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特許7231636注入ポンプ・システム用モジュール・コネクタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】注入ポンプ・システム用モジュール・コネクタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/142 20060101AFI20230221BHJP
   A61M 5/168 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
A61M5/142
A61M5/168
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020543553
(86)(22)【出願日】2019-02-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-03
(86)【国際出願番号】 US2019017975
(87)【国際公開番号】W WO2019161033
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2022-01-31
(31)【優先権主張番号】62/710,567
(32)【優先日】2018-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グッド、リー アラン
(72)【発明者】
【氏名】ダッジ、サンティアゴ ロマン
(72)【発明者】
【氏名】トロ、ダニエル アレキシ
(72)【発明者】
【氏名】ムーア、オースティン
(72)【発明者】
【氏名】シェーベ、エリック ダブリュー.
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-145706(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第10048763(DE,A1)
【文献】特表2002-505598(JP,A)
【文献】特開2017-156638(JP,A)
【文献】特開2014-135184(JP,A)
【文献】米国特許第03080544(US,A)
【文献】米国特許第05718562(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/142
A61M 5/168
H01R 13/66
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式医療用デバイス向けのコネクタ・アセンブリであって、
本体と、
前記本体に配設され、複数の電気接点を有するプリント回路と、
前記本体に取り付けられるように構成され、中央開口部を備えるフレームと、
前記中央開口部に配設されたエラストマー封止構造体と、
複数の接点であって、それぞれが前記エラストマー封止構造体に封止式に配設され、それぞれが前記プリント回路の前記電気接点のうちの対応する1つに接触して配置され、それぞれが前記エラストマー封止構造体の変形時に可動である、複数の接点と
を備えるコネクタ・アセンブリ。
【請求項2】
前記複数の接点のそれぞれが、前記エラストマー封止構造体の開口部に配設されたリベットを備える、請求項1に記載のコネクタ・アセンブリ。
【請求項3】
前記プリント回路の前記複数の電気接点のそれぞれが、前記リベットのうちの対応する1つによって圧縮可能であるポゴピンを備える、請求項2に記載のコネクタ・アセンブリ。
【請求項4】
前記プリント回路の前記複数の電気接点のそれぞれが、前記リベットのうちの対応する1つによって圧縮可能である板ばねを備える、請求項2に記載のコネクタ・アセンブリ。
【請求項5】
前記複数の接点のそれぞれが、前記エラストマー封止構造体の開口部に配設されたポゴピンを備える、請求項1に記載のコネクタ・アセンブリ。
【請求項6】
前記コネクタ・アセンブリが雄コネクタ・アセンブリを備え、前記雄コネクタ・アセンブリが、対応する雌コネクタ・アセンブリに機械的に結合するように前記フレームから突出した雄ハンガー構造体の対をさらに備える、請求項1に記載のコネクタ・アセンブリ。
【請求項7】
前記コネクタ・アセンブリが、雌ハンガー構造体の対をさらに備える雌コネクタ・アセンブリを備え、それぞれの前記雌ハンガー構造体が、対応する雄コネクタ・アセンブリに機械的に結合するための凹部を前記フレームに含む、請求項1に記載のコネクタ・アセンブリ。
【請求項8】
前記フレームに、持ち上がり防止構造体の対をさらに備える、請求項7に記載の雌コネクタ・アセンブリ。
【請求項9】
前記持ち上がり防止構造体のそれぞれが、前記雌コネクタ・アセンブリと、対応する前記雄コネクタ・アセンブリとを水平方向に位置合わせするように構成された先細り部を備える、請求項8に記載の雌コネクタ・アセンブリ。
【請求項10】
前記エラストマー封止構造体が、押込み可能な複数のドームを備え、それぞれのドームが、前記複数の接点のうちの1つを収容する、請求項1に記載のコネクタ・アセンブリ。
【請求項11】
前記エラストマー封止構造体が、前記複数の接点の周りに延在する周囲封止部を備える、請求項1に記載のコネクタ・アセンブリ。
【請求項12】
前記周囲封止部が、排水用隙間を備える、請求項11に記載のコネクタ・アセンブリ。
【請求項13】
前記本体が、長手方向の位置合わせ特徴部を備える、請求項1に記載のコネクタ・アセンブリ。
【請求項14】
制御ユニットと、
少なくとも1つの導電性締め具によって前記制御ユニットに取り付けられるモジュールであって、
本体、
前記本体に配設され、複数の電気接点を有するプリント回路、
前記本体に取り付けられるように構成され、中央開口部を備えるフレーム、
前記中央開口部に配設されたエラストマー封止構造体、及び
複数の接点であって、それぞれが前記エラストマー封止構造体に封止式に配設され、それぞれが前記プリント回路の前記電気接点のうちの対応する1つに接触して配置され、それぞれが前記エラストマー封止構造体の変形時に可動である、複数の接点を備えるコネクタ・アセンブリを含むモジュールと
を備える注入システム。
【請求項15】
前記コネクタ・アセンブリを前記制御ユニットの対応するコネクタ・アセンブリに結合することにより、前記注入システムの前記制御ユニットに機械的且つ電気的に結合するように構成されたポンプ・モジュールを、前記モジュールがさらに備える、請求項14に記載の注入システム。
【請求項16】
前記ポンプ・モジュールの前記コネクタ・アセンブリが、雌コネクタ・アセンブリを備え、前記制御ユニットの前記対応するコネクタ・アセンブリが、雄コネクタ・アセンブリを備える、請求項15に記載の注入システム。
【請求項17】
前記注入システム用の追加モジュールをさらに備え、前記追加モジュールが、
前記追加モジュールを前記ポンプ・モジュールの雄コネクタ・アセンブリに機械的且つ電気的に結合するように構成された雌コネクタ・アセンブリと、
前記追加モジュールを前記制御ユニットの雌コネクタ・アセンブリに機械的且つ電気的に結合するように構成された雄コネクタ・アセンブリと
を有する、請求項15に記載の注入システム。
【請求項18】
前記追加モジュールが、IVポンプ・モジュール、シリンジ・モジュール、患者監視モジュール、又はデータ収集モジュールを備える、請求項17に記載の注入システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、注入による医療用流体の投与に関し、詳細には、注入ポンプ・システム用モジュール・コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
注入ポンプは、薬物、流体、及び/又は栄養分を患者に正確に投与するためのデバイスとして、医療業界内で普及してきている。IV流体の流れを制御するための簡単なローラ・クランプを有する、高い位置の流体容器を使用する従来の方法に比べて、ポンプを使用することによって、患者への流体の送達量及び送達速度をより厳密に、一貫して制御できるようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
注入ポンプを使用して、複数の流体の注入を制御し、且つ/又は注入中及び/若しくは注入と注入の間に、患者の特徴を監視することが望ましい場合がある。しかし、制御可能な様々なポンプ・モジュール、生理学的監視モジュール、及びデータ収集モジュールを、機械的且つ電気的に結合して注入システムを形成するのは、困難でありうる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
開示する主題は、モジュール式医療用デバイスのコネクタ・アセンブリに関する。特定の実施例では、コネクタ・アセンブリであって、本体と、本体に配設され、複数の電気接点を有するプリント回路と、本体に取り付けられるように構成され、中央開口部を備えるフレームと、中央開口部に配設されたエラストマー封止構造体と、複数の接点であって、それぞれがエラストマー封止構造体に封止式に配設され、それぞれがプリント回路の電気接点のうちの対応する1つに接触して配置され、それぞれがエラストマー封止構造体の変形時に可動である、複数の接点とを備えるコネクタ・アセンブリが開示される。
【0005】
実施例は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含んでもよい。複数の接点のそれぞれが、エラストマー封止構造体の開口部に配設されたリベットを含む、コネクタ・アセンブリ。プリント回路の複数の電気接点のそれぞれが、リベットのうちの対応する1つによって圧縮可能であるポゴピンを含む、コネクタ・アセンブリ。プリント回路の複数の電気接点のそれぞれが、リベットのうちの対応する1つによって圧縮可能である板ばねを含む、コネクタ・アセンブリ。複数の接点のそれぞれが、エラストマー封止構造体の開口部に配設されたポゴピンを含む、コネクタ・アセンブリ。コネクタ・アセンブリが雄コネクタ・アセンブリを含み、雄コネクタ・アセンブリが、対応する雌コネクタ・アセンブリに機械的に結合するようにフレームから突出した雄ハンガー構造体の対をさらに含む、コネクタ・アセンブリ。コネクタ・アセンブリが、雌ハンガー構造体の対をさらに備える雌コネクタ・アセンブリを含み、それぞれの雌ハンガー構造体が、対応する雄コネクタ・アセンブリに機械的に結合するための凹部をフレームに含む、コネクタ・アセンブリ。持ち上がり防止構造体の対をフレームに含む、雌コネクタ・アセンブリ。持ち上がり防止構造体のそれぞれが、雌コネクタ・アセンブリと、対応する雄コネクタ・アセンブリとを水平方向に位置合わせするように構成された先細り部を含む、雌コネクタ・アセンブリ。エラストマー封止構造体が、押込み可能な複数のドームを含み、それぞれのドームが、複数の接点のうちの1つを収容する、コネクタ・アセンブリ。エラストマー封止構造体が、複数の接点の周りに延在する周囲封止部を含む、コネクタ・アセンブリ。周囲封止部が排水用隙間を含む、コネクタ・アセンブリ。本体が長手方向の位置合わせ特徴部を含む、コネクタ・アセンブリ。
【0006】
特定の実施例では、制御ユニットと、少なくとも1つの導電性締め具によって制御ユニットに取り付けられるモジュールであって、本体、本体に配設され、複数の電気接点を有するプリント回路、本体に取り付けられるように構成され、中央開口部を備えるフレーム、中央開口部に配設されたエラストマー封止構造体、及び複数の接点であって、それぞれがエラストマー封止構造体に封止式に配設され、それぞれがプリント回路の電気接点のうちの対応する1つに接触して配置され、それぞれがエラストマー封止構造体の変形時に可動である、複数の接点を備えるコネクタ・アセンブリを含むモジュールとを備える注入システムが開示される。
【0007】
実施例は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含んでもよい。コネクタ・アセンブリを制御ユニットの対応するコネクタ・アセンブリに結合することにより、注入システムの制御ユニットに機械的且つ電気的に結合するように構成されたポンプ・モジュールを、モジュールがさらに含む、注入システム。ポンプ・モジュールのコネクタ・アセンブリが、雌コネクタ・アセンブリを含み、制御ユニットの対応するコネクタ・アセンブリが、雄コネクタ・アセンブリを含む、注入システム。注入システム用の追加モジュールをさらに含む注入システムであって、追加モジュールが、追加モジュールをポンプ・モジュールの雄コネクタ・アセンブリに機械的且つ電気的に結合するように構成された雌コネクタ・アセンブリと、追加モジュールを制御ユニットの雌コネクタ・アセンブリに機械的且つ電気的に結合するように構成された雄コネクタ・アセンブリとを有する、注入システム。追加モジュールが、ivポンプ・モジュール、シリンジ・モジュール、患者監視モジュール、又はデータ収集モジュールを含む、注入システム。
【0008】
主題の技術の様々な構成は、本開示から当業者に容易に明らかになり、主題の技術の様々な構成が、例証として示され、説明される。認識されるように、主題の技術は、他の異なる構成が可能であり、そのいくつかの詳細事項は、様々な他の点で変更が可能であり、これらはすべて、主題の技術の範囲から逸脱しない。したがって、概要、図面、及び詳細な説明は、例証的な性質のものであり、制限的でないとみなされるべきである。
【0009】
本開示のさらなる理解を実現するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付図面は、開示する実施例を例証し、記述とともに、開示する実施例の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示のある特定の態様による注入システムを使用して、患者に医療用流体を投与するためのシステムの図である。
図2】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図3】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図4】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図5】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図6】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図7】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図8】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図9】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図10】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図11】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図12】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図13】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図14】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図15】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図16】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図17】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図18】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図19】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図20】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図21】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図22】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図23】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図24】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図25】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図26】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図27】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図28】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図29】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図30】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
図31】本開示のある特定の態様による、モジュール式注入ポンプ・システム用のコネクタ・アセンブリの一態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
開示するコネクタ・アセンブリは、複数の接点を組み込んでおり、それぞれの接点は、エラストマー封止構造体に封止式に配設されている。接点のそれぞれは、エラストマー封止構造体の変形時に可動であることができる。エラストマー封止構造体を利用することにより、コネクタ・アセンブリは、流体をその中に溜めることなく、電気接続を可能にすることができる。
【0012】
以下に述べる詳細な説明は、主題の技術の様々な構成を説明するが、この主題の技術を実践できる唯一の構成を表すものではない。詳細な説明は、主題の技術の完全な理解を提供することを目的として、具体的な詳細事項を含んでいる。したがって、ある特定の態様に関して、非限定的な実例として寸法が提供されることがある。しかし、こうした具体的な詳細事項がなくても主題の技術を実践できることが、当業者には明らかであろう。いくつかの事例では、主題の技術の概要を曖昧にしないために、よく知られた構造及び構成要素がブロック図の形で示される。
【0013】
以下の説明は、開示するコネクタ・アセンブリを使用して医療用流体を投与するためのモジュールの接続を対象としているが、この説明は単に使用法の実例であり、特許請求の範囲に記載の範囲を限定するものではないことが、理解されるべきである。開示するコネクタ・アセンブリの様々な態様は、堅牢な電気接続を提供することが望ましい任意の用途で使用されてもよい。
【0014】
開示するコネクタ・アセンブリは、ある特定の従来の電気コネクタに関して見出されたいくつかの課題を克服する。ある特定の従来のコネクタの課題は、「耐荷重」強度が低いことに起因して機械的損傷を受けやすいこと、加速下での剥離、並びに/又は流体が侵入して、洗浄後若しくは偶発的に濡れた後にかなりの乾燥時間がかかること、及び電解腐食が生じることを含む。従来のコネクタは、機械的損傷又は流体の侵入を受けやすい場合があるので、従来のコネクタを使用することは望ましくない。
【0015】
したがって、本開示によれば、機械的損傷及び流体の侵入をなくす、又は実質的に低減する、本明細書に記載のコネクタ・アセンブリを提供することが有利である。対照的に、開示するコネクタ・アセンブリは、構造的な「耐荷重」強度を増大し、機械的損傷の受けやすさを低減し、洗浄後又は偶発的に濡れた後の乾燥時間を短縮し、加速下の剥離を低減し、接続中の流体の侵入を低減し、あらゆる条件下でモジュールへの流体の侵入を低減し、検査しやすい構成にし、洗浄及び乾燥しやすい構成にし、電解腐食の可能性を低くし、且つ/又は2つ以上の追加の電力イネーブル信号を提供することができる。さらに、開示するコネクタ・アセンブリは、堅牢な電気接続性を提供するエラストマー封止構造体、及び追加のコネクタ特徴部を提供する。
【0016】
本開示は、主題の技術の実例を含み、添付の特許請求の範囲に記載の範囲を限定しないことが理解されるべきである。ここで、主題の技術の様々な態様を、特定の非限定的な実例により開示する。本開示に記載の様々な実施例は、異なるやり方及び変形形態で、所望の用途又は実装形態により、実行されてもよい。
【0017】
以下の詳細な説明では、本開示の完全な理解を実現するために、多数の具体的な詳細事項を述べる。しかし、本開示の実施例は、具体的な詳細事項の一部がなくても実践できることが、当業者には明らかであろう。他の実例では、よく知られた構造及び技法は、本開示を曖昧にしないために、詳細には示されていない。
【0018】
堅牢な電気接続性を提供するコネクタ・アセンブリの実例を、ここで説明する。
【0019】
図1は、注入システム12を使用して患者10に医療用流体を投与するためのシステム100の図である。図1に示すように、注入システム12は、制御ユニット16と、対応するインターフェイス122によって制御ユニット16に結合された1つ又は複数の可動の且つ/又は交換可能なモジュール20とを含んでもよい。インターフェイス122は、注入システムのそれぞれの互換性ユニット/モジュールの対向する側面に取り付けられるコネクタ・アセンブリ125及びコネクタ・アセンブリ200(図2を参照)から構成される。インターフェイス122は、モジュール20を制御ユニット16に機械的且つ電気的に結合する。図1に示すように、モジュール20は、その2つ以上の側面にインターフェイス構成要素を有してもよく、それにより、第1のモジュールを、図1に示すように制御ユニットに装着し、嵌め合わされたモジュールに(たとえば、制御ユニットに装着されたモジュールのコネクタ・アセンブリ125を使用して)1つ又は複数の追加のモジュールを装着することによって、複数のモジュール20を制御ユニット16に結合することができる。たとえば、各モジュール20は、本明細書においてその右側に記載される雄コネクタ・アセンブリと、その左側の雌コネクタ・アセンブリとを含んでもよい。同様に、制御ユニット16も、本明細書においてその右側に記載される雄コネクタ・アセンブリと、その左側の雌コネクタ・アセンブリとを含んでもよい。こうして、様々な患者の処置及び/又は監視の状況に望まれる通りに、様々なモジュール20又はモジュール20のチェーンを、制御ユニット16の両側に機械的且つ電気的に結合することができる。
【0020】
図1の実例では、注入システム12は、IVバッグ14などの容器から流体を送り込むための2つのポンプ・モジュールを含む。この実例では、流体容器14は、IVセット18を介して注入システム12に接続され、次いで患者10に接続される。この実例では、IVセット18の一部分が、(ドア又は他のラッチによって)ポンプ・モジュール20に固定され、それによりポンプ・モジュール20内のポンプ構成要素は、プログラムされた容量の流体を容器14から所望の速度で患者に送り込むようにIVセット18の管を操作することができる。図1では、2つのポンプ・モジュールが制御ユニット16に結合された状態で示されているが、他のモジュールが(たとえば直接、又はインターフェイス122を使用して制御ユニットとそのモジュールとの間に介在している別のモジュールを介して)制御ユニット16に機械的且つ電気的に結合されてもよいことが理解されるべきである。たとえば、インターフェイス122を介して制御ユニット16に結合されてもよいモジュール20は、シリンジ・ポンプ・モジュール、コード走査デバイスを有する識別モジュール、注入中のバイタル信号又は患者の他の特徴若しくはデータを監視するための監視モジュール、患者が制御可能な鎮痛モジュール、又は他の適切なモジュールを含むことができる。
【0021】
モジュール20及び制御ユニット16は、毒性及び/又は腐食性を有することがある医療用流体を送達するように動作可能なので、インターフェイスが流体に露出される場合でもインターフェイス内の流体の溜まりを低減する又はなくす、インターフェイス122の様々な特徴部が提供される。
【0022】
図2は、インターフェイス122の実装形態の斜視図を示す。図2の実例では、インターフェイス122のコネクタ125は、雄コネクタ・アセンブリとして実装され、インターフェイス122の雌コネクタ・アセンブリ200と機械的且つ電気的に嵌まり合うように構成される。たとえば、雄コネクタ・アセンブリ125は、ねじ202などの締め具を使用して、制御ユニット16(又は別のモジュール20)に装着されてもよい。示してあるように、ねじ202は、本体204(たとえば、プラスチック又はガラス充填プラスチックの本体など、剛性の高い本体)の開口部を貫通していてもよい。
【0023】
雄コネクタ・アセンブリ125は、図2に示すアセンブリ済み構成において、本体204を越えて延在する雄ハンガー構造体206も含む。雄ハンガー構造体206は、図2のアセンブリ済み構成において雌コネクタ・アセンブリ200の本体210を越えて延在する雌ハンガー構造体208によって形成される対応する凹部内に延在するように形作られ位置決めされる(たとえば曲げられる)。いくつかの実施例では、雄ハンガー構造体206及び雌ハンガー構造体208は、金属又は他の適切な高強度材料から形成されて、雄ハンガー構造体206及び雌ハンガー構造体208のプロファイルを小さくすることができる。いくつかの実施例では、雄ハンガー構造体206及び雌ハンガー構造体208のプロファイルを小さくすることによって、本明細書に記載の接点214の構成について融通性をより高くすることができる。
【0024】
さらに雄ハンガー構造体206及び雌ハンガー構造体208の特徴部は、注入システム12のモジュール20を取付け及び取外しするのに必要な接近角度及び離脱角度を縮小することができる。さらに、縮小した接近角度及び離脱角度により、オペレータは、モジュール20を取付け及び取外しするのにそれほど大きな動作を用いなくてもよくなり、取付け中及び取外し中の接点214の拭き取り又は剥離が最小に抑えられる。
【0025】
図2の実例では、雌コネクタ・アセンブリ200は、雄コネクタ・アセンブリ125から離れており、雄コネクタ・アセンブリ125に結合するために傾斜した状態で示されている。雌コネクタ・アセンブリ200は持ち上がり防止突出部212を含み、これは、雌ハンガー構造体208から垂直方向に離間し、雌コネクタ・アセンブリ200のアセンブリ済み構成において本体210から延在している。図2の斜視図は、エラストマー封止部材213に封止式に配設された、雌コネクタ・アセンブリ200の接点214を示す。エラストマー封止部材213は、接点214に対する又はその周りの圧力に応答して変形可能であり、それぞれの接点214を、対応するピン216との電気的接触を維持しながら可動にすることができる。さらに、エラストマー封止部材213は、流体の侵入を防ぎ、インターフェイス122のメンテナンスを容易にし、その損傷を防止することができる。たとえば、エラストマー封止本体は、中間の接点表面を捕捉及び封止し、コネクタ・アセンブリ125、200とそれぞれの筐体との封止を維持することができる。さらに、流体の侵入を防止することにより、電解腐食を防止することができる。
【0026】
いくつかの用途では、電解腐食は、流体の電解質によって「橋絡される」絶縁されていない導電体間の直流(DC)の流れによって生じる。電解腐食は、DCの流れを途絶させる(遮断する)ことによってなくなる。現在では注入システム用の接点の一部にDC電圧が使用されているので、本明細書に記載のコネクタ・アセンブリは、露出を低減する、短くする、又は電解質がコネクタ同士を「橋絡」するのを完全に防止するという利益を提供することができる。
【0027】
さらに、エラストマー封止部材213は、接点214の露出される導電表面積を、電気接続の確実係合及び保持が保証される寸法まで低減して、洗浄又は偶発的に濡れたことにより液体に露出された後に乾燥させる必要がある表面積を低減することができる。いくつかの実施例では、エラストマー封止部材213を配置することにより「流体溜まりゼロ」の構成を作り出すことができ、この構成では、流体の集まる場所がないほぼ平坦な表面をコネクタが含む。任意選択で、エラストマー封止部材213を配置することにより、接点214の拭き取り、噴霧、及び/又は払い落としができるようになり、且つ/又は圧縮空気による乾燥を使用できるようになる。
【0028】
以下でさらに詳細に説明するように、接点214は、リベット、ポゴピン、又は他の導電性の可動接点構造体として実装されてもよい。雌コネクタ・アセンブリ200が、制御ユニット16に、又はモジュール20若しくは16のうちの1つに(たとえば、ねじ203などの締め具によって)取り付けられるとき、ピン216は、取り付けられるモジュール内の制御回路との電気接点を提供して、制御ユニット16によってモジュール20を操作できるようにし、且つ/又はそれらの間で信号通信できるようにする。
【0029】
有利には、本明細書で説明するように、雄ハンガー構造体206と雌ハンガー構造体208という構造的支持の特徴部を、接点214という電気接続の特徴部から分離することにより、制約がより少ない状態で堅牢な電気接続性を促進するように接点214を位置決め及び構成することができる。いくつかの実施例では、接点214は、オペレータから見えない領域ができないように配置されて、接点214の検査を容易にすることができる。
【0030】
以下でさらに詳細に説明するように、雄コネクタ・アセンブリ125にも同様に接点が設けられ、それぞれの接点は、雌コネクタ・アセンブリ200の接点214のうちの1つに対応し、ピン218に電気的に結合するようにエラストマー封止部材に封止式に可動に配設されている。雄コネクタ・アセンブリ125が、制御ユニット16に、又はモジュール20のうちの1つに取り付けられるとき、ピン218は、取り付けられるモジュール内の制御回路との電気接点を提供して、制御ユニット16によってモジュール20を操作できるようにし、且つ/又はそれらの間で信号通信できるようにする。
【0031】
図2は、雌コネクタ・アセンブリ200の本体210が、位置合わせ特徴部222(たとえば、図2の実例における突出部)を含みうる様子も示しており、この位置合わせ特徴部222は、雄コネクタ・アセンブリ125の本体204にある対応する位置合わせ特徴部224(たとえば、図2の実例における凹部)に係合して、雌コネクタ・アセンブリ200と雄コネクタ・アセンブリ125を長手方向に位置合わせして結合させる。
【0032】
したがって、本開示の様々な態様によれば、インターフェイス又はユニット間インターフェイス(IUI)122は、エラストマーの捕捉及び保持の特徴部がインターフェイス122の機械的ハンガー構造体と一体化された状態の、エラストマー封入され独立して圧縮可能なインターフェイスを提供して、保管中、洗浄中、又は使用中に流体が溜まらないようにしながら、構造的支持及び電気的接続性を提供することができる。こうして、流体溜まりの低減した又はゼロのIUI122が提供される。
【0033】
図3は、嵌まり合った構成の雌コネクタ・アセンブリ200と雄コネクタ・アセンブリ125の側面図を示す。図3の実例では、本体204及び210は部分的に透明な状態で示されており、それにより雄ハンガー構造体206が、雌ハンガー構造体208の内部表面によって形成された凹部302内にあって、雌コネクタ・アセンブリ200と雄コネクタ・アセンブリ125の間で雄/雌のフック係合が形成されるのを見ることができる。雌コネクタ・アセンブリ200及び雄コネクタ・アセンブリ125は、図1の制御ユニット16及び/又はモジュール20から分離して示されているが、雄コネクタ・アセンブリ125が制御ユニット16若しくはモジュール20のうちの1つに(たとえばねじ202によって)取り付けられ、雌コネクタ・アセンブリ200が、制御ユニット16若しくはモジュール20のうちの1つのうち、もう1つに取り付けられたとき、図3に示す雌/雄のフック係合は、制御ユニット16をモジュール20のうちの1つに機械的に結合し、又はモジュール20のうちの2つを機械的に結合することが、理解されるべきである。
【0034】
図3には見ることができないが、図3の嵌め合わされた構成は、(i)雌コネクタ・アセンブリ200の接点214を雄コネクタ・アセンブリ125の対応する接点に押し当てること、及び(ii)雌コネクタ・アセンブリ200と雄コネクタ・アセンブリ125の間で圧縮封止を生成することにより、雌コネクタ・アセンブリ200と雄コネクタ・アセンブリ125の電気的結合も生じさせる。
【0035】
雌コネクタ・アセンブリ200内では、接点214とピン216の間に電気接続が形成される。雄コネクタ・アセンブリ125内では、ピン218と、雄コネクタ・アセンブリ125の対応する接点との間で電気接続が形成され、これについては以下でさらに詳細に説明する。いくつかの実施例では、重複ピン又は補助ピン216及び/又は218を利用して、モジュールの単一ピンの不具合を防止することができる。
【0036】
図3の嵌め合い構成では、持ち上がり防止突出部212が、雄ハンガー構造体206の下に延在しているのを見ることができ、それにより雄ハンガー構造体206は、持ち上がり防止突出部212と雌ハンガー構造体208との間に配設されて、雌コネクタ・アセンブリ200を意図的に回転させることなく、モジュール20が別のモジュール20から又は制御ユニット16から偶発的に持ち上がって外れることが防止される。
【0037】
図4は、雄コネクタ・アセンブリ125の部分的な分解正面斜視図を示す。図4の実例では、雄コネクタ・アセンブリ125は本体204とフレーム400とを含み、フレーム400にはエラストマー封止構造体413が配設されている。接点414が、エラストマー封止構造体413に封止式に配設される。以下でさらに詳細に説明するように、接点414は、リベット、ポゴピン、又は他の導電性の可動接点構造体として実装されてもよい。示してあるように、プリント回路402などのコネクタ回路(たとえば、可撓性プリント回路、又は剛性プリント回路板)が、本体に装着される。いくつかの実施例では、中間プリント回路402を組み込むことにより、内部の信号配置を維持することができるとともに、電解腐食及び/又は摩耗を最小に抑えるように外部の信号を配置することができる。
【0038】
プリント回路402は接点404を含み、これらの接点404は、ピン218に結合され、接点414にかかる、又はその周りの圧力によってエラストマー封止構造体413が変形したとき、接点414が接点404の方向に移動して、それらの間で電気的結合を形成する又は維持するように配置される。エラストマー封止構造体413は弾力性を有し、静止構成を有してもよく、この静止構成は、接点404に対する接点414の接触を維持し、又は雄コネクタ・アセンブリ125が雌コネクタ・アセンブリに取り付けられていないときには、接点404から接点414を結合解除する。
【0039】
示してあるように、雄ハンガー構造体206は、接点414が形成されている領域から離れた場所において、フレーム400に一体形成されている。フレーム400は、腐食に耐える導電性の材料から形成されてもよく、それにより(たとえば、導電性のねじ202を介した、フレーム400とモジュール16又は20の接地回路との間の導電接続により)フレーム400がコネクタ125の接地構造体として作用することができる。たとえば、フレーム400は、粉末成形されたステンレス鋼から形成されてもよい。
【0040】
図5は、雄コネクタ・アセンブリ125の部分的な分解背面斜視図を示す。図5に示すように、ピン218が本体204の背面側から延在しており、接点414の内部表面を見ることができる。フレーム400の開口部500は、本体204の開口部502と位置合わせされて、その中にねじ202を受ける。ねじ202を関連するモジュール16又は20に固定することによってフレーム400が本体204に押し付けられると、雄コネクタ・アセンブリ125の内部電気結合部は、水分又は液体の浸入から封止される。
【0041】
図6及び図7は、フレーム400の正面及び背面の斜視図を示し、ここでは、エラストマー封止構造体413を受けるための中央開口部600を見ることができる。図7の背面斜視図は、開口部600内に形成されたポケット700を示す。フレーム400を本体204に押し付けることにより、ポケット700の前面が、エラストマー封止構造体413の対応する表面に押し当てられて、接点404、及び接点414の内側表面が収容されているコネクタ125の内部が封止される。
【0042】
図8は、接点814が中に封止式に配設されたエラストマー封止構造体813の正面図を示す。エラストマー封止構造体813及び接点814は、雌コネクタ・アセンブリ200のエラストマー封止構造体213及び接点214の実装形態であってもよく、又は雄コネクタ・アセンブリ125のエラストマー封止構造体413及び接点414の実装形態であってもよい。エラストマー封止構造体813は、水分の保持を阻止し、電解腐食を防止するために、疎水性若しくは超疎水性のエラストマーから形成されてもよく、又は疎水性若しくは超疎水性のコーティングで被覆されるエラストマーであってもよい。
【0043】
図9は、接点814の周りに周囲封止部900が形成された実装形態におけるエラストマー封止構造体813の正面図を示す。封止部900が、嵌め合わされるコネクタのエラストマー封止構造体に押し当てられたとき、封止部900は、液体が接点814に到達するのを防ぐことができる。いくつかの実施例では、封止部900は、嵌め合い中又は取外し中に接点814が移動又は剥離するのを防ぐのに充分な弾力性を提供することができる。
【0044】
図10の斜視図に示すように、周囲封止部900には隙間1000が設けられてもよく、この隙間1000は、コネクタ・アセンブリのための排出口を形成してもよい。隙間1000は封止部900の下側部分に形成され、それにより、嵌め合わされるコネクタの構造体813に構造体813が押し当てられたときに、構造体813の表面に存在するいかなる水分又は液体も、接点814から離れるように押しやられ、隙間1000を通って出て水分が排出され、電解腐食が防止される。
【0045】
図9及び図10は、エラストマー封止構造体813の表面802のドーム800の開口部に、各接点814が配設されうる様子も示す。各ドーム800は、圧力下で圧縮可能又は押込み可能であってもよく、それによりドームは圧縮し、水分を接点414から徐々に排出する。図11は、接点1104を有する対応するプリント回路1102から離間したエラストマー封止構造体813を示し、それぞれの接点1104は、(たとえばフレーム400が本体204に取り付けられるときに)接点814のうちの対応する1つによって接触されるように配置されている。プリント回路1102は、雄コネクタ・アセンブリ125のプリント回路402の実装形態であってもよく、又は雌コネクタ・アセンブリ200のプリント回路であってもよい。
【0046】
図12は、雌コネクタ・アセンブリ200のフレーム1202に対向している雄コネクタ・アセンブリ125のフレーム400を示す。図12に示すように、フレーム1202は、ポケット1204を有する開口部1200を含み、それによりフレーム1202は、雄コネクタ・アセンブリ125のフレーム400及びエラストマー封止構造体413に関して上述したのと同様に、エラストマー封止構造体213/813を受ける。図12の実例では、雌ハンガー構造体208及び持ち上がり防止突出部212は、フレーム1202において一体形成されている。
【0047】
図13は、フレーム1202がフレーム400に係合されているところであり、雌ハンガー構造体208が雄ハンガー構造体206の上方に部分的に延在している構成における、フレーム400及び1202の一部分の斜視図を示す。図13の構成におけるフレーム400及び1202の断面図を図14に示し、この図では、フレーム400と1202の係合中且つ/又は係合解除中に、ねじ203などの締め具のヘッド1402を収容するためのクリアランス・ノッチ1400を、雄ハンガー構造体206に見ることができる。それぞれの雄ハンガー構造体206のクリアランス・ノッチ1400は、図15のフレーム400の正面図に見ることができる。
【0048】
図16及び図17は、それぞれ雄コネクタ・アセンブリ125及び雌コネクタ・アセンブリ200の斜視図である。図16及び図17の実例では、雄コネクタ・アセンブリ125の長手方向の位置合わせ特徴部224が凹部であり、雌コネクタ・アセンブリ200の長手方向の位置合わせ特徴部222が、対応する突出部である。しかし、本体204及び210のいずれかにおける突出部及び凹部の様々な組合せのうちの任意の組合せを提供して、コネクタ・アセンブリ125と200を長手方向に位置合わせするための連携する特徴部を形成できることが理解されるべきである。図16及び図17の実例では、雄コネクタ・アセンブリ125の凹部1600も示されており、この凹部は、雌コネクタ・アセンブリ200の持ち上がり防止特徴部212を受けるように構成される。それぞれの凹部1600は、雄ハンガー構造体206と本体204の一部分との間で垂直方向に形成されてもよく、フレーム400の一部分と本体204の追加部分との間で水平方向に形成されてもよい。
【0049】
図18図19、及び図20は、位置合わせ凹部224内に配設された位置合わせ突出部222と係合中又は係合解除中の雄コネクタ・アセンブリ125及び雌コネクタ・アセンブリ200の、それぞれ上面側方斜視図、断面斜視図、及び上面図を示す。図21は、係合中又は係合解除中の雄コネクタ・アセンブリ125及び雌コネクタ・アセンブリ200の上面側方斜視図を示す。図21の実例では、凹部1600と位置合わせされた持ち上がり防止構造体212が見られるように、本体210は部分的に透明な状態で示してある。図22は、位置合わせ突出部222が位置合わせ凹部224内に配設され、持ち上がり防止構造体212が凹部1600内に配設された状態の、嵌まり合った構成の雄コネクタ・アセンブリ125及び雌コネクタ・アセンブリ200の断面側方斜視図を示す。図23図24、及び図25は、係合中又は係合解除中の雄コネクタ・アセンブリ125及び雌コネクタ・アセンブリ200の底面側方斜視図、底面斜視図、及び拡大底面斜視図であり、持ち上がり防止構造体21が、先細った側壁2300を含んで、取付け中の水平方向(長手方向)の位置合わせ及び中央寄せをさらに支援しうる様子を示す。
【0050】
上述したように、雌コネクタ・アセンブリ200の接点214及び/又は雄コネクタ・アセンブリ125の接点414は、エラストマー封止構造体213及び413にそれぞれ封止式に配設できるリベット、ポゴピン、又は他の導電性の接点構造体から形成することができる。図26及び図27は、雄コネクタ・アセンブリ125の接点414がリベットとして実装される実例を示す。図28図30は、雄コネクタ・アセンブリ125の接点414がポゴピンとして実装される実例を示す。しかし、図26図30の雄コネクタ・アセンブリ125の接点414のいずれの説明も、雌コネクタ・アセンブリ200の接点214、及び関連するプリント回路の接点に適用することができる。
【0051】
図26は、エラストマー封止構造体413の開口部に封止式に配設されたリベット2602として接点414が実装された、雄コネクタ・アセンブリ125の断面側方図を示す。図26に示すように、リベット2602は、外部接点表面を形成する外部の(たとえば、突出した)部分2600と、プリント回路402との電気接点を形成する内部部分2603と、エラストマー封止構造体413と封止式に係合し、外部部分2600を内部部分2603に電気的に結合する中間部分2604とを含んでもよい。
【0052】
図26の実例では、プリント回路402の接点404は、プリント回路402と対応するリベット2602の間に弾性的に延在するポゴピンを含み、そのリベットをプリント回路402に導電結合する。示してあるように、各ポゴピンは、ベース部分2610と、延在部分2613と、延在部分2613を付勢してリベット2602の内部部分2603に接触させる内部ばね2612とを含んでもよい。リベット2602の外部部分2600は、図26の実例にあるように突出した部分であってもよく、又は構造体413上で平坦面を形成してもよい。示してあるように、内部部分2603は、凹部2614などの表面特徴部を含んで、リベット2602と接点404との電気的且つ機械的な係合の有効性を向上させてもよい。
【0053】
図26の実例は、接点414のリベットの実装形態、及び接点404のポゴピンの実装形態を示しているが、エラストマー封止構造体413のリベット接点を、図27に示す板ばね接点2700など、他のプリント回路接点と併用できることが理解されるべきである。図26及び図27の実例では、エラストマー封止構造体413の開口部内にリベット2602を取り付けるための圧縮力は、アセンブリ125内の下にある中間接点領域に流体又は汚れが侵入するのを防ぐ封止を形成するのに充分なものであってもよい。リベット2602は、エラストマーにおいて圧縮封止を生成するように変形される単一の導電接点から構成されてもよく、又はエラストマーにおいて圧縮封止を形成するように(たとえば、構造体413の両側から)アセンブリされる複数部品の導電接点であってもよい。
【0054】
図26及び図27の実例は、接点414のリベットの実装形態を示すが、エラストマー封止構造体413に他のタイプの接点を形成できることが理解されるべきである。たとえば、図28は、ポゴピンの接点414が中に配設された状態のエラストマー封止構造体413の上方断面図を示す。図28に示すように、接点414は、エラストマー封止構造体413の開口部と封止式に係合する静止部分2804、可動部分2806、及び可動部分2806を外向きに付勢して、雌コネクタ・アセンブリ200の接点214に電気的に結合するための外部接点表面2800を提供するばね2808とともに実装されてもよい。ポゴピン・コネクタの内部頂点は、図28の実例では、図29及び図30に示すように、プリント回路402の表面接点404に接触するように配置される。図29は、エラストマー封止構造体413がドーム解放特徴部2900を含みうる様子も示しており、このドーム解放特徴部2900は、(たとえば、雌と雄のコネクタ・アセンブリが嵌まり合ったときに、雌コネクタ・アセンブリ200の対応する接点から加えられる)方向2902の力の下で、各ドーム800を個々に押し込みやすくする。図31は、雄コネクタ・アセンブリ125のエラストマー封止構造体413の接点414と、雌コネクタ・アセンブリ200のエラストマー封止構造体213の接点214との最初の接点ポイント3100を示す。図31に示すように、ドーム800は、最初の接触により押し込まれている。
【0055】
リベット、ポゴピン接点、及び/又は板ばね接点は、銅、又はめっきされた銅(たとえは、金めっき若しくはニッケルめっきされたベリリウム銅)を含むがこれらに限定されない、当業者に知られている任意の様々な導電材料から形成されてもよい。
【0056】
上記の改良の一部又は全部を実現することに寄与しうる本開示の様々な特徴部は、エラストマー捕捉特徴部と一体のハンガー、(たとえば、エラストマー内で反転した)ポゴピン、疎水性若しくは超疎水性のエラストマー若しくはエラストマー・コーティング、ピンごとの、独立して押込み可能なドーム、接触すると押し込まれて水分を排出する各ピンを囲むドーム、嵌め合わされている間に流体の侵入を防止するための周囲封止部、取付け中に空気/流体が出られるようにする周囲封止部の排出口又は隙間、対向するハンガー締め具との干渉を防ぐためのノッチを有する金属ハンガー、取付け中にコネクタを中央寄せするための(たとえば、先細り部のある)長手方向の位置合わせ特徴部、ハンガーに組み込まれて、係合時に垂直方向の移動を制限する持ち上がり防止特徴部、及び/又は取付け中に水平方向の中央寄せを支援するための先細った持ち上がり防止特徴部を含む。
【0057】
本開示は、本明細書に記載の様々な態様を、いかなる当業者も実践できるようにするために提供される。本開示は、主題の技術の様々な実例を提供し、主題の技術は、これらの実例に限定されない。これらの態様に対する様々な変更が、当業者には容易に明らかであり、本明細書に定義する一般原理は、他の態様に適用されてもよい。
【0058】
単数の要素について言及することは、明示的な記載のない限り「唯一無二」を意味するものではなく、むしろ「1つ又は複数」を意味するものである。明示的な記載のない限り、「いくつかの」という用語は、1つ又は複数を指す。男性形の代名詞(たとえば彼の)は、女性形又は中性の代名詞(たとえば、彼女の及びその)を含み、その逆も同様である。見出し及び小見出しがある場合には、これらは便宜上使用されるだけであり、本発明を限定しない。
【0059】
「例示的な」という用語は、本明細書において「実例又は例証としての役割を果たす」ことを意味する。「例示的な」として本明細書に記載する任意の態様又は設計は、他の態様又は設計より好ましい又は有利であるとは必ずしも解釈されない。一態様では、本明細書に記載の様々な代替的な構成及び動作は、少なくとも同等であると考えられてもよい。
【0060】
「態様」などの語句は、こうした態様が主題の技術に必須であること、又はこうした態様が主題の技術のあらゆる構成に当てはまることを示唆しない。態様に関する開示は、あらゆる構成に当てはまってもよく、又は1つ若しくは複数の構成に当てはまってもよい。態様は、1つ又は複数の実例を提供してもよい。態様などの語句は、1つ又は複数の態様を指してもよく、その逆も同様である。「実施例」などの語句は、こうした実施例が主題の技術に必須であること、又はこうした実施例が主題の技術のあらゆる構成に当てはまることを示唆しない。実施例に関する開示は、あらゆる実施例に当てはまってもよく、又は1つ若しくは複数の実施例に当てはまってもよい。実施例は、1つ又は複数の実例を提供してもよい。実施例などの語句は、1つ又は複数の実施例を指してもよく、その逆も同様である。「構成」などの語句は、こうした構成が主題の技術に必須であること、又はこうした構成が主題の技術のあらゆる構成に当てはまることを示唆しない。構成に関する開示は、あらゆる構成に当てはまってもよく、又は1つ若しくは複数の構成に当てはまってもよい。構成は、1つ又は複数の実例を提供してもよい。構成などの語句は、1つ又は複数の構成を指してもよく、その逆も同様である。
【0061】
一態様では、別段の記載のない限り、添付の特許請求の範囲を含め本明細書に述べるあらゆる測定値、値、率、位置、規模、サイズ、及び他の仕様は、おおよそのものであり、厳密なものではない。一態様では、それらは、それらの関係する機能、及びそれらが関係する技術における慣習と一貫性のある妥当な範囲を有するものとする。
【0062】
一態様では、「結合される」などの用語は、直接結合されることを指してもよい。別の態様では、「結合される」などの用語は、間接的に結合されることを指してもよい。
【0063】
本開示で使用される場合、「上部」、「下部」、「正面」、「背面」などの用語は、通常の重力の参照枠ではなく、任意の参照枠を指すものとして理解されるべきである。したがって、上面、下面、正面、及び背面は、重力の参照枠において上向きに、下向きに、対角方向に、又は水平方向に延在してもよい。
【0064】
様々な項目は、主題の技術の範囲からすべてが逸脱することなく、異なるやり方で配置されてもよい(たとえば、異なる順序で配置されても、又は異なるやり方で区分けされてもよい)。本開示全体を通して説明した様々な態様の要素の、当業者に知られている、又はこれから知られることになるすべての構造的及び機能的な等価物は、参照により明示的に本明細書に組み込まれ、特許請求の範囲によって包含されるものとする。さらに、本明細書に開示するものはいずれも、こうした開示が特許請求の範囲に明示的に述べてあるかどうかに関わらず、公衆に提供されることを意図していない。「のための手段」という語句を使用して要素が明示的に述べられていない限り、又は方法の請求項の場合には、「のためのステップ」という語句を使用して要素が述べられていない限り、請求項のいずれの要素も、米国特許法第112条第6項の下に解釈されない。さらに、「含む」、「有する」などの用語が使用される限り、こうした用語は、「備える」という用語が請求項において移行句として使用されている場合に解釈されるときの「備える」と同様に、包括的であるものとする。
【0065】
本開示の発明の名称、背景技術、発明の概要、図面の簡単な説明、及び要約は、ここで本開示に組み込まれ、本開示の例証的な実例として提供され、制限的な説明として提供されるわけではない。特許請求の範囲に記載の範囲又は意味を限定するために、それらが使用されるわけではないという理解が提起される。さらに、発明を実施するための形態では、説明によって例証的な実例が提供され、本開示を合理化することを目的として、様々な特徴部が様々な実施例にともにまとめられていることがわかる。特許請求される主題が、各請求項に明示的に言及された特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を、この開示方法が反映しているとは解釈されない。むしろ、添付の特許請求の範囲に反映されるように、本発明の主題は、開示された単一の構成又は動作のすべての特徴よりも少ない特徴にある。これにより、添付の特許請求の範囲は、発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は別個に特許請求される主題として独立している。
【0066】
特許請求の範囲は、本明細書に記載の態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲の文言と一致した全範囲を与えられ、すべての法的等価物を包含するものである。それにもかかわらず、いずれの請求項も、米国特許法第101条、102条、若しくは103条の要件を満たさない主題を包含しないものとし、又はいずれの請求項もそのようには解釈されないものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図19
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