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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】車載器管理システム
(51)【国際特許分類】
   G07C 5/00 20060101AFI20230221BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20230221BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
G06Q50/30
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019145888
(22)【出願日】2019-08-08
(65)【公開番号】P2021026633
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】妹尾 文人
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-16804(JP,A)
【文献】特開2018-154240(JP,A)
【文献】国際公開第2018/078805(WO,A1)
【文献】特開2004-237842(JP,A)
【文献】特開2012-171485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 5/00
G06Q 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両のそれぞれに搭載された車載器と、前記車載器に無線通信を介して接続された情報処理装置とを備える車載器管理システムであって、
前記車載器は、
車載器側免許証情報を記憶する車載器側記憶部と、
免許証から免許証情報を読み取る車載器側読取部と、
前記車載器側読取部により読み取った免許証情報が、前記車載器側免許証情報と一致するかを判定する車載器側判定部と、
前記車載器側判定部により一致しないと判定された場合、前記免許証情報を含む通知情報を前記情報処理装置に送信する車載器側送信部と、
前記情報処理装置から受信した更新情報に含まれる装置側免許証情報に基づいて、前記車載器側記憶部に記憶された前記車載器側免許証情報を更新する車載器側更新部と、
を備え、
前記情報処理装置は、
装置側免許証情報を記憶する装置側記憶部と、
前記車載器から前記通知情報を受信する装置側受信部と、
前記通知情報に含まれる前記免許証情報が、前記装置側免許証情報と一致するかを判定する装置側判定部と、
前記装置側判定部により一致しないと判定された場合、前記免許証情報に基づいて、前記装置側記憶部に記憶された前記装置側免許証情報を更新する装置側更新部と、
前記車載器に対して、前記更新情報を送信する装置側送信部と、
を備えることを特徴とする車載器管理システム。
【請求項2】
前記装置側送信部は、
前記装置側更新部により更新が行われた場合、更新結果情報を外部に送信する
請求項1に記載の車載器管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載器管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両には、デジタル式の運行記録計であり、いわゆるデジタルタコグラフと呼ばれる車載器が搭載されているものがある(特許文献1~4参照)。車載器は、例えば、運送会社やタクシー会社等の1つの企業や団体がそれぞれ保有するタクシーやトラック等の複数の車両にそれぞれ搭載されている。車載器は、ドライバ(乗務員)の労務管理や安全管理に利用されることから、ドライバを識別するために免許証による認証処理を行うものがある。このような場合、ドライバ認証の元となる免許証情報は、運送会社やタクシー会社の事務所PC(Personal Computer)に予め登録する必要がある。事務所PCに登録された装置側免許証情報は、無線で車載器に反映される仕組みになっている。ドライバが免許証を更新すれば、その都度、事務所PCへの登録処理が発生するため、装置側免許証情報の更新頻度は増える。一方、車載器では、ドライバ認証を行う際に、車載器に予め登録された車載器側免許証情報が更新されておらず、完全に認証できない場合、車載器に候補者を表示し、ドライバに選択させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-39530号公報
【文献】特開2012-33102号公報
【文献】特開2014-215705号公報
【文献】特開2017-10466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、装置側免許証情報の更新し忘れがあったり、装置側免許証情報は更新されているが、車載器への反映が遅れている場合、車載器側免許証情報が未更新であることを車載器から事務所PCに送信する術がなく、車載器側免許証情報の更新処理が遅れる点で改善の余地がある。
【0005】
本発明の目的は、車載器で読み取った免許証情報に基づいて、車載器に登録されている免許証情報を自動更新することができる車載器管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る車載器管理システムは、複数の車両のそれぞれに搭載された車載器と、前記車載器に無線通信を介して接続された情報処理装置とを備える車載器管理システムであって、前記車載器は、車載器側免許証情報を記憶する車載器側記憶部と、免許証から免許証情報を読み取る車載器側読取部と、前記車載器側読取部により読み取った免許証情報が、前記車載器側免許証情報と一致するかを判定する車載器側判定部と、前記車載器側判定部により一致しないと判定された場合、前記免許証情報を含む通知情報を前記情報処理装置に送信する車載器側送信部と、前記情報処理装置から受信した更新情報に含まれる装置側免許証情報に基づいて、前記車載器側記憶部に記憶された前記車載器側免許証情報を更新する車載器側更新部と、を備え、前記情報処理装置は、装置側免許証情報を記憶する装置側記憶部と、前記車載器から前記通知情報を受信する装置側受信部と、前記通知情報に含まれる前記免許証情報が、前記装置側免許証情報と一致するかを判定する装置側判定部と、前記装置側判定部により一致しないと判定された場合、前記免許証情報に基づいて、前記装置側記憶部に記憶された前記装置側免許証情報を更新する装置側更新部と、前記車載器に対して、前記更新情報を送信する装置側送信部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、上記車載器管理システムにおいて、前記装置側送信部は、前記装置側更新部により更新が行われた場合、更新結果情報を外部に送信するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る車載器管理システムによれば、車載器で読み取った免許証情報に基づいて、車載器に登録されている免許証情報を自動更新することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態における車載器管理システムの概略構成を示すブロック図である。
図2図2は、車載器管理システムを構成する車載器の概略構成を示すブロック図である。
図3図3は、車載器管理システムを構成する事務所PCの概略構成を示すブロック図である。
図4図4は、車載器にて実行される制御処理の一例を示すフローチャート図である。
図5図5は、車載器にて実行される制御処理の一例を示すフローチャート図である。
図6図6は、事務所PCにて実行される制御処理の一例を示すフローチャート図である。
図7図7は、車載器管理システム全体の動作を示すシーケンス図である。
図8図8は、車載器に表示される表示画面の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る車載器管理システムの実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、下記実施形態における構成要素は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0011】
[実施形態]
実施形態における車載器管理システム1を図1図8を参照して説明する。車載器管理システム1は、図1に示すように、複数の車両100のそれぞれに搭載された車載器2と、車載器2に無線通信を介して接続された事務所PC3とを含んで構成される。ネットワーク4は、広域通信回線であり、典型的にはインターネットであるが、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話回線、専用デジタル回線であってもよい。
【0012】
車載器2は、例えば、デジタル式の運行記録計であり、いわゆるデジタルタコグラフである。車載器2は、図1に示すように、車両100に搭載される。車両100は、例えば、タクシーやトラック等の業務用車両である。車載器2は、事務所PC3との間で無線通信を介して接続されている。車載器2は、例えば、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に基づいて、中継アンテナ5を介してネットワーク4に接続され、ネットワーク4を介して事務所PC3に接続される。車載器2は、図2に示すように、免許証情報リーダ11と、メモリ12と、GPS受信部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16と、音声I/F17と、アンテナ18と、スピーカ19と、CPU20とを含んで構成される。なお、車載器2は、これらに限られるものではなく、他の構成を含むものであってもよい。
【0013】
免許証情報リーダ11は、車載器側読取部の一例であり、免許証101から免許証情報を読み取る部分である。免許証情報リーダ11は、例えば、免許証101に内蔵されたICチップから免許証情報として、免許証101の有効期限、交付年月日の末日の情報を読み取る。免許証情報リーダ11は、CPU20に接続され、読み取った免許証情報をCPU20に出力する。
【0014】
メモリ12は、車載器側記憶部の一例であり、RAM(Random Access Memory)、フラッシュROM(Read Only Memory)等で構成される。RAMは、半導体素子を利用した揮発性メモリであり、データの消去および書き換えが可能なものである。フラッシュROMは、半導体素子を利用した不揮発性メモリであり、データの消去および書き換えが可能であるが、通電をやめても記憶内容が維持される。フラッシュROMは、車載器側免許証情報を記憶する。車載器側免許証情報は、車載器2に予め登録された免許証情報であり、免許証情報リーダ11で読み取った免許証情報と比較することで、車両100のドライバ(乗務員)の認証に利用される。メモリ12は、CPU20に接続され、CPU20が利用するデータをも記憶する。メモリ12には、車両100に乗務する少なくとも1以上のドライバの免許証情報が記憶される。
【0015】
GPS受信部13は、車両100の走行位置を示す走行位置情報(緯度経度座標)を受信するものである。GPS受信部13は、GPS衛星(不図示)が配信する車両100の走行位置情報を表すGPS信号を受信する。GPS受信部13は、CPU20に接続されており、受信したGPS信号に応じた車両100の走行位置情報をCPU20に出力する。
【0016】
通信部14は、アンテナ18を介して、移動体通信事業者が提供する中継アンテナ5との間で無線通信を行って情報の送受信を行うものである。通信部14は、CPU20に接続されている。通信部14は、車載器側送信部の一例であり、CPU20からの指示に応じて、免許証情報を含む通知情報を事務所PC3に送信する。ここでいう免許証情報は、免許証情報リーダ11が免許証101から読み取ったものである。通知情報には、免許証情報の他に、表示部16に表示された候補者から選択されたドライバの氏名情報、車両100の車両情報、および車載器情報が含まれる。通知情報には、さらに、免許証情報リーダ11が免許証101から読み取った免許証情報と、メモリ12に記憶された車載器側免許証情報とが不一致であることを示す情報が含まれる。また、通信部14は、車載器側受信部の一例であり、装置側免許証情報を含む更新情報を事務所PC3から受信する。装置側免許証情報は、通常は、事務所PC3のメモリ35に記憶された免許証情報を意味するが、更新情報に含まれる装置側免許証情報は、車載器2から受信した通知情報に含まれる免許証情報に基づいて更新されたものを意味する。
【0017】
操作部15は、車載器2を操作するための操作機能を有し、例えば、ボタンやスイッチ等である。操作部15は、CPU20に接続されており、例えば、表示部16による表示の切り替え指示や選択等を行うものである。
【0018】
表示部16は、比較的情報量の少ない画像情報(可視情報)を表示する表示機能を有し、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ等で構成される。表示部16は、CPU20に接続されており、例えば、CPU20において処理された候補者を表示する。候補者は、免許証101による認証ができない場合に表示されるドライバの氏名である(図8)。表示部16は、免許証情報リーダ11が免許証101から読み取った免許証情報と、メモリ12に記憶された車載器側免許証情報とが不一致である場合に、CPU20からの指示に応じて、該当する1以上のドライバの氏名を表示する。車両100に乗車したドライバは、表示された候補者のなから該当するものを操作部15により操作することで選択する。
【0019】
音声I/F17は、CPU20に接続され、CPU20から指示に応じて、例えば、テキスト形式のメッセージから疑似音声信号を合成し、スピーカ19を介して音声として出力する。また、音声I/F17は、スピーカ19を介して警告音を出力することも可能である。
【0020】
CPU20は、車載器2の各部を統括的に制御する中央演算装置(Central Processing Unit)である。CPU20は、周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。CPU20は、上述のように、免許証情報リーダ11、メモリ12、GPS受信部13、通信部14、操作部15、表示部16、および音声I/F17等が接続されており、これらとの間で種々の電気信号の入出力を行う。CPU20は、メモリ12に記憶されているプログラムを実行し、車載器2の機能を実現するために必要な様々な処理を行う。CPU20は、例えば、車両100が備えるイグニッションスイッチから出力されるIGNオン信号を停止状態において受け付けると、起動して車載器2を起動状態にする一方、イグニッションスイッチから出力されるIGNオフ信号を起動状態において受け付けると、動作を停止して車載器2を停止状態にする。
【0021】
CPU20は、車載器側判定部の一例であり、免許証情報リーダ11により読み取った免許証情報が、メモリ12に記憶された車載器側免許証情報と一致するかを判定する。また、CPU20は、車載器側更新部の一例であり、事務所PC3から受信した更新情報に含まれる装置側免許証情報に基づいて、メモリ12に記憶された車載器側免許証情報を更新する。また、CPU20は、メモリ12に記憶された車載器側免許証情報を更新した後に、更新結果を示す更新結果情報を、通信部14を制御しアンテナ18を介して外部に送信させる。この更新結果情報には、更新が成功した旨の情報、または、更新を中止した旨の情報が含まれる。ここでいう外部は、後述する指定送信先であり、車載器2の販売店や営業担当が含まれる。通知の方法は、例えば電子メール等により行われる。
【0022】
事務所PC3は、情報処理装置の一例であり、例えば、パーソナルコンピュータ(Personal Computer:PC)である。事務所PC3は、車両100を管理する輸送業者の施設等に配置される。事務所PC3は、ネットワーク4に有線(または無線)で接続され、当該ネットワーク4を介して車載器2に接続される。事務所PC3は、図3に示すように、通信部31と、操作部32と、表示部33と、免許証情報リーダ34と、メモリ35と、CPU36とを含んで構成される。
【0023】
通信部31は、ネットワーク4に有線(または無線)で接続され、ネットワーク4との間で情報の送受信を行うものである。通信部31は、CPU36に接続され、受信した情報をCPU36に出力し、CPU36から出力された情報を送信する。通信部31は、装置側送信部の一例であり、車載器2に対して、更新情報を送信する。また、通信部31は、装置側受信部の一例であり、車載器2から通知情報を受信する。
【0024】
操作部32は、事務所PC3を操作するための操作機能を有し、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等である。操作部32は、CPU36に接続されており、例えば、表示部33による表示の切り替え指示等を行うものである。
【0025】
表示部33は、事務所PC3を利用するユーザに向けて画像情報(可視情報)を表示する表示機能を有し、LCD、有機ELディスプレイ等で構成される。表示部33は、CPU36に接続されており、CPU36からの画像情報を表示する。
【0026】
免許証情報リーダ34は、装置側読取部の一例であり、免許証101から免許証情報を読み取る部分である。免許証情報リーダ34は、上述した免許証情報リーダ11と同様に、例えば、免許証101に内蔵されたICチップから免許証情報として、免許証101の有効期限、交付年月日の末日の情報を読み取る。免許証情報リーダ34は、CPU36に接続され、読み取った免許証情報をCPU36に出力する。CPU36は、免許証情報リーダ34により免許証101から読み取った免許証情報を、装置側免許証情報としてメモリ35に記憶させる。
【0027】
メモリ35は、装置側記憶部の一例であり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブ(HDD)等で構成される。RAMは、半導体素子を利用した揮発性メモリであり、例えばROM等から読み出されたオペレーションシステム(OS)のプログラムやアプリケーションプログラム等を記憶する。ROMは、半導体素子を利用した不揮発性メモリであり、OSと協働してHDD等へのデータの入出力を制御する、いわゆるBIOS(Binary Input/Output System)等が記憶される。HDDは、補助記憶装置であり、事務所PC3の起動時、または、必要なときにRAMにロードされるOSやアプリケーションプログラム、各種データを記憶する。HDDは、装置側免許証情報を記憶する。HDDには、車両100ごとに乗務する少なくとも1以上のドライバの免許証情報が記憶される。メモリ35は、CPU36が接続され、CPU36が利用するデータを記憶する。
【0028】
CPU36は、事務所PC3の各部を統括的に制御する中央演算装置(Central Processing Unit)である。CPU36は、周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。CPU36は、上述のように、通信部31、操作部32、表示部33、免許証情報リーダ34、およびメモリ35等が接続されており、これらとの間で種々の電気信号の入出力を行う。CPU36は、メモリ35に記憶されているプログラムを実行し、各種機能を実現するために必要な様々な処理を行う。
【0029】
CPU36は、装置側判定部の一例であり、車載器2から受信した通知情報に含まれる免許証情報が、装置側免許証情報と一致するかを判定する。また、CPU36は、装置側更新部の一例であり、装置側免許証情報と一致しないと判定した場合、免許証情報に基づいて、メモリ35に記憶された装置側免許証情報を更新する。
【0030】
次に、車載器2における処理について図4図5図7を参照して説明する。図4および図5の処理は、例えば、CPU20がメモリ12からアプリケーションプログラムを読み出して実行することによりなされるものである。
【0031】
図4において、ステップS10では、CPU20は、上述したように、車両100のイグニッションスイッチから受け付けたIGNオン信号に応じて起動して車載器2を起動状態にする。
【0032】
ステップS11では、CPU20は、免許証情報の読取を行う。CPU20は、免許証情報リーダ11を制御して、免許証情報リーダ11にかざされた車両100のドライバの免許証101から免許証情報を読み取らせる(図7)。
【0033】
ステップS12では、CPU20は、登録免許証情報との比較を行う。CPU20は、メモリ12から車載器側免許証情報を読み出し、当該車載器側免許証情報と免許証情報リーダ11で読み取った免許証情報とを比較する(図7)。
【0034】
ステップS13では、CPU20は、登録免許証情報と一致するか否かを判定する。CPU20は、メモリ12から読みだした車載器側免許証情報と、免許証情報リーダ11で読み取った免許証情報とが一致するか否かを判定する(図7)。この判定の結果、一致していると判定した場合、ステップS18へ進む。一方、一致していないと判定した場合は、ステップS14へ進む。
【0035】
ステップS14では、CPU20は、未更新フラグをONに設定する。未更新フラグは、車載器2に登録された車載器側免許証情報が更新されたか否かを示すフラグである。CPU20は、例えば、内部のレジスタにONに示す「1」を格納する。
【0036】
次に、ステップS15では、CPU20は、表示部16に候補者を表示させる。CPU20は、上述したように、免許証101による認証ができない場合に、読み取った免許証情報に該当する可能性を有する1以上のドライバの氏名を表示部16に表示させる。
【0037】
ステップS16では、CPU20は、候補者が選択されたか否かを判定する。CPU20は、操作部15による操作に応じて候補者が選択されたか否かを判定する。この判定の結果、選択されない場合はステップS15に戻り、CPU20は、表示部16による候補者の表示を継続させる。一方、選択された場合はステップS17へ進む。
【0038】
ステップS17では、CPU20は、認証処理を行う。CPU20は、例えば、ステップS16で選択された候補者の情報に基づいて認証処理を行う(図7)。
【0039】
ステップS18では、CPU20は、未更新フラグをOFFに設定して、ステップS17へ進む。CPU20は、例えば、内部のレジスタにOFFを示す「0」を格納する。
【0040】
図5において、ステップS19では、CPU20は、車両100が入庫状態か否かを判定する。CPU20は、車載器2の運行記録機能を用いて車両100が入庫状態にあるか否かを判定する。この判定の結果、入庫状態にないと判定したときはステップS19を繰り返す。一方、入庫状態にあると判定したときは、ステップS20に進む。
【0041】
ステップS20では、CPU20は、未更新フラグがONか否かを判定する。CPU20は、内部のレジスタを参照し、「1」が格納されているかを判定する。この判定の結果、「0」が格納されていると判定した場合は、本処理を終了する。一方、「1」が格納されていると判定した場合は、ステップS21へ進む。
【0042】
ステップS21では、CPU20は、事務所PC3に通知情報を送信させる。CPU20は、通信部14を制御し、免許証情報リーダ11が読み取った免許証情報、表示部16に表示された候補者から選択されたドライバの氏名情報、車両100の車両情報、および車載器情報を含む通知情報を事務所PC3に向けて送信させる(図7)。
【0043】
ステップS22では、CPU20は、更新情報を受信したか否かを判定する。CPU20は、通信部14が、ステップS21で送信した通知情報に対応する更新情報を、当該通知情報を送信した事務所PC3から受信したか否かを判定する。この判定の結果、受信していない場合は、ステップS25へ進む。一方、受信した場合は、ステップS23へ進む。
【0044】
ステップS23では、CPU20は、更新処理を実行する。CPU20は、事務所PC3から受信した更新情報に含まれる免許証情報(装置側免許証情報)に基づいて、メモリ12に記憶された車載器側免許証情報を更新し(図7)、ステップS24へ進む。
【0045】
ステップS24では、CPU20は、事務所PC3に更新結果情報を送信させる。CPU20は、通信部14を制御し、ステップS23またはステップS25で実行された処理の結果を更新結果情報として、事務所PC3に送信させる(図7)。例えば、ステップS23で実行された処理の結果では、更新結果情報として、更新が成功した旨の情報が送信される。一方、ステップS25で実行された処理の結果では、更新結果情報として、更新を中止した旨の情報が含まれる。
【0046】
ステップS25では、CPU20は、更新処理を中止する。CPU20は、メモリ12に記憶された車載器側免許証情報を更新することなく、ステップS24へ進む。
【0047】
次に、事務所PC3における処理について図6図7を参照して説明する。図6の処理は、例えば、CPU36がメモリ35からアプリケーションプログラムを読み出して実行することによりなされるものである。
【0048】
ステップS30では、CPU36は、通知情報を受信したか否かを判定する。CPU36は、通信部31にて車載器2から通知情報を受信したか否かを判定する。この判定の結果、通知情報を受信していない場合はステップS30を繰り返す。一方、通知情報を受信した場合は、ステップS31へ進む。
【0049】
ステップS31では、CPU36は、登録免許情報の比較を行う。CPU36は、メモリ35に記憶されている装置側免許証情報と、通知情報に含まれる免許証情報とを比較する(図7)。
【0050】
ステップS32では、CPU36は、登録免許証情報と一致するか否かを判定する。CPU36は、メモリ35に記憶されている装置側免許証情報と、通知情報に含まれる免許証情報とが一致するか否かを判定する(図7)。この判定の結果、一致しない場合はステップS34に進む一方、一致する場合はステップS33に進む。
【0051】
ステップS33では、CPU36は、更新処理を実行する。CPU36は、通知情報に含まれる免許証情報に基づいて、メモリ35に記憶されている装置側免許証情報を更新し(図7)、ステップS34へ進む。
【0052】
ステップS34では、CPU36は、車載器2に更新情報を送信させる。CPU36は、通信部31を制御し、装置側免許証情報を含む更新情報を車載器2に向けて送信させる(図7)。
【0053】
ステップS35では、CPU36は、更新結果情報を受信したか否かを判定する。CPU36は、通信部31が、ステップS34で送信した更新情報に対応する更新結果情報を、当該更新情報を送信した車載器2から受信したか否かを判定する。この判定の結果、更新結果情報を受信していない場合はステップS35を繰り返す。一方、更新結果情報を受信した場合はステップS36へ進む。
【0054】
ステップS36では、CPU36は、更新結果情報を指定送信先に送信して(図7)、本処理を終了する。指定送信先は、上述したように、車載器2の販売店や営業担当が含まれる。なお、本実施形態のCPU36は、車載器2から受信した更新結果情報をそのまま指定送信先に送信(転送)しているが、これに限定するものではなく、予め作成された更新結果情報を送信するように構成してもよい。
【0055】
以上説明したように、本実施形態における車載器管理システム1は、以下のように構成される。すなわち、車載器2は、免許証101から読み取った免許証情報が、車載器側免許証情報と一致するかを判定し、一致しないと判定された場合、免許証情報を含む通知情報を事務所PC3に送信し、事務所PC3から受信した更新情報に含まれる装置側免許証情報に基づいて、メモリ12に記憶された車載器側免許証情報を更新する。事務所PC3は、車載器2から受信した通知情報に含まれる免許証情報が、装置側免許証情報と一致するかを判定し、一致しないと判定した場合、免許証情報に基づいて、メモリ35に記憶された装置側免許証情報を更新し、車載器2に対して更新情報を送信する。
【0056】
上記構成により、車載器2で読み取った免許証情報に基づいて、車載器2に登録されている免許証情報を自動更新することができる。この結果、事務所PC3に記憶された装置側免許証情報が更新されていない場合には自動的に更新されるので、事務所PC3を管理する管理者による更新作業の負担を軽減することができる。また、例えば、ドライバが業務用の車両100を借りて免許証101の更新にでかけた場合、更新された免許証101を利用してその場で車載器2および事務所PC3の各登録免許証情報を更新することが可能となる。また、個人で運送業を営むドライバが営業用の車両100を使って免許証を更新する場合、更新された免許証101を利用して、車載器2および事務所PC3の登録免許証情報を共に更新することが可能となり、更新作業の負担を軽減することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態における車載器管理システム1は、装置側送信部が、装置側更新部により更新が行われた場合、更新結果情報を外部に送信する。これにより、更新結果情報が車載器2の販売店や営業担当に送信されることで、例えば、登録免許証情報が更新されなかった場合には、何が原因かを調査するために、車載器2を管理する事業者に対して迅速に連絡をとることが可能となる。この結果、販売店や営業担当が顧客である事業者に対してきめ細かいアフターサービスを提供することが可能となる。
【0058】
なお、上記実施形態では、事務所PC3は、情報処理装置としてパーソナルコンピュータを利用しているが、これに限定されるものではない。例えば、スマートフォン、携帯情報端末、タブレット型PC、ノート型PC等であってもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、車載器2は、通常、運行記録中の車載器2における各種設定の更新が困難であることから、例えば、車載器2における登録免許証情報の更新時には、車両100が入庫していることが必要となる。そのため、図5のステップS19では、CPU20が車両100の入庫状態を判定している。しかしながら、今後、運行記録中であっても、車載器2の各種設定の更新が可能になる場合もあることから、これに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0060】
1 車載器管理システム
2 車載器
3 事務所PC
4 ネットワーク
5 中継アンテナ
11,34 免許証情報リーダ
12,35 メモリ
13 GPS受信部
14,31 通信部
15,32 操作部
16,33 表示部
17 音声I/F
18 アンテナ
19 スピーカ
20,36 CPU
100 車両
101 免許証
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8