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▶ スプレッドトラム コミュニケーションズ(シャンハイ) カンパニー リミテッドの特許一覧

特許7231711UEの間欠受信を制御および指示するための方法および装置、記憶媒体、端末、および基地局
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】UEの間欠受信を制御および指示するための方法および装置、記憶媒体、端末、および基地局
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20230221BHJP
   H04W 72/1268 20230101ALI20230221BHJP
【FI】
H04W52/02 111
H04W72/1268
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021510332
(86)(22)【出願日】2019-07-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-23
(86)【国際出願番号】 CN2019096788
(87)【国際公開番号】W WO2020042825
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-04-09
(31)【優先権主張番号】201811009517.1
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520122781
【氏名又は名称】スプレッドトラム コミュニケーションズ(シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】グ,シャンシン
【審査官】▲高▼橋 真之
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-522228(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0223735(US,A1)
【文献】特開2015-213312(JP,A)
【文献】Ericsson, ST-Ericsson, Broadcom, Qualcomm,DRX during UL scheduling[online],3GPP TSG-RAN WG2#79bis R2-124962,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_79bis/Docs/R2-124962.zip>,2012年09月29日
【文献】Samsung,Clarification on starting of drx-HARQ-RTT-TimerDL[online],3GPP TSG RAN WG2 #103 R2-1813048,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_103/Docs/R2-1813048.zip>,2018年08月26日
【文献】Renesas Mobile Europe,Active time for Scheduling Request[online],3GPP TSG-RAN WG2#79bis R2-125022,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_79bis/Docs/R2-125022.zip>,2012年10月08日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
NTN通信において、ユーザ機器(UE)の間欠受信(DRX)を制御するための方法であって、
メディア・アクセス制御(MAC)エンティティがスケジューリング要求(SR)を送信したときから、該SRに応答するアップリンク・グラント(UP grant)が得られるであろうときまでの、最短期間を決定するステップと、
前記SRに関してSR応答ラウンド・トリップ・タイム・タイマ(sr-Response-RTT-Timer)を割り当てるステップであって、前記sr-Response-RTT-Timerのタイミングは前記最短期間と等しく、前記UEは、前記sr-Response-RTT-Timerが動いているときにアクティブ状態から抜けることを試みる、ステップと
を含み、前記sr-Response-RTT-Timerが動いているときに前記アクティブ状態から抜けることを試みる、ということは、前記sr-Response-RTT-Timerが動いており、前記UEを前記アクティブ状態にとどめる他の何れの条件も適合しない間に、前記UEが前記アクティブ状態から抜け出して、前記UEの電力消費を低減する状態にする、ということを意味し、
当該方法が、更に、前記SRに関して前記sr-Response-RTT-Timerを割り当てる前記ステップの前に、DRXコンフィギュレーション情報を受け取るステップを含み、
前記DRXコンフィギュレーション情報が、前記SRの前記sr-Response-RTT-Timerのコンフィギュレーション情報を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記UEがDRXを用いるようにコンフィギュレーションされ、且つ前記SRが物理上り制御チャンネル(PUCCH)を介して送られる場合、前記SRを前記PUCCHを介して送信するときに前記SRの前記sr-Response-RTT-Timerを始動させるステップ
を更に含む方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記SRの前記sr-Response-RTT-Timerを始動させるステップは、
前記UEが前記PUCCHを介して前記SRを送信した後の最初のシンボルにおいて、前記SRの前記sr-Response-RTT-Timerを始動させるように、前記MACエンティティをコンフィギュレーションするステップ
を含む、方法。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れかに記載の方法であって、ネットワークにより送られた前記DRXコンフィギュレーション情報を受け取る前記ステップは、
無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して前記ネットワークにより送られた前記DRXコンフィギュレーション情報を受け取るステップ
を含む、方法。
【請求項5】
請求項1ないしの何れかの請求項に記載の方法であって、前記MACエンティティが前記PUCCHを介して前記SRを送るとき、DRXサイクルのアクティブ期間は、少なくとも、
前記SRの前記sr-Response-RTT-Timerが満了し、前記SRが保留中である期間
を含む、方法。
【請求項6】
NTN通信において、ユーザ機器(UE)の間欠受信(DRX)を制御するための装置であって、
メディア・アクセス制御(MAC)エンティティがSRを送信したときから、該SRに応答するアップリンク・グラント(UP grant)が得られるであろうときまでの最短期間を決定するために適用される決定モジュールと、
前記SRに関してSR応答ラウンド・トリップ・タイム・タイマ(sr-Response-RTT-Timer)を割り当てるために適用される割り当てモジュールであって、前記sr-Response-RTT-Timerのタイミングは前記最短期間と等しく、前記UEは、前記sr-Response-RTT-Timerが動いているときにアクティブ状態から抜けることを試みるものである、割り当てモジュールと、
を含み、前記sr-Response-RTT-Timerが動いているときに前記アクティブ状態から抜けることを試みる、ということは、前記sr-Response-RTT-Timerが動いており、前記UEを前記アクティブ状態にとどめる他の何れの条件も適合しない間に、前記UEが前記アクティブ状態から抜け出して、前記UEの電力消費を低減する状態にする、ということを意味し
前記割り当てモジュールにおいて前記SRに関して前記sr-Response-RTT-Timerを割り当てるのよりも前に、DRXコンフィギュレーション情報が受け取られ、前記DRXコンフィギュレーション情報が、前記SRの前記sr-Response-RTT-Timerのコンフィギュレーション情報を含む、装置。
【請求項7】
NTN通信において、ユーザ機器(UE)の間欠受信(DRX)を指示するための基地局とUEとを含むシステムであって、前記基地局が、
DRXコンフィギュレーション情報を決定するために適用される決定モジュールであって、前記DRXコンフィギュレーション情報は、SR応答ラウンド・トリップ・タイム・タイマ(sr-Response-RTT-Timer)のコンフィギュレーション情報を含み、前記sr-Response-RTT-Timerのタイミングは、UEのメディア・アクセス制御(MAC)エンティティが、SRに応答するアップリンク・グラント(UP grant)を得られるであろう最短期間と等しいものである、決定モジュールと、
前記DRXコンフィギュレーション情報を前記UEへ送るために適用される送信モジュールと、
を備え、
前記UEは、前記基地局によって送られた前記DRXコンフィギュレーション情報に従って前記SRに関して前記sr-Response-RTT-Timerを割り当て、前記sr-Response-RTT-Timerが動いているときにアクティブ状態から抜けることを試みるものであり、
前記sr-Response-RTT-Timerが動いているときに前記アクティブ状態から抜けることを試みる、ということは、前記sr-Response-RTT-Timerが動いており、前記UEを前記アクティブ状態にとどめる他の何れの条件も適合しない間に、前記UEが前記アクティブ状態から抜け出して、前記UEの電力消費を低減する状態にする、ということを意味し
前記UEが、前記SRに関して前記sr-Response-RTT-Timerを割り当てるのよりも前に、DRXコンフィギュレーション情報を受け取り、
前記DRXコンフィギュレーション情報が、前記SRの前記sr-Response-RTT-Timerのコンフィギュレーション情報を含む、システム。
【請求項8】
コンピュータ命令が格納された記録媒体であって、前記コンピュータ命令が実行されると、請求項1ないしの何れかの請求項に記載のユーザ機器の間欠受信を制御するための方法が行われる、記録媒体。
【請求項9】
メモリとプロセッサとを含む端末が提供され、前記メモリにはコンピュータ命令が記憶され、前記プロセッサが前記コンピュータ命令を実行したときに、請求項1ないしの何れかの請求項に記載のユーザ機器の間欠受信を制御するための方法が行われる、端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月31日に出願され、名称が「UEの間欠受信を制御および指示するための方法および装置、記憶媒体、端末、および基地局」である中国特許出願第201811009517.1の優先権の利益を主張するものであり、この参照によりその開示全体がここに組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、一般に、ワイヤレス通信技術の分野と関連し、より具体的には、ユーザ機器(UE)の間欠受信を制御するための方法および装置、UEの間欠受信を指示すたるめの方法および装置、記憶媒体、端末、および基地局と関連する。
【背景技術】
【0003】
Third Generation Partnership Project(3GPP)は、第5世代移動通信(5G)New Radio(NR)システムにおける非地上系ネットワーク(NTN)について研究している。5G NTN通信の研究範囲は、主に、宇宙用ビークルである対地静止軌道衛星(GEO)、中軌道衛星(MEO)、低軌道衛星(LEO)、および空中用ビークルである高高度プラットフォーム(HAPS)を含む。NTN通信の主な特徴は、そのラウンド・トリップ・タイム(RTT)が相対的に長いことであり、これは、一般に、数ミリ秒(略すとms)から数百ミリ秒を含む。表1は、様々なNTN通信の配備のシナリオにおける片道遅延を示す。RTTは片道遅延の2倍である。更に、表1はまた、地上ネットワークのセルラ通信(半径10キロメートル(略すとkm))の関連するパラメータを示す。
【0004】
【表1】
【0005】
現在、間欠受信(discontinuous reception)(DRX)は、主に、RTT時間が比較的短い地上ネットワークのために設計されている。DRX機構が、RTT時間の長いNTN通信へ直接的に適用された場合、DRX機構の省電力特性の利点を得ることは難しいであろう。
【0006】
したがって、NTN通信におけるDRX機構について更に研究する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
本開示の実施形態は、どのようにしてNTN通信においてDRXの利点を得るか、ということについての解決法を提供するので、端末は、間欠受信モードにおいて電力消費を低減することができる。
【0008】
本開示の1つの実施形態では、ユーザ機器(UE)の間欠受信(DRX)を制御するための方法が提供され、この方法は、メディア・アクセス制御(MAC)エンティティがスケジューリング要求(SR)を送信したときから、該SRに応答するアップリンク・グラント(UP grant)が得られるであろうときまでの、最短期間を決定することと、SRに関してSR応答ラウンド・トリップ・タイム・タイマ(sr-Response-RTT-Timer)を割り当てることとを含み、sr-Response-RTT-Timerのタイミングは最短期間と等しく、UEは、sr-Response-RTT-Timerが動いているときにアクティブ状態から抜けることを試みる。
【0009】
オプションとして、方法は、UEがDRXを用いるようにコンフィギュレーションされ、且つSRが物理上り制御チャンネル(Physical Uplink Control Channel)(PUCCH)を介して送られる場合において、SRをPUCCHを介して送信するときにSRのsr-Response-RTT-Timerを始動させることを更に含む。
【0010】
オプションとして、SRのsr-Response-RTT-Timerを始動させることは、UEがPUCCHを介してSRを送信した後の最初のシンボルにおいて、SRのsr-Response-RTT-Timerを始動させるように、MACエンティティをコンフィギュレーションすることを含む。
【0011】
オプションとして、方法は、SRに関してsr-Response-RTT-Timerを割り当てる前に、DRXコンフィギュレーション情報を受け取ることを更に含み、DRXコンフィギュレーション情報は、SRのsr-Response-RTT-Timerのコンフィギュレーション情報を含む。
【0012】
オプションとして、ネットワークにより送られたDRXコンフィギュレーション情報を受け取ることは、無線リソース制御(Radio Resource Control)(RRC)シグナリングを介してネットワークにより送られたDRXコンフィギュレーション情報を受け取ることを含む。
【0013】
オプションとして、MACエンティティがPUCCHを介してSRを送るとき、DRXサイクルのアクティブ期間は、少なくとも、SRのsr-Response-RTT-Timerが満了し、SRが保留中である期間を含む。
【0014】
オプションとして、sr-Response-RTT-Timerが動いているときにアクティブ状態から抜けることを試みる、ということは、sr-Response-RTT-Timerが動いており、UEをアクティブ状態にとどめる他の何れの条件も適合しない間に、UEがアクティブ状態から抜け出す、ということを意味する。
【0015】
本開示の実施形態では、UEの間欠受信を指示するための方法が提供され、この方法は、DRXコンフィギュレーション情報を決定することを含み、DRXコンフィギュレーション情報は、スケジューリング要求(SR)に対応するSR応答ラウンド・トリップ・タイム・タイマ(sr-Response-RTT-Timer)のコンフィギュレーション情報を含み、sr-Response-RTT-Timerのタイミングは、UEのメディア・アクセス制御(MAC)エンティティが、SRが送られた後に該SRに応答するアップリンク・グラント(UP grant)を得られるであろう最短期間と等しいものであり、かつ、方法は、DRXコンフィギュレーション情報をUEへ送ることを含み、それにより、UEは、DRXコンフィギュレーション情報に従ってSRに関してsr-Response-RTT-Timerを割り当て、sr-Response-RTT-Timerが動いているときにアクティブ状態から抜けることを試みる。
【0016】
オプションとして、DRXコンフィギュレーション情報をUEへ送ることは、DRXコンフィギュレーション情報を、無線リソース制御(RRC)シグナリングを介してUEへ送ることを含む。
【0017】
オプションとして、sr-Response-RTT-Timerが動いているときにアクティブ状態から抜けることを試みる、ということは、sr-Response-RTT-Timerが動いており、UEをアクティブ状態にとどめる他の何れの条件も適合しない間に、UEがアクティブ状態から抜け出す、ということを意味する。
【0018】
本開示の実施形態では、UEの間欠受信を制御するための装置が提供され、この装置は、メディア・アクセス制御(MAC)エンティティがSRを送信したときから、該SRに応答するアップリンク・グラント(UP grant)が得られるであろうときまでの最短期間を決定するために適用される決定モジュールと、SRに関してSR応答ラウンド・トリップ・タイム・タイマ(sr-Response-RTT-Timer)を割り当てるために適用される割り当てモジュールとを含み、sr-Response-RTT-Timerのタイミングは最短期間と等しく、UEは、sr-Response-RTT-Timerが動いているときにアクティブ状態から抜けることを試みる。
【0019】
本開示の実施形態では、UEの間欠受信を指示するための装置が提供され、この装置は、DRXコンフィギュレーション情報を決定するために適用される決定モジュールを含み、DRXコンフィギュレーション情報は、SR応答ラウンド・トリップ・タイム・タイマ(sr-Response-RTT-Timer)のコンフィギュレーション情報を含み、sr-Response-RTT-Timerのタイミングは、UEのメディア・アクセス制御(MAC)エンティティが、SRに応答するアップリンク・グラント(UP grant)を得られるであろう最短期間と等しいものであり、かつ、装置は、DRXコンフィギュレーション情報をUEへ送るために適用される送信モジュールを含み、それにより、UEは、DRXコンフィギュレーション情報に従ってSRに関してsr-Response-RTT-Timerを割り当て、sr-Response-RTT-Timerが動いているときにアクティブ状態から抜けることを試みる。
【0020】
本開示の実施形態では、コンピュータ命令が格納された記録媒体が提供され、コンピュータ命令が実行されると、ユーザ機器の間欠受信を制御するための前記方法、またはユーザ機器の間欠受信を指示するための前記方法が行われる。
【0021】
本開示の実施形態では、メモリとプロセッサとを含む端末が提供され、メモリにはコンピュータ命令が記憶され、プロセッサがコンピュータ命令を実行したときに、ユーザ機器の間欠受信を制御するための前記方法が行われる。
【0022】
本開示の実施形態では、メモリとプロセッサとを含む基地局が提供され、メモリにはコンピュータ命令が記憶され、プロセッサがコンピュータ命令を実行したときに、ユーザ機器の間欠受信を指示するための前記方法が行われる。
【0023】
本開示の実施形態は、下記の利点を提供し得る。
【0024】
本開示の実施形態では、ユーザ機器の間欠受信を制御するための方法は、MACエンティティがSRを送ってから、該SRに応答してUPグラントが得られるであろうときまでの最短期間を決定することと、SRに関してsr-Response-RTT-Timerを割り当てることとを含み、sr-Response-RTT-Timerのタイミングは最短期間と等しく、UEは、sr-Response-RTT-Timerが動いているときにアクティブ状態から抜けることを試みる。前記実施形態によると、sr-Response-RTT-Timerを用いるようにコンフィギュレーションされたDRXモードのUEは、NTN通信の特性(例えば、RTTは、一般に、数ミリ秒から数百ミリ秒)に効果的に適合し、これは、sr-Response-RTT-Timerが動作中にUEがアクティブ状態から抜けることを試みることを可能にし、それにより、端末の電力消費を効果的に低減し、DRXの省電力特性の利点を得られる。
【0025】
更に、ネットワークにより送られたDRXコンフィギュレーション情報が受け取られ、このDRXコンフィギュレーション情報はsr-Response-RTT-Timerのコンフィギュレーション情報を含む。前記実施形態によると、ネットワークがUEに関するsr-Response-RTT-Timerをコンフィギュレーションするので、UEは、sr-Response-RTT-Timerが動作中にアクティブ状態から抜けることを試みることができ、それにより、端末の電力消費を効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、従来技術におけるDRXにおけるデータ送信プロセスの間に動作するタイマの概略的な図である。
図2図2は、実施形態に従った、UEの間欠受信を制御するための方法のフロー・チャートを概略的に示す。
図3図3は、実施形態に従った、UEの間欠受信を指示するための方法のフロー・チャートを概略的に示す。
図4図4は、実施形態に従った、UEの間欠受信を制御するための装置の構造図を示す。
図5図5は、実施形態に従った、UEの間欠受信を指示するための装置の構造図を示す。
図6図6は、実施形態に従った、典型的な応用のシナリオでの信号通信対話の概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
背景に関して説明したように、DRXをNTN通信へ直接的に適用した場合にはDRXの省電力特性を得ることが難しいことを、当業者は理解することができる。
【0028】
5G NR通信において、ネットワークが、接続状態のユーザ機器(UE)に関するDRXモードをコンフィギュレーションし得ること、およびDRXモードのUEは物理下り制御チャンネル(Physical Downlink Control Channel)(PDCCH)を連続的に受信する必要がないことを、本開示の発明者は発見した。
【0029】
具体的には、接続状態にあり且つDRXモードにあるUEは、下記のパラメータおよび特性を有する。
【0030】
(1)DRX-ON期間タイマ(drx-onDurationTimer): DRXサイクルの開始スロットからであり、UEがアクティブ状態に保たれる期間であり、drx-onDurationTimerの動作期間中に、UEはアクティブ状態であり、PDCCHを監視することになっている。
【0031】
具体的には、様々なUEが様々なonDurationを有する。DRXサイクルの第1サブフレームおよび第1サブフレーム内のスロットを示すために、DRXスタート・オフセット(drx-StartOffset)を用いることができる。
【0032】
(2)DRX不活動タイマ(drx-InactivityTimer): PDCCH監視時間の後の期間であり、PDCCHは、メディア・アクセス制御(MAC)エンティティに新たなアップリンク(UL)送信またはダウンリンク(DL)送信を行わせるように、命令するために用いられる。UEは、UL/DL送信を示すPDCCHのダウンリンク制御インジケータ(Downlink Control Indicator)(DCI)を受信するたびに、drx-InactivityTimerを始動または再始動する。drx-InactivityTimerの動作中、UEはPDCCHを連続的に監視する。
【0033】
図1に示すように、DRXサイクルのonDuration期間の間、UEはアクティブ状態にとどまり、UEは、UL/DL送信を示すDCIを受信するたびに、drx-InactivityTimerを始動または再始動する。drx-InactivityTimerの動作中、UEはアクティブ状態にとどまり続ける。
【0034】
DL間欠受信ハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat reQuest)(HARQ)RTTタイマ(drx-HARQ-RTT-TimerDL): 各DL HARQプロセスについてHARQ再送信に関するDL割り当てがMACエンティティにより期待される前の最小期間。UEは、DLデータを受信して、該DLデータについての確認応答(ACK)を物理上り制御チャンネル(PUCCH)で送信した後に、drx-HARQ-RTT-TimerDLを始動させる。基地局は、データを処理するための処理時間と、データを送るための送信時間とを必要とするので、ネットワークは、drx-HARQ-RTT-TimerDLがアクティブ状態のときには、UEに対してのDLデータの再送信や別のDLデータの送信を行わない。
【0035】
(4)UL間欠受信HARQ RTTタイマ(drx-HARQ-RTT-TimerUL): 各UL HARQプロセスについてUL再送信に関するグラントが受信されるまでの最大期間。UEは、DLデータを送信した後にdrx-HARQ-RTT-TimerULを始動させる。基地局は、データを処理するための処理時間と、データを送るための送信時間とを必要とするので、基地局は、drx-HARQ-RTT-TimerULがアクティブ状態のときには、ULデータに関するHARQフィードバックを行わない。
【0036】
(5)DL間欠受信再送タイマ(drx-RetransmissionTimerDL): 各DL HARQプロセスについてDL再送信が受信されるまでの最大期間。drx-RetransmissionTimerDLは、drx-HARQ-RTT-TimerDLが満了した後に始動する。drx-RetransmissionTimerDLがアクティブであるとき、UEはアクティブ状態にとどまり、基地局により再送信された又はUEへ新たに送信されたデータ・ブロックを受け取るようにする。
【0037】
(6)UL間欠受信再送タイマ(drx-RetransmissionTimerUL): 各UL HARQプロセスについてUL再送信に関するグラントが受信されるまでの最大期間。drx-RetransmissionTimerULは、drx-HARQ-RTT-TimerULが満了した後に始動する。drx-RetransmissionTimerULがアクティブであるとき、UEはアクティブ状態にとどまり、基地局がULへ送信し得るULデータ・ブロックに対応するHARQフィードバックを受信するようにし、アップリンク・データ送信リソースを割り当てるようにする。
【0038】
更に、DRXサイクルがコンフィギュレーションされるとき、UEがアクティブ状態である期間は、drx-onDurationTimerまたはdrx-InactivityTimerまたはdrx-RetransmissionTimerDLまたはdrx-RetransmissionTimerULまたはra-ConnectionResolutionTimerが動作している期間、または、スケジューリング要求(SR)がPUCCHでUEにより送られ、保留中である期間であって、SRが保留中であるということは、SRはトリガされているがキャンセルされていないということを意味する(SRに対応するバッファ・ステータス・レポート(BSR)が送られるとき、SRはキャンセルされ得る)、期間、または、UEのMACエンティティが、UEにより選択されなかったランダム・アクセス・プリアンブルに応答するランダム・アクセス応答(RAR)の受信は成功したが、MACエンティティのCell-Radio Network Temporary Identifier(C-RNTI)へアドレスされた新たな送信を示すPDCCHを受信しなかった期間を含む。
【0039】
正常な環境では、データの送信および受信にDRXモードを用いると、接続されたUEの電力消費と応答速度とのバランスをとることができる。データの送信および受信の頻度が低下したとき、接続されたUEは、一般に、DRXモードへ入るようにコンフィギュレーションされる。
【0040】
従来技術では、DRX機構は、一般に、地上ネットワークのために設計されている。信号の空気伝播遅延は非常に短く、わずか数ミリ秒ないし数十ミリ秒なので、地上ネットワークのRTTは比較的短い。地上ネットワークの通信の遅延は、主に、一般に数ミリ秒であるデータ処理遅延に起因する。
【0041】
しかし、NTN通信はより長いRTTを有し、信号の空気伝播遅延は数ミリ秒や数百ミリ秒にも達し得る。現在のDRX機構の様々なタイマおよびパラメータがNTN通信へ直接的に適用された場合、下記の問題の原因となり得る。NTN通信のRTTの長さは数ミリ秒や数百ミリ秒なので、SRの送信後に基地局により割り当てられたULグラントの受信に少し時間がかかる。UEがこの期間中に維持する他のサービスが無い場合でも、UEはアクティブ状態にとどまる必要があり、結果として電力を消費する。
【0042】
本開示の実施形態では、ユーザ機器(UE)の間欠受信を制御するための方法が提供される。この方法は、メディア・アクセス制御(MAC)エンティティがスケジューリング要求(SR)を送信したときから、該SRに応答するアップリンク・グラント(UP grant)が得られるであろうときまでの、最短期間を決定することと、SRに関してSR応答ラウンド・トリップ・タイム・タイマ(sr-Response-RTT-Timer)を割り当てることとを含み、sr-Response-RTT-Timerのタイミングは最短期間と等しく、UEは、sr-Response-RTT-Timerが動いているときにアクティブ状態から抜けることを試みる。本開示の実施形態によると、DRXモードのUEをsr-Response-RTT-Timerを用いるようにコンフィギュレーションした場合、NTN通信の特性によると(例えば、RTTは、一般に、数ミリ秒ないし数百ミリ秒)、sr-Response-RTT-Timerが動作中にUEがアクティブ状態から抜け出すことを可能とすることができ、それにより、端末の電力消費を大きく低減でき、DRXモードの省電力の利点を効果的に得られる。
【0043】
本開示の実施形態の目的、特徴、および利点を明確にするために、本開示の実施形態を、添付の図面と関連させて明確に詳細に説明する。
【0044】
図2は、実施形態に従った、UEの間欠受信を制御するための方法のフロー・チャートを概略的に示す。この方法は、接続されDRXモードにあるUEに適用され、UEの電力消費を効果的に節約することを容易にする。
【0045】
幾つかの実施形態では、UEの間欠受信を制御するための方法はS101およびS102を含む。
【0046】
S101において、MACエンティティがSRを送信してから、該SRに応答してのUPグラントが期待されるまでの最短期間が、決定される。
【0047】
S102において、SRに関するsr-Response-RTT-Timerが割り当てられるが、ここにおいて、sr-Response-RTT-Timerのタイミングは最短期間と等しく、UEは、sr-Response-RTT-Timerが動いているときにアクティブ状態から抜けることを試みる。
【0048】
具体的には、ネットワーク側の基地局はDRXコンフィギュレーション情報を送ることができ、このDRXコンフィギュレーション情報は、sr-Response-RTT-Timerに関するコンフィギュレーション情報を含む。DRXコンフィギュレーション情報によると、UEは、各SRについてsr-Response-RTT-Timerを割り当てることができる。
【0049】
幾つかの実施形態では、基地局は、無線リソース制御(RRC)シグナリングを介してDRXコンフィギュレーション情報を送ることができ、それにより、UEのDRX動作を制御し、UEが各sr-Response-RTT-Timerおよびその様々なパラメータをコンフィギュレーションすることを可能にする。
【0050】
幾つかの実施形態では、基地局は、UEがRCCシグナリングを介して各SRに関してsr-Response-RTT-Timerをコンフィギュレーションすること及び割り当てることを可能とする。sr-Response-RTT-Timerのタイミングは、MACエンティティがSRを送信してから、該SRに応答してのUPグラントが期待されるまでの最短期間である。
【0051】
具体的には、基地局は、UEのMACエンティティがRCCシグナリングを介してSRをコンフィギュレーションしないこと、または1以上のSRをコンフィギュレーションすることを、可能とする。各SRは、様々なBand Width Part(BWP)またはセルにわたるSR送信のために使用されるPUCCHリソースを含む。
【0052】
S101において、UEが、送信されるアップリンク・データを有する場合、UEは、ネットワーク側の基地局へSRを送信することができる。具体的には、UEは、MACエンティティを介してSRを送信することができる。その後、UEは、SR応答についてのULグラントを得ることを期待する。UEは、SRの送信から該SRに応答してのUPグラントの獲得までの最短期間を決定するために、計算することができる。
【0053】
S102において、UEは、SRに関してのsr-Response-RTT-Timerを割り当てることができる。UEがSRを送信した後、SRのsr-Response-RTT-Timerが始動されるようにコンフィギュレーションすることができる。sr-Response-RTT-Timerの動作中に、UEがアクティブ状態にとどまることを必要とする他の何れのサービスも無い場合、UEは、アクティブ状態から抜け出すことを可能とされる。
【0054】
幾つかの実施形態では、ネットワークがUEについてのDRXをコンフィギュレーションし、UEにより送信されたSRがPUCCHを介してネットワークへ送信される場合には、SRが送信された後に、SRに対応するsr-Response-RTT-Timerが始動するようにコンフィギュレーションすることができる。より具体的には、MACエンティティは、UEがPUCCHを介してSRを送信した後の第1シンボル(例えば、直交波周波数分割多重(OFDM)シンボル)でSRのsr-Response-RTT-Timerを始動するように、コンフィギュレーションすることができる。sr-Response-RTT-Timerの動作中に、UEは、電力消費を減らすために、アクティブ状態から抜け出すことを試みることができる。
【0055】
具体的には、sr-Response-RTT-Timerの動作中に、UEがアクティブ状態から抜けることを試みることができる、ということは、sr-Response-RTT-Timerが動いており且つUEをアクティブ状態にとどめる他の条件に適合しないときに、UEがアクティブ状態から抜け出す、ということを意味する。UEをアクティブ状態にとどめる他の条件とは、UEをアクティブ状態にあるように制御できるsr-Response-RTT-Timerを動作させること以外の様々な条件のことであり得る。UEをアクティブ状態にとどめる必要がある何れかの条件がある場合、UEは、UEをアクティブ状態にとどめる必要があるその条件に従って、アクティブ状態にとどまることができるが、そうではなく、UEをアクティブ状態にとどめる必要がある何れかの条件も無い場合、sr-Response-RTT-Timerの動作中、UEは、電力消費を低減させるためにアクティブ状態から抜けることを試みることができる。
【0056】
sr-Response-RTT-Timerが満了し、対応するSRが保留中である場合、UEはアクティブ状態に入り、PDCCHを受信し、ULグラントを得ることを期待する。SRが保留中である、ということは、SRをトリガしたバッファ・ステータスが、PUCCHを介してネットワークへ報告されていない、ということを意味する。
【0057】
更に、sr-Response-RTT-Timerが満了し、SRがキャンセルされた場合、UEは、電力消費を低減するためにアクティブ状態から抜けることができる。
【0058】
UEのSRがsr-Response-RTT-Timerを用いるようにコンフィギュレーションされる場合、DRXサイクルのアクティブ期間は、drx-InactivityTimer、drx-RetransmissionTimerDL、drx-RetransmissionTimerUL、またはra-ConnectionResolutionTimerが動作している期間、または、UEのMACエンティティが、UEにより選択されなかったランダム・アクセス・プリアンブルに応答するRARの受信は成功したが、C-RNTIを用いての新たな送信を示すPDCCHを受信しなかった期間、または、sr-Response-RTT-Timerが満了し、SRが保留中である期間を含む。
【0059】
図3は、実施形態に従った、UEの間欠受信を指示するための方法のフロー・チャートを概略的に示す。この方法は、ネットワーク側、例えば、ネットワーク側の基地局に、適用することができる。方法は、S202とS202とを含む。
【0060】
S201において、DRXコンフィギュレーション情報が決定され、ここにおいて、DRXコンフィギュレーション情報は、SRに対応するsr-Response-RTT-Timerのコンフィギュレーション情報を含み、sr-Response-RTT-Timerのタイミングは、UEのMACエンティティが、SRが送信された後に該SRに応答してのUPグラントを得ることが期待される最短期間と等しい。
【0061】
S202において、DRXコンフィギュレーション情報がUEへ送られ、それにより、UEは、DRXコンフィギュレーション情報に従ってSRについてsr-Response-RTT-Timerを割り当てることがき、sr-Response-RTT-Timerが動いているときにアクティブ状態から抜けることを試みることができる。
【0062】
具体的には、S201において、基地局は、UEについてのDRXコンフィギュレーション情報をコンフィギュレーションすることができ、DRXコンフィギュレーション情報はsr-Response-RTT-Timerを含むことができる。sr-Response-RTT-Timerのタイミングは、UEのMACエンティティがSRの送信後に該SRに応答してのUPグラントを得ることが期待される最短期間と等しいものであり得る。
【0063】
S202において、基地局はDRXコンフィギュレーション情報をUEへ送ることができ、それにより、UEは、DRXコンフィギュレーション情報に従ってSRコンフィギュレーションのためにsr-Response-RTT-Timerを割り当てることができ、sr-Response-RTT-Timerが動いている間にアクティブ状態から抜けることを試みることができる。
【0064】
幾つかの実施形態では、基地局は、RRCシグナリングを介してDRXコンフィギュレーション情報をUEへ送ることができる。
【0065】
当業者には理解できるように、S201ないしS202は、図2と関連して実施形態において説明したS101ないしS102に対応する実装ステップと見なすことができ、特定の実装原理に関して2つの組は互いに相補的である。したがって、ネットワーク側のUEの間欠受信を指示するための方法の詳細な説明については、図2と関係する実施形態の関連説明を参照することができるので、ここではそれを反復しない。
【0066】
まとめると、本開示の実施形態によると、NTN通信における各UEと対応する衛星との間でのRTTの差は比較的大きいので、ネットワークは、UEについてのsr-Response-RTT-Timerをコンフィギュレーションすることができ、UEは、電力消費を低減するように、sr-Response-RTT-Timerが動いている間にアクティブ状態から抜けることを試みることができる。
【0067】
図4は、実施形態に従った、UEの間欠受信を制御するための装置の構造図を概略的に示す。UEの間欠受信を制御するための装置4(以下、短縮して制御装置4という)を、UE側に適用することができ、例えば、5G UEにより実行されることができる。当業者には理解できるように、制御装置4の実施形態は、図2に示すUEの間欠受信を制御するための前記方法を実施するために用いることができる。
【0068】
幾つかの実施形態では、制御装置4は、決定モジュール41と割り当てモジュール43とを含む。
【0069】
幾つか実施形態では、決定モジュール41は、MACエンティティがSRを送信してから、該SRに応答してのUPグラントが期待されるまでの最短期間を決定するために適用され、割り当てモジュール43は、SRについてのsr-Response-RTT-Timerを割り当てるために適用され、sr-Response-RTT-Timerのタイミングは最短期間と等しく、UEは、sr-Response-RTT-Timerが動いている間にアクティブ状態から抜けることを試みる。
【0070】
具体的には、sr-Response-RTT-Timerの動作中に、UEはアクティブ状態から抜けることを試みることができる、ということは、sr-Response-RTT-Timerが動作中であり且つUEをアクティブ状態にとどめる他の何れの条件も適合しない間に、UEはアクティブ状態から抜ける、ということを意味する。
【0071】
幾つかの実施形態では、制御装置4は、始動モジュール44を更に含むことができる。具体的には、UEがDRXを用いるようにコンフィギュレーションされ、SRがPUCCHを介して送られる場合、始動モジュール44は、スケジューリング要求を送るためにPUCCHが用いられたときに、SRについてのsr-Response-RTT-Timerを始動させるために適用される。
【0072】
幾つかの実施形態では、始動モジュール44は、始動サブモジュール441を含むことができる。具体的には、始動サブモジュールは、SRがPUCCHを介して送信された後の第1シンボルで、SRのsr-Response-RTT-Timerを始動させるために、MACエンティティをコンフィギュレーションするために、適用される。
【0073】
幾つかの実施形態では、制御装置4は、受信モジュール42を更に含むことができる。受信モジュール42は、SRについてのsr-Response-RTT-Timerを割り当てる前に、ネットワークにより送信されたDRXコンフィギュレーション情報を受信するために適用され、DRXコンフィギュレーション情報はsr-Response-RTT-Timerのコンフィギュレーション情報を含む。
【0074】
幾つかの実施形態では、受信モジュール42は、受信サブモジュール421を含み、これは、ネットワークによりRCCシグナリングを介して送信されたDRXコンフィギュレーション情報を受信するために適用される。
【0075】
更に、MACエンティティがPUCCHを介してSRを送信するとき、DRXサイクルのアクティブ期間は、少なくとも、SRのsr-Response-RTT-Timerが満了し且つSRが保留中である期間を含む。
【0076】
制御装置4の原理、詳細な実装、および利点は、図2に示す方法の上記の説明で見つけることができるので、ここでは説明しない。
【0077】
図5は、実施形態に従った、UEの間欠受信を指示するための装置の構造図を概略的に示す。UEの間欠受信を指示するための装置5(以下、略して指示装置5という)は、ネットワーク側に適用することができ、例えば、ネットワーク側の基地局により実行されることができる。当業者には理解されるように、指示装置5の実施形態は、図3に示すUEの間欠受信を指示するための前記方法を実施するために用いることができる。
【0078】
幾つかの実施形態では、指示装置5は、決定モジュール51と送信モジュール52とを含むことができる。
【0079】
幾つかの実施形態では、決定モジュール51は、DRXコンフィギュレーション情報を決定するために適用され、DRXコンフィギュレーション情報は、SRに対応するsr-Response-RTT-Timerのコンフィギュレーション情報を含み、sr-Response-RTT-Timerのタイミングは、UEのMACエンティティがSRを送信してから、該SRに応答してのUPグラントが期待されるまでの最短期間と等しく、送信モジュール52は、DRXコンフィギュレーション情報をUEへ送信するために適用され、それにより、UEは、DRXコンフィギュレーション情報に従って、SRについてのsr-Response-RTT-Timerを割り当て、sr-Response-RTT-Timerが動いている間にアクティブ状態から抜けることを試みる。
【0080】
具体的には、sr-Response-RTT-Timerの動作中に、UEがアクティブ状態から抜けることを試みることができる、ということは、sr-Response-RTT-Timerが動いており且つUEをアクティブ状態にとどめる他の条件に適合しないときに、UEがアクティブ状態から抜ける、ということを意味する。
【0081】
幾つかの実施形態では、送信モジュール52は送信サブモジュール521を含むことができ、これは、RCCシグナリングを介してUEへDRXコンフィギュレーション情報を送信するために適用される。
【0082】
指示装置5の原理、詳細な実装、および利点は、図3に示す方法の上記の説明で見つけることができるので、ここでは説明しない。
【0083】
本開示の実施形態に従ったユーザ機器とネットワーク(例えば、NR基地局)との間の信号通信対話は、更に、典型的な応用のシナリオと関連して以下で詳細に説明する。
【0084】
図6は、実施形態に従った、典型的な応用のシナリオでの信号通信対話の概略的な図である。図6を参照すると、UE1がネットワークの基地局2に属した後、基地局2は最初に動作s1を行うことができ、この動作では、DRXコンフィギュレーション情報がUE1へ送られる。
【0085】
第2に、UE1は動作s2を行い、この動作では、DRXコンフィギュレーション情報を受信した後、MACエンティティは、SRコンフィギュレーションを割り当てることができ、各SRコンフィギュレーションにsr-Response-RTT-Timerが割り当てられる。
【0086】
第3に、UE1は動作s3を行い、この動作では、送信されるべきアップリンク・データについてのSRが生成され、そのSRが基地局2へ送信される。したがって、UE1はsr-Response-RTT-Timerを始動させ、sr-Response-RTT-Timerが動いている間に、UE1はアクティブ状態から抜けることを試み得る。
【0087】
その後、sr-Response-RTT-Timerが満了してSRが保留中であるとき、UE1は動作s4を行うことができ、この動作では、UE1はアクティブ状態に入り、SRに応答してULグラントが受信されることを期待する。
【0088】
更に、基地局2は動作s5を行うことができ、この動作では、基地局2はULグラントをUE1へ送り、それにより、UE1は、送信されるべきアップリンク・データを送ることができる。
【0089】
図6に示す応用のシナリオでのUE1および基地局2の原理、詳細な実装、および利点は、図2および図3に示す方法の上記の説明で見つけることができるので、ここでは説明しない。
【0090】
本開示の実施形態では、コンピュータ命令が格納された記録媒体が提供され、前記コンピュータ命令が実行されると、図2および図3に示したUEの間欠受信を制御する方法および指示する方法が行われる。記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とすることができ、例えば、不揮発性または非一時的メモリとすることができる。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、リード・オンリ・メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(ROM)、磁気ディスク、光ディスク、その他を含むことができる。
【0091】
本開示の実施形態では、メモリとプロセッサとを含む端末が提供され、メモリにはコンピュータ命令が記憶され、プロセッサがコンピュータ命令を実行したときに、図2に示すUEの間欠受信を制御するための方法が行われる。オプションとして、端末は、ユーザ機器とすることができ、例えば、NR UEとすることができる。
【0092】
本開示の実施形態では、メモリとプロセッサとを含む基地局が提供され、メモリにはコンピュータ命令が記憶され、プロセッサがコンピュータ命令を実行したときに、図3に示すUEの間欠受信を指示するための方法が行われる。オプションとして、基地局は、衛星基地局とすることができ、例えば、衛星に設置されるNR基地局とすることができる。
【0093】
上記では、本開示について好適な実施形態を参照して説明したが、本開示を単に例を用いて示したものであり、限定を示すものではないことを、理解すべきである。当業者は、本開示の精神および範囲を逸脱せずに、実施形態を変更および改造することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6