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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】固形浴用剤、及び固形浴用剤の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20230221BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20230221BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20230221BHJP
   A61K 8/20 20060101ALI20230221BHJP
   A61K 8/23 20060101ALI20230221BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20230221BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20230221BHJP
   A61K 8/362 20060101ALI20230221BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20230221BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
A61K8/02
A61Q19/10
A61K8/19
A61K8/20
A61K8/23
A61K8/25
A61K8/365
A61K8/362
A61K8/34
A61K8/81
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021102965
(22)【出願日】2021-06-22
(65)【公開番号】P2023002000
(43)【公開日】2023-01-10
【審査請求日】2021-12-07
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(73)【特許権者】
【識別番号】504256800
【氏名又は名称】株式会社ビューロ
(72)【発明者】
【氏名】斎間 伸雄
(72)【発明者】
【氏名】岡本 政仁
(72)【発明者】
【氏名】柏原 泰則
【審査官】佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-023089(JP,A)
【文献】特開平08-333236(JP,A)
【文献】特開2002-192770(JP,A)
【文献】特開平06-192696(JP,A)
【文献】国際公開第2016/103777(WO,A1)
【文献】特開2018-140973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
C11D 1/00-19/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、及びメタケイ酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機塩類と、
クエン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、及び乳酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機酸類と、
ポリビニルピロリドンと、
エタノールと、
を含有し、
一方面に最深部の深さが0.2~5mmである凹部が形成され、他方面にキャラクター型の溝が形成されている、
固形浴用剤であって、
前記凹部の開口縁は、円形であり、
前記開口縁上の4つの点が、前記凹部が形成された面の端部に接しているか、又は前記端部から前記凹部が形成された面を構成する辺の長さの1/10以下までの領域に存在する、
固形浴用剤
【請求項2】
請求項1に記載の固形浴用剤であって、
前記無機塩類は、基剤を兼ねる、
固形浴用剤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の固形浴用剤であって、
更に、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種の非イオン界面活性剤を含有する、
固形浴用剤。
【請求項4】
請求項3に記載の固形浴用剤であって、
前記非イオン界面活性剤の含有量は、前記固形浴用剤の全体に対して、0.01~5質量%である、
固形浴用剤。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載の固形浴用剤であって、
更に、着色剤を含有する、
固形浴用剤。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の固形浴用剤であって、
更に、香料を含有する、
固形浴用剤。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一項に記載の固形浴用剤であって、
前記無機塩類の含有量は、前記固形浴用剤の全体に対して、30~60質量%である、
固形浴用剤。
【請求項8】
請求項1から7の何れか一項に記載の固形浴用剤であって、
前記有機酸類の含有量は、前記固形浴用剤の全体に対して、5~40質量%である、
固形浴用剤。
【請求項9】
請求項1から8の何れか一項に記載の固形浴用剤であって、
前記ポリビニルピロリドン及び前記エタノールの含有量は、前記固形浴用剤の全体に対して、それぞれ0.01~5質量%である、
固形浴用剤。
【請求項10】
請求項1から9の何れか一項に記載の固形浴用剤であって、
前記無機塩類は、少なくとも炭酸カルシウムを含有する、
固形浴用剤。
【請求項11】
請求項10に記載の固形浴用剤であって、
前記炭酸カルシウムの含有量は、前記固形浴用剤の全体に対して、0.01~5質量%である、
固形浴用剤。
【請求項12】
請求項1から11の何れか一項に記載の固形浴用剤であって、
前記凹部の表面は曲面に形成されている、
固形浴用剤。
【請求項13】
請求項1から12の何れか一項に記載の固形浴用剤であって、
前記一方面及び前記他方面の端部は、角が取れた形状を成している、
固形浴用剤。
【請求項14】
請求項1から13の何れか一項に記載の固形浴用剤であって、
前記固形浴用剤は、四角錐台を成し、
前記他方面の平面積は、前記一方面の平面積よりも大きい、
固形浴用剤。
【請求項15】
請求項1から14の何れか一項に記載の固形浴用剤であって、
前記固形浴用剤の質量は30~60gであり、
前記固形浴用剤の表面積は5000~9000mmである、
固形浴用剤。
【請求項16】
請求項1から15の何れか一項に記載の固形浴用剤の製造方法であって、
前記無機塩類、前記有機酸類、前記ポリビニルピロリドン、及び前記エタノールを含有する組成物を圧縮成形する工程を含む、
固形浴用剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形浴用剤、及び固形浴用剤の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入浴剤を水溶性の包装材で包装してなる入浴剤が知られている(例えば実用新案文献1参照)。
【0003】
実用新案文献1に記載された入浴剤は、包装材のまま風呂の湯の中に入れれば、水溶性の包装材が溶け、中の入浴剤が湯に溶解するので、包装材はゴミとはならないことが記載されている。
また、実用新案文献1には、予め包装材に絵や文字を印刷しておけば、その絵や文字が包装材と共に消えていく過程を楽しむことができ、特に子供に興味を与えることができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】登録実用新案第3042232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実用新案文献1の入浴剤は、湯の中に入れると、先に包装材が溶けてしまう。したがって、予め包装材に絵や文字を印刷していたとしても、入浴剤を湯の中に入れると、包装材に印刷されていた絵や文字は消えてしまうため、入浴剤自体が溶け切る前に、入浴者(特に子供)の興味が薄れてしまい、入浴に飽きてしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、溶け切るまでの間、入浴者の興味が持続しやすい固形浴用剤、及び上記固形浴用剤の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様である固形浴用剤は、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、及びメタケイ酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機塩類と、クエン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、及び乳酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機酸類と、ポリビニルピロリドンと、エタノールと、を含有し、一方面に最深部の深さが0.2~5mmである凹部が形成され、他方面にキャラクター型の溝が形成されている
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、溶け切るまでの間、入浴者の興味が持続しやすい固形浴用剤、及び上記固形浴用剤の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の固形浴用剤の一例の斜視図である。
図2】本発明の固形浴用剤の一例の斜視図である。
図3】本発明の固形浴用剤の一例の平面図である。
図4図3におけるC-C線に沿った部分の断面図である。
図5】本発明の固形浴用剤の一例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[固形浴用剤]
以下、本発明の固形浴用剤について説明する。
【0011】
(無機塩類)
本発明の固形浴用剤は、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、及びメタケイ酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機塩類を含有する。
無機塩類は、温熱効果及び洗浄効果を有する。
【0012】
本発明の固形浴用剤において、無機塩類は、基剤を兼ねることが好ましい。
無機塩類が基剤を兼ねることにより、別途、基剤となる成分を用いる必要がなくなるため好ましい。
【0013】
本発明の固形浴用剤中の無機塩類の含有量は、固形浴用剤の全体に対して、30~60質量%であることが好ましい。
無機塩類の含有量が上記範囲内であれば、温熱効果及び洗浄効果を奏すると共に、基剤を兼ねることもでき、好ましい。
無機塩類として、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、及びメタケイ酸ナトリウムからなる群より選ばれる2種以上の化合物を含有する場合は、無機塩類の総量が上記範囲内であることが好ましい。
【0014】
無機塩類は、少なくとも炭酸カルシウムを含有することが好ましい。
炭酸カルシウムは、ダマ(固形浴用剤が溶けないで水中に残る粒)の発生を抑制することができる。
本発明の固形浴用剤中の炭酸カルシウムの含有量は、固形浴用剤の全体に対して、0.01~5質量%であることが好ましい。
【0015】
(有機酸類)
本発明の固形浴用剤は、クエン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、及び乳酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機酸類を含有する。
有機酸類は、無機塩類との組み合わせにより、炭酸ガスを発生する。
【0016】
本発明の固形浴用剤中の有機酸類の含有量は、固形浴用剤の全体に対して、5~40質量%であることが好ましい。
有機酸類として、クエン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、及び乳酸からなる群より選ばれる2種以上の化合物を含有する場合は、有機酸類の総量が上記範囲内であることが好ましい。
【0017】
(ポリビニルピロリドン)
本発明の固形浴用剤は、ポリビニルピロリドンを含有する。
ポリビニルピロリドンは、固形浴用剤を使用する前の無機塩類と有機酸類との反応を抑制する。
【0018】
本発明の固形浴用剤中のポリビニルピロリドンの含有量は、固形浴用剤の全体に対して、0.01~5質量%であることが好ましい。
【0019】
(エタノール)
本発明の固形浴用剤は、エタノールを含有する。
エタノールは、ポリビニルピロリドンを溶かす溶剤としての機能を有する。
【0020】
本発明の固形浴用剤中のエタノールの含有量は、固形浴用剤の全体に対して、0.01~5質量%であることが好ましい。
【0021】
(非イオン界面活性剤)
本発明の固形浴用剤は、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種の非イオン界面活性剤を含有することが好ましい。
非イオン界面活性剤は、保湿効果を有する。また、非イオン界面活性剤は、固形浴用剤を硬くして、形を崩れにくくする効果も有する。
【0022】
本発明の固形浴用剤中の非イオン界面活性剤の含有量は、固形浴用剤の全体に対して、0.01~5質量%であることが好ましい。
非イオン界面活性剤として、ポリエチレングリコールとプロピレングリコールとを両方含有する場合は、ポリエチレングリコールとプロピレングリコールとの総量が上記範囲内であることが好ましい。
【0023】
(着色剤)
本発明の固形浴用剤は、着色剤を含有してもよい。
着色剤により、固形浴用剤を着色することができる。着色剤の種類は特に限定されない。例えば、本発明の固形浴用剤の表面に形成された溝が表すキャラクターにあわせて着色することで、入浴者(特に子供)に更なる興味を与えることができる。
着色剤としては、公知の着色剤(例えば、黄色202号(1)、赤色106号、赤色230号(1)、黄色4号、黄色5号、橙色205号、赤色102号、赤色227号、青色1号等)を用いることができる。
【0024】
本発明の固形浴用剤中の着色剤の含有量は、固形浴用剤の全体に対して、0.01~5質量%とすることができる。
着色剤として、2種以上の化合物を含有する場合は、総量が上記範囲内であることが好ましい。
【0025】
(香料)
本発明の固形浴用剤は、香料を含有してもよい。
香料により、固形浴用剤に香りを付与することができ、入浴者に更なる興味やリラックス効果を与えることができる。
香料としては、公知の香料を用いることができる。
【0026】
本発明の固形浴用剤中の香料の含有量は、固形浴用剤の全体に対して、0.01~5質量%とすることができる。
香料として、2種以上の化合物を含有する場合は、総量が上記範囲内であることが好ましい。
【0027】
(その他の成分)
本発明の固形浴用剤は、上記した各成分以外に、その他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、特に限定されず、固形浴用剤に用いられる成分として公知の成分(例えば、アミロデキストリンなど)を用いることができる。
【0028】
本発明の固形浴用剤中のその他の成分の含有量は、固形浴用剤の全体に対して、0.01~10質量%とすることができる。
その他の成分として、2種以上の化合物を含有する場合は、総量が上記範囲内であることが好ましい。
【0029】
(固形浴用剤の製造方法)
本発明の固形浴用剤の製造方法は特に限定されないが、製造のしやすさの観点から、前述した無機塩類、有機酸類、ポリビニルピロリドン、及びエタノールを含有する組成物を圧縮成形する工程を含む、固形浴用剤の製造方法であることが好ましい。さらに、上記組成物は、前述した非イオン界面活性剤、着色剤、香料、及びその他の成分を含有していてもよい。
圧縮成形は公知の方法で行うことができる。
【0030】
(固形浴用剤の形状)
本発明の固形浴用剤は、一方面に凹部が形成され、他方面にキャラクター型の溝が形成されている。
固形浴用剤の一方面に凹部が形成されていることで、凹部が形成されていない場合に比べて、固形浴用剤の体積を小さくすることができ、溶け切るまでの時間を短くすることができる。これにより、固形浴用剤が溶け切るまでの間、入浴者(特に子供)の興味が持続しやすい。
また、固形浴用剤の他方面にキャラクター型の溝が形成されている(すなわち、溝によって固形浴用剤自体にキャラクターの絵が表されている)ことで、キャラクターの絵を見ながら入浴することができ、固形浴用剤が溶け切るまでの間、入浴者(特に子供)の興味が持続しやすい。
以下、凹部が形成された面をA面と呼ぶ場合がある。また、キャラクター型の溝が形成された面をB面と呼ぶ場合がある。
また、以下、本発明の固形浴用剤の一実施形態について、適宜図面を参照して説明する。
【0031】
図1は固形浴用剤の一例のA面側からの斜視図であり、図2は固形浴用剤の一例のB面側からの斜視図であり、図3は固形浴用剤の一例のB面の平面図であり、図4図3のC-C線に沿った部分の断面図である。
図5図1図4とは異なる形態の固形浴用剤の一例のB面側からの斜視図である。
【0032】
図1に示すように、固形浴用剤1のA面には、凹部2が形成されている。
図2に示すように、固形浴用剤1のB面には、キャラクター型の溝3が形成されている。
固形浴用剤において、A面となる面は、B面となる面の反対の面であることが好ましい。
A面に形成される凹部の数は特に限定されないが、1つであることが好ましい。
B面に形成される溝が表すキャラクターは特に限定されない。
【0033】
固形浴用剤の一方面に形成された凹部の表面は曲面に形成されている(すなわち、凹部の表面は曲面になっている)ことが好ましい。
凹部の表面が曲面に形成されていることで、特に子供が固形浴用剤を手で把持しやすい。
【0034】
凹部の開口縁の形状は特に限定されないが、円形であることが好ましい。
特に、凹部の開口縁が円形であり、開口縁のうち、4か所は、一方面(A面)の端部に近接していることが好ましい。このような形態とすることで、固形浴用剤の強度を高め、脆くなることを防ぎ、割れや欠けを生じにくくすることができる。
開口縁のうち4か所がA面の端部に近接しているとは、開口縁上の4つの点が、A面の端部に接しているか、又は端部からA面を構成する辺の長さ(A面を構成する辺の長さが複数存在する場合は最も長い辺の長さ)の1/10以下までの領域に存在することを表す。
図1及び図3に示した固形浴用剤1の凹部2の開口縁は円形であり、開口縁上の4つの点(6a、6b、6c及び6d)は、A面の端部(4a、4b、4c及び4d)に近接している。
【0035】
凹部の最深部の深さは特に限定されないが、0.2~5mmであることが好ましい。
凹部の最深部の深さを上記範囲とすることで、固形浴用剤の強度を高め、脆くなることを防ぎ、割れにくくすることができる。
図4には、固形浴用剤の一例の寸法(単位はmm)が記載されている。図4の固形浴用剤1の凹部2の最深部の深さは0.4mmである。
【0036】
固形浴用剤の一方面及び他方面の端部は、角が取れた形状を成していることが好ましい。角が取れた形状を成していることで固形浴用剤を取り扱う際などに安全性を高めることができる。角が取れた形状を成している場合、好ましくは面取り面(角部を落とす面取りによって形成される面)を有する。面取り面は平面であってもよいし、曲面であってもよい。なお、角が取れた形状とする方法は特に限定されず、例えば、固形浴用剤の成形後に面取りを行ってもよいし、予め角が取れた形状の金型を使用して圧縮成形してもよい。
図1図4に示した固形浴用剤1のA面の端部(4a、4b、4c及び4d)とB面の端部(5a、5b、5c及び5d)は、角が取れた形状を成している。図4に示すように、固形浴用剤1の厚み(A面とB面の距離)は23mmである。A面の端部及びB面の端部は角が取れた形状をしているため、A面に隣接する面取り面と側面Dとの接続点からA面に平行な面までの厚み方向の距離は1mmである。また、B面に隣接する面取り面と側面Dとの接続点からB面に平行な面までの厚み方向の距離は1mmである。
【0037】
固形浴用剤の形状は特に限定されず、例えば、円柱、角柱、円錐台、角錐台などであってもよい。固形浴用剤の形状が、角柱や角錐台などの角がある場合、安全性の観点から、角が取れた形状である(角部に面取り面を有する)ことが好ましい。
固形浴用剤の他方面(B面)の平面積は、一方面(A面)の平面積よりも大きいことが好ましい。ここで、平面積とは、平面視した際の平面形状の面積をいう。
B面の平面積が、A面の平面積よりも大きいことで、キャラクターの絵が表されたB面が、A面よりも湯に入れた際に長く残り、A面は早く溶けるため、固形浴用剤が溶け切るまでの間、キャラクターの絵を見ることができ、入浴者(特に子供)の興味がより持続しやすい。
固形浴用剤は、四角錐台を成し、他方面(B面)の平面積は、一方面(A面)の平面積よりも大きいことが特に好ましい。
図1図4に示した固形浴用剤1は四角錐台を成し、B面の平面積はA面の平面積よりも大きい(図4に示すように、B面を構成する一辺の長さは42.38mmであり、A面を構成する一辺の長さは41.5mmである。また、B面の端部とA面の端部とを接続する側面が、B面に垂直な直線となす角度は1.2°である。)。
なお、前述のように、固形浴用剤の形状は特に限定されず、例えば、図5に示す固形浴用剤10のように、円柱を成していてもよい。
【0038】
固形浴用剤の質量は特に限定されないが、30~60gであることが好ましい。
固形浴用剤の表面積(全体の表面積)は特に限定されないが、5000~9000mm&sup2;であることが好ましい。
固形浴用剤の質量が30~60gであり、かつ固形浴用剤の表面積が5000~9000mm&sup2;であることが特に好ましい。質量及び表面積が上記範囲内であることで、特に子供が固形浴用剤を持ちやすい重さ及び大きさにすることができる。
【0039】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0040】
1、10 固形浴用剤
2 凹部
3 キャラクター型の溝
A A面
B B面
4a、4b、4c、4d A面の端部
5a、5b、5c、5d B面の端部
6a、6b、6c、6d 凹部の開口縁上の点
D 側面
図1
図2
図3
図4
図5