(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】セグメント積替え方法およびセグメント積替え装置
(51)【国際特許分類】
E21D 11/40 20060101AFI20230221BHJP
【FI】
E21D11/40 C
(21)【出願番号】P 2019035398
(22)【出願日】2019-02-28
【審査請求日】2021-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390021669
【氏名又は名称】椿本興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩下 篤
(72)【発明者】
【氏名】福田 隆正
(72)【発明者】
【氏名】足立 英明
(72)【発明者】
【氏名】金田 修一
(72)【発明者】
【氏名】秦野 淳
(72)【発明者】
【氏名】朝日 慎
(72)【発明者】
【氏名】望月 健吾
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-036798(JP,A)
【文献】特開平09-177499(JP,A)
【文献】特開2012-052289(JP,A)
【文献】実開昭60-033599(JP,U)
【文献】特開平11-030097(JP,A)
【文献】特開平09-144498(JP,A)
【文献】特開平05-240000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 11/40
E21F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台のトレーラにより搬入されたセグメントピースを、前記トレーラと同数のセグメント台車に積み替えるセグメント積替え方法であって、
積み降ろしレーンに縦列停車した複数台の前記トレーラの側方にそれぞれリフト装置を配置する装置配置工程と、
前記リフト装置を前進させ、当該リフト装置のフォーク部を前記トレーラに上載された前記セグメントピースの下側に挿入した後、前記フォーク部を上昇させる荷取り工程と、
前記トレーラを移動させるトレーラ退避工程と、
前記積み降ろしレーンに複数台の前記セグメント台車を縦列配置する台車配置工程と、
前記リフト装置を横移動させて前記セグメント台車の側方に当該リフト装置を配置する装置再配置工程と、
前記リフト装置を前進させるとともに前記フォーク部を下降させて前記セグメントピースを前記セグメント台車に上載させる荷積み工程と、
前記リフト装置を後退させる装置退避工程と、を備えていることを特徴とする、セグメント積替え方法。
【請求項2】
前記リフト装置を横移動させる工程において、中央の前記リフト装置に他の前記リフト装置を近づけることを特徴とする、請求項1に記載のセグメント積替え方法。
【請求項3】
複数のリフト装置が並設されてなるセグメント積替え装置であって、
前記リフト装置は、
トンネル軸方向に水平移動する移動架台と、
前記移動架台上においてトンネル軸方向と交差する方向に水平移動する本体部と、
前記本体部に上下動可能に設けられたフォーク部と、を備えており、
複数の前記本体部は、同期して前後移動することを特徴とするセグメント積替え装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セグメント積替え方法およびセグメント積替え装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シールドトンネルは、地山の掘進とともに、シールドマシン内で組み立てられたセグメントリングを連続して配置することにより形成する。セグメントリングを構成するセグメントピースは、シールドマシンの掘進に伴い、坑口側から切羽へと搬入される。
セグメントピースは、セグメント製作工場等から搬入したものをストックヤードなどに保管しておき、トンネルの掘進に伴い、リング毎にトンネル坑内へ搬入するのが一般的である。しかしながら、都市部のトンネルや、1リング毎に多数のセグメントピースを使用する大断面トンネル等では、ストックヤードを坑口近傍に確保できない場合がある。また、搬入されたセグメントピースの荷卸しや、坑内でセグメントピースを輸送するセグメント台車への積み込みには、門型クレーンを使用するのが一般的であるが、ストックヤードの確保とともにクレーンを設置する用地を確保する必要があった。
特許文献1には、トレーラ等により搬入されたセグメントピースを、一時的に保管した後、セグメント吊上げ装置を利用して出庫口に配設されたセグメント台車に積み込む立体自動倉庫が開示されている。立体自動倉庫は、立坑の深さ方向にセグメントピースを保管することで、ストックヤードの小スペース化を可能としている。また、セグメント吊上げ装置は、トロリーガータに沿って走行することで、複数台連結編成されたセグメント台車にセグメントピースを順次積み込むことを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セグメントリングを構成するセグメントピースには、形状の異なるAセグメント、Bセグメント、Kセグメント等があるため、各セグメントピースを区別して積み降ろしや、保管する必要があり、管理に手間がかかる。また、特許文献1の立体自動倉庫では、製造工場等から搬入したセグメントピースについて、トレーラからの積み降ろしとセグメント台車への積み込みを個別に行うため、積み替え作業に手間がかかっていた。また、複数のセグメント台車に対して、順次セグメントピースを積み込むため、積み込み作業にも時間がかかっていた。一方、トレーラにより搬入されたセグメントピースを直接セグメント台車に積み替えることができれば、ストックヤードの用地を省略するとともに、セグメントピースの保管に要する手間を省略することができ、効率的である。そのため、本発明は、搬入されたセグメントピースを効率的にトレーラからセグメント台車に積み替えることを可能としたセグメント積替え方法およびセグメント積替え装置を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明は、複数台のトレーラにより搬入されたセグメントピースを、前記トレーラと同数のセグメント台車に積み替えるセグメント積替え方法と、これに使用するセグメント積替え装置である。
前記セグメント付替え方法は、積み降ろしレーンに縦列停車した複数台の前記トレーラの側方にリフト装置を配置する装置配置工程と、前記リフト装置を前進させ、当該リフト装置のフォーク部を前記トレーラに上載された前記セグメントピースの下側に挿入した後、前記フォーク部を上昇させる荷取り工程と、前記トレーラを移動させるトレーラ退避工程と、前記積み降ろしレーンに複数台の前記セグメント台車を縦列配置する台車配置工程と、前記リフト装置を横移動させて前記セグメント台車の側方に当該リフト装置を配置する装置再配置工程と、前記リフト装置を前進させるとともに前記フォーク部を下降させて前記セグメントピースを前記セグメント台車に上載させる荷積み工程と、前記リフト装置を後退させる装置退避工程とを備えている。
また、本発明のセグメント積替え装置は、複数のリフト装置が並設されてなり、前記リフト装置は、トンネル軸方向に水平移動する移動架台と、前記移動架台上においてトンネル軸方向と交差する方向に水平移動する本体部と、前記本体部に上下動可能に設けられたフォーク部とを備えている。複数の前記本体部は、同期して前後移動する。
【0006】
かかるセグメント付替え方法およびセグメント積替え装置によれば、トレーラからのセグメントピースの積み降ろしと、セグメント台車へのセグメントピースの積み込みを、同一の装置を用いて連続的に行うため、効率的である。すなわち、トレーラからのセグメントピースの積み降ろしと、セグメント台車へのセグメントピースの積み込みを、それぞれ異なる場所で、異なる装置を利用する従来のセグメント積替え方法に比べて、時間と手間を大幅に削減することができる。また、複数台のトレーラにより搬送された複数のセグメントピースを同時にセグメント台車に積み替えることができるため、積み込みに要する時間を大幅に短縮することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明のセグメント積替え方法およびセグメント積替え装置によれば、トレーラからのセグメントピースの積み降ろしと、セグメント台車へのセグメントピースの積み込みを、同一の装置を用いて連続的に行うため、トレーラからセグメント台車へのセグメントピースの積み替えに要する手間と時間を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係るセグメント積替え装置を示す平面図、(b)は正面図である。
【
図2】セグメント積替え装置のリフト装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態では、シールド工法によりトンネルを構築する場合において、セグメントリングを構成するセグメントピース1を、トンネル坑口部TEでトレーラ2からセグメント台車3に直接積み替えることで、セグメントピース1の仮置きヤード(ストックヤード)を省略あるいは縮小するとともに、工期短縮化を図る場合について説明する。
本実施形態では、複数台のトレーラ2によりトンネル坑外からトンネル坑口部TEに搬入されたセグメントピース1を、セグメント積替え装置4を利用して、トレーラ2と同数のセグメント台車3に積み替える。なお、本明細書において前後左右は、セグメント積替え装置4の移動方向を基準とする。本実施形態において、前後はトンネル軸方向と直交する方向(トンネル横断方向)、左右はトンネル軸方向に沿った方向とする。
【0010】
本実施形態では、1リング分のセグメントピース1を、複数台のトレーラ2を利用してトンネル坑外からトンネル坑口部T
Eまで搬入する。本実施形態では、
図1(a)および(b)に示すように、1リング分のセグメントピース1として、3台のトレーラ2によりセグメントピース1を2ピースずつ(合計6ピース)搬入する。2ピースのセグメントピース1は、上下に重ねた状態で、トレーラ2に積載する。なお、1リング分のセグメントピース1を搬入するために使用するトレーラ2の台数は限定されるものではなく、トンネルの断面形状等に応じて設定されるセグメントピース1の数、形状、重量等に応じて適宜決定すればよい。また、1台のトレーラ2に積載するセグメントピース1の数も限定されるものではなく、適宜決定すればよい。
【0011】
セグメント積替え装置4は、トレーラ2の台数と同数(3台)のリフト装置5を有している。リフト装置5は、
図2に示すように、トンネル軸方向に移動(横移動)する移動架台51と、移動架台51上においてトンネル軸方向と交差する方向に移動(前後移動)する本体部52と、本体部52に上下動可能に設けられたフォーク部53とを備えている。すなわち、本体部52は、移動架台51により左右に移動するとともに、移動架台51上で前後に移動する。
移動架台51は、トンネル軸方向に沿って直進可能である。このような移動架台51の走行手段は限定されるものではないが、例えば、床版に敷設されたレールR
1上を走行する構成とすればよい。また、移動架台51には、本体部52およびフォーク部53の動力源(図示せず)と、移動方向や移動量などを制御する制御盤(図示せず)とが搭載されている。なお、リフト装置5の構成は限定されるものではなく、例えば、動力源および制御盤は、必ずしも移動架台51に搭載されている必要はない。
【0012】
本体部52は、移動架台51上において、トンネル軸方向と交差する方向に直進可能である。移動架台51上での本体部52の移動手段は限定されるものではないが、例えば、移動架台51上に敷設されたレールR2を走行する構成とすればよい。本実施形態の本体部52は、鋼材を組み合わせることにより正面視矩形状で、かつ、側面視三角形状を呈している。なお、本体部52の形状は限定されるものではなく、例えば、直方体状であってもよい。
フォーク部53は、本体部52の前面に上下動可能に設けられている。本実施形態では、二つのフォーク部53が左右に並設されている。フォーク部53は、縦材と横材とを組み合わせることにより側面視L字状を呈している。一対のフォーク部53は、縦材が本体部52の前面に沿って摺動することで同期して上下動する。なお、フォーク部53の構成は限定されるものではなく、必ずしもL字状である必要はない。
【0013】
セグメントピース1の積み替えを行う場合には、まず、
図1(a)および(b)に示すように、セグメントピース1を上載した3台のトレーラ2を、トンネル坑口部T
Eに設定された積み降ろしレーンL
1に縦列停車させる。このとき、中央のトレーラ2は、積み降ろしレーンL
1中央に位置するように停車する。積み降ろしレーンL
1の一方の側方には、セグメント積替え装置4が配設されている。セグメント積替え装置4の3台のリフト装置5は、
図1(a)に示すように、積み降ろしレーンL
1に沿って並設されている。
トレーラ2を積み降ろしレーンL
1に停止させたら、リフト装置5を必要に応じて横移動させて、
図3に示すように、各トレーラ2の側方に配置する(装置配置工程)。なお、予めリフト装置5を所定の位置に配置しておき、トレーラ2をリフト装置5の前に停車させてもよい。
ここで、積み降ろしレーンL
1を挟んでセグメント積替え装置4の反対側には、坑内への資材・機材供給用の車両や、ミキサー車等が通行するための走行レーンL
2が確保されている。積み降ろしレーンL
1と走行レーンL
2は、必ずしも分離されている必要はない。例えば、トンネル断面寸法により積み降ろしレーンL
1を確保することが困難な場合には、走行レーンL
2を一時的に積み降ろしレーンL
1として使用すればよい。
【0014】
次に、
図4に示すように、各リフト装置5を前進させる。このとき、フォーク部53は、トレーラ2の荷台とセグメントピース1の下面との隙間に対応する高さに位置している。なお、セグメントピース1は、弧状であるため、トレーラ2の荷台に載置すると、セグメントピース1下面両端部と荷台の上面との間に隙間が形成されている。そのため、リフト装置5を前進させると、フォーク部53がトレーラ2に上載されたセグメントピース1の下側の隙間に挿入される。なお、3台のリフト装置5(本体部52)は、同期して前進する。このとき、セグメント積替え装置4の操作は、作業者がコントローラにより手動で行う。作業者は、セグメント積替え装置4の近傍において目視しながらセグメント積替え装置4の操作を行うことが好ましい。リフト装置5には、非接触式の距離センサー(図示せず)が搭載されており、トレーラ2またはトレーラ2に積載されたセグメントピース1との位置関係を測定可能である。距離センサーは、制御盤に接続されている。制御盤は、距離センサーの計測結果に応じて、リフト装置5の前進移動を制御する。すなわち、トレーラ2またはセグメントピース1がリフト装置5に対して傾斜している(トンネル軸方向と平行ではない)と判定された場合には、リフト装置5の前進移動が不能になるように制御することで、セグメントピース1を斜めの状態で持ち上げることを防止する。また、距離センサーの計測結果によりフォーク部53とセグメントピース1とが接触する可能性があると判定された場合においても、制御盤によってリフト装置5の前進移動が停止される。この場合には、作業者がコントローラを操作することで本体部52の横移動あるいはフォーク部53の上下移動を行い位置調整を行う。なお、リフト装置5は、距離センサーの計測結果に応じて本体部52の横移動およびフォーク部53を上下動して、自動的に位置調整を行うようにしてもよい。
【0015】
フォーク部53をセグメントピース1の下側に挿入させたら、フォーク部53を上昇させることで、セグメントピース1をトレーラ2の荷台から持ち上げる(荷取り工程)。3台のリフト装置5は同期して作動するため、3台のトレーラ2からのセグメントピース1の荷取りを同時に行なわれる。
フォーク部53によりセグメントピース1を持ち上げたら、
図5に示すように、リフト装置5を後退させる(装置後退工程)。このとき、3台のリフト装置5(本体部52)は、同期して後退する。
なお、本実施形態では、フォーク部53をセグメントピース1の下側に挿入した状態で、自動制御を行うものとする。コントローラにおいて、自動制御スイッチを操作すると、フォーク部53によるセグメントピース1の荷取りおよびリフト装置5の後退が自動的に行われる。
リフト装置5の後退を確認したら、積み降ろしレーンL
1からトレーラ2を移動させる(トレーラ退避工程)。
【0016】
トレーラ2を移動させたら、
図6および
図7に示すように、積み降ろしレーンL
1にセグメント台車3を定位置に縦列配置する(台車配置工程)。セグメント台車3の台数は、トレーラ2と同数(本実施形態では3台)とする。なお、セグメント台車3には、他の資材を運搬する運搬台車が連結されていてもよい。このとき、中央のセグメント台車3は、積み降ろしレーンL
1中央に位置するように配置される。3台のセグメント台車3は、互いに連結されており、牽引車(バッテリーロコ等)31の動力により移動する。
セグメント台車3が所定の位置に配置されたことが確認したら、
図7に示すように、リフト装置5を横移動させてセグメント台車3の側方にリフト装置5を配置する(装置再配置工程)。セグメント台車3は、トレーラ2に比べて車長が小さいため、左右のリフト装置5を中央のリフト装置5に近づけることで、リフト装置5を各セグメント台車3の側方に配置する。このとき、リフト装置5は、距離センサーによりセグメント台車3との距離を確認し、距離センサーの計測結果に応じて、自動的に位置調整を行う。なお、リフト装置5の位置調整は、作業者がコントローラを操作することにより手動で行ってもよい。
【0017】
リフト装置5をセグメント台車3の側方に配置したら、
図8に示すように、リフト装置5を前進させて、セグメントピース1を支持するフォーク部53をセグメント台車3の上方に配置させる。このとき、3台のリフト装置5(本体部52)は、同期して前進する。続いて、フォーク部53を下降させることでセグメントピース1をセグメント台車3に上載させる(荷積み工程)。すなわち、3台のセグメント台車3に対して、セグメントピース1を同時に積み込む。
セグメントピース1をセグメント台車3に載置させてたら、フォーク部53をさらに下降させて、フォーク部53とセグメントピース1との接触を解除し、リフト装置5を後退させる(装置退避工程)。このとき、3台のリフト装置5(本体部52)は、同期して後退する。ここで、セグメント台車3は、
図9に示すように、中央部に凹部32が形成されていて、側面視凹字状を呈している。セグメントピース1をセグメント台車3に上載する際には、セグメントピース1の中央部をセグメント台車3の凹部32に挿入する。セグメント台車3の上面と凹部32との角部には緩衝材33が配設されていて、セグメントピース1の損傷が防止されている。また、凹部32には、セグメント1を上載するための受台34が設けられている。セグメント台車3にセグメントピース1を上載すると、セグメントピース1の下面両端部とセグメント台車3の上面との間に隙間が形成される。
本実施形態では、荷積み工程および装置退避工程を自動的に行う。リフト装置5を所定の位置に配置した段階で、自動制御スイッチを操作すると、リフト装置5の前進、フォーク部53の下降およびリフト装置5の後退が連続して自動的に行われる。なお、荷積み工程および装置退避工程は、コントローラを操作することにより手動で行ってもよい。
【0018】
本実施形態のセグメント積替え装置4を利用したセグメント付替え方法では、トレーラ2からのセグメントピース1の積み降ろしと、セグメント台車3へのセグメントピース1の積み込みを連続的に行うため効率的である。すなわち、トレーラ2からのセグメントピース1の積み降ろしと、セグメント台車3へのセグメントピース1の積み込みを、それぞれ異なる場所で、異なる装置を利用する従来のセグメント積替え方法に比べて、時間と手間を大幅に削減することができる。また、複数台のトレーラ2により搬送された複数のセグメントピース1を同時にセグメント台車3に積み替えることができるため、積み込みに要する時間を大幅に短縮することができる。
また、リフト装置5は、同期して駆動するため、1人の作業者により操作することができる。クレーン等を利用した従来を積替え方法では、玉掛けを行う作業員と、クレーンを操作するオペレータとをトレーラ2毎に配置する必要があるが、本実施形態のセグメント積替え方法によれば、作業員(オペレータ)の人数を減らすことができる。そのため、人件費を減らすことで、工事費の低減化を図ることができる。
【0019】
また、リフト装置5のフォーク部53により直接セグメントピース1を持ち上げるため、玉掛け作業が不要である。そのため、玉掛けに要する手間を省略することができるとともに、安全性も高まる。
さらに、リフト装置5を自動的に制御することが可能なため、作業者の負担を軽減することができる。
リフト装置5は、前後方向および左右方向に移動可能なため、車両毎にサイズが異なるトレーラ2を使用する場合や、サイズの異なるトレーラ2とセグメント台車3との間でのセグメントピース1の積み替えであっても、作業を行うことができる。
【0020】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態では、リフト装置5が移動架台51により横移動する場合について説明したが、移動架台51は必要に応じて設置すればよい。例えば、トレーラ2の荷台およびセグメント台車3をそれぞれ予め設定された位置に停車させるようにすれば、床版に敷設されたレール上を本体部52が走行するようにして、移動架台51を省略してもよい。
前記実施形態では、装置後退工程を備えている場合について説明したが、リフト装置5がフォーク部53の下側をトレーラ2の走行が可能な程度の十分な高さを有しているには、装置後退工程を省略してもよい。
【符号の説明】
【0021】
1 セグメントピース
2 トレーラ
3 セグメント台車
4 セグメント積替え装置
5 リフト装置
51 移動架台
52 本体部
53 フォーク部
L1 積み降ろしレーン