(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20230221BHJP
H05K 13/08 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
H05K13/02 D
H05K13/08 Q
(21)【出願番号】P 2021503244
(86)(22)【出願日】2019-03-01
(86)【国際出願番号】 JP2019008035
(87)【国際公開番号】W WO2020178887
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 健二
(72)【発明者】
【氏名】小谷 一也
(72)【発明者】
【氏名】天野 雅史
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-219472(JP,A)
【文献】特開2018-037586(JP,A)
【文献】特開2014-049574(JP,A)
【文献】特開2007-035946(JP,A)
【文献】特開2008-112931(JP,A)
【文献】国際公開第2017/208325(WO,A1)
【文献】特開平03-167898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不規則な姿勢で複数のワークを供給エリアに供給するワーク供給装置と、
前記供給エリアに設定される複数の部分エリアに含まれる1以上の前記ワークの供給状態を認識する画像処理を複数の前記部分エリアごとに実行する画像処理部と、
前記部分エリアから前記ワークを採取する採取動作、および採取した前記ワークを用いた所定の作業動作を行う作業ヘッドと、
前記画像処理の結果に基づいて前記作業ヘッドによる前記採取動作を制御し、前記作業ヘッドによる前記採取動作または前記作業動作の実行中に次回以降の前記採取動作を行う前記部分エリアを対象とした前記画像処理を並列して実行させる制御装置と、
を備え
、
前記作業ヘッドは、前記ワークを保持する複数の保持部材を有し、
複数の前記部分エリアは、前記供給エリアのうち前記保持部材の数以下の前記ワークが含まれるようにそれぞれ設定される作業機。
【請求項2】
前記画像処理には、複数回に亘る撮像により取得された複数の画像データに基づいて高解像度データを取得する超解像処理、および前記高解像度データに基づいて前記部分エリアにおける前記ワークの位置および姿勢を前記供給状態として取得する状態認識処理が含まれる、請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
複数の前記部分エリアは、前記供給エリアと前記作業ヘッドの可動範囲とが重複する重複エリアの全域を複数に区画することによりそれぞれ設定される、請求項1または2に記載の作業機。
【請求項4】
複数の前記部分エリアは、前記供給エリアのうち前記ワークが一つ含まれるようにそれぞれ設定される、請求項1または2に記載の作業機。
【請求項5】
前記作業機は、基板製品の生産に用いられる部品装着機であり、
前記ワーク供給装置は、前記ワークとしての部品を供給する部品供給装置であり、
前記作業ヘッドは、前記採取動作により採取した前記部品を基板に装着する前記作業動作としての装着動作を実行する行う装着ヘッドである、請求項1-
4の何れか一項に記載の作業機。
【請求項6】
前記制御装置は、前記装着ヘッドによる前記採取動作および前記装着動作を含むピックアンドプレースサイクル(以下、「PPサイクル」)を複数回に亘って繰り返す装着処理を実行し、前記装着処理において今回の前記PPサイクルと、次回以降の前記PPサイクルにおいて前記採取動作を行う前記部分エリアを対象とした前記画像処理とを並列して実行させる、請求項
5に記載の作業機。
【請求項7】
前記装着ヘッドは、前記部品を保持する複数の保持部材を有し、
前記制御装置は、前記装着ヘッドによる前記採取動作および前記装着動作を含むピックアンドプレースサイクル(以下、「PPサイクル」)を複数回に亘って繰り返す装着処理を実行し、今回の前記PPサイクルにおいて前記画像処理が終了した前記部分エリアから前記部品を採取する前記採取動作と、未実行の前記採取動作を行う別の前記部分エリアを対象とした前記画像処理とを並列して実行させる、請求項
5に記載の作業機。
【請求項8】
前記部品装着機は、前記装着ヘッドと一体的に移動可能に設けられ、前記基板に付された基板マークを撮像する基板カメラをさらに備え、
前記基板カメラは、前記画像処理部による前記画像処理に用いられる画像データを取得するために前記供給エリアの撮像に兼用される、請求項
5-7の何れか一項に記載の作業機。
【請求項9】
前記部品装着機は、前記基板マークを撮像可能な位置に前記基板カメラを移動させるとともに、前記基板マークを撮像対象とした前記基板カメラの撮像により取得した画像データに基づいて前記基板の位置を取得するマーク処理を実行するマーク処理部をさらに備え、
前記制御装置は、前記供給エリアを撮像対象とした前記基板カメラによる撮像により画像データを取得した後に、前記画像処理部による前記部分エリアを対象とした前記画像処理と、前記マーク処理部による前記マーク処理とを並列に実行させる、請求項
8に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業機は、例えば製品の生産ラインにおいてワークを用いた組み立て作業などに用いられる。作業機のワーク供給装置には、複数のワークを不規則な姿勢で供給するものがある。特許文献1には、作業機としての部品装着機が開示されている。部品装着機は、基板に部品を装着する装着処理において、供給された複数の部品を画像処理により認識して、吸着ノズルなどの保持部材により採取するとともに基板上の装着位置に部品を装着する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような構成では、保持部材を支持する装着ヘッドが動作する前に、画像処理によって部品の供給状態を認識する必要がある。しかしながら、画像処理には、負荷が高く所要時間が長くなるものが含まれ得る。所要時間が長い画像処理を採用した場合に、画像処理が装着処理の所要時間に影響することが懸念される。
【0005】
本明細書は、不規則な姿勢で供給される複数のワークの供給状態を認識する画像処理と作業ヘッドの機械動作を効率的に実行し、ワークを用いた所定作業の所要時間の短縮を図ることができる作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、不規則な姿勢で複数のワークを供給エリアに供給するワーク供給装置と、前記供給エリアに設定される複数の部分エリアに含まれる1以上の前記ワークの供給状態を認識する画像処理を複数の前記部分エリアごとに実行する画像処理部と、前記部分エリアから前記ワークを採取する採取動作、および採取した前記ワークを用いた所定の作業動作を行う作業ヘッドと、前記画像処理の結果に基づいて前記作業ヘッドによる前記採取動作を制御し、前記作業ヘッドによる前記採取動作または前記作業動作の実行中に次回以降の前記採取動作を行う前記部分エリアを対象とした前記画像処理を並列して実行させる制御装置と、を備える作業機を開示する。
【発明の効果】
【0007】
このような構成によると、作業ヘッドの採取動作または作業動作の実行中に次回以降の採取動作に必要となる画像処理を並列して実行させる。これにより、作業ヘッドの動作と画像処理が重複し、作業ヘッドの機械動作を効率的に実行できる。また、全体としてワークを用いた所定作業の所要時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態における部品装着機(作業機)の構成を示す模式図である。
【
図2】装着ヘッド(作業ヘッド)の一部を模式的に示す側面図である。
【
図3】部品供給装置(ワーク供給装置)および部分エリアの第一態様を示す拡大図である。
【
図4】部品供給装置(ワーク供給装置)および部分エリアの第二態様を示す拡大図である。
【
図5】部品供給装置(ワーク供給装置)および部分エリアの第三態様を示す拡大図である。
【
図6】基板製品の生産処理を示すフローチャートである。
【
図7】装着処理の第一態様を示すフローチャートである。
【
図8】装着処理の第二態様を示すフローチャートである。
【
図9】基板の搬入処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.作業機の概要
以下、作業機を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。作業機は、ワーク供給装置から供給されるワークを作業ヘッドにより採取し、所定の作業動作を実行する。上記の作業動作には、例えば対象物にワークを組み付けたり、対象物に対してワークを整列させたりする作業が含まれ得る。本実施形態では、作業機が基板製品の生産に用いられる部品装着機である態様を例示する。以下では、作業機を「部品装着機」、ワークを「部品」、ワーク供給装置を「部品装着機」、作業ヘッドを「装着ヘッド」、所定の作業動作を「装着動作」として説明する。
【0010】
2.部品装着機1の構成
部品装着機1は、基板に部品を装着する装着処理を実行する。以下の説明において、水平方向であって部品装着機1の左右方向をX方向とし、X方向に直交する水平方向であって部品装着機1の前後方向をY方向とし、X方向およびY方向に直交する鉛直方向(
図1の前後方向)をZ方向とする。
【0011】
部品装着機1は、
図1に示すように、基板90をX方向に搬送する基板搬送装置10を備える。基板搬送装置10は、ベルトコンベアなどにより構成される。基板搬送装置10は、基板90を搬送方向へと順次搬送するとともに、基板90を機内の所定位置に位置決めする。基板搬送装置10は、装着処理が終了した後に、基板90を部品装着機1の機外に搬出する。
【0012】
部品装着機1は、基板90に装着される部品91(
図2を参照)を供給する部品供給装置20を備える。本実施形態において、部品供給装置20は、複数のスロット21にセットされたテープフィーダ22およびバルクフィーダ60を備える。テープフィーダ22は、多数の部品91が収納されたキャリアテープを送り移動させて、部品91を採取可能に供給する。
【0013】
バルクフィーダ60は、ストッカ61およびコンベア62を有する。ストッカ61は、所定作業に用いられる複数の部品91を収容する。本実施形態において、ストッカ61は、複数の部品91をバルク状態(ばらの部品91が集合した状態)で収容する。ストッカ61の下部には、開閉可能な開口部が設けられる。
【0014】
バルクフィーダ60は、ストッカ61の開口部を開閉することにより、部品91を供給する。これにより、部品供給装置20のバルクフィーダ60は、不規則な姿勢で複数の部品91を供給エリアAsに供給する。バルクフィーダ60は、例えばストッカ61の開口部の開口状態を維持する時間によって、部品91の供給量を調整することができる。
【0015】
コンベア62は、ストッカ61から装着ヘッド33の可動範囲Rm(
図3などを参照)まで複数の部品91を搬送する。コンベア62は、複数の部品91が載置された状態で搬送路に沿って輪転するコンベアベルトを有する。ストッカ61は、コンベア62の一端の上部に設けられる。本実施形態において、上記の「供給エリアAs」は、コンベア62の搬送路において部品91を支持するエリアに相当する。バルクフィーダ60は、例えばコンベア62の駆動状態を変動させることによって、部品91の移動量および移動速度を調整することができる。
【0016】
部品装着機1は、部品供給装置20により供給された部品91を基板90に移載する部品移載装置30を備える。部品移載装置30は、基板搬送装置10により機内に搬入された基板90における所定の装着位置に部品91を移載することにより装着する。本実施形態において、部品移載装置30は、直動機構であるヘッド駆動部31により移動台32を水平方向(X方向およびY方向)に移動させる。移動台32には、図示しないクランプ部材により装着ヘッド33が交換可能に固定される。
【0017】
装着ヘッド33は、
図2に示すように、部品供給装置20により供給される部品91を保持する1または複数の保持部材を昇降可能に支持する。装着ヘッド33は、部品91を採取する採取動作、および採取した部品91を基板90に装着する装着動作を行う。本実施形態において、装着ヘッド33は、8つの保持部材を有する。上記の保持部材としては、例えば供給される負圧エアにより部品91を吸着して保持する吸着ノズル34(
図2を参照)や、部品91をクランプして保持するチャックなどが採用され得る。
【0018】
部品装着機1は、保持部材(吸着ノズル34)に保持された部品91を下方から撮像する部品カメラ41を備える。部品装着機1は、基板90に付された基板マークMcを撮像する基板カメラ42を備える。部品カメラ41および基板カメラ42は、CMOSなどの撮像素子を有するデジタル式である。部品カメラ41および基板カメラ42は、外部から入力する制御信号に基づいて撮像を行い、当該撮像により取得した画像データを送出する。
【0019】
基板カメラ42は、光軸がZ方向の下向きとなるように移動台32に固定され、移動台32の移動に伴って装着ヘッド33と一体的に移動可能に設けられる。本実施形態において、基板カメラ42は、バルクフィーダ60により複数の部品91を供給される供給エリアAsの撮像に兼用される。上記の撮像により取得された画像データは、供給エリアAsにおける部品91の供給状態の認識処理に用いられる。
【0020】
部品装着機1は、基板90に部品91を装着する装着処理を実行する制御装置50を備える。制御装置50は、主として、CPUや各種メモリ、制御回路により構成される。制御装置50は、装着処理において、各種センサから出力される情報や測定値、画像処理の結果、基板90上の装着位置を指定する制御プログラムなどに基づいて、装着ヘッド33の動作を制御する。これにより、装着ヘッド33に支持された吸着ノズル34の位置および角度が制御される。
【0021】
本実施形態において、制御装置50は、画像処理部51を有する。画像処理部51は、供給エリアAsに含まれる複数の部品91の供給状態を認識する画像処理を実行する。ここで、部品供給装置20のバルクフィーダ60により部品91が供給されると、
図3に示すように、供給エリアAsには複数の部品91が不規則な姿勢で位置する。そこで、制御装置50は、画像処理部51による画像処理の結果に基づいて装着ヘッド33の採取動作を制御する。
【0022】
具体的には、制御装置50は、基板カメラ42を供給エリアAsの上方に移動させた後に、基板カメラ42による撮像により画像データを取得する。そして、画像処理部51は、上記の画像データに基づいて、部品91の位置および姿勢を供給状態として認識する。なお、上記の画像処理には、後述する超解像処理などの負荷が比較的高く所要時間が長くなるものが含まれ得る。所要時間が長い画像処理を採用した場合に、画像処理の結果を得られるまで装着ヘッド33の採取動作を開始できないと画像処理が装着処理の所要時間に影響し得る。
【0023】
ここで、バルクフィーダ60による部品91の供給処理では、装着ヘッド33が同時に保持可能な部品数(即ち、吸着ノズル34の数)を超える数の部品91が供給エリアAsに供給され得る。そうすると、例えば基板カメラ42のカメラ視野に供給エリアAsの全域が収まる場合には、画像処理により状態認識される部品91の数が吸着ノズル34の数を大きく上回り、必要数を超えた部品91の供給状態を認識する画像処理が実行されていることになる。
【0024】
そこで、本実施形態の部品装着機1は、不規則な姿勢で供給される複数の部品91の供給状態を認識する画像処理と装着ヘッド33の機械動作(採取動作および装着動作)を効率的に実行し、装着処理の所要時間の短縮を図ることができる構成を採用する。具体的には、画像処理部51は、供給エリアAsに設定される複数の部分エリアApに含まれる1以上の部品91の供給状態を認識する画像処理を複数の部分エリアApごとに実行する。
【0025】
ここで、供給エリアAsに設定される複数の部分エリアApは、画像処理の対象が供給エリアAsまたはカメラ視野の全域とならないように設定される。それぞれの部分エリアApに含まれる部品91の数は、実行される画像処理や部品種によって適正な数が異なる。複数の部分エリアApは、例えば下記の3つの態様により設定される。
【0026】
部分エリアApの第一態様において、複数の部分エリアApは、
図3に示すように、供給エリアAsと装着ヘッド33の可動範囲Rmとが重複する重複エリアArの全域を複数に区画することによりそれぞれ設定される。このとき、重複エリアArの区画数は、2以上であればよい。また、部分エリアApは、X方向およびY方向ともに2以上であってもよい。全ての部分エリアApを包含するエリアは、重複エリアAr以上となる。
【0027】
部分エリアApの第一態様において、複数の部分エリアApのそれぞれは、同一の面積となるように設定される他に、部品91のばらつきの統計に基づいてそれぞれの部分エリアApの内部に含まれる部品91の数が同程度になるように適宜されてもよい。また、複数の部分エリアApのそれぞれは、境界部分に位置する部品91がいずれの部分エリアApを対象とした画像処理において状態認識の対象から外れないように、例えば部品91の寸法を加味して互いに重複するように設定される。
【0028】
上記の部分エリアApの第一態様は、供給エリアAsにおける部品91の数や供給状態によらず、異なる画像データにおいても変動しない固定式である。このような態様によると、画像処理の対象エリアが常に一定となるためそれぞれの所要時間の差を小さくできる。これにより、全体の所要時間の推定精度が向上し、管理性が向上する。また、異なる画像データごとに部分エリアApの形状を変動させる変動式と比較して、部分エリアApを設定する処理を簡易にできる。
【0029】
部分エリアApの第二態様において、複数の部分エリアApは、
図4に示すように、供給エリアAsのうち吸着ノズル34の数以下の部品91が含まれるようにそれぞれ設定される。これにより、採取動作を開始可能な部品数がそれぞれの部分エリアApにおいて確保されることになる。なお、第二態様の部分エリアApは、必要数の部品91が包含される最小の矩形状などの所定形状に形成される。
【0030】
部分エリアApの第二態様において、制御装置50は、例えば基板カメラ42の撮像により取得した画像データに対してY方向に部品91の数をカウントし、必要数が確保されるように複数の部分エリアApを設定する。このように、第二態様の部分エリアApは、第一態様の部分エリアApが固定式であったのに対して、取得した画像データごとに位置および形状が異なる変動型である。このような構成によると、一連で実行される採取動作に必要な分の部品91について効率的に供給状態を認識できる。
【0031】
部分エリアApの第三態様において、複数の部分エリアApは、
図5に示すように、供給エリアAsのうち部品91が一つ含まれるようにそれぞれ設定される。つまり、第三態様の部分エリアApは、内部に部品91が一つだけ包含される最小の矩形状などの所定形状に形成される。複数の部分エリアApのそれぞれの形状は、部品91の形状を加味した面積を確保した同一の形状としてもよい。
【0032】
部分エリアApの第三態様において、制御装置50は、例えば基板カメラ42の撮像により取得した画像データに対してY方向に部品91を探索し、検出された複数の部品91の概ねの中心位置に部分エリアApをそれぞれ設定する。このように、第三態様の部分エリアApは、取得した画像データごとに位置が異なる変動型である。このような構成によると、個々の部分エリアApの面積を比較的小さくできるので、画像処理に面積に応じて負荷が増大する処理が含まれる場合に特に有用である。
【0033】
また、本実施形態において、画像処理部51による画像処理には、超解像処理が含まれる。超解像処理は、複数回に亘る撮像により取得された複数の画像データに基づいて、元の画像データよりも解像度が高められた高解像度データを取得する処理である。本実施形態の画像処理部51は、マルチフレーム型の超解像処理を採用する。画像処理部51は、撮像対象の部品91に対する基板カメラ42の相対位置が互いに異なる撮像位置における撮像により取得した複数の画像データを元の画像データとして超解像処理を実行する。
【0034】
本実施形態において、画像処理部51による画像処理には、状態認識処理が含まれる。状態認識処理は、先に実行された超解像処理により取得された高解像度データに基づいて、部分エリアApにおける部品91の位置および姿勢を供給状態として取得する。このような構成により、制御装置50は、バルクフィーダ60によるバルク状態での部品91の供給に対応した装着ヘッド33の採取動作を可能としている。
【0035】
本実施形態において、制御装置50は、マーク処理部52を有する。マーク処理部52は、機内に位置決めされた基板90の位置を取得するマーク処理を実行する。詳細には、マーク処理部52は、先ず機内に位置決めされた基板90の基板マークMcを撮像可能な位置に基板カメラ42を移動させる。このとき、基板90の位置にはある程度の誤差が含まれ得るが、基板マークMcが基板カメラ42のカメラ視野に収まるように基板カメラ42が移動される。
【0036】
マーク処理部52は、次に基板マークMcを撮像対象とした基板カメラ42の撮像により画像データを取得する。マーク処理部52は、取得した画像データに基づいて基板の位置を取得するマーク処理を実行する。具体的には、マーク処理部52は、画像データに含まれる基板マークMcから算出される基板90の基準座標と、撮像時における基板カメラ42の位置座標とに基づいて、基板90の位置を取得する。
【0037】
3.部品装着機1による生産処理
部品装着機1による基板製品の生産処理について
図6を参照して説明する。先ず、基板搬送装置10は、基板90の搬入処理を実行する(S10)。これにより、機内に基板90が搬入されるとともに、機内の所定位置に位置決めされる。続いて、制御装置50は、基板90に部品91を装着する装着処理を実行する(S50)。制御装置50は、装着処理(S50)が終了した後に、基板90の搬出処理を実行する(S60)。これにより、基板90がアンクランプされ、機外に基板90が搬出される。
【0038】
ここで、制御装置50は、装着処理(S50)の効率化を図るために、装着ヘッド33による採取動作または装着動作の実行中に次回以降の採取動作を行う部分エリアApを対象とした画像処理を並列して実行させる。上記のように、装着ヘッド33による採取動作および装着動作を含むピックアンドプレースサイクル(以下、「PPサイクル」)と画像処理を並列に実行する装着処理(S50)は、例えば下記の2つの態様により実行される。
【0039】
3-1.装着処理の第一態様
装着処理の第一態様において、制御装置50は、今回のPPサイクルと、次回のPPサイクルにおいて採取動作を行う部分エリアApを対象とした画像処理とを並列して実行させる。ここで、バルクフィーダ60により複数の部品91が供給される供給エリアAsには、
図3に示すように、2つの部分エリアApである第一部分エリアAp1および第二部分エリアAp2が設定されているものとして説明する。
【0040】
装着処理の第一態様において、制御装置50は、
図7に示すように、先ず供給エリアAsの撮像処理(S20)を実行する。詳細には、制御装置50は、供給エリアAsを対象とした画像データの取得の要否を判定する(S21)。制御装置50は、例えばバルクフィーダ60による供給エリアAsへの部品91の追加供給がされるなど、供給エリアAsにおける複数の部品91の供給状態に変動があった場合に(S21:Yes)、画像データの取得処理を実行する(S22)。
【0041】
画像データの取得処理(S22)において、制御装置50は、後の画像処理(S40)に含まれるマルチフレーム型の超解像処理に用いられる複数の画像データを取得するために、基板カメラ42の移動および撮像を規定回数に亘って繰り返す。これにより取得された複数の画像データのそれぞれには、供給エリアAsのうち装着ヘッド33の可動範囲Rmと重複する重複エリアArの全域が含まれる。つまり、複数の画像データのそれぞれには、第一部分エリアAp1および第二部分エリアAp2がともに含まれている。
【0042】
前回の撮像処理(S20)の後に、採取動作により採取された部品91が減少したのみで他の部品91の位置などに変化がない場合には(S21:No)、制御装置50は、画像データの取得処理(S22)を省略する。続いて、制御装置50は、供給エリアAsにある部品91のうち状態認識された部品91の数(以下、「残数Nf」)と、今回のPPサイクル(S30)で基板90に装着される同種の部品91の数(以下、「装着数Np」)とを比較する(S25)。
【0043】
ここで、後述する状態認識処理(S42)では、1回のPPサイクル(S30)で採取可能な部品91の最大数を超えた数の部品91の供給状態が認識され得る。そのため、前回のPPサイクル(S30)を終えた後でも供給エリアAsにある部品91には状態認識されたものが含まれることがある。その状態認識された部品91の数が残数Nfである。
【0044】
残数Nfが装着数Npより小さい場合には(S25:No)、PPサイクル(S30)を実行する前に、供給エリアAsにおける部品91の供給状態を取得するために画像処理(S40)を実行する。また、画像データの取得処理(S22)を実行した場合には、残数Nfはリセットされて0となるため、同様に画像処理(S40)が実行される。画像処理(S40)の結果は、今回のPPサイクル(S30)における採取動作(S31)に用いられる。
【0045】
ここで、今回のPPサイクル(S30)において採取動作(S31)を行う部分エリアApが第一部分エリアAp1である場合に、画像処理(S40)は、今回のPPサイクル(S30)において採取動作(S31)を行う第一部分エリアAp1を対象とする。詳細には、画像処理部51は、S20にて取得された複数の画像データのうち第一部分エリアAp1に対応する一部を対象として超解像処理を実行する(S41)。これにより、画像処理部51は、一部のみが元の画像データより解像度が高められた高解像度データを取得する。
【0046】
続いて、画像処理部51は、高解像度データに基づいて、状態認識処理を実行する(S42)。これにより、画像処理部51は、第一部分エリアAp1における部品91の位置および姿勢を供給状態として取得する。また、画像処理部51は、状態認識処理(S42)において状態認識された部品91の数をカウントし、残数Nfの初期値として入力する。
【0047】
続いて、制御装置50は、PPサイクル(S30)および画像処理(S40)を並列して実行させる。ここで、上記の画像処理(S40)の結果は、今回のPPサイクル(S30)ではなく次回のPPサイクル(S30)における採取動作(S31)に用いられる。つまり、並列に実行される画像処理(S40)は、次回以降のPPサイクル(S30)において採取動作(S31)を行う第二部分エリアAp2を対象とする。
【0048】
詳細には、画像処理部51は、S20にて取得された複数の画像データのうち第二部分エリアAp2に対応する一部を対象として超解像処理を実行する(S41)。これにより、画像処理部51は、一部のみが元の画像データより解像度が高められた高解像度データを取得する。続いて、画像処理部51は、高解像度データに基づいて、状態認識処理を実行する(S42)。これにより、画像処理部51は、第二部分エリアAp2における部品91の位置および姿勢を供給状態として取得する。
【0049】
また、PPサイクル(S30)において、採取動作(S31)の実行回数および装着動作(S33)の実行回数が装着数Npに達したかが判定される(S32,S34)。これにより、装着数Npの部品91が採取されるとともに基板90に装着される。なお、PPサイクル(S30)の装着動作(S33)には、部品カメラ41またはヘッドカメラユニット(図示しない)の撮像により取得された画像データに基づく部品91の保持状態の認識処理が含まれることがある。
【0050】
上記のように並列に実行されるPPサイクル(S30)および画像処理(S40)において、画像処理部51は、状態認識処理(S42)において新たに状態認識された部品91の数をカウントし、現在の残数Nfに加算する。また、画像処理部51は、今回のPPサイクル(S30)の実行に伴って、現在の残数Nfから装着数Npを減算する。制御装置50は、全てのPPサイクル(S30)が終了しない場合に(S51:No)、上記の処理(S20,S30,S40)を複数回に亘って繰り返す。
【0051】
2回目以降において、例えばバルクフィーダ60による供給エリアAsへの部品91の追加供給がなければ、撮像処理(S20)において画像データの取得処理(S22)が不要と判定される(S21:No)。そして、状態認識された部品91の残数Nfが今回のPPサイクル(S30)の装着数Np以上の場合に(S25:No)、画像処理(S40)が省略される。
【0052】
また、バルクフィーダ60による供給エリアAsへの部品91の追加供給がなされると、撮像処理(S20)が実行される。そして、一方の部分エリアApを対象とした画像処理(S40)がPPサイクル(S30)の前に実行され、他方の部分エリアApを対象とした画像処理(S40)がPPサイクル(S30)と並列して実行される。制御装置50は、全てのPPサイクル(S30)が終了した場合に(S51:Yes)、装着処理(S50)を終了する。
【0053】
3-2.装着処理の第二態様
装着処理の第二態様において、制御装置50は、今回のPPサイクルにおいて画像処理が終了した部分エリアApから部品91を採取する採取動作と、未実行の採取動作を行う別の部分エリアApを対象とした画像処理とを並列して実行させる。装着処理の第二態様において、制御装置50は、
図8に示すように、先ず供給エリアAsの撮像処理(S20)を実行する。
【0054】
ここで、後述する画像処理(S140)では、次回のPPサイクル(S130)の採取動作(S131)に結果が用いられる状態認識処理(S145)が実行される。そのため、前回のPPサイクル(S130)を終えた後に、既に状態認識された部品91を含む部分エリアApがある場合がある。制御装置50は、上記のように既に状態認識処理(S145)を実行された部分エリアApがない場合には(S125:No)、部分エリアApの設定処理(S126)、およびPPサイクル(S130)の実行前の画像処理(S40)を実行する。
【0055】
部分エリアApの設定処理(S126)では、撮像処理(S20)において取得された複数の画像データの一つに対してY方向に部品91の数をカウントし、必要数が確保されるように複数の部分エリアApを設定する。ここでは、上記の必要数は、例えば装着ヘッド33が1回のPPサイクル(S130)において採取可能な部品91の最大数の半数に設定される。これにより、供給エリアAsには、
図4に示すように、複数の部分エリアApである第一部分エリアAp1、第二部分エリアAp2、第三部分エリアAp3、・・・が設定される。
【0056】
また、画像データの取得処理(S22)を実行した場合には、過去に使用された複数の部分エリアApがリセットされているため、同様に部分エリアApの設定処理(S126)が実行される。ここで、今回のPPサイクル(S130)において採取動作(S131)を行う部分エリアApが第一部分エリアAp1および第二部分エリアAp2である場合に、画像処理(S40)は、今回のPPサイクル(S130)において一部の採取動作(S31)を行う第一部分エリアAp1を対象とする。
【0057】
続いて、制御装置50は、PPサイクル(S130)および画像処理(S140)を並列して実行させる。ここで、上記の画像処理(S140)の結果は、今回のPPサイクル(S130)および次回のPPサイクル(S130)における採取動作(S131)に用いられる。つまり、並列に実行される画像処理(S140)は、未実行の採取動作(S131)を行う第二部分エリアAp2と、次回のPPサイクル(S130)において採取動作(S131)を行う第三部分エリアAp3を対象とする。
【0058】
詳細には、画像処理部51は、S20にて取得された複数の画像データのうち第二部分エリアAp2に対応する一部を対象として超解像処理を実行する(S141)。これにより、画像処理部51は、一部のみが元の画像データより解像度が高められた高解像度データを取得する。続いて、画像処理部51は、高解像度データに基づいて、状態認識処理を実行する(S142)。これにより、画像処理部51は、第二部分エリアAp2における部品91の位置および姿勢を供給状態として取得する。
【0059】
また、制御装置50は、PPサイクル(S130)において、第一部分エリアAp1を対象とした採取動作(S131)の実行回数が装着数Npの半分に達したかを判定する(S132)。これにより、採取動作(S131)が繰り返され、装着数Npの半分の部品91が採取される。続いて、制御装置50は、装着数Npの半分の部品91の採取、および第二部分エリアAp2を対処とした状態認識処理(S142)が終了した後に、第二部分エリアAp2を対象とした採取動作(S133)を実行する。
【0060】
以降のPPサイクル(S130)において、採取動作(S131,S133)の実行回数および装着動作(S135)の実行回数が装着数Npに達したかが判定される(S134,S136)。これにより、装着数Npの部品91が採取されるとともに基板90に装着される。また、採取動作(S133)および装着動作(S135)に並列して実行される画像処理(S140)において、画像処理部51は、部分エリアApの設定処理(S126)において設定された複数の部分エリアApのうち状態認識処理の対象とされていないものがあるか否かを判定する(S143)。
【0061】
画像処理部51は、状態認識処理が未実行の部分エリアAp(例えば、第三部分エリアAp3)がある場合に(S143:Yes)、この第三部分エリアAp3に対する超解像処理(S144)および状態認識処理(S145)を実行する。この状態認識処理(S145)の結果は、次回のPPサイクル(S130)における前半の採取動作(S131)に用いられる。制御装置50は、全てのPPサイクル(S130)が終了しない場合に(S51:No)、上記の処理(S20,S40,S130,S140)を複数回に亘って繰り返す。
【0062】
2回目以降において、例えばバルクフィーダ60による供給エリアAsへの部品91の追加供給がなければ、撮像処理(S20)において画像データの取得処理(S22)が不要と判定される(S21:No)。そして、既に状態認識処理(S145)をされた部分エリアApがある場合に(S125:Yes)、画像処理(S140)が省略される。
【0063】
また、バルクフィーダ60による供給エリアAsへの部品91の追加供給がなされると、撮像処理(S20)が実行される。そして、部分エリアApの設定処理(S126)が再度実行されるとともに、一つの部分エリアApに対する画像処理(S40)がPPサイクル(S130)の前に実行される。その後に、他の部分エリアApに対する画像処理(S140)がPPサイクル(S130)と並列して実行される。制御装置50は、全てのPPサイクル(S130)が終了した場合に(S51:Yes)、装着処理(S50)を終了する。
【0064】
3-3.装着処理のその他の態様
上記のような装着処理の第一態様および第二態様によると、PPサイクル(S30,S130)と画像処理(S40,S140)が並列して実行される。何れの装着処理(S50)において、例えば基板90が機内に搬入された直後の状態では、1回目のPPサイクル(S30,S130)の前に状態認識処理(S42)が実行される必要が生じる。つまり、1回目のPPサイクル(S30,S130)は、最初の状態認識処理(S42)が終了するまで開始できない。
【0065】
これに対して、制御装置50は、最初の状態認識処理(S42)を含む画像処理(S40)と、マーク処理部52によるマーク処理とを並列に実行させるようにしてもよい。具体的には、制御装置50は、
図9に示すように、基板90の搬入処理(S10)と、供給エリアAsの撮像処理(S120)とを並列に実行する。つまり、基板搬送装置10が基板90の搬入および位置決め(S11)を行っている期間に、基板カメラ42を供給エリアAsの上方に移動させて撮像処理を実行する(S120)。
【0066】
次に、マーク処理部52は、基板90の基板マークMcを撮像可能な位置に基板カメラ42を移動させ、基板カメラ42の撮像により画像データを取得する(S12)。マーク処理部52は、取得した画像データに基づいて基板90の位置を取得する(S13)。画像処理部51は、上記のマーク処理(S12,S13)に並列して、画像処理(S240)を実行する。
【0067】
上記の画像処理(S240)は、例えば装着処理の第一態様にて例示したように固定型の部分エリアApを採用する場合には、複数の部分エリアApの一つを対象とする。また、画像処理(S240)は、例えば装着処理の第二態様にて例示したように変動型の部分エリアApを採用する場合には、部分エリアApの設定処理(S126)が先に実行され、これにより設定された複数の部分エリアApの一つを対象とする。
【0068】
また、装着処理の第一態様にて例示した固定型の部分エリアApについては、3以上の部分エリアApが設定され、PPサイクルに並列して画像処理が順次実行されるようにしてもよい。また、装着処理の第二態様にて例示した変動型の部分エリアApについては、装着数Npの半数が含まれるように複数の部分エリアApを設定したが、装着数Npの半分未満としてもよいし、
図5に示すように、部品91が一つ含まれるようにしてもよい。
【0069】
なお、複数の部分エリアApのそれぞれが一つの部品91が含まれるように設定される態様においては、例えば複数の部分エリアApのうち装着数Npの半数でグルーピングすることにより装着処理の第二態様と同様に処理することが可能である。このような構成によると、例えば超解像処理のように処理負荷の高い画像処理が実行される範囲を狭くすることができる。
【0070】
4.実施形態の構成による効果
実施形態の部品装着機1は、画像処理(S40,S140,S240)の結果に基づいて装着ヘッド33による採取動作(S31,S131,S133)を制御し、装着ヘッド33による採取動作または装着動作(S33,S135)の実行中に次回以降の採取動作を行う部分エリアApを対象とした画像処理(S40,S140)を並列して実行させる制御装置50を備える。
【0071】
このような構成によると、装着ヘッド33の採取動作(S31,S131,S133)または装着動作(S33,S135)の実行中に次回以降の採取動作に必要となる画像処理を並列して実行させる。これにより、装着ヘッド33の動作と画像処理(S40,S140)が重複し、装着ヘッド33の機械動作を効率的に実行できる。また、全体として装着処理(S50)の所要時間の短縮を図ることができる。
【0072】
5.実施形態の変形態様
5-1.画像処理について
実施形態において、画像処理には、超解像処理が含まれる構成とした。画像処理における超解像処理は、部品供給装置20が供給する部品91の種類や寸法などに応じて、生成する高解像度データの解像度を設定してもよい。これに伴い、撮像処理において取得される画像データの数が変動する。また、供給する部品91の寸法が十分に確保されている場合には、画像処理における超解像処理を省略してもよい。
【0073】
実施形態において、画像処理において供給エリアAsを対象とした画像データの取得に基板カメラ42が兼用される構成とした。これに対して、部品装着機1は、供給エリアAsを撮像可能であれば、種々のカメラを適用できる。例えば、装着ヘッド33に一体的に設けられたヘッドカメラユニットや、部品供給装置20に設けられた専用カメラを備える構成としてもよい。
【0074】
なお、上記の専用カメラは、供給エリアAsの上方に配置される他に、供給エリアAsの下方に配置される構成としてもよい。この場合に、例えば供給エリアAsは、部品供給装置20により複数の部品91が不規則な姿勢で供給される透明の支持台の支持面に相当する。また、専用カメラを備える構成において、実施形態にて例示したように画像処理に超解像処理が含まれる場合には、供給エリアAsに対して専用カメラを相対移動させる移動装置を要する。移動装置は、専用カメラおよび支持台の少なくとも一方を移動させる。
【0075】
また、部品供給装置20のバルクフィーダ60は、供給した部品91が重なっていたり接触していたりする場合に、振動などを加える振動装置を備えてもよい。このような構成において、振動装置が動作した場合に、制御装置50は、実施形態にて例示したように、バルクフィーダ60による供給エリアAsへの部品91の追加供給がなされたときと同様の処理をすることにより対応することができる。
【0076】
5-2.保持部材について
実施形態において、部品91を保持する保持部材は、負圧エアにより吸着して部品91を保持する吸着ノズル34である。これに対して、保持部材は、開閉可能な複数の爪により部品91を挟んで保持するチャックや、磁力により部品91を保持する電磁石などを採用し得る。このような構成においても実施形態と同様の効果を奏する。
【0077】
5-3.作業機について
実施形態において、作業機は、部品装着機である態様を例示した。これに対して、作業機は、基板に部品を装着する部品装着機と異なる態様を採用し得る。つまり、作業機は、ワーク供給装置により供給されるワークを作業ヘッドにより採取し、採取したワークを用いて種々の所定作業を行ってもよい。上記の所定作業には、対象物にワークとしてのボルトなどをねじ締めする作業、対象物にワークを組み付ける作業、配置用トレイなどにワークとしての部品を整列させる作業などが含まれる。
【0078】
上記のような態様において、作業ヘッドは、供給エリアAsに設定される複数の部分エリアApからワークを採取する採取動作、および採取したワークを用いた所定の作業動作を行う。そして、制御装置50は、実施形態と同様に、作業ヘッドによる採取動作または作業動作の実行中に、次回以降の採取動作を行う部分エリアApを対象とした画像処理を並行して実行させる。これにより、作業機は、実施形態にて例示した構成と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0079】
1:部品装着機(作業機)、 10:基板搬送装置、 20:部品供給装置(ワーク供給装置)、 60:バルクフィーダ、 30:部品移載装置、 33:装着ヘッド(作業ヘッド)、 34:吸着ノズル(保持部材)、 42:基板カメラ、 50:制御装置、 51:画像処理部、 52:マーク処理部、 90:基板、 91:部品(ワーク)、 Mc:基板マーク、 As:供給エリア、 Ap,Ap1,Ap2,Ap3:部分エリア、 Ar:重複エリア、 Rm:可動範囲