(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】センサホルダおよびそれを備えた空気調和機
(51)【国際特許分類】
F24F 11/49 20180101AFI20230221BHJP
F24F 11/89 20180101ALI20230221BHJP
F25B 49/02 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
F24F11/49
F24F11/89
F25B49/02 510B
(21)【出願番号】P 2018235579
(22)【出願日】2018-12-17
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】西田 光▲徳▼
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-112641(JP,A)
【文献】特開2006-349302(JP,A)
【文献】特開2018-048010(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0044179(KR,A)
【文献】特開平05-079655(JP,A)
【文献】特開昭61-083835(JP,A)
【文献】実開平07-008020(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0173064(US,A1)
【文献】実開平06-010814(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00-13/32
F25B 49/02
G01K 7/16
G02D 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座部と、
前記台座部上での空気の流れの経路に設けられ、前記台座部から突出した温度センサ支持部を有し、前記温度センサ支持部により温度センサを前記台座部の上面よりも高い位置にて支持する温度センサ保持部と、
前記台座部上での空気の流れの経路に設けられ、前記台座部から突出した温湿度センサ支持部を有し、前記温湿度センサ支持部により温湿度センサを前記台座部の上面よりも高い位置にて支持する温湿度センサ保持部と
、を備え
、
前記温度センサ保持部による前記温度センサの保持位置と、前記温湿度センサ保持部による前記温湿度センサの保持位置とは、前記台座部の上面と垂直な方向において互いに重なり合う位置であることを特徴とするセンサホルダ。
【請求項2】
台座部と、
前記台座部上での空気の流れの経路に設けられ、前記台座部から突出した温度センサ支持部を有し、前記温度センサ支持部により温度センサを前記台座部の上面よりも高い位置にて支持する温度センサ保持部と、
前記台座部上での空気の流れの経路に設けられ、前記台座部から突出した温湿度センサ支持部を有し、前記温湿度センサ支持部により温湿度センサを前記台座部の上面よりも高い位置にて支持する温湿度センサ保持部と
、
前記台座部の上面に対して開閉可能に設けられた蓋部と、を備え、
前記台座部は、前記台座部を貫通し、センサホルダの内部と外部との通気を行う台座部通気口を有し、
前記温度センサ保持部による前記温度センサの保持位置、および前記温湿度センサ保持部による前記温湿度センサの保持位置は、いずれも前記台座部通気口に対向してセンサ本体部が存在する位置であり、
前記蓋部は、前記台座部通気口と対向する位置に蓋部通気口を有していることを特徴とするセンサホルダ。
【請求項3】
台座部と、
前記台座部上での空気の流れの経路に設けられ、前記台座部から突出した温度センサ支持部を有し、前記温度センサ支持部により温度センサを前記台座部の上面よりも高い位置にて支持する温度センサ保持部と、
前記台座部上での空気の流れの経路に設けられ、前記台座部から突出した温湿度センサ支持部を有し、前記温湿度センサ支持部により温湿度センサを前記台座部の上面よりも高い位置にて支持する温湿度センサ保持部と
、
前記台座部の上面に対して開閉可能に設けられた蓋部と、を備え、
前記台座部は、前記台座部を貫通し、センサホルダの内部と外部との通気を行う台座部通気口を有し、
前記温度センサ保持部による前記温度センサの保持位置、および前記温湿度センサ保持部による前記温湿度センサの保持位置は、いずれも前記台座部通気口に対向してセンサ本体部が存在する位置であり、
前記蓋部は、前記温度センサおよび前記温湿度センサの前記センサ本体部とは対向しない位置に蓋部通気口を有していることを特徴とするセンサホルダ。
【請求項4】
前記温度センサ保持部は、前記温度センサの側部を両側から挟み込むように対向する両側支持部を有することを特徴とする請求項1
から3のいずれか1項に記載のセンサホルダ。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか1項に記載のセンサホルダを備え、前記センサホルダに温度センサまたは温湿度センサが取り付けられている空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度センサや温湿度センサを保持するセンサホルダおよびそれを備えた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エアーコンディショナ(以下、単にエアコンと称する)や空気清浄機等の空気調和機は、内部に温度センサまたは温湿度センサを備えている。空気調和機は、製品のグレードや用途に応じて、温度センサまたは温湿度センサのいずれか一方を備えおり、これらセンサは、空気調和機の内部に設けられたセンサホルダ(センサ固定装置)に取り付けられている。
【0003】
例えば特許文献1には、空気調和機において、温度センサを温度センサ専用のセンサホルダに取り付けた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1が開示するセンサホルダは、温度センサ専用のセンサホルダであるため、温度センサとは異なる形状の温湿度センサを取り付けることができない。このため、空気調和機は、温湿度センサを必要とする場合には、温度センサ用のセンサホルダとは別の温湿度センサ用のセンサホルダを備える必要がある。
【0006】
また、センサホルダが温度センサを保持する温度センサ保持部、および温湿度センサを保持する温湿度センサ保持部を有する構成であったとしても、それらセンサ保持部には、空気が流れやすい環境であるなど、良好な検出環境にて温度センサまたは温湿度センサを保持することが求められる。
【0007】
本発明の一態様は、温度センサ保持部および温湿度センサ保持部を有し、それらセンサ保持部が良好な検出環境にてセンサを保持することができるセンサホルダおよびそれを備えた空気調和機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るセンサホルダは、台座部と、前記台座部上での空気の流れの経路に設けられ、前記台座部から突出した温度センサ支持部を有し、前記温度センサ支持部により温度センサを前記台座部の上面よりも高い位置にて支持する温度センサ保持部と、前記台座部上での空気の流れの経路に設けられ、前記台座部から突出した温湿度センサ支持部を有し、前記温湿度センサ保持部により温湿度センサを前記台座部の上面よりも高い位置にて支持する温湿度センサ保持部と、を備え、前記温度センサ保持部による前記温度センサの保持位置と、前記温湿度センサ保持部による前記温湿度センサの保持位置とは、前記台座部の上面と垂直な方向において互いに重なり合う位置である。
本発明の一態様に係るセンサホルダは、台座部と、前記台座部上での空気の流れの経路に設けられ、前記台座部から突出した温度センサ支持部を有し、前記温度センサ支持部により温度センサを前記台座部の上面よりも高い位置にて支持する温度センサ保持部と、前記台座部上での空気の流れの経路に設けられ、前記台座部から突出した温湿度センサ支持部を有し、前記温湿度センサ支持部により温湿度センサを前記台座部の上面よりも高い位置にて支持する温湿度センサ保持部と、前記台座部の上面に対して開閉可能に設けられた蓋部と、を備え、前記台座部は、前記台座部を貫通し、センサホルダの内部と外部との通気を行う台座部通気口を有し、前記温度センサ保持部による前記温度センサの保持位置、および前記温湿度センサ保持部による前記温湿度センサの保持位置は、いずれも前記台座部通気口に対向してセンサ本体部が存在する位置であり、前記蓋部は、前記台座部通気口と対向する位置に蓋部通気口を有している。
本発明の一態様に係るセンサホルダは、台座部と、前記台座部上での空気の流れの経路に設けられ、前記台座部から突出した温度センサ支持部を有し、前記温度センサ支持部により温度センサを前記台座部の上面よりも高い位置にて支持する温度センサ保持部と、前記台座部上での空気の流れの経路に設けられ、前記台座部から突出した温湿度センサ支持部を有し、前記温湿度センサ支持部により温湿度センサを前記台座部の上面よりも高い位置にて支持する温湿度センサ保持部と、前記台座部の上面に対して開閉可能に設けられた蓋部と、を備え、前記台座部は、前記台座部を貫通し、センサホルダの内部と外部との通気を行う台座部通気口を有し、前記温度センサ保持部による前記温度センサの保持位置、および前記温湿度センサ保持部による前記温湿度センサの保持位置は、いずれも前記台座部通気口に対向してセンサ本体部が存在する位置であり、前記蓋部は、前記温度センサおよび前記温湿度センサの前記センサ本体部とは対向しない位置に蓋部通気口を有している。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、温度センサ保持部および温湿度センサ保持部は、良好な検出環境にてセンサを保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態のエアコン室内機の正面図である。
【
図3】
図1に示したエアコン室内機の、オープンパネルが開状態の正面図である。
【
図4】
図1に示したエアコン室内機の、吹出し口ルーバが開状態の斜視図である。
【
図5】
図2に示したセンサホルダの、台座部に対して蓋部を開いた状態の斜視図である。
【
図6】
図5に示したセンサホルダの、台座部に温度センサを取り付けた状態の斜視図である。
【
図7】
図7の(a)は、
図5に示した台座部に温度センサを取り付け、台座部に対して蓋部を閉じた状態のセンサホルダを長手方向に平行な面で切った場合の縦断面、
図7の(b)は、
図7の(a)の状態のセンサホルダを長手方向に垂直な面で切った場合の縦断面である。
【
図8】
図5に示したセンサホルダにおける、台座部に温湿度センサを取り付けた状態の斜視図である。
【
図9】
図9の(a)は、
図5に示した台座部に温湿度センサを取り付け、台座部に対して蓋部を閉じた状態のセンサホルダを長手方向に平行な面で切った場合の縦断面、
図9の(b)は、
図9の(a)の状態のセンサホルダを長手方向に垂直な面で切った場合の縦断面である。
【
図10】
図5に示したセンサホルダにおける、台座部に対して蓋部を閉じた状態の平面図である。
【
図11】
図2に示したエアコン室内機での空気の流れを示す説明図である。
【
図12】本発明の他の実施形態のセンサホルダの台座部の構成を示す側面図である。
【
図13】
図13の(a)は、本発明のさらに他の実施形態のセンサホルダの、台座部に対して蓋部を閉じた状態の平面図、
図13の(b)は
図13の(a)に示したセンサホルダの右側面、
図13の(c)は
図13の(a)に示したセンサホルダの左側面である。
【
図14】
図13に示したセンサホルダの台座部に温湿度センサを取り付け、台座部に対して蓋部を閉じた状態のセンサホルダを長手方向に平行な面で切った場合の縦断面である。
【
図15】
図14に示したセンサホルダ内での空気の流れを示す説明図である。
【
図16】
図14に示したセンサホルダ内での空気の流れを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0012】
(エアコン室内機1の構成の概要)
図1は、本実施形態のエアコン室内機1の正面図である。
図2は、
図1におけるA-A断面図である。
図3は、エアコン室内機1の、オープンパネルが開状態の正面図である。
図4は、エアコン室内機1の、吹出し口ルーバが開状態の斜視図である。
【0013】
図1から
図4に示すように、エアコン室内機(空気調和機)1は、筐体部11、オープンパネル12および吹出し口ルーバ13を有している。オープンパネル12は手動により開閉可能であり、吹出し口ルーバ13はモータ(図示せず)に駆動されて自動的に開閉される。
【0014】
エアコン室内機1は、
図2に示すように、上部に吸込み口14を有し、前面側の下部に吹出し口15を有し、内部に熱交換器16、ファン17およびセンサホルダ18を有する。エアコン室内機1では、吹出し口ルーバ13が開状態となり、ファン17が回転することにより、吸込み口14から吸い込まれた空気は、熱交換器16を通過し、吹出し口15から吹き出される。この場合、吸込み口14から吸い込まれた空気は、センサホルダ18の周りおよび内部も通過する。
【0015】
(センサホルダ18の概要)
図5は、センサホルダ18の、台座部21に対して蓋部31を開いた状態の斜視図である。
図6は、センサホルダ18の、台座部21に温度センサ41を取り付けた状態の斜視図である。
図7の(a)は、台座部21に温度センサ41を取り付け、台座部21に対して蓋部31を閉じた状態のセンサホルダ18を長手方向に平行な面で切った場合の縦断面、
図7の(b)は、
図7の(a)の状態のセンサホルダ18を長手方向に垂直な面で切った場合の縦断面である。
図8は、台座部21に温湿度センサ51を取り付けた状態のセンサホルダ18の斜視図である。
図9の(a)は、台座部21に温湿度センサ51を取り付け、台座部21に対して蓋部31を閉じた状態のセンサホルダ18を長手方向に平行な面で切った場合の縦断面、
図9の(b)は、
図9の(a)の状態のセンサホルダ18を長手方向に垂直な面で切った場合の縦断面である。
図10は、台座部21に対して蓋部31を閉じた状態のセンサホルダ18の平面図である。
【0016】
図5に示すように、センサホルダ18は、樹脂にて形成され、台座部21と蓋部31とを有する。台座部21と蓋部31とはヒンジとして機能する連結部18aにて連結され、台座部21に対して蓋部31を開閉可能となっている。
【0017】
台座部21は、平板の上に種々の突起を有する形状である。蓋部31は、台座部21に対して閉じた状態において台座部21の上面側を覆うように、凸状に膨らんだ形状である。詳細には、蓋部31の外形は、長手方向と直交する面で切った縦断面が左右の斜辺および平坦な上辺を有するほぼ山形である。台座部21は、温度センサ41を保持する温度センサ保持部22、および温湿度センサ51を保持する温湿度センサ保持部23を有する。
【0018】
台座部21には、連結部18aと反対側の端縁部に嵌合凸部25が形成され、蓋部31には、台座部21に対して蓋部31を閉じた状態において、台座部21の嵌合凸部25が嵌入される嵌合穴32が形成されている。センサホルダ18では、嵌合穴32に嵌合凸部25が嵌入されることにより、台座部21に対して蓋部31を閉じた状態が維持される。
【0019】
(温度センサ41および温湿度センサ51の構成)
温度センサ41は、
図6に示すように、円形棒状のセンサ本体部42、およびセンサ本体部42の端部から延びるリード部43を有する。温湿度センサ51は、
図7に示すように、センサ基板52、センサ基板52上に取り付けられたセンサ本体部53を有する。
【0020】
(温度センサ保持部22の構成)
温度センサ保持部22は、両側支持部61、中央支持部(温度センサ支持部)62、後端支持部(温度センサ支持部)63およびリード支持部64を有している。これら両側支持部61、中央支持部62、後端支持部63およびリード支持部64は、台座部21の上面から突出した状態にて、温度センサ41の長手方向(センサホルダ18の長手方向)に並んでいる。
【0021】
両側支持部61は、温度センサ41のセンサ本体部42の先端部(リード部43側とは反対側端部)付近を左右方向から挟み込むように支持する。これにより、両側支持部61は、横方向(台座部21の幅方向)へのセンサ本体部42の移動を阻止する。両側支持部61は、対向するリブにて形成され、温度センサ41のセンサ本体部42の配置位置の左右位置において、台座部21の上面から上方へ突出している。なお、両側支持部61は、温湿度センサ保持部23の基板下面支持部71としても機能する。
【0022】
中央支持部62は、温度センサ41のセンサ本体部42を台座部21の上面から持ち上げるように、センサ本体部42の中央部付近を下方から支持する。後端支持部63は、同様に、温度センサ41のセンサ本体部42を台座部21の上面から持ち上げるように、センサ本体部42の後端部(リード部43側端部)付近を下方から支持する。これら中央支持部62および後端支持部63は、台座部21の上面から上方へ突出したリブにて形成されており、上端部がセンサ本体部42の外周面の形状に対応して、凹状に湾曲している。
【0023】
リード支持部64は、台座部21の上面から上方へ突出した対向するリブにて形成され、温度センサ41のリード部43を左右方向から挟み込むように支持する。これにより、リード支持部64は、横方向(台座部21の幅方向)へのリード部43の移動を阻止する。
【0024】
なお、本実施形態において、温度センサ保持部22は、2個のリブ(中央支持部62および後端支持部63)にてセンサ本体部42を台座部21の上面から持ち上げて保持するようにしている。しかしながら、温度センサ保持部22は、1個(例えば中央支持部62のみ)あるいは3個以上のリブによってセンサ本体部42を保持する構成であってもよい。
【0025】
(温湿度センサ保持部23の構成)
温湿度センサ保持部23は、基板下面支持部(温湿度センサ支持部)71および基板上面押え部72の組を一対有している。これら基板下面支持部71および基板上面押え部72は、台座部21の長手方向の一端側と他端側とにおいて、台座部21から突出した状態に設けられている。
【0026】
基板下面支持部71は、台座部21上において、温湿度センサ51のセンサ基板52の下面を支持する。基板上面押え部72は、基板下面支持部71にて下面を支持されたセンサ基板52の上面を押さえる。このように温湿度センサ保持部23は、基板下面支持部71と基板上面押え部72とによりセンサ基板52を挟み込み、台座部21上において温湿度センサ51を保持する。この場合、温湿度センサ51のセンサ本体部53の位置は、台座部21の上面と垂直な方向において、センサ本体部53が温度センサ41のセンサ本体部42と重なり合う位置である。
【0027】
(温度センサ保持部22と温湿度センサ保持部23との位置関係)
台座部21上における温度センサ保持部22と温湿度センサ保持部23との位置関係は、温湿度センサ保持部23の一対の基板下面支持部71および基板上面押え部72の間に温度センサ保持部22が存在する。また、温湿度センサ保持部23による温湿度センサ51の保持位置は、温度センサ保持部22による温度センサ41の保持位置よりも高い位置である。
【0028】
(台座部通気口24、蓋部通気口33)
台座部21は、温度センサ保持部22の両側支持部61、中央支持部62、後端支持部63およびリード支持部64の周りに台座部通気口24を有している。台座部通気口24は、台座部21を貫通した多数の開口であり、センサホルダ18の内部と外部とを通気させる。
【0029】
蓋部31は、台座部通気口24と対向する位置に蓋部通気口33を有している。具体的には、蓋部通気口33は、蓋部31の山形の左右の斜辺に対応する側壁、および上辺に対応する上壁に形成されている。蓋部通気口33は、台座部通気口24と同様、蓋部31を貫通した多数の開口であり、センサホルダ18の内部と外部とを通気させる。蓋部通気口33の位置は、台座部通気口24と対向する位置であり、また、温度センサ保持部22により保持された温度センサ41のセンサ本体部42、および温湿度センサ保持部23により保持された温湿度センサ51のセンサ本体部53と対向する位置である。
【0030】
(エアコン室内機1の動作)
図11は、エアコン室内機1での空気の流れを示す説明図である。
【0031】
上記の構成において、センサホルダ18は、温度センサ41または温湿度センサ51のいずれか一方を保持した状態にて、
図2、
図3および
図11に示すように、エアコン室内機1に取り付けられる。
【0032】
図11に示すように、エアコン室内機1の空気調和動作では、ファン17が回転し、吹出し口ルーバ13が開状態となる。ファン17が回転すると、吸込み口14から空気が吸い込まれ、この空気は、熱交換器16を通過し、吹出し口15から吹き出される。この場合、吸込み口14から吸い込まれた空気は、センサホルダ18の周りおよび内部を通過する。
【0033】
(センサホルダ18での空気の流れ)
センサホルダ18の内部を流れる空気は、
図10に示すように、主に、山形の蓋部31の上側の側壁の蓋部通気口33からセンサホルダ91内へ入り込む。また、上記空気の一部は、蓋部31の上壁の蓋部通気口33からセンサホルダ91内へ入り込む。センサホルダ91へ入り込んだ空気は、蓋部31の下側の側壁の蓋部通気口33や台座部通気口24から出て行く。
【0034】
これにより、センサホルダ18が温度センサ保持部22に温度センサ41を保持している場合、温度センサ41は、センサホルダ18の内部を流れる空気の温度を検出する。また、センサホルダ18が温湿度センサ保持部23に温湿度センサ51を保持している場合、温湿度センサ51はセンサホルダ18の内部を流れる空気の温度および湿度を検出する。
【0035】
(センサホルダ18の利点)
センサホルダ18は、温度センサ保持部22および温湿度センサ保持部23を有しているので、エアコン室内機1において温度センサ41が必要な場合および温湿度センサ51が必要な場合に応じて、いずれか一方のセンサを保持することができる。
【0036】
また、センサホルダ18での台座部21上における温度センサ保持部22と温湿度センサ保持部23との位置関係は、温湿度センサ保持部23の一対の基板下面支持部71および基板上面押え部72の間に温度センサ保持部22が存在する状態である。すなわち、温度センサ保持部22による温度センサ41の保持位置と、温湿度センサ保持部23による温湿度センサ51の保持位置とは、台座部21の上面と垂直な方向において互いに重なり合う位置である。これにより、台座部21上における温度センサ保持部22および温湿度センサ保持部23に必要な領域を小さくすることができ、センサホルダ18を小型化することができる。
【0037】
また、センサホルダ18では、台座部通気口24は、温度センサ保持部22の両側支持部61、中央支持部62、後端支持部63およびリード支持部64の周りに形成され、蓋部通気口33は、台座部通気口24と対向する位置に形成されている。すなわち、センサホルダ18が温度センサ41を保持している場合、温度センサ41のセンサ本体部42は台座部通気口24の上方に存在し、台座部通気口24および蓋部通気口33と対向している。同様に、センサホルダ18が温湿度センサ51を保持している場合、温湿度センサ51のセンサ本体部53は、台座部通気口24の上方に存在し、台座部通気口24および蓋部通気口33と対向している。したがって、温度センサ保持部22および温湿度センサ保持部23は、台座部21上での空気の流れの経路に設けられ、センサホルダ18は、温度センサ41または温湿度センサ51に対して、良好な通気状態を形成することができる。
【0038】
また、センサホルダ18の温度センサ保持部22では、温度センサ41のセンサ本体部42を中央支持部62および後端支持部63にて、台座部21の上面から持ち上げて保持している。同様に、センサホルダ18の温湿度センサ保持部23では、温湿度センサ51を基板下面支持部71にて台座部21の上面から持ち上げて保持している。これにより、温度センサ保持部22にて温度センサ41を保持した場合に、温度センサ41のセンサ本体部42の全周を空気が流れ易く、温度センサ41は、センサ本体部42の全周にて温度を検知することができる。また、温湿度センサ保持部23にて温湿度センサ51を保持した場合に、温湿度センサ51のセンサ本体部53の周りを空気が流れ易くなる。すなわち、温度センサ保持部22は良好な検出環境にて温度センサ41を保持することができ、温湿度センサ保持部23は、同様に、良好な検出環境にて温湿度センサ51を保持することができる。この結果、温度センサ41および温湿度センサ51は、検出精度を向上することができる。
【0039】
また、センサホルダ18の温度センサ保持部22では、両側支持部61により温度センサ41のセンサ本体部42の先端部付近を左右方向から挟み込むように支持する。これにより、温度センサ保持部22は、横方向(台座部21の幅方向)へのセンサ本体部42の移動を阻止し、センサ本体部42を安定に保持することができる。この結果、温度センサ41は安定した検出動作を行うことができる。
【0040】
また、センサホルダ18は、温度センサ41または温湿度センサ51を台座部21および蓋部31にて覆うようになっている。これにより、センサホルダ18内の温度センサ41または温湿度センサ51にユーザの指が容易には触れ難くなっている。
【0041】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0042】
(センサホルダ81の構成)
図12は、本実施形態のセンサホルダ81の台座部21の構成を示す側面図である。
【0043】
本実施形態のセンサホルダ81は、センサホルダ18の温度センサ保持部22に代えて、温度センサ保持部82を有している。
【0044】
図12に示すように、温度センサ保持部82は、温度センサ41のセンサ本体部42を支持する支持部として、両側支持部61、中央支持部62および後端支持部63に加えて、先端支持部65を有している。先端支持部65は、両側支持部61と中央支持部62との間における両側支持部61に近い位置に存在し、温度センサ41のセンサ本体部42を持ち上げるように、センサ本体部42の先端部付近を下方から支持する。先端支持部65は、中央支持部62および後端支持部63と同様、台座部21の上面から上方へ突出したリブにて形成され、上端部がセンサ本体部42の外周面の形状に対応して、凹状に湾曲している。
【0045】
温度センサ保持部82の先端支持部65、中央支持部62および後端支持部63は、前述した温度センサ保持部22の中央支持部62および後端支持部63よりも高さが高くなっている。これにより、温度センサ保持部82では、温湿度センサ保持部23が温湿度センサ51を保持する領域に温度センサ41を保持するようになっている。
【0046】
(センサホルダ81の利点)
センサホルダ81の温度センサ保持部82は、温度センサ保持部22の温湿度センサ保持部23よりも高い位置にて温度センサ41を保持するようになっている。これにより、温度センサ41の下方の空気の流れは温度センサ保持部22に温度センサ41を取り付けた場合よりも円滑になる。したがって、温度センサ41に対してさらに良好な検知環境を提供することができる。センサホルダ81のその他の利点はセンサホルダ18と同様である。
【0047】
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0048】
(センサホルダ91の構成)
図13の(a)は、本実施形態のセンサホルダ91の台座部21に対して蓋部31を閉じた状態の平面図、
図13の(b)は
図13の(a)に示したセンサホルダ91の右側面、
図13の(c)は
図13の(a)に示したセンサホルダ91の左側面である。
図14は、台座部21に温湿度センサ51を取り付け、台座部21に対して蓋部31を閉じた状態のセンサホルダ91を長手方向に平行な面で切った場合の縦断面である。
図15は、
図14に示したセンサホルダ91内での空気の流れを示す説明図である。
図16は、
図14に示したセンサホルダ91内での空気の流れを示す斜視図である。
【0049】
センサホルダ91は、センサホルダ91の長手方向において、台座部21の台座部通気口24とは反対側の位置に蓋部31の蓋部通気口33を有している。このような蓋部通気口33の位置は、温度センサ保持部22による温度センサ41のセンサ本体部42の保持位置、および温湿度センサ保持部23による温湿度センサ51のセンサ本体部53の保持位置とは反対側の位置であり、蓋部通気口33が温度センサ41のセンサ本体部42および温湿度センサ51のセンサ本体部53と対向しない位置である。なお、センサホルダ91では、蓋部通気口33の数は、センサホルダ18,81よりも少なくなっている。
【0050】
(センサホルダ91での空気の流れ)
図16に示すように、センサホルダ91内を流れる空気は、センサホルダ18,81の場合と同様、主に、山形の蓋部31の上側の側壁の蓋部通気口33からセンサホルダ91内へ入り込む。また、上記空気の一部は、蓋部31の上壁の蓋部通気口33からセンサホルダ91内へ入り込む。
【0051】
センサホルダ91へ入り込んだ空気の一部は、蓋部31の下側の側壁の蓋部通気口33から出て行く。また、センサホルダ91へ入り込んだ空気の残りは、
図15に破線の矢印にて示すように、センサホルダ91内を台座部通気口24の方向へ移動し、台座部通気口24から出て行く。
【0052】
これにより、センサホルダ18が温度センサ保持部22に温度センサ41を保持している場合、温度センサ41は、センサホルダ18の内部を流れる空気の温度を検出する。また、センサホルダ18が温湿度センサ保持部23に温湿度センサ51を保持している場合、温湿度センサ51はセンサホルダ18の内部を流れる空気の温度および湿度を検出する。
【0053】
(センサホルダ91の利点)
センサホルダ91は、センサホルダ91の長手方向において、温度センサ保持部22による温度センサ41のセンサ本体部42の保持位置、および温湿度センサ保持部23による温湿度センサ51のセンサ本体部53の保持位置とは反対側の位置に蓋部通気口33を有している。すなわち、蓋部通気口33の位置は、温度センサ41のセンサ本体部42および温湿度センサ51のセンサ本体部53とは対向しない位置である。これにより、蓋部31の蓋部通気口33の位置には、温度センサ41のセンサ本体部42、および温湿度センサ51のセンサ本体部53が存在せず、蓋部通気口33を通じてユーザの指が温度センサ41や温湿度センサ51のセンサ本体部42,53に触れることがない。センサホルダ91のその他の利点はセンサホルダ18と同様である。
【0054】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るセンサホルダは、台座部と、前記台座部上での空気の流れの経路に設けられ、前記台座部から突出した温度センサ支持部を有し、前記温度センサ支持部により温度センサを前記台座部の上面よりも高い位置にて支持する温度センサ保持部と、前記台座部上での空気の流れの経路に設けられ、前記台座部から突出した温湿度センサ支持部を有し、前記温湿度センサ支持部により温湿度センサを前記台座部の上面よりも高い位置にて支持する温湿度センサ保持部とを備えている。
【0055】
本発明の態様2に係るセンサホルダは、上記態様1において、前記温度センサ保持部は、前記温度センサの側部を両側から挟み込むように対向する両側支持部を有する構成としてもよい。
【0056】
本発明の態様3に係るセンサホルダは、上記態様1または2において、前記温度センサ保持部による前記温度センサの保持位置と、前記温湿度センサ保持部による前記温湿度センサの保持位置とは、前記台座部の上面と垂直な方向において互いに重なり合う位置である構成としてもよい。
【0057】
本発明の態様4に係るセンサホルダは、上記態様1から3のいずれか1態様において、 前記台座部の上面に対して開閉可能に設けられた蓋部を備え、前記台座部は、前記台座部を貫通し、センサホルダの内部と外部との通気を行う台座部通気口を有し、前記温度センサ保持部による前記温度センサの保持位置、および前記温湿度センサ保持部による前記温湿度センサの保持位置は、いずれも前記台座部通気口に対向してセンサ本体部が存在する位置であり、前記蓋部は、前記台座部通気口と対向する位置に蓋部通気口を有している構成としてもよい。
【0058】
本発明の態様5に係るセンサホルダは、上記態様1から3のいずれか1態様において、前記台座部の上面に対して開閉可能に設けられた蓋部を備え、前記台座部は、前記台座部を貫通し、センサホルダの内部と外部との通気を行う台座部通気口を有し、前記温度センサ保持部による前記温度センサの保持位置、および前記温湿度センサ保持部による前記温湿度センサの保持位置は、いずれも前記台座部通気口に対向してセンサ本体部が存在する位置であり、前記蓋部は、前記温度センサおよび前記温湿度センサの前記センサ本体部とは対向しない位置に蓋部通気口を有している構成としてもよい。
【0059】
本発明の態様6に係る空気調和機は、上記態様1から5のいずれか1態様のセンサホルダを備え、前記センサホルダに温度センサまたは温湿度センサが取り付けられている。
【0060】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 エアコン室内機(空気調和機)
14 吸込み口
15 吹出し口
16 熱交換器
17 ファン
18,81,91 センサホルダ
18a 連結部
21 台座部
22,82 温度センサ保持部
23 温湿度センサ保持部
24 台座部通気口
31 蓋部
33 蓋部通気口
41 温度センサ
42 センサ本体部
43 リード部
51 温湿度センサ
52 センサ基板
53 センサ本体部
61 両側支持部
62 中央支持部(温度センサ支持部)
63 後端支持部(温度センサ支持部)
64 リード支持部
71 基板下面支持部(温湿度センサ支持部)
72 基板上面押え部