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特許7231656コンピュータビジョンを使用して3D特性を測定するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】コンピュータビジョンを使用して3D特性を測定するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/00 20150101AFI20230221BHJP
   A63B 60/42 20150101ALI20230221BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20230221BHJP
【FI】
A63B53/00 D
A63B60/42
A63B102:32
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020569192
(86)(22)【出願日】2019-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 US2019036839
(87)【国際公開番号】W WO2019241433
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-05-25
(31)【優先権主張番号】62/684,119
(32)【優先日】2018-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タイラー エイ. ショー
(72)【発明者】
【氏名】クレイソン シー. スパックマン
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-009008(JP,A)
【文献】特開平07-227453(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0124367(US,A1)
【文献】特開平03-198876(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0221464(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 49/00 - 60/64
A63B 69/00 - 69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブの特性を測定するためのシステムであって、
前記ゴルフクラブ及び複数の基準の画像を撮影するように構成された1個のカメラと、
前記1個のカメラと動作可能に通信するコンピューティングデバイスと、を備え、
前記コンピューティングデバイスは、
前記1個のカメラの空間解像度を較正するために、第1の画像の前記複数の基準の各々に関連付けられた第1の組のピクセルにアクセスし、
前記1個のカメラからの第2の画像であって、ゴルフクラブの所定の位置に沿って位置決めされた前記複数の基準を有する前記ゴルフクラブを含む前記第2の画像にアクセスし、
前記第2の画像を、前記複数の基準の各々に関連付けられた第2の組のピクセルに変換し、
前記第1の組のピクセルと前記第2の組のピクセルとに基づいて、前記1個のカメラの姿勢のための再帰フィルタを利用して、前記複数の基準に対応する1組の点であって、前記第2の画像内における前記複数の基準の推定された3次元特徴を定める前記1組の点を生成し、
前記ゴルフクラブのシャフトの中心軸と、前記ゴルフクラブのフェースに平行な平面と、前記平面に対する法線ベクトルと、を定めるクラブ特性データを生成するために、前記1組の点を一連の所定の関数に適用し、
前記クラブ特性データに基づいて前記ゴルフクラブと関連付けられるロフト角度及びライ角度を含む測定値を出力する
ように構成される、
システム。
【請求項2】
前記複数の基準は、前記ゴルフクラブから取り外し可能な別個の基準を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記別個の基準は、1組の2Dクイックレスポンス(QR)コード(登録商標)を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の基準は、前記ゴルフクラブの予め選択された自然な特徴(natural preselected features)を含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記1個のカメラの前記空間解像度の較正は、
シートの側面に沿った配列として前記複数の基準が定められる前記シートを提供することと、
前記シートの前記側面が前記1個のカメラのレンズに向けられるように、前記1個のカメラの前に前記シートを位置決めすることと、
較正データを生成するために、1つ又は複数の画像を撮影する間、前記1個のカメラに対する前記シートの位置及び向きを変更することと、を含み、
前記較正データは、前記複数の基準に対応する前記1組の点を決定するために、前記コンピューティングデバイスによって利用される、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記シートは、前記1個のカメラの初期姿勢を計算するための参考として使用される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2の組のピクセルは、前記第2の画像の全体を定めるピクセル配列の一部であり、
前記第2の組のピクセルは、前記第2の画像内における前記複数の基準に特有の位置及び寸法を定め、さらに整数の配列を定める、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の基準の第1の部分は、前記ゴルフクラブの前記フェースに割り当てられ、前記複数の基準の第2の部分は、前記ゴルフクラブの前記シャフトに割り当てられる、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記一連の関数は、一連の1つ又は複数の事前に定められた線形代数演算を含み、
前記一連の1つ又は複数の事前に定められた線形代数演算は、
3次元(3D)関数であって、ローカル座標系の原点を表す第1の組の座標と、前記ゴルフクラブに沿った所定の位置を表す第2の組の座標と、を含む、入力を含む前記3D関数であって、前記ゴルフクラブのシャフト軸のベクトルを表す第3の組の座標を含む出力を生成するように構成される、前記3D関数と、
第1の関数入力に対してクロス積演算を実行する第1の関数であって、前記第1の関数入力は、前記ゴルフクラブのフェース上の平面を定める1組の点を含み、前記第1の関数は、前記平面に対する法線ベクトルを定める第1の関数出力を生成するように構成される、前記第1の関数と、
ベクトルの比を含む第2の関数入力を含む第2の関数であって、前記第2の関数は、前記ゴルフクラブのライを表す角度を定める第2の関数出力を生成するように構成される、前記第2の関数と、
ベクトルの比を含む第3の関数入力を含む第3の関数であって、前記第3の関数は、前記ゴルフクラブのロフトを表す角度を定める第3の関数出力を生成するように構成される、前記第3の関数と、
を含む、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
方法であって、
1個のカメラコンポーネント(camera component)と動作可能に通信するプロセッサを提供することを備え、
前記プロセッサは、
前記1個のカメラコンポーネントからの第1の画像であって、複数の基準を含む前記第1の画像へアクセスし、
前記第1の画像を、前記複数の基準の各々に関連付けられた第1の複数の画素に変換し、
前記1個のカメラコンポーネントからの第2の画像であって、ゴルフクラブの所定の位置に沿って位置決めされた前記複数の基準を含む前記第2の画像へアクセスし、
前記第2の画像を、前記複数の基準の各々に関連付けられた第2の複数の画素に変換し、
前記第1の複数の画素と前記第2の複数の画素とに基づいて、前記1個のカメラコンポーネントのための再帰フィルタを利用して、前記複数の基準の3次元態様を定める1組の点を生成し、
ゴルフクラブ特性データを生成するために、前記1組の点を、一連の事前に定めされた線形代数演算に入力として適用し、
前記ゴルフクラブ特性データに基づいて、前記ゴルフクラブに関連付けられるロフト角及びライ角を定める出力測定値を生成する、
ように構成される、
方法。
【請求項11】
前記第1の複数の画素及び前記第2の複数の画素は、整数の2次元配列として表されるピクセルを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記プロセッサが前記第2の画像にアクセスしており、前記ゴルフクラブが前記1個のカメラコンポーネントに関連付けられた画像フレーム内に配置されている間、前記複数の基準を連続的に追跡するために、前記1個のカメラコンポーネントを利用することをさらに含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記プロセッサが前記第2の画像にアクセスしている間に、前記ゴルフクラブを前記1個のカメラコンポーネントの明瞭な照準線内に位置決めするために、前記ゴルフクラブを調整固定具の空気圧バイスに係合させることをさらに含む、請求項10から12のいずれか一項記載の方法。
【請求項14】
前記プロセッサが前記第1の画像にアクセスする前に、前記1個のカメラの空間解像度を較正することと、
前記正の前に、前記1個のカメラコンポーネントを前記複数の基準に対して所定の位置に位置決めすることと、をさらに含む、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の基準は、前記ゴルフクラブの溝、ロゴ、及びフェースを含む前記ゴルフクラブの特徴を含む、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の基準のうちの第1の基準及び第2の基準が、前記ゴルフクラブの底部溝に沿って画定され、前記複数の基準のうちの第3の基準が、前記ゴルフクラブのフェースに沿って画定される、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
装置であって、
1個のカメラと、
コンピューティングデバイスと、を備え、
前記コンピューティングデバイスは、
前記1個のカメラによって生成された第1の画像から、複数の基準に関連付けられた複数の画素にアクセスし、
前記1個のカメラのための再帰フィルタを利用して、前記複数の基準に関連付けられた前記複数の画素に対する一連の変化を、ゴルフクラブに沿って位置決めされた前記複数の基準を示す第2の画像から識別し、
前記複数の基準に関連付けられた前記複数の画素に対する前記一連の変化に基づいて、前記ゴルフクラブの推定された3次元特徴の一連の変化を定める1組の3D点を生成し、
ゴルフクラブ特性データを生成するために、前記1組の3D点を、1つ又は複数の事前に定められた線形代数演算に入力として適用し、
前記ゴルフクラブ特性データに基づいて、前記ゴルフクラブに関連付けられたロフト角及びライ角を定める測定値を出力する、
ように構成されている、
装置。
【請求項18】
前記ゴルフクラブ特性データは、前記ゴルフクラブのシャフトの中心軸、前記ゴルフクラブのフェースに平行な平面、及び、前記平面に対する法線ベクトルを含み、
記測定値は、前記ゴルフクラブに関連付けられた所定の目標仕様と照合される、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、平成30年6月12日に出願された米国仮特許出願第62/684,119号の優先権の利益を主張する米国非仮特許出願であり、その全体が参照により組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、コンピュータ化されたシステムに関し、機械デバイスに関連する処理済みの二次元(2D)データに基づいて機械デバイスの三次元(3D)特徴を予測することによって、機械デバイスに関連する所定の物理的特性を(リアルタイムで)測定し、かつ所定の物理的特性の調整に適応するように一括して構成された少なくとも1つのコンピューティングデバイス及びカメラを含む、コンピュータ化されたシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
機械デバイスは、デバイスの製造中又は製造後に、例えば、デバイスの構成要素に関連する理想の角度及び他の寸法を構成するために、調整されることがよくある。例えば、装置の本体全体又は選択された表面に対するアーム又は細長い部材の角度は、特定の用途に適した所定の仕様に応じて調整又は修正され得る。しかしながら、調整工程は、機械デバイスを様々な測定具及び調整具に取り付けたり取り外したりすることがあり、デバイスの摩耗又は損傷を引き起こすことがある。
【0004】
具体的かつ非限定的な例として、製造中又はその他の場合において、製造中のゴルフクラブの特性(例えば、ロフト)の調整は、正確な測定に従って、クラブヘッド及びクラブシャフトへの構造変更を慎重に適用する必要がある。特に、測定は、適切な調整を確実にするため、ゴルフクラブ特性(例えば、ロフト角、ライ角、長さ、バルジ、又はロール)の各調整の後に行われなければならない。しかしながら、ゴルフクラブの特性を測定する工具は、一般に、ゴルフクラブとの物理的接触を必要とする。従って、ゴルフクラブは、一般に、測定具と調整具との間で複数回移送される。従って、ゴルフクラブは、全ての調整の前に調整具内で再配置されなければならないことがある。このようにゴルフクラブを複数回移送することは、製造のための作業時間の増加をもたらし、また、完成したゴルフクラブ製品上に傷や摩耗を形成することもある。
【0005】
とりわけ、これらの見解を念頭に置いて、本開示の様々な態様が考案され、開発された。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】所望の目標性能仕様に従って機械デバイスの測定及び考えられる調整(possible adjustment)に適応するように構成されたシステムを示す、簡略化されたブロック図である。
【0007】
図1B図1Aのシステムに関連する機械デバイスの評価及び考えられる調整のためのアプリケーションの考えられるモジュール(possible module)間のフロー論理及び関係を示すフロー図である。
【0008】
図2A】機械デバイスの画像特徴を追跡するための基準の配列を含む、例示的な較正シートである。
【0009】
図2B図2Aの較正シートに関連付けられた1組の基準であり、この基準は、本明細書に記載されるように、デバイスの態様を測定するために機械デバイスに沿って位置決めされてもよい。
【0010】
図3A】本明細書に記載されるシステムを利用して測定及び調整され得る例示的な機械デバイスの簡略化された図である。
【0011】
図3B】スイング分析を向上させるために、本明細書に記載されるシステムを実際のゴルファーに適用する、簡略化された図である。
【0012】
図4図1Aのシステムを用いた、例えばゴルフクラブといった特定の機械デバイスの考えられる調整と、評価のためのアプリケーションの考えられるモジュール間の、フロー論理及び関係を示すフロー図である。
【0013】
図5図4に参照されるゴルフクラブの斜視図である。
【0014】
図6A】ゴルフクラブに沿って位置決めされた基準を有する、図4において参照されるゴルフクラブの斜視図である。
【0015】
図6B】ゴルフクラブに沿って位置決めされた基準を有する、図4において参照されるゴルフクラブの別の斜視図である。
【0016】
図6C】ゴルフクラブのフェースに沿って位置決めされた基準を有する、図5のゴルフクラブのクラブヘッドの拡大詳細図である。
【0017】
図7】測定及び分析中の図5のゴルフクラブの側面図である。
【0018】
図8A】本明細書で説明される本発明の概念に関連する試験データを示すグラフである。
図8B】本明細書で説明される本発明の概念に関連する試験データを示すグラフである。
【0019】
図9】本明細書で説明される様々なサービス、システム、及び方法を実装することができる、コンピューティングシステムの例を示す簡略化されたブロック図である。
【0020】
複数の図面の解釈の間では、対応する参照符号は、対応する要素を示す。図面で使用される見出しは、特許請求の範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0021】
前述の観点から、機械デバイスに関連する三次元(3D)特性を測定するためのシステムに関連する技術改良が必要である。従って、本開示の態様は、コンピューティングデバイス及び/又はアプリケーションその他を介して構成されたコンピュータプログラム製品と、(コンピューティングデバイスと一体化されている、又は別個に実装されている)少なくとも1つのカメラとを含む、システムの形態である、独創的な技術的解決策に関し、そのシステムは、一般に、(デバイスに沿って定められた実際の特徴及び/又はデバイスに沿って位置決めされた基準によって解釈される)機械デバイスに関連付けられた2D画像特徴に対する変化を表す画像データの計算又は処理に基づいて、機械デバイスの事前に定められた性能測定値に関連する3D特性を測定するように構成されている。
【0022】
本発明のシステムは、機械デバイスの製造及び測定の様々な態様を改善することができる。より具体的には、本システムにより、各測定後に調整機構内でデバイスを再配置することなく特性の調整を行うことができるように、製造者が機械デバイスの製造中に3D特性をリアルタイムで読み取ることができる。従って、本システムは、作業時間、調整の回数、及び完成品の摩耗及び傷を低減することができる。さらに、本システムは、デバイスの品質を改善し、操作コストを下げ、技術者の疲労を低減することができる。図面を参照すると、機械デバイスの特性をリアルタイムで測定するためのシステムの実施形態が図示されており、全体的に図1図9において100及び200として示されている。
【0023】
図1Aを参照すると、機械デバイスの特性を測定及び調整するためのシステム100が示されている。システム100は、一般に、コンピューティングデバイス104によって実行される測定及び調整アプリケーション102(以下、「アプリケーション102」)と、コンピューティングデバイス104と動作可能に通信するカメラ106(又は複数のカメラ106)と、機械デバイス110に沿って定められた又は位置決めされた基準108(又は複数の基準108)とを含むことができる。基準108は、カメラ106又は他のイメージングシステムの視野内に配置された任意の物体又はマーカを含むことができ、この物体又はマーカは、後に生成される画像又は画像データ内に、基準点又は測定基準として(又は光学機器のレチクル内の物体又はマークのセットとして)現れる。いくつかの実施形態では、基準108は、バーコード、2Dバーコード、立体幾何学形状(例えば、緑の三角形)、又はこれらのような任意の構成要素であって、カメラ106によって撮影又は解釈されることができ、カメラ106によって生成される画像のピクセルで表すことができる構成要素といった、機械デバイス110の部分に係合可能な個別の構成要素を含んでもよい。代替的に、基準108は、平面、ベクトル、又は他の特性を定めるために使用され得る、溝、尾根、突起、印刷文字等といった、機械デバイス110に沿って画定される実際の特徴を含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、システム100は、カメラ106に対して所定の位置に機械デバイス110を保持するためのバイスグリップといった固定具112をさらに含んでもよく、機械デバイス110の操作、曲げ、又は他の方法でその物理的特性を修正するための調整具114(例えば、曲げ機械、プライヤ、レンチ等)を含んでもよい。まとめると、システム100は、本明細書でさらに説明するように、機械デバイス110の所定の特性の測定及び調整に適応するように構成される。
【0025】
図示のように、コンピューティングデバイス104は、ネットワーク116を介してカメラ106と動作可能な無線通信を行うことができる。他の実施形態では、本明細書でさらに説明するように、コンピューティングデバイス104は、有線接続によってカメラ106と動作可能に通信してもよく、あるいはカメラ106は、コンピューティングデバイス104と一体化されてもよい。コンピューティングデバイス104は、サーバ、コントローラ、パーソナルコンピュータ、端末装置、ワークステーション、ラップトップ、モバイルデバイス、スマートフォン、タブレット、メインフレーム、あるいはアプリケーション102によって構成されるか、他の方法で、本明細書において説明される機能を実装するように構成される他のそのようなコンピューティングデバイスのうちの1つ又は複数を含んでもよい。アプリケーション102は、C++におけるOpen CV及びArUcoツールセットといった、異なるソフトウェアパッケージを使用して作成され得るが、本概念は、この点において制限されない。システム100及び/又はアプリケーション102の態様は、例えば、Amazon Webサービス、又は他の分散(distributed)システムもしくは分散(decentralized)システムを使用し、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)として、及び/又はサービスとしてのソフトウェア(SaaS)として使用して、モバイルアプリケーションとして提供されてもよい。ネットワーク116は、インターネット、イントラネット、バーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、ピア・ツー・ピア・ネットワーク、クラウド等を含むことができる。いくつかの実施形態では、システム100の1つ又は複数の構成要素を実行するために、クラウド(不図示)を実装してもよい。
【0026】
さらに示されるように、コンピューティングデバイス104は、データベース118と動作可能に接続されることができ、又は別の方法でデータベース118にアクセス可能であり得る。データベース118は、機械デバイス110の所定の又は所望の特性に関する情報、仮想オブジェクト、及び本明細書に記載されるような他の関連情報を記憶することができる。例えば、データベース118は、異なる種類のゴルフクラブに適した所定のロフト角及びライ角に関する情報を記憶することができる。さらに、アプリケーション102の少なくともいくつかの特徴は、ネットワーク116を介して、コンピューティングデバイス104と通信する複数のユーザデバイス120に利用可能にされてもよい。複数のユーザデバイス120は、コントローラ、パーソナルコンピュータ、端末装置、ワークステーション、ポータブルコンピュータ、ラップトップ、モバイルデバイスタブレット、電話、ページャ、又はマルチメディアコンソールの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されない。複数のユーザデバイス120のうちの任意の1つは、例えば、機械デバイス110を何らかの形態に調整する要求のような要求又は情報を、例えば、コンピューティングデバイス104に送信するように実装されてもよい。
【0027】
図1Aを参照しつつ、図1Bを参照すると、コンピューティングデバイス104及びカメラ106を使用して、アプリケーション102に関連付けられた複数の考えられるモジュールを介して、データ実行及びデータ処理されるときの、データ作成、処理、及び流れを示すフロー図150が示されている。アプリケーション102は、図示されているモジュールを使用して、3D物理的特性や、機械デバイス110を評価又は調整するのに有用な、性能測定値又は情報を生成するために使用することができる他の情報(任意の表面と機械デバイス110の所与の軸との間の相対角度等)を出力するように構成されている。一般に、基準108の事前に較正された3D位置(156)を評価するために、カメラ106を用いて、「シーン較正」モジュール154に関連付けられた較正画像フレーム152を生成することができる。次いで、基準108を機械デバイス110に沿って配置し、機械デバイス110の画像フレーム158を生成し、「基準追跡」モジュール160及び/又は「実際の特徴追跡」モジュール164をカメラ106と共に(並行して又は別々に)使用して、基準108に関連する2D画像座標162又は他の2D画像特徴を記録又は識別することができる。アプリケーション102に関連付けられた「3D位置推定」モジュール170は、2D画像座標162を利用して、その後、基準108及び機械デバイス110の実際の特徴に対応する1組の3次元(3D)点/座標172を推定又は生成するように構成されている。そのような3D点172が作成されると、機械デバイス110の特定の物理的特性176を定義するために、一連の所定の線形代数演算を3D点172に適用するように構成されている「物理的特性定義」モジュール174が実装されることができる。次いで、「性能測定」モジュール178は、本明細書でさらに説明するように、任意の数又は種類の性能測定値を出力するために、機械デバイス110の物理的特性176に関連するデータを利用することができる。いくつかの実施形態では、性能測定値(図示せず)は、事前に定義された仮想オブジェクトのデータベース182を参照して、「仮想オブジェクト重ね合わせ(superposition)」モジュール180を介して、所定の目標仕様に対してさらに照らし合わされてもよい。
【0028】
より具体的には、図1Bのシーン較正モジュール154を参照すると、まず、カメラ106の空間解像度を基準108で較正することができる。いくつかの実施形態では、これは、較正シート202がカメラ106の方に向くように、基準108の配列又は基準(図2Aの204として示される基準の配列)を有する較正シート(図2Aの202)を、カメラ106の前に最初に配置することを含むことができる。図2A図2Bに示すように、基準108は、略正方形状とピクセル化された白黒パターンのユニークな幾何学的形状とを画定する2D画像であってもよい。他の実施形態では、基準108は、基準108に関連付けられた画像データの変化を追跡するのに適した任意の種類又は特定の形状(例えば、円形、長方形、三角形、五角形、八角形、又は任意の他の形状)又は何らかの種類の特徴を定めてもよい。基準108は、表面領域をさらに画定することができる。例えば、基準108の表面領域は、任意の形状(例えば、正方形、長方形、三角形、円形、五角形、八角形、又は任意の他の形状)を含んでもよく、例えば、1平方インチであってもよい。他の実施例では、基準108の表面領域を拡大することができる。例えば、基準108の表面領域は、少なくとも1平方インチ、少なくとも1.5平方インチ、少なくとも1.75平方インチ、少なくとも2平方インチ、少なくとも2.25平方インチ、又は少なくとも2.5平方インチであり得る。他の実施例では、基準108は、さらに縮小することができる。例えば、基準の表面領域は、0.75平方インチ未満、0.50平方インチ未満、0.25平方インチ未満、0.15平方インチ未満であってもよい。いくつかの実施形態では、基準108は、(図2A~2Bに示される)2次元(2D)クイックレスポンス(QR)コード(登録商標)の形態、又は機械デバイス110(図示せず)に沿って存在するか、さもなければ自然に定められる自然な特徴の形態をとることができる。
【0029】
図2Bを参照すると、基準108A、基準108B、基準108Cによって、基準108の更なる特徴が図示されている。基準108A、基準108B、基準108Cは、較正シート202から移動又はコピーされ得る基準108の3つの例であり得る。基準108Aによって示されるように、一例として、基準108は、基準108の形状の周囲に沿って定められるアウトライン210(緑色で示される)と、アウトライン上の1点に位置するドット212(赤色で示される)とを含むことができる。アウトライン210は、基準108Aの平面座標を指示し、一方、ドット212は、平面座標の原点を示す。さらに、基準108A及び他の基準108によって定められるピクセル化された白黒パターンのユニークな幾何学的形状は、異なるバイナリコードを表すことができる。異なるバイナリコードは、カメラ106によって認識されることができ、どの基準108がそれぞれ機械デバイス110に沿ったどの別個の位置にあるかについての識別及び/又は決定に適応することができる。いくつかの実施形態では、基準108の各々は、異なる識別子に関連付けられることができる。例えば、基準108Aは、「10」の識別子に関連付けられてもよく、又は「10」の識別子を(QRコード又は他の方法に基づいて)定めてもよく、基準108Bは、「40」の識別子に関連付けられてもよく、又は「40」の識別子を(QRコード又は他の方法に基づいて)定めてもよく、基準108Cは、「41」の識別子に関連付けられてもよく、又は「41」の識別子を(QRコード又は他の方法に基づいて)定めてもよい。
【0030】
図1A及び図1Bを再び参照すると、基準108を含む較正シート202がカメラ106の前に位置決めされると、カメラ106に対する較正シート202の位置及び向きは、その後、カメラ106で画像又は画像フレームを撮影する間、所定の期間に亘って変更され、較正画像フレーム152を生成することができる。このようにして、較正シート202の各基準108の実際の寸法は、カメラ106を較正するために使用され得る。次いで、基準108の3D位置の事前較正156のために、較正画像フレーム152をシーン較正モジュール154に供給することができる。言い換えれば、較正シート202は、基準108に対するカメラ106の初期姿勢(及び/又はカメラ106に対する基準108の基準位置)を計算するための基準として使用されることができる。全体として、シーン較正モジュール154は、較正画像フレーム152を利用して、カメラ106及びレンズ(図示せず)及び/又はコンピューティングデバイス104を自動的に較正し、後続のモジュールが、機械デバイス110に沿った全ての関心点について3D座標を計算することを可能にする。上述のようなシーン較正モジュール154を使用するシーン較正は、カメラ106からの距離に関係なく、カメラ106の視野内の後続の画像フレーム内の基準108を認識するコンピューティングデバイス104及び/又はカメラ106の能力に適応する。
【0031】
実装されるカメラ106は、単一のカメラ、又は集合的に又は独立して動作する1組のカメラ又は複数のカメラデバイスを含むことができ、従って、カメラ106は、画像データを撮影することができる特定の数のカメラ、又はカメラデバイスに限定されないことを理解されたい。カメラ106は、さらに、カメラを有する任意の電子デバイス(例えば、モバイルデバイス、タブレット、又はラップトップ)、又はコンピュータへの接続を有する任意のカメラであってもよい。さらに、カメラ106は、3D画像を撮影するように構成されているステレオカメラ(図示せず)であってもよい。このようなステレオカメラを使用する実施形態では、ステレオカメラは、特性測定値を生成するために、対応点としての基準108なしで、単独で使用されることができる。いくつかの実施形態では、カメラ106は、機械デバイス110を示すために使用される選択された実際の特徴又は基準108を撮影するのに十分な解像度で構成される。機械デバイス110の視野を広げるために、又は機械デバイス110を立体視するために、複数のカメラを使用することができる。一実施形態では、カメラ106の位置決め及び姿勢決めは、シーン較正モジュール154が実行される前に行われる。機械デバイス110を表示するために使用される実際の特徴及び/又は基準108は、2D画像内のピクセルによって表すことができ、アプリケーション102は、本明細書で説明するように、これらの2D画像(及びその観察された変化)を利用する。一実施形態では、高解像度(1920p×1080p)画像を撮影することができるカメラ106を使用することにより、基準108又は実際の特徴をより多数のピクセルによって表すことができるので、アプリケーション102の機能性及び出力を向上することができる。いくつかの実施形態では、カメラ106を(カメラが常にアプリケーション102に情報を供給する)ライブカメラとして実装している場合、画像フレーム158は、0.1Hzから144Hzの間の所与の速度で更新されて(refreshed)いる。アプリケーション102は、画像フレーム158をバイナリ(即ち、白黒)に変換し、エッジ解像度をシャープにし、線を太くし、線を細くする等のために、後続の測定を実行し、又は画像フレーム158内の特定の特徴/基準108の位置を特定するために、画像フレーム158に関連した1つ又は複数のファイルを操作することができる。
【0032】
シーン較正が完了すると、基準108は、必要に応じて、機械デバイス110の所定の位置に沿って配置又は位置決めされてもよい。図3A図300を参照すると、基準108Aは、機械デバイス110の本体302の上部に沿って配置されてもよく、基準108B及び基準108Cは、図示されるように、機械デバイス110の本体302から延在する細長い部材304に沿って位置決めされてもよい。加えて、少なくとも1つの基準108は、図示の基準108Dのように、表面306に沿って位置決めされてもよい。いくつかの実施形態では、図示の基準108は、較正シート202から切り取られ、機械デバイス110の別個の所定の位置に沿って配置されてもよい。また、機械デバイス110に沿って配置された基準108は、較正シート202からコピー又は複製されてもよい。基準108は、テープや弱い接着剤を使用して、又は磁気を適用して、機械デバイス110の表面に一時的に係合され得る。基準が縮小された例では、基準108は、機械デバイス110のコーティング内に埋め込まれることができ、又は基準が機械デバイス110内又はそれに沿って一体化されるように製造されることができる。図示されるような基準108A、基準108B、及び基準108Cの位置は、単なる例示に過ぎず、所望の機械デバイス110の測定に応じて再配置されてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、図3Aに示される基準108は、表面306(任意の平坦な表面であり得る)と機械デバイス110に沿って定められる所与の軸との間の相対角度の測定に適応する。例えば、基準108A及び基準108Dを使用して、表面306によって定められる軸310(X1)と、機械デバイス110の本体302によって定められる軸312(X2)との間の相対角度を測定することができる。同様に、基準108D、基準108B及び/又は基準108Cを使用して、表面306によって定められる軸310と、機械デバイス110の細長い部材304によって定められる軸312(X3)との間の相対角度を測定することができる。
【0034】
図1Bに戻って参照すると、基準108が配置されると、基準108及び機械デバイス110の1つ又は複数の画像又は画像フレーム158は、カメラ106を使用してアクセスされ得るか、又は撮影され得る。画像フレーム158は、基準108及び機械デバイス110の2次元画像特徴、及び/又は機械デバイス110の(所定の位置における)自然な又は実際の特徴に関連する2次元画像特徴を定めることができる。
【0035】
3D位置推定モジュール170で使用するために、画像フレーム158内の基準108の2D位置は、基準追跡モジュール160を使用して、記録され得るか又は識別され得る。同様に、他の実施形態では、実際の特徴追跡モジュール164を使用して、画像フレーム158内の機械デバイス110の所定の実際の特徴の2D画像位置を記録、又は識別することができる。この段階では、機械デバイス110が画像フレーム内にとどまる限り、カメラ106は基準108を連続的に追跡することができる。言い換えれば、シーン較正モジュール154によって計算されたカメラ106の姿勢を使用して、基準108及び/又は自然シーン(natural scene)内の実際の特徴を較正することができ、広範なフレームのセット(extended set of frames)にわたって追跡することができる。基準108の位置及び回転は、画像フレーム158のカメラ座標フレームに提供される。
【0036】
次いで、3D位置推定モジュール170は、全ての基準108(及び実際の特徴)の3D位置/座標172を推定するために、図1Bにおける先のモジュールで生成されたデータを取り込むように構成されることができる。カルマンフィルタ等の再帰フィルタを使用して、カメラ106の姿勢及び基準/特徴の2D画像座標162の測定値に基づいて、機械デバイス110に沿った新しい点の3D位置172を推定することができる。
【0037】
3D点172が生成されると、「物理的特性定義」モジュール174が実装されることができ、これは、機械デバイス110の特定の物理的特性176を定めるため又は識別するために、一連の所定の線形代数演算を3D点172に適用するように構成されている。本明細書でさらに説明されるように、次いで、「性能測定」モジュール178は、任意の数又は種類の性能測定値を出力するために、事前に定められた追加の機能を用いて、機械デバイス110の物理的特性176に関連するデータを処理又は適用するように実装されることができる。一例として、表面306に対する機械デバイス110の細長い部材304の相対角度は、図1Bの機能を使用して決定されることができる。この角度は、機械デバイス110が銃であって、細長い部材304が銃身である場合、例えば、細長い部材304を通って放出される時に弾丸又は他の発射体が進むと予測される距離を決定するための別の関数への入力として有用であり得る。いずれの場合も、アプリケーション102は、図1Bのモジュールを利用して、3D物理的特性、又は他の情報(任意の表面と機械デバイス110の所与の軸との間の相対角度等)を出力するように構成されており、これらを使用して、機械デバイス110を評価又は調整するために有用な性能測定値178又は情報を生成することができる。
【0038】
システム100の多くの追加的な用途が考えられる。いくつかの実施形態では、1組の基準は、ゴルフクラブ、バット、ホッケースティック、又はスイング分析のための調整に使用するための他のスポーツ用品の様々な部分にステッカーとして貼り付けられてもよい。基準はカメラによって読み取られ、それらに割り当てられた識別子はシステム100への入力として供給される。次いで、システム100を使用して、ダウンスイング時の初期身体動作、異なるスイングセグメントでのクラブ-ヘッドの向き、及びスイングの全体の一貫性を分析することができる。分析中に、システム100は、プレーヤーが見てパフォーマンス向上のために実行し得る値を調整中又はレッスン中に提供することができる。
【0039】
より具体的には、図3B図400を参照すると、ダウンスイング時の初期身体動作、異なるスイングセグメントでのクラブヘッドの向き、及びシャフト414及びクラブヘッド416を一般的に定めるゴルフクラブ412のスイングの全体的な一貫性を分析するために、任意の数の基準108をユーザ410及び/又はゴルフクラブ412の様々な部分に沿って並べることができる。例えば、図400では、基準108Eを、肩等のユーザ410の上半身に沿って配置することができる。この例では、基準108Eを、ユーザ410が着用する衣類に取り付けてもよく、又は衣類に一体化/縫い付けてもよい。いくつかの実施形態では、基準108Fは、図示されるように、左腕420B等のユーザの片腕又は両腕420に沿って配列されていてもよい。基準108Gのうちの1つ又は複数はまた、ユーザ410の脚422のうちの片方又は両方に沿って整列されてもよい。所望の出力に応じて、任意の数の基準108がスイング解析のために実装されてもよい。
【0040】
さらに、任意の数の基準108をゴルフクラブ412に沿って並べることができる。図3Bに示すように、基準108Hをシャフト414に沿って並べることができ、基準108Iをヘッド416に沿って並べることができるが、本開示はこの構成に限定されるものではない。いくつかの実施形態では、スマートウォッチ430又は他のウェアラブルデバイスが、システム100に実装されることができる。例えば、スマートウォッチ430は、本明細書に記載されるようなカメラ106による撮影及び図1Aのコンピューティングデバイス104による解釈のために、基準108の1つ又は複数をデジタル表示するためユーザ410の手首432に沿って実装されてもよい。また、スマートウォッチ430は、本明細書に記載された機能に関連して、スイング分析のために、又はクラブ412の物理的特性を修正するために、コンピューティングデバイス104に付加的な入力データを提供するために実装されてもよい。いくつかの実施形態において、スマートウォッチ430は、バックスイング時間、ダウンスイング時間、テンポ(バックスイング時間とダウンスイング時間との比)、及びユーザ410によるゴルフクラブ412のスイングのその他の特性を測定するように構成された複数のセンサ(例えば、加速度計、ジャイロ、磁力計)を備えた、カリフォルニア州クパチーノのApple Inc.,のAPPLE WATCH(商標登録)デジタルウォッチを含んでもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、スイング分析の際、システム100は、クラブ412の調整中に活用されることができる1つ又は複数のスイング分析入力値を出力することができる。具体的には、システム100は、一連の所定の線形代数演算を含む1組の所定の関数への入力として、スイング分析入力値を利用することができる。本明細書(例えば、図4)でさらに説明するように、線形代数演算は、今度は、クラブシャフト414とクラブヘッド416との間の相対角度といった、ユーザ410に最適なゴルフクラブ412の物理的特性の測定値に対応する1つ又は複数の出力値を提供することができる。いくつかの実施形態では、システム100は、入力として、ローカル座標系の所定の原点を表す1組の座標(1組の基準108又はその他から導出される)と、クラブ412上の点を表す第2の組の座標とを通過する3次元関数を適用する。第2の組の座標は、クラブ412のシャフト414に沿った基準の位置に対応することができる。この3次元関数は、原点の水平点を表す原点座標と、シャフト414に沿った水平点を表す座標との間の距離を決定し、原点の垂直点を表す原点座標と、シャフト414に沿った垂直点を表す座標との間の距離を決定し、原点における水平軸と垂直軸に垂直な軸上の点を表す原点座標と、シャフト414に沿った点における水平軸と垂直軸に垂直な軸上の点を表す座標との間の距離を決定できるように、それぞれの座標の間の距離を決定する。この3次元関数の出力は、クラブ412のシャフト軸のベクトルを表す1組の座標である。クラブ412のフェース又はヘッド416上の平面を定める1組の点を構成する入力に対してクロス積演算を実行する別の関数を適用してもよく、この関数はその平面に対する法線ベクトルを出力として生成してもよい。最後に、クラブ412のライ及びロフトは、アークタンジェントといったアーク関数に、クラブ412上の点に対応するベクトルの比率を入力することによって計算することができる。
【0042】
例えば、ローカル座標系の所定の原点を表す1組の点は、(0,0,0)であってもよい。クラブ412上の点を表す1組の点は、(10,20,30)であるように選択することができる。3次元関数を適用すると、クラブ412のシャフト軸のベクトルを表す1組の座標は、(10,20,30)-(0,0,0)=(10,20,30)であることが分かる。
【0043】
クラブ412のフェース上の平面が、点A=(2,2,3)、点B=(1,0,1)、及び点C=(-1,3,4)によって定められる場合、変数Fによって表される平面に対する法線ベクトルの座標は、以下のように計算され得る。
【数1】
【0044】
従って、クラブ412のフェース上の選択された点に垂直なベクトルの座標は、(0,7,7)である。
【0045】
最後に、ライを決定するために入力として使用される座標の比が0.88である場合、ライは、0.73ラジアンに等しいarctan(0.88)であってもよく、それは、約41.63度である。同様に、ロフトを決定するために入力として使用される座標の比が0.45である場合、ロフトは、0.42ラジアンに等しいarctan(0.45)であってもよく、それは、約24.23度である。
【0046】
システム100は、さらに、スポーツ用品として使用されるゴルフクラブ又は他のクラブ、バット、又はホッケースティックの製造過程におけるグリップ製造(gripping)を改善するように実装されることができる。現在、クラブのグリップ製造は、人間の目を用いて行われることが多い。この方法は、一貫性のない製品を製造する異なるグリップ部をもたらす。システム100をロフト/ライプロセスだけでなくグリップ製造プロセスにも適用することによって、組立時間を短縮することができ、製品間の一貫性を大幅に向上させることができる。他のゴルフ関連用途も考えられる。
【0047】
いくつかの実施形態では、システム100は建設の分野において適用されてもよい。具体的には、システム100は、スタッド間の間隔の一貫性を確実にし、スタッドが互いに水平であることを確実にするために、1つのスタッドの別のスタッドに対する角度を計算し、スタッド間の距離を計算するために、フレーマーにより実装されることができる。短期間に何百もの家屋のフレームを組まなければならないことが多い典型的なフレーマーにとって、システム100が別個のスタッド間の角度及び距離を計算することができる速度は、労働時間及びコストの大幅な節約につながる可能性がある。また、システム100は、製造プロセス中のロボティクスに適用される場合にも、労働時間及びコストを低減するように役立つことができる。製造環境内のロボットが材料のシート又は完成部品を取り上げ、基準によって提供される入力を使用して、その材料のシート又は完成部品を組み立て、又は別の作業のために適切に配向できるようにするために、基準180をコンポーネント上に配置又は整列させることができる。この適用では、基準108は、関連する材料のシート又は完成部品をどのように適切に配向するかについて、ロボットに命令する1組の命令に関連付けられる識別子を定めるQRコードを含むことができる。
【0048】
別の例として、システム100を利用して、銃身又は矢柄と、所定の距離だけ離れて配置された平坦なターゲットとの間の角度を計算することができる。このようにして、銃/弓の愛好者は、自身の武器をより良く調整することができるという恩恵を受けることができる。別の例として、塗装ガンと選択された表面との間の角度が計算されることができる。自動車製造業者は、ロボットアームを使用して車体を塗装するため、これによって製造業者は塗装ガンと車体表面との間のスプレー角度についての閉ループフィードバックを得ることができる。さらに、本開示のコンピュータビジョンは、車体の不透明な塗料層内の空隙を検出するのに適し得る。別の例として、ヘリコプター又は飛行機の支柱上の着陸装置と、接近する着陸パッド又は滑走路との間の角度及び距離を計算することができる。これは、着陸時に閉ループの自動制御を提供して乗客を保護することができ、着陸パッド又は滑走路が傾いた場合に警告するために使用されることができる(例えば、クルーズ船のデッキがアキンボ(akimbo)のときに、荒天時にヘリコプターをクルーズ船に着陸させる)。
【0049】
さらに、システム100はまた、モータースポーツにおけるデータ取得のために使用されることができる。ステッカー等の形態の基準180は、鍵となる車両のパーツ上に配置されてもよい。基準180は、システム100と通信しているカメラによって走査されることができる。次いで、システム100は、入力として、基準180に関連付けられる任意の識別子を使用して、重要な測定値を分析し、自動車が、そのそれぞれのモータースポーツに関連する規則及び規定に準拠しているかどうかを判定することができる。システム100は、入力を使用して、とりわけ、車両の動的サスペンション角度を分析することができる。システム100はさらに、様々なコーナリングシナリオに基づいてサスペンション運動を記録することができる。システム100の上記の考えられるいずれの適用に関しても、基準108は、本明細書に記載されるように、分析対象のデバイス又は物体に沿って存在する実際の特徴によって全体的又は部分的に置き換えられることができ、実際の特徴の位置、向き、及び他の特性に対する変化は、カメラ106又は別の方法を使用して解釈されることができる。
【0050】
図4を参照すると、ゴルフクラブ(図5の510)の形態である機械デバイス110の特定の非限定的な実施形態の態様を測定するための、アプリケーション102に関連付けられた複数の他の可能なモジュールの実装、及び(コンピューティングデバイス104及びカメラ106を使用する)データ作成、処理、データフローのための他の機能性を示すフロー図450(フロー図150と同様)が示されている。フロー図450の以下の説明に示されるように、ゴルフクラブ510の測定は、図1Aのシステム100及び図2A~2Bの較正シート202及び基準108の態様を利用して、作業時間を短縮し、測定及び調整時のゴルフクラブ510の磨耗及び破損並びに損傷を低減すると同時に、ゴルフクラブ510のロフト角度及びライ角度を測定及び調整することができる。
【0051】
一般に、基準108の事前に較正された3D位置(456)を評価するために、カメラ106を用いて「シーン較正」モジュール454に関連付けられた較正画像フレーム452を生成することができる。次いで、基準108をゴルフクラブ510の所定の位置に沿って配置し、ゴルフクラブ510の画像フレーム458を生成し、「基準追跡」モジュール460及び/又は「実際の特徴追跡」モジュール464をカメラ106と共に(並行に又は別々に)使用して、基準108に関連する2D画像座標462又は他の2D画像特徴を記録又は識別することができる。アプリケーション102に関連付けられた「3D位置推定」モジュール470は、2D画像座標462を利用して、その後、基準108及びゴルフクラブ510の実際の特徴に対応する1組の3次元(3D)点/座標472を推定又は生成するように構成されている。そのような3D点472が作成されると、ゴルフクラブシャフトの中心軸、ゴルフクラブ510のフェースに平行な平面、及びその平面に対する法線ベクトル476を定めるために、一連の所定の線形代数演算(474で「シャフト軸+フェース平面法線ベクトル定義」として表される)を3D点472に適用するように構成されている「シャフト軸+フェース法線ベクトル定義」モジュール474が実装されることができる。次いで、「ロフト+ライ計算」モジュール478は、前述のデータを利用して、ゴルフクラブ510に関連するロフト度及びライ度を出力することができる。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブ510に関連するロフト度及びライ度は、ゴルフクラブ及びゴルフクラブ調整に関連する事前に定義された仮想オブジェクトのデータベース482を参照して、「仮想オブジェクト重ね合わせ(superposition)」モジュール480を介して、所定の目標仕様に対してさらに照らし合されてもよい。
【0052】
より具体的には、図4のシーン較正モジュール454を参照すると、まず、カメラ106の空間解像度を基準108で較正することができる。いくつかの実施形態では、これは、較正シート202がカメラ106の方に向くように、基準108の配列又は基準(図2Aの204として示される基準の配列)を有する較正シート(図2の202)を、カメラ106の前に配置することを最初に含むことができる。基準108は、本明細書に記載されるような多数の形態及び形状をとることができ、いくつかの実施形態では、基準108は、2次元(2D)クイックレスポンス(QR)コード(図2A図2Bに示される)、又はゴルフクラブ510(図示せず)に沿って存在するか、さもなければ自然に定められる自然な特徴の形態をとることができる。
【0053】
図4に戻ると、基準108を含む較正シート202がカメラ106の前に位置決めされると、カメラ106に対する較正シート202の位置及び向きは、その後、カメラ106で画像を撮影する間、所定の期間に亘って変更され、較正画像フレーム452を生成することができる。このようにして、較正シート202の各基準108の実際の寸法は、カメラ106を較正するために使用され得る。次いで、基準108の3D位置の事前較正456のために、較正画像フレーム152をシーン較正モジュール454に供給することができる。言い換えれば、較正シート202は、基準108に対するカメラ106の初期姿勢(及び/又はカメラ106に対する基準108の基準位置)を計算するための基準として使用されることができる。本明細書でさらに説明するように、全体として、シーン較正モジュール454は、較正画像フレーム452を利用して、カメラ106及びレンズ(図示せず)及び/又はコンピューティングデバイス104を自動的に較正し、後続のモジュールが、ゴルフクラブ510に沿った全ての関心点について3D座標を計算することを可能にする。上述のようなシーン較正モジュール454を使用するシーン較正は、カメラ106からの距離に関係なく、カメラ106の視野内の後続の画像フレーム内の基準108を認識するコンピューティングデバイス104及び/又はカメラ106の能力に適応する。本明細書でさらに説明するように、カメラ106は、多数の異なる形態をとることができ、画像、画像フレーム、又は(画像フレームを定める)ライブストリーミングデータを撮影することができ、また、1つ又は複数のカメラを含むことができる。
【0054】
シーン較正が完了すると、次いで、ゴルフクラブ510が、配置及び測定のために準備され得る。図5を参照すると、ゴルフクラブ510は、一般に、ゴルフクラブヘッド512(アイアンタイプであってもよい)及びゴルフクラブシャフト514を含んでもよい。ゴルフクラブヘッド512は、ゴルフクラブシャフト514の一端に結合され、グリップ516は、ゴルフクラブシャフト514の他端に結合される。ゴルフクラブシャフト514に好適な材料は、スチール及びグラファイトを含む。ゴルフクラブヘッド512は、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドとして示されているが、本明細書に記載される本発明の概念の範囲から逸脱することなく、他の実施形態では、パター又はウッドタイプのクラブヘッドであってもよい。
【0055】
ゴルフクラブヘッド512は、本体518と、ゴルフクラブシャフト514の一端を受け入れるための円筒穴522を有するホーゼル520とを備える。本体518は、トウ端526から離間したヒール端524を定める。ソール(図5には示されていない)は、ヒール端524の下部からトウ端526の下部まで延在し、トップレール530は、ヒール端524の上部からトウ端526の上部まで延在する。本体518は、本体518のバック部又はリア部に沿ってヒール端524とトウ端526との間に延在する後面532を有する。本体518は、ヒール端524とトウ端526との間に延在する前面534をさらに備える。ホーゼル520は、本体518のヒール端524に接続されたネック521を含む。ネック521は、ネック521の下面に切り込み(図示せず)を有する。ゴルフクラブヘッド512は、前面542及び後面544を有するゴルフクラブフェースプレート540をさらに含むことができる。クラブヘッド512は、鋳造や固体鋳物からの機械加工等によって形成することができる。クラブヘッド512に好適な材料は、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、ニッケル、チタン合金、アルミニウム合金、ニッケル合金等を含むが、これらに限定されない。
【0056】
ゴルフクラブ510の画像フレーム458を生成する前に、基準108(シーン較正に使用される基準と同じ基準であってもよい)は、いつでも、又は調整具114内に配置される前に、ゴルフクラブ510上の別個の所定の位置に沿って配置、係合、又は他の方法で配置することができる。図6A~6Bを参照すると、一例では、基準108のうちの少なくとも3つは、ゴルフクラブ510上の少なくとも3つの別個の位置に配置されることができる。図2Bの基準108Aのような第1の基準は、ゴルフクラブヘッド512のゴルフクラブフェースプレート540上に配置されることができる。図2Bの基準108Bのような第2の基準は、ゴルフクラブヘッド512に近接する、ゴルフクラブシャフト514の第1の端部550上に配置されることができる。図2Bの基準108Cのような第3の基準は、第1の端部550の反対側に位置する、シャフト514の第2の端部552上に配置されることができる。第1の基準(108A)は、ゴルフクラブ510のフェースプレート540のフェース平面を示す。第2の基準及び第3の基準(108B及び108C)は、ゴルフクラブ510のシャフト514の中心線軸を示す。本明細書でさらに説明するように、シャフト514の中心線軸を基準としてフェース面を識別し、又は観察することによって、ゴルフクラブヘッドのロフト角度、及びライ角度を決定するようにアプリケーション102を適応させる。第2の基準及び第3の基準(108B及び108C)は、シャフト514の長さを決定するように、アプリケーション102をさらに適応させる。
【0057】
他の例では、基準108は、任意の数(例えば、少なくとも4つの基準、少なくとも5つの基準、少なくとも6つの基準、少なくとも7つの基準、少なくとも8つの基準、少なくとも9つの基準、少なくとも10の基準、少なくとも11の基準、少なくとも12の基準、又は少なくとも13の基準)を含むことができる。配置される基準108の量を増加させることによって、ゴルフクラブ510の態様を測定するためのアプリケーション102の精度を高めることができる。さらに、基準108の量を増加させることにより、アプリケーション102は、ゴルフクラブのロール(roll)及びバルジ(bulge)等の他の特性を測定することができる。いくつかの実施形態では、フェースプレート540上の基準108の向きは、ゴルフクラブヘッド512のフェースプレート540上に位置する複数の溝に対して平行な基準108の一端に合わせて整列されることができる。他の例では、フェースプレート540上の基準108は、ゴルフクラブヘッド512の複数の溝に合わせて整列されなくてもよい。シャフト514上の基準108の向きは、シャフト514上に少なくとも2つの基準108が位置している限り、任意の向きとすることができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、図示の基準108は、較正シート202から切り取られ、図示のゴルフクラブ510の別個の所定の位置に沿って配置されてもよい。また、ゴルフクラブ510に沿って配置された基準108は、較正シート202からコピー又は複製されてもよい。基準108は、テープや接着剤を使用して、又は磁気の適用によって、ゴルフクラブ510の表面に一時的に係合され得る。基準が縮小された例では、基準108は、ゴルフクラブ510のコーティング内に埋め込まれることができ、又は基準がゴルフクラブ510内又はゴルフクラブ510に沿って一体化されるように製造されることができる。基準108は、シャフト514に取り付ける取り付け機構(例えば、スナップクランプ)を有する平坦な表面に、基準108を接着することによって、ゴルフクラブ510のシャフト514上にさらに配置されることができる。基準108は、さらに、同様に、磁石によってゴルフクラブヘッド512のシャフト514上に配置されることができる。図示されるような、基準108A、基準108B、及び基準108Cの位置は、単なる例示的なものに過ぎず、ゴルフクラブ510の様々な測定が望まれる場所に再配置されてもよい。一実施形態では、基準108は、ゴルフクラブ510に沿って適用又は配置される前に、印刷及び測定されてもよい。
【0059】
図6Cを参照すると、基準108A(及び他の基準108)は、一般に、略正方形状と、ピクセル化された白黒パターンの独特の幾何学的形状とを画定することができる。他の実施形態では、基準108は、任意の形状(例えば、円形、長方形、三角形、五角形、八角形、又は任意の他の形状)を含むことができる。いくつかの実施形態では、基準108は、基準108の形状の周囲に沿ったアウトライン210(図2Bに先に示されている)と、アウトライン210に沿った1点に位置するドット212とをさらに含む。アウトライン210は、基準108の平面座標を指定し、一方、ドット212は、平面座標の原点を示す。ピクセル化された白黒パターンのユニークな幾何学的形状は、異なるバイナリコードを表す。コンピューティングデバイス104及びカメラ106が、どの基準108がゴルフクラブ510上のそれぞれ別個の位置にあるかを識別できるように、異なるバイナリコードは、シーン較正後にカメラ106によって認識される。
【0060】
図4を再び参照すると、基準108が配置されると、基準108の2次元位置が記録されることができ、及び/又は基準108及びゴルフクラブ510の1つ又は複数の画像又は画像フレーム458が、カメラ106を使用してアクセスされ、又は撮影されることができる。画像フレーム458は、基準108及びゴルフクラブ510の2次元画像特徴又は画像座標462、及び/又はゴルフクラブ510の(所定の位置における)自然な又は実際の特徴に関連する2次元画像特徴を定めることができる。画像フレーム458は、さらに、クラブフェース540の溝の2D画像位置と、画像フレーム内のゴルフクラブ510全体に沿った周辺点とを定めることができる。カメラ106は、クラブ510が画像フレーム内にとどまる限り、基準108又はゴルフクラブ510の自然な特徴を連続的に追跡することができる。言い換えれば、画像フレーム458内の基準108の2D位置は、3D位置推定モジュール470で使用するために、基準追跡モジュール460を使用して記録されるか、さもなければ識別されることができる。同様に、他の実施形態では、実際の特徴追跡モジュール464を使用して、画像フレーム458内のゴルフクラブ510の所定の実際の特徴の2D画像位置を記録又は識別することができる。基準108の位置と回転は、画像フレーム458のカメラ座標フレームに記録される。
【0061】
次いで、3D位置推定モジュール470は、全ての基準108(及び実際の特徴)の3D位置/座標472を推定するために、図4の以前のモジュールで生成されたデータを取り込むように構成されることができる。カルマンフィルタ等の再帰フィルタを使用して、カメラ106の姿勢及び基準/特徴の2D画像座標462の測定値に基づいて、ゴルフクラブ510に沿った新しい点の3D位置472を推定することができる。
【0062】
3D点472が生成されるか、又は他の方法で決定されると、シャフト軸、フェース平面、及び法線ベクトル(476に示す)を推定するために、一連の所定の線形代数演算を3D点472に適用するように構成されている「シャフト軸+フェース平面法線ベクトル定義」モジュール474が実装されることができる。一実施形態では、シャフト軸のベクトル(図6AのS)は、次のように計算されることができる。
【0063】
【数2】
【0064】
ここで、(x´,y´,z´)は、ローカル座標系の原点として定められる。クラブ510のフェース540上の3つの点A、B、及びC(それぞれ、図6Aにおいて560、562、及び564として示される)は、フェース上の平面を定めるために使用される。
【0065】
その平面に対する法線ベクトルFは、以下のように計算することができる。
【0066】
【数3】
【0067】
ここで、AB及びACは、それぞれ点Aから点B、及び点Aから点Cを指すベクトルである。
【0068】
最後に、「ロフト+ライ計算」モジュール478は、以下のようにクラブのライ(Lie)を計算するように構成されることができる。
【0069】
【数4】
【0070】
「ロフト+ライ計算」モジュール478は、以下のようにクラブのロフト(Loft)を計算するように構成されることができる。
【0071】
【数5】
【0072】
このようにして、アプリケーション102は、カメラ106に対する広範囲のクラブ方位及びクラブ位置内のロフト及びライを(ベクトル投影として)計算するように構成される。追加のステップとして、アプリケーション102は、仮想オブジェクトのデータベース482内で、目標ゴルフクラブの3Dモデル(即ち、所定のロフト及びライ測定値を有するゴルフクラブ)に対する妥当性のためにロフト及びライ測定値を照合してもよい。
【0073】
換言すれば、アプリケーション102は、カメラ106及びシーンが較正され、基準108がゴルフクラブ510に沿って配置され、画像が基準108及びゴルフクラブ510のカメラ106で撮影されることができるように、図4のモジュール及び機能を実装するように構成されている。基準108B~108Cに関連付けられた画像の特徴を定めるデータを参照すると、これらの基準108の位置及び回転が分かり、中心線軸ベクトルを決定することができる。さらに、基準108Aに関連付けられた画像の特徴を定めるデータを参照すると、ゴルフクラブ510のフェース540の平面を決定することができる。次いで、上記の方程式を使用して、ゴルフクラブ510の中心線軸ベクトル及びフェース540の平面に基づいて、ゴルフクラブ510のロフト及びライを測定することができる。
【0074】
図7に示すように、いくつかの実施形態では、測定され、調整されるゴルフクラブ510は、調整プロセス全体を通して、調整具114(例えば、空気圧バイス)に係合したままであることができる。カメラ106は、調整されているゴルフクラブ510のフェース及びシャフト514に対する明瞭な照準線(LOS)をカメラ106に与えるように位置決めされてもよい。
【0075】
(試験・検体結果)
図8A~8Bに示されるように、システム100、アプリケーション102、及び図4の特徴(「非接触PCビジョン」として集合的に示される)を利用すると、ゴルフクラブ510のロフト及びライを測定するための時間は、他の方法及びシステムと比較して有意に減少されることが見出され、そして計算は、適切なエラー率を生じる。0.05°より良好な典型的な角度精度で、0.0004インチより良好なシステム精度が可能である。
【0076】
重要なことに、本明細書に記載の方法は、ゴルフクラブ510のロフト及びライの効率的な測定に適応し、工具又は固定具なしで達成されることができる。固定具114を利用する場合、システム100の態様は、調整具114からゴルフクラブ510を取り外すことなくゴルフクラブ510の特性を測定するために、モバイルアプリ又はコンピュータプログラムとして実装されてもよい。カメラ106は、シーン較正及び測定の間、不要にゴルフクラブ510を調整具114から取り外したり再係合したりすることなく、アプリケーション102に画像データを連続的に、又は間隔を空けて提供することができる。
【0077】
他の実施形態では、ゴルフクラブ510の本質的特徴(即ち、ゴルフクラブ510の先端及びグリップにおける、シャフト514の溝及び直径の間隔(図示せず))は、測定及び自己較正のために使用されてもよい。他の実施形態では、高解像度ポイントクラウド、又はメッシュのための撮像技術を使用する複数のカメラ/検出器が実装されてもよい。これらの技術の全ては、本明細書で説明するシステム100のデスクトップ実装形態及びモバイル実装形態の両方に利用されることができる。
【0078】
(例示的なコンピューティング・コンポーネント)
図9は、本明細書で説明する様々な方法を実装することができるコンピューティングデバイス700の例示的な概略図である。例えば、コンピューティングデバイス700は、アプリケーション102の機能及び/又は様態を実行、又はアクセスするコンピューティングデバイス104を含むことができる。コンピューティングデバイス700は、バス701(即ち、相互接続)、少なくとも1つのプロセッサ702又は他の計算要素、少なくとも1つの通信ポート703、メインメモリ704、取り外し可能記憶メディア705、読み取り専用メモリ706、及び大容量記憶デバイス707を含む。プロセッサ702は、Intel(登録商標) Itanium(登録商標)プロセッサ又はIntel Itanium 2(登録商標)プロセッサ、AMD(登録商標) Opteron(登録商標)プロセッサ又はAMD Athlon MP(登録商標)プロセッサ、又はプロセッサのMotorola(登録商標)lineといった、任意の公知のプロセッサであってもよいが、これらに限定されない。通信ポート703は、モデムベースのダイヤルアップ接続で使用するためのRS-232ポート、10/100イーサネットポート、銅線又はファイバを使用するギガビットポート、又はUSBポートのいずれでもよい。通信ポート703は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、又はコンピュータデバイス700が接続する任意のネットワークといったネットワークに応じて選択されることができる。コンピューティングデバイスは、転送ネットワーク及び/又は中継ネットワーク755、ディスプレイ画面760、入出力ポート740、及びマウス又はキーボード等の入力デバイス745をさらに含んでもよい。
【0079】
メインメモリ704は、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は当技術分野で一般に知られている他の任意の動的記憶デバイスであってよい。読み取り専用メモリ706は、プロセッサ702のための命令といった、静的情報を記憶するためのプログラムマブル読み取り専用メモリ(PROM)チップといった、任意の静的記憶デバイスであってよい。大容量記憶デバイス707は、情報及び命令を記憶するために使用することができる。例えば、スモール・コンピュータ・シリアル・インターフェース(SCSI)ドライブのAdaptec(登録商標)ファミリーのようなハードディスク、光ディスク、リダンダント・アレイ・オブ・インディペンデント・ディスクズ(RAID)のようなディスクアレイ、RAIDドライブのAdaptec(登録商標)ファミリーのようなもの、又は任意の他の大容量記憶デバイスを使用することができる。
【0080】
バス701は、プロセッサ702を他のメモリ、ストレージ、及び通信ブロックと通信可能に結合する。バス701は、使用される記憶デバイスに応じて、PCI/PCI-X、SCSI、又はユニバーサルシリアルバス(USB)ベースのシステムバス(又はその他)とすることができる。取り外し可能な記憶メディア705は、任意の種類の外付けハードドライブ、サムドライブ、読み取り専用メモリコンパクトディスク(CD-ROM)、再書き込み可能コンパクトディスク(CD-RW)、読み取り専用メモリデジタルビデオディスク(DVD-ROM)等であり得る。
【0081】
本明細書の実施形態は、コンピュータプログラム製品として提供されてもよく、それは、プロセスを実行するように、コンピュータ(又は他の電子デバイス)をプログラムするために使用され得る命令を格納した機械可読媒体を含んでもよい。機械可読媒体は、光ディスク、CD‐ROM、光磁気ディスク、ROM、RAM、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気又は光カード、フラッシュメモリ、又は電子命令を記憶するのに適した他の種類の媒体/機械可読媒体を含むことができるが、これらに限定されない。さらに、本明細書の実施形態は、コンピュータプログラム製品としてダウンロードすることもでき、プログラムは、通信リンク(例えば、モデム又はネットワーク接続)を介して、搬送波又は他の伝搬媒体で具体化されるデータ信号によって、リモートコンピュータから要求元コンピュータに転送することができる。
【0082】
図示されているように、メインメモリ704は、上述の機能をサポートするアプリケーション102を用いてコード化されることができる。言い換えると、アプリケーション102(及び/又は本明細書で説明する他のリソース)の態様は、本明細書で説明する異なる実施形態による処理機能をサポートするデータ及び/又は論理命令(例えば、メモリ、又はディスク等の別のコンピュータ可読媒体に格納されたコード)といった、ソフトウェアコードとして具体化されることができる。一実施形態の動作中、プロセッサ702は、論理命令を介して、又はプロセッサ702上で実行して、あるいはメインメモリに記憶された、又は別の方法で実体的に記憶されたアプリケーション102に基づく等して、プロセスを起動、実行(run)、執行(execute)、解釈、又はその他の方法で実施(perform)するために、バス701の使用を介してメインメモリ704にアクセスする。
【0083】
上記の説明は、本開示の技術を具現化する例示的なシステム、方法、技術、命令シーケンス、及び/又はコンピュータプログラム製品を含む。しかしながら、記載された開示は、これらの特定の詳細なしに実施されてもよいことが理解される。本開示では、開示された方法は、デバイスによって読み取り可能な命令又はソフトウェアのセットとして実装され得る。さらに、開示された方法におけるステップの特定の順序又は階層は、例示的なアプローチの例であることが理解される。方法におけるステップの特定の順序又は階層は、開示された内容以内に留まりつつ、設計志向に基づいて再構成され得ることが理解される。付随する方法の特許請求は、様々なステップの要素を例示的な順序で提示しており、必ずしも提示された特定の順序又は階層に限定されることを意味するものではない。
【0084】
説明される開示は、本開示によるプロセスを実行するようにコンピュータシステム(又は他の電子デバイス)をプログラムするために使用され得る命令を格納した機械可読媒体を含み得る、コンピュータプログラム製品又はソフトウェアとして提供されてもよい。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を記憶する任意のメカニズムを含む。機械可読媒体は、光学記憶メディア(例えば、CD-ROM)、光磁気記憶メディア、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブルメモリ(例えば、EPROM及びEEPROM)、フラッシュメモリ、又は電子命令を記憶するのに適した他の種類のメディアを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0085】
ある実施形態は、本明細書では、1つ又は複数のモジュールを含むものとして説明される。そのようなモジュールは、ハードウェア実装されており、従って、特定の動作を実行することができる少なくとも1つの有形ユニットを含み、特定の方法で構成又は配置されることができる。例えば、ハードウェア実装モジュールは、特定の操作を実行するように、(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向け集積回路(ASIC)といった、専用プロセッサとして)永久的に構成される専用回路を含むことができる。ハードウェア実装モジュールはまた、特定の操作を実行するようにソフトウェア又はファームウェアによって一時的に構成される、(例えば、汎用プロセッサ又は他のプログラマブルプロセッサ内に包含されるような)プログラマブル回路を含むことができる。いくつかの例示的な実施形態では、(例えば、スタンドアロンシステム、クライアント及び/又はサーバコンピュータシステム、又はピア・ツー・ピアコンピュータシステムといった)1つ又は複数のコンピュータシステム、あるいは1つ又は複数のプロセッサは、本明細書に記載するような特定の操作を実行するために作動するハードウェア実装モジュールとして、(例えば、アプリケーション又はアプリケーション部分といった)ソフトウェアによって構成されてもよい。
【0086】
従って、「ハードウェア実装モジュール」又は「モジュール」といった用語は、本明細書で説明される特定の方法で動作し、及び/又は特定の動作を実行する、物理的に構築され、恒久的に構成され(例えば、配線接続され)、又は一時的に構成された(例えば、プログラムされた)実体である、有形物を包含する。ハードウェア実装モジュールが一時的に構成される(例えば、プログラムされる)実施形態を考慮すると、ハードウェア実装モジュールのそれぞれは、ゆくゆくは1つのインスタンスで構成又はインスタンス化される必要はない。例えば、ハードウェア実装モジュールが、ソフトウェアを使用して構成された汎用プロセッサを含む場合、汎用プロセッサは、異なる時間にそれぞれ異なるハードウェア実装モジュールとして構成されてもよい。従って、ソフトウェアは、例えば、ある時点で特定のハードウェア実装モジュールを構成し、別の時点で別のハードウェア実装モジュールを構成するように、適宜プロセッサを構成することができる。
【0087】
ハードウェア実装モジュールは、他のハードウェア実装モジュールに情報を提供し、及び/又は他のハードウェア実装モジュールから情報を受け取ることができる。従って、説明したハードウェア実装モジュールは、通信可能に結合されていると見なすことができる。複数のそのようなハードウェア実装モジュールが同時に存在する場合、通信は、ハードウェア実装モジュール間を接続する、(例えば、適切な回路及びバスを介した)信号伝送を介して達成され得る。複数のハードウェア実装モジュールが異なる時間に構成又はインスタンス化される実施形態では、このようなハードウェア実装モジュール間の通信は、例えば、複数のハードウェア実装モジュールがアクセスできるメモリ構造内の情報の記憶及び検索を通じて達成され得る。例えば、1つのハードウェア実装モジュールは、操作を実行することができ、その操作の出力を、その実装モジュールが通信可能に結合されているメモリデバイスに格納することができる。次いで、別のハードウェア実装モジュールは、後に、メモリデバイスにアクセスして、記憶された出力を検索及び処理することができる。ハードウェア実装モジュールは、入力デバイス又は出力デバイスとの通信を開始することもできる。
【0088】
本開示及びその付随する利点の多くは、前述の説明によって理解されるべきであり、開示された主題から逸脱することなく、又はその重要な利点の全てを犠牲にすることなく、構成要素の形態、構造、及び配置に様々な変更を加えることができることは明らかであるべきである。記載された形態は単に説明のためのものにすぎず、そのような変更を網羅し含むことが以下の特許請求の範囲の意図である。
【0089】
本開示を様々な実施形態を参照して説明してきたが、これらの実施形態は例示的なものであり、本開示の範囲はそれらに限定されないことを理解されたい。多くの変形、修正、追加、及び改良が可能である。より一般的には、本開示による実施形態は、特定の実施の状況で説明されてきた。機能性は、本開示の様々な実施形態において、異なるブロックで分離又は組み合わされてもよいし、あるいは異なる用語で説明されてもよい。これら及び、他の変形、修正、追加、及び改善は、以下の特許請求の範囲で定義される本明細書の範囲内に属することができる。
【0090】
(項目1)
ゴルフクラブの特性を測定するためのシステムであって、
前記ゴルフクラブ及び複数の基準の画像を撮影するように構成されたカメラと、
前記カメラと動作可能に通信するコンピューティングデバイスと、を備え、
前記コンピューティングデバイスは、
前記カメラの空間解像度を較正するために、第1の画像の前記複数の基準の各々に関連付けられた第1の組のピクセルにアクセスし、
前記カメラからの第2の画像であって、ゴルフクラブの所定の位置に沿って位置決めされた前記複数の基準を有する前記ゴルフクラブを含む前記第2の画像にアクセスし、
前記第2の画像を、前記複数の基準の各々に関連付けられた第2の組のピクセルに変換し、
前記複数の基準に対応する1組の点であって、前記第1の組のピクセルと前記第2の組のピクセルとの間の比較に基づいて、前記第2の画像内における前記複数の基準の推定された3次元特徴を定める前記1組の点を生成し、
前記ゴルフクラブのシャフトの中心軸と、前記ゴルフクラブのフェースに平行な平面と、前記平面に対する法線ベクトルと、を定めるクラブ特性データを生成するために、前記1組の点を一連の所定の関数に適用し、
前記クラブ特性データに基づいて前記ゴルフクラブと関連付けられるロフト角度及びライ角度を含む測定値を出力するように構成される、
システム。
【0091】
(項目2)
前記複数の基準は、前記ゴルフクラブから取り外し可能な別個の基準を含む、項目1に記載のシステム。
【0092】
(項目3)
前記別個の基準は、1組の2Dクイックレスポンス(QR)コードを含む、項目2に記載のシステム。
【0093】
(項目4)
前記複数の基準は、前記ゴルフクラブの予め選択された自然な特徴(natural preselected features)を含む、項目1に記載のシステム。
【0094】
(項目5)
前記カメラの前記空間解像度の較正は、
シートの側面に沿った配列として前記複数の基準が定められる前記シートを提供することと、
前記シートの前記側面が前記カメラのレンズに向けられるように、前記カメラの前に前記シートを位置決めすることと、
較正データを生成するために、1つ又は複数の画像を撮影する間、前記カメラに対する前記シートの位置及び向きを変更することと、を含み、
前記較正データは、前記複数の基準に対応する前記1組の点を決定するために、前記コンピューティングデバイスによって利用される、
項目1に記載のシステム。
【0095】
(項目6)
前記シートは、前記カメラの初期姿勢を計算するための参考として使用される、項目5に記載のシステム。
【0096】
(項目7)
前記第2の組のピクセルは、前記第2の画像の全体を定めるピクセル配列の一部であり、
前記第2の組のピクセルは、前記第2の画像内における前記複数の基準に特有の位置及び寸法を定め、さらに整数の配列を定める、
項目1に記載のシステム。
【0097】
(項目8)
前記コンピューティングデバイスは、前記カメラの姿勢及び前記第2の組のピクセルに基づいて、前記1組の点を生成するために、再帰フィルタを利用する、項目1に記載のシステム。
【0098】
(項目9)
前記複数の基準の第1の部分は、前記ゴルフクラブの前記フェースに割り当てられ、前記複数の基準の第2の部分は、前記ゴルフクラブの前記シャフトに割り当てられる、項目1に記載のシステム。
【0099】
(項目10)
前記一連の関数は、一連の1つ又は複数の事前に定められた線形代数演算を含み、
前記一連の1つ又は複数の事前に定められた線形代数演算は、
3次元(3D)関数であって、ローカル座標系の原点を表す第1の組の座標と、前記ゴルフクラブに沿った所定の位置を表す第2の組の座標と、を含む、入力を含む前記3D関数であって、前記ゴルフクラブのシャフト軸のベクトルを表す第3の組の座標を含む出力を生成するように構成される、前記3D関数と、
第1の関数入力に対してクロス積演算を実行する第1の関数であって、前記第1の関数入力は、前記ゴルフクラブのフェース上の平面を定める1組の点を含み、前記第1の関数は、前記平面に対する法線ベクトルを定める第1の関数出力を生成するように構成される、前記第1の関数と、
ベクトルの比を含む第2の関数入力を含む第2の関数であって、前記第2の関数は、前記ゴルフクラブのライを表す角度を定める第2の関数出力を生成するように構成される、前記第2の関数と、
ベクトルの比を含む第3の関数入力を含む第3の関数であって、前記第3の関数は、前記ゴルフクラブのロフトを表す角度を定める第3の関数出力を生成するように構成される、前記第3の関数と、
を含む、
請求項1に記載のシステム。
【0100】
(項目11)
方法であって、
カメラコンポーネント(camera component)と動作可能に通信するプロセッサを提供することを備え、
前記プロセッサは、
前記カメラコンポーネントからの第1の画像であって、複数の基準を含む前記第1の画像へアクセスし、
前記第1の画像を、前記複数の基準の各々に関連付けられた第1の複数の画素に変換し、
前記カメラコンポーネントからの第2の画像であって、ゴルフクラブの所定の位置に沿って位置決めされた前記複数の基準を含む前記第2の画像へアクセスし、
前記第2の画像を、前記複数の基準の各々に関連付けられた第2の複数の画素に変換し、
前記第1の複数の画素と前記第2の複数の画素との間の相違に基づいて、前記複数の基準の仮想の3次元態様を定める1組の点を生成し、
ゴルフクラブ特性データを生成するために、前記1組の点を、一連の事前に定めされた線形代数演算に入力として適用し、
前記ゴルフクラブ特性データに基づいて、前記ゴルフクラブに関連付けられるロフト角及びライ角を定める出力測定値を生成する、
ように構成される、
方法。
【0101】
(項目12)
前記カメラコンポーネントは、1つ又は複数のカメラを含む、項目11に記載の方法。
【0102】
(項目13)
前記第1の複数の画素及び前記第2の複数の画素は、整数の2次元配列として表されるピクセルを含む、項目11に記載の方法。
【0103】
(項目14)
前記ゴルフクラブが前記カメラコンポーネントに関連付けられた画像フレーム内に配置されている間、前記複数の基準を連続的に追跡するために、前記カメラコンポーネントを利用することをさらに含む、項目11に記載の方法。
【0104】
(項目15)
前記ゴルフクラブを前記カメラコンポーネントの明瞭な照準線内に位置決めするために、前記ゴルフクラブを調整固定具の空気圧バイスに係合させることをさらに含む、項目11記載の方法。
【0105】
(項目16)
較正ステップの前に、前記カメラコンポーネントを前記複数の基準に対して所定の位置に位置決めすることをさらに含む、項目11に記載の方法。
【0106】
(項目17)
前記複数の基準は、前記ゴルフクラブの溝、ロゴ、及びフェースを含む前記ゴルフクラブの特徴を含む、項目11に記載の方法。
【0107】
(項目18)
前記複数の基準のうちの第1の基準及び第2の基準が、前記ゴルフクラブの底部溝に沿って画定され、前記複数の基準のうちの第3の基準が、前記ゴルフクラブのフェースに沿って画定される、項目11に記載の方法。
【0108】
(項目19)
装置であって、
カメラと、
コンピューティングデバイスと、を備え、
前記コンピューティングデバイスは、
前記カメラによって生成された第1の画像から、複数の基準に関連付けられた複数の画素にアクセスし、
前記複数の画素の一連の変化を、ゴルフクラブに沿って位置決めされた前記複数の基準を示す第2の画像から識別し、
前記複数の基準に関連付けられた前記複数の画素に対する前記一連の変化に基づいて、1組の3D点を生成し、
ゴルフクラブ特性データを生成するために、前記1組の3D点を、1つ又は複数の事前に定められた線形代数演算に入力として適用し、
前記ゴルフクラブ特性データに基づいて、前記ゴルフクラブに関連付けられたロフト角及びライ角を定める測定値を出力する、
ように構成されている、
装置。
【0109】
(項目20)
前記ゴルフクラブ特性データは、前記ゴルフクラブのシャフトの中心軸、前記ゴルフクラブのフェースに平行な平面、及び、前記平面に対する法線ベクトルを含み、
前記出力測定値は、前記ゴルフクラブに関連付けられた所定の目標仕様と照合される、項目19に記載の装置。
【0110】
(項目21)
前記複数の基準に関連付けられた前記複数の画素は、2次元画像のピクセルを含み、
前記複数の基準に関連付けられた前記画素に対する前記一連の変化は、前記第2の画像によって反映された前記ピクセルに対する変化を含む、項目19に記載の装置。
【0111】
(項目22)
装置であって、
カメラと、
コンピューティングデバイスと、を備え、
前記コンピューティングデバイスは、
前記カメラによって生成された第1の画像から複数の基準に関連付けられた複数の2次元画像特徴にアクセスし、
機械デバイスに沿って位置決めされた前記複数の基準を示す第2の画像を介して観察された、前記複数の2次元画像特徴に対する1つ又は複数の変化に基づいて、前記複数の基準の位置及び回転の変化を識別し、
前記複数の基準に関連付けられた前記複数の2次元画像特徴に対する前記1つ又は複数の変化に基づいて、1組の3D点を生成し、
前記1組の3D点を、1つ又は複数の事前に定義された線形代数演算に入力として適用して、機械デバイスに関連付けられた物理的特性データを生成し、
前記物理的特性データに基づいて、前記機械デバイスに関連付けられた性能測定値を出力する、
ように構成されている、
装置。
【0112】
(項目23)
前記複数の基準は、前記機械デバイスの所定の位置に沿って位置決めされた別々のQRコードを含む、項目22に記載の装置。
【0113】
(項目24)
前記複数の基準は、前記機械デバイスの前記所定の位置に関連付けられた自然又は現実の特徴を含む、項目22に記載の装置。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図9