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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】動物給餌装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 5/02 20060101AFI20230221BHJP
【FI】
A01K5/02
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020536086
(86)(22)【出願日】2019-02-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 SE2019050117
(87)【国際公開番号】W WO2019160482
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2022-01-28
(31)【優先権主張番号】1850176-7
(32)【優先日】2018-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】500215931
【氏名又は名称】デラヴァル ホルディング アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ド トラバーシー, マクシム
(72)【発明者】
【氏名】カルピシュ, クシシュトフ
(72)【発明者】
【氏名】カルワキ, シモン
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特表平09-507761(JP,A)
【文献】特開2005-318804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飼料を中に収容するように構成された飼料供給ステーション(1)と、前記飼料供給ステーション(1)及び前記飼料供給ステーション(1)に隣接する領域(3)を包囲するフェンス(2)と、前記フェンス(2)に配置され、かつ開放状態と閉鎖状態の間で移動可動であるゲート(4)と、前記飼料供給ステーション(1)から飼料を受け取り、その飼料を前記フェンス(2)の外側に位置される動物給餌ステーション(6)に配送するように構成された少なくとも一つの自動移動式飼料ワゴン(5)と、前記飼料供給ステーション(1)の中に収容された飼料を前記飼料ワゴン(5)の中に積み込むように構成された少なくとも一つの飼料積み込み装置(7,8)とを含む動物給餌装置において、前記飼料ワゴン(5)が、前記飼料ワゴン(5)を前記飼料積み込み装置(7,8)に一時的に連結して、前記飼料ワゴン(5)が前記飼料積み込み装置(7,8)を移動させることを可能にするように構成された連結装置(9)を含み、
飼料ワゴン(5)は、処理ユニット(19)を与えられており、前記処理ユニット(19)は、
- 飼料積み込み装置(7,8)への飼料ワゴン(5)の連結を開始し、
- 飼料積み込み装置(7,8)が飼料ワゴン(5)に連結されている間に飼料積み込み装置(7,8)が飼料を飼料ワゴン(5)の中に積み込むことができるように、飼料ワゴン(5)と飼料積み込み装置(7,8)の動きを制御し、
- 飼料ワゴン(5)が前記ゲート(4)を通ってフェンスで包囲された領域(3)を離れるように飼料ワゴン(5)を制御する前に、飼料ワゴン(5)を飼料積み込み装置(7,8)から連結解除する
ように構成されていることを特徴とする動物給餌装置。
【請求項2】
飼料ワゴン(5)は、電気エネルギー蓄積装置(12)を含み、飼料積み込み装置(7,8)は、電気エネルギー蓄積装置(13)を含み、飼料ワゴン(5)及び飼料積み込み装置(7,8)は、飼料ワゴン(5)の電気エネルギー蓄積装置(12)と飼料積み込み装置(7,8)の電気エネルギー蓄積装置(13)との間で電気エネルギーを伝達するための手段(14,15)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の動物給餌装置。
【請求項3】
飼料ワゴン(5)は、電気エネルギー蓄積装置(12)を含み、飼料積み込み装置(7,8)は、電気モーター(26)を含み、飼料ワゴン(5)及び飼料積み込み装置(7,8)は、飼料ワゴン(5)の電気エネルギー蓄積装置(12)と飼料積み込み装置(7,8)の電気モーター(26)との間で電気エネルギーを伝達するための手段(14,15)を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の動物給餌装置。
【請求項4】
飼料ワゴン(5)は、飼料を収容するように構成されたコンテナ(16)を含み、前記コンテナ(16)の中にミキサー装置(17)が配置されており、飼料ワゴン(5)は、飼料ワゴン(5)がゲート(4)を通過したことの検出を可能にするように構成された位置決定手段(20)を与えられていること、及び飼料ワゴン(5)は、処理ユニット(19)を与えられており、前記処理ユニット(19)は、位置決定手段(20)によってフェンスで包囲された領域(3)からの飼料ワゴン(5)のゲート(4)の通過を検出したことに反応して、ミキサー装置(17)を不活性化するように構成されていることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載の動物給餌装置。
【請求項5】
飼料供給ステーション(1)は、第一の種類の飼料を収容するように構成された第一サブステーション(1a)と、第二の種類の飼料を収容するように構成された第二サブステーション(1b)とに壁によって小分けされており、
動物給餌装置は、前記第一の種類の飼料を前記第一サブステーション(1a)から飼料ワゴン(5)の中に積み込むように構成された第一飼料積み込み装置(7)、及び前記第二の種類の飼料を前記第二サブステーション(1b)から飼料ワゴン(5)の中に積み込むように構成された第二飼料積み込み装置(8)を含み、
飼料ワゴン(5)は、処理ユニット(19)を含み、前記処理ユニット(19)は、
- 前記連結装置(9)によって飼料ワゴン(5)を第一飼料積み込み装置(7)に接続するように飼料ワゴン(5)を制御し、
- 第一飼料積み込み装置(7)が飼料ワゴン(5)に接続されている間に第一飼料積み込み装置(7)が第一サブステーション(1a)から飼料ワゴン(5)の中に飼料を積み込むことができるように、飼料ワゴン(5)とそこに接続された第一飼料積み込み装置(7)の動きを制御し、
飼料ワゴン(5)を第一飼料積み込み装置(7)から接続解除し、
- 前記連結装置(9)によって飼料ワゴン(5)を第二飼料積み込み装置(8)に接続するように飼料ワゴン(5)を制御し、
- 第二飼料積み込み装置(8)が飼料ワゴン(5)に接続されている間に第二飼料積み込み装置(8)が第二サブステーション(1b)から飼料ワゴン(5)の中に飼料を積み込むことができるように、飼料ワゴン(5)とそこに接続された第二飼料積み込み装置(8)の動きを制御し、
飼料ワゴン(5)を第二飼料積み込み装置(8)から接続解除する
ように構成されていることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載の動物給餌装置。
【請求項6】
飼料ワゴン(5)は、飼料を収容するように構成されたコンテナ(16)を含み、飼料積み込み装置(7,8)は、飼料ワゴン(5)が飼料積み込み装置(7,8)に接続されている間に飼料ワゴン(5)が立っている床の高さから、飼料がコンテナ(16)の中に積み込まれる、より高い高さへと飼料を移動させるように構成されていることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載の動物給餌装置。
【請求項7】
飼料積み込み装置(7,8)は、第一ロール(21)及び第二ロール(22)、及び前記第一ロール(21)及び第二ロール(22)のまわりに配置されたエンドレスベルト(23)を含むこと、飼料積み込み装置(7,8)が前記連結装置(9)によって飼料ワゴン(5)に接続されたとき、前記二つのロールのうちの第一ロール(21)は、前記床の高さにあり、前記二つのロールのうちの第二ロール(22)は、開口の高さに又は開口の高さより上にあり、前記開口を通して飼料が飼料ワゴン(5)の中に積み込まれること、及び前記床の上に配置された飼料が第一ロール(21)の高さでエンドレスベルト(23)によって把持されて、飼料がコンテナ(16)中に落下される第二ロール(22)の領域へとエンドレスベルト(23)によって移動されるように、エンドレスベルト(23)は、前記第一ロール(21)及び第二ロール(22)のまわりを移動するように構成されていることを特徴とする、請求項に記載の動物給餌装置。
【請求項8】
連結装置は、磁気連結装置(9)であること、及び少なくとも飼料ワゴン(5)の外部表面が、磁気連結装置(9)の領域に凹所を含むことを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載の動物給餌装置。
【請求項9】
連結装置は、空気圧装置を含み、それによって飼料ワゴン(5)は、飼料積み込み装置(7,8)に接続されていること、及び飼料ワゴン(5)は、空気圧装置の領域に凹所を含むことを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載の動物給餌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飼料を中に収容するように構成された飼料供給ステーションと、前記飼料供給ステーション及び前記飼料供給ステーションに隣接する領域を包囲するフェンスと、前記フェンスに配置され、かつ開放状態と閉鎖状態の間で移動可動であるゲートと、前記飼料供給ステーションから飼料を受け取り、その飼料を前記フェンスの外側に位置される動物給餌ステーションに配送するように構成された少なくとも一つの自動移動式飼料ワゴンと、前記飼料供給ステーションの中に収容された飼料を前記飼料ワゴンの中に積み込むように構成された少なくとも一つの飼料積み込み装置とを含む動物給餌装置に関する。
【0002】
動物給餌ステーションは、動物に飼料を提供するように配置されたいずれかの好適な装置(かいば桶、容器、飼料テーブルなど)であるものとして言及されることができ、一群の動物又は個々の動物に給餌するように配置されることができる。動物給餌ステーションは、飼料が動物に提供される専用の領域又は床のような単純なものであってもよい。
【背景技術】
【0003】
上述のタイプの動物給餌装置は、酪農農場の分野において、特にウシ搾乳装置の分野において多く使用されるようになってきている。
【0004】
上述のタイプの動物給餌装置は、NL 1040480に開示されている。飼料積み込み装置を有する移動可能な飼料ワゴンは、飼料供給ステーションから飼料を回収して、フェンスで包囲された領域を離れて、この領域の外側にある動物給餌ステーションに飼料を配送するように構成されている。フェンスで包囲された領域の外側の領域は、動物及び人間の両方が存在する可能性のある領域である。この領域では、飼料ワゴンや飼料積み込み装置と動物又は人間との間の衝突又は他の物理的相互作用が生じうる。
【0005】
本発明の目的は、動物及び/又は人間が頻繁に存在する領域を自動移動式飼料ワゴンが移動するように構成された装置で生じうる安全性の問題に対処する動物給餌装置を提供することである。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、飼料ワゴンが、前記飼料ワゴンを飼料積み込み装置に一時的に連結して、前記飼料ワゴンが前記飼料積み込み装置を移動させることを可能にするように構成された連結装置を含むことを特徴とする、冒頭に規定された動物給餌装置によって達成される。
【0007】
従って、飼料ワゴンは、動物及び/又は人間が頻繁に存在する可能性が高い領域を飼料ワゴンが移動するときに、飼料積み込み装置に必ずしも接続される必要がない。代わりに、飼料積み込み装置は、飼料ワゴンがかかる領域中を移動するときに接続解除されて、好適な場所に残されることができる。その意図される目的の結果として、飼料積み込み装置は、動物及び人間の両方を容易に傷つける可能性のある部品を備えることができ、その飼料積み込み装置を一時的に接続解除する可能性は、安全性を追加する。本発明は、飼料ワゴンがフェンスで包囲された領域の外に移動するときに、飼料積み込み装置が飼料ワゴンから接続解除されて前記領域中に残される操作を促進する。
【0008】
一つの実施形態によれば、飼料ワゴンは、電気エネルギー蓄積装置を含み、飼料積み込み装置は、電気エネルギー蓄積装置を含み、飼料ワゴン及び飼料積み込み装置は、飼料ワゴンの電気エネルギー蓄積装置と飼料積み込み装置の電気エネルギー蓄積装置との間で電気エネルギーを伝達するための手段を含む。それにより、その時点で飼料ワゴンと飼料積み込み装置のうちの多い電気エネルギーを有する方が、飼料ワゴンと飼料積み込み装置のうちの電気エネルギーが不足している方に電気エネルギーを伝達することができる。
【0009】
一つの実施形態によれば、飼料ワゴンは、電気エネルギー蓄積装置を含み、飼料積み込み装置は、電気モーターを含み、飼料ワゴン及び飼料積み込み装置は、飼料ワゴンの電気エネルギー蓄積装置と飼料積み込み装置の電気モーターとの間で電気エネルギーを伝達するための手段を含む。
【0010】
好ましくは、しかし必須ではないが、電気エネルギー伝達手段は、飼料ワゴンの電気エネルギー蓄積装置と飼料積み込み装置の電気エネルギー蓄積装置又は電気モーターとの間で電気エネルギーを無線で伝達するように構成された装置を含む。それにより、飼料ワゴンから突出する電気接続装置であって、飼料ワゴンと接触する動物にとって安全性の点でのリスクとなりうる電気接続装置の使用が回避されることができる。
【0011】
一つの実施形態によれば、
飼料ワゴンは、処理ユニットを与えられており、前記処理ユニットは、
- 飼料ワゴンの積み込みが実行されるべきであることを決定し、
- 飼料積み込み装置への飼料ワゴンの連結を開始し、
- 飼料積み込み装置が飼料ワゴンに連結されている間に飼料積み込み装置が飼料を飼料ワゴンの中に積み込むことができるように、飼料ワゴンと飼料積み込み装置の動きを制御し、
- 飼料ワゴンが前記ゲートを通ってフェンスで包囲された領域を離れるように飼料ワゴンを制御する前に、飼料ワゴンを飼料積み込み装置から連結解除する
ように構成されている。
【0012】
処理ユニットは、いずれかの好適な処理ユニットであることができ、飼料ワゴンのモーター(好ましくは電気モーター)の作動を制御するように構成されたソフトウェアとハードウェアを含むことができる。好ましくは、飼料ワゴンは、Ultra Wide Band(UWB)RTLSと相互作用するタグなどの位置検出手段を与えられることができる。かかる位置検出手段は、処理ユニットが飼料ワゴンの位置に関する情報を、好ましくは前記UWB RTLSから得ることを可能とするように構成されている。処理ユニットは、飼料積み込み装置を接続解除して予め決められた場所に待機させるように構成されるべきであり、しかも外部の補助なしでその場所を見つけて飼料積み込み装置を再接続するように構成されるべきである。飼料積み込み装置はまた、飼料ワゴンが飼料積み込み装置を見つけて必要な場合は再接続することを可能にする位置識別手段を備えている。
【0013】
一つの実施形態によれば、飼料ワゴンは、飼料を収容するように構成されたコンテナを含み、前記コンテナの中にミキサー装置が配置されており、飼料ワゴンは、飼料ワゴンがゲートを通過したことの検出を可能にするように構成された位置決定手段を与えられており、飼料ワゴンは、処理ユニットを与えられており、前記処理ユニットは、位置決定手段によってフェンスで包囲された領域からの飼料ワゴンのゲートの通過を検出したことに反応して、ミキサー装置を不活性化するように構成されている。
【0014】
一つの実施形態によれば、位置決定手段は、送信機を含む。かかる送信機は、好ましくは、いわゆるタグであり、送信機を与えられた装置(この場合は、飼料ワゴン)の位置を決定する/得る目的のために、例えばRF、赤外線、又は超音波周波数範囲などを使用するRTLS(実時間位置決定システム、Real Time Location System)に接続されている。好ましくは、RTLSシステムは、Ultra Wide Band RTLSである。他の位置センサーも、使用可能であり、かつ本願の特許請求の範囲内である。
【0015】
ミキサーの不活性化は、安全性のための措置である。なぜなら、ミキサーは、動物又は人間によって到達されうるように配置され、かつ切断ナイフなどの可動部品を含みうるからである。一つの実施形態によれば、ミキサー装置は、飼料ワゴンの底部に与えられた回転ナイフであり、飼料ワゴンのコンテナは、開口を有し、その開口を通して、ミキサー装置は、動物又は人間によって到達されうる。開口は、飼料積み込み装置からの飼料を受け取るために、コンテナの上部に形成された開口であることができる。
【0016】
一つの実施形態によれば、
飼料供給ステーションは、第一の種類の飼料を収容するように構成された第一サブステーションと、第二の種類の飼料を収容するように構成された第二サブステーションとに壁によって小分けされており、
動物給餌装置は、前記第一の種類の飼料を前記第一サブステーションから飼料ワゴンの中に積み込むように構成された第一飼料積み込み装置、及び前記第二の種類の飼料を前記第二サブステーションから飼料ワゴンの中に積み込むように構成された第二飼料積み込み装置を含み、
飼料ワゴンは、処理ユニットを含み、前記処理ユニットは、
- 前記連結装置によって飼料ワゴンを第一飼料積み込み装置に接続するように飼料ワゴンを制御し、
- 第一飼料積み込み装置が飼料ワゴンに接続されている間に第一飼料積み込み装置が第一サブステーションから飼料ワゴンの中に飼料を積み込むことができるように、飼料ワゴンとそこに接続された第一飼料積み込み装置の動きを制御し、
飼料ワゴンを第一飼料積み込み装置から接続解除し、
- 前記連結装置によって飼料ワゴンを第二飼料積み込み装置に接続するように飼料ワゴンを制御し、
- 第二飼料積み込み装置が飼料ワゴンに接続されている間に第二飼料積み込み装置が第二サブステーションから飼料ワゴンの中に飼料を積み込むことができるように、飼料ワゴンとそこに接続された第二飼料積み込み装置の動きを制御し、
飼料ワゴンを第二飼料積み込み装置から接続解除する
ように構成されている。
【0017】
かかる構成によって、異なる飼料積み込み装置が、積み込まれることを想定されている飼料の物理的特性に関して最適化されることができる。もし一つ以上の飼料ワゴンがあるのなら、複数の飼料積み込み装置を与えることはまた、平行したかつ同時の積み込み操作を提供する。
【0018】
一つの実施形態によれば、飼料ワゴンは、飼料を収容するように構成されたコンテナを含み、飼料積み込み装置は、飼料ワゴンが飼料積み込み装置に接続されている間に飼料ワゴンが立っている床の高さから、飼料がコンテナの中に積み込まれる、より高い高さへと飼料を移動させるように構成されている。
【0019】
他の解決策も本発明の幅広い範囲内で可能であるが、原則として床レベルから飼料を取ることは、費用効果的であり、かつ飼料積み込み装置の複雑でない設計を可能にする。一方、高い積み重ねからの飼料、又は飼料の高い形態は、高い位置から飼料を取るための手段を飼料積み込み装置に与えることなしに飼料積み込み装置によって取られることができ、飼料は、床の上に放置されたり、床レベルで古くなることを防止される。
【0020】
一つの実施形態によれば、飼料積み込み装置は、第一ロール及び第二ロール、及び前記第一ロール及び第二ロールのまわりに配置されたエンドレスベルトを含み、飼料積み込み装置が前記連結装置によって飼料ワゴンに接続されたとき、前記二つのロールのうちの第一ロールは、前記床の高さにあり、前記二つのロールのうちの第二ロールは、開口の高さに又は開口の高さより上にあり、前記開口を通して飼料が飼料ワゴンの中に積み込まれ、前記床の上に配置された飼料が第一ロールの高さでエンドレスベルトによって把持されて、飼料がコンテナ中に落下される第二ロールの領域へとエンドレスベルトによって移動されるように、エンドレスベルトは、前記第一ロール及び第二ロールのまわりを移動するように構成されている。
【0021】
飼料の把持のために、ベルトは、リブなどの突出要素を与えられてもよい。かかる突出要素は、ベルトの長手方向に対して垂直に延びることができる。
【0022】
一つの実施形態によれば、連結装置は、磁気連結装置であり、少なくとも飼料ワゴンの外部表面が、平坦であるか又は磁気連結装置の領域に凹所を含む。それによって、飼料ワゴンと飼料積み込み装置の間の接続は、飼料ワゴンと飼料積み込み装置の間にわずかな整列のずれがある場合でも達成されることができる。かかる整列のずれは、飼料ワゴン又は飼料積み込み装置のいずれかの車輪又は地面を覆う汚れ又は粘土によって生じうる。飼料ワゴンにいかなる突出連結部分を与えないことによる安全面の理由も、その背後には存在する。
【0023】
代替的な実施形態によれば、連結装置は、空気圧装置を含み、それによって飼料ワゴンは、飼料積み込み装置に接続されており、飼料ワゴンは、平坦であるか又は空気圧装置の領域に凹所を含む。この場合にも、飼料ワゴンにいかなる突出連結部分を与えないことによる安全面の理由が、その背後には存在する。
【0024】
他の利点及び追加の新規な特徴は、続く詳細な記述から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の実施形態は、添付図面を参照してさらに詳細に記載されるだろう。
【0026】
図1図1は、上から見た、本発明の一つの実施形態による動物給餌装置の模式図である。
【0027】
図2図2は、本発明の一つの実施形態による飼料ワゴン及び飼料積み込み装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、飼料を中に収容するように構成された飼料供給ステーション1と、前記飼料供給ステーション1及び前記飼料供給ステーション1に隣接する領域3を包囲するフェンス2と、前記フェンス2に配置され、かつ開放状態と閉鎖状態の間で移動可動であるゲート4と、前記飼料供給ステーション1から飼料を受け取り、その飼料を前記フェンス2によって包囲された領域3の外側に位置される動物給餌ステーション6に配送するように構成された少なくとも一つの自動移動式飼料ワゴン5と、前記飼料供給ステーション1の中に収容された飼料を前記飼料ワゴン5の中に積み込むように構成された二つの飼料積み込み装置7,8とを含む動物給餌装置を示す。動物給餌ステーションは、動物に飼料を提供するように配置されたいずれかの好適な装置(かいば桶、容器、飼料テーブルなど)であるものとして言及されることができ、一群の動物又は個々の動物に給餌するように配置されることができることは理解されるべきである。動物給餌ステーションは、飼料が動物に提供される専用の領域又は床のような単純なものであってもよい。前記飼料ワゴン5は、前記飼料ワゴン5を前記飼料積み込み装置7,8のいずれかに一時的に連結して、前記飼料ワゴン5がそれに接続されている前記飼料積み込み装置7,8を移動させることを可能にするように構成された連結装置9を含む。それぞれの飼料積み込み装置7,8はまた、飼料ワゴン5と飼料積み込み装置7,8との間の接続を確立するために、飼料ワゴン5の連結装置9と相互作用するように構成された連結装置10を含む。示された実施形態では、飼料ワゴン5の連結装置9は、電磁石を含む。それぞれの飼料積み込み装置7,8の連結装置10は、磁性材料の本体であることができ、これは、電磁石9によって影響を受けることができる。連結装置9,10は、電磁石(かかる設計においては、活性部分)が飼料積み込み装置に配置され、磁性材料の本体が飼料ワゴン5に配置されるように反転されることができる。
【0029】
自動移動式飼料ワゴン5は、エンジン11を含む。このエンジン11は、いかなる種類の好適なエンジンであることもできるが、示された実施形態では、電気エンジンである。それはまた、電気アキュムレーターによって形成された電気エネルギー蓄積装置12を含む。飼料積み込み装置も、電気エネルギー蓄積装置13を含む。飼料ワゴン5の電気エネルギー蓄積装置12と飼料積み込み装置の電気エネルギー蓄積装置13の間で電気エネルギーを伝達するための手段14,15が与えられている。電気エネルギーを伝達するように構成されたこれらの手段14,15は、いかなる種類のものであることもできるが、これらの手段14,15は、飼料ワゴン5から、及び飼料積み込み装置7,8から突出する要素、特に、動物がしばしば存在する領域中を移動するように構成された飼料ワゴン5から突出する要素を含んでいないことが好ましい。示された実施形態では、これらの手段14,15は、電気エネルギーの誘導伝達、つまり、電気エネルギーの無線伝達のための装置を含む。
【0030】
示された実施形態は、飼料積み込み装置は、電気モーター26を含み、電気エネルギー蓄積装置12,13の間で電気エネルギーを伝達するための手段14,15はまた、飼料ワゴンの電気エネルギー蓄積装置12から飼料積み込み装置7,8の電気モーター26へと電気エネルギーを伝達するように構成されている。
【0031】
飼料ワゴン5はまた、コンテナ16を与えられており、このコンテナ16の中に、飼料積み込み装置7,8が、飼料ワゴン5の上部に形成された開口から飼料を積み込むように構成されている。飼料ワゴン5は、コンテナ16の内側の底部に、ミキサー装置17を含む。このミキサー装置17は、回転ナイフを含む。飼料ワゴン5は、コンテナの底部のミキサー装置17の下に、飼料配送装置18を含み、これは、図2に模式的に示されている。例示的な実施形態では、飼料配送装置18は、コンテナ16の底部に配置されたエンドレスベルト、及びコンテナ16の横側に形成された開口を含む。エンドレスベルトは、コンテナ16から前記開口を通して飼料を外に運搬するように構成されている。示唆されたエンドレスベルトの代替として、飼料配送装置18は、レーキなどを含むことができ、このレーキなどによって、飼料がコンテナ16の外に運搬されることができる。飼料配置装置18を駆動するために、電気エンジンなどの好適な駆動手段が与えられている。
【0032】
飼料ワゴン5は、データ処理ユニット19を含み、このデータ処理ユニット19は、飼料ワゴン5の電気モーター11、及び飼料積み込み装置7,8の電気モーター16、及び飼料配送装置18及び/又はミキサー装置17を駆動する他の駆動手段(電気モーターなど)に接続されて、これらの作動を制御するように構成されている。データ処理ユニット19はまた、連結装置9,10の作動、及び電気エネルギーの伝達のための手段14,15の作動を制御する。データ処理ユニット19は、飼料ワゴン5、飼料積み込み装置7,8、飼料供給ステーション1、及び動物給餌ステーションの位置を決定する及び/又は得るように構成されており、それらの位置に基づいて飼料ワゴン5の動きを制御する。飼料ワゴン5は、また、位置決定手段20を与えられており、この位置決定手段20は、少なくとも飼料ワゴンが相互作用するように構成されている装置の本質的な部分(例えば、飼料供給ステーション1、ゲート4、動物給餌ステーション6、飼料積み込み装置7,8)に関して、飼料ワゴンの位置を決定することができるように構成されている。好ましくは、位置決定手段20は、RTLS(実時間位置決定システム、Real Time Location System)に接続された送信機(タグ)であり、好ましくは、RTLSシステムは、Ultra Wide Band RTLSである。データ処理ユニット19は、位置決定手段20が接続されているRTLSシステムからの飼料ワゴン5の位置情報に基づいて、飼料ワゴン5の様々な装置を制御するように構成されている。
【0033】
従って、前記処理ユニット19は、
- 飼料ワゴン5の積み込みが実行されるべきであることを決定し、
- 飼料積み込み装置7,8への飼料ワゴン5の連結を開始し、
- 飼料積み込み装置7,8が飼料ワゴン5に連結されている間に飼料積み込み装置7,8が飼料を飼料ワゴン5の中に積み込むことができるように、飼料ワゴン5と飼料積み込み装置7,8の動きを制御し、
- 飼料ワゴン5が前記ゲート4を通ってフェンスで包囲された領域3を離れるように飼料ワゴン5を制御する前に、飼料ワゴン5を飼料積み込み装置7,8から連結解除する
ように構成されている。
【0034】
示された実施形態では、飼料供給ステーション1は、第一の種類の飼料を収容するように構成された第一サブステーション1aと、第二の種類の飼料を収容するように構成された第二サブステーション1bとに壁によって小分けされている。動物給餌装置は、前記第一の種類の飼料を前記第一サブステーション1aから飼料ワゴン5の中に積み込むように構成された第一飼料積み込み装置7、及び前記第二の種類の飼料を前記第二サブステーション1bから飼料ワゴン5の中に積み込むように構成された第二飼料積み込み装置8を含む。処理ユニット19は、前記連結装置9によって飼料ワゴン5を第一飼料積み込み装置7に接続するように飼料ワゴン5を制御し、第一飼料積み込み装置7が飼料ワゴン5に接続されている間に第一飼料積み込み装置7が第一サブステーション1aから飼料ワゴン5の中に飼料を積み込むことができるように、飼料ワゴン5とそこに接続された第一飼料積み込み装置7の動きを制御し、飼料ワゴン5を第一飼料積み込み装置7から接続解除するように構成されている。予めプログラムされた飼料混合物のうちのどれが動物給餌ステーション6に配送されるべきかに依存して、処理ユニット19は、前記連結装置9によって飼料ワゴン5を第二飼料積み込み装置8に接続するように飼料ワゴン5を制御し、第二飼料積み込み装置8が飼料ワゴン5に接続されている間に第二飼料積み込み装置8が第二サブステーション1bから飼料ワゴン5の中に飼料を積み込むことができるように、飼料ワゴン5とそこに接続された第二飼料積み込み装置8の動きを制御し、飼料ワゴン5を第二飼料積み込み装置8から接続解除することができる。もちろん、さらなる飼料積み込み装置及び飼料サブステーションが、フェンスで包囲された領域3の内側に与えられてもよいことが言及されるべきである。飼料の積み込みが終了すると、処理ユニット19は、飼料ワゴン5がゲート4を通って出て動物給餌ステーション6へと移動することができるように、ゲート4の開放をトリガするように構成されることができ、そこで、処理ユニット19は、飼料ワゴン5から動物給餌ステーション6への飼料の配送を、飼料配送装置18の制御を介して制御するように構成されている。
【0035】
飼料ワゴン5は、送信機と相互作用するRTLSによって、飼料ワゴン5がゲート4を通過したことの検出を可能にするように構成された少なくとも一つの位置決定手段20(好ましくは、送信機)を与えられている。処理ユニット19は、フェンスで包囲された領域3からの飼料ワゴン5のゲート4の通過を検出した前記RTLSに反応して、ミキサー装置17を不活性化するように構成されている。
【0036】
次に、飼料積み込み装置7,8について、より詳細に記述する。飼料積み込み装置7,8は、第一ロール21及び第二ロール22、及び前記第一ロール21及び第二ロール22のまわりに配置されたエンドレスベルト23を含む。飼料積み込み装置7,8が前記連結装置9,10によって飼料ワゴン5に接続されたとき、前記二つのロールのうちの第一ロール21は、飼料ワゴン5及び飼料積み込み装置7,8が立っている床の高さにある。前記二つのロールのうちの第二ロール22は、開口の高さに又は開口の高さより上にあり、前記開口を通して飼料が飼料ワゴン5の中に積み込まれる。前記床の上に配置された飼料が第一ロール21の高さでエンドレスベルト23によって把持されて、飼料がコンテナ16中に落下される第二ロール22の領域へとエンドレスベルト23によって移動されるように、エンドレスベルト23は、前記第一ロール21及び第二ロール22のまわりを移動するように構成されている。ベルト23は、リブなどの突出要素34を与えられている。かかる突出要素34は、ベルト23の長手方向に対して垂直に延び、ベルト23が飼料を運搬する能力を改善する。飼料積み込み装置7,8の下端には、刃25がまた与えられている。この刃25は、床に対して傾斜しており、飼料供給ステーション1の床に配置された飼料の塊に向かって、そしてこの塊の中に飼料積み込み装置7,8が前進するにつれて飼料積み込み装置がエンドレスベルト23に向かって飼料を押すことを可能にする。飼料積み込み装置の電気モーター26は、エンドレスベルト23を駆動させるためにローラー21,22のうちのいずれか一方を駆動するように構成されている。好ましくは、処理ユニット19は、飼料積み込み装置7,8の電気モーター26の作動を制御する。
図1
図2