】
エアコン機器部品126は、エアコン水ポンプ、PTCヒータ、エアコン放熱器等を含むことができ、乗員室を昇温するか又は降温することができ、第5の弁127は電動四方管であってよく、第5の弁127を設置することによりエアコン冷却回路と電池冷却回路を接続し、第5の弁127と第1の弁121との組み合わせにより電気駆動システム冷却回路、電池冷却回路及びエアコン冷却回路を接続し、さらに電気駆動システム冷却回路における冷却液をエアコン冷却回路に導入し、電気駆動システム冷却回路における冷却液により乗員室内の温度を制御することを実現することができる。
【0042】
以下、具体的な構造により本開示の実施例3を具体的に説明し、
図8は、本開示の実施例3に係る車両200の温度制御装置100の構造図であり、第1の弁121が電動四方弁60であり、三相インバータ102がモータコントローラ9であり、第3の弁123が電動三方弁2であり、第2の弁122が三方管3であり、第1の放熱器124がモータ放熱器4であり、第5の弁127が電動四方弁15であるため、電動四方弁60の第4のポート、三方管7、水ポンプ8、モータコントローラ9、DC-DC及びOBC10、モータ1、電動三方弁2、三方管5及び電動四方弁60の第3のポートは順に接続されて電気駆動システム冷却回路を構成し、三方管3、モータ放熱器4及び電動三方弁2は冷却放熱回路を構成し、電動四方弁60の第1のポート、電池熱管理水ポンプ14、三方管13、動力電池104、プレート式熱交換器16及び電動四方弁15の第2のポート、電動四方弁15の第1のポート及び電動四方弁60の第2のポートは電池冷却回路を構成する。三方管7は、三方管12により三方管13に接続され、冷却液ポット61は、それぞれ冷却システムと電池システムへの注入を実現する。三方管30、電動圧縮機22、放熱器アセンブリ24、三方管25、電動膨張弁31、プレート式熱交換器16及び三方管30はエアコン冷却回路を構成し、電動圧縮機22、放熱器アセンブリ24、三方管25、電磁弁26、熱力膨張弁27、エアコン放熱器28、三方管30は乗員室エアコン回路を構成し、電動四方弁15の第4のポート、サブタンク18、エアコン水ポンプ19、PTCヒータ20、エアコン放熱器21及び電動四方弁15の第3のポートは順に接続されてエアコン加熱回路を構成し、本構造は、モータが能動的に発熱するように制御する電池加熱モード、モータ廃熱利用モード、低温での電池放熱モード及び乗員室の暖房モードを実現することができる。
【0043】
モータが能動的に発熱する電池加熱モードについて、車両200が低温充電状態にある場合、制御モジュール106は電池の温度が低く、加熱する必要があることを判断すると、加熱要求及び命令を発し、モータは加熱を開始する。制御モジュール106は、電池の温度、電気制御システムの水温、モータ各部品等の温度を電動四方弁60の動作条件として判断し、動力電池104に対する加熱条件を満たす場合、電動四方弁60は制御モジュール106の信号を受信して動作し、電気駆動システム冷却回路と電池冷却回路を直列接続し、モータ冷却流路内で熱を受けて昇温した冷却液は弁本体を通じて電池冷却回路に入り、熱を動力電池104に伝達して動力電池104を加熱するという目的を達成する。制御モジュール106は、電池の温度が一定の温度まで上昇することを判断すると、加熱を停止する命令をモータコントローラに送信し、この時にモータの加熱が終了する。モータの加熱が終了した場合、弁本体の状態が変化せず、電気駆動システム冷却回路における冷却液を電池冷却回路に導入し続ける。マネージャーは、電池の最高温度が電気制御システムの水温と一致することを判断すると、弁本体の動作命令を送信し、エアコンコントローラは該命令を受信し、電動四方弁は元の状態に切り替えられる。モータ加熱モードに入ると、加熱システム回路は、モータ1→電動三方弁2→三方管5→電動四方弁60(第3のポート及び第2のポート)→電動四方弁15(第1のポート及び第2のポート)→プレート式熱交換器16→動力電池104→三方管13→電池熱管理水ポンプ14→電動四方弁60(第1のポート及び第4のポート)→三方管7→水ポンプ8→モータコントローラ9→DC-DC→OBC10→モータ1である。
【0044】
モータ廃熱利用モードについて、車両200が低温走行状態又はPポジションの静止状態にある場合、制御モジュール106は、電池の温度が低く、加熱する必要があることを判断すると、加熱要求及び命令を発し、動力電池104の温度、電気制御システムの水温、モータ各部品等の温度を電動四方弁の動作条件として判断し、電池に対する加熱条件を満たす場合、弁本体はコントローラ信号を受信して動作し、電動四方弁の動作により電気駆動システム冷却回路と電池冷却回路を直列接続し、モータの電気駆動システム冷却回路内で熱を受けて昇温した冷却液は弁本体を通じて電池冷却回路に入り、熱を電池に伝達して電池を加熱するという目的を達成する。モータ廃熱利用モードに入ると、加熱システム回路は、モータ1→電動三方弁2→三方管5→電動四方弁60(第3のポート及び第2のポート)→電動四方弁15(第1のポート及び第2のポート)→プレート式熱交換器16→動力電池104→三方管13→電池熱管理水ポンプ14→電動四方弁60(第1のポート及び第4のポート)→三方管7→水ポンプ8→モータコントローラ9→DC-DC→OBC10→モータ1である。
【0045】
低温での電池放熱モードについて、車両200が低温環境で走行するか又は充電する場合、電気駆動システム冷却回路は、動力電池104の温度が高すぎて冷却要求が存在することを判断すると、マネージャーは命令を発し、エアコンコントローラは四方弁が動作するように制御し、放熱器が正常にオンにされ、電池冷却回路と電気駆動システム冷却回路を直列接続し、低温でモータの温度が低く、電池パック内の熱い冷却液を電気駆動システム冷却回路に導入し、冷却ファンの放熱作用を利用して電池パックへの放熱を実現する。低温での電池放熱モードに入ると、放熱システム回路は、モータ1→電動三方弁2→モータ放熱器4→三方管5→電動四方弁60(第3のポート及び第2のポート)→電動四方弁15(第1のポート及び第2のポート)→プレート式熱交換器16→動力電池104→三方管13→電池熱管理水ポンプ14→電動四方弁60(第1のポート及び第4のポート)→三方管7→水ポンプ8→モータコントローラ9→DC-DC→OBC10→モータ1である。
【0046】
乗員室の暖房モードについて、本開示は、エアコンの風を利用して加熱し、エアコンの風を加熱して動作させることにより、暖房の目的を達成し、駆動及び充電の動作状態に適用される。さらに電気制御システムの水路内の廃熱を用いて乗員室を補助的に加熱しても良く、モータの発熱量が駆動及び充電の動作状態に効果的に利用される。乗員室の暖房モードに入ると、加熱システム回路は、モータ1→電動三方弁2→三方管5→電動四方弁60(第3のポート及び第2のポート)→電動四方弁15(第1のポート及び第4のポート)→エアコン水ポンプ19→PTCヒータ20→エアコン放熱器21→電動四方弁15(第3のポート及び第2のポート)→プレート式熱交換器16→動力電池104→三方管13→電池熱管理水ポンプ14→電動四方弁60(第1のポート及び第4のポート)→三方管7→水ポンプ8→モータコントローラ9→DC-DC→OBC10→モータ1である。乗員室の暖房は、自由に切り替えることができ、冷たい環境で、温風が需要をより速く満たすようにするために、小さな加熱回路、すなわち、サブタンク18→エアコン水ポンプ19→PCTヒータ20→エアコン放熱器21→電動四方弁15の第3のポート及び第4のポート(3&4)→エアコン水ポンプ19の回路に切り替えることができ、乗員室の熱量需要が減少する場合にこの熱量を電池冷却回路に導入して電池により多くの熱量を提供する。
【0047】
本開示の実施例4は、車両200の温度制御装置100を提供し、
図9に示すように、その電気駆動システム冷却回路を構成する構造は実施例1と同じであり、熱交換媒体循環回路は、さらに熱交換器129及びエアコン機器部品126を含み、エアコン機器部品126が制御モジュール106に接続され、熱交換器129が電池冷却回路に位置し、熱交換器129とエアコン機器部品126がエアコン冷却回路を構成し、電池冷却回路における熱交換媒体とエアコン冷却回路における熱交換媒体が熱交換器129により熱交換を行い、さらにエアコン機器部品126と動力電池104が熱交換器129により熱交換を行う。
【0048】
エアコン機器部品126は、電動圧縮機、油液分離器、車内凝縮器等を含み、乗員室を昇温するか又は降温することができ、熱交換器129は、プレート式熱交換器であってよく、プレート式熱交換器を設置することによりエアコン冷却回路と電池冷却回路を接続し、さらに電気駆動システム冷却回路における冷却液の熱量をエアコン冷却回路における熱量と交換し、電気駆動システム冷却回路における冷却液により乗員室内の温度を制御することを実現する。
【0049】
以下、具体的な構造により本開示の実施例を具体的に説明し、
図10は、本開示の実施例1に係る動力電池104の温度制御装置100のシステム構成図であり、第1の弁121は電動四方弁4であり、三相インバータ102はモータコントローラ11であり、第3の弁123は電動三方弁2であり、第2の弁122は三方管3であり、第1の放熱器124は車外放熱器13であり、熱交換器129はプレート式熱交換器5であり、電動四方弁4の第4のポート、水ポンプ10、モータコントローラ11、DC-DC及びOBC12、モータ1、電動三方弁2、三方管3及び電動四方弁4の第3のポートは、順に接続されて電気駆動システム冷却回路を構成する。三方管3、車外放熱器13及び電動三方弁2は、冷却放熱回路を構成し、車外放熱器13はさらに高圧システム冷却液ポット7に接続され、電動四方弁4の第1のポート、電池熱管理水ポンプ9、動力電池104、三方管6、プレート式熱交換器5及び電動四方弁4の第2のポートは、電池冷却回路を構成し、三方管6はさらに電池冷却液ポット14に接続される。プレート式熱交換器5、三方管15、三方管16、気液分離器17、三方弁18、圧縮機19、油液分離器20、三方管21、車内凝縮器23、三方管24、電動電磁三方弁25、車外熱交換器26、三方弁27、三方弁29及び電動膨張弁32は、エアコン冷却回路を構成する。三方管16、車内蒸発器31、電動膨張弁28及び三方管27は順に接続される。本構造は、モータが能動的に発熱するように制御する電池加熱モード、モータ廃熱利用モード、低温での電池放熱モード及び乗員室の暖房モードを実現することができ、以下に上記いくつかのモードを具体的に説明する。
【0050】
モータが能動的に発熱するように制御する電池加熱モード、モータ廃熱利用モードは実施例1と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0051】
低温での電池放熱モードと実施例1の相違点は以下のとおりである。さらにヒートポンプを利用して電池を加熱することができる。エアコン冷却回路は、プレート式熱交換器5→三方管15→三方管16→気液分離器17→三方弁18→圧縮機19→油液分離器20→三方管21→車内凝縮器23→三方管24→電動電磁三方弁25→車外熱交換器26→三方弁27→三方弁29→電動膨張弁32→プレート式熱交換器5である。
【0052】
乗員室の暖房について、ヒートポンプエアコンを利用して加熱し、駆動及び充電の動作状態に適用する。ヒートポンプの低温での加熱効果が低いので、モータによる能動的な発熱/走行廃熱補助ヒートポンプを追加して低温で乗員室への暖房を行い、モータの発熱量を効果的に利用し、駆動及び充電の動作状態に適用する。乗員室の暖房モードに入ると、加熱システム回路は、モータ1→電動三方弁2→三方管3→電動四方弁4の第3のポート及び第2のポート→プレート式熱交換器5→三方管6→動力電池104→電池熱管理水ポンプ9→電動四方弁4の第1のポート及び第4のポート→水ポンプ10→モータコントローラ11→DC-DC→OBC12→モータ1であり、ヒートポンプシステム予熱冷媒回路は、三方管15→三方管16→気液分離器17→三方弁18→圧縮機19→油液分離器20→三方管21→車内凝縮器23→三方管24→電動電磁三方弁25→車外熱交換器26→三方弁27→三方弁29→電磁弁30→三方管15であり、圧縮機19自体の加熱に用いられ、圧縮機19が起動した後にまず車内蒸発器31により放熱しないようにすることにより、低温環境下で圧縮機19の温度を正常使用範囲に迅速に加熱して、圧縮機19が低効率動作状況で長時間運転することを回避することができる。
【0053】
以下、具体的な回路構造を例として上記4つの実施例におけるモータが能動的に発熱するように制御して動力電池を加熱する場合の温度制御装置100の構造及び原理を詳細に説明する。
【0054】
本開示の実施例5は、温度制御装置100を提供し、
図11に示すように、実施例1を基に、モータ制御回路は、さらにエネルギー貯蔵モジュール105を含み、エネルギー貯蔵モジュール105が三相交流モータ101の3相のコイルの接続点に接続され、さらにスイッチモジュールに接続され、スイッチモジュールが第1のスイッチモジュール103であり、モータ制御回路が第1のスイッチモジュール103により給電モジュール104に接続され、三相インバータ102の第1の端が給電モジュール104の正極端に接続され、三相インバータ102の第2の端が給電モジュール104の負極端に接続され、三相交流モータ101の3相のコイルが三相インバータ102の3相のアームに接続され、エネルギー貯蔵モジュール105の第1の端が第1のスイッチモジュール103及び三相インバータ102に接続され、エネルギー貯蔵モジュール105の第2の端が三相交流モータ101の3相のコイルの共通接続点に接続され、制御モジュール106が第1のスイッチモジュール103、三相インバータ102、三相交流モータ101、加熱対象部品及びエネルギー貯蔵モジュール105に接続される。
【0055】
制御モジュール106は、加熱対象部品を加熱する必要があることを検出すると、第1のスイッチモジュール103をオンにするように制御し、エネルギー貯蔵モジュール105が動作状態にあるように制御し、給電モジュール104によるエネルギー貯蔵モジュール105及び三相交流モータ101の3相のコイルへの充電プロセスとエネルギー貯蔵モジュール105及び三相交流モータ101の3相のコイルの放電プロセスとが交互に行うように三相インバータ102を制御することにより、エネルギー貯蔵モジュール105、三相インバータ102及び三相交流モータ101がエネルギー貯蔵モジュール105、三相インバータ102及び三相交流モータ101のうちの少なくとも1つの熱交換媒体配管を流れる熱交換媒体を加熱し、さらに該加熱された熱交換媒体が加熱対象部品を流れる時、加熱対象部品の温度を上昇させる。
【0056】
給電モジュール104は、車両200の内部電源モジュールであってもよく、車両200の外部電源モジュールであってもよく、例えば、給電モジュール104が提供した電源は、直流充電スタンドが提供した直流電流であってよく、単相、三相交流充電スタンドが整流した後に出力した直流電流であってもよく、燃料電池が発電した電気エネルギーであってもよく、エンジンなどのレンジエクステンダが回転して発電機を発電するように駆動し、発電機コントローラにより整流された直流電流などの電源形式であってもよく、車両200の内部の動力電池が提供する電源であってもよい。三相インバータ102は、6つのパワースイッチユニットを含み、パワースイッチユニットが、トランジスタ、IGBT、MOSトランジスタなどのデバイスタイプであってよい。2つのパワースイッチユニットが、1相のアームを構成し、合計3相のアームを形成している。各相アームの2つのパワースイッチユニットの接続点が三相交流モータ101の1相のコイルに接続されている。三相交流モータ101が3相のコイルを含み、3相のコイルが一点に接続されている。三相交流モータ101が、永久磁石同期モータ又は非同期モータであってよく、かつ三相四線式であり、すなわち、3相のコイルの接続点からN線を引き出し、N線とエネルギー貯蔵モジュール105が直列接続されて接続回路を構成している。スイッチモジュール103は、給電モジュール104を回路にアクセスするか又は回路から遮断し、スイッチモジュール103を制御することにより給電モジュール104が放電する必要がある時に給電モジュール104を充電回路にアクセスすることができる。エネルギー貯蔵モジュール105は、給電モジュール104から出力された電気エネルギーを貯蔵する。制御モジュール106は、給電モジュール104の電圧、電流、加熱対象部品の温度及び三相交流モータ101の相電流を収集することができる。制御モジュール106は、車両コントローラ、モータコントローラの制御回路及びBMS電池マネージャー回路を含み、三者がCAN線により接続されている。制御モジュール106における異なるモジュールは、取得された情報に基づいて三相インバータ102におけるパワースイッチのオン及びオフを制御することにより異なる電流回路のオンを実現する。加熱対象部品は、エネルギー貯蔵モジュール105、三相インバータ102及び三相交流モータ101の近傍に位置することができ、例えば、加熱対象部品とエネルギー貯蔵モジュール105、三相インバータ102及び三相交流モータ101のうちの少なくとも1つは同じ室に位置し、熱交換媒体によりエネルギー貯蔵モジュール105、三相インバータ102及び三相交流モータ101のうちの少なくとも1つの熱量を加熱対象部品に伝達することができる。例えば、エネルギー貯蔵モジュール105、三相インバータ102及び三相交流モータ101に熱交換媒体配管が設置されている。該熱交換媒体配管内に熱交換媒体が流れ、熱交換媒体配管の熱交換媒体の温度を調整することにより、加熱対象部品の温度を調整することができる。
【0057】
本開示の実施例では、三相交流モータからN線を引き出し、さらに給電モジュール、エネルギー貯蔵モジュール及び三相インバータと異なる回路を構成している。三相交流モータの内部の3相のコイル、三相インバータ、エネルギー貯蔵モジュール及びその内部発熱部品により熱源を提供し、熱交換媒体を加熱した後に元の冷却回路を通過して加熱対象部品への加熱を実現し、エンジンを使用するか又は加熱装置を追加する必要がなく加熱対象部品の温度を上昇させ、かつ加熱効率が高くなり、加熱対象部品の温度が速く上昇することを実現することができる。
【0058】
具体的な実施例では、加熱対象部品と給電モジュールは、同じ部品であり、例えば、動力電池である。このように、電気回路を形成する過程において、動力電池は内部抵抗により自身の温度を上昇させるだけでなく、本開示におけるモータ制御回路により生成された熱量を動力電池に伝達することができる。即ち、本開示におけるモータ制御回路は、動力電池により三相交流モータに電力を供給して車輪を回転するように駆動してもよく、さらに加熱する必要がある動力電池に熱源を提供してもよい。
【0059】
第1の実施形態として、動力電池104、第1のスイッチモジュール103、エネルギー貯蔵モジュール105、三相交流モータ101及び三相インバータ102は、第1の充電回路を形成し、三相交流モータ101、三相インバータ102及びエネルギー貯蔵モジュール105は、第1の放電回路を形成する。制御モジュール106は、給電モジュール104によるエネルギー貯蔵モジュール105及び3相のコイルへの充電プロセスとエネルギー貯蔵モジュール105及び3相のコイルの放電プロセスとを交互に行うように、三相インバータ102を制御して第1の充電回路と第1の放電回路を交互にオンにする。
【0060】
第1の充電回路は、インダクタンスエネルギー貯蔵回路を構成する。制御モジュール106は、第1のスイッチモジュール103をオンにするように制御し、三相インバータ102におけるパワースイッチユニットを制御して第1の充電回路を一定の時間オンにし、その後に第1の放電回路をオンにするように制御する。エネルギー貯蔵モジュール105と三相交流モータ101がいずれも電流を出力することにより、放電回路が電流還流回路を形成する。制御モジュール106はPWM信号を出力して三相インバータ102を制御して第1の充電回路と第1の放電回路が交互にオンにすることを実現して、エネルギー貯蔵モジュール105、三相インバータ102及び三相交流モータ101を動作状態にすることができる。本実施形態では、三相インバータ102を制御して第1の充電回路と第1の放電回路を交互にオンにすることにより、エネルギー貯蔵モジュール、三相インバータ102及び三相交流モータ101が動力電池を流れる冷却液を加熱することを実現する。
【0061】
一実施形態として、
図12に示すように、給電モジュール104及び加熱対象部品はいずれも動力電池104である。電池の固有特性により、低温状態で動力電池104の充放電能力が大幅に低下して、新エネルギー自動車の寒冷地での使用に影響を与える。動力電池104を正常に動作させるために、動力電池104の温度が低すぎる時に動力電池104の温度を上昇させる必要がある。したがって、制御モジュール106により動力電池104の温度を取得すると、電池マネージャーを用いて動力電池104の温度を取得することができ、動力電池104の温度を所定の温度値と比較して動力電池104が低温状態にあるか否かを判断し、動力電池104の温度が所定の温度値よりも低いことを検出すると、動力電池104を流れる熱交換媒体の温度を上昇させることにより動力電池104の温度を上昇させることができる。また、エネルギー貯蔵モジュール105、三相インバータ102及び三相交流モータ101の動作過程において、いずれも熱が発生するため、エネルギー貯蔵モジュール105、三相インバータ102及び三相交流モータ101を制御して動力電池104を流れる熱交換媒体を加熱することができる。熱交換媒体を加熱する方式は、動力電池104でエネルギー貯蔵モジュール105と3相のコイルを充電し、エネルギー貯蔵モジュール105と3相のコイルが電気エネルギーを貯蔵した後に放電することであってよく、エネルギー貯蔵モジュール105と3相のコイルの充放電過程において熱が発生し、冷却液を加熱することができる。
【0062】
エネルギー貯蔵モジュール105は、エネルギー貯蔵デバイス111及び第1のスイッチデバイス110を含み、第1のスイッチデバイス110が三相交流モータ101、制御モジュール106及びエネルギー貯蔵デバイス111に接続され、エネルギー貯蔵デバイス111が三相インバータ102及び第1のスイッチモジュール103に接続され、動力電池104、第1のスイッチモジュール103、エネルギー貯蔵デバイス111、第1のスイッチデバイス110、三相交流モータ101及び三相インバータ102が第1の充電回路を形成し、エネルギー貯蔵デバイス111、第1のスイッチデバイス110、三相交流モータ101及び三相インバータ102が第1の放電回路を形成し、制御モジュール106が、第1のスイッチデバイス110をオンにするように制御し、三相インバータ102を制御することにより第1の充電回路と第1の放電回路を交互にオンにする。
【0063】
エネルギー貯蔵デバイス111は、インダクタであってよく、第1のスイッチデバイス110を設置することにより、制御モジュール106がエネルギー貯蔵デバイス111を第1の充電回路又は第1の放電回路にアクセスし、第1の充電回路又は第1の放電回路から遮断するように制御することを実現し、エネルギー貯蔵デバイス111の動作状態への制御を実現することができる。
【0064】
本開示のいくつかの実施例によれば、
図13に示すように、エネルギー貯蔵モジュール105は、さらに第6のスイッチデバイス112を含み、第6のスイッチデバイス112の制御端が制御モジュール106に接続され、第6のスイッチデバイス112の接続端がエネルギー貯蔵デバイス111に接続され、第6のスイッチデバイス112の第1のゲーティング端が三相インバータ102の第1の端と第1のスイッチモジュール103の第1の端に接続され、第6のスイッチデバイス112の第2のゲーティング端が三相インバータ102の第2の端と第1のスイッチモジュール103の第2の端に接続され、制御モジュール106は、第6のスイッチデバイス112の接続端が第1のゲーティング端と第2のゲーティング端に交互にゲーティング接続されるように制御し、さらに第1のスイッチデバイス110をオンにするように制御してエネルギー貯蔵モジュールが動作状態にあるように制御する。
【0065】
第6のスイッチデバイス112は単極双投スイッチであり、第6のスイッチデバイス112の接続端が制御モジュール106から出力された信号に基づいて第1のゲーティング端又は第2のゲーティング端に接続することができる。単極双投スイッチが第1のゲーティング端に接続される場合、エネルギー貯蔵モジュール105は三相インバータ102の第1の端と第1のスイッチモジュール103の第1の端に接続され、この時、三相インバータ102における電流は下アームにおけるパワースイッチ及び上アームにおける還流ダイオードに流れ、三相インバータ102の各オンにしたパワースイッチユニットにおいて半分のパワーデバイスのみを電流が流れ、他の半分には電流が流れることはない。単極双投スイッチが第2のゲーティング端に接続される場合、エネルギー貯蔵モジュール105は三相インバータ102の第2の端と第1のスイッチモジュール103の第2の端に接続され、この時、三相インバータ102における電流は上アームにおけるパワースイッチ及び下アームにおけるダイオードに流れ、三相インバータ102の各オンにしたパワースイッチユニットにおいて半分のパワーデバイスのみに電流が流れ、他の半分には電流は流れない。本実施形態では、第6のスイッチデバイスを設置することにより、第6のスイッチデバイスの上下接点の周期的な接合を制御する場合、前半周期で第1のゲーティング端に接続され、後半周期で第2のゲーティング端に接続されることにより、三相インバータ102の上下アームにおけるパワーデバイスが順番に通電されて加熱することができ、さらに三相インバータ102が1つの入れ替え周期内に均一に発熱する傾向がある。本開示におけるモータ制御回路は、動力電池により三相交流モータに電力を供給して車輪を回転するように駆動し、さらに加熱する必要がある動力電池に熱源を提供すると同時に、三相インバータ102の耐用年数に対する影響を減少させるという2つの機能を実現することができる。
【0066】
第2の実施形態として、
図14に示すように、動力電池104の加熱装置はさらに外部電源モジュール107及び第2のスイッチモジュール108を含み、外部電源モジュール107が制御モジュール106及び第2のスイッチモジュール108に接続され、第2のスイッチモジュール108がエネルギー貯蔵モジュール105、三相インバータ102及び制御モジュール106に接続されている。制御モジュール106は、動力電池104の温度が所定の温度値よりも低いことを取得し、外部電源モジュール107に接続されることを取得すると、第1のスイッチモジュール103のオフ及び第2のスイッチモジュール108のオンを制御し、外部電源モジュール107によるエネルギー貯蔵モジュール105及び3相のコイルへの充電プロセスとエネルギー貯蔵モジュール105及び3相のコイルの放電プロセスとが交互に行われるように三相インバータ102を制御することにより、エネルギー貯蔵モジュール105、三相インバータ102及び三相交流モータ101が動力電池104を流れる冷却液を加熱する。
【0067】
制御モジュール106は、動力電池104の温度が所定の温度値よりも低いことを取得すると、外部電源モジュール107に接続されるか否かを取得し、外部電源モジュール107に接続される場合、外部電源モジュール107によりエネルギー貯蔵モジュール105と3相のコイルを充電し、エネルギー貯蔵モジュール105と3相のコイルが電気エネルギーを貯蔵した後に放電する。エネルギー貯蔵モジュール105と3相のコイルの充放電過程において熱が発生し、冷却液を加熱することができる。また、本開示の実施例では、三相交流モータから中性線を引き出し、当該中性線が外部電源モジュールに接続されることを取得すると、該中性線が外部電源モジュール、エネルギー貯蔵モジュール及び三相インバータ102と異なる回路を構成する。三相交流モータの内部の3相のコイル、三相インバータ102、エネルギー貯蔵モジュール及びその内部発熱部品により熱源を提供し、冷却液を加熱した後に元の冷却回路を通過して動力電池への加熱を実現し、エンジンを使用するか又は加熱装置を追加する必要がなく動力電池の温度を上昇させ、かつ加熱効率が高くなり、動力電池の温度が速く上昇することを実現することができる。
【0068】
本開示のいくつかの実施例によれば、外部電源モジュール107、第2のスイッチモジュール108、エネルギー貯蔵モジュール105、三相交流モータ101及び三相インバータ102は、第2の充電回路を形成し、三相交流モータ101、三相インバータ102及びエネルギー貯蔵モジュール105は、第2の放電回路を形成する。制御モジュール106は、動力電池104によるエネルギー貯蔵モジュール105及び3相のコイルへの充電プロセスとエネルギー貯蔵モジュール105及び3相のコイルの放電プロセスとを交互に行うように、三相インバータ102を制御して第2の充電回路と第2の放電回路を交互にオンにする。
【0069】
第2の充電回路は、インダクタンスエネルギー貯蔵回路を構成し、制御モジュール106は、第2のスイッチモジュール108をオンにするように制御し、三相インバータ102におけるパワースイッチユニットを制御して第2の充電回路を一定の時間オンにし、その後に第2の放電回路をオンにするように制御する。エネルギー貯蔵モジュールと三相交流モータ101がいずれも電流を出力することにより、放電回路が電流還流回路を形成する。制御モジュール106はPWM信号を出力して三相インバータ102を制御して第2の充電回路と第2の放電回路が交互にオンにすることを実現して、エネルギー貯蔵モジュール105、三相インバータ102及び三相交流モータ101を動作状態にすることができる。本実施形態では、三相インバータ102を制御することにより第2の充電回路と第2の放電回路を交互にオンにして、エネルギー貯蔵モジュール105、三相インバータ102及び三相交流モータ101が動力電池104を流れる冷却液を加熱することを実現する。
【0070】
本開示のいくつかの実施例によれば、
図15に示すように、エネルギー貯蔵モジュール105は、エネルギー貯蔵デバイス111及び第1のスイッチデバイス110を含み、第1のスイッチデバイス110が三相交流モータ101、制御モジュール106及びエネルギー貯蔵デバイス111に接続されている。エネルギー貯蔵デバイス111が三相インバータ102、第1のスイッチモジュール103及び第2のスイッチモジュール108に接続され、外部電源モジュール107、第2のスイッチモジュール108、エネルギー貯蔵デバイス111、第1のスイッチデバイス110、三相交流モータ101及び三相インバータ102が第2の充電回路を形成している。三相交流モータ101、三相インバータ102、エネルギー貯蔵デバイス111及び第1のスイッチデバイス110が第2の放電回路を形成している。制御モジュール106が、第1のスイッチデバイス110をオンにするように制御し、三相インバータ102を制御することにより第2の充電回路と第2の放電回路を交互にオンにする。
【0071】
本開示のいくつかの実施例によれば、
図16に示すように、エネルギー貯蔵モジュール105は、さらに第6のスイッチデバイス112を含み、第6のスイッチデバイス112の制御端が制御モジュール106に接続され、第6のスイッチデバイス112の接続端がエネルギー貯蔵デバイス111に接続され、第6のスイッチデバイス112の第1のゲーティング端が三相インバータ102の第1の端、第1のスイッチモジュール103の第1の端及び第2のスイッチモジュール108の第1の端に接続され、第6のスイッチデバイス112の第2のゲーティング端が三相インバータ102の第2の端、第1のスイッチモジュール103の第2の端及び第2のスイッチモジュール108の第2の端に接続されている。制御モジュール106は第6のスイッチデバイス112の接続端が第1のゲーティング端又は第2のゲーティング端に接続されるように制御する。
【0072】
本実施形態では、第6のスイッチデバイスを設置することにより、外部電源が回路に接続され、かつ第6のスイッチデバイスの上下接点の周期的な接合を制御する場合、前半周期で第1のゲーティング端に接続され、後半周期で第2のゲーティング端に接続されることにより、三相インバータ102の上下アームにおけるパワーデバイスが順番に通電されて加熱することができ、さらに三相インバータ102が1つの入れ替え周期内に均一に発熱する傾向がある。
【0073】
三相インバータ102について、一実施形態として、三相インバータ102は3相のアームを含み、各相アームが2つの直列接続されたパワースイッチユニットを含み、三相交流モータ101の3相のコイルが各相アームの2つのパワースイッチユニットの接続点にそれぞれ接続される。制御モジュール106は、動力電池104又は外部電源モジュール107による三相交流モータ101の3相のコイル及びエネルギー貯蔵モジュール105への充電プロセスと三相交流モータ101及びエネルギー貯蔵モジュール105の3相のコイルの放電プロセスとが交互に行われるように、三相インバータ102のうちの少なくとも1つの相アーム上の2つのパワースイッチユニットを交互にオンにするように制御する。
【0074】
三相インバータ102において、第1のパワースイッチユニットと第4のパワースイッチユニットは、A相アームを構成し、第3のパワースイッチユニットと第6のパワースイッチユニットは、B相アームを構成し、第5のパワースイッチユニットの入力端と第2のパワースイッチユニットは、C相アームを構成している。三相インバータ102に対する制御方式は、以下のいずれか1種又は複数種の組み合わせであってよい。例えば、A、B、C三相のいずれか1つのアームのみを制御するか又はいずれか2つのアームを制御し、3つのアームを共同で制御し、合計7種類の制御方式により、異なる加熱効果を実現でき、柔軟で簡単である。アームの切り替えは、加熱のローパワー、ミドルパワー及びハイパワーの選択を実現できる。例えば、ローパワー加熱に対して、いずれか1つの相アームのパワースイッチを選択して制御し、3相のアームを順番に切り替えることができる。例えば、まず、A相アームが単独で動作して、第1のパワースイッチユニットと第4のパワースイッチユニットを制御して加熱を一定時間実行する。その後にB相アームが単独で動作して、第3のパワースイッチユニットと第6のパワースイッチユニットを制御して加熱を同じ時間実行する。そして、C相アームが単独で動作して、第5のパワースイッチユニットと第2のパワースイッチユニットを制御して加熱を同じ時間実行する。その後、再びA相アームの動作に切り替え、このように循環して三相インバータ102と3相のコイルが順番に通電されて発熱し、三相がより均一に発熱することを実現している。例えば、ミドルパワー加熱に対して、いずれか2相のアームのパワースイッチを選択して制御し、3相のアームを順番に切り替えることができる。例えば、まず、A、B相アームが動作して、第1のパワースイッチユニット、第4のパワースイッチユニット、第3のパワースイッチユニット及び第6のパワースイッチユニットを制御して加熱を一定時間実行する。その後にB、C相アームが動作して、第3のパワースイッチユニット、第6のパワースイッチユニット、第5のパワースイッチユニット及び第2のパワースイッチユニットを制御して加熱を同じ時間実行する。そして、C、A相アームが動作して、第5のパワースイッチユニット、第2のパワースイッチユニット、第1のパワースイッチユニット及び第4のパワースイッチユニットを制御して加熱を同じ時間実行する。その後、再びA、B相アームの動作に切り替え、このように循環して三相インバータ102と3相のコイルが均一に発熱することを実現している。例えば、ハイパワー加熱に対して、3相のアームのパワースイッチを選択して制御してもよい。三相回路が理論的に均一となるため、三相電流が均一となり、三相インバータ102と3相のコイルが均一に発熱することを実現し、三相電流は基本的に直流電流であり、それらの平均値が基本的に一致している。そして、三相巻線が対称的であり、このときにモータ内部の三相合成起磁力が基本的にゼロであるため、ステータ磁場が基本的にゼロであり、モータは基本的にトルクを発生せず、駆動システムの応力の大幅低減に有利となる。
【0075】
本開示の別の実施例は、車両200の温度制御装置100の加熱方法を提供し、温度制御装置100は、順に接続された動力電池、第1のスイッチモジュール、三相インバータ、三相交流モータを含み、さらにエネルギー貯蔵モジュールを含み、前記エネルギー貯蔵モジュールが前記第1のスイッチモジュール、前記三相インバータ及び前記三相交流モータの3相のコイルの共通接続点にそれぞれ接続され、
温度制御装置の加熱方法は、
前記動力電池の温度が所定の温度値よりも低いことを取得すると、前記第1のスイッチモジュールをオンにするように制御することと、
前記動力電池による前記エネルギー貯蔵モジュール及び前記3相のコイルへの充電プロセスと前記エネルギー貯蔵モジュール及び前記3相のコイルの放電プロセスとを交互に行うように前記三相インバータを制御することにより、前記エネルギー貯蔵モジュール、前記三相インバータ及び前記三相交流モータが前記動力電池を流れる冷却液を加熱することと、を含む。
【0076】
本開示のいくつかの実施例によれば、前記温度制御装置は、外部電源モジュール及び第2のスイッチモジュールをさらに含み、
前記温度制御装置の加熱方法は、
前記動力電池の温度が所定の温度値よりも低く、かつ前記外部電源モジュールに接続されることを取得すると、前記第1のスイッチモジュールのオフ及び前記第2のスイッチモジュールのオンを制御することと、
前記外部電源モジュールによる前記エネルギー貯蔵モジュール及び前記3相のコイルへの充電プロセスと前記エネルギー貯蔵モジュール及び前記3相のコイルの放電プロセスとを交互に行うように前記三相インバータを制御することにより、前記エネルギー貯蔵モジュール、前記三相インバータ及び前記三相交流モータが前記動力電池を流れる冷却液を加熱することと、をさらに含む。
【0077】
以下、具体的な回路構造により本開示の技術手段を具体的に説明する。
【0078】
図17は、本開示の温度制御装置100の一例の回路図であり、温度制御装置100の説明の便宜上、上図は他の電気機器を無視し、動力電池104、三相インバータ102及び三相交流モータ101のみを考慮している。第1のスイッチモジュール103はスイッチK2及びスイッチK3を含み、第2のスイッチモジュール108はスイッチK4及びスイッチK5を含み、エネルギー貯蔵モジュール105はインダクタL及びスイッチK1を含む。動力電池104とバスコンデンサCは並列接続されている。三相インバータ102における第1のパワースイッチユニットは第1の上アームVT1及び第1の上アームダイオードVD1を含み、第2のパワースイッチユニットは第2の下アームVT2及び第2の下アームダイオードVD2を含み、第3のパワースイッチユニットは第3の上アームVT3及び第3の上アームダイオードVD3を含み、第4のパワースイッチユニットは第4の下アームVT4及び第4の下アームダイオードVD4を含み、第5のパワースイッチユニットは第5の上アームVT5及び第5の上アームダイオードVD5を含み、第6のパワースイッチユニットは第6の下アームVT6及び第6の下アームダイオードVD6を含んでいる。三相交流モータ101は三相四線式であり、永久磁石同期モータ又は非同期モータであってよく、3相のコイルの接続中点から中性線を引き出し、中性線がスイッチK1に接続され、モータの3相のコイルが三相インバータ102におけるA、B、Cの上下アームの間にそれぞれ接続されている。制御モジュール106の制御ステップは、具体的には、以下のステップ1~ステップ10を含む。
【0079】
ステップ1では、車両が通電する時に車両コントローラは、三相交流モータの状態信号(例えば、ポジション情報及び車速信号により決定できる)と、電池マネージャーから送信された動力電池の温度信号を受信する。
【0080】
ステップ2では、車両コントローラは現在の三相交流モータの状態信号が非駆動状態にあることを検出する(例えば、ポジションがPポジションであるか否か及び車速がゼロであるか否かにより決定できる)。
【0081】
ステップ3では、そうでなければ、モータ加熱プログラムを終了する。
【0082】
ステップ4では、そうであれば、動力電池104の温度が所定の閾値よりも低いか否かを判断する。
【0083】
ステップ5では、そうでなければ、モータ加熱プログラムを終了する。
【0084】
ステップ6では、そうであれば、車両コントローラは電池マネージャー及びモータコントローラに電池加熱指令及び加熱パワーを送信する。
【0085】
ステップ7では、
図18に示すように、電池マネージャーは、スイッチK1、K2、K3をオンにするように制御して、加熱するために動力電池104を放電させ、まず、モータコントローラは、三相インバータ102にPWM制御信号を送信し、各PWM制御信号の周期におけるオン期間内に、三相インバータ102の上アームパワースイッチをオフにするように制御し、下アームパワースイッチがオンにするように制御し、動力電池104、インダクタL、スイッチK1、三相交流モータ101、下アームパワースイッチ(第2の下アームVT2、第4の下アームVT4、第6の下アームVT6)、スイッチK3が第1の充電回路を構成し、動力電池104によりモータの3相のコイル及びインダクタLにエネルギーを貯蔵する。
【0086】
ステップ8では、
図19に示すように、モータコントローラは、PWM周期におけるオフ期間に三相インバータ102の下アームパワースイッチをオフにするように制御し、上アームパワースイッチが常にオフにすることができ(この時にオンにすることもできる)、この時に動力電池104の放電通路が遮断され、モータ3相のコイル、上アームパワースイッチ(第1の上アームダイオードVD1、第3の上アームダイオードVD3、第5の上アームダイオードVD5)、インダクタL、スイッチK1が放電回路を構成し、モータ3相のコイル及びインダクタLが、放電し、上アーム還流ダイオードとインダクタンス電流還流回路を形成する。
【0087】
ステップ9では、モータコントローラは、電池電圧、電流データを受信し、出力パワーを計算し、出力パワーを電池加熱パワーとし、計算された加熱パワーを電池マネージャーから送信された加熱指令パワーと比較し、計算された加熱パワーが低いと、PWMデューティ比を増加させ、電池の出力電流を増加させ、計算された加熱パワーが高いと、加熱パワーが加熱指令パワー付近に達するまで、PWMデューティ比を減少させ、電池の出力電流を減少させる。
【0088】
ステップ10では、車両コントローラは、ポジション、車速、動力電池104の温度を周期的に取得し、条件が満たされた場合に上記ステップを繰り返し、条件が満たされない場合に加熱プログラムを終了し、モータコントローラは、三相インバータ102の上下アームを全て遮断するように制御し、電池マネージャーは、スイッチK1をオフにするように制御し、充電を必要としなければK4及びK5もオフにするように制御することができる。
【0089】
回路が外部電源モジュール107に接続される場合、制御モジュール106は、充電のために外部電源モジュール107を制御し、制御モジュール106の制御ステップは、具体的には、以下のステップ1~ステップ10を含む。
【0090】
ステップ1では、車両が通電する時に車両コントローラは、三相交流モータの状態信号(例えば、ポジション情報及び車速信号により決定できる)と、電池マネージャーから送信された動力電池の温度信号を受信する。
【0091】
ステップ2では、車両コントローラは現在の三相交流モータの状態信号が非駆動状態にあることを検出する(例えば、ポジションがPポジションであるか否か及び車速がゼロであるか否かにより決定できる)。
【0092】
ステップ3では、そうでなければ、モータ加熱プログラムを終了する。
【0093】
ステップ4では、そうであれば、動力電池の温度が所定の閾値よりも低いか否かを判断する。
【0094】
ステップ5では、そうでなければ、モータ加熱プログラムを終了する。
【0095】
ステップ6では、そうであれば、車両コントローラは電池マネージャー及びモータコントローラに電池加熱指令及び加熱パワーを送信する。
【0096】
ステップ7では、
図20に示すように、電池マネージャーは、スイッチK1、K4、K5をオンにするように制御して、加熱するために動力電池104を放電させ、モータコントローラは、三相インバータ102にPWM制御信号を送信し、各PWM制御信号の周期におけるオン期間内に、三相インバータ102の上アームパワースイッチをオフにするように制御し、下アームパワースイッチがオンにするように制御し、外部電源モジュール107、インダクタL、スイッチK1、三相交流モータ101、下アームパワースイッチ(第2の下アームVT2、第4の下アームVT4、第6の下アームVT6)が第2の充電回路を構成し、外部電源モジュール107によりモータの3相のコイル及びインダクタLにエネルギーを貯蔵する。
【0097】
ステップ8では、
図19に示すように、モータコントローラは、PWM周期におけるオフ期間に三相インバータ102の下アームパワースイッチをオフにするように制御し、上アームパワースイッチが常にオフにすることができ(この時にオンにすることもできる)、この時に動力電池104の放電通路が遮断され、モータ3相のコイル、上アームパワースイッチ(第1の上アームダイオードVD1、第3の上アームダイオードVD3、第5の上アームダイオードVD5)、インダクタL、スイッチK1が放電回路を構成し、モータ3相のコイル及びインダクタLが、放電し、上アーム還流ダイオードとインダクタンス電流還流回路を形成する。
【0098】
ステップ9では、モータコントローラは、電池電圧、電流データを受信し、出力パワーを計算し、出力パワーを電池加熱パワーとし、計算された加熱パワーを電池マネージャーから送信された加熱指令パワーと比較し、計算された加熱パワーが低いと、PWMデューティ比を増加させ、電池の出力電流を増加させ、計算された加熱パワーが高いと、加熱パワーが加熱指令パワー付近に達するまで、PWMデューティ比を減少させ、電池の出力電流を減少させる。
【0099】
ステップ10では、車両コントローラは、三相交流モータの状態信号(例えば、ポジション情報及び車速信号により決定できる)、動力電池の温度を周期的に取得し、条件が満たされた場合に上記ステップを繰り返し、条件が満たされない場合に加熱プログラムを終了し、モータコントローラは、三相インバータ102の上下アームを全て遮断するように制御し、電池マネージャーは、スイッチK1をオフにするように制御し、充電を必要としなければK4及びK5もオフにするように制御することができる。
【0100】
図21は、本開示の温度制御装置100の別の例の回路図であり、インダクタL1の一端が三相インバータ102の負極に接続されると、以上のような全ての加熱機能を実現することができ、この回路トポロジーの制御について、以下の2点に注意すべきであり、第1に、動力電池で放電して加熱するか、それとも外部電源モジュールで給電して加熱するかに応じて、スイッチK1、K2、K3、K4、K5の制御と、以上の回路におけるインダクタLが動力電池の正極に接続される制御とは同じであり、第2に、相違点は、三相インバータ102のパワースイッチの制御と、以上の回路におけるインダクタLが動力電池の正極に接続される制御とがちょうど逆であり、インダクタLが動力電池の正極に接続される場合、PWMは下アームパワースイッチをオンにするように制御し、上アームパワースイッチが常にオフにすることができ、インダクタLが動力電池の負極に接続される場合、PWMは上アームパワースイッチをオンにするように制御し、下アームパワースイッチが常にオフにすることができ、すなわち、モータコントローラは、PWM周期におけるオン期間に三相インバータ102の上アームパワースイッチをオンにするように制御し、下アームパワースイッチをオフにするように制御し、モータコントローラは、PWM周期におけるオフ期間に三相インバータ102の上アームパワースイッチをオフにするように制御し、下アームパワースイッチが常にオフにすることができる(この時にオンにすることもできる)。それ以外に、A、B、C三相のいずれか1つのアーム、いずれか2つのアーム、及び3つのアームの合計7種類の加熱制御方式の選択のような他の機能と、位相60°又は180°ずれ、二、三相同期制御、又は二、三相独立制御のような電流制御方式とは、接続回路がバスの正極に接続される場合と同じであり、このように、同様の効果を有する電池加熱機能を実現することもできる。
【0101】
図22は、本開示の温度制御装置100の別の例の回路図であり、インダクタL1の一端は、単極双投スイッチK6により三相インバータ102の正極又は負極に接続されてもよく、以上に説明した全ての加熱機能を実現してもよい。単極双投スイッチが接点1に接続される時、インダクタL1の一端が三相インバータ102の正極に接続され、この時に全ての加熱制御方式は、いずれも以上の接続回路がバスの正極に接続される前記方式に従って制御するものであり、単極双投スイッチが接点2に接続される時、インダクタL1の一端が三相インバータ102の負極に接続され、この時に全ての加熱制御方式は、いずれも以上の接続回路がバスの負極に接続される前記方式に従って制御するものである。接続回路がバスの正極に接続される時、三相インバータ102に対して、電流は下アームパワースイッチ及び上アームダイオードのみに流れ、三相インバータ102において半分のパワーデバイスのみが電流を流れ、他の半分が電流を流れず、接続回路がバスの負極に接続される時、三相インバータ102に対して、電流は上アームパワースイッチ及び下アームダイオードのみに流れ、三相インバータ102において半分のパワーデバイスのみが電流を流れ、他の半分が電流を流れない。単極双投スイッチの上下接点の周期的な接合制御により、前半周期に接点1に接続され、後半周期に接点2に接続されると、三相インバータ102のパワーデバイスが順番に通電されて加熱することができ、インバータが1つの入れ替え周期内に均一に発熱する傾向がある。
【0102】
本開示の実施例6は、上記実施例に係る温度制御装置100をさらに含む車両200を提供する。
【0103】
図23に示すように、制御モジュールは、車両コントローラ301、電池マネージャー302、第1のモータコントローラ305及び第2のモータコントローラ303を含む。車両コントローラ301と、電池マネージャー302、第1のモータコントローラ305および第2のモータコントローラ303と、の間がCANバスにより接続され、直流充電スタンドが接続線307により第1の三相交流モータ306に電気的に接続され、直流充電スタンドが接続線310により第2の三相交流モータ304に電気的に接続され、動力電池が第1のモータコントローラ305と第2のモータコントローラ303にそれぞれ電気的に接続されている。冷却液タンク308、水ポンプ309、第1の三相交流モータ306、第1のモータコントローラ305、第2の三相交流モータ304、第2のモータコントローラ、動力電池が冷却液管路を形成している。電池マネージャー302が電圧、電流、温度等を含む動力電池の情報を収集し、モータコントローラが三相インバータの上下アームパワースイッチを制御して三相電流を収集し、車両コントローラが車両の運転及び車上の他のコントローラを管理する。電池マネージャー302、モータコントローラは、CAN線により車両コントローラ301と通信する。車両コントローラ301は、動力電池を加熱する必要があることを検出すると、水ポンプ309を制御して冷却液を冷却液タンク308から吸い上げ、第1の三相交流モータ306、第1のモータコントローラ305、第2の三相交流モータ304、第2のモータコントローラ303を順次通過し、動力電池104を流れる。車両コントローラ301は、第1の三相交流モータ306、第1のモータコントローラ305、第2の三相交流モータ304、第2のモータコントローラ303を動作するように制御することにより冷却液を加熱し、さらに冷却液が動力電池を流れる時、動力電池の温度を上昇させる。
【0104】
本開示のいくつかの実施例によれば、
図24に示すように、三相交流モータ101は、モータ軸125a、ステータアッセンブリ127a及びモータケース123aを含み、モータ軸125aにステータアッセンブリ127a及び軸受座124aが接続され、ステータアッセンブリ127aがモータケース123a内に設置され、モータケース123aに熱交換媒体122aが流入流出する熱交換媒体入口121aと熱交換媒体出口126aが設置され、モータケース123aとステータアッセンブリ127aとの間に熱交換媒体通路が設置され、熱交換媒体通路が熱交換媒体入口121aと熱交換媒体出口126aを接続する。
【0105】
モータケース123aとステータアッセンブリ127aとの間に熱交換媒体通路が設置される方式は、モータケース123a内に、螺旋状に巻回されたステータアッセンブリ127aの熱交換媒体通路が設置される方式であってよい。
【0106】
本態様に係る三相交流モータ101において、モータケース123aとステータアッセンブリ127aとの間に熱交換媒体通路が設置され、かつ熱交換媒体通路が熱交換媒体入口121aと前記熱交換媒体出口126aを接続することにより、熱交換媒体通路内の熱交換媒体はモータから発生する熱量を効果的に吸収することができ、この態様はモータ軸125a又はステータアッセンブリ127aの内部に通路を開設する必要がなく、モータ自体の構造への影響が小さく、実現方式が簡単で、コストが低い。
【0107】
給電モジュールによる3相のコイルへの充電プロセスと3相のコイルの放電プロセスとを交互に行うように三相インバータを制御することにより、三相インバータ及び三相交流モータが電気駆動システム冷却回路を通じて三相インバータ及び三相交流モータのうちの少なくとも1つを流れる熱交換媒体を加熱し、熱交換媒体を三相交流モータの熱交換媒体入口から流入させ、ステータアッセンブリにより熱交換媒体配管内の熱交換媒体を加熱し、さらに該加熱された熱交換媒体がさらに電池冷却回路を通じて加熱対象部品を流れる時、加熱対象部品の温度を上昇させる。
【0108】
本開示は、車両200を提供し、三相交流モータから中性線を引き出し、さらに動力電池、昇圧モジュール及び三相インバータと異なる回路を構成し、三相交流モータの内部の3相のコイル、三相インバータ、昇圧モジュール及びその内部発熱部品により熱源を提供し、冷却液を加熱した後に元の冷却回路を通過して動力電池への加熱を実現し、エンジンを使用するか又は加熱装置を追加する必要がなく動力電池の温度を上昇させ、かつ加熱効率が高くなり、動力電池の温度が速く上昇することを実現することができる。
【0109】
以上の実施例は、本開示の技術手段を説明するためのものに過ぎず、限定するものではなく、前述の実施例を参照して本開示を詳細に説明したが、当業者が理解すべきこととして、依然として、前述の各実施例において記載される技術手段を修正するか、又はその技術的特徴の一部に同等置換を行うことができ、これらの修正や置換によって、対応する技術手段の本質は、本開示の各実施例に係る技術手段の精神及び範囲から逸脱することはなく、いずれも本開示の保護範囲に含まれるべきである。